JP2019032003A - 車両制御装置 - Google Patents

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Xuming Wang
旭明 王
晃 中隠居
Akira Nakainkyo
晃 中隠居
直泰 池田
Naoyasu Ikeda
直泰 池田
孝治 齊藤
Koji Saito
孝治 齊藤
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Abstract

【課題】ロックアップ圧Pluの基準値を学習する際の学習精度を向上させることができる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン1と駆動輪9との間に配置されたトルクコンバータ2が有するロックアップクラッチ20の締結中に、アクセル足離し状態での走行になったとき、トルクコンバータ2と駆動輪9との間に配置されたフォワードクラッチ31を解放し、ロックアップクラッチ20の締結容量を低下させる。このとき、エンジン出力軸11の回転数とトルクコンバータ出力軸21との回転数との回転差が所定値になるときのロックアップクラッチ20への供給油圧であるロックアップ圧Plu(基準値)を学習する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トルクコンバータが有するロックアップクラッチの油圧学習を行う車両制御装置に関するものである。
従来、トルクコンバータが有するロックアップクラッチを締結中に、車両がコースト走行となったとき、ロックアップクラッチの締結容量(以下、「ロックアップ容量」という)を徐々に低下させ、ロックアップクラッチにおけるスリップ回転に基づいてロックアップクラッチへの供給油圧(以下、「ロックアップ圧」という)の学習を行う車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-008321号公報
しかしながら、従来の車両制御装置におけるロックアップ圧の学習には改善の余地がある。すなわち、ロックアップクラッチは、駆動力の入力側にエンジン等の走行駆動源が接続され、駆動力の出力側に駆動輪が接続されている。そのため、ロックアップ圧の学習時、ロックアップクラッチには、駆動力の入力側からのトルク入力と、駆動力の出力側からのトルク入力が生じる。これにより、ロックアップ容量が生じているときと、ロックアップ容量が生じていないときとが切り替わるときのロックアップ圧(以下、「基準値」という)を検知することが難しい。
また、特許文献1に記載の車両制御装置では、ロックアップ圧の学習をコースト走行時に行うので、ロックアップクラッチの入力側及び出力側のそれぞれから入力するトルクは低くなる。しかしながら、トルク入力がゼロではないため、入力トルクに応じて基準値が変動する。そのため、入力トルクが異なると、実際の基準値は、学習した基準値とは異なる値になる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ロックアップ圧の基準値を学習する際の学習精度を向上させることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両制御装置は、走行駆動源と、走行駆動源と駆動輪との間に配置されたトルクコンバータと、トルクコンバータが有するロックアップクラッチと、トルクコンバータと駆動輪との間に配置された摩擦締結要素と、トルクコンバータの入力回転数とトルクコンバータの出力回転数との回転差が所定値になるときのロックアップクラッチへの供給油圧であるロックアップ圧を学習する学習制御部と、を備えている。
そして、学習制御部は、ロックアップクラッチを締結中にアクセル足離し状態での走行になったとき、摩擦締結要素を解放し、ロックアップクラッチの締結容量を低下させてロックアップ圧の学習を行う。
よって、本発明では、ロックアップ圧の基準値を学習する際の学習精度を向上させることができる。
実施例1の車両制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す全体システム図である。 実施例1のCVTコントロールユニットで実行されるロックアップ圧学習処理の流れを示すフローチャートである。 比較例の車両制御装置においてロックアップ圧を学習するときのトルクコンバータへの入力トルクを説明する説明図である。 実施例1の車両制御装置において、ロックアップ圧を学習するときのアクセル開度、アイドルスイッチ、車速、エンジントルク、フォワードクラッチ圧、タービントルク、ロックアップ圧、エンジン回転数、タービン回転数の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の車両制御装置においてロックアップ圧を学習するときのトルクコンバータへの入力トルクを説明する説明図である。 実施例2の車両制御装置が適用されたエンジン車を示す全体システム図である。 実施例2のCVTコントロールユニットで実行されるロックアップ圧学習処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の車両制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
(実施例1)
先ず、構成を説明する。
実施例1における車両制御装置は、締結したときにエンジン出力軸11とトルクコンバータ出力軸21を直結するロックアップクラッチ20を有するトルクコンバータ2を搭載するエンジン車Aに適用したものである。以下、実施例1の構成を「エンジン車の駆動系構成」、「エンジン車の制御系構成」、「ロックアップ圧学習制御処理構成」に分けて説明する。
[エンジン車の駆動系構成]
図1は、実施例1の車両制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、実施例1のエンジン車Aの駆動系構成を説明する。
実施例1の車両制御装置が適用されたエンジン車Aの駆動系は、図1に示すように、走行駆動源であるエンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切換機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪9,9と、を備えている。
エンジン1は、ドライバによるアクセル操作による出力トルクの制御以外に、コーストトルク制御やフューエルカット制御が可能である。なお、コーストトルク制御とは、アクセル足離し状態での走行であるコースト走行時に、エンジン1の出力トルクをコーストトルクにコントロールする制御である。ここで、「コーストトルク」とは、エンジン1の回転数をアイドル回転数に維持するだけのトルクである。
また、フューエルカット制御とは、ロックアップ圧Pluの学習終了信号が入力したときに、エンジン1への燃料供給を停止する制御である。このエンジン1には、エンジン1への燃料供給を制御するフューエル制御アクチュエータ10を有する。
トルクコンバータ2は、ポンプインペラ23と、ポンプインペラ23に対向配置されたタービンランナ24と、ポンプインペラ23とタービンランナ24の間に配置されたステータ26と、を有する。このトルクコンバータ2は、内部に満たされた作動油が、ポンプインペラ23とタービンランナ24とステータ26の各ブレードを循環することによりトルクを伝達する流体継手である。ここで、ポンプインペラ23は、コンバータハウジング22を介してエンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)に連結されている。タービンランナ24は、トルクコンバータ出力軸21に連結されている。ステータ26は、ワンウェイクラッチ25を介して静止部材(トランスミッションケース等)ケースに設けられている。
さらに、このトルクコンバータ2は、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。
ロックアップクラッチ20は、トルクコンバータ2に内蔵され、クラッチ解放によりトルクコンバータ2及び前後進切換機構3を介して、エンジン1とバリエータ4を連結する。また、トルクコンバータ2でのトルク増大機能を必要としないとき等には、このロックアップクラッチ20は締結され、エンジン出力軸11とトルクコンバータ出力軸21を直結する。このロックアップクラッチ20は、後述するCVTコントロールユニット7からロックアップ指令油圧(以下、LU指令油圧という)が出力されると、元圧であるライン圧PLに基づいて調圧されたロックアップ圧Pluにより、締結/スリップ締結/解放が制御される。すなわち、このロックアップ圧Pluが、ロックアップクラッチ20へ供給される油圧となる。
前後進切換機構3は、バリエータ4への入力回転方向を前進走行時の正転方向と後進走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切換機構3は、ダブルピニオン式遊星歯車30と、フォワードクラッチ31(摩擦締結要素)と、リバースブレーキ32(摩擦締結要素)と、を有する。フォワードクラッチ31は、シフトレバーがDレンジ位置のとき、フォワードクラッチ圧Pfcにより複数枚のクラッチプレートを押圧して締結される。リバースブレーキ32は、シフトレバーがRレンジ位置のとき、リバースブレーキ圧Prbにより複数枚のクラッチプレートを押圧して締結される。なお、フォワードクラッチ31とリバースブレーキ32は、シフトレバーがNレンジ位置のときにいずれも解放される。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プーリベルト44と、を有している。このバリエータ4は、ベルト接触径の変化により変速比(バリエータ入力回転数とバリエータ出力回転数の比)を無段階に変化させる無段変速機能を備える。プライマリプーリ42は、バリエータ入力軸40の同軸上に配された第1固定プーリ42aと第1スライドプーリ42bにより構成されている。第1スライドプーリ42bは、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriによりスライド動作する。セカンダリプーリ43は、バリエータ出力軸41の同軸上に配された第2固定プーリ43aと第2スライドプーリ43bにより構成されている。第2スライドプーリ43bは、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecによりスライド動作する。プーリベルト44は、プライマリプーリ42のV字形状をなすシーブ面と、セカンダリプーリ43のV字形状をなすシーブ面に掛け渡されている。このプーリベルト44は、環状リングを内から外へ多数重ね合わせた2組の積層リングと、2組の積層リングに沿って挟み込まれて環状に積層して取り付けられた多数のエレメントにより構成されている。なお、プーリベルト44としては、プーリ進行方向に多数配列したチェーンエレメントを、プーリ軸方向に貫通するピンにより結合したチェーンタイプのベルトであっても良い。
終減速機構5は、バリエータ出力軸41からのバリエータ出力回転数を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪9,9に伝達する機構である。この終減速機構5は、減速ギア機構として、バリエータ出力軸41に設けられた第1ギア52と、アイドラ軸50に設けられた第2ギア53及び第3ギア54と、デフケースの外周位置に設けられた第4ギア55と、を有する。そして、差動ギア機構として、左右のドライブ軸51,51に介装されたディファレンシャルギア56を有する。
[エンジン車の制御系構成]
以下、図1に基づいて、実施例1のエンジン車Aの制御系構成を説明する。
エンジン車Aの制御系は、図1に示すように、油圧制御系である油圧制御ユニット6と、電子制御系であるCVTコントロールユニット7(学習制御部、CVTCU)と、エンジンコントロールユニット8(ECU)と、を備えている。
油圧制御ユニット6は、油圧源コントロールバルブ60と、変速機コントロールバルブ61と、を有する。
油圧源コントロールバルブ60は、エンジン1により回転駆動されるメカオイルポンプ67からの吐出油と、電動モータ68により回転駆動される電動オイルポンプ69からの吐出油との一方を油圧源として選択する。ここで、エンジン1が回転駆動しているエンジン運転中は、油圧源としてメカオイルポンプ67からの吐出油を選択する。また、エンジン1の停止に伴ってメカオイルポンプ67からの吐出油が不足するときには、電動オイルポンプ69からの吐出油を選択する。
ここで、メカオイルポンプ67は、エンジン出力軸11に対してチェーンベルトやスプロケット等を介して設けられている。電動オイルポンプ69は、電動モータ68と共に油圧源コントロールバルブ60に対して一体に固定されている。油圧源コントロールバルブ60は、変速機コントロールバルブ61に対して固定されている。
変速機コントロールバルブ61は、油圧源コントロールバルブ60からの吐出圧に基づいて各種の変速機制御圧を調圧する。調圧バルブとして、ライン圧ソレノイドバルブ62と、プライマリ圧ソレノイドバルブ63と、セカンダリ圧ソレノイドバルブ64と、クラッチ/ブレーキ圧ソレノイドバルブ65と、ロックアップ圧ソレノイドバルブ66と、を有する。
ライン圧ソレノイドバルブ62は、CVTコントロールユニット7から出力されるライン圧指令値に応じ、油圧源コントロールバルブ60からの吐出圧を、指令されたライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、各種の変速機制御圧を調圧する際の元圧であり、駆動系の伝達トルクに対してベルト滑りやクラッチ滑りを抑える油圧とされる。
プライマリ圧ソレノイドバルブ63は、プライマリ圧室45へ供給されるプライマリ圧Ppriを調圧する。セカンダリ圧ソレノイドバルブ64は、セカンダリ圧室46へ供給されるセカンダリ圧Psecを調圧する。クラッチ/ブレーキ圧ソレノイドバルブ65は、フォワードクラッチ31へ供給されるフォワードクラッチ圧Pfcと、リバースブレーキ32へ供給されるリバースブレーキ圧Prbを調圧する。ロックアップ圧ソレノイドバルブ66は、ロックアップクラッチ20へ供給されるロックアップ圧Pluを調圧する。なお、各ソレノイドバルブ62,63,64,65,66は、CVTコントロールユニット7から出力される指令値によって調圧される。
すなわち、この実施例1では、変速機コントロールバルブ61と各ソレノイドバルブ62,63,64,65,66によりメインコントロールバルブユニットが構成される。そして、油圧源コントロールバルブ60と電動モータ68と電動オイルポンプ69により、メインコントロールバルブユニットに固定されるサブコントロールバルブユニットが構成される。
CVTコントロールユニット7は、ライン圧制御、バリエータ4の変速制御、前後進切換機構3の前後進切換制御、ロックアップクラッチ20のロックアップ制御、さらにロックアップ圧学習制御等を行う。
ライン圧制御では、スロットルバルブ開度等に応じて決まる目標ライン圧を得るライン圧指令値をライン圧ソレノイドバルブ62に出力する。変速制御では、まず、目標変速比(目標プライマリ回転数Npri)を決める。そして、この決めた目標変速比を得る油圧指令値をプライマリ圧ソレノイドバルブ63及びセカンダリ圧ソレノイドバルブ64に出力する。前後進切換制御では、シフトレバーがDレンジ位置のとき、フォワードクラッチ31を締結する指令値をクラッチ/ブレーキ圧ソレノイドバルブ65に出力する。また、シフトレバーがRレンジ位置のとき、リバースブレーキ32を締結する指令値をクラッチ/ブレーキ圧ソレノイドバルブ65に出力する。ロックアップ制御では、所定の条件が成立したとき、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放する指令値をロックアップ圧ソレノイドバルブ66に出力する。
さらに、ロックアップ圧学習制御では、まず、ロックアップクラッチ20の締結中にコースト走行になったとき、前後進切換機構3が有するフォワードクラッチ31又はリバースブレーキ32を解放する。次に、ロックアップクラッチ20の締結容量であるロックアップ容量を徐々に低下させていく。そして、トルクコンバータ2の入力回転数であるエンジン出力軸11の回転数と、トルクコンバータ2の出力回転数であるトルクコンバータ出力軸21との回転数との差が所定値になるときのロックアップ圧Pluを「基準値」として学習し、ロックアップクラッチ20を制御する際の基準値に設定する。
なお、「基準値」とは、締結中のロックアップクラッチ20を解放した際、ロックアップクラッチ20にて締結容量(ロックアップ容量)が生じている状態と、締結容量(ロックアップ容量)が生じていない状態とが切り替わるときのロックアップ圧Pluである。
CVTコントロールユニット7には、タービン回転数センサ70、車速センサ71、セカンダリ圧センサ72、クラッチ圧センサ73、インヒビタスイッチ74、ブレーキスイッチ75、前後Gセンサ76、アイドルスイッチ77、プライマリ圧センサ78、アクセル開度センサ79等からのセンサ情報やスイッチ情報が入力される。また、このCVTコントロールユニット7には、図示しないCAN通信線を介して、エンジンコントロールユニット8に入力されたエンジン回転数センサ80からのセンサ情報が入力される。
なお、クラッチ圧センサ73は、フォワードクラッチ31又はリバースブレーキ32に供給されるクラッチ圧(フォワードクラッチ圧Pfc又はリバースブレーキ圧Prb)を検出するセンサである。インヒビタスイッチ74は、シフトレバーによって選択されているレンジ位置(Dレンジ位置,Nレンジ位置,Rレンジ位置等)を検出し、選択されたレンジ位置に応じたレンジ位置信号を出力する。アイドルスイッチ77は、アクセルペダルの踏込状態を検出するスイッチである。このアイドルスイッチ77は、アクセルペダルが踏み込まれるとOFFされ、アクセルペダルが踏み込まれていないとき(アクセル足離し状態のとき)にONされる。アクセル開度センサ79は、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するセンサである。ここで、アクセル開度は、アクセルペダルを踏み込むほど高い値になる。
エンジンコントロールユニット8は、エンジン1の制御を行うコントローラである。このエンジンコントロールユニット8には、エンジン回転数センサ80からの情報が入力される。さらに、このエンジンコントロールユニット8は、ロックアップ圧Pluの学習終了信号が入力したとき、エンジン1への燃料供給を停止する。
[ロックアップ圧学習制御処理構成]
図2は、実施例1のCVTコントロールユニットで実行されるロックアップ圧学習制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図2に基づいて、実施例1のロックアップ圧学習制御処理構成を説明する。なお、このロックアップ圧学習制御処理は、走行中(車速が発生している間)は継続して実行され続ける。
ステップS1では、ロックアップクラッチ20が締結状態であるか否かを判断する。YES(ロックアップ締結)の場合にはステップS2に進む。NO(ロックアップ解放)の場合にはリターンに進む。
ここで、ロックアップクラッチ20が締結状態であるか否かは、エンジン回転数センサ80によって検出されたエンジン出力軸11の回転数(トルクコンバータ入力回転数)と、タービン回転数センサ70によって検出されたトルクコンバータ出力軸21の回転数(トルクコンバータ出力回転数)との差回転(以下、「トルクコンバータ差回転」という)がゼロであるか否かに基づいて判断される。
ロックアップクラッチ20は、このトルクコンバータ差回転が「ゼロ」と判断できる範囲のとき、締結(完全締結)していると判断される。
ステップS2では、ステップS1でのロックアップ締結との判断に続き、アクセルペダルの操作状態が、アクセル足離し状態であるか否かを判断する。YES(アクセル足離し)の場合にはステップS3に進む。NO(アクセル踏込み)の場合にはリターンに進む。
ここで、アクセル足離し状態であるか否かは、アクセル開度センサ79によって検出されたアクセル開度情報と、アイドルスイッチ77からのスイッチ情報に基づいて判断される。アクセルペダルの操作状態は、アクセル開度がゼロであり、アイドルスイッチ77がON状態のとき、アクセル足離し状態であると判断される。
ステップS3では、ステップS2でのアクセル足離し状態との判断に続き、車速が予め設定した所定車速以下であるか否かを判断する。YES(車速≦所定車速)の場合にはステップS4に進む。NO(車速>所定車速)の場合にはリターンに進む。
ここで、「所定車速」とは、ロックアップクラッチ20において入力側と出力側の回転慣性力が弱くなり、クラッチ解放したタイミングで入出力の差回転が発生可能な車速である。すなわち、車速が高くて回転慣性力が強い状態でロックアップクラッチ20を解放しても、クラッチ解放のタイミングでは慣性力の影響で出力側の回転が低下せず、入出力の差回転が発生しない。そのため、この「所定車速」は、ロックアップクラッチ20に作用する回転慣性力が、差回転の発生に影響しないと判断できる車速に設定される。ここでは、例えば、アクセル足離し状態での走行であるコースト走行時に、バリエータ4の目標変速比が最High変速比となるときの最低車速(約50km/h)に設定される。
ステップS4では、ステップS3での車速≦所定車速との判断に続き、エンジントルクが安定したか否かを判断する。YES(エンジントルク=安定)の場合にはステップS5に進む。NO(エンジントルク=不安定)の場合にはリターンに進む。
ここで、エンジントルクは、エンジンコントロールユニット8により、車速に基づいて推定する。CVTコントロールユニット7は、必要に応じてエンジントルクリクエストをエンジンコントロールユニット8に出力し、このエンジンコントロールユニット8からエンジントルク情報を取得する。
また、「エンジントルクが安定した」とは、エンジントルクの変動が所定の変動範囲に収まっていることであり、ここでは、アクセル足離しの発生に伴ってエンジントルクが低下を開始したと判断してから、このエンジントルクが所定の変動範囲内で低下していく低下時間が所定時間継続したこととする。すなわち、エンジントルクが、一定時間継続して所定の低下勾配で低下したとき、エンジントルクが安定したと判断する。
ステップS5では、ステップS4でのエンジントルク=安定との判断に続き、前後進切換機構3において締結中の摩擦締結要素を解放し、ステップS6に進む。
ここで、「摩擦締結要素」は、シフトレバーがDレンジ位置のときにはフォワードクラッチ31であり、フォワードクラッチ圧Pfcを低下させていく。また、この「摩擦締結要素」は、シフトレバーがRレンジ位置のときにはリバースブレーキ32であり、リバースブレーキ圧Prbを低下させていく。
このとき、低下させるフォワードクラッチ圧Pfc(又はリバースブレーキ圧Prb)の低下勾配は、解放ショックと目標解放時間とを満足するように予め実験等により設定される。つまり、摩擦締結要素の解放速度は、解放ショックを生じさせない程度に設定される。
ステップS6では、ステップS5での摩擦締結要素の解放に続き、摩擦締結要素の解放開始からの経過時間が、予め設定した第1閾値時間以上であるか否かを判断する。YES(経過時間≧第1閾値時間)の場合はステップS7に進む。NO(経過時間<第1閾値時間)の場合はステップS5に戻る。
ここで、「第1閾値時間」は、ステップS5にて解放を開始した摩擦締結要素の解放が完了したと判断できる時間であり、実験等に基づいて設定される。なお、「摩擦締結要素の解放完了」とは、摩擦締結要素におけるトルク伝達容量がゼロになることである。
ステップS7では、ステップS6での経過時間≧第1閾値時間との判断に続き、摩擦締結要素の解放が完了してタービントルクが安定したとして、ロックアップクラッチ20の締結容量であるロックアップ容量を低下し、ステップS8に進む。
ここで、「タービントルク」とは、トルクコンバータ2のトルクコンバータ出力軸21に駆動輪9側から入力される外乱トルクである。また、ロックアップ容量を低下するには、ロックアップクラッチ20へ供給されるロックアップ圧Pluを低下させる指令値を、ロックアップ圧ソレノイドバルブ66に出力する。
ステップS8では、ステップS7でのロックアップ容量の低下に続き、このロックアップ容量の低下に伴って生じるトルクコンバータ差回転が、予め設定した第1閾値差回転以上であるか否かを判断する。YES(第1閾値差回転≦トルクコンバータ差回転)の場合はステップS9に進む。NO(トルクコンバータ差回転<第1閾値差回転)の場合はステップS7へ戻る。
ここで、第1閾値差回転は、ロックアップ容量が生じている状態と、ロックアップ容量が生じていない状態とが切り替わるときのトルクコンバータ差回転である。
つまり、トルクコンバータ差回転が第1閾値差回転未満であれば、ロックアップクラッチ20は締結中(スリップ締結中)であり、トルクコンバータ差回転が第1閾値差回転以上であれば、ロックアップクラッチ20は解放したと判断できる。
ステップS9では、ステップS8での第1閾値差回転≦トルクコンバータ差回転との判断に続き、ロックアップ容量を加減調節し、ステップS10に進む。
ここで、「ロックアップ容量の加減調節」とは、トルクコンバータ差回転を一定幅(第1閾値回転数と第2閾値回転数との間)に収めるように、ロックアップ圧Pluを制御することである。
ステップS10では、ステップS9でのロックアップ容量の加減調節に続き、トルクコンバータ差回転が、第1閾値差回転以上であって、且つ予め設定した第2閾値差回転以下であるか否かを判断する。YES(第1閾値差回転≦トルクコンバータ差回転≦第2閾値差回転)の場合はステップS11に進む。NO(第1閾値差回転>トルクコンバータ差回転又はトルクコンバータ差回転>第2閾値差回転)の場合はステップS9へ戻る。
ここで、「第2閾値差回転」は、ロックアップ圧Pluが、ロックアップ容量が生じている状態と、ロックアップ容量が生じていない状態とが切り替わるときの値よりも低くなるときのトルクコンバータ差回転である。
ステップS11では、ステップS10での第1閾値差回転≦トルクコンバータ差回転≦第2閾値差回転との判断に続き、このステップS10における差回転条件が成立してからの経過時間が予め設定した第2閾値時間以上であるか否かを判断する。YES(経過時間≧第2閾値時間)の場合はステップS11に進む。NO(経過時間<第2閾値時間)の場合はステップS9へ戻る。
ここで、第2閾値時間は、差回転条件を成立させるロックアップ圧Pluが安定したと判断できる時間であり、実験等に基づいて設定される。
ステップS12では、ステップS11での経過時間≧第2閾値時間との判断に続き、ロックアップ容量が生じている状態と、ロックアップ容量が生じていない状態とが切り替わるときのロックアップ圧Plu(基準値)が定まったとして、差回転条件が成立してからの経過時間が第2閾値時間に達したタイミングのロックアップ圧Pluを新たな「基準値」に設定し、この「基準値」を更新してステップS13に進む。
なお、この「基準値」は、CVTコントロールユニット7が有するメモリ(不図示)に書き込まれる。
ステップS13では、ステップS12での「基準値」の更新に続き、ロックアップ圧Pluの学習が完了したとして、学習終了信号を出力し、ステップS14に進む。
なお、この学習終了信号は、エンジンコントロールユニット8に入力される。
ステップS14では、ステップS13での学習終了信号の出力に続き、エンジン1への燃料供給を停止するフューエルカット制御を実行し、ステップS15へ進む。
ここで、フューエルカット制御の実行は、エンジンコントロールユニット8からフューエル制御アクチュエータ10に対して停止信号を出力することで行う。
ステップS15では、ステップS14でのフューエルカット制御の実行に続き、ステップS5にて解放した摩擦締結要素(フォワードクラッチ31又はリバースブレーキ32)を締結し、ステップS16に進む。
ここで、フォワードクラッチ31を締結するときには、フォワードクラッチ圧Pfcを上昇させていく。また、リバースブレーキ32を締結するときには、リバースブレーキ圧Prbを上昇させていく。このとき、フォワードクラッチ圧Pfc(又はリバースブレーキ圧Prb)の上昇勾配は、目標締結時間を満足するように設定されるが、フォワードクラッチ31又はリバースブレーキ32を解放するときの低下勾配よりも急になる値に設定される。つまり、摩擦締結要素の再締結時の締結速度は、解放速度よりも早い速度に設定され、解放に要する時間よりも短時間で締結される。
ステップS16では、ステップS15での摩擦締結要素の締結に続き、摩擦締結要素の締結開始からの経過時間が、予め設定した第3閾値時間以上であるか否かを判断する。YES(経過時間≧第3閾値時間)の場合はステップS17に進む。NO(経過時間<第3閾値時間)の場合はステップS15に戻る。
ここで、「第3閾値時間」は、ステップS15にて締結を開始した摩擦締結要素の締結が完了したと判断できる時間であり、実験等に基づいて設定される。
ステップS17では、ステップS16での経過時間≧第3閾値時間との判断に続き、ロックアップクラッチ20を締結し、リターンに進む。
ここで、ロックアップクラッチ20を締結するには、ロックアップ容量を上昇させる。すなわち、ロックアップクラッチ20へ供給されるロックアップ圧Pluを上昇させる指令値を、ロックアップ圧ソレノイドバルブ66に出力する。
次に、作用を説明する。
まず、比較例の車両制御装置におけるロックアップ圧の学習制御とその課題を説明し、続いて、実施例1の車両制御装置における作用を、「ロックアップ圧学習作用」、「学習時の乗員違和感防止作用」、「その他の特徴的作用」に分けて説明する。
[比較例の車両制御装置におけるロックアップ圧の学習制御とその課題]
図3は、比較例の車両制御装置においてロックアップ圧を学習するときのトルクコンバータへの入力トルクを説明する説明図である。以下、比較例の比較例の車両制御装置におけるロックアップ圧の学習制御とその課題について説明する。
比較例の車両制御装置が搭載された車両Bは、実施例1と同様に、走行駆動源であるエンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切換機構3と、バリエータ4と、駆動輪9,9と、を備えている。なお、終減速機構についても備えているが、ここでは省略する。
この車両Bでは、エンジン1が駆動するとエンジン出力軸11が回転する。このエンジン出力軸11には、コンバータハウジング22を介してトルクコンバータ2のポンプインペラ23が連結されている。そのため、エンジン出力軸11の回転に伴ってポンプインペラ23が回転する。そして、このポンプインペラ23の回転は、トルクコンバータ2の内部に充満された作動油を介してタービンランナ24へと伝達され、タービンランナ24が回転する。このタービンランナ24には、トルクコンバータ出力軸21が連結されている。そのため、このトルクコンバータ出力軸21を介して前後進切換機構3に回転が伝達される。なお、図3において、26はステータであり、27は静止部材である。
一方、所定のロックアップ条件が成立したとき等には、トルクコンバータ2に内蔵されたロックアップクラッチ20が締結される。このロックアップクラッチ20が締結されると、エンジン出力軸11とトルクコンバータ出力軸21が直結される。
また、前後進切換機構3は、実施例1と同様に、シフトレバーがDレンジ位置のときに締結されるフォワードクラッチ31(摩擦締結要素)と、シフトレバーがRレンジ位置のときに締結されるリバースブレーキ32(摩擦締結要素)と、を有する。
そして、フォワードクラッチ31又はリバースブレーキ32のいずれか一方が締結されているとき(図3では、フォワードクラッチ31が締結されている状態を示す)、前後進切換機構3に伝達された回転はバリエータ4へと入力する。そして、バリエータ4に入力された回転は、このバリエータ4での変速を経て駆動輪9に伝達される。
このような車両Bに搭載された車両制御装置において、ロックアップ容量が生じているときと、ロックアップ容量が生じていないときとが切り替わるときのロックアップ圧(基準値)を検出して学習する場合を説明する。
すなわち、ロックアップクラッチ20を締結中に車両Bがコースト走行になったとき、ロックアップ圧Pluを低下させ、ロックアップ容量を低下させる。そして、トルクコンバータ2の入力回転数(エンジン出力軸11の回転数)と、トルクコンバータ2の出力回転数(トルクコンバータ出力軸21の回転数)との回転差が所定値になるときのロックアップ圧Pluを「基準値」とする。
このとき、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ20には、エンジン1からのエンジントルクが、エンジン出力軸11とコンバータハウジング22を介して入力される。また、駆動輪9からの外乱トルクは、駆動輪9→バリエータ4→前後進切換機構3の締結中要素(フォワードクラッチ31)→トルクコンバータ出力軸21を順に介して、ロックアップクラッチ20に入力される。
そのため、ロックアップ圧Pluを学習する際、コースト走行状態であることからエンジントルク及び外乱トルクは低くなっているものの、このロックアップクラッチ20には、上流からの入力トルク(エンジントルク)と、下流からの入力トルク(外乱トルク)が入力された状態になっている。
そのため、ロックアップクラッチ20に入力されるトルクが異なるシーンでは、実際の基準値は学習した基準値とは異なる値になるという問題が生じる。
[ロックアップ圧学習作用]
図4は、実施例1の車両制御装置において、ロックアップ圧を学習するときのアクセル開度、アイドルスイッチ、車速、エンジントルク、フォワードクラッチ圧、タービントルク、エンジン回転数、タービン回転数の各特性を示すタイムチャートであり、図5は、実施例1の車両制御装置においてロックアップ圧を学習するときのトルクコンバータへの入力トルクを説明する説明図である。以下、図4及び図5に基づき、実施例1のロックアップ圧学習作用を説明する。
実施例1のエンジン車Aにおいて、ロックアップクラッチ20の「基準値(トルクコンバータ2の入力回転数であるエンジン出力軸11の回転数と、トルクコンバータ2の出力回転数であるトルクコンバータ出力軸21との回転差が所定値になるときのロックアップ圧Plu)」を学習する場合を説明する。
まず、トルクコンバータ2に内蔵されたロックアップクラッチ20が締結しているか否かを判断する。図4に示す場合では、時刻t1以前からエンジン回転数とタービン回転数が一致している。
ここで、「エンジン回転数」とは、エンジン出力軸11の回転数(トルクコンバータ入力回転数)である。また、「タービン回転数」とは、トルクコンバータ出力軸21の回転数(トルクコンバータ出力回転数)である。そのため、図4に示す時刻t1時点において、トルクコンバータ差回転はゼロであり、ロックアップクラッチ20は締結していると判断される。これにより、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2と進む。
そして、時刻t1時点からアクセル開度の低下が開始し、時刻t2時点でアイドルスイッチがONになると、アクセル足離し状態であると判断される。さらに、時刻t3時点おいて、車速が所定車速以下に達すると、ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、エンジントルクの低下勾配が検出される。これにより、エンジントルクの安定状態が判断される。
時刻t4時点において、エンジントルクが所定の変動範囲内で低下していく低下時間が所定時間継続したと判断すると、ステップS4→ステップS5へと進み、締結中のフォワードクラッチ31を解放する。つまり、フォワードクラッチ圧Pfcの低下を開始する。
ここで、エンジントルクは継続して低下し続け、時刻t5時点でコーストトルクに達する。これにより、エンジン回転数及びタービン回転数は、アイドル回転数に維持される。
ここで、「コーストトルク」とは、エンジン1のエンストを防止するために、エンジン回転数をアイドル回転数に維持するだけのトルクであり、ごく僅か(例えば1〜2Nm程度)である。
時刻t6時点において、フォワードクラッチ圧Pfcの低下が開始した時刻t4から第1閾値時間が経過すると、フォワードクラッチ圧Pfcの解放が完了したと判断され、ステップS6→ステップS7へと進み、ロックアップ容量の低下を開始する。すなわち、ロックアップ圧Pluの低下を開始する。これにより、ロックアップ圧Pluの「基準値」の学習を開始する。
そして、このロックアップ容量の低下に伴って、時刻t7時点からエンジン回転数とタービン回転数との間に差異が発生し、トルクコンバータ差回転Δxが増加し始める。
その後、時刻t8時点でトルクコンバータ差回転が第1閾値差回転以上に達したら、ステップS8→ステップS9へと進み、ロックアップ圧Pluの低下を停止する。そして、トルクコンバータ差回転Δxが一定幅(第1閾値回転数と第2閾値回転数との間)に収まるようにロックアップ圧Pluを制御して、ロックアップ容量を加減調節する。
時刻t9時点において、トルクコンバータ差回転Δxが一定幅(第1閾値回転数と第2閾値回転数との間)に収まり、差回転条件が成立してから第2閾値時間が経過すると、差回転条件を成立させるロックアップ圧Pluが安定したとして、ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進む。そして、この時刻t9時点のロックアップ圧Pluを新たな「基準値」に設定し、この「基準値」を更新する。この結果、CVTコントロールユニット7が有するメモリ(不図示)に記憶された「基準値」が更新される。
これにより、ロックアップ圧Pluの「基準値」の学習が終了する。
そして、ステップS13→ステップS14へと進み、フューエルカット制御が実行されて、エンジン1への燃料供給が停止される。これにより、時刻t9時点からエンジントルクが低下していく。なお、この図4に示す場合では、時刻t11時点でエンジントルクがマイナスの値になる。これにより、エンジン車Aにはエンジンブレーキが作用する。
さらに、ステップS15へと進み、解放中のフォワードクラッチ31を締結する。つまり、フォワードクラッチ圧Pfcの上昇が開始する。ここで、フォワードクラッチ圧Pfcの上昇勾配は、フォワードクラッチ31を解放するときのフォワードクラッチ圧Pfcの低下勾配よりも大きい値に設定される。よって、フォワードクラッチ31は、解放時間よりも短い時間で締結される。
そして、時刻t10時点において、フォワードクラッチ圧Pfcの上昇が開始した時刻t9から第3閾値時間が経過すると、フォワードクラッチ圧Pfcの締結が完了したと判断され、ステップS16→ステップS17へと進み、ロックアップクラッチ20を再び締結する。つまり、ロックアップ圧Pluを上昇させてロックアップ容量を上げていく。
これにより、トルクコンバータ差回転Δxが低下していき、この図4に示す場合では時刻t12時点で、このトルクコンバータ差回転Δxがゼロとなる。その後、時刻t13時点でロックアップ圧Pluが締結圧に達し、ロックアップクラッチ20は完全に締結される。
このように、実施例1では、時刻t6から時刻t9の間にロックアップ圧Pluの「基準値」の学習を実行するが、このとき、アクセル足離し状態のコースト走行中である。そのため、ロックアップクラッチ20の駆動力の入力側から入力されるトルク(エンジントルク)はコーストトルクであり、エンジン回転数をアイドル回転数に維持だけのごく僅かなトルクになる。一方、ロックアップ圧Pluの学習中、トルクコンバータ2と駆動輪9の間に配置された摩擦締結要素であるフォワードクラッチ31が解放される。そのため、ロックアップクラッチ20の駆動力の出力側から入力されるトルク(タービントルク)は、ゼロになる(図5参照)。
さらに、フォワードクラッチ31を解放したことで、エンジン1に作用するイナーシャトルクを軽減することができる。そのため、エンジントルクを極めて小さな値にすることが可能になる。しかも、エンジン1がイナーシャ変動の影響を受けないので、エンジントルクの変動がほとんど生じない。
これにより、ロックアップ圧Pluの「基準値」を学習する際、ロックアップクラッチ20にはトルクの入力側及び出力側からのトルク入力がほとんどなく、基準値の学習時に入力トルクの影響を受けることを防止できる。この結果、ロックアップクラッチ20に入力するトルクに影響を受けることなく、精度の高いロックアップ圧Pluの学習を行うことができる。よって、ロックアップ圧Pluの基準値を学習する際の学習精度を向上させることができる。
また、この実施例1では、ロックアップ圧Pluの学習を行っている時刻t6から時刻t9の間では、エンジン1への燃料供給を継続している。そして、時刻t9時点において、ロックアップ圧Pluの「基準値」の学習が終了した後、フューエルカット制御を実行し、エンジン1への燃料供給が停止される。
これにより、ロックアップ圧Pluの学習中にエンジントルクが低下しすぎることを防止して、エンジントルクを安定的に維持することができる。この結果、ロックアップクラッチ20に入力するトルクに影響を受けることなく、精度の高いロックアップ圧Pluの学習を行うことができる。
また、ロックアップ圧Pluの学習が終了次第、エンジン1への燃料供給を停止するので、燃費の向上を図ることができる。
[学習時の乗員違和感防止作用]
実施例1のロックアップ圧学習制御では、時刻t2時点でアクセル足離し状態であると判断された後、時刻t3時点おいて車速が所定車速以下に達してから、エンジントルクの低下勾配を検出する。つまり、エンジントルクの安定状態を判断する。
そして、エンジン1からロックアップクラッチ20に入力するエンジントルクが安定したと判断した時刻t4時点において、フォワードクラッチ圧Pfcの低下を開始する。
これにより、フォワードクラッチ31は、エンジントルクが安定してから解放される。そのため、このフォワードクラッチ31の解放に伴って、エンジン1から駆動輪9へとつながる動力伝達経路が遮断されるが、エンジントルクが安定していることで、乗員にトルク抜けを感じさせにくくすることができる。
特に、この実施例1では、時刻t2時点でアクセル足離しの発生を判断してから、エンジントルクが所定の変動範囲内で低下していく低下時間が所定時間継続した時刻t4時点で、エンジントルクが安定したと判断している。そのため、エンジントルクが、コーストトルクまで低下する前にエンジントルクが安定することを予測して判断し、フォワードクラッチ31を解放することができる。
ここで、ロックアップ圧Pluの学習中に、例えばアクセルペダルが踏み込まれる等すると学習が中止されてしまうので、アクセル足離し状態になったら、極力早いタイミングでロックアップ圧Pluの学習を開始することが望ましい。一方、摩擦締結要素であるフォワードクラッチ31を解放すれば、ロックアップ圧Pluの学習を開始することが可能である。そのため、できるだけ早いタイミングでフォワードクラッチ31を解放したいという要求がある。
これに対し、実施例1のように、エンジントルクが安定することを予測してフォワードクラッチ31を解放することで、クラッチ解放に伴う乗員の違和感を抑制しつつ、ロックアップ圧Pluの学習を早いタイミングで開始することができる。この結果、アクセル足離し状態になってから、極力早いタイミングでロックアップ圧Pluの学習を開始することが可能になり、適切な学習機会を増加することができる。
[その他の特徴的作用]
実施例1では、ロックアップ圧Pluの学習を行う際、締結中の摩擦締結要素(図4ではフォワードクラッチ31)を解放し、学習終了に伴ってこの摩擦締結要素を再締結する。
ここで、摩擦締結要素を解放する際の解放速度は、解放ショックを生じさせない程度に設定され、この摩擦締結要素を再締結する際の締結速度は、解放速度よりも早い速度に設定される。
これにより、乗員にショックを与えることを防止しながら摩擦締結要素を解放することができると共に、エンジン1から駆動輪9へとつながる動力伝達経路を速やかに接続することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 走行駆動源(エンジン1)と、
前記走行駆動源(エンジン1)と駆動輪9との間に配置されたトルクコンバータ2と、
前記トルクコンバータ2が有するロックアップクラッチ20と、
前記トルクコンバータ2と前記駆動輪9との間に配置された摩擦締結要素(フォワードクラッチ31)と、
前記トルクコンバータ2の入力回転数(エンジン出力軸11の回転数)と、前記トルクコンバータ2の出力回転数(トルクコンバータ出力軸21との回転数)との回転差が所定値になるときの前記ロックアップクラッチ20への供給油圧であるロックアップ圧Plu(基準値)を学習する学習制御部(CVTコントロールユニット7)と、を備え、
前記学習制御部(CVTコントロールユニット7)は、前記ロックアップクラッチ20の締結中にアクセル足離し状態での走行になったとき、前記摩擦締結要素(フォワードクラッチ31)を解放し、ロックアップクラッチ20の締結容量(ロックアップ容量)を低下させて前記ロックアップ圧Pluの学習を行う構成とした。
これにより、ロックアップ圧Pluの基準値を学習する際の学習精度を向上させることができる。
(2) 前記走行駆動源は、燃料供給を停止可能なエンジン1であり、
前記学習制御部(CVTコントロールユニット7)は、前記ロックアップ圧Pluの学習の実行中、前記エンジン1への燃料供給を継続し、前記ロックアップ圧Pluの学習が終了した後、前記エンジン1への燃料供給を停止する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、ロックアップ圧Pluの学習中にエンジントルクを安定的に維持でき、精度の高いロックアップ圧Pluの学習を行うことができる。
(3) 前記学習制御部(CVTコントロールユニット7)は、前記走行駆動源(エンジン1)から前記ロックアップクラッチ20へ入力する駆動源トルク(エンジントルク)の変動が安定したとき、前記摩擦締結要素(フォワードクラッチ31)を解放する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、フォワードクラッチ31の解放に伴うトルク抜けを乗員に感じさせにくくすることができる。
(4) 前記学習制御部(CVTコントロールユニット7)は、アクセル足離しの発生を判断してから、前記駆動源トルク(エンジントルク)が所定変動範囲内で低下する低下時間が所定時間を経過したとき、前記駆動源トルク(エンジントルク)が安定したと判断する構成とした。
これにより、(3)の効果に加え、エンジントルクが安定することを予測してフォワードクラッチ31を解放することができ、極力早いタイミングでロックアップ圧Pluの学習を開始することが可能になり、適切な学習機会を増加することができる。
(実施例2)
実施例2の車両制御装置は、トルクコンバータと摩擦締結要素との間に無段変速機を備えた車両に適用した例である。
まず、構成を説明する。
図6は、実施例2の車両制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を模式的に示す全体システム図である。以下、図6に基づいて、実施例2のエンジン車Cの構成を説明する。なお、実施例1と同様の構成については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例2における車両制御装置が適用されたエンジン車Cは、図6に示すように、走行駆動源であるエンジン1と、トルクコンバータ2と、無段変速機100と、終減速機構5と、駆動輪9と、を備えている。さらに、このエンジン車Cは、ライン圧PLやロックアップ圧Plu等を制御する油圧制御ユニット6と、無段変速機100に対して制御指令を出力するCVTコントロールユニット7と、エンジン1に対して制御指令を出力するエンジンコントロールユニット8と、を備えている。
そして、このエンジン車Cに搭載された無段変速機100は、図6に示すように、無段変速機構110と、この無段変速機構110と駆動輪9との間に介装され、無段変速機構110に対して直列に設けられる副変速機構120と、を備えている。「直列に設けられる」とは同動力伝達経路において無段変速機構110と副変速機構120が直列に設けられるという意味である。副変速機構120は、この例のように無段変速機構110の変速機構出力軸111に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギヤ列)を介して接続されていてもよい。
無段変速機構110は、プライマリプーリ112と、セカンダリプーリ113と、プーリベルト114と、を有するベルト式無段変速機構である。プライマリプーリ112は、バリエータ入力軸であるトルクコンバータ出力軸21の同軸上に配された第1固定プーリ112aと第1スライドプーリ112bにより構成されている。第1スライドプーリ112bは、プライマリ圧室115に導かれるプライマリ圧Ppriによりスライド動作する。セカンダリプーリ113は、変速機構出力軸111の同軸上に配された第2固定プーリ113aと第2スライドプーリ113bにより構成されている。第2スライドプーリ113bは、セカンダリ圧室116に導かれるセカンダリ圧Psecによりスライド動作する。プーリベルト114は、プライマリプーリ112のV字形状をなすシーブ面と、セカンダリプーリ113のV字形状をなすシーブ面に掛け渡されている。
副変速機構120は、前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構120は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構121と、ラビニョウ型遊星歯車機構121を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(ローブレーキ122、ハイクラッチ123、リバースブレーキ124)とを備える。各摩擦締結要素122〜124への供給油圧(ローブレーキ圧Plow、ハイクラッチ圧PHi、リバースブレーキ圧Prb)を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・開放状態を変更することで、副変速機構120の変速段が変更される。すなわち、ローブレーキ122を締結し、ハイクラッチ123とリバースブレーキ124を開放すれば副変速機構120の変速段は1速となる。また、ハイクラッチ123を締結し、ローブレーキ122とリバースブレーキ124を開放すれば副変速機構120の変速段は1速よりも変速比が小さな2速となる。さらに、リバースブレーキ124は、シフトレバーがRレンジ位置のとき締結する。
なお、この実施例2では、変速機コントロールバルブ61が、実施例1のクラッチ/ブレーキ圧ソレノイドバルブ65に替えて、副変速機圧ソレノイドバルブ65Aを有する。
この副変速機圧ソレノイドバルブ65Aは、ローブレーキ122へ供給されるローブレーキ圧Plowと、ハイクラッチ123へ供給されるハイクラッチ圧Phiと、リバースブレーキ124へ供給されるリバースブレーキ圧Prbを調圧する。
このように、実施例2では、無段変速機100が無段変速機構110と副変速機構120とを備えている。これにより、無段変速機構110が、トルクコンバータ2と、副変速機構120が有する摩擦締結要素(ローブレーキ122、ハイクラッチ123、リバースブレーキ124)との間に配置されることになる。
次に、この実施例2のCVTコントロールユニットで実行されるロックアップ圧学習制御処理について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、実施例1と同様のステップについては、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例2のロックアップ圧学習制御処理では、図7に示すように、ステップS2にてアクセル足離し状態であると判断したら、ステップS3Aへと進み、車速が予め設定した所定車速以下であるか否かを判断する。YES(車速≦所定車速)の場合にはステップS5Aに進む。NO(車速>所定車速)の場合にはリターンに進む。
ここで、「所定車速」とは、実施例1と同様に、ロックアップクラッチ20において入力側と出力側の回転慣性力が弱くなり、クラッチ解放したタイミングで入出力の差回転が発生可能な車速である。
ステップS5Aでは、ステップS3Aでの車速≦所定車速との判断に続き、副変速機構120において締結中の摩擦締結要素(ローブレーキ122、ハイクラッチ123、リバースブレーキ124)を解放し、ステップS6に進む。なお、ステップS6以降は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2のエンジン車Cにおいて、ロックアップクラッチ20の「基準値(トルクコンバータ2の入力回転数であるエンジン出力軸11の回転数と、トルクコンバータ2の出力回転数であるトルクコンバータ出力軸21との回転差が所定値になるときのロックアップ圧Plu)」を学習する際、まず、トルクコンバータ2に内蔵されたロックアップクラッチ20が締結しているか否かを判断する(ステップS1)。
続いて、ロックアップクラッチ20が締結しているときにアクセル足離しであるか否かを判断し(ステップS2)、アクセル足離し状態であると判断されたら、車速を検出する。そして、この車速が所定車速以下であると判断したとき(ステップS3A)、締結中の副変速機構120が有する摩擦締結要素を解放する(ステップS5A)。
その後、摩擦締結要素の解放開始から所定時間が経過したら、ロックアップ容量を低下し、ロックアップ圧Pluの「基準値」の学習を開始する。続いて、トルクコンバータ差回転が所定値になっている状態を所定時間維持したら、そのときのロックアップ圧Pluを新たな「基準値」に設定し、この「基準値」を更新する。
そして、ロックアップ圧Pluの学習が終了したら、フューエルカット制御及び解放した摩擦締結要素の再締結を行う。そして、摩擦締結要素が締結したと判断できる時間が経過した後、ロックアップ容量を上昇させて、ロックアップクラッチ20を再度締結する。
ここで、実施例2のエンジン車Cでは、上述のように、無段変速機構110が、トルクコンバータ2と、摩擦締結要素(ローブレーキ122、ハイクラッチ123、リバースブレーキ124)との間に配置されている。そのため、ロックアップ圧Pluの学習を行うために摩擦締結要素を解放すると、無段変速機構110と駆動輪9との間の動力伝達が遮断される。これにより、無段変速機構110が回転するためのトルクの入力がなくなり、適切な回転を維持することができなくなる。
そして、無段変速機構110において適切な回転が維持できないと、アクセル足離し状態で車速が変化しても、車速に応じた変速比を実現することができなくなる。
これに対し、実施例2では、実施例1と異なり、アクセル足離しの発生を判断してから、車速が所定車速以下に低下したとき、副変速機構120の摩擦締結要素を解放する。これにより、エンジントルクが安定することを待つことなく摩擦締結要素の解放を開始することができる。そして、摩擦締結要素の解放開始タイミングを早めることで、実施例1と比べてより早いタイミングでロックアップ圧Pluの学習を開始することができる。さらに、学習開始タイミングが早まることで、学習終了のタイミングについても、実施例1の場合よりも早めることができ、学習終了に伴って実行する摩擦締結要素の再締結のタイミングも実施例1の場合よりも早めることが可能になる。
したがって、この実施例2では、アクセル足離し状態が発生したタイミングから、摩擦締結要素の再締結完了までに要する時間を、実施例1と比較して短縮化することができる。よって、無段変速機構110と駆動輪9との間の動力伝達が遮断される時間を短くし、無段変速機構110において、車速に応じた変速比を実現することができなくなる時間を短くすることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両制御装置にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(5) 前記トルクコンバータ2と前記摩擦締結要素(ローブレーキ122)との間に配置された無段変速機(無段変速機構110)を備え、
前記学習制御部(CVTコントロールユニット7)は、アクセル足離しの発生を判断してから、車速が所定車速以下に低下したとき、前記摩擦締結要素(ローブレーキ122)を解放する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、アクセル足離し状態が発生したタイミングから、摩擦締結要素(ローブレーキ122)の再締結完了までのタイミングを短縮化でき、車速に応じた変速比を実現することができなくなる時間を短くすることができる。
以上、本発明の車両制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、摩擦締結要素として、トルクコンバータ2とバリエータ4の間に配置された前後進切換機構3が有するフォワードクラッチ31及びリバースブレーキ32とする例を示した。また、実施例2では、摩擦締結要素として、無段変速機100が備える副変速機構120のローブレーキ122、ハイクラッチ123、リバースブレーキ124とする例を示した。しかしながら、これに限らず、トルクコンバータ2と駆動輪9とのトルク伝達経路を遮断する摩擦締結要素であれば、例えば、有段の自動変速機に内蔵され、所定の変速段にて締結される摩擦締結要素等であっても、本発明の摩擦締結要素として適用することができる。
また、実施例1では、時刻t2時点でアクセル足離し状態であると判断された後、車速が低下していき、時刻t3時点において車速が所定車速以下に達する例を示した。しかしながら、アクセル足離し状態であっても、車速が減速するとは限らない。例えば、下り坂を走行中であれば、アクセル足離し状態での走行であっても、車速は増加していく。この場合でも、車速が所定車速以下であれば、ロックアップ圧Pluの学習は可能である。
実施例2では、アクセル足離し状態が発生したタイミングから、摩擦締結要素の再締結完了までに要する時間を、実施例1と比較して短縮化するため、エンジントルクの安定を待つことなく車速条件(車速≦所定車速)が成立したときに摩擦締結要素を解放する例を示した。しかしながら、アクセル足離しから摩擦締結要素の再締結完了までの時間の短縮化を図るには、これに限らない。例えば、摩擦締結要素の解放開始のタイミングは実施例1と同じタイミングにする(つまり、エンジントルクの安定を待つ)一方、摩擦締結要素の解放速度を、実施例1の場合よりも早めてもよい。
さらに、この実施例1及び実施例2では、走行駆動源をエンジン1としたエンジン車に適用する例を示したが、これに限らない。走行駆動源にエンジンと電動モータを有するハイブリッド車両や、電動モータのみを走行駆動源とする電気自動車であっても適用することができる。
1 エンジン(走行駆動源)
11 エンジン出力軸
2 トルクコンバータ
20 ロックアップクラッチ
21 トルクコンバータ出力軸
3 前後進切換機構
31 フォワードクラッチ(摩擦締結要素)
32 リバースブレーキ(摩擦締結要素)
4 バリエータ
9 駆動輪
7 CVTコントロールユニット(学習制御部)

Claims (5)

  1. 走行駆動源と、
    前記走行駆動源と駆動輪との間に配置されたトルクコンバータと、
    前記トルクコンバータが有するロックアップクラッチと、
    前記トルクコンバータと前記駆動輪との間に配置された摩擦締結要素と、
    前記トルクコンバータの入力回転数と、前記トルクコンバータの出力回転数との回転差が所定値になるときの前記ロックアップクラッチへの供給油圧であるロックアップ圧を学習する学習制御部と、を備え、
    前記学習制御部は、前記ロックアップクラッチの締結中にアクセル足離し状態での走行になったとき、前記摩擦締結要素を解放し、ロックアップクラッチの締結容量を低下させて前記ロックアップ圧の学習を行う
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両制御装置において、
    前記走行駆動源は、燃料供給を停止可能なエンジンであり、
    前記学習制御部は、前記ロックアップ圧の学習の実行中、前記エンジンへの燃料供給を継続し、前記ロックアップ圧の学習が終了した後、前記エンジンへの燃料供給を停止する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両制御装置において、
    前記学習制御部は、前記走行駆動源から前記ロックアップクラッチへ入力する駆動源トルクの変動が安定したとき、前記摩擦締結要素を解放する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項3に記載された車両制御装置において、
    前記学習制御部は、アクセル足離しの発生を判断してから、前記駆動源トルクが所定変動範囲内で低下する低下時間が所定時間を経過したとき、前記駆動源トルクが安定したと判断する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載された車両制御装置において、
    前記トルクコンバータと前記摩擦締結要素との間に配置された無段変速機を備え、
    前記学習制御部は、前記アクセル足離しに伴って車速が所定車速以下に低下したとき、前記摩擦締結要素を解放する
    ことを特徴とする車両制御装置。
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