いくつかの実施形態において、固形腫瘍を治療するための方法が、提供される。本方法は、投与を必要とする個体に、BTK阻害剤及びmTOR阻害剤を共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、組み合わせは、Btk阻害剤またはmTOR阻害剤の単独投与と比較して、相乗効果を提供する。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。例示的なmTOR阻害剤は、エベロリムス及びシロリムスである。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、癌腫である。例示的な固形腫瘍には、乳癌、膵臓癌、結腸直腸癌、膀胱癌、肺癌、非小細胞肺癌、大細胞肺癌、前立腺癌、卵巣癌、胆管癌、腎細胞癌、及び腎臓癌が挙げられる。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、腎細胞癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、腎臓癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性または難治性固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または1日5回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、経口投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブ及びmTOR阻害剤は、同時に、順次に、または断続的に投与される。
いくつかの実施形態において、腎細胞癌を治療するための方法が、提供される。本方法は、投与を必要とする個体に、BTK阻害剤及びmTOR阻害剤を共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、組み合わせは、BTK阻害剤またはmTOR阻害剤の単独投与と比較して、相乗効果を提供する。いくつかの実施形態において、Btk阻害剤は、イブルチニブである。例示的なmTOR阻害剤は、エベロリムス及びシロリムスである。いくつかの実施形態において、腎細胞癌は、再発性または難治性である。いくつかの実施形態において、腎細胞癌は、未治療である。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、血管内皮成長因子阻害剤(VEGF−TKI)の投与を含む。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物が、提供される。薬学的組成物は、BTK阻害剤、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムスまたはシロリムス)、及び薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、組み合わせた剤形である。いくつかの実施形態において、組み合わせは、別個の剤形である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍を治療するための方法が、提供される。本方法は、投与を必要とする個体に、BTK阻害剤及びパゾパニブまたはその塩を共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、組み合わせは、BTK阻害剤またはパゾパニブまたはその塩の単独投与と比較して、相乗効果を提供する。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、癌腫である。例示的な固形腫瘍には、乳癌、膵臓癌、結腸直腸癌、膀胱癌、肺癌、非小細胞肺癌、大細胞肺癌、前立腺癌、卵巣癌、胆管癌、腎細胞癌、及び腎臓癌が挙げられる。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、腎細胞癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、腎臓癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性または難治性固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または1日5回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、経口投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブ及びパゾパニブまたはその塩は、同時に、順次に、または断続的に投与される。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物が、提供される。薬学的組成物は、BTK阻害剤、パゾパニブ、及び薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、組み合わせた剤形である。いくつかの実施形態において、組み合わせは、別個の剤形である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍を治療する方法が、提供される。本方法は、投与を必要とする個体に、BTK阻害剤及びパクリタキセルの組み合わせを共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、組み合わせは、BTK阻害剤またはパクリタキセルの単独投与と比較して、相乗効果を提供する。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、癌腫である。いくつかの実施形態において、癌腫は、尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性または難治性固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または1日5回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、週1回投与される。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、約80mg/m2の投与量で週1回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブ及びパクリタキセルは、同時に、順次に、または断続的に投与される。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、タキサンの投与を含まない。
いくつかの実施形態において、治療を必要とする対象における尿路上皮癌の治療のための投与レジメンが、提供される。投与レジメンは、対象に、イブルチニブ及びパクリタキセルを含む組み合わせを投与することを含み、イブルチニブ及びパクリタキセルは、少なくとも1つのサイクルで同時に投与される。いくつかの実施形態において、各サイクルは、21日である。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、週1回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、約80mg/m2の投与量で週1回投与される。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、タキサンの投与を含まない。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物が、提供される。薬学的組成物は、BTK阻害剤、パクリタキセル、及び薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、組み合わせた剤形である。いくつかの実施形態において、組み合わせは、別個の剤形である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍を治療する方法が、提供される。本方法は、投与を必要とする個体に、BTK阻害剤及びドセタキセルの組み合わせを共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、組み合わせは、BTK阻害剤またはドセタキセルの単独投与と比較して、相乗効果を提供する。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、腺癌である。いくつかの実施形態において、腺癌は、胃腺癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性または難治性固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または1日5回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、3週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、約75mg/m2の投与量で3週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブ及びドセタキセルは、同時に、順次に、または断続的に投与される。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、タキサンの投与を含まない。いくつかの実施形態において、先行療法は、フルオロピリミジン(5−FU)系レジメンを含む。
いくつかの実施形態において、治療を必要とする対象における胃腺癌の治療のための投与レジメンが、提供される。投与レジメンは、対象に、イブルチニブ及びドセタキセルを含む組み合わせを投与することを含み、イブルチニブ及びドセタキセルは、少なくとも1つのサイクルで同時に投与される。いくつかの実施形態において、各サイクルは、21日である。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、3週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、約75mg/m2の投与量で3週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、少なくとも1つの各サイクルで投与される。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、タキサンの投与を含まない。いくつかの実施形態において、先行療法は、フルオロピリミジン(5−FU)系レジメンを含む。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物が、提供される。薬学的組成物は、BTK阻害剤、ドセタキセル、及び薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、組み合わせた剤形である。いくつかの実施形態において、組み合わせは、別個の剤形である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍を治療する方法が、提供される。本方法は、投与を必要とする個体に、BTK阻害剤及びEGFR阻害剤の組み合わせを共投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、組み合わせは、BTK阻害剤またはEGFR阻害剤の単独投与と比較して、相乗効果を提供する。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、EGFR阻害剤は、セツキシマブである。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、腺癌である。いくつかの実施形態において、腺癌は、結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、頭頸部癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性または難治性固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または1日5回投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブ及びセツキシマブの組み合わせは、少なくとも1つのサイクルで同時に投与される。いくつかの実施形態において、各サイクルは、21日である。いくつかの実施形態において、セツキシマブは、第1の投与量及び第2の投与量で投与され、第1の投与量が、セツキシマブの初期投与量であり、第2の投与量が、それぞれ、その後の投与量である。いくつかの実施形態において、第1の投与量は、約400mg/m2である。いくつかの実施形態において、第2の投与量は、毎週投与される。いくつかの実施形態において、第2の投与量は、約250mg/m2である。いくつかの実施形態において、イブルチニブ及びセツキシマブは、同時に、順次に、または断続的に投与される。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、イリノテカン系レジメン及びオキサリプラチン系レジメンの両方を含む。いくつかの実施形態において、先行療法は、オキサリプラチン系レジメンを含む。いくつかの実施形態において、先行療法は、イリノテカン系レジメンを含む。いくつかの実施形態において、対象は、イリノテカン不耐であるとみなされる。
いくつかの実施形態において、治療を必要とする対象における結腸直腸癌の治療のための投与レジメンが、提供される。投与レジメンは、対象に、イブルチニブ及びセツキシマブを含む組み合わせを投与することを含み、イブルチニブ及びセツキシマブは、少なくとも1つのサイクルで同時に投与される。いくつかの実施形態において、各サイクルは、21日である。いくつかの実施形態において、セツキシマブは、第1の投与量及び第2の投与量で投与され、第1の投与量が、セツキシマブの初期投与量であり、第2の投与量が、それぞれ、その後の投与量である。いくつかの実施形態において、第1の投与量は、約400mg/m2である。いくつかの実施形態において、第2の投与量は、毎週投与される。いくつかの実施形態において、第2の投与量は、約250mg/m2である。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約40mg/日〜約1000mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約420mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約560mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約700mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、約840mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、イリノテカン系レジメン及びオキサリプラチン系レジメンの両方を含む。いくつかの実施形態において、先行療法は、オキサリプラチン系レジメンを含む。いくつかの実施形態において、先行療法は、イリノテカン系レジメンを含む。いくつかの実施形態において、対象は、イリノテカン不耐であるとみなされる。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物が、提供される。薬学的組成物は、BTK阻害剤、セツキシマブ、及び薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、組み合わせた剤形である。いくつかの実施形態において、組み合わせは、別個の剤形である。
ある特定の専門用語
別途規定されない限り、本明細書で使用される全ての学術用語及び科学用語は、特許請求される発明の主題が属する技術分野の専門家によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。前述の概要及び次の詳細な説明の双方は、例及び説明となるものにすぎず、特許請求されるいかなる発明の主題も制限しないことを理解されたい。本明細書において、単数形の使用は、別途明確な定めのない限り、複数形を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、複数形の指示対象を含むことに留意しなければならない。本明細書において、「または」の使用は、別途定めのない限り、「及び/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語、ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる」等の他の形態の使用は、非限定的である。
本明細書で使用されるとき、範囲及び量は、「約」特定の値または範囲として表現され得る。約はまた、正確な量も包含する。したがって、「約5μL」とは、「約5μL」も、また「5μL」も意味する。一般には、「約」という用語は、実験誤差内であると予想される量を包含する。
本明細書で使用される項の見出しは、構成の目的のためにすぎず、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書で使用されるとき、「抗癌剤」は、mTOR阻害剤(複数可)、パゾパニブもしくはその塩、パクリタキセル、ドセタキセル、及び/またはEGFR阻害剤(例えばセツキシマブ)を指す。本明細書で使用されるとき、「抗癌剤」はまた、本明細書に開示される第3の薬剤を指して使用され得る。
「抗体」及び「免疫グロブリン」(Ig)は、同じ構造の特徴を有する糖タンパク質である。この用語は同義的に使用される。いくつかの場合には、免疫グロブリンの抗原特異性は既知であり得る。
「抗体」という用語は、最も広義の意味で用いられ、完全に組み立てられた抗体、抗原と結合することができる抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、単鎖抗体、ダイアボディ、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体等)、及び前述のものを含む組換え型のペプチドを包含する。
「モノクローナル抗体」及び「mAb」という用語は、本明細書で使用されるとき、抗体の実質的に均質の集団から得られた抗体を指し、すなわち、この集団に含まれるこの個々の抗体は、小量で存在し得る変異が自然に発生する可能性を除いては、同一である。
「天然の抗体」及び「天然の免疫グロブリン」とは、通常、約150,000ダルトンのヘテロ四量体の糖タンパク質であり、2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖から構成される。各軽鎖は、1つの共有結合のジスルフィド結合によって重鎖に連結される一方で、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンのアイソタイプの重鎖の間で異なる。各重鎖及び軽鎖はまた、鎖内のジスルフィド架橋に規則的な間隔がある。各重鎖は、一方の末端にて、可変ドメイン(VH)、それに続いていくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VL)、及びもう一方の末端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の最初の定常ドメインと整列され、軽鎖の可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列される。特定のアミノ酸残基は、軽鎖及び重鎖の可変ドメイン間でインターフェースを形成すると考えられる。
「可変」という用語は、可変ドメインのある特定の部分が抗体の間で配列において広く異なるという事実を指す。可変領域は、抗原結合特異性を付与する。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメインの全体にわたって均一に分配されない。可変性は、軽鎖及び重鎖の可変ドメインの両方において、相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中される。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)領域にセルされる(celled)。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインの各々は、4つのFR領域(β−プリーツシート構成を接続するループ、及び場合によってはβ−プリーツシート構成の一部を形成するループを形成する、3つのCDRによって接続される)を含み、これは、主としてβ−プリーツシート構成を採用する。各鎖におけるCDRは、FR領域によって極めて接近して共に保持され、他の鎖からのCDRにより、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.(1991) NIH PubL.No.91−3242,Vol.I,pages 647−669を参照のこと)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関係しないが、Fc受容体(FcR)結合、抗体依存性の細胞の毒性への抗体の関与、補体依存細胞毒性の開始、及びマスト細胞脱顆粒等の、様々なエフェクター機能を示す。
「超可変領域」という用語は、本明細書で使用されるとき、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域(complementarily determining region)」または「CDR」からのアミノ酸残基(すなわち、軽鎖の可変ドメインにおいては残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、及び89〜97(L3)、ならびに重鎖の可変ドメインにおいては31〜35(H1)、50〜65(H2)、及び95〜102(H3)、Kabat et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institute of Health,Bethesda,Md.)、及び/または「超可変ループ」からの残基(すなわち、軽鎖の可変ドメインにおいては残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、及び91〜96(L3)、ならびに重鎖の可変ドメインにおいては(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(l3)を含む、Clothia and Lesk,(1987) J.Mol.Biol.,196:901−917)。「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書で見なすとおり、超可変領域の残基以外の、それらの可変ドメインの残基である。
「抗体断片」は、無傷抗体、好ましくは無傷抗体の抗原結合または可変領域の一部を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab、F(ab’)2、及びFv断片、ダイアボディ、直鎖状抗体(Zapata et al.(1995)Protein Eng.10:1057−1062)、単鎖抗体分子、及び抗体断片から形成される多特異的抗体を含む。抗体のパパイン消化は、各々単一の抗原結合部位を備えた「Fab」断片と、その名前が容易に結晶化する能力を反映する残余「Fc」断片と呼ばれる、2つの同一の抗体の抗原結合性断片を生成する。ペプシン処理によって、2つの抗原結合部を有し、さらに抗原を架橋結合できる、F(ab’)2断片が生じる。
「Fv」は、完全抗原認識及び結合部位を含む、最小の抗体断片である。この領域は、緊密な非共有結合の結合において、1つの重鎖及び1つの軽鎖の可変ドメインの二量体からなる。この構成では、各々の可変ドメインの3つのCDRが、VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義するよう相互作用することになる。まとめると、6つのCDRは、抗体に対して抗原結合特異性を付与する。しかしながら、全結合部位よりも低い親和性であるが、単一の可変ドメインさえ(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)、抗原を認識してそれと結合する能力を有する。
Fab断片はまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に2〜3の残基を付加することによって、Fab’断片とは異なる。Fab’−SHとは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を有する、Fab’に関する本明細書における記号表示である。Fab’断片は、F(ab’)2断片の重鎖ジスルフィド架橋を還元させることによって生成される。抗体断片の他の化学的なカップリングも公知である。
任意の脊椎動物からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる、2つの明らかに異なる型のうちの1つに割り当てられることができる。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てられることができる。5つの主要なクラスのヒト免疫グロブリン、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2へとさらに分けられてもよい。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する、重鎖定常ドメインは、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、及びミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元の立体配置は周知である。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有する。例えば、ヒトIgG1及びIgG3アイソタイプは、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞毒性)活性を有する。
「尿路上皮癌」という用語は、移行上皮癌、腎臓癌、膀胱癌、尿管癌、腎盂の癌、尿路の内部を覆っている細胞の癌、腎盂の移行上皮癌、尿管の移行上皮癌、膀胱の移行上皮癌、尿道の移行上皮癌を指し得る。
本明細書で使用されるとき、「タキサン」という用語は、パクリタキセル及びドセタキセルを含む。
基に追加された「エン」という接尾辞は、かかる基がジラジカルであることを示す。例のみとして、メチレンはメチル基のジラジカル、すなわち、それは−CH2−基であり、エチレンはエチル基のジラジカル、つまり−CH2CH2−である。
本明細書で使用されるとき、C1−Cxは、C1−C2、C1−C3...C1−Cx、すなわち、1〜2個の炭素原子、1〜3個の炭素原子...1〜x個の炭素原子を含む。
「アルキル」基は、飽和、分岐鎖、または直鎖炭化水素基を指す。「アルキル」部分は、任意に、1〜10個の炭素原子を有する(「1〜10」等の数値範囲は、所定の範囲内の各整数を指し、例えば、「1〜10個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等の、最大10個の炭素原子を有する部分から選択されるが、本発明の定義は、数値範囲が限定されていない、「アルキル」という用語の場合にも及ぶものである)。本明細書に記載される化合物のアルキル基は、「C1−C4アルキル」または類似の表示で称され得る。例のみとして、「C1−C4アルキル」は、アルキル鎖に1〜4個の炭素原子があること、すなわち、アルキル鎖が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びt−ブチルから選択されることを示す。それ故に、C1−C4アルキルは、C1−C2アルキル及びC1−C3アルキルを含む。アルキル基は、任意に、置換または非置換である。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。「低級アルキル」は1〜6個の炭素原子を有する。
「アルケニル」という用語は、芳香族基の一部ではない2個の原子によって形成される、少なくとも1つの二重結合を含有する、炭化水素基を指す。アルケニル基の例は、−C(R)=C(R)−Rであり、式中、Rはアルケニル基の残りの部分を指し、それは同じであるかまたは異なるかのいずれかである。アルケニル部分は、任意に、分岐鎖、直鎖、または環状(この場合には、「シクロアルケニル」基としても公知である)である。構造に応じて、アルケニル基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、ヘテロシクロアルケニレン基)を含む。アルケニル基は、任意に置換されている。アルケニル基の非限定的な例は、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH=CHCH3、−C(CH3)=CHCH3を含む。アルケニレン基としては、−CH=CH−、−C(CH3)=CH−、−CH=CHCH2−、−CH=CHCH2CH2−、及び−C(CH3)=CHCH2−が挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、任意に、2〜10個の炭素を有し、「低級アルケニル」とあれば、2〜6個の炭素原子を有する。
「アルキニル」という用語は、2個の原子によって形成される、少なくとも1つの三重結合を含有する、分岐鎖または直鎖の炭化水素基を指す。アルキニル基の例は、−C≡C−Rであり、式中、Rはアルキニル基の残りの部分を指し、それは同じであるかまたは異なるかのいずれかである。アルキニル部分の「R」の部分は、分岐鎖であっても、直鎖であっても、または環状であってもよい。構造に応じて、アルキニル基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルキニレン基)を含む。アルキニル基は、任意に置換されている。アルキニル基の非限定的な例としては、−C≡CH、−C≡CCH3、−C≡CCH2CH3、−C≡C−、及び−C≡CCH2−が挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、任意に、2〜10個の炭素を有し、「低級アルキニル」とあれば、2〜6個の炭素原子を有する。
「アルコキシ」基は、(アルキル)O−基を指し、式中、アルキルは、本明細書に定義されるとおりである。
「アミド」は、式−C(O)NHRまたは−NHC(O)Rを有する化学部分であり、式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合している)及び複素脂環式(環炭素を介して結合している)から選択される。いくつかの実施形態において、アミド部分は、アミノ酸またはペプチド分子と本明細書に記載される化合物との間に連結を形成し、それによってプロドラッグを形成する。本明細書に記載される化合物上の任意のアミン、またはカルボキシル側鎖は、アミド化することができる。かかるアミドを作製する手順及び具体的な基は、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rdEd.,John Wiley & Sons,New York,NY,1999等の参考文献において見出され、この文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
「エステル」という用語は、式−COORを有する化学部分を指し、式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合している)、及び複素脂環式(環炭素を介して結合している)から選択される。本明細書に記載される化合物上の任意のヒドロキシ、またはカルボキシル側鎖は、エステル化することができる。かかるアミドを作製する手順及び具体的な基は、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rdEd.,John Wiley & Sons,New York,NY,1999等の参考文献において見出され、この文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用されるとき、「環」という用語は、共有結合的に閉鎖した任意の構造を指す。環には、例えば、カルボシクル(例えば、アリール及びシクロアルキル)、ヘテロシクル(例えば、ヘテロアリール及び非芳香族ヘテロシクル)、芳香族(例えば、アリール及びヘテロアリール)、ならびに非芳香族(例えば、シクロアルキル及び非芳香族ヘテロシクル)が含まれる。環は、任意に置換され得る。環は、単環式でも多環式でもあり得る。
本明細書で使用されるとき、「環系」という用語は、1つの、または1つよりも多くの環を指す。
「員環」という用語は、任意の環式構造を包含することができる。「員」という用語は、環を構成する骨格原子の数を表すことを意図する。故に、例えば、シクロヘキシル、ピリジン、ピラン及びチオピランは、6員環であり、シクロペンチル、ピロール、フラン、及びチオフェンは、5員環である。
「縮合」という用語は、2つ以上の環が1つ以上の結合を共有する構造を指す。
「芳香族」という用語は、4n+2π電子(式中、nは整数である)を含有する非局在化π−電子を有する平面環を指す。芳香族環は、5、6、7、8、9、または9より多くの原子から形成され得る。芳香族環は、任意に置換され得る。「芳香族」という用語は、炭素環アリール(例、フェニル)及び複素環式アリール(または「ヘテロアリール」もしくは「ヘテロ芳香族」)基(例、ピリジン)の両方を含む。該用語は、単環または縮合環多環(すなわち、炭素原子の隣接する対を共有する環)基を含む。
本明細書で使用されるとき、「アリール」という用語は、環を形成する原子のそれぞれが炭素原子である、芳香族環を指す。アリール環は、5、6、7、8、9、または9より多くの炭素原子によって形成され得る。アリール基は、任意に置換され得る。アリール基の例としては、フェニル、ナフタレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、及びインデニルが挙げられるが、これらに限定されない。構造に応じて、アリール基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アリーレン基)であり得る。
「シクロアルキル」という用語は、炭素及び水素だけを含有する単環または多環基を指し、任意に、飽和しているか、または部分的に不飽和である。シクロアルキル基は、3〜10個の環原子を有する基を含む。シクロアルキル基の例示的な例には、以下の部分:
等である。構造に応じて、シクロアルキル基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、シクロアルキレン基)であり得、「低級シクロアルキル」とあれば、3〜8個の炭素原子を有する。
「複素環式」という用語は、それぞれ、O、S、及びNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する複素環式芳香族及び複素環式脂肪環式基を指し、各複素環式基は、その環系において4〜10個の原子を有するが、但し該基の環は、2つの隣接したOまたはS原子を含有しないものとする。ここで、複素環中の炭素原子の数が示される場合(例えば、C1−C6複素環)は常に、少なくとも1個の他の原子(ヘテロ原子)が、環に存在しなければならない。「C1−C6複素環」等の表記は、環の炭素原子の数のみを指し、環内の原子の総数を指さない。複素環式環が環中に追加のヘテロ原子を有し得ることが理解されよう。「4〜6員複素環」等の表示は、環中に含まれる原子の総数を指し(すなわち、少なくとも1個の原子が炭素原子であり、少なくとも1個の原子がヘテロ原子であり、残りの2〜4個の原子が炭素原子またはヘテロ原子である、4、5、または6員環)。2個以上のヘテロ原子を有する複素環では、それらの2個以上のヘテロ原子は、互いに同じまたは異なるものであり得る。複素環は、任意に置換され得る。複素環との結合は、ヘテロ原子で、または炭素原子を介して行うことができる。非芳香族複素環基は、その環系内に4個の原子のみ有する基を含むが、芳香族複素環基は、その環系内に少なくとも5個の原子を有しなければならない。複素環基は、ベンゾ縮合した環系を含む。4員複素環基の例は、アゼチジニル(アゼチジン由来)である。5員複素環基の例は、チアゾリルである。6員複素環基の例は、ピリジルであり、10員複素環基の例は、キノリニルである。非芳香族複素環基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアセピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル、及びキノリジニルである。芳香族複素環式(ヘテロアリール)基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。上に列挙した基に由来するような前述の基は、可能な場合には、任意に、C−付加またはN−付加である。例えば、ピロール由来の基は、ピロール−1−イル(N−付加)またはピロール−3−イル(C−付加)を含む。さらに、イミダゾル由来の基は、イミダゾル−1−イルまたはイミダゾル−3−イル(両方ともN−付加)、またはイミダゾル−2−イル、イミダゾル−4−イル、またはイミダゾル−5−イル(全てC−付加)を含む。複素環式基は、ベンゾ縮合環系と、ピロリジン−2−オン等の1つまたは2つのオキソ(=O)部分で置換された環系とを含む。構造に応じて、複素環式基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、ヘテロシクレン基)であり得る。
「ヘテロアリール」またはあるいは「複素環式芳香族」という用語は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1つ以上、例えば、1〜4個の環ヘテロ原子を含む芳香族基を指す。ヘテロアリール環は、5、6、7、8、9個の、または9個よりも多くの、例えば、最大14個の環原子によって形成され得る。N含有「複素環式芳香族」または「ヘテロアリール」部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である芳香族基を指す。ヘテロアリール基の例示的な例には、以下の部分:
等が挙げられる。構造に応じて、ヘテロアリール基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、ヘテロアリーレン基)であり得る。
本明細書で使用されるとき、「非芳香族ヘテロシクル」、「ヘテロシクロアルキル」、または「複素脂環式」という用語は、環を形成する1〜4個の原子がヘテロ原子である、非芳香族環を指す。「非芳香族ヘテロシクル」または「ヘテロシクロアルキル」基は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、シクロアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、ラジカルは、アリールまたはヘテロアリールと縮合される。ヘテロシクロアルキル環は、3、4、5、6、7、8、9個の、または9個よりも多くの、例えば、最大14個の環原子によって形成され得る。ヘテロシクロアルキル環は、任意に置換され得る。ある特定の実施形態において、非芳香族ヘテロシクルは、例えば、オキソ及びチオ含有基等の1つ以上のカルボニル(=O)またはチオカルボニル基を含有する。ヘテロシクロアルキルの例としては、ラクタム、ラクトン、環式イミド、環式チオイミド、環式カルバメート、テトラヒドロチオピラン、4H−ピラン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、1,3−ジオキシン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキシン、1,4−ジオキサン、ピペラジン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチイン、1,4−オキサチアン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、2H−1,2−オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、モルホリン、トリオキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、1,3−ジオキソール、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチオール、1,3−ジチオラン、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、及び1,3−オキサチオランが挙げられるが、これらに限定されない。非芳香族ヘテロシクルとも称される、ヘテロシクロアルキル基の例示的な例としては、
等が挙げられる。複素脂環式という用語はまた、単糖類、二糖類、及びオリゴ糖類を含むが、これらに限定されない炭水化物の全ての環形態を含む。構造に応じて、ヘテロシクロアルキル基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、ヘテロシクロアルキレン基)であり得る。
「ハロ」またはあるいは「ハロゲン」もしくは「ハロゲン化物」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1個の水素が、ハロゲン原子と置き換えられているアルキル構造を指す。2個以上の水素原子がハロゲン原子と置き換えられているある特定の実施形態においては、ハロゲン原子は全て互いと同じである。2個以上の水素原子がハロゲン原子と置き換えられている他の実施形態においては、ハロゲン原子は全てが互いと同じわけではない。
本明細書で使用されるとき、「フルオロアルキル」という用語は、少なくとも1個の水素が、フッ素原子と置き換えられているアルキル基を指す。フルオロアルキル基の例としては、−CF3、−CH2CF3、−CF2CF3、−CH2CH2CF3等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアルキル」という用語は、1個以上、例えば、1〜3個または1〜2個の骨格鎖原子がヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン、またはそれらの組み合わせである、任意に置換されるアルキルラジカルを指す。ヘテロ原子(複数可)は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に、またはヘテロアルキル基が分子の残りの部分に結合している位置に配置されている。例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−OCH3、及び−CH=CH−N(CH3)−CH3が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、いくつかの実施形態において、例として、−CH2−NH−OCH3及び−CH2−O−Si(CH3)3のように、最大2個のヘテロ原子が連続している。
「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の原子を指す。ヘテロ原子は、典型的に、酸素、硫黄、窒素、ケイ素、及びリンから独立して選択されるが、これらの原子に限定されない。2個以上のヘテロ原子が存在する実施形態において、その2個以上のヘテロ原子は全て、互いと同じであり得るか、または2個以上のヘテロ原子は各々、その他のヘテロ原子とは異なり得る。
「結合」または「単結合」という用語は、2個の原子間、または結合によって連結された原子がより大きな構造の一部とみなされる場合には2個の部分間の化学結合を指す。
「部分」という用語は、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学部分はしばしば、分子に埋め込まれたまたは付加された認識される化学要素である。
「任意に置換される」または「置換される」という用語は、参照される基が、例として、シアノ、ハロ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、アミノ(一置換及び二置換アミノ基を含む)、ならびにそれらの保護された誘導体から個々に及び独立して選択される1つ以上の追加の基(複数可)で置換され得ることを意味するか、あるいはLsRsであり得、式中、各Lsが独立して、単結合、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NH−、−NRs−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−S(=O)2NH−、−NHS(=O)2−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−(置換もしくは非置換のC1−C6アルキレン)、または−(置換もしくは非置換のC2−C6アルケニレン)から選択され、各Rsが独立して、H、(置換もしくは非置換のC1−C4アルキル)、(置換もしくは非置換のC3−C6シクロアルキル)、(置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル)、(置換もしくは非置換アリール)、(置換もしくは非置換ヘテロアリール)、または(置換もしくは非置換ヘテロアルキル)から選択される。上記の置換基の保護的誘導体を形成する保護基は、上記のGreene and Wuts等の参考文献に見出されるものを含む。
固形腫瘍
いくつかの実施形態において、組成物は、固形腫瘍の治療における使用向けである。いくつかの実施形態において、組成物は、肉腫または癌腫の治療における使用向けである。いくつかの実施形態において、組成物は、肉腫の治療における使用向けである。いくつかの実施形態において、組成物は、癌腫の治療における使用向けである。いくつかの実施形態において、癌は、腎細胞癌である。いくつかの実施形態において、癌は、尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、癌は、移行上皮癌である。いくつかの実施形態において、癌は、膀胱、尿管、及び/または腎盂の癌である。いくつかの実施形態において、癌は、腎臓移行上皮癌または腎臓尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、癌は、腎臓、尿路、尿管、尿道、及び/または尿膜管の癌である。いくつかの実施形態において、癌は、前立腺の癌である。いくつかの実施形態において、肉腫は、胞状横紋筋肉腫;胞状軟部肉腫;エナメル上皮腫;血管肉腫;軟骨肉腫;脊索腫;軟組織のクリアー細胞肉腫;脱分化型脂肪肉腫;類線維腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;胎児性横紋筋肉腫;類上皮線維肉腫;類上皮血管内皮腫;類上皮肉腫;鼻腔神経芽細胞腫;ユーイング肉腫;腎外性ラブドイド腫瘍;骨外性粘液型軟骨肉腫;骨外性骨肉腫;線維肉腫;巨細胞腫瘍;血管周囲細胞腫;乳児型線維肉腫;炎症性筋線維芽細胞腫;カポジ肉腫;骨の平滑筋肉腫;脂肪肉腫;骨の脂肪肉腫;悪性線維性組織球腫(MFH);骨の悪性線維性組織球腫(MFH);悪性間葉腫;悪性末梢神経鞘腫瘍;間葉性軟骨肉腫;粘液線維肉腫;粘液型脂肪肉腫;粘液炎症性線維芽細胞肉腫;血管周囲上皮様細胞分化を伴う新生物;骨肉腫;傍骨性骨肉腫;血管周囲上皮様細胞分化を伴う新生物;骨膜性骨肉腫;多形型脂肪肉腫;多形型横紋筋肉腫;PNET/骨外性ユーイング腫瘍;横紋筋肉腫;円形細胞脂肪肉腫;小細胞骨肉腫;孤立性線維性腫瘍;滑膜肉腫;血管拡張型骨肉腫から選択される。いくつかの実施形態において、癌は、腺癌、扁平上皮細胞癌、腺扁平上皮癌、未分化癌、大細胞癌、または小細胞癌から選択される。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、腎臓癌、肛門癌、虫垂癌、胆管癌(すなわち、胆管癌)、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、原発不明癌(CUP)、食道癌、眼癌、卵管癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、髄芽細胞腫、黒色腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、上皮小体疾患、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、直腸癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、咽喉癌、甲状腺癌、子宮癌、膣癌、または外陰癌から選択される。いくつかの実施形態において、癌腫は、乳癌である。いくつかの実施形態において、乳癌は、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、または非浸潤性小葉癌である。いくつかの実施形態において、癌腫は、膵臓癌である。いくつかの実施形態において、膵臓癌は、腺癌、または島細胞癌である。いくつかの実施形態において、癌腫は、結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、結腸直腸癌は、腺癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、結腸ポリープである。いくつかの実施形態において、結腸ポリープは、家族性腺腫性ポリポーシスである。いくつかの実施形態において、癌腫は、膀胱癌である。いくつかの実施形態において、膀胱癌は、移行細胞膀胱癌、扁平上皮細胞膀胱癌、または腺癌である。いくつかの実施形態において、癌腫は、肺癌である。いくつかの実施形態において、肺癌は、非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態において、非小細胞肺癌は、腺癌、扁平上皮細胞肺癌、または大細胞肺癌である。いくつかの実施形態において、非小細胞肺癌は、非小細胞肺癌は、大細胞肺癌である。いくつかの実施形態において、肺癌は、小細胞肺癌である。いくつかの実施形態において、癌腫は、前立腺癌である。いくつかの実施形態において、前立腺癌は、腺癌または小細胞癌である。いくつかの実施形態において、癌腫は、卵巣癌である。いくつかの実施形態において、卵巣癌は、卵巣上皮癌である。いくつかの実施形態において、癌腫は、胆管癌である。いくつかの実施形態において、胆管癌は、近位胆管癌または遠位胆管癌である。いくつかの実施形態において、癌は、胃癌(gastric cancer)または胃癌(stomach cancer)である。いくつかの実施形態において、胃癌は、癌腫である。いくつかの実施形態において、胃癌は、胃腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道癌である。いくつかの実施形態において、癌は、頭頸部癌である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性及び/または難治性固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性及び/または難治性尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性及び/または難治性胃腺癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性及び/または難治性結腸直腸である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性及び/または難治性結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、胃癌は、再発性及び/または難治性癌である。いくつかの実施形態において、胃癌は、再発性及び/または難治性胃腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の再発性及び/または難治性癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の再発性及び/または難治性腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の再発性及び/または難治性癌である。いくつかの実施形態において、癌は、再発性及び/または難治性食道癌である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の胃腺癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、未治療の結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、胃癌は、未治療の癌腫である。いくつかの実施形態において、胃癌は、未治療の胃腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の未治療の癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の未治療の腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の未治療の癌腫である。いくつかの実施形態において、癌は、未治療の食道癌である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、転移性及び/または進行性固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、転移性腎細胞癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、転移性及び/または進行性尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、転移性及び/または進行性胃腺癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、転移性及び/または進行性結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、転移性結腸直腸腺癌である。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、転移性及び/または進行性結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、胃癌は、転移性及び/または進行性癌である。いくつかの実施形態において、胃癌は、転移性及び/または進行性胃腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の転移性及び/または進行性癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の転移性及び/または進行性腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、食道胃接合部(GEJ)の転移性及び/または進行性癌である。いくつかの実施形態において、癌は、転移性及び/または進行性食道癌である。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、ABCトランスポーターの過剰発現を特徴としない。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、ATP結合カセットサブファミリーBメンバー1(ABCB1)、ATP結合カセットサブファミリーGメンバー2(ABCG2)、ATP結合カセットサブファミリーCメンバー1(ABCC1)、ATP結合カセットサブファミリーCメンバー2(ABCC2)、またはATP結合カセットサブファミリーCメンバー10(ABCC10)が挙げられるが、これらに限定されない、ABCトランスポーターの過剰発現を特徴としない。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、乳癌ではない。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、前立腺癌ではない。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、膵臓癌ではない。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、肺癌ではない。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、パクリタキセルに耐性を示さない。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、パクリタキセルに耐性を示す。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、イブルチニブに耐性を示さない。いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、イブルチニブに耐性を示す。
いくつかの実施形態において、腎細胞癌は、透明細胞腎細胞癌である。いくつかの実施形態において、尿路上皮癌は、移行細胞尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、結腸直腸癌または癌腫は、K−RAS野生型EGFRを発現する結腸直腸癌または癌腫である。
BTK阻害剤化合物
本明細書に記載のBTK阻害剤化合物(すなわち、イブルチニブ)は、BTK、及びBTKにおけるシステイン481のアミノ酸配列位置に相同なチロシンキナーゼのアミノ酸配列位置においてシステイン残基を有するキナーゼに選択的である。BTK阻害剤化合物は、(例えば、Michael反応を介して)BTKのCys 481と共有結合を形成することができる。BTK阻害剤化合物は、イブルチニブならびに薬学的に許容される塩及びその溶媒和物を含む。
いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、構造:
を有する式(A)の化合物であり、
式中、
Aは独立して、NまたはCR
5から選択され、
R
1は、H、L
2−(置換もしくは非置換アルキル)、L
2−(置換もしくは非置換シクロアルキル)、L
2−(置換もしくは非置換アルケニル)、L
2−(置換もしくは非置換シクロアルケニル)、L
2−(置換もしくは非置換複素環)、L
2−(置換もしくは非置換ヘテロアリール)、またはL
2−(置換もしくは非置換アリール)であり、式中、L
2は、結合、O、S、S(=O)、S(=O)
2、C(=O)、NHC(=O)、C(=O)NH、−(置換もしくは非置換のC
1−C
6アルキレン)、または−(置換もしくは非置換のC
2−C
6アルケニレン)であり、
R
2及びR
3は独立して、H、低級アルキル、及び置換低級アルキルから選択され、
R
4は、L
3−X−L
4−Gであり、
式中、
L
3は、任意選択的であり、存在する場合、結合、任意に置換もしくは非置換アルキル、任意に置換もしくは非置換シクロアルキル、任意に置換もしくは非置換アルケニル、任意に置換もしくは非置換アルキニルであり、
Xは、任意選択的であり、存在する場合、結合、O、C(=O)、S、S(=O)、S(=O)
2、NH、NR
9、NHC(O)、C(O)NH、NR
9C(O)、C(O)NR
9、S(=O)
2NH、NHS(=O)
2、S(=O)
2NR
9、NR
9S(=O)
2、OC(O)NH、NHC(O)O、OC(O)NR
9、NR
9C(O)O、CH=NO、ON=CH、NR
10C(O)NR
10、ヘテロアリール、アリール、NR
10C(=NR
11)NR
10、NR
10C(=NR
11)、C(=NR
11)NR
10、OC(=NR
11)、またはC(=NR
11)Oであり、
L
4は、任意選択的であり、存在する場合、結合、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換複素環であるか、
またはL
3、X、及びL
4が一緒になって、窒素を含有する複素環式環を形成し、
Gは、
であり、
式中、
R
6、R
7、及びR
8は独立して、H、低級アルキル、または置換低級アルキル、低級ヘテロアルキル、または置換低級ヘテロアルキル、置換もしくは非置換の低級シクロアルキル、及び置換もしくは非置換の低級ヘテロシクロアルキルから選択され、
R
5は、H、ハロゲン、−CN、−OH、−NH
2、−SH、置換もしくは非置換のC
1−C
6アルキル、置換もしくは非置換のC
1−C
4アルコキシ、置換もしくは非置換のC
1−C
6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、または置換もしくは非置換のC
3−C
8シクロアルキルであり、
各R
9は独立して、H、置換もしくは非置換の低級アルキル、及び置換もしくは非置換の低級シクロアルキルから選択され、
各R
10は独立して、H、置換もしくは非置換の低級アルキル、または置換もしくは非置換の低級シクロアルキルであり、
2つのR
10基は共に、5−、6−、7−、または8員の複素環式環を形成することができ、
R
9及びR
10は共に、5−、6−、7−、または8員の複素環式環を形成することができるか、または
各R
11は独立して、H、−S(=O)
2R
8、−S(=O)
2NH
2、−C(O)R
8、−CN、−NO
2、ヘテロアリール、またはヘテロアルキル、あるいは
その薬学的に許容される溶媒和物または薬学的に許容される塩から選択される。
いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、構造:
を有する式(B)の化合物であり、
式中、
R
1は、フェニル−O−フェニルまたはフェニル−S−フェニルであり、
R
2及びR
3は独立して、Hであり、
R
4は、L
3−X−L
4−Gであり、
式中、
L
3は、任意選択的であり、存在する場合、結合、任意に置換もしくは非置換アルキル、任意に置換もしくは非置換シクロアルキル、任意に置換もしくは非置換アルケニル、任意に置換もしくは非置換アルキニルであり、
Xは、任意選択的であり、存在する場合、結合、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)
2−、−NH−、−NR
9−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NR
9C(O)−、−C(O)NR
9−、−S(=O)
2NH−、−NHS(=O)
2−、−S(=O)
2NR
9−、−NR
9S(=O)
2−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−OC(O)NR
9−、−NR
9C(O)O−、−CH=NO−、−ON=CH−、−NR
10C(O)NR
10−、ヘテロアリール−、アリール−、−NR
10C(=NR
11)NR
10−、−NR
10C(=NR
11)−、−C(=NR
11)NR
10−、−OC(=NR
11)−、または−C(=NR
11)O−であり、
L
4は、任意選択的であり、存在する場合、結合、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換複素環であるか、
またはL
3、X、及びL
4が一緒になって、窒素を含有する複素環式環を形成し、
Gは、
であり、
式中、
R
6、R
7、及びR
8は独立して、H、ハロゲン、CN、OH、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、及び置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択され、
各R
9は独立して、H、置換もしくは非置換の低級アルキル、及び置換もしくは非置換の低級シクロアルキルから選択され、
各R
10は独立して、H、置換もしくは非置換の低級アルキル、または置換もしくは非置換の低級シクロアルキルであり、
2つのR
10基は共に、5−、6−、7−、または8員の複素環式環を形成することができ、
R
10及びR
11は共に、5−、6−、7−、または8員の複素環式環を形成することができるか、または各R
11は独立して、Hまたは置換もしくは非置換アルキル、またはその薬学的に許容される塩から選択される。いくつかの実施形態において、L
3、X、及びL
4が一緒になって、窒素を含有する複素環式環を形成する。いくつかの実施形態において、窒素を含有する複素環式環は、ピペリジン基である。いくつかの実施形態において、Gは、
である。いくつかの実施形態において、式(A)または(B)の化合物は、1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンである。
「イブルチニブ」または「1−((R)−3−(4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン」、または「1−{(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}プロプ−2−エン−1−オン」、または「2−プロペン−1−オン、1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジニル−」、またはイブルチニブ、または任意の他の好適な名称は、構造:
を有する化合物を指す。
多種多様な薬学的に許容される塩は、イブルチニブから形成され得、
−イブルチニブを、有機酸(脂肪族モノ−及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸、アミノ酸等を含むならびに例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等を含む)と反応することによって形成される酸付加塩、
−イブルチニブを、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等を含む)と反応することによって形成される酸付加塩、を含む。
いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、構造:
を有する式(C)の化合物であり、
式中、
R
20は、ハロゲン、−CN、−OH、−NH
2、−SH、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、置換もしくは非置換C
1−C
4アルコキシ、置換もしくは非置換C
1−C
6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、または置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキルであり、
G
2は、置換もしくは非置換C
2−C
4アルケニル、置換もしくは非置換C
2−C
4アルキニル、置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1−C
4アルコキシ、置換もしくは非置換C
1−C
4ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C
2−C
7ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、−CN、−NO
2、−OH、−OCF
3、−OCH
2F、−OCF
2H、−CF
3、−SCH
3、−N(R
21)S(=O)
2R
23、−S(=O)
2N(R
21)(R
22)、−S(=O)R
23、−S(=O)
2R
23、−C(=O)R
23、−OC(=O)R
23、−CO
2R
21、−N(R
21)(R
22)、−C(=O)N(R
21)(R
22)、−N(R
21)C(=O)R
23、−N(R
21)C(=O)OR
22、−N(R
21)C(=O)N(R
21)(R
22)、またはL
a−A
2であり、
L
aは、結合、−CH
2−、−CH(OH)−、−C(O)−、−CH
2O−、−OCH
2−、−SCH
2、−CH
2S−、−N(R
21)−、−N(R
21)C(O)−、−C(O)N(R
21)−、−N(R
21)C(O)N(R
21)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−N(R
21)S(O)
2−、または−S(O)
2N(R
21)−であり、
A
2は、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、
各R
24はそれぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−OH、−OCF
3、−OCH
2F、−OCF
2H、−CF
3、−SCH
3、−N(R
21)S(=O)
2R
23、−S(=O)
2N(R
21)(R
22)、−S(=O)R
23、−S(=O)
2R
23、−C(=O)R
23、−OC(=O)R
23、−CO
2R
21、−N(R
21)(R
22)、−C(=O)N(R
21)(R
22)、−N(R
21)C(=O)R
23、−N(R
21)C(=O)OR
22、−N(R
21)C(=O)N(R
21)(R
22)、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキルであり、
各々R
21及びR
22はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、または置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキルであり、
各R
23はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、または置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキルであり、
nは0〜4であり、
Yは、C
1−C
6アルキレン、C
1−C
6ヘテロアルキレン、C
6−C
12アリーレン、C
3−C
12ヘテロアリーレン、C
1−C
6アルキレンC
6−C
12アリーレン、C
1−C
6アルキレンC
3−C
12ヘテロアリーレン、C
1−C
6アルキレンC
3−C
8シクロアルキレン、C
1−C
6アルキレンC
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、C
3−C
8シクロアルキレン、C
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、縮合C
3−C
8シクロアルキレンC
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、及びスピロC
3−C
8シクロアルキレンC
2−C
7ヘテロシクロアルキレンから選択される任意に置換された基であり、
Zは、−C(=O)、−N(R
a)C(=O)、−S(=O)
x、または−N(R
a)S(=O)
xであり、式中、xは1または2であり、R
aは、H、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、または置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキルであり、
R
27及びR
28は独立して、HまたはL−J−Wであるか、またはR
27及びR
28は一緒になって、結合を形成し、
L及びJはそれぞれ独立して、結合、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキレン、置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキレン、置換もしくは非置換C
1−C
6ヘテロアルキレン、置換もしくは非置換C
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、置換もしくは非置換C
6−C
12アリーレン、置換もしくは非置換C
3−C
12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
R
29は、HまたはL−J−Wであり、
Wは、HまたはNR
25R
26であり、
R
25及びR
26はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1−C
6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C
2−C
7ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換C
6−C
12アリール、または置換もしくは非置換C
3−C
12ヘテロアリール、あるいは
その薬学的に許容される溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、G2は、La−A2である。いくつかの実施形態において、Laは−O−であり、A2はフェニルである。いくつかの実施形態において、Laは、−OCH2−である。いくつかの実施形態において、A2は、フェニルである。
いくつかの実施形態において、Yは、任意に置換されたC2−C7ヘテロシクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Zは、−C(=O)である。いくつかの実施形態において、R27、R28、及びR29は、Hである。いくつかの実施形態において、R28及びR29は、Hであり、R27は、L−J−Wである。いくつかの実施形態において、Lは、結合、置換もしくは非置換C1−C6アルキレン、または置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキレンであり、Jは、結合、置換もしくは非置換C1−C6アルキレン、置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキレン、置換もしくは非置換C1−C6ヘテロアルキレン、置換もしくは非置換C2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換もしくは非置換C6−C12アリーレン、または置換もしくは非置換C3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Lは、結合であり、Jは、−CH2−であり、Wは、NR25R26である。いくつかの実施形態において、R25は、H、置換もしくは非置換C1−C6アルキル、または置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキルであり、R26は、置換もしくは非置換C1−C6アルキル、置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1−C6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換C6−C12アリール、または置換もしくは非置換C3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25及びR26は、−CH3である。いくつかの実施形態において、R25及びR26は、シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R25は、−CH3であり、R26は、シクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、Yは、任意に置換されたC3−C8シクロアルキレンである。いくつかの実施形態において、Zは、C(=O)、NHC(=O)、またはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、R27、R28、及びR29は、Hである。いくつかの実施形態において、R28及びR29は、Hであり、R27は、L−J−Wである。いくつかの実施形態において、Lは、結合、置換もしくは非置換C1−C6アルキレン、または置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキレンであり、Jは、結合、置換もしくは非置換C1−C6アルキレン、置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキレン、置換もしくは非置換C1−C6ヘテロアルキレン、置換もしくは非置換C2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換もしくは非置換C6−C12アリーレン、または置換もしくは非置換C3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Lは、結合であり、Jは、−CH2−であり、Wは、NR25R26である。いくつかの実施形態において、R25は、H、置換もしくは非置換C1−C6アルキル、または置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキルであり、R26は、置換もしくは非置換C1−C6アルキル、置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1−C6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換C6−C12アリール、または置換もしくは非置換C3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25及びR26は、−CH3である。いくつかの実施形態において、R25及びR26は、シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R25は、−CH3であり、R26は、シクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、Yは、任意に置換されたC6−C12アリーレンである。いくつかの実施形態において、Yは、フェニルである。いくつかの実施形態において、Zは、C(=O)、NHC(=O)、またはN(CH3)C(=O)である。いくつかの実施形態において、R27、R28、及びR29は、Hである。いくつかの実施形態において、R28及びR29は、Hであり、R27は、L−J−Wである。いくつかの実施形態において、Lは、結合、置換もしくは非置換C1−C6アルキレン、または置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキレンであり、Jは、結合、置換もしくは非置換C1−C6アルキレン、置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキレン、置換もしくは非置換C1−C6ヘテロアルキレン、置換もしくは非置換C2−C7ヘテロシクロアルキレン、置換もしくは非置換C6−C12アリーレン、または置換もしくは非置換C3−C12ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Lは、結合であり、Jは、−CH2−であり、Wは、NR25R26である。いくつかの実施形態において、R25は、H、置換もしくは非置換C1−C6アルキル、または置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキルであり、R26は、置換もしくは非置換C1−C6アルキル、置換もしくは非置換C3−C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1−C6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2−C7ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換C6−C12アリール、または置換もしくは非置換C3−C12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R25及びR26は、−CH3である。いくつかの実施形態において、R25及びR26は、シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R25は、−CH3であり、R26は、シクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、nは0である。いくつかの実施形態において、R20は、−F、−Cl、−CH3、または−OCH3である。
いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、構造:
を有する式(D)の化合物であり、
式中、
R
20は、ハロゲン、−CN、−OH、−NH
2、−SH、−CO
2H、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、置換もしくは非置換C
2−C
4アルキニル、置換もしくは非置換C
1−C
4アルコキシ、置換もしくは非置換C
1−C
6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキル、または−C(=O)N((R
21)(R
22)であり、
Qは、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、C
1−C
6ハロアルキル、または−CNであり、
各々R
21及びR
22は独立して、H、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、または置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキルであり、
各R
23は独立して、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、または置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキルであり、
各R
24は独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−OH、−OCF
3、−OCH
2F、−OCF
2H、−CF
3、−SCH
3、−N(R
21)S(=O)
2R
23、−S(=O)
2N(R
21)(R
22)、−S(=O)R
23、−S(=O)
2R
23、−C(=O)R
23、−OC(=O)R
23、−CO
2R
21、−N(R
21)(R
22)、−C(=O)N(R
21)(R
22)、−N(R
21)C(=O)R
23、−N(R
21)C(=O)OR
22、−N(R
21)C(=O)N(R
21)(R
22)、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、または置換もしくは非置換シクロアルキルであり、
nは0〜4であり、
Yは、C
1−C
6アルキレン、C
1−C
6ヘテロアルキレン、C
6−C
12アリーレン、C
3−C
12ヘテロアリーレン、C
1−C
6アルキレンC
6−C
12アリーレン、C
1−C
6アルキレンC
3−C
12ヘテロアリーレン、C
1−C
6アルキレンC
3−C
8シクロアルキレン、C
1−C
6アルキレンC
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、C
3−C
8シクロアルキレン、C
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、縮合C
3−C
8シクロアルキレンC
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、及びスピロC
3−C
8シクロアルキレンC
2−C
7ヘテロシクロアルキレンから選択される任意に置換された基であり、
Zは、−C(=O)、−N(R
a)C(=O)、−S(=O)
x、または−N(R
a)S(=O)
xであり、式中、xは1または2であり、R
aは、H、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、または置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキルであり、
R
27及びR
28は独立して、HまたはL−J−Wであるか、またはR
27及びR
28は一緒になって、結合を形成し、
L及びJはそれぞれ独立して、結合、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキレン、置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキレン、置換もしくは非置換C
1−C
6ヘテロアルキレン、置換もしくは非置換C
2−C
7ヘテロシクロアルキレン、置換もしくは非置換C
6−C
12アリーレン、置換もしくは非置換C
3−C
12ヘテロアリーレン、−CO−、−O−、または−S−であり、
R
29は、HまたはL−J−Wであり、
Wは、HまたはNR
25R
26であり、
R
25及びR
26はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換C
1−C
6アルキル、置換もしくは非置換C
3−C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1−C
6ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C
2−C
7ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換C
6−C
12アリール、または置換もしくは非置換C
3−C
12ヘテロアリール、あるいはその薬学的に許容される溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、
あるいはその薬学的に許容される溶媒和物または薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
「薬学的に許容される塩」という用語は、これを投与される哺乳動物に対して有意な刺激を生じることなく、その化合物の生物学的活性及び特性を実質的に無効にしない、化合物の塩を指す。薬学的に許容される塩には、化合物及び有機酸(脂肪族モノ−及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸、アミノ酸等を含む、ならびに例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等を含む)によって形成される酸付加塩、ならびに化合物及び無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等を含む)によって形成される酸付加塩が挙げられる。さらなる塩には、対イオンが、陽イオン、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、及び第四級アンモニウム(少なくとも1つの有機部分で置換された)陽イオンであるものが含まれる。
溶媒和物は、溶媒の化学量論または非化学量論量のいずれかを含有し、薬学的に許容される溶媒、例えば、水、エタノール、メタノール、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリル等との生成物の形成または分離のプロセス中に形成される。一態様では、溶媒和物は、クラス3溶媒(複数可)を使用して形成されるが、これに限定されない。溶媒の分類は、例えば、the International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH),“Impurities:Guidelines for Residual Solvents,Q3C(R3),(November 2005)で定義されている。溶媒が水であるときには水和物が形成され、または溶媒がアルコールであるときにはアルコラートが形成される。いくつかの実施形態において、化合物の溶媒和物、またはその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるプロセス中にまたは当該技術分野で既知の方法で好都合に調製または形成される。いくつかの実施形態において、化合物の溶媒和物は、無水である。いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、非溶媒和形態で存在する。いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、非溶媒和形態で存在し、無水である。薬学的に許容される塩への言及が溶媒付加形態(溶媒和物)を含むことを理解されたい。
さらに他の実施形態において、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、非晶相、結晶形、粉砕形態、及びナノ粒子形態を含むが、これらに限定されない様々な形態で調製される。いくつかの実施形態において、イブルチニブまたはその薬学的に許容可能な塩は非晶質である。いくつかの実施形態において、イブルチニブまたはその薬学的に許容可能な塩は、非晶質かつ無水である。いくつかの実施形態において、イブルチニブまたはその薬学的に許容可能な塩は、結晶性である。いくつかの実施形態において、イブルチニブまたはその薬学的に許容可能な塩は、結晶性かつ無水である。
いくつかの実施形態において、イブルチニブは、米国特許第7,514,444号(参照により組み込まれる)に概説されるように調製される。
いくつかの実施形態において、Btk阻害剤は、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101/CC−101(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−263/CC−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292/CC−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291/CC−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、CNX 774(Avila Therapeutics)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CGI−560(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056,GDC−0834(Genentech)、HY−11066(また、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)、LFM−A13、BGB−3111(Beigene)、KBP−7536(KBP BioSciences)、ACP−196(Acerta Pharma)、またはJTE−051(Japan Tobacco Inc)である。
いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、4−(tert−ブチル)−N−(2−メチル−3−(4−メチル−6−((4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)アミノ)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラジン−2−イル)フェニル)ベンズアミド(CGI−1746)、7−ベンジル−1−(3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)−2−(4−(ピリジン−4−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−g]キノキサリン−6(5H)−オン(CTA−056)、(R)−N−(3−(6−(4−(1,4−ジメチル−3−オキソピペラジン−2−イル)フェニルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラジン−2−イル)−2−メチルフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド(GDC−0834)、6−シクロプロピル−8−フルオロ−2−(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(RN−486)、N−[5−[5−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)−4−メトキシ−2−メチルフェニル]スルファニル−1,3−チアゾール−2−イル]−4−[(3,3−ジメチルブタン−2−イルアミノ)メチル]ベンズアミド(BMS−509744、HY−11092)、もしくはN−(5−((5−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)−4−メトキシ−2−メチルフェニル)チオ)チアゾール−2−イル)−4−(((3−メチルブタン−2−イル)アミノ)メチル)ベンズアミド(HY11066)、またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、
mTOR阻害剤
mTOR阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼのラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)の阻害剤である。mTOR阻害剤の例には、デフォロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、及びシロリムスが含まれる。
いくつかの実施形態において、イブルチニブ等のBTK阻害剤と組み合わされたmTOR阻害剤は、エベロリムスまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約1〜20mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約20mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約10mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約5mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約2.5mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、2.5mg/日未満の低投与量で投与される。いくつかの実施形態において、エベロリムスは、約1〜2mg/日の低投与量で投与される。
いくつかの実施形態において、イブルチニブ等のBTK阻害剤と組み合わされたmTOR阻害剤は、シロリムスまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、シロリムスは、約2〜5mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、2mg/日未満の低投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、約1mg/日の低投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、少なくとも40kgの体重である対象に、約1〜15mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、約6または15mgの負荷投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、約2〜5mg/日の維持投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、約1mg/日の維持投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、40kg未満の体重である対象に、約3mg/m2の負荷投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、約1mg/m2/日の維持投与量で投与される。いくつかの実施形態において、シロリムスは、1mg/m2/日未満の低い維持投与量で投与される。
パゾパニブ
パゾパニブ、5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)(メチル)アミノ]ピリミジン−2−イル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミド一塩酸塩は、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)−1、−2、及び−3、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)−α、及びPDGFR−β、及び幹細胞因子受容体(c−KIT)と関連するチロシンキナーゼ活性を標的化する経口血管新生阻害剤である。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えば、パゾパニブHCl)は、個体に、BTK阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブは、個体に、イブルチニブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClは、個体に、イブルチニブと組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、個体に、例えば、休薬期間なく、順次に投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)の投与は、イブルチニブが投与されない日(すなわち、イブルチニブ休薬期間中)に中止されない。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)の投与は、イブルチニブが投与されない日(すなわち、イブルチニブ休薬期間中)に中止される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)の投与は、即時放出剤形によって投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、制御放出剤形によって投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、(例えば、カプセル剤または錠剤によって)経口投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、即時放出経口剤形によって(例えば、カプセル剤または錠剤によって)投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、制御放出経口剤形によって(例えば、カプセル剤または錠剤によって)投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、静脈内投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、個体が高速モードである場合に投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、食前の少なくとも約1時間前に投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩(例えばパゾパニブHCl)は、食事の少なくとも約2時間後に投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日3回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日4回投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩の各用量は、4〜8時間間隔で投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、第1の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩及び第2の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩を投与することを含み、第1の用量及び第2の用量は、4〜8時間間隔で投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日3回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩の各用量は、4〜8時間間隔で投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、第1の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩、第2の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩、及び第3の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩を投与することを含み、第1の用量、第2の用量、及び第3の用量は、4〜8時間間隔で投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日4回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩の各用量は、4〜8時間間隔で投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、第1の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩、第2の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩、第3の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩、及び第4の用量のパゾパニブまたはパゾパニブの塩を投与することを含み、第1の用量、第2の用量、第3の用量、及び第4の用量は、4〜8時間間隔で投与される。
いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、または約600mg〜約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約200mg〜約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約400mg〜約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約600mg〜約800mgである。
いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約200mg、約400mg、約600mg、または約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約200mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約400mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約600mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約800mgである。
いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約216.7mg〜約866.8mg、約433.4mg〜約866.8mg、または約650.1mg〜約866.8mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約216.7mg〜約866.8mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約433.4mg〜約866.8mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約650.1mg〜約866.8mgである。
いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約216.7mg、約433.4mg、約650.1mg、または約866.8mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約216.7mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約433.4mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約650.1mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブHClの1日用量は、約866.8mgである。
パクリタキセル及びドセタキセル
パクリタキセル及びドセタキセルは、タキサンである。パクリタキセルはまた、Taxol(登録商標)として知られている。ドセタキセルはまた、Taxotere(登録商標)として知られている。タキサンは、有糸***を停止させることによって細胞成長をブロックする薬物である。タキサンは、微小管に干渉する。タキサンは、一種の有糸***阻害剤(または微小管阻害剤)及び一種の抗微小管剤である。他の例示的なタキサンは、カバジタキセルを含む。タンパク質結合パクリタキセルは、Abraxane(登録商標)またはnab−パクリタキセルとして知られている。いくつかの実施形態において、本明細書で使用されるとき、「パクリタキセル」は、タンパク質結合パクリタキセル、及びパクリタキセルを指し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で使用されるとき、「パクリタキセル」は、タンパク質結合パクリタキセルを指さない。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、本明細書に開示される方法及び組成物においてnab−パクリタキセルと置き換えられ得る。
EGFR阻害剤
セツキシマブは、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤である。セツキシマブはまた、Erbitux(登録商標)またはC225としても知られている。EGFR阻害剤はまた、HER−1阻害剤またはErbB−1阻害剤としても知られ得る。EGFR阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤またはモノクローナル抗体のいずれかである。さらなる例示的なEGFR阻害剤は、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))等を含む。いくつかの実施形態において、セツキシマブは、本明細書に開示される方法及び組成物において他のEGFR阻害剤と置き換えられ得る。
さらなる併用療法
ある特定の実施形態において、(1)BTK阻害剤及び(2)抗癌剤(例えば、mTOR阻害剤、パゾパニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、またはEGFR阻害剤)は、固形腫瘍の治療のためにさらなる治療剤と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態において、(1)BTK阻害剤(例えばイブルチニブ)及び(2)抗癌剤(例えば、mTOR阻害剤、パゾパニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、またはEGFR阻害剤)は、固形腫瘍の治療のためにさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、ベンダムスチン、ボルテゾミブ、レナリドマイド、イデラリシブ(GS−1101)、ボリノスタット、オファツムマブ、エベロリムス、パノビノスタット、テムシロリムス、ロミデプシン、ボリノスタット、フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン、ペントスタチン、プレドニゾン、エトプシド(etopside)、プロカルバジン、及びサリドマイドから選択される薬剤を含む。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、化学療法剤、生物学的薬剤、放射線療法、骨髄移植、及び手術から選択される。いくつかの実施形態において、化学療法剤は、クロラムブシル、イホスファミド、ドキソルビシン、メサラジン、サリドマイド、レナリドマイド、テムシロリムス、エベロリムス、フルダラビン、ホスタマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、オファツムマブ、リツキシマブ、デキサメタゾン、プレドニゾン、CAL−101、イブリツモマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、ペントスタチン、及びエンドスタチン、またはこれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、例えばベンダムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、プレドニムスチン、トロフォスファミド等の窒素マスタード;ブスルファン、マンノスルファン、トレオスルファンのようなアルキルスルホン酸塩;カルボコン、チオテパ、トリアジコンのようなエチレンイミン;カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンのようなニトロソ尿素;例えばエトグルシド等のエポキシド類;例えばダカルバジン、ミトブロニトール、ピポブロマン、テモゾロミド等の他のアルキル化剤;例えばメトトレキサート、ペルメトレキセド、プララトレキセート、ラルチトレキセド等の葉酸類似体;例えばクラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ネララビン、チオグアニン等のプリン類似体;例えばアザシチジン、カペシタビン、カルモフール、シタラビン、デシタビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフール等のピリミジン類似体;例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン等のビンカアルカロイド;例えばエトポシド、テニポシド等のポドフィロトキシン誘導体;例えばデメコルチン等のコルヒチン誘導体;例えばドセタキセル、パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメックス等のタキサン;例えばトラベクテジン等のその他の植物アルカロイド及び天然物;例えばダクチノマイシン等のアクチノマイシン;例えばアクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピラルビシン、バルルビシン、ゾルビンシン等のアントラサイクリン;例えばブレオマイシン、イクサベピロン、マイトマイシン、プリカマイシン等の他の細胞傷害性抗生物質;例えばカルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン等の白金化合物;例えばプロカルバジン等のメチルヒドラジン;例えばアミノレブリン酸、エファプロキシラル、メチルアミノレブリネート、ポルフィマーナトリウム、テモポルフィン等の感作性物質;例えばダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス等のタンパク質キナーゼ阻害剤;例えばアリトレチノイン、アルトレタミン、アムザクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エストラムスチン、ヒドロキシルカルバミド、イリノテカン、ロニダミン、マソプロコール、ミルテフォセイン、ミトグアゾン、ミトタン、オブリメルセン、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、ロミデプシン、シチマゲンセラデノベク、チアゾフリン、トポテカン、トレチノイン、ボリノスタット等の他の抗新生物薬;例えばジエチルスチルベノール、エチニルエストラジオール、ホスフェストロール、ポリエストラジオールホスフェート等のエストロゲン;例えばゲストノロン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール等のプロゲステロン;例えばブセレリン、ゴセレリン、リュープロレリン、トリプトレリン;抗エストロゲン、例えばフルベストラント、タモキシフェン、トレミフェン等の性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体;例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酵素阻害剤、アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、フォルメスタン、レトロゾール、ボロゾール等の抗アンドロゲン;例えばアバレリクス、デガレリクス等の他のホルモン拮抗剤;例えばヒスタミン二塩酸塩、ミファムルチド、ピドチモド、プレリキサフォル、ロキニメックス、チモペンチン等の免疫刺激剤;例えばエベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ミコフェノール酸、シロリムス;カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリン、タクロリムス等の免疫抑制剤;例えばアザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート、サリドマイド等の他の免疫抑制剤;ならびに例えばイオベングアン等の放射性医薬から選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、及び成長因子等から選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、アンセスチム、フィルグラスチム、レノグラスチム、モルグラモスチム、ペグフィルグラスチム、サルグラモスチム;例えば天然インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ−n1、天然インターフェロンベータ、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ、ペグインターフェロンアルファ−2a、ペグインターフェロンアルファ−2b等のインターフェロン;例えばアルデスロイキン、オプレルベキン等のインターロイキン;例えばBCGワクチン、酢酸グラチラマー、ヒスタミン二塩酸塩、イムノシアニン、レンチナン、メラノーマワクチン、ミファムルチド、ペガデマーゼ、ピドチモド、プレリキサフォル、ポリI:C、ポリICLC、ロキニメックス、タソネルミン、チモペンチン等の他の免疫賦活剤;例えばアバタセプト、アベチムス、アレファセプト、抗リンパ球イムノグロブリン(ウマ)、抗胸腺細胞イムノグロブリン(ウサギ)、エクリズマブ、エファリズマブ、エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ムロマブ−CD3、ミコフェノール酸、ナタリズマブ、シロリムス等の免疫抑制剤;例えばアダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ等のTNFアルファ阻害剤;例えばアナキンラ、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、リロナセプト、トシリズマブ、ウステキヌマブ等のインターロイキン阻害剤;例えばシクロスポリン、タクロリムス等のカルシニューリン阻害剤;ならびに例えばアザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート、サリドマイド等の免疫抑制剤から選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、ムロモナブ−CD3、ナタリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ等、またはそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、エドレコロマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、トラツズマブ等のモノクローナル抗体;免疫抑制剤、エクリズマブ、エファリズマブ、ムロマブ−CD3、ナタリズマブ;例えば、アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、インフリキシマブ等のTNFα阻害剤;インターロイキン阻害剤、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ;放射性医薬品、イブリブモマブチウキセタン、トシツモマブ;例えば、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アレムツズマブ、抗CD30 モノクローナル抗体Xmab2513、抗MET モノクローナル抗体MetMab、アポリズマブ、アポマブ、アルシツモマブ、バシリキシマブ、二重特異性抗体2B1、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、カプロマブペンデチド、シクスツムマブ、クラウディキシマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エプラツズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、フィギツムマブ、フレソリムマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、グレムバツムマブ、イブリツモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、リンツズマブ、ルカツムマブ、マパツズマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、モノクローナル抗体CC49、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オレゴボマブ、ペルツズマブ、ラマクリマブ、ラニビズマブ、シプリズマブ、ソネプシズマブ、タネズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコズツマブセルモロイキン、ベルツズマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、及びザルツムマブ等の他のモノクローナル抗体から選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、細胞シグナル伝達ネットワーク等の腫瘍微小環境(例えば、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路、B細胞受容体及びIgE受容体からのシグナル伝達)に影響を及ぼす薬剤から選択される。いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、PI3Kシグナル伝達阻害剤またはSykキナーゼ阻害剤である。一実施形態において、Syk阻害剤は、R788である。別の実施形態は、単なる例として、エンザスタウリン等のPKCγ阻害剤である。
腫瘍微小環境に影響を及ぼす薬剤の例としては、PI3Kシグナル伝達阻害剤、Sykキナーゼ阻害剤、例えばダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス等のタンパク質キナーゼ阻害剤;例えば、GT−111、JI−101、R1530等の他の血管新生阻害剤;例えば、AC220、AC480、ACE−041、AMG 900、AP24534、Arry−614、AT7519、AT9283、AV−951、アキシチニブ、AZD1152、AZD7762、AZD8055、AZD8931、バフェチニブ、BAY 73−4506、BGJ398、BGT226、BI 811283、BI6727、BIBF 1120、BIBW 2992、BMS−690154、BMS−777607、BMS−863233、BSK−461364、CAL−101、CEP−11981、CYC116、DCC−2036、ジナシクリブ、乳酸ドビチニブ、E7050、EMD 1214063、ENMD−2076、ホスタマチニブ二ナトリウム、GSK2256098、GSK690693、INCB18424、INNO−406、JNJ−26483327、JX−594、KX2−391、リニファニブ、LY2603618、MGCD265、MK−0457、MK1496、MLN8054、MLN8237、MP470、NMS−1116354、NMS−1286937、ON 01919.Na、OSI−027、OSI−930、Btk阻害剤、PF−00562271、PF−02341066、PF−03814735、PF−04217903、PF−04554878、PF−04691502、PF−3758309、PHA−739358、PLC3397、プロゲニポイエチン、R547、R763、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、RO5185426、SAR103168、SCH 727965、SGI−1176、SGX523、SNS−314、TAK−593、TAK−901、TKI258、TLN−232、TTP607、XL147、XL228、XL281RO5126766、XL418、及びXL765等の他のキナーゼ阻害剤が挙げられる。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、***促進因子活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY 43−9006、ウォルトマンニン、またはLY294002;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;及び抗体(例えば、リツキサン)から選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロンアセテート;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチメマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼルシン;セダフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソマプラチン;デアザグアニン;メシル酸デアザグアニン;ジアジクオン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イイモフォシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンIIもしくはr1L2を含む)、インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ−1a;インターフェロンガンマ−1b;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;ランレオチドアセテート;レトロゾール;リュープロリドアセテート;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;メゲストロールアセテート;メレンゲストロールアセテート;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;硫酸ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンから選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、20−エピ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アルデスロイキン;ALL−TK拮抗薬;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリクス;抗背側化形態形成性タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節薬;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;β−ラクタム誘導体;β−アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis−ポルフィリン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシディン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エキセメスタン;ファドロゾール;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン;ホルフェニメクス;フォルメスタン;フォストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激性ペプチド;インスリン、例えば成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン類;インターロイキン類;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラライドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;細胞溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA:ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+マイコバクテリウム細胞壁骨格sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子1ベース療法;マスタード抗癌剤;マイカペルオキシドB;マイコバクテリウム細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節薬;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口用サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパラガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;プレドニゾン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫調節薬;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤(微細藻類);タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツカイン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチン;Sdi 1模倣体;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節薬;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテイト;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞***阻害剤;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作動性腸管ペプチド拮抗薬;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣体;チマルファシン;サイモポイエチン受容体作動薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンすず;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレイン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマーから選択される。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然物、またはホルモン、例えば、窒素マスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル等)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン等)、またはトリアゼン(ダカルバジン等)から選択される。代謝拮抗剤の例としては、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、シタラビン)、またはプリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、窒素マスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メイファラン等)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン等)、及びトリアゼン(ダカルバジン等)から選択される。代謝拮抗剤の例としては、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、またはプリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、さらなる治療剤は、微小管の安定化に起因して細胞をG2−M期において停止させることによって作用する薬剤、例えば、エルブロゾール(別名:R−55104)、ドラスタチン10(別名:DLS−10及びNSC−376128)、イセチオン酸ミボブリン(別名:CI−980)、ビンクリスチン、NSC−639829、ディスコデルモライド(別名:NVP−XX−A−296)、ABT−751(Abbott、別名:E−7010)、アルトリルチン(アルトリルチンA及びアルトリルチンC等)、スポンジスタチン(スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8、及びスポンジスタチン9等)、塩酸セマドチン(別名:LU−103793及びNSC−D−669356)、エポチロン(エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(別名:デゾキシエポチロンAまたはdEpoA)、エポチロンD(別称:KOS−862、dEpoB、及びデゾキシエポチロンB)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB窒素酸化物、エポチロンA窒素酸化物、16−アザ−エポチロンB、21−アミノエポチロンB(別名:BMS−310705)、21−ヒドロキシエポチロンD(別名:デゾキシエポチロンF及びdEpoF)、26−フルオロエポチロン等)、アウリスタチンPE(別名:NSC−654663)、ソブリドチン(別名:TZT−1027)、LS−4559−P(Pharmacia、別名:LS−4577)、LS−4578(Pharmacia、別名:LS−477−P)、LS−4477(Pharmacia)、LS−4559(Pharmacia)、RPR−112378(Aventis)、ビンクリスチン硫酸塩、DZ−3358(Daiichi)、FR−182877(Fujisawa、別名:WS−9885B)、GS−164(Takeda)、GS−198(Takeda)、KAR−2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF−223651(BASF、別名:ILX−651及びLU−223651)、SAH−49960(Lilly/Novartis)、SDZ−268970(Lilly/Novartis)、AM−97(Armad/Kyowa Hakko)、AM−132(Armad)、AM−138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN−5005(Indena)、クリプトフィシン52(別名:LY−355703)、AC−7739(Ajinomoto、別名:AVE−8063A及びCS−39.HCI)、AC−7700(Ajinomoto、別名:AVE−8062、AVE−8062A、CS−39−L−Ser.HCI及びRPR−258062A)、ビチレブアミド、チューブリシンA、カナデンソル、センタウレイジン(別名:NSC−106969)、T−138067(Tularik、別名:T−67、TL−138067及びTI−138067)、COBRA1(Parker Hughes Institute、別名:DDE−261及びWHI−261)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンA1(別名:BTO−956及びDIME)、DDE−313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA−2(Parker Hughes Institute)、SPA−1(Parker Hughes Institute、別名:SPIKET−P)、3−IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、別名:MF−569)、ナクロシン(別名:NSC−5366)、ナスカピン、D−24851(Asta Medica)、A−105972(Abbott)、ヘミアスターリン、3−BAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、別名:MF−191)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトナト、T−138026(Tuiarik)、モンサトロール、イナノシン(別名:NSC−698666)、3−IAABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A−204197(Abbott)、T−607(Tularik、別名:T−900607)、RPR−115781(Aventis)、エレウテロビン(デスメチルエレウテロビン、デスアセチルエレウテロビン、イソエリュテロビンA及びZ−エリュテロビン等)、カリバエオシド、カリバエオリン、ハリコンドリンB、D−64131(Asta Medica)、D−68144(Asta Medica)、ジアゾンアミドA、A−293620(Abbott)、NPI−2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB−245(Aventis)、A−259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(−)−フェニルアヒスチン(別名:NSCL−96F037)、D−68838(Asta Medica)、D−68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D−43411(Zentaris、別名:D−81862)、A−289099(Abbott)、A−318315(Abbott)、HTI−286(別名:SPA−110、トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth)、D−82317(Zentaris)、D−82318(Zentaris)、SC−12983(NCI)、レスベラスタチンホスフェートナトリウム、BPR−OY−007(National Health Research Institutes)、ならびにSSR−250411(Sanofi)から選択される。
薬学的組成物及び製剤
ある特定の実施形態において、(a)BTK阻害剤と、(b)mTOR阻害剤またはパゾパニブまたはその塩と、(c)薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物及び製剤が、本明細書で開示されている。いくつかの実施形態において、BTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、(a)BTK阻害剤と、(b)mTOR阻害剤と、(c)薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物が提供される。例示的なmTOR阻害剤は、シロリムス及びエベロリムスであり、例示的なBTK阻害剤は、イブルチニブである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、組み合わせた剤形である。いくつかの実施形態において、組み合わせは、別個の剤形である。
ある特定の実施形態において、(a)BTK阻害剤と、(b)抗癌剤(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、またはEGFR阻害剤)と、(c)薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物及び製剤が、本明細書で開示されている。例示的なBTK阻害剤は、イブルチニブである。例示的なEGFR阻害剤は、セツキシマブである。いくつかの実施形態において、組み合わせは、組み合わせた剤形である。いくつかの実施形態において、組み合わせは、別個の剤形である。
薬学的組成物は、活性化合物を医薬的に使用され得る調製物へと加工するのを容易にする、賦形剤及び補助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して、慣習的な様態で製剤化され得る。適切な製剤は、選択される投与経路に左右される。周知の技法、担体、及び賦形剤のうちのいずれかが、好適に、かつ当該技術分野で理解されるように使用される。本明細書に記載される薬学的組成物の要約は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed (Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)に見出され得、これらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用されるとき、薬学的組成物は、例えば、イブルチニブ及び抗癌剤と、担体、安定剤、希釈剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤、及び/または賦形剤等の他の化学構成成分との混合物を指す。薬学的組成物は、化合物の生物への投与を容易にする。本明細書に提供される治療または使用方法を実施する際、治療上有効量の本明細書に記載される化合物が薬学的組成物中で、治療対象の疾患、障害、または病態を有する哺乳動物に投与される。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。治療上有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康状態、使用される化合物の効力、ならびに他の要因に応じて大幅に異なり得る。化合物は、単独で、または混合物の構成成分としての1つ以上の治療剤と組み合わせて使用され得る。
ある特定の実施形態において、組成物はまた、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸及び塩酸等の酸、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム及びトリス−ヒドロキシメチルアミノメタン等の塩基、ならびにクエン酸/デキストロース、重炭酸ナトリウム及び塩化アンモニウム等の緩衝剤を含む、1つ以上のpH調整剤または緩衝剤を含んでもよい。かかる酸、塩基及び緩衝剤は、組成物のpHを許容される範囲に維持するのに必要とされる量で含まれる。
他の実施形態において、組成物はまた、組成物の重量オスモル濃度を許容される範囲内に収めるのに必要とされる量で1つ以上の塩を含んでもよい。かかる塩には、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム陽イオン、及び塩化物、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸または亜硫酸水素陰イオンを有する塩が含まれる。好適な塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム及び硫酸アンモニウムが含まれる。
本明細書で使用される「薬学的組み合わせ」という用語は、2つ以上の活性成分の混合または配合からもたらされ、活性成分の固定組み合わせ及び非固定組み合わせのいずれも含む、製品を意味する。「固定組み合わせ」という用語は、両方とも単一要素または投与量の形態で同時に患者に投与される、活性成分、例えば、本明細書に記載される化合物及び補助薬剤を意味する。「非固定組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば、本明細書に記載される化合物及びまたは共薬剤が、患者に別個のものとして同時に、並行して、または特定の時間制限なしに順次投与されることを意味し、そのような投与は有効なレベルの2つの化合物を患者の体に与える。後者はまた、カクテル療法、例えば、3つ以上の活性成分の投与にも当てはまる。
本明細書に記載される薬学的製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、頬側、局所、直腸、または経皮投与経路を含むが、これらに限定されない、複数回投与経路によって、対象に投与することができる。本明細書に記載される薬学的製剤は、水性液体分散液、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固体剤形、粉末、即放性製剤、徐放性製剤、即時溶解(fast melt)製剤、錠剤、カプセル、丸剤、遅延放出製剤、延長放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤、及び即放性・徐放性混合製剤を含むが、これらに限定されない。
本明細書に記載される化合物を含む薬学的組成物は、単なる例として、慣習的な混合、溶解、造粒、ドラジェ作製、湿式粉砕、乳化、カプセル封入、封入または圧縮プロセスを用いて等、慣習的な様態で製造され得る。
「消泡剤」は、水性分散体の凝固、完成フィルム中の気泡をもたらし得る、または一般に加工を損ない得る、加工中の発泡を低減する。例となる消泡剤には、ケイ素乳濁液またはセスキオレイン酸ソルビタンが含まれる。
「酸化防止剤」は、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム及びトコフェロールを含む。ある特定の実施形態において、酸化防止剤は、必要とされる場合、化学的安定性を増強する。
ある特定の実施形態において、本明細書に提供される組成物はまた、微生物活性を阻害する1つ以上の保存剤を含んでもよい。好適な保存剤は、メルフェン(merfen)及びチオメルサール等の水銀含有物質、安定化二酸化塩素、ならびに塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化セチルピリジニウム等の四級アンモニウム化合物を含む。
本明細書に記載される製剤には、酸化防止剤、金属キレート剤、チオール含有化合物及び他の一般的安定剤が有益であり得る。かかる安定剤の例としては、(a)約0.5%〜約2%(w/v)グリセロール、(b)約0.1%〜約1%(w/v)メチオニン、(c)約0.1%〜約2%(w/v)モノチオグリセロール、(d)約1mM〜約10mM EDTA、(e)約0.01%〜約2%(w/v)アスコルビン酸、(f)0.003%〜約0.02%(w/v)ポリソルベート80、(g)0.001%〜約0.05%(w/v)ポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ポリ硫酸ペントサン及び他のヘパリン類似物質、(m)マグネシウム及び亜鉛等の二価陽イオン、または(n)それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
「結合剤」は、凝集特質を付与し、例えば、アルギニン酸及びその塩;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、及び微小結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標))等のセルロース誘導体;微小結晶デキストロース;アミロース;ケイ酸マグネシウムアルミニウム;多糖酸(polysaccharide acids);ベントナイト;ゼラチン;ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー;クロスポビドン;ポビドン;デンプン;アルファ化デンプン;トラガント、デキストリン、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、モラセス、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、及びラクトース等の糖;アカシア、トラガント、ガティガム、イサポール(isapol)さやの粘液、ポリビニルピロリドン(例えば、Polyvidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL−10)、カラマツアラボガラクタン(arabogalactan)、Veegum(登録商標)等の天然または合成ガム、ポリエチレングリコール、ロウ、アルギン酸ナトリウム等を含む。
「担体」または「担体材料」は、医薬中で一般的に使用される任意の賦形剤を含み、イブルチニブ及び抗癌剤の化合物等の、本明細書に開示される化合物との相溶性、及び所望の剤形の放出プロファイル特性に基づいて選択されるべきである。例となる担体材料には、例えば、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤等が含まれる。「薬学的に相溶性の担体材料」には、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル、カゼインナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスホチジルコリン(phosphotidylcholine)、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、セルロース及びセルロース複合体、糖ナトリウムステアロイルラクチレート(sugars sodium stearoyl lactylate)、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファ化デンプン等が含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed (Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)を参照されたい。
「分散化剤」、及び/または「粘度調節剤」は、液体媒体または造粒法もしくは配合法により薬物の拡散及び均一性を制御する材料を含む。いくつかの実施形態において、これらの薬剤はまた、コーティングマトリクスまたは浸食マトリクスの有効性を促進する。例となる拡散促進剤/分散化剤には、例えば、親水性ポリマー、電解質、Tween(登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP、Plasdone(登録商標)として商業的に知られている)、及び、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、HPC、HPC−SL、及びHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、HPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、及びHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、非晶質セルロース等の炭水化物系分散化剤、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(別名:tyloxapol)、ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標)(エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーである));ならびにポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)、別名:Poloxamine 908(登録商標)(プロピレンオキシドとエチレンオキシドとのエチレンジアミンへの逐次付加から誘導された四官能性ブロックコポリマー(BASF Corporation,Parsippany,N.J.))、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S−630)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300〜約6000、または約3350〜約4000、または約7000〜約5400の分子量を有し得る)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、例えば、ガムトラガント及びガムアカシア、グアーガム、キサンタンガムを含むキサンタン等のガム、糖、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系材料、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポビドン、カルボマー、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギナート、キトサン、及びそれらの組み合わせが含まれる。セルロースまたはトリエチルセルロース等の可塑剤もまた、分散化剤として使用することができる。リポソーム分散体及び自己乳化分散体中で特に有用な分散化剤は、ジミリストイルホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルグリセロール、コレステロール及びイソプロピルミリスタートである。
1つ以上の浸食促進剤と1つ以上の拡散促進剤との組み合わせもまた、本組成物中で使用することができる。
「希釈剤」という用語は、送達前に目的とする化合物を希釈するために使用される化学化合物を指す。希釈剤はまた、それらがより安定な環境を提供し得るため、化合物を安定化させるためにも使用され得る。リン酸緩衝食塩水溶液を含むが、これらに限定されない、緩衝溶液中に溶解した塩(これはまたpH制御または維持も提供し得る)が当該技術分野で希釈剤として利用される。ある特定の実施形態において、希釈剤は、カプセル充填のための均一な配合のために圧縮を促進するまたは十分なかさを作り出すために、組成物のかさを増加させる。かかる化合物には、例えば、ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、Avicel(登録商標)等の微小結晶セルロース;第二リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物;リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム;無水ラクトース、噴霧乾燥ラクトース;アルファ化デンプン、Di−Pac(登録商標)(Amstar)等の圧縮糖;マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース系希釈剤、精製粉末糖;第一硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物;乳酸カルシウム三水和物、デキストレート;加水分解した穀物固形物、アミロース;粉末化セルロース、炭酸カルシウム;グリシン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイト等が含まれる。
「崩壊する」という用語は、胃腸液に接触したときの剤形の溶液及び分散の両方を含む。「崩壊剤(Disintegration agentsまたはdisintegrants)」は、物質の分解または崩壊を促進する。崩壊剤の例としては、デンプン、例えば、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプン等の天然デンプン、National 1551もしくはAmijel(登録商標)等のアルファ化デンプン、またはPromogel(登録商標)もしくはExplotab(登録商標)等のデンプングリコール酸ナトリウム、木材製品等のセルロース、メチル結晶質(methylcrystalline)セルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka−Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Ac−Di−Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロース等の架橋セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム等の架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドン等の架橋ポリマー、アルギニン酸等のアルギナートまたはアルギン酸ナトリウム等のアルギニン酸の塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)等の粘土、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、もしくはトラガント等のガム、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然スポンジ、界面活性剤、陽イオン交換樹脂等の樹脂、柑橘パルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わされたラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
「薬物吸収」または「吸収」は典型的に、薬物の投与部位から障壁を越えての血管内または作用部位への薬物の移動プロセス、例えば、薬物が胃腸管から入口静脈またはリンパ系内へと移動するプロセスを指す。
「腸溶コーティング」は、胃内では実質的に無傷のままであるが、小腸または結腸内で溶解して薬物を放出する物質である。一般に、腸溶コーティングは、胃の低pH環境では放出を防止するが、より高いpH、典型的には6〜7のpHでイオン化し、このようにして小腸または結腸内で十分に溶解してその中で活性剤を放出する、ポリマー材料を含む。
「浸食促進剤」は、胃腸液中で特定の材料の浸食を制御する材料を含む。浸食促進剤は、当業者に一般に知られている。例となる浸食促進剤には、例えば、親水性ポリマー、電解質、タンパク質、ペプチド、及びアミノ酸が含まれる。
「充填剤」は、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微小結晶セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン類、アルファ化デンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール等の化合物を含む。
本明細書に記載される製剤中で有用な「香味剤」及び/または「甘味剤」は、例えば、アカシアシロップ、アセスルファムK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、バヴァリアン・クリーム、ベリー、ブラックカラント、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、樟脳、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、バブルガム、柑橘類、柑橘類ポンチ、柑橘類クリーム、コットンキャンディ、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、シクラメート、シラメート(cylamate)、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ショウガ、グリシルレチナート(glycyrrhetinate)、グリシリザ属(甘草)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハチミツ、イソモルト、レモン、ライム、レモンクリーム、モノアンモニウムグリチナート(glyrrhizinate)(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジン(neohesperidine) DC、ネオテーム、オレンジ、洋梨、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)粉末、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、ストロベリー、ストロベリークリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、シリトール、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ(tutti fruitti)、バニラ、クルミ、スイカ、ワイルドチェリー、イチャクソウ、キシリトール、またはこれらの香味成分の任意の組み合わせ、例えば、アニス−メントール、チェリー−アニス、シナモン−オレンジ、チェリー−シナモン、チョコレート−ミント、ハチミツ−レモン、レモン−ライム、レモン−ミント、メントール−ユーカリ、オレンジ−クリーム、バニラ−ミント、及びそれらの混合物を含む。
「滑沢剤」及び「流動促進剤」は、材料の付着または摩擦を防止、低減または阻害する化合物である。例となる滑沢剤には、例えば、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、ナトリウムステアリルフマレート、鉱物油等の炭化水素、または水素添加大豆油(Sterotex(登録商標))等の水素添加植物油、高級脂肪酸及びアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のそれらのアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ロウ、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG−4000)またはCarbowax(商標)等のメトキシポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベへン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウムもしくはナトリウム、Syloid(商標)、Cab−O−Sil(登録商標)等のコロイド状シリカ、トウモロコシデンプン等のデンプン、シリコーン油、界面活性剤等が含まれる。
「測定可能な血清中濃度」または「測定可能な血漿中濃度」は、投与後に血流中に吸収される、典型的には血清mL、dL、またはL当たりの治療剤mg、μg、またはng単位で測定される、血清中または血漿中濃度を説明する。本明細書で使用されるとき、測定可能な血漿中濃度は、典型的にはng/mLまたはμg/mL単位で測定される。
「薬力学」は、作用部位での薬物の濃度に対して観察される生物学的応答を決定する要因を指す。
「薬物動態」は、作用部位での適切な薬物濃度の達成及び維持を決定する要因を指す。
「可塑剤」は、マイクロカプセル材料またはフィルムの脆性を低下させるようにそれらを軟化させるために使用される化合物である。好適な可塑剤には、例えば、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 1450、PEG 3350、及びPEG 800等のポリエチレングリコール、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロース、及びトリアセチンが含まれる。いくつかの実施形態において、可塑剤はまた、分散化剤または湿潤剤としても機能し得る。
「可溶化剤」は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート、ビタミンE TPGS、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、n−ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁塩、ポリエチレングリコール200−600、グリコフロール、トランスクトール(transcutol)、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビド等の化合物を含む。
「安定剤」は、任意の酸化防止剤、緩衝剤、酸、保存剤等の化合物を含む。
本明細書で使用されるとき、「定常状態」とは、1つの投薬間隔内で、投与された薬物の量が***された薬物の量に等しく、プラトーまたは一定の血漿中薬物曝露をもたらすときのことである。
「懸濁化剤」は、ポリビニルピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300〜約6000、または約3350〜約4000、または約7000〜約5400の分子量を有し得る)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ステアリン酸ヒドロキシメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、例えば、ガムトラガント及びガムアカシア、グアーガム、キサンタンガムを含むキサンタン等のガム、糖類、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポビドン等の化合物を含む。
「界面活性剤」は、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート、Tween 60または80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)等の化合物を含む。いくつかの他の界面活性剤には、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)水素添加ヒマシ油;ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40が含まれる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、物理的安定性を増強するために、または他の目的で含まれ得る。
「粘度増強剤」は、例えば、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギナート、アカシア、キトサン、及びそれらの組み合わせを含む。
「湿潤剤」は、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ナトリウムドクサート、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート、トリアセチン、Tween 80、ビタミンE TPGS、アンモニウム塩等の化合物を含む。
剤形
本明細書に記載される組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内)、頬側、鼻腔内、直腸または経皮投与経路を含むが、これらに限定されない、任意の慣習的な手段を介した対象への投与のために製剤化することができる。いくつかの実施形態において、組成物は、組み合わせた剤形での投与のために製剤化される。いくつかの実施形態において、組成物は、別個の剤形での投与のために製剤化される。本明細書で使用されるとき、「対象」という用語は、動物、好ましくはヒトまたは非ヒトを含む哺乳動物を意味して使用される。「個体(複数可)」、「対象(複数可)」、及び「患者(複数可)」という用語は、本明細書に同義に使用され、任意の哺乳動物を意味する。いくつかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態において、哺乳動物は、非ヒトである。いかなる用語も、医療従事者(例えば、医師、登録看護師、正看護師、医師助手、高齢者またはホスピス従事者)の監視(例えば、常時または断続的な)によって特徴付けられた状態を要求せず、またはこれらに限定されない。
さらに、イブルチニブ及び/または抗癌剤を含む、本明細書に記載される薬学的組成物は、水性経口分散体、液体、ゲル、シロップ、エリキシル、スラリー、懸濁液等、治療される患者による経口摂取、固体経口剤形、エアロゾル、制御放出製剤、即時溶解製剤、発泡性製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、粉末、丸剤、ドラジェ、カプセル、遅延放出製剤、延長放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤、ならびに混合即時放出及び制御放出製剤を含むが、これらに限定されない、任意の好適な剤形へと製剤化することができる。
経口使用のための薬学的調製物は、1つ以上の固体賦形剤を本明細書に記載される化合物のうちの1つ以上と混合し、任意に、結果として生じる混合物を磨砕し、顆粒の混合物を加工して、所望であれば、好適な補助剤を添加した後に、錠剤またはドラジェコアを得ることによって得ることができる。好適な賦形剤には、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、もしくはソルビトールを含む糖類;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、ガムトラガント、メチルセルロース、微小結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等のセルロース調製物;またはポリビニルピロリドン(PVPもしくはポビドン)またはリン酸カルシウム等のその他の材料等の充填剤が含まれる。所望であれば、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギニン酸もしくはアルギン酸ナトリウム等のその塩等の崩壊剤が添加されてもよい。
ドラジェコアには、好適なコーティングが提供される。この目的で、濃縮糖溶液が使用されてもよく、これは任意選択で、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有し得る。活性化合物用量の様々な組み合わせを特定するまたは特徴付けるために、色素材または顔料が錠剤またはドラジェコーティングに添加されてもよい。
経口で使用され得る医薬調製物には、ゼラチンで作製されるプッシュフィット(push−fit)カプセル、ならびにゼラチン及びグリセロールまたはソルビトール等の可塑剤で作製される密封軟カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは、ラクトース等の充填剤、デンプン等の結合剤、及び/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、及び任意選択で安定剤と混和した、活性成分を含有することができる。軟カプセル中で、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコール等の好適な液体中に溶解または懸濁させられ得る。それに加えて、安定剤が添加されてもよい。経口投与用の全ての製剤は、かかる投与に好適な投与量であるべきである。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される固体剤形は、錠剤、(懸濁液錠剤、即時溶解錠剤、咬合崩壊錠剤、迅速崩壊錠剤、発泡性錠剤、またはカプレットを含む)、丸剤、粉末(滅菌封入粉末、分与性粉末、または発泡性粉末を含む)、カプセル(軟または硬カプセルの両方を含む、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作製されたカプセル、または「スプリンクルカプセル」)、固体分散体、固溶体、生体浸食性剤形、徐放性製剤、パルス放出剤形、多粒子剤形、ペレット、顆粒、またはエアロゾルの形態であり得る。他の実施形態において、医薬製剤は、粉末の形態である。依然として他の実施形態において、医薬製剤は、即時溶解錠剤を含むが、これらに限定されない錠剤の形態である。さらに、本明細書に記載される医薬製剤は、単一のカプセルとしてまたは複数のカプセル剤形中で投与されてもよい。いくつかの実施形態において、医薬製剤は、2つ、または3つ、または4つのカプセルまたは錠剤中で投与される。
いくつかの実施形態において、固体剤形、例えば、錠剤、発泡性錠剤、及びカプセルは、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子を1つ以上の薬学的賦形剤と混合して、バルク配合物組成物を形成することによって調製される。これらのバルク配合物組成物を均一と称するとき、組成物が錠剤、丸剤、及びカプセル等の同等に有効な単位剤形へと容易に細分され得るように、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子が組成物全体にわたって均一に分散していることが意図される。個々の単位投与量もまた、経口摂取するとまたは希釈剤と接触すると崩壊する、フィルムコーティングを含み得る。これらの製剤は、慣習的な薬理技法によって製造され得る。
慣習的な薬理技法には、例えば、次の方法のうちの1つまたは組み合わせを含む:(1)乾燥混合、(2)直接圧縮、(3)粉砕、(4)乾式または非水性造粒、(5)湿式造粒、または(6)融合。例えば、Lachman et al.,The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(1986)を参照されたい。他の方法には、例えば、噴霧乾燥、パンコーティング、溶融造粒、造粒、流動床噴霧乾燥またはコーティング(例えば、Wursterコーティング)、接線コーティング(tangential coating)、上塗噴霧(top spraying)、錠剤化、押出等が含まれる。
本明細書に記載される薬学的固体剤形は、本明細書に記載される化合物、及び相溶性の担体、結合剤、充填剤、懸濁剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散化剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透増強剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、またはそれらの1つ以上の組み合わせ等の1つ以上の薬学的に許容される添加剤を含み得る。さらに他の態様において、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Edition(2000)に記載されるもの等の標準的コーティング手順を用いて、イブルチニブ及び/または抗癌剤の製剤の周囲にフィルムコーティングが提供される。別の実施形態において、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子のうちの一部または全てがマイクロカプセル封入されず、コーティングされていない。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な担体には、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼインナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラゲナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、微晶質セルロース、ラクトース、マンニトール等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な充填剤としては、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微晶質セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチセルロース(hydroxypropylmethycellulose)(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチセルロースフタレート(hydroxypropylmethycellulose)、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール等が含まれるが、これらに限定されない。
イブルチニブ及び/または抗癌剤の化合物を固体剤形マトリクスから可能な限り効率的に放出させるために、とりわけ剤形が結合剤で圧縮される場合には、崩壊剤が製剤中でしばしば使用される。崩壊剤は、水分が剤形中に吸収されるときの膨潤または毛管作用によって、剤形マトリクスの破裂の一助となる。本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な崩壊剤には、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプン等の天然デンプン、National 1551もしくはAmijel(登録商標)等のアルファ化デンプン、またはPromogel(登録商標)もしくはExplotab(登録商標)等のデンプングリコール酸ナトリウム、木材製品、メチル結晶質セルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka−Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース等のセルロース、または架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Ac−Di−Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロース等の架橋セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム等の架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドン等の架橋ポリマー、アルギニン酸等のアルギナートまたはアルギン酸ナトリウム等のアルギニン酸の塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)等の粘土、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、またはトラガント等のガム、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然スポンジ、界面活性剤、陽イオン交換樹脂等の樹脂、柑橘パルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わされたラウリル硫酸ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。
結合剤は、固体経口剤形製剤に凝集性を付与する。粉末充填カプセル製剤の場合、それらは、軟シェルカプセルまたは硬シェルカプセル中に充填され得るプラグ形成を補助し、錠剤製剤の場合、それらは、錠剤が圧縮後に無傷のままであることを確実にし、圧縮または充填工程の前に配合の均一性を確保する一助となる。本明細書に記載される固体剤形中の結合剤として使用するのに好適な材料には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Hypromellose USP Pharmacoat−603、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Aqoate HS−LF及びHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、及び微晶質セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、微晶質デキストロース、アミロース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、多糖酸、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、アルファ化デンプン、トラガント、デキストリン、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、モラセス、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、ラクトース等の糖、アカシア、トラガント、ガティガム、イサポールさやの粘液、ポリビニルピロリドン(例えば、ポビドン(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL−10、及びポビドン(登録商標)K−12)、カラマツアラボガラクタン(arabogalactan)、Veegum(登録商標)等の天然または合成ガム、ポリエチレングリコール、ロウ、アルギン酸ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。
一般に、20〜70%の結合剤レベルが、粉末充填ゼラチンカプセル製剤中で使用される。錠剤製剤中の結合剤使用量レベルは、直接圧縮、湿式造粒、ローラコンパクション、または、それ自体が中程度の結合剤として作用し得る充填剤等の他の賦形剤の使用量に左右されて変動する。製剤化に精通する者は、製剤に対する結合剤レベルを決定し得るが、錠剤製剤中で最大70%の結合剤使用量レベルが一般的である。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な滑沢剤または流動促進剤としては、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ナトリウムステアリルフマレート、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ロウ、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、Carbowax(商標)、PEG 4000、PEG 5000、PEG 6000等のポリエチレングリコールまたはメトキシポリエチレングリコール、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベへン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム、またはナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な希釈剤には、糖類(ラクトース、スクロース、及びデキストロースを含む)、多糖類(デキストレート及びマルトデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール、及びソルビトールを含む)、シクロデキストリン等が含まれるが、これらに限定されない。
「非水溶性希釈剤」という用語は、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、化工デンプン及び微晶質セルロース、及びマイクロセルロース(例えば、約0.45g/cm3の密度を有する、例えば、Avicel、粉末化セルロース)、ならびにタルク等の、医薬の製剤中で典型的に使用される化合物を表す。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な湿潤剤には、例えば、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、第四級アンモニウム化合物(例えば、Polyquat 10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムドクサート、トリアセチン、ビタミンE TPGS等が含まれる。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な界面活性剤には、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)等が含まれる。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な懸濁剤には、ポリビニルピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300〜約6000、または約3350〜約4000、または約7000〜約5400の分子量を有し得る)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、例えば、ガムトラガント及びガムアカシア、グアーガム、キサンタンガムを含むキサンタン等のガム、糖類、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系材料、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポビドン等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される固体剤形中で使用するのに好適な酸化防止剤には、例えば、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、及びトコフェロールが含まれる。
本明細書に記載される固体剤形中で使用される添加剤の間でかなりの重複があることを理解されたい。故に、上に列挙した添加剤は、本明細書に記載される固体剤形に含めることができる添加剤の種類を限定するのではなく、単なる例として解釈されるべきである。かかる添加剤の量は、所望される特定の特性に従って当業者が容易に決定することができる。
他の実施形態において、薬学的製剤の1つ以上の層が可塑化される。
例示として、可塑剤は一般に、高沸点の固体または液体である。好適な可塑剤は、コーティング組成物の0.01重量%〜約50重量%(w/w)で添加することができる。可塑剤には、ジエチルフタレート、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、及びヒマシ油が含まれるが、これらに限定されない。
圧縮錠剤は、上述の製剤のバルク配合物を圧密化することによって調製される固体剤形である。種々の実施形態において、口内で溶解するように設計される圧縮錠剤は、1つ以上の香味剤を含む。他の実施形態において、圧縮錠剤は、圧縮錠剤を包囲するフィルムを含む。いくつかの実施形態において、フィルムコーティングは、イブルチニブまたは第2の薬剤の製剤からの遅延放出を提供し得る。他の実施形態において、フィルムコーティングは、患者の服薬遵守を補助する(例えば、Opadry(登録商標)コーティングまたは糖コーティング)。Opadry(登録商標)を含むフィルムコーティングは、典型的に錠剤重量の約1%〜約3%の範囲である。他の実施形態において、圧縮錠剤は、1つ以上の賦形剤を含む。
例えば、上述のイブルチニブまたは第2の薬剤の製剤のバルク配合物をカプセルの内側に配置することによって、カプセルが調製されてもよい。いくつかの実施形態において、製剤(非水性懸濁液及び溶液)は、軟ゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態において、製剤は、標準ゼラチンカプセル、またはHPMCを含むカプセル等の非ゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態において、製剤は、スプリンクルカプセルに入れられ、ここにおいてカプセルは、そのまま飲み込まれ得るか、またはカプセルは開封され、内容物が接食前に食物に振りかけられ得る。いくつかの実施形態において、治療用量は、複数(例えば、2つ、3つ、または4つ)のカプセルに分割される。いくつかの実施形態において、製剤の全量がカプセル形態で送達される。
種々の実施形態において、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子、及び1つ以上の賦形剤は、乾式配合され、薬学的組成物を提供するのに十分な硬さを有する錠剤等の塊に圧縮され、それは、経口投与後、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分間未満、または約60分間未満で実質的に崩壊し、それによって製剤を胃腸液中に放出する。
別の態様において、剤形は、マイクロカプセル封入製剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の他相溶性材料が、マイクロカプセル封入材料中に存在する。例となる材料には、pH変更剤、浸食促進剤、消泡剤、酸化防止剤、香味剤、及び担体材料等の結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、滑沢剤、湿潤剤、及び希釈剤が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載されるマイクロカプセル封入剤に有用な材料には、イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかを他の非相溶性の賦形剤から十分に隔離する、イブルチニブ及び/または抗癌剤と相溶性の材料が含まれる。イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかの化合物と相溶性の材料は、インビボでイブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかの化合物の放出を遅延させるものである。
本明細書に記載される化合物を含む製剤の放出を遅延させるのに有用な例となるマイクロカプセル封入材料には、Klucel(登録商標)またはNisso HPC等のヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)、低置換ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L−HPC)、Seppifilm−LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)−E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824、及びBenecel MP843等のヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)、Methocel(登録商標)−A等のメチルセルロースポリマー、酢酸ステアリン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースAqoat(HF−LS、HF−LG、HF−MS)及びMetolose(登録商標)、E461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)−EC、Surelease(登録商標)等のエチルセルロース(EC)及びそれらの混合物、Opadry AMB等のポリビニルアルコール(PVA)、Natrosol(登録商標)等のヒドロキシエチルセルロース、Aqualon(登録商標)−CMC等のカルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースの塩(CMC)、Kollicoat IR(登録商標)、モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)等のポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールコポリマー、ポリエチレングリコール、化工食物デンプン、Eudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)L30D−55、Eudragit(登録商標)FS 30D Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)RD100、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)L12.5、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)NE30D、及びEudragit(登録商標)NE 40D等のアクリルポリマー及びアクリルポリマーのセルロースエーテルとの混合物、セルロース酢酸フタル酸、HPMC及びステアリン酸の混合物等のセピフィルム(sepifilm)、シクロデキストリン、ならびにこれらの材料の混合物が含まれるが、これらに限定されない。
さらに他の実施形態において、ポリエチレングリコール、例えば、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 1450、PEG 3350、及びPEG 800、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、及びトリアセチン等の可塑剤が、マイクロカプセル封入材料に組み込まれる。他の実施形態において、薬学的組成物の放出を遅延させるのに有用なマイクロカプセル封入材料は、USPまたはNational Formulary(NF)からのものである。なおも他の実施形態において、マイクロカプセル封入材料は、Klucelである。依然として他の実施形態において、マイクロカプセル封入材料は、methocelである。
イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかのマイクロカプセル封入化合物は、当業者に既知の方法によって製剤化され得る。かかる既知の方法には、例えば、噴霧乾燥プロセス、スピニングディスク−溶媒プロセス、ホットメルトプロセス、噴霧冷却法、流動床、静電塗装、遠心分離押出、回転懸濁液分離、液体−気体もしくは固体−気体界面での重合、圧力押出、または噴霧溶媒抽出浴が含まれる。これらに加えて、いくつかの化学的技法、例えば、複合コアセルベーション、溶媒蒸発、ポリマー−ポリマー不相溶性、液体媒体中での界面重合、インサイチュ重合、液中乾燥、及び液体媒体中での脱溶媒和もまた使用可能である。さらに、ローラコンパクション等の他の方法、押出/球状化、コアセルベーション、またはナノ粒子コーティングもまた使用され得る。
一実施形態において、イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかの化合物の粒子は、上述の形態のうちの1つへと製剤化される前にマイクロカプセル封入される。さらに別の実施形態において、粒子の一部または大部分が、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Edition(2000)に記載される手順等の標準的コーティング手順を用いることによって、さらに製剤化される前にコーティングされる。
他の実施形態において、イブルチニブ及び/または抗癌剤のうちのいずれかの化合物の固形投与量製剤は、1つ以上の層で可塑化(コーティング)される。例示として、可塑剤は一般に、高沸点の固体または液体である。好適な可塑剤は、コーティング組成物の0.01重量%〜約50重量%(w/w)で添加することができる。可塑剤には、ジエチルフタレート、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、及びヒマシ油が含まれるが、これらに限定されない。
他の実施形態において、イブルチニブ及び/または抗癌剤のうちのいずれかの化合物を有する製剤を含む粉末は、1つ以上の医薬賦形剤及び風味を含むように製剤化され得る。かかる粉末は、例えば、製剤及び任意選択的な医薬賦形剤を混合して、バルク配合物組成物を形成することによって、調製され得る。更なる実施形態はまた、懸濁剤及び/または湿潤剤も含む。このバルク配合物は、単位投与量包装物または複数投与量包装単位へと均一に細分される。
さらに他の実施形態において、発泡性粉末もまた、本開示に従って調製される。発泡性塩は、経口投与用に薬を水中に分散させるために使用されている。発泡性塩は、通常は重炭酸ナトリウム、クエン酸及び/または酒石酸からなる、薬品を含有する乾燥混合物としての顆粒または粗粉末である。本明細書に記載される組成物の塩が水に添加されるとき、酸と塩基とが反応して二酸化炭素ガス放出し、それによって「発泡」を引き起こす。発泡性塩の例としては、例えば、次の成分が挙げられる:重炭酸ナトリウム、または重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウム、クエン酸及び/もしくは酒石酸の混合物。成分が医薬的使用に好適であり、約6.0以上のpHをもたらす限り、二酸化炭素の放出をもたらす任意の酸−塩基の組み合わせが、重炭酸ナトリウムならびにクエン酸及び酒石酸の組み合わせの代わりに使用され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される固体剤形は、腸溶コーティングされた遅延放出経口剤形として、すなわち、腸溶コーティングを利用して胃腸管のうち小腸内での放出に影響を及ぼす、本明細書に記載される薬学的組成物の経口剤形として、製剤化され得る。腸溶コーティングされた剤形は、それ自体がコーティングされているか、またはコーティングされていない活性成分及び/または他の組成物構成成分の顆粒、粉末、ペレット、ビーズまたは粒子を含有する、圧縮または成型または押出された錠剤/型(コーティングされたまたはコーティングされていない)であり得る。腸溶コーティングされた経口剤形はまた、それ自体がコーティングされているか、またはコーティングされていない固体担体または組成物のペレット、ビーズまたは顆粒を含有する、カプセル(コーティングされたまたはコーティングされていない)でもあり得る。
本明細書で使用されるとき、「遅延放出」という用語は、放出が、遅延放出による変更が何もなかった場合に遂行されたであろう位置により遠位の、腸管内のいくらか概して予測可能な位置で遂行され得るような送達を指す。いくつかの実施形態において、放出を遅延させるための方法は、コーティングである。コーティング全体が約5未満のpHの胃腸液中では溶解しないが、pH約5以上では溶解するように、いずれのコーティングも十分な厚さに適用されるべきである。本明細書に記載される方法及び組成物において、pH依存性の溶解度プロファイルを呈する任意の陰イオン性ポリマーを腸溶コーティングとして使用して、下部胃腸管への送達を達成できることが予想される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリマーは、陰イオン性カルボキシルポリマーである。他の実施形態において、ポリマー及びそれらの相溶性混合物、ならびにそれらの特性のいくつかには、次のものが含まれるが、これらに限定されない:
昆虫の樹脂状分泌物から得られる精製産物である、精製ラックとも呼ばれるシェラック。このコーティングは、pH7超の媒体中で溶解する。
アクリルポリマー。アクリルポリマーの性能(主として生体液中でのそれらの溶解度)は、置換度及び置換の種類に基づいて異なり得る。好適なアクリルポリマーの例としては、メタクリル酸コポリマー及びアンモニウムメタクリレートコポリマーが挙げられる。EudragitシリーズE、L、S、RL、RS及びNE(Rohm Pharma)は、有機溶媒、水性分散体中の可溶化形態として、または乾燥粉末として入手可能である。EudragitシリーズRL、NE、及びRSは、胃腸管内で不溶性であるが、透過性であるため、主に結腸を標的とするのに使用される。EudragitシリーズEは、胃内で溶解する。EudragitシリーズL、L−30D及びSは胃内で不溶性であり、腸内で溶解する。
セルロース誘導体。好適なセルロース誘導体の例は、エチルセルロース、すなわち、セルロースの部分酢酸エステルと無水フタル酸との反応混合物である。性能は、置換度及び置換の種類に基づいて異なり得る。酢酸フタル酸セルロース(CAP)は、pH6超で溶解する。Aquateric(FMC)は、水性ベースの系であり、1μm未満の粒子を有する噴霧乾燥したCAP擬ラテックス(psuedolatex)である。Aquateric中の他の構成成分には、プルロニック、Tweens、及びアセチル化モノグリセリドが含まれ得る。他の好適なセルロース誘導体には、トリメリト酸酢酸セルロース(Eastman)、メチルセルロース(Pharmacoat、Methocel)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCS)、及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、AQOAT(Shin Etsu))が含まれる。性能は、置換度及び置換の種類に基づいて異なり得る。例えば、HP−50、HP−55、HP−55S、HP−55F等級等のHPMCPが好適である。性能は、置換度及び置換の種類に基づいて異なり得る。例えば、好適な等級のヒドロキシプロピルメチルセルロースには、pH5で溶解するAS−LG(LF)、pH5.5で溶解するAS−MG(MF)、及びより高いpHで溶解するAS−HG(HF)が含まれるが、これらに限定されない。これらのポリマーは、顆粒として、または水性分散体用の微粉末として提供される。酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)。PVAPはpH5超で溶解し、それは水蒸気及び胃液に対してはるかに透過性が低い。
いくつかの実施形態において、コーティングは、可塑剤、ならびに恐らくは、当該技術分野で周知の着色剤、タルク、及び/またはステアリン酸マグネシウム等の他のコーティング賦形剤を含有し得、また通常は含有する。好適な可塑剤には、トリエチルクエン酸(Citroflex 2)、トリアセチン(グリセリルトリアセテート)、アセチルトリエチルクエン酸(Citroflec A2)、Carbowax 400(ポリエチレングリコール400)、ジエチルフタレート、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、及びジブチルフタレートが含まれる。特に、陰イオン性カルボキシルアクリルポリマーは通常、10〜25重量%の可塑剤、とりわけジブチルフタレート、ポリエチレングリコール、トリエチルクエン酸及びトリアセチンを含有する。噴霧コーティングまたはパンコーティング等の慣習的なコーティング技法が、コーティングを適用するのに用いられる。コーティング厚は、腸管内の所望の局所送達部位に達するまで経口剤形が無傷のままであることを確実にするのに十分でなければならない。
コーティング材料を可溶化または分散させ、コーティング性能及びコーティング製品を向上させるために、可塑剤の他に着色剤、粘着防止剤、界面活性剤、消泡剤、滑沢剤(例えば、カルナウバロウ(carnuba wax)またはPEG)がコーティングに添加されてもよい。
他の実施形態において、イブルチニブ及び/または抗癌剤を含む、本明細書に記載される製剤は、パルス剤形を用いて送達される。パルス剤形は、制御された遅延時間の後の既定の時点で、または特定の部位で、1つ以上の即放性パルスを提供することが可能である。多くの他の種類の徐放性系が当業者に知られており、本明細書に記載される製剤と共に使用するのに好適である。かかる送達系の例としては、例えば、ポリアクリル酸及びポリグリコール酸、ポリ無水物(plyanhydride)及びポリカプロラクトン;多孔性マトリクス等のポリマーベース系、コレステロール、コレステロールエステル等のステロール及び脂肪酸を含む、脂質である非ポリマーベース系、またはモノ、ジ及びトリグリセリド等の中性脂肪;ヒドロゲル放出系;サイラスティック系;ペプチドベース系;慣習的な結合剤を使用したロウコーティング、生体浸食性剤形、圧縮錠剤等が挙げられる。例えば、Liberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms,2 Ed.,Vol.1,pp.209−214(1990)、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.751−753(2002)、米国特許第4,327,725号、同第4,624,848号、同第4,968,509号、同第5,461,140号、同第5,456,923号、同第5,516,527号、同第5,622,721号、同第5,686,105号、同第5,700,410号、同第5,977,175号、同第6,465,014号、及び同第6,932,983号を参照されたい。
いくつかの実施形態において、薬学的製剤は、本明細書に記載されるイブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子、及び対象への経口投与用の少なくとも1つの分散化剤または懸濁剤を含む、薬学的製剤が提供される。製剤は、懸濁用の粉末及び/または顆粒であり得、水と混和すると、実質的に均一な懸濁液が得られる。経口投与用の液体製剤剤形は、医薬的に許容される水性経口分散体、乳濁液、溶液、エリキシル、ゲル、及びシロップを含むが、これらに限定されない群から選択される水性懸濁液であり得る。例えば、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.754−757(2002)を参照されたい。加えて、液体剤形は、(a)崩壊剤、(b)分散化剤、(c)湿潤剤、(d)少なくとも1つの防腐剤、(e)粘度増強剤、(f)少なくとも1つの甘味剤、及び(g)少なくとも1つの香味剤等の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、水性分散体は、結晶質阻害剤をさらに含み得る。
本明細書に記載される水性懸濁液及び分散体は、少なくとも4時間、The USP Pharmacists’Pharmacopeia(2005 edition,chapter 905)において定義されるような、均一な状態に留まることができる。均一性は、組成物全体の均一性の決定に関して一致したサンプリング方法によって決定されるべきである。一実施形態において、水性懸濁液は、1分未満持続する物理的な撹拌によって、均一な懸濁液中に再懸濁させられ得る。別の実施形態において、水性懸濁液は、45秒未満持続する物理的な撹拌によって、均一な懸濁液中に再懸濁させられ得る。なおも別の実施形態において、水性懸濁液は、30秒未満持続する物理的な撹拌によって、均一な懸濁液中に再懸濁させられ得る。さらに別の実施形態において、均一な水性分散体を維持するのに撹拌は何ら必要でない。
水性懸濁液及び分散体において使用するための崩壊剤の例としては、デンプン、例えば、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプン等の天然デンプン、National 1551もしくはAmijel(登録商標)等のアルファ化デンプン、またはPromogel(登録商標)もしくはExplotab(登録商標)等のデンプングリコール酸ナトリウム、木材製品等のセルロース、メチル結晶質(methylcrystalline)セルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka−Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Ac−Di−Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロース等の架橋セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム等の架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドン等の架橋ポリマー、アルギニン酸等のアルギナートまたはアルギン酸ナトリウム等のアルギニン酸の塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)等の粘土、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、もしくはトラガント等のガム、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然スポンジ、界面活性剤、陽イオン交換樹脂等の樹脂、柑橘パルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わされたラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される水性懸濁液及び分散体に好適な分散化剤は、当該技術分野で知られており、例えば、親水性ポリマー、電解質、Tween(登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP、Plasdone(登録商標)として商業的に知られている)、及び例えば、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えば、HPC、HPC−SL、及びHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(例えば、HPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、及びHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース酢酸ステアリン酸、非晶質セルロース等の炭水化物系分散化剤、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(Plasdone(登録商標)、例えば、S−630)、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(別名:tyloxapol)、ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標)(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーである);ならびにポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)、別名:Poloxamine 908(登録商標)(プロピレンオキシドとエチレンオキシドとのエチレンジアミンへの逐次付加から誘導された四官能性ブロックコポリマーである(BASF Corporation,Parsippany,N.J.))が含まれる。他の実施形態において、分散化剤は、次の薬剤のうちの1つを含まない群から選択される:親水性ポリマー;電解質;Tween(登録商標)60または80;PEG;ポリビニルピロリドン(PVP);ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えば、HPC、HPC−SL、及びHPC−L);ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(例えば HPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、HPMC K100M、及びPharmacoat(登録商標)USP 2910(Shin−Etsu));カルボキシメチルセルロースナトリウム;メチルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチル−セルロース酢酸ステアリン酸;非結晶質セルロース;ケイ酸マグネシウムアルミニウム;トリエタノールアミン;ポリビニルアルコール(PVA);エチレンオキシド及びホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー;ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標)(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーである));またはポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)、別名:Poloxamine 908(登録商標))。
本明細書に記載される水性懸濁液及び分散体に好適な湿潤剤は、当該技術分野で知られており、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTweens(登録商標)、例えば、Tween 20(登録商標)及びTween 80(登録商標)(ICI Specialty Chemicals)等)、及びポリエチレングリコール(例えば、Carbowaxs 3350(登録商標)及び1450(登録商標)、及びCarbopol 934(登録商標)(Union Carbide))、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート、トリアセチン、ビタミンE TPGS、タウロコール酸ナトリウム、シメチコン、ホスホチジルコリン(phosphotidylcholine)等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される水性懸濁液または分散体に好適な防腐剤には、例えば、ソルビン酸カリウム、パラベン(例えば、メチルパラベン及びプロピルパラベン)、安息香酸及びその塩、ブチルパラベン等のパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチルアルコールまたはベンジルアルコール等のアルコール、フェノール等のフェノール系化合物、または塩化ベンザルコニウム等の四級化合物が含まれる。本明細書で使用される防腐剤は、微生物の成長を阻害するのに十分な濃度で剤形に組み込まれる。
本明細書に記載される水性懸濁液または分散体に好適な粘度増強剤には、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Plasdon(登録商標)S−630、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギナート、アカシア、キトサン及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。粘度増強剤の濃度は、選択される薬剤及び所望の粘度に左右されるであろう。
本明細書に記載される水性懸濁液または分散体に好適な甘味剤の例としては、例えば、アカシアシロップ、アセスルファムK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、バヴァリアン・クリーム、ベリー、ブラックカラント、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、樟脳、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、バブルガム、柑橘類、柑橘類ポンチ、柑橘類クリーム、コットンキャンディ、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、シクラメート、シラメート(cylamate)、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ショウガ、グリシルレチナート(glycyrrhetinate)、グリシリザ属(甘草)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハチミツ、イソモルト、レモン、ライム、レモンクリーム、モノアンモニウムグリチナート(glyrrhizinate)(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジン(neohesperidine)DC、ネオテーム、オレンジ、洋梨、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)粉末、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、ストロベリー、ストロベリークリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ(tutti fruitti)、バニラ、クルミ、スイカ、ワイルドチェリー、イチャクソウ、キシリトール、またはこれらの香味成分の任意の組み合わせ、例えば、アニス−メントール、チェリー−アニス、シナモン−オレンジ、チェリー−シナモン、チョコレート−ミント、ハチミツ−レモン、レモン−ライム、レモン−ミント、メントール−ユーカリ、オレンジ−クリーム、バニラ−ミント、及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、水性液体分散体は、水性分散体の体積の約0.001%〜約1.0%の範囲の濃度で甘味剤または香味剤を含み得る。別の実施形態において、水性液体分散体は、水性分散体の体積の約0.005%〜約0.5%の範囲の濃度で甘味剤または香味剤を含み得る。なおも別の実施形態において、水性液体分散体は、水性分散体の体積の約0.01%〜約1.0%の範囲の濃度で甘味剤または香味剤を含み得る。
上に列挙した添加剤に加えて、液体製剤はまた、水または他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤等の、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤も含み得る。例となる乳化剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチル炭酸、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート、コレステロール、コレステロールエステル、タウロコール酸、ホスホチジルコリン(phosphotidylcholine)、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油等の油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物等である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬製剤は、自己乳化薬物送達系(SEDDS)である。乳濁液は、1つの非混和性相の、通常は液滴の形態での別の相中の分散体である。一般に、乳濁液は、激しい機械的分散によって作り出される。乳濁液またはマイクロ乳濁液とは対照的に、SEDDSは、過剰の水に添加されたときに、いかなる外部の機械的分散または撹拌も用いることなく自発的に乳濁液を形成する。SEDDSの利点は、液滴を溶液全体に分散させるために穏やかな混合のみが必要とされることである。さらに、水または水相は、投与の直前に添加することができ、それにより不安定なまたは疎水性の活性成分の安定性が確保される。故に、SEDDSは、疎水性の活性成分の経口及び非経口送達のために有効な送達系を提供する。SEDDSは、疎水性の活性成分の生物学的利用能における改善を提供し得る。自己乳化剤形を生成する方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,858,401号、同第6,667,048号、及び同第6,960,563号を含むが、これらに限定されず、これらの文献の各々は参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
所与の添加剤が、当該分野の様々な専門家によってしばしば異なって分類されるか、またはいくつかの異なる機能のいずれかに対して一般的に使用されることから、本明細書に記載される水性分散体または懸濁液中で使用される上に列挙した添加剤の間で重複があることを理解されたい。故に、上に列挙した添加剤は、本明細書に記載される製剤に含めることができる添加剤の種類を限定するのではなく、単なる例として解釈されるべきである。かかる添加剤の量は、所望される特定の特性に従って当業者が容易に決定することができる。
鼻腔内製剤
鼻腔内製剤は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第4,476,116号、同第5,116,817号、及び同第6,391,452号に記載され、これらの文献の各々は参照により本明細書に具体的に組み込まれる。これらの技法及び当該技術分野で周知の他の技法に従って調製される、イブルチニブ及び/または抗癌剤を含む製剤は、ベンジルアルコールもしくは他の好適な防腐剤、フッ化炭素、及び/または当該技術分野で既知の他の可溶化剤もしくは分散化剤を用いて、食塩水中の溶液として調製される。例えば、Ansel,H.C.et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Sixth Ed.(1995)を参照されたい。好ましくはこれらの組成物及び製剤は、好適な無毒の医薬的に許容される成分と共に調製される。これらの成分は、経鼻剤形の調製の専門家に知られており、これらのうちのいくつかは、当該分野の標準的参考文献である、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY,21st edition,2005に見出すことができる。好適な担体の選択は、所望の経鼻剤形の厳密な性質、例えば、溶液、懸濁液、軟膏、またはゲルに大きく左右される。経鼻剤形は一般に、活性成分に加えて大量の水を含有する。pH調整剤、乳化剤もしくは分散化剤、防腐剤、界面活性剤、ゲル化剤、または緩衝剤ならびに他の安定剤及び可溶化剤等の少量の他の成分もまた存在し得る。経鼻剤形は、鼻腔分泌物と等張性であるべきである。
吸入による投与に関しては、本明細書に記載されるのは、エアロゾル、ミストまたは粉末としての形態にあってもよい。本明細書に記載される薬学的組成物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスの使用により、加圧パックまたは噴霧器からのからのエアロゾル噴霧提示の形態で好都合に送達される。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達するための弁を提供することによって決定され得る。本明細書に記載される化合物とラクトースまたはデンプン等の好適な粉末基剤との粉末ミックスを含有する、吸入器またはガス注入器において使用するための、単なる例としてゼラチン等でできた、カプセル及びカートリッジが製剤化されてもよい。
頬側製剤
当該技術分野で既知の多様な製剤を用いて、頬側製剤が投与されてもよい。例えば、かかる製剤としては、米国特許第4,229,447号、同第4,596,795号、同第4,755,386号、及び同第5,739,136号が含まれるが、これらに限定されず、これらの文献の各々は参照により本明細書に具体的に組み込まれる。それに加えて、本明細書に記載される頬側剤形は、剤形を頬側粘膜に付着させる機能も果たす生体浸食性(hydrolysable)ポリマー担体をさらに含み得る。頬側剤形は、既定の期間にわたって徐々に浸食するように製作され、そこにおいて送達が本質的に期間全体を通して提供される。当業者には理解されるであろうが、頬側薬物送達は、経口薬物投与で遭遇する欠点、例えば、緩徐な吸収、胃腸管に存在する流体による活性剤の分解、及び/または肝臓内での初回通過による不活性化を回避する。生体内分解性(加水分解性)ポリマー担体に関しては、所望の薬物放出プロファイルが損なわれず、かつ担体がイブルチニブ及び/または抗癌剤、ならびに頬側投与単位に存在し得る任意の他の構成成分と相溶性である限り、事実上いずれのかかる担体も使用され得ることが理解されよう。一般に、ポリマー担体は、頬側粘膜の湿式表面に付着する親水性(水溶性及び水膨潤性)ポリマーを含む。本明細書において有用なポリマー担体の例としては、アクリル酸ポリマー及びコ(co)、例えば、「カルボマー」として知られるものが挙げられる(B.F.Goodrichから得られ得るCarbopol(登録商標)は1つのかかるポリマーである)。他の構成成分もまた、本明細書に記載される頬側剤形に組み込まれてよく、崩壊剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、香味剤、着色剤、防腐剤等が含まれるが、これらに限定されない。頬側または舌下投与に関しては、組成物は、慣習的な様態で製剤化された錠剤、トローチ、またはゲルの形態をとってもよい。
経皮製剤
本明細書に記載される経皮製剤は、当該技術分野で記載された多様なデバイスを使用して投与されてもよい。例えば、かかるデバイスとしては、米国特許第3,598,122号、同第3,598,123号、同第3,710,795号、同第3,731,683号、同第3,742,951号、同第3,814,097号、同第3,921,636号、同第3,972,995号、同第3,993,072号、同第3,993,073号、同第3,996,934号、同第4,031,894号、同第4,060,084号、同第4,069,307号、同第4,077,407号、同第4,201,211号、同第4,230,105号、同第4,292,299号、同第4,292,303号、同第5,336,168号、同第5,665,378号、同第5,837,280号、同第5,869,090号、同第6,923,983号、同第6,929,801号、及び同第6,946,144号が含まれるが、これらに限定されず、これらの文献の各々は参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
本明細書に記載される経皮剤形は、当該技術分野で慣習的な、ある特定の医薬的に許容される賦形剤を組み込んでもよい。一実施形態において、本明細書に記載される経皮製剤は、少なくとも3つの構成成分、すわなち、(1)イブルチニブ及び抗癌剤の化合物の製剤、(2)浸透増強剤、及び(3)水性アジュバントを含む。それに加えて、経皮製剤は、限定されないが、ゲル化剤、クリーム及び軟膏基剤等の追加の構成成分を含み得る。
いくつかの実施形態において、経皮製剤は、吸収を増強し、経皮製剤の皮膚からの剥離を防止するための織物または不織裏打ち材をさらに含み得る。他の実施形態において、本明細書に記載される経皮製剤は、皮膚中への拡散を促進するために飽和または過飽和状態を維持することができる。
本明細書に記載される化合物の経皮投与に好適な製剤は、経皮送達デバイス及び経皮送達パッチを用いてもよく、ポリマーまたは接着剤中に溶解及び/または分散した親油性乳濁液または緩衝した水溶液であり得る。かかるパッチは、医薬品の継続的、拍動的、または必要に応じた送達用に構築され得る。依然としてさらに、本明細書に記載される化合物の経皮送達は、イオン泳動パッチ等の手段によって遂行することができる。さらに、経皮パッチは、イブルチニブ及び抗癌剤の制御送達を提供することができる。吸収速度は、速度制御膜を使用することによって、または化合物をポリマーマトリクスまたはゲル内に捕捉することによって、緩徐化することができる。それとは逆に、吸収増強剤を用いて、吸収を増加させることができる。吸収増強剤または担体は、皮膚の通過を補助するための医薬的に許容される吸収性溶媒を含み得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材を含む包帯、化合物を任意選択で担体と共に含有するリザーバ、任意選択で、化合物を宿主の皮膚に制御された既定の速度で長期間にわたって送達するための速度制御バリア、及びデバイスを皮膚に固定するための手段の形態である。
注射用製剤
筋肉内、皮下、または静脈内注射に好適な、イブルチニブ及び/または抗癌剤の化合物を含む製剤は、滅菌注射用溶液または分散体中への再構成のための、生理的に許容される滅菌水溶液または非水溶液、分散体、懸濁液または乳濁液、及び滅菌粉末を含んでもよい。水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレン−グリコール、グリセロール、クレモフォール等)、好適なそれらの混合物、植物油(オリーブ油等)及びオレイン酸エチル等の注射用有機エステルを含む、好適な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用によって、分散体の場合には求められる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。皮下注射に好適な製剤はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散化剤等の添加剤も含有し得る。微生物の成長の防止は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の、種々の抗菌剤及び抗真菌剤によって確実にすることができる。糖類、塩化ナトリウム等の等張剤を含むことも望ましい場合がある。注射用医薬剤形の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の、吸収を遅延させる薬剤の使用によってもたらすことができる。
静脈内注射に関しては、本明細書に記載される化合物は、水溶液中、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、または生理食塩水緩衝剤等の生理的に適合性の緩衝剤中に製剤化され得る。経粘膜投与に関しては、透過対象のバリアに適切な浸透剤が製剤中で使用される。かかる浸透剤は、当該技術分野で一般に知られている。他の非経口注射に関しては、適切な製剤は、好ましくは生理的に適合性の緩衝剤または賦形剤と共に、水溶液または非水溶液を含み得る。かかる賦形剤は、当該技術分野で一般に知られている。
非経口注射は、ボーラス注射または継続的輸注を伴い得る。注射用の製剤は、防腐剤の添加と共に、単位剤形に、例えば、アンプル中または複数回投与容器中に提示され得る。本明細書に記載される薬学的組成物は、油性または水性ビヒクル中の滅菌懸濁液、溶液または乳濁液として非経口注射に好適な形態にあってもよく、懸濁剤、安定剤及び/または分散化剤等の製剤化用の薬剤を含有してもよい。非経口投与用の医薬製剤は、水溶性形態での活性化合物の水溶液を含む。さらに、活性化合物の懸濁液が、適切な油性注射懸濁液として調製され得る。好適な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油等の脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストラン等の、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。任意選択で、懸濁液はまた、高度に濃縮された溶液の調製を可能にするために、好適な安定剤または化合物の溶解度を増加させる薬剤を含有してもよい。代替的に、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌発熱物質不含水と構成するために、粉末形態にあってもよい。他の製剤
ある特定の実施形態において、例えば、リポソーム及び乳濁液等の、薬学的化合物のための送達系が用いられ得る。ある特定の実施形態において、本明細書に提供される組成物はまた、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/ブチルアクリレートコポリマー、アルギン酸ナトリウム及びデキストランから選択される、粘膜付着性ポリマーも含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、局所投与されてもよく、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、香油、クリームまたは軟膏等の、多様な局所投与可能な組成物中に製剤化することができる。かかる医薬化合物は、可溶化剤、安定剤、等張性増強剤、緩衝剤及び防腐剤を含有し得る。
本明細書に記載される化合物はまた、ココアバターまたは他のグリセリド、ならびにポリビニルピロリドン、PEG等の合成ポリマー等の慣習的な坐剤基剤を含有する、浣腸剤、直腸ゲル、直腸発泡剤、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または停留浣腸剤等の直腸組成物中に製剤化されてもよい。坐剤形態の組成物中で、限定されないが、任意選択でココアバターと組み合わされた、脂肪酸グリセリドの混合物等の低溶融ロウがまず溶融する。
投薬及び治療レジメン
いくつかの実施形態において、抗癌剤と組み合わせて投与されるイブルチニブの量は、約10mg/日から最大約1000mg/日である。いくつかの実施形態において、投与されるイブルチニブの量は、約40mg/日〜70mg/日である。いくつかの実施形態において、1日当たり投与されるイブルチニブの量は、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、または約140mgである。いくつかの実施形態において、投与されるイブルチニブの量は、約40mg/日である。いくつかの実施形態において、投与されるイブルチニブの量は、約50mg/日である。いくつかの実施形態において、投与されるイブルチニブの量は、約60mg/日である。いくつかの実施形態において、投与されるイブルチニブの量は、約70mg/日である。いくつかの実施形態において、1日当たり投与されるイブルチニブの量は、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、約420mg、約440mg、約460mg、約480mg、約500mg、約520mg、約540mg、約560mg、約580mg、約600mg、約700mg、または約840mgである。いくつかの実施形態において、1日当たり投与されるイブルチニブの量は、約10mg未満、または約1000mg以上である。いくつかの実施形態において、イブルチニブは、毎日投与されない、すなわち、それは、隔日または断続的に投与され得る。
いくつかの実施形態において、イブルチニブと共に毎日投与されるパゾパニブ(、あたはその塩)の量は、約1mg〜約100mg、約200mg〜約800mg、約400mg〜約800mg、または約600mg〜約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約200mg〜約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約400mg〜約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約600mg〜約800mgである。いくつかの実施形態において、パゾパニブの1日用量は、約800mg以上である。
いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日3回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、1日4回投与される。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、毎日投与されない。いくつかの実施形態において、たとえ、イブルチニブ等のBTK阻害剤が特定の日(複数可)、すなわち、イブルチニブ休薬期間中に投与されないとしても、パゾパニブまたはパゾパニブの塩は、その特定の日(複数可)に投与され得る。いくつかの実施形態において、パゾパニブまたはその塩は、毎日投与されない。
いくつかの実施形態において、イブルチニブと組み合わせて毎日投与されるmTOR阻害剤(すなわち、エベロリムス)の量は、約1mg〜約50mg、約1.5mg〜約25mg、約2.0〜約20mg、約2.5〜約15mg、約3.0〜約10mg、または約5.0mg〜約7.5mgである。いくつかの実施形態において、イブルチニブと組み合わせて毎日投与されるmTOR阻害剤の量は、約2.0mg、約2.5mg、約3.0mg、約3.5mg、約3.5mg、約4.0mg、約4.5mg、約5.0mg、約5.5mg、約6.0mg、約6.5mg、約7.0mg、約7.5mg、約8.0mg、約8.5mg、約9.0mg、約9.5mg、約10.0mgである。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤の量は、約1mg未満または約10mg以上である。いくつかの実施形態において、たとえ、イブルチニブ等のBTK阻害剤が特定の日(複数可)、すなわち、イブルチニブ休薬期間中に投与されないとしても、mTOR阻害剤(すなわち、エベロリムス)は、その特定の日(複数可)に投与され得る。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤は、毎日投与されない。いくつかの実施形態において、投与されるmTOR阻害剤(すなわち、エベロリムス)の量は、1日当たり約10mgである。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤(すなわちエベロリムス)は、経口投与される。
いくつかの実施形態において、イブルチニブと組み合わせて毎日投与されるmTOR阻害剤(すなわち、シロリムス)の量は、約1mg〜約50mg、約1.5mg〜約25mg、約2.0〜約20mg、約2.5〜約15mg、約3.0〜約10mg、または約5.0mg〜約7.5mgである。いくつかの実施形態において、イブルチニブと組み合わせて毎日投与されるmTOR阻害剤の量は、約2.0mg、約2.5mg、約3.0mg、約3.5mg、約3.5mg、約4.0mg、約4.5mg、約5.0mg、約5.5mg、約6.0mg、約6.5mg、約7.0mg、約7.5mg、約8.0mg、約8.5mg、約9.0mg、約9.5mg、約10.0mgである。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤の量は、約1mg未満または約10mg以上である。いくつかの実施形態において、たとえ、イブルチニブ等のBTK阻害剤が特定の日(複数可)、すなわち、イブルチニブ休薬期間中に投与されないとしても、mTOR阻害剤(すなわち、シロリムス)は、その特定の日(複数可)に投与され得る。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤は、毎日投与されない。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤は、毎日投与されない。いくつかの実施形態において、投与されるmTOR阻害剤(すなわち、シロリムス)の量は、1日当たり約10mgである。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤(すなわち、シロリムス)は、経口投与される。
いくつかの実施形態において、投与されるパクリタキセルの量は、1週間当たり約40mg/m2〜約120mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるパクリタキセルの量は、1週間当たり約60mg/m2〜約100mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるパクリタキセルの量は、1週間当たり約80mg/m2である。パクリタキセルは、静脈内投与されてもよい。毎週のパクリタキセルの投与量は、その1週間の間に1度にまたは複数回投与されてもよい。いくつかの実施形態において、投与されるパクリタキセルの量は、1週間当たり約40mg/m2未満または約120mg/m2以上である。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、毎週投与されない、例えば、隔週または必要に応じて投与される。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、パクリタキセルは、投与されない。例えば、パクリタキセルに対して好適な置き換えは、投与されてもよく、例えば、別の好適なタキサンは、投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、投与されるドセタキセルの量は、3週間毎に約25mg/m2〜約125mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるドセタキセルの量は、3週間毎に約50mg/m2〜約100mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるドセタキセルの量は、3週間毎に約75mg/m2である。ドセタキセルは、静脈内投与されてもよい。ドセタキセルの投与量は、それが投与される週の間に1度にまたは複数回投与されてもよい。いくつかの実施形態において、3週間毎に投与されるドセタキセルの量は、約25mg/m2未満または約125mg/m2以上である。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、3週間毎に投与される、例えば、隔週、必要に応じてまたは断続的に投与される。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、ドセタキセルは、投与されない。例えば、ドセタキセルに対して好適な置き換えは、投与されてもよく、例えば、別の好適なタキサンは、ドセタキセルの代わりにまたはそれと組み合わせて投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、セツキシマブは、2つの異なる投与量で投与される。この点で、いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブの初期投与量は、投与されるセツキシマブのその後の投与量とは異なる。セツキシマブのこの初期投与量は、治療期間中1回のみ及び/または各サイクル中1回のみ投与されてもよい。初期投与量後に各投与量は、その後の投与量である。いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブの初期投与量は、約200mg/m2〜約600mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブの初期投与量は、約400mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブの初期投与量は、約200mg/m2未満または約600mg/m2以上である。いくつかの実施形態において、セツキシマブの初期投与量は、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブのその後の投与量はそれぞれ、1週間当たり約100mg/m2〜約400mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブのその後の投与量はそれぞれ、1週間当たり約250mg/m2である。いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブのその後の投与量はそれぞれ、1週間当たり約100mg/m2未満または約400mg/m2以上である。いくつかの実施形態において、セツキシマブのその後の投与量(複数可)は、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、投与されるセツキシマブのその後の投与量(複数可)は、投与されるセツキシマブの初期投与量と同じである。セツキシマブは、週1回、1週間に複数回、2週間に1回、必要に応じて、断続的に投与されてもよい。いくつかの実施形態において、セツキシマブは、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、セツキシマブは、投与されない。例えば、セツキシマブに対して好適な置き換えは、投与されてもよく、例えば、別の好適なEGFR阻害剤は、投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、投与レジメンは、サイクルで行われる。いくつかの実施形態において、各サイクルは、21日である。いくつかの実施形態において、各サイクルは、21日未満または21日以上である。例えば、各サイクルは、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日等であり得る。
いくつかの実施形態において、投与レジメンは、任意の数のサイクルで行われる。いくつかの実施形態において、投与レジメンは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12サイクルで行われ得る。いくつかの実施形態において、投与レジメンは、12サイクル超で行われる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される投与レジメンは、対象に、最長5年、4年、3年、2年、または1年の期間にわたって投与される。場合によっては、組み合わせ投与レジメン(regime)は、最大40サイクル、35サイクル、30サイクル、25サイクル、20サイクル、15サイクル、14サイクル、13サイクル、12サイクル、11サイクル、または10サイクルの期間中投与される。場合によっては、投与レジメンは、最大20サイクルの期間中投与される。場合によっては、投与レジメンは、最大15サイクルの期間中投与される。場合によっては、投与レジメンは、最大13サイクルの期間中投与される。場合によっては、投与レジメンは、最大12サイクルの期間中投与される。
いくつかの実施形態において、固形腫瘍は、再発性及び/または難治性である。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも1つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、対象は、少なくとも2つの先行療法を受けたことがある。いくつかの実施形態において、先行療法は、VEGF−TKIを含む。いくつかの実施形態において、先行療法は、シスプラチンを含む。いくつかの実施形態において、先行療法は、フルオロピリミジンレジメンを含む。いくつかの実施形態において、先行療法は、イリノテカン及びオキサリプラチン系レジメンを含む。いくつかの実施形態において、対象は、イリノテカン化学療法に耐性を示すことができない。
いくつかの実施形態において、腎細胞癌を患っている対象は、エベロリムスまたはテムシロリムスで治療されていない。いくつかの実施形態において、尿路上皮癌または胃腺癌を患っている対象は、タキサンで治療されていない。いくつかの実施形態において、結腸直腸癌または癌を患っている対象は、セツキシマブまたはパニツムマブで治療されていない。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、予防的、治療的、または維持療法のために投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、治療的用途のために投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、治療的用途のために投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、維持療法として例えば、寛解期の患者に投与される。
患者の状態が確かに改善する場合、医師の裁量に基づいて、化合物の投与は継続的に提供されてもよいか、代替的に、投与されている薬物(すなわち、BTK阻害剤、mTOR阻害剤、パゾパニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、及び/またはセツキシマブ)の用量は、ある特定の時間の長さにわたって一時的に低減または一時的に停止されてもよい(すなわち、「休薬日」)。休薬日の長さは、単なる例として、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、35日間、50日間、70日間、100日間、120日間、150日間、180日間、200日間、250日間、280日間、300日間、320日間、350日間、または365日間を含めて、2日間〜1年間の間で異なり得る。休薬日の間の用量低減は、単なる例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%を含めて、10%〜100%であり得る。
一旦患者の病態の改善が生じると、必要な場合、維持用量が投与される。その後、投与量もしくは投与頻度、またはこれらの両方が、症状の関数として、改善された疾患、障害または病態が保持されるレベルまで低減され得る。しかしながら、患者は、症状の何らかの再発時には、長期ベースの断続的治療を必要とする可能性がある。
かかる量に対応する所要の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の重症度、治療を必要とする対象または宿主の素性(例えば、体重)等の要因に応じて異なるであろうが、それにもかかわらず、例えば、投与されている具体的な薬剤、投与経路、及び治療されている対象または宿主を含む、症例を取り巻く特定の状況に従って、当該技術分野で既知の様態で通例通りに決定することができる。しかしながら、一般に、成人のヒトの治療に対して用いられる用量は典型的に、1日当たり0.02〜5000mg、または1日当たり約1〜1500mgの範囲内であろう。所望の用量は、好都合なことに、単回用量で、あるいは同時に(または短期間にわたって)または適切な間隔を置いて、例えば、1日当たり2回、3回、4回、もしくはそれよりも多くの部分用量として投与される分割用量として、提示され得る。
本明細書に記載される薬学的組成物は、厳密な投薬量の単回投与に好適な単位剤形にあってもよい。単位剤形において、製剤は、適切な量の1つ以上の化合物を含有する単位用量に分割される。単位投与量は、個別的な量の製剤を含有する包装の形態であり得る。非限定的な例は、包装された錠剤またはカプセル、及びバイアルまたはアンプル中の粉末である。水性懸濁液組成物は、単回用量の再封不可能な容器中に包装され得る。代替的に、複数回用量再封可能な容器を使用することができ、その場合、組成物中に防腐剤を含むことが典型的である。単なる例として、非経口注射用の製剤は、アンプルを含むがこれに限定されない単位剤形で、または防腐剤を添加した複数回用量容器中で提示され得る。
ある特定の実施形態において、本発明は、本明細書に記載される薬学的組成物または方法のうちのいずれかに関し、薬学的組成物または方法は、イブルチニブまたはその使用を含み、イブルチニブの単位投与量は、140mgのイブルチニブを含むカプセルである。
ある特定の実施形態において、本発明は、本明細書に記載される薬学的組成物または方法のうちのいずれかに関し、薬学的組成物または方法は、エベロリムスまたはその使用を含み、エベロリムスの単位投与量は、2.5mg、5mg、7.5mg、または10mgのエベロリムスを含む錠剤である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載される薬学的組成物または方法のうちのいずれかに関し、薬学的組成物または方法は、エベロリムスまたはその使用を含み、エベロリムスの単位投与量は、10mgのエベロリムスを含む錠剤である。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される薬学的組成物または方法のうちのいずれかに関し、薬学的組成物または方法は、パクリタキセルまたはその使用を含み、パクリタキセルの単位投与量は、5mL、16.7mL、または50mLのパクリタキセル溶液を含むバイアルであり、パクリタキセル溶液は、6mg/mLのパクリタキセルを含む。ある特定の実施形態において、パクリタキセル溶液は、527mg/mLの精製されたポリオキシル35ヒマシ油及び49.7%(v/v)の無水アルコール、USPをさらに含む。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される薬学的組成物または方法のうちのいずれかに関し、薬学的組成物または方法は、ドセタキセルまたはその使用を含み、ドセタキセルの単位投与量は、1mLまたは4mLのドセタキセル溶液を含むバイアルであり、ドセタキセル溶液は、20mg/mLのドセタキセルを含む。ある特定の実施形態において、ドセタキセル溶液は、50/50(v/v)比のポリソルベート80/無水アルコールをさらに含む。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される薬学的組成物または方法のうちのいずれかに関し、薬学的組成物または方法は、セツキシマブまたはその使用を含み、セツキシマブの単位投与量は、50mLまたは100mLのセツキシマブ溶液を含むバイアルであり、セツキシマブ溶液は、2mg/mLのセツキシマブを含む。ある特定の実施形態において、セツキシマブ溶液は、8.48mg/mLの塩化ナトリウム、1.88mg/mLのリン酸ナトリウム二塩基性七水和物、0.41mg/mLのリン酸ナトリウム一塩基性一水和物、及び注射用蒸留水、USPをさらに含む。
個々の治療レジメン(regime)に関する可変要素の数は多く、これらの推奨される値からのかなりの逸脱が異例ではないため、上述の範囲は単に示唆的なものである。かかる投与量は、使用される化合物の活性、治療対象の疾患または病態、投与様式、個々の対象の要件、治療されている疾患または病態の重症度、及び開業医の判断に限定されない、いくつかの可変要素に応じて変化させられ得る。
かかる治療レジメンの毒性及び治療有効性は、LD50(集団の50%に致死的な用量)及びED50(集団の50%において治療上有効な用量)の決定を含むが、これらに限定されない、細胞培養物または実験動物における標準的医薬手順によって決定され得る。毒性効果と治療効果との間の用量比が治療指標であり、それは、LD50とED50との間の比として表され得る。高い治療的指標を示す化合物が好ましい。細胞培養物アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトにおいて使用するための様々な投与量を製剤化する際に使用され得る。かかる化合物の投薬量は、好ましくは、最小限の毒性を伴うED50を含む、様々な循環濃度内にある。投与量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じてこの範囲内で異なり得る。
キット/製品
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される1つ以上の方法で用いるためのキット及び製品が、本明細書に開示される。かかるキットは、バイアル、チューブ等の1つ以上の容器を受け入れるように区画化され、この容器(複数可)の各々が本明細書に記載される方法において使用されるべき別個の要素のうちの1つを含む、担体、包装、または容器を含む。好適な容器には、例えば、瓶、バイアル、シリンジ、及び試験管が含まれる。一実施形態において、容器は、ガラスまたはプラスチック等の多様な材料から形成される。
本明細書に提供される製品は、包装材料を含む。薬学的包装材料の例としては、ブリスターパック、瓶、チューブ、バッグ、容器、瓶、ならびに選択された製剤ならびに意図される投与様式及び治療に好適な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、容器(複数可)は、本明細書に開示される、任意に組成物中にまたはmTOR阻害剤等の抗癌剤と組み合わされた、イブルチニブ、パゾパニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、またはセツキシマブを含む。かかるキットは、任意に、識別するための記述もしくはラベルまたは本明細書に記載される方法におけるその使用に関する説明書を含む。
キットは、典型的に、内容物を列挙したラベル及び/または使用説明書、ならびに使用説明書を含む添付文書を含む。説明書の一式もまた典型的に含まれるであろう。
一実施形態において、ラベルは、容器の上にあるかまたは容器と関連付けられる。一実施形態において、ラベルは、ラベルを形成する文字、数字または他の記号が容器自体に添付、型取りまたはエッチングされている場合には容器の上にあり得、ラベルは、それがレセプタクルまたは担体(これもまた容器を保持する)内に存在する場合には、例えば、添付文書として、容器と関連付けられる。一実施形態において、ラベルは、内容物が特定の治療用途に使用されるべきであることを表示するために使用される。ラベルはまた、本明細書に記載される方法において等で、内容物を使用することに関する指示を表示する。
ある特定の実施形態において、薬学的組成物は、本明細書に提供される化合物を含有する1つ以上の単位剤形を含有するパックまたはディスペンサデバイス中に提示される。パックは例えば、ブリスターパック等の、金属またはプラスチックホイルを含有する。一実施形態において、パックまたはディスペンサデバイスには、投与説明書が付属される。一実施形態において、パックまたはディスペンサにはまた、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって定められた形態で容器に関連付けられた注意書が付属され、この注意書は、ヒトまたは獣医学的投与に対する薬物の形態に関する機関による認可を反映するものである。かかる注意書は、例えば、処方薬物に対して米国食品医薬品局によって認可されたラベリング、または認可された商品添付文書である。一実施形態において、相溶性の薬学的担体中に製剤化された、本明細書に提供される化合物を含有する組成物はまた、望ましい病態の治療のために調製され、適切な容器に入れられ、ラベル付けされ得る。
これらの実施例は、例示的な目的のみで、本明細書に提供される特許請求の範囲を限定しないように提供される。
実施例1.同系RCCモデルにおけるmTOR阻害剤シロリムスと組み合わされたイブルチニブ
同系RCCモデルRencaは、この実験のために使用された。図1に示されるように、イブルチニブ及びシロリムスの組み合わせは、イブルチニブ単独及びシロリムス単独の相加効果に基づいて予測されたものと比較して、モデルにおける腫瘍体積の減少をもたらした。15日目の腫瘍体積を図3に示す。
実施例2.異種移植片RCCモデルにおけるmTOR阻害剤エベロリムスと組み合わされたイブルチニブ
ヒト腎臓癌細胞株786−0(RCC細胞)を、インビボ実験でこのために使用した。RCC細胞を、SCIDマウスに皮下移植した。これらのマウスを、4つの群に分離した。群1は、ビヒクル対照群であった。群2に、48mg/kgのイブルチニブを投与した。群3に、2mg/kgのエベロリムスを投与した。群4に、48mg/kgのイブルチニブ及び2mg/kgのエベロリムスの組み合わせを投与した。図2に示されるように、イブルチニブ及びエベロリムスの組み合わせは、イブルチニブ単独及びエベロリムス単独の相加効果に基づいて予測されたものと比較して、腫瘍体積の減少をもたらした。28日目の腫瘍体積を図4に示す。
実施例3.インビトロ細胞及び試薬での腎細胞癌におけるmTOR阻害剤と組み合わされたイブルチニブ
細胞株769−P、786−0、A498、ACHN、Caki−1、及びRENCAを、American Type Culture Collection(ATCC)から得、推奨されるように培養した。EGFR、pEGFR(Y1086)、HER2、Akt、pAkt(S473);pAkt(T308)、mTOR、p−mTOR、S6、pS6、ERK、pERK、MET、pMET、及びpBtk(Y223)への抗体を、Cell Signaling Technologyから得た。α−チューブリンへの抗体を、Santa Cruz Biotechnology,Incから得た。示されるように、pAkt(T308)は、アミノ酸残基T308でリン酸化されたAktタンパク質を指し、pAkt(S473)は、アミノ酸残基S473でリン酸化されたAktタンパク質を指す。
細胞増殖アッセイ:CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viabilityアッセイを、製造業者の取扱説明書に従って行った。つまり、細胞を、イブルチニブまたはmTOR阻害剤エベロリムスを添加する前に、96ウェルプレート中に8,000〜10,000細胞/ウェルで一晩播種した。イブルチニブ及びエベロリムスを、組み合わせて72時間添加した。培養物中の生存細胞の数は、検出された内腔シグナルに比例したATP提示の定量化によって決定された。図6A〜6Cに示されるように、イブルチニブは、腎臓癌細胞株769−P、ACHN、及びA498のエベロリムスの治療効果を高めた。
ウェスタンブロット:1×試料緩衝液(Invitrogen)中の全細胞溶解物は、4%〜12%のBis−Trisゲル上で電気泳動を行った。PVDF膜にタンパク質を移動した後、ブロットを、抗体によってプローブ付けし、シグナルを、Odyssey撮像装置(LI−COR Biosciences)を用いて検出した。対合マウス及びウサギ抗体を使用して、全タンパク質、及び対応するリン酸化タンパク質をプローブ付けした。様々なタンパク質において、EGF刺激/誘導を伴う及び伴わずに、イブルチニブ治療の効果が研究された。イブルチニブによる1時間の事前治療及びEGFによる10分間の刺激が行われた。図5A〜5Bに示されるように、イブルチニブは、EGF誘導性pEGFRを阻害するが、一方、腎臓癌細胞株A498、769−P、RENCA、及びACHNのpAkt及びpERKにおいて限定的な影響を示す。図7に示されるように、イブルチニブは、mTOR阻害剤エベロリムスと組み合わされたときに、769−P腎細胞癌細胞株において、pAkt(pAkt T308及びpAkt S473の両方)ならびにpERKをさらに阻害した。図8に示されるように、エベロリムスは、24時間の治療後にpAktの上方調節を誘導し、イブルチニブの添加は、エベロリムスによってpAkt(pAkt T308及びpAkt S473の両方)の上方調節を妨げ、ACHN腎臓癌細胞株において、pERKを阻害した。したがって、イブルチニブは、mTOR阻害剤単独の効果(すなわち、望ましくない効果)を緩和する。
実施例4.細胞成長阻害におけるイブルチニブ及びパゾパニブの組み合わせならびに腎臓癌細胞株におけるアポトーシスの効果。
細胞及び試薬:細胞株769−P、A498、Caki−1、及びACHNを、American Type Culture Collection(ATCC)から得、推奨されるように培養した。
細胞増殖アッセイ:CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viabilityアッセイを、製造業者の取扱説明書に従って行った。つまり、細胞を、イブルチニブまたはパゾパニブを添加する前に、96ウェルプレート中に8,000〜10,000細胞/ウェルで一晩播種した。イブルチニブ及びパゾパニブを、組み合わせて72時間添加した。培養物中の生存細胞の数は、検出された内腔シグナルに比例したATP提示の定量化によって決定された。図9A〜9Cに示されるように、イブルチニブ及びパゾパニブの組み合わせは、腎臓癌細胞株769−P、ACHN、及びA498の細胞成長阻害の増加をもたらした。類似のデータを、Caki−1細胞に対して得た。
アポトーシスアッセイ:細胞を、アネキシン−V/PIまたはPI/RNaseで染色し、アポトーシスを起こした細胞を、FACSCaliburフローサイトメーター(Becton Dickinson)を用いて定量化した。アネキシン−V陽性細胞またはsubG0細胞の数を、計数した。図10A〜10Cに示されるように、イブルチニブ及びパゾパニブの組み合わせは、腎臓癌細胞株769−P、ACHN、及びA498のアポトーシスの増加をもたらした。類似のデータを、Caki−1細胞に対して得た。
ウェスタンブロット:細胞溶解物を、一晩のインキュベーションのために異なる濃度のパゾパニブで処理したRCC細胞から調製した。目的とするタンパク質と相関する抗体を、検出のために使用した。図11A〜11Cに示されるように、パゾパニブと組み合わせて、イブルチニブは、pAkt及びpErkにおけるパゾパニブの阻害効果を増強した。
パゾパニブ5.786−0異種移植片及びRENCA同系モデルにおけるイブルチニブ及びmTOR阻害剤エベロリムスの組み合わせの投与後の腫瘍成長阻害。
異種移植片及び同系マウス腫瘍モデル:786−0細胞を、BALB/cヌードマウスに皮下移植し、RENCA細胞を、BALB/cマウスに皮下移植した。ビヒクル、イブルチニブ、エベロリムス、ならびにイブルチニブ及びエベロリムスの組み合わせによる処置は、786−0腫瘍が約170mm3に達したとき、RENCA腫瘍が約65mm3に達したときに開始した。イブルチニブ及び/またはエベロリムスを、786−0異種移植片:イブルチニブ(48mg/kg)及びエベロリムス(2、1、及び0.5mg/kg)、ならびにRENCA同系モデル:イブルチニブ(24mg/kg)及びエベロリムス(0.3mg/kg)の投与量で1日1回経口投与した。腫瘍を、ノギスで2回/週測定し、体積を、幅2×長さ×0.5の式を用いて決定した。図12A〜12Bに示されるように、イブルチニブは、786−0異種移植片及びRENCA同系モデルにおけるエベロリムスの腫瘍成長阻害の効果を増強した。同様の結果が、RENCAモデル(図1)におけるイブルチニブとシロリムスとの組み合わせに対して、得られた。
図1〜12Bに示されるように、(VHL変異状態に関係なく)腎臓癌細胞株において、イブルチニブ及びエベロリムスの組み合わせ、シロリムス、もしくはパゾパニブまたは動物モデルは、増強した効果を示した。イブルチニブは、EGFRの発現を阻害する及び/または軽減させることができる。さらに、イブルチニブは、エベロリムスによって誘導されたpAktの上方調節を妨げ得る。イブルチニブはまた、pAkt及び/またはpERKの阻害を増強し得る。
実施例6.FaDuヒト頭頸部異種移植片におけるイブルチニブ及びEGFR阻害剤セツキシマブの組み合わせの投与後の腫瘍成長阻害。
細胞及び試薬:細胞株FaDuを、American Type Culture Collection(ATCC)から得、推奨されるように培養した。
異種移植片及び同系マウス腫瘍モデル:FaDu細胞を、BALB/cヌードマウスに約5×106細胞/uLで皮下移植した。腫瘍サイズがおよそ120mm2に達したときに、マウスを、以下の投与量で、ビヒクル、イブルチニブ、セツキシマブ、またはイブルチニブ及びセツキシマブの組み合わせで処置した:(1)イブルチニブ単独:48mg/kgで1日1回、(2)セツキシマブ単独:1mg/kgで週に2回、(2)イブルチニブ及びセツキシマブの組み合わせ:イブルチニブを48mg/kgで1日1回、セツキシマブを1mg/kgで週に2回。図13に示されるように、FaDu異種移植片における腫瘍成長阻害は、組み合わせによって増強した。
実施例7.
異種移植片モデルは、実施例2及び5に記載されるものと同様である。イブルチニブ及びCGI−1746を、それぞれ、30及び100mg/kgで、各用量を単独でまたはエベロリムス(0.6mg/kg、1日1回)と組み合わせて、1日2回投与した。腫瘍成長の阻害を図14に示す。
実施例8.選択された進行性胃腸及び泌尿生殖器腫瘍におけるイブルチニブ併用療法の第1b/2相研究
適応:前処置した転移性腎細胞癌(RCC)、進行性尿路上皮癌、進行性胃(胃食道[GEJ]を含む)腺癌、及び転移性結腸直腸腺癌(CRC)。
療法:イブルチニブは、経口(PO)投与用の140mgの硬ゼラチンカプセルとして供給されよう。エベロリムスは、経口(PO)投与用の5mgまたは10mgの細長い錠剤として供給されよう。ドセタキセルは、静脈内(IV)投与用に希釈される0.3〜0.74mg/mLの最終濃度を生成するための液体濃縮物として供給されよう。
パクリタキセルは、静脈内(IV)投与用に希釈される0.3〜1.2mg/mLの最終濃度を生成するための液体濃縮物として供給されよう。セツキシマブは、静脈内(IV)投与用の100mg/50mLまたは200mg/100mLのバイアルとして供給されよう。
目的:
第1b相:
主要目的:
RCCにおけるエベロリムス、尿路上皮癌におけるパクリタキセル、胃腺癌におけるドセタキセル、CRCにおけるセツキシマブと組み合わされたイブルチニブの推奨される第2相の用量(RP2D)を決定すること。
第2の目的:
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法の全奏功率(ORR)を評価すること。
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法の安全性及び耐性を評価すること。
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法の疾患対照率(DCR)を評価すること。
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法の薬物動態(PK)を評価すること。
第2相:
主要目的:
●RCC及び尿路上皮癌におけるイブルチニブ併用療法の無増悪生存率(PFS)を評価すること。
●胃腺癌及びCRCにおけるイブルチニブ併用療法のORRを評価すること。
第2の目的:
●胃腺癌及びCRCにおけるイブルチニブ併用療法のPFSを評価すること。
●RCC及び尿路上皮癌におけるイブルチニブ併用療法のORRを評価すること。
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法のDCRを評価すること。
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法の平均全生存(OS)を評価すること。
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法の安全性及び耐性を評価すること。
試験目的:
●イブルチニブに基づいた療法に対する反応及び耐性のバイオマーカー分析
●各コホートにおけるイブルチニブ処置時のITK占有を評価すること。
●各コホートにおけるイブルチニブ併用療法の薬物動態(PK)を評価すること。
研究設計:これは、前処置のRCC、尿路上皮癌、胃腺癌、及びCRCを有する被験者におけるイブルチニブ併用療法の安全性及び有効性を評価するための非盲検の第1b/2相多施設試験である。この研究における各コホートは、組み合わせて異なる悪性腫瘍及び抗癌剤を評価し、独立及び並列な設計に続くであろう。
この研究は、主として、各コホートのRP2Dを決定するために、各抗癌剤と組み合わせて、イブルチニブの安全性を評価するための初期第1b相部分からなるであろう。
その後の第2相部分は、胃腸(GI)悪性腫瘍(胃腺癌及びCRC)に対してSimonのミニマックス2段階設計を用いて、泌尿生殖器(GU)悪性腫瘍(RCC及び尿路上皮癌)ならびにORRのためのPFS(組み込まれた中間分析を有する)の主要評価項目を評価するであろう。
第1b相
この研究の第1b相部分は、独立して、RCC、尿路上皮癌、胃腺癌、及びCRCの臨床的適応によって定義される4つの別々のコホートにおいて行われる。安全性及び用量制限毒性(DLT)の評価は、3+3+3設計における各用量レベルで3〜9人の被験者において評価されるであろう。各用量レベルで、DLT評価は、初めの3人の被験者において行われるであろう。3人のうちの1人の被験者は、第1の治療サイクル時にDLTを経験する場合、同じ用量レベルは、6人の被験者にまで拡大し、6人のうちの2人がDLTを経験する場合、同じ用量レベルは、9人の被験者にまで拡大するであろう。560mg/日の用量レベル(DL1)で、3人のうちの0人、6人のうちの1人、または9人のうちの2人の被験者(22%以下)が第1の治療サイクル時にDLTを経験する場合、840mg/日までの用量増加が生じるであろう。DL1(560mg/日)で、33%以上の被験者が、DLT(例えば、6人のうち2人超、または9人のうちの2人超の被験者)を経験する場合、用量は、420mg/日(用量レベル−1;DL−1)まで減少するであろう。840mg/日の用量レベル(DL2)のコホートで、被験者は、同様の様式で登録されよう。
RP2Dは、6〜9人の被験者が、用量減量(イブルチニブ及び併用療法の両方の)、治療制限毒性(DLT以外)、第1b相中に得られた利用可能な薬物動態データ及び毒性プロファイルを含む、データ全体に基づいてDLT観察期間を完了したときに決定されよう。RP2D用量レベルを決定するために、最低6人のDLTの評価が可能な被験者は、サイクル1の開始時の療法の開始後に、関連性のある抗癌剤と組み合わせて、イブルチニブでの少なくとも21日の治療を完了したと定義されるRP2D用量レベルで必要とされるであろう。
毎日の560mgのイブルチニブの開始用量は、4つの別々かつ並列のコホートにおいて、以下の腫瘍タイプにおいて特定の抗癌剤と組み合わせられよう:
●RCC:イブルチニブ+エベロリムス
●尿路上皮癌:イブルチニブ+パクリタキセル
●胃腺癌:イブルチニブ+ドセタキセル
●CRC:イブルチニブ+セツキシマブ
用量レベル審査委員会(DLRC)は、第2相部分への登録を継続する前に、RP2Dを決定するために、各コホートにおいて初期第1b相部分の完了時に安全性データを評価するであろう。
DLTは、DLT観察期間中(すなわち、サイクル1の開始時に併用療法の開始から21日後)に生じる任意のグレード3もしくはそれ以上の非血液学的またはグレード4の血液学的有害事象(AE)として定義され、以下の明確化による研究治療と少なくとも場合により関連すると考えられる:
グレード4 下痢及び嘔吐
グレード3 最大の医学的支持療法にもかかわらず、3日超持続する、吐き気、下痢、または嘔吐
グレード3 7日超持続する、疲労
グレード3 適切な臨床管理で改善しない注入反応
グレード3 適切な臨床管理で改善しない7日超持続する発疹
グレード4 (十分な成長因子支持にもかかわらず)7日超の持続期間の好中球減少症
グレード3 臨床的に有意な出血を伴う血小板減少症
グレード4 血小板減少症
研究の第1b相部分では、1つ以上の研究薬物を中止するか、またはサイクル1の開始時の療法の開始から21日以内に用量減少を必要とする被験者は、その中止がDLTと関連していない限り、交代されるであろう。サイクル1の開始時の療法の開始から21日以内にいずれかの研究薬物の定期的投与を1回以上休んだ被験者は、継続されよう。しかしながら、そのような被験者は、DLT評価が評価されず、DLT評価の目的に置き換えられよう。
サイクル1後に、全ての被験者は、受け入れ難い毒性または疾患の進行のどちらかが先に生じるまで治療されよう。
CT/MRIによる腫瘍評価は、6週間毎(2サイクル)に行い、RECIST 1.1ガイドラインに従って評価されよう。
RP2Dが各コホートに対して定義された後に、第2相における登録が開始されよう。
試験対象患者基準:
疾患関連
1.組織学的に確認された:
●RCC(明細胞)
●尿路上皮癌(移行細胞)
●胃またはGEJ腺癌
●K−RASまたはN−RAS野生型EGFRを発現するCRC
2.RECIST 1.1基準につき1つ以上の測定可能な病変
3.以下の事前基準に従わなければならない:
●転移性RCC:最低1及び最大4の事前レジメン、このうちの1つ以上は、VEGF−TKIを含まなければならない
●進行性(局所再発及び/または転移性)尿路上皮癌:最低1及び最大2の事前レジメン、このうちの1つは、シスプラチンに基づいたレジメンでなければならない
●進行性(局所再発及び/または転移性)胃またはGEJ腺癌:最低1及び最大3の事前レジメン、このうちの1つは、フルオロピリミジンに基づいたレジメンでなければならない
●転移性CRC:最低2及び最大4の事前レジメン、これは、イリノテカン及びオキサリプラチンの両方に基づいたレジメンを含まなければならないか、またはイリノテカン化学療法に対する耐性を示すことができない
4.各被験者は、癌のタイプに従って必要に応じて、エベロリムス、ドセタキセル、パクリタキセル、またはセツキシマブによる治療に好適な候補者であることを治験責任医師によって評価されなければならない。
5.妊娠の可能性のある女性の被験者は、研究薬物の第1の投与から3日以内に陰性血清または尿妊娠試験を有さなければならない。再生産の可能性がない(すなわち、月経が1年以上ないという経歴による閉経;子宮摘出のOR歴;両側卵管結紮術のOR歴;両側卵巣摘出術のOR歴)女性被験者は、この基準から免除される。
6.再生産の可能性がある男性及び女性被験者は、療法期間中ならびにイブルチニブ、エベロリムス、ドセタキセル、及びパクリタキセルの最終投与から90日間、セツキシマブの最終投与から6カ月間(全ての研究薬物のための6カ月間UKのみ)、完全な禁欲を行う、または避妊の極めて有効な方法(移植、注入物質、複合経口避妊薬、いくつかの避妊リング[IUD]、もしくは滅菌パートナー)及びバリア方法(例えば、コンドーム、子宮頸部リング、子宮頸部コンドーム、スポンジ)の両方を使用することに同意しなければならない。
実験室
7.(輸血及び成長因子と無関係である十分な血液学的機能は、ペグ化G−CSF(ペグフィルグラスチム)及びダルボポエチンを除いて、登録前に少なくとも7日間支持し、以下のように定義される登録前に少なくとも14日を必要とする:
●1500細胞/mm3(1.5×109/L)以上の絶対好中球数
●コホート1(RCC)において80,000細胞/mm3(80×109/L)超の血小板数
●コホート2(尿路上皮癌)及び3(胃腺癌)及び4(CRC)において100,000細胞/mm3(100×109/L)超の血小板数
●コホート1(RCC)、2(尿路上皮癌)、及び3(胃腺癌)において8.0g/dL以上のヘモグロビン
●コホート4(CRC)において9.0g/dL以上のヘモグロビン
8.十分な肝臓及び腎機能は、以下のように定義される:
●肝臓への転移の場合、正常上限(ULN)の5.0倍以下、または肝臓への転移のないULNの3倍以下の血清アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)及び/またはアラニントランスアミナーゼ(ALT)
●肝臓または骨への転移が存在する場合、ULNの3.0倍未満またはULNの5.0倍以下のアルカリホスファターゼ
●ドセタキセルが投与される場合の胃腺癌コホートにおける患者を除いて、ULN(ビリルビンの上昇がGilbert症候群によるまたは溶血等の非肝臓源によるものではない限り)の1.5倍以下のビリルビン、これらの患者は、正常範囲内(WNL)にビリルビンを有さなければならない。
●30mL/分(Cockcroft−Gault)以上の推定クレアチニンクリアランス
人口動態
9.18歳以上の男性及び女性
米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス0〜1。RCCまたはCRCを有する被験者において、2のECOGスコアは、医療モニターによって認可される場合、許容され得る。
除外基準
疾患関連
1.第1の投与から28日以内(ニトロソ尿素、マイトマイシンC、または抗体に基づいた療法に対して6週間)の抗癌治療(化学療法、抗体療法、分子標的療法、または治験薬)
2.以下による事前治療:
●エベロリムスまたはテムシロリムス(RCCコホート)
●任意のタキサン(尿路上皮癌コホート)
●任意のタキサン(胃腺癌コホート)
●セツキシマブまたはパニツムマブ(CRCコホート)
3.文書化された進行が放射治療後に生じない限り、測定可能な病変への事前放射線療法
4.これまでの放射線治療(グレード2以上の放射線療法関連の毒性の持続)、または研究期間中の計画された放射線療法からの回復がないこと
同時履行条件
5.サイクル1の1日目より前に7日以下完了した全身IV治療を必要とする任意の感染を含むいかなる制御されていない活性の全身感染症
6.他の悪性腫瘍の経歴、以下を除く:
●治療目的で治療され、研究薬物の第1の投与前に3年以上の間存在する原因不明の活動性疾患を有し、治験責任医師によって再発のリスクが低いと感じられる悪性腫瘍
●疾患の所見が見られない十分に治療された非黒色腫皮膚癌または悪性黒子
●疾患の所見が今のところ見られない十分に治療された上皮内癌
7.イブルチニブまたは他のBTK阻害剤による事前治療
8.ULNの1.5倍超のALT及び/またはASTならびにULN(胃腺癌コホートのみ)の2.5倍超のアルカリホスファターゼ
9.polysorbate 80またはCremophor(登録商標)EL(ポリオキシエチル化ヒマシ油)を含む、イブルチニブもしくは併用療法の任意の他の成分に対する既知のアレルギーまたは過感受性
10.有害事象共通用語規準(CTCAE、バージョン4.03)、グレード0または1に回復されていないとして定義される、事前抗癌剤治療から回復されていない毒性
11.既知の出血性障害(例えば、フォン・ヴィレブランド病)または血友病
12.グレード3以上の感覚性末梢神経障害
13.登録前に6カ月以内に卒中または頭蓋内出血の病歴
14.既知の脳または軟膜疾患(中枢神経系関与の臨床上の疑いの場合にのみ必要とされる脳のCTまたはMRIスキャン)
15.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)もしくはB型肝炎ウイルス(HBV)で活性な既知の病歴
B型肝炎コア抗体、B型肝炎表面抗原、またはC型肝炎抗体に陽性である患者は、登録前に陰性のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の結果を有さなければならない。PCR陽性である者は、除外されよう。
16.研究薬物の第1の投与から4週間以内の大手術
17.治験責任医師の意見において、被験者の安全性を脅かす、または研究成果を過度のリスクにさらし得る、任意の生命を脅かす病気、病状、または臓器系機能不全
18.ニューヨーク心臓協会心機能分類によって定義される、不整脈不良またはクラス3もしくは4の鬱血性心不全等の現在活性な臨床的に有意な循環器疾患;または登録前に6カ月以内の心筋梗塞、不安定狭心症、もしくは急性冠症候群の病歴
19.吸収不良症候群、消化管の機能に大きな影響を及ぼす疾患、または症候性炎症性腸疾患もしくは潰瘍性大腸炎、または部分的もしくは完全な腸閉塞
20.カプセル及び/または錠剤を飲み込むことができない
21.ワルファリンまたは他のビタミンK拮抗薬の併用
22.強力なシトクロムP450(CYP)3A4/5阻害剤による治療を必要とする
23.授乳中または妊娠
24.全ての必要とされる研究評価及び手順に関与しようとしないまたは関与することができない
研究の目的及びリスクを理解し、かつ署名及び日付のあるインフォームドコンセント用紙(ICF)ならびに保護された健康情報を使用する許可(国立及び地方対象プライバシー規制に従って)を提供することができない。
研究治療
治療の1サイクルは、21日の長さであり、関連する抗癌剤と組み合わせてイブルチニブの連日投与からなる。治療は、被験者が疾患の進行がなく、受け入れ難い毒性を経験していない限り継続するであろう。
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