JP2019034451A - 積層体およびそれを備える包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明による積層体は、少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備える。積層体は、更に、接着剤層、印刷層や他の層等を備えてもよい。積層体が接着剤層や他の層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本発明による積層体は、第1基材層と、第1基材層よりも積層体の内面側に位置する第2基材層とを少なくとも備える。基材層を少なくとも2層備えることで、積層体から作製される包装体のラミネート強度等の強度を向上させることができる。また、基材層を少なくとも2層備えることで、後述するように、例えば積層体を蓋材として使用する場合に、第2基材層を構成するフィルムのうち第1基材層側の面に裏刷り印刷を施すことにより、印刷層をシーラント層側から視認できるようにすることができる。
(第1基材層の第1の構成)
第2の構成に係る第1基材層は、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂層である。第1基材層は延伸されていることが好ましく、2軸延伸されていることが好ましい。
上記の引張強度および引張伸度は、JIS K 7127に準拠して測定することができる。
第3の構成に係る第1基材層は、ナイロン等のポリアミドを含む樹脂層である。第1基材層は延伸されていることが好ましく、2軸延伸されていることがより好ましい。
第2基材層は、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す)を含む。バイオマス由来のPETとは、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするPETである。第2基材層は、化石燃料由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とする、化石燃料由来のPETをさらに含んでもよい。第2基材層全体として、下記のバイオマス度を実現できればよい。本発明においては、第2基材層がバイオマス由来のPETを含むことで、従来に比べて化石燃料由来のPETの量を削減し環境負荷を減らすことができる。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
シーラント層は、包装体とした場合に最内層となるものである。シーラント層
は、熱によって相互に融着し得る熱可塑性樹脂により形成される層である。シーラント層は、化石燃料由来の樹脂材料を含んでいてもよいし、バイオマス由来の樹脂材料を含んでいてもよい。
次に、バリア層について説明する。
図1及び図2に示す積層体のバリア層を構成する蒸着層は、従来公知の方法により形成することができる蒸着膜からなる層である。蒸着層を備えることで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を、付与ないし向上させることができる。なお、バリア層は、蒸着層を2層以上備えてもよい。蒸着層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
必要に応じて、上記の蒸着層の上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制する層として機能する塗膜である。ガスバリア性塗布膜は、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様などの所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、必要に応じて設けることができ、例えば、第1基材層とバリア層との間、または第1基材層と第2基材層との間に設けることができる。印刷層は、バリア層または第2基材層の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。
接着剤層は、任意の2層を接着する場合に設けられる層であり、例えば、第1基材層と第2基材層またはバリア層との間や、第2基材層またはバリア層とシーラント層との間に設けることができる。
本発明による積層体の製造方法は特に限定されず、ドライラミネート法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。
本発明による包装体は、例えば食品等を収容する際に好適に使用することができる。このような包装体は、例えば、上記積層体を蓋材として使用した深絞り包装体(ブリスター容器)であってもよい。また、例えば、上記積層体を使用し、これを二つ折若しくは三つ折にするか、又は該積層体を2枚用意し、表側の積層体のシーラント層の面と裏側の積層体のシーラント層の面とを対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。また、表側の積層体と裏側の積層体との間に、折り返された状態の積層体を挿入した状態でヒートシールを行い、ガセット型の包装袋を製造することもできる。なお、包装袋を構成する積層体の全てが、本発明による上記積層体でなくてもよい。すなわち、包装袋を構成する積層体の少なくとも一部分が、バイオマス由来のPETを含む第2基材層を有する積層体であればよく、包装袋を構成する積層体のその他の部分が、化石燃料由来のPETからなる第1基材層を含む積層体であってもよい。
(蓋材)
第1基材層として、二軸延伸されたポリプロピレンフィルム(東洋紡製、P2161、厚さ30μm)を準備した。
OPP/DL/印/塗布膜/蒸着層/バイオPET/DL/LL
「/」は層と層の境界を表している。左端の層が、積層体の外面を構成する層であり、右端の層が、積層体の内面を構成する層である。
「OPP」は、二軸延伸されたポリプロピレンフィルムを意味する。「DL」は、接着剤を含む接着剤層を意味する。「印」は、印刷層を意味する。「バイオPET」は、バイオマス由来のPETフィルムを意味する。「LL」は、無延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを意味する。
厚さ40μmの未延伸ナイロンフィルム(CN)と厚さ50μmの片面コロナ処理された未延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面とをポリエステルポリオール−イソシアネート系接着剤を介してドライラミネーション法で積層し、40℃、2日間養生して容器本体に使用する容器材を作製した。
蓋材に使用する第2基材層として、化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のエチレングリコールを用いて製膜した、二軸延伸された化石燃料由来のPETフィルム(バイオマス度:0%、東洋紡製、E5100、厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例の場合と同様にして、積層体を作製した。積層体の層構成は、以下のように表現される。
OPP/DL/印/塗布膜/蒸着層/化石PET/DL/LL
「化石PET」は、化石燃料由来のPETフィルムを意味する。
実施例で得られた積層体を蓋材として用い、蓋材が容器本体の凹部を覆うように、蓋体と容器本体と熱接着して、図3および図4に示す包装体30を作製した。同様にして、比較例で得られた積層体を蓋材として用い、蓋材が容器本体の凹部を覆うように、蓋体と容器本体と熱接着して、図3および図4に示す包装体30を作製した。
11 第1基材層
12 第2基材層
13 シーラント層
14 バリア層
16 印刷層
141 ガスバリア性塗布膜
142 蒸着層
30 包装体
Claims (6)
- 少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記第2基材層は、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするポリエチレンテレフタレートを含む、積層体。 - 前記積層体は、前記第1基材層と前記第2基材層との間、又は前記第2基材層と前記シーラント層との間に位置するバリア層を更に備え、
前記バリア層は、蒸着層を含む請求項1に記載の積層体。 - 前記蒸着層が透明蒸着膜である、請求項2に記載の積層体。
- 前記第1基材層と前記バリア層との間、又は前記第1基材層と前記第2基材層との間に位置する印刷層を更に備える、請求項2又は3に記載の積層体。
- 前記蒸着層の面上にガスバリア性塗布膜を備える、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装体。
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