JP2011033596A - 腐食試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐食が比較的緩やかに進行する環境下で利用される端子付き電線の耐食性の評価に適した腐食試験方法、及び腐食試験システムを提供する。
【解決手段】この腐食試験方法は、導体10cの外周に絶縁層10iを具える電線10の端部に端子部材11が取り付けられた試料1を一対用意し、各試料1の端子部材11を離間して配置して電解質を含有する流体5に浸漬させ、この状態で、電源装置3により試料1に定電流を通電する。通電されることで両端子部材11間には、端子部材11間に介在された流体5を介してリーク電流が流れ、このリーク電流により、端子部材11が腐食する。通電は、端子部材11の露出面積に対して、電流値を0.19mA/mm2未満とし、電荷量が20C/mm2以下となる範囲の時間で行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属材料からなる部材の耐食性を調べるための腐食試験方法、及び腐食試験システムに関するものである。特に、車両の居住空間内といった屋内環境に配置される金属部材に適した腐食試験方法に関するものである。
各種の金属材料から構成される工業製品の耐食性を調べるための腐食試験方法として、JIS規格の塩水噴霧試験が知られている。この試験では、35℃の塩化ナトリウム水溶液といった腐食溶液が噴霧された雰囲気中に試験片を曝して、所定時間(例えば、数百時間)後の試験片の腐食状況を目視などにより確認することで耐食性を評価する。
JIS Z 2371 塩水噴霧試験、2000年(平成12年)2月20日改正
塩水噴霧試験といった従来の腐食試験方法では、実環境の模擬試験として適切でない場合がある。
上記塩水噴霧試験は、腐食の進行が速い環境、例えば、自動車のエンジンルームや屋外などの環境を模した加速試験という位置付けである。これに対し、例えば、車両の居住空間内や家屋、建物の室内といった屋内環境に配置された部材は、通常、雨や海水、腐食ガスなどに直接接触し難いことから、エンジンルームや屋外などに配置された場合と比較して腐食の進行が遅いと考えられる。従って、上記屋内環境に配置される部材の耐食性を評価するにあたり上記塩水噴霧試験を利用すると、適切な評価が得られないことがある。
また、上述のような腐食の進行が比較的遅い環境におかれる部材では、部分的に腐食が生じることがある。例えば、端子付き電線のように、金属材料からなる部材(電線の導体と端子)同士が近接して配置される場合において、電線に具える導体に比して端子が主として腐食することがある。しかし、端子付き電線に対して塩水噴霧試験を行うと、電線に具える導体及び端子の双方ともに腐食する。従って、塩水噴霧試験では、上記端子が主として腐食する環境が模擬されておらず、このような環境の腐食状態を適切に評価することが非常に難しい。
更に、自動車の車載システムなどの構成部材には、多種多様な金属材料が用いられてきていることから、異種の金属材料からなる部材間で電気腐食(電食)が生じ得る。このような電食が生じ得る部材に塩水噴霧試験を行うと、電食による試験片の損傷が大き過ぎて、耐食性の評価が実質的にできない。
このように塩水噴霧試験方法では適切な評価が得られ難い環境や条件が存在しており、塩水噴霧試験方法では適切な評価が得られ難い環境、例えば、腐食が比較的緩やかに進行する環境を模擬した腐食試験方法の開発が望まれる。
そこで、本発明の目的の一つは、腐食の進行が比較的緩やかな環境を模擬して、耐食性を評価することができる腐食試験方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記腐食試験方法の実施に適した腐食試験システムを提供することにある。
本発明者らは、10年以上の経年自動車の居住空間内に配置されたワイヤーハーネス(複数の電線の端部に端子が取り付けられて束ねられた電線群)について、特に端子の腐食状況を調べた。上記端子は、複数の端子をそれぞれ挿入可能な複数の嵌合穴を有する一つのコネクタに差し込まれていたもの、即ち、狭い空間に複数の端子が密集して配置された環境で使用されていた黄銅製の端子である。これらの各端子は、脱亜鉛(Zn)腐食や脱亜鉛に伴う隙間や欠けが多く認められ、端子を構成する黄銅自体が腐食により欠損した箇所が少なく、ほとんど見られなかった。特に、端子の表面側から内側(電線と接触する側)に向かって脱亜鉛腐食が生じていた。また、導体を構成する銅の腐食がほとんど見られなかった。このことから、上記端子の使用環境は、特に、脱亜鉛腐食の方が黄銅そのものが溶出する腐食よりも生じ易い環境であると考えられる。このような環境を模擬した腐食試験として、上述した塩水噴霧試験に類似の塩水浸漬試験(2日間、60℃に保持)を行ったところ、黄銅の端子だけでなく、銅の導体も腐食していた。従って、この条件の腐食試験は、上記端子が主として腐食する環境を再現した加速腐食試験とは言えない。
そこで、本発明者らは、適切な腐食試験条件を得るために、上記採取した端子の環境を更に検討したところ、当該端子の表面側領域において脱亜鉛腐食が生じた箇所では、砂や埃などの粉塵の付着が顕著であり、かつこの粉塵には塩素(Cl)やナトリウム(Na)などが付着していた。また、上記コネクタの隣り合う嵌合穴に挿入された端子間を繋ぐように上記粉塵が付着していた。
上記採取した端子の状態から、銅の導体に比較して黄銅の端子の脱亜鉛腐食が生じた理由は、以下のように推定される。粉塵の表面に塩化ナトリウム(NaCl)といった電解質、特に吸湿性を有する電解質が付着すると、粉塵における付着部分近傍の雰囲気の露点が低下し、雰囲気中の水分が吸着され易くなる。露点の低下により、上記雰囲気が水分を吸着し易くなった結果、上記付着部分近傍は、電解質を含む大気中の水分を吸着し易くなる。即ち、電解質が更に付着され易くなる。経時的に電解質が付着されていくと共に、電解質が付着した状態で温度変化や乾湿の繰り返しなどにより、粉塵の表面の電解質が濃化する(増加する)。この濃化した電解質が水分を吸着して電解液となり、この電解液が隣り合う端子間に介在することで、電圧が印加されている端子間に微小な電流(リーク電流)が流れ得る。また、上記粉塵は、一般に非金属絶縁材料から構成されており、このような絶縁物が端子間に介在することにより、端子間に流れる電流は微小になると考えられる。そして、このリーク電流では、端子を構成する黄銅そのものが溶出するような腐食が生じ難く、黄銅中の亜鉛が溶出する脱亜鉛腐食が生じ易くなったと推測される。また、このリーク電流では、銅の導体の腐食に影響を与え難かったと推測される。
以上の知見から、本発明では、車両の居住空間内や室内といった腐食が比較的緩やかに進行する環境、特に、リーク電流により腐食が生じるような環境を模擬した加速腐食試験方法として、端子部材といった腐食試験対象と別途用意した電極材との間に電解質を含む流体を介在させた状態で、上記腐食試験対象と上記電極材とに一定の大きさの微弱な電流を通電することを提案する。
本発明の腐食試験方法は、導体の外周に絶縁層を具える電線の端部に端子部材を取り付けた試料の腐食状況を調べるための方法に係るものであり、以下の工程を具える。
上記試料と電極材とを用意して、当該試料の端子部材と当該電極材とを離間して配置する工程。
上記試料の端子部材と上記電極材との間に、電解質を含有する流体を介在させた状態を維持しながら、当該試料の端子部材と当該電極材との間に電流が流れるように、上記試料と上記電極材とに定電流を通電する工程。特に、この通電は、電流値を0.19mA/mm2未満とし、電荷量が20C/mm2以下となる範囲の時間で行う。そして、上記通電後、上記試料の端子部材の腐食状況を評価する。
上記構成によれば、塩水(NaCl水溶液)といった、電解質を含む流体を利用していながらも、電流値及び電荷量の双方を小さくすることで、塩水噴霧試験といった従来の腐食試験方法と比較して、試料の腐食の進行を遅くする(緩やかにする)ことができる。例えば、試料の一部が主として腐食し、残部が腐食し難いといった腐食状態にすることができる。従って、上記構成によれば、従来の塩水噴霧試験や上述した塩水浸漬試験では適切な評価が難しいと考えられる腐食環境、即ち腐食が比較的緩やかに進行する環境を模擬した加速腐食試験として利用することができると期待される。上記腐食環境として、例えば、狭い空間に密集して配置された複数の端子部材間に生じるリーク電流によって腐食が生じる環境が挙げられる。
また、上記構成によれば、定電流としていることで電荷量を精度良く制御することができ、所定の条件の腐食環境の再現性が高いと期待される。本発明者らは、上記採取した端子と同様の腐食状態を得るために、端子部材を具える電線を一対用意し、両端子部材を離間させてNaCl水溶液といった腐食液に浸漬し、当該端子部材間に腐食液を介在させた状態で、両端子部材間に一定の電圧を印加させてリーク電流を生じさせた。その結果、一方の端子部材(正極側に配置されたもの)は、上記採取した端子の腐食状態と非常によく似た腐食状態となっており、この試験(以下、定電圧試験と呼ぶ)は、再現性があることを確認した。しかし、複数回に亘って上記定電圧試験を行ったところ、電圧の大きさによっては電圧を一定としていても電流値にばらつきが生じることがあった。この電流値のばらつきにより、通電時間を一定としていても電荷量が異なるため、腐食状態にもばらつきが生じる恐れがある。そこで、本発明では、所定の腐食環境を安定して繰り返し得ることができるように、即ち、再現性を高めるために電圧ではなく電流を一定の大きさとする。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[試料]
本発明腐食試験方法に適用する試料は、導体の外周に絶縁層を具える電線と、この電線の端部に取り付けられた端子部材とを具える端子付き電線とする。このような端子付き電線として、代表的には、自動車や飛行機、産業用ロボットなどのワイヤーハーネスに用いられるものを利用することができる。即ち、試料は、ワイヤーハーネスなどに実際に使用する電線や端子部材と同様な仕様(材質、大きさ(線径や厚さなど)、形状など)のものを用いることができ、電線や端子部材の仕様は特に問わない。所望の電線や端子部材を模した試料を別途作製して利用してもよい。導体や端子部材の材質には、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。端子部材を構成する銅合金は、黄銅や、Cu-Sn-Fe-P系合金、Cu-Ni-Si系合金が代表的である。黄銅からなる端子部材を試料の構成要素に利用する場合、本発明により、脱亜鉛腐食の状態を調べられる。電線の導体には、単線、撚り線、圧縮撚り線材などが挙げられ、絶縁層の材質や厚さなども種々のものがある。端子部材には、雄型、雌型、圧着型、溶接型などの種々の形態が挙げられる。試料に利用する電線は、端子部材の取り付け、及び後述する電源手段の取り付け、その他適宜後述する流体槽への配置に必要な長さを有していればよく、その長さは適宜選択することができる。本発明では、上記試料、即ち、1本の電線の一端部に一つの端子部材が取り付けられた形態のものを少なくとも一つ用意する。そして、この試料は、後述する電源手段の正極側に接続する。
[電極材]
本発明腐食試験方法では、上記試料と、電極材と、後述する電解質を含有する流体とにより、リーク電流のための回路を構成する。後述する試験例で述べるように、リーク電流により腐食が生じ得るのは、電源手段の正極側に接続された試料である。従って、電源手段の負極側に接続させる電極材は、通電が可能なもの、即ち、導電性材料から形成された種々の形態のものが利用できる。例えば、上記試料と同様の形態のもの、即ち、上記試料を一対用意し、一方を電極材として利用してもよい。その他、電極材として導電性材料からなる板材や棒材などを利用することができる。板材や棒材を構成する導電性材料は、試料の端子部材の構成材料と同じ素材でも異なる素材でもよい。例えば、試料の端子部材が黄銅からなる場合、黄銅や銅からなる板材や棒材を利用することができる。
[電解質を含有する流体]
《電解質》
本発明では、電解質を含有する流体を腐食液として利用する。電解質は、例えば、Na,Cl,Mg,K,Ca,SO4 2-,SO3 2-,NO3 -及びNH4 +から選択される1種以上の元素又はイオンを含むものが挙げられる。代表的には、NaCl,MgCl2,CaCO3,KCl,Na2SO4,H2SO3,Cu(NO3)2,NH4Cl,FeCl3,及びFeCl2から選択される1種以上の化合物が挙げられる。流体は、1種又は複数種の電解質を含有していてもよい。上記化合物は、代表的には流体中にイオンとして存在する。上記流体中の電解質の濃度は適宜選択することができ、上限は特に設けないが、低過ぎるとリーク電流が十分に生じ難くなるため、0.005質量%以上が好ましい。
《流体の形態》
電解質を含有する流体の溶媒には、代表的には水(純水)が挙げられる。即ち、電解質を含有する流体は、代表的には電解質を含む水溶液が挙げられる。水溶液は、中性、酸性、アルカリ性のいずれでもよく、NaCl水溶液のような中性水溶液は取り扱い易い。また、水溶液は、作製や入手が比較的容易であり、腐食試験を行う際の利便性に優れる。上記Na,Cl,Mg,K,Caなどの元素は、海水に含有されており、上記水溶液として特に海水や人工海水を利用すると、入手が容易である上に、実際の環境(例えば、海岸際)に更に近い環境を模擬することができると考えられる。上記流体にNaCl水溶液を利用する場合、NaClの濃度は0.005質量%以上が好ましく、0.05質量%以上27質量%以下が利用し易いと考えられる。上記流体に水溶液を利用する形態では、当該流体に上記試料の端子部材と電極材とを離間した状態で浸漬することで、これら端子部材と電極材との間に電解質を含有する流体を容易に介在させられる上に、上述のように流体の準備が容易であるため、試験の作業性に優れる。
或いは、電解質を含有する流体は、腐食試験時に生成されるようにしてもよい。例えば、複数の粒状体の表面に電解質が付着した電解質担持体を用意し、離間して配置された上記試料の端子部材と上記電極材とに接触すると共に、当該端子部材と当該電極材との間に介在されるように上記電解質担持体を配置し、この状態で当該試料と当該電極材とを恒温恒湿状態に保持する形態が挙げられる。恒温恒湿状態に保持することで、粒状体に付着した電解質が雰囲気中の水分に溶けて電解質を含む水溶液が生成され、この水溶液は、上記端子部材と上記電極材間に介在することができる。従って、この形態も、腐食試験時(特に、通電時)における環境を、上述した電解質を含有する水溶液に上記試料の端子部材と上記電極材とを浸漬する形態と同様の環境とすることができる。そのため、この形態も、上述のように恒温恒湿状態に保持しながら定電流を通電することで、腐食が緩やかに進行する環境、特にリーク電流により腐食が生じるような環境における加速腐食試験方法として利用することができる。また、この形態は、上記電解質担持体を利用することで、上述の経年自動車から採取した端子、即ち、電解質が付着した砂や埃などの粉塵が付着した端子の周囲環境に更に近い環境を模擬できると期待される。
上記粒状体は、溶媒に実質的に溶けず、それ自体が腐食されず、かつ上記試料の端子部材と上記電極材との間を短絡させない非金属材料あって、電気絶縁性が高い(或いは電気抵抗値が大きい)材料(非金属絶縁材料)からなるものが好適に利用することができる。例えば、セラミックスなどの無機材料や樹脂などの有機材料、溶媒(代表的には水)に溶解し難い或いは不溶な塩などからなる粒状体が挙げられる。セラミックスは、例えば、炭化珪素(SiC)、二酸化珪素(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化鉄、窒化珪素、ホウ化チタン、酸化ベリリウム、タルク、カオリナイト(カオリン、白陶土)などが挙げられる。セラミックスは、一般に、水に溶けず、耐熱性、耐水性に優れ、高温高湿状態に保持しても変質し難い上に、耐久性に優れるため再利用が可能である。また、上記列挙したセラミックスは、一般に、絶縁性が高いものが多く、このような絶縁性に優れるセラミックスからなる粒状体を利用すれば、試料への通電時、粒状体には実質的に電流が流れない。水に溶けない塩は、例えば、炭酸カルシウム(CaCO3)などが挙げられる。異なる材質の粒状体を複数種組み合わせて用いてもよい。このような粒状体が介在することで、試料の端子部材と電極材との間に流れるリーク電流も小さくなり易いと考えられる。
また、上記粒状体は、上記電解質を保持できれば特に形状を問わない。粒子状でも繊維状でもよく、角張ったものでも丸みを帯びたものでもよい。例えば、模擬したい粉塵に応じて所望の形状を適宜選択することができる。平均粒径が1μm以上150μm以下程度が利用し易いと考えられる。異なる大きさの粒状体を複数種組み合わせて用いてもよい。
上記電解質担持体は、例えば、上記電解質を含む溶液(代表的には、上述した水溶液)を用意し、この溶液を粒状体に塗布した後、乾燥させることで製造することができる。電解質の付着量は、例えば、溶液の濃度により調整することができ、溶液の濃度が高いほど付着量が多くなる傾向にある。電解質の付着量(イオン濃度)は、模擬したい環境によって適宜選択することができる。電解質担持体の質量を100質量%とするとき、電解質の付着量が0.005質量%以上であると、上記電解質を含有する水溶液を用いた場合と同程度の結果が得られる。電解質の付着量は、0.05質量%以上がより好ましく、特に上限は設けない。また、電解質担持体を構成する粒状体の大きさが上記範囲の大きさであると、試料や電極材に振り掛けたりし易い上に、各粒状体を試料や電極材に接触させ易い。上記電解質担持体は、雰囲気中の水分や生成された電解液が接触できる程度の隙間が設けられるように配置する。
或いは、電解質を含有する流体は、上記水溶液に、上述した非金属絶縁材料からなる粒状体を含有していてもよい。実際の環境では、通常、砂や埃などの粉塵が存在する。従って、上記粉塵を模した粒状体を含有した流体を用いることで、実施の環境により近い環境を模擬できると期待される。このような流体として、例えば、カオリナイトといった粘土鉱物を含む泥を利用することができる。このような粒状体を含有する流体を利用する形態も、上記試料の端子部材と上記電極材とを離間した状態で当該流体に浸漬することで、上記試料の端子部材と上記電極材との間に当該流体を容易に介在させられる。このとき、上記試料の端子部材と上記電極材との間に粒状体が介在されても、この粒状体が非金属絶縁材料から構成されることで、この粒状体により上記試料の端子部材と上記電極材との間が短絡されることが無く、逆に、絶縁材料からなる粒状体が介在することで、両者間に流れる電流を微小にし易いと考えられる。
[電流条件]
そして、本発明腐食試験方法では、上記試料及び上記電極材に一定の大きさの電流を所定時間通電する。ここで、上記塩水浸漬試験を行った試料が導体までも腐食した原因の一つとして、電荷量の大小が影響すると考えられる。そこで、後述する試験例に示すように、電荷量(C(クーロン))を一定として、電流値(A)の大きさを変えて腐食状況を調べたところ、電荷量(C)を一定にしても、端子部材の露出面積に対して単位面積当たりの電流値(mA/mm2)が大き過ぎると、上記採取した端子と同様な腐食状態が得られなかった。即ち、電荷量(C)を特定の大きさにするだけの条件では、腐食が比較的緩やかに進行する環境、特に、リーク電流により腐食が生じるような環境を模擬することが難しいと考えられる。また、上記端子部材の単位面積当たりの電流値がある程度小さくても通電時間が長くなると、即ち、単位面積当たりの電荷量(電荷量=電流値×時間)が大きくなると、上記塩水噴霧試験や塩水浸漬試験を行った場合と同様な腐食状態になると考えられる。従って、電流値を特定の大きさにするだけの条件でも、腐食が比較的緩やかに進行する環境、特に、リーク電流により腐食が生じるような環境を模擬することが難しいと考えられる。更に、上述のように腐食対象となる試料の端子部材の腐食状態は、当該端子部材の露出面積(mm2)に依存する傾向にあり、電流値(A)自体や電荷量(C)自体が大きくても、単位面積当たりの値が小さければ、腐食が比較的緩やかに進行する環境、特に、リーク電流により腐食が生じるような環境を模擬することができると考えられる。
以上のことから本発明では、端子部材の露出面積に対して、電流値を0.19mA/mm2未満(0mA/mm2を除く)、かつ電荷量を20C/mm2以下(0C/mm2を除く)、即ち、通電時間を電荷量が20C/mm2以下となる時間とする。上記端子部材の露出面積における単位面積当たりの電流値や電荷量が小さ過ぎると、腐食が進み難く、加速試験を望む場合は、電流値を0.001mA/mm2以上、電荷量を0.125C/mm2以上とすることが好ましい。特に、電流値:0.005mA/mm2以上0.15mA/mm2以下、電荷量:0.15C/mm2以上15C/mm2以下がより好ましい。本発明では、このように微弱な定電流を上記試料に通電することにより、電荷量を容易に、かつ正確に制御すると共に、所望の腐食環境を良好に再現して、腐食状況を精度良く評価することができる。
なお、自動車の車載システムなどの構成部材には、めっきが施されたものがある。めっきは使用環境により熱劣化(母材金属の熱拡散)してめっきの組成が変化する可能性が考えられる。この組成の変化により、めっき付き部材は、耐食性が変化する可能性が考えられる。本発明者らが、上述の経年自動車の居住空間内に配置されためっき付きの端子の腐食状況を調べたところ、端子を構成する母材金属がめっき中に拡散して、この母材金属とめっきを構成する金属とが合金化している部分がめっき中に認められた。この合金化は、熱劣化により生じたと考えられる。一般に、合金は、純金属に比較して腐食の進行が速い。そのため、特に、めっき付き端子といった、めっきが施された部分を有する金属部材の耐食性を調べる場合、試料に熱処理を施してめっきを合金化させたものを利用すると、例えば、上述のような自動車の居住空間内に配置されためっき付き端子であって、めっきが合金化した状態を模擬した加速試験を実現できると考えられる。そこで、めっき部を有する金属部材の耐食性を評価する場合、母材表面にめっきが施されためっき部を有する試料を用意し、この試料に適宜熱処理を施してめっき部を合金化させたものを利用することを提案する。
上記熱処理の条件は、めっきの組成やめっきを施す母材の組成、想定する熱劣化の度合いなどを考慮して設定することができる。例えば、母材が銅又は銅合金であり、めっきが錫である場合、熱処理条件は、加熱温度:100〜200℃、加熱時間:2〜600時間が挙げられる。なお、めっきの種類によっては、めっき後リフロー処理などの熱処理を行うことがある。リフロー処理により、めっきの一部、特に母材側の領域が合金化することがある。これに対し、熱処理を更に施して、めっきにおける合金領域をリフロー処理時のみの場合よりも多くすることで、熱劣化を加速的に模擬することができる。めっきの全てを完全に合金化してもよい。
[腐食試験システム]
上記本発明腐食試験方法において、電解質を含有する流体が特に上述した水溶液である場合、例えば、以下の本発明の腐食試験システムを好適に利用することができる。本発明の腐食試験システムは、導体の外周に絶縁層を具える電線の端部に端子部材を取り付けた試料の腐食状況を調べるためのシステムに係るものである。このシステムは、電解質を含有する流体と、この流体が貯留される流体槽と、上記試料の電線と電極材とに取り付けられて、当該試料及び当該電極材に電力を投入する電源手段とを具える。上記流体槽には、用意した上記試料の端子部材と上記電極材とが離間した状態で浸漬される。上記電源手段は、上記試料の端子部材と上記電極材との間に介在された上記流体を利用して当該試料の端子部材と当該電極材との間に電流が流れるように、上記試料と上記電極材とに定電流を通電する。このシステム及び後述するシステムを用いて上記本発明腐食試験方法を実施する場合、通電時の電流値は、0.19mA/mm2未満とし、通電時間は、電荷量が20C/mm2以下となる範囲で設定する。
上記流体槽は、流体の貯留が可能な適宜なものを利用することができる。電源手段は、定電流の通電が可能な適宜な市販の電源装置を利用することができる。
その他、本発明腐食試験方法を実施するにあたり、試料を恒温恒湿状態に保持してもよい。恒温恒湿とすることで、上記流体の温度が均一的になり、対流による影響を低減したり、水分の蒸発などによる流体の電解質濃度の変動や水分の枯渇の恐れを低減したりすることができると期待される。恒温恒湿状態に保持する場合、上記システムには、恒温恒湿手段を具えるとよい。また、定電流を通電後、非通電状態で恒温恒湿に一定時間保持してから、腐食状況を評価してもよい。或いは、定電流の通電と、非通電状態での恒温恒湿の保持とを交互に繰り返すサイクル試験を行ってもよい。
上記本発明腐食試験方法として、特に、上述した、試験時に電解質を含有する流体が生成される形態とする場合、例えば、以下の腐食試験システムを好適に利用することができる。この腐食試験システムは、導体の外周に絶縁層を具える電線の端部に端子部材を取り付けた試料の腐食状況を調べるためのものである。特に、このシステムは、上記試料の端子部材と上記電極材との間を離間した状態で恒温恒湿に保持する恒温恒湿手段と、上述した電解質を付着した粒状体(電解質担持体)と、上記恒温恒湿手段により恒温恒湿状態に保持された上記試料の端子部材と上記電極材との間に電流が流れるように上記試料と上記電極材とに電力を投入する電源手段とを具える。上記電解質担持体は、上記試料の端子部材と上記電極材とに接触すると共に、上記試料の端子部材と上記電極材との間に介在するように配置される。上記電源手段は、上記試料の電線と上記電極材に取り付けられる。
上記システムでは、恒温恒湿手段に装入することで雰囲気からの水分と、粒状体に付着した電解質とにより、電解質を含有する流体が生成され、上記試料の端子部材と上記電極材との間に当該流体を介在させられる。そのため、上述のようにこの流体を利用して上記試料の端子部材と上記電極材との間にリーク電流を流すことができる。なお、通電を開始する時間は、恒温恒湿の保持を開始する時間とずれていてもよく、通電時間と恒温恒湿状態の保持時間とが異なっていてもよい。例えば、所定時間、恒温恒湿状態に保持した後、通電を開始してもよい。この場合、通電開始時に、端子部材と電極材との間に電解質を含有する流体を介在させた状態とすることができる。
本発明腐食試験方法及び本発明腐食試験システムによれば、リーク電流に起因する腐食といった、腐食が比較的緩やかに進行する環境を模擬した加速腐食試験に相当することができ、当該環境における耐食性を評価することができる。
図1(I)は、本発明腐食試験方法に利用する試料の概略構成図、図1(II)は、本発明腐食試験システムに一対の上記試料を配置した状態を示す説明図である。 図2は、実試料の端子部材、及びNaCl水溶液を用いた腐食試験を行った試料の端子部材の断面顕微鏡写真(25倍)であり、図2(I)は実試料(試料No.100)、図2(II)は電流値を0.2mAとした試料No.1、図2(III)は電流値を1mAとした試料No.2を示す。 図3は、NaCl水溶液を用いた腐食試験を行った試料の端子部材の断面顕微鏡写真(25倍)であり、図3(I)は電流値を3mAとした試料No.3、図3(II)は電流値を5mAとした試料No.4を示す。 図4は、電解質が付着した粒状体(電解質担持体)を用いた腐食試験を行った試料No.10の端子部材の断面顕微鏡写真(25倍)である。
<試験例>
電線の端部に端子部材を取り付けた端子付き電線を複数用意して試料とし、種々の条件で腐食試験を行って、各試料の腐食状況と経年の実製品(実試料)の腐食状況とを比較して、腐食試験方法の評価を行った。
《実試料》
比較対象となる実試料として、砂塵が存在する環境において10年以上20年未満使用された普通自動車の居住空間に配置された銅電線と、この電線の一端に接続された黄銅端子とを具えるものを用意した(実試料No.100)。
《腐食試験》
ここでは、NaCl水溶液を用いた腐食試験(形態I)と、電解質が付着した粒状体(電解質担持体)を用いた腐食試験(形態II)と、泥を用いた腐食試験(形態III)との三つの腐食試験を行った。これら三つの腐食試験に共通に用いた試料、キャビティ、及び電源装置(電源手段)と、上記形態I,IIIに用いた流体槽、上記形態IIに用いた電解質担持体、及び恒温恒湿装置をまず説明する。
<試料>
形態I〜IIIでは、いずれも同じ構成の試料1を一対用意して腐食試験を行った。各試料1は、図1(I)に示すように電線10の一端に端子部材11が接続された端子付き電線(圧着電線)である。電線10は、導電性材料からなる複数の金属素線を撚り合わせてなる導体10cと、導体10cの外周を覆う絶縁材料からなる絶縁層10iとを具え、一端側の絶縁層10iを剥ぎ取って導体10cを露出させている。この露出箇所に端子部材11が取り付けられている。端子部材11は、導電性材料からなる金属板材の両縁側に適宜切り込みを入れ、切片を折り曲げて形成したものである。具体的には、端子部材11は、上記板材の一端側の両切片を縁側が接するように適宜折り曲げられて形成された矩形筒状の雌端子部12と、電線10の絶縁層10i部分を挟持するように、板材の他端側の両切片を折り曲げて形成されたインシュレーションバレル部13と、雌端子部12とインシュレーションバレル部13との間に存在し、かつ絶縁層10iから露出された導体10cが縦添えされてこの導体10cを挟持するように板材の中間部分の両切片を折り曲げて形成されたワイヤバレル部14とを具える。露出された導体10cは、その大部分がワイヤバレル部14に覆われ、極一部が露出した状態である。
ここでは、電線10として、導体が純銅からなり、AVSS(自動車用極薄肉低圧電線、JASO D611準拠品)などの自動車に利用されている電線(導体断面積:0.5mm2、絶縁層の材質:塩化ビニル、厚さ:約0.3mm)を適当な長さに切断して利用した。導体は、非圧縮型でも圧縮型でもよい。端子部材11は、母材が黄銅からなり、母材表面に錫めっきを具えるものであり、試料No.1〜4,10,20のいずれも、2.3型雌端子を利用した。このように形態I〜IIIの腐食試験方法ではいずれも、材質やサイズなどが同様である電線及び端子を用いて試料を作製した。但し、試料No.1〜4は、雌端子部12部分を切断して、腐食対象となる端子部材の面積を小さくした。端子部材の面積が小さい試料は、端子部材の面積が大きい試料と比較して、通電時の電流が同じ値でも、単位面積あたりの電流値が大きくなる。そのため、腐食試験を加速し易くなると期待される。
試料No.5,6は、端子付き電線ではなく、一対の黄銅板(露出面積:260mm2)を用意して腐食試験を行った。
<キャビティ>
形態I〜IIIではいずれも、一対の試料1をキャビティ4に配置して利用した。キャビティ4は、外観が四角柱状の部材であり、試料1の端子部材11部分が挿入される複数の挿入孔4hを具える。このキャビティ4は、自動車用ワイヤーハーネスの端子が接続されるFコネクタを模擬したものである。各挿入孔4hは、複数の試料1の軸方向が平行するように設けられている。従って、一つの挿入孔4hに一つの試料1を挿入し、この挿入孔の隣りの挿入孔に別の試料1を挿入すると、両試料1は、図1(II)に示すように並列に配置され、所定の間隔をあけて配置された状態に維持される。ここでは、キャビティ4をポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂により形成し、隣り合う挿入孔4h間の中心間距離(一対の端子部材11間の離間距離)を約3mmとした(2.3型雌端子を用いた試料No.1〜4,10,20)。試料の端子部材と電極材の間の間隔(ここでは端子部材11間の間隔)は、適宜選択することができる。そして、一対の試料1の雌端子部12をキャビティ4の隣り合う挿入孔4hにそれぞれ挿入して、形態I〜IIIの腐食試験に利用する。キャビティ4を利用することで、離間した状態を確実に維持できると共に、上記ワイヤーハーネスが使用される実環境により即した環境を模擬することができる。キャビティ4を利用せず、一対の試料1を離間した状態で配置するだけでもよい。上記キャビティ4の挿通孔は、貫通孔でも非貫通孔でもよい。ここでは、貫通孔としている。
<電源装置>
試料1の電線10の他端側には電源装置3が接続されて、試料1に電流が通電される。ここでは、電線10の他端側に別途リード線を接続して電源装置3を接続させた。電線10を電源装置3に直接接続させても勿論よい。電源装置3は市販のものを利用した。
<流体槽>
形態I,IIIでは、上記キャビティ4に装着された試料1は、電解質を含有する流体5が貯留される流体槽2に配置される。流体槽2は、所定の流体5を貯留することが可能な適宜なものを利用することができる。
<電解質担持体>
電解質担持体を作製するにあたり、上記実試料No.100を採取した自動車内に落ちていた砂塵を採取し、表面に付着しているイオンの種類と濃度とを調べた。測定は、後述する電解質担持体の付着物質の測定方法と同様にして行った。その結果、Cl-:47、Na+:401、Mg2+:3、K+:866、Ca2+:59885、SO4 2-:189であり(砂塵の質量に対する割合。単位は質量ppm)、複数のイオンの存在が認められた。また、砂塵自体を調べたところ、平均粒径数μmの砂と、平均粒径10μm程度の埃とが混在したものであった。この砂塵をEDX分析したところ、主要な元素は、C,O,Si,Caであり(それぞれ14.1〜24.1質量%)、その他、Na,Mg,Al,S,Cl,K,Feが含まれていた(それぞれ1.4〜5.5質量%)。このことから、この砂塵は、SiO2などのセラミックスを含むと考えられる。
上記砂塵を参照して、ここでは、以下のようにして電解質担持体を作製した。人工海水(NaClの濃度:26質量%、電解質(Na,Cl)を含む水溶液)を200g、平均粒径数μm(10μm以下、上記採取した砂塵と概ね同じ大きさ)の重質炭酸カルシウム(JIS Z 8901(2006)、試験用粉体1-16種)の粉末(粒状体)を100g用意した。上記人工海水及び粒状体はいずれも市販品である。上記重質炭酸カルシウムに代えて、シリカ(SiO2)や後述する形態IIIで利用するカオリンを粒状体に用いてもよい。その他、上述したアルミナなどのセラミックスを粒状体に用いてもよい。
用意した上記炭酸カルシウムの粉末を濾紙上に載せ、用意した人工海水を上記粉末の上から滴下した後、150℃に加熱した恒温槽中に装入して乾燥し、乾燥後に得られた粉末を電解質担持体とした。得られた電解質担持体において、粒状体の表面に付着した物質のイオン濃度(質量ppm)を調べた。イオン濃度は、作製した電解質担持体を0.5g取って、超純水50mlに混入し、90℃×1h保持して、付着物質の抽出を行い、この抽出液をイオンクロマト装置により分析して測定した。その結果、Cl-:6974、Na+:3781、Mg2+:306、K+:113、Ca2+:161であった(電解質担持体の質量(0.5g)に対する質量割合。単位は質量ppm。合計11,174質量ppm≒1.1質量%)。この結果から、作製した電解質担持体は、複数種のイオンが存在していると共に、イオン濃度が0.05質量%以上であることが確認できた。また、これらのイオンは、上記実試料を採取した自動車内に落ちていた砂塵に付着していたイオンと同種であることが確認できた。
<恒温恒湿装置>
形態IIでは、上記キャビティ4に装着された試料1に、上記電解質担持体を配置した状態で恒温恒湿装置(図示せず)に装入し、所定の温度及び湿度に保持する。恒温恒湿装置は市販のものを利用した。
《形態I:NaCl水溶液を用いた腐食試験、試料No.1〜6》
形態Iでは、電解質を含有する流体5として、NaClの濃度が5質量%のNaCl水溶液を用意し、以下の手順で腐食試験を行った。上記キャビティ4に配置した試料1を流体槽2内に配置した後、流体槽2に上記流体5を満たし、端子部材11の全体及び電線10の一部を流体5に浸漬させる。ここでは、キャビティ4の挿入孔4hの一方の開口部(試料1が挿入されていない方の開口部)から流体5が浸入しないように、上記開口部を図示しない絶縁テープで塞いだ。この点は、形態IIIについても同様である。
一対の試料1の他端側に電源装置3を接続する。なお、この接続は、試料1への通電前であれば任意のときに行え、試料1を流体槽2内に配置する前でもよい。この工程により、電解質を含有する流体5と、流体5が貯留されると共に、試料1の端子部材11と電極材(ここでは一方の試料1、以下同様)とが離間した状態で浸漬される流体槽2と、試料1の電線10と電極材とに取り付けられ、端子部材11と電極材との間に介在された流体5を利用して端子部材11と電極材との間に電流が流れるように、試料1と電極材とに定電流を通電する電源装置3とを具える腐食試験システムが構築される。
上記試料1及び流体槽2を常温常圧下に配置した状態で、電源装置3により、表1に示す一定の大きさの電流を試料1に所定時間流す。ここでは、電荷量が50Cとなるように、通電時間を調整した。例えば、試料No.1(電流値:0.2mA)では、通電時間が250000秒(69時間26分40秒)、試料No.4(電流値:5mA)では、通電時間が10000秒(2時間46分40秒)である。所定時間経過後、通電を停止して、流体槽2から試料1を取り出す。
試料No.5,6は、一対の黄銅板を離間した状態で(離間距離30mm)、流体槽2内の流体5(上記5%NaCl水溶液)に浸漬し、この状態で、表1に示す一定の大きさの電流を所定時間流して、腐食試験を行った。
《形態II:電解質担持体を用いた腐食試験、試料No.10》
形態IIでは、以下の手順で腐食試験を行った。
試料1が挿入されたキャビティ4の挿入孔4hに、作製した電解質担持体を充填すると共に、挿入孔4hから露出された電線10の一部を埋めるように電解質担持体を配置する。この工程により、各試料1の端子部材11の少なくともインシュレーションバレル部13及びワイヤバレル部14は、電解質担持体に接触すると共に、両端子部材11間に電解質担持体が介在された状態になる。また、ここでは、電線10の一部も電解質担持体で覆って両試料1間に電解質担持体を存在させることで、両試料1間にキャビティの壁が存在しても、一方の端子部材11から他方の端子部材11にリーク電流が流れ得る。また、キャビティ4の挿入孔4hが貫通孔であることで、貫通孔の一方の開口部(試料が挿入されていない方の開口部)近傍に存在する電解質担持体により、隣り合う挿入孔に挿入された両端子部材の雌端子部間にも電解質担持体が介在された状態とすることができる。
一対の試料1の他端側に電源装置3を接続する。この接続は、形態Iと同様に試料1への通電前であれば任意のときに行え、電解質担持体を試料1に配置する前などでもよい。
上記電解質担持体が配置された試料1及びキャビティ4を恒温恒湿装置に装入する。恒温恒湿装置に装入後、試料1を恒温恒湿状態に所定時間保持する。ここでは、30分保持した。恒温恒湿条件は、温度:75℃、湿度:95%RHとした。恒湿状態に保持することで、電解質担持体の粉末に付着した電解質と、雰囲気中の水分とにより電解液が生成され、端子部材11間に電解質を含有する流体が介在することができる。
所定時間(30分)経過後、上記恒温恒湿条件の恒温恒湿状態に保持しながら、電源装置3により、表1に示す一定の大きさの電流を試料1に所定時間流す。ここでは、電荷量が50Cとなるように、通電時間を調整した。所定時間経過後、通電を停止して、恒温恒湿装置から試料1を取り出し、電解質担持体を除去する。
《形態III:泥を用いた腐食試験》
形態IIIでは、電解質を含有する流体5として、NaClの濃度が5質量%のNaCl水溶液(50ml)にカオリン(30g)を混合した泥を用意した。そして、形態Iと同様に、キャビティ4に配置した試料1を流体槽2内に配置してから、流体槽2に流体5(泥)を注入して、試料1の端子部材11の全体及び電線10の一部を流体5に浸漬させる。
この試料1及び流体槽2を恒温恒湿装置に装入して、30℃、95%RHの恒温恒湿状態に保持する。この状態で、試料1が配置された流体槽2に流体5を注入後30分以内に、電源装置3により、表1に示す大きさの電流の投入を開始して、定電流を試料1に所定時間流す。ここでは、電荷量が250Cとなるように、通電時間を調整した。所定時間経過後、通電を停止して、恒温恒湿装置から試料1を取り出し、泥を除去する。ブラシなどを適宜用いて泥を除去してもよい。
《観察結果》
上記実試料、及び形態I,II,IIIの腐食試験を行った各試料No.1〜6,10,20の腐食状況を評価した。評価は、実試料及び端子付き電線の各試料のそれぞれについて、インシュレーションバレル部をその軸方向と直交するように切断した断面(図1(I)においてX-X切断した断面に相当)を光学顕微鏡(25倍)で観察して行った。試料No.5,6については任意の断面を光学顕微鏡(25倍)で観察して行った。図2に実試料No.100、試料No.1,2、図3に試料No.3,4、図4に試料No.10の観察像を示す。試料No.1〜4は、更に、図1(I)に示すY-Y断面(導体の露出部分を切断した断面)、Z-Z断面(ワイヤバレル部を切断した断面)の観察像も図2,3に示す。図2,3,4において中央部に存在する複数の丸みを帯びた塊は、電線の導体を構成していた各素線、素線の外周に存在する帯状の塊は、端子部材を示す。実試料No.100では、端子部材の一部を除去した状態のX-X断面を示す。また、図2,3,4の端子部材において、色が濃い箇所は銅を示し、色が薄い箇所は黄銅を示す。
上記観察像は、並列させた二つの端子部材のうち、正極側(+側)に配置されたものを観察している。負極側(-側)に配置された端子部材は、形態I〜IIIの腐食試験のいずれも、正極側(+側)に配置された端子部材のような腐食が認められなかった。なお、負極側(-側)に接続する対象として、上記端子部材を具える試料に代えて、試料No.5,6で利用した黄銅板や、その他銅棒などを利用することができる。
そして、上記実試料No.100の観察像の腐食状態に比較して、各試料No.1〜6,10,20の観察像の腐食状態がよく似ている試料(ここでは、脱亜鉛腐食の面積が大きい試料)を○、脱亜鉛腐食の面積が小さい試料を△、腐食状態が全く似ていない試料(ここでは、脱亜鉛腐食を実質的に生じていない試料)を×と評価した。この評価結果を表1に示す。
各試料No.1〜6,10,20について端子部材の露出面積に対する単位面積当たりの電流値(mA/mm2)、及び単位面積当たりの電荷量(C/mm2)を求めた。その結果を表1に示す。また、試料No.1〜6,10,20について、一対の端子部材間の電圧、又は一対の黄銅板間の電圧を通電開始後から測定したところ、通電開始直後から電圧は徐々に上昇し、その後一定の値となった。この一定となった電圧値を系の電圧として表1に示す。更に、試料No.1〜4の脱亜鉛腐食面積及び黄銅の残存面積を、上記観察像を市販の画像処理装置により画像処理することで求めた。その結果を表2に示す。
実試料No.100は、図2(I)に示すように端子部材の全体に亘って、黄銅が銅に変化した部分、即ち脱亜鉛腐食が生じた部分が存在することが分かる。また、脱亜鉛腐食して銅となっている部分は、凹みや空隙が生じていることが分かる。しかし、黄銅部分では欠損や空隙がほとんど見られない。また、導体は、ほとんど腐食していないことが分かる。
一方、電解質を含有する流体を用いて腐食試験を行った試料のうち、試料No.1,2,10は、図2(II),図2(III),図4に示すように端子部材の全体に亘って脱亜鉛腐食が生じた部分が存在したり、銅部分の一部が欠損した部分が生じていることが分かる。このことは、表2からも裏付けられる。表2に示すように、試料No.1,2は、特にインシュレーションバレル部において脱亜鉛腐食の面積が多い。また、試料No.5,20も概ね試料No.1と同様の腐食状態であった。かつ、試料No.1,2,10は、黄銅部分では欠損や空隙がほとんど見られない上に、導体がほとんど腐食していないことが分かる。また、試料No.5,20も試料No.1と同様に黄銅部分の欠損などが見られなかった。この結果から、試料No.1,2,5,10,20に対して行った腐食試験は、実試料No.100の腐食環境を良好に再現しており、このような腐食環境の加速腐食試験に相当すると言える。
一方、試料No.3は、試料No.1,2と比較して脱亜鉛腐食の面積が少ないものの、図3(I)に示すように端子部材の全体に亘って脱亜鉛腐食が生じていることが分かる。
他方、試料No.4は、脱亜鉛腐食がほとんど生じておらず、黄銅自体が溶出して凹みや空隙が生じたりしていることが分かる。また、試料No.4は、導体の腐食も見られる。この結果から、試料No.4に対して行った腐食試験は、実試料No.100の腐食環境を再現できておらず、このような腐食環境を模擬した腐食試験に相応しくないと考えられる。
以上から、端子部材の露出面積における単位面積当たりの電流値が小さいと、端子部材を構成する黄銅自体が流出せず、脱亜鉛腐食が生じ易い傾向にあり、上記電流値が大きいと、端子部材を構成する黄銅自体が流出する傾向にあると言える。このような結果となった原因の一つとして、電流値によって陽極(黄銅)の電極電位が変化していることが考えられる。後述するように試料No.5,6について陽極電位を測定したところ、表1に示すように、試料No.5は、通電時間(25000秒)中、概ね一定の電位を取っているが、試料No.6は、通電時間(1000秒)中、電位が変動している(変動幅が大きい)ことが分かる。
上記陽極電位は、以下のように測定した。参照電極(Ag/AgCl)を用意して、一対の黄銅板と共に電解質を含有する流体(上記5%NaCl溶液、38℃)に浸漬する。参照電極と陽極の黄銅板とに電圧計を取り付け、この状態で、一対の黄銅板に、電荷量:50C、電流値(一定):2mA又は50mAを通電する。この通電時における陽極電位を上記電圧計で測定した。なお、試料No.5(電流値:2mA)の測定結果は、単位面積当たりの電流値が概ね等しいことから、2.3型雌端子を取り付けて0.2mAを通電した試料No.1にも適用できると考えられる。同様に、試料No.6(電流値:50mA)の測定結果は、2.3型雌端子を取り付けて5mAを通電した試料No.4にも適用できると考えられる。
以上のことから、電解質を含有した流体を用い、端子部材を具える試料と電極材とを用意し、当該試料の端子部材と当該電極材との間に当該流体が介在した状態で、一定の大きさの微弱な電流を流す腐食試験方法、特に、端子部材の単位面積当たりの電流値が0.19mA/mm2未満で、かつ、端子部材の単位面積当たり電荷量が20C/mm2以下となるように定電流を流す腐食試験方法は、リーク電流による腐食が生じる環境といった実環境を模擬した加速試験として好適に利用できると期待される。また、この腐食試験方法は、電流を一定とすることで、電荷量を制御し易く、同じ腐食環境を形成し易く再現性に優れることからも、上記リーク電流による腐食が生じる環境を模擬した腐食試験方法として、好適に利用できると期待される。更に、電解質を含有した流体として、NaCl水溶液といった電解液を用いる場合だけでなく、電解質が付着した粒状体(電解質担持体)を用いると共に恒温恒湿状態に保持して試験時に電解質を含有した流体を形成する場合や、上述した泥のような直接腐食に関与しない粒状体を含有した流体を利用する場合も、リーク電流による腐食が生じる環境といった腐食環境を模擬した腐食試験方法として、好適に利用することができると期待される。加えて、この腐食試験方法では、主として端子部材が腐食し、導体が腐食し難い環境を模擬した加速試験として好適に利用することができると期待される。導体の腐食が少ないことで、導体の構成金属と、端子部材の構成金属とが異なる場合にも、端子部材の腐食状況を評価することができると期待される。
上記腐食試験方法を実施するにあたり、例えば、電解質の材質や溶媒の材質、流体や電解質担持体の電解質の濃度、電流値、電荷量、恒温恒湿条件(温度、湿度)などを調整することで、実環境により近い環境を模擬できると期待される。また、通電時の電流値を高めることで、試験時間の短縮(加速試験の高速化)が図れると期待される。
また、めっき部を有する試料を利用する場合、適宜熱処理を施して、めっき部を合金化してから上記形態I〜IIIに適用してもよい。この場合、めっき部が熱劣化により合金化する環境を模擬することができると期待される。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、電解質を含有する流体の電解質の材質や溶媒の材質、電解質の濃度、試料の形態(材質、大きさ、形状など)、試験条件(通電時の電流値、電荷量、恒温恒湿の温度や湿度など)を適宜変更することができる。
本発明腐食試験方法及び本発明腐食試験システムは、腐食の進行が比較的緩やかであると考えられる環境、例えば、自動車の居住空間内や家屋、建物の室内といった屋内環境下で利用される電気電子機器の構成部材であって、リーク電流による腐食が生じ得る部材の耐食性を評価する際に好適に利用することができる。
1 試料 2 流体槽 3 電源装置 4 キャビティ 4h 挿入孔 5 流体
10 電線 10c 導体 10i 絶縁層 11 端子部材 12 雌端子部
13 インシュレーションバレル部 14 ワイヤバレル部

Claims (7)

  1. 導体の外周に絶縁層を具える電線の端部に端子部材を取り付けた試料の腐食状況を調べるための腐食試験方法であって、
    前記試料と電極材とを用意して、当該試料の端子部材と当該電極材とを離間して配置する工程と、
    前記試料の端子部材と前記電極材との間に電解質を含有する流体を介在させた状態を維持しながら、前記試料の端子部材と前記電極材との間に電流が流れるように、前記試料と前記電極材とに定電流を通電する工程とを具え、
    前記通電は、電流値を0.19mA/mm2未満とし、電荷量が20C/mm2以下となる範囲の時間で行うことを特徴とする腐食試験方法。
  2. 前記流体は、電解質を含有する水溶液であり、
    前記流体に前記試料と前記電極材とを浸漬することで、前記試料の端子部材と前記電極材との間に前記流体を介在させることを特徴とする請求項1に記載の腐食試験方法。
  3. 前記流体は、非金属絶縁材料からなる粒状体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の腐食試験方法。
  4. 非金属絶縁材料からなる複数の粒状体の表面に電解質が付着した電解質担持体を用意し、
    離間して配置された前記試料の端子部材と前記電極材とに接触すると共に、当該端子部材と当該電極材との間に介在されるように前記電解質担持体を配置し、
    前記電解質担持体が配置された当該試料と当該電極材とを恒温恒湿状態に保持しながら、前記試料と前記電極材とに定電流を通電することを特徴とする請求項1に記載の腐食試験方法。
  5. 前記電解質は、Na,Cl,Mg,K,及びCaから選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腐食試験方法。
  6. 前記端子部材は、黄銅から構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の腐食試験方法。
  7. 導体の外周に絶縁層を具える電線の端部に端子部材を取り付けた試料の腐食状況を調べるための腐食試験システムであって、
    電解質を含有する流体と、
    前記流体が貯留されると共に、前記試料と電極材とが離間した状態で浸漬される流体槽と、
    前記試料の端子部材と前記電極材との間に介在された前記流体を利用して、前記試料の端子部材と前記電極材との間に電流が流れるように、前記試料と前記電極材とに定電流を通電する電源手段とを具えることを特徴とする腐食試験システム。
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