JP2007075017A - Campylobacterjejuniの検出法 - Google Patents

Campylobacterjejuniの検出法 Download PDF

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Abstract

【課題】
Campylobacter jejuniを特異的、高感度かつ迅速に検出する方法を提供すること。
【解決手段】
Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子配列から設計された任意の塩基配列と特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーを用いて核酸増幅を検出することによるCampylobacter jejuniの検出方法、並びにCampylobacter jejuniの検出用キット。
【選択図】
なし

Description

本発明は、Campylobacter jejuniの検出方法に関し、さらに詳しくは遺伝子の、高感度な検出法を利用したCampylobacter jejuni感染症の診断方法に関するものである。
カンピロバクターは感染型の食中毒細菌で、病原因子は確定されていないが、主たる病態は組織侵入性であると考えられている。「カンピロバクター」という名前はギリシャ語の「湾曲した桿菌」の意で、コイル状らせん型をした桿菌である。大きさは1.5〜5×0.2〜0.5μmのグラム陰性桿菌で、1本の鞭毛が一極あるいは両極にあり、コルクスクリュー様に運動する。大気中では生育できず、酸素濃度が3〜15%の微好気性環境で発育し生存する。
初めて分離されたカンピロバクターはCampylobacter fetusで、1913年に牛の流産胎児から発見された。その形態から最初はビブリオ属として扱われていたが、1931年にCampylobacter jejuniが、1948年にCampylobacter coliがそれぞれ動物の腸炎から分離され、1963年にカンピロバクター属としてビブリオ属から独立した。
カンピロバクターがヒトに対し病原性があることが確認されたのは1972年であり歴史が浅い。1977年にスキローが開発した選択分離培地(スキロー寒天)により、便からの分離が容易となり、感染性腸炎の原因菌として広く認知されるに至った。日本では1982年にCampylobacter jejuniとCampylobacter coliが食中毒原因菌に指定され、さらに2003年に感染症法の中で定点把握の5類感染症の感染性胃腸炎の原因菌の一つとなった。
それゆえ、カンピロバクター食中毒が疑われる場合には24時間以内に最寄の保健所に届けることが義務付けられている。しかし、カンピロバクター食中毒は潜伏期間は2〜10日と比較的長く、その間に原因食品が消費あるいは廃棄されているケースが多いこと、少数菌でも感染が成立すること、通常の大気中では死滅しやすいことなどの理由より、感染源の特定は極めて困難なのが現状である。
腸炎の場合、感染源として肉類が重要であり、特に鶏肉からは高率に分離され、かつ報告事例も多い。また、汚染した鶏肉を調理した器具を洗浄せずに生野菜を調理して、生野菜へ二次汚染した例も確認されている。その一方、河川水中では比較的長期間生存でき、このため、井戸水の汚染で大規模に発生することもある。
先進国で多い炎症性の腸炎では、急性の腹痛と鮮血・粘液・白血球を含む水様性下痢が2、3日続き、前駆症状として発熱を起こす例も多い。まれに下痢発病の1〜2週間後にギランバレー症候群という重度の末梢神経炎を起こすことがある。通常の場合自然治癒するが、重症例では対処療法と化学療法が必要になる。
第一選択薬剤はエリスロマイシン等のマクロライド系薬剤である。セフェム系薬剤には自然耐性であり、ニューキノロン系薬剤に対しては耐性化が進んでいるので注意が必要となる。
カンピロバクターの標準的な検査法は分離培養法である。感染源を特定するには食材が、診断には便検体が使用される。他の多くの食中毒菌の検査と同様、分離培養法には直接分離培養法と増菌培養を加えた分離培養法がある。
増菌培養を加えた分離培養法を例にとると、前処理した食材を増菌培地で微好気下で42℃・1日培養した後、選択分離用培地に接種、微好気下で42℃・2日培養する。その後、カンピロバクターと疑わしいコロニーを位相差顕微鏡、あるいは暗視野顕微鏡により、形態観察、およびその運動性を調べる。それらの結果、カンピロバクターと疑われるコロニーを、選択剤を含まない血液寒天培地で純粋培養し、生化学性状を調べて同定を行う。
しかし、増菌から分離、同定するには5日程度の日数を必要とすることから、迅速性を図る目的でPCR法等の遺伝子診断技術が導入されつつある(非特許文献1)。このように、カンピロバクターの検査においてPCR法は迅速性の高い方法として認知されているが、さらなる迅速性と感度の向上、かつ簡便な遺伝子検出法が必要とされている。
本発明者らは、現在知られている方法、分離培養法やPCR法より迅速であり、高感度で特異的かつ簡便な検出方法、すなわちLAMP法を用いることで、本発明の目的を達成できた。
D. K. Winters, et.al., "Molecular and Cellular Probes"11:267−271(1997)
本発明は、Campylobacter jejuni感染の検査のために、Campylobacter jejuniを検出させることを目的とする。また、Campylobacter jejuniによって汚染した食材中、また調理器具上のCampylobacter jejuniの有無を検査することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子配列と選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーを作製し、LAMP法によりCampylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子配列を増幅することで、Campylobacter jejuniを高感度に検出できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)配列番号1で示されるCampylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の塩基配列の、199番〜430番の塩基配列から選ばれた任意の塩基配列、又はそれらと相補的な塩基配列から設計されたオリゴヌクレオチドプライマー。
(2)Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の塩基配列から選ばれた配列番号2〜9で示される塩基配列又はそれらと相補的な塩基配列から選ばれた、少なくとも連続する15塩基を含む(1)記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
(3)Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸上の3’末端側からF3c、F2c、F1cという塩基配列領域を、5’末端側からB3、B2、B1という塩基配列領域を選択し、それぞれの相補的塩基配列をF3、F2、F1、そしてB3c、B2c、B1cとしたときに、以下の(a)〜(d)から選ばれた少なくとも1種の塩基配列からなることを特徴とする(1)〜(2)記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
(a)標的核酸のF2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のF1c領域を有する塩基配列。
(b)標的核酸のF3領域を有する塩基配列。
(c)標的核酸のB2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のB1c領域を有する塩基配列。
(d)標的核酸のB3領域を有する塩基配列。
(4)Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子に特異的な塩基配列を増幅でき、5’末端から3’末端に向かい以下の(a)〜(b)から選ばれた塩基配列から成ることを特徴とする(1)〜(3)記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
(a)5’−(配列番号2の塩基配列に相補的な塩基配列)−(塩基数0〜50の任意の塩基配列)−(配列番号3の塩基配列)−3’。
(b)5’−(配列番号6の塩基配列)−(塩基数0〜50の任意の塩基配列)−(配列番号7の塩基配列に相補的な塩基配列)−3’。
(5)(1)〜(4)記載のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸領域の増幅反応を行うことを特徴とするCampylobacter jejuniの検出方法。
(6)Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸領域の増幅反応がLAMP法であることを特徴とする(5)記載のCampylobacter jejuniの検出方法。
(7)(1)〜(4)記載のオリゴヌクレオチドプライマーを用いてCampylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸領域の増幅を検出することにより、Campylobacter jejuniのOxidoreductaseの有無を検出することを特徴とするCampylobacter jejuniの検出方法。
(8)Campylobacter jejuniの検出方法において、(1)〜(4)記載のオリゴヌクレオチドプライマーを含むことを特徴とするキット。
本発明により、特異的、高感度かつ迅速にCampylobacter jejuniを検出できる。以下、本発明を詳細に説明する。
核酸増幅によるCampylobacter jejuniの同定の検体としては、臨床検査材料、たとえば培養した菌体、糞便、吐瀉物、尿、血液、組織など、また食品材料や拭き取り検体でも良い。
これら糞便、吐瀉物、尿、血液、組織等の臨床検体材料、又は食品材料や拭き取り検体をLAMP法の試料に用いるには、タンパク質分解酵素等による組織細胞由来タンパク質を分解後、フェノール及びクロロホルムを用いた方法等一般的なDNA抽出・精製法はもちろん、既に市販されている抽出キット(例えばキアゲン社のDNeasy Tissue Kitや、Gentra社のPureGene Cell and Tissue Kit等)を用いて得られた抽出核酸を検体とする。もしくは、迅速な検出のため、未精製の状態のままの試料処理液を検体として使用できる場合も含む。
このような生体由来の核酸を増幅するためには、近年、納富らが開発した、PCR法で不可欠とされる温度制御が不要な新しい核酸増幅法:LAMP(Loop−mediated Isothermal Amplification)法と呼ばれるループ媒介等温増幅法(特許公報国際公開第00/28082号パンフレット)で達成できる。
このLAMP法は、鋳型となるヌクレオチドに自身の3’末端をアニールさせて相補鎖合成の起点とするとともに、このとき形成されるループにアニールするプライマーを組み合わせることにより、等温での相補鎖合成反応を可能とした核酸増幅法である。
また、LAMP法では、プライマーの3’末端が常に試料に由来する領域に対してアニールするために、塩基配列の相補的結合によるチェック機構が繰り返し機能するため、その結果として、高感度にかつ特異性の高い核酸増幅反応を可能にしている。
LAMP法の核酸増幅で用いられるオリゴヌクレオチドプライマーは、鋳型核酸の塩基配列の計6領域、すなわち3’末端側からF3c、F2c、F1cという領域と、5’末端側からB3、B2、B1という領域の塩基配列を認識する少なくとも4種類のプライマーであって、各々インナープライマーF及びB、アウタープライマーF及びBと呼ぶ。また、F1c、F2c、F3cの相補的な塩基配列をF1、F2、F3、またB1、B2、B3の相補的な塩基配列をB1c、B2c、B3cとそれぞれ呼ぶ。
インナープライマーとは、標的塩基配列上の「ある特定のヌクレオチド配列領域」を認識し、かつ合成起点を与える塩基配列を3’末端に有し、同時にこのプライマーを起点とする核酸合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を5’末端に有するオリゴヌクレオチドである。ここで、「F2より選ばれた塩基配列」及び「F1cより選ばれた塩基配列」を含むプライマーをインナープライマーF(以下IPF)、そして「B2より選ばれた塩基配列」と「B1cより選ばれた塩基配列」を含むプライマーをインナープライマーB(以下IPB)と呼ぶ。インナープライマーは、「F2より選ばれた塩基配列」と「F1cより選ばれた塩基配列」の間、あるいは「B2より選ばれた塩基配列」と「B1cより選ばれた塩基配列」の間に、塩基数0〜50の任意の塩基配列を持っても良い。
一方、アウタープライマーとは、標的塩基配列上の『「ある特定のヌクレオチド配列領域」の3’末端側に存在するある特定のヌクレオチド配列領域』を認識かつ合成起点を与える塩基配列を有するオリゴヌクレオチドである。ここで、「F3より選ばれた塩基配列」を含むプライマーをアウタープライマーF(以下OPF)、「B3より選ばれた塩基配列」を含むプライマーをアウタープライマーB(以下OPB)と呼ぶ。
ここで、各プライマーにおけるFとは、標的塩基配列のセンス鎖と相補的に結合し、合成起点を提供するプライマー表示であり、一方Bとは、標的塩基配列のアンチセンス鎖と相補的に結合し、合成起点を提供するプライマー表示である。ここで、プライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドの長さは、10塩基以上、好ましくは15塩基以上で、化学合成あるいは天然のどちらでも良く、各プライマーは単一のオリゴヌクレオチドであってもよく、複数のオリゴヌクレオチドの混合物であってもよい。
LAMP法の核酸増幅においては、インナープライマーとアウタープライマーに加え、さらにこれとは別のプライマー、すなわちループプライマーを用いることができる。ループプライマー(Loop Primer)は、ダンベル構造の5’末端側のループ構造の一本鎖部分の塩基配列に相補的な塩基配列を持つプライマーである。このプライマーを用いると、核酸合成の起点が増加し、反応時間の短縮と検出感度の上昇が可能となる(特許文献国際公開第02/24902号パンフレット)。
ループプライマーの塩基配列は、上述のダンベル構造の5’末端側のループ構造の一本鎖部分の塩基配列に相補的であれば、標的遺伝子の塩基配列あるいはその相補鎖から選ばれても良く、他の塩基配列でも良い。また、ループプライマーは1種類でも2種類でも良い。
本発明者らは、Campylobacter jejuniに由来する塩基配列より、配列番号1で示されるOxidoreductase遺伝子の塩基配列から、Campylobacter jejuniの特異的な塩基配列を迅速に増幅できるLAMP法のプライマーの塩基配列とその組み合わせを鋭意研究した結果、下記のプライマーセットを選定した。
IPF:5'-AAGCACTAGCTAGCTGATTATCGACTAAAGATGAGCAAGGAGAAG-3' (配列番号10)
OPF:5'-TTAAGTGCAGCCTGTGAA-3' (配列番号4)
IPB:5'-AGAGAATATATGCAAGGGCCTTTCATCTTTGCGTTGCATAGGAG-3' (配列番号11)
OPB:5'-GAGCATTTTCTTCAAGAGCA-3' (配列番号12)
LPF:5'-CGCCTAAACCTATAGCTC-3' (配列番号13)
LPB:5'-CCGAACAAGGCTATCAAA-3' (配列番号9)
核酸合成で使用する酵素は、鎖置換活性を有する鋳型依存性核酸合成酵素であれば特に限定されない。このような酵素としては、Bst DNAポリメラーゼ(ラージフラグメント)、Bca(exo−)DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント等が挙げられ、好ましくはBst DNAポリメラーゼ(ラージフラグメント)が挙げられる。
LAMP法による核酸増幅産物の検出には公知の技術が適用できる。例えば、増幅された塩基配列を特異的に認識する標識オリゴヌクレオチドや蛍光性インターカレーター法(特許文献特開2001−242169号公報)を用いたり、あるいは反応終了後の反応液をそのままアガロースゲル電気泳動にかけても容易に検出できる。アガロースゲル電気泳動では、LAMP増幅産物は、塩基長の異なる多数のバンドがラダー(はしご)状に検出される。
また、LAMP法では核酸の合成により基質が大量に消費され、副産物であるピロリン酸が、共存するマグネシウムと反応してピロリン酸マグネシウムとなり、反応液が肉眼で確認できる程度に白濁する。したがって、反応中の濁度上昇経過や反応終了後の濁度を光学的に観察できる分光光度計等の測定機器を用いて確認することも可能である(特許文献国際公開第01/83817号パンフレット)。
本発明のプライマーを用いて核酸増幅の検出を行う際に必要な各種の試薬類は、あらかじめパッケージングしてキット化することができる。具体的には、本発明のプライマーあるいはループプライマーとして必要な各種のオリゴヌクレオチド、核酸合成の基質となる4種類のdNTP、鎖置換活性を有する鋳型依存性核酸合成酵素、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液や塩類、酵素や鋳型を安定化する保護剤、さらに必要に応じて反応生成物の検出に必要な試薬類がキットとして提供される。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1.検出感度の確認
LAMP法と、PCR法の検出感度の比較を行った。
1.試料及び試薬の調製
(1)試料の調製
Campylobacter jejuni 6532株を血液寒天培地を用い微好気条件下で培養した。増殖したコロニーを滅菌した綿棒で採取後、生理食塩水中に懸濁し、620nmでの吸光度からマクファーランド1に調製して3×10cfu/mLの菌懸濁液を作成し、その後にTE緩衝液(ニッポンジーン社製)で25倍希釈して1.2×10cfu/mLの菌懸濁液を調製した。該懸濁液を10倍ずつTE緩衝液で段階的に希釈を行い、95℃・5分間加熱処理したものを鋳型DNAを含む検体として用いた。
(2)PCR法に用いるプライマーと方法
PCR法はOxidoreductase遺伝子をターゲットとするD. K. Wintersらが開発したnested PCR法、つまり上流側プライマー(配列番号14)と同下流側プライマー(配列番号16)で反応後、その産物を用いて再度上流側プライマー(配列番号14)と同下流側プライマー(配列番号15)で反応を行う方法を用いた。
(3)LAMP法に用いるプライマー
プライマーとしてIPF(配列番号10)、OPF(配列番号4)、IPB(配列番号11)、OPB(配列番号12)、LPF(配列番号13)、LPB(配列番号9)を用いた。
2.核酸増幅法による反応
(1)PCR法による反応
PCR反応は、非特許文献1に記載の方法で行った。
<1st PCRの反応溶液組成及び反応条件>
1反応あたり各試薬が下記になるよう調製した。
・1mol/L Tris−HCl pH8.0 2.5μL
・1mol/L NaCl 2.5μL
・25mmol/L MgCl 2.0μL
・100mmol/L DTT 0.5μL
・1% TritonX−100 5.0μL
・2.5mM dNTPs mixture 4.0μL
・dDW(滅菌超純水) 28.17μL
・100pmol/μL C−1(配列番号14) 0.14μL
・100pmol/μL C−4(配列番号16) 0.14μL
・5U/μL TaKaRa Taq Polymerase 0.05μL
反応溶液に各希釈段階の検体5.0μLを加え、最終反応液量50.0μLとして各PCR反応を行った。PCR反応の温度サイクル条件は、95℃3分静置後、熱変性95℃1分、アニーリング56℃1分、ポリメラーゼ伸長反応72℃1分を1サイクルとして計24サイクル行い、最後に72℃1分間静置後、反応を終了した。所要時間は約2時間であった。
<2nd PCRの反応溶液組成及び反応条件>
1反応あたり各試薬が下記になるよう調製した。
・1mol/L Tris−HCl pH8.0 2.5μL
・1mol/L NaCl 2.5μL
・25mmol/L MgCl 2.0μL
・100mmol/L DTT 0.5μL
・1% TritonX−100 5.0μL
・2.5mM dNTPs mixture 4.0μL
・dDW(滅菌超純粋) 32.17μL
・100pmol/μL C−1(配列番号14) 0.14μL
・100pmol/μL C−2(配列番号15) 0.14μL
・5U/μL TaKaRa Taq Polymerase 0.05μL
反応溶液に1st PCRの産物1.0μLを加え、最終反応液量50.0μLとして各PCR反応を行った。PCR反応の温度サイクル条件は、95℃3分静置後、熱変性95℃1分、アニーリング53℃1分、ポリメラーゼ伸長反応72℃1分を1サイクルとして計24サイクル行い、最後に72℃1分間静置後、反応を終了した。所要時間は約2時間であった。反応終了後の反応溶液2μLを2%アガロースゲルで電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色した。
(2)LAMP法による反応
LAMP法による増幅のため、最終反応溶液25μL中の各試薬濃度が下記になるよう調製した。なお、プライマーの合成はオペロンバイオテクノロジー社に依頼し、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)精製したものを使用した。
反応溶液組成
20mM Tris−HCl pH8.8
10mM KCl
8mM MgSO
1.4mM dNTPs
10mM (NHSO
0.8M Betaine(SIGMA)
0.1% Tween20
1.6μM IPF
1.6μM IPB
0.4μM OPF
0.4μM OPB
0.8μM LPF
0.8μM LPB
8U Bst DNA polymerase(NEB)
LAMP反応は上記試薬20μLに、各濃度の試料溶液5μLを加え、最終反応溶液25μLとして、0.2mLの専用チューブ内で65℃で60分間、リアルタイム濁度測定装置LA−200(栄研化学)を用いて、リアルタイムに反応を検出した。図1に示したように、Campylobacter jejuniを6cfu/testまで希釈したものまで60分以内に検出することが可能であった。比較として行ったnested PCRは、6cfu/testまで希釈したものまで検出可能であった(図2)。検出感度はLAMP法とnested PCRで同等であったが、1st PCRと2nd PCRで合計約4時間の増幅反応とさらに電気泳動分析が必要なnested PCR法と比較して、迅速性でLAMP法が優れていた。
実施例2.プライマーの評価(特異性試験)
表1に示したCampylobacter jejuni16株、Campylobacter coli2株及びCampylobacter fetus1株は血液寒天培地を用い微好気条件下で培養した。増殖した各菌体のコロニーを滅菌した綿棒で採取後、生理食塩水中に懸濁し、620nmでの吸光度により、各菌体濃度を1.2×10cfu/mLになるように調製した。該懸濁液を95℃・5分間加熱処理したものを鋳型DNAを含む検体として用いた。
また、表2に示した非カンピロバクター属菌37菌種37株は血液寒天培地を用い好気条件下で培養した。ただし、Helicobacter pyloriは微好気条件下で培養し、Legionella属はBCYEα寒天培地で培養した。増殖した各菌体のコロニーを滅菌した綿棒で採取後、生理食塩水中に懸濁し、620nmでの吸光度により、菌体濃度を測定した。それぞれ一定量の菌体量(2×10cells)から、DNeasy Tissue Kit(キアゲン社製)を用い、キット能書記載の操作でDNA抽出を行った。抽出したDNA濃度を260nmでの吸光度により濃度を測定し、すべての菌種由来のDNAを2mg/mLにそれぞれ調製し、検体として用いた。
なお、核酸増幅法は実施例1に準じて行った。
表1に示すように、Campylobacter jejuni16株全てにおいて陽性になり、Campylobacter coli2株及びCampylobacter fetus1株は陰性となった。また、表2に示した非カンピロバクター属菌37菌種37株は全てにおいて陰性となった。Nested PCR法においても同様の成績が得られ、特異性では両法とも同じ結果だった。
本発明によれば、Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子配列と選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーを作製し、LAMP法によりCampylobacter jejuniに特異的な塩基配列を増幅することで、Campylobacter jejuniを特異的、高感度かつ迅速に検出することができる。
リアルタイム濁度法によるLAMP法の検出感度を示す。横軸は時間(分)、縦軸は650nmでの吸光度(濁度)である。
nested PCR法による検出感度を示す電気泳動図。
符号の説明
レーン1:マーカー(TaKaRa 100bp Ladder Marker)
レーン2:6×10cfu/test
レーン3:6×10cfu/test
レーン4:6×10cfu/test
レーン5:6×10cfu/test
レーン6:6×10cfu/test
レーン7:Negative Control

Claims (8)

  1. 配列番号1で示されるCampylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の塩基配列の、199番〜430番の塩基配列から選ばれた任意の塩基配列、又はそれらと相補的な塩基配列から設計されたオリゴヌクレオチドプライマー。
  2. Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の塩基配列から選ばれた配列番号2〜9で示される塩基配列又はそれらと相補的な塩基配列から選ばれた、少なくとも連続する15塩基を含む請求項1記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
  3. Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸上の3’末端側からF3c、F2c、F1cという塩基配列領域を、5’末端側からB3、B2、B1という塩基配列領域を選択し、それぞれの相補的塩基配列をF3、F2、F1、そしてB3c、B2c、B1cとしたときに、以下の(a)〜(d)から選ばれた少なくとも1種の塩基配列からなることを特徴とする請求項1〜2記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
    (a)標的核酸のF2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のF1c領域を有する塩基配列。
    (b)標的核酸のF3領域を有する塩基配列。
    (c)標的核酸のB2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のB1c領域を有する塩基配列。
    (d)標的核酸のB3領域を有する塩基配列。
  4. Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子に特異的な塩基配列を増幅でき、5’末端から3’末端に向かい以下の(a)〜(b)から選ばれた塩基配列から成ることを特徴とする請求項1〜3記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
    (a)5’−(配列番号2の塩基配列に相補的な塩基配列)−(塩基数0〜50の任意の塩基配列)−(配列番号3の塩基配列)−3’。
    (b)5’−(配列番号6の塩基配列)−(塩基数0〜50の任意の塩基配列)−(配列番号7の塩基配列に相補的な塩基配列)−3’。
  5. 請求項1〜4記載のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸領域の増幅反応を行うことを特徴とするCampylobacter jejuniの検出方法。
  6. Campylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸領域の増幅反応がLAMP法であることを特徴とする請求項5記載のCampylobacter jejuniの検出方法。
  7. 請求項1〜4記載のオリゴヌクレオチドプライマーを用いてCampylobacter jejuniのOxidoreductase遺伝子の標的核酸領域の増幅を検出することにより、Campylobacter jejuniのOxidoreductaseの有無を検出することを特徴とするCampylobacter jejuniの検出方法。
  8. Campylobacter jejuniの検出方法において、請求項1〜4記載のオリゴヌクレオチドプライマーを含むことを特徴とするキット。
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