JP2019078945A - 現像装置 - Google Patents

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Takuma Matsuda
拓真 松田
望月 健一
Kenichi Mochizuki
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Abstract

【課題】負摩擦帯電性の現像剤に対する摩擦帯電付与能が高く、且つブロッチの発生のない現像装置の提供。【解決手段】現像剤層厚規制部材が、現像剤層厚規制部材の少なくとも該現像剤担持体と当接する部分の表面に樹脂部を有しており、前記樹脂部は、少なくともバインダー樹脂と4級アンモニウム塩基を有するアクリル樹脂を含み、前記4級アンモニウム塩基を有するアクリル樹脂は、特定の構造を有するユニットを含む現像装置。【選択図】なし

Description

本発明は電子写真装置に用いる現像装置に関する。
電子写真画像形成装置は、現像ローラ、現像ブレードの如き現像部材を具備している。このような現像部材は、現像剤(トナー)と摺擦することでトナーに摩擦電荷を付与している。特許文献1は、トナーを負に帯電させる表面層が、ウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物からなり、該アクリル樹脂が、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体からなる主鎖にアミノエチル基がグラフトされたグラフト化合物である電子写真装置用の現像部材を開示している。
特開2005−283995
本発明者らは、負摩擦帯電性のトナーの、現像剤担持体上における層厚を規制するための現像ブレードとして特許文献1に係る現像部材を用いた場合において、得られる電子写真画像に、不均一なモヤ状の欠陥(以降、このような欠陥を「ブロッチ」ともいう)が生じることがあった。この傾向は、例えば、温度15℃、相対湿度10%の如き低温低湿環境下での電子写真画像の形成時において、特に顕著であった。
そこで本発明の一態様は、電子写真画像にブロッチを生じさせない現像装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、トナー粒子を有する負帯電性の現像剤と、該現像剤を収容している容器と、該容器に貯蔵された該現像剤を担持搬送するための現像剤担持体と、該現像剤担持体上の該現像剤の搬送量を該現像剤担持体と当接して規制する現像剤層厚規制部材とを有する現像装置であって、該現像剤層厚規制部材の少なくとも該現像剤担持体と当接する部分の表面に樹脂部を有しており、前記樹脂部は、少なくともバインダー樹脂と4級アンモニウム塩基を有するアクリル樹脂を含み、前記4級アンモニウム塩基を有するアクリル樹脂は、化学式(1)に示されるユニットを含むことを特徴とする現像装置が提供される。
Figure 2019078945
[式中の、R1は、水素原子又はメチル基を示す。R2は、炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3は、炭素数8乃至18のアルキル基を示す。R4及びR5は、独立に、炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xは、アニオンを示す。]。
本発明の一態様によれば、負摩擦帯電性の現像剤に対する摩擦帯電付与能が高く、且つ低温低湿環境下におけるブロッチの発生のない現像装置を提供することができる。
本発明に係る現像装置に用いられる現像剤層厚規制部材の一態様を示す断面図である。 本発明に係る現像装置に用いられる現像剤層厚規制部材の他の態様を示す断面図である。 本発明に係る現像装置に用いられる現像剤層厚規制部材の更に他の態様を示す断面図である。 本発明に係る現像装置の一態様を示す断面図である。 本発明に係る現像装置の他の態様を示す断面図である。
本発明者らは、特許文献1に係る現像ブレードを採用した現像装置において、電子写真画像にブロッチが生じる理由を以下のように推測した。
特許文献1に係る現像ブレードは、表面層がアミノ基含有アクリル樹脂を含むことにより、負帯電性のトナーに対して負電荷を付与する能力が向上している。そのため、現像領域通過後に現像剤担持体上に残留しているトナー粒子は、現像ブレードと現像剤担持体とのニップ部を複数回通過することで、過剰に負に帯電していく。その結果、現像剤担持体にフレッシュなトナーを供給する際に、現像剤担持体上の過剰に負電荷を帯びたトナー粒子が、現像容器中の正電荷を帯びたトナー粒子を引き寄せ、現像剤担持体表面のトナー層の厚みが増加する。その結果、現像ブレードが、当該トナー層の厚みを十分には制御できなくなり、電子写真画像にブロッチを生じさせるものと考えられる。
ここで、現像ブレードのトナー層厚の制御性を高める一つの方法として、現像剤担持体に対する当接力を高めることが考えられる。しかしながら、当該当接圧を高めることは、トナー粒子の割れの如きトナー劣化を促進させ得る。
そこで、本発明者らは、現像ブレードの現像剤担持体への当接圧を高める以外の方法で、現像ブレードによるトナー層厚の制御性を高める技術を得るべく検討を重ねた。
その結果、現像剤担持体と当接する部分の表面に、下記化学式(1)で示されるユニットを有するアクリル樹脂を含む樹脂部を設けてなる現像剤層厚規制部材が、上記の目的の達成に有効であることを見出した。
Figure 2019078945
[式(1)中の、R1は、水素原子又はメチル基を示す。R2は、炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3は、炭素数8乃至18のアルキル基を示す。R4及びR5は、独立に、炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xは、アニオンを示す。]
化学式(1)で示されるアクリル樹脂を含む樹脂層を備えた現像剤層厚規制部材によって、現像剤担持体上のトナー層の厚みの制御性を高められる理由を本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、上記化学式(1)で示されるユニットを有するアクリル樹脂は、側鎖部分に4級アンモニウム塩基構造を有する。そして、当該4級アンモニウム塩基中の、窒素原子に結合している3つの基のうちの1つの基(R3)が、炭素数が8以上18以下のアルキル基であることにより、窒素原子のカチオン性を強めることができる。その結果、現像剤担持体の表面のトナー層中に含まれる、負電荷を帯びたトナー粒子が、現像剤層厚規制部材の樹脂層に静電的に引き付けられ易くなっている。
また、窒素原子に結合する、残りの2つの基(R4、R5)が、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることにより、当該側鎖部分の結晶性が高くなりすぎることが抑制されている。そのため、現像剤層厚規制部材の樹脂層中において、当該アクリル樹脂の側鎖部分が偏在しにくくなっており、該樹脂層全体が、静電的にトナー粒子を引き付けやすくなっている。これらの作用によって、該現像剤層厚規制部材は、現像剤担持体表面のトナー層との摩擦力が高まり、トナー層の厚みの制御性が高まっていると考えられる。その結果、本発明に係る現像装置によれば、電子写真画像にブロッチを生じ難いものと考えられる。
以下、本発明の一態様に係る現像装置について図面を用いて詳述する。
[現像剤層厚規制部材]
図1は本発明の一態様に係る、現像剤層厚規制部材の断面図である。
該現像剤層厚規制部材は、支持部材101、ブレード部材102、及び、樹脂部103を有している。該樹脂部は、現像装置において、現像剤担持体の表面と当接部を構成する。
支持部材101の材質は、特に限定されず、樹脂、金属が挙げられる。中でも、クロメート処理等の表面処理鋼板、ステンレススチール、りん青銅、アルミニウムの如き金属が好適に用いられ、特には、ステンレススチールが、強度の観点から特に好適に用いられる。
支持部材の厚さは特に制限されるものではないが、0.05mm以上、3mm以下が好ましい。より好ましくは0.05mm以上、0.15mm以下である。前記範囲とすることで、現像剤に必要な圧力を付与するバネ性を有しやすい為、適正な当接圧で当接させやすい。
ブレード部材102の材質としては、熱硬化性の樹脂又はゴムとして、シリコーン樹脂又はシリコーンゴム、ウレタン樹脂又はウレタンゴム、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、熱可塑性樹脂は、熱を加えることで容易に所望の形状に変形できるため、熱可塑性樹脂で成形することが好ましい。
ブレード部材の形成箇所としては少なくとも支持部材の現像剤担持体と当接する側の片面にあればよいが、両面を被覆する形状であってもよい。また、当接箇所の形状についても特に限定されず、平面、曲面、凸形状、凹形状のいずれであってもよい。
ブレード部材の厚さは、50μm以上、3mm以下が好ましい。前記範囲とすることで現像剤担持体との安定した当接圧を得ることができる。
ブレード部材の形成は、金型成型、押出成形、塗布成形、シートの貼り合せ成形、射出成型、等によって行うことができる。具体的には、金型成型や押出成形による場合、必要に応じて接着剤を塗布した支持部材を成形型に設置し、成型金型に加熱溶融した樹脂材料を注入して成型する。また、シートの貼り合せ成形による場合、押出し成形等でシート状に成形したブレード部材を、接着剤を塗布した支持部材に貼り合わせる。また射出成型による場合、金型キャビティ内に上記樹脂材料を注入し、冷却して成型する。
ブレード部材を形成するにあたり、必要に応じて支持部上に接着剤層を形成することができる。接着剤層の材質としては、例えば、ホットメルト系として、ポリウレタン系、ポリエステル系、エチレンビニルアルコール系(EVA系)、ポリアミド系等を挙げることができる。
また、必要に応じてブレード部材に、導電剤を配合して導電性を付与することが出来る。導電剤としては、イオン導電剤やカーボンブラックのような電子導電剤が挙げられるが、成形の容易さよりイオン導電剤が好ましい。
イオン導電剤の種類については、例えばテトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムの如きアンモニウムイオンを含む過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩、ビス(トリフルオロメチルスルホン酸)イミド塩等や、リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムの如きアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩、ビス(トリフルオロメチルスルホン酸)イミド塩等が挙げられる。中でも、アルカリ金属又はアンモニウムイオンのトリフルオロメチル硫酸塩、ビス(トリフルオロメチルスルホン酸)イミド塩が好ましい。これらの塩は、アニオンにフッ素を含有した構造を有しているため、導電性付与効果が大きいので好適である。これらは必要に応じて1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
更には、ブレード部材に、その他、上記樹脂もしくはゴム、及び導電剤の機能を阻害しない範囲で、荷電制御剤、潤滑剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤を含有させることができる。
樹脂部103は、バインダー樹脂と、特定の構造を有するアクリル樹脂を含む。
〔アクリル樹脂〕
該アクリル樹脂は、負帯電性の現像剤の摩擦帯電量を高める。更に、該アクリル樹脂が特定の4級アンモニウム塩基構造を有することにより、現像剤の規制力を高めることができる。その結果、現像性と規制力を両立することができる。
前記アクリル樹脂は、下記化学式(1)で示されるユニットを有する。
Figure 2019078945
[式中の、R1は、水素原子又はメチル基を示す。R2は、炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3は、炭素数8乃至18のアルキル基を示す。R4及びR5は、独立に、炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xは、アニオンを示す。]
アクリル樹脂が、化学式(1)で示されるユニットを有することで、負帯電性の現像剤に対する帯電付与能を高くし易い。更に、現像剤担持体上の現像剤を安定して規制し易い。
R3の炭素数が8以上であれば、負摩擦帯電性のトナーの摩擦帯電量を高くしやすい。また炭素数が18以下であれば、アクリル樹脂の結晶性を抑制し、現像剤層厚規制部材中に均一に存在させやすい。その為、現像剤担持体上の現像剤の搬送量を安定させやすい。
R4及びR5の炭素数が3以下であれば、アンモニウム塩基の大きさを適度にすることができ、アクリル樹脂のカチオン部分と負摩擦帯電性の現像剤との距離を近くしやすい。その結果静電的に負摩擦帯電性の現像剤を引き付ける力が強まり、現像剤担持体上の現像剤の搬送量を安定させやすい。
式(1)で示されるカチオンユニットとしては、次のユニットが挙げられる。
R1がメチル基;
R2がメチレン基又はエチレン基;
R3が、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基の中から選ばれるアルキル基。
R4及びR5が、独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基の中から選ばれるアルキル基。
また、式(1)におけるXとしては、ハロゲン類;硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸類におけるアニオン;カルボン酸、スルホン酸の如き有機酸類におけるアニオンが挙げられる。
尚、上記のアクリル樹脂の後述するバインダー樹脂との混合性を良くするために、上記ユニット(1)以外に、下記式(2)で示されるユニット(2)を含有してもよい。この場合、アクリル樹脂における各ユニットの組成比率は、化学式(1)で示されるユニットの組成比をa、化学式(2)で示されるユニットの組成比をbとしたとき、a/(a+b)が0.1以上0.9以下であることが好ましい。a/(a+b)を0.1以上とすることで、負摩擦帯電性の現像剤の摩擦帯電量を高くしやすい。a/(a+b)を0.9以下とすることで、ユニット(2)を含有したことによる、バインダー樹脂との混合性を改良する効果が得られやすい。
Figure 2019078945
[式中の、R6は、水素原子又はメチル基を示す。R7は、炭素数1乃至18のアルキル基を示す。]
R7の炭素数が18以下であれば、結晶性が抑制され現像剤層厚規制部材中に均一に存在しやすい為、現像剤担持体上の現像剤の搬送量を安定させやすい。
式(2)で示されるエステルユニットとしては、次のユニットが挙げられる。
R6がメチル基;
R7が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基の中から選ばれるアルキル基。
本発明で使用可能なアクリル樹脂は、例えば、化学式(1)で示されるユニットを与える第4級アンモニウム塩基を有するアクリル系モノマーを共重合することで製造することができる。
化学式(1)で示されるユニットを与える第4級アンモニウム塩基を有するアクリル系モノマーとしては、下記化学式(3)で示されるモノマーが挙げられる。
Figure 2019078945
[化学式(3)中、R1は、水素原子又はメチル基を示す、R2は、炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3は、炭素数8乃至18のアルキル基を示す。R4及びR5は、独立に、炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xはアニオンを示す。]。
式(3)で示されるモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
R1がメチル基;
R2がメチレン基又はエチレン基;
R3がn−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基の中から選ばれるアルキル基;
R4及びR5が、独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基の中から選ばれるアルキル基。
式(3)におけるX−としては、次のものが挙げられる。フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン類;硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸類におけるアニオン;カルボン酸、スルホン酸等の有機酸類におけるアニオン。中でも、硫黄原子又はハロゲン原子を含むアニオンが好ましく、更に、Br、Cl等のハロゲンが原材料の入手の容易さ及び製造のしやすさの点でより好ましい。
尚、化学式(3)で示されるモノマー以外に化学式(4)で示されるモノマーを共重合してもよい。
Figure 2019078945
[化学式(4)中、R6は、水素原子又はメチル基を示す。R7は、炭素数1乃至18のアルキル基を示す。]。
式(4)で示されるモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
R6がメチル基;
R7が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基の中から選ばれるアルキル基。
アクリル樹脂を製造するにあたっては、公知の重合方法を用いることができる。その方法としては、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられるが、反応を容易に制御できる点から、溶液重合法が好ましい。溶液重合法で使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。その他、必要に応じて、キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等を混合して使用しても構わない。溶媒と共重合モノマー成分の比に関しては、溶媒100質量部に対して共重合モノマー成分が30質量部以上400質量部以下とすることが、適切な粘度を制御する点で、好ましい。
モノマー混合物の重合は、例えば、モノマー混合物を重合開始剤の存在下で不活性ガス雰囲気下、50℃以上100℃以下に加熱することにより、行うことができる。重合するために使用する重合開始剤の例としては、以下のものが挙げられる。t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)。重合開始剤は、単独で又は2種以上のモノマーを組み合わせて用いることができる。通常は重合開始剤をモノマー溶液に添加して重合を開始するが、未反応モノマーを低減するために重合開始剤の一部を重合の途中に添加しても良い。また、紫外線や電子線の照射によって重合を促進させる方法も使用することが可能であり、これらの手法を組み合わせても構わない。
重合開始剤の使用量は、残留モノマーの量とアクリル樹脂の分子量の制御の点で、共重合モノマー成分100質量部に対し0.05質量部以上30質量部以下とすることが好ましく、0.1質量部以上15質量部以下とすることがより好ましい。重合反応の温度としては、使用する溶媒、重合開始剤、共重合モノマー成分の組成に応じて設定することができるが、安定して重合反応を進める点で、40℃以上150℃以下で行うことが好ましい。
また、化学式(3)で示されるモノマーは、下記化学式(5)で示されるモノマーを4級化剤を用いて4級化させることで、生成させたものを用いることができる。
Figure 2019078945
[化学式(5)中、R1は、水素原子又はメチル基を示す。R2は、炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R4及びR5は、独立に、炭素数1乃至3のアルキル基を示す。]。
4級化剤としては、次のものが挙げられる。オクチルブロマイド、ラウリルブロマイド、ステアリルブロマイド、2−エチルヘキシルクロライド、オクチルクロライド、ラウリルクロライド、ステアリルクロライド等のアルキルハライド。4級化剤の使用量は、化学式(5)で示されるモノマー1モルに対して、0.8モル以上1.0モル以下であることが好ましい。化学式(5)で示されるモノマーの4級化は、例えば、化学式(5)で示されるモノマーと4級化剤とを溶媒中で60℃以上90℃以下に加熱することにより、行うことができる。
また、得られた第4級アンモニウム塩基含有アクリル共重合体を、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシナフタレンスルホン酸の如き酸で処理して対イオン交換を行い、目的のアニオン種とした第4級アンモニウム塩基含有アクリル共重合体とすることも可能である。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
該樹脂部において、該バインダー樹脂及び該アクリル樹脂の比率は、該バインダー樹脂100質量部に対し該アクリル樹脂0.1質量部以上50.0質量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以上20質量部以下である。0.1質量部以上とすることで、本発明に係るアクリル樹脂の効果が得られやすく、50.0質量部以下とすることで、現像剤層厚規制部材とする時の成形不良が生じにくい。
また該樹脂部の全質量に対する該バインダー樹脂の含有率は、66.7質量%以上であることが好ましく、85.0質量%以上99.0質量%以下であることがより好ましい。66.7質量%以上とすることで、現像剤層厚規制部材とする時の成形不良が生じにくく、99.0質量%以下とすることで、本態様に係るアクリル樹脂の効果が得られやすい。
該樹脂部の厚さとしては、特に制限されるものではないが、0.1μm以上、50.0μm以下の範囲から選択することが好ましく、1.0μm以上、20.0μm以下の範囲がより好ましい。このような範囲とすることで、本態様に係るアクリル樹脂の効果が得られやすく、現像剤層厚規制部材とする時の成型不良が生じにくい。
該樹脂部の形成方法としては、該バインダー樹脂と該アクリル樹脂を任意の溶剤で希釈・混合して塗布する方法が挙げられる。任意の溶剤としては、バインダー樹脂と本発明のアクリル樹脂の双方が溶解すればよく、例えば、メチルエチルケトン、メタノール、メチルイソブチルケトンが挙げられる。混合方法としては、公知のスターラーや撹拌羽による混合方法が挙げられる。塗布方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法の如き公知の方法が適用可能である。
〔現像装置〕
本発明の一態様に係る現像装置は、トナー粒子を有する負摩擦帯電性の現像剤と、該現像剤を収容している容器と、該容器に貯蔵された該現像剤を担持搬送するための現像剤担持体と、現像剤層厚規制部材とを有する。そして、該現像装置は、該現像剤層厚規制部材により該現像剤担持体上に現像剤層を形成しながら該現像剤担持体上の該現像剤を静電潜像担持体と対向する現像領域へ搬送し、該静電潜像担持体の静電潜像を該現像剤により現像し、トナー画像を形成するものである。
該現像装置の例としては、磁性一成分現像剤や非磁性一成分現像剤を用いた非接触型現像装置及び接触型現像装置を挙げることができる。
本発明の一態様に係る、磁性一成分非接触型の現像装置の断面図を図4に示す。現像剤を収容するための容器(現像容器412)と、この容器に貯蔵された磁性トナー粒子を有する磁性一成分現像剤(不図示)(磁性トナー)を担持搬送するための現像剤担持体409を有している。
現像剤担持体409には、基体406である金属円筒管上に樹脂層405が形成された現像スリーブ407が設けられている。また、現像スリーブの内部には磁石(マグネットローラ)408が配置され、磁性トナーを表面上に磁気的に保持するようになっている。
一方、静電潜像を担持する感光体ドラム410は、矢印B方向に回転する。そして、現像剤担持体409と感光体ドラム410とが対向する現像領域Dにおいて、現像剤担持体409上の磁性トナーを静電潜像に付着させ、磁性トナー像を形成する。
かかる現像装置を用いた現像方法を以下に説明する。
現像容器412は、第一室416と第二室414に分割されており、第一室416に充填された磁性トナーは攪拌搬送部材413により現像容器412及び仕切り部材417により形成される隙間を通過して第二室414に送られる。第二室414中には攪拌部材415が設けられ、磁性トナーが滞留するのを防止する。
現像容器には、図2で示した現像剤層厚規制部材404が備えられている。この現像剤層厚規制部材404は、現像剤担持体409に、トナーを介して接触又は押し当てられ、現像剤担持体409上に薄いトナーの層が形成される。
ここで、現像剤担持体409に対する現像剤層厚規制部材404の当接圧力は、線圧4.9N/m以上49N/m以下であることが、トナーの規制を安定化させ、トナー層の厚みを好適に規制できる点で好ましい。現像剤層厚規制部材404の当接圧力を線圧4.9N/m以上とすると、現像剤担持体上に形成するトナー層の厚さを高精度に制御することができ、得られる画像においてカブリやトナーもれの発生を抑制することができる。また、線圧49N/m以下とすると、トナーの摺擦力が適度な大きさとなり、トナーの劣化や現像剤担持体409及び現像剤層厚規制部材404へのトナーの融着を防止することができる。
また、現像剤担持体409に担持された磁性トナーを感光体ドラム上の静電潜像へ飛翔させ、これを現像するため、現像剤担持体409に現像バイアス電源411から現像バイアス電圧を印加することが好ましい。現像剤担持体409に印加する現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の電位と背景部の電位との中間値に相当する電圧が好ましい。現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるために、現像剤担持体409に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合にも、現像剤担持体409に印加する電圧として、静電潜像の電位と背景部の電位との中間の値に相当する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧が好ましい。このとき、高電位の静電潜像に磁性トナーを付着させる正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。低電位の静電潜像に磁性トナーを付着させる反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する磁性トナーを使用する。ここで、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。上記例は磁性一成分現像剤を用いた非接触型現像装置であるが、本発明の現像装置は、現像剤担持体上の現像剤の層厚が、現像領域Dにおける現像剤担持体と感光ドラムとの間の間隙距離以上の厚さに形成される、接触型現像装置にも適用することができる。
本発明の他の態様に係る、非磁性トナーを用いる非磁性一成分接触型の現像装置の断面図を図5に示す。静電潜像を担持する感光体ドラム509は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体508は、基体(金属製芯金)507とその外周面に形成される基層506とその表面に形成される樹脂層505から構成されている。このような現像装置における現像方法を以下に説明する。
現像容器511内には非磁性一成分現像剤(不図示)(非磁性トナー)を撹拌搬送するための撹拌搬送部材512が設けられている。更に、現像容器内には、現像剤担持体508に非磁性トナーを供給し、かつ現像後の現像剤担持体508の表面に残存する非磁性トナーを剥ぎ取るための、現像剤供給剥ぎ取り部材(RSローラ)513が現像剤担持体508に当接して設けられている。RSローラ513が現像剤担持体508と同方向又は反対方向に回転することにより、現像容器511内で現像剤担持体508に残留する非磁性トナーを剥ぎ取り、新たな非磁性トナーが供給される。
現像剤担持体508は、供給された非磁性トナーを担持して、矢印A方向に回転することにより、現像剤担持体508と感光体ドラム509とが対向した現像領域Dに非磁性トナーを搬送する。現像剤担持体508に担持されている非磁性トナーは、図1で示した現像剤層厚規制部材504により現像剤担持体508の表面に押し当てられ、その厚みが一定に形成される。非磁性トナーは相互間、現像剤担持体508との間、現像剤層厚規制部材504との間の摩擦により、感光体ドラム509上の静電潜像を現像するのに十分な摩擦帯電が付与される。
現像剤担持体508に担持された非磁性トナーを感光体ドラム509の静電潜像に接触させ、これを現像するため、現像剤担持体508に現像バイアス電源510から現像バイアス電圧を印加することも可能である。現像バイアス電圧510としては、直流電圧、交番バイアス電圧いずれであってもよく、その電圧も上記と同様の電圧とすることが好ましい。上記現像装置の現像容器において、RSローラ513は、例えば、樹脂、ゴム、スポンジの如き弾性ローラが好ましい。RSローラ513の代わりに、場合により、ベルト、ブラシ部材を用いてもよい。現像剤担持体508に対する現像剤層厚規制部材504の当接は、図4に示す磁性一成分非接触型における現像剤担持体409に対する現像剤層厚規制部材404の場合と同じ当接力によることが同様の理由から好ましい。
〔現像剤〕
上記した現像装置に用い得る負摩擦帯電性の現像剤(トナー)としては、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤、無機微粒子を含み、磁性材料を含まない非磁性トナー又は結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤、無機微粒子とともに磁性材料を含む磁性トナーが挙げられる。質量平均粒径は、4μm以上、10μm以下の範囲にあることが好ましい。トナーの摩擦帯電量あるいは画質及び画像濃度がバランスのとれたものとなるからである。トナーの質量平均粒径が10μm以下であれば、微小ドット画像の再現性が低下するのを抑制することができる。一方、トナーの質量平均粒径が4μm以上であれば、摩擦帯電不良による濃度薄の発生を抑制することができる。トナーの結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を使用することができる。中でもビニル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。上記トナーには摩擦帯電特性を向上させる目的で、荷電制御剤をトナー粒子に包含させる(内添)、又はトナー粒子と混合して用いる(外添)ことができる。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが容易となる。
〔現像剤担持体〕
上記した現像措置に用い得る現像剤担持体は、マグネットローラを内包した現像スリーブや、芯体の外周面に弾性層を被覆し、さらに必要に応じて弾性層の外周面に表面層を被覆した弾性ローラ等、公知の現像剤担持ローラを使用することができる。
現像剤担持ローラとしては、導電性の基体と、その外周に設けられた表面層とからなるものが挙げられる。
導電性の基体としては、円筒状部材、円柱状部材等が挙げられる。
基体の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮の如き非磁性の金属又は合金が挙げられる。また、基体上にゴム層又は樹脂層を形成したものを、基体として用いても良い。
表面層としては、樹脂に導電剤を混合したものが挙げられる。また、現像剤担持ローラの表面形状を調整するために、表面層中に凹凸付与粒子を含有させても良い。さらに、現像剤担持ローラの帯電付与性を調整するために、表面層中に荷電制御剤を含有させてもよい。
樹脂としては、以下のものが挙げられる。
スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂。
樹脂として、これらの1種又は2種以上の組合せを用いることができる。
導電剤の材質としては、以下のものが挙げられる。
アルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウムの如き金属酸化物、カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックの如きカーボンブラック、グラファイトの如き炭化物。
凹凸付与粒子としては、その体積平均粒径が1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。凹凸付与粒子の体積平均粒径が1μm以上であれば、含有量が少なくても樹脂層に適当な表面の粗さを付与することができる。凹凸付与粒子の体積平均粒径が20μm以下であれば、樹脂層の表面の粗さが不均一になると共に粗さが大きくなりすぎて現像剤の摩擦帯電が不十分となることを抑制し、得られる画像においてカブリや濃度薄等の画質悪化を抑制することができる。
このような凹凸付与粒子としては、樹脂粒子、金属酸化物粒子、炭素化物粒子等を用いることができ、また、凹凸付与粒子の形状としては、球状又はそれに類する形状が、樹脂層中で均一に分散しやすくなるため、好ましい。
凹凸付与粒子の体積平均粒径は、レーザー回折型粒度分布計を用いて測定した測定値を採用することができる。
表面層は、例えば、表面層用の各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、基体上に塗工し、乾燥固化あるいは硬化することにより形成することが可能である。各成分の塗料液中への分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。また塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等公知の方法が適用可能である。
以下に、本発明に係る実施例及び比較例について示す。なお、以下の実施例及び比較例における部数及び%は、特にことわらない限り、すべて質量基準である。
〔物性の測定方法〕
まず、本発明に係る測定方法について説明する。
(1)アクリル樹脂の分析方法
アクリル樹脂のポリマーの構造は、現像剤層厚規制部材の樹脂層を削り取った試料を熱分解GC/MS装置:「Voyager」(商品名、サーモエレクトロン社製)で分析して求めた。なお、熱分解温度:600℃、カラム:HP−1(15m×0.25mm×0.25μm)、Inlet:温度300℃、Split:20.0、注入量:1.2ml/min、昇温:50℃(4min)−300℃(20℃/min)の条件で行った。
<アクリル樹脂>
<<アクリル樹脂溶液A−1の製造例>>
撹拌機、冷却器、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを付した4つ口セパラブルフラスコ内で、以下の材料を混合し、系が均一になるまで攪拌した。
・ジメチルアミノエチルメタクリレート(モノマーe−1)38.7質量部、
・ラウリルブロマイド(4級化剤)61.3質量部、
・エタノール50質量部。
撹拌を続けながら、70℃まで昇温した後、5時間攪拌してモノマーe−1の4級化を行い、4級アンモニウム塩基含有モノマーである、(2−メタクリロイロキシエチル)ラウリルジメチルアンモニウムブロマイドを得た。得られた反応溶液を冷却した後、共重合成分として、オクチルアクリレート(モノマーe−2)32.5.質量部、溶媒としてエタノール50質量部、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0質量部を仕込み、系が均一になるまで撹拌した。撹拌を続けながら、反応系内の温度が70℃になるまで昇温し、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、窒素導入下還流状態で更に5時間反応させ、さらにAIBNを0.2質量部添加した後1時間反応させた。更に、この溶液をエタノールで希釈して固形分40%のアクリル樹脂溶液d−1を得た。得られたアクリル樹脂溶液の分析を行った結果、式(6)及び式(7)で示されるユニットの共重合体であることが分かった。
Figure 2019078945
<<アクリル樹脂溶液A−2〜A−13の製造例>>
以下使用する共重合成分を表1に示した成分としたこと以外は、アクリル樹脂溶液A−1の製造例と同様にして、アクリル樹脂溶液A−2〜A−13を得た。なお、A−2はアクリル樹脂溶液生成後、イオン交換樹脂によりアニオンを臭素イオンからp−トルエンスルホン酸イオンへのイオン交換を行った。得られたアクリル樹脂溶液の構造を表2に示す。
Figure 2019078945
Figure 2019078945
<現像剤層厚規制部材>
<<現像剤層厚規制部材B−1及びb−1の製造例>>
(原料の調製)
以下の成分を窒素雰囲気下80℃で3時間反応させ、プレポリマーを得た。
・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(商品名「ミリオネートMT」;東ソー株式会社 製):29.7質量部
・ポリブチレンアジペート(PBA)(商品名「ニッポラン4010」;東ソー株式会社 製):70.3質量部
更に、以下の成分を混合し、硬化剤を得た。
・1,4−ブタンジオール(三菱化学(株)製):64.9質量部
・トリメチロールプロパン(TMP)(三菱ガス化学(株)製):35.0質量部
・トリエチレンジアミン(TEDA)(商品名「Dabco Crystalline」;エアプロダクツジャパン社製):0.055質量部
(成型)
130℃に加熱した円筒金型を800rpmで回転させながら、プレポリマー100質量部に対し、硬化剤6.76質量部を混合し、注入した。注入後30分間加熱硬化させた後、円筒金型から薄肉円筒状シートを取り出し、130℃で4時間二次硬化を行った。シートの厚みは1.1mmであった。さらに得られたシートを所定の寸法となるように作製したビク抜き型を用いて、裁断し、現像剤層厚規制部材b−1を得た。
(塗工液の調製)
窒素雰囲気下、反応容器中でトリレンジイソシアネート(TDI)(商品名:コスモネートT80;三井化学社製)16.3質量部に対し、ポリプロピレングリコール系ポリオール(商品名:エクセノール4030;旭硝子社製)100.0質量部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量3.8質量%のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。
更に、撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置及び温度調整装置を取り付けた反応容器中で、攪拌しながらジエチレントリアミン100.0質量部、純水100質量部を40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、エチレンオキシド224.3質量部を30分かけて徐々に滴下した。さらに1.5時間攪拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱して水を留去し、アミノ化合物を得た。
得られたイソシアネート基末端プレポリマー 94.4質量部、アミノ化合物 5.6質量部、アクリル樹脂溶液A−1 25質量部及びMEK(メチルエチルケトン)200質量部を混合し、塗工液を得た。
得られた塗工液を現像剤層厚規制部材b−1の現像剤担持体との当接面に膜厚10μmになるようスプレー塗工し、140℃の熱風乾燥炉中で30分間加熱して塗膜を乾燥させて、現像剤層厚規制部材B−1を作製した。
<<現像剤層厚規制部材B−2〜B−9、b−2〜5の製造例>>
アクリル樹脂溶液を表3に示したものに変更した以外は、現像剤層厚規制部材B−1の製造例と同様にして、現像剤層厚規制部材B−2〜B−9、b−2〜5を作製した。
Figure 2019078945
〔実施例1〕
現像剤層厚規制部材B−1を所定の現像器に取り付けられるように加工した板金に接着剤を用いて接着した。板金に接着した現像剤層厚規制部材を電子写真画像形成装置(商品名:LASER JET4350;ヒューレットパッカード株式会社)のカートリッジの現像剤層厚規制部材として装着したものを現像装置とし、以下の画像評価を行った。尚、画像評価には、A4のオフィスプランナー用紙(商品名、キヤノン販売製;64g/m)を使用した。その評価結果を表4に示す。
(1)画像濃度
印字比率3%の文字画像を1000枚まで連続複写の画出し試験を行った。画像評価は、高温高湿環境(32℃、80%RH;H/H)で実施した。
画出し試験においてベタ画像を出力し、その濃度を5点測定して平均値を取って画像濃度とし、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。なお、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いた。
(2)帯電量/担持量
印字比率3%の文字画像を500枚まで連続複写の画出し試験を行った。その後、ベタ画像を出力したときに、現像剤担持体上に付着しているトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー質量M、吸引した面積Sを測定した。これらの値から、単位質量当たりの帯電量Q/M(mC/kg)、担持量M/S(mg/cm)を算出した。尚、画像評価は、常温常湿環境(23℃、50%RH;N/N)で実施した。
(3)ブロッチ
印字比率2%の文字画像を5000枚まで連続複写の画出し試験を行い、その後ハーフトーン画像を出力すると共に現像剤担持体上のトナーコート層を観察した。画像評価は、低温低湿環境(15℃、10%RH;L/L)で実施した。
A:現像剤担持体表面のトナーコートに乱れが無い。
B:現像剤担持体表面のトナーコートに若干の乱れがあるが、ハーフトーン画像上では、ブロッチ(不均一なモヤや画像の乱れ)は確認できない。
C:ハーフトーン画像上で軽微なブロッチが確認できる。
D:ハーフトーン画像上で、はっきりしたブロッチが確認できる。
〔実施例2〜9、比較例1〜5〕
現像剤層厚規制部材を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
Figure 2019078945
表4から分かるように、実施例1乃至9で得られた現像装置において、良好な結果が得られた。
比較例1において、現像剤層厚規制部材b−1は、本発明の樹脂部を有していない為、帯電付与能が不足している。そのため、現像剤層厚規制部材b−1を用いた比較例1ではH/Hの画像濃度が低くなった。
比較例2及び5において、現像剤層厚規制部材b−2及びb−5は、樹脂部を有している。しかし、アクリル樹脂の構造が異なり、アンモニウム塩基の大きさが大きい(R4及びR5の炭素数が大きい)為、静電的にトナーを引き付ける力が弱くなり、規制力が不足している。そのため、現像剤層厚規制部材b−2を用いた比較例2及び現像剤層厚規制部材b−5を用いた比較例5ではブロッチ特性が悪かった。
比較例3において、現像剤層厚規制部材b−3は、樹脂部を有しているが、アクリル樹脂の構造が異なり、アンモニウム塩基のR3の炭素数が小さい為、帯電付与能が不足している。そのため、現像剤層厚規制部材b−3を用いた比較例3ではH/Hの画像濃度が低くなった。
比較例4において、現像剤層厚規制部材b−4は、樹脂部を有しているが、アクリル樹脂の構造が異なり、アンモニウム塩基のR3の炭素数が大きい為、結晶性が高く、樹脂部内で不均一に存在している。そのため、現像剤層厚規制部材b−4を用いた比較例4ではブロッチ特性が悪かった。
101‥‥支持部材
102‥‥ブレード部材
103‥‥樹脂部
202‥‥ブレード部材
203‥‥樹脂部
301‥‥支持部材
303‥‥樹脂部
402‥‥ブレード部材
403‥‥樹脂部
404‥‥現像剤層厚規制部材
405‥‥樹脂層
406‥‥基体
407‥‥現像スリーブ
408‥‥マグネットローラ
409‥‥現像剤担持体
410‥‥静電潜像担持体(感光体ドラム)
411‥‥現像バイアス電源
412‥‥現像容器
413‥‥撹拌搬送部材
414‥‥第二室
415‥‥攪拌部材
416‥‥第一室
417‥‥仕切り部材
501‥‥支持部材
502‥‥ブレード部材
503‥‥樹脂部
504‥‥現像剤層厚規制部材
505‥‥樹脂層
506‥‥基層
507‥‥基体
508‥‥現像剤担持体
509‥‥静電潜像担持体(感光体ドラム)
510‥‥現像バイアス電源
511‥‥現像容器
512‥‥撹拌搬送部材
513‥‥現像剤供給剥ぎ取り部材(RSローラ)

Claims (7)

  1. トナー粒子を有する負摩擦帯電性の現像剤と、該現像剤を収容している容器と、該容器に貯蔵された該現像剤を担持搬送するための現像剤担持体と、該現像剤担持体上の該現像剤の搬送量を該現像剤担持体と当接して規制する現像剤層厚規制部材とを有する現像装置であって、
    該現像剤層厚規制部材の少なくとも該現像剤担持体と当接する部分の表面に樹脂部を有しており、
    前記樹脂部は、少なくともバインダー樹脂と4級アンモニウム塩基を有するアクリル樹脂を含み、
    前記4級アンモニウム塩基を有するアクリル樹脂は、化学式(1)で示されるユニットを含むことを特徴とする現像装置。
    Figure 2019078945
    [式中の、R1は、水素原子又はメチル基を示す。R2は炭素数1乃至4のアルキレン基を示す。R3は炭素数8乃至18のアルキル基を示す。R4及びR5は、独立に、炭素数1乃至3のアルキル基を示す。Xは、アニオンを示す。]
  2. R3が、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基の中から選ばれるアルキル基である請求項1に記載の現像装置。
  3. が塩素、臭素、ヨウ素の中から選ばれるハロゲンである請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記アクリル樹脂は、更に、化学式(2)で示されるユニットを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置:
    Figure 2019078945
    [式中の、R6は、水素原子又はメチル基を示す。R7は、炭素数1乃至18のアルキル基を示す。]。
  5. 前記バインダー樹脂が、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記樹脂部における前記バインダー樹脂100質量部に対する前記アクリル樹脂の含有量が、0.1質量部以上50.0質量部以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 前記樹脂部の全質量に対する前記バインダー樹脂の含有率が、66.7質量%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像装置。
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