JP2019061867A - リチウム電池、リチウム電池の製造方法、電子機器 - Google Patents

リチウム電池、リチウム電池の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】負極側におけるリチウムのデンドライトの成長が抑制されると共に内部抵抗のバラツキが低減され、優れた充放電特性を有するリチウム電池、リチウム電池の製造方法、該リチウム電池を備えた電子機器を提供すること。【解決手段】リチウム電池100は、リチウムを含む正極として機能する複合体10と、リチウムを含む負極30と、複合体10と負極30との間に設けられ、第1電解質12からなる電解質層20と、電解質層20と負極30との間に設けられたヨウ素を含む第2電解質22と、を備え、第1電解質12のイオン伝導度よりも第2電解質22のイオン伝導度のほうが小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム電池、リチウム電池の製造方法、電子機器に関する。
近年、携帯型情報機器をはじめとする多くの電子機器の電源として、リチウム電池(一次電池及び二次電池を含む)が利用されている。リチウム電池は、正極と負極と、これらの層の間に設置され、電気的な絶縁を保ちつつリチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備える。近年、リチウム電池のエネルギー密度は飛躍的に向上したが、一方で電解質の発煙・発火といった危険性も増している。それゆえに、電解質に用いられる有機電解液を不燃性のものとした安全なリチウム電池が求められている。
例えば、特許文献1には、リチウム電池に好適に用いられ、高出力で高容量のリチウム電池とすることが可能な電極複合体の製造方法が開示されている。特許文献1の電極複合体の製造方法は、粒子状のリチウム複酸化物を含む形成材料を圧縮して成形し、850℃以上であって当該リチウム複酸化物の融点未満の温度条件で熱処理して多孔質の活物質成形体を得る工程と、活物質成形体の細孔の内部を含む活物質成形体の表面に無機固体電解質の形成材料を含む液状体を塗布し熱処理して、固体電解質層を形成する工程と、固体電解質層から露出する活物質成形体に集電体を接合する工程とを有している。
また、特許文献1には、電極複合体を正極として用いたリチウム電池の例が示されており、負極として機能する電極の形成材料として金属リチウム(Li)を選択することが記載されている。
特開2014−154236号公報
上記特許文献1に示されているように、金属リチウムを負極として用いたリチウム電池では、充電時に内部抵抗が他の部分よりも低い部分や負極形成面の凹部や凸部に金属リチウムが析出して、いわゆるデンドライトが生ずることがある。デンドライトが成長すると、正極と負極とが電池内部で短絡したり、固体電解質層と負極との界面が高抵抗化するおそれがある。また、リチウム電池を放電させると、デンドライトが成長した部分で局所的な反応が進むため、放電容量が実質的に低下するおそれがある。
上記特許文献1に示された電極複合体の製造方法における実施例では、負極形成面を研磨して平坦化することが記載されている。これによれば、負極形成面が平坦化されることで、デンドライトの成長が抑制されると考えられるが、その一方で、研磨によって固体電解質層の内部や、固体電解質層と正極側の活物質との界面にクラックが生じて、内部抵抗が不均一になるおそれがあった。言い換えれば、デンドライトの成長による不具合を低減可能なリチウム電池あるいはリチウム電池の製造方法が求められているという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係るリチウム電池は、リチウムを含む正極と、リチウムを含む負極と、前記正極と前記負極との間に設けられ、第1電解質からなる電解質層と、前記電解質層と前記負極との間に設けられたヨウ素を含む第2電解質と、を備え、前記第1電解質のイオン伝導度よりも前記第2電解質のイオン伝導度のほうが小さいことを特徴とする。
本適用例によれば、電解質層と負極との界面には、ヨウ素を含む第2電解質が介存している。第1電解質に比べて第2電解質のイオン伝導度が小さいことから、初回の充電時には、活物質であるリチウムが負極側の内部抵抗が低い部分に析出する。つまり負極側にリチウムが不均一に析出する。また、伝導したリチウムイオンの一部は第2電解質に含まれるヨウ素と反応して、ヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質が負極側で生成される。一方で放電時には、リチウムが不均一に析出した部分から電池反応が始まり、負極側におけるリチウムの体積が減少すると、不均一に析出したリチウムに接するヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質からリチウムの放出が始まり高抵抗化する。したがって、電解質層と負極との界面において不均一にリチウムが析出した内部抵抗が低い部分が高抵抗化して内部抵抗が均一化されるので、負極側においてリチウムの析出が生じなかった部位でもリチウムの放出つまり放電が開始される。次回の充電では、内部抵抗が均一化した状態から充電が開始されるため、電解質層と負極との界面がたとえ平坦でなくても、リチウムの不均一な析出が解消され、デンドライトの生成が抑制される。つまり、リチウムのデンドライトの成長に起因する内部抵抗のバラツキや放電容量の低下が改善され、優れた充放電特性を有するリチウム電池を提供することができる。
上記適用例に記載のリチウム電池において、前記第2電解質の膜厚は、100nm以上、800nm以下であることが好ましい。
これによれば、ヨウ素を含む第2電解質の膜厚を制御することで、リチウムのデンドライトの生成を抑制しつつ、内部抵抗が高抵抗となることを防ぐことができる。
上記適用例に記載のリチウム電池において、前記正極は、粒子状のリチウム複合金属酸化物からなる活物質部を含む複合体であって、前記活物質部の内部の空隙に前記第1電解質が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、正極として機能する複合体において、正極活物質である粒子状のリチウム複合金属酸化物と第1電解質とが接する面積が増え電荷の伝導性が向上することから内部抵抗が低減され、優れた充放電特性を有するリチウム電池を実現できる。
上記適用例に記載のリチウム電池において、前記活物質部の内部の空隙に、前記第1電解質と、前記第1電解質よりもイオン伝導度が大きい第3電解質とが設けられていることがより好ましい。
この構成によれば、正極活物質である粒子状のリチウム複合金属酸化物に対して第1電解質に加えて第3電解質も接触した状態となることから、より優れた電荷の伝導性を実現できる。
上記適用例に記載のリチウム電池において、前記第2電解質は、ヨウ化リチウムを含むとしてもよい。
この構成によれば、内部抵抗のバラツキを抑制しつつ、リチウムのデンドライトの生成を効果的に抑制できる。
上記適用例に記載のリチウム電池において、前記第1電解質は、炭素と、ホウ素と、を含むリチウム複合酸化物であることが好ましい。
この構成によれば、炭素(C)と、ホウ素(B)と、を含むリチウム複合酸化物は、非晶質の形態を採り易いので、イオン伝導における方向の偏りをなくして、優れた充放電特性を有するリチウム電池を実現できる。
上記適用例に記載のリチウム電池において、前記第3電解質は、ランタンと、ジルコニウムと、ニオブとを含むリチウム複合金属酸化物であることが好ましい。
この構成によれば、ランタン(La)と、ジルコニウム(Zr)と、ニオブ(Nb)とを含むリチウム複合金属酸化物は、優れたイオン伝導性を示すため、内部抵抗のバラツキをより小さくして、より優れた充放電特性を有するリチウム電池を実現できる。
本適用例に係るリチウム電池の製造方法は、粒子状のリチウム複合金属酸化物を用いて、内部に空隙を有する活物質部を形成する工程と、前記活物質部の前記空隙に第1電解質を充填し複合体を形成する工程と、前記複合体の少なくとも一方の面を覆って前記第1電解質を成膜して電解質層を形成する工程と、前記電解質層に、前記第1電解質よりもイオン伝導度が小さく、ヨウ素を含む第2電解質を成膜する工程と、前記第2電解質に積層してリチウムを含む負極を形成する工程と、前記複合体の他方の面と前記負極とのうち少なくとも一方に接する集電体を形成する工程と、を備えた。
本適用例によれば、電解質層と負極との界面には、ヨウ素を含む第2電解質が形成される。第1電解質に比べて第2電解質のイオン伝導度が小さいことから、初回の充電時には、活物質であるリチウムが負極側において内部抵抗が低い部分に析出する。つまり、負極側にリチウムが不均一に析出する。また、伝導したリチウムイオンの一部は第2電解質に含まれるヨウ素と反応して、ヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質が負極側で生成される。一方で放電時には、リチウムが不均一に析出した部分から電池反応が始まり、負極側におけるリチウムの体積が減少すると、不均一に析出したリチウムに接するヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質からリチウムの放出が始まり高抵抗化する。したがって、電解質層と負極との界面において不均一にリチウムが析出した内部抵抗が低い部分が高抵抗化して内部抵抗が均一化されるので、負極側においてリチウムの析出が生じなかった部位でもリチウムの放出つまり放電が開始される。次回の充電では、内部抵抗が均一化した状態から充電が開始されるため、電解質層と負極との界面を平坦化しなくても、リチウムの不均一な析出が解消され、デンドライトの生成が抑制される。つまり、リチウムのデンドライトの成長に起因する内部抵抗のバラツキや放電容量の低下が改善され、優れた充放電特性を有するリチウム電池を製造することができる。
上記適用例に記載のリチウム電池の製造方法において、前記第2電解質を成膜する工程は、蒸着法により膜厚が100nm以上、800nm以下のヨウ化リチウムを成膜することが好ましい。
この方法によれば、負極に面する側の電解質層の表面が平坦でなくても、被覆性が優れた蒸着法を用いて成膜するので、ムラなく第2電解質としてのヨウ化リチウムを成膜できる。また、ヨウ化リチウムの膜厚が、100nm以上、800nm以下であることから、充電時におけるリチウムのデンドライトの生成を抑制しつつ、内部抵抗がばらつくことを低減可能なリチウム電池の製造方法を提供することができる。
上記適用例に記載のリチウム電池の製造方法において、前記活物質部の前記空隙に、前記第1電解質よりもイオン伝導度が大きい第3電解質を充填する工程を含むことが好ましい。
この方法によれば、活物質部の内部において、正極活物質である粒子状のリチウム複合金属酸化物は、第1電解質に加えて第3電解質とも接触することになるため、電荷が移動する界面がさらに増え、優れた充放電特性を有するリチウム電池を製造することができる。
[適用例]本適用例に係る他のリチウム電池の製造方法は、リチウムを含む正極活物質と第1電解質とを混ぜて成形し、焼成することにより複合体を形成する工程と、前記複合体の一方の面に、電解質層を形成する工程と、前記電解質層に前記第1電解質よりもイオン伝導度が小さく、ヨウ素を含む第2電解質を成膜する工程と、前記第2電解質に積層してリチウムを含む負極を形成する工程と、前記複合体の他方の面と前記負極とのうち少なくとも一方に接する集電体を形成する工程と、を備えた。
本適用例によれば、電解質層と負極との界面に、ヨウ素を含む第2電解質が形成される。第1電解質に比べて第2電解質のイオン伝導度が小さいことから、初回の充電時には、活物質であるリチウムが負極側の内部抵抗が低い部分に析出する。つまり負極側においてリチウムが不均一に析出する。また、伝導したリチウムイオンの一部が第2電解質に含まれるヨウ素と反応して、ヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質が負極側で生成される。一方で放電時には、リチウムが不均一に析出した部分から電池反応が始まり、負極側におけるリチウムの体積が減少すると、不均一に析出したリチウムに接するヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質からリチウムの放出が始まり高抵抗化する。したがって、電解質層と負極との界面において不均一にリチウムが析出した内部抵抗が低い部分が高抵抗化して内部抵抗が均一化されるので、負極側においてリチウムの析出が生じなかった部位でもリチウムの放出つまり放電が開始される。次回の充電では、内部抵抗が均一化した状態から充電が開始されるため、電解質層と負極との界面を平坦化しなくても、リチウムの不均一な析出が解消され、デンドライトの生成が抑制される。また、正極活物質と第1電解質とを混ぜて成形し、焼成することにより複合体が形成されるので、正極活物質からなる活物質部に後から第1電解質を充填する場合に比べて、正極活物質と第1電解質とを含む複合体を容易に形成できる。つまり、リチウムのデンドライトの成長に起因する内部抵抗のバラツキや放電容量の低下が改善され、優れた充放電特性を有するリチウム電池を簡便に製造することができる。
上記適用例に記載のリチウム電池の製造方法において、前記第2電解質を成膜する工程は、蒸着法により膜厚が100nm以上、800nm以下のヨウ化リチウムを成膜することが好ましい。
この方法によれば、負極に面する側の電解質層の表面が平坦でなくても、被覆性が優れた蒸着法を用いて成膜するので、ムラなく第2電解質としてのヨウ化リチウムを成膜できる。また、ヨウ化リチウムの膜厚が、100nm以上、800nm以下であることから、充電時におけるリチウムのデンドライトの生成を抑制しつつ、内部抵抗がばらつくことを低減可能なリチウム電池の製造方法を提供することができる。
上記適用例に記載のリチウム電池の製造方法において、前記複合体を形成する工程は、前記正極活物質と、前記第1電解質と、前記第1電解質よりもイオン伝導度が大きい第3電解質を混ぜて成形し、焼成することにより前記複合体を形成することが好ましい。
この方法によれば、正極活物質と第1電解質と第3電解質とを混ぜて複合体を形成するので、複合体において、正極活物質と第1電解質と第3電解質とを相互に接触させて、電荷が移動する界面を確保することができ、内部抵抗がより低下したリチウム電池を製造することができる。
[適用例]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載のリチウム電池を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、リチウムのデンドライトの成長に起因する内部抵抗のバラツキや放電容量の低下が生じ難く、優れた充放電特性を有するリチウム電池を備えているので、リチウム電池を電源として繰り返し充放電することで、長期に亘って使用可能な電子機器を提供することができる。
第1実施形態のリチウム電池の構成を示す概略斜視図。 第1実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の複合体中の正極活物質と第1電解質及び第3電解質を示す拡大図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態の正極活物質を含む活物質部の内部構造を示す拡大図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第2実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図。 第2実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート。 第2実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 第2実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図。 実施例1〜実施例3のリチウム電池における放電特性を示すグラフ。 第3実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<リチウム電池>
本実施形態のリチウム電池の一例について、図1〜図3を参照して説明する。図1は第1実施形態のリチウム電池の構成を示す概略斜視図、図2は第1実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図、図3は第1実施形態の複合体中の正極活物質と第1電解質及び第3電解質を示す拡大図である。
図1に示すように、本実施形態のリチウム電池100は、正極として機能する複合体10と、複合体10に対して順に積層された電解質層20と、負極30と、を有している。また、複合体10に接する集電体41と、負極30に接する集電体42とを有している。複合体10、電解質層20、負極30は、いずれもリチウムを含む固相で構成されていることから、リチウム電池100は、充放電可能な固体二次電池である。
本実施形態のリチウム電池100は、例えば円盤状であって、外形の大きさは例えば10mmφ、厚みは例えばおおよそ0.3mmである。小型、薄型であると共に、充放電可能な固体二次電池であることから、スマートフォンなどの携帯情報端末の電源として好適に用いることができる。リチウム電池100は、成形が可能ならば大きさや厚みはこの値に限定されない。本実施形態のように外形の大きさが10mmφの場合の厚みは、薄い場合は成形性の観点から0.1mm程度、厚い場合は電解質のリチウムイオン伝導性の観点から見積もられ、1mm程度までで、あまり厚いと活物質の利用効率を下げてしまう。なお、リチウム電池100の形状は円盤状であることに限定されず、多角形の盤状であってもよい。以降、各層について詳しく説明する。
図2に示すように、正極として機能する複合体10は、正極活物質11と、第1電解質12と、第1電解質12よりもイオン伝導度が大きい第3電解質13とを含んでいる。正極活物質11は粒子状であって、複合体10の内部において正極活物質11同士が接触することで、複合体10に電子伝導性が与えられた状態になっている。また、集電体41は複数の正極活物質11と接するように設けられている。
複合体10と負極30との間に設けられた電解質層20は、正極活物質11を含まずに電解質を含んで構成されている。言い換えれば、電解質層20を挟むことによって電子伝導性が与えられた複合体10と負極30とが電気的に短絡せずに、複合体10と負極30との間で電荷(リチウムイオンや電子)の伝導が行われる構成となっている。
本実施形態では、電解質層20と負極30との間に第2電解質22が設けられている。詳しくは後述するが、第2電解質22は、ヨウ素を含むリチウム化合物であって、第1電解質12よりもイオン伝導度が小さい材料が選ばれる。したがって、内部抵抗を考慮すると、第2電解質22の膜厚は電解質層20の膜厚に比べて極めて薄く、成膜時に安定して成膜可能な材料が選ばれる。
本実施形態のリチウム電池100において、以降、電解質層20に接する複合体10の面を一方の面10aとし、集電体41に接する複合体10の面を他方の面10cとして説明する。
<複合体>
図3に示すように、複合体10における正極活物質11及び第3電解質13は、いずれも粒子状であって、正極活物質11の粒子径よりも第3電解質13の粒子径のほうが圧倒的に小さい。第3電解質13は、粒子状の正極活物質11の表面に接して、正極活物質11の粒子間に存在している。また、正極活物質11の粒子間の隙間を埋めるように第1電解質12が存在している。本実施形態では、正極活物質11及び第3電解質13は結晶質であり、これに対して第1電解質12は非晶質である。なお、図3では、図示の都合上、正極活物質11及び第3電解質13の粒子形状を球状としたが、実際の粒子形状は必ずしも球状ではなくそれぞれ不定形である。
正極活物質11の粒子同士を接触させて電子伝導性を発揮させる観点から、正極活物質11の粒子径は、例えばメジアン径d50で500nm以上10μm未満とすることが好ましい。これに対して第3電解質13の粒子径は後述する製法に関係して例えばメジアン径d50でサブミクロンレベルである。図3では、第3電解質13の粒子を判別可能な状態で図示したが、実際には、サブミクロンレベルの細かい粒子が互いに接触して第3電解質13を構成している。
複合体10に含まれる正極活物質11は、少なくともLiを含み、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの中から選ばれる少なくとも1種の遷移金属を構成元素として含むリチウム複合金属酸化物を用いることが化学的に安定していることから好ましい。このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn23、Li(NixMnyCo1-x-y)O2[0<x+y<1]、Li(NixCoyAl1-x-y)O2[0<x+y<1]、LiCr0.5Mn0.52、LiFePO4、Li2FeP27、LiMnPO4、LiFeBO3、Li32(PO43、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などが挙げられる。また、これらのリチウム複合金属酸化物の結晶内の一部の原子が、典型金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換された固溶体もリチウム複合金属酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質11として用いることができる。
上記正極活物質11を用いた正極(正極活物質層)の形成方法は、グリーンシート法のほか、プレス焼結法、CVD、PLD、スパッタ、エアロゾルデポジションなどの気相堆積法で薄膜状に形成してもよい。さらには、融液や溶液から成長させた単結晶を用いてもよい。
<電解質>
複合体10に含まれる第1電解質12及び第3電解質13と、電解質層20とは固体電解質であって、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物、ホウ化物などからなる結晶質または非晶質を用いることができる。
酸化物結晶質の一例としては、Li0.35La0.55TiO3、Li0.2La0.27NbO3、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したペロブスカイト型結晶またはペロブスカイト類似結晶、Li7La3Zr212、Li5La3Nb212、Li5BaLa2TaO12、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.4Ge0.2(PO43、及びこれら結晶の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Ta、ランタノイド元素などで置換したNASICON型結晶、Li14ZnGe416、などのLISICON型結晶、Li3.40.6Si0.44、Li3.60.4Ge0.64、Li2+x1-xx3、などのその他の結晶質を挙げることができる。
硫化物結晶質の一例としては、Li10GeP212、Li9.6312、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3、Li3PS4などを挙げることができる。
また。その他の非晶質の一例としては、Li2O−TiO2、La23−Li2O−TiO2、LiNbO3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4GeO4−Li3VO4、Li4SiO4−Li3VO4、Li4GeO4−Zn2GeO2、Li4SiO4−LiMoO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4SiO4−Li4ZrO4、SiO2−P25−Li2O、SiO2−P25−LiCl、Li2O−LiCl−B23、LiAlCl4、LiAlF4、LiF−Al23、LiBr−Al23、Li2.88PO3.730.14、Li3N−LiCl、Li6NBr3、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−P25などを挙げることができる。なかでも、第1電解質12に用いられる電解質としては、後述する活物質部(多孔質活物質焼結体)の表面及び内腔に対する被覆性が高く、融点が上述した正極活物質11よりも低い、炭素(C)とホウ素(B)とを含むリチウム複合酸化物であるLi2+x1-xx3やその類似物質が特に好適に用いられる。
上記固体電解質を用いた電解質層20の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、融液や溶液を用いたフラックス法など、いずれを用いてもよい。
本実施形態において、複合体10に含まれる第1電解質12と、電解質層20とは同じ固体電解質を用いているが、異なる固体電解質を用いてもよい。
第2電解質22は、リチウム電池100の充電において、負極30側にLiが不均一に析出して生ずるデンドライトが成長することを抑制するために、電解質層20と負極30との間に設けられたものである。このような第2電解質22は、ヨウ素を含み電子伝導性を持たないリチウム化合物であって、非晶質であることが好ましく、例えば、LiI、LiI−CaI2、Li3NI2、Li3N−LiI−LiOH、Li2S−SiS2−LiIなどを挙げることができる。また、ヨウ素を含むリチウム化合物からなる第2電解質22は、上述した遷移金属などの金属元素を含む電解質に比べてイオン伝導度が小さい。したがって、リチウム電池100の内部抵抗を考慮すると、第2電解質22の膜厚は、バラツキが小さく均一で、できるだけ薄いことが好ましい。本実施形態における第2電解質22の膜厚範囲は100nm以上、800nm以下であることが好ましく、100nm以上、400nm以下であることがより好ましい。したがって、成膜時に安定して成膜可能であることが好ましく、上述したリチウム化合物の中でも化学的に安定であって蒸気圧が比較的に高いヨウ化リチウム(LiI)を用いることが好ましい。
このような第2電解質22の形成方法(成膜方法)としては、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング、PLD、融液や溶液を用いたフラックス法などを挙げることができる。第2電解質22が形成される形成面に対しての被覆性や、成膜時の膜厚の均一性を考慮すると、蒸着法(真空蒸着法)が特に好適に用いられる。
本実施形態では、複合体10において、集電体41と接する他方の面10cに正極活物質11が露出し、露出した複数の正極活物質11と集電体41とが電気的に接続されている。
<負極>
負極30として用いることができる負極活物質としては、Nb25、V25、TiO2、In23、ZnO、SnO2、NiO、ITO(Indium Tin Oxide)、AZO(Al−doped Zinc Oxide)、FTO(F−doped Tin Oxide)、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti512、Li2Ti37などのリチウム複酸化物、Li、Si、Sn、Si−Mn、Si−Co、Si−Ni、In、Auなどの金属及びこれらの金属を含む合金、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質などを挙げることができる。小型で薄型なリチウム電池100における放電容量を考慮すると、負極30は、金属Liあるいはリチウム合金を形成する単体金属及び合金であることが好ましい。合金としてはリチウムを吸蔵・放出可能であれば特に制限されないが、13族及び14族の炭素を除く金属や半金属元素を含むものであることが好ましく、より好ましくはアルミニウム、ケイ素及びスズの単体金属及びこれら原子を含む合金又は化合物である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。合金としては、Li−Al、Li−Ni、Li−Si、Li−Sn、Li−Sn−Niなどのリチウム合金、Si−Znなどのシリコン合金、Sn−Mn、Sn−Co、Sn−Ni、Sn−Cu、Sn−Laなどのスズ合金、Cu2Sb、La3Ni2Sn7などを例示することができる。
上記負極活物質を用いた負極30の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体負極活物質のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、真空蒸着法、めっき法、溶射法など、いずれを用いてもよい。
<集電体>
集電体41,42は、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の金属群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、該金属群から選ばれる2種以上の金属からなる合金などが用いられている。
本実施形態では、集電体41,42として銅(Cu)を用いている。集電体41,42の厚みは、例えば20μm〜40μmである。なお、リチウム電池100は、必ずしも一対の集電体41,42を備えていなくてもよく、一対の集電体41,42のうち一方の集電体を備えていればよい。例えば、複数のリチウム電池100をそれぞれ電気的に直列に接続されるように積層して用いる場合、リチウム電池100は一対の集電体41,42のうち集電体41だけを備える構成としてもよい。
<リチウム電池の製造方法(複合体の製造方法)>
次に、本実施形態のリチウム電池100の製造方法について、図4〜図13を参照して説明する。図4は第1実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート、図5〜図13は第1実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図である。なお、図8は第1実施形態の正極活物質を含む活物質部の内部構造を示す拡大図である。
図4に示すように、本実施形態のリチウム電池100の製造方法は、正極活物質11を含む活物質部の形成工程(ステップS1)と、該活物質部に第3電解質13を充填する工程(ステップS2)と、該活物質部に第1電解質12を充填する工程(ステップS3)と、複合体の研磨工程(ステップS4)と、電解質層20の形成工程(ステップS5)と、第2電解質22の成膜工程(ステップS6)と、負極30の形成工程(ステップS7)と、集電体41,42の形成工程(ステップS8)と、を備えている。
ステップS1では、正極活物質11を用いて内部に空隙を有する活物質部を形成する。具体的には、本実施形態では、正極活物質11としてコバルト(Co)を含むリチウム複合金属酸化物であるLiCoO2(コバルト酸リチウム;以降、LCOと称する)を用いた。バインダー(結着剤)としてのポリプロピレンカーボネート(10g)を溶解させた溶媒としての1,4−ジオキサン(90g)に、粒度分布のメジアン径d50が約5μmのLCOの粉末(15g)を混ぜてスラリー化し、図5に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基板55に全自動フィルムアプリケーター(コーテック社製)を用いて塗工して、シート10sを形成した。
このときのスラリーの組成は、所望のシート10sの厚みや塗工装置の性能に合わせて任意の値をとることができる。また、スラリーには、必要に応じて分散剤や消泡剤、及び造孔剤などの助剤を添加してもよい。
このようにして形成されたシート10sを適当なポンチを用いて抜くことにより、図6に示すように、直径が例えば10mmの円盤状に成形されたペレット10pを得る。このペレット10pを300℃程度で脱脂した後に、基板上に載せて例えば電気マッフル炉を用いて焼成する。焼成温度は、850℃以上であって、正極活物質11の融点未満の温度であることが好ましい。この場合、正極活物質11としてLCOを用いていることから、焼成温度は、875℃以上1000℃以下とした。焼成時間は、例えば5分以上、36時間以下とすることが好ましい。より好ましくは、4時間以上、14時間以下である。
これにより、LCO粒子同士を焼結させて、内部に空隙(内腔)を有する多孔質活物質焼結体である活物質部としてのペレット10pが得られる。以降、焼結されたペレット10pを活物質部10pと呼ぶ。焼成時に用いられる上記基板の材料は、特に限定されないが、LCO粒子と反応し難い例えば酸化マグネシウムなどの材料を用いることが好ましい。
焼成温度を850℃以上とすることによって、焼結が十分に進行するとともに、LCO粒子の結晶内の電子伝導性が確保される。焼成温度を正極活物質11の融点未満とすることによって、LCO粒子の結晶内のリチウムイオンが過剰に揮発することを抑え、リチウムイオンの伝導性が維持される。すなわち、複合体10の容量を確保することが可能となる。ゆえに、複合体10を用いるリチウム電池100において、適切な出力および容量を付与することができる。
なお、LCO粒子同士を繋ぎ合わせるバインダー(結着剤)や、活物質部10pの空隙率を調整するための造孔材などの有機物を含んで上記ペレットを形成してもよいが、焼成後にこれらの有機物が残留すると電荷伝導性に影響を及ぼすので、焼成によって有機物を確実に焼失させることが好ましい。言い換えれば、バインダーや造孔材などの有機物質を含まずにペレットを形成することが望ましい。また、活物質部10pにおける空隙率は、LCO粒子つまり正極活物質粒子の平均粒径と、ペレットを形成する際の圧力や焼成温度などの焼結条件とを調整することにより制御することができる。本実施形態では、この後に充填される電解質と正極活物質11との十分な接触を図るため、活物質部10pの空隙率が40%以上60%以下となるように調整した。
なお、ペレットの形成方法は、正極活物質11を含むスラリーを用いる方法に限定されず、例えば、LCO粒子をφ10mmのダイス(成形型)に充填し、圧力を加えて1軸プレスしてペレットを作製してもよい。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2では、活物質部10pの内部の空隙に第3電解質13を充填する。具体的には、まず、第3電解質13の前駆体を用意する。前駆体としては、例えば、以下の(A)〜(D)のいずれかが用いられる。
(A)金属原子を第3電解質13の組成に従った割合で含み、酸化により第3電解質13となる塩を有する組成物。
(B)金属原子を第3電解質13の組成に従った割合で含む金属アルコキシドを有する組成物。
(C)(A)もしくは(B)の組成物を溶媒に分散させた分散液。
(D)第3電解質13の微粒子、または金属原子を第3電解質13の組成に従った割合で含む微粒子ゾルを溶媒に分散させた分散液。
なお、(A)に含まれる塩には、金属錯体が含まれる。
本実施形態では、正極活物質11(LCO)よりも高いイオン伝導度を示す第3電解質13としてリチウム複合金属酸化物であるLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512(以降、簡略化してLLZrNbOと称す)を用いた。LLZrNbOの結晶粒子13pを溶媒51中に分散させて前駆体溶液50として用いる。LLZrNbOの平均粒径は、例えば300nm〜1μmである。なお、LLZrNbOの融点は、およそ1000℃〜1100℃である。また、LLZrNbOのイオン伝導度は、およそ1×10-4[S/cm](ジーメンス毎センチメートル)である。
次に、前駆体溶液50を、正極活物質11からなる活物質部10pの空隙に含浸させる(浸み込ませる)。具体的には、図7に示すように、例えば、基材56上に配置された活物質部10pの上に前駆体溶液50をノズル61から滴下する。あるいは、前駆体溶液50の中に活物質部10pを浸してもよい。別の例では、前駆体溶液50を活物質部10pに塗布してもよい。さらに別の例では、活物質部10pの端部に前駆体溶液50を接触させ、毛細管現象を利用して前駆体溶液50を活物質部10pの空隙に含浸させてもよい。このとき、活物質部10pを取り巻く雰囲気または前駆体溶液50を加圧して、前駆体溶液50の含浸を促進してもよい。基材56は、この後に高温下で乾燥・焼成を行っても、変形などが生じ難い、例えば透明な石英基板である。
そして、前駆体溶液50を含浸させた活物質部10pを大気下で乾燥させた後に、希ガス雰囲気下で熱処理して焼成する。これにより、図8に示すように、活物質部10pの正極活物質11の表面に第3電解質13を析出させる。つまり、活物質部10pの内部において、焼結された正極活物質11の空隙に第3電解質13を充填する。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3では、活物質部10pの空隙にさらに第1電解質12を充填する。具体的には、図9に示すように、まず、坩堝91内に第3電解質13が充填された活物質部10pを配置する。活物質部10pは、坩堝91の底面に設けられた支持針92によって支持されている。坩堝91は、例えば酸化マグネシウムからなり、支持針92は例えば金(Au)からなる。活物質部10p上に固形の第1電解質12を配置する。本実施形態では、支持針92で支持された活物質部10pの面が前述した複合体10の一方の面10aとなるものである。これに対して、第1電解質12が配置された活物質部10pの面を他方の面10bと呼ぶ。
本実施形態では、第1電解質12として第3電解質13(LLZrNbO)よりも融点が低いLi2+x1-xx3(以降、LCBOと称す)を用いた。LCBOの融点はおよそ700℃であることから、炭酸(CO2)ガスを含む雰囲気下で、坩堝91をおよそ800℃に加熱し、活物質部10pに載置された第1電解質12を溶融させて融液12mを得た。融液12mは、多孔質である活物質部10pに浸み込んでゆく。その後、坩堝91を室温まで冷却して、浸み込んだ融液12mを固化させる。第3電解質13が充填された活物質部10pの内部において、焼結された正極活物質11の空隙にさらに第1電解質12が充填される。融液12mの量を調整することで、活物質部10pの表面もまた第1電解質12で覆われる。これによって、多孔質な活物質部10pに第1電解質12と第3電解質13とが充填された複合体10ができあがる。このときの複合体10の平均的な厚みは、おおよそ110μmである。そして、ステップS4へ進む。なお、LCBOのイオン伝導度は、およそ1×10-6[S/cm]であって、第3電解質13のイオン伝導度よりも小さい。
ステップS4では、図10に示すように、第1電解質12と第3電解質13とが充填された複合体10の他方の面10bを研磨して正極活物質11を露出させる。正極活物質11が露出した面が研磨面であって、図2に示した複合体10の他方の面10cに相当するものである。以降、上記他方の面10cを研磨面10cとも呼ぶこともある。このように複合体10の他方の面10bを研磨する方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing;CMP処理)などが挙げられる。なお、ステップS3において活物質部10pに第1電解質12を充填した後に、上記他方の面10bに正極活物質11の粒子が充分に露出していた場合には、必ずしも研磨処理を実施しなくてもよい。つまり、ステップS4は省略することが可能である。そして、ステップS5へ進む。
ステップS5では、図11に示すように、複合体10の研磨面10cと反対側の面である一方の面10aに電解質層20を形成する。本実施形態では、第1電解質12と同じLCBOをスパッタリング法で成膜して電解質層20とした。電解質層20の厚みは0.1μm以上100μm以下であればよく、本実施形態では2.5μmとした。そして、ステップS6へ進む。
ステップS6では、図12に示すように、電解質層20に積層して第2電解質22を成膜する。本実施形態では、ヨウ化リチウム(LiI)を蒸着源として真空蒸着法により第2電解質22を成膜した。第2電解質22の膜厚は前述したように、100nm以上、800nm以下の範囲であればよく、この場合、第2電解質22の形成面であるLCBOからなる電解質層20の表面における粗さ(凹凸)を考慮しておよそ100nmとした。そして、ステップS7へ進む。なお、ヨウ化リチウム(LiI)のイオン伝導度は、1×10-8〜1×10-9[S/cm]であり、LCBOからなる第1電解質12のイオン伝導度よりも小さい。
ステップS7では、図13に示すように、第2電解質22に積層して負極30を形成する。本実施形態では、第2電解質22に金属リチウムをスパッタリング法で成膜して負極30とした。負極30の厚みは、50nm以上100μm以下の範囲であればよく、本実施形態では放電容量を考慮しておよそ15μmとした。そして、ステップS8へ進む。
ステップS8の集電体41,42の形成工程では、図2に示すように、複合体10の研磨面10cに接するように集電体41を形成し、負極30に接するように集電体42を形成した。本実施形態では、厚みがおよそ20μmの銅箔を貼り付けて圧着することにより、集電体41,42を形成した。これにより、リチウム電池100ができあがる。
上記第1実施形態のリチウム電池100とその製造方法によれば、以下の効果が得られる。
(1)リチウム電池100は、正極として機能する複合体10と、複合体10の一方の面10aに順に形成された電解質層20と、第2電解質22と、負極30と、複合体10の他方の面10cに形成された集電体41と、負極30に接して形成された集電体42とを備えている。複合体10は、粒子状のリチウム複合金属酸化物からなる正極活物質11を用いて形成された多孔質な活物質部10pに、前駆体溶液50を含浸させることによって内部の空隙に充填された第3電解質13と、融液12mを含浸させることによって内部の空隙を含む表面に形成された第1電解質12とを有している。第2電解質22は、ヨウ素を含むリチウム化合物であって、第1電解質12よりもイオン伝導度が小さい。第1電解質12に比べて第2電解質22のイオン伝導度が小さいことから、リチウム電池100の初回の充電時には、活物質であるリチウムが負極30側の内部抵抗が低い部分に析出する。つまり負極30側にリチウムが不均一に析出する。また、伝導したリチウムイオンの一部は第2電解質22に含まれるヨウ素と反応して、ヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質が負極30側で生成される。一方で放電時には、リチウムが不均一に析出した部分から電池反応が始まり、負極30側におけるリチウムの体積が減少すると、不均一に析出したリチウムに接するヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質からリチウムの放出が始まり高抵抗化する。したがって、電解質層20と負極30との界面において不均一にリチウムが析出した内部抵抗が低い部分が高抵抗化して内部抵抗が均一化されるので、負極30側においてリチウムの析出が生じなかった部位でもリチウムの放出つまり放電が開始される。次回の充電では、内部抵抗が均一化した状態から充電が開始されるため、電解質層20と負極30との界面がたとえ平坦でなくても(言い換えれば、電解質層20や負極30が形成される複合体10の一方の面10aを研磨して平坦化しなくても)、リチウムの不均一な析出が解消され、デンドライトの生成が抑制される。つまり、リチウムのデンドライトの成長に起因する内部抵抗のバラツキや放電容量の低下が改善され、優れた充放電特性を有するリチウム電池100を提供または製造することができる。
(2)第2電解質22は、蒸着法(真空蒸着法)を用いて形成される。したがって、負極30に面する側の電解質層20の表面が平坦でなくても、被覆性が優れた蒸着法を用いて成膜するので、ムラなく第2電解質22を成膜できる。また、第2電解質22の膜厚を100nm以上、800nm以下となるように制御することから、充電時におけるリチウムのデンドライトの生成を抑制しつつ、内部抵抗がばらつくことを低減可能なリチウム電池100の製造方法を提供することができる。
(3)第2電解質22としてヨウ素を含むリチウム化合物のうちからヨウ化リチウム(LiI)を選んで成膜する。ヨウ化リチウムは他のリチウム化合物に比べて化学的に安定で、蒸気圧が大きいことから、蒸着法で第2電解質22を形成することに好適である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のリチウム電池とその製造方法について、図14〜図17を参照して説明する。図14は第2実施形態のリチウム電池の構造を示す概略断面図、図15は第2実施形態のリチウム電池の製造方法を示すフローチャート、図16及び図17は第2実施形態のリチウム電池の製造方法における工程を示す概略図である。
第2実施形態のリチウム電池200は、上記第1実施形態のリチウム電池100に対して基本的な材料構成は同じであるものの、正極活物質11を含む複合体の製造方法を異ならせたものである。したがって、上記第1実施形態のリチウム電池100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、本実施形態のリチウム電池200は、正極として機能する複合体210と、複合体210の一方の面210aに対して順に積層された電解質層20と、第2電解質22と、負極30と、を有している。また、複合体210の他方の面210bに接する集電体41と、負極30に接する集電体42とを有している。複合体210、電解質層20、第2電解質22、負極30は、いずれもリチウムを含む固相で構成されていることから、リチウム電池200もまた、充放電可能な固体二次電池である。
リチウム電池200は、例えば円盤状であって、外形の大きさは例えば10mmφ、厚みは例えばおおよそ0.3mmである。小型、薄型であると共に、充放電可能な固体二次電池であることから、上記第1実施形態のリチウム電池100と同様に、スマートフォンなどの携帯情報端末の電源として好適に用いることができる。リチウム電池200は、成形が可能ならば大きさや厚みはこの値に限定されない。なお、リチウム電池200の形状もまた円盤状であることに限定されず、多角形の盤状であってもよい。以降、上記第1実施形態のリチウム電池100と異なる構成である複合体210について説明する。
正極として機能する複合体210は、正極活物質11と、第1電解質12と、第1電解質12よりもイオン伝導度が大きい第3電解質13とを含んでいる。正極活物質11及び第3電解質13は粒子状であって、複合体210の内部において互いにランダムに配置されている。複合体210の内部において正極活物質11同士が接触することで、複合体210に電子伝導性が与えられた状態になっている。また、非晶質な第1電解質12が複合体210の内部において正極活物質11や第3電解質13に接した状態となっている。このような複合体210の詳しい形成方法については、後述するリチウム電池200の製造方法において説明する。
複合体210の一方の面210aに設けられた電解質層20は、正極活物質11を含まずに第1電解質12によって構成されている。なお、電解質層20は、第1電解質12を用いて形成されることに限定されず、上記第1実施形態において説明した各種の電解質の中から第2電解質22よりもイオン伝導度が大きい材料を用いて形成してもよい。
第2電解質22は、上記第1実施形態で説明したように、ヨウ素を含むリチウム化合物であって、第1電解質12よりもイオン伝導度が小さい材料が選ばれる。第2電解質22は、負極30側におけるリチウムのデンドライトの成長を抑制するために電解質層20と負極30との間に設けられている。リチウム電池200の内部抵抗を考慮すると、第2電解質22の膜厚は電解質層20の膜厚に比べて極めて薄く、100nm以上、800nm以下に制御されている。
複合体210の他方の面210bには、正極活物質11が露出した状態となっており、露出した正極活物質11と接するように集電体41が設けられている。また、負極30と接するようにもう一方の集電体42が設けられている。
次に、リチウム電池200の製造方法について、図15を参照して説明する。図15に示すように、本実施形態のリチウム電池200の製造方法は、正極活物質11と、第1電解質12と、第3電解質13とを含む複合体210の形成工程(ステップS11)と、電解質層20の形成工程(ステップS12)と、第2電解質22の成膜工程(ステップS13)と、負極30の形成工程(ステップS14)と、集電体41,42の形成工程(ステップS15)とを備えている。なお、本実施形態のステップS12〜ステップS15は、上記第1実施形態のリチウム電池100の製造方法におけるステップS5〜ステップS8と基本的に同じである。
ステップS11では、上記第1実施形態と同様に、Liを含むリチウム複合金属酸化物である正極活物質11として、LiCoO2(コバルト酸リチウム;LCO)を用いた。また、第1電解質12としてLCBOを用い、第3電解質13としてLLZrNbOを用いた。バインダー(結着剤)としてのポリプロピレンカーボネート(10g)を溶解させた溶媒としての1,4−ジオキサン(90g)に、粒度分布のメジアン径d50が約5μmのLCOの粉末11p(20g)と、粒度分布のメジアン径d50が約8μmのLCBOの粉末12p(4g)と、粒度分布のメジアン径d50が約1μmのLLZrNbOの粉末13p(16g)と、を混ぜてスラリー化し、図16に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基板55に全自動フィルムアプリケーター(コーテック社製)を用いて塗工して、シート210sを形成した。
このときのスラリーの組成は、所望のシート210sの厚みや塗工装置の性能に合わせて任意の値をとることができる。また、スラリーには、必要に応じて分散剤や消泡剤などの助剤を添加してもよい。
このようにして形成されたシート210sを適当なポンチを用いて抜くことにより、図17に示すように、直径が例えば10mmの円盤状に成形されたペレット210pを得る。このペレット210pを300℃程度で脱脂した後に、基板上に載せて例えば電気マッフル炉を用いて焼成する。焼成温度は、第1電解質12つまりLCBOの融点よりも高く、正極活物質11であるLCOや第3電解質13であるLLZrNbOの融点よりも低い温度であることが好ましい。この場合、焼成温度は、850℃以上1000℃以下とした。焼成時間は、例えば5分以上、36時間以下とすることが好ましい。より好ましくは、4時間以上、14時間以下である。
これにより、LCO粒子同士を接触させた状態で焼結させた複合体210が得られる。焼成時に用いられる上記基板の材料は、特に限定されないが、LCO粒子と反応し難い例えば酸化マグネシウムなどの材料を用いることが好ましい。
焼成温度を850℃以上とすることによって、LCBOが溶融すると共に、焼結が十分に進行して、LCO粒子の結晶内の電子伝導性が確保される。焼成温度を正極活物質11の融点未満とすることによって、LCO粒子の結晶内のリチウムイオンが過剰に揮発することを抑え、リチウムイオンの伝導性が維持される。すなわち、複合体210の容量を確保することが可能となる。ゆえに、複合体210を用いるリチウム電池200において、適切な出力および容量を付与することができる。
なお、LCO粒子同士を繋ぎ合わせるバインダー(結着剤)や、分散剤、消泡剤などの有機物を含んで上記ペレット210pを形成してもよいが、焼成後にこれらの有機物が残留すると電荷伝導性に影響を及ぼすので、焼成によって有機物を確実に焼失させることが好ましい。そして、ステップS12へ進む。
ステップS12では、複合体210の一方の面210aに電解質層20を形成する。本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、第1電解質12と同じLCBOをスパッタリング法で成膜して電解質層20とした。電解質層20の厚みは0.1μm以上100μm以下の範囲であればよく、本実施形態においても2.5μmとした。そして、ステップS13へ進む。
ステップS13では、電解質層20に積層して第2電解質22を成膜する。本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ヨウ化リチウム(LiI)を蒸着源として真空蒸着法により第2電解質22を成膜した。第2電解質22の膜厚は、100nm以上、800nm以下の範囲であればよく、この場合もLCBOからなる電解質層20の表面状態を考慮しておよそ100nmとした。そして、ステップS14へ進む。
ステップS14では、第2電解質22に積層して負極30を形成する。本実施形態でも上記第1実施形態と同様に、第2電解質22に金属リチウムをスパッタ法で成膜して負極30とした。負極30の厚みは、50nm以上100μm以下の範囲であればよく、本実施形態においても放電容量を考慮しておよそ15μmとした。そして、ステップS15へ進む。
ステップS15の集電体41,42の形成工程では、図14に示すように、複合体210の他方の面210bに接するように集電体41を形成し、負極30に接するように集電体42を形成した。本実施形態では、厚みがおよそ20μmの銅箔を貼り付けて圧着することにより、集電体41,42を形成した。これにより、リチウム電池200ができあがる。本実施形態では、粒子状の正極活物質11と、第1電解質12と、第3電解質13とを混ぜて成形し、焼成して複合体210を形成したので、複合体210の他方の面210bには正極活物質11であるLCO粒子が露出している。したがって、上記第1実施形態のように複合体10を研磨してLCO粒子を露出させる工程は不要となる。
上記第2実施形態のリチウム電池200とその製造方法によれば、以下の効果(4)及び(5)に加えて、上記第1実施形態の効果(2)及び(3)が得られる。
(4)リチウム電池200は、正極として機能する複合体210と、複合体210の一方の面210aに順に形成された電解質層20と、第2電解質22と、負極30と、複合体210の他方の面10bに形成された集電体41と、負極30に接して形成された集電体42とを備えている。第2電解質22は、ヨウ素を含むリチウム化合物であって、第1電解質12よりもイオン伝導度が小さい。第1電解質12に比べて第2電解質22のイオン伝導度が小さいことから、リチウム電池200の初回の充電時には、活物質であるリチウムが負極30側の内部抵抗が低い部分に析出する。つまり負極30側にリチウムが不均一に析出する。また、伝導したリチウムイオンの一部は第2電解質22に含まれるヨウ素と反応して、ヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質が負極30側で生成される。一方で放電時には、リチウムが不均一に析出した部分から電池反応が始まり、負極30側におけるリチウムの体積が減少すると、不均一に析出したリチウムに接するヨウ化リチウムあるいはヨウ化リチウムの類似物質からリチウムの放出が始まり高抵抗化する。したがって、電解質層20と負極30との界面において不均一にリチウムが析出した内部抵抗が低い部分が高抵抗化して内部抵抗が均一化されるので、負極30側においてリチウムの析出が生じなかった部位でもリチウムの放出つまり放電が開始される。次回の充電では、内部抵抗が均一化した状態から充電が開始されるため、電解質層20と負極30との界面がたとえ平坦でなくても(言い換えれば、電解質層20や負極30が形成される複合体210の一方の面210aを研磨して平坦化しなくても)、リチウムの不均一な析出が解消され、デンドライトの生成が抑制される。つまり、リチウムのデンドライトの成長に起因する内部抵抗のバラツキや放電容量の低下が改善され、優れた充放電特性を有するリチウム電池200を提供または製造することができる。
(5)複合体210は、粒子状のリチウム複合金属酸化物からなる正極活物質11と、第1電解質12と、第3電解質13とを混ぜて成形し、焼成することにより形成される。得られた複合体210の他方の面210bにはLCO粒子が露出している。したがって、上記第1実施形態のように正極活物質11からなる多孔質の活物質部10pに、後から第3電解質13や第1電解質12を充填し、さらに集電体41が接する面を研磨する場合に比べて、より簡便な方法で優れた充放電特性を有するリチウム電池200を製造することができる。
次に、上記第1実施形態のリチウム電池100の製造方法を用い、第2電解質22の膜厚を異ならせた実施例1〜実施例3を示し、リチウム電池100の電池特性に係る評価結果について、図18を参照して説明する。図18は実施例1〜実施例3のリチウム電池における放電特性を示すグラフである。
実施例1は、ヨウ化リチウム(LiI)を用い、膜厚がおよそ100nmとなるように第2電解質22を成膜したリチウム電池100である。実施例2は、同じくヨウ化リチウムを用い、膜厚がおよそ300nmとなるように第2電解質22を成膜したリチウム電池100である。実施例3は、同じくヨウ化リチウムを用い、膜厚がおよそ800nmとなるように第2電解質22を成膜したリチウム電池100である。実施例1〜実施例3の各リチウム電池における電池面積は、0.385cm2である。
これら実施例1〜実施例3のリチウム電池100の放電特性の評価は、まず、リチウム電池100の温度が25℃となるように放置した後、電流密度を0.5mA/cm2として上限時間を3.5時間に設定して充電した。その後、25℃で電流密度を0.5mA/cm2として、上限時間を設定せずに放電させたときの、放電容量密度[mAh/g]とリチウム電池100の正極と負極との間の電圧[mV]との関係を確認したものである。図18のグラフにおける横軸は放電時間と共に変化する放電容量を電池重量で除した放電容量密度[mAh/g]を示し、縦軸はリチウム電池100の電圧[mV]を示すものである。なお、放電特性の評価は、充電時の上限電圧を4200mV、放電時の下限電圧を2800mVと設定し、各々の設定電圧に到達すると充放電ステップが自動的に切り替わる定電流充放電測定モードで行った。上述した電池面積からすると、電流量をおよそ200μAに設定することにより、電流密度を0.5mA/cm2とした。
図18に示すように、ヨウ化リチウムの膜厚をおよそ100nmとした実施例1では、初期の電圧が3800mVで放電が開始され、放電時間がおおよそ3時間経過したところで電圧が3000mV以下に低下した。この場合の実施例1の放電容量密度はおよそ150mAh/gである。
ヨウ化リチウムの膜厚をおよそ300nmとした実施例2では、初期の電圧が3800mVで放電が開始され、放電時間がおおよそ30分経過したところで電圧が3000mV以下に低下した。この場合の実施例2の放電容量密度はおよそ25mAh/gである。
ヨウ化リチウムの膜厚をおよそ800nmとした実施例3では、初期の電圧が3400mVで放電が開始され、放電時間がおおよそ3分経過したところで電圧が3000mV以下に低下した。なお、実施例3において、電流密度を1/10(十分の一)の0.05mA/cm2とすると、放電時間がおよそ30時間経過したところでリチウム電池100の電圧が3000mV以下となった。この場合の実施例3の放電容量密度はおよそ123mAh/gであった。なお、実施例3における初期の電圧が、実施例1や実施例2に比べて低いのは、ヨウ化リチウムの膜厚を実施例1や実施例2よりも厚い800nmとしたことで、内部抵抗が上昇したことによると考えられる。
リチウム電池100を電源として用いる電子機器における消費電流にもよるが、第2電解質22の膜厚を800nmよりも厚い例えば1μmとすると、実用上では頻繁に充電を行う必要が生じて好ましいとは言えない。リチウム電池100の放電において要求される電流密度が0.5mA/cm2以上となる場合には、第2電解質22の膜厚は100nm以上、400nm以下とすることが好ましいと考えられる。
これまでに、リチウムのデンドライトの生成及び成長を抑制すべく開示された特許文献として、例えば、特開2004−87402号公報には、軽金属を析出させる析出基板と、この析出基板に設けられ、軽金属イオン伝導性を有する無機化合物とを備えたリチウム電池用の負極が提案されている。また、無機化合物として、フッ化リチウム、塩化リチウム、ヨウ化リチウム、窒化リチウム、リン酸リチウム、ケイ酸リチウム、硫化リチウム、リン化リチウム、炭酸リチウム及び窒化スルホリルリチウムからなる群のうちの少なくとも1種、または原材料にこれらのうちの少なくとも1種を含むリチウム化合物を含有するとしている。また、無機化合物の厚みは、リチウム電池のインピーダンス(内部抵抗)を考慮して、例えば5μm以下とすることが好ましいとしているが、厚みがμm単位では、上述したように内部抵抗が高くなり過ぎて、実用上では電源として用いることが不適当なリチウム電池となってしまうおそれがある。
これに対して、本発明では、ヨウ素を含む第2電解質22は、正極として機能する複合体10の一方の面10a側において、表面に凹凸を生じ易い電解質層20と、負極30との間に形成される。そして、第2電解質22の膜厚を上記凹凸を考慮して、100nm以上、800nm以下、より好ましくは100nm以上、400nm以下とすることから、内部抵抗の上昇を抑え、実用に適した小型で薄型なリチウム電池100を提供することができる。なお、正極として機能する複合体の形成方法を異ならせた上記第2実施形態のリチウム電池200においても同様な効果が得られる。
(第3実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器について、ウェアラブル機器を例に挙げて説明する。図19は第3実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図である。
図19に示すように、本実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器300は、人体の例えば手首WRに腕時計のように装着され、人体に係る情報を入手可能な情報機器であって、バンド301と、センサー302と、表示部303と、処理部304と、電池305とを備えている。
バンド301は、装着時に手首WRに密着するように、可撓性の例えばゴムなどの樹脂が用いられた帯状であって、帯の端部に結合位置を調整可能な結合部を有している。
センサー302は、例えば光学式センサーであって、装着時に手首WRに触れるよう、バンド301の内面側(手首WR側)に配置されている。
表示部303は、例えば受光型の液晶表示装置であって、表示部303に表示された情報を装着者が読み取れるように、バンド301の外面側(センサー302が取り付けられた内面と反対側)に配置されている。
処理部304は、例えば集積回路(IC)であって、バンド301に内蔵され、センサー302や表示部303に電気的に接続されている。処理部304は、センサー302からの出力に基づいて、脈拍や血糖値などを計測するための演算処理を行う。また、計測結果などを表示するように表示部303を制御する。
電池305は、センサー302、表示部303、処理部304などへ電力を供給する電力供給源として、バンド301に対して脱着可能な状態で内蔵されている。電池305として、上記第1実施形態のリチウム電池100が用いられている。なお、電池305として、上記第2実施形態のリチウム電池200を用いてもよい。
本実施形態のウェアラブル機器300によれば、センサー302によって、手首WRから装着者の脈拍や血糖値に係る情報などを電気的に検出し、処理部304での演算処理などを経て、表示部303に脈拍や血糖値などを表示することができる。表示部303には計測結果だけでなく、例えば計測結果から予測される人体の状況を示す情報や時刻なども表示することができる。
また、電池305として小型でありながら優れた充放電特性を有するリチウム電池100(あるいはリチウム電池200)が用いられているため、軽量且つ薄型であって長期の繰り返しの使用にも耐え得るウェアラブル機器300を提供することができる。また、リチウム電池100は、固体型の二次電池であるため、充電によって繰り返し使用が可能であると共に、電解液などが漏れる心配がないので長期に亘って安心して使用可能なウェアラブル機器300を提供できる。
本実施形態では、腕時計型のウェアラブル機器300を例示したが、ウェアラブル機器300は、例えば、足首、頭、耳、腰などに装着されるものであってもよい。
また、電力供給源としてのリチウム電池100が適用される電子機器は、ウェアラブル機器300に限定されない。例えば、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレイヤー、ワイヤレスヘッドホン、ゲーム機などが挙げられる。また、このようなコンシューマー(一般消費者向け)な機器に限らず、産業用途の機器にも適用可能である。また、本発明の電子機器は、例えば、データ通信機能、ゲーム機能、録音再生機能、辞書機能などの他の機能を有していてもよい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うリチウム電池及び該リチウム電池の製造方法並びに該リチウム電池を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)正極として機能する、上記第1実施形態の複合体10及び上記第2実施形態の複合体210は、正極活物質11と、第1電解質12と、第3電解質13とを含むものであったが、必ずしも第3電解質13を含まなくてもよい。
(変形例2)上記第1実施形態のリチウム電池100の製造方法によれば、多孔質な活物質部10pに含浸させる第1電解質12の融液12mの量を調整することにより、複合体10の一方の面10aに電解質層20を同時に形成することも可能であることから、複合体10は電解質層20を含むとしてもよい。
(変形例3)第2電解質22を形成する方法としての蒸着法は、真空蒸着法やイオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法などの物理蒸着法(PVD)だけでなく、熱CVDやプラズマCVDなどの化学蒸着法(CVD)を含むものである。
10,210…正極として機能する複合体、10a,210a…複合体の一方の面、10c,210b…複合体の他方の面、10p,210p…活物質部(ペレット)、11…正極活物質、12…第1電解質、13…第3電解質、20…電解質層、22…第2電解質、30…負極、41,42…集電体、100,200…リチウム電池、300…電子機器としてのウェアラブル機器。

Claims (14)

  1. リチウムを含む正極と、
    リチウムを含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に設けられ、第1電解質からなる電解質層と、
    前記電解質層と前記負極との間に設けられたヨウ素を含む第2電解質と、を備え、
    前記第1電解質のイオン伝導度よりも前記第2電解質のイオン伝導度のほうが小さい、リチウム電池。
  2. 前記第2電解質の膜厚は、100nm以上、800nm以下である、請求項1に記載のリチウム電池。
  3. 前記正極は、粒子状のリチウム複合金属酸化物からなる活物質部を含む複合体であって、
    前記活物質部の内部の空隙に前記第1電解質が設けられている、請求項1または2に記載のリチウム電池。
  4. 前記活物質部の内部の空隙に、前記第1電解質と、前記第1電解質よりもイオン伝導度が大きい第3電解質とが設けられている、請求項3に記載のリチウム電池。
  5. 前記第2電解質は、ヨウ化リチウムを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリチウム電池。
  6. 前記第1電解質は、炭素と、ホウ素と、を含むリチウム複合酸化物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のリチウム電池。
  7. 前記第3電解質は、ランタンと、ジルコニウムと、ニオブとを含むリチウム複合金属酸化物である、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のリチウム電池。
  8. 粒子状のリチウム複合金属酸化物を用いて、内部に空隙を有する活物質部を形成する工程と、
    前記活物質部の前記空隙に第1電解質を充填し複合体を形成する工程と、
    前記複合体の少なくとも一方の面を覆って前記第1電解質を成膜して電解質層を形成する工程と、
    前記電解質層に、前記第1電解質よりもイオン伝導度が小さく、ヨウ素を含む第2電解質を成膜する工程と、
    前記第2電解質に積層してリチウムを含む負極を形成する工程と、
    前記複合体の他方の面と前記負極とのうち少なくとも一方に接する集電体を形成する工程と、を備えたリチウム電池の製造方法。
  9. 前記第2電解質を成膜する工程は、蒸着法により膜厚が100nm以上、800nm以下のヨウ化リチウムを成膜する、請求項8に記載のリチウム電池の製造方法。
  10. 前記活物質部の前記空隙に、前記第1電解質よりもイオン伝導度が大きい第3電解質を充填する工程を含む、請求項8または9に記載のリチウム電池の製造方法。
  11. リチウムを含む正極活物質と第1電解質とを混ぜて成形し、焼成することにより複合体を形成する工程と、
    前記複合体の一方の面に、電解質層を形成する工程と、
    前記電解質層に、前記第1電解質よりもイオン伝導度が小さく、ヨウ素を含む第2電解質を成膜する工程と、
    前記第2電解質に積層してリチウムを含む負極を形成する工程と、
    前記複合体の他方の面と前記負極とのうち少なくとも一方に接する集電体を形成する工程と、を備えたリチウム電池の製造方法。
  12. 前記第2電解質を成膜する工程は、蒸着法により膜厚が100nm以上、800nm以下のヨウ化リチウムを成膜する、請求項11に記載のリチウム電池の製造方法。
  13. 前記複合体を形成する工程は、前記正極活物質と、前記第1電解質と、前記第1電解質よりもイオン伝導度が大きい第3電解質を混ぜて成形し、焼成することにより前記複合体を形成する、請求項11または12に記載のリチウム電池の製造方法。
  14. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のリチウム電池を備えた、電子機器。
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