JP2018538249A - 好酸球性疾患における好酸球標的化治療薬に対する臨床応答の予測変数としてのジペプチジルペプチダーゼ−4およびペリオスチン - Google Patents
好酸球性疾患における好酸球標的化治療薬に対する臨床応答の予測変数としてのジペプチジルペプチダーゼ−4およびペリオスチン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018538249A JP2018538249A JP2018521654A JP2018521654A JP2018538249A JP 2018538249 A JP2018538249 A JP 2018538249A JP 2018521654 A JP2018521654 A JP 2018521654A JP 2018521654 A JP2018521654 A JP 2018521654A JP 2018538249 A JP2018538249 A JP 2018538249A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dpp4
- patient
- postn
- eosinophil
- level
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
- C07K16/18—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
- C07K16/28—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
- C07K16/2866—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against receptors for cytokines, lymphokines, interferons
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P11/00—Drugs for disorders of the respiratory system
- A61P11/06—Antiasthmatics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P29/00—Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/02—Immunomodulators
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/08—Antiallergic agents
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/573—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for enzymes or isoenzymes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/505—Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/545—Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the dose, timing or administration schedule
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/55—Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the host/recipient, e.g. newborn with maternal antibodies
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2317/00—Immunoglobulins specific features
- C07K2317/70—Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
- C07K2317/76—Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/435—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
- G01N2333/705—Assays involving receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
- G01N2333/70596—Molecules with a "CD"-designation not provided for elsewhere in G01N2333/705
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2800/00—Detection or diagnosis of diseases
- G01N2800/52—Predicting or monitoring the response to treatment, e.g. for selection of therapy based on assay results in personalised medicine; Prognosis
Abstract
本開示は、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4/CD26)およびペリオスチン(POSTN)のタンパク質および/または遺伝子発現レベルの、好酸球性疾患または障害、例えば中等度から重度の喘息に対する末梢バイオマーカーとしての使用に関する。所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルを上回るかまたは下回るDPP4および/またはPOSTNのレベルは、例えば、(i)IL−5R拮抗剤、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる特定の治療に対する患者の適格性を判定するため、(ii)特異的なIL−5R拮抗剤を用いる好酸球性疾患または障害の特定の治療が開始されるべきか、中止されるべきか、または改良されるべきかを判定するため、(iii)好酸球性疾患または障害が特異的なIL−5R拮抗剤を用いて治療可能であるかまたは治療可能でないかを診断するため、(iv)特異的なIL−5R拮抗剤を用いた好酸球性疾患または障害の治療の転帰を予測するためなどに用いられ得る。【選択図】なし
Description
電子的に提出された配列表の参照
本願とともに出願されたASCIIテキストファイル(名称:DPP4_sequence listing_ST25_ascii.txt、サイズ:52,739バイト、および作成日:2015年11月4日)で電子的に提出された配列表の内容は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
技術分野
本発明は、タイトルに関する。
本願とともに出願されたASCIIテキストファイル(名称:DPP4_sequence listing_ST25_ascii.txt、サイズ:52,739バイト、および作成日:2015年11月4日)で電子的に提出された配列表の内容は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
技術分野
本発明は、タイトルに関する。
好酸球は、アレルギー性疾患を含む様々な疾患に関与し、慢性気管支喘息およびアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の罹患を招くうえで重要な役割を担うと考えられている。Adv.Immunol.,39,177(1986)、Immunol.Today,13,501(1992)]。上記疾患に加えて、好酸球はまた、一般に過好酸性症候群(HES)と称される疾患、例えば好酸球増多症、好酸球性胃腸炎、好酸球性白血病、好酸球性肉芽腫および木村病に関与する。Ann.Intern.Med.,97,78(1982)。
気管支喘息は、気道過敏性、粘液過剰産生、線維症、および血清IgEレベルの上昇によって特徴付けられる肺の一般的な持続性炎症性疾患である。気道過敏性(AHR)は、冷気などの非特異的刺激に対する気道の過剰収縮(exaggerated constriction)である。AHRと粘液過剰産生との両方が、喘息発作(増悪)を特徴とする息切れをもたらし、またこの疾患に伴う死亡率に関与する、可変性の気道閉塞に関与すると考えられる。
現行の英国胸部学会(British Thoracic Society)(BTS)および国際喘息ガイドライン(Global Initiative for Asthma)(GINA)の指針は、喘息の治療に向けての段階的手法を示唆する(Society,B.T.,Thorax,2003.58 Suppl 1:1−94;GINA,Global Stratedy for Asthma Management and Prevention,2002,National Institute of Health)。軽度から中等度喘息は、通常、β刺激薬またはロイコトリエン阻害剤と組み合わされた吸入コルチコステロイドの使用によって制御され得る。しかし、記録されたコルチコステロイドの副作用に起因し、患者は治療計画に従わない傾向があり、それは治療の有効性を低減する(Milgrom,H.et al.Ann Allergy Asthma Immunol,2002.88:429−31;Fish,L.and C.L.Lung,Ann Allergy Asthma Immunol,2001.86:24−30;Bender,B.G.J.Allergy Clin.Immunol,2002.109:S554−9)。喘息は、様々な治療に応答して有意な異質性を呈し、それにより、この疾患に対するより有効な治療法を開発する、または具体的な治療法に対する応答を予測するバイオマーカーを同定するという必要性が強調される。
用語「精密医療」、「個別化医療」または「標的化治療」は、多様な分子および臨床的特徴の集合、例えば喘息を有する患者亜群に治療法を適合させる努力を説明するのに交換可能に用いられることが多い。喘息の現行治療は、気管支拡張薬と組み合わせた吸入および経口コルチコステロイドによって支配される。大部分の患者において非常に有効であるが、喘息を有する患者の約10〜20%が現行の標準治療によってコントロール不良状態のままである(Bousquet et al.,Allergy Clin Immunol 126,926−938(2010))。最近、分子バイオマーカーを伴う、喘息「エンドタイプ」と称される臨床表現型と関連して、「オミクス」手法を用いる新規のバイオマーカーの発見を通じて多大な進歩がなされている(Anderson,Lancet 372,1107−1119(2008);Lotvall et al.J Allergy Clin Immunol 127,355−360(2011);Wenzel,Pulm Pharmacol Ther 26,710−715(2013))。
場合により、これらのバイオマーカーは、治療応答の有用な予測変数である。例えば、増加したIgE、好酸球性炎症または喘息におけるインターロイキン(IL)−13活性に対する代理マーカーとしての高レベルのペリオスチンを有する患者は、免疫グロブリンE(Di Domenico et al.,Inflamm Allergy Drug Targets 10,2−12(2011))、IL−5/IL−5Rα(Castro et al.,Lancet Respir Med 3,355−366(2015))、またはIL−13/IL−4Rα(Wenzel,Pulm Pharmacol Ther 26,710−715(2013))を各々標的化するモノクローナル抗体に優先的に応答する。しかし、コントロール不良状態のままである喘息を有する患者に適合した新しい治療の開発を可能にする、治療による経時的なエンドタイプの動的変化、臨床表現型および最終的には新たなエンドタイプの発見との関連に対するより十分な理解が要求される(Holgate et al.,Nat Rev Drug Discov 14,367−368(2015))。
本開示は、好酸球性疾患または障害の治療を、それを必要とする患者において行う方法であって、患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより低いまたは減少したジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)および/またはペリオスチン(POSTN)レベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬を患者に投与するステップを含む、方法を提供する。
さらに提供されるのは、好酸球性疾患または障害を有する患者を治療する方法であって、患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより高いまたは増加したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬の患者への投与を中止するかまたは開始しないステップを含む、方法である。
本開示はまた、好酸球性疾患または障害の治療を、治療薬を用いる治療に対して奏功しなかったか、非応答性であったか、または不耐性であった、それを必要とする患者において行う方法であって、患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬を患者に投与するステップを含む、方法を提供する。
さらに提供されるのは、好酸球性疾患または障害を有する患者を好酸球標的化治療薬で治療するべきか否かを判定する方法であって、患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、患者を治療することを決定するステップを含む、方法である。
本開示はまた、好酸球性疾患または障害と診断された患者を、好酸球標的化治療薬を用いる治療の候補として選択する方法であって、患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、患者を治療のために選択するステップを含む、方法を提供する。
一部の態様では、上で開示される方法は、患者から得られる試料の1つ以上におけるDPP4および/もしくはPOSTNのレベルを測定するか、もしくは試料中のDPP4および/もしくはPOSTNのレベルを測定するように臨床検査室もしくは医療提供者に指示するステップ、および/または試料中のDPP4および/もしくはPOSTNのレベルを測定するために、患者から得られる1つ以上の試料を臨床検査室もしくは医療提供者に提出するステップをさらに含む。一部の態様では、上で開示される方法は、患者から得られる1つ以上の試料中のDPP4および/またはPOSTNのレベルを判定するステップをさらに含む。一部の態様では、上で開示される方法は、
(a)患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬を患者に投与するか、または
(b)患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより高いまたは増加したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬の患者への投与を中止するか、開始しないか、または拒否する
ように医療提供者に助言するステップをさらに含む。一部の態様では、患者は、上昇した血液好酸球を有する。
(a)患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬を患者に投与するか、または
(b)患者が、患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより高いまたは増加したDPP4および/またはPOSTNレベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬の患者への投与を中止するか、開始しないか、または拒否する
ように医療提供者に助言するステップをさらに含む。一部の態様では、患者は、上昇した血液好酸球を有する。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片である。一部の態様では、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、IL−5またはIL−5Rに特異的に結合する。一部の態様では、IL−5に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、メポリズマブ、レスリズマブ、またはその抗原結合断片である。
一部の態様では、IL−5Rに特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、IL−5Rのαサブユニット(配列番号4)に特異的に結合する。一部の態様では、IL−5Rのαサブユニットに特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、ベンラリズマブ(MEDI−563)またはその抗原結合断片である。一部の態様では、IL−5Rのαサブユニットに特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12を含むか、配列番号12からなるか、もしくは本質的に配列番号12からなる重鎖可変領域(VH)、および/または配列番号13を含むか、配列番号13からなるか、もしくは本質的に配列番号13からなる軽鎖可変領域(VL)を含む。
一部の態様では、IL−5Rのαサブユニットに特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、配列番号14〜16から選択される1つ、2つ、もしくは3つの相補性決定領域、および/または配列番号17〜19から選択される1つ、2つ、もしくは3つの相補性決定領域を含む。一部の態様では、IL−5Rのαサブユニットに特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、配列番号14〜19から選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの相補性決定領域を含む。
一部の態様では、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、メポリズマブ、レスリズマブ、もしくはベンラリズマブと同じエピトープに結合するか、またはメポリズマブ、レスリズマブ、もしくはベンラリズマブのそれらの各々の標的エピトープへの結合を競合的に阻害する。一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、メポリズマブ、レスリズマブ、もしくはベンラリズマブ、またはその抗原結合断片を含む融合タンパク質または複合体である。一部の態様では、融合タンパク質または複合体は、少なくとも1つの異種治療部分および/または半減期増強部分を含む。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、ポリヌクレオチドである。一部の態様では、ポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAである。一部の態様では、ポリヌクレオチドは、(i)mRNAもしくはその組み合わせ、または(ii)アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはその組み合わせである。一部の態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその組み合わせは、ASM8、PXS1100、またはPXS2200である。一部の態様では、ポリヌクレオチドは、少なくともヌクレオチド類似体を含む。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、一定用量で投与される。一部の態様では、一定用量は1〜1,000mg/用量である。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、2回以上の用量で投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、毎週、隔週または毎月投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、約2mg〜約100mg/用量で投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、約20mg/用量、約30mg/用量、または約100mg/用量で投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、4週ごとに1回〜12週ごとに1回投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、4週ごとに1回投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、8週ごとに1回投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、4週ごとに1回で12週間、次いで8週ごとに1回投与される。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、経口的に、吸入により、静脈内に、筋肉内に、皮下に、またはそれらの組み合わせで投与される。
一部の態様では、好酸球性疾患または障害は、肺疾患または障害である。一部の態様では、肺疾患または障害は、喘息またはCOPDである。一部の態様では、喘息は、アレルギー性喘息、アトピー性喘息、コルチコステロイドナイーブ喘息、慢性喘息、コルチコステロイド抵抗性喘息、コルチコステロイド難治性喘息、喫煙に起因する喘息、またはコルチコステロイドで制御されない喘息である。一部の態様では、喘息は、軽度から中等度の喘息(GINA1−3と定義)または重度喘息(GINA4+と定義)である。
一部の態様では、好酸球性疾患または障害は、慢性気管支炎、慢性好酸球性肺炎(CEP)、鼻ポリープ、アトピー性皮膚炎(湿疹)、好酸球性食道炎、過好酸性症候群(HES)、好酸球性肉芽腫症および多発性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)、好酸球性胃炎、好酸球性腸炎、好酸球性大腸炎、アレルギー性鼻結膜炎(枯草熱)、白血病、リンパ腫、肥満細胞症、アテローム塞栓性疾患、ハイパーIgE症候群、オーメン症候群、胸腺腫、移植拒絶反応、副腎機能低下症、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、ヘルペス状皮膚炎、薬剤誘発性病変(drug−inducedlesions)、蕁麻疹、好酸球性脂肪織炎、好酸球増多症を伴う血管浮腫、木村病、シュルマン症候群、ウェルズ症候群、口腔粘膜の好酸球性潰瘍、好酸球性膿疱性毛嚢炎、再発性皮膚壊死性好酸球性脈管炎、薬剤/毒素誘発性好酸球性肺疾患、レフラー症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、好酸球性肉芽腫、胸膜好酸球増多症、胃食道逆流症、寄生虫感染症、真菌感染症、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)、食品アレルギー性障害、蛋白誘発性腸症、蛋白誘発性全腸炎、アレルギー性大腸炎、セリアック病、増殖性天疱瘡、平滑筋腫症、結合組織障害、血管炎障害、慢性硬膜下血腫、中枢神経系感染症、脳室腹腔短絡術、先天性心臓病(中隔欠損症または大動脈弁狭窄)、腎感染を伴う好酸球尿症、間質性腎炎、または好酸球性膀胱炎である。
一部の態様では、患者は、好酸球性疾患または障害の治療のための1つ以上の追加的な治療薬を用いて、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)の投与の前、その間、その後、または代替的にそれに対してのいずれかで治療されている。一部の態様では、1つ以上の追加的な治療薬は、ステロイド、気管支拡張薬、または両方をさらに含む。一部の態様では、ステロイドは、フルチカゾンまたはブデソニドである。一部の態様では、気管支拡張薬は、サルブタモールまたはサルメテロールである。一部の態様では、1つ以上の追加的な治療薬は、吸入により、経口投与により、注射により、またはそれらの組み合わせにより投与される。一部の態様では、吸入投与は、定量噴霧式吸入器(MDI)または乾燥粉末吸入器(DPI)を用いて実施される。一部の態様では、ステロイドは、高用量で投与される。一部の態様では、ステロイドは、ベクロメタゾンまたはモメタゾンなどの吸入コルチコステロイドである。
一部の態様では、患者から採取される1つ以上の試料および/または1つ以上の対照試料は、全血、血清、血漿、唾液、痰、気管支肺胞洗浄液、肺上皮細胞、尿、皮膚、鼻茸、またはそれらの組み合わせの1つ以上を含む。一部の態様では、患者から採取される試料は血清である。一部の態様では、1つ以上の対照試料は、(a)1つ以上の試料であって、(i)正常健常者、(ii)喘息のサブセットを有する患者、(iii)コルチコステロイド治療にナイーブな喘息患者もしくはコルチコステロイドで治療された喘息患者から得られる1つ以上の試料、(b)所定の標準量の単離されたDPP4もしくはPOSTN、または(c)(a)および(b)における任意の組み合わせ試料である。
一部の態様では、上で開示される方法は、患者から採取される試料を判定するか、判定のために提出するか、または(i)患者のIgEレベルのレベル、(ii)患者の好酸球数、(iii)患者の呼気一酸化窒素濃度(FENO)、(iv)患者の好酸球/リンパ球および好酸球/好中球(ELEN)指数、(v)患者のEOS指数、(vi)患者の、肺のCTスキャンからの亜区域気道の壁面積百分率(WA%)、(vii)それらの2つ以上の組み合わせを判定するように臨床検査室に指示するステップをさらに含む。例えば、国際公開第2012158954号パンフレット(その全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
一部の態様では、患者の好酸球数は≧300好酸球/μLである。一部の態様では、≧300好酸球/μLは、軽度から中等度の喘息患者における閾値として設定される。一部の態様では、患者の好酸球数は≧400好酸球/μLである。一部の態様では、≧400好酸球/μLは、重度喘息患者における閾値として設定される。一部の態様では、患者の好酸球数は≧150好酸球/μLである。一部の態様では、≧150好酸球/μLは、例えば抗IL5抗体(例えばメポリズマブ)を用いる治療を受けている患者における閾値として設定される。
一部の態様では、患者のDPP4レベルは、イムノアッセイであるDPP4検出アッセイで測定される。一部の態様では、患者のPOSTNレベルは、イムノアッセイであるPOSTN検出アッセイで測定される。
一部の態様では、DPP4検出イムノアッセイは、(i)実施例2に記載されるイムノアッセイ、または(ii)表1に開示されるイムノアッセイ、または(ii)多重イムノアッセイである。一部の態様では、多重イムノアッセイは、EMD Millipore MILLIPLEX(商標)、Bio−Rad BIO−PLEX(商標)、Life Technologies NOVEX MULTIPLEX(商標)、Thermo Fisher Scientific LUMINEX(登録商標)、PerkinElmer ALPHAPLEX(商標)、Affymetrix(eBioscience)PROCARTA(商標)、またはR&D Systems LUMINEX(登録商標)アッセイである。一部の態様では、POSTN検出アッセイは、国際公開第2015120171A1号パンフレットまたは国際公開第2015120185号パンフレット(両方ともそれら全体が参照により本明細書に援用される)に開示されるアッセイである。
一部の態様では、上で開示される方法は、患者から採取される試料を判定するか、判定のために提出するか、またはIL−22、IL−25、IL−33、TSLP、LCN2、CCL20、sCTLA−3、sCD28、CCL5、CCL11、CCL22、CST1、CCL26、CLCA1、CST2、PRR4、SERPINB2、CEACAM5、iNOS、SERPINB4、CST4、PRB4、TPSD1、TPSG1、MFSD2、CPA3、GPR105、CDH26、GSN、C2ORF32、TRACH2000196(TMEM71)、DNAJC12、RGS13、SLC18A2、SERPINB10、SH3RF2、FCER1B、RUNX2、PTGS1、ALOX15、またはそれらの組み合わせなどの他の分子バイオマーカーの発現レベルまたは活性を判定するように臨床検査室に指示するステップをさらに含む。
一部の態様では、所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルは、
(a)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ平均のDPP4レベルまたはPOSTNレベル、
(b)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ中央値のDPP4レベルまたはPOSTNレベル、および
(c)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、または第9の10分位数のベースラインDPP4レベルまたはPOSTNレベル
から選択され、患者は、(i)正常な健常ボランティア、(ii)軽度から中等度の喘息を有する患者、および/または(iii)重度喘息を有する患者である。一部の態様では、複数の患者からの血清は、プールされた試料または個別の試料である。
(a)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ平均のDPP4レベルまたはPOSTNレベル、
(b)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ中央値のDPP4レベルまたはPOSTNレベル、および
(c)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、または第9の10分位数のベースラインDPP4レベルまたはPOSTNレベル
から選択され、患者は、(i)正常な健常ボランティア、(ii)軽度から中等度の喘息を有する患者、および/または(iii)重度喘息を有する患者である。一部の態様では、複数の患者からの血清は、プールされた試料または個別の試料である。
一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約103ng/mL〜少なくとも約867ng/mLである。一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約363ng/mLである。一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約376ng/mLである。一部の態様では、イムノアッセイは、実施例2に記載されるDPP4検出アッセイまたは表1に開示されるDPP4検出アッセイである。
一部の態様では、所定のPOSTN閾値は、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約7ng/mL〜少なくとも約104ng/mLである。一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約23ng/mLである。一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約26ng/mLである。一部の態様では、POSTNイムノアッセイは、国際公開第2015120171A1号パンフレットもしくは国際公開第2015120185号パンフレットに開示されるアッセイ、または市販のPOSTNアッセイである。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬の投与は、(a)AER(急性増悪率)の減少、(b)FEV1(1秒間の強制呼気量)の増加、(c)改善されたACQ−6(喘息管理質問票、6項目バージョン)値、または(d)それらの組み合わせをもたらす。
一部の態様では、AERの減少は、プラセボで治療された患者の集団内で観察されるAERベースライン値と比べて、少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%である。一部の態様では、FEV1の増加は、プラセボで治療された患者の集団内で観察されるFEV1ベースライン値と比べて、少なくとも約50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、400、450、または500mLである。一部の態様では、改善されたACQ−6値は、プラセボで治療された患者の集団内で観察されるACQ−6ベースライン値と比べて、ベースラインからの少なくとも約−0.3、−0.4、−0.5、−0.6、−0.7、−0.8、−0.9、−1、−1.1、または−1.2の変化である。
好酸球は、喘息の病理における主要なエフェクター細胞であり、重度喘息患者の50%超は、コルチコステロイドを用いる治療にもかかわらず持続性好酸球性炎症を伴う。IL−13、マスト細胞によって産生されるTh2サイトカイン、好塩基球および好酸球は、多数の異なる機構を通じて喘息の主要な特徴に寄与する。ベンラリズマブ(MEDI−563)、IL−5機能を遮断するためのIL−5Rのα鎖に高い親和性で結合するヒト化抗IL−5Ra mAbは、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)を通じて好酸球および好塩基球のアポトーシスを誘導し、それにより好酸球および好塩基球を枯渇させる。
第2b相臨床試験(CP220)では、ベンラリズマブは、血液好酸球のレベルが上昇した患者における喘息の増悪を低減するような最大の有効性を示したが、これは、現在、第III相臨床試験でさらに評価されている。好酸球性炎症を有する重度喘息患者とIL−13経路活性化を有する重度喘息患者とで重複があってもよいことが認識されている。したがって、発明者は、抗好酸球療法、例えばベンラリズマブの使用に応答し得る患者を同定するうえでより選択的であり得るバイオマーカーを同定することを探求した。
ベンラリズマブ(CP220)の第2b相試験で収集された血清試料が、ベンラリズマブで治療される被験者におけるプラセボ治療と比べての増悪率の低下に対するベースラインDPP4およびPOSTNレベルの予測される有用性を評価するために分析された。
血液好酸球およびPOSTNは、血清DPP4濃度と相関しなかった。それに対し、血清POSTNは、血液好酸球数と相関した。ベンラリズマブで治療される群における患者およびプラセボで治療される群における患者を高レベルのDPP4もしくはPOSTN(中央値以上)または低レベルのDPP4もしくはPOSTN(中央値未満)によって分割するとき、増悪率の低下に対するベンラリズマブの有効性は、低レベルの血清DPP4を有する被験者において最大であった。低レベルのDPP4でのこの効果は、高い(≧300細胞/マイクロリットル)および低い(<300細胞/マイクロリットル)血液好酸球レベルの両方を有する被験者において明らかであった。ペリオスチンでの効果は、血液好酸球が高い被験者における高レベルおよび低レベルの場合に同等であったが、血液好酸球が低い被験者では、低レベルのペリオスチンを有する被験者において効果は最大であった。
本開示における主要な観察は、中央値POSTNまたはDPP4レベルを超えることによる評価として、血液好酸球が上昇したIL13駆動疾患も有する喘息患者がベンラリズマブから受ける利益が低下するということである。この有効性の低下は、高いDPP4において高いPOSTNよりも明白であり、POSTNと好酸球との相関により説明され得る。さらに、中央値POSTNまたはDPP4レベルを下回ることによる評価として、低好酸球および低IL13駆動疾患を有する喘息患者は、ベンラリズマブを用いる治療から利益を得る。換言すれば、ベンラリズマブの有効性、潜在的には抗IL5抗体の有効性を判定するのは、好酸球性疾患単独ではない。むしろ、IL−13駆動疾患またはその欠乏が、ベンラリズマブの有効性を予測するように思われる低いDPP4および/またはPOSTNレベルの存在によって評価されることが示唆される。
本開示は、好酸球性疾患または障害、例えば喘息(また特に中等度および重度喘息)に対するバイオマーカーとしてのDPP4および/またはペリオスチン(POSTN)レベルの使用に関する。本開示は、例えば好酸球性疾患または障害を有する被験者を診断および治療するための方法であって、患者から採取される1つ以上の試料中でのDPP4またはPOSTNレベルが、(i)DPP4もしくはPOSTN検出アッセイの検出の限界を下回るか、(ii)所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルを下回るか、または(ii)1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNレベルを下回る場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を患者に投与するステップを含む、方法を提供する。
一部の態様では、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を患う患者から得られる試料(例えば、血清または痰)中で所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルを上回るまたは下回るDPP4および/またはPOSTNレベル(タンパク質またはRNA発現レベル)の存在は、例えば、(i)患者が特定の治療薬を用いる治療にとって適格または非適格であるかを判定するため、(ii)特定の治療が開始されるべきか、中止されるべきか、または変更されるべきかを判定するため、(iii)疾患または障害が特定の治療薬で治療可能であるかまたは治療可能でないかを診断するため、(iv)特定の治療薬を用いる疾患または障害の治療のアウトカムを予測するためなどに用いられ得る。一部の態様では、特定の治療薬は、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体である。
他の態様では、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を患う患者から得られる試料(例えば、血清または痰)中で所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルを上回るまたは下回るDPP4および/またはPOSTNレベルの存在は、例えば、
(i)好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を患う患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる特定の治療にとって適格または非適格であるかを判定するため、および/または
(ii)特定の治療が開始されるべきか、中止されるべきか、または変更されるべきかを判定するため、および/または
(iii)疾患または障害が特定の治療薬で治療可能であるかまたは治療可能でないかを診断するため、および/または
(iv)特定の治療薬を用いる疾患または障害の治療のアウトカムを予測するために、
(i)1つ以上の分子バイオマーカー、および/または
(ii)1つ以上の臨床バイオマーカー、および/または
(iii)高好酸球細胞数(例えば、血液好酸球数≧300細胞/μL)、および/または
(iv)高Th2(高Th2は、例えばIgE>100IU/mLおよび血液好酸球≧0.14×109/Lと定義される)、および/または
(v)短期作用型β2作動薬に対するFEV1の可逆性、例えば≧12%、および/または
(vi)上の亜区域気道の壁面積%(WA%)、例えば肺のCTスキャンを介する測定として約68%、および/または
(vii)それらの組み合わせ
と組み合わせて用いることができる。
(i)好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を患う患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる特定の治療にとって適格または非適格であるかを判定するため、および/または
(ii)特定の治療が開始されるべきか、中止されるべきか、または変更されるべきかを判定するため、および/または
(iii)疾患または障害が特定の治療薬で治療可能であるかまたは治療可能でないかを診断するため、および/または
(iv)特定の治療薬を用いる疾患または障害の治療のアウトカムを予測するために、
(i)1つ以上の分子バイオマーカー、および/または
(ii)1つ以上の臨床バイオマーカー、および/または
(iii)高好酸球細胞数(例えば、血液好酸球数≧300細胞/μL)、および/または
(iv)高Th2(高Th2は、例えばIgE>100IU/mLおよび血液好酸球≧0.14×109/Lと定義される)、および/または
(v)短期作用型β2作動薬に対するFEV1の可逆性、例えば≧12%、および/または
(vi)上の亜区域気道の壁面積%(WA%)、例えば肺のCTスキャンを介する測定として約68%、および/または
(vii)それらの組み合わせ
と組み合わせて用いることができる。
本開示が一層容易に理解され得るように、特定の用語が最初に定義される。さらなる定義は、詳細な説明の全体を通して示される。
I.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上特に明示されない限り、複数への言及を含む。用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、ならびに用語「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書中で交換可能に使用され得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上特に明示されない限り、複数への言及を含む。用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、ならびに用語「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書中で交換可能に使用され得る。
さらに、「および/または」は、本明細書中で使用されるとき、2つの具体的な特徴または構成成分の各々の具体的な開示として、他を含むと含まないとにかかわらず、解釈されるべきである。したがって、用語「および/または」は、本明細書で「Aおよび/またはB」などの語句中で使用されるとき、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むように意図される。同様に、用語「および/または」は、「A、B、および/またはC」などの語句中で使用されるとき、以下の態様、すなわち、A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)の各々を包含するように意図される。
態様が本明細書で用語「含む(comprising)」で記述される場合には常に、「からなる(consisting of)」および/または「実質的に〜からなる(consisting essentially of)」の用語で記述される他の類似の態様も提供される。
用語「約」は、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、数値との関連で使用されるとき、当業者によく知られており、許容できる精度の間隔を表す。一般に、精度のかかる間隔は±15%である。
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、本開示に関係する当業者によって一般に理解されている場合と同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei−Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;およびOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、当業者に、本開示で使用される用語の多くに関する一般的辞書を提供する。
単位、接頭辞、および記号は、それらの国際単位系(Systeme International de Unites)(SI)に承認された形式で表される。
数値範囲は、範囲を画定する数字を含む。値の範囲が列挙される場合、各々の介在する整数値、およびその各々の分数、その範囲の列挙される上限と下限との間についても、かかる値間の各々の部分範囲とともに具体的に開示されることは理解されるべきである。任意の範囲の上限および下限は、独立して、その範囲に含まれ得るかまたは範囲から除外され得るかであり、いずれかの限界が含まれるか、いずれの限界も含まれないか、または両方の限界が含まれる各範囲も本発明の範囲内に包含される。値が明確に列挙されている場合、列挙された値とおよそ同じ量である値も本発明の範囲内であることは理解されるべきである。組み合わせが開示される場合、その組み合わせの要素の各部分組み合わせも具体的に開示され、本発明の範囲内である。逆に、異なる要素または要素の群が個別に開示される場合、それらの組み合わせも開示される。発明の任意の要素が複数の代替物を有するとして開示される場合、各代替物が単独でまたは他の代替物との任意の組み合わせで除外されるその発明の例も本明細書により開示される。発明の複数の要素がかかる除外を有し得、かかる除外を有する要素のすべての組み合わせは本明細書により開示される。
アミノ酸は、それらの一般的に知られた三文字記号またはIUPAC−IUB生化学命名法委員会(Biochemical Nomenclature Commission)により推奨される一文字記号のいずれかにより本明細書中で参照される。別段の指示がない限り、アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向に左から右に書かれる。
ヌクレオチドは、それらの一般的に認められた一文字コードで参照される。別段の指示がない限り、核酸は5’から3’方向に左から右に書かれる。ヌクレオチドは、それらの一般的に知られたIUPAC−IUB生化学命名法委員会により推奨される一文字記号により本明細書中で参照される。したがって、Aはアデニンを表し、Cはシトシンを表し、Gはグアニンを表し、Tはチミンを表し、またUはウラシルを表す。
用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」、「核酸分子」、および「遺伝子」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマー、およびリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、その類似体、またはそれらの混合物を指すように本明細書中で交換可能に用いられる。
語句「DNA配列」は、隣接する核酸配列を指す。その配列は、一本鎖または二本鎖のいずれか、DNAまたはRNAのいずれかであり得るが、二本鎖DNA配列が好ましい。その配列は、6〜20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドから数千または数十万の塩基対の完全長ゲノム配列であり得る。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すように本明細書中で交換可能に用いられる。ポリマーは、線状または分岐状であり得、それは修飾アミノ酸を含み得、またそれは非アミノ酸によって中断され得る。同用語はまた、天然にまたは介入により修飾されている(例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または任意の他の操作もしくは修飾、例えば標識成分との複合化)アミノ酸ポリマーを包含する。さらに、その定義内に、例えば、アミノ酸の1つ以上の類似体を含有するポリペプチド(例えば、ホモシステイン、オルニチン、p−アセチルフェニルアラニン、D−アミノ酸、およびクレアチンなどの非天然アミノ酸を含む)、ならびに当該技術分野で公知の他の修飾が含まれる。
「単離された」ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、天然に見出されない形態のポリペプチド、ポリヌクレオチド、または組成物である。単離されたポリペプチド、ポリヌクレオチド、または組成物は、それらがもはや天然に見出される形態ではない程度まで精製されているものを含む。一部の態様では、単離されたポリペプチド、ポリヌクレオチド、または組成物は、実質的に純粋である。
用語「アミノ酸置換」は、親配列内に存在するアミノ酸残基を別のアミノ酸残基と置換することを指す。アミノ酸は、例えば、化学的ペプチド合成を介してまたは当該技術分野で公知の組換え方法を通じて親配列内で置換され得る。アミノ酸置換はまた、天然変異体中で生じる。
したがって、「位置Xでの置換」または「位置Xでの置換」に対する参照は、位置Xに存在するアミノ酸と他のアミノ酸残基との置換を指す。一部の態様では、置換パターンは、スキーマAXY(式中、Aは位置Xに天然に存在するアミノ酸に対応する一文字コードであり、Yはアミノ酸残基の置換である)に従って記載され得る。他の態様では、置換パターンは、スキーマXY(式中、Yは位置Xに天然に存在するアミノ酸を置換するアミノ酸残基に対応する一文字コードである)に従って記載され得る。
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基と置換される場合である。塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む、類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で定義されている。したがって、ポリペプチド中のアミノ酸が同じ側鎖ファミリー由来の別のアミノ酸と置換される場合、その置換は保存的である考えられる。別の態様では、アミノ酸のストリングは、順番が異なる構造的に類似したストリングおよび/または側鎖ファミリーメンバーの組成物と保存的に置換され得る。
非保存的置換は、(i)正電荷側鎖を有する残基(例えば、Arg、HisまたはLys)が負電荷残基(例えば、GluまたはAsp)とまたはそれにより置換される場合、(ii)親水性残基(例えば、SerまたはThr)が疎水性残基(例えば、Ala、Leu、Ile、PheまたはVal)とまたはそれにより置換される場合、(iii)システインもしくはプロリンが任意の他の残基とまたはそれにより置換される場合、または(iv)巨大な疎水性側鎖もしくは芳香族側鎖を有する残基(例えば、Val、His、IleまたはTrp)が、より小さい側鎖を有するもの(例えば、Ala、Ser)もしくは側鎖を有しないもの(例えば、Gly)とまたはそれにより置換される場合を含む。
他の置換は、当業者により容易に同定され得る。例えば、アミノ酸アラニンについて、置換は、D−アラニン、グリシン、β−アラニン、L−システインおよびD−システインのいずれか1つから得られ得る。リジンについて、置換は、D−リジン、アルギニン、D−アルギニン、ホモ−アルギニン、メチオニン、D−メチオニン、オルニチン、またはD−オルニチンのいずれか1つであり得る。一般に、単離されたポリペプチドの特性における変化を誘導することが想定され得る機能的に重要な領域内での置換は、(i)極性残基、例えばセリンまたはトレオニンが、疎水性残基、例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、もしくはアラニンと(またはそれにより)置換される場合、(ii)システイン残基が任意の他の残基と(またはそれにより)置換される場合、(iii)正電荷側鎖を有する残基、例えば、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンが、負電荷側鎖を有する残基、例えばグルタミン酸もしくはアスパラギン酸と(またはそれにより)置換される場合、または(iv)巨大な側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンが、かかる側鎖を有しないもの、例えばグリシンと(またはそれにより)置換される場合である。前述の非保存的置換の1つがタンパク質の機能的特性を改変し得る可能性はまた、タンパク質の機能的に重要な領域に関連する置換の位置に相関し、したがって、一部の非保存的置換は、生物学的特性に対する効果をほとんどまたは全く有しない可能性がある。
2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の用語「パーセント配列同一性」は、2つの配列の最適なアラインメントのために導入されなければならない付加または欠失(すなわちギャップ)を考慮して比較ウインドウにわたり配列により共有される同一合致位置の数を指す。合致位置は、同一のヌクレオチドまたはアミノ酸が標的および参照配列の両方に存在する場合の任意の位置である。標的配列内に存在するギャップは、ヌクレオチドでもアミノ酸でもないため、カウントされない。同様に、参照配列内に存在するギャップは、参照配列からのヌクレオチドでもアミノ酸でもなく、標的配列のヌクレオチドまたはアミノ酸がカウントされることから、カウントされない。
配列同一性の百分率は、同一のアミノ酸残基または核酸塩基が両方の配列内に存在する位置の数を判定して合致位置の数を得て、合致位置の数を比較のウインドウ内の位置の総数により除して、結果に100を掛けて配列同一性の百分率を得ることにより算出される。2つの配列間の配列の比較およびパーセント配列同一性の決定は、オンライン利用およびダウンロードの両方において容易に入手可能なソフトウェアを用いて達成され得る。好適なソフトウェアプログラムは、種々の供給源から、またタンパク質およびヌクレオチド配列の両方のアラインメントのために入手可能である。パーセント配列同一性を決定するための1つの好適なプログラムは、米国政府の国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)BLASTウェブサイト(blast.ncbi.nlm.nih.gov)から入手可能なプログラムのBLASTパッケージソフトの一部bl2seqである。bl2seqは、BLASTNまたはBLASTPアルゴリズムのいずれかを用いて2つの配列間の比較を実行する。BLASTNは、核酸配列を比較するために用いられる一方、BLASTPは、アミノ酸配列を比較するために用いられる。他の好適なプログラムは、例えば、バイオインフォマティクスプログラムのEMBOSSパッケージソフトの一部Needle,Stretcher,Water、またはMatcherであり、さらに欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute)(EBI)、www.ebi.ac.uk/Tools/psaから入手可能である。
ポリヌクレオチドまたはポリペプチド参照配列と整列する単一ポリヌクレオチドまたはポリペプチド標的配列内の異なる領域は、それら自体のパーセント配列同一性をそれぞれ有し得る。パーセント配列同一性値が最近傍の小数第1位に丸められることが認められる。例えば、80.11、80.12、80.13、および80.14は、80.1に丸められる一方、80.15、80.16、80.17、80.18、および80.19は、80.2まで丸められる。長さ値が常に整数であることも認められる。
特定の態様では、第1のアミノ酸配列の第2の配列アミノ酸に対する百分率同一性「X」は、100×(Y/Z)(式中、Yは、(目視検査または特定の配列アラインメントプログラムによる整列としての)第1および第2の配列のアラインメントにおける同一合致としてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、かつZは第2の配列内の残基の総数である)として算出される。第1の配列の長さが第2の配列より長い場合、第1の配列の第2の配列に対するパーセント同一性は、第2の配列の第1の配列に対するパーセント同一性よりも高いことになる。
当業者は、パーセント配列同一性の計算のための配列アラインメントの生成が、一次配列データにより排他的に実行される二元配列−配列比較に限定されないことを理解するであろう。配列アラインメントは、複数の配列アラインメントに由来し得る。複数の配列アラインメントを生成するための1つの好適なプログラムはClustalW2であり、www.clustal.orgから入手可能である。別の好適なプログラムは、MUSCLEであり、www.drive5.com/muscle/から入手可能である。ClustalW2およびMUSCLEは、例えばEBIから代替的に入手可能である。
本明細書で使用されるとき、用語「抗体」(または断片、変異体、またはその誘導体)は、B細胞によって産生される典型的な抗体との関連では、抗原に結合することができる抗体の少なくとも最低限の部分、例えば少なくとも重鎖の可変ドメイン(VH)および軽鎖の可変ドメイン(VL)を指す。脊椎動物系における基本的な抗体構造は、比較的十分に理解されている。例えば、Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988)を参照されたい。
抗体または抗原結合断片、変異体、またはその誘導体として、限定はされないが、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト、ヒト化、またはキメラ抗体、一本鎖抗体、エピトープ結合断片、例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、Fvs、単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、VLまたはVHドメインのいずれかを含む断片、Fab発現ライブラリーによって産生される断片が挙げられる。ScFv分子は、当該技術分野で公知であり、例えば米国特許第5,892,019号明細書に記載されている。本開示によって包含される免疫グロブリンまたは抗体分子は、免疫グロブリン分子の任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。
「特異的に結合する」は、一般に、抗体または断片、変異体、またはその誘導体が、エピトープにその抗原結合ドメインを介して結合し、またその結合が抗原結合ドメインとエピトープとの間に相補性を一部伴うことを意味する。この定義によると、抗体は、そのエピトープにその抗原結合ドメインを介して、それがランダムな無関係のエピトープに結合する場合よりも容易に結合するとき、エピトープに「特異的に結合する」と言われる。
抗体または断片、変異体、またはその誘導体は、そのエピトープに、参照抗体または抗原結合断片のエピトープへの結合をある程度まで遮断するという範囲で優先的に結合する場合、参照抗体または抗原結合断片の所与のエピトープへの結合を競合的に阻害すると言われる。競合的阻害は、当該技術分野で公知の任意の方法、例えば競合ELISAアッセイにより、測定することができる。結合分子は、参照抗体または抗原結合断片の所与のエピトープへの結合を少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%、競合的に阻害すると言うことができる。
本明細書に開示される抗体または抗原結合断片、変異体、またはその誘導体は、抗原のエピトープまたは部分、例えばそれらが認識または特異的に結合する標的多糖類の観点から説明または特定することができる。例えば、ベンラリズマブなど(MEDI−563)など、抗IL−5R抗体の抗原結合ドメインと特異的に相互作用するヒトIL−5Rのαサブユニットの部分は「エピトープ」である。
用語「エピトープ」は、本明細書で用いられるとき、本明細書で開示される抗体(例えば、抗IL−5R抗体)または断片、変異体、またはその誘導体に結合する能力がある抗原タンパク質決定基を指す。一部の態様では、エピトープという用語は、IL−5Rタンパク質のサブユニット、例えばIL−5Rのαサブユニットのタンパク質決定基(例えばアミノ酸配列)を指す。一部の態様では、エピトープという用語は、IL−5のタンパク質決定基(例えばアミノ酸配列)を指す。一部の態様では、開示される抗体のIL−5RまたはIL−5のいずれかへの結合は、IL−5RのIL−5との相互作用を阻止する。
エピトープは、通常、化学的に活性な表面分子群、例えばアミノ酸または糖側鎖からなり、また通常、特異的な三次元構造特徴および特異的な電荷特徴を有する。エピトープを認識する抗体または結合分子の一部は、パラトープと称される。タンパク質抗原のエピトープは、それらの構造およびパラトープとの相互作用に基づき、2つのカテゴリ、立体構造エピトープおよび直鎖エピトープに分かれる。立体構造エピトープは、抗原のアミノ酸配列の不連続切片からなる。これらのエピトープは、抗原の3−D表面特徴および形状または三次構造に基づき、パラトープと相互作用する。それに対し、直鎖エピトープは、それらの一次構造に基づき、パラトープと相互作用する。直鎖エピトープは、抗原からのアミノ酸の連続配列により形成される。
用語「抗体結合部位」は、相補的抗体が特異的に結合する連続または不連続部位(すなわちエピトープ)を含む抗原中の領域(例えば、IL−5またはIL−5Rのアミノ酸配列)を指す。したがって、抗体結合部位は、エピトープを超えて、また結合親和性および/もしくは安定性などの特性を決定するか、または抗原酵素活性もしくは二量体化などの特性に影響することができる、抗原中のさらなる領域を含み得る。したがって、たとえ2つの抗体が抗原内部の同じエピトープに結合する場合でも、抗体分子がエピトープ外部のアミノ酸との明確な分子間接触を確立する場合、かかる抗体は、明確な抗体結合部位に結合すると考えられる。
抗体または断片、変異体、またはその誘導体は、参照抗体または抗原結合断片の所与のエピトープへの結合を、それがそのエピトープにそれが参照抗体または抗原結合断片のエピトープへの結合をある程度遮断する程度まで優先的に結合する場合、競合的に阻害すると言われる。競合的阻害は、当該技術分野で公知の任意の方法、例えば競合ELISAアッセイにより測定され得る。結合分子は、参照抗体または抗原結合断片の所与のエピトープへの結合を少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、または少なくとも20%だけ競合的に阻害すると言われ得る。
本明細書で用いられるとき、用語「好酸球性疾患または障害」は、血液、組織、または臓器における好酸球のレベル上昇によって特徴付けられる任意の疾患または障害を指す。血液中の正常レベルは、250好酸球/mm3のオーダーである。好酸球性疾患または障害という用語はまた、好酸球性炎症を包含する。約300/mm3を超える血液レベルは、上昇したものと考えられる。好酸球性疾患および障害の例として、気管支喘息、慢性気管支炎(COPDにおける)、または慢性好酸球性肺炎(CEP)などの肺疾患および障害が挙げられる。さらに、好酸球性疾患または障害という用語は、鼻ポリープ、アトピー性皮膚炎、好酸球性食道炎、過好酸性症候群(HES)、好酸球性肉芽腫症および多発性血管炎(EGPA、以前はチャーグ・ストラウス症候群)、好酸球性胃炎、好酸球性腸炎、好酸球性大腸炎などの疾患および状態を含む。本明細書で開示される好酸球性疾患または障害における正常および異常な(例えば上昇した)好酸球レベルは、当該技術分野で公知である。
一部の態様では、好酸球性疾患または障害は、肺疾患または障害であり得る。本明細書で用いられるとき、用語「肺疾患または障害」は、少なくとも一部には好酸球のレベル上昇によって特徴付けられる肺または呼吸器系に影響する任意の病理を指す。非限定例として、喘息、特発性肺線維症(IPF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、または慢性副鼻腔炎が挙げられる。
用語「喘息」は、根底にある炎症に関連する場合または関連しない場合に可逆的な気道閉塞および/または気管支反応性亢進を呈する疾患を指す。喘息の例として、例えば、Expert Panel Report 3:Guidelines for the Diagnosis and Management of Asthma,National Asthma Education and Prevention Program(2007)(「NAEPP Guidelines」)(その全体が参照により本明細書中に援用される)中に述べられたように、アレルギー性喘息、アトピー性喘息、コルチコステロイドナイーブな喘息、慢性喘息、コルチコステロイド耐性喘息、コルチコステロイド難治性喘息、喫煙による喘息、コルチコステロイドで制御されない喘息および他の喘息が挙げられる。
用語「COPD」は、本明細書で使用されるとき、慢性閉塞性肺疾患を指す。用語「COPD」は、2つの主な状態、すなわち気腫および慢性閉塞性気管支炎を含む。したがって、最も広義には、用語COPDは、本明細書で使用されるとき、COPD自体に加え、その代替症状(subconditions)としての慢性気管支炎および気腫を指す。慢性閉塞性肺疾患に対するグローバルイニシアチブ(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)(GOLD)は、COPDを4つの異なるステージに分類している。COPDステージ0におけるGOLD分類:COPDのリスクあり。慢性的な咳および痰が出る症状を呈する場合があるが、患者は正常な肺活量測定値を有する。ステージI:軽度のCOPD。FEV1≧80%、FEV1/FVC<70%によって特徴付けられる。患者は、慢性的な咳および痰発生の増加を有する場合も有さない場合もある。ステージII:中等度COPD。気流の悪化(30%≧FEV1>80%)によって特徴付けられる。ステージII疾患を有する患者は、症候性があり、医学的配慮を求め、また労作時の息切れを有することが多い。ステージIIは、2つの下位カテゴリ、すなわちIIAおよびIIBを有する。IIA患者は50%〜80%のFEV1を有し、ステージIIB患者は30%〜50%のFEV1を有する。50%未満のFEV1を有する患者は、特に疾患の急性増悪になりやすい。ステージIII:重篤なCOPD。30%未満のFEV1によって特徴付けられる。患者は、呼吸不全または右心不全を有する場合にも、ステージIIIに含まれる。これらの患者では、生活の質が著しく損なわれる。この患者集団における急性増悪は、入院を必要とすることが多く、またそれは生命を危うくすることが多い。
用語「特発性肺線維症」(IPF)は、肺の進行性瘢痕、または線維症によって特徴付けられる疾患を指す。それは、肺胞が線維化組織に徐々に置き換わるようになる、間質性肺疾患の特異型である。IPFの場合、進行性瘢痕が原因で、通常、薄くて柔軟な組織が肥厚して堅くなり、肺が拡張することがより困難になり、酸素が容易に血流に入るのが阻止される。例えば、Am.J.Respir.Crit.Care Med.2000.161:646−664を参照されたい。
好酸球性疾患または障害という用語はまた、高い好酸球レベルの存在によって特徴付けられる、下に開示される疾患および状態を包含する。下に開示される好酸球性疾患または障害における正常および異常な(例えば上昇した)好酸球レベルはまた、当該技術分野で公知であるか、または当該技術分野で公知の方法を用いて測定され得る。
高い好酸球レベルは、以下の疾患または障害において認められている:
(i)アレルギー性障害:アレルギー性障害は古典的には好酸球の存在によって特徴付けられる。アレルギー性鼻結膜炎(枯草熱)は、鼻粘膜において上昇したレベルの好酸球を有する。喘息は、増悪後、肺における好酸球数の増加を示す、
(ii)薬剤反応:任意の薬剤/医薬品は反応を引き起こすような潜在性を有する。これらの反応の一部は天然でアレルギー性であり、かつ好酸球であれば血液中または薬剤が集中する組織内で増加することがある、
(iii)感染症:寄生虫感染症(蠕虫症−虫)、真菌感染症および感染の一部の他のタイプは、好酸球数の増加を伴う、
(iv)血液障害:好酸球のレベル上昇を伴う血液障害は、過好酸性症候群、白血病、リンパ腫、腫瘍、肥満細胞症、およびアテローム塞栓性疾患を含む、
(v)免疫性障害および反応:ハイパーIgE症候群、オーメン症候群、胸腺腫、および移植拒絶反応は、好酸球数の増加を伴う状態の幾つかのタイプに過ぎない、
(vi)内分泌障害:副腎機能低下症は血液中の好酸球のレベルにおける上昇に関連している。
(i)アレルギー性障害:アレルギー性障害は古典的には好酸球の存在によって特徴付けられる。アレルギー性鼻結膜炎(枯草熱)は、鼻粘膜において上昇したレベルの好酸球を有する。喘息は、増悪後、肺における好酸球数の増加を示す、
(ii)薬剤反応:任意の薬剤/医薬品は反応を引き起こすような潜在性を有する。これらの反応の一部は天然でアレルギー性であり、かつ好酸球であれば血液中または薬剤が集中する組織内で増加することがある、
(iii)感染症:寄生虫感染症(蠕虫症−虫)、真菌感染症および感染の一部の他のタイプは、好酸球数の増加を伴う、
(iv)血液障害:好酸球のレベル上昇を伴う血液障害は、過好酸性症候群、白血病、リンパ腫、腫瘍、肥満細胞症、およびアテローム塞栓性疾患を含む、
(v)免疫性障害および反応:ハイパーIgE症候群、オーメン症候群、胸腺腫、および移植拒絶反応は、好酸球数の増加を伴う状態の幾つかのタイプに過ぎない、
(vi)内分泌障害:副腎機能低下症は血液中の好酸球のレベルにおける上昇に関連している。
好酸球はまた、以下の疾患または障害において増加するかまたは病理学的に存在することが見出されている:
(i)皮膚および皮下障害:アトピー性皮膚炎(湿疹)、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、ヘルペス状皮膚炎、薬剤誘発性病変、蕁麻疹、好酸球性脂肪織炎、好酸球増多症を伴う血管浮腫、木村病、シュルマン症候群、ウェルズ症候群、口腔粘膜の好酸球性潰瘍、好酸球性膿疱性毛嚢炎、および再発性皮膚壊死性好酸球性脈管炎、
(ii)肺疾患:薬剤/毒素誘発性好酸球性肺疾患、レフラー症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、好酸球性肺炎、チャーグ・ストラウス症候群、好酸球性肉芽腫、および胸膜好酸球増多症、
(iii)胃腸疾患:胃食道逆流症、寄生虫感染症、真菌感染症、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)、食品アレルギー性障害、蛋白誘発性腸症および蛋白誘発性全腸炎、アレルギー性大腸炎、セリアック病、増殖性天疱瘡(MR)および一次性好酸球性食道炎、胃腸炎、および大腸炎.希少腫瘍(平滑筋腫症)、結合組織障害、および血管炎障害、
(iv)神経障害:器質化慢性硬膜下血腫膜、中枢神経系感染症、脳室腹腔短絡術、および薬剤誘発性有害反応、
(v)心臓状態:過好酸性症候群またはチャーグ・ストラウス症候群などの全身性障害に続発して、心臓障害が報告されている。特定の先天性心臓病(中隔欠損症、大動脈弁狭窄)は血液中での好酸球のレベル上昇を伴う、
(vi)腎疾患:感染症、間質性腎炎、好酸球性膀胱炎を伴う好酸球尿症(尿中好酸球)。
(i)皮膚および皮下障害:アトピー性皮膚炎(湿疹)、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、ヘルペス状皮膚炎、薬剤誘発性病変、蕁麻疹、好酸球性脂肪織炎、好酸球増多症を伴う血管浮腫、木村病、シュルマン症候群、ウェルズ症候群、口腔粘膜の好酸球性潰瘍、好酸球性膿疱性毛嚢炎、および再発性皮膚壊死性好酸球性脈管炎、
(ii)肺疾患:薬剤/毒素誘発性好酸球性肺疾患、レフラー症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、好酸球性肺炎、チャーグ・ストラウス症候群、好酸球性肉芽腫、および胸膜好酸球増多症、
(iii)胃腸疾患:胃食道逆流症、寄生虫感染症、真菌感染症、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)、食品アレルギー性障害、蛋白誘発性腸症および蛋白誘発性全腸炎、アレルギー性大腸炎、セリアック病、増殖性天疱瘡(MR)および一次性好酸球性食道炎、胃腸炎、および大腸炎.希少腫瘍(平滑筋腫症)、結合組織障害、および血管炎障害、
(iv)神経障害:器質化慢性硬膜下血腫膜、中枢神経系感染症、脳室腹腔短絡術、および薬剤誘発性有害反応、
(v)心臓状態:過好酸性症候群またはチャーグ・ストラウス症候群などの全身性障害に続発して、心臓障害が報告されている。特定の先天性心臓病(中隔欠損症、大動脈弁狭窄)は血液中での好酸球のレベル上昇を伴う、
(vi)腎疾患:感染症、間質性腎炎、好酸球性膀胱炎を伴う好酸球尿症(尿中好酸球)。
本明細書で用いられるとき、用語「増悪」は、患者のベースライン状態と比較しての好酸球性疾患または障害の症状の悪化を指す。特定の態様では、「喘息増悪」は、正常な毎日の変動を超える、患者のベースラインの肺機能、呼吸困難、咳、および/または痰における変化によって特徴付けられる疾患の自然経過中での事象と定義されることがあり、発症が急性であり、基礎喘息を有する患者における服薬上の変更を保証することがある。特定の実施形態では、喘息の増悪は、息切れおよび/もしくは喘鳴の症状における急激な増加、および/または痰の生成における増加である場合がある。
本明細書で用いられるとき、(例えば「好酸球性疾患または障害を有する患者を治療する」という語句中での)用語「治療する」、「治療」または「〜の治療」は、(i)好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)における可能性を低減すること、(ii)好酸球性疾患または障害の発生率を低減すること、(iii)好酸球性疾患または障害の重症度を、好ましくは被験者がそれに起因する不快感および/または改変された機能をもはや被らない程度まで低減すること(例えば喘息の場合、未治療患者と比べる場合での喘息増悪における相対的低減)、または(iv)それらの組み合わせを指す。
例えば、治療は、被験体に投与される場合の治療の、好酸球性疾患または障害の発生を予防する能力、および/あるいは好酸球性疾患または障害の症状、徴候、または原因を治癒するかまたは緩和する能力を指すことができる。治療はまた、少なくとも1つの臨床症状の緩和または低減、および/あるいは状態の進行における阻害または遅延、および/あるいは疾患または疾病の発症の予防または遅延を指す。したがって、用語「治療する(treat)」、「治療している(treating)」または「〜の治療(treatment of)」(または文法的に均等な用語)は、予防的および治療的処置計画の両方を指す。
本開示は、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)の治療における治療効果をもたらす方法およびシステムを提供する。治療効果は、必ずしも特定の好酸球性疾患または障害に対する治癒ではなく、最も典型的には、(i)好酸球性疾患または障害の軽減または生存率の増加、(ii)好酸球性疾患または障害の除去、好酸球性疾患または障害に関連する症状の低減、(iii)二次性疾患の予防または軽減、(iv)一次性好酸球性疾患または障害の発生に起因する障害または状態、(v)好酸球性疾患または障害の予防、または(v)それらの組み合わせを含む結果を包含する。
用語「被験者」または「患者」は、本明細書で用いられるとき、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)の診断、予後、または治療が所望される対象の任意の被験者、特に哺乳動物被験者を指す。本明細書で用いられるとき、用語「被験者」または「患者」は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。用語「非ヒト動物」は、すべての脊椎動物、例えば哺乳類および非哺乳類、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、雌ウシ、クマ、ニワトリ、両生類、爬虫類などを含む。本明細書で用いられるとき、「好酸球性疾患または障害を有する患者」などの語句は、その好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)に対する治療、イメージングもしくは他の診断方法、および/または予防的治療の施行から利益を得ることになる被験者、例えば哺乳動物被験者を含む。用語「正常な健常ボランティア」は、「健常被験者」または「健常ボランティア」に相当する。当業者は、用語「健常ボランティア」が一般に米国薬局方(United States Pharmacopeia)、p.2645(U.S.Pharmacopeial Convention,Inc.,28th ed.,2005)で定義されることを理解している。
本開示の一部の態様では、被験者はナイーブ被験者である。ナイーブ被験者は、治療、例えば治療薬が施されていない被験者である。一部の態様では、ナイーブ被験者は、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有するとして診断される前に治療薬で治療されていない。
別の態様では、被験者は、好酸球性疾患または障害を有するとして診断される前に、治療および/または治療薬(例えば、好酸球性疾患または障害に関連した炎症性応答を調節する能力がある治療薬)の1回以上の投与を受けている。
一部の態様では、被験者は、少なくとも1回の治療有効量の経口または吸入コルチコステロイドを受けている。一部の態様では、吸入投与は、定量噴霧式吸入器(MDI)または乾燥粉末吸入器(DPI)を用いて実施される。一部の態様では、ステロイドは、高用量で投与される。高用量という用語は、吸入コルチコステロイド(ICS)に適用するとき、例えば総一日量で、DPIとしての少なくとも500μgのICS(例えばフルチカゾン)またはMDIとしての少なくとも440μgのICSを指し得る。一部の態様では、高い総一日量のICSは、DPIとして、少なくとも約300μg、少なくとも約350μg、少なくとも約400μg、少なくとも約450μg、少なくとも約500μg、少なくとも約550μg、少なくとも約600μg、少なくとも約650μg、少なくとも約700μg、少なくとも約750μg、少なくとも約800μg、少なくとも約850μg、少なくとも約900μg、少なくとも約950μg、または少なくとも1000μgのICS(例えばフルチカゾン)である。一部の態様では、高い総一日量のICSは、MPIとして、少なくとも約300μg、少なくとも約350μg、少なくとも約400μg、少なくとも約450μg、少なくとも約500μg、少なくとも約550μg、少なくとも約600μg、少なくとも約650μg、少なくとも約700μg、少なくとも約750μg、少なくとも約800μg、少なくとも約850μg、少なくとも約900μg、少なくとも約950μg、または少なくとも1000μgのICS(例えばフルチカゾン)である。
用語「高用量」は、(例えばサルメテロールなどの気管支拡張薬との)併用療法において吸入コルチコステロイド(ICS)(例えばフルチカゾン)に適用するとき、例えば、2回吸入を1日2回の用量でMDIとして約230μgのフルチカゾンおよび約21μgのサルメテロール、または単回用量でDPIとして約500μgのフルチカゾンおよび約50μgのサルメテロールを指し得る。単独および他の治療薬との組み合わせで高用量であると考えられるコルチコステロイドの濃度は、当該技術分野で周知である。
一部の態様では、被験者は、治療有効量の経口または吸入コルチコステロイドを複数回受けている。一部の態様では、被験者は、慢性経口コルチコステロイド(OCS)利用者である。
特定の態様では、被験者は、長期作用型β2アドレナリン作動薬、例えばサルメテロールキシナホ酸塩を受けている。一部の態様では、被験者は、合成グルココルチコイド、例えばプロピオン酸フルチカゾンを受けている。特定の態様では、被験者は、サルメテロールキシナホ酸塩およびプロピオン酸フルチカゾン(ADVAIR(登録商標))の組み合わせを受けている。特定の態様では、被験者は、β2アドレナリン気管支拡張薬、例えば硫酸アルブテロールを受けている。
用語「治療」は、本明細書で用いられるとき、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)に対する治癒、緩和、または予防のための任意の手段、例えば、治療薬(例えば好酸球標的化治療薬)、計測手段、対症療法、および外科またはリハビリ手技などを含む。これに関連して、治療という用語は、好酸球性疾患または障害の予防、管理、治療、および/もしくは寛解において用いることができる任意のプロトコル、方法および/または治療薬もしくは診断薬を包含する。
一部の態様では、バイオマーカーについての測定値が所定の閾値レベルを超えるとき、患者はDPP4またはPOSTNについて陽性であると考えられる。試料中の測定されたDPP4レベルが所定の閾値レベルを超えるかまたは1つ以上の対照試料中のDPP4のレベルを超えるとき、患者は高いまたは上昇したDPP4レベル(高DPP4)を有すると考えられる。逆に、試料中の測定されたDPP4レベルが所定の閾値レベルを下回るかまたは1つ以上の対照試料中のDPP4のレベルを下回るとき、患者は低いまたは低下したDPP4レベル(低DPP4)を有すると考えられる。
同様に、試料中の測定されたPOSTNレベルが所定の閾値レベルを超えるかまたは1つ以上の対照試料中のPOSTNのレベルを超えるとき、患者は高いまたは上昇したPOSTNレベル(高POSTN)を有すると考えられる。試料中の測定されたPOSTNレベルが所定の閾値レベルを下回るかまたは1つ以上の対照試料中のPOSTNのレベルを下回るとき、患者は低いまたは低下したPOSTNレベル(低POSTN)を有すると考えられる。
当業者であれば、定量的手段と定性的手段とを組み合わせることが可能であることを理解するであろう。例えば、試料中のDPP4および/またはPOSTNの存在は、単にアッセイにおける特定の定量限界を超えるバイオマーカーの存在または不在を検出する定性的アッセイを用いて判定されてもよい一方、他のバイオマーカーのレベルは、バイオマーカーのレベルが特定の所定の閾値を上回るかもしくは下回るまたは特定の範囲内であることを示す定量的アッセイに基づいて測定されてもよい。
一部の態様では、試料中の被験者のDPP4レベル(例えばタンパク質または核酸のレベル)が所定のDPP4閾値レベルを下回る場合、またはDPP4レベルが1つ以上の対照試料中のDPP4レベルと比べて低下する場合、被験者に好酸球標的化治療薬が少なくとも1つの治療有効量で投与され得る。他の態様では、試料中の被験者のPOSTNレベル(例えばタンパク質または核酸のレベル)が所定のPOSTN閾値レベルを下回る場合、またはPOSTNレベルが1つ以上の対照試料中のPOSTNレベルと比べて低下する場合、被験者に好酸球標的化治療薬が少なくとも1つの治療有効量で投与され得る。
用語「治療薬」はまた、本明細書で用いられるとき、所望される通常有利な効果をもたらすための、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する被験者に投与される任意の治療活性物質を指す。治療薬という用語は、例えば、一般的に小分子薬と称される古典的な低分子量治療薬と、限定はされないが、抗体またはその活性断片、ペプチド、脂質、タンパク質薬、タンパク質複合体薬、酵素、オリゴヌクレオチド、リボザイム、遺伝子材料、プリオン、ウイルス、細菌、および真核細胞を含む生物製剤とを含む。
治療薬はまた、被験者に投与されるとき、所望される治療活性物質に代謝するプロドラッグであり得る。一部の態様では、治療薬は予防薬である。さらに、治療薬は、薬剤として配合され得る。治療薬はまた、放射性同位体、または光もしくは超音波エネルギーなどの幾つかの他の形態のエネルギーにより、もしくは全身投与され得る他の循環分子により活性化される薬剤であり得るかまたはそれを含み得る。
一態様では、治療薬は小分子薬剤である。具体的な態様では、治療薬はコルチコステロイドである。別の態様では、治療薬は、モンテルカスト、ザフィルルカストまたはジロートンなどのロイコトリエン修飾因子であり得る。さらなる態様では、治療薬は、メチルキサンチン(例えば、テオフィリン)またはクロモン(例えば、クロモグリク酸ナトリウムおよびネドクロミル)であり得る。別の態様では、治療薬は、サルメテロール、ホルモテロール、またはインダカテロールなどの長時間作用性β2刺激薬であり得る。さらなる態様では、治療薬は、メトトレキサートまたはシクロスポリンであり得る。
特定の態様では、治療薬は、好酸球性疾患または障害、例えば喘息などの肺疾患または障害を予防するか、治療するか、管理するか、または寛解させるのに用いられる作用物質であり得る。喘息を対象とする治療薬の非限定例として、抗コリン剤(例えば、イプラトロピウム臭化物およびオキシトロピウム臭化物)、β2拮抗剤(例えば、アルブテロール(PROVENTIL(登録商標)またはVENTOLIN(登録商標))、ビトルテロール(TOMALATE(登録商標))、フェノテロール、ホルモテロール、イソエタリン、メタプロテレノール、ピブテロール(MAXAIR(登録商標))、サルブタモール、サルブタモールテルブタリン、およびサルメテロール、テルブタリン(BRETHAIRE(登録商標)))、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(VANCERIL(登録商標)またはBECLOVENT(登録商標))、トリアムシノロンアセトニド(AZMACORF(登録商標))、フルニソリド(AEROBID(登録商標))、モメタゾン(NASONEX(登録商標)、ASMANEX(登録商標))、およびプロピオン酸フルチカゾン(FLOVENT(登録商標)))、ロイコトリエン拮抗剤(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、およびジロートン)、テオフィリン(THEO−DUR(登録商標)、UNIDUR(登録商標)錠剤、およびSLO−BID(登録商標)Gyrocaps)、およびサルメテロール(SEREVENT(登録商標))、クロモリン、およびネドクロミル(INTAL(登録商標)およびTILADE(登録商標)))、IgE拮抗剤、IL−4拮抗剤(抗体を含む)、IL−5拮抗剤(抗体を含む)、PDE4阻害剤、NF−κB阻害剤、IL−13拮抗剤(抗体を含む)、CpG、CD23拮抗剤、セレクチン拮抗剤(例えば、TBC1269)、肥満細胞プロテアーゼ阻害剤(例えば、トリプターゼキナーゼ阻害剤(例えば、GW−45、GW−58、およびゲニステイン)、ホスファチジルイノシチド−3’(PI3)−キナーゼ阻害剤(例えば、カルフォスチンC)、および他のキナーゼ阻害剤(例えば、スタウロスポリン)、C2a受容体拮抗剤(抗体を含む)、ならびに支持的呼吸療法、例えば補助的で機械的な換気が挙げられる。
好酸球標的化治療薬は、本明細書で用いられるとき、本明細書で定義されるような任意の「治療薬」であり得、それは直接的または間接的のいずれかで、(i)患者における好酸球の活性を阻害し、低減し、もしくは中和することができるか、または(ii)患者における好酸球レベルを全身的にまたは特定の組織もしくは臓器内で阻害し、低減し、もしくは枯渇させることができるか、または(iii)患者における好酸球の半減期を減少させることができるか、または(iv)好酸球のレベル上昇を伴う症状の増悪を予防することができるか、(v)それらの組み合わせであり得る。
本開示の一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、(i)例えばIL−5RもしくはIL−5またはその抗原結合断片を標的化する抗体、(ii)上で開示される治療薬のいずれか(例えば、コルチコステロイド)、または(iii)それらの任意の組み合わせを含み得る。
「治療有効」量は、本明細書で用いられるとき、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する被験者に幾らかの改善または利益をもたらす治療薬の量である。したがって、「治療有効」量は、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)の少なくとも1つの臨床症状において幾らかの軽減、緩和、および/または減少をもたらす量である。
好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)に関連する臨床症状は、当業者に周知である本開示の方法およびシステムにより治療され得る。さらに、当業者は、幾つかの利益が被験者にもたらされる限り、治療効果が完全または根治的である必要がないことを理解するであろう。一部の態様では、用語「治療有効」は、それを必要とする患者におけるバイオマーカーレベル、例えばDPP4レベルおよび/もしくはPOSTNレベル、および/または患者の好酸球数を変更する能力がある治療薬の量を指す。
本明細書で用いられるとき、「十分な量」または好酸球性疾患もしくは障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する患者において特別な結果を得る「のに十分な量」は、所望される効果、任意選択的に治療効果(すなわち治療有効量によるもの)をもたらすのに有効である治療薬(例えば、ベンラリズマブなどの抗IL−5R)の量を指す。一部の態様では、かかる特別な結果は、患者の好酸球数における減少である。
用語「試料」は、本明細書で用いられるとき、被験者から得られる任意の体液または組織、例えば、全血、血清、痰、唾液、または上皮組織(例えば肺組織)を含む。試料は、任意の体液または組織、例えば、全血、血清、唾液、尿、鼻汁、痰、気管支肺胞洗浄液、肺組織、末梢血単核球、全白血球、リンパ節細胞、脾臓細胞、扁桃腺細胞、皮膚、鼻茸、肺上皮細胞などを含む。一部の具体的な態様では、その試料は、血液またはその画分である。試料は、当該技術分野で公知の任意の手段により得られ得る。
一部の態様では、試料は、多数の被験体由来の生物学的試料から採取して、それらをプールするか、または各被験体の生物学的試料の一定分量をプールすることによって得ることができる。プールされた試料は、単一の被験体由来の試料として治療することができる。試料という用語はまた、前述のすべての実験的に分離された画分を含む。例えば、血液試料は、血清にまたは特殊な型の細胞を有する画分に分画することができる。一部の態様では、試料は、個体由来の試料の組み合わせ、例えば組織および体液試料の組み合わせであり得る。
本明細書で用いられるとき、用語「対照」は、被験者を特徴付けるのに用いられるとき、健常である被験者、または好酸球性疾患もしくは障害以外の特定の疾患と診断されている患者を指す。用語「対照試料」は、健常被験者または好酸球性疾患もしくは障害以外の疾患と診断されている患者から得られる1つまたは2つ以上の生体試料を指す。
本開示の方法およびシステムを適用するため、患者由来の試料は、好酸球性疾患または障害(例えば、喘息などの肺疾患または障害)を治療するため、治療を施す前または後に得ることができる。いくつかの場合、一連の試料は、治療が開始してからかまたは治療が終了してから、患者から得ることができる。試料は、例えば、医療提供者(例えば医師)または医療給付提供者(healthcare benefits provider)により要求され得て、同じまたは異なる医療提供者(例えば、看護師、病院)または臨床検査室により入手および/または処理され得て、処理後、結果は、元の医療提供者またはさらに別の医療提供者、医療給付提供者または患者に送られ得る。
同様に、本明細書で開示されるバイオマーカー、例えばDPP4および/もしくはPOSTNの発現レベルの単独でのまたは少なくとも1つの追加的なバイオマーカー、例えば患者の好酸球数の測定と組み合わせた定量化、バイオマーカー遺伝子またはタンパク質の発現レベル間の比較および/または比、バイオマーカーの不在または存在の評価、特定の閾値と関連してのバイオマーカーレベルの測定、治療決定、またはそれらの組み合わせは、1つ以上の医療提供者、医療給付提供者(healthcare benefits provider)、および/または臨床検査室によって実施され得る。
本明細書で使用されるとき、用語「医療提供者」は、生存被験体、例えばヒト患者に直接的に交流し、投与する個体または施設を指す。医療提供者の非限定例として、医師、看護師、技術者、セラピスト、薬剤師、カウンセラー、代替医療施術者、医療施設、医院、病院、救急室、クリニック、緊急医療センター、代替医療クリニック/施設、ならびに限定はされないが、一般医療、専門医療、外科、および/または任意の他のタイプの治療、評価、維持、治療、投薬および/または助言を含む、一般および/または専門治療、評価、維持、治療、投薬、および/または患者の健康状態の全部または任意の一部に関わる助言を提供する任意の他の実体が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「臨床検査室」は、生存被験体、例えばヒト由来の材料の検査または処理のための施設を指す。処理の非限定例として、例えば、生存被験体、例えばヒトの任意の疾患または障害の診断、予防、または治療、あるいはその健康の評価についての情報を提供することを目的とした、ヒト身体由来の材料の、生物学的検査、生化学的検査、血清学的検査、化学的検査、免疫血液学的検査、血液学的検査、生物物理学的検査、細胞学的検査、病理学的検査、遺伝学的検査、または他の検査が挙げられる。これらの検査はまた、試料を採取するかまたは他に入手するか、生存被験体、例えばヒトの身体内の様々な物質の存在または不在、または生存被験体、例えばヒトの身体から得られる試料について、調製するか、判定するか、測定するか、または他に記述するための手順を含み得る。
本明細書で使用されるとき、用語「医療給付提供者」は、個別の団体、組織、またはグループが、患者に、1つ以上の医療給付、給付制度、健康保険、および/または医療費勘定プログラムの利用について、全体的または部分的に、提供するか、提示するか、勧誘するか、支払うか、あるいはその他、提供に関与することを包含する。
一部の態様では、医療提供者は、好酸球性疾患または障害(例えば、喘息などの肺疾患または障害)を治療するような治療を施すように、別の医療提供者を管理または指示することができる。医療提供者は、試料を入手する、試料を処理する、試料を提出する、試料を受け取る、試料を移す、試料を分析または測定する、試料を定量化する、試料の分析/測定/定量化から得られる結果を提供する、試料の分析/測定/定量化から得られる結果を受け取る、1つ以上の試料の分析/測定/定量化から得られる結果を比較/スコア付けする、1つ以上の試料からの比較/スコアを提供する、1つ以上の試料からの比較/スコアを得る、治療(例えば、ベンラリズマブ/MEDI−563などの好酸球標的化治療薬の投与)を施す、治療の施しを開始する、治療の施しを終了する、治療の施しを継続する、治療の施しを一時的に中断する、投与される治療薬の量を増加する、投与される治療薬の量を低減する、ある量の治療薬の投与を継続する、治療薬の投与の頻度を増加する、治療薬の投与の頻度を低減する、治療薬に対して同じ投与頻度を維持する、ある治療または治療薬を少なくとも別の治療または治療薬で置き換える、ある治療または治療薬を少なくとも別の治療または追加的な治療薬と組み合わせるといった行為を実行するか、または実施するように別の医療提供者または患者に指示することができる。
一部の態様では、医療給付提供者は、例えば、試料の採取、試料の処理、試料の提出、試料の受け取り、試料の移行、試料の分析または測定、試料の定量化、試料の分析/測定/定量化から得られる結果の提供、試料の分析/測定/定量化から得られる結果の移行、1つ以上の試料の分析/測定/定量化から得られる結果の比較/スコア付け、1つ以上の試料からの比較/スコアの移行、治療または治療薬の施し、治療または治療薬の施しの開始、治療または治療薬の施しの中断、治療または治療薬の施しの継続、治療または治療薬の施しの一時的中断、投与される治療薬の量の増加、投与される治療薬の量の低下、ある量の治療薬の投与の継続、治療薬の投与の頻度における増加、治療薬の投与の頻度における低下、治療薬に対して同じ投与頻度を維持すること、ある治療または治療薬を少なくとも別の治療または治療薬で置き換えること、あるいはある治療または治療薬を少なくとも別の治療または追加的な治療薬と組み合わせることを認可または否認することができる。
さらに、医療給付提供者は、例えば、治療の処方を認可または否認し、治療の適用範囲を認可または否認し、治療費の償還を認可または否認し、治療に対する適格性を決定または否定することなどができる。
一部の態様では、臨床検査室は、例えば、試料を採取または入手する、試料を処理する、試料を提出する、試料を受け取る、試料を移す、試料を分析または測定する、試料を定量化する、試料の分析/測定/定量化から得られる結果を提供する、試料の分析/測定/定量化から得られる結果を受け取る、1つ以上の試料の分析/測定/定量化から得られる結果を比較/スコア付けする、1つ以上の試料からの比較/スコアを提供する、1つ以上の試料からの比較/スコアを得る、あるいは他の関連した行動をとることができる。
本明細書で使用されるとき、用語「コンピュータ断層撮影」または「CT」は、スキャンされた器官、組織または対象の特定領域の断層撮影画像(仮想的「スライス」)を用いるイメージング方法を指す。対象または器官の内部の三次元(3D)画像を単一の回転軸周囲で撮られた一連の二次元(2D)X線撮影画像から作成するため、デジタル幾何学処理が用いられる。
本明細書で使用されるとき、用語「コンピュータ断層撮影スキャン」または「CTスキャン」は、限定はされないが、X線、多検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)、高分解能コンピュータ断層撮影(HRCT)、陽電子放射断層撮影(PET)、陽電子放射断層撮影・コンピュータ断層撮影(PET−CT)、単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータX線体軸断層撮影(CATスキャン)、コンピュータ支援断層撮影、キセノン換気コンピュータ断層撮影(xenon ventilation computed tomography)、および過分極ガスMRI肺換気イメージング(hyperpolarizedf gas lung MRI ventilation imaging)を含む任意の好適な方法を用いて得られる、断層撮影画像の生成を指す。
II.好酸球性疾患のバイオマーカーとしての低いDPP4およびPOSTN
一般に、本明細書で開示される方法は、
(a)DPP4および/もしくはPOSTNのレベルにおける変化を単独でまたは好酸球性疾患もしくは障害(例えば喘息などの肺疾患もしくは障害)を有する患者における1つ、2つ、3つ、もしくはより多くのバイオマーカーのレベル、例えば血液好酸球数などにおける変化の検出と組み合わせて検出すること、
(b)検出されるDPP4および/またはPOSTNレベルに基づき、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療に対する臨床応答の増加を予測すること、
(c)DPP4および/またはPOSTNレベルが、単独でまたは他のバイオマーカーと組み合わせて、患者が好酸球標的化治療薬を用いる治療から利益を得ることを示す場合、好酸球標的化治療薬を患者に投与すること。DPP4および/またはPOSTNレベルが、単独でまたは他のバイオマーカーと組み合わせて、患者が好酸球標的化治療薬を有する治療から利益を受けないことを示す場合、治療は、例えば、中断され、一時的に中止され、変更され得る(例えば、投与の用量または頻度の増加)
に基づく。
一般に、本明細書で開示される方法は、
(a)DPP4および/もしくはPOSTNのレベルにおける変化を単独でまたは好酸球性疾患もしくは障害(例えば喘息などの肺疾患もしくは障害)を有する患者における1つ、2つ、3つ、もしくはより多くのバイオマーカーのレベル、例えば血液好酸球数などにおける変化の検出と組み合わせて検出すること、
(b)検出されるDPP4および/またはPOSTNレベルに基づき、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療に対する臨床応答の増加を予測すること、
(c)DPP4および/またはPOSTNレベルが、単独でまたは他のバイオマーカーと組み合わせて、患者が好酸球標的化治療薬を用いる治療から利益を得ることを示す場合、好酸球標的化治療薬を患者に投与すること。DPP4および/またはPOSTNレベルが、単独でまたは他のバイオマーカーと組み合わせて、患者が好酸球標的化治療薬を有する治療から利益を受けないことを示す場合、治療は、例えば、中断され、一時的に中止され、変更され得る(例えば、投与の用量または頻度の増加)
に基づく。
換言すれば、DPP4および/またはPOSTNの特定レベルは、単独でまたは他の分子または臨床バイオマーカー(例えば、患者の好酸球数)と組み合わせて、治療薬の臨床的有効性と相関し、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を患う患者の特定集団における臨床成績を予測するのに有用である。
用語「DPP4」は、本明細書で用いられるとき、DPP4遺伝子(cDNA配列は配列番号3に対応する)によってコードされるジペプチジルペプチダーゼIVタンパク質(EC3.4.14.5;Uniprot:P27487)を指す。DPP4はまた、DPP−IV、アデノシンデアミナーゼ複合タンパク質2、またはCD26(表面抗原分類26)としても公知である。DPP4は、アトラクチン、FAP、DPP8およびDPP9に関する。DPP4は、循環(血漿)中と上皮、内皮およびリンパ球様細胞を含む幾つかの細胞型の表面上との両方に存在する高度に保存された多機能性II型膜貫通糖タンパク質である。したがって、DPP4は、膜結合形態(配列番号1)と可溶形態(配列番号2)との両方において存在する。
DPP4は、T細胞同時刺激、ケモカイン生物学、II型糖尿病、および腫瘍生物学に関与するセリンプロテアーゼファミリーの一部である(Zhong et al.,Atherosclerosis 2013;226:305−314)。炎症性呼吸器疾患様喘息におけるDPP4の役割は、制御されない喘息を伴うチリダニアレルギー性鼻炎を有する小児の鼻粘膜上皮においてDPP4転写物(および他のTh2シグネチャー遺伝子)が増加することを見出した、Giovannini−Chami(Giovannini−Chami et al.,European Respiratory Journal.2012 May;39(5):1197−205)によって示唆されている。DPP4という用語はまた、断片、変異体(例えば、当該技術分野で公知のK1R、V7I、S437I、T557I、D663E変異体)、およびその誘導体(例えば、DPP4タンパク質のグリコシル化または脱グリコシル化タンパク質形態、またはその他としてタンパク質の化学修飾形態)を含む。
一部の態様では、DPP4のレベルの測定に加えてまたはその他として、本明細書で開示される方法は、患者から採取される試料を判定するか、判定のために提出するか、またはペリオスチンの発現レベルまたは活性を判定するように臨床検査室に指示するステップを含み得る。喘息などの肺疾患におけるバイオマーカーとしてのペリオスチンの使用は、例えば、Jia,et al.,J Allergy Clin.Immunol 2012 130:647−654;Takayama,et al.,J Allergy Clin Immunol 2006 118:98−104;およびPCT公開番号国際公開第2012/083132号パンフレット(各々はその全体が参照により本明細書に援用される)に開示されている。
用語「POSTN」は、本明細書で用いられるとき、POSTN遺伝子によってコードされる骨芽細胞特異的因子のタンパク質ペリオスチン(Uniprot:Q15063;配列番号20)を指す。POSTNはまた、骨芽細胞特異的因子2(OSF−2)としても公知である。POSTNは、上皮細胞の接着および泳動を支持するため、α−V/β−3およびα−V/β−5インテグリンに対するリガンドとして機能する。POSTNは、glaドメインビタミンK依存性因子である。POSTNという用語はまた、断片、変異体(例えば、選択的スプライシングによって生成されるアイソフォーム)、およびその誘導体(例えば、タンパク質のグリコシル化または脱グリコシル化タンパク質形態、またはその他としてタンパク質の化学修飾形態)を含む。
選択的スプライシングによって生成される7つのPOSTNアイソフォーム:OSF−2OSとしても公知であり、836アミノ酸長であるアイソフォーム1(Uniprot:Q15063−1);OSF−2p1としても公知であり、779アミノ酸長であるアイソフォーム2(Uniprot:Q15063−2);781アミノ酸長であるアイソフォーム3(Uniprot:Q15063−3);751アミノ酸長であるアイソフォーム4(Uniprot:Q15063−4);809アミノ酸長であるアイソフォーム5(Uniprot:Q15063−5);749アミノ酸長であるアイソフォーム6(Uniprot:Q15063−6);および721アミノ酸長であるアイソフォーム7(Uniprot:Q15063−7)は、当該技術分野で公知である。公知のPOSTN変異体は、基準のアイソフォーム1配列に関連する以下の配列差:I290F、D421V、T339I、またはV814Mのいずれかを有するものを含む。
一部の態様では、本明細書で開示されるDPP4およびPOSTNバイオマーカーは、好酸球性疾患または障害に関する他のバイオマーカー、例えば患者の好酸球数と組み合わせることができ、次に炎症性経路における1つ以上の分子バイオマーカーまたは当該技術分野で公知の臨床バイオマーカーと置き換えるかまたは組み合わせることができる。
用語「バイオマーカー」は、本明細書で用いられるとき、生物学的過程、生物学的事象、および/または病的状態の特徴的な指標である因子、例えば、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療に対する臨床応答の予測因子を指す。本明細書で用いられるとき、バイオマーカーという用語は、臨床マーカーと分子バイオマーカー(生物学的マーカー)との両方を包含する。したがって、本開示との関連では、用語「バイオマーカー」は、例えば、本明細書で開示されるDPP4およびPOSTNバイオマーカーなどの「生物学的バイオマーカー」または「分子バイオマーカー」を、単独でまたはIL−13経路に関連した分子バイオマーカー、特定の好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)に関連した分子バイオマーカー、およびそれらの組み合わせと組み合わせて包含する。本明細書で開示される生物学的マーカーはまた、それらのタンパク質をコードする遺伝子(DNAおよび/またはRNA)、ならびに代謝産物を含む。
上で開示される通り、用語「バイオマーカー」はまた、生物学的治療薬に対する応答を予測し得る、「臨床状態マーカー」とも称される「臨床バイオマーカー」、例えば、性別、年齢、併用薬、喫煙状態、肥満度指数(BMI)などを包含する。例えば、米国特許出願公開第20150065530号明細書、米国特許出願公開第20140141990号明細書、米国特許出願公開第20130005596号明細書、米国特許出願公開第20090233304号明細書、米国特許出願公開第20140199709号明細書、米国特許出願公開第20130303398号明細書、および米国特許出願公開第20110212104号明細書(それら全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
本明細書で開示されるDPP4分子バイオマーカーはまた、その膜結合形態(配列番号1)または可溶形態(配列番号2)のいずれかの野生型配列に対して少なくとも約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するタンパク質またはその断片、およびDPP4の膜結合または可溶形態をコードする各々の野生型核酸配列に対して少なくとも約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する核酸を含む。
本明細書で開示されるPOSTN分子バイオマーカーはまた、当該技術分野で公知の野生型配列POST(配列番号20)またはPOSTNアイソフォームに対して少なくとも約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するタンパク質またはその断片、および配列番号20の野生型核酸配列または当該技術分野で公知のPOSTNアイソフォームに対して少なくとも約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する核酸を含む。
本明細書で開示されるDPP4およびPOSTN分子バイオマーカーはまた、その断片、変異体、および誘導体を含む。本明細書で用いられるとき、「変異体」バイオマーカーは、対応する野生型ポリペプチドのアミノ酸配列と比べて少なくとも1つのアミノ酸配列改変を含む。アミノ酸配列改変は、例えば、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、または挿入、好ましくは保存的置換であり得る。変異体バイオマーカーは、アミノ酸の置換、欠失または挿入の任意の組み合わせを有し得る。一態様では、バイオマーカーの変異体ポリペプチドは、そのアミノ酸配列が対応する野生型ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも60、70、80、85、90、95、97、98、99、99.5または100%の同一性を共有するように、ある整数のアミノ酸改変を有し得る。
本開示の一部の態様では、本明細書で開示される方法は、DPP4をバイオマーカーとして排他的に用いて、POSTNをバイオマーカーとして排他的に用いて、DPP4およびPOSTNの組み合わせを用いて、または任意選択的に患者の好酸球数などの追加的な臨床および/または分子バイオマーカーを組み込むことにより、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)に適用され得る。
一部の態様では、本明細書で開示される方法は、追加的なバイオマーカー、例えば、血液好酸球細胞数、患者のIgEレベルのレベル、気管支拡張薬前または後FEV1可逆性、肺のCTスキャンデータからの亜区域気道の壁面積百分率(WA%)、またはそれらの組み合わせを用いることを含み得る。治療的応答(例えば、気道抵抗および/またはFEV1における改善)を予測するため、亜区域気道(WA%)の肺のCTスキャンを用いる測定としての壁面積%(WA%)を用いることができる。
例えば血液中の正常ベースラインレベルを超える好酸球の存在は、DPP4レベルおよび/またはPOSTNレベルと組み合わせたバイオマーカーとして用いることができる。重度喘息患者は、頻繁な増悪および入院を有し、疾患のコストの過半数およびその死亡率の大半を占める(Gaga et al.,2009)。重度喘息における重要な特徴である炎症は、様々な度合いの好酸球および好中球浸潤の持続によって特徴付けられ得る異なる表現型を示す(Balzar et al.,2002)。喘息における好酸球の存在は、気道生検を介して十分に文書化されている。喘息における好酸球の臨床的重要性は、痰好酸球数>3%を有する患者における頻繁な喘息増悪の所見によって実証されている。さらに、痰好酸球数を<3%に維持するように吸入抗炎症治療薬を適合させるように設計された臨床試験は、喘息増悪の低下をもたらしている(Green et al.,2002)。標準治療に対して不応性の痰の好酸球増多症を有する症候性喘息患者も、気道好酸球を枯渇させるモノクローナル抗体治療(メポリズマブ)後に改善している(Nair et al.,2009;Haldar et al.,2009)。
現在まで、好酸球性喘息患者を同定するための正確かつ信頼できる唯一の方法は、患者から誘導される痰試料の獲得に限られている(Molfino,2012)。痰誘導手順は、診療において容易には利用できない熟練技術者および機器を必要とする厄介で複雑なプロセスである。たとえこれらの欠点がある場合でも、誘導痰は、喘息において生じる細胞炎症プロセスを評価するための基準であり続ける(Lieberman,2007)。疾患進行および治療に対する応答を評価するためのバイオマーカーを提起するためのアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)および連邦機関から招集されたパネリストは、患者を痰好酸球性喘息患者として分類するためのカットオフとして痰中の2%好酸球を推奨している(Szefler et al.,2012)。
絶対値、例えば痰EOS%カットオフに基づくカットオフ手法は、好酸球性喘息などの肺疾患および障害における予測および分類のための基準として用いられる。一態様では、EOS%カットオフは、患者を好酸球性が2%以上の痰好酸球であるとして分類することを指す。1%、2%、2.5%、および3%の痰好酸球のEOS%カットオフポイントは、好酸球性患者と非好酸球性患者との間を区別するものとして報告されている。例えば、Green et al.,2002およびJayaram et al.,2006を参照されたい。Belda et al.,2000は、健常被験者における痰EOS%に対する平均+2標準偏差が2.2%であることを示した。現在まで、好酸球性喘息を予測および分類するための試みでは、個別の尺度(血液好酸球数およびFENOなど)と痰EOS%との相関が検討されている。
好酸球数に関して上で開示されるカットオフ、すなわち1%、2%、2.2%、2.5%、または3%の痰中好酸球の百分率または痰EOS%は、本明細書で開示される方法における閾値として用いることができる。
用語「壁面積」は、本明細書で用いられるとき、気管支壁(例えば、上葉における区域および亜区域気管支)の断面積を指す。壁面積百分率(WA%)は、次のように、すなわち100*壁面積/(壁面積+内腔面積)で算出される。壁面積および壁面積百分率を測定するためのツールは当該技術分野で周知である。例えば、Gupta et al.,J Allergy Clin Immunol.133(3):729−738(2014);Gupta et al.,Thorax.65(9):775−81(2010)を参照されたい。一部の態様では、気道寸法は、肺のコンピュータ断層撮影(CT)イメージングデータから測定される。かかるイメージングデータは、例えば、VIDA Apollo(例えば、Volumetric Information Display and Analysis(VIDA)Pulmonary Workstation,VIDA Diagnostics,Coralville,Iowa)などの市販ソフトウェアを用いて処理され得る。
他の態様では、本明細書で開示される方法はまた、CTLA−3(可溶性CTLA−3;細胞傷害性Tリンパ球関連セリンエステラーゼ3、グランザイムA、またはグランザイム1としても公知;Uniprot:P12544)、sCD28(可溶性CD28;表面抗原分類28またはTp44としても公知;Uniprot:P10747)、CCL5(ケモカインC−Cモチーフリガンド5;RANTESとしても公知;Uniprot:P13501)、CCL11(C−Cモチーフケモカイン11;好酸球走化性タンパク質またはエオタキシン−1としても公知;Uniprot:P51671)、CCL22(C−Cモチーフケモカイン22;Uniprot:O00626)、またはそれらの組み合わせの発現レベルまたは活性など、DPP4および/またはPOSTNレベルと組み合わせて追加的な分子バイオマーカーを用いることを含み得る。これらのバイオマーカーは、IL−13媒介性肺疾患において、例えば、Lun et al.,J.Clin.Immunol.2007 27:430−437に開示されている。
一部の態様では、本明細書で開示される方法はまた、CCL26、FZD5、DOK1、CST2、ZNF436、C20orf100、NAGS、CST1、CDH13、HRH1、TMEM132B、NTRK1、SLCO2A1、IgE、FETUB、KRT31IKRT34、C6orf138、ATP5J、TUBAL3、JAM2、NOVA2、NOS2A、HS3ST4、GRM8、IL1R2、CTDSPL、CEP72、LOC199800、LYPD1、DISP1、NKX1−2、C4orf38、LOXL4、PRKD1、PAM124B、GPR44、HIGD1B、CLCA1、SEPT11、CYYR1、CD36、ALOX15、AADAC、ACTA1、ODC1、DKFZp434F142、ACHE、CSF3、LOC100132552、C12orf27、ZNF331、GK5、DUSP1IDUSP4、LRWD1、PGLYRP4、GUSBL2、CLGN、NR1I2、EST、LRRC37B、SAA4、SLC12A3、TMEM45A、FLJ37464、MUC5B、CXCL6、GLRB、DKFp686K01114、FOLR1、TSPAN6、AKR1C1、KIAA0232、PTP4A1、PCYT2、RHOV、PROS1、C11orf63、TCTN1、PIP5K1B、OSBPL6、NSUM7、GJB7、IRS2、またはそれらの組み合わせの発現レベルまたは活性など、DPP4および/またはPOSTNレベルと組み合わせて追加的な分子バイオマーカーを用いることを含み得る。これらの遺伝子は、Choi et al.J.Immunol.186(3):1861−9(2011)および国際公開第2009124090号パンフレット(両方はそれら全体が参照により本明細書に援用される)に開示されるようなTh−2シグネチャーの一部である。
一部の態様では、本明細書で開示される方法はまた、シスタチン−SN(CST1);ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド26(CCL26);カルシウム活性化クロライドチャネルレギュレーター(1CLCA1);シスタチン−SA(CST2);プロリンリッチタンパク質4(PRR4);プラスミノゲンアクチベーターインヒビター2(胎盤PAI)、HsT1201、PAI、PAI−2、PAI2またはPLANH2(SERPINB2)としても公知;癌胎児性抗原関連細胞接着分子5(CEACAM5)、表面抗原分類66(CD66e)としても公知;誘導性NOS(iNOS、NOS2)、セルピンペプチダーゼ阻害剤、クレードB(オバルブミン)、メンバー4(SERPINB4、LEUPIN、PI11、SCCA−2、SCCA1、SCCA2)、シスタチンS(CST4)、塩基性唾液プロリンリッチタンパク質4(PRB4)、トリプターゼデルタ11(TPSD1)、トリプターゼガンマ1(TPSG1)、メジャーファシリテータースーパーファミリードメインを有する2Aタンパク質(MFSD2)、カルボキシペプチダーゼA3(CPA3)、Gタンパク質共役受容体105(GPR105)、カドヘリン26(CDH26)、ゲルゾリン(GSN)、カンナビノイド受容体と相互作用するタンパク質11(C2ORF32)、膜貫通タンパク質711(TRACH2000196、TMEM71)、DnaJ(Hsp40)相同体、サブファミリーC、メンバー121(DNAJC12)、RGS13(Gタンパク質シグナル伝達13のレギュレーター)、溶質担体ファミリー18メンバー2(SLC18A2)、セルピンペプチダーゼ阻害剤、クレードB(オバルブミン)、メンバー10(SERPINB10)、SH3リングフィンガー2タンパク質(SH3RF2)、高親和性免疫グロブリンイプシロン受容体サブユニットベータ(FCER1B)、runt関連転写因子2(RUNX2)、プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ1(PTGS1)、アラキドン酸15−リポキシゲナーゼ(ALOX15)、およびそれらの組み合わせの発現レベルまたは活性など、DPP4および/またはPOSTNレベルと組み合わせて追加的な分子バイオマーカーを用いることを含み得る。
一部の態様では、患者のDPP4レベルが高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、実施例2で開示されるイムノアッセイを含むDDP4検出イムノアッセイによる測定として、DPP4の測定レベルが≧約376ng/mLであることが要求される。一部の態様では、患者のDPP4レベルが低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、実施例2で開示されるイムノアッセイを含むDDP4検出イムノアッセイによる測定として、DPP4の測定レベルが<約376ng/mLであることが要求される。
一部の態様では、患者のDPP4レベルが高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、実施例2で開示されるイムノアッセイを含むDDP4検出イムノアッセイによる測定として、DPP4の測定レベルが≧約363ng/mLであることが要求される。一部の態様では、患者のDPP4レベルが低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、実施例2で開示されるイムノアッセイを含むDDP4検出イムノアッセイによる測定として、DPP4の測定レベルが<約363ng/mLであることが要求される。
一部の態様では、患者のPOSTNレベルが高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、国際公開第2015120185号パンフレットで開示されるPOSTNイムノアッセイを含むPOSTN検出イムノアッセイによる測定として、POSTNの測定レベルが≧約25.8ng/mLであることが要求される。一部の態様では、患者のPOSTNレベルが低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、国際公開第2015120185号パンフレットで開示されるPOSTNイムノアッセイを含むPOSTN検出イムノアッセイによる測定として、DPP4の測定レベルが<約25.8ng/mLであることが要求される。
一部の態様では、患者のPOSTNレベルが高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、国際公開第2015120185号パンフレットで開示されるPOSTNイムノアッセイを含むPOSTN検出イムノアッセイによる測定として、POSTNの測定レベルが≧約23.5ng/mLであることが要求される。一部の態様では、患者のPOSTNレベルが低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、国際公開第2015120185号パンフレットで開示されるPOSTNイムノアッセイを含むPOSTN検出イムノアッセイによる測定として、POSTNの測定レベルが<約23.5ng/mLであることが要求される。
一部の態様では、患者の血液好酸球数が高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが≧150細胞/μLであることが要求される。一部の態様では、患者の血液好酸球数が低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが<150細胞/μLであることが要求される。
一部の態様では、患者の血液好酸球数が高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが≧300細胞/μLであることが要求される。一部の態様では、患者の血液好酸球数が低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが<300細胞/μLであることが要求される。
一部の態様では、患者の血液好酸球数が高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが≧400細胞/μLであることが要求される。一部の態様では、患者の血液好酸球数が低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが<400細胞/μLであることが要求される。
一部の態様では、患者の血液好酸球数が高である(より高いまたは増加した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが少なくとも約150細胞/μL、160細胞/μL、170細胞/μL、180細胞/μL、190細胞/μL、200細胞/μL、210細胞/μL、220細胞/μL、230細胞/μL、240細胞/μL、250細胞/μL、260細胞/μL、270細胞/μL、280細胞/μL、290細胞/μL、300細胞/μL、310細胞/μL、320細胞/μL、330細胞/μL、340細胞/μL、350細胞/μL、360細胞/μL、370細胞/μL、380細胞/μL、390細胞/μL、または400細胞/μLであることが要求される。
一部の態様では、患者の血液好酸球数が低である(より低いまたは低下した)ことの判定では、血液好酸球の測定レベルが少なくとも150細胞/μL未満、150細胞/μL、160細胞/μL、170細胞/μL、180細胞/μL、190細胞/μL、200細胞/μL、210細胞/μL、220細胞/μL、230細胞/μL、240細胞/μL、250細胞/μL、260細胞/μL、270細胞/μL、280細胞/μL、290細胞/μL、300細胞/μL、310細胞/μL、320細胞/μL、330細胞/μL、340細胞/μL、350細胞/μL、360細胞/μL、370細胞/μL、380細胞/μL、390細胞/μL、または400細胞/μLであることが要求される。
III.DPP4、POSTN、好酸球数、および他のバイオマーカーの測定
DPP4、POSTN、および本明細書で開示される他のバイオマーカーのレベル(それらの発現されたタンパク質レベル、またはそれら各々の核酸レベル、例えばmRNAレベルのいずれか)は、当業者に周知の幾つかの方法のいずれかにより検出および定量化され得る。これらの方法は、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー、質量分析などの分析的生化学的方法、または流体もしくはゲル沈降反応、免疫拡散(単一または二重)、免疫組織化学、親和性クロマトグラフィー、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着測定(ELISA)、化学発光イムノアッセイ(CLIA)、免疫蛍光アッセイ、ウエスタンブロッティングなどの様々な免疫学的方法を含む。
DPP4、POSTN、および本明細書で開示される他のバイオマーカーのレベル(それらの発現されたタンパク質レベル、またはそれら各々の核酸レベル、例えばmRNAレベルのいずれか)は、当業者に周知の幾つかの方法のいずれかにより検出および定量化され得る。これらの方法は、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー、質量分析などの分析的生化学的方法、または流体もしくはゲル沈降反応、免疫拡散(単一または二重)、免疫組織化学、親和性クロマトグラフィー、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着測定(ELISA)、化学発光イムノアッセイ(CLIA)、免疫蛍光アッセイ、ウエスタンブロッティングなどの様々な免疫学的方法を含む。
一部の態様では、DPP4、POSTN、または本明細書で開示される他の分子バイオマーカーを検出および/または定量化するために用いられる方法は、試料中での遺伝子または遺伝子セグメントによってコードされるRNA、例えばmRNAのレベル、濃度、または量を測定するステップを含む。RNA、例えばmRNAのレベルは、限定はされないが、ノーザンブロッティングまたは定量PCR(qPCR)(逆転写qPCR、リアルタイムqPCR、およびエンドポイントqPCRなどの方法を含む)を含む当該技術分野で公知の任意の技法により測定されてもよい。あるいは、異なるmRNAの細胞濃度の相対的尺度を提供するため、「タグに基づく」技術、例えば遺伝子発現の連続分析(SAGE)およびRNA−Seqが実施されてもよい。
一部の態様では、DPP4、POSTN、および本明細書で開示される他の分子バイオマーカーは、電気泳動ポリペプチド分離(例えば、一次元または二次元電気泳動)において検出および/または定量化され得る。電気泳動技術を用いてポリペプチドを検出する手段は、当業者に周知である(一般に、R.Scopes(1982)Polypeptide Purification,Springer−Verlag,N.Y.;Deutscher,(1990)Methods in Enzymology Vol.182:Guide to Polypeptide Purification,Academic Press,Inc.,N.Y.を参照されたい)。
一部の態様では、試料中でのDPP4、POSTN、または本明細書で開示される任意の他の分子バイオマーカーの存在または不在を検出および定量化するため、ウエスタンブロット(イムノブロット)分析が用いられる。この技法は、一般に、試料ポリペプチドを分子量に基づくゲル電気泳動により分離するステップと、分離されたポリペプチドを好適な固体支持体(ニトロセルロースフィルター、ナイロンフィルター、または誘導体化ナイロンフィルターなど)に移すステップと、試料を分析物に特異的に結合する抗体とともにインキュベートするステップとを含む。分析物に特異的に結合する抗体は、直接的に標識されてもよく、または代替的にはその後、一次抗体のドメインに特異的に結合する標識抗体(例えば、標識ヒツジ抗マウス抗体)を用いて検出されてもよい。
一部の態様では、本明細書で開示されるDPP4、POSTN、および他の分子バイオマーカーは、イムノアッセイを用いて生体試料中で検出および/または定量化され得る。イムノアッセイの一般的レビューについては、Methods in Cell Biology Volume 37:Antibodies in Cell Biology,Asai,ed.Academic Press,Inc.New York(1993);Basic and Clinical Immunology 7th Edition,Stites&Terr,eds.(1991)も参照されたい。例えば、米国特許出願公開第2007/0212723A1号明細書、Shang et al.,Circulation Research 101:1146−1154(2007);ならびに国際特許出願公開の国際公開第2012/094651号パンフレットおよび国際公開第2010/129964号パンフレットも参照されたい。
一部の態様では、イムノアッセイでは、分子バイオマーカー(例えば、ヒトDPP4またはヒトPOSTN)を認識する1つ以上の抗体またはその抗原結合断片を用いることができる。一部の態様では、イムノアッセイは、サンドイッチイムノアッセイ、例えば酵素結合免疫吸着測定(ELISA)またはサンドイッチ電気化学発光(ECL)アッセイを含み、そこでは分子バイオマーカー(例えば、DPP4またはPOSTN)に対する一次抗体またはその抗原結合断片が「捕捉」抗体として用いられる。捕捉抗体は固体支持体に付着され、試料または標準からの抗原は捕捉抗体に結合可能であり、次に検出可能な標識、すなわち「検出」抗体を含む同じバイオマーカーに対する二次抗体またはその抗原結合断片が添加される。検出抗体は、酵素反応、ECL反応、放射能、または当該技術分野で公知の任意の他の検出方法のいずれかにより検出され得る。
一部の態様では、免疫測定法は以下のステップを含み、すなわち第1に、捕捉抗体またはその断片は、固体支持体、例えば、マルチウェルプレートまたは当業者に公知の他のアッセイ装置に結合状態にされる。捕捉抗体は、ある期間、例えば一晩にわたり付着状態にされ、次に未結合の抗体が除去される。次にプレートは、任意の未結合の捕捉抗体を除去するために洗浄され得る。次にプレートは、ブロッキング溶液で処理することができ、非特異的なタンパク質が固体支持体の任意の未結合領域に結合することが可能になる。
典型的なブロッキング溶液は、無関係のタンパク質、例えば脱脂粉乳または血清アルブミンを含む。次に、プレートは、任意の未結合のブロッキング溶液を除去するために再び洗浄され得る。次いで、分子バイオマーカー(例えば、DPP4またはPOSTN)を含有することが疑われる試料がプレートに添加される。試料は、典型的には二重または三重に連続希釈され、蒔かれる。対照、例えば標準量のバイオマーカー(例えば、純粋な組換えDPP4または純粋な組換えPOSTN)またはその好適な断片および様々な負の対照も含まれる。抗原は、室温である期間、例えば1時間、捕捉抗体に結合可能にされる。インキュベーション後、任意の未結合抗原を除去するため、次にプレートは洗浄され得る。
次いで、検出抗体が添加される。検出抗体は、典型的には、捕捉抗体が結合する対象のエピトープと異なる分子バイオマーカー(例えば、DPP4またはPOSTN)エピトープのエピトープに特異的に結合する抗抗体である。検出抗体は、標識または非標識であり得る。検出抗体が非標識である場合、当業者によって周知である通り、標識二次抗体を追加する追加ステップが要求されることになる。
検出抗体は、酵素、例えば西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼで直接的に標識され得るか、または酵素の結合を可能にするタグで標識され得る。例えば、検出抗体は、ビオチンに結合され、後続ステップで酵素結合ストレプトアビジンのビオチンタグへの結合を可能にすることにより酵素は付着され得る。あるいは、検出抗体は、化学発光、蛍光、またはECLタグに結合され得る。後者の例として、ルテニウムキレートが挙げられる。インキュベーション後、次にプレートは、任意の未結合の検出抗体を除去するため、洗浄され得る。検出抗体の検出は、用いられる検出抗体のタイプに基づいて変わる方法により達成され得る。
検出抗体がビオチンでタグ化される場合、酵素結合ストレプトアビジンが添加され、未結合のストレプトアビジンが洗い流され、基質が添加され、それにより、例えば分光光度計で読み取ることができる比色分析反応が得られる。検出抗体がルテニウムキレートに結合される場合、プレートは電流を受け、および光放射が測定される。
分子バイオマーカー(例えば、DPP4またはPOSTN)を検出するためのイムノアッセイは、競合または非競合のいずれかであり得る。非競合イムノアッセイは、捕捉される分析物の量が直接的に測定されるアッセイである。競合アッセイでは、試料中の分析物の量は、捕捉剤から試料中に存在する分析物により置換される(または競合排除される)、添加される(外因性)標識分析物の量を測定することにより、間接的に測定される。1つの競合アッセイでは、既知量の例えば標識分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)が試料に添加され、次に試料は捕捉剤と接触される。抗体に結合される標識分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の量は、試料中に存在する分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の濃度に反比例する。
一部の態様では、本方法では、患者試料中でのDPP4、POSTN、または本明細書で開示される他のバイオマーカーのレベルが直接的に測定され、ここで絶対レベルは、例えば、精製された完全長DPP4もしくはPOSTN、またはDPP4もしくはPOSTN断片(または本明細書で開示される完全長バイオマーカーもしくはその断片)を用いて検量線上にイムノアッセイ結果をプロットすることにより算出される。次に、検出抗体からの検出されるシグナルは、プレート上に含まれる様々な標準および対照に基づいて定量化され得る。検量線上に結果をプロットすることにより、試験試料中でのDPP4、POTN、または本明細書で開示される任意の他のバイオマーカーの絶対レベルは、例えば、pgもしくはngのバイオマーカー/mL、またはpgもしくはngのバイオマーカー/mgの総タンパク質で算出され得る。
DPP4、POSTN、または本明細書で開示される他の分子バイオマーカーにおける検出アッセイは、当業者に周知の標準的方法に従って(陽性または陰性または分析物の量として)スコア化され得る。スコア化の特定方法は、アッセイ形式および標識の選択に依存することになる。例えば、ウエスタンブロットアッセイは、酵素標識によって生成される着色生成物を可視化することによりスコア化され得る。正確な分子量での明確に目視できる着色バンドまたはスポットが陽性結果としてスコア化される一方、明確に目視できるスポットまたはバンドの不在は陰性としてスコア化される。バンドまたはスポットの強度は、分析物濃度の定量的尺度を提供し得る。
一部の態様では、分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の測定される発現レベルは、発現レベルの2回以上の測定に基づく平均(average)発現レベルまたは平均(mean)発現レベルを表す。一部の態様では、測定される発現レベルは、同じ試料の発現レベルの幾つかの測定値の平均(average)または平均(mean)である。一部の態様では、測定される発現レベルは、同じ被験者から得られる同じ成分を含有する異なる試料の発現レベルの幾つかの測定値の平均(average)または平均(mean)である。一部の態様では、測定される発現レベルは、当業者によって周知の技術を用いてRNA Seq技術において行われるように、分位正規化される。
用語「DPP4検出アッセイ」は、本明細書で用いられるとき、生体試料中でのDPP4の存在または不在を検出する能力がある定量的および定性的アッセイの両方を指す。DPP4検出アッセイという用語は、例えばELISAなどのイムノアッセイを包含した。
用語「POSTN検出アッセイ」は、本明細書で用いられるとき、生体試料中でのPOSTNの存在または不在を検出する能力がある定量的および定性的アッセイの両方を指す。POSTN検出アッセイという用語は、例えばELISAなどのイムノアッセイを包含した。POSTN検出アッセイは、当該技術分野で周知である。一部の態様では、POSTN検出アッセイは、国際公開第2015120171A1号パンフレットまたは国際公開第2015120185号パンフレットに開示されたイムノアッセイ、または市販のPOSTNアッセイである。
一部の態様では、DPP4検出アッセイまたはPOSTN検出アッセイは、試料中でのDPP4および/またはPOSTNの発現レベルを検出する能力がある多重イムノアッセイ、例えば、Bio−Rad BIO−PLEX(商標)、EMD Millipore MILLIPLEX(商標)、Life Technologies NOVEX MULTIPLEX(商標)、Thermo Fisher Scientific LUMINEX(登録商標)、PerkinElmer ALPHAPLEX(商標)、Affymetrix(eBioscience)PROCARTA(商標)、またはR&D Systems LUMINEX(登録商標)である。
一部の態様では、DPP4検出アッセイは、表1中に含まれるアッセイまたはその変形である。
アッセイの検出限界(LOD)が所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルとして用いられるとき、所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルは、かかるアッセイにおける特定のLODとなる。
対照被験者または特定の好酸球性疾患もしくは状態を患う被験者(またはその亜集団)におけるDPP4またはPOSTNの発現のレベルが所定のDPP4またはPOSTNバイオマーカーの閾値レベルとして用いられるとき、所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルは、アッセイについての製造業者の使用説明書において各集団(例えば、健常対照、中等度喘息を有する患者、または重度喘息を有する患者)について報告される分子バイオマーカーのレベルとなる。
用語「レベル」は、本明細書で開示されるバイオマーカー、例えばDPP4、POSTN、または本明細書で開示されるバイオマーカーセットに適用されるとき、1つ以上の生体試料中でのバイオマーカーまたはバイオマーカーセットの発現(タンパク質の発現または遺伝子の発現)の存在/不在または発現/欠如を検出するための任意の分析法を用いて得られる1つまたは複数の測定値を指し、1つまたは複数の生体試料中での1つまたは複数のバイオマーカーの、それらについての、またはそれらに対応する存在、不在、絶対量または濃度、相対量または濃度、力価、発現レベル、測定レベルの比などを示す。
「値」または「レベル」の正確な性質は、DPP4、POSTN、または本明細書で開示される別のバイオマーカーを検出するために用いられる特定の分析法(例えば、イムノアッセイ、質量分析法、インビボ分子イメージング、遺伝子発現プロファイリング、アプタマーに基づくアッセイなど)の特定の設計および成分に依存する。例えば、米国特許出願公開第2010/00221752号明細書を参照されたい。
DPP4、POSTN、および本明細書で開示される他のバイオマーカーに関して本明細書で用いられるとき、用語「上昇した」、「増加した」または「より高い」は、バイオマーカーレベルに適用されるとき、対照試料中で測定されるバイオマーカーの発現レベルまたは範囲(「正常レベル」)、または本明細書で開示される特定の閾値より高い生体試料(例えば血清または痰)中のレベルを指す。これらの閾値は、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表1に開示されるDPP4アッセイの1つを含むDPP4検出アッセイを用いる測定として、DPP4血清タンパク質についての例えば約363ng/mLまたは約376ng/mLを含む。これらの閾値はまた、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイまたは当該技術分野で公知の任意のPOSTNアッセイを含むPOSTN検出アッセイを用いる測定として、POSTN血清タンパク質についての例えば約23.5ng/mLまたは約25.8ng/mLを含む。
DPP4、POSTN、および本明細書で開示される他のバイオマーカーに関して本明細書で用いられるとき、用語「低下した」、「減少した」または「より低い」は、バイオマーカーレベルに適用されるとき、対照試料中で測定されるバイオマーカーの発現レベルまたは範囲(「正常レベル」)、または本明細書で開示される特定の閾値より低い生体試料(例えば血清または痰)中のレベルを指す。これらの閾値は、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表1に開示されるDPP4イムノアッセイの1つを含むDPP4検出アッセイを用いる測定として、DPP4血清タンパク質についての例えば約363ng/mLまたは約376ng/mLを含む。これらの閾値はまた、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイまたは当該技術分野で公知の任意のPOSTNアッセイを含むPOSTN検出アッセイを用いる測定として、POSTN血清タンパク質についての例えば約23.5ng/mLまたは約25.8ng/mLを含む。
DPP4、POSTN、および本明細書で開示される他のバイオマーカーにおける正常レベルまたは範囲は、標準的慣習に従って定義され得る。したがって、特定の生体試料中で測定されるレベルは、類似の正常試料中で測定されるレベルまたはレベルの範囲と比較され得る。これに関連して、正常試料または対照試料であれば、例えば、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)の検出不能な症状を有する個体から得られる試料となる。したがって、例えばDPP4またはPOSTNのレベルは、DPP4またはPOSTNのレベルが、試験試料中に正常試料中、対照試料中、または本明細書で開示される特定の閾値レベルより低いレベルまたは範囲で存在するとき、低いレベル、より低いレベル、低下したレベル、減少したレベル、またはその文法的変異形であると言われる。
逆に、例えばDPP4またはPOSTNのレベルは、DPP4またはPOSTNのレベルが、試験試料中に正常試料中、対照試料中、または本明細書で開示される特定の閾値レベルより高いレベルまたは範囲で存在するとき、高いレベル、より高いレベル、増加したレベル、上昇したレベル、またはその文法的変異形であると言われる。これらの閾値は、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表2に開示されるDPP4検出アッセイの1つを含むDDP4イムノアッセイを用いる測定として、血清DPP4タンパク質についての例えば約363ng/mLまたは約376ng/mLを含む。これらの閾値はまた、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイまたは当該技術分野で公知の任意のPOSTNアッセイを含むPOSTN検出アッセイを用いる測定として、POSTN血清タンパク質についての例えば約23.5ng/mLまたは約25.8ng/mLを含む。
一部の態様では、本明細書で開示される分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)のレベルは、正常試料または対照試料、または本明細書で開示される特定の閾値レベルよりも少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、125%、130%、135%、140%、145%、150%、155%、160%、165%、170%、175%、180%、185%、190%、195%、200%、205%、210%、215%、220%、225%、230%、235%、240%、245%、250%、255%、260%、265%、270%、275%、280%、285%、290%、295%、300%、305%、310%、315%、320%、325%、330%、335%、340%、345%、350%、355%、360%、365%、370%、375%、380%、385%、390%、395%、400%、405%、410%、415%、420%、425%、420%、435%、440%、445%、450%、455%、460%、465%、470%、475%、480%、485%、490%、495%、または500%高い場合、上昇するかまたは高いと考えられる。
一部の態様では、本明細書で開示される分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)のレベルは、正常試料または対照試料、または本明細書で開示される特定の閾値レベルよりも少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、125%、130%、135%、140%、145%、150%、155%、160%、165%、170%、175%、180%、185%、190%、195%、200%、205%、210%、215%、220%、225%、230%、235%、240%、245%、250%、255%、260%、265%、270%、275%、280%、285%、290%、295%、300%、305%、310%、315%、320%、325%、330%、335%、340%、345%、350%、355%、360%、365%、370%、375%、380%、385%、390%、395%、400%、405%、410%、415%、420%、425%、420%、435%、440%、445%、450%、455%、460%、465%、470%、475%、480%、485%、490%、495%、または500%低い場合、低下するかまたは低いと考えられる。
本明細書で用いられるとき、用語「閾値レベル」(または代替的に本明細書中で「閾値」もしくは「所定の閾値レベル」)は、比較目的として注目され得るDPP4、POSTN、または本明細書で開示される任意の他のバイオマーカーのレベルを指す。一部の態様では、閾値レベルは、健常(疾患のない)被験者の対照集団から採取される試料からのタンパク質または核酸の発現レベルのレベルの平均として表されるタンパク質または核酸の発現レベルであってもよい。
一部の態様では、閾値レベルは、同じ被験者における異なる時刻、例えば本アッセイ前でのレベル、例えば被験者が疾患を発症する前または治療の開始前に測定されるレベルであってもよい。一般に、試料は、共通因子により正規化される。例えば、体液試料は、体液量により正規化され、細胞含有試料は、タンパク質含量または細胞数により正規化される。別の態様では、閾値レベルはまた、例えば好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療に応答しない被験者の対応する対照試料または対照群における同じバイオマーカーの発現のレベルを指してもよい。
一部の態様では、DPP4、POSTN、または本明細書で開示される任意の他のバイオマーカーの発現レベルは、閾値レベル(または代替的に本明細書中で「所定の閾値レベル」)と比較される。したがって、本明細書で用いられるとき、用語「閾値レベル」または「所定の閾値レベル」は、タンパク質または核酸の測定された発現レベルが比較される場合のカットオフまたは閾値である。
公知の対照試料との比較に基づき、DPP4または本明細書で開示される任意の他のバイオマーカーにおける「閾値レベル」は判定され得、バイオマーカーの閾値レベルより高値または低値に該当する試験試料は、試料の由来元の患者が、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療から利益を得る場合または得ない場合があることを示す。
例えば、DPP4またはPOSTNレベルが試料中でその閾値レベルを超える場合、患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療から利益を得ない場合があることが示される。逆に、DPP4またはPOSTNレベルがその閾値レベルを下回る試料の場合、患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療から利益を得る場合があることが示される。
一部の態様では、DPP4、POSTN、または本明細書で開示される任意の他のバイオマーカーにおける閾値レベル(例えば、タンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)は、予め決定され、試料タイプ(例えば、血清、肺組織、痰)、好酸球性疾患または障害(例えば、喘息、IPF、COPD)のタイプ、また場合により用いられるアッセイに対して整合され得る。
実施例2に記載のイムノアッセイ、表1に開示されるDPP4検出イムノアッセイの1つ、または上に開示される多重イムノアッセイを用いて定量化された、軽度から中等度の喘息患者の集団由来の血清試料からのDPP4レベルが376ng/mLより低いことは、患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体に対して増加した臨床応答を有し得ることを示す。したがって、本明細書で開示される方法の一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、実施例2に記載のイムノアッセイを用いる測定として血清中の発現されたDPP4タンパク質で約376ng/mLである。
国際公開第2015120185号パンフレットに記載のイムノアッセイ、または当該技術分野で公知の任意のPOSTN検出、または上に開示される多重イムノアッセイを用いて定量化された、軽度から中等度の喘息患者の集団由来の血清試料からのPOSTNレベルが25.8ng/mLより低いことは、患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体に対して増加した臨床応答を有し得ることを示す。したがって、本明細書で開示される方法の一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のイムノアッセイを用いる測定として血清中の発現されたPOSTNタンパク質で約25.8ng/mLである。
一部の他の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、例えば実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表1に開示されるDPP4イムノアッセイのいずれかに従う測定として、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する複数の患者から測定された血清中の中央値バイオマーカーレベルに基づく。
したがって、一部の態様では、DPP4の所定の閾値レベルは、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表1に開示されるDPP4イムノアッセイのいずれかを用いる測定として、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する複数の患者から測定された血清中のほぼ中央値のDPP4値である。
一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイを用いる測定として血清中の発現されたDPP4タンパク質で約376ng/mL+/−25pg/mLである。
一部の態様では、DPP4閾値レベルは、約100〜約870ng/mLであり得る。したがって、DPP4閾値レベルは、約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、または870ng/mLであり得る。
一部の態様では、「低レベルのDPP4」は、これらの閾値レベルの1つを下回る値と定義される一方、「高レベルのDPP4」は、同じ閾値レベル以上の値と定義される(すなわち、閾値レベルが250ng/mLであった場合、低レベルのDPP4は250ng/mL未満となり、高レベルのDPP4は250ng/mL以上となる)。
一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイを用いる測定として、対照患者の血清中でのDPP4の発現の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の10分位数のDPP4ベースラインレベルに対応する。一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイを用いる測定として、軽度から中等度の喘息患者の血清中でのDPP4の発現の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の10分位数のDPP4ベースラインレベルに対応する。一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、実施例2に記載のDPP4イムノアッセイを用いる測定として、重度喘息患者の血清中でのDPP4の発現の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の10分位数のDPP4ベースラインレベルに対応する。
一部の態様では、「より低いまたは減少したDPP4レベル」は、これらの閾値レベルの1つを下回る値と定義される一方、「より高いまたは増加したDPP4レベル」は、同じ閾値レベル以上の値と定義される。
一部の他の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、例えば国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイ、または当該技術分野で公知の任意のPOSTN検出に従う測定として、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する複数の患者から測定された血清中の中央値バイオマーカーレベルに基づく。
したがって、一部の態様では、POSTNの所定の閾値レベルは、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイ、または当該技術分野で公知の任意のPOSTN検出を用いる測定として、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する複数の患者から測定された血清中のおよそ中央値POSTN値である。
一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイ、または当該技術分野で公知の任意のPOSTN検出を用いる測定として、血清中の発現されたPOSTNタンパク質で約26ng/mL+/−250pg/mLである。
一部の態様では、POSTN閾値レベルは、約7〜105ng/mLである。したがって、POSTN閾値レベルは、約7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100または105ng/mLであり得る。
一部の態様では、「低レベルのPOSTN」は、これらの閾値レベルの1つを下回る値と定義される一方、「高レベルのPOSTN」は、同じ閾値レベル以上の値と定義される(すなわち、閾値レベルが250ng/mLであった場合、低レベルのPOSTNは250ng/mL未満となり、高レベルのPOSTNは250ng/mL以上となる)。
一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイ、または当該技術分野で公知の任意のPOSTN検出を用いる測定として、対照患者の血清中でのPOSTNの発現の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の10分位数のPOSTNベースラインレベルに対応する。一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイを用いる測定として、軽度から中等度の喘息患者の血清中でのPOSTNの発現の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の10分位数のPOSTNベースラインレベルに対応する。一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNイムノアッセイを用いる測定として、重度喘息患者の血清中でのPOSTNの発現の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の10分位数のPOSTNベースラインレベルに対応する。
一部の態様では、「より低いまたは減少したPOSTNレベル」は、これらの閾値レベルの1つを下回る値と定義される一方、「より高いまたは増加したPOSTNレベル」は、同じ閾値レベル以上の値と定義される。
一部の態様では、所定のDPP4またはPOSTN閾値レベルは、例えばDPP4に対して用いられるアッセイ、実施例2に記載のイムノアッセイのLODまたは表2中のDPP4アッセイのいずれかのLODに対応する。一部の態様では、DPP4またはPOSTN検出アッセイは、新たなDPP4またはPOSTN閾値レベルがLODに対応するように試料を希釈することによるLODに基づく方法として用いるように適応し得る。例えば、無希釈試料中の初期の所定のDPP4閾値レベルが350ng/mLであり、かつDPP4イムノアッセイのLODが50ng/mLであった場合、患者の試料は、好適な緩衝液を用いて1:7(DPP4閾値とLODとの間の比)に希釈され得る。かかる希釈後、無希釈試料中の所定のDPP4閾値レベルを超えるDPP4レベルを有する試料に限り、アッセイのLODを超えるDPP4レベルを有することになる。
一部の態様では、閾値レベルは、試料中でのDPP4、POSTN、またはDPP4および/もしくはPOSTNと組み合わせ可能な他のバイオマーカーの存在または不在を検出するのに用いられる市販のイムノアッセイの製造業者の使用説明書で報告される通り、健常ボランティアから得られる試料から測定される平均(average)または平均(mean)発現レベルである。
一部の態様では、試料中で測定される本明細書で開示される分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の発現レベルは、各々のバイオマーカーにおける閾値レベルまたは閾値を上回るかまたは下回る。試料中で測定される本明細書で開示される各バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の発現レベルが閾値レベルまたは閾値を上回るかまたは下回る場合のこれらの態様では、発現レベルは、試料の採取元の患者(例えば、軽度から中等度の喘息患者または重度喘息患者)が、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療から利益を得る場合または得ない場合があることを示し得る。測定された発現レベルが閾値レベルまたは閾値を上回るかまたは下回る場合の程度は、任意の程度に及んでもよい。
例示的な態様では、本明細書で開示されるバイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の測定された発現レベルは、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ10%高いかまたは低く、例えば、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ15%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ20%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ25%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ30%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ35%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ40%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ45%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ50%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ55%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ60%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ65%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ70%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ75%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ80%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ85%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ90%高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくともまたはおよそ95%高いかまたは低い。
例示的な態様では、本明細書で開示されるバイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の測定された発現レベルは、閾値レベルよりも少なくとも2倍高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくとも3倍高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくとも4倍高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくとも5倍高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくとも6倍高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくとも7倍高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくとも8倍高いかまたは低く、閾値レベルよりも少なくとも9倍高いかまたは低く、または閾値レベルよりも少なくとも10倍高いかまたは低い。
上で考察したように、本明細書で開示されるバイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)のレベルは、当該技術分野で公知の方法を用いて測定され得る。当業者であれば、上で開示されるアッセイに加えて、当業者が本セクション全体を通じて記載のように閾値レベルを測定することを可能にする当該技術分野で利用可能な極めて多数の方法、例えば実施例2および表1に記載のDPP4検出方法およびイムノアッセイがあることを理解するであろう。
一部の態様では、本明細書で開示されるバイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の所定の閾値レベルは、被験者の集団(例えば、複数の正常な健常ボランティア、または好酸球性疾患もしくは障害、例えば喘息などの肺疾患もしくは障害を有する複数の患者)内での特定のパーセンタイル値に関連して定義される。一部の態様では、肺疾患または障害を有する複数の患者は、軽度から中等度の喘息を有する複数の患者、または重度喘息を有する複数の患者である。
一部の態様では、DPP4またはPOSTNにおける所定の閾値レベルは、複数の正常な健常ボランティア、または好酸球性疾患もしくは障害、例えば喘息などの肺疾患もしくは障害を有する複数の患者におけるDPP4またはPOSTNタンパク質発現分布での第10、第15、第20、第25、第30、第35、第40、第45、第50、第50、第55、第60、第65、第70、第75、第80、第85、または第90パーセンタイルに対応する。一部の態様では、肺疾患または障害を有する複数の患者は、軽度から中等度の喘息を有する複数の患者、または重度喘息を有する複数の患者である。
本明細書で開示されるバイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)の閾値レベル(例えば、タンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)は、アッセイの性質、例えば、用いられる捕捉および検出抗体、供給源、純度、および標準物質の組成などに基づいて変化し得る。一態様では、患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療から利益を得ることができるか否かを判定するための任意の閾値レベルを用いる代わり、患者のDPP4および/またはPOSTNレベルは、1つ以上の対照レベルと比較され得る。本態様によると、試験試料(例えば、喘息などの肺疾患または障害を患う患者からの試料)は、1つ以上の対照試料、例えば、正常な健常者から採取される試料、同じ患者から採取されるより早期の試料、患者の疾患のサブセット(例えば喘息またはCOPD)を有する患者から採取される試料、所定標準量の単離されたバイオマーカータンパク質もしくは遺伝子またはその断片、またはそれらの組み合わせと比較される。
結果は、対照バイオマーカーレベルと比べての患者のバイオマーカーレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)におけるパーセント増加またはパーセント減少を判定するため、対照試料との比として表すことができる。対照試料は、患者試料、例えば患者試料が全血である場合には全血、患者試料が血清である場合には血清、患者試料が血漿である場合には血漿、患者試料が唾液である場合には唾液、患者試料が尿である場合には尿、患者試料が痰である場合には痰、患者試料が気管支肺胞洗浄液である場合には気管支肺胞洗浄液、患者試料が肺組織である場合には肺組織、の1つ以上とのマッチドペアであり得る。一旦判定されると、バイオマーカー発現レベルは、患者の医療記録に記録され得る。
一部の態様では、上で開示される通り、DPP4および/またはPOSTNレベルは、好酸球レベルなどの他のバイオマーカーと組み合わせることができる。したがって、一部の態様では、上で開示される閾値レベルを下回るDPP4および/またはPOSTNレベルと組み合わされた少なくとも約150細胞/μL、少なくとも約300細胞/μLもしくは少なくとも約400細胞/μLの高レベルの好酸球(例えば末梢血好酸球)は、好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を有する患者における好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体に対する陽性臨床応答に対して予測的である。
一部の態様では、バイオマーカー、例えば好酸球レベルとして用いるための血液分析物は、鑑別を伴う完全血球数(CBC)から判定され得る。用語「鑑別を伴うCBC」は、本明細書で用いられるとき、白血球(WBC)鑑別を伴う完全血球数(CBC)を指す。用語「白血球」は、例えば、好中球、リンパ球、単球、好酸球、および好塩基球を含む。用語「好酸球(eosinophil)」および「好酸球(eosinophils)」は、「EOS」と略記することができる。用語「白血球数」は、本明細書で用いられるとき、任意の試料からの白血球の数、例えば白血球(WBC)鑑別を伴う完全血球数(CBC)(鑑別を伴うCBC)を指す。鑑別を伴うCBCを得ることは、当該技術分野で利用可能な任意の好適な技術を用いて、例えば、自動血液学的分析装置または血液のコールターカウンター(例えばフローサイトメトリー)により、または細胞を手作業で(例えば顕微鏡を用いて)カウントすることにより達成され得る。鑑別を伴うCBCは、世界的に最も広範に発注される臨床検査試験の1つである。
一部の態様では、試料は、自動血液学的分析装置、例えば、SIEMENS ADVIA 120;ABBOTT CELL DYN 3500;BECKMAN COULTER LH750;SYSMEX X SERIES;HORIBA ABXなどを用いて分析され得る。一部の態様では、開示される方法の正確性を最大化するため、自動血液学的分析装置からの読み出し情報は、絶対好酸球数を少なくとも2桁まで(例えば、150、220、340細胞/μL)、またリンパ球および好中球について少なくとも3桁まで(例えば、1,530、2,340、3,410細胞/μL)報告する。一部の態様では、血液試料を分析する前、管は、数回、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10回もしくは10回超、または製造業者の使用説明書に従い、反転される必要がある。一部の態様では、試料は、手作業で分析され得る。
一部の態様では、好酸球のレベルは、フローサイトメトリーにより測定され得る。一部の態様では、本開示の方法は、WBC、好酸球数、好中球数、リンパ球数、好酸球前駆体数、好塩基球前駆体数、エオタキシン−2レベル、およびそれらの任意の組み合わせまたは比を含み得る。さらなる態様では、本開示の方法またはシステムは、血液好酸球/WBC比、血液好酸球/血液リンパ球比および血液好酸球/血液好中球比の対数を含み得る。
本開示の方法またはシステムは、生理学的バイオマーカーの以下の非限定例:アルブテロール後ΔFEV1、チオトロピウム臭化物後ΔFEV1、FEV1、FEV/FVC、ΔAM/PM PEFバリエーション、およびFENOのいずれか1つまたは任意の組み合わせを含み得る。これらのバイオマーカーは、当該技術分野で公知であり、標準の医学プロトコルに従って測定され得る。本開示の方法またはシステムはまた、患者症状のバイオマーカー、例えば限定はされないが、ACQスコア、AQLQスコア、ベルリン質問票(睡眠時無呼吸の検査)、ボルグスコア(呼吸困難の評価)、以前の洞手術、アトピーの病歴、挿管の病歴、アスピリン感受性の病歴、過去3か月もしくは12か月間のコルチコステロイドバーストの病歴、または過去3年間のER訪問の病歴のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含み得る。本開示の方法またはシステムはまた、以下のパラメータ:性別、年齢、体重、人種、身長、または肥満度指数(BMI)のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含み得る。
一部の態様では、本開示の方法またはシステムは、異なる時間間隔で収集された複数の試料からの幾つかの測定値の平均に対応する値を含み得る。したがって、一部の態様では、複数の試料は、異なる間隔、例えば、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、または約7日間隔で収集され得る。一部の態様では、複数の試料は、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約9週、約10週、約11週、または約12週間隔で収集され得る。一部の態様では、複数の試料は、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月間隔で収集され得る。一部の態様では、複数の試料は、12か月を超える間隔で収集され得る。場合により、3つ以上の試料、例えば、3試料、4試料、5試料、6試料、7試料、8試料、9試料、10試料、またはそれより多くの試料が平均される。一部の態様では、試料は、規則的間隔で収集される。他の態様では、試料は、規則的間隔で収集されない。場合により、試料は、事象、例えば症状の増悪に応答して収集される。
一部の態様では、本明細書で開示される方法による好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与は、
(a)AER(急性増悪率)の減少、
(b)FEV1(1秒間の強制呼気量)の増加、
(c)改善されたACQ−6(喘息管理質問票、6項目バージョン)の結果、
(d)改善されたAQLQ(喘息QOL質問票)の結果、
(e)2型自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン分泌の減少、
(f)ILC2レベルの低下、
(g)好酸球および/または好塩基球レベルの低下、または
(h)それらの組み合わせ
をもたらす。
(a)AER(急性増悪率)の減少、
(b)FEV1(1秒間の強制呼気量)の増加、
(c)改善されたACQ−6(喘息管理質問票、6項目バージョン)の結果、
(d)改善されたAQLQ(喘息QOL質問票)の結果、
(e)2型自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン分泌の減少、
(f)ILC2レベルの低下、
(g)好酸球および/または好塩基球レベルの低下、または
(h)それらの組み合わせ
をもたらす。
一部の態様では、本明細書で開示される方法による好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与は、当該技術分野で公知の健康に関連した生活の質を検出する他の方法における改善をもたらす。
IV.好酸球標的化治療薬
本明細書で開示される他の臨床もしくは分子バイオマーカー(例えば血液好酸球レベル)と組み合わせた、および/または当該技術分野で公知の他の臨床もしくは分子バイオマーカーと組み合わせたDPP4および/またはPOSTNは、例えば、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を患う患者に対して、治療すべきか否かを決定し、治療のために選択し、治療を監視し、または治療を開始、改良、もしくは終了するために用いることができる。
本明細書で開示される他の臨床もしくは分子バイオマーカー(例えば血液好酸球レベル)と組み合わせた、および/または当該技術分野で公知の他の臨床もしくは分子バイオマーカーと組み合わせたDPP4および/またはPOSTNは、例えば、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる好酸球性疾患または障害(例えば喘息などの肺疾患または障害)を患う患者に対して、治療すべきか否かを決定し、治療のために選択し、治療を監視し、または治療を開始、改良、もしくは終了するために用いることができる。
用語「好酸球標的化治療薬」は、本明細書で用いられるとき、それを必要とする患者における好酸球数を低減する能力がある治療薬を指す。一部の態様では、好酸球標的化治療薬はまた、好塩基球数を激減させ得る。特定の態様では、好酸球標的化治療薬は、それを必要とする患者における好酸球数および/または好塩基球数を低減する能力がある
(i)モノクローナル抗体、または
(ii)その抗原結合断片、または
(iii)1つ以上の追加的な治療部分を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合を含む化合物、または
(iv)それらの組み合わせ
である。
(i)モノクローナル抗体、または
(ii)その抗原結合断片、または
(iii)1つ以上の追加的な治療部分を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合を含む化合物、または
(iv)それらの組み合わせ
である。
他の態様では、好酸球標的化治療薬は、小分子であり得る。一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、好酸球標的化治療薬の組み合わせである(例えば、少なくとも1つの抗体もしくはその断片および少なくとも1つの小分子、または少なくとも抗体もしくはその断片および少なくとも1つの核酸、または少なくとも1つの核酸および少なくとも1つの小分子を含む併用療法など)。
別の態様では、治療薬は生物剤である。特定の態様では、生物剤は、生物またはその産物によって作られる任意の物質、組換えDNA技術を用いて作られる物質、任意の手段によって作成されるヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、ペプチド、またはペプチド類似体である。具体的な態様では、生物剤は、抗体もしくは抗体断片、抗体模倣物、可溶性受容体ポリペプチド、可溶性受容体融合ポリペプチド、インターロイキン、インターロイキン融合ポリペプチド、アンチセンス分子、siRNAまたはmiRNAであり得る。
一部の態様では、本開示の好酸球標的化治療薬(例えば、IL−5RまたはIL−5に特異的に結合する抗体)は、参照分子(例えば、IL−5RまたはIL−5に特異的に結合する異なる抗体)の所与の標的部位への結合を、それがその標的部位にそれが参照分子の標的部位への結合をある程度遮断する程度まで優先的に結合する場合、競合的に阻害する。競合的阻害は、当該技術分野で公知の任意の方法、例えば競合ELISAアッセイにより判定され得る。
本開示の好酸球標的化治療薬(例えば、IL−5RまたはIL−5に特異的に結合する抗体)は、参照分子の所与のエピトープへの結合を少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約65%、少なくとも約60%、少なくとも約55%、または少なくとも50%競合的に阻害すると言われ得る。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、
(i)IL−5またはIL−5Rのレベルを阻害または低減する能力があるか、
(ii)IL−5またはIL−5Rと相互作用する分子の発現を阻害または低減する能力があるか、
(iii)IL−5またはIL−5Rと相互作用する分子の発現を増加させる能力があるか、
(iv)IL−5またはIL−5Rによって上方制御される分子の発現を阻害または低減する能力があるか、
(v)IL−5またはIL−5Rによって上方制御される分子と相互作用する分子の発現を阻害または阻害する能力があるか、または
(vi)それらを組み合わせた
治療薬である。
(i)IL−5またはIL−5Rのレベルを阻害または低減する能力があるか、
(ii)IL−5またはIL−5Rと相互作用する分子の発現を阻害または低減する能力があるか、
(iii)IL−5またはIL−5Rと相互作用する分子の発現を増加させる能力があるか、
(iv)IL−5またはIL−5Rによって上方制御される分子の発現を阻害または低減する能力があるか、
(v)IL−5またはIL−5Rによって上方制御される分子と相互作用する分子の発現を阻害または阻害する能力があるか、または
(vi)それらを組み合わせた
治療薬である。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、表2中に含まれる化合物である。
上で開示される抗体を含む好酸球標的化治療薬は、インタクトな免疫グロブリンだけでなく、その抗原結合断片、変異体、もしくは誘導体、同じエピトープに結合する抗体もしくはその断片、上で開示される抗体、または上で開示される抗体のそれら各々の標的への結合を競合的に阻害する抗体もしくはその断片を指す。表2に開示される、特に可変領域内、またはそのCDR内(しかし、定常領域内の変異も検討される)の抗体に対してアミノ酸配列が同一または類似である抗体(またはその断片)が検討される。例えば、一態様では、好酸球標的化治療薬は、表2に開示される抗体(すなわち抗体の重鎖および/または軽鎖)のポリペプチド配列の場合に対して約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約92%、約95%、約98%、約99%または100%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、上で開示される抗体の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または6つの相補性決定領域を含む、上で開示される抗原のいずれかを標的にする単離された抗原結合タンパク質である。様々な態様では、本明細書で開示される好酸球標的化治療薬は、抗体の抗原結合断片、例えば本明細書中で参照される拮抗剤抗体のいずれかの断片、例えば、IL−5(配列番号9)もしくはIL−5R、例えばIL−5Rのαサブユニット(配列番号4〜8、選択的スプライシングによって作製されるサブユニットの5つのアイソフォームに対応する)に特異的に結合する抗体を含む。かかる断片として、限定はされないが、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、ナノボディ、およびダイアボディが挙げられる。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、IL−5Rに特異的に結合する能力がある治療薬、例えばベンラリズマブもしくはその抗原結合断片などの抗IL−5R抗体、またはベンラリズマブもしくはその抗原結合断片を含む抗IL−5R分子である。一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、IL−5に特異的に結合する能力がある治療薬、例えばレスリズマブ、メポリズマブ、またはその抗原結合断片などの抗IL−5抗体、またはレスリズマブ、メポリズマブ、またはその抗原結合断片を含む抗IL−5分子である。一部の態様では、抗IL−5R分子または抗IL−5分子は、抗体−薬剤複合体(ADC)である。
一態様では、好酸球標的化治療薬は、IL−5またはIL−5R以外のサイトカインおよびその受容体に結合する抗サイトカイン抗体または抗サイトカイン受容体抗体であり得る。一態様では、好酸球標的化治療薬は、IL−5のIL−5受容体を介したシグナル伝達を阻止する能力がある抗IL−5または抗IL5R抗体であり得る。
一態様では、抗IL5R抗体は、IL−5Rのαサブユニット(配列番号4)特異的に結合する。抗ヒトIL−5抗体の非限定例として、レスリズマブおよびメポリズマブが挙げられる。本開示の抗ヒトIL−5受容体α抗体の非限定例は、米国特許第7,179,464号明細書、米国特許第6,538,111号明細書、米国特許第6,018,032号明細書、および米国特許出願公開第2004/0136996A1号明細書、米国特許出願公開第2005/0226867A1号明細書、または国際公開の国際公開第2008/143878号パンフレットに見出すことができる。一態様では、好酸球標的化治療薬は、IL−5に特異的な抗体、例えば、レスリズマブ、メポリズマブ、およびそれらの任意の組み合わせであり得る。
特定の理論によって拘束されない限り、本明細書に記載の方法およびシステムに従って用いられる好酸球標的化治療薬は、好酸球のインビボでの枯渇を媒介する能力がある抗IL−5R抗体であり得る。一態様では、インビボでの枯渇は、ADCC、CDCまたは抗体媒介性食作用によって媒介され得る。具体的な態様では、治療薬は、ADCC活性を有する抗IL−5R抗体であり得る。
別の具体的な態様では、治療薬は、増強されたADCC活性を有する抗IL−5R抗体であり得る。増強されたADCC活性を有する抗IL−5R抗体の非限定例が、(国際公開の国際公開第2008/143878号パンフレット中に記載のように本明細書中で「MEDI−563」とも称される)ベンラリズマブである。ベンラリズマブは、ヒト化マウスモノクローナルMEDI−523γ1重鎖(224−214’)−ヒト化マウスモノクローナルMEDI−523κ軽鎖とのジスルフィド、二量体(230−230’’:233−233’’)−ビスジスルフィドを含む免疫グロブリンG1抗体である。米国特許第8501176号明細書、米国特許出願公開第20150044204号明細書、および国際公開の国際公開第2015023504号パンフレット(これらのすべてはそれら全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
別の具体的な態様では、治療薬は、ベンラリズマブと同じエピトープに結合するかまたはIL−5Rへの結合に対してベンラリズマブと競合する抗IL−5R抗体であり得る。ベンラリズマブエピトープは、国際公開の国際公開第2008/143878号パンフレットに記載されており、その開示はその全体が参照により本明細書に援用される。一態様では、抗IL−5R抗体または抗原結合断片は、配列番号12を含むか、配列番号12からなるか、または本質的に配列番号12からなる重鎖可変領域(VH)を含む。一態様では、抗IL−5R抗体または抗原結合断片は、配列番号13を含むか、配列番号13からなるか、または本質的に配列番号13からなる軽鎖可変領域(VL)を含む。一部の態様では、抗IL−5R抗体または抗原結合断片は、配列番号14〜19から選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの相補性決定領域を含む。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、表2のモノクローナル抗体の1つまたはその抗原結合断片を含む融合タンパク質または複合体である。一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、請求項12〜18のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の1つまたはその抗原結合断片を含む融合タンパク質または複合体である。一部の態様では、融合タンパク質または複合体は、少なくとも1つの異種治療部分および/または半減期増強部分を含む。一部の態様では、好酸球標的化治療薬という用語はまた、例えば、IL−5またはIL−5Rの拮抗剤、例えば、アプタマー、ペプチド、mRNA、iRNA、shRNA、または小分子阻害剤を包含する。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬は、ポリヌクレオチド、例えばDNAまたはRNAである。一部の態様では、ポリヌクレオチドは、(i)mRNAもしくはその組み合わせ、または(ii)アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはその組み合わせである。一部の態様では、ポリヌクレオチドは、少なくともヌクレオチド類似体を含む。一部の態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはその組み合わせは、IL−5Rのβサブユニットをコードする遺伝子を標的化するオリゴヌクレオチド、例えば、ASM8、PXS1100、またはPXS2200である。例えば、国際公開の国際公開第2006045202号パンフレット(その全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい。ASM8は、2つのオリゴヌクレオチド(TOP004およびTOP005)の組み合わせである。TOP004は、IL−3、IL−5、およびGM−CSF受容体に共通のβサブユニットのmRNAに特異的な19−merである。
一態様では、好酸球標的化治療薬は、IL−13/IL−4αに特異的な抗体であり得る。具体的な実施形態では、治療薬は、Aerovant(商標)(Aerovance)、GSK−679586(GSK)、IMA−026(Wyeth)、またはMILR1444A(Genentech)であり得る。
さらなる態様では、好酸球標的化治療薬は、IL−2受容体に特異的な抗体である。具体的な実施形態では、好酸球標的化薬剤は、ダクリズマブ(ZENAPAX(登録商標))であり得る。ダクリズマブは、T細胞のIL−2受容体のαサブユニットへの治療用ヒト化モノクローナル抗体である。別の態様では、好酸球標的化治療薬は、抗IgE抗体であり得る。具体的な実施形態では、好酸球標的化治療薬は、オマリズマブ(XOLAIR(登録商標))であり得る。オマリズマブは、ヒト免疫グロブリンE(IgE)に選択的に結合する、組換えDNA由来のヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。オマリズマブは、中等度から重度のアレルギー性喘息患者を治療するようにFDAに認可されている。一部の試験ではそれが気道の好酸球数を低減することが示されているが、それは好酸球性喘息の治療として具体的に認可されていない。別の態様では、好酸球標的化治療薬は、組換え的に産生されるサイトカインであり得る。具体的な実施形態では、好酸球標的化治療薬は、インターフェロンαであり得る。インターフェロンα治療薬の非限定例として、PEGASYS(登録商標)(ペグインターフェロンα−2a)およびALBUFERON(登録商標)/ZALBIN(商標)(アルブインターフェロンα−2b)が挙げられる。本開示の好酸球標的化治療薬はまた、限定はされないが、IL−13、IL−17A、IL−17F、IL−25、IL−33、TNF−α、IL−1β、IL−6、またはTGF−βを含む、炎症に関連する他のサイトカインの1つ以上の拮抗剤(例えば抗体)と併用され得る。
特定の態様では、本開示の方法およびシステムに従って用いられる抗体の半減期は、当該技術分野で公知の方法により延長され得る。かかる延長は、次に抗体組成物の投与の量および/または頻度を低減し得る。改善されたインビボ半減期を有する抗体およびそれらを調製するための方法は、米国特許第6,277,375号明細書;ならびに国際公開の国際公開第98/23289号パンフレットおよび国際公開第97/3461号パンフレットに開示されている。
V.好酸球性疾患の診断および治療におけるDPP4およびPOSTNレベル
DPP4およびPOSTNは、好酸球性疾患または障害、例えば喘息などの肺疾患または障害を有する被験者において様々に発現される。DPP4およびPOSTNは、健常対照に対して軽度から中等度の喘息を有する患者からの試料、または健常対照に対して重度喘息を有する患者において異なるレベルで存在する。
DPP4およびPOSTNは、好酸球性疾患または障害、例えば喘息などの肺疾患または障害を有する被験者において様々に発現される。DPP4およびPOSTNは、健常対照に対して軽度から中等度の喘息を有する患者からの試料、または健常対照に対して重度喘息を有する患者において異なるレベルで存在する。
例えば、健常者、軽度から中等度の喘息を有する患者、および重度喘息を有する患者において認められるDPP4およびPOSTNレベルにおける差は、患者が特定の治療、例えば好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体で治療されるときの臨床成績を予測するのに適用され得る。したがって、被験者のDPP4および/またはPOSTNレベルが特定の閾値を超える場合、その被験者は、特定の治療、例えば好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療による治療のための候補となる。
一部の態様では、DPP4および/またはPOSTNが(例えば、希釈された試料を用いて)所定の閾値レベルを下回りまたは検出可能なレベルを下回り発現されるという単なる測定でも、特定の治療を用いる治療、例えば、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療の候補として被験者を同定するのに十分であろう。
本明細書で開示される方法の一部の態様では、患者は、中等度の喘息または軽度から中等度の喘息患者(GINA1−3)である。本明細書で開示される方法の他の態様では、患者は重度喘息患者(GINA4+)である。他の態様では、患者はCOPDを患う。
本明細書で開示される方法の一部の態様では、DPP4レベルまたはPOSTNレベルは、単独で用いることができる。他の態様では、DPP4および/またはPOSTNレベルは、他の分子または臨床バイオマーカー、例えば血液好酸球数と組み合わせることができる。他の態様では、追加的なバイオマーカー、例えば炎症または臨床バイオマーカーを示す他のバイオマーカー(例えば、年齢、喫煙状態、肥満度指数など)は、DPP4および/またはPOSTNと組み合わせることができる。
この知見は、例えば、(例えば、患者を特定の治療の候補として選択することにより)治療を決定する新たな方法、好酸球性疾患または障害(例えば、軽度から中等度の喘息、または重度喘息などの肺疾患または障害)を治療する方法、好酸球性疾患または障害を治療するための治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)の有効性を監視する方法、または製剤、投与計画、もしくは投与経路を調節するための方法を考案するのに適用され得る。
本明細書で開示される方法は、少なくとも一部には、単独でまたは1つ以上の追加的なバイオマーカー(例えば好酸球数)と組み合わせた被験者のDPP4および/またはPOSTNの発現レベルに基づき、例えば好酸球性疾患または障害(例えば、軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)に対する予防および/または治療を処方、開始、および/または変更することを含む。
本開示は、好酸球性疾患または障害を有する患者(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与を含む治療計画で治療すべきか否かを決定する方法であって、(a)DPP4および/またはPOSTNレベル、任意選択的に患者から採取される試料中の血液好酸球などの追加的なバイオマーカーのレベルを測定するかまたは測定するように臨床検査室に指示するステップと、(b)患者を治療するかもしくは治療するように医療提供者に指示するか、または患者が、各々のバイオマーカーの所定の1つもしくは複数の閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中での各々の1つもしくは複数のバイオマーカーレベルと比べて、試料中でのより高いまたはより低いDPP4および/またはPOSTNレベル、任意選択的に血液好酸球などの追加的なバイオマーカーのレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬の投与を含む治療計画を有する治療を中止するか、治療を開始しないか、治療を拒否するか、または治療を中止するか、開始しないか、もしくは拒否するように医療提供者に指示するステップとを含む、方法を提供する。
一態様では、本開示は、好酸球性疾患または障害を有する患者(例えば、軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与を含む治療計画で治療すべきか否かを決定する方法であって、(a)DPP4および/またはPOSTNレベル、任意選択的に患者から採取される試料中の血液好酸球などの追加的なバイオマーカーのレベルを測定するかまたは測定するように臨床検査室に指示するステップと、(b)患者が、バイオマーカーの所定の1つもしくは複数の閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中での1つもしくは複数のバイオマーカーレベルと比べて、試料中でのより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSTNレベル、好酸球数などの少なくとも1つの任意選択的な追加的なバイオマーカーのより高いまたは増加したレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬の投与を含む治療計画で患者を治療するかもしくは治療するように医療提供者に指示するステップとを含む、方法を提供する。
一態様では、本開示は、好酸球性疾患または障害を有する患者(例えば、軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与を含む治療計画で治療すべきか否かを決定する方法であって、(a)DPP4および/またはPOSTNレベル、任意選択的に患者から採取される試料中の血液好酸球などの追加的なバイオマーカーのレベルを測定するかまたは測定するように臨床検査室に指示するステップと、(b)患者が、所定のバイオマーカーの1つもしくは複数の閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中での1つもしくは複数のバイオマーカーレベルと比べて、試料中でのより高いまたは増加したDPP4および/またはPOSTNレベル、また血液好酸球などの少なくとも1つの任意選択的な追加的なバイオマーカーのより低いまたは減少したレベルを有すると判定される場合、患者への好酸球標的化治療薬の投与を含む治療計画での患者の治療を中止するか、治療を開始しないか、治療を拒否するか、または治療を中止するか、開始しないか、もしくは拒否するように医療提供者に指示するステップとを含む、方法を提供する。
さらに提供されるのは、好酸球性疾患または障害(例えば、軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)と診断された患者を、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療の候補として選択する方法であって、(a)患者から採取される試料中でDPP4および/またはPOSTNレベル、任意選択的に血液好酸球などの追加的なバイオマーカーのレベルを測定するかまたは測定するように臨床検査室に指示するステップと、(b)患者が、所定の1つもしくは複数の閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中での1つもしくは複数のバイオマーカーレベルと比べて、試料中でのより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSTNレベル、血液好酸球などの少なくとも1つの任意選択的な追加的なバイオマーカーのより高いまたは増加したレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬で患者を治療するかもしくは治療するように医療提供者に指示するステップとを含む、方法である。
さらに提供されるのは、好酸球性疾患または障害(例えば、軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)と診断された患者を、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療の候補として選択する方法であって、(a)患者から採取される試料中でのDPP4および/またはPOSTNレベル、任意選択的に血液好酸球などの追加的なバイオマーカーのレベルを測定するかまたは測定するように臨床検査室に指示するステップと、(b)患者が、所定の1つもしくは複数の閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中での1つもしくは複数のバイオマーカーレベルと比べて、試料中でのより高いまたは増加したDPP4および/またはPOSTNレベル、また血液好酸球などの少なくとも1つの任意選択的な追加的なバイオマーカーのより低いまたは減少したレベルを有すると判定される場合、患者への好酸球標的化治療薬での患者の治療を中止するか、治療を開始しないか、治療を拒否するか、または中止するか、開始しないか、もしくは拒否するように医療提供者に指示するステップとを含む、方法である。
一部の態様では、開示される方法は、1つ以上の追加的なアッセイをオーダーおよび/または実施することを必要とし得る。例えば、DPP4および/またはPOSTNのレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)が正常範囲内である(すなわち上昇しない)ことが測定される場合、DPP4またはPOSTN検出アッセイは、偽陰性結果を除外するために反復されてもよく、かつ/または1つ以上の追加的なDPP4またはPOSTN検出アッセイは、被験者の状態を監視するために実施されてもよい。
逆に、DPP4および/またはPOSTNレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)が上昇することが測定される場合、偽陽性結果を除外するため、DPP4またはPOSTN検出アッセイを反復することが望ましい場合がある。
一部の態様では、所定のDPP4閾値レベルは、例えば実施例2に記載のイムノアッセイを含むDPP4検出アッセイを用いての血清中での測定として、少なくとも約363ng/mL(軽度から中等度の喘息患者における中央値)、または少なくとも約376ng/mL(軽度から中等度の喘息患者における平均値)である。したがって、それらの値以上のDPP4発現レベルは、高いまたは上昇したと考えられ、それらの値未満のDPP4発現レベルは、低いまたは低下したと考えられる。
一部の態様では、所定のPOSTN閾値レベルは、例えば国際公開第2015120185号パンフレットに記載のイムノアッセイを含むPOSTN検出アッセイを用いての血清中での測定として、少なくとも約23.5ng/mL(軽度から中等度の喘息患者における中央値)、または少なくとも約25.8ng/mL(軽度から中等度の喘息患者における平均値)である。したがって、それらの値以上のPOSTN発現レベルは、高いまたは上昇したと考えられ、それらの値未満のPOSTN発現レベルは、低いまたは低下したと考えられる。
一部の態様では、所定の血液好酸球レベルは150細胞/μLである。一部の態様では、所定の血液好酸球レベルは300細胞/μLである。他の態様では、血液好酸球閾値レベルは400細胞/μLである。したがって、それらの値以上の血液好酸球レベルは、高いまたは上昇したと考えられ、それらの値未満の血液好酸球レベルは、低いまたは低下したと考えられる。
一部の態様では、好酸球性疾患または障害(例えば、軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者における所定の閾値レベルを上回るまたは下回るDPP4および/またはPOSTNレベルの存在は、かかる疾患に特異的な臨床または分子バイオマーカーの1つ以上と組み合わせて用いることができる。
例えば、喘息を有する患者では、DPP4および/またはPOSTNレベルの測定は、他のバイオマーカーレベル(例えば血液好酸球)の測定と組み合わせることができる。したがって、一態様では、DPP4および/またはPOSTNのレベルは、例えば、
(i)肺疾患(例えば喘息またはCOPD)を患う患者が、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる特定の治療にとって適格かもしくは非適格か、または特定の治療に対して応答するか否かを判定するため、
(ii)(例えば好酸球標的化治療薬を用いる)特定の治療が開始、中止、または改良されるべきか否かを判定するため、
(iii)疾患(例えば喘息またはCOPD)が特定の治療薬で治療可能かまたは治療不能かを診断するため、または
(iv)特定の治療薬を用いる疾患(例えば喘息またはCOPD)の治療の成績を予知または予測するため、
例えば本明細書で開示される方法のいずれかにおける血液好酸球と組み合わせることができる。
(i)肺疾患(例えば喘息またはCOPD)を患う患者が、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる特定の治療にとって適格かもしくは非適格か、または特定の治療に対して応答するか否かを判定するため、
(ii)(例えば好酸球標的化治療薬を用いる)特定の治療が開始、中止、または改良されるべきか否かを判定するため、
(iii)疾患(例えば喘息またはCOPD)が特定の治療薬で治療可能かまたは治療不能かを診断するため、または
(iv)特定の治療薬を用いる疾患(例えば喘息またはCOPD)の治療の成績を予知または予測するため、
例えば本明細書で開示される方法のいずれかにおける血液好酸球と組み合わせることができる。
当業者であれば、DPP4および/またはPOSTNレベル(例えば、タンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)が、陽性セレクター(positive selector)として、限定はされないが、治療、診断、および監視方法を含む本明細書で開示される方法に従って用いることができる、すなわち、患者から採取される試料中でのDPP4および/もしくはPOSTNレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)が所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルを下回るか、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて減少する場合、特異的作用が発揮される(例えば、喘息などの好酸球性疾患または障害を有する患者を好酸球標的化治療薬で治療する)ことを理解するであろう。
当業者であれば、DPP4および/またはPOSTNレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)が、陰性セレクター(negative selector)として、限定はされないが、治療、診断、および監視方法を含む本明細書で開示される方法に従って用いることができる、すなわち、患者から採取される試料中でのDPP4および/もしくはPOSTNレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)が所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルを上回るか、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて増加する場合、特異的作用が発揮される(例えば、喘息などの肺疾患を有する患者を好酸球標的化治療薬で治療する)ことをさらに理解するであろう。
一態様では、本開示は、患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療から利益を得ることになるか否かに関して、医療提供者、医療給付提供者、または臨床検査室による判定を促進するための方法、アッセイ、およびキットを含む。本明細書に提供される方法、アッセイおよびキットはまた、患者が当業者に公知の任意の他の好酸球標的化治療薬を用いる治療から利益を得ることになるか否かに関して、医療提供者、医療給付提供者、または臨床検査室による判定を促進する。
一態様では、本明細書で開示される方法は、少なくとも一部には患者のDPP4および/またはPOSTNのレベルに基づき、鑑別診断であってもよい診断を行うことを含む。一部の態様では、本明細書で開示される方法は、DPP4および/もしくはPOSTN検出アッセイの結果および/または少なくとも一部にはDPP4および/もしくはPOSTNレベルに基づく診断を被験者に通知することを含む。患者は、口頭で、書面で、および/または電子的に通知され得る。
この診断はまた、患者の医療記録に記録され得る。例えば、様々な態様では特定の好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体で治療可能な肺疾患(例えば喘息)の診断は、医療記録に記録される。
用語「医療記録」または「患者医療記録」は、典型的には、患者の病歴および愁訴、医師の身体所見、診断検査および手順の結果、および患者への薬物療法および治療手技のうちの1つ以上を含む、患者の検査および/または治療の報告を指す。医療記録は、典型的には、1人以上の医師および/または医師の補助者によって作成され、また、診療を必要とする様々な疾患もしくは損傷、および/または接種、および/またはアレルギー、および/または治療、および/または予後、および/または頻繁には親、兄弟、および/もしくは職業に関わる健康情報についての、記入された、転記された、またはその他には記録された記録および/または履歴である。同記録は、状態を診断する際に医師によってレビューされ得る。
医療記録は、紙形態であり得、および/またはコンピュータで読み出し可能な媒体で維持され得る。医療記録は、研究室、診療所、病院、健康維持組織、保険会社、および/または個人医療記録ウェブサイトによって維持され得る。一部の態様では、少なくとも部分的に測定されたDPP4レベルおよび/またはPOSTNレベルに基づく診断は、カード、着用物品(worn article)、および/または高周波同定(RFID)タグなどの医療警告物品(medical alert article)の上または中に記録される。本明細書で使用されるとき、用語「着用物品」は、限定はされないが、タグ、ブレスレット、ネックレス、腕章、または頭帯を含む、被験体の身体に着用可能な任意の物品を指す。
本明細書で用いられるとき、用語「診断」は、疾患を検出するかまたは疾患のステージもしくは度合いを判定することを意味する。通常、疾患の診断は、疾患を示す1つ以上の因子および/または症状の評価に基づく。すなわち、診断は、疾患または障害の存在または不在を示す因子の存在、不在または量に基づいてなされ得る。特定の疾患の診断について示すと考えられる各々の因子または症状は、特定の疾患に排他的に関連する必要はなく、例えば、診断因子または症状から推測され得る鑑別診断がなされてもよい。同様に、特定の疾患を示す因子または症状が特定の疾患を有しない個体中に存在する場合があってもよい。
用語「診断」はまた、薬剤療法の治療効果を判定すること、または薬剤療法に対する応答のパターンを予測することを包含する。診断方法は、独立して、または特定の疾患についての医療技術における公知の他の診断および/またはステージ分類方法と組み合わせて用いられてもよい。
本明細書で用いられるとき、用語「鑑別診断」は、類似の症状を有する2つ以上の疾患のいずれが被験者の症状に関与する可能性が高いかの臨床データの分析に基づく判定を指す。その用語は、患者が好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療に感受性があるか否かを、患者試料中での測定されたDPP4レベルが所定の閾値レベルを超えるか否か、または1つ以上の対照試料中でのレベルと比べて上昇するか否かに応じて判定することを指すためにも用いられる。
用語「予後」は、本明細書で用いられるとき、病態または疾患の確実と思われる経過および転帰の予測を指す。予後は、通常、疾患の好ましいまたは好ましくない経過または転帰を示す疾患の因子または症状を評価することにより定められる。語句「予後を決定する」は、本明細書で用いられるとき、当業者が患者における状態の経過または転帰を予測することができるための過程を指す。用語「予後」は、状態の経過または転帰を100%の正確さで予測する能力を指さない。その代わり、当業者は、用語「予後」が、特定の経過または転帰が生じることになる確率の増加、すなわち、経過または転帰が所与の状態を呈する患者において、その状態を呈さない個体と比べられるとき、生じる可能性が高まることを指すことを理解するであろう。
用語「好ましい予後」および「陽性予後」または「好ましくない予後」および「陰性予後」は、本明細書で用いられるとき、状態または疾患の確実と思われる経過および/または考えられる転帰の予測のための相対的用語である。好ましいまたは陽性予後では、状態における好ましくないまたは陰性予後よりも良好な転帰が予測される。一般的意味では、「好ましい予後」は、特定の状態に関連し得る多数の他の考えられる予後よりも比較的良好な転帰である一方、好ましくない予後では、特定の状態に関連し得る多数の他の考えられる予後よりも比較的不良な転帰が予測される。好ましいまたは陽性予後の典型例として、平均寛解率より良好であること、転移のより低い傾向、予想される平均余命よりも長寿命化、がんプロセスからの良性プロセスの分化などが挙げられる。
本開示は、被験者における好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)をDPP4および/またはPOSTNの発現における変化に基づいて治療する方法を含む。本開示は、好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者を治療する方法であって、患者が、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて患者から採取される1つ以上の試料中でより低いまたは減少したDPP4および/もしくはPOSTNレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を患者に投与するステップを含む、方法を提供する。一部の態様では、試料は、患者から得られ、試料中でのDPP4および/またはPOSTNのレベルの測定用に提出される。
本開示はまた、好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者を治療する方法であって、(a)患者から採取される試料を試料中でのDPP4および/またはPOSTNレベルの測定用に提出するステップと、(b)患者が、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNのレベルと比べて、採取された試料中でより低いまたは減少したDPP4および/もしくはPOSTNレベルを有する場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を患者に投与するステップとを含む、方法を提供する。
さらに提供されるのは、好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者を治療する方法であって、(a)患者から採取される試料を試料中でのDPP4および/またはPOSTNレベルの測定用に提出するステップと、(b)患者が、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNのレベルと比べて、試料中でより高いまたは増加したDPP4および/もしくはPOSTNレベルを有する場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の患者への投与を中止するかまたは開始しないステップとを含む、方法である。
本開示はまた、好酸球性疾患または障害(例えば、軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者を治療する方法であって、(a)患者から得られる試料中のDPP4および/またはPOSTNのレベルを測定するステップと、(b)試料中のDPP4および/もしくはPOSTNのレベルが所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べてより高いもしくは増加するか、またはより低いもしくは減少するかを判定するステップと、(c)患者が、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて、試料中により低いまたは減少したDPP4および/もしくはPOSTNレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を患者に投与するように、または患者が、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて、試料中により高いまたは増加したDPP4および/もしくはPOSTNレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬の患者への投与を中止または拒否するように医療提供者に助言するステップとを含む、方法を提供する。
さらに提供されるのは、好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者を治療する方法であって、(a)患者から採取される試料を、患者から得られる試料中でのDPP4および/またはPOSTNのレベルの測定用に提出するステップと、(b)患者が、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて、試料中でのより低いまたは減少したDPP4および/またはPOSNTレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を患者に投与するか、または患者が、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて、試料中でのより高いまたは増加したDPP4および/もしくはPOSTNレベルを有すると判定される場合、好酸球標的化治療薬の患者への投与を中止するか、開始しないか、または拒否するステップとを含む、方法である。
一部の態様では、患者のDPP4および/またはPOSTNレベルは、ヒトDPP4、POSTN、またはその抗原結合断片、変異体または誘導体を認識する抗体またはその抗原結合断片を用いる、本明細書に記載のようなイムノアッセイで測定される。一部の態様では、試料は、患者から得られ、試料中でのDPP4および/またはPOSTNのレベルの測定用に例えば臨床検査室に提出される。
上の治療方法の一部の態様では、患者のDPP4および/またはPOSTNレベル(例えばDNAまたはRNAレベル)は、DPP4遺伝子および/またはPOSTN遺伝子の発現レベルを特異的に測定する能力がある1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブを用いるアッセイで測定される。
一部の態様では、分子バイオマーカー(例えばDPP4またはPOSTN)検出アッセイ(例えばイムノアッセイ)は、(例えば、例えば「ポイントオブケア」診断キットとして組み立てられた実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNアッセイを含む、本明細書に記載のようなイムノアッセイを用いて)患者を治療する医療専門家により、患者から得られる試料に対して実施される。
一部の態様では、試料は、患者から得られ、(例えば、例えば実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表1に開示されるイムノアッセイのいずれか、または国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNアッセイを含む本明細書に記載のようなイムノアッセイを用いる)医療専門家の指示に従った試料中でのDPP4および/またはPOSTNレベルの測定用に例えば臨床検査室に提出される。
一部の態様では、アッセイを実施する臨床検査室は、患者が、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を用いる治療から、患者のDPP4および/またはPOSTNレベルが所定のDPP4またはPOSTN閾値を上回るかまたは1つ以上の対照試料と比べて上昇するかに基づいて利益を得ることができるか否かに関して医療提供者に助言することになる。
一部の態様では、本開示は、好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者を長期にわたり治療する方法であって、患者から採取される第1の試料中でのDPP4および/またはPOSTNのレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)を測定するか、または患者から採取される第1の試料を試料中でのDPP4および/またはPOSTNのレベルの測定用に提出するステップと、第1の試料中での患者のDPP4および/もしくはPOSTNレベルが所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルを下回るか、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて低下する場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を患者に投与するステップとを含み、ここで患者のDPP4および/またはPOSTNレベルは、例えば、例えば実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表1に開示されるDPP4イムノアッセイのいずれかまたは国際公開第2015120185号パンフレットに記載されるPOSTNアッセイを含むイムノアッセイを用いて測定される、方法を含む。試験は、上記のとおり医療提供者または臨床検査室により実施され得る。
一部の態様では、本明細書に提供されるようなイムノアッセイの結果は、患者の保険が好酸球標的化治療薬を用いる治療を対象とするか否かを判定するため、医療給付提供者に提出され得る。
一部の態様では、本開示は、好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)を有する患者を治療する方法であって、例えば臨床検査室内で好酸球性疾患または障害を有する患者から得られる第1の試料、例えば医療提供者によって提供される試料中でのDPP4および/またはPOSTNレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)および好酸球レベルを測定するステップと、第1の試料中での患者のDPP4および/もしくはPOSTNレベルが所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルを下回るか、または1つ以上の対照試料中のDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて低下するかを測定するステップと、患者のDPP4および/もしくはPOSTNレベルが所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルを下回るか、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNレベルと比べて減少する場合、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を患者に投与するように医療提供者に助言するステップとを含み、ここで第1の試料中での患者のDPP4および/またはPOSTNレベルは、例えば、例えば実施例2に記載のDPP4イムノアッセイまたは表1に開示されるDPP4イムノアッセイのいずれか、または国際公開第2015120185号パンフレットに記載のPOSTNアッセイを含むイムノアッセイで測定される、方法を含む。
一部の態様では、試料は、患者から得られ、、例えばイムノアッセイを用いる、試料中でのDPP4および/またはPOSTNのレベルの単独でまたは少なくとも別のバイオマーカー、例えば血液好酸球のレベルと組み合わせて、またはそれらの組み合わせ(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)での測定用に例えば臨床検査室に提出される。
一部の態様では、アッセイを実施する臨床検査室は、患者が、患者のDPP4および/またはPOSTNレベル(例えばタンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)が所定のDPP4もしくはPOSTN閾値を下回るか、または1つ以上の対照試料と比べて低いかに基づき、好酸球標的化治療薬を用いる治療から利益を得ることができるか否かに関して医療提供者に助言することになる。
一部の態様では、(例えば喘息などの肺疾患または障害に対する)本明細書中で検討される治療の方法は、好酸球標的化治療薬を、血清の体積あたりの好酸球標的化治療薬の特定量を、例えば本明細書に記載のようなアッセイを用いて達成および/または維持するのに十分な量および/または十分な間隔で被験者に投与するステップを含む。
例えば、(例えば、IL−5またはIL−5Rを標的化する)抗体またはその抗原結合断片は、血清中で少なくとも約15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、45ng/ml、50ng/ml、55ng/ml、60ng/ml、65ng/ml、70ng/ml、75ng/ml、80ng/ml、85ng/ml、90ng/ml、95ng/ml、100ng/ml、120ng/ml、140ng/ml、160ng/ml、180ng/ml、200ng/ml、220ng/ml、240ng/ml、260ng/ml、280ng/ml、300ng/ml、320ng/ml、340ng/ml、360ng/ml、380ng/ml、400ng/ml、420ng/ml、440ng/ml、460ng/ml、480ng/ml、500ng/ml、520ng/ml、540ng/ml、560ng/ml、580ng/ml、600ng/ml、620ng/ml、640ng/ml、660ng/ml、680ng/ml、700ng/ml、720ng/ml、740ng/ml、760ng/ml、780ng/ml、800ng/ml、820ng/ml、840ng/ml、860ng/ml、880ng/ml、900ng/ml、920ng/ml、940ng/ml、960ng/ml、980ng/ml、または1000ng/mlを達成するように投与され得る。
さらなる実施形態では、(例えば、IL−5またはIL−5Rを標的化する)抗体またはその抗原結合断片は、約12.5ng/ml〜約1000ng/mlの血清中抗体の濃度を達成するように投与され得る。当業者は、ここで投与される量が完全長抗体または免疫グロブリン分子に適用され、その抗原結合断片が用いられる場合、絶対量が断片の分子量に基づいて計算され得る様式で投与される場合と異なることを理解するであろう。
一部の態様では、例えば好酸球性疾患または障害(例えば軽度から中等度の喘息または重度喘息などの肺疾患または障害)に対する本明細書中で検討される治療の方法は、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を、15〜54mgで0.5〜1.5か月ごと、55〜149mgで1.5〜4.5か月ごと、150〜299mgで4〜8か月ごと、または300〜1100mgで4〜12か月ごとの量および間隔で被験者に投与するステップを含む。
一部の態様では、量および間隔は、15〜21mgで0.5〜1.0か月ごと、55〜70mgで1.5〜3.0か月ごと、150〜260mgで4〜6か月ごと、または300〜700mgで4〜8か月ごとである。一部の態様では、量および間隔は、21mgで毎月、70mgで3か月ごと、210mgで6か月ごと、または700mgで6か月ごとである。一部の態様では、量および間隔は、210mgで3か月ごとまたは700mgで3か月ごとである。一部の態様では、量および間隔は、210mgで1か月ごとまたは700mgで1か月ごとである。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、約2mg〜約100mg/用量で投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、約20mg/用量、約30mg/用量、または約100mg/用量で投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、4週ごとに1回〜12週ごとに1回投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、4週ごとに1回投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、8週ごとに1回投与される。一部の態様では、好酸球標的化治療薬(例えばベンラリズマブ/MEDI−563)は、4週ごとに1回で12週、次に8週ごとに1回投与される。
本方法の一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体は、静脈内(IV)投与される。本方法の一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体は、皮下(SC)投与される。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体は、1回以上の一定用量で投与される。一部の態様では、用量は、毎週、2週ごと、3週ごと、4週ごと、5週ごと、6週ごと、7週ごと、8週ごと、9週ごと、10週ごと、または12週ごとに投与される。一部の態様では、用量は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、480mg、490mg、500mg、510mg、520mg、530mg、540mg、550mg、560mg、570mg、580mg、590mg、600mg、610mg、620mg、630mg、640mg、650mg、660mg、670mg、680mg、690mg、700mg、710mg、720mg、730mg、740mg、750mg、760mg、770mg、780mg、790mg、800mg、810mg、820mg、830mg、840mg、850mg、860mg、870mg、880mg、890mg、900mg、910mg、920mg、930mg、940mg、950mg、960mg、970mg、980mg、990mg、または1000mgを含む。一部の態様では、用量は1000mgより高い。
一部の態様では、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50用量が投与される。
好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の処方、投与計画、および投与経路は、本明細書で開示される方法に従う最適な治療的応答のための有効量を提供するように調整され得る。好酸球標的化治療薬の投与に関して、治療薬は、当該技術分野で公知の任意の好適な手段、組成および経路を通じて投与されてもよい。投与計画に関して、単回ボーラスが投与され得るか、幾つかの分割用量が経時的に投与され得るか、または治療的状況の緊急事態で示されるように用量が比例的に減少または増加され得る。
好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体は、任意の好適な技術により、例えば限定はされないが、非経口的に、局所的に、または吸入により投与されてもよい。注射される場合、医薬組成物は、例えば、関節内、静脈内、筋肉内、病変内、腹腔内または皮膚経路(皮内、経皮もしくは皮下(sub−dermal)、および皮下(subcutaneous)を含む)を介して、ボーラス注射、または持続注入により投与され得る。一部の態様では、医薬組成物は、静脈内経路により投与される。一部の態様では、医薬組成物は、皮下経路により投与される。
さらなる態様では、組成物は、経口、頬側、直腸、気管内、胃、または頭蓋内経路により投与される。局在化投与は、例えば疾患または損傷部位では、胃腸管を含む状態に対する例えば浣腸または坐剤によって検討される。さらに検討されるのは、植込錠からの経皮送達および徐放である。吸入による送達は、例えば、経鼻または経口吸入、噴霧器の使用、エアロゾル形態での拮抗剤の吸入などを含む。他の選択肢として、点眼剤;丸剤、シロップ剤、トローチ剤またはチューイングガムを含む経口製剤;ならびにローション剤、ゲル剤、噴霧剤、および軟膏剤、プレフィルドシリンジおよび自動注入装置などの局所製剤が挙げられる。
有利には、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体は、生理学的に許容できる担体、賦形剤または希釈剤などの1つ以上の追加的成分を含む組成物の形態で投与され得る。任意選択的に、組成物は、併用療法としての1つ以上の生理学的活性剤をさらに含む。
医薬組成物は、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体を、緩衝液、アスコルビン酸などの抗酸化剤、低分子量ポリペプチド(10未満のアミノ酸を有するものなど)、タンパク質、アミノ酸、グルコース、スクロースまたはデキストリンなどの炭水化物、EDTAなどのキレート剤、グルタチオン、安定剤、および賦形剤からなる群から選択される1つ以上の物質とともに含んでもよい。
同種の血清アルブミンと混合された中性緩衝生理食塩水または生理食塩水は、適切な希釈剤の例である。適切な業界標準に従い、ベンジルアルコールなどの保存料も添加されてよい。組成物は、希釈剤として適切な賦形剤溶液(例えばスクロース)を用いて凍結乾燥物として配合されてもよい。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体は、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195または200mg/mlの濃度で提供され得る。
本発明において有用な例示的な製剤は、4.5〜5.2の適切なpHでのグルタミン酸、クエン酸または酢酸緩衝液、1〜20%(w/v)などの適切な濃度でのスクロース、グリシン、プロリン、グリセロール、および/またはソルビトールなどの賦形剤、ならびに0.001%〜0.1%(w/v)の適切な濃度でのポリソルベート(ポリソルベート20もしくは80)またはポロクサマー(ポロクサマー1888)のような非イオン界面活性剤などの界面活性剤を含むものである。かかる製剤は、米国特許第6171586号明細書ならびにWIPO公開出願の国際公開第20100027766号パンフレットおよび国際公開第2011088120号パンフレットに開示されている。一部の態様では、製剤は、酢酸ナトリウム、スクロースおよびポリソルベート20を含む。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の患者への投与は、
(a)AER(急性増悪率)の減少、
(b)FEV1(1秒間の強制呼気量)の増加、
(c)改善されたACQ−6(喘息管理質問票、6項目バージョン)の結果、
(d)改善されたAQLQ(喘息QOL質問票)の結果、
(e)2型自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン分泌の減少、
(f)ILC2レベルの低下、
(g)好酸球数および/もしくは好塩基球数における減少、または
(h)それらの組み合わせ
をもたらす。
(a)AER(急性増悪率)の減少、
(b)FEV1(1秒間の強制呼気量)の増加、
(c)改善されたACQ−6(喘息管理質問票、6項目バージョン)の結果、
(d)改善されたAQLQ(喘息QOL質問票)の結果、
(e)2型自然リンパ球(ILC2)によるサイトカイン分泌の減少、
(f)ILC2レベルの低下、
(g)好酸球数および/もしくは好塩基球数における減少、または
(h)それらの組み合わせ
をもたらす。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与後のAERの減少は、プラセボで治療された患者の集団で認められるAERと比べて、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%である。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与後のFEV1の増加は、プラセボで治療された患者の集団で認められるFEV1と比べて、少なくとも約3%、少なくとも約5%、少なくとも約7%、少なくとも約9%、少なくとも約11%、少なくとも約13%、少なくとも約15%、少なくとも約17%、少なくとも約19%、少なくとも約21%、少なくとも約23%、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約31%、少なくとも約33%、または少なくとも約35%である。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与後のFEV1の増加は、プラセボで治療された患者の集団で認められるFEV1と比べて、少なくとも約25mL、少なくとも約50mL、少なくとも約75mL、少なくとも約100mL、少なくとも約125mL、少なくとも約150mL、少なくとも約175mL、少なくとも約200mL、少なくとも約225mL、少なくとも約250mL、少なくとも約275mL、少なくとも約300mL、少なくとも約325mL、または少なくとも約350mLである。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与後のACQ−6の変化は、プラセボで治療された患者の集団で認められる平均ACQ−6と比べて、約−0.2、−0.3、−0.4、−0.5、−0.6、−0.7、−0.8、−0.9、−1、−1.1、または−1.2である。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与後の2型自然リンパ球(ILC2)によって分泌されるサイトカインの減少は、プラセボで治療された患者の集団で認められるILC2によって分泌されるサイトカインのレベルと比べて、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%である。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与後での好酸球の減少は、プラセボで治療された患者の集団で認められる好酸球数と比べて、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%である。
一部の態様では、好酸球標的化治療薬、例えばベンラリズマブ(MEDI−563)などの抗IL−5R抗体の投与後での好塩基球の減少は、プラセボで治療された患者の集団で認められる好塩基球数と比べて、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%である。
VII.DPP4またはPOSTNの検出および定量化のためのキット
本開示はまた、DPP4および/またはPOSTNレベルを例えばイムノアッセイ法を通じて検出するためのキットを提供する。かかるキットは、例えば1つ以上の抗DPP4抗体(すなわちDPP4を検出する能力がある抗体)を含む、本方法で利用される様々な試薬(例えば濃縮形態)の1つ以上を各々有する容器を含み得る。1つ以上の抗DPP4もしくは抗POSTN抗体、例えば、DPP4またはPOSTNを検出する能力がある捕捉抗体は、固体支持体に既に付着された状態で提供され得る。1つ以上の抗体、例えば検出抗体は、検出可能な標識、例えばビオチンもしくはルテニウムキレートに既に複合された状態で提供され得る。
本開示はまた、DPP4および/またはPOSTNレベルを例えばイムノアッセイ法を通じて検出するためのキットを提供する。かかるキットは、例えば1つ以上の抗DPP4抗体(すなわちDPP4を検出する能力がある抗体)を含む、本方法で利用される様々な試薬(例えば濃縮形態)の1つ以上を各々有する容器を含み得る。1つ以上の抗DPP4もしくは抗POSTN抗体、例えば、DPP4またはPOSTNを検出する能力がある捕捉抗体は、固体支持体に既に付着された状態で提供され得る。1つ以上の抗体、例えば検出抗体は、検出可能な標識、例えばビオチンもしくはルテニウムキレートに既に複合された状態で提供され得る。
キットはまた、検出可能な標識を抗体(ならびに標識自体)にカップリングするための試薬、緩衝液、ならびに/または本明細書に提供されるアッセイの実行を支持するための試薬および器具を提供し得る。特定の態様では、検出抗体に結合する標識二次抗体が提供され得る。本開示に従って提供されるキットは、好適な容器、プレート、および本明細書に提供されるアッセイを実行するのに必要な任意の他の試薬または材料をさらに含み得る。
一部の態様では、キットは、DPP4またはPOSTNの遺伝子配列の部分配列を高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズ可能な1つ以上の核酸プローブ(例えば、天然および/または化学修飾ヌクレオチド単位を含むオリゴヌクレオチド)を含む。一部の態様では、DPP4またはPOSTNの遺伝子配列の部分配列を高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズ可能な1つ以上の核酸プローブ(例えば、天然および/または化学修飾ヌクレオチド単位を含むオリゴヌクレオチド)は、マイクロアレイチップに結合される。
本開示に従って提供されるキットはまた、本方法を記載するパンフレットまたは使用説明書を含み得る。DPP4またはPOSTN検出免疫測定法(例えば、DPP4またはPOSTNを検出するための単一または多重アッセイ)、特にサンドイッチ免疫測定法、例えば、ELISAアッセイまたはECLアッセイでは、サンドイッチ免疫測定法は、固体支持体に結合された一次「捕捉」抗体(例えば、DPP4またはPOSTNに特異的に結合する抗体)またはその抗原結合断片、および二次抗DPP4「検出」抗体またはその抗原結合断片を含む。免疫測定法は、本明細書に提供される方法または当業者に周知でかつ理解されている方法により実施され得る。
一態様では、免疫測定法は、捕捉抗体またはその断片を固体支持体に結合させるステップと、試験試料または対照試料を適用し、DPP4またはPOSTN(試料中に存在する場合)が捕捉抗体またはその断片に結合することを可能にするステップと、捕捉抗体またはその断片に既に結合したDPP4またはPOSTNに結合し得る、検出抗体またはその断片を適用するステップと、DPP4またはPOSTNに結合した検出抗体またはその断片の量を測定するステップとを含む。特定の態様では、アッセイは、洗浄ステップ、ブロッキングステップおよびインキュベーションステップをさらに含み得る。
試験キットは、1つ以上のDPP4および/またはPOSTN検出アッセイ、例えばDPP4またはPOSTNの存在/不存在またはレベルを検出するための免疫測定法または核酸検出アッセイを実行するための使用説明書を含み得る。キット中に含まれる使用説明書は、包装材に添付され得るかまたは添付文書として含まれ得る。使用説明書は、典型的には手書き物または印刷物であるが、それらに限定されることはない。かかる使用説明書を保存し、それらをエンドユーザに伝えることが可能な任意の媒体が検討される。かかる媒体として、限定はされないが、電子保存媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD−ROM)などが挙げられる。本明細書で使用されるとき、用語「使用説明書」は、使用説明書を提供するインターネットサイトのアドレスを含み得る。
VIII.コンパニオン診断システム
本明細書で開示される方法は、臨床医または患者に有望な治療選択について通知するため、例えばウェブサーバーを介して利用可能なコンパニオン診断として提供され得る。本明細書で開示される方法は、生体試料を収集するかまたはその他として入手するステップと、DPP4および/またはPOSTNレベル(例えば、完全長もしくは可溶性DPP4タンパク質発現レベル、POSTN発現レベル、またはDPP4またはPOSTNにおける遺伝子発現レベル)を単独でまたは他のバイオマーカー(例えば、遺伝子シグネチャー、例えばTh−2シグネチャーまたは患者の好酸球数を導き出すのに用いられる遺伝子パネル)と組み合わせて検出および測定するための分析法を実施するステップとを含み得る。
本明細書で開示される方法は、臨床医または患者に有望な治療選択について通知するため、例えばウェブサーバーを介して利用可能なコンパニオン診断として提供され得る。本明細書で開示される方法は、生体試料を収集するかまたはその他として入手するステップと、DPP4および/またはPOSTNレベル(例えば、完全長もしくは可溶性DPP4タンパク質発現レベル、POSTN発現レベル、またはDPP4またはPOSTNにおける遺伝子発現レベル)を単独でまたは他のバイオマーカー(例えば、遺伝子シグネチャー、例えばTh−2シグネチャーまたは患者の好酸球数を導き出すのに用いられる遺伝子パネル)と組み合わせて検出および測定するための分析法を実施するステップとを含み得る。
DPP4および/またはPOSTNと組み合わせ可能な分子バイオマーカーとして、IL−33、IL−25、TSLP、IL−22、CCL20、LCN2、sCTLA−3、sCD28、CCL5、CCL11、CCL22、CCL26、FZD5、DOK1、CST2、ZNF436、C20orf100、NAGS、CST1、CDH13、HRH1、TMEM132B、NTRK1、SLCO2A1、IgE、FETUB、KRT31IKRT34、C6orf138、ATP5J、TUBAL3、JAM2、NOVA2、NOS2A、HS3ST4、GRM8、IL1R2、CTDSPL、CEP72、LOC199800、LYPD1、DISP1、NKX1−2、C4orf38、LOXL4、PRKD1、PAM124B、GPR44、HIGD1B、CLCA1、SEPT11、CYYR1、CD36、ALOX15、AADAC、ACTA1、ODC1、DKFZp434F142、ACHE、CSF3、LOC100132552、C12orf27、ZNF331、GK5、DUSP1IDUSP4、LRWD1、PGLYRP4、GUSBL2、CLGN、NR1I2、EST、LRRC37B、SAA4、SLC12A3、TMEM45A、FLJ37464、MUC5B、CXCL6、GLRB、DKFp686K01114、FOLR1、TSPAN6、AKR1C1、KIAA0232、PTP4A1、PCYT2、RHOV、PROS1、C11orf63、TCTN1、PIP5K1B、OSBPL6、NSUM7、GJB7、IRS2、またはそれらの組み合わせが挙げられる。Lun et al.,J.Clin.Immunol.27:430−437(2007)、Choi et al,,J.Immunol.186(3):1861−9(2011)、および国際公開第2009124090A1号パンフレット(それら全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
本願全体を通して用いられる識別子によって名付けられるタンパク質および遺伝子の標準的名称、別名など(例えばPIP5K1B)は、例えばGenecards(www.genecards.org)またはUniprot(www.uniprot.org)を介して同定され得る。
DPP4および/またはPOSTNと組み合わせ可能な分子バイオマーカーとして、例えば、IL−33、IL−25、TSLP、IL−22、CCL20、LCN2、CSTl、CCL26、CLCAl、CST2、PRR4、SERPINB2、CEACAM5、iNOS、SERPINB4、CST4、PRB4、TPSDl、TPSGl、MFSD2、CPA3、GPR105、CDH26、GSN、C2ORF32、TRACH2000196(TMEM71)、DNAJC12、RGS13、SLC18A2、SERPINB10、SH3RF2、FCERlB、RUNX2、PTGSl、ALOX15、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
測定されたDPP4および/またはPOSTNレベル由来のDPP4および/またはPOSTNレベル(例えば、タンパク質発現レベルまたは遺伝子発現レベル)または正規化スコアは、単独で(例えば、治療、診断、予後、または監視目的)、または他のバイオマーカー(例えば、遺伝子サイン、例えばTh−2サインまたは患者の好酸球数を誘導するために用いられる遺伝子パネル)由来のレベルまたは正規化スコアと組み合わせて用いることができる。
これらのスコアはまた、診断スコアを得るため、例えば、(i)患者のIgEレベルのレベル、(ii)患者の好酸球数または好塩基球数、(iii)患者の呼気一酸化窒素濃度(FENO)、(iv)患者の好酸球/リンパ球および好酸球/好中球(ELEN)指数、(v)患者のEOS指数、(vi)患者のIgEレベル、(vii)気管支拡張薬FEV1投与前または後のFVC測定値または可逆性、(viii)肺のCTスキャンからの亜区域気道の壁面積百分率(WA%)、または(ix)それらの2つ以上の組み合わせに対応するスコアと組み合わせることができる。
この手法では、診断スコアは、疾患(または特定の疾患状態、例えば中等度または重度の喘息)の存在または不在の指標である予め設定されたDPP4またはPOSTN閾値と比べられるすべてのマーカー計算値の合計から判定される単一の数であってもよい。または診断スコアは、一連のバーであってもよく、各々はバイオマーカー値を表し、また応答のパターンは、疾患の存在または不在の判定のため、予め設定されたパターンと比べてもよい。
本明細書に記載の方法の少なくとも一部の態様は、関係する計算が複雑であるため、本明細書に開示されるバイオマーカーとしてのDPP4および/またはPOSTNレベル(例えば、血清中のレベル)の使用を含む方法は、コンピュータを用いて実施することができる。一部の態様では、コンピュータシステムは、プロセッサ、入力装置、出力装置、記憶装置、コンピュータで読み込み可能な記憶媒体リーダー、通信システム、処理加速(例えば、DSPまたは専用プロセッサ)、およびメモリを含む、バスを介して電気的に連結されたハードウェア要素を含む。コンピュータで読み込み可能な記憶媒体リーダーは、コンピュータで読み込み可能な情報を一時的および/またはより永久的に含むように、コンピュータで読み込み可能な記憶媒体、すなわち、リモート、ローカル、固定および/または取り外し可能な記憶装置+記憶媒体、メモリなどを包括的に表す組み合わせにさらに連結可能であり、記憶装置、メモリおよび/または任意の他のかかるアクセス可能なシステム資源を含み得る。
現行望ましいプロトコル、プロトコルのバリエーション、拡張などに従ってさらに設計可能な1つ以上のサーバを装備する場合、単一のアーキテクチャを用いてもよい。しかし、実施形態がより具体的な用途の要件に応じて十分に利用可能であることは当業者にとって明らかになるであろう。カスタマイズされたハードウェアであっても利用可能であり、かつ/または特定の要素はハードウェア、ソフトウェアまたは両方に装備可能である。さらに、ネットワーク入力/出力装置などの他のコンピュータデバイス(図示せず)への接続が利用可能であり、有線、無線、モデム、および/または他のコンピュータデバイスへの1つもしくは複数の他の接続であっても利用可能であることは理解されるべきである。
一態様では、システムは、入力データを1つ以上のプロセッサに提供するため、1つ以上の装置をさらに含む。システムは、ランク付けされたデータ要素のデータセットを格納するためのメモリをさらに含む。別の態様では、入力データを提供するための装置は、データ要素の特性を検出するための検出器、例えば、蛍光プレートリーダー、質量分析計、または遺伝子チップリーダーなどを含む。
さらに、システムは、データベース管理システムを含んでもよい。ユーザの要求またはクエリーは、関連性のある情報をトレーニングセットのデータベースから抽出するためにクエリーを処理する、データベース管理システムによって理解される適切な言語でフォーマットすることができる。システムは、ネットワークサーバと1つ以上のクライエントが接続されたネットワークに接続可能であってもよい。ネットワークは、当該技術分野で公知であるようなローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。好ましくは、サーバは、ユーザの要求を処理するためにデータベースのデータにアクセスするためのコンピュータプログラム製品(例えばソフトウェア)を実行するのに必要なハードウェアを含む。システムは、データ要素に関するデータ(例えば発現値)をシステムに提供するための入力装置と通信することができる。一態様では、入力装置は、例えば、質量分析計、遺伝子チップまたはアレイリーダーなどを含む遺伝子発現プロファイリングシステムを含み得る。
本明細書に記載の一部の態様は、コンピュータプログラム製品を含むように実装され得る。コンピュータプログラム製品は、アプリケーションプログラムにデータベースを有するコンピュータ上で実行させるため、媒体中に具体化されたコンピュータで読み込み可能なプログラムコードを有する、コンピュータで読み込み可能な媒体を含んでもよい。本明細書で使用されるとき、「コンピュータプログラム製品」は、任意の性質(例えば、書記、電子、磁気、光学またはそれ例外)の物理的媒体上に含まれ、かつコンピュータまたは他の自動化データ処理システムで使用可能な、自然またはプログラミング言語のステートメントの形式での秩序付けられた命令セットを指す。かかるプログラミング言語のステートメントは、コンピュータまたはデータ処理システムによって実行される場合、コンピュータまたはデータ処理システムを、ステートメントの特定のコンテンツに従って機能するように誘導する。
コンピュータプログラム製品は、限定はされないが、コンピュータで読み込み可能な媒体中に組み込まれた、ソースおよびオブジェクトコードおよび/またはテストまたはデータライブラリでのプログラムを含む。さらに、コンピュータシステムまたはデータ処理装置デバイスを予め選択された方法で機能させることができるコンピュータプログラム製品は、限定はされないが、元のソースコード、アセンブリコード、オブジェクトコード、機械語、それらの暗号化または圧縮バージョン、およびありとあらゆる均等物を含む多数の形式で提供してもよい。
一態様では、本明細書で開示される治療、診断、予後、または監視方法を実行するため、例えば、患者から採取される1つ以上の試料中でのDPP4および/もしくはPOSTNのレベルが、所定のDPP4もしくはPOSTN閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中でのDPP4もしくはPOSTNレベルと比べてより低いかまたは減少する場合、好酸球標的化治療薬(例えば、ベンラリズマブなどのIL−5Rに特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片)を、それを必要とする患者に投与すべきか否かを判定するため、コンピュータプログラム製品が提供される。
コンピュータプログラム製品は、コンピュータ装置またはシステムのプロセッサによって実行可能であるプログラムコードを具体化するコンピュータで読み込み可能な媒体を含み、プログラムコードは以下を含む。
(a)被験体由来の生物学的試料に属したデータを検索するコードであり、ここでデータは、DPP4および/またはPOSTNレベルデータ(または通常、DPP4および/またはPOSTNレベル値に由来するデータ)を単独でまたは生物学的試料中の他のバイオマーカー(例えば、遺伝子サイン、例えばTh−2サインを誘導するために用いられる遺伝子パネル)に対応する値と併せて含む。これらの値はまた、例えば、(i)患者のIgEレベルのレベル、(ii)患者の好酸球数または好塩基球数、(iii)患者の呼気一酸化窒素濃度(FENO)、(iv)患者の好酸球/リンパ球および好酸球/好中球(ELEN)指数、(v)患者のEOS指数、(vi)肺のCTスキャンデータからの亜区域気道の壁面積百分率(WA%)、(vii)患者のIgEレベル、(viii)気管支拡張薬投与前または後のFEV1、FVC測定値または可逆性、または(ix)それらの2つ以上の組み合わせに対応する値と組み合わせることができる。
(b)例えば好酸球標的化治療薬を、それを必要とする患者に投与すべきか否かを示す分類方法を実行するコード。
(a)被験体由来の生物学的試料に属したデータを検索するコードであり、ここでデータは、DPP4および/またはPOSTNレベルデータ(または通常、DPP4および/またはPOSTNレベル値に由来するデータ)を単独でまたは生物学的試料中の他のバイオマーカー(例えば、遺伝子サイン、例えばTh−2サインを誘導するために用いられる遺伝子パネル)に対応する値と併せて含む。これらの値はまた、例えば、(i)患者のIgEレベルのレベル、(ii)患者の好酸球数または好塩基球数、(iii)患者の呼気一酸化窒素濃度(FENO)、(iv)患者の好酸球/リンパ球および好酸球/好中球(ELEN)指数、(v)患者のEOS指数、(vi)肺のCTスキャンデータからの亜区域気道の壁面積百分率(WA%)、(vii)患者のIgEレベル、(viii)気管支拡張薬投与前または後のFEV1、FVC測定値または可逆性、または(ix)それらの2つ以上の組み合わせに対応する値と組み合わせることができる。
(b)例えば好酸球標的化治療薬を、それを必要とする患者に投与すべきか否かを示す分類方法を実行するコード。
様々な態様が方法または装置として説明されている一方、態様がコンピュータに連結されたコード、例えば、コンピュータ上に常駐するかまたはコンピュータによってアクセス可能なコードを通じて実行可能であることは理解されるべきである。例えば、ソフトウェアおよびデータベースは、上で考察された方法の多くを実行する場合、利用することができる。したがって、ハードウェアによって達成される態様に加えて、これらの態様は、その中に具体化されたコンピュータで読み込み可能なプログラムコードを有するコンピュータで使用可能な媒体からなる製品の使用を通じて達成可能であり、それにより本明細書中に開示される機能が実施可能になることも注目される。したがって、態様がまた、同様にそのプログラムコード手段において本特許により保護されるとみなされることは望ましい。
さらに、一部の態様は、限定はされないが、RAM、ROM、磁気媒体、光学媒体、または磁気光学媒体を含む、仮想的に任意の種類のコンピュータで読み込み可能な記憶装置内でコードが格納され得る。さらにより一般には、一部の態様は、ソフトウェア、またはハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせ、例えば限定はされないが、汎用プロセッサ、マイクロコード、PLA、またはASIC上で動作するソフトウェアにおいて実行され得る。
また、一部の態様が搬送波ならびに伝送媒体中を伝播する信号(例えば、電気および光)において具体化されるコンピュータ信号として達成され得ることも想定される。したがって、上で考察された様々なタイプの情報であれば、ある構造、例えばあるデータ構造でフォーマットされ、伝送媒体中を電気信号として伝達されるかまたはコンピュータで読み込み可能な媒体に格納され得る。
実施例1
制御されない喘息を有する成人におけるベンラリズマブ(MEDI−563)の有効性および安全性を評価するための第2b相用量範囲試験
Ph2b試験(CP220)を、中等度から重度の制御されない喘息患者の集団内でベンラリズマブ(MEDI−563)を用いて実施した(図1)。2つのデータセット:(i)POSTNおよびDPP4レベルについて測定したベースライン(1週目1日目の前投与)時に採取した試料を用いるデータセットおよび(ii)POSTNおよびDPP4レベルについて測定した−1週(スクリーニング)時および40週時に採取した試料を用いるデータセットを用いて事後探索分析を実施した。DPP4は、R&D Systems DPP4検出キットを用いて測定した。POSTNは、トラロキヌマブ用のコンパニオン診断として開発したペリオスチン検出方法を用いて測定した(国際公開第2015120185号パンフレット(その全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい)。
制御されない喘息を有する成人におけるベンラリズマブ(MEDI−563)の有効性および安全性を評価するための第2b相用量範囲試験
Ph2b試験(CP220)を、中等度から重度の制御されない喘息患者の集団内でベンラリズマブ(MEDI−563)を用いて実施した(図1)。2つのデータセット:(i)POSTNおよびDPP4レベルについて測定したベースライン(1週目1日目の前投与)時に採取した試料を用いるデータセットおよび(ii)POSTNおよびDPP4レベルについて測定した−1週(スクリーニング)時および40週時に採取した試料を用いるデータセットを用いて事後探索分析を実施した。DPP4は、R&D Systems DPP4検出キットを用いて測定した。POSTNは、トラロキヌマブ用のコンパニオン診断として開発したペリオスチン検出方法を用いて測定した(国際公開第2015120185号パンフレット(その全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい)。
POSTNは、IL−13経路活性化の下流活性化マーカーであり、抗IL−13治療に応答し得る患者を同定するための有望なバイオマーカーとして開発中である。それはまた、高められたTh2経路活性化の証拠を有する患者を同定するための有望なマーカーとして用いられる。DPP4もIL−13経路活性化の下流活性化マーカーである。
患者集団は、中用量または高用量の吸入コルチコステロイドおよび長期作用型β作動薬に対して制御されない喘息患者から構成された。試験は、609名の無作為化被験者を含んだ。324名がEOS+群(PBO=80;ベンラリズマブ2mg=81;20mg=81および100mg=82)に含まれた。285名がEOS−群(PBO=143;ベンラリズマブ100mg=142)に含まれた。試験は、(ELEN指数による判定として)高い血液好酸球レベルを有する被験者におけるベンラリズマブ3用量対プラセボを評価する、また(ELEN指数による判定として)低い血液好酸球レベルを有する被験者における1用量対プラセボを評価する、中等度から重度の喘息患者における二重盲検プラセボ対照であった。
ベンラリズマブを用いる治療に応答し得る患者集団を理解するため、CP220患者集団を他の公知の患者亜群に、バイオマーカーまたは他の有望な応答者群についてのより十分な理解を得るための他の臨床的特徴によって分割することが提起された。データセットA(すなわち、1週目1日目に収集した試料中でPOSTNおよびDPP4が測定された場合のもの)で測定した試料について、以下の探索目的:(i)血液好酸球レベルとベースラインでの血清POSTNレベルおよび血清DPP4レベルとの関係を評価すること(探索的転帰変数は、血液好酸球、血清POSTN、および血清DPP4であった);(ii)増悪、肺機能および症状に対するベンラリズマブの有効性をベースラインPOSTNにより評価すること(探索的転帰変数は、血清ペリオスチン、年間増悪率、FEV1、およびACQであった);(iii)増悪、肺機能および症状に対するベンラリズマブの有効性をベースラインDPP4により評価すること(探索的転帰変数は、血清DPP4、年間増悪率、FEV1、およびACQであった);(iv)増悪、肺機能および症状に対するベンラリズマブの有効性を、ベースライン好酸球レベルとともにベースラインDPP4により評価すること(探索的転帰変数は、血液好酸球、血清ペリオスチン、年間増悪率、FEV1、およびACQであった);ならびに(v)増悪、肺機能および症状に対するベンラリズマブの有効性を、ベースライン好酸球レベルとともにベースラインPOSTNにより評価すること(探索的転帰変数は、血液好酸球、血清DPP4、年間増悪率、FEV1、およびACQであった)について計画した。
データセットB(すなわち、−1週目および40週目に収集した試料中でPOSTNおよびDPP4が測定された場合のもの)で測定した試料について、以下の目的:(i)mITT集団内での血清ペリオスチンレベルに対するベンラリズマブを用いる治療の効果をベースライン血液好酸球およびベースラインPOSTNレベルにより評価すること(探索的転帰変数は、血液好酸球および血清POSTNであった);および(ii)mITT集団内での血清DPP4レベルに対するベンラリズマブを用いる治療の効果をベースライン血液好酸球およびベースラインDPP4レベルにより評価すること(探索的転帰変数は、血液好酸球および血清DPP4であった)について計画した。
有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの治療効果を評価するため、以下の分析:(i)任意の用量応答効果を評価する、プラセボ(組み合わされたEOS+およびEOS−)、2mg、20mgおよび100mg(組み合わされたEOS+およびEOS−)による評価;および(ii)プラセボ(組み合わされたEOS+およびEOS−)、プールされた群の20mgおよび100mg用量群(EOS+およびEOS−)による評価を実施した。
特定バイオマーカーのカットオフに関する任意の亜群分析では、好酸球の高い集団は血液好酸球≧300細胞/μLと定義し、好酸球の低い集団は血液好酸球<300細胞/μLと定義する。高POSTNおよび高DPP4は、レベル≧中央値を有する被験者と定義し、低POSTNおよび低DPP4は、レベル<中央値を有する被験者と定義する。
データセットAについての現行および予測アウトプットは以下の通りである。
(a)試験集団内および目的の他の臨床亜群内でのPOSTNおよびDPP4レベルを評価するため、mITT集団内でのペリオスチンおよびDPP4の中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表を作成した(図2)。
(b)可逆性および非可逆性およびICS mediumおよび高ICS亜集団における、また血液好酸球≧300および<300細胞/μLの亜集団におけるPOSTNおよびDPP4の中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表を作成することになる。
(c)DPP4またはPOSTNが亜群に分割されるときの特定の臨床的特徴または治療との関連性を示すため、高POSTN、低POSTN、高DPP4および低DPP4による被験者の人口統計学および臨床的特徴の表を作成することになる。表中で用いるための人口統計および臨床的特徴は、年齢、性別、BMI、FEV1(L)、FEV1(%予測)、可逆性、ACQ、ICS用量、OCS用量、(喘息歴質問表からの)過去12か月間の喘息増悪の数、喘息症状日誌カードスコア、血清IgE、および血液好酸球数である。
(d)ベースライン時の試験集団内でのPOSTNとDPP4との間の関係を示すため、ベースライン血清POSTN対ベースラインDPP4の相関のプロットを作成することになる。
(e)ベースライン時の試験集団内でのPOSTNと血液好酸球との間の関係を示すため、ベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球の相関のプロットを作成することになる。
(f)ベースライン時の試験集団内でのDPP4と血液好酸球との間の関係を示すため、ベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球の相関のプロットを作成することになる。
(g)試験集団内での異なる亜群間での重複を評価するため、mITT、肺機能可逆性被験者、肺機能非可逆性被験者、高ICS被験者およびICS medium被験者による、高POSTNおよび低POSTN被験者での血液好酸球≧300、<300細胞/μLの重複の図面を作成した。
(h)試験集団内での異なる亜群間での重複を評価するため、mITT、肺機能可逆性被験者、肺機能非可逆性被験者、高ICS被験者およびICS medium被験者による、高DPP4および低DPP4被験者での血液好酸球≧300、<300細胞/μLの重複の図面を作成した。
(i)(i)治療群によるベースライン血清POSTNによる増悪速度、(ii)治療群によるベースライン血清POSTNによるFEV1における変化、(iii)治療群によるベースライン血清POSTNによるACQにおける変化、(iv)治療群によるベースライン血清DPP4による増悪速度、(v)治療群によるベースライン血清DPP4によるFEV1における変化、(vi)治療群によるベースライン血清DPP4によるACQにおける変化、(vii)治療群によるベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球による増悪率、(viii)治療群によるベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球による増悪率、(ix)治療群によるベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球によるFEV1における変化、(x)治療群によるベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球によるACQにおける変化、(xi)治療群によるベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球によるFEV1における変化、および(xii)治療群によるベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球によるACQにおける変化、に対するベンラリズマブの効果を示すプロットを作成することになる。
(j)特定の亜集団内での有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの効果を評価するため、増悪率、ベースラインからのFEV1における変化およびベースラインからのACQにおける変化に対する高いまたは低いベースライン血清POSTNを有する被験者におけるベンラリズマブの効果のプロットを以下の亜群について作成した。
(i)高POSTNおよび低POSTN(mITTのみ)、
(ii)可逆性肺機能を有する被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(iii)高POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群ならびに低POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群における上記群の各々。
(k)特定の亜集団内での有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの効果を評価するため、増悪率、ベースラインからのFEV1における変化およびベースラインからのACQにおける変化に対する高いまたは低いベースライン血清POSTNを有する被験者におけるベンラリズマブの効果のプロットを以下の亜群について作成することになる。
(i)非可逆性肺機能を有する被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(ii)高用量ICS使用中の被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(iii)中用量ICS使用中の被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(iv)慢性OCSを使用していない被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(v)慢性OCSを使用しておらず、ベースライン時に≧12%可逆性である被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(vi)高POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群ならびに低POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群における上記群の各々。
(l)特定の亜集団内での有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの効果を評価するため、増悪率、ベースラインからのFEV1における変化およびベースラインからのACQにおける変化に対する高いまたは低いベースライン血清DPP4を有する被験者におけるベンラリズマブの効果のプロットを以下の亜群について作成した。
(i)高DPP4および低DPP4(mITTのみ)、
(ii)可逆性肺機能を有する被験者における高DPP4および低DPP4、
(iii)高DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLならびに低DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLにおける上記の各々。
(a)試験集団内および目的の他の臨床亜群内でのPOSTNおよびDPP4レベルを評価するため、mITT集団内でのペリオスチンおよびDPP4の中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表を作成した(図2)。
(b)可逆性および非可逆性およびICS mediumおよび高ICS亜集団における、また血液好酸球≧300および<300細胞/μLの亜集団におけるPOSTNおよびDPP4の中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表を作成することになる。
(c)DPP4またはPOSTNが亜群に分割されるときの特定の臨床的特徴または治療との関連性を示すため、高POSTN、低POSTN、高DPP4および低DPP4による被験者の人口統計学および臨床的特徴の表を作成することになる。表中で用いるための人口統計および臨床的特徴は、年齢、性別、BMI、FEV1(L)、FEV1(%予測)、可逆性、ACQ、ICS用量、OCS用量、(喘息歴質問表からの)過去12か月間の喘息増悪の数、喘息症状日誌カードスコア、血清IgE、および血液好酸球数である。
(d)ベースライン時の試験集団内でのPOSTNとDPP4との間の関係を示すため、ベースライン血清POSTN対ベースラインDPP4の相関のプロットを作成することになる。
(e)ベースライン時の試験集団内でのPOSTNと血液好酸球との間の関係を示すため、ベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球の相関のプロットを作成することになる。
(f)ベースライン時の試験集団内でのDPP4と血液好酸球との間の関係を示すため、ベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球の相関のプロットを作成することになる。
(g)試験集団内での異なる亜群間での重複を評価するため、mITT、肺機能可逆性被験者、肺機能非可逆性被験者、高ICS被験者およびICS medium被験者による、高POSTNおよび低POSTN被験者での血液好酸球≧300、<300細胞/μLの重複の図面を作成した。
(h)試験集団内での異なる亜群間での重複を評価するため、mITT、肺機能可逆性被験者、肺機能非可逆性被験者、高ICS被験者およびICS medium被験者による、高DPP4および低DPP4被験者での血液好酸球≧300、<300細胞/μLの重複の図面を作成した。
(i)(i)治療群によるベースライン血清POSTNによる増悪速度、(ii)治療群によるベースライン血清POSTNによるFEV1における変化、(iii)治療群によるベースライン血清POSTNによるACQにおける変化、(iv)治療群によるベースライン血清DPP4による増悪速度、(v)治療群によるベースライン血清DPP4によるFEV1における変化、(vi)治療群によるベースライン血清DPP4によるACQにおける変化、(vii)治療群によるベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球による増悪率、(viii)治療群によるベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球による増悪率、(ix)治療群によるベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球によるFEV1における変化、(x)治療群によるベースライン血清POSTN対ベースライン血液好酸球によるACQにおける変化、(xi)治療群によるベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球によるFEV1における変化、および(xii)治療群によるベースライン血清DPP4対ベースライン血液好酸球によるACQにおける変化、に対するベンラリズマブの効果を示すプロットを作成することになる。
(j)特定の亜集団内での有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの効果を評価するため、増悪率、ベースラインからのFEV1における変化およびベースラインからのACQにおける変化に対する高いまたは低いベースライン血清POSTNを有する被験者におけるベンラリズマブの効果のプロットを以下の亜群について作成した。
(i)高POSTNおよび低POSTN(mITTのみ)、
(ii)可逆性肺機能を有する被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(iii)高POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群ならびに低POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群における上記群の各々。
(k)特定の亜集団内での有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの効果を評価するため、増悪率、ベースラインからのFEV1における変化およびベースラインからのACQにおける変化に対する高いまたは低いベースライン血清POSTNを有する被験者におけるベンラリズマブの効果のプロットを以下の亜群について作成することになる。
(i)非可逆性肺機能を有する被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(ii)高用量ICS使用中の被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(iii)中用量ICS使用中の被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(iv)慢性OCSを使用していない被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(v)慢性OCSを使用しておらず、ベースライン時に≧12%可逆性である被験者における高POSTNおよび低POSTN、
(vi)高POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群ならびに低POSTN+好酸球≧300および<300細胞/μL亜群における上記群の各々。
(l)特定の亜集団内での有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの効果を評価するため、増悪率、ベースラインからのFEV1における変化およびベースラインからのACQにおける変化に対する高いまたは低いベースライン血清DPP4を有する被験者におけるベンラリズマブの効果のプロットを以下の亜群について作成した。
(i)高DPP4および低DPP4(mITTのみ)、
(ii)可逆性肺機能を有する被験者における高DPP4および低DPP4、
(iii)高DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLならびに低DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLにおける上記の各々。
特定の亜集団内での有効性エンドポイントに対するベンラリズマブの効果を評価するため、増悪率、ベースラインからのFEV1における変化およびベースラインからのACQにおける変化に対する高いまたは低いベースライン血清DPP4を有する被験者におけるベンラリズマブの効果のプロットを以下の亜群について作成することになる。
(i)非可逆性肺機能を有する被験者における高DPP4および低DPP4、
(ii)高用量ICS使用中の被験者における高DPP4および低DPP4、
(iii)中用量ICS使用中の被験者における高DPP4および低DPP4、
(iv)慢性OCSを使用していない被験者における高DPP4および低DPP4、
(v)慢性OCSを使用しておらず、ベースライン時に≧12%可逆性である被験者における高DPP4および低DPP4、
(vi)高DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLならびに低DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLにおける上記の各々。
(i)非可逆性肺機能を有する被験者における高DPP4および低DPP4、
(ii)高用量ICS使用中の被験者における高DPP4および低DPP4、
(iii)中用量ICS使用中の被験者における高DPP4および低DPP4、
(iv)慢性OCSを使用していない被験者における高DPP4および低DPP4、
(v)慢性OCSを使用しておらず、ベースライン時に≧12%可逆性である被験者における高DPP4および低DPP4、
(vi)高DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLならびに低DPP4+好酸球≧300および<300細胞/μLにおける上記の各々。
データセットBにおける予測アウトプットは以下の通りである。
(a)ベースライン時およびベンラリズマブを用いる治療後の試験集団内および目的の他の臨床亜群内でのPOSTNレベルを示す記述統計学は、mITT集団内、−1週目および40週目でのPOSTNの中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表に提示することになる。
(b)ベースライン時およびベンラリズマブを用いる治療後の試験集団内および目的の他の臨床亜群内でのDPP4レベルを示す記述統計学は、mITT集団内、−1週目および40週目でのDPP4の中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表に提示することになる。
(c)ベースライン血液好酸球レベルを上昇させることによる血清POSTNレベルに対するベンラリズマブの効果を示すため、治療群(すなわちベンラリズマブ治療およびプラセボ後)によるベースラインPOSTN対ベースライン血液好酸球レベルにおける変化のプロットを作成することになる。
(d)ベースライン血液好酸球レベルを上昇させることによる血清DPP4レベルに対するベンラリズマブの効果を示すため、治療群(すなわちベンラリズマブ治療およびプラセボ後)によるベースラインDPP4対ベースライン血液好酸球レベルにおける変化のプロットを作成することになる。
(e)試験集団および亜群による血清POSTNレベルに対するベンラリズマブを用いる治療の効果を示すため、以下の集団:(i)mITT、(ii)血液好酸球≧300および<300細胞/μL、(iii)FEV1可逆性および非可逆性被験者、(iv)高ICSおよびICS mediumにおける−1週目〜40週目のPOSTNレベルに対するベンラリズマブの効果のプロットを作成することになる。
(f)試験集団および亜群による血清DPP4レベルに対するベンラリズマブを用いる治療の効果を示すため、以下の集団:(i)mITT、(ii)血液好酸球≧300および<300細胞/μL、(iii)FEV1可逆性および非可逆性被験者、ならびに(iv)高ICSおよびICS mediumにおける−1週目〜40週目のDPP4レベルに対するベンラリズマブの効果のプロットを作成することになる。
(a)ベースライン時およびベンラリズマブを用いる治療後の試験集団内および目的の他の臨床亜群内でのPOSTNレベルを示す記述統計学は、mITT集団内、−1週目および40週目でのPOSTNの中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表に提示することになる。
(b)ベースライン時およびベンラリズマブを用いる治療後の試験集団内および目的の他の臨床亜群内でのDPP4レベルを示す記述統計学は、mITT集団内、−1週目および40週目でのDPP4の中央値、平均、標準偏差および範囲の記述統計学の表に提示することになる。
(c)ベースライン血液好酸球レベルを上昇させることによる血清POSTNレベルに対するベンラリズマブの効果を示すため、治療群(すなわちベンラリズマブ治療およびプラセボ後)によるベースラインPOSTN対ベースライン血液好酸球レベルにおける変化のプロットを作成することになる。
(d)ベースライン血液好酸球レベルを上昇させることによる血清DPP4レベルに対するベンラリズマブの効果を示すため、治療群(すなわちベンラリズマブ治療およびプラセボ後)によるベースラインDPP4対ベースライン血液好酸球レベルにおける変化のプロットを作成することになる。
(e)試験集団および亜群による血清POSTNレベルに対するベンラリズマブを用いる治療の効果を示すため、以下の集団:(i)mITT、(ii)血液好酸球≧300および<300細胞/μL、(iii)FEV1可逆性および非可逆性被験者、(iv)高ICSおよびICS mediumにおける−1週目〜40週目のPOSTNレベルに対するベンラリズマブの効果のプロットを作成することになる。
(f)試験集団および亜群による血清DPP4レベルに対するベンラリズマブを用いる治療の効果を示すため、以下の集団:(i)mITT、(ii)血液好酸球≧300および<300細胞/μL、(iii)FEV1可逆性および非可逆性被験者、ならびに(iv)高ICSおよびICS mediumにおける−1週目〜40週目のDPP4レベルに対するベンラリズマブの効果のプロットを作成することになる。
実施例2
DPP4 ELISAイムノアッセイ
本明細書で開示されるDPP4検出アッセイは、定量ELISAに基づくイムノアッセイである。ヒトDPP4に特異的なマウスモノクローナル抗体をマイクロプレート上に予備コーティングした(R&D Systems、カタログ番号DC260)。100μLのアッセイ希釈剤をマイクロプレートのウェルに最初に添加後、50μLの標準、対照および1:50希釈血清試料を添加した。プレートを室温で2時間±15分間インキュベートし、DPP4がプレート上で捕捉抗体に結合することを可能にした。
DPP4 ELISAイムノアッセイ
本明細書で開示されるDPP4検出アッセイは、定量ELISAに基づくイムノアッセイである。ヒトDPP4に特異的なマウスモノクローナル抗体をマイクロプレート上に予備コーティングした(R&D Systems、カタログ番号DC260)。100μLのアッセイ希釈剤をマイクロプレートのウェルに最初に添加後、50μLの標準、対照および1:50希釈血清試料を添加した。プレートを室温で2時間±15分間インキュベートし、DPP4がプレート上で捕捉抗体に結合することを可能にした。
未結合材料を除去するため、次にプレートを、プレートウォッシャーを用いて1×洗浄緩衝液(MedImmune)で4回洗浄した。次に、プレートを、200μLの検出抗体(ポリクローナル抗DPP4抗体−HRP複合体、R&D Systems、カタログ番号DC260)とともに室温で2時間±15分間インキュベートした。その後、プレートを洗浄し、光から保護された場所で、200μlの発色HRP基質、過酸化水素/テトラメチルベンジジン(R&D Systems、カタログ番号DC260)とともに室温で30分±5分間インキュベートした。
50μLの停止溶液(2N硫酸)の添加により酵素反応を停止させた。450nmでの光学密度を測定するため、反応プレートの停止後30分以内にSpectraMaxPlus 384マイクロプレート分光光度計(Molecular Devices)上で読み取った。生成される色の強度は、結合されたDPP4の量に正比例した。試料および対照中のDPP4濃度を、各プレート上で走らせた組換えヒトDPP4の検量線から内挿した。カーブフィッティングのため、二次モデルを用いた。導出されたDPP4濃度を初期試料希釈のために調節した。
定量化可能な範囲は、100%血清中、16ng/mL〜1000ng/mLのDPP4であった。アッセイは、再現性があり、正確であり、かつDPP4に特異的であった。組換え標準と内因性血清DPP4との間の類似性は実証されている。アッセイは、許容できるマトリックス干渉、3凍結−解凍サイクルの安定性および−80℃での1.5年の長期安定性を有する。
実施例3
高い血液好酸球ベースラインまたは低いIL−13経路活性化の血清バイオマーカーが中等度から重度の喘息患者におけるベンラリズマブによる増悪率の低下を予測する
ヒト化モノクローナル抗体のベンラリズマブは、好酸球性炎症を有する中等度から重度の喘息患者において、Ph2b試験(NCT01238861、図1を参照されたい)における増強された抗体依存性細胞傷害、低下した増悪を通じて好酸球および好塩基球を選択的に枯渇させる(Castro et al.,Lancet Respir Med.2:878−90(2014))。ジペプチジルペプチダーゼ(DPP4)およびPOSTN(POSTN)は、IL−13により上方制御され、抗IL−13治療に対する応答の有望なバイオマーカーである(Brightling et al.,Lancet Respir Med.3:692−701(2015))。本発明者らは、血清DPP4およびPOSTNのベースラインレベルの、Ph2試験におけるベンラリズマブによる増悪率の低下を予測する能力について探索した。
高い血液好酸球ベースラインまたは低いIL−13経路活性化の血清バイオマーカーが中等度から重度の喘息患者におけるベンラリズマブによる増悪率の低下を予測する
ヒト化モノクローナル抗体のベンラリズマブは、好酸球性炎症を有する中等度から重度の喘息患者において、Ph2b試験(NCT01238861、図1を参照されたい)における増強された抗体依存性細胞傷害、低下した増悪を通じて好酸球および好塩基球を選択的に枯渇させる(Castro et al.,Lancet Respir Med.2:878−90(2014))。ジペプチジルペプチダーゼ(DPP4)およびPOSTN(POSTN)は、IL−13により上方制御され、抗IL−13治療に対する応答の有望なバイオマーカーである(Brightling et al.,Lancet Respir Med.3:692−701(2015))。本発明者らは、血清DPP4およびPOSTNのベースラインレベルの、Ph2試験におけるベンラリズマブによる増悪率の低下を予測する能力について探索した。
血清DPP4を実施例2のイムノアッセイを用いて、POSTNをAbbott Diagnostics製のイムノアッセイを用いて測定した。喘息被験者を、DPP4またはPOSTNの高もしくは低(各々、血清濃度≧もしくは<中央値と定義される)または好酸球の高もしくは低(各々、ベースライン血液好酸球≧もしくは<300細胞/μLにより定義される)の亜群に分割した。群をさらに分割し、高および低DPP4または高および低POSTNを好酸球の高および低と組み合わせた(図3)。
ベンラリズマブ(20mgおよび100mg皮下治療アームの組み合わせ)の効果を、各亜群における増悪率に対してプラセボと比べて評価した。
中央値血清DPP4およびPOSTN濃度は各々、363.5ng/mL(103.3ng/mL〜867.5ng/mLの範囲)および23.6ng/mL(7.5ng/mL〜104.1ng/mLの範囲)であった。図2を参照されたい。
血清DPP4は、血液好酸球(相関係数=0.05、P=0.22)または血清POSTN(相関係数=0.03、P=0.48)と相関しなかった。血清POSTNは、血液好酸球と相関した(相関係数=0.33、P<0.001)(図4)。
高い好酸球、低DPP4および低POSTNによると、ベンラリズマブ治療による増悪率の低下が有意に予測された。好酸球の高い亜群では、増悪率の低下はPOSTNレベルと独立していた。好酸球の低い亜群では、低POSTNは、高POSTNよりも数値的に大きい増悪率の低下を示した。低DPP−4によると、高好酸球における増悪率の低下が予測され、低好酸球亜群において数値的により大きい増悪率の低下が同定された(図5、6および7)。表4も参照されたい。
増悪率の低下(ERR)を、オフセット期間としてフォローアップ期間の対数を用い、共変数としてベースラインICS状態を伴うポアソン回帰モデルにより実施した。過分散補正は、自由度によって除されるピアソンのカイ二乗統計により与え、それに従って調節されるべき標準誤差および尤度比統計に適用した。
結論:高いベースラインの血液好酸球濃度では、ベンラリズマブの有効性が予測され、効果はこの亜群内のPOSTNと独立していた。低いIL−13経路活性化を示す中央値を下回るベースラインのDPP−4濃度では、ベンラリズマブの有効性が予測され、ベンラリズマブに対する低い血液好酸球濃度の応答性を有する患者が同定され得る。IL−13経路活性化のバイオマーカーであるDPP4では、抗IL−5R/好酸球を枯渇させるベンラリズマブ(低DPP4)およびIL−13標的化トラロキヌマブ(高DPP4)から利益を得る患者サブセットが同定され得る。
概要および要約のセクションではなく、詳細な説明のセクションが、特許請求の範囲の解釈に用いられるように意図されていることは理解されるべきである。概要および要約のセクションは、本発明者によって検討されるように、1つ以上であるがすべてでない本発明の例示的な実施形態を示す場合があり、そのため、本発明および添付の特許請求の範囲を限定することは決して意図されていない。
本発明は、機能的構成要素を用いて上に説明されており、その具体的な機能および関係の実施を例示している。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書中に任意に定義されている。別の境界は、その具体的な機能および関係が適切に実施される限り、定義され得る。
具体的な実施形態の前述の説明は、本発明の一般的性質を十分に示すことになることから、他者は、当業者の有する知見を適用することにより、過度の実験を行うことなく、本発明の一般概念から逸脱することなく、具体的な実施形態のような様々な応用を、容易に変更し、および/または適応させることができる。したがって、かかる適応形態および変更形態は、本明細書中に提示される教示および指導に基づき、開示される実施形態の均等物の意味および範囲に含まれるように意図されている。本明細書中の表現または用語は、説明を目的とし、限定を目的とするものでなく、そのため、本明細書の用語または表現が、当業者により、教示および指導内容を考慮して解釈されるべきであることは理解されるべきである。
本発明の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、あくまで以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物に従って定義されるべきである。
すべての刊行物、特許、特許出願、および/または本願中に引用される他の文献は、個別の刊行物、特許、特許出願、および/または他の文献の各々があたかもあらゆる目的で参照により援用されるように個別に示されるのと同じ程度に、あらゆる目的で全体的に参照により援用される。
Claims (62)
- 患者における好酸球性疾患または障害を治療する方法であって、前記患者が、前記患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4閾値レベルと比べてより低いまたは減少したジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)レベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬を前記患者に投与するステップを含む、方法。
- 好酸球性疾患または障害を有する患者を治療する方法であって、前記患者が、前記患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4閾値レベルと比べてより高いまたは増加したDPP4レベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬の前記患者への投与を中止するかまたは開始しないステップを含む、方法。
- 治療薬を用いる治療に対して奏功しなかったか、非応答性であったか、または不耐性であった患者における好酸球性疾患または障害を治療する方法であって、前記患者が、前記患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4レベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬を前記患者に投与するステップを含む、方法。
- 好酸球性疾患または障害を有する患者を好酸球標的化治療薬で治療するべきか否かを判定する方法であって、前記患者が、前記患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4レベルを有すると判定または同定される場合、前記患者を治療することを決定するステップを含む、方法。
- 好酸球性疾患または障害と診断された患者を、好酸球標的化治療薬を用いる治療の候補として選択する方法であって、前記患者が、前記患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4レベルを有すると判定または同定される場合、前記患者を治療のために選択するステップを含む、方法。
- 前記患者から得られる前記試料の1つ以上における前記DPP4のレベルを測定するか、もしくは前記試料中の前記DPP4のレベルを測定するように臨床検査室もしくは医療提供者に指示するステップ、および/または前記試料中の前記DPP4のレベルを測定するために、前記患者から得られる前記1つ以上の試料を臨床検査室もしくは医療提供者に提出するステップをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記患者から得られる前記1つ以上の試料中の前記DPP4のレベルを判定するステップをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- (a)前記患者が、前記患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4閾値レベルと比べてより低いまたは減少したDPP4レベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬を前記患者に投与するか、または
(b)前記患者が、前記患者から採取される1つ以上の試料中において、所定のDPP4閾値レベルと比べて、または1つ以上の対照試料中のDPP4閾値レベルと比べてより高いまたは増加したDPP4レベルを有すると判定または同定される場合、好酸球標的化治療薬の前記患者への前記投与を中止するか、開始しないか、または拒否する
ように医療提供者に助言するステップをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 - 前記好酸球標的化治療薬がモノクローナル抗体またはその抗原結合断片である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片がIL−5またはIL−5Rに特異的に結合する、請求項9に記載の方法。
- IL−5に特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、メポリズマブ、レスリズマブ、またはその抗原結合断片である、請求項10に記載の方法。
- IL−5Rに特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、IL−5Rのαサブユニット(配列番号4)に特異的に結合する、請求項10に記載の方法。
- IL−5Rの前記αサブユニットに特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、ベンラリズマブまたはその抗原結合断片である、請求項12に記載の方法。
- IL−5Rの前記αサブユニットに特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、配列番号12を含むかもしくは配列番号12からなる重鎖可変領域(VH)、および/または配列番号13を含むかもしくは配列番号13からなる軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項124に記載の方法。
- IL−5Rの前記αサブユニットに特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、配列番号14〜16から選択される1つ、2つ、もしくは3つの相補性決定領域、および/または配列番号17〜19から選択される1つ、2つ、もしくは3つの相補性決定領域を含む、請求項12に記載の方法。
- IL−5Rの前記αサブユニットに特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、配列番号14〜19から選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの相補性決定領域を含む、請求項12に記載の方法。
- 前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、請求項12〜18のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の1つもしくはその抗原結合断片と同じエピトープに結合するか、または請求項12〜18のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の1つもしくはその抗原結合断片の結合を競合的に阻害するか、あるいは両方である、請求項9に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬が、請求項12〜19のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の1つまたはその抗原結合断片を含む融合タンパク質である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬が、請求項12〜19のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の1つまたはその抗原結合断片を含む複合体である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 融合タンパク質または複合体が、少なくとも1つの異種治療部分および/または半減期増強部分を含む、請求項19に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬がポリヌクレオチドである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドがDNAまたはRNAである、請求項21に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドが、(i)mRNAもしくはその組み合わせ、または(ii)アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはその組み合わせである、請求項21に記載の方法。
- 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその組み合わせが、ASM8、PXS1100、またはPXS2200である、請求項23に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドが少なくともヌクレオチド類似体を含む、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬が一定用量で投与される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
- 前記一定用量が1〜1000mg/用量である、請求項26に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬が2回以上の用量で投与される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬が、毎週、隔週、隔月、および3か月毎に投与される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬が、経口的に、吸入により、静脈内に、筋肉内に、皮下に、またはそれらの組み合わせで投与される、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
- 前記好酸球性疾患または障害が肺疾患または障害である、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
- 前記肺疾患または障害が喘息である、請求項31に記載の方法。
- 前記喘息が、アレルギー性喘息、アトピー性喘息、コルチコステロイドナイーブ喘息、慢性喘息、コルチコステロイド抵抗性喘息、コルチコステロイド難治性喘息、喫煙に起因する喘息、またはコルチコステロイドで制御されない喘息である、請求項32に記載の方法。
- 前記喘息が軽度から中等度の喘息または重度喘息である、請求項32に記載の方法。
- 前記好酸球性疾患または障害が、慢性気管支炎、慢性好酸球性肺炎(CEP)、鼻ポリープ、アトピー性皮膚炎(湿疹)、好酸球性食道炎、過好酸性症候群(HES)、好酸球性肉芽腫症および多発性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)、好酸球性胃炎、好酸球性腸炎、好酸球性大腸炎、アレルギー性鼻結膜炎(枯草熱)、白血病、リンパ腫、肥満細胞症、アテローム塞栓性疾患、ハイパーIgE症候群、オーメン症候群、胸腺腫、移植拒絶反応、副腎機能低下症、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、ヘルペス状皮膚炎、薬剤誘発性病変、蕁麻疹、好酸球性脂肪織炎、好酸球増多症を伴う血管浮腫、木村病、シュルマン症候群、ウェルズ症候群、口腔粘膜の好酸球性潰瘍、好酸球性膿疱性毛嚢炎、再発性皮膚壊死性好酸球性脈管炎、薬剤/毒素誘発性好酸球性肺疾患、レフラー症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、好酸球性肉芽腫、胸膜好酸球増多症、胃食道逆流症、寄生虫感染症、真菌感染症、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)、食品アレルギー性障害、蛋白誘発性腸症、蛋白誘発性全腸炎、アレルギー性大腸炎、セリアック病、増殖性天疱瘡、平滑筋腫症、結合組織障害、血管炎障害、慢性硬膜下血腫、中枢神経系感染症、脳室腹腔短絡術、先天性心臓病(中隔欠損症または大動脈弁狭窄)、腎感染を伴う好酸球尿症、間質性腎炎、または好酸球性膀胱炎である、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
- 前記患者が、前記好酸球性疾患または障害の治療のための1つ以上の追加的な治療薬を用いて、好酸球標的化治療薬の投与の前、その間、その後、または代替的にそれに対してのいずれかで治療されている、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
- 前記1つ以上の追加的な治療薬が、ステロイド、気管支拡張薬、または両方をさらに含む、請求項36に記載の方法。
- 前記ステロイドが、フルチカゾン、ブデソニド、モメタゾン、またはベクロメタゾンである、請求項37に記載の方法。
- 前記気管支拡張薬がサルブタモールまたはサルメテロールである、請求項37に記載の方法。
- 前記1つ以上の追加的な治療薬が、吸入により、経口投与により、注射により、またはそれらの組み合わせにより投与される、請求項36に記載の方法。
- 吸入投与が、定量噴霧式吸入器(MDI)または乾燥粉末吸入器(DPI)を用いて実施される、請求項40に記載の方法。
- 前記ステロイドが高用量で投与される、請求項37に記載の方法。
- 前記患者から採取される前記1つ以上の試料および/または前記1つ以上の対照試料が、全血、血清、血漿、唾液、痰、気管支肺胞洗浄液、肺上皮細胞、尿、皮膚、鼻茸、またはそれらの組み合わせの1つ以上を含む、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
- 前記患者から採取される前記試料が血清である、請求項43に記載の方法。
- 前記1つ以上の対照試料が、
(a)1つ以上の試料であって、
(i)正常健常者、
(ii)喘息のサブセットを有する患者、
(iii)コルチコステロイド治療にナイーブな喘息患者もしくはコルチコステロイドで治療された喘息患者
から得られる1つ以上の試料、
(b)所定の標準量の単離されたDPP4、または
(c)(a)および(b)における任意の組み合わせ試料
である、請求項1〜44のいずれか一項に記載の方法。 - 前記患者から採取される試料を判定するか、判定のために提出するか、または
(i)前記患者のIgEレベルのレベル、
(ii)前記患者の好酸球数および/または好塩基球数、
(iii)前記患者の呼気一酸化窒素濃度(FENO)、
(iv)前記患者の好酸球/リンパ球および好酸球/好中球(ELEN)指数、
(v)前記患者のEOS指数、
(vi)前記患者の、肺のCTスキャンからの亜区域気道の壁面積百分率(WA%)、
(vii)それらの2つ以上の組み合わせ
を判定するように臨床検査室に指示するステップをさらに含む、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。 - 前記患者の好酸球数が、≧150好酸球/μL、≧300好酸球/μL、または≧400好酸球/μLである、請求項46に記載の方法。
- 前記患者の好酸球数が150〜400好酸球/μLである、請求項48に記載の方法。
- 前記患者のDPP4レベルが、イムノアッセイであるDPP4検出アッセイで測定される、請求項1〜48のいずれか一項に記載の方法。
- 前記イムノアッセイが、
(i)実施例2に記載のイムノアッセイ、または
(ii)表1に開示されるイムノアッセイ、または
(ii)多重イムノアッセイ
である、請求項51に記載の方法。 - 前記多重イムノアッセイが、EMD Millipore MILLIPLEX(商標)、Bio−Rad BIO−PLEX(商標)、Life Technologies NOVEX MULTIPLEX(商標)、Thermo Fisher Scientific LUMINEX(登録商標)、PerkinElmer ALPHAPLEX(商標)、Affymetrix(eBioscience)PROCARTA(商標)、またはR&D Systems LUMINEX(登録商標)アッセイである、請求項50に記載の方法。
- 前記患者から採取される試料を判定するか、判定のために提出するか、またはペリオスチン、IL−22、IL−25、IL−33、TSLP、LCN2、CCL20、sCTLA−3、sCD28、CCL5、CCL11、CCL22、CST1、CCL26、CLCA1、CST2、PRR4、SERPINB2、CEACAM5、iNOS、SERPINB4、CST4、PRB4、TPSD1、TPSG1、MFSD2、CPA3、GPR105、CDH26、GSN、C2ORF32、TRACH2000196(TMEM71)、DNAJC12、RGS13、SLC18A2、SERPINB10、SH3RF2、FCER1B、RUNX2、PTGS1、ALOX15、もしくはその組み合わせの発現レベルもしくは活性を判定するように臨床検査室に指示するステップをさらに含む、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。
- 前記所定のDPP4閾値レベルが、
(a)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ平均のDPP4レベル、
(b)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ中央値のDPP4レベル、および
(c)イムノアッセイを用いて複数の患者からの血清中で測定されておよそ第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、または第9の10分位数のベースラインDPP4レベル
から選択され、前記患者が、
(i)正常な健常ボランティア、
(ii)軽度から中等度の喘息を有する患者、および/または
(iii)重度喘息を有する患者
である、請求項1〜52のいずれか一項に記載の方法。 - 複数の患者からの前記血清が、プールされた試料または個別の試料である、請求項53に記載の方法。
- 前記所定のDPP4閾値レベルが、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約103ng/mL〜少なくとも約867ng/mLである、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
- 前記所定のDPP4閾値レベルが、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約363ng/mLである、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
- 前記所定のDPP4閾値レベルが、イムノアッセイを用いて測定されて少なくとも約376ng/mLである、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
- 前記イムノアッセイが、実施例2に記載されるDPP4検出アッセイまたは表1に開示されるDPP4検出アッセイである、請求項55〜57のいずれか一項に記載の方法。
- 前記好酸球標的化治療薬の投与が、
(a)AER(急性増悪率)の減少、
(b)FEV1(1秒間の強制呼気量)の増加、
(c)改善されたACQ−6(喘息管理質問票、6項目バージョン)値、または
(d)それらの組み合わせ
をもたらす、請求項1〜58のいずれか一項に記載の方法。 - 前記AERの減少が、プラセボで治療された患者の集団内で観察されるAERベースライン値と比べて、少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%である、請求項59に記載の方法。
- 前記FEV1の増加が、プラセボで治療された患者の集団内で観察されるFEV1ベースライン値と比べて、少なくとも約50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、または500mLである、請求項59に記載の方法。
- 前記改善されたACQ−6値が、プラセボで治療された患者の集団内で観察されるACQ−6ベースライン値と比べて、ベースラインからの少なくとも約−0.3、−0.4、−0.5、−0.6、−0.7、−0.8、−0.9、−1、−1.1、または−1.2の変化である、請求項59に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201562250691P | 2015-11-04 | 2015-11-04 | |
US62/250,691 | 2015-11-04 | ||
PCT/IB2016/001726 WO2017077391A2 (en) | 2015-11-04 | 2016-11-03 | Dipeptidyl peptidase-4 and periostin as predictors of clinical response to eosinophil-targeted therapeutic agents in eosinophilic diseases |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018538249A true JP2018538249A (ja) | 2018-12-27 |
Family
ID=57737757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018521654A Pending JP2018538249A (ja) | 2015-11-04 | 2016-11-03 | 好酸球性疾患における好酸球標的化治療薬に対する臨床応答の予測変数としてのジペプチジルペプチダーゼ−4およびペリオスチン |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP3371225A2 (ja) |
JP (1) | JP2018538249A (ja) |
AU (1) | AU2016349113A1 (ja) |
CA (1) | CA3002761A1 (ja) |
HK (1) | HK1255922A1 (ja) |
WO (1) | WO2017077391A2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220036553A (ko) * | 2020-09-16 | 2022-03-23 | 순천대학교 산학협력단 | 직업성 천식 진단용 조성물 및 이를 이용한 직업성 천식 진단방법 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112654397A (zh) * | 2018-09-05 | 2021-04-13 | 国家医疗保健研究所 | 用于治疗哮喘和过敏性疾病的方法和组合物 |
CA3232203A1 (en) * | 2021-09-22 | 2023-03-30 | James MATTHAEI | Il5ra cell surface markers |
Family Cites Families (32)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5892019A (en) | 1987-07-15 | 1999-04-06 | The United States Of America, As Represented By The Department Of Health And Human Services | Production of a single-gene-encoded immunoglobulin |
TW311927B (ja) | 1995-07-11 | 1997-08-01 | Minnesota Mining & Mfg | |
JP3946256B2 (ja) | 1995-09-11 | 2007-07-18 | 協和醗酵工業株式会社 | ヒトインターロイキン5受容体α鎖に対する抗体 |
WO1998023289A1 (en) | 1996-11-27 | 1998-06-04 | The General Hospital Corporation | MODULATION OF IgG BINDING TO FcRn |
US6277375B1 (en) | 1997-03-03 | 2001-08-21 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Immunoglobulin-like domains with increased half-lives |
US6171586B1 (en) | 1997-06-13 | 2001-01-09 | Genentech, Inc. | Antibody formulation |
CA2402477A1 (en) | 2000-02-15 | 2001-08-23 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Eosinophil-specific apoptosis inducer |
WO2004104216A2 (en) * | 2003-05-21 | 2004-12-02 | Bayer Healthcare Ag | Diagnostics and therapeutics for diseases associated with dipeptidylpeptidase iv (dpp4) |
US20050226867A1 (en) | 2003-10-08 | 2005-10-13 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | IL-5R-specific antibody composition |
BRPI0517387A8 (pt) | 2004-10-29 | 2017-07-11 | Topigen Pharmaceuticals Inc | Oligonucleotídeos anti-senso para o tratamento de alergia e proliferação de células neoplásicas |
WO2007098065A2 (en) | 2006-02-17 | 2007-08-30 | The United States Of America As Represented By The Department Of Veterans Affairs | Human sodium channel isoforms |
WO2008091814A2 (en) * | 2007-01-22 | 2008-07-31 | Wyeth | Assessment of asthma and allergen-dependent gene expression |
EP2068927B1 (en) | 2007-05-14 | 2015-10-21 | MedImmune, LLC | Methods of reducing eosinophil levels |
US7879553B2 (en) | 2008-03-14 | 2011-02-01 | Exagen Diagnostics, Inc. | Biomarkers for inflammatory bowel disease and irritable bowel syndrome |
EP2631302A3 (en) | 2008-03-31 | 2014-01-08 | Genentech, Inc. | Compositions and methods for treating and diagnosing asthma |
CA2734919C (en) | 2008-08-27 | 2016-08-16 | Schering Corporation | Lyophilized formulations of engineered anti-il-23p19 antibodies |
US20100221752A2 (en) | 2008-10-06 | 2010-09-02 | Somalogic, Inc. | Ovarian Cancer Biomarkers and Uses Thereof |
US20100093552A1 (en) | 2008-10-09 | 2010-04-15 | Asit Panja | Use and identification of biomarkers for gastrointestinal diseases |
CA2741566A1 (en) | 2008-11-03 | 2010-06-03 | Schering Corporation | Inflammatory bowel disease biomarkers and related methods of treatment |
WO2010129964A1 (en) | 2009-05-08 | 2010-11-11 | The Board Of Trustees Of The University Of Illinois | Drug targets for prevention of arrhythmia in heart disease |
EP2778685B1 (en) | 2009-06-25 | 2017-04-26 | Nestec S.A. | Methods for diagnosing irritable bowel syndrome |
BR112012012513A2 (pt) | 2009-11-25 | 2017-01-10 | Prometheus Lab Inc | método para diagnosticar síndrome do intestino irritável em um paciente, método para monitorar a progressão ou regressão da síndrome do intestino irritável em um paciente, e para designar uma terapia contra síndrome do intestino irritável a um paciente em necessidade do mesmo |
DK2523688T3 (en) | 2010-01-15 | 2017-12-04 | Kirin-Amgen Inc | ANTIBODY FORMULATION AND THERAPEUTIC REGIMENS |
AU2011343570B2 (en) | 2010-12-16 | 2016-11-03 | Genentech, Inc. | Diagnosis and treatments relating to TH2 inhibition |
EP2661506A4 (en) | 2011-01-06 | 2014-11-19 | Univ Illinois | SCN5A SPLICE VARIANTS FOR USE IN CARDIAC SUDDEN DEATH METHODS AND NEED FOR IMPLANTATION OF CARDIAC DEFIBRILLATORS |
EP2710383B1 (en) | 2011-05-16 | 2017-01-11 | The University of Newcastle | Performance of a biomarker panel for irritable bowel syndrome |
US8961965B2 (en) | 2011-05-18 | 2015-02-24 | Medimmune, Llc | Methods of diagnosing and treating pulmonary diseases or disorders |
EP2834370B1 (en) | 2012-04-03 | 2019-01-02 | The Regents Of The University Of Michigan | Biomarker associated with irritable bowel syndrome and crohn's disease |
RU2020123894A (ru) | 2013-08-12 | 2020-09-18 | Астразенека Аб | Способы нормализации симптомов астмы с применением бенрализумаба |
SG11201600481UA (en) | 2013-08-12 | 2016-02-26 | Medimmune Llc | Methods for reducing exacerbation rates of asthma using benralizumab |
WO2015112970A1 (en) * | 2014-01-27 | 2015-07-30 | Medimmune, Llc | Dipeptidyl peptidase-4 (dpp4/cd26) as a peripheral biomarker of il-13 activation in asthmatic lung |
CA2936285A1 (en) | 2014-02-07 | 2015-08-13 | Medimmune, Llc | Novel assay to detect human periostin |
-
2016
- 2016-11-03 CA CA3002761A patent/CA3002761A1/en not_active Abandoned
- 2016-11-03 JP JP2018521654A patent/JP2018538249A/ja active Pending
- 2016-11-03 AU AU2016349113A patent/AU2016349113A1/en not_active Abandoned
- 2016-11-03 WO PCT/IB2016/001726 patent/WO2017077391A2/en active Application Filing
- 2016-11-03 EP EP16822517.5A patent/EP3371225A2/en not_active Withdrawn
-
2018
- 2018-11-23 HK HK18114988.5A patent/HK1255922A1/zh unknown
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220036553A (ko) * | 2020-09-16 | 2022-03-23 | 순천대학교 산학협력단 | 직업성 천식 진단용 조성물 및 이를 이용한 직업성 천식 진단방법 |
KR102527520B1 (ko) | 2020-09-16 | 2023-05-03 | 순천대학교 산학협력단 | 직업성 천식 진단용 조성물 및 이를 이용한 직업성 천식 진단방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU2016349113A1 (en) | 2018-06-07 |
EP3371225A2 (en) | 2018-09-12 |
WO2017077391A3 (en) | 2017-06-29 |
HK1255922A1 (zh) | 2019-09-06 |
CA3002761A1 (en) | 2017-05-11 |
WO2017077391A2 (en) | 2017-05-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11016099B2 (en) | Prediction of clinical response to IL23-antagonists using IL23 pathway biomarkers | |
RU2607569C2 (ru) | Композиции и способы для лечения и диагностики астмы | |
CN109661578B (zh) | 用于区分细菌和病毒感染的蛋白质特征 | |
US20220144935A1 (en) | Ccl20 as a predictor of clinical response to il23-antagonists | |
US10684292B2 (en) | Methods for detection of emphysema | |
US20160363591A1 (en) | Dipeptidyl peptidase-4 (dpp4/cd26) as a peripheral biomarker of il-13 activation in asthmatic lung | |
JP2023058524A (ja) | 関節リウマチの治療のための臨床応答バイオマーカーとしての抗pad4自己抗体 | |
JP2018538249A (ja) | 好酸球性疾患における好酸球標的化治療薬に対する臨床応答の予測変数としてのジペプチジルペプチダーゼ−4およびペリオスチン | |
US20220373539A1 (en) | Prediction of clinical response to il23-antagonists using il23 pathway biomarkers | |
CN116324411A (zh) | 检测动脉病变及检测心脑血管障碍、糖尿病、慢性肾脏病或实体癌的体液抗体生物标志物 | |
AU2016201495A1 (en) | Compositions and methods for treating and diagnosing asthma |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426 Effective date: 20181220 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20181220 |