JP2019020452A - エレクトロクロミック装置及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影姿勢によらずEC素子に発生したセグリゲーションを起因とする濃度むらを検知し、該濃度むらを低減しうるEC装置を提供する。【解決手段】EC素子18の透過光量を検出する複数の検出手段41,42と、該検出手段41,42の検出結果に基づいて、一対の電極23a,23bに印加する電圧を制御する制御手段を備えたEC装置とする。【選択図】図5

Description

本発明は、撮像素子に入射する光量を調節するNDフィルタとして用いられるエレクトロクロミック装置と、該エレクトロクロミック装置を備えた撮像装置に関する。
撮像装置を用いて撮影を行う際に、シャッター秒時や絞り値、ISO感度といった撮影条件を変えずに撮像素子に透過してくる光量を低下させる手段として、ND(Neutral density)フィルタが知られている。近年、動画撮影中に撮像素子に透過してくる光量(以下、「透過光量」と記す)を変化させることが可能な可変NDフィルタが実用化されてきている。可変NDフィルタは従来のNDフィルタとは異なり、着脱動作を必要とせずに撮影光量を変化させることができるため、動画撮影中であっても、撮影を妨げることなくシームレスに撮影光量を変更することが可能になる。
この可変NDフィルタとして用いられる技術の1つとしてエレクトロクロミック現象(EC現象)がある。EC現象とは、電圧を加えた時に生ずる可逆的な電気化学反応の誘起により、材料の光吸収域が変化し、材料が着色又は消色する現象をいう。EC現象を利用する電気化学的着色/消色素子をエレクトロクロミック素子(EC素子)と称し、光透過率を変化させる調光素子(透過光量可変手段)として応用が期待されており、その応用先の1つが上記の可変NDフィルタである。低分子系有機材料を溶液状態で着色/消色するEC素子は、着色状態において十分なコントラスト比が得られる一方で、消色状態の透過率が高いなどの利点が知られている。また、吸収波長が異なる複数の材料を混合することで色の状態を任意に制御できる利点が知られている。これらEC素子を光学フィルタに用いるためには、光透過率の任意な制御(階調制御)に加えて、光の吸収の波長選択性(吸収スペクトル)が大きく変化しないことが求められる。
低分子系有機材料を用いたEC素子は、電気化学的な酸化反応でカチオンを形成して着色するアノード性有機EC材料と、電気化学的な還元反応でアニオンを形成して着色するカソード性有機EC材料を含む相補型EC素子と呼ばれる構造が一般に用いられる。このような相補型EC素子を重力方向に立てて長時間駆動させると、カチオンとアニオンが素子内部で重力方向に分離する現象(セグリゲーション)が生じることが知られている。従来はこの重力方向へのセグリゲーションの説明に、カチオンとアニオンの非水溶媒に対する溶媒和の傾向の違いが挙げられていた。カチオンは非水溶媒との溶媒和が大きく溶媒分子と強く結び付くため、カチオン周辺の溶媒の比重を溶媒単体の比重よりも大きくする。アニオンは逆に溶媒和を小さくするため、アニオン周辺の溶媒の比重を溶媒単体の比重よりも小さくする。これら比重の差がドライビングフォースとなって有機EC材料の重力方向へのセグリゲーションが発生する。
このセグリゲーションによってカチオンとアニオンの濃度に差が生まれEC素子内に色むらが生じるため、撮像装置に組み込んだ場合、撮影画像上に露出むらが発生してしまう。それらを検知し、補正を行うためには、重力の影響によって発生するセグリゲーション起因の濃度むらを検知する必要がある。
EC素子の濃度むらを検知する方法として、一対の投受光素子をEC素子を挟んで配置し、透過光の透過率から濃度むらを検知する方法が考えられる。また、特許文献1では、複数の投受光素子を用いて、重力方向が変化した場合、その方向と傾斜角度を検出する技術の開示がある。
特開2007−147557号公報
しかしながら、濃度むらが発生した場合もEC素子の1点の濃度を計測した場合、濃度制御の誤差なのか、EC素子内の濃度むらなのか判定できないという課題がある。また、EC素子は重力による影響で直ちにセグリゲーションが発生するというものではなく、徐々に材料の偏りが生じ、濃度むらが発生するものである。従って、重力方向の変化と濃度むらの有無は必ずしも対応せず、特許文献1のような方法を用いても濃度むらを検知することは難しい。
また、撮像装置においては、撮影姿勢が変化することが多く(所謂、縦位置、横位置など)撮像装置を構える姿勢によって、重力の方向が変化するため、セグリゲーションの起こる方向が変化してしまう。本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、撮影姿勢によらずEC素子に発生したセグリゲーションを起因とする濃度むらを検知し、該濃度むらを低減しうるEC装置と該EC装置を備えた撮像装置を提供するものである。
本発明の第一は、一対の電極と、前記一対の電極の間に配置され、アノード性有機エレクトロクロミック材料とカソード性有機エレクトロクロミック材料と溶媒とを含有するエレクトロクロミック層と、を有するエレクトロクロミック素子を備えたエレクトロクロミック装置であって、
前記エレクトロクロミック素子の透過光量を検出する少なくとも2箇所の検出手段と、
前記複数の検出手段の検出結果に基づいて、前記一対の電極に印加する電圧を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
本発明の第二は、複数のレンズを有する撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、エレクトロクロミック装置と、を有し、前記エレクトロクロミック装置のエレクトロクロミック素子が前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置されている撮像装置であって、
前記エレクトロクロミック装置が上記本発明の第一のエレクトロクロミック装置であることを特徴とする。
本発明の第三は、複数のレンズを有する撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、エレクトロクロミック装置と、を有し、前記エレクトロクロミック装置のエレクトロクロミック素子が前記撮像光学系内に配置されている撮像装置であって、
前記エレクトロクロミック装置が上記本発明の第一のエレクトロクロミック装置であることを特徴とする。
本発明によれば、EC素子内の2箇所以上に透過光量の検出手段を配置することによって、EC素子に発生したセグリゲーションを起因とする濃度むらを正確に検出することが可能となり、該濃度むらによる撮像画像の露出むらを抑制した撮像装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態のEC装置を用いた撮像装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態のEC装置を用いた撮像装置の中央断面図及びブロック図である。 本発明の第1実施形態のEC素子の構成を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態のEC素子に印加する電圧波形の説明図である。 本発明の第1実施形態のEC素子の透過光量の検出手段の位置を示す図である。 本発明の第2実施形態のEC素子の構成を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態のEC素子の構成を模式的に示す図である。
(第1実施形態)
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態のエレクトロクロミック装置(EC装置)及び撮像装置について説明する。但し、以下の実施の形態に記載されている構成、相対配置等は特に記載がない限り、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
〔撮像装置〕
図1は本実施形態のEC装置を透過光量可変手段として用いた撮像装置の斜視図を表している。図2(a)は図1の撮像装置の中央断面図を、図2(b)は図1の撮像装置の電気的構成を示すブロック図をそれぞれ表している。
図1において1は撮像装置本体を、2は撮像装置本体1に装着するレンズ鏡筒をそれぞれ表しており、撮像装置本体1とレンズ鏡筒2とを合わせて本発明の撮像装置100が構成される。9は撮像装置100を操作する操作手段を表しており、9aは操作手段9の中でも、撮影のタイミングを検知するレリーズスイッチに接続された所謂シャッターレリーズ釦を表している。また、9bは撮像装置100の各種設定値を変更するために操作する、メイン電子ダイヤルを表している。15はレンズ鏡筒2を操作するレンズ鏡筒操作手段を表しており、15aはレンズ鏡筒操作手段15の中でも焦点距離を操作するズーム操作手段を、15bはフォーカスレンズ位置を操作するフォーカス操作手段をそれぞれ表している。
図2(a)において、3はレンズ鏡筒2に設けられた、複数のレンズからなる撮像光学系を、4は撮像光学系3の光軸を、6は撮像素子を、18は可変NDフィルタとしてのEC素子をそれぞれ表している。また、10aは図2(b)の表示手段10の中でも撮像装置本体1の背面に設けられた所謂背面表示装置を表している。13は撮像装置本体1とレンズ鏡筒2の電気接点を、14はレンズ鏡筒2に設けられたレンズシステム制御部を、17はレンズ鏡筒2の焦点位置を変化させる焦点レンズをそれぞれ示している。レンズ交換式の撮像装置100の場合、レンズ鏡筒2と撮像装置本体1とが取り外し可能である。尚、本実施形態においてはEC素子18が撮像装置本体1に配置されている場合について述べるが、レンズ鏡筒2に設けられていても構わない。その場合、EC素子18は撮像光学系内のどこかに組み込まれていれば、配置位置は任意である。
図2(b)において、5はカメラシステム制御部を、7は画像処理部を、8はメモリ手段を、11は撮像装置の姿勢を検知する撮影姿勢検知手段を、12はEC素子18を駆動する透過光量操作手段を表している。また、16は焦点レンズ17を駆動するレンズ駆動手段を表している。19はEC素子18の色むらを検知するむら検知手段を表している。撮影姿勢検知手段11は、具体的には、加速度計やジャイロセンサなどが挙げられるが、撮影姿勢つまり、撮像装置100の姿勢を検知可能なものであればどのようなものであっても構わない。
撮像装置本体1及びレンズ鏡筒2からなる本実施形態の撮像装置100は、撮像手段、画像処理手段、記録再生手段、制御手段を有する。撮像手段は、撮像光学系3、撮像素子6を含み、画像処理手段は、画像処理部7を含む。また、記録再生手段は、メモリ手段8、表示手段10(表示手段10は背面表示装置10aや撮像装置本体1の上面に設けられた撮影情報を表示する不図示の小型表示パネル、EVFとも呼ばれる不図示の電子ビューファインダーを包含する)を含む。同じように、制御手段は、カメラシステム制御部5、操作手段9、透過光量操作手段12、レンズシステム制御部14、レンズ駆動手段16を含む。レンズ駆動手段16は、焦点レンズ17や不図示のブレ補正レンズ、絞りなどを駆動することができる。
撮像手段は、物体からの光を、撮像光学系3を介して撮像素子6の撮像面に結像する光学処理系である。撮像素子6からピント評価量/適当な露光量が得られるので、この信号に基づいて適切に撮像光学系3が調整されることで、適切な光量の物体光を撮像素子6に露光するとともに、撮像素子6近傍で被写体像が結像する。
画像処理部7は、内部にA/D変換器、ホワイトバランス調整回路、ガンマ補正回路、補間演算回路等を有しており、記録用の画像を生成することができる。色補間処理手段はこの画像処理部7に備えられており、ベイヤ配列の信号から色補間(デモザイキング)処理を施してカラー画像を生成する。また、画像処理部7は、予め定められた方法を用いて画像、動画、音声などの圧縮を行う。さらには、画像処理部7は撮像素子6から得られた複数の画像間の比較に基づいてブレ検知信号を生成することができ、撮像素子6と画像処理部7でブレ検知手段を構成してもよい。
メモリ手段8は実際の記憶部を備えている。カメラシステム制御部5により、メモリ手段8の記録部へ出力を行うとともに、表示手段10に撮影者に提示する像を表示する。
カメラシステム制御部5は撮像の際のタイミング信号などを生成して出力する。外部操作に応動して撮像系、画像処理系、記録再生系をそれぞれ制御する。例えば、シャッターレリーズ釦9aの押下をカメラシステム制御部5が検知して、撮像素子6の駆動、画像処理部7の動作、圧縮処理などを制御する。さらに表示手段10によって情報表示を行う情報表示装置の各セグメントの状態を制御する。また、背面表示装置10aはタッチパネルになっており、表示手段10と操作手段9の役割を兼ねていてもよい。
制御系による光学系の調整動作について説明する。カメラシステム制御部5には画像処理部7が接続されており、撮像素子6からの信号を基に適切な焦点位置、絞り位置を求める。カメラシステム制御部5は、電気接点13を介してレンズシステム制御部14に指令を出し、レンズシステム制御部14はレンズ駆動手段16を適切に制御する。
さらに撮像素子6の前面に設けられたEC素子18を操作して撮像素子6に入射する光量を変化させる場合においては、透過光量操作手段12を適切に動作させ、EC素子18の透過光量を調節する。EC素子18は例えば撮像装置本体1やレンズ鏡筒2に設けられた不図示の透過光量操作部への撮影者の操作に応じて透過光量を変更したり、撮像素子6等から得られた露出情報を基にして透過光量を変更したりすることが可能である。
また、EC素子18に設けられた後述の透過光量検出手段より得られた情報を基に、むら検知手段19においてEC素子18に濃度むらが発生しているか否かを検出する。加えて、むら検出手段19において濃度むらを検知した際には、透過光量操作手段12において、EC素子18を操作し、係る濃度むらを低減させる。透過光量操作手段12は、EC素子18に設けられた後述の給電端子を操作し、濃度むらを軽減させるようにEC素子18を駆動させ、撮影画像にEC素子18の色むらの影響が発生しないようにする。
〔EC素子〕
図3は、本発明に係るEC素子18の一例を示す模式図であり、EC素子18の平面形状が矩形である場合を示す例である。尚、本発明では角部が丸くなっている場合も含む。図3(a)は正面図、図3(b)は図3(a)中のA−A’断面図、図3(c)は底面図である。図3において、EC素子18の長辺方向をX軸、短辺方向をY軸、EC素子18の厚さ方向をZ軸と定義する。
尚、撮像装置の所謂正位置(撮像素子6及びEC素子18の短辺が重力方向となる向き)において、Y軸は重力方向を、Z軸は光軸方向をそれぞれ表している。一方で、撮像装置がいわゆる縦位置(撮像素子6及びEC素子18の長辺が重力方向となる向き)においては、X軸が重力方向となる。従って、撮像装置の撮影姿勢に応じて、重力方向がY軸、X軸と変化する。以下、基本的には正位置の場合、つまりY軸が重力方向の場合について説明する。
図3において、21はEC素子18における、撮影光束が通過する有効光線領域を表しており、22a,22bは基板を、23a,23bはそれぞれの基板22a,22b上に設けられた電極を表している。26はスペーサを表しており、基板22a,22b及び、電極23a,23bが対向するようにスペーサ26を介して貼り合わされている。この一対の電極23a,23b及びスペーサ26で形成された空隙内にエレクトロクロミック層(EC層)24が設けられ、EC素子18は構成されている。
25a,25bは電極23a,23bに設けられた、電極23a,23bよりも抵抗値が小さい低抵抗配線を表しており、それぞれの電極23a,23bに設けられた低抵抗配線25aと25bとは有効光線領域31を挟んで対向するように配置される。即ち、矩形の相対する一対の辺の一方の辺に沿って一方の低抵抗配線25aが、他方の辺に沿って他方の低抵抗配線25bが配置される。図3においては電極23aに低抵抗配線25aが、電極23bに低抵抗配線25bがそれぞれ設けられており、低抵抗配線25a,25bにはそれぞれ、給電端子A1,C1が配置され、図2の透過光量操作手段12に接続されている。駆動電圧は透過光量操作手段12を介して給電端子A1,C1、低抵抗配線25a,25bを経て電極23a,23bに印加される。透過光量操作手段12は、不図示の駆動電圧波形を発生するための任意波形発生回路、端子間の極性を反転させるためのリレーやスイッチ回路を少なくとも有することが好ましい。電源やレギュレーターなど周辺装置を更に含んでいても構わない。また、電気化学反応で生じる電流、或いは、電荷を測定するための回路機構を含んでいても構わない。
EC層24は、1種以上のアノード性有機EC材料と1種以上のカソード性有機EC材料とを含む相補型の有機EC層である。以下、1種以上のアノード性有機EC材料と1種以上のカソード性有機EC材料を含むものを有機EC材料と定義する。有機EC材料は、電極23a,23bの間に電圧を印加することで、電気化学的反応を起こす。一般に有機EC材料は、電圧が印加されていない状態で中性状態を取り、可視光領域に吸収を持たない。このような消色状態において、EC素子18は高い光透過率を示す。電極23a,23b間に電圧を印加すると有機EC材料中で電気化学反応が起き、中性状態から酸化状態(カチオン)或いは還元状態(アニオン)となる。有機EC材料はカチオン或いはアニオンの状態で可視光領域に吸収を有すようになり、着色する。このような着色状態において、EC素子18は低い光透過率を示す。また、ビオロゲン系材料のように、初期状態で透明なジカチオン構造を形成し、一電子還元でラジカル種を形成して着色する材料も使用される。
以下では、EC素子18の光透過率をEC素子18の吸光度に置き換えて議論する。透過率と吸光度は、−LOG(透過率)=(吸光度)の関係を有し、透過率が1/2になる毎に吸光度は約0.3ずつ増大する。
EC素子18を調光素子として用いる場合、光学系への影響を小さくするために消色状態では高い透過率を保つことが好ましく、基板22a,22b及び電極23a,23bはいずれも可視光を十分に透過させる透明性を有していることが好ましい。
基板22a,22bとしては、透明基板として一般的なガラス材が用いられ、「Corning#7059」や「BK−7」等の光学ガラス基板を好適に使用することができる。また、プラスチックやセラミック等の材料であっても十分な透明性があれば適宜使用が可能である。基板22a,22bは剛性で歪みを生じることが少ない材料が好ましい。また、基板として可撓性が少ないことがより好ましい。基板22a,22bの厚みは一般に、数十μmから数mmである。
また、電極23a,23bとしては可視光を十分に透過させる透明電極として、可視光領域における高い光透過性と共に高い導電性を有した材料からなることがより好ましい。電極材料には、例えば、酸化インジウムスズ合金(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化銀、酸化バナジウム、酸化モリブデン、金、銀、白金、銅、インジウム、クロムなどの金属や金属酸化物が挙げられる。また、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系材料、カーボンブラック、グラフェン、グラファイト、グラッシーカーボン等の炭素材料なども挙げることができる。さらに、ドーピング処理などで導電率を向上させた導電性ポリマーも好適に用いられる。具体的には、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体(PEDOT:PSS)などである。中でも、ITO、IZO、NESA、PEDOT:PSS、グラフェンなどが特に好ましく用いられる。これらはバルク状、微粒子状など様々な形態で使用できる。また、これらの電極材料は、単独で使用してもよく、或いは複数併用してもよい。
本発明に係るEC層37は、有機EC材料を溶媒に溶解したものであり、電解質を含んでいても良い。溶媒としては、電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性を有するものが好ましい。具体的には水の他、有機極性溶媒が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメチルホルムアミドが挙げられる。また、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオンニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジオキソラン等も挙げられる。
電解質としては、イオン解離性の塩で、良好な溶解性を示し、有機EC材料の着色を確保できる程度に電子供与性を有するカチオン或いはアニオンを含む塩であれば特に限定されない。各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム塩などが挙げられる。具体的にはLiClO4、LiSCN、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiPF6、LiI、NaI、NaSCN、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KSCN、KCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩等が挙げられる。また、(CH34NBF4、(C254NBF4、(n−C494NBF4、(C254NBr、(C254NClO4、(n−C494NClO4等の4級アンモニウム塩及び環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。さらに、アニオン種として、ClO4 -、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-、など一般的に知られる構造が用いられる。また、イオン液体を用いてもよい。これらの電解質材料は、単独で使用してもよく、或いは複数併用してもよい。
有機EC材料は、溶媒に対して溶解性を有し、電気化学的な反応で着色と消色を表現できるものであれば、どのようなものであっても構わない。公知の酸化/還元着色性有機EC材料を使用することができる。また、複数の材料を併用することも可能である。即ち、本発明に係るEC素子18は、複数種類の有機EC材料を有していてよい。
有機EC材料の組合せとして、酸化反応で着色を示すアノード性有機エレクトロクロミック材料と、還元反応で着色を示すカソード性有機エレクトロクロミック材料とを用いる。これらは単材料同士、或いは、単材料と複材料、或いは、複材料と複材料で用いても良く、組合せは任意である。EC特性を示さないアノード性材料、或いは、カソード性材料を別に含んでいても構わない。
有機EC材料の具体例としては、例えば、ビオロゲン系化合物、スチリル系化合物、フルオラン系化合物、シアニン系化合物、アントラキノン系化合物、芳香族アミン系化合物等の有機色素が挙げられる。また、金属−ビピリジル錯体、金属−フタロシアニン錯体等の有機金属錯体等も挙げられる。
アノード性の有機EC材料は、酸化反応で着色を示す。具体的には、チオフェン誘導体、フェロセンなどメタロセン誘導体、フェナジン誘導体やトリフェニルアミン誘導体、フェノチアジン誘導体、フェノキサジン誘導体など芳香族アミン誘導体、ピロール誘導体、ピラゾリン誘導体等が挙げられる。但し、本発明に用いるアノード性有機EC材料はこれらに限定されるものではない。
カソード性の有機EC材料は、還元反応で着色を示す。具体的には、ビオロゲン系化合物、アントラキノン系化合物、フェロセニウム塩系化合物、スチリル化系化合物などが挙げられる。但し、本発明に用いるカソード性有機EC材料はこれらに限定されるものではない。
特に温度変化に対して吸収スペクトルを保持するためには、これら材料が会合体を形成しにくいことが好ましい。材料が会合体を形成すると、吸収スペクトルにおいて、単量体の吸収と会合体の吸収が重畳される。会合体の形成のし易さは温度に対して変化するため、このような材料においては、温度の変化で単量体の吸収と会合体の吸収の比が変化してしまう。会合体形成を避けるためには、嵩高い置換基を設け立体障害により会合体形成を抑制する方法が好適に用いられる。
EC層24は、好適には溶液状態として用いられるが、応答速度を著しく損なわない範囲でゲル状で用いることも可能である。ゲル化には、溶液にさらにポリマーやゲル化剤を含有させる。ポリマー(ゲル化剤)としては、特に限定されず、例えばポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、ナフィオンなどが挙げられる。このようにEC層24として粘稠若しくはゲル状としたもの等を用いることができる。また、上記のような混合状態で使用する他、透明且つ柔軟な網目構造を有した構造体(例えばスポンジ状のもの)にこれら溶液を担持させても良い。
低抵抗配線25a,25bは、給電端子A1,C1から電極23a,23bに供給する電圧の面内分布を低減する目的で形成され、それぞれ電極23a,23bの一辺に沿って配置され、互いに矩形の相対する一対の辺にそれぞれ沿っている。給電端子A1,C1からの距離で電極23a,23bの面内に電位勾配ができるとEC素子18の面内で電気化学反応量にむらが生じてしまう。電位が高い給電端子側ほど有機EC材料の電気化学反応が生じやすい。そのため、電位分布の大きな状態でEC素子18を駆動していると、アノード性有機EC材料はアノード給電端子(プラス電極)側に、カソード性有機EC材料はカソード給電端子(マイナス電極)側に反応が偏在するようになる。この結果、電位分布の影響によるセグリゲーションが生じてしまう。有効光線領域21内における電位分布をできるだけ小さく抑えるために、給電端子A1,C1は長辺側で且つ有効光線領域21を挟んで互いに対向する位置、図3(a)に示すように、矩形の対角線上に設置するのが好適である。
さらに、この時長辺方向の電位降下を10mV程度に抑えて長辺方向の電位分布によるセグリゲーションを抑制するために、長辺に沿って低抵抗配線25a,25bを設置する。この低抵抗配線25a,25bの面抵抗は電極23a,23bの抵抗の1/100未満、さらに好ましくは1/500未満であることが好ましい。低抵抗配線25a,25bとしては、真空成膜によって形成した薄膜銀配線や、スクリーン印刷やインクジェット塗布等によって形成した厚膜銀配線を好適に使用することができる。
〔EC素子18の駆動方法〕
図4は、本発明に係るEC素子18の駆動制御形態の一例を説明する図である。図4の印加電圧波形は、図3で示したEC素子18を重力方向であるY軸方向に立てて駆動する場合を説明するものである。図3において、A1端子側が重力上方、C1端子側が重力下方に定義される。A1端子及びC1端子のうち、C1端子をグランドに接続しているため、印加電圧+V1及びV1はA1端子の極性を表示する。
電極23a,23bは低抵抗配線25a,25bを介して電位が制御されるが、電極23a,23bは低抵抗配線25a,25bよりも抵抗が高いため、電極23a,23b内には、Y方向に沿った電位分布が形成される。そのため、+V1でA1端子側にはアノード性の反応が、C1端子側にはカソード性の反応が生じて着色する。逆に−V1でA1端子側にはカソード性の反応が、C1端子側にはアノード性の反応が生じて着色する。
印加電圧として−V1のみを継続して印加した場合、電位分布の影響によるセグリゲーションが優勢的に生じ、A1端子側(重力上方)でアニオンが、C1端子側(重力下方)でカチオンが偏在する。さらに比重の影響が遅れて加わり、アニオンが重力上方に、カチオンが重力下方に移動するため、両方の影響が重畳してセグリゲーションがさらに増大してしまう。
一方、印加電圧として+V1のみを継続して印加した場合、電位分布の影響によるセグリゲーションで、A1端子側にカチオンが、C1端子側にアニオンが偏在する。これに比重の影響でアニオンが重力上方に、カチオンが重力下方に移動する。カチオンとアニオンが衝突すると電荷授受でラジカル状態が初期状態に戻るため消色する。従って、−V1を継続して印加した場合と比べて有機EC材料の重力方向でのセグリゲーションは低下する。しかしながら、電位分布の影響によるセグリゲーションが優勢であるため、−V1を印加した場合とは逆に、重力上方にはカチオンが、重力下方にはアニオンが偏在してしまう。
本発明に係るEC素子18の駆動制御形態としては、図4(a)で示したように+V1と−V1を交互に印加し、印加する時間幅を制御することで電位分布の影響によるセグリゲーションを調整し、且つ、比重によるセグリゲーションとの相殺を調整する。+V1の印加時間t1と−V1の印加時間t2を1周期Tとし、その時間の比を制御することでA1端子側(重力上方)におけるアノード性有機EC材料の反応量をカソード性有機EC材料の反応量よりも相対的に大きくなるよう制御する。これは言い換えれば、A1端子側(重力上方)におけるアノード性有機EC材料の反応量を、C1端子側(重力下方)におけるアノード性有機EC材料の反応量よりも相対的に大きくなるように制御することに等しい。また、有機EC材料の反応量は電気化学反応で測定される電荷量から見積もることが可能である。また、A1端子(重力上方)とC1端子(重力下方)への+V1と−V1の交互の印加は、重力上方及び重力下方の給電端子を交互にプラス極に切り替えていることと同等である。これから、A1端子側(重力上方)におけるアノード性有機EC材料の反応量を、C1端子側(重力下方)におけるアノード性有機EC材料の反応量よりも相対的に大きくなるように制御するとは、重力方向上方に位置する給電端子をプラス極とした時に生じる電荷量を、重力方向下方に位置する給電端子をプラス極とした時に生じる電荷量よりも大きくするよう制御を行うことに相当する。電荷量の見積は、透過光量操作手段12が単位時間当たりの電流を測定し、その積算から算出しても良い。
また、時間幅の他、図4(b)で示したように電圧の波高値を制御することで電位分布の影響によるセグリゲーションを調整しても良い。この場合、例えば、印加時間t2には−V1よりも絶対値の小さい−V2を印加する。電気化学反応の反応量は駆動電圧の大きさに依存するため、V1とV2の制御をもってA1端子側(重力上方)におけるアノード性有機EC材料の反応量を、カソード性有機EC材料の反応量よりも相対的に大きくなるよう制御する。また、時間幅と電圧波高値の両方をもって任意に制御することも可能である。
また、EC素子18の着色の吸光度、即ち階調を制御する場合には、t1及びt2の比の調整、或いは、V1とV2の比の調整、或いは時間幅と電圧波高値の両方をもって調整することが可能である。また、t1或いはt2の期間に、印加電圧を間欠的に印加する方法をもって調整することも可能である。
t1及びt2の印加時間が大きい場合、t1からt2に、及び、t2からt1に切り替わるタイミングでEC素子18の吸光度が上下に変化してしまう。そのため、着色駆動時においてEC素子18の吸光度の変化を抑制するためには、1周期Tの時間幅は0.1Hz以下、より好ましくは1Hz以下、さらに好ましくは10Hz以下であることが好ましい。
〔EC素子18の色むらの補正〕
しかしながら上述した様にEC素子18を駆動したとしても、EC素子18内にカチオン及びアニオンの濃度むらが起こってしまう場合がある。例えば、EC層24の粘度や比重が温度によって変化することにより、比重の影響によって発生するセグリゲーションの発生度合いが変化してしまうことがある。比重の影響によって発生するセグリゲーションの発生度合いが多くなった場合、電位分布の影響によるセグリゲーションをキャンセルする以上に、比重の影響によるセグリゲーションが発生し、濃度むらが発生してしまう。
比重の影響によるセグリゲーションが発生した場合、有機EC材料全体の比重と比較して比重の大きいカチオンは重力方向下方へ、有機EC材料全体の比重と比較して比重の小さいアニオンは重力方向上方へ移動が行われる。そのため、EC層24において、カチオン及びアニオンの濃度むらが発生する。図3(a)の状態では、Y軸方向上下に濃度むらが発生してしまう。アニオンとカチオンでそれぞれ光の吸収の波長選択性(吸収スペクトル)が異なるため、係る濃度むらによって、EC素子18の上側と下側では発色する色が異なってしまい、有効光線領域21内に色むらが発生する。
本発明においては、係るEC素子18内の色むらを検知するために、EC素子18の透過光量の検出手段をEC素子18の2箇所以上に設けることを特徴とする。図5は、図3のEC素子18に、該EC素子の色むらを検知するために、EC素子18の透過光量を検出する検出手段41,42を設けた構成を示す図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は右側面図である。
本実施形態においては、透過光量の検出手段41,42は、図5(b)に示すように、投光素子41a,42aと受光素子41b,42bとからなり、いずれも有効光線領域21の外側において、矩形の相対する角部、即ち、対角線上に配置されている。よって、Y方向において色むらが発生した際には、検出手段41,42において検出されるEC素子18の透過光量が互いに異なるため、係る2箇所で透過光量を検出することで、Y方向における色むらの発生を検知することが可能となる。
さらに、撮像装置本体1に設けられた撮影姿勢検知手段11によって、撮影姿勢を検知することにより、2つの透過光量検知手段41,42のうちどちらが重力上方であるかを知ることができる。それにより、検出手段41,42における透過光量が変化した場合に、重力方向上下で色むらの発生に仕方やタイミングが異なる場合であっても、色むらを精度よく検知することが可能となる。
上記のようにして、検出手段41,42によってEC素子18内の色むらを検知した場合には、該検出結果に基づいて、給電部の駆動方法を変更することで係る色むらを軽減させることが可能となる。例えば前記した比重の影響によるセグリゲーションの発生度合が多くなった場合には、図4におけるA1端子への印加電圧を増やすことにより、電位分布の影響によるセグリゲーションの発生度合を増やし、相互にキャンセルをさせる。つまり、図4(a)においては、Tに対するt1の時間を長くするように制御を行い、図4(b)においては、+V1をより大きな電圧となるように制御を行う。
尚、本実施形態中ではEC素子18において発生するむらとして、色むらについて述べたが、EC素子18内部のアニオン及びカチオンの濃度むらによって透過光量の分布が変化するものであれば、本発明は有効である。
また、本実施形態では、EC素子18の透過光量の検出手段41,42として、投光素子と受光素子との組合せを示したが、比重の差により偏在してしまうアニオンやカチオンの成分によって波長分布が設定されるのがより好ましい。例えば比重の差によって重力方向上方に偏在するアニオンの吸収波長をピークに持つ投光素子を用いることにより、一対の検出手段においてより大きな出力差が得られるため、より容易に色むらが検知可能になる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、EC素子18の短辺方向が重力方向と平行になる姿勢においてEC素子18に発生する色むらの検知と該色むらを低減する方法について述べた。本実施形態では、EC素子18の長辺方向が重力方向と平行になる姿勢について説明する。
図6(a)は、本実施形態のEC素子の構成を示す図であり、図6(b)は図6(a)中のB−B’断面図である。尚、図6においては、給電端子の図示を省略する。
図3のEC素子18を、重力方向がX方向に平行となるように回転させた場合、X方向にEC素子18に色むらが発生する。この場合も、検出手段41,42で検出される透過光量が互いに異なるために、色むらの発生を検知することができる。
しかしながら、図3の構成では、低抵抗配線23a,23bに平行な方向に色むらが発生した場合には、低抵抗配線23a,23bに印加する電圧によって、係る色むらを低減することはできない。
本実施形態においては、図6に示すように、図3の構成に加えて、短辺に沿った低抵抗配線31a,31bを電極23a,23bに設け、不図示の給電端子を介して透過光量操作手段12に接続し、低抵抗配線25a,25bとは独立して、電位を制御する。このように、低抵抗配線31a,31bに印加する電圧を制御することでX方向の色むらを解消することができる。電極23aに配置された低抵抗配線25aと31a、電極23bに配置された低抵抗配線25bと31bは、それぞれ、電極23aと23bの角部を構成する二辺に沿って配置されている。また、低抵抗配線31aと31bとは、互いに矩形の相対する一対の辺の一方と他方とに沿って配置されている。低抵抗配線25a,25bと、31a,31bとは、撮像装置100の姿勢によって使い分けても、同時に使用しても構わない。
上記のように、矩形の対角線上にEC素子18の検出手段41,42を設けることで、撮像装置100が正位置か縦位置であるかによらず、EC素子18の色むらの検知が可能となる。また、図6の構成とすることにより、係る色むらを低減することが可能となる。
(第3実施形態)
本実施形態は、図6の構成のEC素子18に対して、EC素子18の透過光量の検出手段を3箇所に増やした例である。図7は本実施形態のEC素子の平面図であり、給電端子の図示は省略する。本実施形態では、図7に示すように、矩形の一方の対角線上に検出手段41,42を配置すると同時に、該対角線に交差するもう一方の対角線の一端側に第3の検出手段43を設けている。尚、検出手段41,42,43は、図5と同様に、投光素子と受光素子からなる。
図7は、Z軸を中心に30°EC素子18を傾けた状態を示している。このような状態において、図5に示したように、検出手段を41及び42の2箇所しか設けなかった場合、重力方向に対して、これらの検出手段41,42はほぼ同じ高さに設けられている状態となる。その結果、比重の影響によるセグリゲーションが発生しても、検出手段41,42で検出される透過光量が等しくなる場合がある。
本実施形態では、図7に示すように、検出手段を3箇所に設けており、これら3箇所の検出手段41,42,43が、EC素子18の平面(XY平面)内で一直線上に並ばない。そのため、いずれか2箇所が重力方向の配置の差がなかった場合でも、1箇所については他の2箇所と重力方向の配置に差が生じ、検出される透過光量に差を生じ、色むらを検知することが可能である。また、撮像装置本体1に設けられた撮影姿勢検知手段11の出力に応じて、検出手段41,42,43のうち比較する検出手段を選択し、それらをモニタすることによって、色むらの発生を検知することが可能となる。
以上のように透過光量の検出手段を3箇所に設けることにより、Z軸を中心にEC素子18がいかなる傾きとなった場合にも、EC素子18に発生する色むらを検知することができる。よって、検知した色むらに応じて、低抵抗配線25a,25b,31a,31bに印加する電圧を適宜制御して、係る色むらを低減することができる。
3:撮像光学系、16:撮像素子、18:EC素子、23a,23b:電極、24:エレクトロクロミック層(EC層)、25a,25b,31a,31b:低抵抗配線、41,42,43:検出手段、41a,42a:投光素子、41b,42b:受光素子、100:撮像装置

Claims (8)

  1. 一対の電極と、前記一対の電極の間に配置され、アノード性有機エレクトロクロミック材料とカソード性有機エレクトロクロミック材料と溶媒とを含有するエレクトロクロミック層と、を有するエレクトロクロミック素子を備えたエレクトロクロミック装置であって、
    前記エレクトロクロミック素子の透過光量を検出する少なくとも2箇所の検出手段と、
    前記複数の検出手段の検出結果に基づいて、前記一対の電極に印加する電圧を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするエレクトロクロミック装置。
  2. 前記検出手段が、投光素子と受光素子からなることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
  3. 前記一対の電極の平面形状が矩形であって、前記一対の電極のそれぞれに前記矩形の一辺に沿った低抵抗配線が配置されており、前記矩形の相対する一対の辺の一方の辺に沿って一方の電極に配置された低抵抗配線が、他方の辺に沿って他方の電極に配置された低抵抗配線が、それぞれ配置されており、
    前記2箇所の検出手段が前記矩形の対角線上に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック装置。
  4. 前記一対の電極のそれぞれに前記矩形の角部を構成する二辺に沿った低抵抗配線が配置されており、前記矩形の相対する一対の辺の一方の辺に沿って一方の電極に配置された低抵抗配線が、他方の辺に沿って他方の電極に配置された低抵抗配線が、それぞれ配置されていることを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミック装置。
  5. 前記2箇所の検出手段が配置されている前記対角線に対して交差する対角線の一端側に第3の検出手段が配置されていることを特徴とする請求項5に記載のエレクトロクロミック装置。
  6. さらに、重力方向を検出する撮影姿勢検知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック装置。
  7. 複数のレンズを有する撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、エレクトロクロミック装置と、を有し、前記エレクトロクロミック装置のエレクトロクロミック素子が前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置されている撮像装置であって、
    前記エレクトロクロミック装置が請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック装置であることを特徴とする撮像装置。
  8. 複数のレンズを有する撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、エレクトロクロミック装置と、を有し、前記エレクトロクロミック装置のエレクトロクロミック素子が前記撮像光学系内に配置されている撮像装置であって、
    前記エレクトロクロミック装置が請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック装置であることを特徴とする撮像装置。
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