JP2019012813A - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ - Google Patents

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常雄 小倉
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Abstract

【課題】オン電圧が低くスイッチングロスが低減されたIGBTの提供。【解決手段】実施形態のIGBTは、第1電極と、第2電極との間の第1電極上に、第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、第2導電形の第3半導体層と、第1導電形の第4半導体層と、第2導電形の第5半導体層とを順に有する。第3電極は、第3半導体層、第4半導体層、及び第5半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられ、第1電極及び第2電極と絶縁される。第4電極は、第3電極と第2半導体層との間に設けられ、第3電極及び第2半導体層とは絶縁されている。【選択図】図1

Description

絶縁ゲート型バイポーラトランジスタに関する。
600V以上の耐圧を有するパワー半導体素子として絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))が一般に用いられている。パワー半導体装置は、一般にスイッチとして用いられるので、オン抵抗が低く、スイッチング速度が速いことが望まれている。オン抵抗低減のために、チャネル領域からさらに深くn形ベース層まで延伸するトレンチゲート構造が用いられる。この構造を用いることにより、隣り合うトレンチゲート間のn形ベース層にキャリアを効率よく閉じ込めて伝導度変調を引き起こし、IGBTのオン抵抗が低減される。しかしながら、チャネルより深いトレンチゲート構造により、IGBTのオフ状態からオン状態への移行(ターンオン)時にキャリア蓄積の遅延が大きく、また、オン状態から/オフ状態への移行(ターンオフ)時にはキャリアの排出の遅延が大きい。これにより、ターンオン時のスイッチングロス及びターンオフ時のスイッチングロスが大きいという問題があった。
特開2016−154218号公報 特開2013−251395号公報
オン電圧が低くスイッチングロスが低減されたIGBTの提供。
実施形態の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは 第1電極と、第2電極と、第1半導体層と、第2半導体層と、第3半導体層と、第4半導体層と、第5半導体層と、第3電極と、第4電極と、を備える。第1半導体層は、第1電極と第2電極との間に設けられ第1導電形を有する。第2半導体層は、第2電極と第1半導体層との間に設けられ第2導電形を有する。第3半導体層は、第2電極と第2半導体層との間に設けられ第2導電形であり第2半導体層よりも不純物濃度が高い。第4半導体層は、第2電極と第3半導体層との間に設けられ第1導電形であり第2電極に電気的に接続される。第5半導体層は、第2電極と第4半導体層との間に選択的に設けられ第2導電形であり、第2電極と電気的に接続され、第2半導体層よりも不純物濃度が高い。第3電極は、第3半導体層、第4半導体層、及び第5半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられ、第1電極及び第2電極と絶縁される。第4電極は、第3電極と第2半導体層との間に設けられ、第3電極及び第2半導体層とは絶縁されている。
本発明の第1の実施形態に係るIGBTの断面図。 比較例に係るIGBTの断面図。 本発明の第1の実施形態に係るIGBTと比較例に係るIGBTのターンオフ特性を比較する図。 比較例に係るIGBTのn形ベース層中におけるターンオフ時のキャリア濃度分布の時間推移を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るIGBTのn形ベース層中におけるターンオフ時のキャリア濃度分布の時間推移を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るIGBTと比較例に係るIGBTのターンオン特性を比較する図。 比較例に係るIGBTのn形ベース層中におけるターンオン時のキャリア濃度分布の時間推移を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るIGBTのn形ベース層中におけるターンオン時のキャリア濃度分布の時間推移を示す図。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るIGBTの断面図。 本発明の第2の実施形態に係るIGBTの断面図。 本発明の第3の実施形態に係るIGBTの断面図。 本発明の第4の実施形態に係るIGBTの断面図。 本発明の第5の実施形態に係るIGBTの断面図。 本発明の第6の実施形態に係るIGBTの斜視断面図。 本発明の第7の実施形態に係るIGBTの断面図。 本発明の第7の実施形態に係るIGBTのターンオフ時の制御方法を示すタイミングチャート。 本発明の第7の実施形態に係るIGBTのキャリア濃度分布図。 本発明の第7の実施形態に係るIGBTのターンオン時の制御方法を示すタイミングチャート。 本発明の第7の実施形態に係るIGBTの制御回路を示すブロック図。 本発明の第8の実施形態に係るIGBTの断面図。 本発明の第9の実施形態に係るIGBTの断面図。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。実施例中の説明で使用する図は、説明を容易にするための模式的なものであり、図中の各要素の形状、寸法、大小関係などは、実際の実施においては必ずしも図に示されたとおりとは限らず、本発明の効果が得られる範囲内で適宜変更可能である。同様な性質、機能、又は特徴を有する要素は、同一参照番号又は同一参照記号を用い、説明は省略する。
、n、及びnは、n形半導体であることを示し、そのn形不純物濃度はこの順に低く設定される。p、p、及びpは、p形半導体であることを示し、そのp形不純物濃度はこの順に低く設定される。n形不純物濃度及びp形不純物濃度は、実際のn形不純物の濃度及び実際のp形不純物の濃度を示すのではなく、それぞれの補償後の実効的な不純物濃度を示す。例えば、実際のp形不純物の濃度が実際のn形不純物の濃度よりも大きい場合は、実際のp形不純物の濃度から実際のn形不純物の濃度を引いた濃度を、p形不純物濃度とする。n形不純物濃度に関しても同様である。
(実施形態1)
図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBT)を説明する。図1に示すとおり、本実施形態に係るIGBT1は、コレクタ電極10(第1電極)と、エミッタ電極11(第2電極)と、p形コレクタ層12(第1半導体層)と、n形ベース層13(第2半導体層)と、n形バリア層14(第3半導体層)と、p形ベース層15(第4半導体層)と、n形エミッタ層16(第5半導体層)と、ゲート電極17(第3電極)と、第1フィールドプレート電極19(第4電極)と、を備える。
形コレクタ層12は、エミッタ電極11とコレクタ電極10との間に設けられ第1導電形を有する半導体層である。本実施例では、第1導電形はp形の場合を表し、第2導電形はn形の場合を表す。また、半導体層は、シリコン(Si)を一例として示すが、これに限定されない。p形コレクタ層12は、1×1013〜1×1015 cm−2程度のp形不純物総量を有し、層厚は0.1〜10μm程度である。コレクタ電極10及びエミッタ電極11は、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、金(Au)、ポリシリコン等の群から選ばれる少なくとも1つを含む金属で構成される。
形ベース層13は、エミッタ電極11とp形コレクタ層12との間に設けられ第2導電形(以下、n形)を有する半導体層である。n形ベース層13のn形不純物濃度は例えば、1×1012〜1×1015(atoms/cm)程度であり、素子の耐圧設計により任意の不純物濃度に設定できる。また、層厚は1〜1000μm程度であり、素子の耐圧設計により任意の厚さに設定できる。
n形バリア層14は、n形半導体層であり、n形ベース層13のn形不純物濃度よりも高いn形不順物濃度を有し、その不純物総量は1×1012〜1×1014 cm−2程度である。n形バリア層14の層厚は0.1〜数μm程度である。
p形ベース層15は、p形半導体層であり、エミッタ電極11とn形バリア層14との間に設けられ、p形コレクタ層12のp形不純物濃度よりも一般に低いp形不純物濃度を有する。p形ベース層15のp形不純物総量は1×1012〜1×1014 cm−2程度であり、層厚は0.1〜数μm程度である。このため、設計によってはp形コレクタ層12のp形不純物濃度よりも高いp形不純物濃度を有する場合もあり得る。p形ベース層15は、エミッタ電極11に電気的に接続される。
形エミッタ層16は、n形半導体層であり、エミッタ電極11とp形ベース層15との間に選択的に設けられ、エミッタ電極11と電気的に接続される。n形エミッタ層16はn形ベース層13のn形不純物濃度よりも高いn形不純物濃度を有し、そのn形不純物総量は1×1014〜1×1016 cm−2程度である。n形エミッタ層16の層厚は0.1〜数μm程度であり、p形ベース層15よりも層厚は小さい。
エミッタ電極11側からn形エミッタ層16、p形ベース層15、及びn形バリア層14を通り抜け、n形ベース層13に達する複数のトレンチ21がp形ベース層15の面内方向(水平方向)に周期的に設けられる。トレンチ21の深さは、1〜10μm程度である。隣り合うトレンチの周期は、0.1〜数μm程度である。トレンチ21の側壁には、n形エミッタ層16、p形ベース層15、n形バリア層14及びn形ベース層13が露出する。トレンチ21の側壁において、n形エミッタ層16上、p形ベース層15上、及びn形バリア層14上をゲート絶縁膜18が覆う。ゲート電極17が、ゲート絶縁膜18を介して、n形エミッタ層16、p形ベース層15、及びn形バリア層14上に設けられる。ゲート電極17とエミッタ電極11との間には、第1層間絶縁膜23が存在し、第1層間絶縁膜23はゲート電極17をエミッタ電極11から絶縁する。ゲート電極17は、図示しない領域でゲートパッド領域に電気的に接続される。ゲートパッド領域はゲート端子に電気的に接続される(図示せず)。
トレンチ21の側壁及び底部において、第1絶縁膜22は、n形バリア層14及びn形ベース層13を覆い、ゲート絶縁膜18と連続する。第1フィールドプレート電極19は、ゲート電極17とn形ベース層13との間に設けられる。ゲート電極17と第1フィールドプレート電極19との間には、電極間絶縁膜20が存在する。第1フィールドプレート電極19とn形ベース層13の間には、第1絶縁膜22が存在する。また、電極間絶縁膜20は、ゲート絶縁膜18及び第1絶縁膜22と連続する。第1フィールドプレート電極19は、図示しない領域でエミッタ電極と電気的に接続され、エミッタ電極と同じ電位を有する。
言い換えると、トレンチ21の側壁において、ゲート電極17(第3電極)がゲート絶縁膜18を介してn形エミッタ層16、p形ベース層15、及びn形バリア層14上に設けられる。ゲート電極17は、エミッタ電極11とコレクタ電極10とは絶縁される。また、第1フィールドプレート電極19は、ゲート電極17とn形ベース層13との間に設けられ、ゲート電極17とn形ベース層13とは絶縁され、エミッタ電極11に電気的に接続される。
なお、ゲート電極17は、n形ベース層13上まで延伸してもよい。
上記ゲート絶縁膜18、第1層間絶縁膜23、第1絶縁膜22、及び電極間絶縁膜20は、例えば酸化シリコン(SiO)であるが、これに限定されない。また、それぞれの絶縁膜は、同じ材料でなく、それぞれ別の材料であっても良い。ゲート絶縁膜18は、第1絶縁膜22よりも薄いほうが望ましいが、これに限定されない。ゲート電極17及び第1フィールドプレート電極19は、例えば、n形またはp形不純物を含むポリシリコンからなるが、これに限定されない。
トレンチ21内のゲート電極17、ゲート絶縁膜18、第1絶縁膜22、第1フィールドプレート電極19、電極間絶縁膜20、及び第1層間絶縁膜23で構成された第1トレンチゲート構造が、ユニットセルとして、p形ベース層15の水平面内の少なくとも一方向において、複数繰り返して設けられる。例えば、第1トレンチゲート構造は、0.1〜数μm程度の周期でp形ベース層15内に繰返し設けられる。
本実施形態に係るIGBT1の動作を説明する前に、比較例のIGBT101の構造について説明する。図2は、比較例に係るIGBT101の断面図を示す。比較例に係るIGBT101と、本実施形態に係るIGBT1は、以下の点で相違する。
比較例に係るIGBT101は、本実施形態に係るIGBT1と同様に、エミッタ電極11と、コレクタ電極10と、p形コレクタ層12と、n形ベース層13と、n形バリア層14と、p形ベース層15と、n形エミッタ層16と、を備え、トレンチ21が設けられる。
本実施形態に係るIGBT1は、トレンチ21内に設けられたゲート電極17、ゲート絶縁膜18、第1フィールドプレート電極19、第1絶縁膜22、電極間絶縁膜20、第1層間絶縁膜23からなるトレンチゲート構造を有する。これに対して、比較例に係るIGBT101は、トレンチ21内に設けられた、ゲート電極117、ゲート絶縁膜118、及び第1層間絶縁膜23からトレンチゲート構造を有する。
ゲート絶縁膜118は、トレンチ21の側壁に露出したn形エミッタ層16、p形ベース層15、n形バリア層14及びn形ベース層13と、底部に露出したn形ベース層13を覆うように設けられる。ゲート電極117は、ゲート絶縁膜118だけを介してトレンチ21内に設けられる。ゲート電極117は、トレンチ21の側壁において、ゲート絶縁膜118を介してn形エミッタ層16、p形ベース層15、n形バリア層14及びn形ベース層13上に設けられる。ゲート電極117は、n形エミッタ層16上からトレンチ21の底部に位置するn形ベース層13の一部まで延伸する。
比較例に係るIGBT101は、本実施形態に係るIGBT1と上記の通りトレンチゲート構造において相違する。
本実施形態に係るIGBT1のスイッチング特性と比較例に係るIGBT101のスイッチング特性とを比較する。図3は、本実施形態に係るIGBT1及び比較例に係るIGBT101のターンオフ時のコレクタ−エミッタ間電圧及びコレクタ電流の時間変化のシミュレーション結果を示す。時間が0秒のとき、ゲート電極の電位を駆動電位(例えば15V)から例えば0Vに変化させる(ターンオフ開始)。
先ず比較例に係るIGBT101の動作について説明する。ターンオフ開始後一定期間経過しゲート電極の電位が閾値電圧以下になると、チャネル層が消失する。このチャネル層の消失には、ゲート−エミッタ間容量Cgeとゲート−コレクタ間容量Cgcの和に応じた時間を要する。
このため、ターンオフ開始からしばらく遅れて、n形ベース層13への電子の供給が断たれる一方で、n形ベース層13中に蓄積されていた電子はコレクタへ、正孔はエミッタへそれぞれ排出され始める。この結果、ターンオフ開始からしばらくして、コレクタ電流は動作時の電流から減少して0になる。この電流の動作時の電流値から0に減少するまでに要する時間は、n形ベース層13中における電子と正孔の排出に要する時間で決まる。
図4は、比較例に係るIGBT101のターンオフ後の、n形ベース層13中の電子と正孔のキャリア濃度の時間変化のシミュレーション結果を示す。電子のキャリア濃度と正孔のキャリア濃度は等しい(以後単にキャリア濃度というときは、電子と正孔の両者のキャリア濃度をさす)。キャリア濃度は、ターンオフ開始後0.4×10−6秒ごとの値である。なお、図中のeは冪演算の底が10であることを意味する。
図4からわかるように、比較例に係るIGBT101では、1.2マイクロ秒までは、キャリア濃度にほとんど変化がなく、1.6マイクロ秒からエミッタ側からキャリア濃度が減少し始める。これに対応してコレクタ電流が減少し始める。2.8マイクロ秒でキャリアが枯渇し、コレクタ電流がゼロになる。
コレクタ電流の減少と同時に、p形ベース層15とn形バリア層14との界面からn形ベース層13に向かって空乏層が伸びていき、コレクタ−エミッタ間電圧が0Vから電源電圧に上昇する。ターンオフ時にコレクタ電流がある程度時間をかけて減少し、コレクタ−エミッタ間電圧がある程度時間をかけて上昇するため、スイッチングロスが発生する。比較例に係るIGBT101では、このターンオフ時のスイッチングロスは21.1mJであった。
これに対して本実施形態に係るIGBT1では、図3に示したように、ターンオフ開始後のコレクタ−エミッタ間の電圧の上昇開始までの時間とコレクタ電流の減少開始までの時間が比較例に係るIGBT101のそれの約半分に短縮されている。図5は、本実施形態に係るIGBT1のターンオフ後の、n形ベース層13中における電子と正孔のキャリア濃度の時間変化のシミュレーション結果を示す。ターンオフ開始後の0.4〜0.8マイクロ秒の間にキャリア濃度が減少し始める。1.6マイクロ秒で、キャリア濃度はほとんど枯渇する。この結果、上記のように、コレクタ電流が減少し始めるまでの時間が約半分に短縮される。
比較例に係るIGBT101は、ゲート絶縁膜118を介してトレンチ21内に設けられたゲート電極117を有する。ゲート電極117は、トレンチ21の側壁において、n形エミッタ層16上からトレンチ21の底部に位置するn形ベース層13の一部まで延伸する。これにより、ゲート電極117は、p形ベース層15、ゲート絶縁膜118、及びゲート電極117により形成されたゲート−エミッタ間容量Cgeを有する。さらに、ゲート電極117は、n形ベース層13、ゲート絶縁膜118、及びゲート電極117により形成されたゲート−コレクタ間容量Cgc(帰還容量)を有する。ゲート電極117がn形ベース層13中にまで延伸することにより、n形ベース層13中にn形蓄積層を形成し伝導度変調を引き起こしている。しかしながら、この構造により、ゲートコレクタ間容量Cgcは大きな値を有する。
これに対して、本実施形態に係るIGBT1は、トレンチ21内に、第1絶縁膜22を介して設けられた第1フィールドプレート電極19と、ゲート絶縁膜18及び電極間絶縁膜20を介して設けられたゲート電極17とを有する。第1フィールドプレート電極19は、n形ベース層13上に第1絶縁膜22を介して設けられる。ゲート電極17は、第1フィールドプレート電極19上に電極間絶縁膜20を介して、また、p形ベース層15上にゲート絶縁膜18を介して設けられる。第1フィールドプレート電極19が、ゲート電極17とn形ベース層13との間に存在することにより、ゲート電極17は、比較例に係るIGBT101のゲート電極117に比べて、n形ベース層13中にほとんど延伸しない。
従って、本実施形態に係るIGBT1のゲート−コレクタ間容量Cgcは、比較例に係るIGBT101のゲート−コレクタ間容量Cgcに比べて遥かに小さい。IGBTのチャネル部の消失は、ゲート−エミッタ間容量Cgeとゲート−コレクタ間容量Cgcとの和が大きいほど遅い。本実施形態に係るIGBT1のゲート−コレクタ間容量Cgcは、比較例に係るIGBT101のゲート−コレクタ間容量Cgcに比べて無視できるほど小さい。従って、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101よりもチャネル部が速く消失する。これにより、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101よりも、コレクタ電流が減少し始めるまでの時間が短くなり、図3及び図5に示した結果が得られる。
コレクタ電流の減少開始に連動して、コレクタ−エミッタ間電圧は上昇し始めるので、コレクタエミッタ間電圧が上昇し始めるまでの時間に関しても、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101よりも早い。
さらに、ターンオフ時にコレクタ電流がある程度時間をかけて減少し、コレクタ−エミッタ間電圧がある程度時間をかけて上昇するため、スイッチングロスが発生する。本実施形態に係るIGBT1では、このターンオフ時のスイッチングロスは18.2mJであった。この値は、比較例に係るIGBT101のターンオフ時のスイッチングロスに比べて、13.7%減少した。スイッチングロスが小さいということは、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101に比べて、n形ベース層13中に蓄積された電子と正孔の排出に要する時間が短いと考えられる。
比較例に係るIGBT101では、n形ベース層13中にゲート電極117が延伸している。このため、ゲート−コレクタ間容量Cgcが大きく、ターンオフ時に、このゲート−コレクタ間容量Cgcを放電する時間が長くなることによって、キャリアの排出時間が長くなる。
これに対して、本実施形態に係るIGBT1では、比較例に係るゲート電極117がゲート電極17と第1フィールドプレート電極19との二段構造になっており、n形ベース層13中に突出している第1フィールドプレート電極19は、エミッタ電極に接続されている。このため、ゲート−コレクタ間容量Cgcが小さく、ターンオフ時にこのゲート−コレクタ間容量Cgcを放電する時間が短くなることによって、キャリアの排出時間が短くなる。
以上により、本実施形態に係るIGBT1は、比較例に係るIGBT101に比べてターンオフ時のスイッチングロスが減少したと考えられる。
次に、本実施形態に係るIGBT1のターンオン時の特性と、比較例に係るIGBT101のターンオン時の特性を比較する。図6は、本実施形態に係るIGBT1と比較例に係るIGBT101とのそれぞれのコレクタ電流とコレクタ−エミッタ間電圧のターンオン時の時間変化を示す。図7は、比較例に係るIGBT101のターンオン時のn形ベース層13中のキャリア濃度の時間変化を示す。図8は、本実施形態に係るIGBT1のターンオン時のn形ベース層13中のキャリア濃度の時間変化を示す。いずれの図も、ゲート電極の電位を0Vから動作時の駆動電位に切り替えた時を0秒とする(ターンオン開始)。図7及び図8は、時間を0.1マイクロ秒単位で切り替えたときのキャリア濃度プロファイルを示す。横軸は、n形ベース層13中の深さを示し、左側がエミッタ側であり、右側がコレクタ側である。
先ず比較例に係るIGBT101の動作について説明する。ターンオン開始後にゲート電極の電位が閾値電圧以上になると、チャネル層が形成される。このチャネル層の形成には、ゲート−エミッタ間容量Cgeとゲート−コレクタ間容量Cgcの和に応じた時間を要する。
このため、ターンオンからしばらく遅れて、チャネル層を介してエミッタからn形ベース層13へ電子が供給されることで、n形ベース層13中にp形コレクタ層12から正孔が供給され始める。この結果、ターンオンからしばらくして、コレクタ電流は0Aから上昇して動作時の電流(この場合には200A)になる。このコレクタ電流の0から動作時の電流値に達するまでに要する時間は、n形ベース層13中における電子と正孔の蓄積に要する時間できまる。図7は、比較例に係るIGBT101のターンオン後の、n形ベース層13中の電子と正孔のキャリア濃度の時間変化のシミュレーション結果を示す。電子のキャリア濃度と正孔のキャリア濃度は等しい。キャリア濃度は、ターンオン後0.1×10−6秒(0.1マイクロ秒)ごとの値である。
図7からわかるように、比較例に係るIGBT101では、0.4マイクロ秒までは、キャリア濃度にほとんど変化がなく、0.5マイクロ秒からコレクタ側からキャリア濃度が増加し始める。これに対応してコレクタ電流が増加し始める。0.55マイクロ秒ぐらいでコレクタ電流が動作電流にほぼ達する。
コレクタ電流の増加と同時に、p形ベース層15とn形バリア層14との界面からn形ベース層13に向かって伸びていた空乏層が縮小し、コレクタ−エミッタ間電圧が電源電圧(600V)から0Vに減少する。ターンオン時にコレクタ電流がある程度時間をかけて増加し、コレクタ−エミッタ間電圧がある程度時間をかけて減少するため、スイッチングロスが発生する。比較例に係るIGBT101では、このターンオン時のスイッチングロスは10.0mJであった。
これに対して本実施形態に係るIGBT1では、図6に示したように、ターンオン後のコレクタ−エミッタ間の電圧の減少開始までの時間とコレクタ電流の増加開始までの時間が比較例に係るIGBT101のそれに比べて短縮している。図8は、本実施形態に係るIGBT1のターンオン後の、n形ベース層13中における電子と正孔のキャリア濃度の時間変化のシミュレーション結果を示す。ターンオン後の0.4マイクロ秒までの間にキャリア濃度が増加し始める。0.6マイクロ秒で、キャリア濃度はほぼ飽和する。この結果、上記のように、本実施形態に係るIGBT1では、コレクタ電流が増加し始めるまでの時間が短縮される。
前述したように、本実施形態に係るIGBT1のゲート−コレクタ間容量Cgcは、比較例に係るIGBT101のゲート−コレクタ間容量Cgcに比べて遥かに小さい。IGBTのチャネル部の形成は、ゲート−エミッタ間容量Cgeとゲート−コレクタ間容量Cgcとの和が大きいほど遅い。本実施形態に係るIGBT1のゲート−コレクタ間容量Cgcは、比較例に係るIGBT101のゲート−コレクタ間容量Cgcに比べて無視できるほど小さい。従って、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101よりもチャネル部が速く形成される。これにより、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101よりも、コレクタ電流が増加し始めるまでの時間が短くなり、図6及び図8に示した結果が得られる。
コレクタ電流の増加開始に連動して、コレクタ−エミッタ間電圧は減少し始めるので、コレクタ−エミッタ間電圧が減少し始めるまでの時間に関しても、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101よりも短い。
さらに、ターンオン時にコレクタ電流がある程度時間をかけて増加し、コレクタ−エミッタ間電圧がある程度時間をかけて減少するため、スイッチングロスが発生する。本実施形態に係るIGBT1では、このターンオン時のスイッチングロスは3.2mJであった。この値は、比較例に係るIGBT101のターンオン時のスイッチングロスに比べて、68%減少した。スイッチングロスが小さいということは、本実施形態に係るIGBT1の方が比較例に係るIGBT101に比べて、n形ベース層13中に電子と正孔が蓄積される速度が速いと考えられる。
比較例に係るIGBT101では、n形ベース層13中にゲート電極117が延伸している。このため、ゲート−コレクタ間容量Cgcが大きく、ターンオン時の電圧下降時間が長くなる。
これに対して、本実施形態に係るIGBT1では、比較例に係るゲート電極117に替えてゲート電極17と第1フィールドプレート電極19との二段構造になっており、n形ベース層13中に突出している第1フィールドプレート電極19は、エミッタ電極に接続されている。このため、ゲート−コレクタ間容量Cgcが小さく、ターンオン時の電圧下降時間が短くなる。
この結果、コレクタ電流が増加し始めるまでの時間においても電圧下降時間においても、本実施形態に係るIGBT1は高速化され、比較例に係るIGBT101に比べてターンオン時のスイッチングロスがターンオフ時と比較して大幅に減少したと考えられる。
(実施形態1の変形例)
図9を用いて、本発明の第1の実施形態の変形に係るIGBT1aを説明する。第1の実施形態に係るIGBT1は、トレンチ21内にゲート電極17及び第1フィールドプレート電極19がエミッタ電極11からコレクタ電極10方向に向かって積層されている。この変形例では、ゲート電極17のコレクタ電極10方向の長さをtg1、第1フィールドプレート電極19のコレクタ電極10方向の長さをtg2とするとき、tg1>tg2としている。このようにすることで、ゲート電極17がn形ベース層13中にまで延伸し、n形ベース層13中にn形蓄積層を形成し伝導度変調を引き起こすので、オン電圧を低減することができる。逆に、tg1を短くするとオン電圧が増加する。これに対して、第1フィールドプレート電極19の長さtg2は、短くてもゲート−コレクタ間容量Cgcの低減効果は十分であり、スイッチング損失が効果的に低減できる。以上のことから、tg1>tg2がより良好な構造となる。
(実施形態2)
図10を用いて、本発明の第2の実施形態に係るIGBT2を説明する。本実施形態に係るIGBT2は、第2絶縁膜25を介してn形ベース層13、n形バリア層14、及びp形ベース層15上にゲート電極17と第1フィールドプレート電極19とに対向して設けられ、エミッタ電極11に電気的に接続された第2フィールドプレート電極26(第5電極)を備えている点で、第1の実施形態に係るIGBT1とは異なる。すなわち、第2フィールドプレート電極26は、p形ベース層15の表面から、n形バリア層14を抜けてn形ベース層13中に延伸するトレンチ24中に第2絶縁膜25を介して埋め込まれている。
トレンチ24の深さは、トレンチ21の深さと概略同じである。第2フィールプレート電極は、第1フィールドプレート電極19と同様にポリシリコンにより構成される。第1フィールドプレート電極19のコレクタ電極10側の一端とエミッタ電極11との間の距離は、第2フィールドプレート電極のコレクタ電極10側の一端とエミッタ電極11との間の距離と概略同じである。第2絶縁膜25は、第1絶縁膜22と同様に例えば酸化シリコンから構成される。第2絶縁膜25の厚さは、第1絶縁膜22の厚さと概略同じである。
第1の実施形態に係るIGBT1は、トレンチ21内に設けられたゲート電極17及び第1フィールドプレート電極19からなる第1トレンチゲート構造が、p形ベース層15の面内の少なくとも一方向において、複数繰り返して設けられる。これに対して本実施形態に係るIGBT2は、第1の実施形態に係るIGBT1において、隣り合う第1トレンチゲート構造のうちの一方をトレンチ24に第2絶縁膜25を介して埋め込まれた第2フィールドプレート電極26からなる第2トレンチゲート構造で置き換えて、これをユニットとして複数繰り返して設けられている。また、第2フィールドプレート電極26には、第2絶縁膜25を介してn型エミッタ層16は隣接していない。
本実施形態の係るIGBT2は、上記のように周期的に第1トレンチゲート構造が第2トレンチゲート構造で置き換えられた構造を有する。このため、本実施形態に係るIGBT2は、第1の実施形態に係るIGBT1に比べてゲートエミッタ間容量が小さい。この結果、本実施形態に係るIGBT2は、第1の実施形態に係るIGBT1に比べてさらにターンオフ後にコレクタ電流が減少し始めるまでの時間及びターンオン後にコレクタ電流が増加し始める時間が短くなる。したがって、本実施形態に係るIGBT2は、第1の実施形態に係るIGBT1に比べて良好なスイッチング特性を有する。
(実施形態3)
図11を用いて、本発明の第3の実施形態に係るIGBT3を説明する。第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。図11は、本実施形態に係るIGBT3の断面図である。本実施形態に係るIGBT3は、第2の実施形態に係るIGBT2においてn形バリア層14が存在しない点で、第2の実施形態に係るIGBT2と異なる。
本実施形態に係るIGBT3は、n形バリア層14が存在しないので、伝導度変調に関して少々不利益を有するが、ターンオフ時のキャリアの排出に要する時間が短くなるので、スイッチング特性において第2の実施形態に係るIGBT2よりも優れる。
(実施形態4)
図12を用いて、本発明の第4の実施形態に係るIGBT4を説明する。第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。図12は、本実施形態に係るIGBT4の断面図である。本実施形態に係るIGBT4は、第2の実施形態に係るIGBT2において第1のトレンチゲート構造をさらに第2のトレンチゲート構造で置換して、1つの第1のトレンチゲート構造の次に3つの第2のトレンチゲート構造からなる構造をユニットとし、このユニットを周期的に複数回繰り返して有する点で、第2の実施形態に係るIGBT2と異なる。
言い換えると、本実施形態に係るIGBT4は、ゲート電極17と第2フィールドプレート電極26との間に第3フィールドプレート電極28を有する。第3フィールドプレート電極28は、p形ベース層15の表面から、n形バリア層14を抜けてn形ベース層13中に延伸するトレンチ27中に第3絶縁膜29を介して埋め込まれている。
第3フィールドプレート電極28は、第2フィールドプレート電極26と同様にポリシリコンから形成される。第3フィールドプレート電極28のp形ベース層15からn形ベース層13まで延伸する長さは第2フィールドプレート電極26の長さと同様である。第3絶縁膜29は、第2絶縁膜25と同様に酸化シリコンから構成される。
本実施形態に係るIGBT4においても、第2の実施形態に係るIGBT2と同様に良好なスイッチング特性を有する。
なお、本実施例の拡張として1つの第1のトレンチゲート構造の次に3つではなく任意の数の第2トレンチゲート構造からなる構造をユニットとしても同様な効果が得られることは明らかである。
(実施形態5)
図13を用いて、本発明の第5の実施形態に係るIGBT5を説明する。第4の実施形態に係るIGBT4と異なる点を中心に説明する。図13は、本実施形態に係るIGBT5の断面図である。本実施形態に係るIGBT5は、第4の実施形態に係るIGBT5において、隣り合う第2のトレンチゲート構造との間に、p形ベース層15を覆う第2層間絶縁膜30を有する点で、第4の実施形態に係るIGBT4と異なる。
すなわち、第2層間絶縁膜30は、エミッタ電極11とp形ベース層15との間に設けられ、p形ベース層15を覆う。第2層間絶縁膜30は、第2絶縁膜25と第3絶縁膜29と連続し、p形ベース層15上を跨ぐ。第2層間絶縁膜30は、例えば酸化シリコンから構成される。
本実施形態に係るIGBT5では、第2層間絶縁膜30により、n形ベース層13中の正孔がエミッタ電極11に抜けるのを抑制されるので、n形ベース層13中の正孔と電子のキャリア濃度が増大し、伝導度変調が促進される。本実施形態に係るIGBT5は、他の実施形態に係るIGBTと同様にスイッチング応答性に優れ、スイッチングロスが少なく、オン抵抗が低い。
(実施形態6)
図14を用いて、本発明の第6の実施形態に係るIGBT6を説明する。第2の実施形態に係るIGBT2と異なる点を中心に説明する。図14は、本実施形態に係るIGBT6の斜視断面図である。本実施形態に係るIGBT6は、第2の実施形態に係るIGBT2において、n形エミッタ層16が、ゲート電極17と第2フィールドプレート電極26が交互に配置されている方向とp形ベース層15内で垂直な方向に沿って、周期的に離間して複数設けられる。この複数のn形エミッタ層16のそれぞれは、ゲート電極17とゲート絶縁膜18を介して接続し、第2フィールドプレート電極26と第2絶縁膜25を介して接続する。以上の点で、本実施形態に係るIGBT6は、第2の実施形態に係るIGBT2と異なる。
本実施形態に係るIGBT6は、第2の実施形態に係るIGBT2と同様にスイッチング応答性に優れ、スイッチングロスが少なく、オン抵抗が低い。さらに、本実施形態に係るIGBT6は、微細化を進めてゲート電極17と第2フィールドプレート電極26との距離を小さくしたときに、n形エミッタ層16及びp形ベース層15とエミッタ電極11との良好なコンタクトを有する。
(実施形態7)
本発明の実施形態7に係るIGBTについて、図15乃至図19を用いて説明する。図15は、本実施形態に係るIGBTを示す断面図である。本実施形態が実施形態1と同様の部分の説明は省略し、異なる点について説明する。本実施形態が実施形態1と異なる点は、第4電極もゲート電極と同様に電位を変化させられるようにした点にある。その他に関しては、実施形態1と同様である。
即ち、図15に示すように、本実施形態のIGBT50は、ゲート電極17(以後、第1ゲート電極17と称す)各々が図示しない領域でp形ベース層15上に引き出されて、図示しない第1ゲート配線を介して第1ゲートパッド52に電気的に接続されている。同様に、第4電極19(以後、便宜的に第2ゲート電極19と称する。但し、ここでは前述したように電圧が印加される電極という意味で用いるものであり必ずしもゲート機能を有する必要はないものとする)各々は図示しない領域でp形ベース層15上に引き出されて、図示しない第2ゲート配線を介して第2ゲートパッド53に電気的に接続されている。第1ゲート電極17と第2ゲート電極19とは、電気的に分離しており、それぞれ独立して制御電圧が与えられるように構成されている。
図16は、本実施形態のIGBT50のターンオフ時の制御方法を示すタイミングチャートである。図16において、横軸は時間、縦軸は第1ゲート電極17に与えられる第1ゲート電圧Vg1、第2ゲート電極19に与えられる第2ゲート電圧Vg2、コレクタ−エミッタ間電圧Vce、およびコレクタ電流Icを模式的に示している。
時間t0と時間t1の間はIGBT50がオン状態(定常状態)であり、時間t1と時間t2の間はIGBT50がオン状態ではあるがnベース層13のキャリア濃度を調整する期間であることを示している。時間t2と時間t3の間はIGBT50がオン状態からオフ状態に至るターンオフ期間であり、時間t3以降はIGBT50がオフ状態であることを示している。
図16に示すように、オン状態では、第1ゲート電極17および第2ゲート電極19ともに正の電圧(High)が与えられている。第1ゲート電圧Vg1は閾値Vth以上の電圧である。第2ゲート電圧Vg2は正の電圧であればよく、特に限定されないが、第1ゲート電圧Vg1と同じ電圧とするとよい。
第1ゲート電極17に第1ゲート電圧Vg1が与えられると、第1ゲート電極17の側壁に設けられたゲート絶縁膜18近傍のp形ベース層15にn形チャネル層(反転層)が形成される。第2ゲート電極19に第2ゲート電圧Vg2が与えられると、第2ゲート電極19の側壁に設けられた第1絶縁膜22近傍のnベース層13にn形蓄積層が形成される。
これにより、n形エミッタ層16からn形チャネル層、n形バリア層14およびn形蓄積層を介して電子がn形ベース層13に流れ込むとともに、p形コレクタ層12から正孔がn形ベース層13に流れ込み、伝導度変調によりn形ベース層13の抵抗値が低下してオン状態(導通状態)になる。
このとき、n形蓄積層の形成によりエミッタ側のキャリア(電子)の蓄積が促進されるとともに、n形ベース層13に正孔の蓄積が促進されてオン抵抗の低減が図られる。n形ベース層13に正孔の蓄積が促進されるのは、n形ベース層13に流れ込んだ正孔は隣り合うトレンチ21の間の領域を通ってp形ベース層15に抜けていくが、隣り合うn形蓄積層に挟まれて、正孔がp形ベース層15に抜ける経路が狭められるためである。第2ゲート電極19に与えられる第2ゲート電圧Vg2に応じて、n形蓄積層を制御することができるので、より低いオン抵抗が得られる。
これに加えて、n形バリア層14によりエミッタ側のキャリア濃度が高い状態にあるので、n形ベース層13から正孔がp形ベース層15にさらに抜け難くなる。n形ベース層13に正孔の蓄積が促進され、さらに低いオン抵抗を得ることが可能である。
n形バリア層14の効果について具体的に説明する。図17はIGBT50のキャリア濃度の深さ方向分布を模式的に示す図である。図17(a)および図17(b)において、横軸はエミッタ電極11側からコレクタ電極10側の深さ方向の距離を示し、縦軸はキャリア濃度を示している。図17(a)において、実線Aはn形バリア層およびn形蓄積層を有しない通常のIGBTのキャリア濃度、破線Bはn形バリア層を有するIGBTのキャリア濃度、破線Cはn形バリア層およびn形蓄積層を有するIGBTのキャリア濃度を示している。図17(b)において、一点鎖線Dはn形蓄積層のみを有するIGBTのキャリア濃度を示している。
図17(a)に示すように、n形バリア層14を有する場合のエミッタ側のキャリア濃度Bはn形バリア層14を有しない場合のキャリア濃度Aより上昇する。第2ゲート電極19に第2ゲート電圧Vg2を与えることにより生じるn形蓄積層の効果が加わることにより、n形バリア層およびn形蓄積層を有するIGBTのキャリア濃度Cはn形バリア層を有するIGBTのキャリア濃度Bより上昇する。
一方、図17(b)に示すように、n形蓄積層のみを有するIGBTのキャリア濃度Dは、第2ゲート電極19に第2ゲート電圧Vg2を与えることにより生じるn形蓄積層の効果により、通常のIGBTのキャリア濃度Aより上昇するが、n形バリア層14の効果は得られない。
即ち、本実施形態のIGBT50は、n形バリア層14によるエミッタ側のキャリア濃度を高める効果と、第2ゲート電極19に第2ゲート電圧Vg2を与えることにより生じるn形蓄積層によるエミッタ側のキャリア濃度を高める効果とが加算されるので、n形ベース層13に電子および正孔の蓄積が促進されて格段にオン抵抗が低減するという特別の効果を奏するものである。
ターンオフに際しては、時間t1で、第2ゲート電圧Vg2を第1ゲート電圧Vg1より先にLowにする。第2ゲート電圧Vg2は0Vでも、負電圧としてもよい。第2ゲート電圧Vg2を先にLowにすることにより、n形ベース層13に形成されたn形蓄積層が消失する。
これにより、エミッタ側のキャリア蓄積量が減少する。さらに、n形ベース層13における正孔の流通経路が広がり、正孔がp形ベース層15に抜け易くなるので、n形ベース層13における正孔の蓄積量が減少する。時間t1と時間t2の間は、正孔がp形ベース層15に抜けることによるn形ベース層13のキャリア濃度が低減する期間である。この期間は、オン抵抗がわずかながらも増加するので、同じコレクタ電流Icを流すためにコレクタ−エミッタ間電圧Vceもわずかに増加する。
所定時間(t2−t1)経過後、第1ゲート電圧Vg1をLowにすると、n形チャネル層が消失し、n形エミッタ層16からの電子の注入がとまるので、IGBT50はターンオフする。この際、先に第2ゲート電圧Vg2をLowにしてエミッタ側のキャリア蓄積量を減少させているので、ターンオフはより早くなり、ターンオフ損失が減少する。
なお、第2ゲート電圧Vg2を負電圧にした場合、第2ゲート電極19下のn形ベース層13に形成されていたn形蓄積層が消失した後にp形反転層が形成される。これにより、正孔がp形ベース層15にさらに抜け易くなるので、ターンオフにおけるスイッチング速度の向上に役立つ。
ターンオフ損失の低減量は、第2ゲート電圧Vg2をLowにした後、同じコレクタ電流Icを流すために、コレクタ−エミッタ間電圧Vceが増加することによる定常損失の増加量よりはるかに大きい。そのため、スイッチング動作全体での素子の損失を大幅に低減することが可能である。
ここまでは、ターンオフ時の制御方法について説明した。次に、ターンオン時の制御方法について説明する。
図18は、本実施形態のIGBT50のターンオン時の制御方法を示すタイミングチャートである。図18において、横軸は時間、縦軸は第1ゲート電極17に与えられる第1ゲート電圧Vg1、第2ゲート電極19に与えられる第2ゲート電圧Vg2、コレクタ−エミッタ間電圧Vce、およびコレクタ電流Icを模式的に示している。
時間t0と時間t1の間はIGBT50がオフ状態であり、時間t1と時間t2の間はIGBT50がオフ状態からオン状態に至るターンオン期間であることを示している。時間t2と時間t3の間はIGBT50がオン状態であることを示し、時間t3と時間t4の間はIGBT50がオン状態であるが、nベース層13のキャリア濃度を調整する期間であることを示している。
図18に示すように、オフ状態では、第1ゲート電極17および第2ゲート電極19ともに負の電圧もしくはゼロ電位が与えられている(Low)。ターンオンに際しては、時間t1で、第1ゲート電圧Vg1を閾値Vth以上の電圧(High)にする。第2ゲート電圧Vg2はLowのままである。
第1ゲート電極17に第1ゲート電圧Vg1が与えられると、第1ゲート電極17下のトレンチ21の側壁に設けられたゲート絶縁膜18近傍のp形ベース層15にn形チャネル層(反転層)が形成される。これにより、n形エミッタ層16からn形チャネル層、n形バリア層14を介して電子がn形ベース層13に流れ込むとともに、p形コレクタ層12から正孔がn形ベース層13に流れ込み、伝導度変調によりn形ベース層13の抵抗値が低下してオン状態(導通状態)になる。
所定時間(t3―t1)経過後、第2ゲート電圧Vg2をHighにする。第2ゲート電圧Vg2は正の電圧であればよく、特に限定されないが、第1ゲート電圧Vg1と同じ電圧とするとよい。第2ゲート電極19に第2ゲート電圧Vg2が与えられると、第2ゲート電極19下のトレンチ21の側壁に設けられた第1絶縁膜22近傍のnベース層13にn形蓄積層が形成される。
n形蓄積層の形成により、エミッタ側のキャリア(電子)の蓄積が促進されるとともに、n形ベース層13に正孔の蓄積が促進されるので、さらなるオン抵抗の低減が図られる。時間t3と時間t4の間は、n形ベース層13のキャリア濃度が増加する期間である。この間コレクタ電流Icは一定であるが、コレクタ−エミッタ間電圧Vceが低下しており、オン抵抗が低減したことがわかる。第2ゲート電極19に与えられる第2ゲート電圧Vg2に応じて、n形蓄積層を制御することができるので、より低いオン抵抗が得られる。
ターンオン時には、まず第1ゲート電極17のみでIGBT50をオンさせることにより、エミッタ側にためるキャリアが少なくてよく、高速でターンオンさせることが可能となる。そして、ターンオンさせた後に、第2ゲート電極19に第2ゲート電圧Vg2を印加することにより、トレンチ21の側壁に設けられた第1絶縁膜22近傍のnベース層13にn形蓄積層を形成し、エミッタ側のさらなるキャリアの蓄積を生じさせ、さらに低いオン抵抗を得ることが可能である。
図19は、第1ゲート電極17および第2ゲート電極19のゲート制御回路を示すブロック図である。図19に示すように、ゲート制御回路55は、IGBT50のターンオンおよびターンオフを指示する制御信号Vsを受けて、図16および図18に示すタイミングチャートに従った第1ゲート電圧Vg1および第2ゲート電圧Vg2を生成する。
ゲート制御回路55は、例えば制御信号Vsの立ち上がりで、第1ゲート電圧Vg1をHighにし、制御信号Vsの立ち下がりで所定時間(図16に示すt2−t1)遅延して第1ゲート電圧Vg1をLowにする第1ゲート制御回路と、制御信号Vsの立ち上がりで、所定時間(図18に示すt3−t1)遅延して第2ゲート電圧Vg2をHighにし、制御信号Vsの立ち下がりで第2ゲート電圧Vg2をLowにする第2ゲート制御回路とを有している。第1、第2ゲート制御回路は、例えばシュミットトリガ、ラッチ、インバータ、デジタルまたはアナログの遅延回路等を用いて構成することができる。第1、第2ゲート電圧Vg1、Vg2が等しい場合、第1、第2ゲート制御回路は遅延に係る回路を除いて共用することができる。
ゲート制御回路55と第1ゲートパッド52との間に第1抵抗R1が接続されている。第1抵抗R1は、第1ゲート電圧Vg1の立ち上がりのタイミングを調整するために挿入されている。ゲート制御回路55と第2ゲートパッド53との間にも第2抵抗R2が接続されている。第2抵抗R2は、第2ゲート電圧Vg2の立ち上がりのタイミングを調整するために挿入されている。なお、ゲート制御回路55は、第1、第2抵抗R1、R2が無くても動作は可能である。
以上説明したように、本実施形態のIGBT50では、第4電極19を第1ゲート電極17と独立して制御可能な第2ゲート電極19として機能させている。第2ゲート電極19に与えられる第2ゲート電圧Vg2に応じて、第2ゲート電極19の側壁に設けられた第1絶縁膜22近傍のnベース層13にn形蓄積層が形成される。n形蓄積層により、エミッタ側のキャリアの蓄積量およびnベース層13の正孔の蓄積量を制御することができる。n形バリア層14により、エミッタ側のキャリアの蓄積およびn形ベース層13に正孔の蓄積を促進させることができる。
その結果、n形蓄積層による効果とn形バリア層14による効果とが合わさって、オン状態ではより低いオン抵抗が得られ、ターンオフされる際にはターンオフ損失をより低減することができる。従って、オン電圧が低くスイッチングロスが低減されたIGBTが得られる。
なお、IGBT50は、図9に示すIGBT1aと同様に、コレクタ電極10からエミッタ電極11に向かう方向において、第1ゲート電極17の長さtg1を、第2ゲート電極19の長さtg2よりも長くすることもできる。
さらに、ここでは第1ゲート電極17より先に第2ゲート電極19をLowにする場合を記載したが、その順序は逆であってもよい。第2ゲート電極19をあとからLowにすることで、ターンオフ動作時の急峻な電圧、電流の変化を抑制し、オーバーシュート電圧を抑制する効果が得られる。
即ち、第1ゲート電圧Vg1および第2ゲート電圧Vg2を与えるタイミングは、必ずしも図16および図18に示すタイミングに限られるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
(実施形態8)
本発明の実施形態8に係るIGBTについて、図20を用いて説明する。図20は、本実施形態に係るIGBTを示す断面図である。本実施形態が実施形態7と同様の部分の説明は省略し、異なる点について説明する。本実施形態が実施形態7と異なる点は、複数の第4電極うち、一部をゲート電極として機能させつつ、他部をフィールドプレート電極として機能させるようにした点にある。その他に関しては、実施形態1と同様である。
言うなれば、本実施形態に係るIGBTは、図1に示すIGBT1と図15に示すIGBT50とを混載したIGBTである。
図20に示すように、本実施形態のIGBT60では、隣接する第4電極19のうち、一方の第4電極19を第2ゲート電極として機能させ、他方の第4電極19を第1フィールドプレート電極として機能させている。すなわち、この図20の断面図においては、両端及び中央に位置する3つの第4電極19を第2ゲート電極19として機能させ、残りの第4電極19を第1フィールドプレート電極として機能させる。このように、本実施形態では、第2ゲート電極と第1フィールドプレートが交互に隣接して設けられている。ここで、第2ゲート電極19は、第2ゲートパッド53に接続され、第2ゲート電圧Vg2が与えられる。第1フィールドプレート電極19は、エミッタ電極11に接続され、固定されたエミッタ電位が与えられる。
第2ゲート電極19により、ターンオン時にはより低いオン抵抗が得られ、ターンオフされる際にはターンオフ損失がより低減される。さらに、第1フィールドプレート電極19により、ゲート−コレクタ間容量Cgcが低減し、ターンオフ時のターンオフ損失が更に低減される。
以上説明したように、本実施形態のIGBT60では、複数配置された第4電極19を第2ゲート電極19と第1フィールドプレート電極19として機能させ、交互に隣接して設けるようにした。その結果、第2ゲート電極19による効果と第1フィールドプレート電極19による効果を合わせて得ることができる。従って、オン電圧が低くスイッチングロスが低減されたIGBTが得られる。
なお、第2ゲート電極19と第1フィールドプレート電極19とは、1:1に配置される必要はない。所望の特性に応じて、配置する比率を自由に設定することができる。即ちn:m(n、mは正の整数)に配置することができる。
(実施形態9)
本発明の実施形態9に係るIGBTについて、図21を用いて説明する。図21は、本実施形態に係るIGBTを示す断面図である。本実施形態が実施形態7と同様の部分の説明は省略し、異なる点について説明する。本実施形態が実施形態7と異なる点は、第1、第2ゲート電極に対向するように第2フィールドプレート電極を設けた点にある。その他に関しては、実施形態7と同様である。
即ち、図21に示すように、本実施形態のIGBT70は、第2絶縁膜25を介してn形ベース層13、n形バリア層14、及びp形ベース層15上に第1ゲート電極17と第2ゲート電極19とに対向して設けられ、エミッタ電極11に電気的に接続された第2フィールドプレート電極26(第5電極)を備えている。
第2フィールドプレート電極26は、エミッタ電極11側からp形ベース層15、及びn形バリア層14を抜けて、n形ベース層13中に延伸するトレンチ24中に第2絶縁膜25を介して埋め込まれている。
第2フィールドプレート電極26は、第1フィールドプレート電極19より側面積が大きいので、等価的にフィールドプレート電極が増加したことになる。第2フィールドプレート電極26は、第1フィールドプレート電極19より高い遮蔽効果を有している。第2フィールドプレート電極26により、ゲート−コレクタ間容量Cgcがより低減するので、ターンオフ時のターンオフ損失を更に低減することが可能である。
以上説明したように、本実施形態のIGBT70では、第1フィールドプレート電極19より高い遮蔽効果を有する第2フィールドプレート電極26を有している。その結果、ゲート−コレクタ間容量Cgcが低減し、ターンオフ時のターンオフ損失を低減することができる。従って、オン電圧が低くスイッチングロスが低減されたIGBTが得られる。
なお、IGBT70は、図10に示すIGBT2と同様に、第2ゲート電極19のコレクタ電極10側の一端とエミッタ電極11との間の距離は、第2フィールドプレート電極26のコレクタ電極10側の一端とエミッタ電極11との間の距離と同じとすることができる。
第1、第2ゲート電極17、19と第2フィールドプレート電極26とは、1:1に配置される必要はない。所望の特性に応じて、配置する比率を自由に設定することができる。即ちn:m(n、mは正の整数)に配置することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1〜6、50、60、70、101 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ
10 コレクタ電極(第2電極)
11 エミッタ電極(第1電極)
12 p形コレクタ層
13 n形ベース層
14 n形バリア層
15 p形ベース層
16 エミッタ層
17、117 ゲート電極(第3電極)
18、118 ゲート絶縁膜
19 第1フィールドプレート電極(第2ゲート電極、第4電極)
20 電極間絶縁膜
21、24、27 トレンチ
22 第1絶縁膜
23、123 第1層間絶縁膜
25 第2絶縁膜
26 第2フィールドプレート電極
28 第3フィールドプレート電極
29 第3絶縁膜
30 第2層間絶縁膜

Claims (17)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた第1導電形の第1半導体層と、
    前記第2電極と前記第1半導体層との間に設けられた第2導電形の第2半導体層と、
    前記第2電極と前記第2半導体層との間に設けられ前記第2半導体層よりも不純物濃度が高い前記第2導電形の第3半導体層と、
    前記第2電極と前記第3半導体層との間に設けられ前記第2電極に電気的に接続された前記第1導電形の第4半導体層と、
    前記第2電極と前記第4半導体層との間に選択的に設けられ、前記第2電極と電気的に接続され、前記第2半導体層よりも不純物濃度が高い前記第2導電形の第5半導体層と、
    前記第3半導体層、前記第4半導体層、及び前記第5半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられ、前記第1電極及び前記第2電極と絶縁された第3電極と、
    前記第3電極と前記第2半導体層との間に設けられ、前記第3電極及び前記第2半導体層とは絶縁された第4電極と、
    を備えた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  2. 前記第4電極は、前記第2電極に電気的に接続されている請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  3. 前記第4電極は、前記第2電極側の前記第2半導体層のキャリア濃度を制御するための電圧が与えられる請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  4. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた第1導電形の第1半導体層と、
    前記第2電極と前記第1半導体層との間に設けられた第2導電形の第2半導体層と、
    前記第2電極と前記第2半導体層との間に設けられ前記第2半導体層よりも不純物濃度が高い前記第2導電形の第3半導体層と、
    前記第2電極と前記第3半導体層との間に設けられ前記第2電極に電気的に接続された前記第1導電形の第4半導体層と、
    前記第2電極と前記第4半導体層との間に選択的に設けられ、前記第2電極と電気的に接続され、前記第2半導体層よりも不純物濃度が高い前記第2導電形の第5半導体層と、
    前記第3半導体層、前記第4半導体層、及び前記第5半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられ、前記第1電極及び前記第2電極と絶縁された第3電極と、
    前記第3電極と前記第2半導体層との間に設けられ、前記第3電極及び前記第2半導体層とは絶縁され、前記第2電極に電気的に接続された第4電極と、を備えた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  5. 前記第1電極から前記第2電極に向かう方向において、前記第3電極の長さが、前期第4電極の長さよりも長いことを特徴とする請求項4に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  6. 絶縁膜を介して前記第2半導体層、前記第3半導体層、及び前記第4半導体層上に前記第3電極及び前記第4電極に対向して設けられ、前記第2電極に電気的に接続された第5電極をさらに備えた、請求項4または5に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  7. 前記第4電極の前記第1電極側の一端と前記第2電極との間の距離は、前記第5電極の前記第1電極側の一端と前記第2電極との間の距離と同じである請求項6記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  8. 絶縁膜を介して前記第2半導体層、前記第3半導体層、及び前記第4半導体層上に設けられ、前記第2の電極に電気的に接続された第6電極を、前記第3電極と前記第5電極との間にさらに備えた請求項6または7に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  9. 前記第5電極と前記第6電極との間で、前記第2電極と前記第4半導体層との間に設けられ、前記第4半導体層を覆う層間絶縁膜をさらに備える請求項8に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  10. 前記第5電極は前記絶縁膜を介して前記第5半導体層上に接続している請求項6乃至9のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  11. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた第1導電形の第1半導体層と、
    前記第2電極と前記第1半導体層との間に設けられた第2導電形の第2半導体層と、
    前記第2電極と前記第2半導体層との間に設けられ前記第2半導体層よりも不純物濃度が高い前記第2導電形の第3半導体層と、
    前記第2電極と前記第3半導体層との間に設けられ前記第2電極に電気的に接続された前記第1導電形の第4半導体層と、
    前記第2電極と前記第4半導体層との間に選択的に設けられ、前記第2電極と電気的に接続され、前記第2半導体層よりも不純物濃度が高い前記第2導電形の第5半導体層と、
    前記第3半導体層、前記第4半導体層、及び前記第5半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられ、前記第1電極及び前記第2電極と絶縁された第3電極と、
    少なくとも前記第2半導体層および前記第3電極上に絶縁膜を介して設けられる第4電極と、
    を備え、
    ターンオン、もしくは、ターンオフ動作の際に、前記第4電極と前記第3電極とは所定時間の間隔をもって電圧が与えられる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  12. 前記第4電極は、前記第3半導体層上にも前記絶縁膜を介して設けられている請求項11に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  13. 前記第1電極から前記第2電極に向かう方向において、前記第3電極の長さが、前期第4電極の長さよりも長いことを特徴とする請求項11に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  14. 前記第3電極および前記第4電極はそれぞれ複数設けられ、一部の前記第4電極は前記第2電極に電気的に接続されている請求項11に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  15. 絶縁膜を介して前記第2半導体層、前記第3半導体層、及び前記第4半導体層上に前記第3電極及び前記第4電極に対向して設けられ、前記第2電極に電気的に接続された第5電極をさらに備えた請求項11に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  16. 前記第4電極の前記第1電極側の一端と前記第2電極との間の距離は、前記第5電極の前記第1電極側の一端と前記第2電極との間の距離と同じである請求項15に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  17. 前記第5半導体層は複数であり、前記複数の第5半導体層は、前記第3電極および前記第4電極の延伸方向に沿って離間している請求項1乃至16のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
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