JP2019002701A - 衝突回避装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】縁石のような背の低い障害物を検出できる衝突回避装置を提供する。【解決手段】車両に取り付けた複数の距離センサの受信情報に基づいて障害物までの距離を算出し、障害物距離情報として出力する測距部と、障害物距離情報に開口合成処理を行って障害物の位置を推定し、障害物位置情報として出力する障害物位置推定部と、障害物位置情報と、障害物を分別して検出するように車両からの距離領域によって設定された複数の検出可能領域に基づいて、障害物がブレーキ制御の対象となる制御対象物であるか、非制御対象物であるかの判定を行い、その結果を制御対象物情報として出力する障害物判定部と、障害物位置情報と制御対象物情報とに基づいて、車両が障害物と衝突する可能性があるかを判定し、衝突する可能性がある場合はブレーキ制御命令を出力する障害物衝突判定部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は車両の衝突回避装置に関し、特に、避けることができない障害物に対して自動的にブレーキ制御を行う衝突回避装置に関する。
車両が低速走行中に、車両進行方向に障害物があることを検出し、障害物との相対速度から障害物に衝突するまでの距離および障害物に衝突するまでの衝突時間(TTC:Time To Collision)を算出し、設定要件を満たす場合には自動的にブレーキ制御を行う衝突回避システムが知られている。
このシステムは、車両が低い段差を乗り上げる場合、駐車時に車止めに向かって進む場合等、車両に衝突する可能がない背の低い障害物に対してまでシステムが作動すると、ドライバーに不快感を与えるので、作動させないことが望ましい。
そこで、背の低い物体と高い物体を判別し、ブレーキ作動対象を決定する衝突回避装置および障害物検知装置などが提案されている。例えば、特許文献1では、車両が障害物に接近するに従い、検出した超音波の反射波のピーク値の変化を検出し、前回得られたピーク値との差分が正の値の場合は背の高い障害物と判定し、負の値の場合は背の低い障害物と判定する技術が開示されている。
また、特許文献2では、超音波センサにおいて、縁石等の背の低い障害物を検知できるエリアと検知できないエリアを切り替え可能な機能を設け、超音波センサを縁石等の背の低い障害物を検知できるエリアに設定している場合は車両のトルク制限のみを実施し、超音波センサを縁石等の背の低い障害物を検知できないエリアに設定している場合はブレーキ制御を実施する技術が開示されている。
特開2010−197351号公報 国際公開第2016/038773号
特許文献1では、検出した超音波の反射波のピーク値の変化を検出することで、障害物の高さを判別しているが、実際の路面状況では反射率が安定しないので、反射波のピーク値は安定して検出できない場合があり、差分値の正負を正しく判別することは難しい。
また、特許文献2では超音波センサにおいて、障害物検出領域を、縁石等の背の低い障害物を検知できるエリアと検知できないエリアとに切り替える機能を利用して障害物の高さを判別しているが、縁石とその後方にある障害物とが混在する場合などでは、後方の障害物を安定的に検出することができず、遠距離にある障害物の検知の応答性が悪くなる。よって、障害物との相対速度が大きくなるとブレーキ制御することができない、またはブレーキ制御のタイミングが遅延する可能性がある。
本発明は、上記のような問題を解消するためになされたもので、低い障害物の後方に高い障害物が存在する等、背の高い障害物と低い障害物が混在する場合でも障害物検知の応答性を低下させることなく、縁石のような背の低い障害物を検出できる衝突回避装置を提供することを目的とする。
本発明に係る衝突回避装置は、車両に取り付けた複数の距離センサの受信情報に基づいて障害物までの距離を算出し、障害物距離情報として出力する測距部と、前記測距部から出力される前記障害物距離情報に開口合成処理を行って前記障害物の位置を推定し、障害物位置情報として出力する障害物位置推定部と、前記障害物位置推定部から出力される前記障害物位置情報と、前記障害物を分別して検出するように前記車両からの距離領域によって設定された複数の検出可能領域に基づいて、前記障害物がブレーキ制御の対象となる制御対象物であるか、ブレーキ制御の対象とならない非制御対象物であるかの判定を行い、その結果を制御対象物情報として出力する障害物判定部と、前記障害物位置推定部から出力される前記障害物位置情報と、前記障害物判定部から出力される前記制御対象物情報とに基づいて、前記車両が前記障害物と衝突する可能性があるかを判定し、衝突する可能性がある場合はブレーキ制御命令を出力する障害物衝突判定部と、を備え、前記測距部は、前記複数の検出可能領域ごとに設定された検出閾値に基づいて前記障害物の有無を判定し、前記障害物があると判定された場合に前記障害物までの距離を算出する。
本発明によれば、開口合成処理により障害物の位置を推定するので、背の低い障害物と背の高い障害物とが混在した場合でも、それぞれの位置を推定でき、背の高い障害物と低い障害物が混在する場合でも検出の応答性を低下させることなく、縁石のような背の低い障害物を検出できる。
本発明に係る実施の形態の衝突回避装置の構成を示す機能ブロック図である。 開口合成処理による障害物位置の推定方法を説明する図である。 領域設定部で設定された検出可能領域の一例を示す図である。 領域設定および検出閾値の設定方法を説明する図である。 連続性判定条件を説明する図である。 障害物の連続性判定処理に基づく、制御対象の判定結果を示す図である。 走行経路上に障害物が存在する場合の衝突の可能性の判断を説明する図である。 本発明に係る実施の形態の衝突回避装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態の衝突回避装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態の衝突回避装置における障害物の判定処理を説明するフローチャートである。 本発明に係る実施の形態の衝突回避装置における障害物衝突判定処理を説明するフローチャートである。
<実施の形態>
<装置構成>
図1は、本発明に係る実施の形態の衝突回避装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように衝突回避装置100は、測距部1、障害物位置推定部2、領域設定部3、障害物判定部4、車両状態検出部5、移動軌跡演算部6、障害物衝突判定部7およびブレーキ制御部8を備えている。
測距部1は、車両に取り付けられた複数の超音波センサSS(距離センサ)を用いて自車両周辺に存在する障害物との距離を測定する部位であり、複数の超音波センサSSのうち1つを送信センサとし、当該送信センサからの超音波の送信開始をトリガとして、受信センサで受信するまでの時間を計測して障害物までの距離を算出して障害物距離情報として障害物位置推定部2に出力する。なお、障害物との距離の測定には超音波に限定されず、電波、光波などを用いても良く、超音波センサでの代わりにレーダーを距離センサとして車両周辺の障害物を検知しても良い。その場合は、測距部1は、レーダー波の発振から反射波の受信までの時間を計測して障害物までの距離を算出する。
また、測距部1は、領域設定部3に保持されている検出閾値に基づいて検出閾値を設定し、設定した検出閾値に基づいて障害物を特定する。なお、領域設定部3に保持されている検出閾値については、後にさらに説明する。
なお、以下の説明では、車両のフロント側に複数の超音波センサを設けて、車両の前方に超音波を送信して、車両の前方の障害物を検出する構成を示すが、車両のリア側に複数の超音波センサを設けて、車両の後方の障害物を検出する構成としても良いし、車両のフロント側およびリア側にそれぞれ複数の超音波センサを設けて、車両の前方および後方の障害物を検出する構成としても良い。
障害物位置推定部2は、距離センサの取り付け位置情報、例えばX−Y平面での取り付け位置座標(X,Y)を保持しており、測距部1から出力される障害物距離情報に開口合成処理を行い、障害物位置を推定する。推定した障害物位置情報は、障害物判定部4に入力される。
ここで、開口合成処理による障害物位置の推定について図2を用いて説明する。図2に示される例では、衝突回避装置100を搭載した自車両OVにはフロント部分に超音波センサSAおよびSBが取り付けられている。超音波センサSAおよびSBは、車両の車幅の中心を通る中心線に対して、それぞれ等距離となるように間隔を開けて取り付けられている。なお、超音波センサSAとSBとの間の中央を中心Cとし、中心CをX−Y座標での原点(0,0)とする。
超音波センサSAは、超音波を送信し、自車両OVの前方にある障害物BRから反射した反射波を直接波として受信する。超音波センサSAが超音波を送受信した結果、X−Y平面上では、超音波センサSAを中心とした円ACの円周上の一点に障害物BRが存在することが判る。
一方、超音波センサSBは、超音波センサSAが送信した超音波を障害物BRから反射した間接波として受信する。超音波センサSBが超音波を受信した結果、X−Y平面上では、超音波センサSAと超音波センサSBの各位置を焦点する楕円BCの楕円周上の一点に障害物が存在することが判る。
超音波センサSAで検知された円ACと超音波センサSBで検知された楕円BCとの交点を交点Aとし、自車両OVのフロントの中心Cを原点(0,0)として、交点AのX−Y座標(X,Y)を算出することで障害物BRの位置情報とする。これが開口合成処理による障害物位置の推定である。
開口合成処理を使用することで複数の障害物の位置を推定するので、背の低い障害物と背の高い障害物とが混在した場合でも、それぞれの位置を推定できる。
なお、さらに多くの超音波センサがあれば、得られる交点が増えるので、さらに正確な障害物座標を得ることができる。また、上記では自車両OVのフロントに超音波センサを設けた例を示したが、自車両OVのリアに超音波センサを設けることで、自車両OVの後方の障害物の位置を推定することができる。
領域設定部3は、壁および車両などの背の高い障害物と、車止めおよび縁石などの背の低い障害物をそれぞれ分別して検出するように車両からの距離領域によって設定された複数の検出可能領域と、設定された検出可能領域に応じて設けられた検出閾値を保持している。
図3は、領域設定部3で設定された検出可能領域の一例を示すテーブルである。図3においては、検出可能領域を車両に近い順に領域(a)、(b)、(c)とし、領域(a)では、柱は検出可能、壁および車両は検出可能、車止めおよび縁石は検出不可能としている。領域(b)では、柱は検出可能、壁および車両は検出可能、車止めおよび縁石は検出可能としている。また、領域(c)では、柱は検出不可能、壁および車両は検出可能、車止めおよび縁石は検出不可能としている。このような検出可能領域情報は障害物判定部4に入力され、検出閾値は測距部1に入力される。
ここで、領域設定および検出閾値の設定方法について図4を用いて説明する。図4においては、最上段には横軸を車両からの距離とし、縦軸を高さとした超音波の放射パターンEPを示し、中段には横軸を車両からの距離とし、縦軸を受信強度とした超音波センサでの受信強度特性を示し、最下段にX−Y平面上の検出可能領域を示している。
図4においては、図3と同様に車両に近い順に領域(a)、(b)、(c)が設定され、領域(a)は自車両OVのフロントの先端を原点として、X方向(車長方向)に0〜La(m)以内の領域として設定され、領域(b)はLa〜Lb(m)以内の領域として設定され、領域(c)はLb〜Lc(m)以内の領域として設定されている。なお、各領域のX方向の距離は0.5〜2m程度に設定され、また、各領域でのY方向(車幅方向)の距離は、車幅+2Ld(m)以内の領域として設定され、Ldは0.2〜0.6mに設定されるが、車幅方向と車長方向の距離の最大値は超音波センサの障害物の最大検出距離で決定される。これにより、車幅方向と車長方向に適切な検出可能領域を設定できる。
領域(a)、(b)、(c)は、壁(車両)、縁石および柱の受信強度特性をそれぞれA1、A2およびA3とした場合に、以下の条件を満たすように設定されている。
A1>A3>A2となる領域かつ壁(車両)と柱を検出できる領域を領域(a)と設定し、
A1>A2>A3となる領域かつ壁(車両)と縁石と柱を検出できる領域を領域(b)と設定し、
A1>A2>A3となる領域かつ壁(車両)のみを検出できる領域を領域(c)と設定する。
このような設定とするのは、超音波センサからの超音波の放射パターンにより、縁石、車止めなどの背の低い障害物の検出可能領域がLa〜Lb(m)以内の領域となるためである。すなわち、図4の最上段に示されるように、背の低い縁石CSは車両に近い領域(a)および車両から遠い領域(c)では超音波の照射を受けられないか、充分に受けられない場合があり、図4の中段に特性A2で示されるように、超音波センサでの受信強度が低くなって、検出精度が低くなるためである。
なお、壁および車両などの背が高く有効反射面積が大きな障害物は、車両から遠く離れていても超音波の受信強度が充分に得られるので領域(c)に設定される。また、電柱、バリカーなどの柱は、背は高いが、断面が円形であるので有効反射面積が小さく、図4の中段に特性A3で示されるように、車両からの距離が離れるにつれて超音波センサでの受信強度が急激に小さくなるので領域(a)に設定される。
また、図4には領域(a)、(b)および(c)において検出閾値hth1、hth2およびhth3が示されているが、それぞれは受信強度特性A1〜A3に基づいて以下の条件を満たすように設定される。
領域(a)の検出閾値hth1は、A3>hth1>A2となる値に設定され、
領域(b)の検出閾値hth2は、A2>hth2となる値に設定され、
領域(c)の検出閾値hth3は、A1>hth3>A2となる値に設定される。
上記条件に従い、図4の領域(a)においては特性A2とA3の交差部分から特性A3から延在するような直線で検出閾値hth1が設定され、領域(b)においては特性A3の下方の直線で検出閾値hth2が設定され、また、領域(c)においては特性A1の下方で、特性A2に沿うような直線で閾値hth3が設定されている。このように、検出閾値hth1〜hth3は、それぞれの領域で検出可能な障害物の受信強度に合わせて設定される。なお、図4に示される検出閾値hth1〜hth3は一例である。
なお、検出可能領域および検出閾値は、超音波センサの上向き角度および取り付け高さなど距離センサの取り付け状態に応じて設定されるので、任意に調整することが可能であり、また、距離センサの取り付け状態に応じて変更することは言うまでもない。
上記のようにして設定された検出閾値は、測距部1に与えられ、測距部1ではそれぞれの検出閾値に基づいて、障害物の種類、すなわち障害物が壁(車両)、縁石(車止め)および柱の何れであるかを特定する。例えば、検出閾値hth1以上の受信強度の反射波を検知した場合は柱または壁(車両)を検出したものとしてその距離を算出し、検出閾値hth2以上の受信強度の反射波を検知した場合は柱または壁(車両)または縁石(車止め)を検出したものとしてその距離を算出し、検出閾値hth3以上の受信強度の反射波を検知した場合は壁(車両)を検出したものとしてその距離を算出する。
障害物判定部4は、障害物位置推定部2から出力される障害物位置情報と、領域設定部3から出力される検出対象物の検出可能領域情報に基づいて、障害物がブレーキ制御の対象となる制御対象物であるか、ブレーキ制御の対象とならない非制御対象物であるかの判定を行い、その結果を制御対象物情報として出力する。
すなわち、障害物判定部4は、自車両が走行中、前方に障害物を検出した場合、その検出位置が領域(a)〜(c)の何れに該当するかを障害物位置情報に基づいて判定する。先に説明したように、障害物位置情報は障害物のX−Y座標(X,Y)で与えられ、領域(a)〜(c)の何れに該当するかは、以下のように車長方向のX座標で決定する。
0<X<Laの場合、障害物は領域(a)で検出されたものと判定し、
La<X<Lbの場合、障害物は領域(b)で検出されたものと判定し、
Lb<X<Lcの場合、障害物は領域(c)で検出されたものと判定する。
そして、障害物が領域(a)および領域(c)で検出された場合、背の高い障害物と判断し、ブレーキ制御の対象となる制御対象物とする。障害物が領域(b)で検出された場合、背の低い障害物の可能性があるので、ブレーキ制御の対象とならない非制御対象物とする。
しかし、上記のように領域(b)で検出された障害物を全て非制御対象物とすると、制御対象物とすべき壁および車両などの背の高い障害物までが非制御対象物となり、ブレーキ制御をすべき状況でも、ブレーキ制御がされないこととなる。そこで、障害物判定部4では、領域(b)でもブレーキ制御ができるように、障害物の連続性判定処理を行う。
障害物の連続性判定処理とは、領域(b)で今回検出した障害物が、領域(c)または領域(a)で前回検出した障害物と同一の障害物であるかどうかを判定する追跡処理(トラッキング)であり、前回検出した障害物と同一の障害物である場合には、背の高い障害物の可能性があるとしてブレーキ制御を行うので、領域(b)でも背の高い障害物に対する必要なブレーキ制御を実行させることができる。
すなわち、現在の障害物が領域(b)に存在する場合、過去に領域(c)に障害物が存在していたかどうか、すなわち領域(c)で検出されていたかどうかを判定する。もし、領域(b)にある障害物が過去に領域(c)にあった場合、現在の領域(b)の障害物は、背の低い障害物ではないものと判定し、制御対象物とする。また、現在の領域(b)の障害物が、過去に領域(a)に存在していた場合も制御対象物としても良い。背の低い障害物は領域(a)および(c)では検出されないからである。
ただし、領域(b)に存在する障害物を背の高い障害物と判定した場合は、未来において、誤って背の低い障害物と判定しないように、連続性判定処理を繰り返し、同一の障害物であることを追跡する。
連続性の判定には連続性判定条件を使用し、当該条件を満たさなければ、背の高い障害物ではないものと判定し、非制御対象物として扱う。一旦、非制御対象物になった障害物は、以後は領域(a)または領域(c)で検出しない限り、制御対象物になることはない。
連続性判定条件について図5を用いて説明する。図5においては自車両OVが速度Vで前進する場合を示しており、走行路上には今回検出した障害物CBと前回検出した障害物PBを示している。また、図5には前回検出した障害物PBの中心位置座標(X1,Y1)と、今回検出した障害物CBの中心位置座標(X2,Y2)を示している。また。今回検出した障害物CBのY方向の長さをα、前回検出した障害物PBのY方向の長さをβ、障害物が相対的にX方向に移動する距離のマージンをγとして示している。なお、障害物位置推定部2から出力される障害物位置情報には、上述した中心位置座標と、α、βなどの障害物のY方向の長さおよびマージンγが含まれている。障害物のY方向の長さは、例えば、2つ以上の受信センサを用いて予め設定された複数の基準平面において、受信センサが受信した2以上の反射波の信号を遅延加算することで2次元距離情報を得ることで取得できるが、当該方法は、再表2012/120583号公報などで公知であるので説明は省略する。
位置座標のサンプリング周期をΔt(sec)とした場合、車両状態検出部5から出力される車速を用いて、障害物との相対車速V(m/sec)を算出し、以下の連続性判定条件を用いてX座標およびY座標に対する連続性を判定する。
連続性判定条件は、以下の数式(1)、(2)、(3)および(4)によって表され、数式(1)と、数式(2)〜(4)の何れか成立する場合のみ連続性があるものと判定する。
|V×Δt−γ|<|X1−X2|<|V×Δt+γ| ・・・(1)
|Y1−α/2|<|Y2−β/2|<|Y1+α/2| ・・・(2)
|Y1−α/2|<|Y2+β/2|<|Y1+α/2| ・・・(3)
|Y2−β/2|<|Y1−α/2|かつ|Y1+α/2|<|Y2+β/2|・・・(4)
数式(1)は、障害物が相対的にX方向に移動することを条件付ける数式であり、数式(2)は、今回検出した障害物CBがY方向上側にずれた場合に、前回検出した障害物PBと同一であると判定するためのずれの範囲を設定する数式であり、数式(3)は、今回検出した障害物CBがY方向下側にずれた場合に、前回検出した障害物PBと同一であると判定するためのずれの範囲を設定する数式である。また、数式(4)は、今回検出した障害物CBがY方向の上下に大きくなった場合に、前回検出した障害物PBと同一であると判定するための変化の範囲を設定する数式である。
このような判定条件を用いることで、現在の障害物が、過去の障害物に対して車幅方向の左右に規定の範囲内でずれた場合、および車幅方向の左右に規定の範囲内で大きくなった場合には、同じ障害物であると判定でき、車両の進行に伴い、障害物に対する車両の角度が変わり、見かけ上障害物が移動したり変化したりするような場合でも、連続性を判定することができる。
また、領域設定部3では、図3に示されるように、領域(b)では柱などの背の高い障害物も検出できるようにしたので、上述した連続性判定条件を用いることで、障害物判定部4は、領域(b)で検出した障害物が領域(a)でも検出された場合には、即座に背の高い障害物であるとして制御対象物とし、障害物衝突判定部7に知らせることができる。
図6は、障害物の連続性判定処理に基づく、制御対象の判定結果を示すテーブルである。図6においては、障害物推定位置が領域(a)〜(c)である場合について、それぞれ、領域の連続性、障害物の連続性および制御対象の判定結果を示している。
領域の連続性の項目は、障害物の連続性を判定する領域であるか否かを示しており、領域(c)および領域(a)は、障害物の連続性の判定対象ではないので対象外となっており、領域(b)のみが対象となっている。また、領域(b)では、障害物の連続性判定処理を行う場合(あり)と、行わない場合(無し)を示している。
障害物の連続性の項目は、障害物の連続性の判定結果を示しており、障害物の連続性があると判定される場合(○)と、障害物の連続性がないと判定される場合(×)とを示している。
制御対象の判定結果の項目は、障害物が制御対象物であるか非制御対象物であるかを示しており、障害物の連続性の判定対象ではない領域(c)および領域(a)で検出された障害物は全て制御対象物となっている。領域(b)では、領域の連続性判定が不成立の場合は領域(b)で検出された障害物は全て非制御対象物となり、領域の連続性判定が成立した場合であって、障害物の連続性があると判定される場合は制御対象物となり、障害物の連続性がないと判定される場合は非制御対象物となっている。
車両状態検出部5は、車両に備えられた複数のセンサにより車両状態量を出力する。車両状態量としては、ステアリング角センサから得られる車両のハンドルの回転角であるハンドル角と、車輪速センサから得られる車両の鉛直方向の回転角速度であるヨーレートとタイヤの回転速である車輪速、車輪速パルス等が挙げられる。
移動軌跡演算部6は、車両状態検出部5から出力される車両状態量に基づいて自車両の走行経路を算出し、移動軌跡情報として出力する。自車両の走行経路の算出には、車両状態検出部5から出力されるヨーレートと車輪速情報とハンドル角(操舵角)情報を用いる。これにより、比較的容易な演算により走行経路を算出できる。
自車両の旋回中における走行経路はハンドル角情報または車輪速センサ情報により内輪と外輪の旋回半径を計算する。ハンドル角による内輪(または外輪)の旋回半径Rは以下の数式(5)で表される。
R=a1×θ(D)・・・(5)
上記数式(5)において、a1は変換係数であり、θ(D)は操舵角である。
車輪速センサ情報による旋回半径Rは以下の数式(6)、(7)で表される。
R=a2×θ(L)・・・(6)
θ(L)=tan−1(LL−LR)/W ・・・・(7)
上記数式(6)、(7)において、a2は変換係数であり、LLは左後輪の車輪速、LRは右後輪の車輪速、Wはリアトレッドである。また、θ(L)はヨーレート情報を用いても良い。
障害物衝突判定部7は、移動軌跡演算部6から出力される車両の移動軌跡情報と、障害物判定部4から出力される制御対象物情報および障害物位置情報に基づいて、実際に障害物と衝突する可能性があるかを判定し、衝突する可能性がある場合はブレーキ制御命令を出力する。
障害物と衝突する可能性の判断方法の1つとしては、以下の方法が挙げられる。すなわち、障害物判定部4から出力される制御対象物の位置情報(X,Y)を用いて障害物までの距離Xaを求め、距離Xaと自車両の車両速度を用いて障害物との相対速度Vを算出する。そして、以下の数式(8)を用いて衝突時間TTC(sec)を算出する。
TTC=Xa/V・・・(8)
予め、衝突を回避できる閾値の時間をTTCth(sec)として設定しておき、TTCth>Xa/Vとなった場合は衝突の可能性ありと判定する。
TTCthの設定には、測距部1の検出の応答性、CAN(Controller Area Network)などの車両内ネットワークの通信遅れ、またはブレーキの応答遅れを考慮しても良い。
障害物と衝突する可能性のもう1つの判断方法としては、障害物判定部4から出力される障害物位置情報と移動軌跡演算部6から出力される移動軌跡情報に基づいて、障害物との衝突の可能性を推測する方法が挙げられる。すなわち、移動軌跡演算部6から出力される移動軌跡情報は自車両の走行経路を含んでおり、その走行経路上に障害物が存在するか否かで衝突の可能性を判断する。
図7は、走行経路上に障害物が存在する場合の衝突の可能性の判断を説明する図であり、自車両OVの走行経路TRがカーブしている例を示しており、自車両OVの前方には障害物B1およびB2が近接して存在している。障害物B1は走行経路TR上に存在するので、障害物衝突判定部7は障害物B1を衝突の可能性がある障害物と判断するが、障害物B2は走行経路TR上から外れた位置に存在するので、障害物衝突判定部7は障害物B1を衝突の可能性がない障害物と判断する。このように、障害物位置情報と移動軌跡情報に基づいて、障害物との衝突の可能性を推測することで、衝突の可能性をより正確に判断することができる。なお、走行経路上に障害物が存在する場合でも、当該障害物が非制御対象物である場合には、障害物衝突判定部7は障害物と衝突する可能性はないと判定し、ブレーキ制御命令は出力しない。
ブレーキ制御部8は、障害物衝突判定部7から出力されるブレーキ制御命令に基づいてブレーキ制御を実施する。
障害物衝突判定部7は、ブレーキ制御部8によるブレーキ制御の実施中に、自車両の速度を規定車速まで減速させた後、衝突する可能性がなくなったと判断した場合は、ブレーキ制御命令の出力を中断する。
障害物衝突判定部7は、ブレーキ制御の実施中は、自車両の速度Vaが規定車速Vthまで減速することを監視する。Va≦Vthとなった後は、最近接の障害物が領域(a)〜(c)の何れに存在するか否かによって、最終的にブレーキ制御を継続するか否かを判断し、例えば、最近接の障害物が領域(a)に存在する場合のみブレーキ制御を継続する。なお、規定車速Vthは15km/h以下などの、極めて低い速度に設定される。
ブレーキ制御の実施中の監視は、自車両の速度の監視ではなく、移動距離を計算することで減速を判定しても良い。障害物衝突判定部7は、制御対象物にブレーキ制御を指示した時点の障害物と自車両との距離Xaから自車両が領域(a)に到達するまでの移動距離Xbを計算する。算出した移動距離Xbに達した場合に障害物が領域(a)に存在する場合のみブレーキ制御を継続する。自車両の移動距離は、車両状態検出部5から出力される車輪速パルスを用いて計算することができる。また、ブレーキ制御の実施中の監視は、自車両と障害物と相対速度で判定しても良い。
以上説明した衝突回避装置100の主たる構成はコンピュータを用いて構成することができ、これらの各構成はコンピュータがプログラムを実行することで実現される。すなわち、図1に示した衝突回避装置100の測距部1、障害物位置推定部2、領域設定部3、障害物判定部4、車両状態検出部5、移動軌跡演算部6、障害物衝突判定部7およびブレーキ制御部8は、例えば図8に示す処理回路10により実現される。処理回路10には、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサが適用され、記憶装置に格納されるプログラムを実行することで上記各構成の機能が実現される。
なお、処理回路10には、専用のハードウェアが適用されても良い。処理回路10が専用のハードウェアである場合、処理回路10は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはこれらを組み合わせたものなどが該当する。
また、図9には、図1に示した衝突回避装置100の各構成(測距部1、障害物位置推定部2、領域設定部3、障害物判定部4、車両状態検出部5、移動軌跡演算部6、障害物衝突判定部7およびブレーキ制御部8)がプロセッサを用いて構成されている場合におけるハードウェア構成を示している。この場合、衝突回避装置100の各構成の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ12に格納される。処理回路10として機能するプロセッサ11は、メモリ12(記憶装置)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
<動作>
次に、図10に示すフローチャートを用いて、図1を参照しつつ、衝突回避装置100における障害物の判定処理の一例について説明する。
領域設定部3で保持する検出閾値は、イグニッションスイッチがオンされると同時に測距部1に設定され、設定完了後、車両の前方または後方またはその両方に超音波センサSSから超音波の送信を開始する。超音波の送信開始後は、規定周期ごとに超音波を送信し、また、受信処理を行い、測距部1において障害物距離情報と障害物位置情報を検出する。ステップS1〜S5では、検出閾値を設定してから障害物位置を推定するまでの処理を表している。
まず、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)またはROM(read only memory)で構成される領域設定部3に保持される距離ごとの検出閾値情報を読み出し、この情報を測距部1内のRAM(random access memory)等の記憶装置に設定する(ステップS1)。ここでは、領域(b)内でのみ背の低い障害物が検出可能で、領域(a)および(b)内では検出不可能となるように設定する。また、壁および車両等の障害物は領域(a)〜(c)の全てで検出可能とし、柱等の障害物は領域(a)および(b)で検出可能とする設定をする。
ステップS1で検出閾値を設定した後は、領域設定部3に保持される図3を用いて説明したような障害物の検出可能領域情報を障害物判定部4に入力する(ステップS2)。
ステップS2で障害物の検出可能領域情報を障害物判定部4に入力した後は、測距部1が超音波センサSSを制御して超音波の送受信を開始し(ステップS3)、車両周辺の障害物の監視を開始する。設定された検出閾値に対して車両周辺の障害物からの反射波の受信強度が大きい場合、障害物ありと判定する。測距部1は2つ以上の超音波センサSSを制御し、それぞれの超音波センサSSはそれぞれ決められた順番に動作する。
測距部1において障害物ありと判定した場合、障害物距離情報を計算する(ステップS4)。障害物までの距離xは、超音波を送信してから超音波を受信するまでの時間t(sec)と音速Vcを用いて、x=Vc×t/2として計算し、障害物距離情報あり(Yes)としてステップS5に進む。
測距部1は、2つ以上の超音波センサを制御するので、1つの超音波センサを送信センサとして得られる距離情報は2つ以上得ることができる。2つ以上の超音波センサを順番に駆動し、各々の超音波センサがすべて送信終了した周期を1サイクルと規定する。この規定された1サイクル分の検出した距離情報を保持する。再度、2サイクル目では、前回得られたデータを今回得られたデータに更新する。各々の超音波センサは、20〜60msec毎に駆動し、それは位置座標のサンプリング周期Δtに相当する。
測距部1において障害物を検出しない場合は、障害物距離情報は算出されないので、障害物距離情報なし(No)としてステップS3以下の処理を繰り返す。
障害物位置推定部2では、測距部1から出力される複数の障害物距離情報に開口合成処理を行い、障害物位置を推定する(ステップS5)。障害物位置を推定した場合は、障害物位置情報あり(Yes)としてステップS6に進む。一方、何らかの理由で障害物位置を推定できなかった場合は、障害物位置情報なし(No)としてステップS3以下の処理を繰り返す。
ステップS6〜S13の処理は、障害物が領域(a)〜(c)のどの領域に存在するかを判定し、障害物が領域(b)に存在する場合は連続性判定処理により制御対象物を判定する処理を表している。
ステップS6〜S8では、障害物位置判定部2で推定された障害物位置と領域設定部3から入力される障害物の検知可能領域情報に基づいて障害物判定部4において、障害物が領域(a)〜(c)のどの領域に存在するかを判定する処理である。
すなわち、ステップS6においては、先に説明したように、障害物のX座標が0<X<Laの場合、障害物は領域(a)にあり(Yes)と判定してステップS12に進み、障害物が領域(a)にはないと判定する場合(No)はステップS7に進む。
ステップS7においては、先に説明したように、障害物のX座標がLb<X<Lcの場合、障害物は領域(c)にあり(Yes)と判定してステップS12に進み、障害物が領域(c)にはないと判定する場合(No)はステップS8に進む。
ステップS8においては、先に説明したように、障害物のX座標がLa<X<Lbの場合、障害物は領域(b)にあり(Yes)と判定してステップS9に進み、障害物が領域(c)にはないと判定する場合(No)はステップS3以下の処理を繰り返す。
ステップS9〜S11は、障害物が領域(b)に存在する場合の障害物判定部4における連続性判定処理であり、前回検出、すなわち規定の1サイクル前に検出した障害物の中心位置座標(X1,Y1)をRAM等の記憶装置から読み出す(ステップS9)。なお、過去の障害物位置情報を格納するRAM等の記憶装置は、障害物判定部4に内蔵されていても良いし、衝突回避装置100内の共通の記憶装置としても良い。
障害物判定部4は、今回検出した障害物の中心位置座標(X2,Y2)と、前回検出された障害物の中心位置座標(X1,Y1)とを比較し、先に説明した連続性判定条件に基づいて、連続性が成立しているかを判定する(ステップS10)。
そして、ステップS10で連続性が成立していると判定する場合(Yes)はステップS11に進み、連続性が成立していないと判定する場合(No)はステップS3以下の処理を繰り返す。
ステップS11では、前回検出された障害物の領域情報と、今回検出した障害物の領域情報とを比較し、連続性が成立している領域間を判定する。例えば、前回検出された障害物が領域(c)にあった場合(Yes)、障害物が領域(c)から相対的に移動してきたものとみなし、ステップS12に進む。障害物が領域(c)から移動してきた場合は、図6を用いて説明したように障害物の連続性を判定する領域であるものと判定する。現在の領域(b)にある障害物が過去に領域(c)にあったと判定される場合、現在の領域(b)の障害物は、背の低い障害物ではないものと判定し、ステップS12で制御対象物とする。なお、前回検出された障害物が領域(c)になかった場合(No)はステップS3以下の処理を繰り返す。
また、前回検出された障害物が領域(b)にあった場合は、背の低い障害物の可能性があるものと判断し、非制御対象物とするようにしても良い。なお、ステップS11では前回検出された障害物が領域(c)にあったか否かを判定したが、前回検出された障害物が領域(a)にあったか否かを判定しても良い。現在の領域(b)の障害物が、過去に領域(a)に存在していた場合は制御対象物とする。
障害物判定部4は、検出した障害物が領域(a)または領域(c)に存在する場合、または過去に領域(c)に存在した場合は背の高い障害物と判定し、制御対象物として障害物衝突判定部7に出力する(ステップS12)。一方、検出した障害物が領域(b)に存在する場合、または過去に領域(c)に存在して領域(b)に移動してきた場合でも、連続性が不成立なら、背の低い障害物と判定し、非制御対象物として障害物衝突判定部7に出力する。
障害物判定部4は、今回検知した障害物の位置情報と、その障害物の領域情報をRAM等の記憶装置に格納する(ステップS13)。
上述した障害物の判定処理は、ブレーキ制御動作に関わらずに処理されるものであり、ステップSイグニッションスイッチをオフしない限りは、ステップS3〜S13のフローを繰り返すこととなる。
次に、図11に示すフローチャートを用いて、図1を参照しつつ、障害物衝突判定部7における障害物衝突判定処理の一例を説明する。
障害物衝突判定部7は、障害物判定部4から出力される制御対象物情報および障害物位置情報に基づいて制御対象物の有無を判断し、車両状態検出部5から出力される車両状態検出量と移動軌跡演算部6から出力される自車両の走行経路に基づいて、障害物と衝突する可能性があるかを判断し、衝突する可能性がある場合はブレーキ制御命令を出力する。ステップS21〜S24は、衝突の可能性の判定処理を表している。
障害物衝突判定部7は、障害物判定部4から出力される制御対象物情報に基づいて、制御対象物であるかを判定する(ステップS21)。ステップS21において、制御対象物であると判定された場合(Yes)はステップS22に進み、そうでない場合(No)は障害物衝突判定処理を終了する。
また、障害物衝突判定部7は、障害物判定部4から出力される障害物位置情報と移動軌跡演算部6から出力される移動軌跡情報に基づいて、自車両の走行経路上に障害物があるか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、自車両の走行経路上に障害物があると判定された場合(Yes)はステップS23に進み、自車両の走行経路上に障害物がないと判定された場合(No)は障害物衝突判定処理を終了する。
障害物衝突判定部7は、先に説明したように、車両状態検出部5から出力される自車両の速度情報と障害物判定部4から出力される障害物位置情報に基づいて、数式(8)を用いて衝突時間TTCを算出する。衝突時間TTCが、衝突を回避できる閾値時間TTCth未満の場合は(Yes)、衝突の可能性があると判定してステップS24に進み、ブレーキ制御命令の出力を開始する。衝突時間TTCが、衝突を回避できる閾値時間TTCth以上の場合(No)は、障害物衝突判定処理を終了する。
ステップS25〜S28は、自車両の速度の監視処理を表しており、障害物衝突判定部7は、ブレーキ制御の実施中は自車両の速度Vaを監視し(ステップS25)、自車両の速度Vaが規定車速Vth以下になった場合は(Yes)、ステップS26に進み、そうでない場合は(No)、ブレーキ制御命令を出力し続ける。
Va≦Vthとなった後は、最近接の障害物が領域(a)〜(c)に存在するか否かによって、最終的にブレーキ制御を継続するか否かを判断し(ステップS26)、領域(a)に存在する場合は(Yes)、背の高い障害物であると判断されるのでブレーキ制御命令を出力し続け、ブレーキ制御を継続する(ステップS27)。一方、最近接の障害物が領域(a)に存在しない場合は(No)、衝突する可能性がないと判断されるので、ブレーキ制御命令の出力を中断し、ブレーキ制御を停止する(ステップS28)。
以上説明したように本実施の形態の衝突回避装置100によれば、検出した障害物の種類を距離領域および検出閾値を用いて分別し、かつ障害物の連続性を判定することで、検出した障害物が背の低い障害物であるか否かを認識できるので、駐車時に車止めでブレーキ制御したり、低い段差を乗り越える際にブレーキ制御したりする状況が発生することはない。
障害物の検出可能領域の設定においては、背の低い障害物を検出できる領域(b)の検出閾値は、柱のような、背は高いが有効反射面積が小さい障害物も検出できるように設定したので、領域(b)で検出した障害物が領域(a)でも検出された場合には、即座に制御対象物と認識し、ブレーキ制御を指令できる。
また、障害物位置推定には、開口合成処理を使用することで複数の障害物を特定できるようにしたので、背の低い障害物とその後方にある背の高い障害物が混在した場合でも、背の低い障害物は非制御対象物とし、背の高い障害物は制御対象物として認識できる。
また、ブレーキ制御中に自車両の速度と障害物領域情報に基づいて、障害物と衝突する可能性がないと判断される場合にはブレーキ制御を中断するようにしたので、ユーザーにとって意図しない動作でブレーキ制御が作動した場合でも車両が停止することはなく、前方または後方に走行できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 測距部、2 障害物位置推定部、4 障害物判定部、6 移動軌跡演算部、7 障害物衝突判定部、SS 距離センサ。
本発明に係る衝突回避装置は、車両に取り付けた複数の距離センサの受信情報に基づいて障害物までの距離を算出し、障害物距離情報として出力する測距部と、前記測距部から出力される前記障害物距離情報に開口合成処理を行って前記障害物の位置を推定し、障害物位置情報として出力する障害物位置推定部と、前記障害物位置推定部から出力される前記障害物位置情報と、前記障害物を分別して検出するように前記車両からの距離領域によって設定された複数の検出可能領域に基づいて、前記障害物がブレーキ制御の対象となる制御対象物であるか、ブレーキ制御の対象とならない非制御対象物であるかの判定を行い、その結果を制御対象物情報として出力する障害物判定部と、前記障害物位置推定部から出力される前記障害物位置情報と、前記障害物判定部から出力される前記制御対象物情報とに基づいて、前記車両が前記障害物と衝突する可能性があるかを判定し、衝突する可能性がある場合はブレーキ制御命令を出力する障害物衝突判定部と、を備え、前記測距部は、前記複数の検出可能領域ごとに設定された検出閾値に基づいて前記障害物の有無を判定し、前記障害物があると判定された場合に前記障害物までの距離を算出し、前記複数の検出可能領域は、前記車両の車長方向の先端を原点として、前記車両の進行方向の領域を前記複数の距離センサの車長方向の最大検出距離内で複数の領域に分割し、前記複数の距離センサの受信強度特性と前記検出閾値に基づいて、各領域で検出可能な障害物を割り付けることで設定される。

Claims (9)

  1. 車両に取り付けた複数の距離センサの受信情報に基づいて障害物までの距離を算出し、障害物距離情報として出力する測距部と、
    前記測距部から出力される前記障害物距離情報に開口合成処理を行って前記障害物の位置を推定し、障害物位置情報として出力する障害物位置推定部と、
    前記障害物位置推定部から出力される前記障害物位置情報と、前記障害物を分別して検出するように前記車両からの距離領域によって設定された複数の検出可能領域に基づいて、前記障害物がブレーキ制御の対象となる制御対象物であるか、ブレーキ制御の対象とならない非制御対象物であるかの判定を行い、その結果を制御対象物情報として出力する障害物判定部と、
    前記障害物位置推定部から出力される前記障害物位置情報と、前記障害物判定部から出力される前記制御対象物情報とに基づいて、前記車両が前記障害物と衝突する可能性があるかを判定し、衝突する可能性がある場合はブレーキ制御命令を出力する障害物衝突判定部と、を備え、
    前記測距部は、
    前記複数の検出可能領域ごとに設定された検出閾値に基づいて前記障害物の有無を判定し、前記障害物があると判定された場合に前記障害物までの距離を算出する、衝突回避装置。
  2. 前記複数の検出可能領域は、
    前記車両の車長方向の先端を原点として、前記車両の進行方向の領域を前記複数の距離センサの車長方向の最大検出距離内で複数の領域に分割し、前記複数の距離センサの受信強度特性と前記検出閾値に基づいて、各領域で検出可能な障害物を割り付けることで設定される、請求項1記載の衝突回避装置。
  3. 前記複数の検出可能領域の車幅方向の領域は、車幅に前記複数の距離センサの車幅方向の最大検出距離内となる一定距離を加えた領域として設定される、請求項2記載の衝突回避装置。
  4. 前記車両の車両状態量に基づいて走行経路を算出し、移動軌跡情報として出力する移動軌跡演算部を備え、
    前記走行経路の算出には、前記車両状態量に含まれるヨーレート、車輪速情報およびハンドル角情報を使用し、
    前記障害物衝突判定部は、
    前記移動軌跡演算部から出力される前記走行経路上における前記障害物の有無を前記車両と前記障害物との衝突の可能性の判定に使用する、請求項1記載の衝突回避装置。
  5. 前記障害物判定部は、
    過去の障害物位置情報と現在の障害物位置情報に基づいて、現在の障害物と過去の障害物が連続して検出された同じ障害物であるか否かを判定し、
    同じ障害物である場合は前記制御対象物と判定し、同じ障害物ではない場合は前記非制御対象物と判定する、請求項1記載の衝突回避装置。
  6. 前記障害物判定部は、
    現在の障害物が、過去の障害物に対して車幅方向の左右に規定の範囲内でずれた場合、および車幅方向の左右に規定の範囲内で大きくなった場合には、同じ障害物であると判定する、請求項5記載の衝突回避装置。
  7. 前記障害物衝突判定部は、
    前記ブレーキ制御命令を出力中に前記車両の速度を監視し、
    前記車両の速度と前記障害物位置推定部から出力される前記障害物位置情報とに基づいて、前記ブレーキ制御命令の出力を中断する、請求項1記載の衝突回避装置。
  8. 前記制御対象物は、壁、車両および柱を含み、
    前記非制御対象物は、車止めおよび縁石を含む、請求項1記載の衝突回避装置。
  9. 前記複数の検出可能領域および前記検出閾値は、前記複数の距離センサの取り付け状態に基づいて設定される、請求項1記載の衝突回避装置。
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