JP2019038891A - 難燃性エポキシ樹脂組成物、並びにそれを用いてなるプリプレグ及び積層板 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物、並びにそれを用いてなるプリプレグ及び積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化物のガラス転移温度(Tg)を向上させると共に難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)下記式(1)で表される含リン化合物、並びに(D)(C)成分以外の難燃剤を含有する難燃性エポキシ樹脂組成物。【化1】上記式(1)中、mは1〜10の整数を表し、R1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基、又はアリール基を表し、R3は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR4−を表し、R4は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性エポキシ樹脂組成物に関し、詳しくは、リン系の反応性難燃剤と、該反応性難燃剤以外の難燃剤とを併用することにより、硬化物のガラス転移温度(Tg)を向上させると共に難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物に関するものであり、積層板用途に好適に用いることができるものである。
エポキシ樹脂は、工業的に幅広い用途で使用されてきているが、エポキシ樹脂に要求される性能は、産業の発展と共に近年ますます高度化している。例えば、電子部品や電子機器に使用される銅張積層版や注型材等には、従来からエポキシ樹脂が用いられているが、これらのエポキシ樹脂には、火災の防止や延焼の遅延など、安全性の観点から、難燃性の効果をもたらす臭素化エポキシ樹脂が使用されてきた。
一方、エポキシ樹脂に難燃性を与える先行技術としては、多種多様の有機含リン化合物を用いた方法が既に提示されている。難燃性の効果をもたらすためには、組成物中のリン含有率を増やすことが有効な手段の一つであり、エポキシ樹脂組成物にリン含有率の高い難燃剤を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、上記の方法の場合には、エポキシ樹脂組成物に難燃性を付与する点に関してはある程度有効な効果を上げることができるものの、エポキシ樹脂と反応しないために、エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させた場合に、難燃剤が一部遊離するブリード現象が生じたり、硬化物のTgが大きく下がったりするという欠点があった。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂に対して、高い難燃性を示すリン化合物として、ジアルキルホスフィン酸塩を使用した樹脂組成物が提供されている(例えば、特許文献2)。この方法で用いられたジアルキルホスフィン酸塩は、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂の難燃剤として高い性能を有しているが、高い難燃性を期待して、この化合物を熱硬化性のエポキシ樹脂に適用すると、難燃性において満足のいく結果を得ることができなかった。
さらに、エポキシ基と反応性を有する含リン化合物を使用することが提案されている(例えば、特許文献3及び4)。この方法では硬化物のガラス転移温度(Tg)を与えつつ難燃性も付与することができるものの、未だ十分な難燃性付与効果は得られない。
特開2004−051907号公報 特開2010−037375号公報 国際公開第2015/025904号 国際公開第2016/121750号
従って、本発明が解決しようとする課題は、硬化物の物性が低下しない上、作業性にも優れた、特にプリント配線板などに使用される積層板に好適な難燃性エポキシ樹脂組成物を提供することである。
そこで、本発明者等は鋭意検討し、エポキシ樹脂硬化系において、特定のリン系の反応性難燃剤と、その他の難燃剤を組み合わせることにより、硬化物性に優れ、難燃性も良好なエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)下記式(1)で表される含リン化合物、及び(D)(C)成分以外の難燃剤を含有することを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物である。
Figure 2019038891
上記式(1)中、mは1〜10の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、又はアリール基を表し、Rは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表し、Rは、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
本発明によれば、作業性にも優れる上、硬化時に難燃剤のブリード現象が発生せず、硬化物の物性が優れている難燃性エポキシ樹脂組成物が得られる。また、該エポキシ樹脂組成物を用いることにより、難燃性に優れた、積層板を得ることができる。
以下に、本発明で用いる、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)含リン化合物、及び(D)(C)成分以外の難燃剤について説明する。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物の使用用途は特に限定されるものではなく、例えば、電子回路基板に用いられる積層板、電子部品に用いられる封止剤、注型材、フィルム材、接着剤、電気絶縁塗料、難燃性の必要な複合材、及び粉体塗料等に使用することができる。本発明においては、特に電子回路基板に用いられる積層板、電子部品に用いられる封止剤、及び注型材等に使用することが好ましく、積層板に使用することが最も好ましい。
本発明で使用する(A)エポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を少なくとも2つ有するものであり、分子構造、分子量等に特に制限なく、公知のエポキシ樹脂の中から適宜選択することができるが、使用する用途によって使い分けることが好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオグリコール、ジシクロペンタジエンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(水素化ビスフェノールA)、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物などの多価アルコール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル化合物及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン、N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)−4,4−ジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、シクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は、末端イソシアネートのプレポリマーにより内部架橋されたもの、あるいは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。
上記エポキシ樹脂は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。難燃性エポキシ樹脂組成物が積層板用である場合、(A)エポキシ樹脂としては、多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物を使用することが好ましく、その中でも、ノボラック型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることが、安価で入手がしやすい点でより好ましい。
また、難燃性エポキシ樹脂組成物が封止剤用である場合、(A)エポキシ樹脂としては、多価アルコール類のポリグリシジルエーテル、多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物が好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及び、ナフタレン型エポキシ樹脂の中から選択される、少なくとも一種のエポキシ樹脂を用いることがより好ましい。
難燃性エポキシ樹脂組成物が注型材料である場合、(A)エポキシ樹脂としては、多価アルコール類のポリグリシジルエーテル、多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物が好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールAのグリシジルエーテルがより好ましい。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物においては、難燃性エポキシ樹脂組成物を所望の粘度に調整するために、(A)エポキシ樹脂と共に反応性希釈剤を併用することができる。このような反応性希釈剤としては、エポキシ樹脂組成物を硬化させた時の、硬化物の耐熱性やガラス転移温度の低下を抑制する観点から、エポキシ基を少なくとも1つ有する希釈剤を使用することが好ましい。
上記反応性希釈剤に含まれるエポキシ基の数は、1個でも2個以上でもよく、特に限定されるものではない。エポキシ基の数が1個の反応性希釈剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、C12−C14のアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、及び3級カルボン酸グリシジルエステル等が挙げられる。エポキシ基が2個の反応性希釈剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ基が3個の反応性希釈剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、及びグリセリントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記反応性希釈剤のエポキシ樹脂に対する配合量は、特に限定されるものではないが、使用する用途によって使い分けることが好ましい。積層板に用いられるエポキシ樹脂組成物の場合には、製品のガラス転移温度の低下を避ける観点から、反応性希釈剤を使用しないことが好ましい。封止剤に用いられるエポキシ樹脂組成物の場合には、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して3〜50質量部配合することが好ましく、5〜30質量部配合することがより好ましい。また、注型材に用いられるエポキシ樹脂組成物の場合にも、エポキシ樹脂100質量部に対して3〜50質量部配合することが好ましく、5〜30質量部配合することがより好ましい。
次に、本発明に用いられる(B)硬化剤について説明する。(B)硬化剤としては、フェノール樹脂類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、潜在性硬化剤、及び酸無水物類が挙げられる。本発明においては、これらの硬化剤を用途によって使い分けることが好ましい。
具体的には、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を積層板の製造に用いる場合、(B)硬化剤として、フェノール樹脂類又は潜在性硬化剤を使用することが好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、又はジシアンジアミド型潜在性硬化剤を使用することがより好ましい。封止材に用いる場合には、(B)硬化剤として、フェノール樹脂類、潜在性硬化剤又は酸無水物類を使用することが好ましい。注型材に用いる場合には、(B)硬化剤として、脂肪族アミン、芳香族アミン、又は酸無水物類を使用することが好ましい。これらの硬化剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記フェノール樹脂類としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリスフェニロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮合ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮合ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(フェノール骨格、トリアジン環及び1級アミノ基を分子構造中に有する化合物)、及び、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
上記フェノール樹脂類からなる(B)硬化剤の(A)エポキシ樹脂に対する配合量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂中のエポキシ基1個に対し、フェノール樹脂類中の水酸基が0.3〜1.5個になるように配合することが好ましく、0.8〜1.2個になるように配合することがより好ましい。
上記脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4‘−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、及びメタキシレンジアミン等が挙げられる。また、これらアミン類の変性物であっても良い。アミンの変性方法としては、カルボン酸との脱水縮合、エポキシ樹脂との付加反応、イソシアネートとの付加反応、マイケル付加反応、マンニッヒ反応、尿素との縮合反応、ケトンとの縮合反応などが挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
上記脂肪族アミン類からなる(B)硬化剤の(A)エポキシ樹脂に対する配合量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂中のエポキシ基1個に対し、脂肪族アミン中の活性水素が0.6〜1.5個になるように配合することが好ましく、0.8〜1.2個になるように配合することがより好ましい。
上記芳香族アミン類としては、ジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミンベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、及び3,5,3’、5’−テトラメチル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。また、これらアミン類の変性物であっても良い。アミンの変性方法としては、カルボン酸との脱水縮合、エポキシ樹脂との付加反応、イソシアネートとの付加反応、マイケル付加反応、マンニッヒ反応、尿素との縮合反応、ケトンとの縮合反応などが挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
上記芳香族アミン類からなる(B)硬化剤の(A)エポキシ樹脂に対する配合量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂中のエポキシ基1個に対し、芳香族アミン中の活性水素が0.6〜1.5個になるように配合することが好ましく、0.8〜1.2個になるように配合することがより好ましい。
上記潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド型、イミダゾール型、ポリアミン型化合物等の、室温でエポキシ樹脂と混合した時に、混合物の粘度変化や物性変化が小さい潜在性硬化剤が挙げられる。
上記ジシアンジアミド型潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド単独、若しくは必要に応じて、後述するエポキシ樹脂硬化促進剤を併用したものが挙げられる。
上記イミダゾール型潜在性硬化剤は、例えば、活性水素を含有したイミダゾール化合物に対して、50〜150℃にて、1〜20時間、必要に応じて溶媒を用いてエポキシ化合物を反応させることによって得ることができる。溶媒を用いた場合は、反応終了後、溶媒を80〜200℃、常圧若しくは減圧により除去する。
上記イミダゾール型潜在性硬化剤の製造に用いられるイミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
上記イミダゾール型潜在性硬化剤の製造に用いられる上記エポキシ化合物としては、例えば、上記(A)エポキシ樹脂にて例示した化合物が挙げられる。
上記イミダゾール型潜在性硬化剤の製造に用いられる上記溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素が挙げられる。
上記ポリアミン型潜在性硬化剤は、例えば、ポリアミンに対して、50〜150℃にて、1〜20時間、必要に応じて、溶媒を用いてエポキシ化合物を反応させることによって得ることができる。溶媒を用いた場合は、反応終了後、溶媒を80〜200℃、常圧若しくは減圧により除去する。
上記ポリアミン型潜在性硬化剤の製造に用いられる上記ポリアミンとしては、例えば、上記脂肪族アミン類、芳香族アミン類で例示した化合物が挙げられる。上記ポリアミン型潜在性硬化剤の製造に用いられるエポキシ化合物及び溶媒としては、上記イミダゾール型潜在性硬化剤の製造に用いられるものと同様なものを用いることができる。
上記潜在性硬化剤は、組成物の貯蔵安定性を向上させるために、上記例示したフェノール樹脂類を併用してもよい。
潜在性硬化剤の具体的なものとしては、市販品である、アデカハードナー EH−3636S(株式会社ADEKA製;ジシアンジアミド型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−4351S(株式会社ADEKA製;ジシアンジアミド型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5011S(株式会社ADEKA製;イミダゾール型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5046S(株式会社ADEKA製;イミダゾール型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−4357S(株式会社ADEKA製;ポリアミン型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5057P(株式会社ADEKA製;ポリアミン型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5057PK(株式会社ADEKA製;ポリアミン型潜在性硬化剤)、アミキュアPN−23(味の素ファインテクノ株式会社製;アミンアダクト系潜在性硬化剤)、アミキュアPN−40(味の素ファインテクノ株式会社製;アミンアダクト系潜在性硬化剤)、アミキュアVDH(味の素ファインテクノ株式会社製;ヒドラジド系潜在性硬化剤)、フジキュアFXR−1020(株式会社T&K TOKA製;潜在性硬化剤)等が挙げられる。これらを単独で使用することもできるし、適宜組み合わせて使用することもできる。
上記潜在性硬化剤からなる硬化剤(B)のエポキシ樹脂(A)に対する配合量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂100質量部に対して1〜70質量部であることが好ましく、3〜60質量部であることがより好ましい。
上記酸無水物類としては、無水ハイミック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水メチルハイミック酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、及び水素化メチルナジック酸無水物等が挙げられる。
上記酸無水物類からなる硬化剤(B)のエポキシ樹脂(A)に対する配合量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂中のエポキシ基1個に対し、酸無水物類中の酸無水物基の数が0.7〜1.6個であることが好ましく、0.9〜1.2個であることがより好ましい。
本発明においては、上記(B)硬化剤と共に、必要に応じて公知のエポキシ樹脂硬化促進剤を併用することができる。これらの硬化促進剤の具体例としては、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;前記イミダゾール類と、トリメリット酸、イソシアヌル酸、ホウ素等との塩であるイミダゾール塩類;ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類;トリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;3−(p−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア、イソホロンジイソシアネート−ジメチルウレア、トリレンジイソシアネート−ジメチルウレア等のウレア類;及び、三フッ化ホウ素と、アミン類やエーテル化合物等との錯化合物等を例示することができる。これらの硬化促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂硬化促進剤の含有量は特に制限なく、難燃性エポキシ樹脂組成物の用途に応じて適宜設定することができる。
次に、本発明で使用する、下記式(1)で表される(C)成分の含リン化合物について説明する。
Figure 2019038891
上記式(1)中、mは1〜10の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、又はアリール基を表し、Rは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表し、Rは、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
本発明で使用される(C)成分の含リン化合物は、下記式(3)に示す反応式により、エポキシ基と反応する化合物である。
Figure 2019038891
上記式(3)中、mは1〜10の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、又はアリール基を表し、Rは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表し、Rは、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
上記式(1)中、mは2〜7であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。mが1であると、エポキシ基と反応する官能基が1つとなり、エポキシ樹脂を硬化した時の硬化物のガラス転移温度や、強度が著しく低下するので好ましくない。mが10より大きい数の場合には、含リン化合物を製造する際に、粘度が高くなって製造が困難となるので好ましくない。
上記式(1)中、R、R及びRで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。また、上記R及びRで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、R、R及びRが、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数が2〜5のアルキル基であることがより好ましく、炭素数2〜4のアルキル基であることが特に好ましく、エチル基又はプロピル基であることが最も好ましい。
上記式(1)中、Rで表される炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、エタンジイル基、オクタンジイル基等のアルカンジイル基;メタントリイル、1,1,2−エタントリイル基等のアルカントリイル基;1,1,2,2−エタンテトライル等のアルカンテトライル基;ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物から水酸基を除いた残基;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデン(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物から水酸基を除いた残基が挙げられる。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、製造するための原料が容易に入手可能であるという観点から、Xが酸素原子であり、且つYが酸素原子であることが好ましい。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の物性の観点から、本発明で用いられる(C)成分の含リン化合物は、骨格に芳香環を少なくとも1個含む化合物であることが好ましく、下記のいずれかの式で表される基を含有する化合物であることが特に好ましい。
Figure 2019038891
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物中における上記(C)含リン化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂組成物の(A)成分、(B)成分、(C)成分、後述する(D)成分、及び任意で使用される反応性希釈剤の合計質量における、(C)成分に起因するリン含有量が0.1〜5質量%となる量であることが好ましく、0.5〜3質量%となる量であることがより好ましい。リン含有量が0.1質量%となる量より少ない場合には、エポキシ樹脂組成物の難燃性が著しく低下する場合がある。一方、リン含有量が5質量%となる量より多い場合には、エポキシ樹脂組成物の耐水性が著しく低下する場合がある。
本発明で使用する含リン化合物の製造方法は、特に制限されるものではないが、例えば、下記式(5)に表した方法等により製造することができる。
Figure 2019038891
上記式(5)中、mは1〜10の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、又はアリール基を表し、Rは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表し、Rは、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
上記式(5)で使用される塩基(base)としては、例えば、トリエチレンアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等の3級アミン;ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等のピリジン類;1−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のホスフィン類等が挙げられる。本発明においては、これらの塩基の中でも3級アミンを使用することが好ましく、トリエチルアミンを使用することが最も好ましい。
上記式(5)で使用される溶媒(solv)としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒の中では、エーテル類又はハロゲン化脂肪族炭化水素が好ましく、エーテル類が特に好ましい。
上記の反応は、−80℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、0.5時間〜72時間、好ましくは1時間〜24時間かけて行わせることができる。
本発明で用いる(D)成分は、(C)成分以外の難燃剤であり、例えば、(C)成分以外の含リン化合物、窒素化合物、ホウ素化合物、ハロゲン化合物、ケイ素化合物及び無機化合物から選択された少なくとも一種の難燃剤が挙げられる。本発明では、エポキシ樹脂と反応性を有する含リン化合物である(C)成分と、(D)成分とを組み合わせることによって、それぞれ単体では到達し得ない難燃性を発現することができる。
上記(C)成分以外の含リン化合物としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート等の脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル;レゾルシノールポリフェニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(2,6−ジメチルフェニルホスフェート)、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート並びにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステル;リン酸アンモニウム、リン酸メラミン等のリン酸塩;ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン等の縮合リン酸塩;トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(メチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、ビス(ジエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(メチルエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジフェニルホスフィン酸)亜鉛、トリホスフィン酸亜鉛、ビス(ジエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジエチルホスフィン酸)チタン、ビス(メチルエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジフェニルホスフィン酸)チタン、テトラホスフィン酸チタニル等のホスフィン酸の金属塩;ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(以下DOPOと表記する)、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド等のホスフィン酸エステル;DOPOとアクリル酸エステルの付加反応生成物、DOPOとエポキシ樹脂の付加反応生成物、DOPOとハイドロキノンの付加反応生成物等のDOPO変性型化合物;ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド系化合物;ヘキサシクロトリフォスファゼン、ヘキサフェニルシクロトリフォスファゼン等のフォスファゼン誘導体;赤リンなどが挙げられる。
これらの(C)成分以外の含リン化合物の中でも、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド(HCA)、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド(三光(株)製のHCA−HQ)、ヘキサフェニルシクロトリフォスファゼン、又は、下記式(6−1)〜(6−11)のいずれかで表される難燃剤であることが更に好ましい。
Figure 2019038891
Figure 2019038891
Figure 2019038891
Figure 2019038891
Figure 2019038891
上記式(6−1)におけるsは1〜50の整数;式(6−2)におけるtは1〜20の整数を表す;
式(6−3)〜(6−5)におけるa、b、cは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表す;
式(6−6)及び(6−7)におけるd、eは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表す;
式(6−8)におけるfは、1〜50の整数を表し、式(6−11)におけるAは水素原子、又は−OR17を表し、R17は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(6−11)におけるA中のR17で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、上記式(1)中のR、R及びRで表されるアルキル基として例示したもの中の、炭素数が1〜6のものが挙げられる。
上記含リン化合物の中では、難燃性の効果が非常に優れているという点で、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、10−(2,5−フォスファフェナントレン−10−オキシドが特に好ましい。
上記窒素化合物としては、窒化珪素、窒化アルミ、トリアジン系化合物とシアヌール酸又はイソシアヌール酸の塩を形成する化合物が挙げられる。トリアジン系化合物とシアヌール酸又はイソシアヌール酸との塩とは、トリアジン系化合物とシアヌール酸又はイソシアヌール酸との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により2対1(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸又はイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。
上記トリアジン系化合物の例としては、メラミン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
また、窒素化合物としては、下記式(7)で表されるような、リン原子と窒素原子を含んだ化合物が挙げられる。
Figure 2019038891
上記式(7)中、tは1〜10の整数を表し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R15は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表す。
上記式(7)成分で表される化合物の製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、下記式(8)に示された方法により、溶媒中で、塩基を併用することによって製造することができる。
Figure 2019038891
上記式(8)中、qは1〜10の整数を表し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R15は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表す。
上記式(8)で使用することのできる溶媒(solv)、塩基(base)は、上記式(5)の反応で例示したものと同様なものが挙げられる。
上記式(7)及び(8)中のtは2〜7の整数であることが好ましく、2〜5の整数であることがより好ましい。tが1であると、エポキシ基と反応する官能基が1つとなり、エポキシ樹脂を硬化させた硬化物の、Tgや強度が著しく低下するので好ましくない。tが10より大きい数である場合には、窒素化合物を製造する際の粘度が高くなって製造が困難となるので好ましくない。
上記式(7)及び(8)中のR11〜R14で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。また、上記R〜R11で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
これらの中においては、R11〜R14は、水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、R11、R12のいずれかが水素原子で、いずれかがメチル基又はエチル基であり、且つ、R13、R14のいずれかが水素原子で、いずれかがメチル基又はエチル基であることが、より好ましい。
上記式(7)及び(8)中のR15で表される炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、エタンジイル基、オクタンジイル基等のアルカンジイル基;メタントリイル基、1,1,2−エタントリイル基等のアルカントリイル基;1,1,2,2−エタンテトライル基等のアルカンテトライル基;ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルシノール等の単核多価フェノール化合物から水酸基を除いた基;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデン(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物から水酸基を除いた基などが挙げられる。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の物性の観点から、上記式(7)及び(8)で表される化合物のR15としては、下記式(9)で表されるものが好ましい。
Figure 2019038891
上記式(9)中の、uは0〜3の数を表し、R16は、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基を表し、R17は単結合、メチレン基、又は−C(CH−を表し、R18、R19は、独立して、水素原子、又は炭素数が1〜6のアルキル基を表す。
上記式(9)中のR16で表される炭素数が1〜4のアルキル基としては、上記式(1)中のR、R及びRで表されるアルキル基として例示したもの中の、炭素数が1〜4のものが挙げられる。
上記式(9)中のR18及びR19で表される炭素数が1〜6のアルキル基としては、上記式(1)中のR、R及びRで表されるアルキル基として例示したものの中の、炭素数が1〜6のものが挙げられる。
上記ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸など)、ホウ酸塩(四ホウ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ホウ酸塩、メタホウ酸バリウムなどのアルカリ土類金属塩、ホウ酸亜鉛などの遷移金属塩など)、縮合ホウ酸(塩)(ピロホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸又はこれらの金属塩など)、窒化ホウ素などが挙げられる。これらのホウ素化合物は、含水物(例えば、含水四ホウ酸ナトリウムであるホウ砂など)であってもよい。これらのホウ素化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ハロゲン化合物としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、テトラブルもビスフェノールAのカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロム化ビスフェノール付加物等のテトラブロモビスフェノールA誘導体;デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモシクロドデカン、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテル、1,2−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、ペンタブロモベンジルアクリレート(モノマー)等の臭素系芳香族化合物;塩素化パラフィン;塩素化ナフタレン;トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモピロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロフェニル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステルなどが挙げられる。
上記無機化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベーマイト、黒鉛などが挙げられる。
また、(D)成分として市販されている難燃剤としては、リン酸エステル(例えば、(株)ADEKA製PN−600、及びPFR)、リン含有フェノキシ樹脂(例えば、新日本日鐵化学(株)製のフェノトートERF−001M30、及びTX−0924K30等)、水酸基含有リン酸エステル(例えば、大八化学工業(株)製のDAIGUARD−580、及びDAIGUARD−610等)、HCA誘導体(例えば、三光(株)製のHCA−HQ、M−Ester、及びME−P8等)、複合型の難燃剤であるイントメッセント難燃剤(例えば、(株)ADEKA製のFP−2100JC、FP−2200S、FP−2500S)などが挙げられる。
本発明において(D)成分の使用量としては、(C)成分であるリン化合物100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、20〜200質量部であることがより好ましく、50〜150質量部であることが更に好ましい。
(D)成分である難燃剤中にリン原子が含まれている場合の(D)成分の使用量としては、エポキシ樹脂組成物の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び任意で使用される反応性希釈剤の合計質量における、(D)成分由来のリン含有量が0.1〜5質量%となる量であることが好ましく、0.5〜3質量%となる量であることがより好ましい。リン含有量が0.1質量%となる量より少ない場合には、エポキシ樹脂組成物の難燃性が著しく低下する場合がある。一方、リン含有量が5質量%となる量より多い場合は、エポキシ樹脂組成物の耐水性が著しく低下する場合がある。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、粘度調整剤として有機溶剤を含有している場合がある。この場合の有機溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。本発明においては、これらの溶剤の中から選択される少なくとも一つの溶剤を、本発明の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び任意で使用される反応性希釈剤の総質量に対して、例えば、1〜90質量%の範囲となる量に配合することができる。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、無機充填剤を含有する場合がある。このような無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ケイ素、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、べリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、及びガラス繊維等が挙げられる。これらの無機充填剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、使用する用途によって上記した無機充填剤を使い分けることが好ましい。積層板の用途に関しては、溶融シリカ、水酸化アルミニウム等を使用する好ましい。封止剤の用途に関しては、溶融シリカ、結晶シリカ等を使用することが好ましく、溶融シリカを使用することが特に好ましい。注型材の用途に関しては、溶融シリカ、結晶シリカ、又は水酸化アルミニウム等を使用することが好ましく、溶融シリカを使用することが特に好ましい。
また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、前記無機充填剤以外の添加剤を含有する場合がある。上記添加剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、パルプ繊維、合成繊維、セラミック繊維等の繊維質充填剤;ガラスクロス、アラミドクロス、カーボンファイバー等の補強材;顔料;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N‘−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪族ワックス、脂肪族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加剤をあげることができる。本発明においては、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、電子回路基板に用いられる積層板、電子部品に用いられる封止材、注型材、フィルム材、接着剤、電気絶縁塗料、難燃性の必要な複合材、粉体塗料、床材、防錆塗料、コンクリート補修材等に使用することができ、特に、積層板、半導体封止材料、層間絶縁膜、樹脂付銅箔に使用するのに好適である。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いた積層板は、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグを、1枚又は所定の枚数、例えば2〜20枚重ね合わせ、その片面又は両面に銅やアルミニウム等の金属箔を配置して積層した後、多段プレス機、多段真空プレス機等を用いて、所定の温度、例えば、100〜250℃で熱圧着して製造することができる。積層板中に含まれる有機成分((A)〜(D)成分、及び任意で添加される反応希釈剤、及び添加剤のうちの有機物の総量)は、特に制限されるものではないが、好ましくは46質量%〜50質量%である。46質量%より少ない場合は、耐熱性や難燃性に関しては問題ないものの、積層板中の層間密着性の低下、絶縁性の低下、回路形成金属との密着性低下、平滑性悪化の懸念があり、総合的に積層板の性能が低下する可能性があり、50質量%より多い場合は、寸法安定性(線膨張)の悪化、及び難燃性が低下する可能性がある。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグは、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を基材に含侵させ又は塗布し、加熱等により半硬化(Bステージ化)させて製造することができる。
上記プリプレグの基材としては、例えば、ガラス繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物等の、公知のものを使用することができる。
上記基材の形状としては、例えば、織布、不織布、ロービーング、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等が挙げられる。これらの基材の材質及び形状は目的とする形成物の用途や性能により選択される。本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、単独又は2種以上の材質及び形状を組み合わせて使用することができる。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いた電子材料に用いられる封止剤は、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を、必要により加熱処理しながら、撹拌、溶融、混合、分散させることにより製造することができる。この場合の、撹拌、溶融、混合、分散に使用する装置は特に限定されるものではなく、本発明においては、攪拌器、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を使用することができる。また、これらの装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いた注型材は、例えば、ミキサー等を用いて本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を混合し、真空脱泡した後、金型を用いて製造することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例等における%は、特に記載がない限り質量基準である。
実施例にて評価した項目としては、ガラス転移温度(Tg)及び難燃性(自己消火性)である。
下記の実施例で得られた両面銅張積層板を用いてガラス転移温度(Tg)は、TMA(熱機械分析装置、株式会社日立ハイテクサイエンス製、EXSTER TMA/SS−6100)を用いて測定した。
下記の実施例で得られた両面銅張積層版の銅箔を除去し、5mm角に裁断し、ピンセットで保持した状態でライターを用いて角に着火した。自己消火したものを○、燃焼しきったものを×とした。
〔実施例1〕
ECON−104S(日本化薬(株)製;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)49.1g、HP−350(昭和電工(株)製;水酸化アルミニウム)62.5g及びSFP−130MC(電気化学工業(株)製;球状シリカ)62.5gをメチルエチルケトン100gに加え、三本ロールで分散させた。次いで、含リン化合物(I)を10g、ヘキサブロモシクロデカン(HBCD)10gをメタノール20gに溶解して加えた。さらにEOCN−104S 50.9g、アデカハードナーEH−3636AS(株式会社ADEKA製;ジシアンジアミド型潜在性硬化剤)5g及びメチルエチルケトン100gを追加してディスパーで分散し、樹脂ワニスを作製した。
得られた樹脂ワニスをガラスクロス(日東紡績(株)製;#7628)に含侵させ、120℃の熱風循環炉で10分間乾燥してプリプレグを作製した。更に、作製したプリプレグを4枚重ね、その両側に厚さ35μmの銅箔(福田金属箔粉工業(株)製)を配置し、190℃で、圧力10kg/cmの条件で120分間熱圧着して、両面銅張積層版を得た。ガラス転移温度(Tg)を測定し、難燃性を評価した。
〔実施例2〜372〕
下記〔表1〕〜〔表48〕に示すような配合に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス転移温度(Tg)を測定し、難燃性を評価した。
下記〔表1〕〜〔表48〕に使用される(C)式(1)で表される含リン化合物は、下記の通りである。
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下記〔表1〕〜〔表48〕に使用される(D)(C)成分以外の難燃剤は、下記の通りである。
HBCD:ヘキサブロモシクロデカン
DBP-TBBPA:ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェノールA
TDBPIC:トリス(ジブロモプロピル)イソシアヌレート
TTBNPP:トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート
DBDPO:デカブロモジフェニルオキサイド
TBBPA-EP:テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル
BPBPE:ビス(ペンタブロモ)フェニルエタン
TTBPTA:トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン
EBTBPI:エチレンビステトラブロモフタルイミド
PBPI:ポリブロモフェニルインダン
BrPS:臭素化ポリスチレン
TBBPA-PC:テトラブロモビスフェノールA−ポリカーボネート
BrPPO:臭素化フェニレンオキサイド
PPBBA:ポリペンタブロモベンジルアクリレート
TPP:トリフェニルホスフェート
TCP:トリクレジルホスフェート
TXP:トリキシニルホスフェート
TEP:トリエチルホスフェート
CDPP:クレジルジフェニルホスフェート
XSPP:キシリルジフェニルホスフェート
CBXP:クレジルビス(ジ-2,6-キシレニル)ホスフェート
EHDPP:2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート
RDP:レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート
HQDPP:ハイドロキノンビス(ジフェニル)ホスフェート
BPA-DP:ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート
BPA-DC:ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェート
BPDPP:p−ビフェノールビス(ジフェニル)ホスフェート
REBXP:レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシレニル)ホスフェート
BPBXP:p−ビフェノールビス(ジ−2,6−キシレニル)ホスフェート
TCEP:トリス(クロロエチル)ホスフェート
TCPP:トリス(クロロプロピル)ホスフェート
TDCPP:トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート
TTBPP:トリス(トリブロモプロピル)ホスフェート
DEBHEAMP:ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフォネート
AP:リン酸アンモニウム
APPY:ピロリン酸アンモニウム
APP:ポリリン酸アンモニウム
MP:リン酸メラミン
MPPY:ピロリン酸メラミン
MPPポリリン酸メラミン
PP:リン酸ピペラジン
PPPY:ピロリン酸ピペラジン
PPP:ポリリン酸ピペラジン
赤リン
HPTCP:ヘキサフェノキシシクロトリフォスファゼン
Fyrol PMP:ICL社製反応性ホスフェート系難燃剤
OL1001:FRX Polymers製(Nofia)ヒドロキシル末端アルキルホスホネート オリゴマー、分子量(Mn)1500g/モル
OL 3001:FRX Polymers製(Nofia)ヒドロキシル末端アルキルホスホネート オリゴマー、2700g/モル
DOPO:株式会社三光製HCA
CNEP-DOPO:DOPO(9,10-ジヒドロ-9-オキサ -10-フォスファフェナントレン -10- オキサイド)とクレゾールノボラックエポキシ樹脂の反応物
PN-DOPO:フェノールノボラック、ホルムアルデヒド及びDOPO(9,10-ジヒドロ-9-オキサ -10-フォスファフェナントレン -10- オキサイド)との反応物
DOPO-HQ:株式会社三光製HCA-HQ
DOPO-dimer:
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PCO 900:Thor社製:リン系難燃剤(AFLAMMIT)
APDE:ジエチルホスフィン酸アルミニウム
SbO3:三酸化アンチモン
SbO5:五酸化アンチモン
MgOH:水酸化マグネシウム
AlOH:水酸化アルミニウム
AlO・OH (ベーマイト)
メラミン
MCY:メラミンシアヌレート
ZnBO:ホウ酸亜鉛
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上記実施例により示された通り、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、硬化物の高いTgを有し、難燃性に優れていることから、特に電子材料用途に好適に使用することができる。

Claims (14)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)下記式(1)で表される含リン化合物、及び(D)(C)成分以外の難燃剤を含有することを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2019038891
    上記式(1)中、mは1〜10の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、又はアリール基を表し、Rは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいる場合がある炭化水素基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表し、Rは、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
  2. 前記式(1)中のRが、芳香環を少なくとも1個有する炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記式(1)中のX及びYが共に酸素原子であり、R及びRが、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが、下記のいずれかの式で表される構造を有する基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2019038891
  4. 前記(D)成分である難燃剤としては、前記(C)成分以外の含リン化合物、窒素化合物、ホウ素化合物、ハロゲン化合物、ケイ素化合物及び無機化合物から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  5. 無機繊維及び有機繊維から選択された少なくとも1種の繊維からなるシート状基材と、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物とからなるプリプレグ。
  6. 請求項5に記載のプリプレグ、若しくは該プリプレグを少なくとも2枚積層してなる積層体の、少なくとも一方の表面に金属箔を配置して積層し、熱圧着することを特徴とするエポキシ樹脂積層板の製造方法。
  7. 請求項6に記載の方法によって製造されてなるエポキシ樹脂積層板。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を含有してなる半導体封止材料。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を含有してなる層間絶縁膜。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を含有してなる樹脂付銅箔。
  11. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を含有してなる注型材料。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を含有してなる接着剤。
  13. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を含有してなる塗料。
  14. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を含有してなる床材。
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