JP2019060111A - 建物基礎の補修工法および建物の基礎構造 - Google Patents

建物基礎の補修工法および建物の基礎構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2019060111A
JP2019060111A JP2017184613A JP2017184613A JP2019060111A JP 2019060111 A JP2019060111 A JP 2019060111A JP 2017184613 A JP2017184613 A JP 2017184613A JP 2017184613 A JP2017184613 A JP 2017184613A JP 2019060111 A JP2019060111 A JP 2019060111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anchor
building
flat plate
plate member
building foundation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017184613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6965663B2 (ja
Inventor
正雄 八木
Masao Yagi
正雄 八木
義敬 東
Yoshiaki Azuma
義敬 東
安史 松本
Yasushi Matsumoto
安史 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui House Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui House Ltd filed Critical Sekisui House Ltd
Priority to JP2017184613A priority Critical patent/JP6965663B2/ja
Publication of JP2019060111A publication Critical patent/JP2019060111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6965663B2 publication Critical patent/JP6965663B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Foundations (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】 建物基礎に生じた欠損部を効果的に補修して建物の耐震性を高め、安心して建物を使用することを可能にする。【解決手段】 欠損部2に設置する補強部材4には、貫通孔411を有する平板部材41と、貫通孔411を介して配設される新設アンカー42とを備えさせる。建物基礎1にはアンカーボルト3が埋設されており、このアンカーボルト3に平板部材41を添設する。平板部材41の貫通孔411には新設アンカー42が打ち込まれて、補強部材4が建物基礎1に埋設された状態に補修される。平板部材41と新設アンカー42とは、ともに、アンカーボルト3に交差するように埋設される。【選択図】 図7

Description

本発明は、建物基礎に適用される補修工法および該補修工法により構成された建物の基礎構造に関する。
住宅等の建物の基礎には、柱脚や土台等の上部構造体を鉄筋コンクリート造の基礎に緊結するアンカーボルトが埋設されている。地震発生時には、建物全体が揺れ、基礎に埋設されているアンカーボルトには鉛直方向力(引張力)や水平方向力(せん断力)が作用する。このような鉛直方向力や水平方向力に対して、基礎に埋設されたアンカーボルトと基礎を構成するコンクリートとの定着力が抗するものとなり、上部構造体の耐震性が確保される。
現在の建築基準法によれば通常の地震時にも建物安全性が担保されるよう種々規定されているが、それ以前に建築された既存建物においては、大地震などによってコンクリート基礎に亀裂や剥落が発生する可能性を否定できない側面があった。例えば、図12に示すように、図示しない上部構造体に接続されたアンカーボルト3に大きな水平方向力が作用することで、建物基礎1に亀裂が生じたり剥落が発生したりして、欠損部2を生じることが懸念された。
例えば、特許文献1には、地震等によりコンクリート基礎に補修が必要となった場合に、コンクリート基礎にチャンネルを締結し、チャンネルに結合した内外連結板をボルトで締結して補強する基礎の補修工法が開示されている。この補修工法では、コンクリート基礎を内外両面から構造材で挟み込むことで、次なる地震に対する強度を確保し、既存の建物を再び安全に使用し得るようにすることが意図されている。
特開2006−161529号公報
上記特許文献1に開示された技術では、建物を再び安全に使用することが可能になるとはいえ、コンクリート基礎の内面と外面に大がかりな構造材が取り付けられるので、施工対象箇所の周囲に構造材の設置スペースおよび施工時の作業スペースを必要とするうえ、建物の外観上も好ましい仕上がりであるとはいえない。
また、今後発生すると懸念される大地震をも想定すれば、欠損部を単に元の形状に修復するだけでなく、補修した箇所が再度破損することのないように、補修作業と同時に当該箇所の補強を施すことが望ましい。
本発明は、上記のような問題点にかんがみて、建物基礎に生じた欠損部を効果的に補修して建物の強度を高め、安心して建物を使用することを可能にする新たな建物基礎の補修工法および建物の基礎構造を提供するものである。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、建物基礎に生じた欠損部を、補強部材を用いて補修する建物基礎の補修工法を対象とする。前記建物基礎にはアンカーボルトが埋設され、前記補強部材は、貫通孔が設けられた平板部材と、前記貫通孔に挿通される新設アンカーとを有する構成としている。前記補修工法として、前記欠損部において下端部が埋設された状態のアンカーボルトの近傍に、前記新設アンカーの埋め込み孔を、前記アンカーボルトと交差する横方向に穿設する穿孔工程と、前記埋め込み孔に前記新設アンカーの一方の端部を埋設して前記欠損部に新設アンカーを設置するアンカー設置工程と、前記平板部材の貫通孔に前記新設アンカーの他方の端部を挿通し、前記平板部材と前記アンカーボルトとを当接させた状態で固着し、前記平板部材を前記欠損部に設置する平板部材設置工程と、前記各工程の後、補修剤にて前記欠損部を元の形状に修復する工程と、を含む構成としている。
この特定事項により、建物基礎に生じた欠損部を補強部材によって補強しつつ、元の形状に補修することができ、埋設されているアンカーボルトの近傍において、補修前よりも強度性能を向上させることが可能となる。
前記建物基礎の補修工法として、より具体的には、前記補強部材の平板部材に複数の貫通孔を備えさせるとともに、前新設アンカーを複数本備えさせた構成とし、前記穿孔工程では、建物基礎に埋設された近接する複数本のアンカーボルトに対して、前記埋め込み孔を、前記アンカーボルトの相互間であって前記アンカーボルトの側部にそれぞれ穿設することが好ましい。また、前記平板部材設置工程では、前記平板部材を複数本のアンカーボルトにまたがるように配設することが好ましい。
これにより、1つの補強部材で、埋設された複数本のアンカーボルトに対応させることが可能となり、多様な形態の欠損部に対して構造補強しつつ補修することが可能となる。
前記建物基礎の補修工法により補修された建物の基礎構造も本発明の技術的思想の範疇である。すなわち、前記補強部材を用いた建物の基礎構造であって、前記補強部材は、貫通孔を有する平板部材と、前記貫通孔を介して配設される新設アンカーとを備え、建物基礎にはアンカーボルトの下端部が埋設されている。前記アンカーボルトの埋設部には、前記平板部材が添設されるとともに前記平板部材の貫通孔を介して前記新設アンカーが打ち込まれて、前記補強部材が建物基礎に埋設されてなり、前記平板部材は、一方の面を前記アンカーボルトに対向させるとともに前記アンカーボルトに交差するように埋設され、前記新設アンカーは、前記アンカーボルトに交差するように埋設されて構成されている。
この特定事項により、建物基礎に埋設されたアンカーボルトに作用する水平方向力を、アンカーボルトに加えて、これに交差するように埋設された補強部材によって負担しうるものとなり、建物基礎における強度性能を高めることが可能となる。
本発明では、貫通孔が設けられた平板部材と、前記貫通孔に挿通される新設アンカーとを有する補強部材を用いて、建物基礎に生じた欠損部を補修する構成としている。これにより、前記平板部材は、一方の面を前記アンカーボルトに対向させるとともに前記アンカーボルトに交差するように埋設され、前記新設アンカーは、前記アンカーボルトに交差する横方向に埋設された構造とすることができ、補修前よりも強度を高めた構造とすることができ、アンカーボルトの周囲に破損が発生するのを抑えることが可能となる。
本発明の実施形態に係る建物基礎の補修工法において用いられる補強部材の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る建物基礎の補修工法において、補修対象箇所となる欠損部の一例を示す斜視図である。 実施形態に係る建物基礎の補修工法の一工程を示す斜視図である。 図3に示す工程を建物基礎の断面により示す説明図である。 図4の次工程を建物基礎の断面により示す説明図である。 図5の次工程を建物基礎の断面により示す説明図である。 図6の次工程を示す斜視図である。 図7の次工程を示す斜視図である。 他の実施形態に係る建物基礎の補修工法を示す斜視図である。 前記補強部材の他の例を示す斜視図である。 図10に示す補強部材を用いた建物基礎の補修工法の一例を示す斜視図である。 建物基礎の出隅に生じうる欠損部を説明する斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る建物基礎の補修工法および建物の基礎構造について、図面を参照しつつ説明する。
この実施形態では、建物が十分な耐震強度を有していても、大地震などにより比較的大きな水平方向力が作用することで、建物基礎が部分的に欠損した場合を想定している。例えば、図12に示したように建物基礎1の出隅の天端に欠損部2が生じていても、建物自体には大きな損傷が少なく、建物を継続して使用可能であることは多々ある。しかし、居住者および建物の使用者にとっては、日々、欠損部2を目にすることによって、建物の継続使用に不安を覚えるものであり、その補修に際しては、単に元の形状に修復するにとどまらず、同時に欠損部2の補強が施されることが望ましい。
本実施形態では、かかる欠損部2の断面修復を、図1等に示す補強部材4を用いて補修するとともに、要求される強度性能を確保し得る建物基礎1の補修工法とその基礎構造について説明する。
(補強部材)
図1は、建物基礎1の補修工法に用いられる補強部材4の一例を示す斜視図である。
補強部材4は、帯状金属板により形成された平板部材41、新設アンカー42、および新設アンカー42に螺着されるナット43を備えている。
平板部材41は、例えば鉄鋼材などからなる金属製板状体であり、矩形状に形成されている。例示の形態では、平板部材41は横長矩形状に形成され、長手方向に沿って長孔状の貫通孔411が2つ並設されている。これらの貫通孔411には、それぞれ新設アンカー42が挿通される。
平板部材41に設けられる貫通孔411は、長孔状のものに限定されないが、長孔状であることによって、貫通孔411内での新設アンカー42の挿通位置を調整することが可能とされる。
新設アンカー42は、棒状部材であって、建物基礎1に打ち込まれて平板部材41を固定するのに用いられる。新設アンカー42には、例えば、寸切全ねじボルト、寸切異形棒鋼などを好適に使用することができ、外表面に凹凸部を有するアンカーボルトであることが望ましい。
新設アンカー42には、軸部にナット43とパッキン材44とが装着される。平板部材41を差し挟んで、新設アンカー42の一方の軸部にナット43が備えられ、他方の軸部にパッキン材44が螺着される。パッキン材44は、中心部に新設アンカー42が貫通する貫通孔を有する。パッキン材44には、例えばポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製の平ワッシャーなどを用いることができる。
新設アンカー42は、建物基礎1に打ち込まれて固定されるものであり、後施工アンカーを適用することも可能である。その場合、後施工アンカーには接着系アンカー(ケミカルアンカー)を用いることができ、例えば2液混合固定性の接着液を収容したカプセルを、建物基礎1に削孔した孔に挿入し、新設アンカー42を打ち込んでカプセルを破壊し、2液を混合固化させることで新設アンカー42を接着固定することとなる。また、後施工アンカーとして、先端が拡開されて建物基礎1に固定される機械式アンカーを用いることもできる。
なお、補強部材4において、平板部材41は貫通孔411を備えた板状体であれば、どのような形状とされてもよい。補強部材4の他の実施形態については後述する。
(建物基礎の補修工法)
図2〜図8は、前記補強部材4を用いて欠損部2を補修する建物基礎1の補修工法について示している。
この実施形態では、住宅等の建物に適用される鉄筋コンクリート造の直接基礎のうち、布基礎(連続基礎)等のフーチング基礎における基礎構造を対象として説明する。なお、参照する各図面においては、建物基礎1を構成するコンクリートと、このコンクリートの上層に設けられて自己平滑性を有するセルフレベリング材とを区別せずに一体に示すとともに、建物基礎1の上方に存在する上部構造体を省略して示している。
建物基礎1には複数本のアンカーボルト3が埋設されている。アンカーボルト3は、上部が建物基礎1の天端よりも上方に突出しており、図示しない柱脚や土台等の上部構造体に接合されている。アンカーボルト3の下部は、建物基礎1に鉛直方向に埋め込まれている。
図2に示すように、建物基礎1が直交する出隅では、2本の既存のアンカーボルト3が配設されている。生じた欠損部2は、建物基礎1を構成するコンクリートの剥落箇所であり、表面には大小の不規則な凹凸を有している。欠損部2の表面には、アンカーボルト3の埋設部が部分的に露出していることもある。
補修作業を開始するにあたり、欠損部2の表面の脆弱部を、ビシャンハンマー等を用いて打撃したり高圧水で洗浄したりすることによって取り除く。必要に応じて、欠損部2の表面をはつることによって、補強部材4の平板部材41を設置するためのスペースを形成する。これにより、出隅に埋設されたアンカーボルト3の少なくとも上半部を欠損部2の表面に露出させる(準備工程)。
・穿孔工程
次いで、欠損部2におけるアンカーボルト3の外方に、補強部材4を添設していく。まず、図3に示すように、補強部材4の新設アンカー42を設置するための埋め込み孔5を穿設する(穿孔工程)。
この場合、建物基礎1を構成するコンクリートを、欠損部2の表面側から略円柱状に切削して埋め込み孔5を形成する。例えば、欠損部2の表面からドリル等によって穿孔し、吸引またはエアブローにより切削粉を除去する。その後、埋め込み孔5に金属ブラシを挿入して孔内の清掃を行う。
埋め込み孔5は、例えば建物基礎1の天端から下方に30〜50mmの高さ位置に設けられる。図示するように、アンカーボルト3が2本並設されている場合には、2つの埋め込み孔5を、これら2本のアンカーボルト3の間であって、各アンカーボルト3の近傍にそれぞれ穿設する。
図4に示すように、各埋め込み孔5は、建物基礎1の奥行方向に対しては、各アンカーボルト3と交差する水平方向に削孔されることが好ましい。埋め込み孔5の大きさは、欠損部2の大きさやアンカーボルト3の種類および本数等により決定され、例えば、孔径が10〜15mmとされ、孔深さが70〜100mmとされることが好ましい。これによって、2つの埋め込み孔5を欠損部2の表面に横並びに形成する。
・アンカー設置工程
次いで、埋め込み孔5に新設アンカー42を設置する(アンカー設置工程)。例示の形態では、新設アンカー42として接着系の後施工アンカーを使用する。
図5に示すように、まず、埋め込み孔5にケミカルカプセル6を挿入して設置する。新設アンカー42の軸部には、埋め込み孔5の深さ(奥行寸法)に対応する位置にパッキン材44を装着しておく。
次いで、新設アンカー42の一方の端部を埋め込み孔5に配置し、新設アンカー42を打設または回転させながら埋め込み孔5に挿入する。新設アンカー42を挿入することにより、埋め込み孔5内のケミカルカプセル6が破壊され、内部の接着液が埋め込み孔5内に充填される。このとき、新設アンカー42の軸部に装着したパッキン材44は、埋め込み孔5を塞いで接着剤の流出を防ぐ。
ケミカルカプセル6の接着液が硬化することで、新設アンカー42が埋め込み孔5に一体に固定される。これにより、欠損部2に2本の新設アンカー42を設置することができる。埋め込み孔5をアンカーボルト3に交差する水平方向に形成しているので、新設アンカー42をアンカーボルト3に対して水平方向に交差するように埋設することができる。
・平板部材設置工程
次いで、欠損部2に補強部材4の平板部材41を設置する(平板部材設置工程)。図6に示すように、欠損部2の表面には、アンカーボルト3に近接して新設アンカー42が突設されている。この新設アンカー42に対し、平板部材41を固着する。
具体的には、平板部材41の各貫通孔411に新設アンカー42の他方の端部を挿通させる。この場合、並列する2本のアンカーボルト3に対して平板部材41が横方向にまたがるように添え付ける。平板部材41の貫通孔411は長孔状に形成されているので、2つの貫通孔411の開口範囲内で平板部材41の設置位置を調整することができる。
その後、図7に示すように、露出しているアンカーボルト3、3に平板部材41を当接させ、その状態で、新設アンカー42にナット43を螺着し、ナット43を締め付ける。これにより平板部材41を欠損部2の表面に固定する。欠損部2においては、2本のアンカーボルト3に対して1つの補強部材4が添え付けられ、アンカーボルト3を外方から押さえるものとなる。
・打設工程
次いで、図8に示すように、欠損部2の周囲に型枠7を配置し、補修剤8を打設する。これにより、図4に破線にて示されるように、建物基礎1の天端形状を元どおりの形状に修復する。欠損部2が小さい場合には、型枠7を設置することなく、補修剤8を欠損部2に塗布することにより修復してもよい。補修剤8には、モルタルその他のグラウト充填材など適宜のコンクリート補修剤を使用することができる。
補修剤8が硬化した後、型枠7を除去することで、建物基礎1の出隅の補修作業が完了する。前記の各補修工程を経た建物基礎1は、アンカーボルト3に平板部材41が添設されるとともに平板部材41の貫通孔411を介して新設アンカー42が水平方向に打ち込まれた状態で、補強部材4が埋設された基礎構造を有するものとなる。平板部材41は、一方の面をアンカーボルト3に対向させた状態で、アンカーボルト3に交差するようにして埋設されている。
これにより、建物基礎1に補強部材4が定着され、アンカーボルト3を出隅の外方側から物理的に押さえて、建物基礎1の強度性能を補うものとなる。建物に作用した水平方向力は、アンカーボルト3を介して建物基礎1を構成するコンクリートに適切に伝達される。したがって、かかる構造を有する建物基礎1は、アンカーボルト3が十分な引抜き耐力とせん断耐力とを備えて、補修後の出隅周辺に再び破損を生じにくくすることが可能となる。また、補修された建物基礎1の出隅は、破損前と変わらない外観形状を呈するので、建物の美観を損なうものとはならず、その補修作業も建物の居住性を損なうことなく実施することが可能とされる。
(他の実施形態)
本発明に係る建物基礎1の補修工法、補強部材4、およびこれらを用いた建物の基礎構造は、前記実施形態以外にも他の様々な形態で実施することができる。
前記建物基礎1の補修工法は、出隅に限らず、建物基礎1の多様な箇所に適用することが可能である。例えば、図9に示すように、建物基礎1のT字交差部などにおいても好適に実施することができる。
この形態では、建物基礎1は略T字状に交差して立設され、隣接する2つの入隅を備えている。アンカーボルト3は、T字交差部に近接して2本埋設されている。この場合も、前記同様、穿孔工程、アンカー設置工程、および平板部材設置工程によって補強部材4を欠損部2に設置し、補修剤8を用いて欠損部2を元の形状に修復する。これにより、欠損部2において強度性能を補いつつ補修することができる。
前記建物基礎1の補修工法を適用する欠損部2は、2本のアンカーボルト3が近接して埋設された箇所であるに限らず、埋設されているアンカーボルト3が1本であっても3本以上の複数本であっても同様に補修可能である。
また、補強部材4において、平板部材41の貫通孔411および新設アンカー42の数も、前記形態のものに限定されない。平板部材41の貫通孔411は、1つであっても、複数であってもよい。また、1つの貫通孔411に挿通される新設アンカー42は1本であるに限定されず、長孔状の1つの貫通孔411に複数本の新設アンカー42が挿通される構成であってもよい。貫通孔411の数および新設アンカー42の本数に応じて、平板部材41の大きさや厚み、および新設アンカー42の外径寸法等を選択することが好ましい。
図10に示すように、補強部材4は、1つの長孔状の貫通孔411を有する平板部材41と、この貫通孔411に挿通される1本の新設アンカー42とを備えた構成であってもよい。このような補強部材4を用いて欠損部2を補修する場合、図11に示すように、欠損部2の表面に露出する2本のアンカーボルト3に対して、平板部材41を均等位置にあてがって配設し、2本のアンカーボルト3から略均等距離にある中間部に新設アンカー42を打ち込む。これにより、欠損部2において強度性能を補いつつ補修することができる。
なお、平板部材41は、欠損部2に対して水平方向に長い矩形状とされるに限らず、欠損部2のアンカーボルト3を、その外方から物理的に押さえて変位を抑制しうる形状であれば、どのような形状を有するものであってもよい。また、平板部材41を固着する手段は、新設アンカー42に螺着したナット43であるに限らず、他のどのような固着手段が用いられてもよい。
以上説明した本発明に係る建物基礎の補修工法および建物の基礎構造は、木造または鉄骨造のいずれの構造にも適用することができる。前述の実施形態は本発明の例示であってこれに限定されるものではない。
本発明は、建物基礎に生じた欠損部の補修に好適に利用可能である。
1 建物基礎
2 欠損部
3 アンカーボルト
4 補強部材
41 平板部材
411 貫通孔
42 新設アンカー
43 ナット
44 パッキン材
5 埋め込み孔
6 ケミカルカプセル
7 型枠
8 補修剤

Claims (6)

  1. 建物基礎に生じた欠損部を、補強部材を用いて補修する建物基礎の補修工法であって、
    前記建物基礎にはアンカーボルトが埋設され、前記補強部材は、貫通孔が設けられた平板部材と、前記貫通孔に挿通される新設アンカーとを有しており、
    前記欠損部において下端部が埋設された状態のアンカーボルトの近傍に、前記新設アンカーの埋め込み孔を、前記アンカーボルトと交差する横方向に穿設する穿孔工程と、
    前記埋め込み孔に前記新設アンカーの一方の端部を埋設して前記欠損部に新設アンカーを設置するアンカー設置工程と、
    前記平板部材の貫通孔に前記新設アンカーの他方の端部を挿通し、前記平板部材と前記アンカーボルトとを当接させた状態で固着し、前記平板部材を前記欠損部に設置する平板部材設置工程と、
    前記各工程の後、補修剤にて前記欠損部を元の形状に修復する工程と、
    を含むことを特徴とする建物基礎の補修工法。
  2. 請求項1に記載の建物基礎の補修工法において、
    前記穿孔工程の前に、前記欠損部の表面脆弱部を除去し、建物基礎に埋設されたアンカーボルトの上半部を前記欠損部に露出させることを特徴とする建物基礎の補修工法。
  3. 請求項1または2に記載の建物基礎の補修工法において、
    前記平板部材設置工程では、建物基礎に埋設された近接する複数本のアンカーボルトに対して、前記平板部材を前記複数本のアンカーボルトにまたがるように配設することを特徴とする建物基礎の補修工法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の建物基礎の補修工法において、
    前記補強部材は、前記平板部材に複数の貫通孔を有するとともに、複数本の新設アンカーを備えており、
    前記穿孔工程では、建物基礎に埋設された近接する複数本のアンカーボルトに対して、前記埋め込み孔を、前記アンカーボルトの相互間であって前記アンカーボルトの側部にそれぞれ穿設することを特徴とする建物基礎の補修工法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の建物基礎の補修工法において、
    前記アンカー設置工程では、前記新設アンカーを水平方向に配設することを特徴とする建物基礎の補修工法。
  6. 補強部材を用いた建物の基礎構造であって、
    前記補強部材は、貫通孔を有する平板部材と、前記貫通孔を介して配設される新設アンカーとを備え、
    建物基礎にはアンカーボルトの下端部が埋設され、
    前記アンカーボルトの埋設部には、前記平板部材が添設されるとともに前記平板部材の貫通孔を介して前記新設アンカーが打ち込まれて、前記補強部材が建物基礎に埋設されており、
    前記平板部材は、一方の面を前記アンカーボルトに対向させるとともに前記アンカーボルトに交差するように埋設され、前記新設アンカーは、前記アンカーボルトに交差するように埋設されていることを特徴とする建物の基礎構造。
JP2017184613A 2017-09-26 2017-09-26 建物基礎の補修工法および建物の基礎構造 Active JP6965663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184613A JP6965663B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 建物基礎の補修工法および建物の基礎構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184613A JP6965663B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 建物基礎の補修工法および建物の基礎構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019060111A true JP2019060111A (ja) 2019-04-18
JP6965663B2 JP6965663B2 (ja) 2021-11-10

Family

ID=66176313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017184613A Active JP6965663B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 建物基礎の補修工法および建物の基礎構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6965663B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021070955A (ja) * 2019-10-30 2021-05-06 中国電力株式会社 コンクリート構造物の補修工法
CN114211595A (zh) * 2021-12-07 2022-03-22 上海二十冶建设有限公司 一种混凝土预制构件缺棱掉角快速修复模具及其使用方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04153465A (ja) * 1990-10-15 1992-05-26 Natl House Ind Co Ltd 増築用間仕切耐力壁パネルの施工方法
JPH0518120A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Central Japan Railway Co コンクリート躯体の補修方法
JPH05272245A (ja) * 1991-11-25 1993-10-19 Tetsuo Tawara 止水剤封止箱
JP2003293379A (ja) * 2002-03-29 2003-10-15 Daiwa House Ind Co Ltd アンカー付近における基礎コンクリートのひび割れ防止構造
JP2009281040A (ja) * 2008-05-22 2009-12-03 Taisei Corp 補修構造、補修用アンカーおよび補修方法
JP2012241391A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Okabe Co Ltd 既設基礎補強方法および既設基礎補強構造
JP2013076255A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Okabe Co Ltd 基礎補強構造

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04153465A (ja) * 1990-10-15 1992-05-26 Natl House Ind Co Ltd 増築用間仕切耐力壁パネルの施工方法
JPH0518120A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Central Japan Railway Co コンクリート躯体の補修方法
JPH05272245A (ja) * 1991-11-25 1993-10-19 Tetsuo Tawara 止水剤封止箱
JP2003293379A (ja) * 2002-03-29 2003-10-15 Daiwa House Ind Co Ltd アンカー付近における基礎コンクリートのひび割れ防止構造
JP2009281040A (ja) * 2008-05-22 2009-12-03 Taisei Corp 補修構造、補修用アンカーおよび補修方法
JP2012241391A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Okabe Co Ltd 既設基礎補強方法および既設基礎補強構造
JP2013076255A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Okabe Co Ltd 基礎補強構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021070955A (ja) * 2019-10-30 2021-05-06 中国電力株式会社 コンクリート構造物の補修工法
JP7363374B2 (ja) 2019-10-30 2023-10-18 中国電力株式会社 コンクリート構造物の補修工法
CN114211595A (zh) * 2021-12-07 2022-03-22 上海二十冶建设有限公司 一种混凝土预制构件缺棱掉角快速修复模具及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6965663B2 (ja) 2021-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8555587B2 (en) Restoration anchoring system
CN110528950B (zh) 一种装配式暗牛腿型梁柱节点连接装置
US10221558B1 (en) Foundation connection device for use during construction of concrete wall panels
KR100956974B1 (ko) Pc 패널을 이용하는 건물 리모델링 시공 방법, 및 리모델링 건물
JP5688937B2 (ja) 修復パネル
JP2019060111A (ja) 建物基礎の補修工法および建物の基礎構造
CN210396246U (zh) 一种拼接式整体卫生间
KR101600679B1 (ko) 전단 소켓 앵커
JP6921536B2 (ja) 既存の組積造に設けるアンカーの施工方法及びあと施工アンカー
JP2021102915A (ja) 直下型地震対応露出型柱脚の定着構造及び施工方法
JP3703204B2 (ja) 既存建築物の耐震補強方法
JP3837129B2 (ja) スラブ補強工法
JP2732439B2 (ja) プレキャスト構造体のための目地施工方法
KR101138499B1 (ko) 마이크로 파일의 두부 정착방법 및 그 장치
CN212295166U (zh) 一种基于加肋盒的装配式墙体连接结构
KR101424347B1 (ko) 신·구 콘크리트 접합용 전단 앵커 및 이를 이용한 신·구 콘크리트 접합방법
CN111910794A (zh) 一种应用软索连接的预制墙体结构
JP4974023B2 (ja) 接続用金物、建物の補強構造
JP3774451B2 (ja) スラブ補強工法
JP2018091083A (ja) 土塗り壁の補修方法及び同方法に用いる補修材
JP6220315B2 (ja) 接合構造及び接合方法
JP2020002641A (ja) 柱梁接合構造および柱梁接合方法
JP3513784B2 (ja) 高架橋の脚柱補強方法
KR102459242B1 (ko) 벽돌벽체 보강 브라켓 및 이를 이용한 벽돌벽체 보강 방법
CN218374394U (zh) 一种h型钢梁腹板部位材料嵌固装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6965663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150