JP2019028101A - 加圧ローラ、像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加圧ローラ、像加熱装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】迅速な立ち上げと非通紙部昇温の抑制を両立すると共に、グロスムラの発生を抑えた良好な画像を出力する。【解決手段】加熱部材と共にニップ部を形成する像加熱装置の加圧ローラであって、少なくとも芯金と、第1の弾性層と、芯金と第1の弾性層との間に設けられた第2の弾性層と、を有し、第1の弾性層は連泡化された空隙を有し、厚みを50μm以上500μm未満のゴムで形成され、第2の弾性層はソリッドゴムで形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式等の記録方式を用いた複写機やプリンタ、FAX等の画像形成装置の像加熱装置に用いられる加圧ローラ、像加熱装置及び画像形成装置に関するものである。
従来のこの種の画像形成装置の像加熱装置としては、たとえば、特許文献1に記載のようなフィルム加熱方式が知られている。すなわち、円筒状のフィルムと、フィルムの内面に接触し、加圧ローラとの間で前記フィルムを挟むように配置される加熱ヒータとを備え、加圧ローラによってフィルムを加熱ヒータに押圧してニップ部が形成されている。このニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながらトナー像を加熱する構成となっている。
このフィルム加熱方式の像加熱装置は、熱ローラ方式の加熱装置の熱ローラに比べ、熱容量の小さいフィルムを用いているため、所定温度に立ち上げるまでの時間を短縮することができる。また立ち上がり時間が短いため、スタンバイ時に暖めておく必要がなく、消費電力を極力低く抑えることが可能である。
近年は、更なる立ち上げ時間の短縮化と省電力化を追求するため、加圧ローラに樹脂マイクロバルーンにより形成された空隙部を分散含有する弾性層を設けて低熱伝導化・低熱容量化した構成が考案されている(特許文献2)。
この構成では、加圧ローラの表面から内部への熱拡散を妨げることができるため、加熱回転ユニットの素早い昇温に加えて、加圧ローラ表面も素早く昇温できるので更なる立ち上げ時間の短縮化が可能となる。
しかしながら、像加熱装置の加圧ローラの弾性層を低熱伝導化・低熱容量化した場合、加圧ローラ内部への熱拡散は妨げられてしまう。このため、加熱ヒータの長手幅に比べて長手幅が狭い記録材(小サイズ紙)を連続通紙させて加熱定着すると、ニップ部の長手方向において、小サイズ紙の通過しない領域(非通紙部)が過度に昇温する現象(非通紙部昇温)が発生する。
これに対して、立ち上げ時間の短縮と非通紙部昇温の抑制を両立させるため、特許文献3には、低い熱伝導率の表面側の第1の弾性層と、表面側弾性層の内側に設けられた高い熱伝導率のゴムから成る第2の弾性層と、を備えた加圧ローラが開示されている。第1の弾性層は、樹脂マイクロバルーンによって形成された空隙分を分散含有したバルーンゴムから構成されている。
特開平04−044075号公報 特開2002−148988号公報 特開2012−163812号公報
しかしながら、近年、複写機・プリンタ等の画像形成装置はより一層の立上げの高速化が求められており、プリントスピードアップに伴い、立ち上げ時におけるヒータから加圧ローラ表面側への熱の供給はより短時間で行われる。これにより、熱の伝達は従来以上に表層近傍の浅い領域で活発に行われ、迅速な立ち上げと非通紙部昇温の防止を両立させるには、加圧ローラ表層に熱伝導率の低い断熱層を、従来技術に比べ、より薄く、高精度に形成する事が必要となってきた。
上記した特許文献3の加圧ローラでは、表面側の第1の弾性層には、連泡化されていないバルーンゴムが用いられていた。そのため、表層弾性層の薄肉化に伴い、圧力むらの発生・顕著化が見られるようになり、そのムラが出力画像においてグロスムラとなって現れるという問題が発生した。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、迅速な立ち上げと非通紙部昇温の抑制を両立すると共に、グロスムラの発生を抑えて良好な画像を出力することのできる加圧ローラ、像加熱装置及び画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る加圧ローラは、
記録材に担持されたトナー像を加熱する像加熱装置に用いられる加圧ローラであって、
少なくとも芯金と、第1の弾性層と、前記芯金と前記第1の弾性層との間に設けられた第2の弾性層と、を有し、
前記第1の弾性層は連泡化された空隙を有するゴムで形成され、前記第2の弾性層はソリッドゴムで形成されており、
前記第1の弾性層の厚みは、望ましくは50μm以上500μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の像加熱装置は、上記加圧ローラと、加圧ローラと共にニップ部を形成する加熱回転体と、を備え、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら前記トナー像を加熱する構成となっている。
また、本発明の画像形成装置は、記録材にトナー像を形成する画像形成部と、上記像加熱装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、迅速な立ち上げと非通紙部昇温の抑制を両立すると共に、グロスムラの発生を抑えた良好な画像を出力することができる。
(A)は本発明の実施例1に係る像加熱装置の加圧ローラの斜視図、(B)は断面図。 (A)は図1の加圧ローラが使用される画像形成装置の概略図、(B)は像加熱装置の断面図。 熱伝導率測定に係るサンプルと測定系を説明する図。 実施例1に係る実験結果を示す図。 (A)は本発明の実施例2に係る針状フィラーの斜視図、(B)は実施例2のサンプルの切断面を説明する図。 図5(A)のサンプルの切断面の模式図。 実施例2に係る実験結果を示す図。
以下に本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の特徴は、像加熱装置に用いられる加圧ローラに特徴があり、加圧ローラの弾性体を断熱層である第1の弾性層と、熱拡散層である第2の弾性層とから構成し、第1の弾性層を連泡化された薄層としたものである。これにより、立ち上がり時間を短縮するとともに、小サイズ紙の通紙における非通紙部昇温も抑制し、課題であったグロスムラも低減するものである。
[実施例1]
まず、本発明の像加熱装置が適用される画像形成装置の全体構成を説明し、次いで、本発明に係わる像加熱装置及び加圧ローラについて詳しく説明する。
(画像形成装置の構成)
図2(A)は、本発明が適用される画像形成装置の一例を示す概略図である。
画像形成装置50には、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKの4色のトナー像を形成する4つの画像形成部Y30,M30,C30,K30が、記録材を搬送する搬送ベルト9に沿って、搬送方向に直列に配列されている。そして、搬送ベルト9上に担持した記録材P上に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像を順次転写することで、一つの画像を形成する方式である。各画像形成部Y30,M30,C30,K30は、静電写真プロセスによって画像を形成するもので、同一の構成である。画像形成部Y30を例にとって説明すると、像担持体である感光ドラム1の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器2、現像器5、転写ローラ10、及びドラムクリーナー16が配置されている。帯電器2と現像器5の間には、露光装置3からのレーザ光Laを感光ドラム1に照射するための窓が設けられている。また、転写ローラ10は、
感光ドラム1に対して、搬送ベルト9を介して配置される。
画像形成プロセスは、まず、感光ドラム1は、その表面が帯電器2によってマイナス極性に帯電される。次に帯電された感光ドラム1は、露光装置3からのレーザ光Laにより、その表面上に静電潜像が形成(露光された部分は表面電位が上がる)される。本実施例のトナーは各色共にマイナス極性に帯電されており、まず1色目のイエロートナーが入った現像器5によって、感光ドラム1上の静電潜像部にのみマイナストナーが付着し、感光ドラム1上にイエローのトナー像が形成される。
一方、搬送ベルト9は、二つの支持軸(駆動ローラ12、テンションローラ14)に支持され、図中矢印R4方向に回転する駆動ローラ12によって、矢印R3方向に回転する。記録材Pは、給紙ローラ4によって給紙されると、プラス極性のバイアスが印加された吸着ローラ6によって帯電され、搬送ベルト9上に静電吸着されて搬送される。記録材Pが転写ニップN1に搬送されると、搬送ベルト9に従動回転する転写ローラ10に、不図示の電源からトナーの極性とは逆の極性であるプラス極性の転写バイアスが印加され、感光ドラム1上のイエロートナー像は、転写ニップN1において記録材P上に転写される。転写後の感光ドラム1は、弾性体ブレードを有するドラムクリーナー16によって表面の転写残トナーが除去される。
以上の帯電、露光、現像、転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目(マゼンタ)の画像形成部M30、3色目(シアン)の画像形成部C30、4色目(ブラック)の画像形成部K30についても順次行い、搬送ベルト9上の記録材Pに4色のトナー像を形成する。4色のトナー像を担持した記録材Pは、像加熱装置100に搬送され、表面のトナー像の加熱定着が行なわれる。
(像加熱装置の概要)
次いで、本実施例1の像加熱装置100について以下に説明する。
本実施例1の像加熱装置100は、上述のように立ち上げ時間の短縮や低消費電力化を目的としたフィルム加熱方式の加熱装置である。図2(B)は本実施例における像加熱装置100の断面図である。
像加熱装置100は、加熱回転体としての定着フィルム112を備えた加熱ユニット130と、加熱ユニット130と共にニップ部としての定着ニップNを形成する加圧ローラ110とを備え、定着ニップNでトナー像を担持した記録材Pを搬送しながらトナー像を加熱定着する。
加熱ユニット130は、定着フィルム112と、定着フィルム112の内面に接触し、定着フィルム112を挟むように配置される加熱体としての加熱ヒータ113とを備え、加圧ローラ110によって定着フィルム112を加熱ヒータ113に押圧して定着ニップNを形成している。
加熱ヒータ113はヒータホルダー119に保持され、この周囲に可撓性を有する円筒
状の定着フィルム112(回転体)が設けられ、定着フィルム112を挟むように、加熱ヒータ113に対向して加圧ローラ110(加圧部材)が圧接している。加熱ヒータ113は定着フィルム112の内面に接触し内面ニップNkを形成し、この内面ニップNkで加熱ヒータ113の熱が定着フィルム112に伝熱し、定着フィルム112が加熱される。一方、定着フィルム112の表面は加圧ローラ110表面と接触し定着ニップNを形成している。
加圧ローラ110が図中矢印R1方向に駆動されると、定着フィルム112は定着ニップNで加圧ローラ110から動力をもらい、矢印R2方向に従動回転する。定着ニップNで加熱ヒータ113により加熱された定着フィルム112の熱は、加圧ローラに伝熱し、加圧ローラ110も加熱される。未定着のトナー像Tが転写された記録材Pは、図中矢印A1方向から定着ニップNに搬送されると、定着ニップNで加熱された定着フィルム112と加圧ローラ110の熱が記録材Pとトナー像Tに伝熱し、記録材Pにトナー像Tが定着されるようになっている。
(定着フィルム)
加熱ヒータ113を保持したヒータホルダー119は、強度を持たせるために鉄製のステー120で加熱ヒータ113とは反対側から支えられている。この周囲に可撓性を有する円筒状の定着フィルム112が設けられた構成となっている。本実施例の定着フィルム112は変形させない円筒状の状態で外径がφ20mmであり、厚み方向には多層構成となっている。定着フィルム112の層構成としては、フィルムの強度を保つための基層126と、表面への汚れ付着低減のための離型層127からなる。基層126の材質は、加熱ヒータ113の熱を受けるため耐熱性が必要であり、また加熱ヒータ113と摺動するため強度も必要であるため、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)やニッケルなどの金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いると良い。金属は樹脂に比べると強度があるため薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面へ伝達しやすい。樹脂は金属に比べると比重が小さいため熱容量が小さく温まりやすい利点がある。また樹脂は塗工成型により薄肉のフィルムが成型できるため安価に成型できる。本実施例では、定着フィルム112の基層126の材質としてポリイミド樹脂を用い、熱伝導率と強度を向上させるためカーボン系のフィラーを添加して用いた。基層126の厚さは薄いほど加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112の表面に伝達しやすいが強度が低下するため15μm〜100μm程度が好ましく、本実施例では50μmとした。
定着フィルム112の離型層127の材質は、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂を用いると好ましく、本実施例ではフッ素樹脂の中でも離型性と耐熱性に優れるPFAを用いた。離型層127は、チューブを被覆させたものでも良いが、表面を塗料でコートしたものでも良く、本実施例では、薄肉成型に優れるコートにより離型層127を成型した。離型層127は薄いほど加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面に伝達しやすいが、薄すぎると耐久性が悪化するため、5μm〜30μm程度が好ましく、本実施例では10μmとした。
(加熱ヒータ)
加熱ヒータ113は、記録材搬送方向の幅Wh=6mm、長手方向の幅270mmの長方形の形状で厚さ1mmのアルミナの基板表面に、Ag/Pd(銀パラジウム)の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷により10μm塗工し、その上に発熱体保護層としてガラスを50μmの厚さで覆ったものを用いた。本実施例の画像形成装置の最大記録材幅はレターサイズであり、レターサイズの長手方向の幅216mmを十分加熱できるように通電発熱抵抗層の長手方向の幅はレターサイズより左右1mmずつ長い218mmになっている。加熱ヒータ113の背面には通電発熱抵抗層の発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するための温度検知素子115が配置されている。この温度検知素子115の信
号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層に流す電流を適切に制御することで、加熱ヒータ113の温度を調整している。一方、加熱ヒータ113の背面には安全素子140も配置されている。これは万一温度検知素子115が故障した場合、加熱ヒータ113に通電され続け異常昇温した場合に加熱ヒータの割れによる発火を防止するためである。本実施例の安全素子140は一般的なサーモスイッチであり、加熱ヒータ113に通電する導線に直列に接続されている。安全素子140の温度(加熱ヒータ113の背面温度)が270℃になると到達するとバイメタルの変形により加熱ヒータ113への通電が遮断される構造となっている。温度検知素子115が故障しても、加熱ヒータ113背面の温度が270℃になると安全素子140の通電遮断により加熱ヒータ113の加熱が止まり、加熱ヒータ割れによる発火を防止できる。
温度検知素子115により温度調整され加熱された加熱ヒータ113の熱は、定着フィルム112の内面から表面に伝わり、定着ニップNを介して加圧ローラ110の表面を加熱する。上述のようにトナー像Tが転写された記録材Pが、定着ニップNに搬送されると、定着フィルム112と加圧ローラ110の熱は、トナー像Tと記録材Pに伝わり、記録材Pにトナー像Tが定着されるようになっている。
(ヒータホルダー)
次に、ヒータホルダー119について説明する。
上述のように加熱ヒータ113はヒータホルダー119に設けた溝穴に嵌め込まれ保持されている。ヒータホルダー119は、加熱ヒータ113の熱を奪い難いように低熱容量の材料が好ましく、本実施例では耐熱性樹脂である液晶ポリマー(LCP)を用いた。ヒータホルダー119は強度を持たせるために鉄製のステー120で加熱ヒータ113とは反対側から支えられている。ステー120は長手方向両端部から加圧バネ114によって図中矢印A2方向に加圧されるようになっている。
(加圧ローラ)
本実施例1の加圧ローラ110は、外径φ20mmであり、φ13mmの鉄製の芯金117にシリコーンゴムを発泡した厚さ3.5mmの弾性層116(発泡ゴム)が形成されている。加圧ローラ110は、熱容量が大きく、熱伝導率が大きいと、加圧ローラ110表面の熱が内部へ吸収され易く、加圧ローラ110の表面温度が上昇しにくくなる。すなわち、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、加圧ローラ110表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。
上記シリコーンゴムを発泡した発泡ゴムの熱伝導率は0.06〜0.16W/m・Kであり、0.20〜2.00W/m・K程度のソリッドゴムよりも熱伝導率が低い。また、熱容量に関係する比重は、ソリッドゴムが約1.05〜1.30であるのに対して、発泡ゴムが約0.75〜0.85であり、低熱容量でもある。従って、この発泡ゴムは、上記加圧ローラ110表面温度の立ち上がり時間を短縮できる。
加圧ローラ110の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さ過ぎると定着ニップNの幅が狭くなってしまうので適度な径が必要であり、本実施例では、外径をφ20mmとした。弾性層116の肉厚に関しても、薄過ぎれば十分な変形ができず定着ニップNが形成できないので適度な厚みが必要であり、本実施例では、弾性層116の厚さを3.5mmとした。
弾性層116の上には、トナーの離型層として、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)からなる離型層118が形成されている。離型層118は定着フィルム112の離型層127同様、チューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものでも良いが、本実施例では、耐久性に優れるチューブを使用した。離型層118の材質としては、PFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂や、離型性の良いフッ素ゴムやシリコーンゴム等を用いても良い。加圧ローラ110の表面硬度は、低いほど軽圧で定着ニップNの幅が得られるが、低すぎると耐久性が悪化するため、本実施例における加圧ローラ110は、表面硬度はAsker−C硬度(4.9N荷重)で、50°とし、加圧力は180Nとし
た。
加圧ローラ110は、不図示の回転手段により、図中矢印R1方向に、表面移動速度273mm/secで回転するようになっている。以下に加圧ローラ110の層構成・物性・製造方法に関して詳述する。
(加圧ローラの層構成)
次に、本実施例1における加圧ローラ110の層構成を、以下に詳細に説明する。
図1(A)は加圧ローラ110の俯瞰図、図1(B)は断面図である。
図1に示すように、加圧ローラ110は、少なくとも芯金117と、弾性層116と、離型層118とを備えている。弾性層116はシリコーンゴムを含む構成で、離型層118はフッ素樹脂等からなる構成である。
芯金117は鉄やアルミニウム等から成り、中実円柱ないし中空円筒形状で加圧ローラ110に要求される剛性を満たすよう設定される。本実施例では、鉄製の中実円柱でφ13の芯金を用いた。
弾性層116は、少なくとも2層から成り、離型層118側の第1の弾性層116Aと芯金117と第1の弾性層116Aとの間に設けられた第2の弾性層116Bで構成されている。第1の弾性層116Aは空隙を有しており、これにより、立ち上がり時間の短縮を実現することができる。第2の弾性層116Bはソリッドゴムないし高熱伝導性フィラーを含有したソリッドゴムで形成されている。これにより、非通紙部昇温の十分な抑制効果を付与できる。
第1の弾性層116Aの空隙は、連泡化された空隙となっており、後述するようにグロスムラを低減できる。
離型層118は、印刷時のトナー離型性を考慮して設けられており、その厚さは、本発明に係る効果を損なわない範囲で任意に設定することができる。一般的には10〜50μmである。離型層118の材料としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)および、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素樹脂材料が用いられる。
第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率λ1と第2の弾性層116Bの厚み方向の熱伝導率λ2の関係は、λ1<λ2である。なぜなら、第1の弾性層116Aは立ち上げ時の短時間においては加熱体で生成した熱エネルギーの拡散を防ぐ目的で配置されており、断熱性を要求するためである。
第1の弾性層116Aの厚みt1と、第2の弾性層116Bの厚みt2の関係は、好ましくは、t1<t2である。なぜなら、第1の弾性層116Aは立ち上げ時の短時間においては断熱性を発揮し、通紙に伴う大局的な昇温に関しては第2の弾性層116Bの均熱効果を目的とするため、薄層である必要がある。弾性層116はニップ形成に必要な弾性を有する必要があるが、そのためには、弾性に加え、ある程度の層厚が必要であり、第2の弾性層116Bは第1の弾性層116Aに比べ、層厚は厚くなる。
第1の弾性層116A及び第2の弾性層116Bの厚みは、加圧ローラ110から芯金軸に対して垂直になるように剃刀を用いて断面を形成し、その断面を光学顕微鏡で観察し、測定した。測定位置は、任意の3か所であり、それらの算術平均を、第1の弾性層116A及び第2の弾性層116Bの厚みとした。
(第1の弾性層)
第1の弾性層116Aは、上記した通り、連泡化された空隙を有する。第1の弾性層116Aの空隙が連泡化されていない独泡の場合、温度上昇による気体膨張や弾性層圧縮時の空隙内圧力上昇により、加圧ローラ110として紙に与える圧力にムラが生じ、グロスムラが生じやすい。
これに対して、本発明では、第1の弾性層116Aは連泡化された空隙を有しているので、温度上昇による気体膨張や弾性層圧縮時に発生する空隙内の圧力を逃がすことができ
、加圧ローラ110として紙に与える圧力を均一にできるため、グロスムラが低減できる。
第1の弾性層116Aの厚みt1は、50μm以上500μm以下である。50μm未満では、成型することが困難である。また、立ち上がり時間短縮効果も不十分となる。500μmより厚い場合は、第2の弾性層116Bの非通紙部昇温抑制効果が十分に発揮されない場合がある。さらに、印刷能力の高速化に伴い、より非通紙部昇温が厳しくなるなかで十分に非通紙部昇温を抑制し印刷能力を向上されるには、従来以上に第1の弾性層116Aの厚みを薄くする必要があるためである。
第1の弾性層116Aは、好ましくは、連泡化率70%以上100%以下である。
連泡化率70%以上の場合、グロスムラを低減できる。連泡化率が高いほど、グロスムラを低減できる。
第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率λ1は、好ましくは、0.06W/(m・K)以上0.16W/(m・K)以下である。なぜなら、0.06W/(m・K)未満である場合、空隙率が多すぎてゴム分が少ないことにより、成型が困難であったり、定着器として使用する加圧ローラ110として耐久性が低い場合があり、0.16W/(m・K)を超えた厚み方向の熱伝導率の場合、立ち上がり時間短縮の効果が低減するからである。
第1の弾性層116Aの空隙率は、20体積%以上70体積%以下が好適である。20体積%を下回る場合では、上述の連泡化率を得ることが困難であり、70体積%以上の空隙率を形成しようとする場合は、ゴム分が少ないことにより、成型困難である。空隙率が高い方が立ち上がり時間を短縮でき、より好ましくは35体積%以上70体積%以下である。
第1の弾性層116Aの空隙率は以下の式によって求めることができる。
まず、剃刀を用いて、第1の弾性層116Aを任意の部分で切断する。その25℃における体積を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラー・トレド株式会社製)により測定する(以下、この体積をVallと記す)。
次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱することでシリコーンゴム成分を分解・除去する。この時の重量の減少量をМpとする。
この状態で25℃における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する(以下、この密度をVaと記す)。これらの値を基に、次の式(1)から空隙率を求めることができる。
なお、シリコーンゴム成分の密度は0.97g/cmとして計算した(以下、この密度をρpと記す)。
空隙率(体積%)=[{(Vall−(Мp/ρp+Va)}/Vall]×100・・・・(1)
なお、本実施例1の空隙率は、上記任意の部分を切り出した計5個のサンプルについての平均値を採用している。
第1の弾性層116Aの連泡化された空隙は、樹脂からなる中空粒子や含水ゲルを用いた空隙形成手段で形成できる。
樹脂からなる中空粒子で連泡化された空隙を得る手段として、TEG(トリエチレングリコール)などで凝集させた状態で成型する手段がある。
凝集剤としては、既膨張の樹脂マイクロバルーンと馴染みの良い、且つ、シリコーンゴムと馴染みの悪いもので、樹脂マイクロバルーンの樹脂の軟化または溶融する温度以上で気化するものが好ましい。気化成分がエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびグリセリンからなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物であることが好ましい。上記の物質は、樹脂バルーン配合シリコーンゴム材中で樹脂バルーン表面を効率よく覆うと考えられ、樹脂バルーン配合シリコーンゴムの連泡化を促す作用をする。
その配合量は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
およびグリセリンの合計量として、樹脂バルーン配合量に対して1〜2倍量(重量部)が好ましい。これより少ないと上記効果が得られにくいという点で不利であり、これより多いとシリコーンゴムの硬化性・耐熱性に問題が生じる場合があるという点で不利である。
(第2の弾性層)
第2の弾性層116Bはソリッドゴムないし高熱伝導性フィラーを含有したソリッドゴムで形成されている。これは、非通紙部昇温抑制効果を付与できるからである。熱伝導率を良化させるためにアルミナ、酸化亜鉛、炭化珪素、グラファイトなどからなる高熱伝導性フィラーをベースポリマーに添加することで第2の弾性層116Bは高熱伝導になっている。
第2の弾性層116Bの厚み方向の熱伝導率の好ましい範囲は、0.2W/(m・K)以上2.0W/(m・K)以下である。
なぜなら、0.2W/(m・K)未満の場合、非通紙部昇温の効果を十分に発揮できない場合があり、2.0W/(m・K)を超えた場合は、成型が困難であったり、高熱伝導性フィラーの高充填により、ニップを形成するための十分な弾性が得ることが困難になる場合があるからである。第2の弾性層116Bの厚み方向の熱伝導率λ2が高いほど、非通紙部昇温が生じた時に、加圧ローラ110に溜まっている熱を厚み方向にある芯金117に通し、芯金117を通して、長手方向に均熱できるので、非通紙部昇温を抑制できる。
高熱伝導性フィラーの含有率は、1体積%以上60体積%以下が好ましい。1体積%未満の場合、期待する熱伝導率が得られない場合があり、60体積%を超えた場合、成型が困難であったり、高熱伝導性フィラーの高充填により、ニップを形成するための十分な弾性が得ることが困難になる場合があるからである。
第2の弾性層116B中の高熱伝導性フィラーの含有率(体積%)の測定方法は、まず、第2の弾性層116Bからサンプルを切り出し、その25℃における体積(Vall)を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)により測定する。
次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱することでシリコーンゴム成分を分解・除去する。
その後、残った高熱伝導性フィラーの25℃における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する(以下、この体積をVbと記す)。これらの値を基に、次の式(2)から高熱伝導性フィラーの体積割合を求めることができる。
高熱伝導性フィラーの含有率(体積%)=(Vb/Vall)×100 ・・・(2)
(ベースポリマー)
第1の弾性層116A及び第2の弾性層116Bのベースポリマーは、付加硬化型液状シリコーンゴムを架橋硬化することで得られる。付加硬化型液状シリコーンゴムは、ビニル基等の不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン(A)と、Si−H結合(ヒドリド)を有するオルガノポリシロキサン(B)とを有する未架橋シリコーンゴムである。加熱等によりビニル基等の不飽和結合に対してSi‐Hが付加反応することで架橋硬化が進行する。
反応を促進する触媒として(A)には白金化合物を含有するのが一般的である。この付加硬化型液状シリコーンゴムは、本発明の目的を損なわない範囲で流動性を調節できる。
なお、本発明においては、発明の特徴の範囲を超えない限りは、第1の弾性層116A及び第2の弾性層116B中に、本発明に記載されていないフィラーや充填材や配合剤が、公知の課題の解決手段として含まれていても構わない。
(第2の弾性層の長手方向及び厚み方向の熱伝導率の評価方法)
第2の弾性層116Bの長手方向及び厚み方向の熱伝導率は以下のように求めることが
できる。
まず、加圧ローラ110の第2の弾性層116Bからサンプルを剃刀で切り出す。図3を用いて、長手熱伝導率及び厚み熱伝導率測定について説明する。
図3は、周方向(15mm)×長手方向(15mm)×厚み(弾性層厚み)に切り出した切り出しサンプル150を重ね合わせて、厚みが約15mmになるよう作製した熱伝導率評価用試料(以下、被測定試料と記す)である。
長手方向の熱伝導率を測定する際は、図3に示すように厚さ0.07mm、幅10mmの粘着テープTAで被測定試料を固定した。
次に、被測定面の平面度を揃えるために剃刀にて被測定面及び被測定面と対面している被測定面裏面をカットする。そして、この被測定試料を2セット用意して、センサSを被測定試料で挟み、測定を行う。
測定は、ホットディスク法熱物性測定装置TPA−501(京都電子工業株式会社製)を使用した異方熱伝導率測定である。各々測定を5回行い、それらの平均値を用いて、長手方向の熱伝導率として算出する。
なお、厚み方向の熱伝導率の測定は、上記と同様の方法で被測定試料の向きを変えて測定した。
(第1の弾性層の厚み方向の熱伝導率の評価方法)
第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率は以下のように求めることができる。
まず、加圧ローラ110の第1の弾性層116Aからサンプルを剃刀で切り出す。このサンプルについて、比熱Cp(J/(k・kg))を、示差走査熱量計DSC823e (商品名、Mettler Taledo製)で測定した。また、密度ρ(kg/m3)を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)で測定した。そして、これらの値を用いて、熱伝導率測定装置(ai‐Phase Mobile2、株式会社アイフェイズ)で加圧ローラ110の厚み方向の熱伝導率が測れる方向でサンプルをセットし、熱伝導率を求めた。
(連泡化率の評価方法)
本発明の第1の弾性層116Aはグロスムラを低減するために、空隙が70%以上100%以下の連泡化率である。第1の弾性層116Aの連泡化率は、剃刀を用いて、任意の部分で第1の弾性層116Aを剥ぎ取り、以下のように空隙を水に置換する方法を用いて、次の式(3)で算出することができる。
連泡化率(%)={(吸水した水の体積)/(Vall−(Мp/ρp+Va))}×100・・・・(3)
なお、吸水した水の体積は、以下の式(4)から求めることができる。
吸水した水の体積=(吸水後のサンプル質量−吸水前のサンプル質量)/水の密度・・・(4)
なお、本実施例では水の密度を1.0g/cmとした。
空隙を水に置換する方法は、サンプルを水中に保持し、−750mmHg減圧下3分間放置する方法である。空隙を水に置換する前のサンプル質量を吸水前のサンプル質量、水に置換した後のサンプル質量を吸水後のサンプル質量とした。なお、Vall、Мp、ρp、Vaについては前述の通りである。
(加圧ローラの製造方法)
以下のような製造方法により、非通紙部昇温を抑制しつつ、立ち上がり時間を短縮し、グロスムラを低減した加圧ローラ110を得ることができる。
(i)第2の弾性層の材料調整工程
未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムに高熱伝導性フィラーまたは針状フィラーを所定の量を秤量し、配合する。混合手段は遊星式の万能混合攪拌機など、公知の混合手段を用いて混合し、第2の弾性層形成用液体組成物を調製する。このとき、高熱伝導性フィラー
を有する第2の弾性層116Bを形成する場合は、高熱伝導性フィラー量を増やすことで、第2の弾性層116Bの厚み熱伝導率を高くすることができる。針状フィラーを有する第2の弾性層を形成する場合は、針状フィラーの量を増やすことで、第2の弾性層116Bの長手方向の熱伝導率を高くすることができる。
(ii)第2の弾性層116Bの成型工程
表面をプライマー処理した芯金117を配置した注型成形用型のキャビティに、上記(i)で調製した液体組成物を注入する。
このとき、針状フィラー160を有する第2の弾性層116Bを形成する場合は、ローラの長手方向に配向するように、キャビティ内に液体組成物を注入させる。これにより、針状フィラー160が長手方向に略配向し、長手方向の熱伝導率を効果的に高めることができる。
また、上記キャビティのギャップによって、第2の弾性層116Bの厚みを制御することができる。
型に注入した後は、100℃から150℃程度の温度で、10分程度以上加熱することで、第2の弾性層形成用組成物を硬化させ、脱型し、芯金117上に第2の弾性層116Bを成型することができる。
なお、本成型工程は、リングコート法のような公知の手段によっても、成型することができる。
(iii)第1の弾性層116Aの材料調整工程
未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムに中空粒子または含水ゲルを所定の量を秤量し、配合する。混合手段は遊星式の万能混合攪拌機など、公知の混合手段を用いて混合し、第1の弾性層形成用液体組成物を調製する。このとき、中空粒子を用いた空隙形成を行う場合は、連泡化された空隙にするために、TEG(トリエチレングリコール)などの凝集剤も配合して混合する。凝集剤の量を増やすことで、連泡化率が高まる。含水ゲルを用いた空隙形成を行う場合は、混合時にエマルジョン状態の液体組成物となるまで混合する。なお、中空粒子または含水ゲルの量を増やすことで、空隙率を高まり、第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率を下げることができる。
(iv)第1の弾性層116Aの成型工程
芯金117上に第2の弾性層116Bまで成型された加圧ローラを注型成形用型のキャビティに設置し、上記(iii)で調製した液体組成物を注入する。
型に液体組成物を注入した後は、型を密閉した状態において、100℃から150℃程度の温度で、10分程度以上加熱することで、第2の弾性層形成用組成物を硬化させ、脱型することで、第2の弾性層116B上に成型した第1の弾性層116Aを成型することができる。
上記(iii)で調製した液体組成物を注入するキャビティのギャップによって、第2の弾性層の厚みを制御することができる。また、第1の弾性層116Aの成型後に公知のゴム研磨加工によって第1の弾性層116Aの厚みを所望の厚みに薄くすることもできる。
第1の弾性層116Aと第2の弾性層116Bの層間接着については、必要であれば適宜、第2の弾性層116Bの表面に接着剤やプライマーを用いた接着を行うこともできる。
含水ゲルを用いた空隙形成手段の場合は、液体組成物を硬化させた後に、脱型し、100℃以上の加熱によって、含水ゲルの水分を脱水させることで、空隙を形成する必要がある。
脱水の熱処理条件としては、100℃〜250℃、1〜5時間が望ましい。
(v)離型層118の積層工程
印刷使用時のトナー離型性を考慮し、PFAからなるフッ素樹脂チューブをローラの離型層118として設けることができる。
接着剤を用いて、第1の弾性層116A上に離型層118であるフッ素樹脂製チューブ
を被覆し、一体化する。接着剤を用いずに第1の弾性層116Aと離型層118が層間接着する場合は、接着剤を用いなくても良い。なお、離型層118は工程の最後に形成することは必ずしも必要ではなく、予め(iv)の液体組成物を注入する前に、型内部にチューブを配置する注型する方法によっても離型層118を積層できる。
(本実施例における加圧ローラの製造)
本実施例として連泡化されたバルーンゴムによる第1の弾性層の厚みを100μmとする場合を以下に記す。
未架橋の付加硬化型液状シリコーンゴムに対し、高熱伝導性フィラーとして高純度真球状アルミナを、体積比率で20体積%になるように配合、混合して第2の弾性層を形成するための液体組成物を得る。高純度球状アルミナとして、「アルナビーズ CB−A30S」(商品名、昭和電工株式会社製)を用いた。次に、芯金と第2の弾性層116Bの接着のために予め公知の手段でプライマー処理した外径φ13mmの芯金117の中心を、内径φ19.8mmの成型金型の中心と同軸となるようにセットした。
なお、プライマーは「DY39−051」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)のA液とB液を用いた。
そして、成型金型の側面にある端部金型の注入用の穴から、芯金117と成型金型の間に第2の弾性層116Bを形成するための液体組成物を成型金型の長手方向に注入する。そして、150℃×30分加熱硬化を行い、脱型することで、芯金上に第2の弾性層を形成したローラを得た。
次に、第1の弾性層116Aを形成するための液体組成物を配合、混合した。配合は、未架橋の付加硬化型液状シリコーンゴム、100重量部に対し既膨張の樹脂マイクロバルーン(商品名 F‐80SDE、松本油脂製薬株式会社)、3重量部、及びトリエチレングリコール、6重量部を配合し、室温下で万能混合攪拌機(ダルトン:株式会社三英製作所)で10分間混合攪拌し、第1の弾性層116Aを形成するための液体組成物とした。その後、第2の弾性層116Bが既に積層されているローラを、内径23mmの成型金型の中心と同軸となるようにセットする。そして、第1の弾性層116Aを形成するための液体組成物を注型した。その後、型を閉じ、130℃に設定したオーブンを用いて、1時間加熱硬化し、脱型した。続いて、この加熱硬化したローラを230℃に設定したオーブン内で2時間加熱処理を行った。さらに、ゴム研磨加工を行うことで、外径がφ20mmとなるように、第1の弾性層の厚みを調整した。最後に、第1の弾性層116Aの表面に、「SE1819CV」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)のA液およびB液を用い、公知の手段でPFAチューブを接着して、端面の余分な部分をカットして実施例1に係る加圧ローラ110を作製した。
作製した加圧ローラ110の第1の弾性層116Aの層厚みは100μmであった。第1の弾性層116Aの連泡化率は90%であった。第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率は0.10W/m・Kであった。第2の弾性層116Bの厚み方向の熱伝導率は0.41W/m・Kであった。本実施例として連泡化されたバルーンゴムによる第1の弾性層116Aの厚みを50μm、300μm、500μm0mmの時に第1の弾性層と第2の弾性層の総厚みが3.5mmとなるように、所望の第1の弾性層116Aに合わせて、内径を変えた金型を適宜使用することで、それぞれ作製した。第1の弾性層116Aの連泡化率、第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率、第2の弾性層116Bの厚み方向の熱伝導率に関して、それぞれの第1の弾性層116Aの厚みに振った加圧ローラ110で測定したが、結果に有意差は見られなかった為、記載は省略した。
(本実施例の効果)
本実施例によれば、連泡化した空隙を有するゴムを薄層化して表層側の第1の弾性層116Aに配置し、内側にソリッドゴムの第2の弾性層116Bを配置することで、迅速な立ち上げと非通紙部昇温抑制の両立を果たすことができた。また、加熱に伴う表面形状および圧力のむらを抑えることで、出力画像におけるグロスムラを防止することができる。
独泡の場合は急速な昇温によってゴム部と空隙部の膨張率の違いによって顕著に生じていた膨張ムラが、連泡化により抑えられ、その結果として均一で高画質な出力を実現することができる。
本実施例の効果を確認するために、従来例として、バルーンゴムによる加圧ローラ(従来例1)と、ソリッドゴムによる加圧ローラ(従来例2)、独泡バルーンゴムによる第1の弾性層116Aの厚みを50μm、100μm、300μm、500μmと振った加圧ローラ(従来例3〜6)、本実施例として連泡化されたバルーンゴムによる第1の弾性層110Aの厚みを50μm、100μm、300μm、500μmと振った加圧ローラ(実施例1−1〜1−4)とで比較実験を行った。
従来例1のバルーンゴムによる加圧ローラとは、本実施例の第1の弾性層116Aに使用した材料を用いて作製した弾性層が単層の外径φ20mmの加圧ローラであり、厚み方向の熱伝導率は本実施例1の第1の弾性層と同様である。
従来例2のソリッドゴムによる加圧ローラとは、本実施例の第2の弾性層に使用した材料を用いて作製した弾性層が単層の外径φ20mmの加圧ローラであり、厚み方向の熱伝導率が本実施例1の第2の弾性層と同様である。
従来例3~8の独泡バルーンゴムによる加圧ローラとは、トリエチレングリコールを配
合せず、実施例1と同様の第1の弾性層の厚み方向の熱伝導率、第2の弾性層の厚み方向の熱伝導率となるように作製したローラである。
また、独泡バルーンゴムによる加圧ローラの厚みを振ったいずれの加圧ローラも、連泡化率は、すべて5%以下であった。
(立ち上がりの比較)
フィルム加熱方式の定着装置は、熱容量の小ささを利用し急速立ち上げを達成する。加圧ローラにバルーンゴムを用いた場合(従来例1)、とりわけ立ち上げが早くなる。一方、加圧ローラにソリッドゴムを用いた場合は(従来例2)、熱容量が大きくなりフィルム加熱方式といえどもクイックスタート性は犠牲となる。定着させるべき紙がニップに突入する時点でフィルム表面温度が十分に昇温している必要があることから、冷却状態から定着装置を立ち上げ、フィルム表面温度の推移を比較評価した。
比較実験は、室温15℃、湿度10%の環境において、同一の画像形成装置に各加圧ローラを組み付け、冷却静止状態からの立ち上げ動作におけるフィルム表面温度をサーモビューアにより測定し比較した。画像形成装置はプロセススピード273mm/sec、印字速度48ppm、FPOTは5.5秒であり、加熱装置は最大1043Wの熱量を供給できる。今回は加熱・回転開始から4秒時点でのフィルム表面温度を比較した。実験結果を表1に示す。
立ち上がり比較実験結果
Figure 2019028101
4秒到達温度は4秒時点でのフィルム表面温度、到達率はバルーンゴムによる加圧ローラの温度を基準に相対比較したパーセンテージ表示である。バルーンゴム(従来例1)が
断熱性と低熱容量性により良好な立ち上がりを達成するのに対し、ソリッドゴム(従来例2)ではフィルム表面温度で30℃も低くなっているのが実験結果から見て取れる。つまり、ソリッドゴムを用いた場合は立ち上げにより多くの時間を要し、クイックスタート性を犠牲にせざるを得ない。
一方、第1の弾性層116Aにバルーンゴムを用いた本実施例では、その厚みに依存するものの、良好な立ち上がりが実現できているのが見て取れる。厚み50μmの実施例1−1で到達率は90.0%、厚み500μmの実施例1−4で到達率は97.2%に達する。立ち上がりに関しては、厚みが薄いと熱が第2の弾性層まで達してしまうことからフィルム表面温度の上がりが悪くなり、クイックスタート性に影響が生じる。一方、厚みを増していくと、バルーンローラに漸近する訳であるが、実験結果としては100%には漸近しない傾向が見られた。これは多層構造を形成する上で、接着層部分が影響しているものと考えられる。しかしながら、本提案手法により、良好なクイックスタート性を実現できることは実験的にも確認できた。
尚、第1の弾性のバルーンゴムに関して連泡と独泡の両方で実験は行ったが、結果に有意差は見られなかった為、記載は省略した。
(非通紙部昇温の比較)
印刷可能な最大幅よりも狭い幅の記録材に印刷した場合、定着ニップNに記録材がある領域(通紙領域)と、記録材がない領域(非通紙部領域)とが出来る。最大幅において加熱ヒータ113が発熱すると、非通紙部領域における熱エネルギーは加圧ローラ110の該当領域が受け取ることになり、結果として定着装置の長手方向に温度ムラが生じ、非通紙部の温度が高くなる。これが非通紙部昇温である。近年はクイックスタート性の向上の為、加圧ローラ110の断熱化が進められたが、非通紙部昇温に関しては不利な構成となる。一般に非通紙部昇温に関しては均熱化作用の小さいバルーンゴムは不利で、均熱化作用の大きいソリッドゴムは有利である。先に述べた加圧ローラを用い、非通紙部昇温の比較実験を行った。
比較実験は、室温15℃、湿度10%の環境において、同一の画像形成装置に各加圧ローラを組み付け、坪量80gのB5サイズ紙を連続通紙させ、非通紙部の加圧ローラ温度をサーモビューアにより測定して行った。今回はフルスピードである48ppmで、最大75枚ないし、加圧ローラ表面が昇温により破壊するまで通紙した。また、製品設計上は加圧ローラ温度が230℃以内に収まるよう制御する為、230℃に達するまでの通紙枚数を示す。これは、シリコーンゴムは200℃を超えると熱劣化が始まり、製品寿命を考慮した場合には230℃以内に抑える必要があるという実験的閾値である。実験結果を表2、実験結果の代表例を図4に示す。
端部昇温比較実験結果
Figure 2019028101
バルーンゴムによる加圧ローラ(従来例1)は14枚で230℃に達し、34枚で287℃に達し表面が溶け破壊に至った。ソリッドゴムによる加圧ローラ(従来例2)では53枚で230℃に達し、75枚通紙完了時には244.6℃まで昇温した。第1の弾性層にバルーンゴムを用いた本実施例では、第1の弾性層116Aの厚みが薄いほど非通紙部昇温は緩和されることが見て取れる。熱伝達は拡散方程式に則して進むため、厚みは薄くなればなるほど、非通紙部昇温抑制効果はより顕著に表れる。特に、印字速度が高速化す
るほど、非通紙部における熱負荷は大きくなることから、より大きな非通紙部昇温抑制効果が望まれる。第1の弾性層116Aの厚みが50μmの試作品(実施例1−1)においては、ソリッドゴムの加圧ローラよりも非通紙部昇温が若干ではあるが優れた実験結果が得られた。これは放熱による除熱効果がソリッドゴムよりも優れることによる結果である事も考えられるが、測定誤差の可能性も残す。しかしながら、第1の弾性層にバルーンゴムを用い、また、その厚みを薄くする事で、非通紙部昇温を抑制する効果があることが実験的に確認できた。
尚、本比較実験においても、第1の弾性層のバルーンゴムに関して連泡と独泡の両方で実験は行ったが、結果に有意差は見られなかった為、記載は省略した。
(グロスムラの比較)
印刷の高速化に伴い第1の弾性層116Aの薄肉化を進めるに従い、光沢紙でのグロスムラという画像問題が課題となった。これは、第1の弾性層116Aのバルーンゴムにおいて独泡のゴムを用いていた事により引き起こされていると推測されている。
加熱部は温度上昇に伴い熱膨張するが、シリコーンゴムに比べ、空気は膨張率が大きい。薄層化し、断熱性を確保する為にシリコーンゴムに空孔を設けるにあたり、独泡の場合は空孔部がとりわけ大きく膨張する。この熱膨張のムラは光沢紙のベタ画像印刷時においてグロスムラとして画像問題を引き起こす。
本提案実施例は、この問題を解決するために、第1の弾性層116Aのバルーンゴムに関して、連泡化したものを用いる。連泡化することにより、加熱昇温時に各空孔部は熱膨張するが、膨張した空気は隣接した空孔を介して移動でき、局所的な膨張は抑制することができる。これにより、熱膨張のムラを抑制し、グロスムラの発生を抑制する。
本実施例の効果を確認するために比較実験を行った。第1の弾性層に関して従来例である独泡と本実施例である連泡の2種類で厚みを振って試作し、同一の画像形成装置に各加圧ローラを組み付け印刷することでグロスムラを比較評価した。
記録材にはHewlett−Packard社製の光沢紙であるPresentation Paper 130gを用い、全面ベタ画像を印刷し、目視評価を行った。グロスムラのランクはグロスムラの見られない良好なレベルが◎、ほぼグロスムラのないレベルを〇、目視でのグロスムラ検出限界レベルが△、目視でグロスムラが容易にわかるレベル×の4段階で行った。実験結果を表3に示す。
グロスムラ比較実験結果
Figure 2019028101
従来例である独泡のバルーンゴムを用いていた加圧ローラではグロスムラが散見されたのに対し、本実施例である連泡のバルーンゴムでは総じてグロスムラが低減されているのが見て取れる。従来の独泡では、とりわけ第1の弾性層の厚みが薄い場合にグロスムラが顕著にみられる傾向があったが、これは層の厚みに対する空孔部の比率が大きく、独泡の空孔部が熱膨張した場合の影響がより強く出るためと考えられる。本実施例の実験結果が示すように、バルーンゴムを連泡化することで空孔部の熱膨張が抑えられ、グロスムラを抑制することが出来ている。
以上の実験結果に示したように、立ち上がりに関しては第1の弾性層116Aの厚みは厚い方が早くなるが、バルーンゴムによる断熱層を設ける事で大幅に改善する事ができる
。また、非通紙部昇温に関しては、第1の弾性層116Aの厚みは薄い方が昇温抑制効果は高くなり、設定値は製品スペックの狙いに依るものの、大幅なスペックアップを達成するには、印刷速度の向上した現在では従来想定した1000μmなどでは不足であり、より薄くする必要がある。そして、第1の弾性層を薄くすると、従来の独泡バルーンゴムではグロスムラが顕著に問題化したが、連泡バルーンゴムにすることで薄い層厚でも良好な画像を出力する事が可能となった。
従って、本実施例の実装形態としては、第1の弾性層116Aの厚みは500μm以下程度が望ましく、厚みの下限は材料物性による製造限界の50μmとなる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について、以下に説明する。
本実施例2では、第1の弾性層116Aを形成するにあたって、低粘度の液体組成物を用いる事で層厚500μm以下の薄肉弾性層を安定して形成し、第2の弾性層116Bに、異方性の熱伝導フィラーとして、高熱伝導の針状フィラーを配向配合することで、非通紙部昇温をより効果的に抑制し、小サイズ紙に対して更なる印字能力向上を実現する。
(第1の弾性層)
含水ゲルで連泡化された空隙を得る手段として、例えば、水を吸収して膨潤し得る材料を水で膨潤させたゲルを使用する手段がある。
かかる吸水性ポリマー粉末としては、アクリル酸やメタクリル酸、これらの金属塩の重合体、これらの共重合体や架橋体などが挙げられる。特に、付加硬化型の液状シリコーンゴムを含む液状組成物に対して良好に水を分散させることができる含水ゲルを与える、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩およびその架橋体等を好適に用いることができる。このような吸水性ポリマーとしては、例えば「レオジック250H」(商品名;東亜合成株式会社製)、「ベンゲルW−200U」(商品名;株式会社ホージュン製)等が挙げられる。
この含水ゲルを用いた手段は、弾性層形成用の材料とともに混合、撹拌し、エマルジョン状の液体組成物を調製し、これを注型成形用型に注入、ベースポリマーを硬化させることで、水が均一且つ微細に分散したゴムを形成することができる。その後、ゴムから水を蒸発させることにより、微細な空隙が均一に形成された弾性層を形成することができる。
ベースポリマーを硬化させる際に、液体組成物が大気などの空気に触れている場合、空気と触れている箇所で含水ゲル中の水分が徐所に蒸発するため、層形成した弾性層の表面に空隙の存在しないスキン層が形成されてしまうため、本件では、スキン層形成を防ぐために、液体組成物を型などで密閉した状態でベースポリマーを硬化した。
(第1の弾性層の製造方法)
本実施例では第1の弾性層を形成するための液体組成物として以下の材料を使用した。
未架橋の付加硬化型液状シリコーンゴムと、ポリアクリル酸ナトリウムを主成分として含み、かつ、スメクタイト系粘土鉱物を含む増粘剤(商品名:ベンゲルW−200U;株式会社ホージュン製)1質量部に対して、99質量部のイオン交換水を加えて十分に撹拌し、膨潤させ、含水ゲルを調製した。該付加硬化型液状シリコーンゴムを基準として50体積%の含水ゲルと、を混合し、万能混合撹拌機(商品名:T.K.ハイビスミックス2P−1、プライミクス株式会社製)を用いて撹拌羽根の回転数を80rpmとして、30分間撹拌し、エマルジョン状態の第1の弾性層を形成するための液体組成物を得た。
その他は、第1の弾性層の加熱硬化工程において、型を密閉して、90℃で1時間加熱した以外は、実施例1に示した通りの方法で、本実施例のローラを作製した。
(第2の弾性層)
第2の弾性層116Bは、針状フィラーを含有したソリッドゴムで形成されている。高熱伝導率の針状フィラーが注型などの長手方向に流動する方法によって成型されることで、長手方向に略配向しており、長手方向に高熱伝導となるため、印刷時の非通紙部昇温での加圧ローラ110に溜まっている熱を第2の弾性層116Bの長手方向に均熱できるの
で、非通紙部昇温を抑制できる。
第2の弾性層116Bの長手方向の熱伝導率は2.5W/(m・k)以上であることが好ましい。これにより高速プリント時においても、非通紙部領域の昇温を充分に抑えられることができる。
図5(A)は、第2の弾性層116B中で、芯金117の長手方向に配向して存在する直径D及び長さLの異方性の熱伝導フィラーとしての針状フィラー160の拡大斜視図である。なお、針状フィラー160の物性等については後述する。
図5(B)は、図1の第2の弾性層116Bを切り出した切り出しサンプル150の拡大斜視図である。切り出しサンプル150は、長手方向及び周方向に沿って切り出してある。
図6(A)は、切り出しサンプル150の周方向断面(a断面)の拡大図であり、図6(B)は切り出しサンプル150の長手方向断面(b断面)の拡大図である。周方向断面(a断面)は、図6(A)に示すように、針状フィラー160の直径Dの断面が主として観察でき、長手方向断面(b断面)は、図6(B)に示すように、針状フィラー160の長さWの部分が主として観察できる。加圧ローラ110の回転軸に沿う方向に配向した針状フィラー160は熱伝導パスとなり、回転軸に沿う方向である長手方向の熱伝導率を高めることができる。
第2の弾性層116B中における針状フィラー160の含有率は、第2の弾性層116Bに対して5体積%以上とすることが好ましい。針状フィラーの含有比率が5体積%以上とすることで、加圧ローラ110の長手方向の熱伝導率をより一層向上させることができ、非通紙部昇温のより一層の抑制効果を得ることができる。
また、第2の弾性層116B中の針状フィラー160の含有比率は、40体積%以下とすることが好ましい。針状フィラー160の含有比率を40体積%以下とすることで、容易に成形することができる。また、弾性層の弾性の過度の低下を避け得る。
針状フィラー160の直径Dに対する長さWの比が大きい、すなわちアスペクト比が高い材料が好適に使用できる。
針状フィラー160として、熱伝導率λが500W/(m・K)以上900W/(m・K)以下であるものは、非通紙部昇温をより有効に抑制することができるため好ましい。
このような材料の具体例として、ピッチ系炭素繊維が挙げられる。針状のピッチ系炭素繊維は、より具体的な形状として、例えば、図5(B)において直径Dが5〜11μm(平均直径)であり、かつ長さW(平均長さ)が50μm以上1000μm以下程度のものが例示でき、工業的に容易に入手可能である。
なお、上記の針状フィラー160の含有量、平均長さ、熱伝導率は以下のように求めることができる。
弾性層中の針状フィラー160の含有率(体積%)の測定方法は、まず弾性層からサンプルを切り出し、その25℃における体積を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)により測定する(以下、この体積をVallと記す)。
次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱することでシリコーンゴム成分を分解・除去する。弾性層中に針状フィラー以外に無機フィラーが入っていた場合、この分解・除去後の残留物は、針状フィラーと無機フィラーが混在している状態である。この状態で25℃における体積Vaを乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する。
空気雰囲気下で700℃・1時間加熱することにより、針状フィラーが熱分解除去される。残った無機フィラーの25℃における体積Vbを乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する。これらの値を基に、次の式(5)から針状フィラーの重量を求めることができる。
針状フィラーの含有率(体積%)={(Va−Vb)/Vall}×100・・・・(5)
なお、針状フィラーの平均長さとは、無作為に選択した少なくとも1500本の針状フィラーの長さを光学顕微鏡を用いて測定し、得られた値を算術平均した値である。
なお、第2の弾性層116B中の針状フィラー160の算術平均値は、以下の方法によって求めることができる。すなわち、弾性層から切り出したサンプルを窒素ガス雰囲気下、700℃で1時間焼成してシリコーンゴム成分を灰化させて除去する。こうしてサンプル中の針状フィラーを取り出すことができる。ここから、針状フィラーの少なくとも100本を無作為に選択し、それらの長さを光学顕微鏡を用いて測定し、その算術平均値を求める。
針状フィラー160の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(商品名:TC−7000、アルバック理工株式会社製)による熱拡散率、示差走査熱量測定装置(商品名:DSC823e、メトラートレド株式会社製)による定圧比熱、および乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)による密度から、次の式(6)で求めることができる。
熱伝導率=熱拡散率×定圧比熱×密度・・・・・(6)
(第2の弾性層の製造方法)
針状フィラー160としては、以下に示した6種類のピッチ系炭素繊維を用意した。
<商品名:XN−100−05M(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径:9μm
平均繊維長L:50μm
熱伝導率900W/(m・K)
この針状フィラーを、以下「100−05M」と記す。
<商品名:XN−100−15M(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径:9μm
平均繊維長L:150μm
熱伝導率900W/(m・K)
この針状フィラーを、以下「100−15M」と記す。
<商品名:XN−100−25M(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径:9μm
平均繊維長L:250μm
熱伝導率900W/(m・K)
この針状フィラーを、以下「100−25M」と記す。
<商品名:XN−100−01Z(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径:9μm
平均繊維長L:1000μm
熱伝導率900W/(m・K)
この針状フィラーを、以下「100−01」と記す。
<商品名:HC−600−10М(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径:9μm
平均繊維長L:100μm
熱伝導率600W/(m・K)
この針状フィラーを、以下「600−10М」と記す。
<商品名:HC−600−15М(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径:9μm
平均繊維長L:150μm
熱伝導率600W/(m・K)
この針状フィラーを、以下「600−15М」と記す。
本実施例では、上記の針状フィラー:HC−600−15Мを使用した以外は、実施例1と同様に加圧ローラ110を得た。
第1の弾性層の連泡化率は98%であった。第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率は0.10W/m・Kであった。第2の弾性層116Bの厚み方向の熱伝導率は1.00W/m・Kであった。また、第2の弾性層116Bの長手方向の熱伝導率は15.00W/m・Kであった。
本実施例として、含水ゲルによる連泡化された空隙を有する加圧ローラの第1の弾性層の厚みを50μm、100μm、200μm、300μm、500μmとする場合は、第2の弾性層の成型金型の内径を、ローラ外径がφ20mmの時に第1の弾性層と第2の弾性層の総厚みが3.5mmとなるように、所望の第1の弾性層に合わせて、内径を変えた金型を適宜使用することで、それぞれ作製した。
第1の弾性層116Aの連泡化率、第1の弾性層116Aの厚み方向の熱伝導率、第2の弾性層116Bの厚み方向の熱伝導率、第2の弾性層116Bの長手方向の熱伝導率に関して、それぞれの第1の弾性層116Aの厚みに振った加圧ローラ110で測定したが、結果に有意差は見られなかった為、記載は省略した。
(本実施例2の効果)
本実施例2の効果を確認するために、第1の弾性層116Aを低粘度の液体組成物を用いる事で層厚を振って形成し、第2の弾性層116Bに高熱伝導の針状フィラー160を配向配合させた加圧ローラ110を試作評価した。
第1の弾性層116Aに関しては、低粘度の液体組成物を用いる事で層厚が薄い場合でも安定して製造でき、量産性が向上する結果となった。立ち上がり及びグロスムラに関して、実施例1と同様の手順で効果確認を行った結果を表4に示す。
第2の弾性層に針状フィラーを添加した場合の立ち上がり及びグロスムラ評価結果
Figure 2019028101
本実施例2においても、立ち上がりおよびグロスムラに関しての有用性が確認できた。立ち上がりに関しては、実施例1と比べて、第1の弾性層116Aの層厚が薄い場合に若干遅くなる傾向が見て取れたが、これは第2の弾性層116Bが針状フィラーの添加によって高熱伝導化した影響と考えられる。
また、上記表中の結果以外にも、第1の弾性層116Aの層厚を振った試作を多数行ったが、低粘度の液体組成物を用いることで、製造の安定性・歩留りが向上した。材料物性による製造限界から50μm以上の層厚が限界となる。
次に、非通紙部昇温の抑制効果に関しても実施例1と同様の手順で比較評価を行った。実験結果を表5、実験結果の代表例を図7に示す。
第2の弾性層に針状フィラーを添加した場合の非通紙部昇温比較結果
Figure 2019028101
針状フィラー160を添加した事で、従来のソリッドゴム(従来例2)よりも均熱化効果が向上し、実施例1と比べても大幅に非通紙部昇温が抑制されていることが実験的に確認できた。
従来例1のバルーンゴムでは14枚目で、従来例2のソリッドゴムでは53枚目で非通紙部昇温が230℃に達していたのに対し、第2の弾性層116Bに針状フィラー160を配向配置した本実施例2では、第1の弾性層116Aの厚みが500μm程度まで増しても、非通紙部昇温は従来のソリッドゴムよりも低く、75枚以上通紙可能であるという結果であった。
これは長手方向に引き起こされる局所的な温度ムラを、針状フィラー160によって移動・平滑化されるためである。したがって、第2の弾性層116Bに熱輸送能力の異方性の熱伝導性フィラーである針状フィラー160を添加することで、より効果的に非通紙部昇温が抑制され、これにより、印刷能力の更なる向上が可能となる。
Y30、M30、C30、K30 画像形成部
100 像加熱装置
110 加圧ローラ
112 定着フィルム
113 加熱ヒータ(加熱体)
116 弾性層
116A 第1の弾性層
116B 第2の弾性層
117 芯金
118 加圧ローラの離型層
150 測定サンプル
160 針状フィラー(異方性熱伝導性フィラー)
P 記録材
T トナー像
N 定着ニップ(ニップ部)

Claims (9)

  1. 記録材に担持されたトナー像を加熱する像加熱装置に用いられる加圧ローラであって、
    少なくとも芯金と、第1の弾性層と、前記芯金と前記第1の弾性層との間に設けられた第2の弾性層と、を有し、
    前記第1の弾性層は連泡化された空隙を有するゴムで形成され、前記第2の弾性層はソリッドゴムで形成されており、
    前記第1の弾性層の厚みは、望ましくは50μm以上500μm以下であることを特徴とする加圧ローラ。
  2. 前記第2の弾性層は高熱伝導性フィラーを含有している請求項1に記載の加圧ローラ。
  3. 前記第2の弾性層は異方性の熱伝導性フィラーを含有している請求項1に記載の加圧ローラ。
  4. 前記第1の弾性層における連泡化率は、70%以上100%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加圧ローラ。
  5. 前記第1の弾性層の厚み方向の熱伝導率をλ1、前記第2の弾性層の厚み方向の熱伝導率をλ2とするとき、λ1<λ2の関係を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加圧ローラ。
  6. 前記第1の弾性層の厚み方向の熱伝導率λ1は0.06W/(m・K)以上0.16W/(m・K)以下であり、前記第2の弾性層の厚み方向の熱伝導率λ2は0.2W/(m・K)以上2.0W/(m・K)以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の加圧ローラ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の加圧ローラと、該加圧ローラと共にニップ部を形成する加熱回転体と、を備え、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら前記トナー像を加熱する像加熱装置。
  8. 加熱回転体は、フィルムと、該フィルムの内面に接触し、前記フィルムを挟むように配置される加熱体とを備え、前記加圧ローラによってフィルムを加熱体に押圧して前記ニップ部を形成する請求項7に記載の像加熱装置。
  9. 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、請求項7又は8に記載の像加熱装置と、を備えた画像形成装置。
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