JP2019046551A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】鍋底に反りのある調理鍋を用いる場合に、鍋がずれていると判断することのできる加熱調理器を提供する。【解決手段】本被加熱物を載置する載置部を有したプレート3と、被加熱物を加熱する加熱コイル60と、加熱コイル60の中央部に1つの温度センサと加熱コイル60と対向したプレート3の下面に、温度に応じて導体抵抗が変化する線状の導電材料を引き回した温度検知部40aとを設け、温度検知部40aは、加熱コイル60の周方向に複数に分けた領域に配置し、加熱コイル中央部の温度センサとそれぞれの領域と対角にある領域を比較することによって、鍋が加熱コイルの中心からずれていることを検知するものである。【選択図】図8
Description
本発明は、鍋などの被加熱物を載置するプレートの温度を検出する誘導加熱調理器に関するものである。
特許文献1には、誘導加熱調理器で使用できる最小径の鍋を載置枠内に載置した3個の温度検知器で調理鍋が加熱コイルの中心から外れて載置された場合でも安全であるとともに、安心して調理を行うことができる方法が示されている。
鍋底に反りのある調理鍋が加熱コイルの中央部からずれて載置された場合に、特許文献1に示す3個の温度検知器では、1つ1つの温度検知器の温度を測定できる領域が狭いため、鍋底に反りがある鍋では、3個の温度センサの温度差が小さくなり、鍋がずれていると判断しにくいという課題があった。
本発明の誘導加熱調理器は、上述の課題を解決するためになされたもので、被加熱物を載置する載置部を有したプレートと、該プレートの下方に設けられ前記被加熱物を加熱するコイルと、該加熱コイルと対向した前記プレートの下面に、温度に応じて導体抵抗が変化する導電材料を引き回した温度検知部を設け、該温度検知部は、前記加熱コイルの周方向に複数に分けた領域に配置し、少なくとも1個以上の該領域とそれぞれの対角の前記領域を比較することによって鍋ずれを検知し、電力を制御することを特徴とする。
本発明によれば、温度センサは、鍋底に反りのある鍋でも、中心からのずれを精度よく検出することができる。
以下、本発明の一実施例を図1から図10に従って説明する。
図1は、一実施例の誘導加熱調理器であるクッキングヒータの本体2をシステムキッチン1に組込んだ状態の斜視図である。図2は、該本体2を分解した図である。
図1、図2は、本体2を該システムキッチン1の天板1aに設けられた開口部に落とし込んで据え付けている状態を示す。本体2の上部には、被加熱物が載置されるためのプレート3が配置され、該プレート3は耐熱性の高いガラスやセラミックで形成されている。本実施例では、上面3bに載置した鍋を誘導加熱し、発熱した鍋底の温度をプレート3を介して検出する。
プレート組14は、プレート3に前後左右を保持・保護するためのプレート枠4と、プレート3の下面に保持される後述の操作表示基板17(図4)とで構成されている。ここで、該プレート枠4は、プレート枠3の左右の辺を保護するサイドフレーム21と、プレート3の手前側を保護するフロントフレーム22とプレートの後方側を保護するバックフレーム23で構成される。なお、該サイドフレーム21は、プレート3の右側の辺を保護するサイドフレーム右用と左側の辺を保護するサイドフレーム左用があるが、左右のフレームをサイドフレーム21として同じ番号で図示し、説明する。
プレート組14には、被加熱物が載置される載置部6があり、右の該載置部6を載置部右6a、左を載置部左6b、両載置部の中央後部を載置部中央6cと配置している。また、該載置部右6a、載置部左6b、載置部中央6cの下部にはそれぞれ右加熱コイル60a、左加熱コイル60b、中加熱コイル60cが配置され、それぞれの該載置部(6a、6b、6c)上に載置された鍋を加熱する。誘導加熱調理器では、加熱コイル60に例えば20〜40kHz程度の高周波電流を流して磁束を時間的に変化させることで、載置部6上に載置された金属製の鍋底に渦電流を発生させ、この渦電流によるジュール熱で被加熱物である鍋を発熱される。加熱コイル60の外周にはシールドリング61が設けられ、加熱コイル60の外周に磁束が漏れるのを防止している。該シールドリング61と載置部6を示す位置とは略一致する位置関係にある。また、加熱コイル60はコイルベース31に載置されており、プレート3の下面3aに接触してプレート3越しに鍋底の温度を検出する温度センサ34が載置されている。
コイルベース31は、3つの支持部32(例えば、バネ)で支持され、該支持部32によって加熱コイル60はプレート3の仮面3aに押し付けられ、被加熱物と加熱コイル60との距離が一定に保たれる。
そして、本体2には後述のオーブン11を覆う仕切り板2bの上方に設けた基板台73a、73b上に載置した右基板7a、左基板7bと、該右基板7a、該左基板7bを覆うように設けられた右基板カバー66a、左基板カバー66bと、ファン装置Fとを備えている。
プレート3の上面には上面操作部9が設けられ、鍋を加熱する加熱コイル60の火力や加熱時間の設定を行う。該上面操作部の奥側に位置する上面表示部10は、上面操作部9にて設定された情報の表示を行う。
本体2の後方に吸気口2aが設けられ、本体2の内部の加熱コイル60や加熱コイル60に電源を供給するインバータ基板、制御基板内の発熱する電子部品を冷却するために使用する外気を吸引するところである。また、排気口8は、ファン装置Fにより該吸気口2aから吸気された外気が発熱する電子部品を冷却した後、本体2から排出されるところである。
仕切板2bと本体2に覆われたオーブン11は、魚や肉等の被加熱物を焼き、オーブンドア11aにより開閉が可能となっている。なお、オーブン11で発生した熱も排気口8から排出される。本体2前面に設けられた前面操作部5は、主に前オーブン11の調理条件を設定するために使用する。
図3は、本体2からプレート組14を取り外した本体2の上面図である。図3を用いて加熱コイル60について説明する。
本体2の右基板7a、左基板7bを覆う右基板カバー66a、左基板カバー66bの上にコイルベース31で支持して加熱コイル60が設けられている。以下では、代表で右加熱コイル60aについて説明する。
右加熱コイル60aは、同心円状の同一平面上に設けられた内側加熱コイル60a1と外側加熱コイル60a2で構成され、通常二重加熱コイルと呼ばれる。該内側加熱コイル60a1の外端と該外側加熱コイル60a2の内端は電気的に接続されている。内側加熱コイル60a1と外側加熱コイル60a2との間には隙間60a3を設けて配置している。内側加熱コイル60a1の内側の径は内径M、外側加熱コイル60a2の外側の径は外径Lである。なお、左加熱コイル60b、中加熱コイル60cともに同様の構造となっている。また、図3に示すように、隙間60a3、隙間60b3には、非接触タイプの赤外線センサSを設けている。左加熱コイル60bにも同様に該赤外線センサSを設けている。
図4は、プレート組14を裏返した状態を示し、プレート3の下面3aを示す図である。プレート組14はプレートの下面3aにプレート3の外周を保持する保持部材15と、プレート3の下面3aの手前に保持される操作表示基板17とで構成する。プレート3の下面3aの外周には保持部材15がシリコン等の接着税で貼り付けている。
該保持部材15は、鋼板1枚よりプレス加工して作製したものである。保持部材15の前縁部15aには、操作表示基板17を支持するする複数の支持部15cを備えた基板支持部15bを一体に構成している。支持部15cは操作表示基板17の左右端部を支持する部分と、左右にわたる複数個所(約7箇所)を支えるものである。
図4に示すように、プレート3の下面3aには印刷16が施され、ベース16g(図10に示す主色塗料16a)で外観を装飾し、且つ、本体2内部の構成部品をプレート3上面から見えないようにしている。また、該印刷16を施さない窓16fを設け、本体2内部に配置する液晶や発光体等による火力表示をプレート3の上面3bから視認できる上面表示部10を構成する。
プレート3の上面3bは、載置部6周囲に鍋の横滑り防止のため、直径約1mmのドット柄16e(図10)が印刷されているものがあるが、ここでは図示を省略する。下面3aには、図2で示した載置部6を示す載置部表示16cをベース16g(主色塗料16a)と異なる色で明瞭に印刷される。また、プレート3の手前には、横一列に操作キーの枠と名称等を示す入力の表示が配置される。
次に、図5、図6を用いて、プレート3の下面3aに設ける温度センサ70について説明する。該温度センサ70(41、42、43、44、45)は、加熱される鍋(非加熱物)の鍋底の温度を検出するものである。温度センサ70は、温度に応じて導体の抵抗が変化する銀ペースト、銅ペースト等の導体材料を線上に塗布したものであり、プレート3を介して熱伝導した鍋底の温度を導体の抵抗変化に基づいて検出するものである。本実施例では、加熱コイル60に対抗したプレート3の下面3aに導体40を印刷し、該導体40の温度に依存して変化する抵抗変化を捉えている。
なお、導体40は、銀ペーストに代え、基材に銀箔、もしくは、銅箔を貼り付け、該銅箔をエッチングにより不要部を取り除いた導体40を設けても良い。また、基材をプレート3と加熱コイル60との間に設けても良い。基材は、硬質でも軟質でも良い。さらに、銅箔などの温度によって抵抗変化する導体40を加工(裁断)して導体40を設けても良い。
本実施例では、プレート3に導体40をスクリーン印刷で塗布して、焼き付けた構成について以下で説明する。図10に示すように、プレート3の主材であるガラス下面3aから順に主色塗料16a、耐熱塗料16b、帯電塗料(導体40)、耐熱塗料を16cと積層する。導体40の端子部40cは、銀ペーストの導体40にカーボンを重ねて導通を確保して最も下の該耐熱塗料16cの下へ露出して設けている。すなわち、導体40が塗料に埋没するように設けられている。重ね塗りは、導電塗料(導体40)が透明なプレート3を使用した場合は上面3b側から見えないようにするためであり、また、本体2の内部は発熱部品によって温度上昇し、冷却用の空気に導体40が暴露される事の無いように耐環境性を確保するためである。プレート3の基材に不透明な材料を使用した場合は、プレート3の下面3aに導体40を印刷した後に重ね塗りをしても良い。導体40の引き回しを見えるようにデザインする場合も同様にプレート3の下面3aに導体40を印刷した後に重ね塗りしても良い。重ね塗りをする理由としては、特に注意する現象である銀のマイグレーションを防止し、導体40の短絡を防止するためである。
次に、温度センサ70(導体40)について説明する。温度センサ70は、温度検知部40a(温度センサ70)と引き出し線40bと端子部40cとの3個の構成から成っている。図6で説明すると、例えば、導体43aは温度検知部43a1と引き出し線43a2と端子部43a3から成っている。
また、温度センサ70は、導体40は、端子部40cへの引き回し部を除き、一端側の端子部40cから他端側の端子部40cまで交わることが無く、途切れる事の無い同じ太さの導体40を平行線で構成している。
導体40を平行線(略導体の幅1本分の間隔を空けた状態)で構成し、隣接する導体40に流れる電流の向きが相反する向きとすることで、加熱時の加熱コイル60の磁束の影響を軽減している。また、温度センサ70の導体40は、径方向に振れる矩形波状を週方向並べて配置し、加熱コイル60の周方向の巻回しと直行して配置することで、加熱時の加熱コイル60の自足の影響を軽減している。さらに、温度センサ70の導体40には交流の電流を流すことで、平行線で近接する導体間に発生するマイグレーション現象を防止している。
次に、温度センサ70(導体40)の引き回しについて説明する。温度センサ70は、鍋を載置部6に載置して加熱した時に、鍋底の温度を効率よく検知できるように、右加熱コイル60aと略対向するプレート3の下面3aの位置に導体43と導体44を設けている。左加熱コイル60bも同様の導体41と導体42を設け、中加熱コイル60cでは外側加熱コイル60c2側のみに対抗面に導体45を設けている。以下、温度センサ70の説明は代表して右加熱コイル60a側に設けた温度センサ70について説明する。
加熱コイル60に対向した下面3aに設けた温度センサ70は、加熱コイル60のコイル形状に沿って、円周方向に複数個の独立した温度センサ70から成っている。例えば、図6に示すように右加熱コイル60aに対向するプレート3の下面3aに設けた温度センサ70(導体43、44)は導体43a〜導体43fと導体44a〜44bの8個の独立した温度センサから成る。導体43と導体44の違いについて説明する。導体44は加熱コイル60aの後方側に配置し、導体44は導体43より加熱コイル60aの中心寄りまで配置して(図7の内径部Z)、加熱コイルの中心部の温度を検知できるように配置されている。加熱コイル60bに設けた導体42も同様に、導体42は導体41より加熱コイル60bの中心寄りまで配置し、加熱コイル60bの中心部の温度を検知できるように配置されている。
それぞれの導体40の引き出し線40bは、磁束の影響を最小限にするため、加熱コイル60を直交して最短距離でシールドリング61の外側に引き出している。その際、シールドリング61を横切るときも直交するようにしている。
また、独立した複数個の温度センサ70の導体40の全長を同じに定め、複数個の導体40の温度検知部40aの導体の長さも同じに設けられている。例えば、右加熱コイル60aの場合、右加熱コイル60aに対向するプレート3の下面3aに独立して設けられた8個の導体43、44の全長は、導体43a〜43fと導体44a〜44bはすべて同じである。また、各導体の温度検知部43a1〜温度検知部43f1と温度検知部44a1と温度検知部44b1は全て同じ長さと成っている。同じ長さとすることにより、単位長さ当たりの温度変化による抵抗変化を同じに設定している。これにより、8個の温度センサ70が検出する温度変化から温度変化率を監視し、鍋がずれて載置された場合に温度変化率から鍋がずれて載置されていることを判断することができる。それぞれの温度センサ70の全長(抵抗値)が異なる場合は、ソフトで補正することも可能である。本実例では、全ての導体40の太さ、長さ、抵抗値を略統一している。
なお、ここでは、温度センサ70の温度検知部40aと引き出し線40bに同じ導電材料を用いる例を示したが、温度検知部40aと引き出し線40bを異なる版で印刷し、温度検知部40aの抵抗変化率を引き出し線40bの抵抗変化率より大きくしても良い。このように構成することで、鍋温度を測定する温度検知部40aの感度を高めつつ、引き出し線40bが検出するノイズの影響を低減することができる。
温度センサ70(導体40)は、端子接続部46から基板へと接続されており、抵抗変化を測定することが可能となっている(図示せず)。
以上のような構成で実施例を示す。
初めに、本実施例で説明する誘導加熱調理器に使用される加熱コイル60は、被加熱物である鍋を均一に加熱するため、略帯状の円形形状で構成し、大小の鍋の径にも対応可能なコイル幅を備えている。出願人が使用可能鍋として説明書等に示す鍋底の最小径は、直径120mmの鍋であり、これを用いて説明する。
また、導体検知部43は加熱コイル60の内径Mから外径Lまでとし、内径部Zはさらに中心まで設けられ、温度センサ34には接触しないものとする。ここで温度センサ34は例えば接触センサであるサーミスタを使用し、温度センサ34は温度センサ70の状態確認として、温度センサ34の検出温度に基づいて温度センサ70の抵抗値を確認している。調理を開始するために本体2の電源スイッチ(図示せず)を入れた時、温度センサ34の検出温度を確認して、温度センサの温度34の温度が特定温度以下(例えば35℃以下)の時に、温度センサ70の導体抵抗を補正している。
次に、鍋がずれていることを判定する方法について図7〜図9を用いて示す。
本実施例では鍋が載置部表示16の中央からずれているかどうかを判断するために、温度センサ43a〜43f、温度センサ44a〜44bの8個の領域の内、最大の導体抵抗変化率の領域とその対角にある領域の導体抵抗変化率を比較する。また、2番目に高い導体抵抗変化率の領域とその対角にある領域の導体抵抗変化率を比較し、2つの比較した値がそれぞれに設定された閾値以上となった時に、鍋が載置部6の中央からずれて載置されていると判断する。また、比較を行うのは最大の導体変化率の領域と2番目に高い導体抵抗変化率の領域が隣接もしくは2つ隣の領域である場合でのみ鍋が載置部6の中央からずれていると判断する。
以下に本実施例の詳細を示す。
加熱前の温度センサ43a〜43f、温度センサ44a〜44bの初期のそれぞれの導体抵抗rnから加熱中の導体抵抗Rnの導体抵抗変化率Xnを
Xn=(Rn-rn)/rn (n=1〜8)
とした時、温度センサ43a〜43f、温度センサ44a〜44bの8個の領域の中で最大の導体抵抗変化率をXMAX、2番目に高い値の導体抵抗変化率をXMAX2、該導体抵抗変化率XMAXの対角の領域の導体抵抗変化率をXD、導体抵抗変化率XMAX2の対角の領域の導体抵抗変化率をXD2とする。
Xn=(Rn-rn)/rn (n=1〜8)
とした時、温度センサ43a〜43f、温度センサ44a〜44bの8個の領域の中で最大の導体抵抗変化率をXMAX、2番目に高い値の導体抵抗変化率をXMAX2、該導体抵抗変化率XMAXの対角の領域の導体抵抗変化率をXD、導体抵抗変化率XMAX2の対角の領域の導体抵抗変化率をXD2とする。
このそれぞれのXから変化率比較Y1と変化率比較Y2とし、以下の式で示す。
Y1=XMAX/XD
Y2=XMAX2/XD2
Y1とY2がそれぞれに設定された閾値A、閾値Bを超えた時に鍋が載置部6の中央からずれていると判断する。
Y1=XMAX/XD
Y2=XMAX2/XD2
Y1とY2がそれぞれに設定された閾値A、閾値Bを超えた時に鍋が載置部6の中央からずれていると判断する。
閾値Aと閾値Bは、安全性と実用性の両面から設定する。安全性では、載置部6の中心から100g程度の少量油の入った鍋がずれて載置されている場合を想定した試験を行い、Y1とY2が最も低い値を確認する。その上で、実用性として、予熱や湯沸し等を鍋が載置部6の中心からずれて載置されている状態で試験する。この時のY1とY2と、安全性の試験において確認した最も低いY1とY2から、安全性試験では安全に火力を制御でき、実用性試験ではできる限り火力の制御を実施しないY1とY2の値をそれぞれ閾値Aと閾値Bと設定する。ここで、100g程度の少量油としているのは、一般的に油の量は200g〜800gと取扱説明書に記載してあるが、お客様によっては100g程度の少量油で揚げ物を実施する場合が考えられるからである。そのような場合にも安全に火力を制御するため、安全性試験の最も低いY1とY2にさらに尤度を設けて設定する。さらに、Y1とY2は鍋が載置部6の中央からずれて置かれている為、温度センサ70が均等な温度の場合は約1だが、それに対して安全性試験の最小のY1とY2は数倍もの値になる。
導体44のパターンは赤外線センサ用透明窓部49を避けて内径部Zを設けているが、このような構造にすることで、赤外線センサSで温度検知が困難になる本体2の手前側へのずれに対して鍋がずれていると判断しやすい。これは、加熱コイル60の構造上、コイルの中心側より赤外線センサSが位置するところの方が高温になる傾向にあるからである。80で示すような位置に非加熱物が載置され、加熱された場合、赤外線センサSは鍋底の温度ではなく、鍋側面の温度を検知する場合があり、実際より低温に判定してしまう。このような場合に、導体44は高温となる赤外線センサSの部分に導体70がなく、他の導体40より加熱コイル60の中心側Z部にセンサがあるため、導体43に比べて導体44の導体抵抗変化率Xnが小さくなる。従って、本体2の手前側に非加熱物が載置され、加熱されると、変化率比較Y1とY2が大きくなる傾向にあり、鍋がずれていると判断して、火力を制御しやすい。
図7の直径120mm鍋底径81は鍋底の直径が120mmの鍋が載置部表示16の中央に載置されている状態を示す。この時、鍋底は該直径120mm鍋底径81の内側が凹形状であり、例えば載置した状態で1〜2mm程度浮いている鍋とする。この状態で鍋を誘導加熱すると、鍋底が熱くなり、鍋底から受ける熱量は温度センサ43a〜43f、温度センサ44a〜44bの8個の領域でほとんど均等となり、Y1とY2は約1となるため、Y1<A、Y2<Bを満たし、鍋がずれて載置されていないと判断して加熱を継続する。
図8の81aは図7と同様の鍋が載置部表示16cの手前側まで40mmずれて載置されている状態を示す。この時、鍋底は凹形状であるが、凹形状に関わらず鍋底からの熱量は隣接する温度センサ43c、43dの2つに集中し、それぞれの対角にある温度センサ44a、44bの熱量は小さい。そのため、Y1とY2は大きくなり、Y1>A、Y2>Bとなるため、鍋が載置部表示16の中央から大きくずれていると判断し、火力を制御する、もしくは使用者に鍋がずれていることをお知らせする、もしくは通電を停止する。さらに、お知らせ後に鍋が中央に載置された場合は、図7で説明したようにY1とY2が小さくなるため、鍋が中央に載置されていると判断し、通常の加熱へと移行しても良い。
次に、図9は直径120mm鍋底径81cのように図7と同様の鍋が右手前方向に載置された状態であり、その場合の判断の方法について示す。該直径120mm鍋底径81cの場合に最も考えられるのが、温度センサ43eが導体抵抗率XMAXとなり温度センサ43d、44fのどちらかが導体抵抗率XMAX2の時である。どちらが導体抵抗率XMAX2となった場合でも、高温である43eの両隣の温度センサのため、対角で比較した場合大きな値となり、鍋が中央からずれていると判断できる。
また、場合によっては温度センサ43d、43fが導体抵抗率XMAX、XMAX2が43d、43e、43fのいずれかとなる可能性があるが、この場合でも対角との比較は大きくなるため、鍋が中央から大きくずれていると判断する。ここで、導体抵抗率XMAX、XMAX2が、2つ隣の温度センサ70(導体40)の場合は、隣接する2つが導体抵抗率XMAX、XMAX2となる場合と異なる閾値Cや閾値Dを設けても良い。
さらに、導体抵抗率XMAX、XMAX2が、3つ隣となる場合は、鍋底が温度センサ70(導体40)を覆う面積が間に挟まれる導体センサ70(導体40)と同等程度にならなければいけない。図8の直径160mm鍋底径81bのように鍋底径が160mm程度の鍋が載置部表示16の中央から20mmずれた状態である。しかし、該直径160mm鍋底径81bは、赤外線センサ用透明窓部49上にあるため、赤外線センサSにより、鍋底の温度を測定して安全に火力を制御することができるため、導体抵抗率XMAX、XMAX2が、3つ以上隣となる場合は鍋がずれていると判断しない。
今回の実施例では温度センサ70(導体40)を8個の領域としたが、6個の領域として1個の領域とその対角の領域を比較しても良く、比較する領域があれば領域の個数に制限は無い。
上記の通り、温度センサ70を用いることで、鍋が載置部表示16の中央から大きくずれてもずれていると判断できるため、プレート3の下面3aに接触してプレート3越しに鍋底の温度を検出する温度センサ34は1つのみあれば良い。
3・・・プレート、40・・・導体、40a・・・温度検知部、40b・・・引き出し線、40c・・・端子部、46・・・端子接続部、60・・・加熱コイル、70・・・温度センサ
Claims (2)
- 被加熱物を載置する載置部を有したプレートと、該プレートの下方に設けられ前記被加熱物を加熱するコイルと、該加熱コイルと対向した前記プレートの下面に、温度に応じて導体抵抗が変化する導電材料を引き回した温度検知部を設け、該温度検知部は、前記加熱コイルの周方向に複数に分けた領域に配置し、少なくとも1個以上の該領域とそれぞれの対角の前記領域を比較することによって鍋ずれを検知し、電力を制御することを特徴とする、誘導加熱調理器。
- 前記複数に分けた領域のそれぞれの導体抵抗rnからそれぞれの加熱中の導体抵抗Rnの導体抵抗変化率XnをXn=(Rn-rn)/rnとし、
前記複数の領域の中で最大の導体抵抗変化率をXMAXとし、2番目に高い値の導体抵抗変化率をXMAX2とし、
前記導体抵抗変化率XMAXの対角の領域の導体抵抗変化率をXDとし、前記導体抵抗変化率XMAX2の対角の領域の導体抵抗変化率をXD2とし、
Y1=XMAX/XD
Y2=XMAX2/XD2とした時に、
鍋が前記加熱コイルの中心からずれているときに、Y1及びY2がそれぞれ超えるように設定された閾値A、及び閾値Bを有することを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A521 | Written amendment |
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