JP2019052828A - 冷却装置の性能評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却装置の定量的な性能評価を可能にする。【解決手段】一実施形態に係る冷却装置の性能評価方法は、テストピースを冷却装置を用いて冷却し、該テストピースの冷却履歴を実測する冷却ステップと、前記冷却ステップで求めた前記冷却履歴の実測値から熱伝導方程式を用いて前記テストピースの熱伝達率を求める熱伝達率算出ステップと、前記熱伝達率に基づいて前記冷却装置の性能を評価する評価ステップと、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、冷却装置の性能評価方法に関する。
従来、食品などの被冷却物を冷却し又は凍結する冷却装置の性能評価は、例えば、要素試験などから得られたテストピースの冷却履歴(冷却曲線)を評価基準としている。しかし、冷却履歴は、被冷却物の物性、形状及び冷却装置の運転条件等によって異なり、また、テストピースの冷却温度はテストピースの計測場所によって異なるので、一部の冷却履歴から冷却装置の定量的な性能評価を行うのは困難である。
特許文献1には、挿入部の先端から根元付近までの複数個所に検出部を有する棒状の芯温度センサを冷凍庫内で冷却される食品に挿入し、該複数の検出部の検出値に基づいて食品全体の凍結完了時間を予測するようにした温度測定装置が開示されている。この装置は、冷却中の食品の凍結完了時間を予測するものであり、冷凍庫の定量的な性能評価を可能にするものではない。
特開2001−099544号公報
前述のように、被冷却物の冷却履歴(冷却曲線)は、被冷却物の物性や形状及び冷却装置の運転条件などで異なるので、一部の冷却履歴から冷却装置の定量的な性能評価を行うことは困難である。従って、冷却装置のメンテナンス時に冷却装置の故障や経年的な性能低下を見逃すおそれがある。
一実施形態は、上記に鑑み、冷却装置の定量的な性能評価を可能にすることを目的とする。
(1)一実施形態に係る冷却装置の性能評価方法は、
テストピースを冷却装置を用いて冷却し、該テストピースの冷却履歴を実測する冷却ステップと、
前記冷却ステップで求めた前記冷却履歴の実測値から熱伝導方程式を用いて前記テストピースの熱伝達率を求める熱伝達率算出ステップと、
前記熱伝達率に基づいて前記冷却装置の性能を評価する評価ステップと、
を備える。
上記(1)の方法によれば、テストピースの冷却履歴の実測値から熱伝導方程式を用いて熱伝達率を求め、該熱伝達率に基づいて性能評価をすることで定量的な性能評価が可能になる。従って、冷却装置の必要性能に応じた最適な設計が可能になり、過剰設計を回避できるため、製造コスト及び所要動力を低減できる。
(2)一実施形態では、前記(1)の方法において、
前記熱伝達率算出ステップで求めた前記熱伝達率が予め設定された閾値から外れたとき、前記冷却装置に異常が発生したと判定する判定ステップをさらに含む。
上記(2)の方法によれば、上記判定ステップにより、冷却装置の故障部位や消耗部位等を見つけることができる。
(3)一実施形態では、前記(2)の方法において、
前記冷却装置の冷却領域を複数の冷却領域に区分し、
前記複数の冷却領域の各々で前記テストピースの熱伝達率を求め、
前記判定ステップにおいて、前記複数の冷却領域のうち前記熱伝達率が前記閾値から外れた領域において異常が発生したと判定する。
上記(3)の方法によれば、複数に区分けした冷却領域のどの領域が異常かを見つけることができる。従って、異常が発生した領域で故障部位や消耗部位等を見つけることができる。
(4)一実施形態では、前記(2)又は(3)の構成において、
前記判定ステップは、前記冷却装置のメンテナンス時に行われる。
上記(4)の方法によれば、上記熱伝達率算出ステップで求めた熱伝達率とメンテナンス時に求めた熱伝達率との相違から、故障部位や消耗箇所を見つけ、部品交換や修理が可能になる。これによって、冷却装置の性能低下を防止できる。
(5)一実施形態では、前記(1)〜(4)の何れかの方法において、
前記熱伝達率算出ステップにおいて、
前記熱伝達率をフィッティングパラメータとし、前記冷却履歴の前記実測値と前記熱伝導方程式を用いて得られた前記冷却履歴の計算値とが一致するときの前記熱伝達率を求める。
上記(5)の方法によれば、冷却履歴の実測値と熱伝導方程式を用いて得られた冷却履歴の計算値とが一致するときの熱伝達率を求めることで、冷却装置の定量的な性能評価の指標となる熱伝達率を容易に求めることができる。
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの方法において、
前記冷却ステップにおいて、前記テストピースとして顕熱冷却履歴のみの冷却履歴を有する第1テストピースを用いる。
上記(6)の方法によれば、冷却ステップにおいて、テストピースとして顕熱冷却履歴のみのシンプルな冷却履歴を有する第1テストピースを用いることで、熱伝達率をフィッティングパラメータとしたときの冷却履歴の実測値と計算値とのフィッティングが容易になり、冷却装置の性能指標となる熱伝達率を容易に求めることができる。
(7)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの方法において、
前記冷却ステップにおいて、前記テストピースとして前記冷却履歴中に潜熱凍結履歴を含む第2テストピースを用いる。
上記(7)の方法によれば、潜熱冷却履歴を有する食品に近い冷却履歴を有する第2テストピースを用いて冷却履歴を実測し、この実測値に基づいて熱伝達率を求めることで、食品を冷却するときの性能評価に適した熱伝達率を求めることができる。
(8)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの方法において、
前記テストピースとして、互いに同一の形状及び大きさを有し、顕熱冷却履歴のみの冷却履歴を有する第1テストピースと前記冷却履歴中に潜熱凍結履歴を含む第2テストピースとを用意し、
前記冷却ステップにおいて、前記冷却装置の同一運転条件下で前記第1テストピース及び前記第2テストピースの各々の前記冷却履歴の前記実測値を求め、
前記熱伝達率算出ステップにおいて、前記実測値から前記第1テストピース及び前記第2テストピースの各々の前記熱伝達率を求め、前記各々の熱伝達率に基づいて前記テストピースの前記熱伝達率を決定する。
上記(8)の方法によれば、第1テストピース及び第2テストピースを用い、これらのテストピースから得られた熱伝達率を比較評価することで、冷却装置の性能評価に適した熱伝達率を選択できる。
(9)一実施形態では、前記(1)〜(8)の何れかの方法において、
前記熱伝達率算出ステップで求めた前記熱伝達率から前記熱伝導方程式を用いて前記テストピースの凍結時間を予測する凍結時間予測ステップを備える。
上記(9)の方法によれば、熱伝達率と凍結時間の2つの基準で冷却装置の性能評価を行うので、冷却装置の定量的な性能評価が可能になる。また、実運転時の必要冷却時間を予測できるので、この予測結果を冷却装置の設計に反映でき、従って、冷却装置の過剰設計及び過剰動力を排することができる。
(10)一実施形態では、前記(7)〜(9)の何れかの方法において、
前記熱伝達率算出ステップにおいて、前記第2テストピースの前記熱伝達率を求める場合に、
前記熱伝導方程式に用いられる密度を固定値とし、前記熱伝導方程式に用いられる比熱及び熱伝導率のうち少なくとも前記比熱を温度依存値とする。
上記(10)の方法によれば、第2テストピースの熱伝達率を求める場合に、実測値と計算値との近似が容易になり、性能評価の指標としての熱伝達率を容易に求めることができる。
(11)一実施形態では、前記(7)〜(10)の何れかの構成において、
前記第2テストピースの熱伝達率をフィッティングパラメータとし、前記第2テストピースの前記冷却履歴の実測値と前記熱伝導方程式から得られた計算値とが一致するように前記第2テストピースの凍結温度を選択する。
上記(11)の方法によれば、第2テストピースの凍結温度を選択することで、第2テストピースの冷却履歴の実測値と計算値とを一致させることができるので、第2テストピースの熱伝達率を容易に求めることができる。
(12)一実施形態では、前記(1)〜(11)の何れかの方法において、
前記冷却装置は、
内部に冷却空間を形成可能なハウジングと、
前記冷却空間を冷却可能な冷凍機と
前記ハウジングの内外に被冷却物を搬送可能なコンベアと、
を備え、
前記コンベアで複数の前記被冷却物を搬送しながら冷却可能に構成される。
上記(12)の方法によれば、上記構成を有する連続搬送式冷却装置に適用される場合、被冷却物の物性及び冷却装置の運転条件が変わっても、その都度定量的な性能評価が可能になるので、冷却装置の最適運転と最適な設計が可能になり、過剰設計を回避できるため、冷却装置の製造コスト及び所要動力を低減できる。
幾つかの実施形態によれば、冷却装置の定量的な性能評価が可能になるため、冷却装置の運転条件に応じた最適な設計が可能になり、過剰設計を回避できるため、製造コスト及び所要動力を低減できる。
一実施形態に係る性能評価方法のフロー図である。 一実施形態に係る冷却曲線から熱伝達率を求める方法を説明するためのグラフである。 一実施形態に係る第1テストピースの冷却曲線を示すグラフである。 一実施形態に係る第2テストピースの冷却曲線を示すグラフである。 一実施形態に係る性能評価方法のフロー図である。 一実施形態に係る第2テストピースの熱伝達率を求める方法を説明するためのグラフである。 一実施形態に係る冷却装置の正面視断面図である。 一実施形態に係る冷却装置の模式的平面図である。 一実施形態に係るメンテナンス時の性能評価に用いられるグラフである。 一実施形態に係るメンテナンス時の性能評価に用いられるグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る冷却装置の性能評価方法を示す工程図である。
図1に示すように、一実施形態に係る冷却装置の性能評価方法は、まず、テストピースを冷却装置で冷却することで、該テストピースの冷却履歴(冷却曲線)を実測する(冷却ステップS10)。次に、冷却ステップS10で求めた冷却履歴の実測値から熱伝導方程式(1a)及び(1b)を用いてテストピースの熱伝達率を求める(熱伝達率算出ステップS12)。
Figure 2019052828
熱伝導方程式(1a)において、ρはテストピースの密度(kg/m)、cはテストピースの比熱(kJ/kg・K)、λは熱伝導率(W/m・K)、∂T/∂tは時間に対する温度勾配、∂T/∂xjは、三次元座標における各座標軸の温度勾配、Ωはテストピース内部要素を示す。熱伝導方程式(1b)において、Γは境界要素、αは熱伝達率(W/m・K)、Tsurfはテストピースの表面温度、Tairは外気温度を示す。
そして、熱伝達率算出ステップS12で求めた熱伝達率に基づいて、冷却装置の性能を評価する(評価ステップS14)。
上記方法によれば、テストピースの冷却履歴の実測値から熱伝導方程式(1a)及び(1b)を用いて熱伝達率αを求め、熱伝達率αに基づいて性能評価をすることで、定量的な性能評価が可能になる。従って、冷却装置の必要性能に応じた最適な設計が可能になり、過剰設計を回避できるため、製造コスト及び所要動力を低減できる。
図2は、一実験データとして、ステンレス鋼製のテストピースを用い、冷却装置の冷却空間に置かれたテストピースの中心温度の推移をプロットした実測値と、熱伝達率αの値を種々変更しながら熱伝導方程式(1a)及び(1b)で求めた温度勾配(計算値)とを示す。α=170のときの計算値が実測値と一致しており、この熱伝達率αを冷却装置の定量的な性能評価とする。
本明細書において、「冷却装置」は、ハウジング内に冷却空間を形成し、該冷却空間で被冷却物を冷却又は凍結可能な装置全般を含む。例えば、図7及び図8に示すように、冷却空間に面してコンベアが設けられ、複数の被冷却物(例えば食品)をコンベアで搬送しながら冷却又は凍結する、いわゆるフリーザと称される装置を含む。
一実施形態では、図1に示すように、熱伝達率算出ステップS12で求めた熱伝達率αが予め設定された閾値から外れたとき、冷却装置に異常が発生したと判定する(判定ステップS16)。
この実施形態によれば、判定ステップS16により、冷却装置の故障部位や消耗部位等を見つけることができる。
一実施形態では、冷却装置の冷却領域を複数の冷却領域に区分し、各冷却領域でテストピースの熱伝達率を求める。そして、判定ステップS16において、複数の冷却領域のうち熱伝達率αが閾値から外れた領域において異常が発生したと判定する。
この実施形態によれば、複数に区分けした冷却領域のどの領域が異常であるかを見つけることができる。従って、異常が発生した領域で故障部位や消耗部位等を見つけることができる。
一実施形態では、判定ステップS16は、冷却装置のメンテナンス時に行われる。
この実施形態によれば、熱伝達率算出ステップS12で求めた熱伝達率とメンテナンス時に求めた熱伝達率との相違から、故障部位や消耗箇所を見つけ、部品交換や修理が可能になる。これによって、冷却装置の性能低下を防止できる。
一実施形態では、熱伝達率算出ステップS12において、熱伝達率αをフィッティングパラメータとし、冷却履歴の実測値と熱伝導方程式(1a)及び(1b)を用いて得られた冷却履歴の計算値とが一致するときの熱伝達率αを求める。
この実施形態によれば、冷却履歴の実測値と熱伝導方程式(1a)及び(1b)を用いて得られた冷却履歴の計算値とが一致するときの熱伝達率αを求めることで、冷却装置の定量的な性能評価の指標となる熱伝達率を容易に求めることができる。
一実施形態では、冷却ステップS10において、テストピースとして顕熱冷却履歴のみの冷却履歴を有する第1テストピースを用いる。第1テストピースは、例えば金属製のテストピースが該当し、第1テストピースとして、ステンレス製のテストピースを用いたときの冷却履歴(冷却曲線)を図3に示す。
この実施形態によれば、テストピースとして顕熱冷却履歴のみのシンプルな冷却履歴を有する第1テストピースを用いることで、熱伝達率をフィッティングパラメータとしたときの冷却履歴の実測値と計算値とのフィッティングが容易になり、冷却装置の性能指標となる熱伝達率αを容易に求めることができる。
一実施形態では、冷却ステップS10において、テストピースとして冷却履歴中に潜熱凍結履歴を含む第2テストピースを用いる。第2テストピースは、例えばタイロース(増粘剤)製のテストピースである。タイロース製のテストピースを用いたときの冷却曲線を図4に示す。
この実施形態によれば、潜熱冷却履歴を有する食品に近い冷却履歴を有する第2テストピースを用いて冷却履歴を実測し、この実測値に基づいて熱伝達率を求めることで、被冷却物が食品のとき、食品を冷却するときの性能評価に適した熱伝達率を求めることができる。
図3及び図4に示すように、第1テストピース及び第2テストピースにおいて、共に熱伝導率αがα=140W/m・Kのとき実測値と計算値とが一致する。従って、図3及び図4に示す実験で用いられた冷却装置は、上記熱伝達率に基づいて定量的に性能評価できる。
一実施形態では、テストピースとして、互いに同一の形状及び大きさを有し、顕熱冷却履歴のみの冷却履歴を有する第1テストピースと、冷却履歴中に潜熱凍結履歴を含む第2テストピースを用意する。そして、図5に示す手順に沿って定量的な性能評価となり得る熱伝達率を算出する。
即ち、冷却ステップS10において、冷却装置の同一運転条件下で第1テストピース及び第2テストピースの各々の冷却履歴の実測値を求める(ステップS10a及びS10b)。次に、熱伝達率算出ステップS12において、求めた実測値から第1テストピース及び第2テストピースの各々の熱伝達率α及びαを求める(ステップS12a及びS12b)。そして、評価ステップS14において、熱伝達率α及びαに基づいて定量的な性能評価となり得る熱伝達率を決定する。
このように、第1テストピース及び第2テストピースを用い、これらのテストピースから得られた熱伝達率α及びαを比較評価して定量的な性能評価となり得る熱伝達率を決定することで、実運転時の熱伝達率に近い熱伝達率を求めることができる。特に、食品の冷却履歴に近い潜熱冷却履歴を有する第2テストピースから得られる熱伝達率αを考慮することで、被冷却物が食品のときの熱伝達率に近似した熱伝達率を求めることができる。
一実施形態では、図5に示すように、評価ステップS14において、熱伝達率α及びαを比較し(ステップS14a)、α及びαの差が±1以内のとき(ステップS14b)、第2テストピースの熱伝達率αを正とする(ステップS14d)。
この実施形態によれば、α及びαの差が±1以内のとき、第2テストピースによる熱伝達率αを正とすることで、食品に近い冷却履歴を有する第2テストピースの熱伝達率αを正とすることで、被冷却物が食品のときの熱伝達率に近い熱伝達率を求めることができる。
一実施形態では、図5に示すように、熱伝達率α及びαの差が±1より大きいとき、第2テストピースの凍結点を変更してαを再度計算し直す(ステップS14c)。そして、再度熱伝達率α及びαを比較し(ステップS14a)、α及びαの差が±1以内となったとき(ステップS14b)、第2テストピースの熱伝達率αを正とする(ステップS14d)。
この実施形態によれば、第2テストピースの凍結温度を変更することで、第2テストピースの冷却履歴の実測値と計算値とを容易に一致させることができ、従って、第2テストピースの熱伝達率αを容易に求めることができる。
図6は、一実験データとして、タイロース製のテストピースを用い、冷却装置の冷却空間に置かれたテストピースの中心温度の推移をプロットした実測値と、凍結点を−0.6℃とし、熱伝導方程式(1a)及び(1b)で求めた中心温度履歴(計算値)とを示す。凍結点を−0.6℃から−0.9℃に近づけることで、計算値を実測値に近づけることができる。
こうして、第2テストピースの熱伝達率αを容易に求めることができる。
一実施形態では、図1に示すように、熱伝達率算出ステップS12で求めた熱伝達率αから熱伝導方程式(1a)を用いて、テストピースの凍結時間を予測する(凍結時間予測ステップS18)。
この実施形態によれば、熱伝達率と凍結時間の2つの基準で冷却装置の性能評価を行うので、冷却装置のさらに定量的な性能評価が可能になる。また、凍結時間を予測することで、実運転時の必要冷却時間を予測できるので、この予測結果を冷却装置の設計に反映でき、従って、冷却装置の過剰設計及び過剰動力を排することができる。
一実施形態では、図5のステップS12bにおいて、第2テストピースの熱伝達率αを求める場合に、熱伝導方程式(1a)に用いられる密度ρを固定値とし、比熱c及び熱伝導率λのうち少なくとも比熱cを温度依存値とする。
この実施形態によれば、第2テストピースの熱伝達率として実運転に近い熱伝達率を求めることができる。
一実施形態では、第2テストピースの密度ρを凍結前の重量及び寸法から算出した値の固定値とする。比熱cに関しては、次に示すエンタルピHの近似式(Phamの近似式)(2a)及び(2b)の微分から換算して得た式(3a)及び(3b)に基づく温度依存値とする。
[Phamの近似式]
H(T≧T)=H+cT (2a)
H(T<T)=A+cT+B/T (2b)
(T≧T)=cu (3a)
(T<T)=cf−B/T (3b)
式(2a)、(2b)、(3a)及び(3b)において、Hは−40℃を基準温度とした時のエンタルピ(kJ/kg)、Tは凍結点、cは未凍結層の比熱、cは凍結層の比熱、AおよびBは定数である。
一実施形態では、第2テストピースの熱伝導率λは、Phamの近似式をそのまま利用して得た次の式(4a)及び(4b)に基づく温度依存値とする。
λ(T≧T)=0.467+0.00154(T−T) (4a)
λ(T<T)=0.467−0.00489(T−T)+0.582(1/T−1/T) (4b)
一実施形態では、第2テストピースの熱伝達率αをフィッティングパラメータとし、前述のように、第2テストピースの冷却履歴の実測値と熱伝導方程式(1a)及び(1b)から得られた計算値とが一致するように第2テストピースの凍結温度を選択する。
このように、第2テストピースの凍結温度を選択して第2テストピースの冷却履歴の実測値と計算値とを一致させるので、第2テストピースの熱伝達率を容易に求めることができる。
一実施形態では、図7に示すように、冷却装置10は、内部に冷却空間Scを形成可能なハウジング12を備えている。冷却空間Scは冷凍機14によって冷却される。被冷却物Fを搬送するためのコンベア16が設けられ、コンベア16はハウジング12を貫通するように配置され、ハウジング12の外部でコンベア16に載せられた被冷却物Fはハウジング内に搬送され、冷却空間Scで冷却可能に構成されている。
この冷却装置10は、いわゆるフリーザと称され、複数の被冷却物Fをコンベア16で搬送しながら連続的に冷却及び凍結可能である。
冷却装置10に一実施形態に係る性能評価方法を適用した場合、被冷却物Fの種類、被冷却物Fの出入口温度、搬送速度及びハウジング内の冷却温度等の運転条件が変わっても、その都度定量的な性能評価が可能になる。従って、冷却装置10の最適な設計が可能になり、過剰設計を回避できるため、冷却装置10の製造コスト及び所要動力を低減できる。
一実施形態では、図7に示すように、ハウジング12の内部上方に冷却器18が設けられ、冷却器18には冷凍機14から冷媒又はブラインが循環される。冷却器18とコンベア16との間にはファン20が設けられ、冷却器18で冷却された冷風を庫内で循環し、被冷却物Fを冷却かつ凍結する。コンベア16上の被冷却物Fは搬送方向aに搬送される。
一実施形態では、図8に示すように、冷却装置10においてコンベア幅方向に複数のファン20が別々に配置されている。冷却装置10のメンテナンス方法として、コンベア16の幅方向に複数のタイロース製テストピースTP〜TPを置き、各領域A〜Cで上記性能評価方法によって夫々のテストピースの熱伝達率を求める。各テストピースの熱伝導率が同一であるとき、コンベア16の幅方向で冷却性能にムラがないことがわかる。
他方、図9に示すように、一つの領域Aで他の領域B及びCの冷却履歴(ラインX)と異なる冷却履歴(ラインY)が得られ、領域Aの熱伝達率が他の領域の熱伝導率より減少していることが判明したとき、領域Aで何等かの異常(例えば、ファン20の故障など)が起こっていることがわかる。このように、求めた熱伝達率によってある領域で起こっている異常を見つけることができる。
図10は、冷却装置10のメンテナンス時において、冷却装置10の1つのコンベア領域で、運転開始時と運転後半領域とで冷却履歴が異なる例を示す。図中、ラインXは、運転開始時の冷却履歴を示し、ラインYは運転後半領域の冷却履歴を示す。求めた熱伝導率は、運転後半領域において運転開始時より減少している。
上記性能評価結果から、冷却装置10の運転後半領域、即ち、コンベア16の下流側領域で冷却性能が何らかの原因で低下していることがわかる。原因として、ファン20の故障かあるいは冷却器18に多量の霜が付着していることが予想される。従って、冷却性能低下に関しての考察が行われ、問題解決への足掛かりとなる。
また、被冷却物Fの異なる位置で温度を計測した場合、得られる冷却履歴は異なるが、上記手法で求めた熱伝達率は、計測点が異なっても同一となることがわかった。このことから、被冷却物F内の任意の点での温度測定による、冷却装置10の熱伝達率αの計測が可能であるということがわかった。
幾つかの実施形態によれば、冷却装置の定量的な性能評価が可能になり、これによって、メンテナンス時に故障などの原因究明の手掛かりとすることができる。
10 冷却装置
12 ハウジング
14 冷凍機
16 コンベア
18 冷却器
20 ファン
F 被冷却物
Sc 冷却空間
TP、TP、TP テストピース
a 搬送方向

Claims (12)

  1. テストピースを冷却装置を用いて冷却し、該テストピースの冷却履歴を実測する冷却ステップと、
    前記冷却ステップで求めた前記冷却履歴の実測値から熱伝導方程式を用いて前記テストピースの熱伝達率を求める熱伝達率算出ステップと、
    前記熱伝達率に基づいて前記冷却装置の性能を評価する評価ステップと、
    を備えることを特徴とする冷却装置の性能評価方法。
  2. 前記熱伝達率算出ステップで求めた前記熱伝達率が予め設定された閾値から外れたときとき、前記冷却装置に異常が発生したと判定する判定ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置の性能評価方法。
  3. 前記冷却装置の冷却領域を複数の冷却領域に区分し、
    前記複数の冷却領域の各々で前記テストピースの熱伝達率を求め、
    前記判定ステップにおいて、前記複数の冷却領域のうち前記熱伝達率が前記閾値から外れた領域において異常が発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の冷却装置の性能評価方法。
  4. 前記判定ステップは、前記冷却装置のメンテナンス時に行われることを特徴とする請求項2又は3に記載の冷却装置の性能評価方法。
  5. 前記熱伝達率算出ステップにおいて、
    前記熱伝達率をフィッティングパラメータとし、前記冷却履歴の前記実測値と前記熱伝導方程式を用いて得られた前記冷却履歴の計算値とが一致するときの前記熱伝達率を求めることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
  6. 前記冷却ステップにおいて、前記テストピースとして顕熱冷却履歴のみの冷却履歴を有する第1テストピースを用いることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
  7. 前記冷却ステップにおいて、前記テストピースとして前記冷却履歴中に潜熱凍結履歴を含む第2テストピースを用いることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
  8. 前記テストピースとして、互いに同一の形状及び大きさを有し、顕熱冷却履歴のみの冷却履歴を有する第1テストピースと前記冷却履歴中に潜熱凍結履歴を含む第2テストピースとを用意し、
    前記冷却ステップにおいて、前記冷却装置の同一運転条件下で前記第1テストピース及び前記第2テストピースの各々の前記冷却履歴の前記実測値を求め、
    前記熱伝達率算出ステップにおいて、前記実測値から前記第1テストピース及び前記第2テストピースの各々の前記熱伝達率を求め、前記各々の熱伝達率に基づいて前記テストピースの前記熱伝達率を決定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
  9. 前記熱伝達率算出ステップで求めた前記熱伝達率から前記熱伝導方程式を用いて前記テストピースの凍結時間を予測する凍結時間予測ステップを備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
  10. 前記熱伝達率算出ステップにおいて、前記第2テストピースの前記熱伝達率を求める場合に、
    前記熱伝導方程式に用いられる密度を固定値とし、前記熱伝導方程式に用いられる比熱及び熱伝導率のうち少なくとも前記比熱を温度依存値とすることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
  11. 前記第2テストピースの熱伝達率をフィッティングパラメータとし、前記第2テストピースの前記冷却履歴の実測値と前記熱伝導方程式から得られた計算値とが一致するように前記第2テストピースの凍結温度を選択することを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
  12. 前記冷却装置は、
    内部に冷却空間を形成可能なハウジングと、
    前記冷却空間を冷却可能な冷凍機と
    前記ハウジングの内外に被冷却物を搬送可能なコンベアと、
    を備え、
    前記コンベアで複数の前記被冷却物を搬送しながら冷却可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の冷却装置の性能評価方法。
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