JP2019011451A - 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 - Google Patents
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しかしながら、上記のような成分は主溶媒である水に不溶なため、均一に分散させて安定な状態にさせておかなければ、凝集、沈降が起こり、インキ組成物の発色性が低下したり、さらには、ペン先からのインキ吐出性が低下して、線とびやかすれが生じたり、さらには筆記不能になるなど、筆記具用水性インキ組成物として十分な性能を得ることができなくなるなどの課題を有する。
そこで、上記課題を解決するため、インキ組成物中に各種分散剤を添加したインキ組成物が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、N−ビニルピロリドンあるいはその誘導体とアルケン化合物を共重合して得られる高分子化合物を分散剤として含んでなるインキ組成物が、特許文献2には、カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩を分散剤として含んでなるインキ組成物が提案されている。
しかしながら、分散効果はあるものの十分とは言えず、線とびやかすれが十分に解決できなかったり、良好な分散効果が得られる程度の量を添加すると所望のインキ粘度より高くなってしまい、書き味が劣ってしまったり、経時保存後にはインキ成分が凝集、分離が生じてしまうなど、筆記具用水性インキ組成物としての性能を十分に満足できるものではなかった。
本発明による筆記具用水性インキ組成物(以下、場合により、インキ組成物と表す。)は、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤と、着色剤と、水と、を含んでなることを第一の特徴とする。以下、本発明によるインキ組成物を構成する各成分について説明する。
本発明のインキ組成物は、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤を含んでなる。
前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤とは、下記式(1)で示される骨格構造を有する界面活性剤である。
さらに、前記界面活性剤を含んでなる本発明のインキ組成物は、前述の通り、分散安定性に優れていることから、得られる筆跡は発色良好なものとなり、さらには、透明なインキ収容体に収容した際、インキ収容体からインキ組成物の色がムラなく視認することができる。
前記式(3)で表されるようなポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテルリン酸エステル型界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルが挙げられ、前記式(4)で表されるようなポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸エステル型界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルが挙げられる。本発明において、前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルおよび前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルはそれぞれ、塩基で中和された、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩として用いても良く、これらは、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などが例示できる
尚、前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル型界面活性剤としては、例えば、式(5)で示されるようなポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテルや、式(6)で示されるようなポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリスチリルフェニルエーテルなどが挙げられる。
尚、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリスチリルフェニルエーテルにおいては、エチレンオキシド付加モル数とプロピレンオキシド付加モル数を表すy、zは、3≦y+z≦40、0<z/y≦0.5であることが好ましい。
また、前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテルリン酸エステル型界面活性剤としては、ニューカルゲンFS−3AQ、ニューカルゲンFS−3PG(以上、竹本油脂(株)製)、ニューコール607−PDE(以上、日本乳化剤(株)製)などが挙げられ、前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸エステル型界面活性剤としては、ニューカルゲンFS−7S、ニューカルゲンP−205S30(以上、竹本油脂(株)製)などが挙げられる。
尚、本発明における前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤のHLB値は、前記式(1)で示される骨格構造が示すHLB値であり、グリフィン法から算出される値である。尚、グリフィン法は下記式によって算出される値である。
HLB値=20×(親水基の質量%)=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量)
前記界面活性剤の含有量が上記数値範囲内であれば、前記界面活性剤の分散剤としての効果を十分に得ることができ、優れた分散安定性が得られやすい。さらに、良好な筆跡が得られ、筆跡の発色性の向上を考慮すると、0.1〜5質量%であることがより好ましい。尚、前記界面活性剤は、1種類又は、2種類以上の混合物として使用することが可能である。
本発明で用いる着色剤は、特に限定されないが、筆記具用水性インキ組成物に用いられる顔料、染料などを使用することができる。
染料としては、特に制限されるものではなく、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、油溶性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。 これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤は、疎水基に芳香環を多く有するため、芳香環を構造中に有する化合物の分散性に優れている。このため、前記界面活性剤を含んでなる本発明のインキ組成物中で、芳香環を構造中に有する顔料は極めて良好に分散される。よって、前記芳香環を構造中に有する顔料を本発明に用いた場合、凝集沈降が生じることなく、良好なインキ吐出性が維持され、良好な筆跡が得られ、さらに、芳香環を構造中に有する顔料は均一に分散されることから、得られる筆跡は発色性に優れたものとなる。
前記芳香環を構造中に有する顔料としては、カーボンブラック、アゾ系顔料、スレン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、フタロシアニン系顔料などが挙げられる他、芳香環を構造に有する樹脂粒子を染料や顔料で着色した着色樹脂粒子なども挙げられる。特に、本発明においては、分散安定性の向上と発色性の向上を考慮すると、スチリルフェニル基との親和性が高い傾向にある、芳香環を構造中に有する樹脂粒子を染料や顔料で着色した着色樹脂粒子を用いることが好ましい。
前記芳香環を構造中に有する樹脂粒子としては、スチレン−アクリロニトリル系樹脂粒子、スチレン−ブタジエン系樹脂粒子、スチレンーアクリル系樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子などが挙げられるが、前記界面活性剤の分散効果を十分に得、発色良好で、経時安定性の優れたインキ組成物を得ることを考慮すると、スチレン−アクリロニトリル系樹脂粒子を染料や顔料で着色した着色樹脂粒子が好適に用いることができる。
尚、芳香環を構造に有する樹脂粒子を染料や顔料で着色した着色樹脂粒子の市販品としては、ルミコールシリーズ(日本蛍光(株)製)、エポカラーシリーズ((株)日本触媒製)、シンロイヒカラーシリーズ(シンロイヒ(株)製)などが挙げられる。
水としては、特に制限なく、例えば、イオン交換水、蒸留水、および水道水などの慣用の水を用いることができる。
本発明のインキ組成物のように、顔料、樹脂粒子、無機粒子などの主溶媒である水に不溶な状態で存在し得る成分を含んでなる場合、溶媒が蒸発し、一度インキが乾燥固化してインキ流路などが詰まってしまうと、後から追従されるインキによりこの詰まりを解消することは難しく、インキの残量はあるものの、再び筆記できなくなる可能性が高い。このため、耐ドライアップ性能の向上も十分に考慮する必要がある。よって、本発明においては、前記水溶性有機溶剤の中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール溶剤を選択して用いることが好ましい。これは、前記多価アルコール溶剤を用いることで、多価アルコール溶剤の吸湿効果をインキ組成物に付与することができるためである。
前記剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル酸重合体や、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン、セルロース誘導体、ダイユータンガムなどの多糖類や、会合型増粘剤が挙げられる。
尚、前記会合型増粘剤としては、会合性疎水性基によってポリエステル系、ポリエーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系、ポリアミノプラスト系などの会合型増粘剤や、アルカリ膨潤会合型増粘剤、ノニオン会合型増粘剤などが挙げられる。
これらの剪断減粘性付与剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
前述の通り、本発明のインキ組成物のように、顔料、樹脂粒子、無機粒子などを含んでなる場合、分散安定性だけでなく、耐ドライアップ性能の向上も考慮する必要がある。前記デキストリンは、適度な湿潤効果をもち分散助剤として働く上、ペン先に被膜を形成してその被膜によってインキ中の溶媒の蒸発を防ぐ効果も併せ持つ。このため、前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤とデキストリンを併用することは、分散安定性に優れながら、かつ耐ドライアップ性能に優れたインキ組成物を得ることができるため、効果的である。尚、デキストリンは、数個のα -グルコースが、グリコシド結合によって重合した物質の総称で、食物繊維の一種であり、デンプンの加水分解などにより得られる。
これは、前記界面活性剤は疎水基であるスチリルフェニル基と、樹脂粒子との表面の間に相互作用が生じ、良好な分散性を得られやすいと考えられる。さらに、前記樹脂粒子が芳香環を構造中に有する場合には、より強い相互作用が生じやすく、該樹脂粒子の表面に前記界面活性剤が安定的に吸着しやすく、より良好な分散安定性が得られると考えられる。
よって、インキ漏れ抑制や書き味向上など多様な目的で樹脂粒子を添加した場合においても、本発明のインキ組成物は優れた分散安定性を維持することができ、インキ流動性が低下したりせず、樹脂粒子により得られる所望な性能を得ながらも良好な筆跡を得ることができるため、樹脂粒子を含んでなることは効果的である。
尚、前記樹脂粒子としては、オレフィン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、スチレン−ブタジエン系樹脂粒子、スチレン−アクリロニトリル系樹脂粒子、ポリエステル系樹脂粒子、酢酸ビニル系樹脂粒子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子などが挙げられるが、中でも、本発明において、分散安定性を考慮すれば、前述の通り前記界面活性剤は芳香環を構造中に有する樹脂粒子の分散性により優れていることから、スチレン−ブタジエン系樹脂粒子、スチレン−アクリロニトリル系樹脂粒子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子などの芳香環を構造中に有する樹脂粒子を好適に用いることができる。
前記リン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))の中から、プライサーフA212C、同A208B、同A213B、同A208F、同A215C、同A219B、同A208N、同AL等が挙げられる。
また、前記脂肪酸の具体例としては、OSソープ、NSソープ、FR−14、FR−25(花王(株))等が挙げられる。
これらのリン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
本発明の筆記具用インキ組成物を充填する筆記具自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップまたはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペン、金属製のペン先を用いた万年筆などの各種筆記具に用いることができる。
前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤はインキ組成物の表面張力を調整する効果も併せもつことから、供給機構の特性からインキ組成物の表面張力や部材との濡れ性を特に考慮する必要のある前記(機構2)のような筆記具に、本発明のインキ組成物を好適に用いることができる。
<実施例1>
下記の配合組成および方法により実施例1の筆記具用水性インキ組成物を得た。
・ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤 1.0質量%
(ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル)
・着色剤 20.0質量%
(顔料:スチレン−アクリロニトリル系樹脂粒子を塩基性染料(Basic Red1:1)で着色した着色樹脂粒子)
・デキストリン 1.0質量%
・インキ粘度調整剤 0.4質量%
(剪断減粘度付与剤、サクシノグリカン)
・潤滑剤 1.0質量%
(リン酸エステル系界面活性剤)
・pH調整剤 1.0質量%
(トリエタノールアミン)
・防錆剤 0.5質量%
(ベンゾトリアゾール)
・防腐剤 0.1質量%
(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン)
・水溶性有機溶剤 10.0質量%
(エチレングリコール)
・水 残部
ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤と、着色剤、デキストリン、潤滑剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、水溶性有機溶剤、水とをマグネットホットスターラーで加温撹拌などして、ベースインキを作製した。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、インキ粘度調整剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合撹拌した後、濾紙を用いて濾過を行い、インキ組成物を得た。
実施例2〜実施例18、比較例1〜比較例6の筆記具用水性インキ組成物は、インキ組成物に含まれる成分の種類や配合量を表1〜表4において表される組成に変更した以外は、実施例1と同じ方法で得た。
実施例1〜実施例18、比較例1〜比較例6の筆記具用水性インキ組成物を、直径15mmの密開閉ガラス試験管に入れて、常温にて60日間放置し、上澄みの有無を目視にて観察し、下記評価基準で分散安定性を評価した。結果は表1〜表4にまとめた。
◎◎:上澄みは見られなかった。
◎:僅かに上澄みが見られた。
○:上澄みが見られたが、実用上問題のないレベルであった。
△:明らかな沈降が見られたが、試験管を傾けると沈降物が容易に動いた。
×:明らかな沈降が見られ、試験管を傾けても沈降物は固まったまま動かなかった。
実施例1〜実施例18、比較例1〜比較例6の筆記具用インキ組成物(1.0g)を、直径0.7mmの超硬合金製ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを先端に有するインキ収容体の内部に充填させたレフィルを作製し、このレフィルを(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−2)に装着し、ボールペンを得た。
得られたボールペンを試験用筆記具(ボールペン)とし、以下の試験および評価を行った。
筆記可能であることを確認した試験用筆記具(ボールペン)を用いて、手書きで、試験用紙(JIS P3201、筆記用紙A)に螺旋状の丸を連続筆記し、そのときの書き味を官能試験により、また、得られた筆跡の状況を目視にて確認し、下記評価基準で筆記性能を評価した。結果は表1〜表4にまとめた。
(書き味)
◎◎:非常に滑らかな書き味であった。
◎:滑らかな書き味であった。
○:やや重い書き味であったが、実用上問題のないレベルであった。
△:書き味が重く、実用上懸念が残るレベルであった。
×極めて重い、書き味であった。
(筆跡)
◎:筆跡に線とびやカスレなどない、発色良好な筆跡が得られた。
○:筆跡に線とびやカスレがわずかに確認されたが、発色は良好であり、実用上問題のないレベルであった。
△:筆跡に線とびやカスレが確認され、実用上懸念があるレベルであった。
×筆跡に線とびやカスレが多数確認された。
筆記性能試験に用いた試験用筆記具(ボールペン)を、ペン先を下にした状態で、常温にて60日間放置した後、手書きで、試験用紙(JIS P3201、筆記用紙A)に螺旋状の丸を連続筆記し、得られた筆跡の状況を目視にて確認し、下記評価基準で筆記性能を評価した。結果は表1〜表4にまとめた。
◎:筆跡に線とびやカスレなどない、発色良好な筆跡が得られた。
○:筆跡に線とびやカスレがわずかに確認されたが、発色は良好であり、実用上問題のないレベルであった。
△:筆跡に線とびやカスレが確認され、実用上懸念があるレベルであった。
×筆跡に線とびやカスレが多数確認された。
下記の配合組成および方法により実施例19の筆記具用インキ組成物を得た。
・ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤 1.0質量%
(ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル)
・着色剤 20.0質量%
(顔料:スチレン−アクリロニトリル系樹脂粒子を塩基性染料(Basic Red1:1)で着色した着色樹脂粒子)
・浸透剤 1.0質量%
(ニッコールPBC−34)
・防腐剤 0.1質量%
(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン)
・水溶性有機溶剤 20.0質量%
(グリセリン)
・水 残部
ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤、着色剤、水と、をプロペラ撹拌により混合してベース液を作製した。
その後、該ベース液に浸透剤と、防腐剤と、水溶性有機溶剤を添加し、プロペラ撹拌により混合して筆記具用インキ組成物を得た。
比較例7は、実施例19の配合組成のうち、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤をβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(商品名:デモールN 花王(株)製)に変更した以外は、実施例19と同じ方法で筆記具用インキ組成物を得た。
得られたマーキングペンを試験用筆記具(マーキングペン)とし、手書きにて螺旋状の丸を連続筆記し、得られた筆跡の状況を確認したところ、実施例19のインキ組成物を用いた試験用筆記具(マーキングペン)により得られた筆跡は、比較例7のインキ組成物を用いた試験用筆記具(マーキングペン)により得られた筆跡に比べ、カスレが少なく、良好なものであった。よって、前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤を含んでなる実施例19の筆記具用インキ組成物は、分散安定性に優れ、かつ、筆記性能に優れていることがわかった。
Claims (6)
- ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤と、着色剤と、水と、を含んでなることを特徴とする、筆記具用水性インキ組成物。
- 前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤の含有量が、前記筆記具用インキ組成物の総質量を基準として0.01質量%〜10質量%である、請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤のHLB値が5〜16である、請求項1または2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル骨格を有する界面活性剤が、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル型界面活性剤である、請求項1〜3に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- さらに、樹脂粒子を含んでなる請求項1〜4に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の筆記具用水性インキ組成物を収容してなることを特徴とする、筆記具。
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