JP2018536461A - 皮膚創傷のための補助治癒装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、皮膚創傷のための補助治癒装置、特に医療分野の皮膚創傷のための補助治癒装置に関する。本発明は、創傷を適時に清掃し、皮膚切開の死腔を除去し、皮膚の感染を防止し、皮膚の外転および反りを防止し、成長および治癒中に皮膚が平滑かつ均整状態を維持することを容易にすることのできる、皮膚創傷のための補助治癒装置を提供する。皮膚創傷のための補助治癒装置は密封膜、ドレナージ管、ベースストラップ、封止端、および弾性上部カバーを含む。密閉空洞は皮膚創傷を外部環境から効果的に隔離し、皮膚創傷を清潔に維持することができる。このようにして、密閉空洞の内側に陰圧環境が形成される。また、皮膚は外転や反りを生じず、成長および治癒の間、常に平滑かつ均整状態を維持する。
【選択図】図１

Description

本発明は、皮膚創傷（ｓｋｉｎ ｗｏｕｎｄｓ）のための補助治癒装置（ａｕｘｉｌｉａｒｙ ｈｅａｌｉｎｇ ｄｅｖｉｃｅ）に関し、特に、医療分野の皮膚創傷のための補助治癒装置に関する。

外科的切開または創傷のための現代の閉鎖計画は、創傷の滲出液および壊死組織の適時の清掃およびドレナージ、皮膚切開の死腔の除去、創傷の皮膚縁の平坦化および位置合わせ、創傷の張力低減、縫合術による新たな創傷発生の防止、ならびに創傷の湿潤被覆の保護等、創傷の治癒に影響する関連要素を同時に考慮しなければならない。

先行技術では、創傷が陰圧被覆材により被覆された後、滲出液および壊死組織の清掃およびドレナージだけは可能であるが、切開の皮膚縁の位置合わせおよび平坦化ならびに創傷の張力低減（すなわち皮膚創傷の両側の張力低減）の要件は、依然として満たされないままである。先行技術の皮膚切開のための閉鎖装置では、単に皮膚切開の両側を中心線に向かって引き寄せて閉合することができるだけである。引寄せ閉合プロセスでは、装置は外力ならびに複雑な引寄せ閉合の構造およびステップに頼る必要がある。さらに、皮膚に掛かる応力は不均等であり、特に、屈曲した形状の不規則な創傷は、創傷の幾つかの部分が過度に引っ張られる一方、別の部分に位置ずれが生じる。その上、装置は皮膚切開の滲出液および壊死組織の清掃およびドレナージを行うことができず、皮膚切開の死腔を除去することも、屈曲した形状の不規則な創傷を縫合するための要件を満たすことも、湿潤被覆により創傷を保護することもできない。先行技術の装置はいずれも、創傷の皮膚縁の位置合わせおよび平坦化を確実にする創傷支持構造を提供することを考慮していない。したがって、先行技術には、皮膚創傷の完全な閉鎖計画、すなわち、創傷の滲出液および壊死組織の清掃およびドレナージを適時に実行し、切開の死腔を除去し、同時に創傷の皮膚縁の綿密な位置合わせおよび平坦化を確実にし、張力を均等かつ効果的に低減し、縫合による新たな創傷の発生を回避し、かつ湿潤被覆により創傷を保護することのできる陰圧張力軽減縫合装置は存在しない。

本発明によって解決しようとする技術的問題は、創傷の壊死組織の陰圧清掃およびドレナージを実行し、皮膚切開の死腔を除去し、創傷の皮膚縁を自動的に位置合わせするように引き寄せ、創傷の皮膚縁の位置合わせおよび平坦化を支援し、湾曲した形状の不規則な創傷を縫合するように適応し、かつ同時に湿潤な被覆により創傷治癒を保護することができる、構造が単純かつ操作が簡単な皮膚創傷のための補助治癒装置を提供することである。その一方で、それはまた快適な使用および容易な維持管理をも提供する。

上記の技術的問題に対処するために本発明によって採用された皮膚創傷のための補助治癒装置は、密封膜（ｓｅａｌｉｎｇ ｍｅｍｂｒａｎｅ、封止膜）、ドレナージ管（ｄｒａｉｎａｇｅ ｔｕｂｅ）、ベースストラップ（ｂａｓｅ ｓｔｒａｐ）、封止端（ｓｅａｌｉｎｇ ｅｎｄｓ）、および弾性上部カバー（ｅｌａｓｔｉｃ ｕｐｐｅｒ ｃｏｖｅｒ）を含み、弾性上部カバーはベースストラップの上に接続され、ベースストラップは弾性上部カバーに対して直線運動を行うことができ、封止端は弾性上部カバーの両端に別々に配置され、封止端、ベースストラップ、および弾性上部カバーは密閉空洞（ｓｅａｌｅｄ ｃａｖｉｔｙ、封止された空洞）を形成しており、密封膜は封止端４、弾性上部カバー、およびベースストラップを被覆し、ドレナージ管は密閉空洞の内側および外側に連通している（ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｅｄ ｗｉｔｈ）。

さらに、弾性上部カバーは摺動ブロックに接続され、ベースストラップにガイドチャネル（ｇｕｉｄｉｎｇ ｃｈａｎｎｅｌｓ）が配置され、摺動ブロック（ｓｌｉｄｉｎｇ ｂｌｏｃｋ）はガイドチャネル内に埋設される。

さらに、弾性上部カバーはローラに接続され、ガイドレールはベースストラップにガイドレールが配置され、ローラはガイドレールと合致する。

さらに、ベースストラップにラチェット（ｒａｔｃｈｅｔ、歯止め）が配置されており、弾性上部カバーにストッパ（ｓｔｏｐｐｅｒ）が接続される。

さらに、装置は被覆材をも含み、被覆材は上部カバーの下に配置されている。

さらに、ベースストラップの下面に接着剤層が配置されている。

さらに、弾性上部カバーはセグメント構造（ｓｅｇｍｅｎｔａｌ ｓｔｒｕｃｔｕｒｅ、区分構造）であり、密封膜もまたセグメント構造である。

さらに、装置は皮膚切開のための閉鎖装置をも含み、皮膚切開のための閉鎖装置は、皮膚創傷の両側に分離してベースストラップに接続される。

本発明の有益な効果は、密閉空洞が皮膚創傷を外部環境から効果的に隔離し、皮膚創傷を清潔に維持することができることである。さらに、陰圧環境が密閉空洞の内側に形成される。陰圧環境で、ベースストラップは自動的に創傷の中央に向かって移動し、創傷の両側の皮膚をも中央に向かって移動させて、皮膚を引き寄せて閉合させる。弾性上部カバーは、ベースストラップを下方に密着押圧して基準面を形成するように変形する。それと同時に、創傷の両側の皮膚は弾性上部カバーの基準面に圧着される。上部カバーの制限により、皮膚は外転（ｅｖｅｒｓｉｏｎ、裏返り）や反りを生じず、成長および治癒の間、常に平滑かつ均整状態に維持される。

本発明の装置の正面図である。 本発明の装置の上面図である。 本発明のベースストラップと弾性上部カバーとの間の接続の略図である。

図面における対応する符号を持つ主要部品および配置は次の通りである。密封膜１、ドレナージ管２、ベースストラップ３、封止端４、弾性上部カバー５、摺動ブロック６、ガイドチャネル７、ラチェット８、ストッパ９、接着剤層１０、および創傷１１。

好ましい実施形態の詳細な説明
本発明について図面を併用しながら以下の通りさらに詳しく説明する。
図１、図２、および図３に示す通り、本発明の皮膚創傷のための補助治癒装置は、密封膜１、ドレナージ管２、ベースストラップ３、封止端４、および弾性上部カバー５を含む。弾性上部カバー５はベースストラップ３の上に接続され、ベースストラップ３は弾性上部カバー５に対して直線運動を行うことができる。封止端４は弾性上部カバー５の両端に分離して配置され、封止端４、ベースストラップ３、および弾性上部カバー５は密閉空洞を形成する。密封膜１は封止端４、弾性上部カバー５、およびベースストラップ３を被覆する。ドレナージ管２は密閉空洞の内側および外側に連通している。封止端４、ベースストラップ３、および弾性上部カバー５は密閉空洞を形成する。密封膜１は密閉効果を高めるために外側を被覆される。弾性上部カバー５は弾性材料から作られる。装置が適用されるとき、ベースストラップ３が最初に創傷１１の両側の皮膚に接着され、密閉空洞内部の空気がドレナージ管２を介して外側に排出され、密閉空洞内部に陰圧環境を形成する。密閉空洞は皮膚創傷１１を外部環境から効果的に隔離し、皮膚創傷１１を清潔に維持することができる。さらに、密閉空洞から空気を排出することで、陰圧空洞が形成される。陰圧下で、ベースストラップ３は自動的に創傷１１の中央に向かって移動し、創傷１１の両側の皮膚をも中央に向かって移動させて、皮膚を引き寄せて閉合させ、皮膚の治癒を促進する。皮膚を引き寄せて閉合する間、創傷１１は陰圧環境内にあるので、皮膚創傷１１のための補助治癒装置は、引寄せ閉合プロセス中に皮膚創傷１１の奥にある死腔を除去することができる。引寄せ閉合プロセスでは、ドレナージ管２を利用して、創傷１１から浸出液を適時に排出し、創傷１１を清潔に維持し、皮膚の感染を防止し、皮膚の治癒を促進する。ベースストラップ３は弾性上部カバーに対して直線運動を行うことができるので、皮膚創傷１１が陰圧下で中央に向かって移動するときに、ストラップは弾性上部カバーによって影響されず、結果的に移動中にベースストラップ３が変形することも、創傷１１の両側に皺が寄ることもなく、こうして創傷１１の治癒効力が増大する。陰圧下で、弾性上部カバー５はベースストラップ３を下方に密着押圧して基準面を形成するように変形する一方、創傷１１の両側の皮膚は弾性上部カバー５の基準面に圧着される。弾性上部カバー５の制限により、皮膚は外転や反りを生じず、成長および治癒の間、常に平滑かつ均整状態に維持され、こうして創傷の治癒効力が著しく向上する。

摺動ブロック６は弾性上部カバー５に接続され、ガイドチャネル７がベースストラップ３上に配置され、摺動ブロック６はガイドチャネル７内に埋設される。ベースストラップ３および弾性上部カバー５の確実な接続および相対的直線運動は、摺動ブロック６およびガイドチャネル７によって実現することができる。

弾性上部カバー５にローラが接続され、ベースストラップ３にガイドレールが配置され、ローラはガイドレールと合致する。ローラおよびガイドレールは、ベースストラップ３および弾性上部カバー５の確実な接続および相対的直線運動を実現するための選択肢として使用することができる。

ベースストラップ３上にラチェット８が配置され、弾性上部カバー５にストッパ９が接続される。ベースストラップ３が陰圧下で創傷１１を引き寄せて閉合するときに、外部干渉は不可避である。このときに、ベースストラップ３は逆戻りして部分的に治癒した創傷１１を引き離す傾向がある。しかし、ベースストラップ３上に配置されたラチェット８と弾性上部カバー５に接続されたストッパ９との協力により、ベースストラップ３を創傷１１の中心の方向にだけ移動させ、反対方向には移動させないようにし、こうして部分的に治癒した創傷１１をベースストラップ３が引き離すことを効果的に防止することができる。

装置はまた被覆材をも含み、被覆材は弾性上部カバーの下に配置されている。被覆材は創傷１１の治癒を促進する薬剤で満たされており、こうして創傷１１の迅速な治癒に貢献する。

ベースストラップ３の下面には接着剤層１０が配置されている。使用時に、接着剤は、ベースストラップ３および創傷１１の両側の皮膚を引き寄せてしっかりと閉合するように、皮膚の近位に位置するベースストラップ３の下面に塗布される。

弾性上部カバー５はセグメント構造であり、かつ密封膜１もまたセグメント構造である。装置全体は、複数のセグメントを創傷１１の輪郭に沿って組み立てることによって形成される。上述した構造を採用することによって、装置は不規則な形状の創傷１１に適応することができる。

装置はまた、皮膚切開のための閉鎖装置をも含む。皮膚切開のための閉鎖装置は、皮膚切開の両側でベースストラップ３に接続される。皮膚切開のための閉鎖装置は創傷の両側の皮膚を引き寄せて閉合することができる。

Claims (8)

1. 皮膚創傷のための補助治癒装置であって、密封膜（１）と、ドレナージ管（２）と、ベースストラップ（３）と、封止端（４）と、弾性上部カバー（５）と、を備えており、前記弾性上部カバー（５）は前記ベースストラップ（３）の上に接続され、前記ベースストラップ（３）は前記弾性上部カバー（５）に対して線形運動を行うことができ、前記封止端（４）は前記弾性上部カバー（５）の両端に配置されており、前記封止端（４）、前記ベースストラップ（３）、および前記弾性上部カバー（５）は密閉空洞を形成しており、前記密封膜（１）は前記封止端（４）、前記弾性上部カバー（５）、および前記ベースストラップ（３）を被覆しており、前記ドレナージ管（２）は前記密閉空洞の内側および外側に連通していることを特徴とする皮膚創傷のための補助治癒装置。
2. 前記弾性上部カバー（５）に摺動ブロック（６）が接続され、前記ベースストラップ（３）にガイドチャネル（７）が配置され、前記摺動ブロック（６）は前記ガイドチャネル（７）内に埋設されることを特徴とする請求項１に記載の皮膚創傷のための補助治癒装置。
3. 前記弾性上部カバー（５）にローラが接続され、前記ベースストラップ（３）にガイドレールが配置され、前記ローラは前記ガイドレールと合致することを特徴とする請求項１に記載の皮膚創傷のための補助治癒装置。
4. 前記ベースストラップ（３）にラチェット（８）が配置され、前記弾性上部カバー（５）にストッパ（９）が接続されることを特徴とする請求項１に記載の皮膚創傷のための補助治癒装置。
5. さらに被覆材を含み、前記被覆材は前記弾性上部カバーの下に配置されることを特徴とする請求項１に記載の皮膚創傷のための補助治癒装置。
6. 前記ベースストラップ（３）の下面に接着剤層（１０）が配置されることを特徴とする、請求項１に記載の皮膚創傷のための補助治癒装置。
7. 前記弾性上部カバー（５）はセグメント構造であり、かつ前記密封膜（１）もまたセグメント構造であることを特徴とする、請求項１に記載の皮膚創傷のための補助治癒装置。
8. さらに皮膚切開のための閉鎖装置を含み、皮膚切開のための前記閉鎖装置は前記皮膚創傷の両側で前記ベースストラップ（３）に接続されることを特徴とする、請求項１に記載の皮膚創傷のための補助治癒装置。

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