JP2019006930A - 組成物、硬化物、および硬化物の製造方法 - Google Patents

組成物、硬化物、および硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、高湿度下であっても高い酸素バリア性を発揮する組成物、及び該組成物の硬化物を提供することである。【解決手段】 水酸基含有ビニル重合体とイソシアネート化合物との組成物であって、水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対し、特定の構造と水酸基とを有するユニットA量が、40モル%以上99モル%以下であることを特徴とする組成物を提供することで課題を解決する。また、水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対し、特定の構造と水酸基とを有するユニットB量が1モル%以上60モル%以下である組成物を提供することで課題を解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、高湿度下でのガスバリア性に優れた組成物、硬化物、および硬化物の製造方法に関する。
食品や飲料等の包装に代表的に用いられる包装材料は、様々な流通、冷蔵等の保存や加熱殺菌などの処理等から内容物を保護するため、強度や割れにくさ、耐レトルト性、耐熱性、耐水性といった機能ばかりでなく、内容物を確認できるよう透明性に優れるなど多岐に渡る機能が要求されており、透明性、軽量性、経済性等の理由からプラスチックフィルムや容器の使用が主流になっている。食品、医薬品、化粧品などの包装に用いられるプラスチックフィルムの要求性能としては、各種ガスに対するバリア性、透明性、耐レトルト処理性、耐衝撃性、柔軟性、ヒートシール性などが挙げられるが、内容物の性能あるいは性質を保持するという目的から、高湿度下やレトルト処理後などの条件下も含めた酸素および水蒸気に対する高いバリア性が特に要求されている。
このようなガスバリア性包装材料は、通常、基材となる可撓性ポリマーフィルム層、ガスバリア層、シーラント層となる可撓性ポリマーフィルム層などの各材料を積層させることにより構成されている。これらのうち、ガスバリア層を形成するガスバリア性材料としては、耐レトルト性及びガス又は水蒸気バリア性の高い塩化ビニリデンが多用されてきたが、廃棄の焼成時にダイオキシンが発生する等の問題がある。また、ポリビニルアルコール樹脂やエチレン−ポリビニルアルコール共重合体をバリアコーティング材料として用いた場合、低湿度下での酸素バリア性は高いが、高湿度下では酸素バリア性が低下する問題があった。
特開2001−98047 特開2006−143991
本発明の課題は、高湿度下であっても高い酸素バリア性を発揮する組成物、及び該組成物の硬化物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するために、水酸基含有ビニル重合体とイソシアネート化合物との組成物であって、
水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対する下記式(1)で表されるユニットA量が40モル%以上99モル%以下であることを特徴とする、組成物を提供する。
Figure 2019006930
・・・(1)
(式(1)において、Rは炭素数1〜2のアルキル基を表し、mは0または1を表す)
また、水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対する下記式(2)で表されるユニットB量が1モル%以上60モル%以下である組成物を提供する。
Figure 2019006930
・・・(2)
(式(2)において、nは0または1を表す)
また、前記式(1)で表されるユニットAを含有することを特徴とするウレタン樹脂を提供する。
本発明の組成物を提供することで、高湿度下であっても高い酸素バリア性を発揮する組成物、及び該組成物の成形体を提供することが可能となる。また、本発明の組成物は、高湿度下であっても高いバリア性を示すことから、コーティング剤や接着剤、ガスバリア材料等に好適に使用可能である。
本発明は、水酸基含有ビニル重合体とイソシアネート化合物との組成物であって、
水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対する下記式(1)で表されるユニットA量が40モル%以上99モル%以下であることを特徴とする、組成物を提供するものである。
Figure 2019006930
・・・(1)
(式(1)において、Rは炭素数1〜2のアルキル基を表し、mは0または1を表す)
<水酸基含有ビニル重合体>
本発明の水酸基含有ビニル重合体は、前記式(1)で表されるユニットAを、水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対し40モル%以上99モル%以下含有することを特徴とする。ユニットAの比率が40モル%未満であると耐水性に劣り、99モル%より大きい場合は成形体としたときの成膜性や膜強度、組成物の接着性等が劣る。好ましい比率は45モル%以上95%以下であり、さらに好ましくは50モル%以上90モル%以下である。
本発明の水酸基含有ビニル重合体において、ユニットA以外の水酸基ユニットは特に限定は無いが、下記式(2)で表されるユニットBを水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対し1モル%以上60モル%以下含有することが好ましい。ユニットBを含有することで、成形体としたときの成膜性や膜強度、組成物の接着性が向上する為である。好ましい比率は5モル%以上55モル%、さらに好ましくは10モル%以上50モル%である。
Figure 2019006930
・・・(2)
(式(2)において、nは0または1を表す)
本発明の水酸基含有ビニル重合体の重量平均分子量としては、好ましくは500〜1000000の範囲である。合成が容易で、かつ耐水性、バリア性がより発現しやすいことから、2000〜100000が特に好ましい。ここで、重量平均分子量は例えば以下の方法で測定することが出来る。
本発明の水酸基含有ビニル重合体の製造方法に特に限定はなく、公知慣用の方法で製造することが出来る。例えば、重合性二重結合を有するアルコールのエステル化合物を重合した後、けん化処理をすることにより得ることが出来る。
重合性二重結合を有するアルコールのエステル化合物としては、例えば酢酸エステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、シクロヘキシルエステル、シクロヘキサンプロピルエステル、フェニルエステル、クロロエステル、等が挙げられる。
前記ユニットAを水酸基含有ビニル重合体に導入するには、重合性二重結合を有するアルコールのエステル化合物として、イソプロペニルアルコール、メタリルアルコール、イソブテニルアルコールのエステル化合物が挙げられる。エステル化合物としては、上記酢酸エステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、シクロヘキシルエステル、シクロヘキサンプロピルエステル、フェニルエステル、クロロエステル、等が挙げられる。
中でも好ましくは、酢酸エステルである酢酸イソプロペニル、酢酸メタリル、酢酸イソブテニルである。
これらは1種類を使用しても良いし、2種以上を併用してもかまわない。
前記ユニットBを水酸基含有ビニル重合体に導入するには、重合性二重結合を有するアルコールのエステル化合物として、ビニルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコールのエステル化合物が挙げられる。エステル化合物としては、上記酢酸エステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、シクロヘキシルエステル、シクロヘキサンプロピルエステル、フェニルエステル、クロロエステル、等が挙げられる。
中でも好ましくは、酢酸エステルである酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸クロチルである。
これらは1種類を使用しても良いし、2種以上を併用してもかまわない。
本発明の水酸基含有ビニル重合体には、前記以外の材料として、ビニルモノマー、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、マレイミドモノマー等の分子中に少なくとも一つのビニル基を有する化合物を、発明の効果を損ねない範囲で使用することが可能である。
ビニルモノマーは、少なくとも一つのビニル基を有する化合物であればよい。ビニルモノマーとしては、ビニルモノマー、(メタ)アリルモノマー、(メタ)アクリロイルモノマーが挙げられ、これらは1種類を使用しても良いし2種以上を併用してもかまわない。
ビニルモノマーとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン;ジクロロエチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッカビニリデン、等のハロゲン化オレフィン;スチレン及びその誘導体;ビニルエーテル;ビニルケトン;ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等のビニル基が置換した複素環式基を有する化合物;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のビニルアミド、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニル等のビニルエステルなどが挙げられる。
スチレン誘導体の例としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
ビニルエーテルの例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等が挙げられる。
ビニルケトンの例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等が挙げられる。
(メタ)アリルモノマーとしては、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルアミン、N−アリルアニリン、塩化アリル、臭化アリル等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸―2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸―2−フェニルビニル、(メタ)アクリル酸―1−プロペニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸―2−アリロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
また、(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸エステルとしては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等と、そのエステルが挙げられる。
マレイン酸エステルの例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチル等が挙げられる。
フマル酸エステルの例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等が挙げられる。
イタコン酸エステルの例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等が挙げられる。
マレイミドモノマーの例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
上記重合性二重結合を有するアルコールの酢酸エステルを重合するには、活性エネルギー線や熱で反応が可能であるが、スループット性が優れることから活性エネルギー線硬化型であることが好ましい。このとき、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等により重合することによって得られる。重合の際には重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤及びカチオン重合開始剤が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
アニオン重合開始剤としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等の有機アルカリ金属;メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド等の有機アルカリ土類金属;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属などが挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、塩酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸等のプロトン酸;三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化第二スズ、塩化第二鉄等のルイス酸などが挙げられる。
得られた重合性二重結合を有するアルコールの酢酸エステルの共重合体は、けん化することで水酸基含有ビニル重合体とすることができる。けん化の方法としては特に限定は無く、公知慣用の方法を用いればよい。例えば、アルカリ触媒又は酸触媒を用いたアルコール分解による方法、加水分解による方法などを採用することができ、なかでも、溶剤としてメタノールを用い、触媒として苛性ソーダ(NaOH)を用いる方法が簡便であるため、好ましい。
<イソシアネート化合物>
本発明のイソシアネート化合物とは、イソシアネート基を1つ以上有することを特徴とする化合物である。
イソシアネート化合物の有するイソシアネート基が、本発明の水酸基含有ビニル重合体の水酸基と反応することで、ウレタン樹脂を合成することができる。イソシアネート化合物の有するイソシアネート基としては、1つ以上有すればよいが、2つ以上有するポリイソシアネートであるとより好ましい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族若しくは脂環族ポリイソシアネート、又はこれらの変性体が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えばポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロへキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、又はこれらのイソシアネートの3量体等が挙げられる。ポリイソシアネートの変性体としては、例えばトリメチロールプロパンアダクト型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビューレット型変性体、アロファネート型変性体等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリイソシアネートとしてはブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
水酸基含有ビニル重合体とイソシアネート化合物との組成物の配合比は、特に限定は無いが、当該水酸基含有ビニル重合体がユニットBを含有するとき、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基量と前記水酸基含有ビニル重合体の有するユニットBの水酸基量のモル比率が、NCO/OH=0.1〜1.5であることが好ましい。この範囲であることで耐水性、バリア性が向上するからである。より好ましい比率は0.3〜1.3、さらに好ましくは0.5〜1.2である。
<ウレタン樹脂>
本発明のウレタン樹脂は、前記式(1)で表されるユニットAを含有することを特徴とする。ユニットAに由来する耐水性により、高湿度下でのバリア性が向上する為である。
ユニットAを含有するウレタン樹脂は、前記式(1)で表されるユニットAを40モル%以上99モル%以下含有する水酸基含有ビニル重合体と、イソシアネート化合物とを反応して得ることが出来る。このとき、ユニットAが保有する水酸基は反応性が低い為、イソシアネートと一部反応しない構造があることから、反応後得られるウレタン樹脂中にユニットAが残存する。
<組成物>
本発明の組成物は、本発明の水酸基含有ビニル重合体とイソシアネート化合物を含有するか、または式(1)で表されるユニットAを含有するウレタン樹脂を含有する。
<フィラー>
本発明の組成物は、フィラーを含有しても構わない。フィラーとしては特に限定は無く、無機フィラーと有機フィラーが挙げられる。形状についても特に限定は無く、球状、粒状、棒状、針状、繊維状、板状、織布・不織布状等、様々な形状であって構わない。アスペクト比が高くても低くてもかまわない。
更なるバリア性を付与するために、バリア性を向上させるフィラーを配合しても構わない。例えば、層状無機化合物や酸素補足機能を有する化合物等である。
層状無機化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。層状無機化合物は単独でまたは二種以上組み合わせて使用される。
層状粘土鉱物を配合する場合、好ましい配合量としては、組成物中において層状粘土鉱物が5−60質量%である。更に好ましくは5−50質量%である。
酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
<配合物>
組成物は、使用用途に応じて溶剤を含有してもよい。溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、メトキシプロパノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤の種類及び使用量は使用用途によって適宜選択すればよい。
組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、各種樹脂、反応性化合物、触媒、重合開始剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤、カップリング剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸素捕捉機能を有する化合物、粘着付与剤等が例示できる。
また、本発明の組成物は、硬化剤を配合してもよい、例えば、エポキシ基を有する化合物を配合している場合には、アミン系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、カルボキシル基含有硬化剤、チオール系硬化剤などの各種の硬化剤を併用してもかまわない。
具体的には、アミン系硬化剤としてはジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体、グアナミン誘導体等が挙げられる。
アミド系硬化剤としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、ナフタレンジオール、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、カリックスアレーン、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
また、硬化促進剤を使用することもできる。硬化促進剤としてはエポキシ樹脂の硬化反応を促す種々の化合物が使用でき、例えば、リン系化合物、第3級アミン化合物、イミダゾール化合物、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。この中でも、イミダゾール化合物、リン系化合物、第3級アミン化合物の使用が好ましく、特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、耐水性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルホスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
<成形体>
上述した組成物を成形することで成形体を製造することが可能である。成形方法は任意であり、用途によって適時選択すればよい。成形体の形状に制限はなく、板状、シート状、又はフィルム状であってもよく、立体形状を有していてもよく、基材に塗布されたものであってもよく、基材と基材の間に存在する形で成形されたものであってもよい。
板状、シート状の成形体を製造する場合、例えば押し出し成形法、平面プレス、異形押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法等を用いて組成物を成形する方法が挙げられる。また、フィルム状の成形体を製造する場合、例えば溶融押出法、溶液キャスト法、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、繊維成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、被覆成形が挙げられる。熱や活性エネルギー線で硬化する組成物である場合、熱や活性エネルギー線を用いた各種硬化方法を用いて組成物を成形してもよい。
組成物が液状である場合、塗工により成形してもよい。塗工方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等が挙げられる。
本発明の積層体は、上述した組成物を成形した成形体層を基材上に備えるものである。積層体は2層構造であってもよく、3層構造以上であってもよい。
基材の材質は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば木材、金属、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚み等にも制限はない。
積層体は、基材上に上述した成形体を積層することで得ることができる。基材上に積層する成形体は、基材に対し直接塗工又は直接成形により形成してもよく、組成物の成形体を積層してもよい。直接塗工する場合、塗工方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。組成物の成形体を積層する場合、未硬化又は半硬化の組成物層を基材上に積層してから硬化させてもよく、組成物を完全硬化した硬化物層を基材上に積層してもよい。
また、積層体は、組成物の硬化物層に対して基材の前駆体を塗工して硬化させることで得てもよく、基材の前駆体又は組成物が未硬化若しくは半硬化の状態で接着させた後に硬化させて得てもよい。基材の前駆体としては特に限定はなく、各種硬化性組成物等が挙げられる。また、実施形態に係る組成物を接着剤として用いることで積層体を作成してもよい。
本発明の組成物は、コーティング材又は接着剤として好適に用いることができる。すなわち、実施形態のコーティング材又は接着剤は、上述した組成物を含むものであればよい。なお、本発明の組成物は2液型としても1液型としても適用できる。
コーティング材のコーティング方法としては特に制限されないが、具体的な方法としては、ロールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティング装置についても特に限定されない。
組成物は、接着性に優れるため、接着剤として好適に用いることができる。接着剤の形態には特に限定はなく、液状又はペースト状の接着剤としてもよく、固形状の接着剤としてもよい。組成物は、高いガスバリア性を有することから、この接着剤はガスバリア用接着剤として好適に利用可能である。
液状又はペースト状の接着剤の場合、1液型の接着剤としてもよく、硬化剤を別にした2液型の接着剤としてもよい。液状又はペースト状の接着剤の場合は、使用方法としては特に限定はないが、一方の接着面に塗布後、他方の接着面を貼り合わせ、接着させて良く、または接着面の界面に注入後、接着させてよい。
固形状の接着剤の場合は、粉末状、チップ状、又はシート状に成形した接着剤を、接着面の界面に設置し、熱溶解させることで接着し、硬化させてよい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[合成例1]
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたSUS製フラスコに、酢酸ビニル64.5質量部、酢酸イソプロペニル75質量部、tert-ブチルアルコール35質量部、開始剤としてパーブチルO0.7質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌し、75℃に昇温した。温度が75℃に達した後、酢酸ビニル64.5質量部、酢酸イソプロペニル75質量部、tert-ブチルアルコール35質量部、開始剤としてパーブチルO0.7質量部を2時間かけて滴下し、30時間攪拌した。その後、50℃まで温度を下げてから、メタノールを450質量部仕込み、50℃で攪拌した。そこに、水酸化ナトリウム5gとメタノール32gからなる溶液を滴下し、5時間攪拌しけん化を行った。その後、室温まで冷却し、水で洗浄した後真空乾燥し、目的の水酸基含有ビニル共重合体であるポリマー1を得た。
[合成例2]
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたSUS製フラスコに、酢酸ビニル34.4質量部、酢酸イソプロペニル160質量部、開始剤としてパーブチルO4.37質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌し、75℃に昇温した。30時間攪拌した後、50℃まで温度を下げてから、メタノールを450質量部仕込、50℃で攪拌した。そこに、水酸化ナトリウム15gとメタノール80gからなる溶液を滴下し、5時間攪拌しけん化を行った。その後、室温まで冷却し、水で洗浄した後真空乾燥し、目的の水酸基含有ビニル共重合体であるポリマー2を得た。
[合成例3]
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたSUS製フラスコに、酢酸ビニル17.2質量部、酢酸イソプロペニル180質量部、開始剤としてパーブチルO4.42質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌し、75℃に昇温した。30時間攪拌した後、50℃まで温度を下げてから、メタノールを450質量部仕込、50℃で攪拌した。そこに、水酸化ナトリウム15gとメタノール80gからなる溶液を滴下し、5時間攪拌しけん化を行った。その後、室温まで冷却し、水で洗浄した後真空乾燥し、目的の水酸基含有ビニル共重合体であるポリマー3を得た。
[合成例4]
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたSUS製フラスコに、酢酸イソプロペニル180質量部、開始剤としてパーブチルO4.03質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌し、75℃に昇温した。72時間攪拌した後、50℃まで温度を下げてから、メタノールを450質量部仕込、50℃で攪拌した。そこに、水酸化ナトリウム15gとメタノール80gからなる溶液を滴下し、16時間攪拌しけん化を行った。その後、室温まで冷却し、水で洗浄した後真空乾燥し、目的の水酸基含有ビニル共重合体であるポリマー4を得た。
[実施例1]
合成例1で作製したポリマー1を、tert-ブチルアルコール:MEK=8:2の混合溶媒に溶解させ、そこに、仕込み量から計算したポリマー1の酢酸ビニル由来の水酸基に対して、NCO/OHが1となるようにキシレンジイソシアネート-トリメチロールプロパンアダクト体を配合し、不揮発分20wt%の塗布溶液1を調整した。これを12μm厚のPETフィルムにバーコータ#10で塗布し、80℃で30秒乾燥して約2μmの膜をPET上に作製した。さらに40℃のオーブンで3日間加熱して硬化を進行させ、得られたコーティングフィルムの酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。
<酸素透過率の測定>
前記で得られたコーティングフィルム1を、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN1/50を用いて、23℃ 90%RHの雰囲気下で測定した。なお、RHは相対湿度を示す。
<水蒸気透過率の測定>
前記で得られたコーティングフィルム1のPETを高湿度側に配置し、カップ法「JIS K 0208」により得られたコーティングフィルムの基材を含む透過率を算出した。
<耐水性の評価>
得られた膜を、水をしみ込ませた綿棒で擦り20回擦った後、乾燥し膜の状態を観察した。評価基準は下記とした。
変化がなかった場合は○
痕が残った場合、破れた場合は×
[実施例2]
合成例2で作製したポリマー2を使用し、溶媒としてMEKを用いた以外は実施例1と同様の方法でコーティングフィルムを作製し、酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。
[実施例3]
合成例3で作製したポリマー3を使用した以外は、実施例2と同様の方法でコーティングフィルムを作製し、酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。
[実施例4]
合成例1で作製したポリマー1を使用し、マイカをポリマー1とキシレンジイソシアネート-トリメチロールプロパンアダクト体の合計重量に対して18重量%配合した以外は、実施例1と同様の方法でコーティングフィルムを作製し、酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。
[実施例5]
合成例2で作製したポリマー2を使用した以外は、実施例4と同様の方法でコーティングフィルムを作製し、酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。
[比較例1]
キシレンジイソシアネート-トリメチロールプロパンアダクト体を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法でコーティングフィルムを作製し、酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。
[比較例2]
ポリビニルアルコール(和光純薬製)を比較ポリマー1とし、溶媒を水とし不揮発分10%に調整した以外は実施例1と同様の方法で比較塗布溶液2を作成しようとしたが、混合中に発泡が生じた為、比較塗布溶液2が作成できず、コーティングフィルムが得られなかった。
[比較例3]
合成例4で作製したポリマー4を使用した以外は、実施例2と同様の方法でコーティングフィルムを作製し、酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。
Figure 2019006930
本発明の組成物は、高湿度下であっても高い酸素バリア性を発揮する。また、本発明の組成物は、高湿度下であっても高いバリア性を示すことから、コーティング剤や接着剤、ガスバリア材料等に好適に使用可能である。

Claims (12)

  1. 水酸基含有ビニル重合体とイソシアネート化合物との組成物であって、
    水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対する下記式(1)で表されるユニットA量が40モル%以上99モル%以下であることを特徴とする、組成物。
    Figure 2019006930
    ・・・(1)
    (式(1)において、Rは炭素数1〜2のアルキル基を表し、mは0または1を表す)
  2. 水酸基含有ビニル重合体中の水酸基全量に対する下記式(2)で表されるユニットB量が1モル%以上60モル%以下である、請求項1に記載の組成物。
    Figure 2019006930
    ・・・(2)
    (式(2)において、nは0または1を表す)
  3. 請求項1または2に記載の組成物を反応して得られることを特徴とするウレタン樹脂。
  4. 前記式(1)で表されるユニットAを含有することを特徴とするウレタン樹脂。
  5. 請求項3または4に記載のウレタン樹脂を含有する組成物。
  6. さらに、フィラーを含有することを特徴とする、請求項1〜2、または5のいずれかに記載の組成物。
  7. 請求項1〜2、または5〜6のいずれかに記載の組成物を成形してなる成形体。
  8. 請求項7に記載の成形体層と基材とを含有する積層体。
  9. 請求項1〜2、または5〜6のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とするコーティング剤。
  10. 請求項1〜2、または5〜6のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とする接着剤。
  11. 請求項1〜2、または5〜6のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とするガスバリア材料。
  12. フィルムである、請求項8に記載の成形体。
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