JP2019032172A - 被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法 - Google Patents

被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019032172A
JP2019032172A JP2017151619A JP2017151619A JP2019032172A JP 2019032172 A JP2019032172 A JP 2019032172A JP 2017151619 A JP2017151619 A JP 2017151619A JP 2017151619 A JP2017151619 A JP 2017151619A JP 2019032172 A JP2019032172 A JP 2019032172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrosion resistance
metal material
electrode
surface treatment
resistance test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017151619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6565979B2 (ja
Inventor
照朗 浅田
Teruaki Asada
照朗 浅田
重永 勉
Tsutomu Shigenaga
勉 重永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2017151619A priority Critical patent/JP6565979B2/ja
Publication of JP2019032172A publication Critical patent/JP2019032172A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6565979B2 publication Critical patent/JP6565979B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Abstract

【課題】金属製基材2に表面処理膜4が被覆されてなる被覆金属材1の耐食性試験の信頼性を向上させる。【解決手段】被覆金属材1の表面処理膜4側に含水電解質材料6を介して配置される電極12と、この電極12から金属製基材2に含水電解質材料6及び表面処理膜4を介して電流を流す通電手段8とを備え、上記電極12は、表面処理膜4に相対する少なくとも一つの貫通孔12aを有する有孔電極であって、表面処理膜4と略平行に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法に関する。
従来より、塗膜性能を評価する手法として複合サイクル試験、塩水噴霧試験等の腐食促進試験が行われている。
しかし、かかる腐食促進試験においては、評価に数ヶ月を要するため、例えば塗装鋼板の構成材料や焼付条件の異なる塗膜の膜質を簡便に評価し、塗装条件の最適化等を迅速に行うことが困難である。従って、材料開発、塗装工場の工程管理、車両防錆に係る品質管理の場において、塗装鋼板の耐食性を迅速且つ簡便に評価する定量評価法の確立が望まれている。
これに対して、特許文献1には、金属部材の表面に施された皮膜の耐食性を評価する手法として、金属部材及び対極部材を水又は電解質液に浸漬し、測定電源の負端子側を金属部材に、正端子側を対極部材に電気的に接続し、対極部材から皮膜を通して金属部材に流れる酸素拡散限界電流に基づいて当該皮膜の防食性能を評価することが記載されている。
特許文献2には、塗装金属材の塗膜表面側に電解質材料を介して電極を配置し、塗装金属材の基材と塗膜表面との間に電圧を印加し、塗膜が絶縁破壊するときの電圧値に基づいて、塗装金属材の耐食性を評価することが記載されている。
特許文献3には、塗装金属材の塗膜表面側に電解質材料を介して電極を配置し、塗装金属材の塗膜に電解質材料を浸透させ、塗装金属材の基材と塗膜表面との間に電圧を印加し、該電圧の印加に伴って流れる電流に関する値に基づき、塗装金属材の耐食性を評価することが記載されている。
特開2007−271501号公報 特開2016−50915号公報 特開2016−50916号公報
特許文献1〜3に記載された耐食性試験方法は、いずれも被覆金属材の表面側に電極を配置し、この電極から金属製基材に電解質材料及び表面処理膜を介して通電する。この場合、その通電により、電解質材料から表面処理膜へのイオンの移動や水の浸透を生ずるところ、電気は抵抗が小さい部位、例えば、電極と金属製基材間の距離が最も狭い箇所に集中して流れようとするから、電極の形状、サイズ、配置、電解質材料の性状等によってイオンの移動性や水の浸透性が変わり、耐食性試験の再現性を高めることが難しい。
これに対して、電極を板状にして表面処理膜と平行になるように配置することが考えられるが、通電に伴って水の電解によって発生する水素ガスが表面処理膜と電極間に滞留し、抜けにくくなる。その結果、電流が不安定になり、上記再現性が悪化する。
そこで、本発明は、耐食性試験の再現性を高める、換言すれば、耐食性試験の信頼性を向上させることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、耐食性試験に有孔電極を用いるようにした。
ここに開示する耐食性試験装置は、金属製基材に表面処理膜が被覆されてなる被覆金属材を対象とし、
上記被覆金属材の当該表面処理膜側に含水電解質材料を介して配置される電極と、この電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料及び上記表面処理膜を介して電流を流す通電手段とを備え、
上記電極は、上記表面処理膜に相対する少なくとも一つの貫通孔を有する有孔電極であって、上記表面処理膜と略平行に配置されることを特徴とする。
また、ここに開示する耐食性試験方法は、金属製基材に表面処理膜が設けられてなる被覆金属材の耐食性試験装置による耐食性試験方法であって、
上記耐食性試験装置は、上記被覆金属材の上記表面処理膜側に含水電解質材料を介して配置される電極と、この電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料及び上記表面処理膜を介して電流を流す通電手段とを備え、上記電極は上記表面処理膜に相対する少なくとも一つの貫通孔を有する有孔電極であり、
上記表面処理膜の上に上記含水電解質材料を介して上記有孔電極を当該表面処理膜と略平行になるように配置するステップと、
上記通電手段を作動させて上記電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料及び上記表面処理膜を介して電流を流すステップとを備えていることを特徴とする。
上記装置又は上記方法に係る耐食性試験によれば、電極が表面処理膜と略平行に配置されるから、電気の流れが局部的に集中することが抑制され、すなわち、表面処理膜へのイオンの移動及び水の浸透が偏ることが避けられる。そうして、当該電極は少なくとも一つの貫通孔を有する有孔電極であるから、水素ガスが滞留することなく、貫通孔を通して抜ける。このように、表面処理膜へのイオンの移動及び水の浸透に偏りを生ずることが避けられ、また、水素ガスの滞留が避けられるから、電気の流れが安定になり、耐食性試験の再現性ないし信頼性が向上する。
上記有孔電極としては、炭素電極、白金電極等を使用することができ、上記含水電解質材料に埋没した状態に設けることができる。
ところで、金属の腐食は、水と接触する金属が溶解(イオン化)して遊離電子を生ずるアノード反応(酸化反応)と、その遊離電子によって水中の溶存酸素が水酸基OHを生成するカソード反応(還元反応)が同時に起こることで進行することが知られている。
一実施形態では、上記被覆金属材の相離れた2箇所に上記表面処理膜を貫通して上記金属製基材に達する人工傷が加えられ、上記有孔電極は、上記被覆金属材の相離れた2箇所の人工傷部間を電気的に接続する外部回路の両端に設けられ、
上記2箇所の人工傷部の一方がアノードサイトとなり、他方がカソードサイトとなって、上記被覆金属材の腐食が進行するように、上記外部回路によって上記有孔電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料を介して通電される。
これによれば、被覆金属材の2箇所の人工傷部のうちの一方が、金属製基材の金属の溶出反応(酸化反応)を生ずるアノードサイトとなる。アノードサイトで発生した電子が金属製基材を通って流入する他方の人工傷部が、電子による還元反応が起きるカソードサイトとなる。
アノードサイトでは、溶出した金属イオンは、電極(負極)に引き寄せられ、含水電解質材料中の溶存酸素や電極(負極)での水の電気分解により発生したOHと反応して水酸化鉄になる。このアノードサイトでは、電子が供給されるから、電気防食と同じ原理で、金属製基材の金属がイオンになって含水電解質材料に多少溶解するものの、被覆金属材の腐食は進まない。
一方、カソードサイトでは、アノードサイトから金属製基材を介して流入する電子が、表面処理膜を浸透した水や溶存酸素、水中の電離Hと反応して水素やOHが発生する。また、水の電気分解による水素も発生する。これにより、表面処理膜下でのpHが上がり、被覆金属材の腐食が進行する。
上記カソードサイトにおけるOHの生成は上述の腐食モデルのカソード反応に相当するから、上記耐食性試験は、外部回路による金属製基材への通電により、当該被覆金属材の実際の腐食を加速再現するものであるということができる。
上記2箇所の人工傷部のうちのカソードサイトでは、アルカリ性になること(OHの生成)により、金属製基材表面の下地処理(化成処理)がダメージを受けて表面処理膜の密着性が低下し(下地処理がされていない場合は単純に金属製基材と表面処理膜の密着性が低下し)、表面処理膜の膨れが発生する。また、水の電気分解やHの還元により発生した水素ガスが表面処理膜の膨れを促進する。従って、この表面処理膜の膨れの程度をみることによって、当該耐食性試験における供試材の腐食進展速度を計ることができる。
人工傷部において発生する水素ガスは有孔電極の貫通孔を通って抜けるため、有孔電極と表面処理膜の間に水素ガスが滞留することは避けられ、すなわち、通電性が悪化することが避けられる。
後に実験データに基づいて詳述するが、上記耐食性試験は、上述の如く、実際の腐食を加速再現するから、得られる腐食進展速度データは、実際の腐食進展速度と相関性が高いものになる。よって、当該腐食進展速度データによって、供試材の耐食性について信頼性が高い評価を行なうことができる。
一実施形態では、上記有孔電極は、中央に貫通孔を有するリング状であり、該貫通孔が上記人工傷に相対するように設けられる。或いは、有孔電極としてメッシュ状の電極を採用し、該メッシュ電極を上記含水電解質材料に埋没した状態で上記表面処理膜と略平行になるように配置してもよい。
上記リング状の有孔電極によれば、この有孔電極が人工傷を囲むように配置されるから、人工傷まわりの表面処理膜に電圧が安定して印加され、該表面処理膜へのイオンの移動及び水の浸透が効率良く行なわれる。また、カソードサイトでは、人工傷部分において上述のように水素ガスが発生するところ、この水素ガスは有孔電極の貫通孔を通って抜けるため、通電性が悪化することが避けられる。
上記含水電解質材料としては、種々のものを採用することができる。一実施形態では、上記含水電解質材料は泥状物であり、上記2箇所の人工傷部各々の上記表面処理膜の表面に設けられる。含水電解質材料が泥状であることにより、人工傷部において水が表面処理膜に浸透し易くなり、腐食が進み易くなる。また、含水電解質材料が泥状であることにより、表面処理膜が水平になっていない場合でも、該表面処理膜の表面に含水電解質材料を設けることができる。
含水電解質材料は、粘土鉱物を添加材として採用することによって泥状物とすることができる。粘土鉱物としては、例えば、層状ケイ酸塩鉱物又はゼオライトを採用することができる。層状ケイ酸塩鉱物としては、カオリナイト、モンモリロナイト、セリサイト、イライト、グローコナイト、クロライト及びタルクから選択される少なくとも一つを好ましく採用することができる。支持電解質(塩)としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、酒石酸水素カリウム及び硫酸マグネシウムから選択される少なくとも一つの塩を好ましく採用することができる。含水電解質材料は、有機溶剤(アセトン、エタノール、トルエン、メタノール等)を含有するものであってもよい。
含水電解質材料における粘土鉱物の含有量は、1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。その含有量は、10質量%以上50質量%以下であること、20質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。
含水電解質材料における支持電解質の含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。その含有量は、3質量%以上15質量%以下であること、5質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
含水電解質材料における有機溶剤の含有量は、水に対して体積比で5%以上60%以下であることが好ましい。その体積比は、10%以上40%以下であること、20%以上30%以下であることがさらに好ましい。
上記カソードサイトの人工傷の径(金属製基材の露出径)に関しては、その径が小さくなるほど、通電性が低下してカソード反応が進み難くなる。一方、その径が大きくなると、カソード反応が不安定になり、腐食の加速再現性が低下する。実験によれば、上記人工傷の径は0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上2.0mm以下であること、或いは0.5mm以上1.5mm以下であることがさらに好ましい。
上記2箇所の人工傷間の距離は、カソードサイトの表面処理膜の膨れの確認の容易さの観点から、2cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがさらに好ましい。
上記外部回路による通電の電流値に関しては、該電流値が小さくなるほど腐食の加速性が低下して試験に長時間を要するようになる。一方、その電流値が大きくなると、腐食反応速度が不安定になり、実際の腐食の進行との相関性が悪くなる。実験によれば、その電流値は、10μA以上10mA以下の電流値とすることが好ましく、100μA以上5mA以下の電流値とすること、或いは500μA以上2mA以下の電流値とすることがさらに好ましい。
当該耐食性試験に供するに適した被覆金属材としては、例えば、金属製基材に表面処理膜として樹脂皮膜、すなわち、塗膜が設けられた塗装金属材がある。
金属製基材は、例えば、家電製品、建材、自動車部品等を構成する鋼材、例えば、冷間圧延鋼板(SPC)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、高張力鋼板又はホットスタンプ材等であり、或いは軽合金材であってもよい。金属製基材は、表面に化成皮膜(リン酸塩皮膜(例えば、リン酸亜鉛皮膜),クロメート皮膜等)が形成されたものであってもよい。
塗膜としては、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系等のカチオン電着塗膜(下塗り塗膜)があり、電着塗膜に上塗り塗膜が重ねられた積層塗膜、電着塗膜に中塗り塗膜及び上塗り塗膜が重ねられた積層塗膜等であってもよい。
本発明によれば、被覆金属材の表面処理膜側に含水電解質材料を介して配置される電極と、この電極から被覆金属材の金属製基材に含水電解質材料及び表面処理膜を介して電流を流す通電手段とを備え、上記電極は、表面処理膜に相対する少なくとも一つの貫通孔を有する有孔電極であって、表面処理膜と略平行に配置されるから、表面処理膜へのイオンの移動及び水の浸透に偏りを生ずることが避けられ、また、水素ガスの滞留が避けられるから、電気の流れが安定になり、耐食性試験の再現性ないし信頼性が向上する。
第1実施形態に係る耐食性試験の原理を示す図。 供試材1〜3の処理条件及び耐食性試験結果を示す図表。 供試材4〜6の処理条件及び耐食性試験結果を示す図表。 本耐食性試験による腐食進展速度と実腐食試験による腐食進展速度の相関を示すグラフ図。 塗膜上の付着物が水、5%NaCl(スプレー)、及び5%CaClスプレーであるときの塗膜の吸水量及び膨れ発生率を示す図表。 塗膜上の付着物が模擬泥であるときの塗膜の吸水量及び膨れ発生率を示す図表。 塗膜上の付着物が5%NaCl(浸漬)であるときの塗膜の吸水量及び膨れ発生率を示す図表図。 各種塗膜上付着物に係る腐食抑制期間と塗膜への水の浸入速度の関係を示すグラフ図。 第1実施形態の耐食性試験における定電流通電制御時の電流プロット図。 第1実施形態の耐食性試験における定電圧通電制御時の電流プロット図。 第2実施形態に係る耐食性試験装置を用いた耐食性試験方法の説明図。 第2実施形態の焼付条件の異なる被覆金属材の積算電流量の経時変化を示すグラフ図。 第3実施形態に係る耐食性試験装置を用いた耐食性試験方法の説明図。 第3実施形態において、電極と被覆金属材の基材との間に印加される電圧の変化(一点鎖線)及び電流の変化(実線)を示すグラフ図。 絶縁電圧と塗膜膨れ発生サイクル数との相関を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
[第1実施形態]
図1は腐食試験原理を示す。同図において、1は被覆金属材である。本実施形態に係る被覆金属材1は、金属製基材としての表面に化成皮膜3が形成された鋼板2の上に表面処理膜としての樹脂塗膜、すなわち、本実施形態では電着塗膜4が設けられたものである。
被覆金属材1には、相離れた2箇所に電着塗膜4及び化成皮膜3を貫通して鋼板2に達する人工傷5が加えられている。
<耐食性試験装置>
本実施形態に係る耐食性試験装置は、導電材として機能する含水電解質材料6を介して被覆金属材1の上記2箇所の人工傷5部分を電気的に接続する外部回路7と、該外部回路7によって上記鋼板2に通電する通電手段としての直流の定電流源8とを備えてなる。
被覆金属材1の当該2箇所には、人工傷5よりも大径の円筒11が人工傷5と同心状に設けられている。含水電解質材料6は、円筒11内に収容され、電着塗膜4の表面に接触しているとともに、人工傷5内に浸入している。外部回路7の両端には電極12が設けられ、その電極12は円筒11内の含水電解質材料6に埋没状態に設けられている。
含水電解質材料6は、水、粘土鉱物及び支持電解質を含有してなる泥状物である。本実施形態では、粘土鉱物として、層状ケイ酸塩鉱物であるカオリナイトを採用し、支持電解質として、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム及び塩化カルシウムの3種を採用している。含水電解質材料6における粘土鉱物の含有量は1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、支持電解質の含有量は1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
電極12は、中央に貫通孔12aを有するリング状の有孔電極であり、該貫通孔12aが人工傷5に相対し該人工傷5と同心になるように、電着塗膜4と平行に配置されている。
定電流源8としては、例えば、ガルバノスタットを採用することができ、電流値は10μA以上10mA以下に制御される。
<耐食性試験方法>
上記耐食性試験装置を用いる被覆金属材1の耐食性試験方法をステップ順に説明する。
−人工傷を加えるステップ−
被覆金属材1の相離れた2箇所に表面処理膜(電着塗膜4及び化成皮膜3)を貫通して鋼板2に達する人工傷5を加える。人工傷5による鋼板2の露出部の径は0.1mm以上5mm以下(露出面の面積が0.01mm以上25mm以下)とすればよい。人工傷を付ける道具の種類は特に問わない。人工傷5の大きさや深さにばらつきを生じないように、すなわち、定量的に傷を付けるために、例えば、ビッカース硬さ試験機を用い、その圧子によって所定荷重で傷を付けることが好ましい。2箇所の人工傷5間の距離は2cm以上とすることが好ましい。
−外部回路接続ステップ−
被覆金属材1の電着塗膜4の上に、2箇所の人工傷5各々を囲む円筒11を立て、円筒11の中に泥状の含水電解質材料6を所定量入れる。このとき、定電流源8を備えた外部回路7のリング状有孔電極12が含水電解質材料6に埋没した状態になるようにする。円筒11は人工傷5と同心に設けることが好ましい。有孔電極12は、電着塗膜4の表面と平行になるように、且つ人工傷5と同心になるように設けることが好ましい。
以上により、円筒11内に収容された含水電解質材料6が電着塗膜4の表面に接触しているとともに、人工傷5内に浸入した状態になる。そして、上記2箇所の人工傷部が、該人工傷部に接触する含水電解質材料6を介して外部回路7で電気的に接続された状態になる。
−通電ステップ−
定電流源8を作動させ、外部回路7によって被覆金属材1の鋼板2に有孔電極12、含水電解質材料6及び電着塗膜4を介して通電する。この通電は、電流値が10μA以上10mA以下の定電流値となるように定電流制御することが好ましい。
上記通電により、上記2箇所の人工傷部のうちの定電流源8の負極側に接続された一方(図1の左側)では、含水電解質材料6から電子eが鋼板2に流入する。この一方の人工傷部がアノードサイトになる。鋼板2に流入したeは鋼板2を通って他方の人工傷部(図1の右側)に移動し、該他方の人工傷部において含水電解質材料6に放出される。この他方の人工傷部がカソードサイトになる。
アノードサイトでは、eが供給されるから、電気防食と同じ原理で、鋼板2のFeがイオンになって含水電解質材料に溶解する(Fe → Fe2++2e)ものの、被覆金属材1の腐食は進まない。
これに対して、カソードサイトでは、アノードサイトから電子が移動してくるから、含水電解質材料6の水、溶存酸素及び当該電子eの反応によりOHを生ずる(HO+1/2O+2e → 2OH)。また、含水電解質材料6の電離した水素イオンと当該電子eの反応により水素が発生する(2H+2e → H)。OH及び水素の生成はカソード反応(還元反応)である。また、水の電気分解による水素も発生する。
カソードサイトでは、アルカリ性になること(OHの発生)により、化成皮膜3が溶解し、また、鋼板2の腐食が進む(水和酸化鉄の生成)ことで、電着塗膜4の鋼板2に対する付着力が低下する。そして、上記水素ガスの発生によって、電着塗膜4の膨れを生じ、鋼板2の腐食が人工傷5の部位から周囲に進展していく。
また、上記外部回路7による通電では、カソードサイトにおいて、含水電解質材料6に電圧が加わることにより、含水電解質材料6中の陽イオン(Na等)が電着塗膜4を通って鋼板2に向かって移動する。そして、この陽イオンに引きずられて水が電着塗膜4に浸透していく。また、アノードサイトにおいても、含水電解質材料6の陰イオン(Cl等)が電着塗膜4を通って鋼板2に向かって移動し、これに引きずられて水が電着塗膜4に浸透していく。
特に、上記実施形態では、有孔電極12が人工傷5を囲むように配置されているから、人工傷5まわりの電着塗膜4に電圧が安定して印加され、該電着塗膜4へのイオンの移動及び水の浸透が効率良く行なわれる。また、カソードサイトでは、人工傷5部分において上述のように水素ガスが発生するところ、この水素ガスは有孔電極12の貫通孔12aを通って抜けるため、通電性が悪化することが避けられる。
また、含水電解質材料6が粘土鉱物を含有する泥状物であるから、水及びイオンが人工傷5まわりの電着塗膜4に浸透し易くなる。
このように、アノードサイト及びカソードサイトにおいて、上記通電により、人工傷5まわりの電着塗膜4への水及びイオンの浸透が促進されるから、電気の流れが速やかに安定した状態になる。よって、カソードサイトにおける人工傷5からその周囲への腐食の進展が安定したものになる。
<耐食性評価ステップ>
上述の如く、カソードサイトにおける腐食の進展は、電着塗膜4の膨れの進展、つまり、塗膜膨れ範囲の拡大となって現れる。従って、上記通電開始から所定時間を経過した時点での塗膜膨れの広がり程度をみることによって、当該供試材の耐食性を評価することができる。
塗膜膨れの広がりの程度は、耐食性試験後に、電着塗膜4に粘着テープを貼り、電着塗膜4の膨れた部分を剥がし、露出した鋼板2の露出面の径(以下、「剥離径」という。)を測定することによって知ることができる。
塗膜膨れの広がりみるための耐食性試験時間は、例えば、0.5時間以上24時間以下とすればよい。その試験時間は、好ましくは1時間以上10時間以下、より好ましくは1時間以上5時間以下とする。
供試材の耐食性を実腐食試験(塩水噴霧試験)と関連付けて評価する場合は、当該耐食性試験による腐食進展速度(単位時間当たりの塗膜膨れ径の広がり量)と、実腐食試験での腐食進展速度との関係を予め求めておき、当該耐食性試験結果に基づいて、それが実腐食試験においてどの程度の耐食性に相当するかをみることができる。
<実施例>
−耐食性試験−
供試材(被覆金属材)として、リン酸亜鉛による化成処理時間及び電着塗装の焼付条件が異なる図2及び図3に示す6種類を準備した。供試材1〜6はいずれも金属製基材が鋼板2であり、電着塗膜4の厚さは10μmである。そして、各供試材について、図1に示す態様で本耐食性試験を行なった。
供試材には、ビッカース硬さ試験機を用いて定量的に、すなわち、荷重(試験力)30kgで鋼板に達する1mm径の人工傷5を2箇所に4cmの間隔をあけて付与した。
含水電解質材料6としては、pH7の模擬泥を5%塩水(塩化ナトリウム)で20%希釈して用いた。模擬泥の組成は、水:カオリナイト:塩化ナトリウム:硫酸ナトリウム:塩化カルシウム=500:500:25:25:25(質量比)である。
電極12としては、外径約32mm、内径約30mmのリング状の有孔電極(白金製)を用いた。
定電流源8の電流値は1mmAとし、50℃の環境下で5時間通電した。
図2及び図3に本耐食性試験結果(アノードサイトの外観、カソードサイトの剥離前と剥離後の外観、腐食進展速度(塗膜の膨れの進展速度)、並びに実腐食試験(傷部に模擬泥を付着させて、温度50℃、湿度98%の環境に暴露する実腐食試験)による腐食進展速度)を示す。
図2及び図3によれば、化成処理時間が120秒である供試材1,4,6をみると、電着塗膜4の焼付条件が良くなる(焼付温度が高くなる、又は焼付け時間が長くなる)ほど、つまり、電着塗膜4の膜質が良くなるほど、本耐食性試験による腐食進展速度が遅く(膨れ径が小さく)なっている。すなわち、当該腐食進展速度は電着塗膜4の膜質の良否に対応している。
電着塗膜4の焼付条件が150℃×20分である供試材5,6をみると、化成処理時間が長い供試材6の方が本耐食性試験による腐食進展速度が遅く(膨れ径が小さく)なっている。すなわち、当該腐食進展速度は化成皮膜の良否に対応している。
なお、電着塗膜4の焼付条件が140℃×20分である供試材2,3,4をみると、化成処理時間が30秒である供試材3の方が化成処理時間が120秒である供試材4よりも当該腐食進展速度が遅くなっている。しかし、実腐食試験による腐食進展速度を見ても、供試材3の方が供試材4よりも遅くなっているから、本耐食性試験に問題があったわけではなく、何らかの原因で供試材3の電着塗膜4又は化成皮膜3の膜質が供試材4よりも良くなったものと考えられる。
図4に示すように、供試材1〜6について、本耐食性試験に係る腐食進展速度と実腐食試験に係る腐食進展速度の相関をみると、その相関が強い(R=0.9863)ことがわかる。従って、本耐食性試験によって腐食進展速度を測定することにより、被覆金属材1の耐食性について、実腐食試験に匹敵する評価を行なうことができることがわかる。
−含水電解質材料による塗膜の吸水促進性−
焼付条件又は膜厚が異なる各種電着塗膜4の表面に種々の付着物を設けて、その電着塗膜4の9日経過後の吸水量及び9日経過後の膨れ発生率を調べた。図5〜図7に示すように、付着物の種類及び形態は、「水」、「5%NaCl(スプレー)」、「5%CaCl(スプレー)」、上記「模擬泥」及び「5%NaCl(浸漬)」の5種類である。
図5によれば、水、5%NaCl(スプレー)及び5%CaCl(スプレー)のいずれも、9日経過後でも、吸水量はわずかであり、塗膜の膨れもほとんどみられない。
これに対して、図6によれば、模擬泥の場合は、9日経過後の吸水量及び膨れ発生率が、水、5%NaCl(スプレー)及び5%CaCl(スプレー)に比べると、格段に大きくなっている。特に、電着塗膜4の焼付条件が同じ150℃×20分であるケースで比較すると、模擬泥の場合は、当該吸水量及び膨れ発生率が桁違いに大きくなっていることがわかる。
図7によれば、5%NaCl(浸漬)の場合は、当該吸水量及び膨れ発生率が、水、5%NaCl(スプレー)及び5%CaCl(スプレー)よりも大きくなっているが、図6の標準泥に比べるとかなり低い。
図8は上記5種類について、電着塗膜4の焼付条件が150℃×20分であるケースでの腐食抑制期間と塗膜への水の浸入速度をみたものである。膨れ発生率が0.5%に到達するまでの時間を腐食抑制期間としている。塗膜への水の浸入速度は、塗膜の吸水量が25μg/mmmに到達するまで時間から計算している。同図によれば、模擬泥の場合、腐食抑制期間が短く、すなわち、塗膜への水の浸入速度が大きいことが塩水スプレー等に比べて格段に大きいことがわかる。
以上から、含水電解質材料6として模擬泥を採用すると、水が塗膜に対して速やかに浸透し、上述の電気化学的手法による耐食性試験を迅速に且つ安定して行なうことができることがわかる。
−通電制御について−
本実施形態に係る耐食性試験において、金属製基材(鋼板)2に対する通電は、定電流制御方式に限らず、定電圧制御方式にすることもできる。
図9は1mAの定電流制御による通電の電流プロットであり、図10は1mAの電流が流れる程度の定電圧を印加したときの電流プロットである。この定電流制御の耐食性試験及び定電圧制御の耐食性試験において、通電条件を除く、他の試験条件は同じである。
定電流制御の場合、電流値が通電初期において多少ばらつくものの、略1mAに制御されている。このように腐食の加速に直接関与する電流値が安定することにより、腐食の加速再現性が良くなる。すなわち、耐食性試験の信頼性が高くなる。
これに対して、定電圧制御の場合、電流値が大きく変動しており、腐食の加速再現性の面で不利になることがわかる。通電開始から7000秒付近までの電流値の変動が大きい期間は、電着塗膜4に水が浸透する期間にあたり、塗膜への水の浸透が定常的に進まないために、電流値が大きく変動しているものと認められる。その後も、電流値は0.5mA〜1.5mAの範囲で変動しており、化成皮膜の劣化や発錆に伴う抵抗値の変動の影響と認められる。
定電圧制御での電流プロット(電流波形)から、腐食の進行状態ないしは腐食の程度を捉えることが可能になる。
[第2実施形態]
<耐食性試験装置>
図11に示すように、第2実施形態に係る耐食性試験装置は、電極12と、この電極12と被覆金属材1の鋼板2とに接続された、電源部及び電流検出部としての通電手段8と、該通電手段8と通信可能に接続された、制御部及び判定部としての情報処理端末25を備える。
電極12は、鋼板2と電着塗膜4との間に電圧を印加するためのものであり、第1実施形態と同じリング状の有孔電極によって構成され、含水電解質材料としての電解質溶液6に埋没(浸漬)されている。
電解質溶液6は、導電性を増加させる役割を有し、支持電解質を含む溶液であればいずれのものも使用することができる。具体的には例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム、リン酸カルシウム、酒石酸水素カリウム等の水溶液等を使用することができる。本実施形態においては5%塩化ナトリウム水溶液を使用する。
電解質溶液6は、液漏れ防止用のゴムマット23を介して電着塗膜4の表面上に設けられた容器21に入れられている。有孔電極12と電着塗膜4とは僅かに離間されており、両者の間は電解質溶液6で満たされている。
電解質溶液6と電着塗膜4との接触面積(測定面積)は、例えば19.6mm以上314mm以下とすることが好ましい。より好ましくは、50.2mm以上113mm以下である。なお、有孔電極12が電着塗膜4に接する構成としてもよい。
通電手段8は、有孔電極12と鋼板2とに接続されており、電着塗膜4の表面と鋼板3との間に電圧を印加する電源部としての役割を担うとともに、両者間に流れる電流を検出する電流検出部としての役割も担う。具体的には、例えば電圧/電流の印加法として制御可能なポテンショ/ガルバノスタット等を使用することができる。
情報処理端末25は、通電手段8による印加電圧を制御する制御部としての役割を有する。また、通電手段8により検出された電流に関する値に基づき、被覆金属材1の耐食性を評価する判定部としての役割を有する。この点については、次の耐食性試験方法において詳細に説明する。情報処理端末25として、例えば、汎用のコンピュータ等を使用することができる。
<耐食性試験方法>
上記耐食性試験装置を使用する耐食性試験方法について、図11及び図12を参照して詳述する。
被測定物としての被覆金属材1の試験片を準備する。前処理として被覆金属材1の試験片を別の容器(図示省略)に貯留した電解質溶液に浸漬し、電着塗膜4に電解質溶液を浸透させる。この電解質溶液は、上記電解質溶液6と同様に導電性を増加させる役割を有し、さらに腐食因子としての役割を有している。
すなわち、本実施形態において、電解質溶液を電着塗膜4に予め浸透させることにより、鋼板2に腐食因子が到達し、腐食抑制期間が終了した状態を擬似的に作り出している。電解質溶液としては、電解質を含む溶液であればよく、例えば、上記電解質溶液6と同様の支持電解質を使用することができる。また、電解質溶液6と同一の溶液であってもよく、また異なる溶液であってもよい。本実施形態において、電解質溶液は上記電解質溶液6と同じ5%塩化ナトリウム水溶液である。
電解質溶液は電着塗膜4に飽和状態になるまで充分に浸透させることが好ましい。例えば、被覆金属材1を温度20〜85℃の電解質溶液に2時間以上浸漬させることが好ましい。より好ましくは、溶液温度を50〜80℃とし浸漬時間を3時間以上とする。さらに好ましくは、溶液温度を65〜75℃とし浸漬時間を4時間以上とする。本実施形態においては、5%塩化ナトリウム水溶液に70℃で4時間浸漬させる。
次に、電着塗膜4の上に、ゴムマット23を介して容器21を設置し、該容器21に電解質溶液6を入れる。この電解質溶液6に、通電手段8に接続された有孔電極12を浸漬し、電着塗膜4の上方に位置付ける。有孔電極12は、電着塗膜4の表面と平行に配置し、電着塗膜4とは非接触にする。通電手段8の他方の配線を鋼板2に接続する。
この状態において、情報処理端末25の制御のもとで、通電手段8により有孔電極12と鋼板2の間に電圧を印加する。印加電圧は時間に対して一定(定電圧)であってもよく、また変化させてもよい。印加電圧は、20V以下であることが好ましく、1〜15Vであること、5〜12Vであることがさらに好ましい。本実施形態は10Vの定電圧印加である。
次に、通電手段8は、有孔電極12と鋼板2の間に流れる電流を検出する。この電流に関する値に基づき、情報処理端末25が被覆金属材1の耐食性を評価する。電流に関する値としては、例えば、電流量の変化率、所定時間に流れた積算電流量、該積算電流量の変化率等である。本実施形態においては、所定時間に流れた積算電流量を求める。
図12は、鋼板2としてGAを用い、GA表面上に化成処理膜3及び電着塗膜4(膜厚10μm)を形成し、電着塗膜4の焼付条件をそれぞれ140℃×15分(点線)、140℃×20分(破線)、及び150℃×20分(実線)として作製した各被覆金属材1の試験片に対し、上述のごとく前処理を行った後、定電圧として10V印加した場合の積算電流量の経時変化を示している。
焼付条件140℃×15分(点線)では、電流が時間と共に増加し、それに伴って積算電流量も増加している。これは、電着塗膜4が充分に硬化しておらず、膜質が不均一であることを示している。一方、焼付条件150℃×20分(実線)では、電流は略一定で、その積算電流量は略線形的に増加している。これは、電着塗膜4十分に硬化しており、膜質が均一化していることを示している。
図12に示す各焼付条件における10分(600秒)経過時点の積算電流量と、同じ焼付条件における実腐食試験(5%中性NaCl水溶液噴霧試験,湿度98%,温度50℃)により求めた腐食進展速度は表1に示すとおりである。積算電流量と腐食進展速度との決定係数Rは略1であり、両者間には強い相関があることがわかる。
以上のように、実腐食試験により腐食進展速度を測定する代わりに、前処理を施した被覆金属材1の定電圧印加時の積算電流量を測定することにより、その耐食性を評価することができる。
[第3実施形態]
<耐食性試験装置>
図13に示すように、本実施形態の耐食性試験装置は、第2実施形態の同装置と同じく、有孔電極12と、この有孔電極12と被覆金属材1の鋼板2に接続された、電源部及び電流検出部としてのポテンショ/ガルバノスタット等の通電手段8と、該通電手段8と通信可能に接続された、制御部及び判定部としての汎用のコンピュータ等の情報処理端末25を備えてなる。
情報処理端末25は、通電手段8により有孔電極12と鋼板2の間に含水電解質材料としての電解質溶液6及び皮膜3,4を介して印加される電圧を制御する制御部としての役割を有する。第2実施形態とは違って、情報処理端末25は、通電手段8による電圧の印加に伴い電着塗膜4が絶縁破壊するときの電圧値に基づいて、被覆金属材1の耐食性を評価する判定部としての役割を果たす。この点については、次の耐食性試験方法において詳細に説明する。
<耐食性試験方法>
上記耐食性試験装置を使用する耐食性試験方法について、図13〜図15を参照して詳述する。
被測定物としての被覆金属材1の試験片を準備する。被覆金属材1の電着塗膜4の上に、ゴムマット23を介して容器21を設置し、該容器21に電解質溶液6を入れる。この電解質溶液6に、通電手段8に接続された有孔電極12を浸漬し、電着塗膜4の上方に位置付ける。有孔電極12は、電着塗膜4の表面と平行に配置し、電着塗膜4とは非接触にする。通電手段8の他方の配線を鋼板2に接続する。
この状態において、情報処理端末25の制御のもとで、通電手段8により有孔電極12と鋼板2の間に電圧を印加する。印加電圧は、図14に一点鎖線で示すように、時間の経過と共に漸増させていく。印加電圧の掃引速度は、例えば、0.1〜10V/sの範囲とし、より好ましくは0.5〜2V/sの範囲とする。
通電手段8により、有孔電極12と鋼板2の間に流れる電流を検出する。図14に実線で示すように、両者間の電流は印加電圧を上昇させても、時刻tに電圧値Vとなるまではほとんど流れない。しかし、時刻tを経過すると電流量が急激に増加し、時刻t(電圧値V)において電流量は閾値A1に到達する。
これは、電圧値Vに至るまでは化成皮膜3及び電着塗膜4における腐食因子の遮断性能が維持され、その後、図13の符号32で示すように、印加電圧の上昇が皮膜3,4への腐食因子としての電解質溶液6の浸透を助ける、もしくは皮膜3,4が徐々に破壊され、電解質溶液6が皮膜3,4内部へ徐々に浸透し、やがて鋼板2の表面に到達して、急激に電流量が増加したことを示している。換言すると、電圧の印加に伴い腐食因子の皮膜3,4への浸透が促され、腐食因子が鋼板2の表面に到達したことにより、皮膜3,4は絶縁破壊され、その遮断性能は失われたといえる。
電流量が閾値A1に達したときの電圧値Vを絶縁電圧(絶縁破壊電圧)とすると、絶縁電圧Vとなる時間tは、腐食因子が鋼板2に到達するまでの期間、すなわち被覆金属材1の腐食抑制期間に対応すると考えられる。
そこで、絶縁電圧Vと腐食抑制期間との対応関係について考察する。
図15は、鋼板2としてSPCを使用した被覆金属材1について、腐食促進試験である複合サイクル試験により得られた、腐食抑制期間を示す塗膜膨れ発生サイクル数と、前記絶縁電圧Vとの相関を示している。複合サイクル試験は、試験片に対し、塩水噴霧(8時間)、乾燥(8時間)、湿潤(8時間)の各工程を24時間1サイクルとして施し、当該試験片表面の20%に塗膜膨れ(錆)が形成されたサイクル数、すなわち塗膜膨れ発生サイクル数を腐食抑制期間として求めるものである。
図15において、S1〜S4に示す4点は、それぞれ電着塗膜4の膜厚が5μm、7μm、10μm、及び15μmの被覆金属材1において、電着塗膜4の焼付条件150℃×20分のものを示す。また、S5,S6,S3の3点は、電着塗膜4の膜厚10μmの被覆金属材1において、電着塗膜4の焼付条件をそれぞれ、140℃×15分、140℃×20分、及び150℃×20分としたものを示す。
図15に示すように、上記の各点は電着塗膜4の膜厚及び焼付条件が変化しても回帰直線に沿ったものであり、その決定係数Rは0.83であることから、腐食抑制期間としての塗膜膨れ発生サイクル数と絶縁電圧Vとの間には強い相関があると言える。
従って、腐食促進試験により被覆金属材1の腐食抑制期間を測定する代わりに、絶縁電圧Vを測定することにより、被覆金属材1の耐食性を評価することができる。
1 被覆金属材
2 鋼板(金属製基材)
3 化成皮膜
4 電着塗膜(表面処理膜)
5 人工傷
6 含水電解質材料
7 外部回路
8 定電流源(通電手段)
12 電極(有孔電極)
12a 貫通孔

Claims (10)

  1. 金属製基材に表面処理膜が被覆されてなる被覆金属材の当該表面処理膜側に含水電解質材料を介して配置される電極と、この電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料及び上記表面処理膜を介して電流を流す通電手段とを備えた、被覆金属材の耐食性試験装置において、
    上記電極は、上記表面処理膜に相対する少なくとも一つの貫通孔を有する有孔電極であって、上記表面処理膜と略平行に配置されることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験装置。
  2. 請求項1において、
    上記有孔電極は、上記被覆金属材の相離れた2箇所に加えられた、上記表面処理膜を貫通して上記金属製基材に達する人工傷部間を電気的に接続する外部回路の両端に設けられ、
    上記通電手段は、上記2箇所の人工傷部の一方がアノードサイトとなり、他方がカソードサイトとなって、上記被覆金属材の腐食が進行するように、上記外部回路によって上記有孔電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料を介して電流を流すことを特徴とする被覆金属材の耐食性試験装置。
  3. 請求項2において、
    上記有孔電極は、中央に貫通孔を有するリング状であり、該貫通孔が上記人工傷に相対するように設けられることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記含水電解質材料は、電解質溶液を含有する泥状物であり、上記表面処理膜の表面に設けられることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験装置。
  5. 請求項1至請求項4のいずれか一において、
    上記表面処理膜は、樹脂塗膜であることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験装置。
  6. 金属製基材に表面処理膜が設けられてなる被覆金属材の耐食性試験装置による耐食性試験方法であって、
    上記耐食性試験装置は、上記被覆金属材の上記表面処理膜側に含水電解質材料を介して配置される電極と、この電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料及び上記表面処理膜を介して電流を流す通電手段とを備え、上記電極は上記表面処理膜に相対する少なくとも一つの貫通孔を有する有孔電極であり、
    上記表面処理膜の上に上記含水電解質材料を介して上記有孔電極を当該表面処理膜と略平行になるように配置するステップと、
    上記通電手段を作動させて上記電極から上記金属製基材に上記含水電解質材料及び上記表面処理膜を介して電流を流すステップとを備えていることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験方法。
  7. 請求項6において、
    上記耐食性試験装置は、上記被覆金属材の相離れた2箇所を電気的に接続する外部回路を備え、
    上記有孔電極は上記外部回路の両端に設けられており、
    上記被覆金属材の上記2箇所に、上記表面処理膜を貫通して上記金属製基材に達する人工傷を加えるステップと、
    上記2箇所の人工傷部各々と上記外部回路の両端の上記有孔電極各々の間に上記含水電解質材料を介在させて、当該両人工傷部を上記外部回路で接続するステップと、
    上記通電手段を作動させて上記外部回路によって上記金属製基材に通電することにより、上記2箇所の人工傷部の一方をアノードサイトとし、他方をカソードサイトとして、上記被覆金属材の腐食を進行させるステップとを備え、
    上記有孔電極を上記表面処理膜と略平行に配置することを特徴とする被覆金属材の耐食性試験方法。
  8. 請求項7において、
    上記有孔電極は、中央に貫通孔を有するリング状であり、該貫通孔が上記人工傷に相対するように設けることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験方法。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれか一において、
    上記含水電解質材料は、電解質溶液を含有する泥状物であり、上記表面処理膜の表面に設けることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験方法。
  10. 請求項6至請求項9のいずれか一において、
    上記表面処理膜は、樹脂塗膜であることを特徴とする被覆金属材の耐食性試験方法。
JP2017151619A 2017-08-04 2017-08-04 被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法 Active JP6565979B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017151619A JP6565979B2 (ja) 2017-08-04 2017-08-04 被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017151619A JP6565979B2 (ja) 2017-08-04 2017-08-04 被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019032172A true JP2019032172A (ja) 2019-02-28
JP6565979B2 JP6565979B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=65523318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017151619A Active JP6565979B2 (ja) 2017-08-04 2017-08-04 被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6565979B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020201262A (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 Jfeスチール株式会社 遅れ破壊特性評価方法
US20210010926A1 (en) * 2017-08-04 2021-01-14 Mazda Motor Corporation Corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
US20210325295A1 (en) * 2020-04-15 2021-10-21 Mazda Motor Corporation Anticorrosion test method and anticorrosion test equipment for coated metallic material
US20210396649A1 (en) * 2020-06-22 2021-12-23 Mazda Motor Corporation Measurement method and measurement device, and corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
US20210395914A1 (en) * 2020-06-22 2021-12-23 Mazda Motor Corporation Damaged portion treatment method and damaged portion treatment device, and corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
US20210396650A1 (en) * 2020-06-22 2021-12-23 Mazda Motor Corporation Electrode portion device, and corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
JP2022001858A (ja) * 2020-06-22 2022-01-06 マツダ株式会社 計測方法及び計測装置、並びに、被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
US20220034786A1 (en) * 2020-07-30 2022-02-03 Mazda Motor Corporation Corrosion resistance test apparatus and corrosion resistance test method for coated metal material

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5948649A (ja) * 1982-09-13 1984-03-19 Nippon Paint Co Ltd 塗装金属の耐食性評価装置
JPS6131948A (ja) * 1984-07-25 1986-02-14 Toshiba Corp 塗膜インピ−ダンス測定装置
JPH0610858U (ja) * 1991-12-27 1994-02-10 ハリマ化成株式会社 金属表面の酸化被膜の測定装置
JPH07234202A (ja) * 1994-02-23 1995-09-05 Kinki Sharyo Co Ltd コーティング物の付着性試験方法およびその装置
JP2011033596A (ja) * 2009-08-06 2011-02-17 Sumitomo Electric Ind Ltd 腐食試験方法
JP2016050915A (ja) * 2014-09-02 2016-04-11 国立大学法人広島大学 塗装金属材の耐食性評価方法及び耐食性評価装置
CN106053324A (zh) * 2016-05-19 2016-10-26 北京科技大学 一种可控气氛及液膜成分的湿气腐蚀电化学测试装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5948649A (ja) * 1982-09-13 1984-03-19 Nippon Paint Co Ltd 塗装金属の耐食性評価装置
JPS6131948A (ja) * 1984-07-25 1986-02-14 Toshiba Corp 塗膜インピ−ダンス測定装置
JPH0610858U (ja) * 1991-12-27 1994-02-10 ハリマ化成株式会社 金属表面の酸化被膜の測定装置
JPH07234202A (ja) * 1994-02-23 1995-09-05 Kinki Sharyo Co Ltd コーティング物の付着性試験方法およびその装置
JP2011033596A (ja) * 2009-08-06 2011-02-17 Sumitomo Electric Ind Ltd 腐食試験方法
JP2016050915A (ja) * 2014-09-02 2016-04-11 国立大学法人広島大学 塗装金属材の耐食性評価方法及び耐食性評価装置
CN106053324A (zh) * 2016-05-19 2016-10-26 北京科技大学 一种可控气氛及液膜成分的湿气腐蚀电化学测试装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11519844B2 (en) * 2017-08-04 2022-12-06 Mazda Motor Corporation Corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
US20210010926A1 (en) * 2017-08-04 2021-01-14 Mazda Motor Corporation Corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
JP2020201262A (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 Jfeスチール株式会社 遅れ破壊特性評価方法
JP7259805B2 (ja) 2019-06-10 2023-04-18 Jfeスチール株式会社 遅れ破壊特性評価方法
US20210325295A1 (en) * 2020-04-15 2021-10-21 Mazda Motor Corporation Anticorrosion test method and anticorrosion test equipment for coated metallic material
CN113533191A (zh) * 2020-04-15 2021-10-22 马自达汽车株式会社 被覆金属材料的耐腐蚀性试验方法以及耐腐蚀性试验装置
US11821832B2 (en) * 2020-04-15 2023-11-21 Mazda Motor Corporation Anticorrosion test method and anticorrosion test equipment for coated metallic material
CN113533191B (zh) * 2020-04-15 2023-09-05 马自达汽车株式会社 被覆金属材料的耐腐蚀性试验方法以及耐腐蚀性试验装置
US20210396649A1 (en) * 2020-06-22 2021-12-23 Mazda Motor Corporation Measurement method and measurement device, and corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
CN113899678A (zh) * 2020-06-22 2022-01-07 马自达汽车株式会社 电极部装置、包覆金属材料的耐腐蚀性试验方法及其装置
CN113899679A (zh) * 2020-06-22 2022-01-07 马自达汽车株式会社 测量方法及测量装置、以及耐腐蚀性试验方法及其装置
JP2022001858A (ja) * 2020-06-22 2022-01-06 マツダ株式会社 計測方法及び計測装置、並びに、被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP2022001857A (ja) * 2020-06-22 2022-01-06 マツダ株式会社 計測方法及び計測装置、並びに、被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
US20210396650A1 (en) * 2020-06-22 2021-12-23 Mazda Motor Corporation Electrode portion device, and corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
US20210395914A1 (en) * 2020-06-22 2021-12-23 Mazda Motor Corporation Damaged portion treatment method and damaged portion treatment device, and corrosion resistance test method and corrosion resistance test apparatus for coated metal material
CN113899678B (zh) * 2020-06-22 2024-04-16 马自达汽车株式会社 电极部装置、包覆金属材料的耐腐蚀性试验方法及其装置
CN113899679B (zh) * 2020-06-22 2024-06-04 马自达汽车株式会社 测量方法及测量装置、以及耐腐蚀性试验方法及其装置
US20220034786A1 (en) * 2020-07-30 2022-02-03 Mazda Motor Corporation Corrosion resistance test apparatus and corrosion resistance test method for coated metal material

Also Published As

Publication number Publication date
JP6565979B2 (ja) 2019-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6565980B2 (ja) 被覆金属材の耐食性試験装置及び被覆金属材の耐食性試験方法
JP6565979B2 (ja) 被覆金属材の耐食性試験装置及び耐食性試験方法
JP6784335B2 (ja) 被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP6747495B2 (ja) 被覆金属材の耐食性試験方法
JP6515963B2 (ja) 被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP6213426B2 (ja) 塗装金属材の耐食性評価方法及び耐食性評価装置
US11566996B2 (en) Corrosion resistance tester for coated metal material
JP6436688B2 (ja) 塗装金属材の耐食性評価方法及び耐食性評価装置
JP6733844B1 (ja) 被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP6835281B1 (ja) 計測方法及び計測装置、並びに、被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP6835279B1 (ja) 電極部装置、被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP7088396B1 (ja) 被覆金属材の耐食性試験方法、耐食性試験装置、耐食性試験用プログラム及び記録媒体
JP6801805B1 (ja) 計測方法及び計測装置、並びに、被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP2022001856A (ja) 傷の処理方法及び処理装置、並びに、被覆金属材の耐食性試験方法及び耐食性試験装置
JP2018115942A (ja) 侵入水素評価方法、侵入水素評価システムおよび侵入水素評価用セル
JP6813122B2 (ja) 被覆金属材の耐食性試験方法
Wu et al. Rapid corrosion testing of polymer coated steel using a constant voltage
JP2015114287A (ja) 保護膜の性能評価方法および保護膜の性能評価装置
Payer et al. Influencing Factors in Cathodic Disbondment of Fusion Bonded Epoxy Coatings

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190312

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6565979

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150