JP2019023095A - キャップの殺菌方法及び殺菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな設備を必要とせず、キャップに少量の殺菌剤を接触させて、効率的にキャップを殺菌できる殺菌方法及び殺菌装置を提供する。【解決手段】、無菌充填機のキャップ受けタンクにおいて、殺菌剤のガス若しくはミスト又は混合物をキャップに吹き付ける。【選択図】図6

Description

本発明は、無菌充填機において、内容物が充填されたボトルを密封するキャップの殺菌方法及び装置に関する。
プリフォームを殺菌し、殺菌されたプリフォームを加熱し、加熱されたプリフォームをボトルに成形し、成形されたボトルに無菌雰囲気で殺菌された内容物を充填し、内容物が充填されたボトルを殺菌されたキャップにより密封する無菌容器の充填方法及び装置が提案されている(特許文献1)。また、プリフォームをボトルに成形し、成形されたボトルに無菌雰囲気で殺菌された内容物を充填し、内容物が充填されたボトルを殺菌されたキャップにより密封する無菌容器の充填方法及び装置も提案されている(特許文献2)。このような無菌充填機に供給されるキャップの殺菌方法や殺菌装置も様々、提案されている。
搬送されるキャップにチャンバー内で殺菌液を噴射する方法が一般的である。殺菌液ではなくスチームを噴射させることもある。水平方向のホイールで搬送する場合(特許文献3)と設置面積を小さくするために垂直方向のホイールで搬送する場合(特許文献4)がある。
また、コンテナ内のキャップに過酸化水素水を滴下し、密封して保管する方法(特許文献5)や、キャップをコンベヤ上に不揃いな状態で搬送しながら過酸化水素水をスプレーする方法(特許文献6)も提案されている。
特開平4−44902号公報 特開2006−111295号公報 特開平10−152115号公報 特開平11−193094号公報 特開2015−63324号公報 特開2015−93712号公報
殺菌されたボトルに、無菌雰囲気で殺菌された内容物を充填し、内容物が充填されたボトルは殺菌されたキャップにより密封される。このような無菌充填機において、キャップの殺菌は、キャップへの殺菌剤やスチームの吹き付け又はキャップを殺菌剤に浸漬することにより行われてきた。殺菌剤やスチームの吹き付けは、比較的小さなキャップに対して個別に行うため、殺菌剤やスチームのロスが多く効率的でない。このような場合、整列されたキャップに殺菌剤やスチームを吹き付けるが、吹き付けられる殺菌剤やスチームのすべてが殺菌に寄与するわけではなく、キャップの殺菌に寄与しない殺菌剤やスチームは排気され無駄となり、殺菌剤を排気するためには無害化する必要もあり、この工程にも費用を要する。また、キャップを殺菌剤に浸漬する場合、浸漬した後にホットエアを吹き付けて、キャップの内側に形成されている複雑な雌ねじ部位に付着した殺菌剤を除去するが、この工程のエネルルギー消費が過大となる。
特許文献4に記載の発明では、キャップに殺菌剤を噴霧せず、滴下しているため殺菌剤の無駄がなく、排気の必要もない。しかし、殺菌の不確実性が懸念され、コンテナから取り出した後に無菌性を確保する設備が必要という欠点もある。
特許文献5に記載の発明は、キャップを整列させる必要はなく、多量のキャップに殺菌剤を接触させるために、殺菌剤の無駄も少ない。しかし、殺菌後に無菌充填機に供給するまでに菌等により汚染されるおそれがあり、無菌充填機とは別に設備が必要である。
そこで、新たな設備を必要とせず、キャップを整列させずにキャップに少量の殺菌剤を接触させて、効率的にキャップを殺菌できる殺菌方法及び殺菌装置が求められている。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、無菌充填機のキャップ受けタンクにおいて、キャップと殺菌剤を接触させることにより、少量の殺菌剤で、殺菌剤を無駄にすることなくキャップを殺菌することができ、新たに大きな設備も必要としないキャップの殺菌方法及び殺菌装置を提供することを目的とする。
本発明に係るキャップの殺菌方法は、キャップを受けタンクに投入し、当該受けタンクの底部から前記キャップをコンベヤにより搬送し、前記キャップを整列させて前記キャップを無菌充填機の密封部に搬送するキャップ供給装置において、前記受けタンク内の前記キャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けることを特徴とする。
また、本発明に係るキャップの殺菌方法は、前記殺菌剤が過酸化水素水であって、過酸化水素を0.5質量%〜65質量%含むと好適である。
また、本発明に係るキャップの殺菌方法は、前記殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、前記殺菌剤が気化部内に噴霧され、ガス化されて生成されると好適である。
また、本発明に係るキャップの殺菌方法は、前記キャップに過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水に換算して、0.001μL/cm2〜0.5μL/cm2の過酸化水素水を付着させることを特徴とするキャップの殺菌方法。
また、本発明に係るキャップの殺菌方法は、前記受けタンク内の前記キャップに紫外線を含む光を照射すると好適である。
また、本発明に係るキャップの殺菌方法は、前記キャップに無菌エアを吹き付けながら、前記キャップを前記受けタンク底部から無菌充填機の密封部まで搬送すると好適である。
本発明に係るキャップの殺菌装置は、キャップが投入される受けタンクを備え、受けタンク底部から前記キャップを搬送するコンベヤを備え、コンベヤにより搬送された前記キャップを整列させる整列装置を備え、前記整列装置から前記キャップを無菌充填機の密封部に搬送する整列搬送装置を備えるキャップ供給装置において、前記受けタンク内のキャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付け装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るキャップの殺菌装置は、前記殺菌剤吹き付け装置が、殺菌剤を気化部内に吹き込むことで殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を生成する殺菌剤ガス生成器、生成された殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を前記受けタンク内に吹き付ける殺菌剤吹き付けノズルを備えると好適である。
また、本発明に係るキャップの殺菌装置は、前記殺菌剤吹き付け装置が、前記殺菌剤ガス生成器で生成された殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物に加熱無菌エアを混合する加熱無菌エア混合装置を備えると好適である。
また、本発明に係るキャップの殺菌装置は、前記キャップに紫外線を含む光を照射する光照射装置が、前記受けタンク内に設けられると好適である。
また、本発明に係るキャップの殺菌装置は、前記コンベヤ、前記整列装置及び前記整列搬送装置が遮蔽され、遮蔽されるチャンバー内に無菌エアを供給する無菌エア供給装置が設けられると好適である。
本発明によれば、キャップが投入される受けタンク内で、キャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けることにより、新たに大きな設備を必要とせず、少ない殺菌剤によりキャップを効率的に殺菌することができる。また、殺菌剤が吹き付けられたキャップに無菌エアを吹き付けながら、無菌充填機の密封部まで搬送することにより、キャップの無菌性を維持した状態でキャップを無菌充填機に供給することができる。
本発明の実施の形態に係るキャップの殺菌装置を組み込んだキャップ供給装置の概略を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るキャップを示す。 本発明の実施の形態に係るキャップの殺菌装置を組み込んだキャップ供給装置の概略を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るキャップの搬送装置の概略を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る受けタンク底部でキャップをコンベヤにより搬送する工程を示す。 本発明の実施の形態に係るキャップの受けタンクの概略を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る殺菌剤のガスを生成する殺菌剤ガス生成器を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(キャップの殺菌方法及び装置の概要)
図1に示すように、本実施形態に係るキャップの殺菌装置を組み込んだキャップ供給装置は、キャップ1を貯留する受けタンク2、受けタンク2に貯留されるキャップ1を整列装置5に搬送する桟4を備えるコンベヤ3、コンベヤ3により搬送されたキャップを整列する整列装置5、整列されたキャップ1を無菌充填機7に搬送する整列搬送装置6が設けられる。キャップ1は受けタンク2内で殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる。
(キャップの殺菌方法及び装置の詳細)
本実施形態におけるキャップ1は、無菌充填機7において殺菌されたボトルに無菌雰囲気で殺菌された内容物が充填されたボトルを巻き締め機により密封するもので、例えば図2に示すような形状である。キャップ1はポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなり、射出成型や圧縮成形により成形される。キャップ1の内側には成形と同時に雌ネジが形成される。
キャップ1は成形後、成形工場でコンテナ8に入れられ、密閉されて、例えば飲料工場に輸送される。飲料工場に輸送されたキャップ1は、飲料工場に設置されている無菌充填機7に供給される。供給されたキャップ1は殺菌され、殺菌されたキャップ1は無菌充填機7の密封部に搬送され、巻き締め機を装備した密封ホイールに受け渡され、巻き締め機により、内容物が充填されたボトルの口部に巻き締められる。ボトルの口部にはキャップ1の内側に形成された雌ネジと嵌合する雄ネジが形成されている。本願発明は無菌充填機7を構成する密封部にキャップ1を供給する過程でキャップ1を殺菌する方法及び装置に係る発明である。
成形工場で成形されたキャップ1はポリエチレン製の袋に投入され、ポリエチレン製の袋は金属、ダンボール又はプラスチック製のコンテナ8に入れられ、密封される。キャップ1は成形工場から飲料工場に輸送される際にゴミ、埃等により汚染されないように留意される。飲料工場に輸送されたコンテナ8は図3に示すように、開封されて、受けタンク2の上方で傾斜されることで、コンテナ8内のキャップ1は受けタンク2内に投入される。受けタンク2は上方に開放されることで、コンテナ8からキャップ1が投入される。
キャップ1が投入された後、受けタンク2は密閉される。受けタンク2に投入されたキャップ1は無秩序に貯留される。受けタンク2は下方に向かって貯留有効面積が小さくなるように形成されたホッパー形状となっている。受けタンク2の上部は図1では方形となっているが、円形でも構わない。受けタンク2はステンレスのように、殺菌剤により腐食されない材質とされる。
受けタンク2には殺菌剤吹き付け装置が設けられ、図6に示すように、受けタンク2には、殺菌剤吹き付け装置を構成する殺菌剤吹き付けノズル9が備えられる。殺菌剤吹き付けノズル9からは、図7に示す殺菌剤ガス生成器10により生成された殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が、殺菌剤吹き付けノズル9により、受けタンク2に無秩序に貯留されるキャップ1に吹き付けられる。殺菌剤吹き付け装置は、殺菌剤吹き付けノズル9及び殺菌剤ガス生成器10及び付随設備から構成される。殺菌剤吹き付けノズル9は受けタンク2の壁面から殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられることが好ましい。受けタンク2の壁面から突出した殺菌剤吹き付けノズル9とすると、殺菌剤吹き付けノズル9によりキャップ1が傷付くおそれがあるためである。また、殺菌剤吹き付けノズル9の数は任意であり、必要に応じて複数以上設けても構わない。
図7に示すように、殺菌剤ガス生成器10は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部11と、この殺菌剤供給部11から供給された殺菌剤を分解温度以下に加熱して気化させる気化部12とを備える。殺菌剤供給部11は、殺菌剤供給路11a及び圧縮空気供給路11bからそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を取り込んで、殺菌剤を気化部12内に噴霧するようになっている。気化部12は内外壁間にヒータ12aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化部12の下端から気化した殺菌剤のガスが気化部12外に噴出する。ヒータ12aに替えて誘電加熱により気化部12を加熱しても構わない。
気化部12の下端を殺菌剤吹き付けノズル9に結合することで、殺菌剤吹き付けノズル9から、受けタンク2内のキャップ1に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる。気化部12でガス化された殺菌剤は、殺菌剤吹き付けノズル9から吹き付けられるまでに凝縮してミスト化することもあり、キャップ1に吹き付けられる殺菌剤はガス若しくはミスト又はこれらの混合物となっている。
気化部12の下端と殺菌剤吹き付けノズル9の間に加熱無菌エアを供給し、殺菌剤ガス生成器10で生成された殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物に加熱無菌エアを混合することが好ましい。このために、気化部12の下端と殺菌剤吹き付けノズルの間に加熱無菌エア混合装置が設けられる。殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物に加熱無菌エアを混合することで、ミスト化が抑制され、受けタンク2内の中心部に存在するキャップ1の表面にも殺菌剤が付着する。また、キャップ1へ殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる速度が増して、受けタンク2内の中心部に存在するキャップ1の表面にも殺菌剤が付着する。
殺菌剤ガス生成器10の殺菌剤供給部11の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa〜0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えても構わないし、供給量は自由に設定することができる。例えば1g/min.〜100g/min.の範囲で供給する。また、気化部12の内表面は140℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付け量は任意であるが、吹き付け量は、殺菌剤ガス生成器10に供給される殺菌剤の量と吹き付け時間により決まる。殺菌剤ガス生成器10は複数備えても構わない。殺菌剤を過酸化水素水とした場合、過酸化水素の濃度として1mg/L〜20mg/Lの範囲が適当である。1mg/L未満では殺菌が不十分となり、20mg/Lを超えると成形後のボトルの過酸化水素残留量が多くなるおそれがある。
なお、キャップ1への殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付けの直前に、受けタンク2内に熱風を吹き付ける等して、キャップ1を予備加熱してもよい。この予備加熱によりキャップ1の殺菌効果をさらに高めることができる。
受けタンク2内のキャップ1を予備加熱するために、受けタンク2に無菌ホットエア吹き付け装置を設けることが好ましい。図6に示すように、無菌ホットエア吹き付け装置は、ブロワ13によるエアを加熱装置14で加熱し、除菌フィルタ15により無菌化したホットエアを受けタンク2の上部から吹き付けるものである。無菌ホットエアの温度は40℃〜160℃が好ましい。40℃未満では加熱効果が乏しく、160℃を超えるとキャップが変形するおそれがある。
キャップ1に吹き付けられる殺菌剤は、少なくとも過酸化水素を含んでいることが好ましい。その含有量は0.5質量%〜65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%〜40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、低濃度となるために殺菌後の過酸化水素の残留量を低減できる。
キャップ1に吹き付けられる殺菌剤が過酸化水素を含む場合、キャップ1の内外面に付着させる殺菌剤の量は、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水に換算して、0.001μL/cm2〜0.5μL/cm2の範囲が好ましい。付着量が0.001μL/cm2よりも少ない場合は、十分な殺菌効果を得ることができない。また、この付着量が0.5μL/cm2を超えても殺菌効果は向上しない。より好ましくは、キャップ1の過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水に換算した付着量は、0.002μL/cm2〜0.4μL/cm2である。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられたキャップ1に無菌ホットエアを吹き付けても構わない。これは受けタンク2に備えられる無菌ホットエア吹き付け装置を作動させることで実施できる。予備加熱同様に無菌ホットエアの温度は40℃〜160℃が好ましい。キャップ1に無菌ホットエアが吹き付けられることでキャップ1の表面に付着した殺菌剤が活性化され、殺菌効果が向上する。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物がキャップ1に吹き付けられる際、及び殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物がキャップ1に吹き付けられた後に無菌エアがキャップ1に吹き付けられる際は、受けタンク2の底部から殺菌剤を含むエアが排出される。排出される殺菌剤を含むエアは、図6に示すように捕集器18により捕集され、殺菌剤を吸着又は分解するフィルタ17を通してブロワ16により排気される。殺菌剤を含むエアにより作業環境が悪化することや、近傍の装置が腐食するのを防ぐためである。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられたキャップ1は受けタンク2の底部からコンベヤ3により搬送される。キャップ1が搬送される際に受けタンク2内の無菌性を維持するために、ブロワ13によるエアを除菌フィルタ15に通して無菌化した無菌エアを受けタンク2内に供給することが好ましい。このとき、加熱装置14を作動させ、無菌エアを加熱しても構わない。
コンベヤ3によりキャップ1が搬送されることにより、受けタンク2内のキャップ1が減少し、一定の水準となったところで、受けタンク2が開放され、コンテナ8からキャップ1が受けタンク2に投入される。受けタンク2にはキャップ水準センサ19が設けられ、センサにキャップ1が接触しなくなることで、キャップ1の減少を検知しアラームを発するようにする。この間、キャップ1のコンベヤ3による搬送を継続しても構わない。
キャップ1がコンテナ8から受けタンク2に投入され、受けタンク2が閉鎖された直後に、キャップ1に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる。したがって、受けタンク2の下部に存在するキャップ1は2回、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられることとなる。受けタンク2が開放され、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられるまでの時間は短いため、受けタンク2の下部に存在したキャップ1が菌等による汚染の可能性が低いとして、搬送を継続しても構わない。
菌等による汚染が懸念される場合には、受けタンク2を開放しキャップ1に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられるまでの時間、キャップ1の搬送を停止しても構わない。このとき、下流の無菌充填機の運転が停止しないように、整列搬送装置6にキャップ1を滞留させて、整列搬送装置6をアキュムレータとして機能させることが好ましい。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられたキャップ1が受けタンク2の下部からコンベヤ3により搬送されている間、キャップ1に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる間、又はキャップ1に無菌エアが吹き付けられている間に、図6に示すように受けタンク2内に光照射装置を設け、光照射装置を構成するランプ20から紫外線を含む光を受けタンク2内に照射することが好ましい。
照射される光に含まれる紫外線は、100nm〜380nmの波長を有する電磁波の1種である。光はこの波長のいずれかを含むが、特にUV−Cと称せられる100nm〜280nmの波長が殺菌には効果的である。さらに、もっとも殺菌効果を有するのは253.7nmの波長であり、これを含むことが最適である。
100nm〜380nmの紫外線を発するランプ20は、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンフラッシュランプ等である。特に、内部にキセノンガスを封入したキセノンフラッシュランプから発する光(波長:100〜950nm)の殺菌効果が高いため、当該ランプであることが最適である。
なお、ランプ20は複数個設けても構わない。また、その形状は丸型、棒状、U字形など、どのようなものでも構わない。
ランプ20の後方には反射板21が設けられ、ランプ20から発する光を効率的にキャップ1に照射する。反射板21は平面でも、曲面でもいずれの形状の複数の面の組み合わせでも構わない。反射板21は光を反射することができればどのようなものも構わない。例えば、合成樹脂、金属、ガラスからなり、その表面を平滑にしたものであったり、さらに平滑にするために、コーティング、金属などのメッキ、金属や金属酸化物などの蒸着加工を行ったり、これらを組み合わせたものであってもかまわない。特にガラスからなる鏡であって曲面としたものが好ましい。
ランプ20から照射される紫外線を含む光により、キャップ1の殺菌剤による殺菌効果が向上することもあり、直接光が照射されるキャップ1の面は、紫外線を含む光により殺菌される。さらに受けタンク2を開放させたときに、外気が流入するが、流入した外気を殺菌するという効果もある。
受けタンク2の下部に貯留されたキャップ1は図5に示すように、コンベヤ3により搬送される。コンベヤ3には桟4がコンベヤ3の搬送方向に対して垂直に一定間隔で設けられ、この桟4に掛かったキャップ1がコンベヤ3により搬送される。受けタンク2の搬送方向の壁面には桟4に摺接しない程度の長さの暖簾板22が設けられ、桟4より上部に存在するキャップ1を排除する。暖簾板22の排除効果により、複数のキャップ1が重ならないように、キャップ1がコンベヤ3により搬送される。暖簾板22は、キャップ1を傷つけないような柔軟性を有し、殺菌剤のガス等により劣化しない素材からなることが適当である。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、パーフロロエラストマー、フロロシリコーンゴム等が適当である。
受けタンク2の底部開口部の幅は、コンベヤ3及び桟4の幅よりも狭く設定される。コンベヤ3や桟4からキャップ1が抜け落ちるのを防止するためである。桟4の高さはキャップ1の高さの0.8〜1.5倍が好ましい。キャップ1が桟4により堰き止められてコンベヤ3に載置できる高さであり、0.8未満では暖簾板22により除去されるおそれがあり、1.5倍を超えるとキャップ1が2個重なって桟4に掛かるおそれがある。コンベヤ3は柔軟性が必要であり、素材として暖簾板22と同様のものが好ましい。また。桟4はキャップ1を傷付けないようにプラスチックが好ましく、とりわけ殺菌剤に耐性を有するフッ素系プラスチックがより好ましい。
コンベヤ3は上方にキャップ1を搬送する。キャップ1の閉塞面1bがコンベヤ3と接するのが正規の姿勢である。キャップ1の開放面1aがコンベヤ3と接する姿勢は、裏キャップと称して非正規の姿勢である。コンベヤ3は、図3に示すように、直立する状態からわずかに、コンベヤ3面が上を向くように傾けられた状態で配置される。コンベヤ3の下端は受けタンク2の下部に配置される。桟4の間隔はキャップ1の直径よりも僅かに広く、コンベヤ3が駆動されると、受けタンク2に貯留されるキャップ1は桟4により掻き上げられる。このとき正規の姿勢のキャップ1と非正規の姿勢のキャップ1が存在する。しかし、非正規の姿勢のキャップ1は重心が桟4よりも外側となり、桟4からコンベヤ3の下端に落下する。落下したキャップ1は正規の姿勢となるまで、桟4により掻き上げられる。
キャップ1は、正規の姿勢で桟4に沿って不定間隔で並んでいる。コンベヤ3により上昇したキャップ1はノズル23から吹き付けられる無菌エアにより、水平方向に移動し、整列装置5により、整列されて整列搬送装置6に導入される。ノズル23は桟4により搬送されるキャップ1を整列装置5へと高圧無菌エアで送り出すための装置であり、整列装置5に対応する一対の桟4の間に高圧無菌エアを吹き付けるように桟4に平行に配置される。高圧無菌エアはブロワによるエアを除菌フィルタに通したエアでも、コンプレッサーによる高圧エアを除菌フィルタに通したものでも構わない。
整列搬送装置6は搬送方向に下向きに傾斜しており、キャップ1の自重により、キャップ1の側面を回転させながら無菌充填機7の密封部にキャップ1を供給する。
整列搬送装置6に、レーザセンサによるキャップ1の表裏を検出する検出器を設けても構わない。非正規の向きのキャップ1は排出されるようにする。また、整列搬送装置6に、カメラを設け、キャップ1の裏表の検出やカメラにより撮像された画像により、キャップ1の変形や色違い等のキャップ1の良、不良を判別しても構わない。非正規の向きのキャップ1や不良のキャップ1は排除される。
受けタンク2からキャップ1が搬送される、コンベヤ3、整列装置5及び整列搬送装置6を遮蔽し、遮蔽されたチャンバー28内に無菌エアを供給することで、受けタンク2で殺菌されたキャップ1を無菌性を維持して無菌充填機7の密封部に供給することができる。例えば、図3に示すように、ブロワ25によるエアを除菌フィルタ27に通して無菌化し、無菌エアを遮蔽されたコンベヤ3、整列装置5及び整列搬送装置6に供給する。供給された無菌エアは受けタンク2とコンベヤ3の結合部、コンベヤ3と整列装置5との結合部から遮蔽されたチャンバー外に排気される。このような無菌エア供給装置は複数設けても構わない。設ける箇所も任意である。また、無菌エアは加熱装置26を設けて加熱しても構わない。加熱することで、キャップ1に付着した殺菌剤が乾燥し、活性化されることで、キャップ1は搬送時にさらに殺菌されることが期待される。無菌エアを加熱する場合、無菌エアの温度は40℃から160℃とする。
コンベヤ3、整列装置5及び整列搬送装置6の遮蔽はアクリル板のような透明なプラスチックが好ましい。搬送状態を外部から確認でき、遮蔽する構造体を細かく分離して開放できるようにしておき、トラブル発生時に速やかに対応できるようにしておくことが好ましい。
無菌充填機7に搬送されたキャップ1は、無菌充填機7の密封部を形成するキャップ供給ホイール24に供給される。整列搬送装置6では横向きであったキャップ1は、キャップ供給ホイール24によりキャップ1の開放面1aを下向きとされ、さらにキャップ受け取りホイールを経て密封ホイールに供給される。密封ホイールで内容物が充填されたボトルの口部に、巻き締め機により巻き締められ、ボトルを密封する。殺菌されたキャップ1により密封されたボトルは無菌製品となる。
受けタンク2で殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられたキャップ1の無菌性を維持した状態で、キャップ1により密封されたボトルが無菌飲料製品となるためには、ボトルを密封する密封部が遮蔽され、遮蔽されたチャンバー内は無菌充填機の運転前に殺菌され、運転時も無菌性が維持されなければならない。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…キャップ
2…受けタンク
3…コンベヤ
4…桟
5…整列装置
6…整列搬送装置
7…無菌充填機
9…殺菌剤吹き付けノズル
20…ランプ

Claims (11)

  1. キャップを受けタンクに投入し、当該受けタンクの底部から前記キャップをコンベヤにより搬送し、前記キャップを整列させて前記キャップを無菌充填機の密封部に搬送するキャップ供給装置において、
    前記受けタンク内の前記キャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けることを特徴とするキャップの殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のキャップの殺菌方法において、
    前記殺菌剤が過酸化水素水であって、過酸化水素を0.5質量%〜65質量%含むことを特徴とするキャップの殺菌方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のキャップの殺菌方法において、
    前記殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、前記殺菌剤が気化部内に噴霧され、ガス化されて生成されることを特徴とするキャップの殺菌方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のキャップの殺菌方法において、
    前記キャップに過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水に換算して、0.001μL/cm2〜0.5μL/cm2の過酸化水素水を付着させることを特徴とするキャップの殺菌方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のキャップの殺菌方法において、
    前記受けタンク内の前記キャップに紫外線を含む光を照射することを特徴とするキャップの殺菌方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のキャップの殺菌方法において、
    前記キャップに無菌エアを吹き付けながら、前記キャップを前記受けタンク底部から無菌充填機の密封部まで搬送することを特徴とするキャップの殺菌方法。
  7. キャップが投入される受けタンクを備え、受けタンク底部から前記キャップを搬送するコンベヤを備え、コンベヤにより搬送された前記キャップを整列させる整列装置を備え、前記整列装置から前記キャップを無菌充填機の密封部に搬送する整列搬送装置を備えるキャップ供給装置において、
    前記受けタンク内のキャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付け装置を備えることを特徴とするキャップの殺菌装置。
  8. 請求項7に記載のキャップの殺菌装置において、
    前記殺菌剤吹き付け装置が、殺菌剤を気化部内に吹き込むことで殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を生成する殺菌剤ガス生成器、生成された殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を前記受けタンク内に吹き付ける殺菌剤吹き付けノズルを備えることを特徴とするキャップの殺菌装置。
  9. 請求項8に記載のキャップの殺菌装置において、
    前記殺菌剤吹き付け装置が、前記殺菌剤ガス生成器で生成された殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物に加熱無菌エアを混合する加熱無菌エア混合装置を備えることを特徴とするキャップの殺菌装置。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のキャップの殺菌装置において、
    前記キャップに紫外線を含む光を照射する光照射装置が、前記受けタンク内に設けられることを特徴とするキャップの殺菌装置。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のキャップの殺菌装置において、
    前記コンベヤ、前記整列装置及び前記整列搬送装置が遮蔽され、遮蔽されるチャンバー内に無菌エアを供給する無菌エア供給装置が設けられることを特徴とするキャップの殺菌装置。
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