JP2019039180A - 門型架構およびその施工方法 - Google Patents

門型架構およびその施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019039180A
JP2019039180A JP2017160425A JP2017160425A JP2019039180A JP 2019039180 A JP2019039180 A JP 2019039180A JP 2017160425 A JP2017160425 A JP 2017160425A JP 2017160425 A JP2017160425 A JP 2017160425A JP 2019039180 A JP2019039180 A JP 2019039180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceiling panel
panel
gate
portal
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017160425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6893151B2 (ja
Inventor
高平 島村
Kohei Shimamura
高平 島村
裕美 坂口
Yumi Sakaguchi
裕美 坂口
武 御所園
Takeshi Goshozono
武 御所園
仁彦 森田
Masahiko Morita
仁彦 森田
智明 相馬
Tomoaki Soma
智明 相馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2017160425A priority Critical patent/JP6893151B2/ja
Publication of JP2019039180A publication Critical patent/JP2019039180A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6893151B2 publication Critical patent/JP6893151B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】構造が単純で施工時間を短縮できるとともに、デザインの自由度が高く、十分な耐震性を備えた門型架構を提供する。【解決手段】天井パネル2と一対の壁パネル3,4とが軸受金物30を介して接合された門型ユニットを有する門型架構1であって、天井パネル2の端部は、桁行方向を中心軸として回動可能な状態で壁パネル3,4の頂部3a,4aに接合されていることを特徴とする。天井パネル2および壁パネル3,4の少なくとも一方は、直交集成板で構成されており、門型ユニット5が桁行方向に連続して設置されて、建物が形成される。隣り合う門型ユニット5,5は、一対の壁パネル3,4の高さと傾斜角がそれぞれ異なる非対称形状を呈しており、隣り合う門型ユニットの軸受金物30,30同士がブレース50で接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、門型架構およびその施工方法に関する。
中小規模の建築物としては、たとえば特許文献1,2に示すように、柱や梁に集成材等の木質パネルを用いたものが知られている。特許文献1の木造建築物では、L字形をなす接合金属板を、集成材からなる柱と梁の端部に形成されたスリットに挿入して、柱または梁の側面から接合金属板にピンを挿通することで、柱と梁とを剛接合している。特許文献2の木造建築物では、プレート部とパイプ部とを備えた接合金物によって、柱と梁が剛接合されている。プレート部は、柱の頭部に形成されたスリットに挿入されており、柱の側面から打ち込まれたドリフトピンにて柱に連結されている。パイプ部は、梁を貫通するほぞ孔に挿入されており、梁の側方から打ち込まれたドリフトピンにて梁に連結されている。
特許第3486866号公報 特開2006−104730号公報
地震が多発する日本では、剛性、水平耐力、変形性能など、建物に要求される性能に応じて十分な耐震性を確保する必要がある。しかし、柱や梁の断面を小さくしたい場合や、デザイン上の理由から、薄いパネル材(板状部材)を用いてラーメン架構を構築する場合、断面内の応力中心間距離を大きく取れないために接合部の剛性や耐力を確保するのが難しい。また、柱と梁とを剛接合するためにはピンやパイプなどを配して補強する必要があり、接合部の構造や納まりが複雑になるという問題があった。また、上記特許文献のように、柱を立てた後に梁を架け渡して連結する一般的な工法では、建て方に時間を要するとともに、箱型の単純なデザインになり易い。
このような観点から、本発明は、パネル材同士の接合部の構造が単純で施工時間を短縮できるとともに、十分な耐震性を備えた門型架構およびその施工方法を提供する。
このような課題を解決するための第一の本発明は、天井パネルと一対の壁パネルとが軸受金物を介して接合された門型ユニットを有する門型架構であって、前記天井パネルの端部は、桁行方向を中心軸として回動可能な状態で前記壁パネルの頂部に接合されていることを特徴とする。
かかる門型架構によれば、天井パネルは軸受金物を介して壁パネルに接合されているので、剛接合よりも構造が単純であり、壁パネルの下端部を基礎に固定した後の建て入れの調整も容易である。また、天井パネルと壁パネルとの交差角度は直角以外にも任意に設定できるとともに、筋交い等を用いる必要もないので、デザインの自由度が高い。
本発明に係る門型架構では、前記天井パネルおよび前記壁パネルの少なくとも一方は、直交集成板で構成されており、前記門型ユニットが桁行方向に連続して設置されて、建物が形成されるものが好ましい。このような構成によれば、門型ユニット以外の部材を用いることなく、トンネル状の空間を有する建物を構築することができる。また、高い強度と剛性を備えた直交集成板を用いて門型ユニットの桁行方向の寸法を小さくすることで、門型ユニットの運搬および施工を容易に行うことができる。
また、本発明に係る門型架構では、隣り合う前記門型ユニットは、前記一対の壁パネルの高さと傾斜角がそれぞれ異なる非対称形状を呈しており、隣り合う前記門型ユニットの前記軸受金物同士がブレースで接合されているものが好ましい。このような構成によれば、隣り合う壁パネル同士、または天井パネル同士をブレースが繋ぐことで、門型ユニット同士の接合位置において、壁・天井パネルとブレースが軸力で釣り合うトラス構造が形成され、梁間方向の剛性が高まってより強固な構造物になる。
前記課題を解決するための第二の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の門型架構を構築する施工方法であって、前記壁パネルと前記天井パネルの内側面を下側にして前記門型ユニットを平置きする準備工程と、前記天井パネルを上方に上げて前記門型ユニットを所定の形状にし、前記壁パネルの下端部を基礎上に設置する門型ユニット設置工程と、前記壁パネルの下端部を前記基礎に固定する門型ユニット固定工程とを備えたことを特徴とする。
かかる門型架構の施工方法によれば、門型ユニットが所定の形状になるように建て方し、壁パネルの下端部を基礎に固定するだけで、壁面と天井面の構築を同時に行うことができるので、施工時間の短縮が達成される。また、壁パネルと天井パネルの接合は、工場あるいは現場の所定位置(地上の平置き位置)で行うことができて安全である。
本発明の門型架構およびその施工方法によれば、パネル材同士の接合部の構造が単純で施工時間を短縮できるとともに、危険を伴う高所作業を減らすことができる。
また、隣り合う門型ユニットの壁・天井パネルの接合部同士をブレースで繋ぐことでトラス構造が形成され、パネル材とブレースが材の軸方向に作用する力(軸力)で釣り合いを保持することができる。これによって門型架構の剛性が高まるとともに、地震時にパネル材の面外曲げで抵抗するラーメン構造よりも水平耐力を確保し易くなる。
十分な耐震性を備えることができる。
本発明の実施形態に係る門型架構を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る門型架構を示した平面図である。 (a)は本発明の実施形態に係る一方の門型ユニットを示した正面図、(b)は他方の門型ユニットを示した正面図である。 壁パネルと基礎との接合構造を示した側面断面図である。 (a)は図4のA−A断面図、(b)は図4のB−B断面図、(c)は図4のC−C断面図である。 (a)は図4のD−D断面図、(b)は図4のE−E断面図、(c)は図4のF−F断面図である。 傾斜した壁パネルと基礎との取合いを示した正面図である。 (a)は壁パネルと天井パネルを接合する接合金具を示した平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 (a)は鉛直な壁パネルと天井パネルとを接合した正面図、(b)は傾斜した壁パネルと天井パネルとを接合した正面図である。 (a)は隣り合う門型ユニットの角部同士を連結した正面図、(b)は平面図である。 (a)は隣り合う門型ユニットの天井パネル同士を連結した平面図、(b)は正面図である。 本発明の実施形態に係る門型架構を用いた建物の斜視図である。 本発明の実施形態に係る門型架構を用いた建物の正面図である。 本発明の実施形態に係る門型架構に外壁下地と屋根下地を取り付けた斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る門型架構およびその施工方法を、添付した図面を参照しながら説明する。図1乃至図3に示すように、門型架構1は、天井パネル2と一対の壁パネル3,4と備えた門型ユニット5を有している。
天井パネル2および壁パネル3,4は、直交集成板にて構成されている。直交集成板は、Cross Laminated Timber(CLT)と称され、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料である。天井パネル2および壁パネル3,4は、長方形形状を呈している。直交集成板は、たとえば2400mm×9000mmとする。なお、天井パネル2および壁パネル3,4の少なくとも一方が、直交集成板にて構成されていればよい。他方が他の木質パネルにて構成してもよい。
一対の壁パネル3,4は、それぞれ基礎6(図3参照)上に立設されている。一方の壁パネル3は、鉛直に立ち上っており、他方の壁パネル4は鉛直面に対して傾斜した状態で立ち上っている。天井パネル2は、壁パネル3の頂部3aと壁パネル4の頂部4aとの間に架け渡され、水平面に対して傾斜した状態にある。天井パネル2は、桁行方向を中心軸として回動可能な状態で壁パネル3,4の頂部3a,4aに支持されている。具体的には、天井パネル2の上側の端部2aは、鉛直な壁パネル3の頂部3aにピン接合されており、天井パネル2の下側の端部2bは、傾斜した壁パネル4の頂部4aにピン接合されている。ピン接合は、門型架構1の桁行方向(門型ユニット5の連設方向)を中心軸とする軸受金物30(図3参照)を介して為されている。つまり、門型ユニット5の固定前において、天井パネル2と各壁パネル3,4は、接合部の角度を変更可能な状態であり、各壁パネル3,4が、所定の角度で立設されることで、接合部の角度も決まって、門型ユニット5の形状が決定される。
隣り合う門型ユニット5,5は、正面視で互いに異なる形状を呈している。具体的には、一方の門型ユニット5は、図3の(a)に示すように、正面視右側に鉛直な壁パネル3が配置され、左側に傾斜した壁パネル4が配置されており、天井パネル2は、左側が下方になるように傾斜している。他方の門型ユニット5は、図3の(b)に示すように、一方の門型ユニット5とは逆に、正面視左側に鉛直な壁パネル3、右側に傾斜した壁パネル4が配置され、天井パネル2は、右側が下方になるように傾斜している。本実施形態では、隣り合う門型ユニット5,5は、互いに左右反転させた形状となっている。隣り合う門型ユニット5,5の角部の軸受金物30,30同士は、ブレース50を介して連結されている。
次に、図4乃至図7を参照しながら、壁パネル3と基礎6との接合構造を説明する。図4および図5に示すように、鉄筋コンクリートにて構成された基礎6上には、高さ調整モルタル10を介して支持金具11が敷設されている。高さ調整モルタル10は、無収縮モルタルにて構成されており、桁行方向に延在している。基礎6には、埋設された複数のアンカー筋12が植設されており、アンカー筋12の上端部は、高さ調整モルタル10の上面から突出している。
図4、図5および図6の(c)に示すように、断面逆T字形状の支持金具11は、水平プレート13と立上プレート14とを備えており、高さ調整モルタル10に沿って桁行方向に延在している。水平プレート13の上面に立設された立上プレート14は、水平プレート13の幅方向(門型架構1の間口方向)の中心を通る法線が立上プレート14の一面に接するように配置されている。立上プレート14の前記一面の裏面側には、三角形状の補強リブ15が溶接されている。高さ調整モルタル10上に設置された水平プレート13には、アンカー筋12の上端部が挿通されており、突出したアンカー筋12の上端部にナットを螺合することで、支持金具11が基礎6および高さ調整モルタル10に固定されている。
図4、図5および図6の(b)に示すように、壁パネル3の下端部には、支持金具11に連結される連結金具20が設けられている。連結金具20は、桁行方向に延在する水平プレート21と垂下プレート22とを備えており、断面T字形状を呈している。垂下プレート22は、水平プレート21の幅方向(門型架構1の間口方向)の中心を通る法線が垂下プレート22の一面(支持金具11の立上プレート14に対向する面)に接するように配置されている。垂下プレート22の前記一面の裏面側には、補強リブ23が、支持金具11の補強リブ15の設置位置に対応して溶接されている。
水平プレート21は、壁パネル3の底面に設置されている。水平プレート21には、コネクタロッド24の下端部が貫通している。連結金具20を壁パネル3に固定するコネクタロッド24は、壁パネル3に形成された穴25(図6の(a)参照)に嵌合されて、壁パネル3の下端面の下方に突出している。コネクタロッド24は、連結金具20の長手方向両端部の、正面視で垂下プレート22を挟んだ左右両側に設けられている(図5の(a)および図6の(b)参照)。壁パネル3から突出したコネクタロッド24の下端部にナットを螺合することで、連結金具20が壁パネル3に固定されている。水平プレート21の長手方向中間部には、連結金具20を壁パネル3に固定するためのビス26が貫通し、壁パネル3に形成された穴27(図6の(a)参照)に螺合されている。
支持金具11と連結金具20は、立上プレート14と垂下プレート22とを当接させて、高力ボルト29にて接合されている。
図7に示すように、傾斜した壁パネル4を基礎6に設置する際には、立上プレート14aが傾斜した支持金具11aを用いる。立上プレート14aは、壁パネル4の傾斜に応じて、水平プレート13の直交方向に対して傾斜している。なお、その他の構成については、壁パネル3と基礎6との接合構造と同等であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
次に、図8および図9を参照しながら、壁パネル3,4と天井パネル2との接合構造を説明する。図8および図9に示すように、天井パネル2は、壁パネル3,4の頂部3a,4aに桁行方向を中心軸とする軸受金物30(図3参照)を介してピン接合されている。
具体的には、壁パネル3,4の上端および天井パネル2の長手方向両端には、接合金具31が設けられている。接合金具31は、ベースプレート32と軸受プレート33と立上プレート34とを備えている。ベースプレート32は、壁パネル3,4の端面または天井パネル2の端面と同形状の長方形形状を呈しており、前記端面に設置されている。ベースプレート32には、ビス35が貫通する貫通孔36が形成されている。ビス35は、貫通孔36を貫通して、壁パネル3,4または天井パネル2に形成された穴(図示せず)に螺合されている。
軸受プレート33は、軸受金物30の中心軸となるピンを回転可能に支持するプレートである。軸受プレート33は、ベースプレート32の長手方向両端部と中間部の三箇所に設けられており、ベースプレート32の短手方向(門型架構1の間口方向)に沿って配置されている。軸受プレート33には、ピンが挿入される軸受孔37が形成されている。これによってピンの中心軸が桁行方向となる。互いに接合される接合金具31,31の軸受プレート33,33同士を当接させた状態で、各軸受孔37,37にピンを挿入することで、接合金具31,31同士がピン接合されている。
立上プレート34は、L字プレート38を固定するためのプレートである。立上プレート34は、三つの軸受プレート33,33,33の間の二箇所に配置され、ベースプレート32の長手方向に沿って延在している。立上プレート34には、貫通孔40が形成され、L字プレート38を固定する高力ボルト39が挿入される。
図9に示すように、L字プレート38は、壁パネル3,4と天井パネル2とを所定の交差角度で固定するためのプレートである。L字プレート38は、一対の平板部41,41が互いに屈曲して形成されており、各平板部41は、壁パネル3,4と天井パネル2の交差角度と同じ角度で屈曲している。鉛直な壁パネル3と天井パネル2を接合する場合には、平板部41,41は鋭角で屈曲している(図9の(a)参照)。なお、地震時には、L字プレート38は変形するので、天井パネル2が壁パネル3,4に対して回動可能となる。傾斜した壁パネル4と天井パネル2を接合する場合には、平板部41,41は鈍角で屈曲している(図9の(b)参照)。接合部分では、互いに接合される接合金具31,31の立上プレート34,34同士が近接しており、これらにL字プレート38が架け渡されて、高力ボルト43によって固定されている。
次に、隣り合う門型ユニット5,5の角部同士の接合構造を説明する。図10に示すように、一方の門型ユニット5の上角部7aと、他方の門型ユニット5の下角部7bとは、ブレース50を介して連結されている。
上角部7aでは、壁パネル3の上端側面に第一プレート51がビスを介して取り付けられ、天井パネル2の一端側面に第二プレート52がビスを介して取り付けられている。第一プレート51は、壁パネル3の側面に沿って延在する長方形形状を呈しており、壁パネル3の上端より上方に突出する第一プレート51の上端部には、ピン受け用の貫通孔(図示せず)が形成されている。壁パネル3の側面には、所定深さの凹部が形成され、第一プレート51が壁パネル3内に所定深さ埋設されている。第二プレート52も第一プレート51と同様に、天井パネル2の側面に沿って延在する長方形形状で、その先端部には、ピン受け用の貫通孔(図示せず)が形成されて、天井パネル2の一端より外側に突出している。第一プレート51の貫通孔と第二プレート52の貫通孔には、ピンが挿入されて、第一プレート51と第二プレート52がピン接合されている。
第二プレート52の下側部には、ブレース50を支持するための張出部53が形成されている。張出部53には、ブレース50の端部を固定するための貫通孔が形成されている。天井パネル2の側面には、所定深さの凹部が形成されており、第二プレート52が天井パネル2内に埋設されている。
下角部7bでは、壁パネル4の上端側面に第一プレート61がビスを介して取り付けられ、天井パネル2の他端側面に第二プレート62がビスを介して取り付けられている。第一プレート61は、壁パネル3の側面に沿って延在する長方形形状を呈している。第一プレート61の上端部は、壁パネル4の上端より上方に突出するとともに、ピン受け用の貫通孔(図示せず)が形成されている。壁パネル4の側面には、所定深さの凹部が形成されており、第一プレート61が壁パネル4内に埋設されている。第二プレート62は、天井パネル2の側面に沿って延在する長方形形状を呈している。第二プレート62の先端部も、天井パネル2の一端より外側に突出し、その先端部に、ピン受け用の貫通孔(図示せず)が形成されている。第二プレート62の貫通孔は、第一プレート61の貫通孔と同軸状に配置され、両方の貫通孔にピンを挿入することで、第一プレート51と第二プレート52とがピン接合されている。
第二プレート62の先端部には、ブレース50を支持するための張出部63がさらに突出して形成されている。張出部63には、ブレース50の端部を固定するための貫通孔が形成されている。天井パネル2の側面には、所定深さの凹部が形成されており、第二プレート62が天井パネル2内に埋設されている。
上角部7aのピン受け用の貫通孔と、張出部53の貫通孔と、下角部7bのピン受け用の貫通孔と、張出部63の貫通孔とは、直線状に配置されている。
ブレース50は、ブレース本体部55と、ブレース本体部55の両端に設けられた連結部56,56とを備えている。ブレース本体部55は、円柱形状を呈している。連結部56は、ブレース本体部55の軸回りに回転可能に支持されている。連結部56は、断面コ字状を呈しており、コ字の内側に、張出部53(または張出部63)がフィラープレート57とともに挿入される。また、連結部56には、ブレース50を固定するためのピン受け用の貫通孔が形成されている。連結部56の貫通孔と張出部53(または張出部63)の貫通孔にピンが挿入されることで、上角部7aまたは下角部7bとブレース50とが連結される。
図11に示すように、隣り合う門型ユニット5,5の天井パネル2,2の中間部同士は連結されている。以下に、天井パネル2,2同士の接合構造を説明する。隣り合う天井パネル2,2は、接合ピン70を介してピン接合されている。
一方の天井パネル2の長手方向中間部の側面には、天井パネル2の側面に沿って接合プレート71が延在し、その上部には上方に突出する突出部72が設けられている。突出部72には、接合ピン70が挿通されるピン孔73が形成され、軸受部材74がピン孔73と同軸で取り付けられている。接合プレート71は、天井パネル2の側面に形成された所定深さの凹部に配置されることで天井パネル2内に埋設されている。接合プレート71の表面と天井パネル2の側面の表面は面一になっている。接合プレート71の表面には、ビス頭部が突出しないように、ビス頭部を収容するビス用凹部75が形成されている。他方の天井パネル2の側面にも、同形状の接合プレート71が左右反転した状態で取り付けられている。隣り合う接合プレート71,71のピン孔73,73は、同軸状に配置されている。ピン孔73,73と軸受部材74,74には、接合ピン70が挿入されて、接合プレート71,71が接続される。これによって、隣り合う天井パネル2,2同士が接続される。
接合ピン70に端部には、連結ロッド76が装着されている。連結ロッド76は、桁行方向に隣り合う接合ピン70,70同士を連結する部材である。連結ロッド76は、門型ユニット5,5同士の連結強度とともに、門型架構1の剛性が高められている。
次に、前記構成の門型架構1に外壁80および屋根81を設置した構成を説明する。図12に示すように、門型架構1は桁行方向に細長い建物、たとえば展示場、美術館、博物館や風洞実験棟などに適している。桁行方向手前側および奥側には大きい開口を形成することができるが、内部は門型ユニット5,5の傾斜角を調整して開口を小さくし、日射量を抑制することもできる。桁行方向手前側は、所定間隔で間柱82,82・・が形成されており大面積のガラス張りとし、中央には出入り口83が形成されている。鉛直な壁パネル3の外側には、外壁80が設置されており、斜めの壁パネル4の外側にはガラス84が設置されている。
図13および図14に示すように、壁パネル3の外側には、複数の胴縁85が上下に所定間隔をあけて配置されて、複数の壁パネル3,3・・に架け渡されている。胴縁85の外側には、たとえば硬質木毛セメント板が敷設され、その外側にカラーガルバニウム鋼板を平噴きすることで外壁80が形成されている。傾斜した壁パネル4の外側では、胴縁85の外側にガラス84(図12参照)が設置されている。胴縁85は、外壁80の下地の他に、門型ユニット5を連結して門型架構1の剛性を高める役目も果たしている。
天井パネル2の上側には、根太86と垂木(図示せず)が配置されている。根太86は、桁行方向に延在しており、複数の天井パネル2,2・・に架け渡されている。根太86の上端部は、間口方向中間部が低くなっている。根太86は、天井パネル2の中心に位置するほど、背が大きくなっており、屋根の勾配が、天井パネル2の傾斜より緩く、適度な水勾配となっている。根太86と垂木の間には、グラスウール87が敷設されている。根太86と垂木の上には、野地板として、たとえば木毛セメント板を用い、その上にアスファルトルーフィングとカラーガルバニウム鋼板が敷設されて、屋根81が形成されている。屋根81の間口方向中間部には樋88が設けられている。屋根81の下地である根太86は、門型ユニット5を連結して門型架構1の一体性も高めている。
次に、本実施形態に係る門型架構1の施工方法を説明する。かかる施工方法は、準備工程と、門型ユニット設置工程と、門型ユニット固定工程と、門型ユニット連結工程とを備えている。
準備工程は、互いにピン接合された壁パネル3,4と天井パネル2の内側面を下側にして門型ユニット5を平置きする工程である。壁パネル3,4と天井パネル2のピン接合は、工場で予め行って折り畳んだ状態で運搬してもよい。また、壁パネル3,4と天井パネル2を接合する前に運搬して、平置きした状態でピン接合を行ってもよい。
門型ユニット設置工程は、天井パネル2を上方に上げて、門型ユニット5を所定の形状にし、所定位置に設置する工程である。具体的には、天井パネル2を把持して門型ユニット5を吊り上げる。天井パネル2の吊り上げ時には、壁パネル3,4は回動可能な状態であり、その下端部を誘導して基礎6上に設置する。一体化された門型ユニット5を吊り上げて設置するので、一回の吊り上げ作業で壁パネル3,4と天井パネル2の三枚のパネルをまとめて設置できる。なお、天井パネル2を上方に上げる方法は、天井パネル2を把持して吊り上げるのに限定されるものではなく、壁パネル3,4の下端部を、架構の内側に押すことで***させるようにしてもよい。
門型ユニット固定工程は、壁パネル3,4の下端部を基礎6に固定する工程である。門型ユニット固定工程では、高力ボルト29で、支持金具11と連結金具20を連結するので、短い施工時間で済む。門型ユニット連結工程は、隣り合う門型ユニット5,5の角部同士を、ブレース50を介して連結する工程である。
本実施形態に係る門型架構1によれば、天井パネル2は壁パネル3,4にピン接合されているので、パネル材同士の接合部の構造が、剛接合の場合よりも単純で施工も簡単である。よって、施工時間を短縮できる。特に、門型ユニット5を設置する際に、平置きされた門型ユニット5の天井パネル2を把持して吊り上げるか、または壁パネルの下端部を架構の内側方向に押して門型ユニット5を所定の形に建て方し、壁パネル3,4の下端部を基礎6上に設置すれば、一回の作業で壁パネル3,4と天井パネル2の三枚のパネルをまとめて設置できる。また、天井パネル2と壁パネル3,4を地組みし、地上で可能な限りの作業を行えば、高所での作業が減って安全性が高まるとともに、工期短縮を達成できる。
また、壁パネル3の下端部を基礎6に固定すれば、門型ユニット5の形状が固定され、十分な耐震性を備えることができる。本実施形態では、壁パネル3の下端部を基礎6に固定され、隣り合う門型ユニット5,5は、互いに異なる形状を呈するとともに、お互いの角部(接合部)7,7同士がブレース50を介して連結されているので、トラス構造が形成され、パネル材(壁パネル3,4と天井パネル2)とブレース50が材の軸方向に作用する力(軸力)で釣り合いを保持することができる。これによって門型架構1全体の剛性を高めることができるとともに、地震時にパネル材の面外曲げで抵抗するラーメン構造よりも水平耐力を確保し易くなる。さらに、門型ユニット5,5の天井パネル2,2の中間部同士が連結されているので、門型架構1全体の剛性をより一層高めることができる。
また、壁パネル3,4と天井パネル2との接合部は回動可能であり、パネル同士の回転を許容できるとともに、折り畳むこともできる。天井パネル2と壁パネル3,4との交差角度は直角以外にも任意に設定できるとともに、筋交い等を用いる必要もない。さらに、門型ユニット5は、必要な数だけ桁行方向に連設することで、様々な大きさの構造物に適用可能である。
さらに、隣り合う壁パネル3,4同士、または天井パネル2同士をブレース50が繋ぐことで、門型ユニット5,5同士の接合位置において、壁パネル3,4と天井パネル2とブレース50が軸力で釣り合うトラス構造が形成され、梁間方向の剛性が高まってより強固な構造物になる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。前記実施形態では、門型ユニット5は、一方の壁パネル3が鉛直で、他方の壁パネル4が傾斜し、天井パネル2が傾斜しているが、このような門型ユニット5の形状に限定されるものではない。たとえば、両方の壁パネルが傾斜していてもよいし、両方の壁パネルが鉛直で天井パネルのみが傾斜していてもよい。
また、前記実施形態では、隣り合う門型ユニット5を左右対称とすることで互いに異なる形状となっているが、これに限定されるものではない。隣り合う門型ユニットを相似形とすることで異なる形状としてもよいし、全く異なる傾斜角度およびパネル長さとすることで異なる形状としてもよい。
1 門型架構
2 天井パネル
3 壁パネル
4 壁パネル
5 門型ユニット
6 基礎
7 角部
30 軸受金物
50 ブレース

Claims (4)

  1. 天井パネルと一対の壁パネルとが軸受金物を介して接合された門型ユニットを有する門型架構であって、
    前記天井パネルの端部は、桁行方向を中心軸として回動可能な状態で前記壁パネルの頂部に接合されている
    ことを特徴とする門型架構。
  2. 前記天井パネルおよび前記壁パネルの少なくとも一方は、直交集成板で構成されており、
    前記門型ユニットが桁行方向に連続して設置されて、建物が形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の門型架構。
  3. 隣り合う前記門型ユニットは、前記一対の壁パネルの高さと傾斜角がそれぞれ異なる非対称形状を呈しており、
    隣り合う前記門型ユニットの前記軸受金物同士がブレースで接合されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の門型架構。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の門型架構を構築する施工方法であって、
    前記壁パネルと前記天井パネルの内側面を下側にして前記門型ユニットを平置きする準備工程と、
    前記天井パネルを上方に上げて前記門型ユニットを所定の形状にし、前記壁パネルの下端部を基礎上に設置する門型ユニット設置工程と、
    前記壁パネルの下端部を前記基礎に固定する門型ユニット固定工程とを備えた
    ことを特徴とする門型架構の施工方法。
JP2017160425A 2017-08-23 2017-08-23 門型架構およびその施工方法 Active JP6893151B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017160425A JP6893151B2 (ja) 2017-08-23 2017-08-23 門型架構およびその施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017160425A JP6893151B2 (ja) 2017-08-23 2017-08-23 門型架構およびその施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019039180A true JP2019039180A (ja) 2019-03-14
JP6893151B2 JP6893151B2 (ja) 2021-06-23

Family

ID=65725415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017160425A Active JP6893151B2 (ja) 2017-08-23 2017-08-23 門型架構およびその施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6893151B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021080692A (ja) * 2019-11-18 2021-05-27 株式会社竹中工務店 架構

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63233148A (ja) * 1987-03-18 1988-09-28 積水ハウス株式会社 建築用屋根・天井パネル
DE10017625A1 (de) * 2000-04-05 2002-01-17 Gert Hintersdorf Gebäudekonstruktion, insbesondere für ein Niedrigenergiegebäude
JP3486866B2 (ja) * 1995-08-25 2004-01-13 三井ホーム株式会社 木質ラーメンフレームを組み込んだ枠組壁工法建物
JP2006104730A (ja) * 2004-10-04 2006-04-20 Sekisui House Ltd 集成材ラーメン構造
JP2007315127A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Mokken Giken Kk 木質ラーメン架構
US20070292204A1 (en) * 2006-06-19 2007-12-20 Hackney Michael P Rotating bracket
US20120180404A1 (en) * 2011-01-13 2012-07-19 Scouten Alan Portable housing system

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63233148A (ja) * 1987-03-18 1988-09-28 積水ハウス株式会社 建築用屋根・天井パネル
JP3486866B2 (ja) * 1995-08-25 2004-01-13 三井ホーム株式会社 木質ラーメンフレームを組み込んだ枠組壁工法建物
DE10017625A1 (de) * 2000-04-05 2002-01-17 Gert Hintersdorf Gebäudekonstruktion, insbesondere für ein Niedrigenergiegebäude
JP2006104730A (ja) * 2004-10-04 2006-04-20 Sekisui House Ltd 集成材ラーメン構造
JP2007315127A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Mokken Giken Kk 木質ラーメン架構
US20070292204A1 (en) * 2006-06-19 2007-12-20 Hackney Michael P Rotating bracket
US20120180404A1 (en) * 2011-01-13 2012-07-19 Scouten Alan Portable housing system

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"2.9 大成建設(株)技術センター", CLTを活用した建築物の実証事業 報告書, JPN6020050082, March 2017 (2017-03-01), JP, pages 180 - 205, ISSN: 0004474569 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021080692A (ja) * 2019-11-18 2021-05-27 株式会社竹中工務店 架構
JP7365867B2 (ja) 2019-11-18 2023-10-20 株式会社竹中工務店 架構

Also Published As

Publication number Publication date
JP6893151B2 (ja) 2021-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SK50082015U1 (sk) Stavebný modulový rám
EP2365145A1 (en) A prefabricated modular building
JP5079919B2 (ja) 面状体支持架台および太陽光発電装置
JP2007239388A (ja) ドーム構築用金具とドーム構築方法
KR101422789B1 (ko) 조립식 한옥골조 및 이의 시공방법
JP6893151B2 (ja) 門型架構およびその施工方法
JP4614151B1 (ja) 木製トラス梁構造体
US11021866B2 (en) Building and construction method for same
JP2008255711A (ja) 木造建築物
JP2009030321A (ja) 複合梁と木製柱の接続による門型フレーム
JP2009097146A (ja) 鉄骨建材およびこの建材を用いた建築構造物
JP2007303105A (ja) 耐震補強構造体
JP2006241938A (ja) 通し柱と梁との連結金具および木造建築物の軸組構造体
JP3138112U (ja) 屋根ユニット構造及びこれに使用する連結用金物
JP4395030B2 (ja) 戸建住宅
JP4724791B2 (ja) 木造建築物の支持構造、木造建築物並びに金属束具
JP7363523B2 (ja) 梁端部補強構造
KR20200004619A (ko) 다층식 탑형 퓨젼한옥 골조
WO2022029989A1 (ja) 建築物および建築物の建築方法
JP5629195B2 (ja) 建物
JP7428168B2 (ja) 庇のリフォーム方法
JP6709413B1 (ja) 木造建築構造体
JP2018115491A (ja) 建物構造
JP2007056643A (ja) 建物の室補強枠とそれを使用した建物の室補強構造
JP2008255713A (ja) 木造建築物及び木造建築物の耐震補強方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200804

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200909

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6893151

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150