JP2011021179A - 粘着シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全で生産性に優れる重合体とモノマーを含む組成物(シロップ)を製造することができ、紫外線照射後には優れた粘着性能を有する粘着シートの製造方法の提供。
【解決手段】下記工程を含む粘着シートの製造方法。
・第1工程:1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(A)、オキセタン化合物又はオキセタン化合物とこれ以外のカチオン重合化合物(B)及びラジカル重合開始剤(C)を含む組成物を、攪拌下に加熱するか又は活性エネルギー線を照射して前記(A)成分を重合させる。
・第2工程:第1工程で得られた反応液に、光カチオン重合開始剤(D)を添加・混合する。
・第3工程:第2工程で得られた混合物を基材に塗布する。
・第4工程:第3工程で得られた基材の塗布面に光照射して前記(B)成分を重合させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着シートの製造方法に関し、粘着剤及び粘着シートの技術分野に属する。
従来より、モノマーを部分重合させて得られる重合体とモノマーを含む組成物は、シロップと称され、これを使用して紫外線照射等で形成される粘着シートは、耐熱性や耐水性に優れ、生産性に優れること等から、各種の粘着シート等として各方面に多用されている。又、無溶剤であり地球環境保全や、その取扱いの作業労働環境等の観点から、好んで用いられている。
例えば、アクリレートモノマーを熱や紫外線照射によって部分重合してシロップを製造し、得られた組成物を支持体に塗布した後に再度紫外線照射し、さらに60℃以上に加熱する無溶剤型アクリル系シートの製造方法が提案されている(特許文献1)。
しかしこの方法では、部分重合の制御が難しいうえ、所定の反応率を求めるにはサンプリングしてガスクロマトグラフィーにて残存モノマー量を定量したり、又は不揮発分を加熱残渣から求める等の手間がかかる。又、重合反応装置に付属する攪拌シャフトのトルク値から推定することも可能であるが、仕込量や反応釜毎にトルク値が変わる恐れがある。又、反応が暴走して危険を伴う恐れがある。
又、類似する技術として、アクリル系重合体、エポキシ化合物及び光カチオン重合開始剤からなる組成物を使用した粘着シートが知られている(特許文献2)。
特許文献2には、より具体的には、(a)アルキル(メタ)アクリレート、(b)その他ビニルモノマー、(c)エポキシ化合物、(d)光ラジカル重合開始剤及び(e)光カチオン重合開始剤を含む組成物を調製した後(工程A)、基材に当該組成物を塗布して(d)成分を活性化させる紫外線を照射して(a)及び(b)成分を重合させ硬化型粘着シートとし(工程B)、これと他の基材を密着させた後に、(e)成分を活性化させる紫外線を照射して(c)成分を重合させ粘着シートを製造する方法(工程C)が開示されている。
しかしながら、当該製造方法では、工程Bで塗布工程に求められる粘度を得るためには、組成物の粘度が不十分になるため、(c)成分として固形や高分子量のエポキシ化合物を使用せざるを得なかったり、エポキシ化合物の使用量を増やすことが必要となり、粘着性能が劣る場合がある。
一方、シロップと同様の技術として、エチレン性不飽和モノマーを溶液重合した後、これにエポキシ化合物等の光カチオン重合性単量体を混合する方法があるが、この場合には、紫外線照射の前に溶剤を除去する必要がある。
特開2000−34453公報 特開平9−279103公報
本発明者は、安全で生産性に優れる重合体とモノマーを含む組成物(シロップ)を製造することができ、紫外線照射後には優れた粘着性能を有する粘着シートの製造方法を提供することを課題として鋭意検討を行った。
本発明者は、上記課題を解決すべく種々の検討を行った結果、エチレン性不飽和基を有する化合物とオキセタン化合物を必須として含むカチオン重合性化合物を使用してシロップを製造する方法が有効であることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記工程を含む粘着シートの製造方法に関する。
・第1工程:1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(A)〔以下、(A)成分という〕、オキセタン化合物又はオキセタン化合物とこれ以外のカチオン重合化合物(B)〔以下、(B)成分という〕及びラジカル重合開始剤(C)〔以下、(C)成分という〕を含む組成物を、攪拌下に加熱するか又は活性エネルギー線を照射して前記(A)成分を重合させる。
・第2工程:第1工程で得られた反応液に、光カチオン重合開始剤(D)〔以下、(D)成分という〕を添加・混合する。
・第3工程:第2工程で得られた混合物を基材に塗布する。
・第4工程:第3工程で得られた基材の塗布面に光照射して前記(B)成分を重合させる。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリルアミド又はメタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
本発明によれば、初期重合物となる(A)成分と初期重合の際に溶媒の代わりとなる(B)成分を使用することで、部分重合体と(B)成分を含むシロップを簡便にかつ精度よく制御できる。
しかも、シロップを、光照射して得られる硬化物は、無色透明で、耐水性や耐熱性に優れ、特に粘着剤として好ましく使用することができる。
又、シロップを用いて、基材に塗布し、光照射することで、無色透明で、可撓性で、柔軟性で、且つ強靱性を発揮する粘着シートを製造することができる。
本発明は、下記工程を含む粘着シートの製造方法に関する。
・第1工程:(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む組成物を、攪拌下に加熱するか又は活性エネルギー線を照射して前記(A)成分を重合させる。
・第2工程:第1工程で得られた反応液に、(D)成分を添加・混合する。
・第3工程:第2工程で得られた混合物を基材に塗布する。
・第4工程:第3工程で得られた基材の塗布面に光照射して前記(B)成分を重合させる。
以下に、各工程及び使用する成分について説明する。
1.第1工程
第1工程は、(A)〜(C)成分を含む組成物を、攪拌下に加熱するか又は活性エネルギー線を照射して前記(A)成分を重合させる工程である。
まず、(A)〜(C)成分について説明する。
1−1.(A)成分
(A)成分は、1個のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、1個のエチレン性不飽和基を有する化合物であれば、種々の化合物が使用できる。
(A)成分におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
本発明において、このようなモノマー種として、例えば、1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、単官能(メタ)アクリレートという〕、(メタ)アクリルアミド、スチレン、カルボン酸ビニル、(メタ)アクリル酸アニールエステル類、(メタ)アクリル酸アルコキシ、エポキシ基含有ビニル単量体、不飽和カルボン酸又はその部分エステル化合物及びその無水物、有機ケイ素基含有ビニル化合物単量体等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート及びドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−クロロエチル(メタ)アクリレート等のハロゲン化のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族基含有(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;並びにグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
スチレンとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン及びオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フルオロスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン及びクロルメチルスチレン等のハロゲン化スチレン;ニトロスチレン、アセチルスチレン並びにメトキシスチレン等を挙げることができる。
カルボン酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル及びサリチル酸ビニル等が挙げられる。クロロヘキサンカルボン酸ビニル等のハロゲン化物も挙げることができる。
(A)成分としては、粘着性能に優れるため、単官能(メタ)アクリレートとしてアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート及びノニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(A)成分としては、(B)成分であるオキセタン化合物又はオキセタン化合物とこれ以外のカチオン重合化合物との反応、接着性を改善する目的で極性成分導入、及び後記する架橋剤と併用する場合に架橋剤と反応性を有する官能基を含有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)を使用することができる。
官能基含有不飽和化合物としては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物及びアミノ基含有エチレン性不飽和化合物等を挙げることができる。
水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン−5、6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられ、又、これらの誘導体として、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン−5、6−ジカルボン酸無水物等が挙げられる
アミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸フェニルアミノエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルアミン等のアリルアミン系誘導体、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド系誘導体、p−アミノスチレン等のアミノスチレン類、6−アミノヘキシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミド等のアミノ基含有エチレン性不飽和結合を有するモノマーが適宜好適に使用することができる。
官能基含有不飽和化合物の中でも、本発明の第4工程において(B)成分を硬化させる際に、架橋成分のみならず、反応促進効果があることから水酸基含有エチレン性不飽和化合物が好ましい。
(A)成分の重合においては、必ずしも架橋構造を形成させる必要はないが、必要に応じて架橋構造を導入させて形成させることができる。
このような架橋構造を形成させるに、2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、多官能性モノマーという)を適宜好適に使用することができる。
多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1、1、1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1、1、1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1、1、1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート及びN−メチロールアクリルアマイド等を挙げることができる。
多官能性モノマーは、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは、5重量部以下で適宜好適に使用することができる。
これらの中でも、原料として比較的に低廉で、しかも、モノマー種が多く、強度等の特性を所望する値に制御し易い等の点で、アルキル(メタ)アクリレートの単独、又はアルキル(メタ)アクリレートを主成分にして、これ以外の(メタ)アクリルレート〔以下、その他(メタ)アクリレートという〕の少なくとも1種を適宜好適に組合わせて使用したものが好ましい。
又はアルキル(メタ)アクリレートとその他(メタ)アクリルレートを組合わせて使用する場合、アルキル(メタ)アクリレートの100重量部に対して、その他(メタ)アクリレートを10〜100重量部の範囲で適宜用いることが好ましい。
又、(メタ)アクリレート以外の好適な(A)成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、フタル酸ジアクリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組合わせて用いてもよい。
最も好ましい組み合わせは、アルキル(メタ)アクリレートと水酸基含有(メタ)アクリレートの組み合わせである。この場合の好ましい割合としては、アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対して水酸基含有(メタ)アクリレートが1〜20重量部が好ましく、より好ましくは3〜10重量部である。
最終的に得られる硬化膜が粘着性能に優れたものとなるため、第1工程で(A)成分を重合した後の重合体のガラス転移温度(以下、Tgという)が−10℃以下になる様に使用割合を調整することが好ましい。
1−2.(B)成分
(B)成分は、オキセタン化合物又はオキセタン化合物とこれ以外のカチオン重合化合物である。
(B)成分は、第4工程における硬化性成分であると共に、第1工程では、(A)成分の溶媒としても機能するものである。
従って、以下に挙げる方法に対して、別途溶媒を添加することなく、実質的に無溶媒下で重合反応を進行させることができ、溶剤の除去工程が不要であるとの利点がある。
即ち、(A)成分を溶液重合した後、これに(B)成分を混合する方法があるが、この場合には、光照射の前に溶剤を除去する必要がある。
溶媒を使用することなく(A)成分を重合した後、(B)成分を混合する方法もあるが、当該重合方法は重合の制御が困難であり、目的とする重合体を得難い。
又、(B)成分は、オキセタン化合物を必須に含むものである。
これにより、前記(A)成分の重合体との相溶性に優れ、最終的に得られる重合体が濁り等がなく、透明性に優れるものとすることができる。
(B)成分としては、オキセタン化合物を単独で使用する態様と、オキセタン化合物とこれ以外のカチオン重合性化合物を併用した態様がある。
(B)成分としては、モノマー、オリゴマー、プレポリマーのいずれであってもよい。
オキセタン化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−アリロキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、3、7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1、4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブタンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ヘキサンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−エチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これら以外にも、特開平6−16804号公報に記載のオキセタンシリコーン等が挙げられる。
オキセタン化合物は市販されており、東亞合成社製3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(POX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)] メチルエーテル(DOX)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(EHOX)、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン(TESOX)、オキセタニルシルセスキオキサン(OX−SQ)、フェノールノボラックオキセタン(PNOX−1009)等が挙げられる。
(B)成分は、オキセタン化合物を必須に含むものであるが、オキセタン化合物とこれ以外のカチオン重合性化合物(以下、その他カチオン重合性化合物という)とを併用することもできる。
その他カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル及びカーボネート化合物等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に限定されず、液体又は固体を用いることができる。
エポキシ化合物としては、例えば、芳香族エポキシ化合物及び脂環式エポキシ化合物脂肪族系エポキシ化合物等が挙げられる。
芳香族エポキシ化合物としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル、及び臭素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、及びトリグリシジルイソシアヌレート等が含まれる。
脂環式エポキシ化合物としては、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3´、4´−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ε−カプロラクトン変性3、4−エポキシシクロヘキシルメチル3´、4´−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4、1、0]ヘプタン等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1、6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1、2−エポキシドデカン等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、ビニルエーテル基を有するカチオン重合性化合物であれば特に限定されず、公知のものを利用できる。このようなビニルエーテル化合物には、例えばアルキルビニルエーテル類、芳香族ビニルエーテル類、α−置換ビニルエーテル類、β−置換ビニルエーテル類、及び分子内に2以上の官能基を有する多官能化合物(ジビニルエーテル類、トリビニルエーテル類等)等が含まれる。
前記アルキルビニルエーテル類としては、炭化水素基を含有する単官能又は多官能のビニルエーテル化合物及びアリルエーテル化合物が挙げられる。単官能ビニルエーテル化合物の具体例としては、例えば、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;フェニル、ベンジル等の芳香族性炭化水素基を分子内に有する芳香族ビニルエーテル類等が挙げられる。
多官能化合物として、例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1、4−シクロヘキサンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;ビスフェノール-Aジビニルエーテル等の芳香族ジビニルエーテル類等の二官能化合物;トリメチロールプロパントリビニルエーテル等の三官能化合物;ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等の四官能化合物等が挙げられる。
前記α−置換ビニルエーテル類とは、α位にアルキル基、アリル基等の置換基を有するビニルエーテル化合物であって、例えば、α−メチルビニルエチルエーテル、α−エチルビニルエチルエーテル、α−フェニルビニルエチルエーテル等が挙げられる。前記β−置換ビニルエーテル類とは、β位にアルキル基、アリル基等の置換基を有するビニルエーテル化合物であって、例えば、β−メチルビニルエチルエーテル、β−メチルビニルイソプロピルエーテル、β−メチルビニルn−ブチルエーテル、β−メチルビニルイソブチルエーテル、β−メチルビニルt−ブチルエーテル等が挙げられる。
カーボネート化合物としては、環状カーボネート化合物及びジチオカーボネート化合物等が挙げられる。なかでも、硬化膨張性を有するカーボネート系化合物は、硬化収縮をコントロールでき、優れたパターン形成性を付与できる点で好適である。
環状カーボネート化合物としては、2−ジメチルプロピルカーボネート等が挙げられ、これ以外にも特開2006−266608で挙げられる化合物等も挙げられる。
(B)成分としては、前記した化合物を単独で使用しても、又は複数種を組み合わせて使用することもできる。
これらの中でも、オキセタン化合物を単独で使用するか、又はオキセタン化合物と、エポキシ化合物若しくは/及びビニルエーテル化合物とを併用したものが好ましく、オキセタン化合物を単独で使用するか、又はオキセタン化合物とエポキシ化合物を併用したものがより好ましい。
(B)成分としては、オキセタン化合物においてはオキセタニル基を1個有する化合物(以下、単官能オキセタンという)、カチオン重合性化合物としては、カチオン重合性基を1個有する化合物(以下、単官能カチオン重合性化合物という)を主成分とするものが最終的に得られる硬化膜が柔軟性に優れるため好ましい。具体的には、単官能オキセタン又は/及び単官能カチオン重合性化合物を(B)成分中に50〜100重量%含むものが好ましい。
最終的に得られる硬化膜が粘着性能に優れたものとなるため、(B)成分を重合した後の硬化膜のTg転移温度が−10℃以下になる様に使用割合を調整することが好ましい。
1−3.(C)成分
(C)成分は、ラジカル重合開始剤であり、前記(A)成分を重合させる目的で使用される。
(C)成分としては、第1工程で(A)成分を熱重合させる場合には、熱ラジカル重合開始剤を使用し、第1工程で(A)成分を光重合させる場合には、光ラジカル重合開始剤を使用する。
熱ラジカル重合開始剤としては、(A)成分を熱ラジカル重合できるものであれば種々のものが使用でき、有機パーオキサイド、有機ハイドロパーオキサイド、有機パーオキシケタール及びアゾ化合物等が挙げられる。
有機パーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジイソノナイルパーオキサイド及び2−メチルペンタノイルパーオキサイドが挙げられる。
有機ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、tert−ブチルハイドロパ−オキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、2、5−ジメチル−2、5−ジハイドロパーオキシヘキサン、p−メタンハイドロパーオキサイド及びジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド等が挙げられる。
有機パ−オキシケタ−ルとしては、例えば、1、1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、1、1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン及び1、1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、2、2’−アゾビスシクロヘキシルニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル及びジメチル−2、2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、(A)成分を光ラジカル重合できるものであれば種々のものが使用でき、アセトフェノン、ケトン及びベンゾインエーテル等が挙げられる。
アセトフェノンとしては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。
ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)及び4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。
ベンゾインエーテルとしては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール及びベンゾイルベンゾエート等が挙げられる。
これら以外にも、α−アシロキシムエステル及びチオキサントン等を挙げることができ、
光重合開始剤には、必要に応じて増感剤と併用することができる。増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン及びトリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
(C)成分は、単独でも使用されるが、通常、成形品の諸特性向上させることから、二種以上を組合わせて使用することもできる。
(C)成分としては、必要に応じて熱ラジカル重合開始剤と光ラジカル重合開始剤を併用して用いることができる。
(C)成分は、第1工程において一括添加しても、分割添加しても良い。
第1工程における組成物中の(C)成分割合としては、組成物100重量部中に、0.01〜2.0重量部が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.10重量部である。
本発明では、重合の制御が容易である点で、第1工程で(A)成分を熱重合させる方法が好ましく、従って(C)成分としては、熱重合開始剤が好ましい。
さらに、熱重合開始剤としては、(A)成分の重合においてゲル化を引起し難く、反応制御が容易であるという理由でアゾ化合物が好ましい。
1−4.第1工程の実施方法
第1工程は、(A)〜(C)成分を含む組成物を、攪拌下に加熱するか又は活性エネルギー線を照射して前記(A)成分を重合させる工程である。
第1工程では、まず前記した(A)〜(C)成分を含む組成物を調製する。
当該方法としては、前記した(A)〜(C)成分を常法に従い、攪拌・混合すれば良い。この場合、必要に応じて脱泡を行うこともできる。
第1工程では、前記で得られた組成物を使用して、(A)成分を重合させる。
この場合の(A)成分の重合の程度は、目的に応じて適宜設定すれば良く、重合後の重量平均分子量(以下、Mwという)が1万〜200万が好しく、より好ましくは、Mwが10万〜100万である。
第1工程後の重合体のMwを1万以上とすることで、最終的に得られる重合体を強靱なものとすることがで、粘着シート製造に応用する場合に優れたものとなり、一方、Mwが200万以下とすることで、低粘度となるため流延塗工性に優れ、粘着シート製造に応用する場合にハンドリングに優れたものとなる。
第1工程における組成物としては、前記した様な重合体が得られる様に、(A)成分の種類及び組成物中の配合割合を調整することが好ましい。
第1工程における組成物における(A)成分及び(B)成分の割合としては、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分が60〜95重量%で(B)成分が5〜40重量%が好ましい。
(A)成分の割合を60重量%以上とすることで、最終的に得られる重合体の物性を容易に調製することができ、特に重合体を粘着剤として使用する場合には、粘着性能の調整を容易にすることができ、一方、95重量%以下とすることで、流延塗工性及びハンドリング性に優れるものとすることができる。
尚、第2工程で(B)成分を配合する場合は、最終的に使用した(A)成分及び(B)成分の合計量として、前記割合を満たすことが好ましい。
第1工程で(A)成分を熱重合させる場合には、(C)成分として熱ラジカル重合開始剤を使用する。
熱重合の条件としては、使用する(A)及び(C)成分の種類、量及び得られる重合体の分子量に応じて適宜設定すれば良い。
加熱温度としては、内容物の沸点以下とすることが安価な装置で常圧設備に出来ることから好ましく、さらには100℃以下とすることが、反応装置の温度制御に使用する冷媒に水が使用できる点から好ましい。
加熱制御の重合時間としては、20時間以下にすることが製造コストを安く出来ることから好ましい。
第1工程で(A)成分を光重合させる場合には、(C)成分として光ラジカル重合開始剤を使用する。
光としては、可視光線及び紫外線が挙げられ、硬化性に優れるため紫外線が好ましい。
好ましい光源の具体例としては、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波励起無電極水銀ランプ、キセノンランプ及び紫外線LED等が挙げられる。
光照射の条件としては、使用する(A)及び(C)成分の種類、量及び得られる重合体の分子量に応じて適宜設定すれば良い。
この場合、反応装置として、攪拌翼に光照射装置を備えたものを使用することができる。
本発明では、重合の制御が容易である点で、第1工程で(A)成分を熱重合させる方法が好ましい。
粘着性能に優れるという理由で、第4工程後の重合体のガラス転移温度(以下、Tgという)が−10℃以下となるものが好ましい。
よって、第1工程後の重合体のTgも−10℃以下が好ましく、好ましくは−10〜−100℃である。
当該Tgを満たす様に、上述した(A)成分中から組合わせて使用することが好ましい。
又、重合においては、ゲル化を防ぐ点、望まれる分子量に調整するという目的で、必要に応じて連鎖移動剤を添加することもできる。
連鎖移動剤としては、チオール系連鎖移動剤、ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤等が挙げられ、チオール系連鎖移動剤が好ましい。
連鎖移動剤の割合としては、組成物100重量部に対して0.1重量部以下が粘着剤として好適な重量平均分子量を20万以上に調整しやすいことから好ましい。
チオール系連鎖移動剤としては、−SH基を有するものであり、特に下記一般式で表されるものが好ましい。
HS−R−Eg
(但し、式中Rは炭素原子数1〜4の炭化水素由来の基を表し、Eは−OH、−COOM、−COOR’又は−SO3M基を表し、Mは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表し、R’は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わし、gは1〜2の整数を表す。)
当該化合物の具体例としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル及び3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙げられ、連鎖移動効果に優れる点で、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノールが好ましく、メルカプトプロピオン酸が更に好ましい。
ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤としては、四塩化炭素、四臭化炭素などが挙げられる。
その他の連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイ又ピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、2−アミノプロパン−1−オールなどを挙げることができる。連鎖移動剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
これら連鎖移動剤は、1種で使用することも、又は2種以上を併用することもできる。
2.第2工程
第2工程は、第1工程で得られた重合物を含む反応液に、(D)成分を添加する工程である。
(D)成分の光カチオン重合開始剤は、前記(B)成分を光照射で重合させる目的で配合するものである。
(D)成分としては、前記(B)成を重合できるものであれば種々の化合物を使用でき、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩及びピリジニウム塩等を挙げることができる。
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル)スルフィド−ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル)スルフィド−ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、4−ジ(p−トルイル)スルホニオ−4′−tert−ブチルフェニルカルボニル−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、7−ジ(p−トルイル)スルホニオ−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロホスフェート及び7−ジ(p−トルイル)スルホニオ−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
これら以外にも、特開平6−184170号公報、特開平7−61964号公報、特開平8−165290号公報、米国特許第4231951号、米国特許第4256828号等に記載の芳香族スルホニウム塩等を挙げることができる。
ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート及びビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
これら以外にも、特開平6−184170号公報、米国特許第4256828号等に記載の芳香族ヨードニウム塩等を挙げることができる。
ホスホニウム塩としては、例えば、テトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロホスフェート及びテトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
これら以外にも、特開平6−157624号公報等に記載の芳香族ホスホニウム塩等を挙げることができる。
ピリジニウム塩としては、例えば、特許第2519480号公報、特開平5−222112号公報等に記載のピリジニウム塩等を挙げることができる。
(D)成分の陰イオンは、反応性が向上する点で、SbF6-又はボレートが好ましい。
ボレートとしては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
前記スルホニウム塩及びヨードニウム塩は、市場より容易に入手することもできる。市販品としては、例えば、ユニオンカーバイド社製のUVI−6990及びUVI−6974、旭電化工業(株)製のアデカオプトマーSP−170及びアデカオプトマーSP−172等のスルホニウム塩や、ローディア社製のPI 2074、Ciba社製イルガキュア250、和光純薬(株)のWPI−016、WPI−116等のヨードニウム塩を挙げることができる。
又、(D)成分の光増感剤的な効果を発揮し、(C)成分の硬化性を改善することができるため、光ラジカル重合開始剤と併用するが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、前記したものと同様のものを挙げることができ、好ましい具体的としては、ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルジメチルケタール類、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類及びカンファーキノン等のα−ジカルボニル化合物等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の併用割合としては、(D)成分に対して0.1〜5.0重量%が好ましい。
又、(D)成分の活性を高めるため、増感剤を併用することもできる。本発明で用いることができる増感剤として、クリベロがアドバンスド イン ポリマーサイエンス(Adv. in Plymer Sci.,62,1(1984))で開示している化合物を用いることが可能である。
具体的には、ピレン、ペリレンアクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン及びペンゾフラビン等がある。
増感剤の併用割合としては、(D)成分に対して0.1〜5.0重量%が好ましい。
第1工程で得られた重合物を含む反応液に、(D)成分を添加・混合する方法としては常法に従えば良い。この場合、必要に応じて脱泡させることもできる。
(D)成分の割合としては、(B)成分の種類及び目的等に応じて設定すれば良いが、混合物中に0.01〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0重量%である。
第2工程では、必要に応じてさらに(B)成分を添加することもできる。
第2工程においては、第3工程における塗布に適した粘度に調整することが好ましい。
望ましい粘度は、BM粘度計を用いて、ローター:No.4ローター、回転数12rpm、測定温度:30℃の条件で設定された粘度として、100〜10万mPa・sが好ましく、より好ましくは1000〜3万mPa.sである。
この粘度を100mPa.s以上にすることで、基材に塗布したときの液流れを防止することができ、10万mPa・s以下にすることで、適度な粘度で塗布が容易となる。
3.第3工程
第3工程は、第2工程で得られた混合物を基材に塗布する工程である。
基材としては、目的に応じて適宜選択すれば良く、接着を目的とする材料(以下、被着体という)であってもよく、被着体とは無関係の離型可能な材料(以下、離型材という)であっても良い。
又、基材としては、プラスチック、ガラス、セラミックス及び金属等が挙げられる。
プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及び環状ポリオレフィン(ノルボルネン及びテトラシクロドデセンや、それらの誘導体等の環状オレフィンから得られる樹脂)等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン及び塩素化ポリプロピレン等の塩素系プラスチック;ポリスチレン;セルロース系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);ポリメチルメタクリレート;ポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリビニルアルコール;及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。使用用途に応じて、表面に金属蒸着等の処理がなされているものも使用できる。
セラミックスとしては、シリコン、アルミニウム、亜鉛、インジウム、スズ、チタン、バリウム、ジルコニウム、セリウム、イットリウム等各種金属の酸化物、複合酸化物、窒化物等が挙げられる。
金属としては、鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス等を挙げることができる。
プラスチックとしては、シート又はフィルム状のものが好ましい。
離型材としては、表面未処理OPPフィルム(ポリプロピレン)、シリコーン処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム及び表面をシリコーン処理した紙等が挙げられる。
ポリマーを接着する場合、層間接着力を大きくするために、一方又は両方の表面に活性化処理を行うことができる。表面活性化処理としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、薬液処理、粗面化処理、エッチング処理及び火炎処理等が挙げられ、これらを併用しても良い。
基材に対する塗工方法としては、従来知られている方法に従えばよく、リップコーター、スロットダイ、マイクログラビア(康井精機の登録商標)スクリーン印刷、ナチュラルコーター、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット、スプレー、ディップ、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、カーテンフローコーター及びグラビアコーター等の方法が挙げられる。
この場合の塗布厚さとしては、使用する基材、用途及び目的等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.1μm〜1mmであり、より好ましくは1〜500μmである。
4.第4工程
第4工程は、第3工程で得られた基材の塗布面に光照射して前記(B)成分を重合させる工程である。この場合、塗布面に他の基材を貼り合せ、光照射することもできる。この場合、光照射は、元の基材側又は他の基材側のいずれからでも良い。但し、元の基材又は他の基材のいずれかが透明である必要がある。
光としては、可視光線及び紫外線が挙げられ、硬化性に優れるため紫外線が好ましい。
好ましい光源の具体例としては、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波励起無電極水銀ランプ、キセノンランプ及び紫外線LED等が挙げられる。
光照射条件としては、使用する(B)及び(D)成分の種類、量及び目的等に応じて適宜設定すれば良い。
粘着性能が優れたものとなる理由で、第4工程後の重合体のガラス転移温度(以下、Tgという)が−10℃以下となるものが好ましい。
この場合、第2工程で得られた混合物を、第3工程で基材に塗布し、これと他の基材と貼り合せた後、光を照射する方法も実施することができる。
この場合、光照射は、いずれかの基材の表面から照射する方法等が挙げられる。この場合、第1の基材又は第2の基材の少なくとも一方を透明性のものを使用する。
最終的に得られる粘着シートにおける粘着層の厚さは、光照射条件、基材、用途及び目的等に応じて適宜設定すれば良く、好ましくは0.1μm〜1mmであり、より好ましくは1〜500μmである。
基材としてプラスチックフィルム等の可撓性を有する基材(以下、「可撓性基材」という)を使用する場合においては、平面状態に限らず、曲面状態で第3工程及び第4工程を行うこともできる。
即ち、可撓性基材を、凹状態又は凸状態に折り曲げ、この状態で組成物を塗工後、もう一方の可撓性基材を貼り合せ、光照射する方法が挙げられる。
別の方法としては、可撓性基材を平面状態で本発明の組成物を塗工し、もう一方の可撓性基材を貼り合わせ、凹状態又は凸状態に折り曲げ、光照射して接着する方法が挙げられる。
この場合、第3程において、平面状態で組成物を塗工する方法としては、前記した方法に従えば良い。曲面状態で組成物を塗工する方法としては、スプレー、デップ、カーテンフローコーター、スクリーン印刷及びスロットダイコーター等を使用する方法が挙げられる。
5.その他の成分
本発明においては、前記(A)〜(D)成分を必須成分として使用するものであるが、本発明の目的が損なわれない範囲で、公知の各種の添加剤(これらをまとめてその他の成分という)を添加させることができる。その他の成分としては、本発明で得られる重合体が、粘着剤として好ましく使用でき、特に粘着シート材として好ましく使用でき、実使用上でのシート特性を向上させる観点等から適宜選択するのが好ましい。
その他の成分の添加時としては、目的に応じて選択すれば良く、第1工程で組成物の調製時、第2工程で(D)成分の添加・混合時のいずれでも良い。
(A)成分として、官能基含有不飽和化合物を使用した場合には、架橋剤と併用して架橋構造を有する重合体とすることができる。
架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤等が挙げられる。
架橋剤は、第2工程で添加するのが好ましい。
重合体に架橋構造を形成させる前記以外の方法としては、多官能性モノマーを併用する方法がある。
多官能性モノマーとしては、前記で挙げたものと同様のものが挙げられる。
多官能性モノマーは、第1工程で添加すると(A)成分の重合体がゲル化することがあるため、第2工程で添加するのが好ましい。
多官能性モノマーを使用する場合において、第1工程で熱ラジカル重合で(A)成分を重合した場合には、第2工程で光ラジカル重合開始剤を添加するのが好ましい。
前記以外のその他の成分としては、例えば、フィラー、シランカップリング剤、繊維補強材、重合禁止剤、硬化促進剤、低収縮剤、増粘剤、内部離型剤、分散剤、可塑剤、滑剤、被膜形成助剤、剥離剤、消泡剤、耐熱性付与剤、難燃性付与材剤、帯電防止剤、界面活性剤、導電性付与剤、紫外線増感剤、防曇剤、抗菌・防カビ剤、光触媒、充填剤、染料及び顔料等が挙げられる。
その他の成分は、それぞれ個々に配合してもよく、又、配合するハンドリング性から、2種以上を組合わせて適宜配合しても良い。
さらに、本発明の組成物には、硬化物の無機材料への密着性の向上を目的として、シランカップリング剤等のカップリング剤を配合することも可能である。好適なシランカップリング剤としては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−303)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−403)、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学製、KBE−403)、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学製、KBM−402)、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン(東亞合成製、OXT−610)などが挙げられる。
フィラーとしてはアルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ粉末、シリカ、合成スメクタイト、合成ゼオライト、チタン酸マグネシウム、合成塩基性炭酸リチウム・アルミニウム塩、合成塩基性炭酸リチウム・マグネシウム塩、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、オラストナイト、ネフェリンサイト、タルク、ケイソウ土、マイカー、ガラス粉及び各種有機ポリマー微粒子等が挙げられる。
粘着シートとして使用する場合には、透明性を低下させない等からその粒度や、屈折率を検討の上で適宜選択して用いることが好ましい。
繊維補強材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、有機系繊維、チタン酸カリ繊維等が挙げられ、これらの繊維長は1〜20mm、好ましくは3〜10mmのものが使用される。
又、これらの微粉状、繊維状フィラーは、本発明のシロップ組成物との相容性、分散性の観点から、例えば、予めシラン系やチタネート系のカップリング剤等で表面処理をするか、又、適宜好適な分散剤を併用させて使用することができる。
これらの単独又は二種以上を組合わせて使用することができる。
6.用途
得られる粘着シートは、プロテクトフィルムや両面テープ、ラベル等の用途に使用することができる。
より具体的には、包装用粘着テープ、事務用粘着テープ、医療用粘着製品、農業用粘着製品、電気絶縁テープ、マスキング用テープ又はシート、粘着ラベル、両面粘着テープ及び特殊粘着テープ等の各種粘着剤加工品に使用できる。
又、特に高度な粘着性能を要する用途として、自動車等に使用される金属、ガラスを接着する場合の他に、電気、電子部品関連に使用される粘着テープ、粘着ラベル、特殊粘着テープ、偏光板等の光学部品用の粘着テープ又はシート、粘着ラベル等に使用できる。
さらに、自動車部品の製造、電気、電子部品の製造、偏光板等の光学部品の製造にも使用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。尚、下記において、特に断りのない限り部は、「重量部」を意味し、%は、「重量%」を意味する。
尚、Mwは、以下の方法に従い測定した。
<Mw測定>
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により求めた。カラムには東ソー(株)製の TSKgel GMHXLとTSKgel G2500HHR、カードカラムにはTSKguardcolumn HXL−HとTSKguardcolumn HHR−L、溶媒にはTHF(テトラヒドフラン)を用いた。
(実施例1)
<第1工程>
コンデンサー、窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置を備えた容量5リットルのオイルバスに約2.8リットルのシリコーンオイルに容量1リットルの丸底フラスコをセットし、(A)成分としてアクリル酸2−エチルヘキシル(以下、EHAという)の108gと4、4−ヒドロキシブチルアクリレート(以下、4HBAという)の12g、(B)成分として3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(以下、EHOXという)の200g、連鎖移動剤のn−ドデシルメルカプタン(以下、nDMという)の0.2gを加え、窒素パージ後、外温制御にてオイルバス内ならびフラスコ内の温度を70℃に加温した。
次いで、(C)成分として和光純薬(株)製の2、2−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル(以下、V−70という)の0.05gを攪拌下に添加させて、重合反応の進捗と共にフラスコ内の温度は約94℃に上昇した。その時のオイルバスの温度は約71℃であったことから、その温度差(以下、△tという)は23℃であった。
先のV−70を添加してから約40分経たところで、フラスコ内の温度が70℃に戻った。1回目の追蝕としてV−70の0.025gを添加した。その際の△tは1℃に満たなかった。
1回目の追蝕の10分後にEHAの80g、nDMの0.08gを添加したところ、再びフラスコ内の温度が上昇し△tは9℃となった。そのまま攪拌を継続した。
そこでV−70の0.025gを攪拌下に添加させが△tは1℃に満たなかった。
オイルバスの温度70℃を3時間維持した。
得られた重合体を含む反応液(以下、シロップという)は、無色透明な粘性液体であった。未反応成分をガスクロで分析した結果、未反応のEHA濃度が1.9%であった。又、得られたシロップの重合体濃度が約50重量%であったことからEHOXは未反応のままであることを確認した。シロップの粘度は25℃雰囲気下で2800mPa・Sであった。シロップに含まれる重合体のMwは18万、Mwは4.2万であった。
<第2工程>
得られたシロップの100部に対して、(C)成分としてジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩(商品名:WPI−016:和光純薬製)の4.0部、酸化防止剤のペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名イルガノックス1010:チバ・ジャパン製)を0.05部、増感剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184:チバ・ジャパン製)の1.0部と2,4−ジエチルチオキサントンの0.5部を添加し、混合・脱泡処理して組成物(以下、光硬化性シロップという)を調製した。
<第3工程及び第4工程>
得られた光硬化性シロップを両面剥離処理された50μm厚のPETセパレータに50μm厚に塗布した。
次いで、アイグラフィックス社の紫外線照射装置のアイグランテージECS−401GXを使用してランプ出力3KWとして高圧水銀ランプにて照射距離10cm、ライン速度8m/minで8回を通過させることで粘着シートを製造した。
得られた粘着シートは、外観が透明性のシ−トで、JIS Z 0237に準拠して粘着力を測定したところ70g/25mm幅の強度が得られ、保持力は40℃で3時間を保持する耐熱性の優れた粘着シートであった。
(実施例2)
実施例1の第2工程において得られたシロップの100部に対して、(C)成分としてジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩をトリルクミルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(商品名:PHOTOINITIATOR2074:ローディア製)の4.0部とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性シロップを調整した。
実施例1と同様の方法で第3工程及び第4工程を実施して粘着シートを製造した。
得られた粘着シートは、紫外線硬化後にも透明であり、粘着力を測定したところ60g/25mm幅の強度で、保持力は40℃で3時間を保持した優れた粘着シートであった。
(実施例3)
実施例1の第2工程において得られたシロップの100部に対して、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403信越化学製)を10部添加した以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性シロップを調整した。
実施例1と同様の方法で第3工程及び第4工程を実施して粘着シートを製造した。
得られた粘着シートは、紫外線硬化後にも透明であり、実施例1と同様の方法で粘着力を測定したところ20g/25mm幅の強度で、保持力は40℃で3時間を保持した優れた粘着シートであった。
(実施例4)
実施例1の第2工程において得られたシロップの100部に対して、その他のカチオン重合製化合物として3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(商品名:セロキサイド2021P:ダイセル化学製)を10部添加した以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性シロップを調整した。
実施例1と同様の方法で第3工程及び第4工程を実施して粘着シートを製造した。
得られた粘着シートは、紫外線硬化後にも透明であり、実施例1と同様の方法で粘着力を測定したところ12g/25mm幅の強度で、保持力は40℃で3時間を保持した優れた粘着シートであった。
(実施例5)
実施例1の第2工程において得られたシロップの100部に対して、その他のカチオン重合製化合物としてn−ブチルビニルエーテルの20部を加えた以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性シロップを調整した。
実施例1と同様の方法で第3工程及び第4工程を実施して粘着シートを製造した。
得られた粘着シートは、紫外線硬化後にも透明であり、粘着力を測定したところ63g/25mm幅の強度で、保持力は40℃で3時間を保持した優れた粘着シートであった。
(比較例1)
実施例1の第1工程において、(B)成分のEHOXの200gを使用せずに、代わりにEHAの200部を使用(全体でEHA388g)して重合を実施ところ、重合反応の進捗と共にフラスコ内部の温度は約175℃以上に、つまり△t100℃以上に上昇して内容物が噴出してしまい、それ以上の重合反応を行うことができなかった。
(比較例2)
実施例1の第1工程において、(B)成分のEHOXの200gを使用せずに、代わりに溶媒としてトルエンの200部を使用したところ重合反応の進捗と共にフラスコ内の温度は約94℃に上昇した。その時のオイルバスの温度は約71℃であったことから、その△tは23℃であり、以後の初期重合についても、実施例1に近似の反応であった。
得られた組成物を減圧除去してトルエンを除き、その代わりに、(A)成分であるEHAを添加して、シロップ中の重合体濃度が約50%になる様に調整した。シロップの粘度は25℃雰囲気下で3400mPa・Sであった。シロップ中の重合体のMwは25万であった。
得られたシロップを使用して、実施例1同様の方法に従い、第2工程〜第4工程を実施して粘着シートを製造したところ、紫外線硬化反応が進まずに液状態のままであった。これは、ラジカル反応は酸素含有下では反応が進まないためと考える。
(比較例3)
実施例1の第1工程において、(B)成分のEHOXをエポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(商品名セロキサイド2021:ダイセル化学製)に置き換えて重合を実施したところ、得られたシロップは白濁している粘性液体であった。
得られたシロップを使用して、実施例1同様の方法に従い、第2工程〜第4工程を実施して粘着シートを製造したところ、紫外線硬化後には更に濁度が進行し全線透過率は50%以下になった。これは使用したエポキシ化合物とEHA重合体との相溶性が良くないために相分離したと思われる。又、実施例1と同様の方法で粘着力を測定したところ10g/25mm幅の強度で、保持力は40℃で5分以内に落下し粘着シートとしては不適であった。
以上の結果から、本発明の製造方法では、第1工程で(A)〜(C)成分を含む組成物使用して重合するため、(A)成分のみが重合反応を進め、未反応の(B)成分は溶媒の働きとなるために反応熱上昇が緩慢となり、かつ適当な粘度のシロップを簡便に得ることができる。
さらに第2工程で(D)成分を配合した後、第3工程で前記シロップを平滑なシート状態にして紫外線を照射するにより(C)成分を主体に反応が進行するために、窒素パージ等の脱酸素工程を施さなくても、反応が速やかに進行する。又、得られた粘着シートは、透明性及び耐熱性に優れたものとなった。
本発明によれば、安全で生産性に優れたシロップにより粘着シートを製造することができる。得られた粘着シートは、プロテクトフィルムや両面テープ、ラベル等の用途や、自動車部品の製造、電気、電子部品の製造、光学部品の製造にも使用することができる。




Claims (9)

  1. 下記工程を含む粘着シートの製造方法。
    ・第1工程:1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(A)、オキセタン化合物又はオキセタン化合物とこれ以外のカチオン重合化合物(B)及びラジカル重合開始剤(C)を含む組成物を、攪拌下に加熱するか又は活性エネルギー線を照射して前記(A)成分を重合させる。
    ・第2工程:第1工程で得られた反応液に、光カチオン重合開始剤(D)を添加・混合する。
    ・第3工程:第2工程で得られた混合物を基材に塗布する。
    ・第4工程:第3工程で得られた基材の塗布面に光照射して前記(B)成分を重合させる。
  2. 前記(A)成分が、1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である請求項1記載の粘着シートの製造方法。
  3. 前記(A)成分が、水酸基含有(メタ)アクリレートを含む請求項2記載の粘着シートの製造方法。
  4. 前記(B)成分が、オキセタン化合物のみである請求請1〜請求項3のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
  5. 前記(B)成分が、オキセタン化合物とエポキシ化合物の混合物である請求請1〜請求項3のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
  6. 第1工程において、組成物中に、前記(A)成分を60〜95重量%で、前記(B)成分を5〜40重量%で含む請求項1〜請求項5のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
  7. 第1工程で得られた反応液の粘度が200mPa・S〜10万mPa・sである請求項1〜請求項6のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
  8. 第3工程で光照射した後の重合体ガラス転移温度が−10℃以下である請求項1〜請求項7のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
  9. 第1工程において(C)成分として熱重合開始剤を使用し、攪拌下に加熱して重合を行う請求項1〜請求項8のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
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