JP2019053992A - 金属微粒子分散液、金属微粒子分散液の製造方法及び金属被膜の製造方法 - Google Patents
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本発明の一実施形態に係る金属微粒子分散液は、平均粒子径が200nm以下の金属微粒子とこの金属微粒子を分散する溶媒とを含有し、塗工及び焼結により金属被膜を形成する金属微粒子分散液であって、上記金属微粒子を構成する主体金属とは異なる副金属又はその塩を上記金属微粒子内又は溶媒内に含み、上記主体金属に対する副金属の含有量が0.05質量%以上5質量%以下である。
以下、本発明の一実施形態に係る金属被膜の製造方法について図面を参照しつつ詳説する。
ステップS1の金属微粒子生成工程は、還元剤を含む水溶液中での金属イオンの還元により金属微粒子を析出させる液相還元法によって行われる。このような液相還元法としては、例えばチタンレドックス法が適用できる。
還元剤水溶液調製工程では、金属イオンを還元する作用を有する還元剤を含む水溶液を調製する。
還元剤としては、液相の反応系中で金属元素のイオンを還元することで金属微粒子として析出させることができる種々の還元剤がいずれも使用可能である。かかる還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、遷移金属元素のイオン(三価のチタンイオン、二価のコバルトイオン等)などが挙げられる。ただし、析出させる金属微粒子の粒子径をできるだけ小さくするためには、金属のイオンの還元及び析出速度を遅くするのが有効であり、還元及び析出速度を遅くするためには、できるだけ還元力の弱い還元剤を選択して使用することが好ましい。
上記金属微粒子析出工程では、上記還元剤水溶液に金属イオンを投入することにより、還元剤水溶液中での還元剤による金属イオンの還元により金属微粒子を析出させる。
上記金属イオンは、金属微粒子を構成する主体金属イオンと、この主体金属イオンとは異なる副金属イオンとを含む。これら主体金属イオン及び副金属イオンは、それぞれ水溶性金属化合物を水に溶解することで、水溶性金属化合物の電離により生じさせられる。これら水溶性金属化合物としては、例えば硫酸塩化合物、硝酸塩化合物、酢酸塩化合物、塩化物等の種々の水溶性の化合物を挙げることができる。
上記主体金属は、金属微粒子の主成分となる金属であって、例えば銅、ニッケル、金、銀等を挙げることができる。この中でも、導電性がよく、比較的安価な銅が好適に用いられる。
上記副金属としては、上記主体金属と同時に還元して析出させられるよう、主体金属と酸化還元電位が近い金属が好ましく、主体金属より先に還元されないよう、主体金属よりも酸化還元電位が小さい(イオン化傾向が大きい)金属がより好ましい。副金属の主体金属との標準酸化還元電位の差としては、例えば−1.5V以上0.5V以下とされる。主体金属が銅である場合の副金属としては、例えば銀、ニッケル、亜鉛等が好適である。
ステップS2の金属微粒子分離工程では、上記ステップS1の金属微粒子析出工程において還元剤水溶液中に析出した金属微粒子を分離する。金属微粒子の分離方法としては、例えば濾過、遠心分離等が挙げられる。なお、分離された金属微粒子は、さらに洗浄、乾燥、解砕等の工程を経て一旦粉末状としてもよいが、凝集を防止するために粉末化せず水溶液に分散した状態で用いることが好ましい。
ステップS3の金属微粒子分散液調製工程では、上記金属微粒子分離工程において還元剤水溶液から分離された金属微粒子を溶媒中に分散して金属微粒子分散液を調製する。
金属微粒子分散液の溶媒としては、水、高極性溶媒の1種又は2種以上を混合したものが使用され、中でも水及び水と相溶する高極性溶媒を混合したものが好適に利用される。このような金属微粒子分散液の溶媒としては、金属微粒子析出後の還元剤水溶液を調整したものを使用することができる。つまり、予め金属微粒子を含む還元剤水溶液を限外ろ過、遠心分離、水洗、電気透析等の処理に供して不純物を除去したものに高極性溶媒を加えることで、予め一定量の金属微粒子を含む溶媒が得られる。
ステップS4の塗工工程では、上記金属微粒子分散液を基材の表面に塗工する。金属微粒子分散液の塗工方法としては、例えばスピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ダイコート法、スリットコート法、ロールコート法、ディップコート法等の従来公知の塗布法を用いることができる。またスクリーン印刷、ディスペンサ等により基材の一部のみに金属微粒子分散液を塗布するようにしてもよい。
ステップS5の焼結工程では、ステップS4の塗工工程において形成した金属微粒子分散液の塗膜を加熱し、塗膜中の金属微粒子を焼結する。この焼結工程において、金属微粒子分散液中の溶媒のうち水及び揮発性の高極性溶媒は塗膜の温度が上昇する過程で蒸発し、残る不揮発性の高極性溶媒は金属微粒子の焼結途中に加熱分解される。これにより、金属微粒子が焼結された金属被膜が形成される。
当該金属被膜の製造方法では、上記含有量の副金属を含む金属微粒子分散液を用いるため、この副金属が金属微粒子の焼結時に溶融した主体金属の移動を阻害するピン止め効果によって、主体金属が集まって表面張力により金属被膜の表面に突出するよう成長することを抑制できる。従って、当該金属被膜の製造方法によって、表面に突出する結晶粒を有しない平滑な金属被膜が得られる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
S2 金属微粒子分離工程
S3 金属微粒子分散液調製工程
S4 塗工工程
S5 焼結工程
Claims (3)
- 平均粒子径が200nm以下の金属微粒子とこの金属微粒子を分散する溶媒とを含有し、塗工及び焼結により金属被膜を形成する金属微粒子分散液であって、
上記金属微粒子を構成する主体金属とは異なる副金属を上記金属微粒子内に含み、
上記主体金属が銅、上記副金属が亜鉛又はニッケルであり、
上記主体金属に対する副金属の含有量が0.05質量%以上5質量%以下であり、
上記溶媒が水のみである金属微粒子分散液。 - 平均粒子径が200nm以下の金属微粒子とこの金属微粒子を分散する溶媒とを含有し、塗工及び焼結により金属被膜を形成する金属微粒子分散液の製造方法であって、
水溶液中での金属イオンの還元により上記金属微粒子を生成する工程と、
上記生成工程で得られる金属微粒子の分散液を調製する工程と
を備え、
上記調製工程後の分散液における上記金属微粒子内に金属微粒子を構成する主体金属とは異なる副金属を含有し、
上記生成工程における金属イオンとして、金属微粒子を構成する主体金属イオンと、この主体金属イオンとは異なる副金属イオンとを含み、
上記主体金属が銅、上記副金属が亜鉛又はニッケルであり、
上記主体金属に対する副金属の含有量が0.05質量%以上5質量%以下であり、
上記調製工程後の分散液における上記溶媒が水のみである金属微粒子分散液の製造方法。 - 平均粒子径が200nm以下の金属微粒子とこの金属微粒子を分散する溶媒とを含有する金属微粒子分散液の塗工及び焼結により金属被膜を製造する方法であって、
水溶液中での金属イオンの還元により上記金属微粒子を生成する工程と、
上記生成工程で得られる金属微粒子の分散液を調製する工程と、
上記調製工程後の金属微粒子分散液の塗工及び焼結により金属被膜を得る工程と
を備え、
上記調製工程後の分散液における上記金属微粒子内に金属微粒子を構成する主体金属とは異なる副金属を含有し、
上記主体金属が銅、上記副金属が亜鉛又はニッケルであり、
上記主体金属に対する副金属の含有量が0.05質量%以上5質量%以下であり、
上記調製工程後の分散液における上記溶媒が水のみである金属被膜の製造方法。
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