JP2019062815A - 虫由来dnaの断片を増幅するためのプライマーセット、及び、それを用いた虫種の同定方法 - Google Patents

虫由来dnaの断片を増幅するためのプライマーセット、及び、それを用いた虫種の同定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱処理等により損傷した虫由来DNAを、核酸増幅反応により増幅させ検出するための手段を提供する。【解決手段】虫に由来するDNAを増幅するためのプライマーセットであって、特定の配列からなる塩基配列と同一又は相同な塩基配列を含むプライマーと特定の配列からなる塩基配列と同一又は相同な塩基配列を含むプライマーとのプライマー対Aと、特定の配列からなる塩基配列と同一又は相同な塩基配列を含むプライマーと特定の配列からなる塩基配列と同一又は相同な塩基配列を含むプライマーとのプライマー対Bと、特定の配列からなる塩基配列と同一又は相同な塩基配列を含むプライマーと特定の配列からなる塩基配列と同一又は相同な塩基配列を含むプライマーとのプライマー対Cと、のうち1つ以上を含むプライマーセット。【選択図】図2

Description

本発明は、食品等に異物として含まれ得る虫に由来するDNAの断片を増幅するためのプライマーセット、及び、それを用いた虫の種類を同定する方法に関する。
万一食品に虫異物が混入した場合には、原因究明と再発防止が欠かせない。食品に混入した虫異物への対応は、迅速さと正確さが重要である。従来は、熟練者が顕微鏡等で形態観察することで迅速な同定を行い、必要に応じてDNA配列解析による同定結果の検証やさらに細かな種等の同定を行なってきた。
しかしながら、形態観察による虫種の同定では、熟練技術が必要、外国の珍しい虫への対応が難しい、加工等により原形をとどめない虫への対応が難しいといった欠点がある。
一方、DNA配列解析による虫種の同定では、虫異物由来DNA分子のうち、虫種を識別可能な塩基配列情報を取得し、データベースと配列を比較することで虫種を識別することができ、形態観察の様な熟練度を必要とすることなく、正確かつ細かな同定が可能である。そのため、近年、虫種を識別する目的で、DNAの塩基配列情報を客観的な指標とする同定方法が提案されている。
例えば、非特許文献1(動物DNAバーコーディング法:Hebert 2003)の方法は、動物の遺伝子の各分類レベル間での差異が多く見出される領域を増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、得られた目的の断片長の増幅断片(標的増幅産物)の塩基配列情報を取得しデータベースと比較すること(塩基配列解析)によって動物種を同定する方法である。この方法が標的とする塩基配列であるシトクロムcオキシダーゼ サブユニットI(COI)コード遺伝子領域の前半部分は、GenBankデータベースが特に充実している。既存の虫種の同定法は、多くがこの方法を用いている。
また、非特許文献2(Shokralla 2015)に示されたプライマー対(フォワードプライマー:B_F、リバースプライマー:HC02198)は非特許文献1よりも多くの虫種を同定可能と考えられる。
また、非特許文献3(Hajibabaei 2011)、非特許文献4(Hajibabaei 2012)、非特許文献5(Clarke 2014)に示されたプライマー対(フォワードプライマー−リバースプライマーの組み合わせはそれぞれLepF1−EPT‐long‐univR、BE Forward−BE Reverse、lns16S_1F−lns16S_1shortR)は増幅断片長がそれぞれ約180、350、200塩基と短いため、DNAの損傷に対応することが可能である。
その他、同様の技術を用いた特許文献には、特許文献1〜3がある。
特開2004−194612号公報 特開2008−99644号公報 特開2003−265181号公報
Proceedings of the Royal Society of London. Series B, Biological Sciences, 270, 313-321. (2003) Scientific Reports 5, Article number: 9687 (2015) PLoS ONE 6, e17497. (2011) BMC Ecology 12:28. (2012) Molecular Ecology Resources 14, 1160-1170. (2014)
本発明者らは、上記先行技術文献に記載の方法は以下の課題があることを見出した。
非特許文献1に記載のDNAバーコーディング法は、PCRによる標的増幅産物の断片長が約650塩基と長いため、加熱等による虫異物由来DNAの損傷に対応することが困難である。また、食品等に混入しうる虫を同定しようとした場合、一部の虫種を増幅できない問題がある。
非特許文献2に記載の方法もまた、標的増幅産物の断片長が約460塩基と長いため、同様に加熱等による虫異物由来DNAの損傷に対応することが困難である。また、調査対象は環境中の虫であり、食品等に混入しうる虫にまで適用できるかはわかっていない。
非特許文献3、4及び5に記載の方法は、調査対象とするのが環境中の虫であり、食品等に混入しうる虫にまで適用できるかは不明である。
特許文献1〜3に記載の方法もまた、標的増幅産物の断片長が300塩基より長いため、同様に加熱等による虫異物由来DNAの損傷に対応することが困難である。
本発明者らは、COIコード遺伝子領域上にあるDNAバーコーディング法に用いられる塩基配列、及び16SリボソームRNA(16S)コード遺伝子領域の塩基配列中に、食品等に混入し得る虫に共通する塩基配列を見出して、標的増幅産物の断片長が100−200塩基以下となるように虫種同定用プライマー対をそれぞれ設計した。具体的には、虫のCOIコード遺伝子領域上の、長さ180bpの領域を増幅するプライマー対Aと、虫のCOIコード遺伝子領域上の、長さ135bpの領域を増幅するプライマー対Bと、虫の16Sコード遺伝子領域上の、長さ200bpの領域を増幅するプライマー対Cとを設計した。
これらプライマー対を用いて虫由来DNAを鋳型としたPCRを行い、得られた増幅断片の塩基配列解析することによって、多くの虫種を同定できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)虫に由来するDNAの断片を増幅するためのプライマーセットであって、
配列番号1の塩基配列
GGTCAACAAATCATAAAGATATTGG
のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第1ポリヌクレオチドを含む第1プライマーと、
配列番号2の塩基配列
GAAGAAAATTATAACAAAAGCATG
のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第2ポリヌクレオチドを含む第2プライマーと
を含むプライマー対A、
配列番号3の塩基配列
GCCAGTTCTAGCAGGAGCTATTAC
のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第3ポリヌクレオチドを含む第3プライマーと、
配列番号4の塩基配列
TAAACTTCAGGGTGACCAAAAAATCA
のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第4ポリヌクレオチドを含む第4プライマーと
を含むプライマー対B、及び、
配列番号5の塩基配列
ATTACGCTGTTATCCCY
(YはC又はT或いはC及びTの混合塩基である)
のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第5ポリヌクレオチドを含む第5プライマーと、
配列番号6の塩基配列
GACGAGAAGACCCY
(YはC又はT或いはC及びTの混合塩基である)
のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第6ポリヌクレオチドを含む第6プライマーと
を含むプライマー対C
のうち1つ以上を含むプライマーセット。
(2)前記プライマー対A、前記プライマー対B、及び、前記プライマー対Cのうち2つ以上を含む、(1)のプライマーセット。
(3)前記プライマー対A、前記プライマー対B、及び、前記プライマー対Cを含む、(2)のプライマーセット。
(4)虫に由来するDNAを鋳型とし、(1)〜(3)のいずれかのプライマーセットに含まれるプライマー対を用いて核酸増幅反応を行う工程1と、
工程1での核酸増幅反応の増幅産物の塩基配列を解析する工程2と
を含むことを特徴とする、虫の種類を同定する方法。
本発明のプライマーセットは、飲食品に混入した虫異物等の、加熱処理を受けた虫に由来するDNA中の標的領域の増幅に有用である。
本発明の、虫の種類を同定する方法は、加熱処理を受けた虫の種類の同定に有用である。
非特許文献2−5のプライマー対及び本発明のプライマー対A、B、Cを用い各虫のDNA試料を鋳型としたPCRによる標的増幅産物の確認結果を示す。 非特許文献2、4のプライマー対及び本発明のプライマー対A、B、Cを用い、異なる条件で加熱を受けたDNA試料を鋳型としたPCRによる標的増幅産物の確認結果を示す。 プライマー対Dを用い各虫のDNA試料を鋳型としたPCRによる標的増幅産物の確認結果を示す。
<1.用語>
本発明において「虫」とは、節足動物門のうち陸上で生息するものを指す。昆虫に加え、ムカデ等の多足類、クモ類を含む。本発明における「虫」は、特に、飲食品や他の製品に異物として混入する可能性のある虫であり、ハエ目、チャタテムシ目、ゴキブリ目、甲虫目、カメムシ目、アザミウマ目、チョウ目、クモ目及びオオムカデ目から選択される目に属する1種以上の虫である。
本発明において「虫に由来するDNA」とは、虫体又は虫体の部分に由来するDNAである。ここで「虫体又は虫体の部分」とは、典型的には、飲食品や他の製品に異物として混入した虫の虫体又は虫体の部分が例示できる。「虫体又は虫体の部分」は、変形しているために形態観察では同定できない虫体又は虫体の部分や、加熱等の加工処理された飲食品や他の製品中の虫体又は虫体の部分であってもよい。
「動物DNAバーコーディング領域」とは、非特許文献1のプライマー対が標的とする塩基配列であり、COIコード遺伝子領域の前半部分に存在する。
「塩基配列データベース」とは、主に、様々な生物の塩基配列データを蓄積・提供している公共の又は商用の塩基配列データベース(GenBank等)を指すが、様々な虫由来DNAをそれぞれ決定して得た塩基配列データを独自に集積したデータベースでもよい。
本発明において「ポリヌクレオチド」とは、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)を指し、典型的にはDNAを指す。RNAにおいては、チミン(T)をウラシル(U)と読み替えることができる。DNAとしては、任意の位置のTをUに置換して合成したUを含むDNAも使用することができる。ポリヌクレオチドはイノシン(I)等の修飾ヌクレオチドを一部に含んでいてもよい。
ポリヌクレオチドは一本鎖として存在していてもよいし、二本鎖として存在していてもよい。ポリヌクレオチドが二本鎖として存在する場合は、少なくとも一方の鎖が、以下に規定する所定の特徴を備えるポリヌクレオチドであればよい。
ポリヌクレオチドの製造方法は特に限定されず、ポリヌクレオチド合成装置を利用して製造することができる。
本発明において「塩基配列Xと相同な塩基配列Y」、或いは、「塩基配列Xと塩基配列Yとが相同である」、というとき、塩基配列Xの相補配列からなるDNA鎖と、塩基配列YからなるDNA鎖とが、核酸増幅反応のアニーリング条件においてハイブリダイズして安定な二本鎖を形成するのに十分な水素結合を形成することができる組み合わせを指し、塩基配列XとYとが部分的に異なっていてもよい。例えば、塩基配列Xの相補配列からなるポリヌクレオチドと、塩基配列Yからなるポリヌクレオチドとが、10ヌクレオチド中に1ミスマッチ、20ヌクレオチド中に1ミスマッチ、又は30ヌクレオチド中に1ミスマッチ等、いくつかのミスマッチが存在していてもよい。典型的には、塩基配列Xと「相同な」塩基配列Yというとき、塩基配列XとYとが以下の関係のいずれかを満たすことを指す。
(A)塩基配列Yが、塩基配列Xにおいて1若しくは数個の塩基が欠失、置換、付加及
び/又は挿入された塩基配列である。
(B)塩基配列Yが、塩基配列Xと70%以上の同一性を有する塩基配列である。
(C)塩基配列Yからなるポリヌクレオチドが、配列番号Xと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下においてハイブリダイズすることができる。
(D)塩基配列Xと塩基配列Yの一方における任意の位置のチミン(T)が、他方におけるウラシル(U)に置換されている。
前記(A)において「1若しくは数個」とは好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1個又は2個を指し、最も好ましくは1個である。
前記(B)において、同一性の値は、複数の塩基配列間の同一性を演算するソフトウェア(例えば、FASTA、DNASIS、及びBLAST)を用いてデフォルトの設定で算出した値を示す。塩基配列の同一性の値は、一致度が最大となるように一対の塩基配列をアラインメントした際に一致する塩基の数を算出し、当該一致する塩基の数の、比較した塩基配列の全塩基数に対する割合として算出される。ここで、ギャップがある場合、上記の全塩基数は、1つのギャップを1つの塩基として数えた塩基数である。同一性の決定方法の詳細については、例えばAltschul et al,Nuc.Acids.Res.25,3389−3402,1977及びAltschul et al,J.Mol.Biol.215,403−410,1990を参照されたい。
前記(B)において、同一性はより好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性である。
前記(C)において、「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件を意味し、例えばGreen
and Sambrook,Molecular Cloning,4th Ed(2012),Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照して適宜決定することができる。具体的には、サザンハイブリダイゼーションの際の温度や溶液に含まれる塩濃度、及びサザンハイブリダイゼーションの洗浄工程の際の温度や溶液に含まれる塩濃度によりストリンジェントな条件を設定することができる。より詳細には、ストリンジェントな条件としては、例えば、ハイブリダイゼーション工程では、ナトリウム濃度が25〜500mM、好ましくは25〜300mMであり、温度が40〜68℃、好ましくは40〜65℃である。より具体的には、ハイブリダイゼーションは、1〜7×SSC、0.02〜3% SDS、温度40℃〜60℃で行うことができる。また、ハイブリダイゼーションの後に洗浄工程を行なっても良く、洗浄工程は、例えば0.1〜2×SSC、0.1〜0.3% SDS、温度50〜65℃で行うことができる。
<2.プライマーセット>
本発明のプライマーセットは、虫に由来するDNAの断片を増幅するためのプライマーセットであって、プライマー対A、プライマー対B及びプライマー対Cのうち1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つを含む。
まずプライマー対Aについて説明する。
プライマー対Aは、
配列番号1の塩基配列のうち3’末端から10塩基以上、好ましくは15塩基以上、より好ましくは20塩基以上の連続した塩基配列(塩基配列1’とする)と同一又は相同な
塩基配列(塩基配列1’’とする)を3’末端に含む第1ポリヌクレオチドを含む第1プライマーと、
配列番号2の塩基配列のうち3’末端から10塩基以上、好ましくは15塩基以上、より好ましくは20塩基以上の連続した塩基配列(塩基配列2’とする)と同一又は相同な塩基配列(塩基配列2’’とする)を3’末端に含む第2ポリヌクレオチドを含む第2プライマーと
を含む。
第1プライマーについて説明する。
塩基配列1’と塩基配列1’’とは、好ましくは3’末端から3塩基までの領域、より好ましくは3’末端から5塩基までの領域、より好ましくは3’末端から8塩基までの領域、より好ましくは3’末端から10塩基までの領域(塩基配列1’の長さが15塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から15塩基までの領域、塩基配列1’の長さが20塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から20塩基までの領域)が同一であり、残りの5’末端側の領域が相同である。「相同」の意味は既述の通りである。塩基配列1’は、特に好ましくは、配列番号1の塩基配列の全体である。第1ポリヌクレオチドが、塩基配列1’’を「3’末端に含む」とは、第1ポリヌクレオチドの塩基配列の全体が塩基配列1’’のみからなる場合と、塩基配列1’’と塩基配列1’’の5’末端に接続された別の塩基配列とを含む場合の両方を包含する。前記別の塩基配列は、核酸増幅反応を実質的に阻害しないものであればよく、その塩基数としては例えば20塩基以下、好ましくは10塩基以下、より好ましくは5塩基以下、より好ましくは1又は2塩基である。第1ポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
第1プライマーは第1ポリヌクレオチドからなるものであってもよいし、第1ポリヌクレオチドに、増幅産物の検出のための標識用タグ、標識物質、固定化用タグ等の有用な化学構造が付加されたものであってもよい。
第2プライマーについて説明する。
塩基配列2’と塩基配列2’’とは、好ましくは3’末端から3塩基までの領域、より好ましくは3’末端から5塩基までの領域、より好ましくは3’末端から8塩基までの領域、より好ましくは3’末端から10塩基までの領域(塩基配列2’の長さが15塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から15塩基までの領域、塩基配列2’の長さが20塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から20塩基までの領域)が同一であり、残りの5’末端側の領域が相同である。「相同」の意味は既述の通りである。塩基配列2’は、特に好ましくは、配列番号2の塩基配列の全体である。第2ポリヌクレオチドが、塩基配列2’’を「3’末端に含む」とは、第2ポリヌクレオチドの塩基配列の全体が塩基配列2’’のみからなる場合と、塩基配列2’’と塩基配列2’’の5’末端に接続された別の塩基配列とを含む場合の両方を包含する。前記別の塩基配列は、核酸増幅反応を実質的に阻害しないものであればよく、その塩基数としては例えば20塩基以下、好ましくは10塩基以下、より好ましくは5塩基以下、より好ましくは1又は2塩基である。第2ポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
第2プライマーは第2ポリヌクレオチドからなるものであってもよいし、第2ポリヌクレオチドに、増幅産物の検出のための標識用タグ、標識物質、固定化用タグ等の有用な化学構造が付加されたものであってもよい。
第1プライマーと第2プライマーとを含むプライマー対Aは、虫のミトコンドリアゲノム上にあるCOIコード遺伝子領域における、虫に特異的な塩基配列(非保存領域)を増
幅でき、且つ、虫種に共通するプライマー設計の可能な領域(保存領域)にアニーリングできるように設計された。プライマー対Aを用い、虫由来DNAを鋳型とする核酸増幅反応により増幅される核酸断片の長さは主に180bpであり、加えてプライマーに挟まれた配列の挿入・欠失や、プライマーの5’末端に接続された塩基配列の長さによる変動がある。プライマー対Aによる増幅領域は、加工等によりDNAが損傷を受けていても標的増幅産物が得られ易く、且つ、虫種を識別可能なレベルの非保存領域の長さを有する。また、プライマー対Aによる増幅領域は、多くの虫種で塩基配列データベースが充実しているため、塩基配列に基づく虫異物の虫種同定を行うのに適している。
次に、プライマー対Bについて説明する。
プライマー対Bは、
配列番号3の塩基配列のうち3’末端から10塩基以上、好ましくは15塩基以上、より好ましくは20塩基以上の連続した塩基配列(塩基配列3’とする)と同一又は相同な塩基配列(塩基配列3’’とする)を3’末端に含む第3ポリヌクレオチドを含む第3プライマーと、
配列番号4の塩基配列のうち3’末端から10塩基以上、好ましくは15塩基以上、より好ましくは20塩基以上の連続した塩基配列(塩基配列4’とする)と同一又は相同な塩基配列(塩基配列4’’とする)を3’末端に含む第4ポリヌクレオチドを含む第4プライマーと
を含む。
第3プライマーについて説明する。
塩基配列3’と塩基配列3’’とは、好ましくは3’末端から3塩基までの領域、より好ましくは3’末端から5塩基までの領域、より好ましくは3’末端から8塩基までの領域、より好ましくは3’末端から10塩基までの領域(塩基配列3’の長さが15塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から15塩基までの領域、塩基配列3’の長さが20塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から20塩基までの領域)が同一であり、残りの5’末端側の領域が相同である。「相同」の意味は既述の通りである。塩基配列3’は、特に好ましくは、配列番号3の塩基配列の全体である。第3ポリヌクレオチドが、塩基配列3’’を「3’末端に含む」とは、第3ポリヌクレオチドの塩基配列の全体が塩基配列3’’のみからなる場合と、塩基配列3’’と塩基配列3’’の5’末端に接続された別の塩基配列とを含む場合の両方を包含する。前記別の塩基配列は、核酸増幅反応を実質的に阻害しないものであればよく、その塩基数としては例えば20塩基以下、好ましくは10塩基以下、より好ましくは5塩基以下、より好ましくは1又は2塩基である。第3ポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
第3プライマーは第3ポリヌクレオチドからなるものであってもよいし、第3ポリヌクレオチドに、増幅産物の検出のための標識用タグ、標識物質、固定化用タグ等の有用な化学構造が付加されたものであってもよい。
第4プライマーについて説明する。
塩基配列4’と塩基配列4’’とは、好ましくは3’末端から3塩基までの領域、より好ましくは3’末端から5塩基までの領域、より好ましくは3’末端から8塩基までの領域、より好ましくは3’末端から10塩基までの領域(塩基配列4’の長さが15塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から15塩基までの領域、塩基配列4’の長さが20塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から20塩基までの領域)が同一であり、残りの5’末端側の領域が相同である。「相同」の意味は既述の通りである。塩基配列4’は、特に好ましくは、配列番号4の塩基配列の全体である。第4ポリヌクレオチドが、塩基配列4’’を「3’末端に含む」とは、第4ポリヌクレオチドの塩基配列の全体
が塩基配列4’’のみからなる場合と、塩基配列4’’と塩基配列4’’の5’末端に接続された別の塩基配列とを含む場合の両方を包含する。前記別の塩基配列は、核酸増幅反応を実質的に阻害しないものであればよく、その塩基数としては例えば20塩基以下、好ましくは10塩基以下、より好ましくは5塩基以下、より好ましくは1又は2塩基である。第4ポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号4の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
第4プライマーは第4ポリヌクレオチドからなるものであってもよいし、第4ポリヌクレオチドに、増幅産物の検出のための標識用タグ、標識物質、固定化用タグ等の有用な化学構造が付加されたものであってもよい。
第3プライマーと第4プライマーとを含むプライマー対Bは、虫のミトコンドリアゲノム上にあるCOIコード遺伝子領域における、虫に特異的な塩基配列(非保存領域)を増幅でき、且つ、虫種に共通するプライマー設計の可能な領域(保存領域)にアニーリングできるように設計された。プライマー対Bを用い、虫由来DNAを鋳型とする核酸増幅反応により増幅される核酸断片の長さは主に135bpであり、加えてプライマーに挟まれた配列の挿入・欠失や、プライマーの5’末端に接続された塩基配列の長さによる変動がある。プライマー対Bによる増幅領域は、加工等によりDNAが損傷を受けていても標的増幅産物が得られ易く、且つ、虫種を識別可能なレベルの非保存領域の長さを有する。また、プライマー対Bによる増幅領域は、多くの虫種で塩基配列データベースが充実しているため、塩基配列に基づく虫異物の虫種同定を行うのに適している。なお、COIコード遺伝子の、プライマー対Bによる増幅領域は、プライマー対Aによる増幅領域とは重複しない。
次に、プライマー対Cについて説明する。
プライマー対Cは、
配列番号5の塩基配列のうち3’末端から10塩基以上、好ましくは15塩基以上の連続した塩基配列(塩基配列5’とする)と同一又は相同な塩基配列(塩基配列5’’とする)を3’末端に含む第5ポリヌクレオチドを含む第5プライマーと、
配列番号6の塩基配列のうち3’末端から10塩基以上、好ましくは12塩基以上の連続した塩基配列(塩基配列6’とする)と同一又は相同な塩基配列(塩基配列6’’とする)を3’末端に含む第6ポリヌクレオチドを含む第6プライマーと
を含む。
配列番号5におけるYはC又はT或いはC及びTの混合塩基であり、C及びTの混合塩基であることが好ましい。YがC及びTの混合塩基である場合、第5ポリヌクレオチドは、YがCであるポリヌクレオチド分子と、YがTであるポリヌクレオチド分子との混合物である。
同様に、配列番号6におけるYはC又はT或いはC及びTの混合塩基であり、C及びTの混合塩基であることが好ましい。YがC及びTの混合塩基である場合、第5ポリヌクレオチドは、YがCであるポリヌクレオチド分子と、YがTであるポリヌクレオチド分子との混合物である。
第5プライマーについて説明する。
塩基配列5’と塩基配列5’’とは、好ましくは3’末端から3塩基までの領域、より好ましくは3’末端から5塩基までの領域、より好ましくは3’末端から8塩基までの領域、より好ましくは3’末端から10塩基までの領域(塩基配列5’の長さが15塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から15塩基までの領域)が同一であり、残りの5’末端側の領域が相同である。「相同」の意味は既述の通りである。塩基配列5’は、
特に好ましくは、配列番号5の塩基配列の全体である。第5ポリヌクレオチドが、塩基配列5’’を「3’末端に含む」とは、第5ポリヌクレオチドの塩基配列の全体が塩基配列5’’のみからなる場合と、塩基配列5’’と塩基配列5’’の5’末端に接続された別の塩基配列とを含む場合の両方を包含する。前記別の塩基配列は、核酸増幅反応を実質的に阻害しないものであればよく、その塩基数としては例えば20塩基以下、好ましくは10塩基以下、より好ましくは5塩基以下、より好ましくは1又は2塩基である。第5ポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
第5プライマーは第5ポリヌクレオチドからなるものであってもよいし、第5ポリヌクレオチドに、増幅産物の検出のための標識用タグ、標識物質、固定化用タグ等の有用な化学構造が付加されたものであってもよい。
第6プライマーについて説明する。
塩基配列6’と塩基配列6’’とは、好ましくは3’末端から3塩基までの領域、より好ましくは3’末端から5塩基までの領域、より好ましくは3’末端から8塩基までの領域、より好ましくは3’末端から10塩基までの領域(塩基配列6’の長さが12塩基以上である場合は更に好ましくは3’末端から12塩基までの領域)が同一であり、残りの5’末端側の領域が相同である。「相同」の意味は既述の通りである。塩基配列6’は、特に好ましくは、配列番号6の塩基配列の全体である。第6ポリヌクレオチドが、塩基配列6’’を「3’末端に含む」とは、第6ポリヌクレオチドの塩基配列の全体が塩基配列6’’のみからなる場合と、塩基配列6’’と塩基配列6’’の5’末端に接続された別の塩基配列とを含む場合の両方を包含する。前記別の塩基配列は、核酸増幅反応を実質的に阻害しないものであればよく、その塩基数としては例えば20塩基以下、好ましくは10塩基以下、より好ましくは5塩基以下、より好ましくは1又は2塩基である。第6ポリヌクレオチドは、特に好ましくは、配列番号6の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
第6プライマーは第6ポリヌクレオチドからなるものであってもよいし、第6ポリヌクレオチドに、増幅産物の検出のための標識用タグ、標識物質、固定化用タグ等の有用な化学構造が付加されたものであってもよい。
第5プライマーと第6プライマーとを含むプライマー対Cは、虫のミトコンドリアゲノム上にある16Sコード遺伝子領域における、虫に特異的な塩基配列(非保存領域)を増幅でき、且つ、虫種に共通するプライマー設計の可能な領域(保存領域)にアニーリングできるように設計された。プライマー対Cを用い、虫由来DNAを鋳型とする核酸増幅反応により増幅される核酸断片の長さは主に200bpであり、加えてプライマーに挟まれた配列の挿入・欠失や、プライマーの5’末端に接続された塩基配列の長さによる変動がある。プライマー対Cによる増幅領域は、加工等によりDNAが損傷を受けていても標的増幅産物が得られ易く、且つ、虫種を識別可能なレベルの非保存領域の長さを有する。また、プライマー対Cによる増幅領域は、多くの虫種で塩基配列データベースが充実しているため、塩基配列に基づく虫異物の虫種同定を行うのに適している。
なお、配列番号1〜6の各塩基配列は、検出しようとする多くの虫種においてミスマッチ数が一定以下、好ましくは7塩基以下、より好ましくは5塩基以下となるように設計されている。
上記のプライマー対A、プライマー対B及びプライマー対Cは、それぞれ、虫のミトコンドリアゲノム上にあるCOIコード遺伝子領域又は16Sコード遺伝子領域の所定の領域を核酸増幅反応により増幅できるように論理的に設計したことに加え、プライマーの塩
基配列を工夫した中で最良の形態と判断されたプライマー対について、PCR反応条件を鋭意検討し、最終的には実際の性能評価試験を行い、意図した感度と特異性を発揮していることを確認したものである。なお、理論上は首尾よく設計されたプライマー・プローブであっても、必要な感度と特異性を保有し得ない場合があることが周知である。例えば、配列番号4と配列番号7からなるプライマー対Dは、研究段階において、DNAバーコーディング領域内に設計されたプライマー対であるものの、実際に核酸増幅反応を行うと、一部のゴキブリ目の虫で標的増幅産物が得られなかったため、虫種同定用プライマー対としては不適当であった。このように、単に論理的にプライマーを設計すれば必要な特異性を確保できるとは限らない。
本発明のプライマーセットは、上記のプライマー対A、プライマー対B及びプライマー対Cのうち1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つを含む。プライマーセットが2つのプライマー対を含む場合、検出しようとする虫由来DNAにおける増幅領域の1つが加熱処理等の加工により切断されているため核酸断片の増幅ができない場合でも、プライマー対の残る1つによる標的領域の核酸断片の増幅が可能であるため、同定不能となる可能性を低減することができる。プライマーセットが3つのプライマー対を含む場合、検出しようとする虫由来DNAにおける増幅領域の1つ又は2つが加熱処理等の加工により切断されている場合でも、プライマー対の残る2つ又は1つによる標的領域の核酸断片の増幅が可能であるため、同定不能となる可能性を低減することができる。
<3.虫の種類を同定する方法>
本発明の、虫の種類を同定する方法は、
虫に由来するDNAを鋳型とし、本発明のプライマーセットに含まれるプライマー対を用いて核酸増幅反応を行う工程1と、
工程1での核酸増幅反応の増幅産物の塩基配列を解析する工程2と
を含むことを特徴とする。
本発明のこの実施形態では、工程1での核酸増幅反応の増幅産物の塩基配列を工程2において解析し、塩基配列データベースで検索することで、DNAの起源となった虫の種類を同定する。ここで虫の種類を「同定する」とは、DNAの起源となった虫がどの生物分類群に属するかを推定することを指す。ここで「生物分類群」とは、一般的な生物分野において生物の分類に使用されている分類群を指し、例えば、目レベル、科レベル、属レベル又は種レベルの生物分類群を指す。
工程1において鋳型として用いるDNAは、調べようとする虫試料から抽出したDNAを用いることができる。使用する虫試料は微量でよく、例えば0.1mg程度であってもよい。虫試料からのDNAの抽出は、例えばDNeasy Blood & Tissue kit(QIAGEN社)を用いた方法等の、既存の方法を適宜使用できる。
工程1における核酸増幅反応は、一般的なPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法に従って行うことができる。PCRに用いるDNAポリメラーゼは、耐熱性のDNAポリメラーゼであればよい。市販のDNAポリメラーゼを利用することが可能である。また、プライマー濃度、サイクル数、温度、時間、緩衝液の組成等は、用いるDNAポリメラーゼや、各プライマーの濃度等に応じて、適宜選択することができる。
プライマーセットがプライマー対A、プライマー対B及びプライマー対Cのうち2種又は3種を含む実施形態では、工程1は、プライマー対毎に行うことができる。
核酸増幅反応では、鋳型DNAに、使用するプライマー対の標的塩基配列が存在する場合に、標的塩基配列を含む核酸断片が増幅産物として生じる。
工程2において増幅産物の塩基配列は、通常は自動塩基配列決定機(例えばサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 310 Genetic Analyzer等)を用いて解析することができる。
工程2で解析により得られた増幅産物の塩基配列からの、DNAの起源となった虫の種類の同定の方法は特に限定されない。例えば、増幅産物の塩基配列を、塩基配列データベースで検索し、検索の結果最も同一性の高い塩基配列を有する虫種を、DNAの起源となった虫種であると同定することができる。塩基配列データベースの検索は、例えばblastnを用いたGenBank登録配列検索システム (https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE_TYPE=BlastSearch)や、BOLD systems (http://www.boldsystems.org/index.php/IDS_OpenIdEngine)で行う。或いは、工程2で解析により得られた増幅産物の塩基配列を、既知の虫種の対応する塩基配列と比較し、配列同一性が一定の閾値以上である場合に、DNAの起源となった虫が、前記既知の虫種であると同定することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1:プライマー設計に用いる配列の入手とプライマー設計
COIコード遺伝子領域、16Sコード遺伝子領域のそれぞれについて、各種虫の塩基配列情報を集めて、3種類の虫異物同定用プライマー対を設計した。
<試料の調製>
食品に混入しうる異物のモデルサンプルとして、周囲の環境から下記の表1に示す24試料を入手した。虫の一部0.1mg−3mgをバイオマッシャーII(株式会社ニッピ)で粉砕後、Proteinase K溶液を20μL加え、タッチミキサーで攪拌後、55℃に調温した恒温水槽で1−3時間加温した。その後はDNeasy Blood & Tissue kit(QIAGEN社)のプロトコルに従ってDNA抽出を行なった。
<PCR>
上記24種の虫DNAを鋳型として、非特許文献1の動物DNAバーコーディング法によりCOIコード遺伝子領域の配列情報を得るためのPCRを行なった。プライマー対として、配列番号1の塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号4の塩基配列からなるリバースプライマーとの組み合わせを使用した。
反応液組成は、1×PCR Buffer II(ThermoFisher Scientific社)、4.0mM MgCl、0.2mM dNTP Mix(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、1.0μM フォワードプライマー、1.0μM
リバースプライマーで、1.25Uの AmpliTaq GOLD DNA polymerase、2μLの抽出DNA溶液を加え、50μLの溶液になるように調製した。
PCRサイクルは、95℃、10分間の変性後、95℃、1分間の変性→40℃、1分間のアニーリング→72℃、1分30秒間のプライマーの伸長反応のサイクルを40サイクル行い、最後に72℃、10分間の伸長反応を行なった。
<PCR増幅産物の有無及び断片長の確認>
増幅反応後のそれぞれのPCR反応液の一部を自動電気泳動装置MultiNA(島津製作所社)に供した。増幅されたDNAの断片長を確認し、標的増幅産物が得られたことを確認した。
<PCR増幅産物の塩基配列解析>
標的増幅産物が得られたPCR反応液からMinElute PCR purification Kit(QIAGEN社)を用いてPCR増幅産物を精製した。塩基配列解析はユーロフィンジェノミクス株式会社に依頼した。それぞれのPCR増幅産物の塩基配列をダイレクトシーケンス法により決定した。
結果、表1に示すように、24試料から17配列を得た。目以上のレベルでは8分類に分けられた。17種の配列の各々に便宜上「配列ID」を割り当てた。配列IDが同じである場合、決定された配列が同じであることを示す。
<PCR増幅産物の塩基配列解析>
上記で決定された塩基配列と同一性が高い塩基配列を、塩基配列データベースを用いて検索した。検索には、NCBIのblastn(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE_TYPE=BlastSearch)を用いた。表1に、上記で決定された各塩基配列と最も同一性が高い塩基配列のアクセッション番号を示す。
Figure 2019062815
<プライマーの設計>
COIコード遺伝子領域上の虫異物同定用プライマーの設計には、上記で得られた配列ID1〜17の17配列を用いた。16Sコード遺伝子領域は、GenBankから表2に示す、目レベルで異なる14虫種について入手して用いた。それぞれから保存性の高い領域を選択し、プライマーの位置・塩基配列を調整した。設計したプライマー対をそれぞれA、B、Cと名付け、表3に配列を示す。プライマー対Cにおいて「Y」はC及びTの混合塩基を示す。すなわち本実施例において、プライマー対Cでは、フォワードプライマーを構成する配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチド分子は、Y=Cであるポリヌクレオチド分子と、Y=Tであるポリヌクレオチド分子との混合物であり、リバースプライマーを構成する配列番号6の塩基配列からなるポリヌクレオチド分子も、Y=Cであるポリヌクレオチド分子と、Y=Tであるポリヌクレオチド分子との混合物である。
プライマー対Aの配列番号1、プライマー対Bの配列番号4は、それぞれ、非特許文献1に記載のDNAバーコーディング法に用いられているフォワードプライマー、リバースプライマーと同一である。
配列番号2は、各虫のCOIコード遺伝子領域上にある、配列番号2の塩基配列に相補的な塩基配列にアニーリングすることができる。配列番号1、配列番号2はそれぞれプライマー対Aのフォワードプライマー、リバースプライマーとして用いる。
配列番号3は、各虫のCOIコード遺伝子領域上にある、配列番号3の塩基配列に相補的な塩基配列にアニーリングすることができる。配列番号3、配列番号4はそれぞれプライマー対Bのフォワードプライマー、リバースプライマーとして用いる。
配列番号5,6は、虫それぞれの16Sコード遺伝子領域上にある、配列番号5,6それぞれの塩基配列に相補的な塩基配列にアニーリングすることができる。配列番号5、配列番号6はそれぞれプライマー対Cのフォワードプライマー、リバースプライマーとして用いる。
Figure 2019062815
Figure 2019062815
実施例2:異物サンプルの同定
実施例1で設計した3種類のプライマー対A,B,Cと、非特許文献1に記載のプライマー対(配列番号1の塩基配列からなるプライマーと、配列番号2の塩基配列からなるプ
ライマーとの組み合わせ)について、虫異物同定能を比較した。
<試料の調製>
食品に混入しうる異物のモデルサンプルとして、表4に示す、7目38種の虫試料を住化テクノサービス株式会社から入手した。DNA抽出は実施例1と同様に行なった。
<PCR>
反応液組成はプライマー対A、B、C共通で、1×HotStarTaq DNA Master Mix(QIAGEN社)、0.5μM フォワードプライマー、0.5μM リバースプライマーで、2μLの抽出DNA溶液を加え、20μLの溶液になるように調製した。
PCRサイクルは、95℃、15分間の変性後、95℃、30秒間の変性→1分間のアニーリング→72℃、30秒間の伸長反応のサイクルを45サイクル行なった。アニーリング温度は、プライマー対A、Bを用いるPCRではともに40℃、プライマー対Cを用いるPCRでは50℃に設定した。
また、実施例1で作製したプライマー対の比較対象として、非特許文献1の動物DNAバーコーディング法を行なった。PCR条件は、実施例1と同様に行なった。
Figure 2019062815
<PCR増幅産物の有無及び断片長の確認>
実施例1と同様に行なった。リンゴコカクモンハマキ、コナガ、チャノコカクモンハマキ、カシノシマメイガでは、プライマー対Cを用いるPCRサイクルのアニーリング温度をそれぞれ58、58、58、54℃に設定して得られたPCR増幅産物を用いた。
<PCR増幅産物の塩基配列解析>
PCR産物からの塩基配列取得は、実施例1と同様に行なった。
塩基配列データベースでの検索は、まず、NCBIのblastn(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE_TYPE=BlastSearch)を用いた。配列の一致率が100%未満だった場合、塩基配列データベースの検索にはBOLD systems (http://www.boldsystems.org/index.php/IDS_OpenIdEngine)も追加した。最も塩基配列の一致率が高かった虫種を、DNAの起源となった虫種と同定した。
それぞれの試料からそれぞれのプライマー対で得られた標的増幅産物について、塩基配列データベースでの検索によって同定した虫種が入手した虫種の名前と一致した場合、同定結果が合致したと判定した。また、プライマー対A、B、Cそれぞれ結果のうち、2/3が合致していた場合、A+B+Cの同定結果が合致したと判定した。
<実験結果>
38虫種について、標的増幅産物の得られた割合、及び、塩基配列解析し同定結果が試料名と一致した割合を表5に示す。
Figure 2019062815
プライマー対A、B、Cの各々単独での同定結果が試料名と一致した割合は87%、92%、74%であり、非特許文献1のプライマー対による71%以下よりも高かった。また、プライマー対A、B、Cを組合せることで、同定結果と試料名の一致率は92%とさらに高くなった。すなわち、3種類の方法を組み合わせることによって、同定精度が高まることが確認された。
プライマー対A+B+Cで同定できなかった3種(ヒラタチャタテ、シラホシカメムシ、バクガ)は、それぞれ同定できなかった原因が異なったものの、いずれもGenBankデータベースが充実すれば同定できる可能性がある。
ヒラタチャタテはプライマー対Cでは正しく同定できた。しかし、プライマー対A、Bそれぞれを用いた場合、該当する種の配列がGenBankデータベースに存在したにもかかわらず、異種由来配列でより高い一致率の配列が存在した。
シラホシカメムシはプライマー対Aでは複数の塩基配列が混在して配列を決定できなかった。プライマー対Bでは該当する種の配列がGenBankデータベースに存在したにもかかわらず、異種由来配列でより高い一致率の配列が存在した。プライマー対Cでは塩基配列が決定できたが、GenBankデータベースに、該当する種の配列が存在しなか
った。
バクガはプライマー対Aで正しく同定できた。しかし、プライマー対Bでは該当する種の配列がGenBankデータベースに存在したにも関わらず、異種由来配列でより高い一致率の配列が存在した。プライマー対Cでは塩基配列が決定できたが、GenBankデータベースに該当する種の配列が存在しなかった。
これら3種は互いに異なる目だったことから、本発明の方法は、特定の分類の虫での同定に適さないという傾向はない。
この他、試料名が明確ではない虫試料として、形態観察からクモ及びムカデと推測された試料をそれぞれ入手し、同様の手順で同定を試みた。クモ試料はプライマー対C、ムカデ試料はプライマー対A、B、Cを用いた。結果、クモ、ムカデ試料からそれぞれのプライマー対で明瞭な標的増幅産物が一本得られた。各標的増幅産物の塩基配列をblastnで検索し、最上位で一致した塩基配列との一致率を確認した結果、クモ試料ではヨーロッパイヅツグモの塩基配列と93%で一致し、ムカデ試料ではトビズムカデの塩基配列と80〜96%で一致した。これらの試料名が明確ではない虫試料については、同定結果の正しさについて検証できないものの、クモ、ムカデも本発明の方法で同定可能であることが確認された。
実施例3:非特許文献2−5の、様々な虫種に対する増幅の有無の確認
実施例1で設計した3種類のプライマー対A、B、Cと、非特許文献2、3、4、5に記載のプライマー対について、虫異物同定能を比較した。
虫DNA試料は、実施例2の表4で示した異物のモデルサンプルのうち、表6に示す、目レベルで異なる7試料を用いた。いずれも実施例2において、プライマー対A,B,Cのいずれでも同定結果と試料名が合致した試料である。
Figure 2019062815
非特許文献2、3、4、5に記載のプライマー対の配列は表7の通りである。配列番号8、10及び11において「I」はイノシンを表す。配列番号8、10、11及び12に
おいて、「R」はA及びGの混合塩基を示し、配列番号8、10、11及び12で示される各プライマーを構成するポリヌクレオチド分子は、各位置のRについて、R=Aであるポリヌクレオチド分子と、R=Gであるポリヌクレオチド分子との混合物である。配列番号8及び10において、「Y」はC及びTの混合塩基を示し、配列番号8及び10で示される各プライマーを構成するポリヌクレオチド分子は、各位置のYについて、Y=Cであるポリヌクレオチド分子と、Y=Tであるポリヌクレオチド分子との混合物である。
Figure 2019062815
<PCR>
非特許文献2,3,4のプライマー対の反応液組成は、1×PCR Buffer、2.0mM MgCl、0.2mM dNTP Mix(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、0.2μM フォワードプライマー、0.2μM リバースプライマーで、2U のPlatinum Taqと2μLの抽出DNA溶液を加え、25μLの溶液になるように調製した。
非特許文献2,3,4のプライマー対のPCRサイクルは、95℃、5分間の変性後、94℃、40秒間の変性→1分間のアニーリング→72℃、30秒間のプライマーの伸長反応のサイクルを35サイクル行い、最後に72℃、5分間の伸長反応を行なった。アニーリングの温度は、非特許文献2、4はともに46℃、非特許文献3は43.5℃に設定した。
非特許文献5のプライマー対のPCR反応液は、1×PCR Buffer II(ThermoFisher Scientific社)、2.0mM MgCl、0.25mM dNTP Mix(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、0.5μM フォワードプライマー、0.5μM リバースプライマーで、0.5Uの AmpliTaq GOLD DNA polymerase、1μLの抽出DNA溶液を加え、10μLの溶液になるように調製した。
非特許文献5のプライマー対のPCRサイクルは、94℃、10分間の変性後、94℃、30秒間の変性→45℃、30秒間のアニーリング→72℃、45秒間のプライマーの伸長反応のサイクルを35サイクル行い、最後に72℃、10分間の伸長反応を行なった。
<実験結果>
PCR増幅産物のゲル電気泳動の結果を図1に示す。7試料のいずれからも標的増幅産物のみが得られたのは、非特許文献2、4のプライマー対を用いたPCRであった。非特許文献3のプライマー対を用いたPCRでは、7試料のうちヒラタチャタテ、アズキゾウムシ、ミカンキイロアザミウマの3試料で標的増幅産物が得られなかった。また、非特許
文献5のプライマー対を用いたPCRでは、ヒラタチャタテで標的増幅産物が得られなかっただけでなく、アズキゾウムシ、クサギカメムシ、ミカンキイロアザミウマ、スジコナマダラメイガで非標的増幅産物が多く得られ、これら5試料はいずれも塩基配列解析しても配列情報が得られない可能性が高いと考えた。一方、プライマー対A、B、Cを用いたPCRでは、唯一ミカンキイロアザミウマの1試料について、プライマー対Aを用いたPCRで標的増幅産物が得られなかった以外は、いずれも標的増幅産物のみが得られた。
この結果から、非特許文献3、5のプライマー対は本発明のプライマー対A、B、Cに比べ、食品から混入しうる虫異物に対応できないと考えられた。
7試料全てで標的産物の得られた非特許文献2,4のプライマー対については、引き続き加熱可能を受けた異物サンプルの増幅が可能かを確認した。
実施例4:加熱加工を受けた異物サンプルの増幅確認
実施例1で設計した3種類のプライマー対A、B、Cと、非特許文献2、4のプライマー対について、加熱加工処理したモデル異物サンプルを用いて虫異物同定能を比較した。
<DNA試料の作製>
加熱した虫DNA試料としては、1.5mLチューブに30μLの実施例3で使用したクサギカメムシDNA試料を分注し、それぞれ121℃で5分間、10分間、20分間又は30分間の加熱を行なった試料を用いた。
加熱加工を受けた虫異物サンプルとしては、モデルとして作製したレトルト白粥にあらかじめ混入させたクサギカメムシの肢を用いた。具体的には、クサギカメムシの肢1本(3mg)を白米15g、水135gと共にレトルトパウチに封入し、118℃、25分の加熱を行なって作製した。試料は2袋作製した。冷却後、それぞれの試料から肢を取り出して水で洗浄後、実施例2と同様の方法でDNA抽出を行い、DNA試料を得た。
<PCR>
本発明のプライマー対A、B、Cを用い、実施例2の方法でPCRを行なった。
非特許文献2,4のプライマー対を用い、実施例3の方法でPCRを行なった。
<実験結果>
非特許文献2、4のプライマー対、本発明のプライマー対A、B、Cをそれぞれ用いたPCRによる増幅産物のゲル電気泳動による確認結果を図2に示す。
非特許文献2のプライマー対を用いたPCRにより標的増幅産物が得られたのは、121℃で5分間又は10分間加熱したDNA試料を鋳型とした場合のみであった。非特許文献4のプライマー対を用いたPCRにより標的増幅産物が得られたのは、121℃で5分間加熱したDNA試料を鋳型とした場合のみであった。一方、本発明のプライマー対A、B、Cを用いたPCRでは、いずれのDNA試料を鋳型とした場合であっても標的増幅産物が得られた。この結果から、本発明のプライマー対A、B、Cを用いるPCRは、非特許文献2、4のプライマー対を用いるPCRと異なり、加熱処理を受けたDNAでも標的増幅産物を得ることができることが確認された。
実施例5:プライマー対Dの特異性確認
理論上は首尾よく設計されたプライマーであっても、必要な感度と特異性を保有し得ない場合があることを、下記の配列番号4と配列番号7からなるプライマー対Dによって示す。
<プライマーの設計>
実施例1で入手した24種の動物DNAバーコーディング領域17配列について、実施例1と同様に調整して得られたプライマー対をDと名付けた。プライマー対Dの各プライマー配列は下記の通りである。
Figure 2019062815
<試料>
実施例1に記載された、試料10、11(いずれもゴキブリ目)、18(チョウ目)、24(ハチ目)のDNA溶液を用いた。
<PCR>
反応液組成は実施例2でのプライマー対A、B、Cを用いるPCRの反応液組成と同様とした。アニーリング及び伸長反応の温度は、40℃又は45℃に設定した。
<PCR増幅産物の有無及び断片長の確認>
実施例1と同様に行なった。
<実験結果>
結果、図3に示すように、プライマー対Dを用いるPCRでは、チョウ目の試料18、ハチ目の試料24のDNAを鋳型とした場合に標的増幅産物が得られたものの、ゴキブリ目の試料のうち試料10のDNAを鋳型とした場合には標的増幅産物が得られなかった。ゴキブリ目の2つの試料10、11は、動物DNAバーコーディング領域の配列が同一であるにもかかわらず、片方で結果が得られなかったことから、プライマー対Dは安定した結果が得られないと判断した。
本発明のプライマー対A、B、Cはいずれも論理的設計だけでなく、更なる工夫を施した上で、意図した標的増幅産物が得られることを確認したものである。
本発明は、飲食品及び他の製品に混入した虫異物の虫種を同定するために利用することができる。

Claims (4)

  1. 虫に由来するDNAの断片を増幅するためのプライマーセットであって、
    配列番号1の塩基配列
    GGTCAACAAATCATAAAGATATTGG
    のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第1ポリヌクレオチドを含む第1プライマーと、
    配列番号2の塩基配列
    GAAGAAAATTATAACAAAAGCATG
    のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第2ポリヌクレオチドを含む第2プライマーと
    を含むプライマー対A、
    配列番号3の塩基配列
    GCCAGTTCTAGCAGGAGCTATTAC
    のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第3ポリヌクレオチドを含む第3プライマーと、
    配列番号4の塩基配列
    TAAACTTCAGGGTGACCAAAAAATCA
    のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第4ポリヌクレオチドを含む第4プライマーと
    を含むプライマー対B、及び、
    配列番号5の塩基配列
    ATTACGCTGTTATCCCY
    (YはC又はT或いはC及びTの混合塩基である)
    のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第5ポリヌクレオチドを含む第5プライマーと、
    配列番号6の塩基配列
    GACGAGAAGACCCY
    (YはC又はT或いはC及びTの混合塩基である)
    のうち3’末端から10塩基以上の連続した塩基配列と同一又は相同な塩基配列を3’末端に含む第6ポリヌクレオチドを含む第6プライマーと
    を含むプライマー対C
    のうち1つ以上を含むプライマーセット。
  2. 前記プライマー対A、前記プライマー対B、及び、前記プライマー対Cのうち2つ以上を含む、請求項1に記載のプライマーセット。
  3. 前記プライマー対A、前記プライマー対B、及び、前記プライマー対Cを含む、請求項2に記載のプライマーセット。
  4. 虫に由来するDNAを鋳型とし、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプライマーセットに含まれるプライマー対を用いて核酸増幅反応を行う工程1と、
    工程1での核酸増幅反応の増幅産物の塩基配列を解析する工程2と
    を含むことを特徴とする、虫の種類を同定する方法。
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