JP2019083673A - インバータ並びにモータの駆動制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータを駆動制御する際の電流制御の不安定現象を抑制する。【解決手段】PWMインバータ2は、モータ3の駆動制御の際、モータ3のd,q軸電流指令値i*d,i*qと同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値id,iqと周波数指令値ωeとからデッドビート制御を行い第一のd,q軸電圧指令値を算出し、モータ3のd,q軸電流指令値i*d,i*qと同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値id,iqと周波数指令値ωeとからモータ3の離散化モデルに基づく演算により高調波を抑制させる第二のd,q軸電圧指令値を算出し、前記第一のd,q軸電圧指令値に前記第二のd,q軸電圧指令値を加算する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ(誘導電動機、永久磁石同機電動機)の駆動時に生じる電源の周波数に同期した電流歪を抑制する技術に関する。
モータ(誘導電動機、永久磁石同機電動機)をPWMインバータで駆動する際、インバータ内のスイッチング素子のゲート信号(オンオフ指令信号)に設けるデッドタイムによってインバータ電流(モータ電流)に歪が生じる。この歪はトルクの脈動や制御性能の劣化などの悪影響を及ぼすため、抑制する必要がある。
歪は電源の基本波周波数に同期した電流高調波として現れる。この電流高調波は主に基本波の−5,7,−11,13倍の周波数であり、基本波に同期した座標でみると6,12倍の周波数となる。
上記周波数の高調波歪が基本波に同期した周波数を持つことを利用して、電流のフィードバックによって歪を抑制する方法に、非特許文献1,2のPR制御(比例共振制御)を利用した高調波抑制法がある。
PR制御は演算負荷や使用するメモリが少なく実装が容易であるが、特定の周波数について高ゲインを持たせることが可能であり、効率的に歪成分を抑制することができる。
M. Liserre, R. Teodorescu and F. Blaabjerg. "Multiple harmonics control for three-phase grid converter systems with the use of PI-RES current controller in a rotating frame." IEEE Transactions on Power Electronics, vol.21, no.3, pp.836-841, May 2006. C. Liu, F. Blaabjerg, W. Chen and D. Xu. "Stator Current Harmonic Control With Resonant Controller for Doubly Fed Induction Generator." IEEE Transactions on Power Electronics, vol.27, no.7, pp.3207-3220, July 2012. O. Kukrer. "Discrete-time current control of voltage-fed three-phase pwm inverters." IEEE Transactions on Power Electronics, 11:260-269, 1996. 山本康弘,小玉貴志,山田哲夫,市岡忠士,丹羽亨,"PWM同期電流サンプルによる誘導電動機のディジタル電流制御法",電気学会論文誌D(産業応用部門誌),Vol.112(1992),No.7,P.613-622
特開2016−10311号公報
非特許文献2で述べられているように、電流制御とPR制御による高調波抑制を併用した場合、PR制御で抑制する周波数が電流制御の帯域を超えると不安定になることが知られている。
ディジタル制御においてPI(比例積分)電流制御の帯域の上限は電流制御周期で決まる(一般的に電流制御のサンプリング周波数の1/10程度である)。PWMインバータでは電流制御はキャリア信号(電圧指令と比較して、スイッチング素子のオンオフ信号を生成するための三角波信号)に同期して行われるので、電流制御周期はキャリア周波数(すなわち、スイッチング素子のスイッチング周波数)で決まる。スイッチング周波数を上げるとスイッチング素子のスイッチング損失が増加してしまうので、スイッチング周波数にも上限がある。
したがって、基本波周波数が高く高調波の周波数も高くなる高速モータや、効率や熱設計の面からスイッチング周波数を上げられない大容量モータを駆動する場合、PR制御では安定に高調波を抑制するための電流制御の帯域を確保できなくなる。このため、従来のPI電流制御とPR制御高調波抑制の組み合わせでは高速モータや大容量モータを定格回転数で回した時に不安定になるという問題があった。
本発明は、上記の事情の鑑み、モータを駆動制御する際の電流制御の不安定現象を抑制することを課題とする。
そこで、本発明の一態様は、モータを駆動制御するインバータであって、現在の時刻のモータのd,q軸電流検出値と前回のd,q軸電圧指令値と前回のd,q軸外乱電圧推定値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により次の時刻のd,q軸電流予測値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸電流予測値と当該モータのステータ抵抗及び磁束と周波数指令値とに基づき当該次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値と当該モータのd,q軸電流指令値と前記次の時刻のd,q軸電流予測値とに基づき当該次の時刻の第一のd,q軸電圧指令値を算出するデッドビート制御部と、前記モータのd,q軸電流指令値と同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値と前記周波数指令値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により高調波を抑制させる第二のd,q軸電圧指令値を算出する比例共振制御部と、前記第一のd,q軸電圧指令値に前記第二のd,q軸電圧指令値を加算して前記モータのd,q軸電圧指令値を算出する加算部とを有する。
本発明の一態様は、前記インバータにおいて、前記比例共振制御部は、前記周波数指令値の6倍の周波数指令値を前記離散化モデルに基づく演算に供して当該6倍の周波数の高調波を抑制させる前記第二のd,q軸電圧指令値を算出する。
本発明の一態様は、誘導電動機仕様のモータを駆動制御する請求項1または2に記載のインバータであって、前記モータの回転速度に基づき当該モータの機械角速度を検出する検出部と、外部からの速度指令値と前記機械角速度とに基づき前記モータのトルク指令値を出力する速度制御部と、前記機械角速度を電気角速度に変換する角速度変換部と、前記トルク指令値と前記モータの電気角速度とに基づき前記d,q軸電流指令値と前記周波数指令値とを出力するトルク制御部と、このトルク制御部からの周波数指令値の時系列信号を積分して電気角を算出する積分部と、前記トルク制御部からの周波数指令値と電流制御の周期の1.5倍値との積を算出する乗算部と、当該インバータの出力側の三相電流検出値を前記積分部からの電気角に基づき前記d,q軸電流検出値に変換する第一の座標変換部と、前記加算部からの前記d,q軸電圧指令値を前記積分部からの前記電気角と前記乗算部からの前記積の値との和に基づき三相電圧指令値に変換する第二の座標変換部と、この第二の座標変換部から供される三相電圧指令値に基づきパルス幅変調を行い生成した三相交流電圧を前記モータに出力するパルス幅変調部とをさらに備える。
本発明の一態様は、永久磁石同期電動機仕様のモータを駆動制御する請求項1または2に記載のインバータであって、前記モータの回転速度に基づき当該モータの機械角速度及び電気角を検出する検出部と、外部からの速度指令値と前記機械角速度とに基づき前記モータのトルク指令値を出力する速度制御部と、前記機械角速度を周波数指令値に変換する角速度変換部と、前記トルク指令値に基づき前記d,q軸電流指令値を出力するトルク制御部と、前記角速度変換部からの前記周波数指令値と電流制御の周期の1.5倍値との積を算出する乗算部と、当該インバータの出力側の三相電流検出値を前記検出部からの電気角に基づき前記d,q軸電流検出値に変換する第一の座標変換部と、前記加算部からの前記d,q軸電圧指令値を前記検出部からの電気角と前記乗算部からの前記積の値との和に基づき三相電圧指令値に変換する第二の座標変換部と、この第二の座標変換部から供される三相電圧指令値に基づきパルス幅変調を行い生成した三相交流電圧を前記モータに出力するパルス幅変調部とをさらに備える。
本発明の一態様は、インバータによるモータの駆動制御方法であって、現在の時刻のモータのd,q軸電流検出値と前回のd,q軸電圧指令値と前回のd,q軸外乱電圧推定値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により次の時刻のd,q軸電流予測値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸電流予測値と当該モータのステータ抵抗及び磁束と周波数指令値とに基づき当該次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値と当該モータのd,q軸電流指令値と前記次の時刻のd,q軸電流予測値とに基づき当該次の時刻の第一のd,q軸電圧指令値を算出する過程と、前記モータのd,q軸電流指令値と同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値と前記周波数指令値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により高調波を抑制させる第二のd,q軸電圧指令値を算出する過程と、前記第一のd,q軸電圧指令値に前記第二のd,q軸電圧指令値を加算して前記モータのd,q軸電圧指令値を算出する過程とを有する。
以上の本発明によればモータを駆動制御する際の電流制御の不安定現象を抑制できる。
本発明の一態様である誘導電動機仕様のモータを駆動制御するインバータを有するシステムのブロック構成図。 本発明の一態様である永久磁石同期電動機仕様対応のモータを駆動制御するインバータを有するシステムのブロック構成図。 図1,2のインバータに具備された電流制御部のブロック構成図。 図3の電流制御部に具備されたPR制御部のブロック構成図。 図3の電流制御部に具備されたデッドビート制御部のブロック構成図。 PI制御のブロック構成図。 (a)はPI制御(PI)とデッドビート制御(DB)のゲイン([dB])を比較した特性図、(b)はPI制御(PI)とデッドビート制御(DB)の位相([deg])を比較したBode線図。 キャリア周波数5kHz、電流制御の周期Ts=100μs、デッドタイム6μsのインバータで永久磁石同期電動機を100Hz(周波数指令値ωe=2π×100)で駆動したときの5次、7次の高調波成分の振幅を比較した表。 電流制御にPI制御を用いてPR制御による高調波抑制を行った場合の三相電流の波形図。 電流制御にデッドビート制御を用いてPR制御による高調波抑制を試みた場合の三相電流の波形図。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1,2に例示のモータ駆動システム1において、PWMインバータ2とモータ3は三相電線5で接続され、モータ3は負荷4にカップリングされている。
(PWMインバータ2の態様例1)
図1に例示されたモータ駆動システム1は誘導電動機仕様のモータ3を駆動制御するPWMインバータ2を備える。以下にPWMインバータ2の各機能部について説明する。
検出部20は、モータ3の回転速度に基づきモータ3の機械角速度を検出する。
速度制御部21は、外部からの速度指令値と前記機械角速度とに基づきモータ3のトルク指令値を出力する。
角速度変換部22は、前記機械角速度を電気角速度ωrに変換する。
トルク制御部23は、前記トルク指令値と電気角速度ωrとに基づき、d,q軸電流指令値i* d,i* qと周波数指令値ωeとを出力する。
積分部24は、トルク制御部23からの周波数指令値ωeの時系列信号を積分して電気角θeを算出する。
乗算部25は、トルク制御部23からの周波数指令値ωeと電流制御の周期Tsの1.5倍値との積を算出する。
座標変換部26(第一座標変換部に相当)は、PWMインバータ2の出力側で検出された三相電流検出値iu,iv,iwを、積分部24からの電気角θeに基づき、d,q軸電流検出値id,iqに変換する。
三相電流検出値iu,iv,iwは三相電線5に付帯された電流センサ7により検出される。電流センサ7は非特許文献4の電流検出方式により三相電流検出値iu,iv,iwを検出する。
電流制御部27は、トルク制御部23からのd,q軸電流指令値i* d,i* q及び周波数指令値ωeと座標変換部26からのd,q軸電流検出値id,iqとに基づき、d,q軸電圧指令値v* d,v* qを算出する。
座標変換部28(第二座標変換部に相当)は、電流制御部27からのd,q軸電圧指令値v* d,v* qを、積分部24からの電気角θeと乗算部25からの前記積の値との和に基づき、三相電圧指令値v* u,v* v,v* wに変換する。
パルス幅変調部29(以下、PWM部29)は、座標変換部28から供される三相電圧指令値v* u,v* v,v* wに基づきパルス幅変調(PWM)を行い生成した三相交流電圧をモータ3に出力する。
(PWMインバータ2の態様例2)
図2に例示されたモータ駆動システム1は永久磁石同期電動機仕様のモータ3を駆動制御するPWMインバータ2を備える。以下、PWMインバータ2の各機能部について説明する。
検出部20は、モータ3の回転速度に基づきモータ3の機械角速度及び電気角θeを検出する。
速度制御部21は、態様例1と同様に、外部からの速度指令と前記機械角速度とに基づきモータ3のトルク指令値を出力する。
角速度変換部22は、前記機械角速度を周波数指令値ωeに変換する。
トルク制御部23は、前記トルク指令値に基づきd,q軸電流指令値i* d,i* qを出力する。
乗算部25は、角速度変換部22からの周波数指令値ωeと電流制御の周期Tsの1.5倍値との積を算出する。
座標変換部26は、PWMインバータ2の出力側で電流センサ7により検出された三相電流検出値iu,iv,iwを、検出部20からの電気角θeに基づき、d,q軸電流検出値id,iqに変換する。
電流制御部27は、態様例1と同様に、トルク制御部23からのd,q軸電流指令値i* d,i* q及び周波数指令値ωeと座標変換部26からのd,q軸電流検出値id,iqとに基づき、d,q軸電圧指令値v* d,v* qを算出する。
座標変換部28は、電流制御部27からのd,q軸電圧指令値v* d,v* qを、検出部20からの電気角θeと乗算部25からの積の値との和に基づき三相電圧指令値v* u,v* v,v* wに変換する。
PWM部29は、態様例1と同様に、座標変換部28から供される三相電圧指令値v* u,v* v,v* wに基づきパルス幅変調(PWM)を行い生成した三相交流電圧をモータ3に出力する。
(電流制御部27の態様例)
電流制御部27は、図3に示されたように、デッドビート制御部11と比例共振制御部12(以下、PR制御部12)とを並列に実装する。
デッドビート制御部11,PR制御部12のいずれにも、d,q軸電流指令値i* d,i* qと同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値id,iqと周波数指令値ωeが入力される。
以下に電流制御部27の各機能部について説明する。
デッドビート制御部11は、モータ3のd,q軸電流指令値i* d,i* qと同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値id,iqと周波数指令値ωeとから第一のd,q軸電圧指令値v* d,DB,v* q,DBを算出する。
PR制御部12は、モータ3のd,q軸電流指令値i* d,i* qと同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値id,iqと周波数指令値ωeとからモータ3の離散化モデルに基づく演算により所定の高調波を抑制させる第二のd,q軸電圧指令値v* d,PR,v* q,PRを算出する。
加算部13は、デッドビート制御部11からの前記第一のd,q軸電圧指令値v* d,DB,v* q,DBにPR制御部12からの前記第二のd,q軸電圧指令値v* d,PR,v* q,PRを加算してモータ3のd,q軸電圧指令値v* d,v* qを算出する。
(PR制御部12の態様例)
PR制御部12は、図4に例示された制御のブロック構成を成し、同期座標系で所定の高調波(本態様例では周波数指令値の6倍の周波数である高調波)を抑制する。
PR制御部12は、モータ3のd,q軸電流指令値i* d,i* qと同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値id,iqと周波数指令値ωeとからモータ3の離散化モデルに基づく演算により所定の高調波を抑制させる電圧指令値v* PR(前記第二のd,q軸電圧指令値v* d,PR,v* q,PRに相当)を算出する。
前記演算にあたり、以下の式(1)を双一次変換によってディジタル電流制御の周期Tsで離散化したものが供される。式(1)において、sは微分演算子であり、KPRは電流比例制御のゲインである。
Figure 2019083673
尚、PR制御部12は、二次のIIRフィルタであるが、永久磁石同機電動機ではモータの回転速度、誘導電動機ではモータ3の回転速度および負荷に応じて、周波数指令値ωeが変動するため、係数は周波数指令値ωeに応じて変更できるようになっている。
(デッドビート制御部11の態様例)
デッドビート制御部11は、図5に例示されたように、電流予測部111、外乱電圧推定部112及び電圧指令計算部113を実装する。図示された電流,電圧は、ベクトルで表記してあり、説明の便宜上、電流is=[id,iq]T、電圧vs=[vd,vq]Tと示す(式(2)〜(4)も同様)。添え字kはディジタル電流制御のサンプリング時刻を表す。
電流予測部111は、現在の時刻に計測されたd,q軸電流検出値と前回のd,q軸電圧指令値と前回のd,q軸外乱電圧推定値とから前記モータの離散化モデルに基づく演算により次の時刻k+1のd,q軸電流予測値を算出する。
すなわち、電流予測部111は、現在の時刻のd,q軸電流検出値is,kと前回のd,q軸電圧指令値v* s,kと前回のd,q軸外乱電圧推定値^vl,kとから以下の式(2)の演算により1サンプル後(次の時刻k+1)の電流予測値^is,k+1を算出する。
Figure 2019083673
式(2)において、L-1は「モータ3が誘導電動機の場合は漏れインダクタンスLσの逆数を対角に持つ対角行列」「モータ3が永久磁石同期電動機の場合はd軸インダクタンスLdの逆数を1行1列目、q軸インダクタンスLqの逆数を2行2列目に持つ対角行列」である。Tsは「ディジタルd,q軸電流制御の周期」である。
外乱電圧推定部112は、電流予測部111から供された次の時刻k+1のd,q軸電流予測値^is,k+1とモータ3のステータ抵抗Rs及び磁束φrと周波数指令値ωeとに基づき当該次の時刻k+1のd,q軸外乱電圧推定値^vl,k+1を算出する。
すなわち、外乱電圧推定部112は、d,q軸電流予測値^is,k+1と角速度変換部22から供された周波数指令値ωeとから以下の式(3)の演算により次の時刻k+1のd,q軸外乱電圧推定値^vl,k+1を算出する。
Figure 2019083673
式(3)において、Rsは「モータ3のステータ抵抗」、Lは「モータ3が誘導電動機仕様の場合はLσを対角に持つ対角行列」「モータ3が永久磁石同期電動機仕様の場合はLdを1行1列目、Lqを2行2列目に持つ対角行列」である。また、モータ3が誘導電動機の場合、φrは二次磁束であり、推定値,指令値のいずれを用いてもよい。モータ3が永久磁石同期電動機仕様の場合、φrは永久磁石磁束λmで表され、φr=[λm,0]Tである。
電圧指令計算部113は、前記算出された次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値^vl,k+1とモータ3のd,q軸電流指令値i* s,kと前記次の時刻のd,q軸電流予測値^is,k+1とに基づき、以下の式(4)の演算により当該次の時刻のd,q軸電圧指令値v* sDB,k+1を算出する。
Figure 2019083673
(態様例1,2の作用及び動作の説明)
電動機のデッドビート電流制御部は、当該電動機が永久磁石同期電動機であれば例えば非特許文献3等、誘導電動機であれば例えば非特許文献4や特許文献1等の制御器に適用されている。
特に、本態様例のデッドビート制御部11はディジタル電流制御のサンプル時刻kにて次のサンプル時刻k+1の電流を予測し、この予測した電流に基づき算出したd,q軸電圧指令値を時刻k+1からk+2にかけて図1のPWM部29に出力することにより、時刻k+2の電流を電流指令値に一致させる。したがって、高周波数領域までゲインが一定となるという特徴を有する。
図7に図5のデッドビート制御(DB)と図6のPI制御(PI)のBode線図を示す。Bode線図は入力(図3のd,q軸電流指令値i* d,i* q)に対する出力(図3のd,q軸電流検出値id,iq)の周波数応答を見たものである。
特に、図7(a)はPI制御(PI)とデッドビート制御(DB)のゲイン(gain[dB])を比較したものである。PI制御(PI)のゲインが周波数の上昇にしたがって減衰するのに対し、デッドビート制御(DB)のゲインは高周波数領域までほぼ一定となる。PI制御器の帯域はゲインが直流付近のフラットな値から3dB程度下がった周波数なので、図7(b)に示されたPI制御の帯域はおよそ700Hzである。したがって、図3の電流制御において「デッドビート制御」ではなく「PI制御」を適用した場合、周波数指令値ωeの6倍の周波数である高調波が700Hz付近になると6倍高調波抑制のPR制御は不安定となる。これに対し、電流制御に「デッドビート制御」を適用した場合は700Hzを超えてもゲインは下がってこないため、PR制御は安定となる。
図8に示された表はキャリア周波数5kHz、ディジタル電流制御の周期Ts=100μs、デッドタイム6μsのインバータにより永久磁石同期電動機を100Hz(周波数指令値ωe=2π×100)で駆動したときの5次、7次の高調波成分の振幅を比較している。デッドビート制御の実施の際、PR制御によって高調波が抑制されていることがわかる。PI制御にPR制御を組み合わせると不安定となる。
図9は図8と同じ条件で電流制御にPI制御を用いてPR制御による高調波抑制を試みた場合の三相電流の波形図である。PR制御は0.17秒の時点で開始している。PR制御開始とともに電流が不安定になり発散することがわかる。
図10は図8と同じ条件で電流制御にデッドビート制御を用いてPR制御による高調波抑制を試みた場合の三相電流の波形図である。PR制御は0.17秒の時点で開始している。PR制御開始とともに電流の歪が抑制され、不安定になることもない。
(本実施形態の効果)
以上のようにPWMインバータ2とこれによるモータ3の駆動制御方法は、誘導電動機仕様または永久磁石同機電動機仕様のモータを駆動制御する際、高周波数領域までゲインが一定であるデッドビート電流制御とPR制御による電流高調波抑制とが実行される。したがって、モータを駆動制御する際の電流制御の不安定現象を抑制できる。よって、高調波を抑制しつつ安定運転できる領域が高回転数まで拡大できる。また、高速モータを安定的に運転できる。さらに、スイッチング周波数を上げられない大容量モータを駆動する場合にも安定的に運転できる。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲内で様々な態様で実施が可能である。
1…モータ駆動システム
2…PWMインバータ
3…モータ
4…負荷
5…三相電線
20…検出部、21…速度制御部、22…角速度変換部、23…トルク制御部、24…積分部、25…乗算部、26…座標変換部(第一座標変換部)、27…電流制御部、28…座標変換部(第二座標変換部)、29…PWM部(パルス幅変調部)
11…デッドビート制御部、12…PR制御部(比例共振制御部)、13…加算部
111…電流予測部、112…外乱電圧推定部、113…電圧指令計算部

Claims (5)

  1. モータを駆動制御するインバータであって、
    現在の時刻のモータのd,q軸電流検出値と前回のd,q軸電圧指令値と前回のd,q軸外乱電圧推定値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により次の時刻のd,q軸電流予測値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸電流予測値と当該モータのステータ抵抗及び磁束と周波数指令値とに基づき当該次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値と当該モータのd,q軸電流指令値と前記次の時刻のd,q軸電流予測値とに基づき当該次の時刻の第一のd,q軸電圧指令値を算出するデッドビート制御部と、
    前記モータのd,q軸電流指令値と同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値と前記周波数指令値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により高調波を抑制させる第二のd,q軸電圧指令値を算出する比例共振制御部と、
    前記第一のd,q軸電圧指令値に前記第二のd,q軸電圧指令値を加算して前記モータのd,q軸電圧指令値を算出する加算部と
    を有するインバータ。
  2. 前記比例共振制御部は、前記周波数指令値の6倍の周波数指令値を前記離散化モデルに基づく演算に供して当該6倍の周波数の高調波を抑制させる前記第二のd,q軸電圧指令値を算出することを特徴とする請求項1に記載のインバータ。
  3. 誘導電動機仕様のモータを駆動制御する請求項1または2に記載のインバータであって、
    前記モータの回転速度に基づき当該モータの機械角速度を検出する検出部と、
    外部からの速度指令値と前記機械角速度とに基づき前記モータのトルク指令値を出力する速度制御部と、
    前記機械角速度を電気角速度に変換する角速度変換部と、
    前記トルク指令値と前記モータの電気角速度とに基づき前記d,q軸電流指令値と前記周波数指令値とを出力するトルク制御部と、
    このトルク制御部からの周波数指令値の時系列信号を積分して電気角を算出する積分部と、
    前記トルク制御部からの周波数指令値と電流制御の周期の1.5倍値との積を算出する乗算部と、
    当該インバータの出力側の三相電流検出値を前記積分部からの電気角に基づき前記d,q軸電流検出値に変換する第一の座標変換部と、
    前記加算部からの前記d,q軸電圧指令値を前記積分部からの前記電気角と前記乗算部からの前記積の値との和に基づき三相電圧指令値に変換する第二の座標変換部と、
    この第二の座標変換部から供される三相電圧指令値に基づきパルス幅変調を行い生成した三相交流電圧を前記モータに出力するパルス幅変調部と
    をさらに備えたことを特徴とするインバータ。
  4. 永久磁石同期電動機仕様のモータを駆動制御する請求項1または2に記載のインバータであって、
    前記モータの回転速度に基づき当該モータの機械角速度及び電気角を検出する検出部と、
    外部からの速度指令値と前記機械角速度とに基づき前記モータのトルク指令値を出力する速度制御部と、
    前記機械角速度を周波数指令値に変換する角速度変換部と、
    前記トルク指令値に基づき前記d,q軸電流指令値を出力するトルク制御部と、
    前記角速度変換部からの前記周波数指令値と電流制御の周期の1.5倍値との積を算出する乗算部と、
    当該インバータの出力側の三相電流検出値を前記検出部からの電気角に基づき前記d,q軸電流検出値に変換する第一の座標変換部と、
    前記加算部からの前記d,q軸電圧指令値を前記検出部からの電気角と前記乗算部からの前記積の値との和に基づき三相電圧指令値に変換する第二の座標変換部と、
    この第二の座標変換部から供される三相電圧指令値に基づきパルス幅変調を行い生成した三相交流電圧を前記モータに出力するパルス幅変調部と
    をさらに備えたことを特徴とするインバータ。
  5. インバータによるモータの駆動制御方法であって、
    現在の時刻のモータのd,q軸電流検出値と前回のd,q軸電圧指令値と前回のd,q軸外乱電圧推定値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により次の時刻のd,q軸電流予測値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸電流予測値と当該モータのステータ抵抗及び磁束と周波数指令値とに基づき当該次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値を算出し、この算出された次の時刻のd,q軸外乱電圧推定値と当該モータのd,q軸電流指令値と前記次の時刻のd,q軸電流予測値とに基づき当該次の時刻の第一のd,q軸電圧指令値を算出する過程と、
    前記モータのd,q軸電流指令値と同期座標系に座標変換されたd,q軸電流検出値と前記周波数指令値とから当該モータの離散化モデルに基づく演算により高調波を抑制させる第二のd,q軸電圧指令値を算出する過程と、
    前記第一のd,q軸電圧指令値に前記第二のd,q軸電圧指令値を加算して前記モータのd,q軸電圧指令値を算出する過程と
    を有することを特徴とするモータの駆動制御方法。
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