JP2018509322A - 建築用ボード - Google Patents

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Abstract

本願は、木質繊維と、該木質繊維同士を結合してさらなる強度と耐水性とを付与するポリマーバインダー樹脂とを含む木質ファイバーボードを提供する。また、本願のファイバーボードは、耐熱・耐火成分である膨張性片状無機黒鉛およびケイ酸ナトリウムの配合により、不燃性および耐火性が付与されている。また、本願は、上記の無機黒鉛およびポリマー樹脂バインダーをファイバーボードに配合し、該ファイバーボード上に上記のケイ酸塩を塗布するための製造工程を提供する。

Description

本開示は、建築用ボード、特にファイバーボードに関する。
構造用および装飾用のファイバーボード(セルロース繊維ボード)は、通常木材を原料とした、リグノセルロース繊維の結着により成形される均質なパネルであり、その密度は10 lb/ft(160kg/m)より大きく31 lb/ft(497kg/m)未満である。ファイバーボードは、繊維を絡ませて結着させることにより得られる一体化された結合が特徴であり、この結合は、その後、製造過程において加熱・加圧段階を経ることで強固なものとなる。ファイバーボードには、製造過程で繊維以外の材料を加えてもよく、それにより特定の性能を向上させたパネルを製造することができる。例えば、周知のワックスを加えて耐水性を付与することや、周知の植物性デンプンを加えて繊維同士の結合を強化することができる。また、木製ファイバーボード製造の長い歴史において、経済的な建築用カバーボードとして利用可能で、断熱性や防音効果も付与する木質繊維ボードは、建築関連プロジェクトの多くのセクターにとって好適であることもよく知られている。例えば、ファイバーボードは取り付けが簡単で軽量であるため、内装用の壁材や外装用シージング材として用いることができる。このように、ファイバーボード製造の歴史において、これまでの多くの進歩があったが、現在の技術水準においてもなお、ファイバーボードには特有の重大な欠点がある。例えば、現在使用されている建築用ボードおよびファイバーボードに関しては、以下の問題が挙げられる。
1)木質ファイバーボードは、燃えやすい性質を有するため、現行の建築基準法の規定により、素地のままであってはならない。
2)木質ファイバーボードは、カビや有機腐食により湿気劣化を起こしやすいため、現行の建築基準法の要件を満たすためには処理を施す必要がある。
3)木質ファイバーボードは、構造安定性が求められる他の建築用カバーボードと比べて、一般的に強度が低い。
4)木質ファイバーボードは、組成上、表面が滑らかでなく、取扱時に繊維が剥がれやすかったり、標準的な取付作業中に軽く毛羽立ったりするため、塗装などの建築上の仕上げを施す対象としては不向きである。
ここ数年の間に、商品グレードのファイバーボードの代替材として、石膏ボード、配向性ストランドボード(OSB)、膨張ポリスチレン(EPS)、ポリイソシアヌレートボード(Polyiso)などが供給されるようになり、これらの代替材により、ファイバーボードの需要は減退している。例えば、北アメリカにおけるファイバーボードの生産能力は過去5年間で37.5%縮小している。しかし、これらの代替材にもそれぞれ問題があり、環境保全性に関しては、いずれもファイバーボードより劣っている。
本発明は、木質繊維と、該木質繊維同士を結合してさらなる強度および耐水性を付与するポリマーバインダー樹脂とを含む木質ファイバーボードであって、さらに耐熱・耐火成分である膨脹性片状無機黒鉛およびケイ酸ナトリウムの配合により不燃性が付与された木質ファイバーボードに関する。
本明細書に記載の発明は、均質なファイバーボード(セルロース繊維ボード)パネルの耐火性を実質的に向上させる方法であって、製造工程において特定の公知の膨張性成分およびバインダー成分を添加混合することによりファイバーボード組成物の性能において予想外の顕著な向上が得られる方法を開示する。実際、この予想外の性能向上により、通常、デンスグラスボード、石膏ボード、コンクリートボード(ドライウォール)などの周知の無機系建築用ボードでしか得られない耐熱性や耐火性に匹敵するレベルの性能が得られる。
上述した現在の技術水準における欠点に対処するために、ファイバーボード製造の現在の技術水準と考えられる標準的な製造方法において好ましい成分を添加混合することが可能な製造工程を開発すべく研究を行った。本研究において、下記の課題を検討した。
(a)さらなる強度と耐水性とを付与するために本願の製造工程に加えることができる水性ポリマーバインダーであって、上述のワックスおよびデンプンを用いる現行の従来技術と同様の方法および同様の段階で導入することができる水性ポリマーバインダー。
(b)ファイバーボード製造の現行の従来技術にも適合する公知の膨張剤および/または難燃剤。
(c)強度と耐火性を向上させるために無機ケイ酸ナトリウムを使用する、平滑で許容される表面に仕上げるためにファイバーボードの表面に施す表面処理の好ましい方法。
本願において、「ファイバーボード」と「建築用ボード」という用語は、同じ意味で用いてもよい。
以下、本発明の実施形態について、下記の図面を参照しながら説明する。
本願の一実施形態に係る建築用ボード製品を製造するための製造システムを示したブロック図である。
本願の一実施形態に係る建築用ボード製品を製造するための図1の製造システムの続きを示したブロック図である。
本願の一実施形態に係る、黒鉛の含有量が30重量%である建築用ボードをサンプルとして実大規模の壁燃焼試験を行った際の平均炉内温度を示したグラフである。
本願の一実施形態に係る、黒鉛の含有量が15重量%である建築用ボードをサンプルとして実大規模の壁燃焼試験を行った際の平均炉内温度を示したグラフである。
本願の建築用ボードをサンプルとして実大規模の壁燃焼試験を行った際の非加熱面の最高温度を示したグラフである。
本願の建築用ボードをサンプルとして実大規模の壁燃焼試験を行った際の非加熱面の平均温度を示したグラフである。
本願の建築用ボードをサンプルとして実大規模の壁燃焼試験を行った際の炉内圧力を示したグラフである。
従来のファイバーボードを熱試験に供した際の表面温度を示したグラフである。
ケイ酸塩コーティングを施したファイバーボードを熱試験に供した際の表面温度を示したグラフである。
本願の一実施形態に係る黒鉛含有ファイバーボードを熱試験に供した際の表面温度を示したグラフである。
本願の一実施形態に係る黒鉛含有ファイバーボードを熱試験に供した際の表面温度を示したグラフである。
本開示の第1の態様において、複数のリグノセルロース繊維と、耐火性の付与に適した量の膨張性無機黒鉛とを含有するファイバーボード組成物が提供される。前記リグノセルロース繊維は、木材や段ボール紙に由来するリグノセルロース繊維であってもよく、当業者に公知のその他の有機リグノセルロース繊維であってもよい。前記ファイバーボード組成物の構成要素である膨張性無機黒鉛は耐火性を付与する。この膨張性無機黒鉛は、約240℃未満で膨張しないものであってもよい。いくつかの実施形態において、この膨張性無機黒鉛は、約220℃未満で膨張しないものであってもよい。好適な膨張性無機黒鉛としては、Asbury Carbons社で製造され、Expandable Graphic Grade 1722HT(以前の製品番号はRD18702HT)の製品コードで販売されている膨張性黒鉛が挙げられる。一実施形態において、本願のファイバーボードは、15重量%〜30重量%の黒鉛を含有する。別の実施形態において、本願のファイバーボードの黒鉛含有量はさらに高くてもよく、例えば、黒鉛を最大60重量%まで含有することができる。本願のファイバーボードに含まれる黒鉛により、ファイバーボードの耐火性が向上する。例えば、本願のファイバーボードは、カナダ国家規格および国際規格が定める耐火性評価値を満たし、それを上回るものである。このような耐火性を有する本願のファイバーボードは、様々な産業や用途に用いることができ、例えば、建物の外装用シージング材として、また、住宅やビルの内装施工に用いることができる。
本願のファイバーボード組成物は、耐水性の付与に適した量の水性ポリマーバインダー樹脂をさらに含有していてもよく、様々な種類の水性ポリマーバインダー樹脂を用いることができる。例えば、前記水性ポリマーバインダー樹脂は、ラテックス、天然ゴム、グッタペルカ、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、有機多硫化物、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリビニルアセテート、ビニル−アクリル酸ポリマー、スチレン−アクリル酸ポリマーおよびその他のアクリル酸系ポリマー、ならびに当業者に公知のその他の水性ポリマーバインダー樹脂からなる群から選択されるものであってもよい。デンプン系バインダーの代わりに、このようなポリマーバインダー樹脂を用いることにより、より高強度のファイバーボードが提供される。このような高強度の本願のファイバーボード製品は、様々な産業において、ルーフィングシステム、外装用羽目板、防音材などの種々の用途に用いることができる。
本願のファイバーボード組成物は、耐火性の向上を目的として、ケイ酸塩をさらに含有していてもよい。ケイ酸塩は、約10%の水溶液であってもよい。また、ケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムからなる群から選択されるものであってもよい。
また、本明細書では、ファイバーボード(セルロースボード)製造の現在の技術水準において、公知の膨張性無機黒鉛粒子の配合、および公知の特定のポリマーバインダー調合物の添加混合を可能にする新規の製造工程も開示される。
所望の強度および耐水性の付与には、種々のポリマーバインダーが有効であることが明らかとなり、そのようなポリマーバインダーには、例えば、天然ゴム、グッタペルカ、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、有機多硫化物、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリビニルアセテート、ビニル−アクリル酸ポリマー、スチレン−アクリル酸ポリマーおよびその他のアクリル酸系ポリマーなどの分散液を含む、当該技術分野で周知のラテックスが幅広く含まれていた。所望の要件を満たすために必要な性能を付与するバインダーとしては、スチレンアクリル酸系のエラストマー類に属し、スチレンとメチルアクリル酸の比率が10/90〜20/80で、ガラス転移点が5℃以上であるバインダーが好ましいことが分かった。このようなバインダーは、米国テキサス州ガーランド所在のOna Polymers社により製造されている。このようなバインダーによる強度および耐水性の向上は、ファイバーボードの製造過程において、インラインプレス成形の直前に行われるパルプスラリーの調製中に、該パルプスラリーに直接毎分約2〜3ガロンでインライン添加することにより達成された。
また、APP、ジアンモニウム塩、モノアンモニウム塩、ホウ酸塩、ホウ酸などの種々の公知の難燃剤および種々の公知の無機膨張剤を検討したところ、ファイバーボード製造の現行の従来技術において容易に分散させることが可能な、Asbury Carbons社製の膨張性黒鉛およびPQ Corporation社製のケイ酸ナトリウムが本願に係る無機膨張剤として好ましいことが分かった。
本発明の方法で使用される木質繊維は、木材を再生処理するための慣用の方法により得られる。例えば、再生処理する木製品を切断して木材チップとした後、慣用の方法で処理して異物やその他の夾雑物を除去するといった処理方法が用いられる。慣用の異物除去方法においては、木材チップから金属性異物を除去するためにマグネット式ベルトコンベアを使用してもよい。次いで、木材チップを洗浄して処理するための慣用の方法を用いて、木材チップを処理してもよい。
図1に示すように、本願の建築用ボードを製造するための製造システム100の一実施形態が提供される。この実施形態において、システム100は、マシンチェスト102、定量供給ボックス104およびヘッドボックス108を含む。マシンチェスト102は、加工および/または処理により得られた木質繊維と水との混合物を含む(例えば、本明細書においては木材パルプスラリーとも称する)。製造過程において、マシンチェスト102に黒鉛が実質的に一定の速度で添加される。一定の速度で添加することにより、黒鉛が、木質繊維パルプと水との混合物と均一に混合され、均一な黒鉛・木質繊維混合物がヘッドボックス108に導入される。例えば、毎分10ポンドの定速で黒鉛をマシンチェスト102に導入してもよい。また、黒鉛をマシンチェスト102に手動で添加してもよく、何らかの自動システムまたは自動要素(図示外)により添加してもよい。別の実施形態においては、黒鉛を製造工程の別の段階で導入してもよく、例えば、ヘッドボックス108に導入してもよく、またマシンチェスト102よりも前の段階で導入してもよい。
マシンチェスト102内で混合して得られた黒鉛・木質繊維混合物は、ポンプ106により、定量供給ボックス104を経由してヘッドボックス108へと送られる。オーバーフロー分は、定量供給ボックス104によりマシンチェスト102に戻されて、再循環される。いくつかの実施形態においては、特定の色を有する最終製品が得られるように、黒鉛・木質繊維混合物に着色装置103を用いて着色料を添加する。また、希釈装置105により水をヘッドボックス108に供給して循環させることにより、含水率の高い混合物が得られる。
次いで、黒鉛・木質繊維混合物は、平坦なワイヤーメッシュ面を有する成形台110上に均一に広げられる。成形台110へのエントリーポイント(ヘッドボックス108内で水と混合した後)における黒鉛・木質繊維混合物の構成は、水分が99%程度、木質繊維と黒鉛が合計で1%程度となっている。黒鉛・木質繊維混合物は、成形台110に乗った状態で、複数のローラー118に向かって送られる。複数のローラー118に到達する前に、黒鉛・木質繊維混合物に含まれる水分は、成形台110のワイヤーメッシュを通して該混合物からろ去され、水管116に入る。また、成形台110に沿って配置された低真空吸引装置112と高真空吸引装置114によって、黒鉛・木質繊維混合物からさらに水分が除去されてもよい。低真空吸引装置112と高真空吸引装置114によって水分が除去された後の黒鉛・木質繊維混合物の構成は、水分が70%程度、木質繊維と黒鉛が合計で30%程度となっている。次いで、黒鉛・木質繊維混合物は、複数のローラー118を通って、所定の厚さになるように平坦化される。黒鉛・木質繊維混合物が成形台に乗って運ばれる間および該混合物が平坦化される間、オーバーヘッド真空吸引システム111によって、該混合物から水分が除去される。また、平坦化工程において、さらに水分が黒鉛・木質繊維混合物から除去されて、水管116へと流れ込む。平坦化工程を経た成形台110上の黒鉛・木質繊維混合物は、半硬質ボードの形態となる。この段階で、半硬質ボードに、コーティング噴霧装置126から供給される任意のコーティング剤が塗布されてもよい。この半硬質プレファイバーボードは、クロスカッター120により所定のサイズに裁断された後、乾燥システム200に送られ、ここで乾燥および硬化が行われる。この段階における半硬質プレファイバーボードの構成は、水分が48%程度、木質繊維と黒鉛が合計で52%程度となっている。余剰の黒鉛・木質繊維混合物は、パルパー122へと送られ、一時保管庫123に蓄えられる。
図2は、本発明の一実施形態において、図1に示したファイバーボードの製造システム全体の一部をなす乾燥システム200を示す。成形された半硬質ボードは、1以上のコンベア202上を流れて、1以上の乾燥機204へと送られる。乾燥機204によって、半硬質ファイバーボードに残存する水分の大半が除去される。乾燥機204によって相当量の水分が除去されるため、乾燥機204を経た乾燥後のファイバーボードの構成は、水分が5%程度、木質繊維と黒鉛が合計で95%程度となる。乾燥されたファイバーボードは、乾燥機204から1以上のコンベア205上に搬出される。その後、1以上の鋸切断機206により所定のサイズに裁断されてもよい。ファイバーボードは、任意のサイズのボードに裁断することができる。乾燥後のファイバーボードは裁断された後、コンベア208上を進みながら、最終処理を受ける。例えば、ファイバーボードの表面は、カレンダー装置210によって平滑加工されてもよく、ファイバーボードの表面は、コーティング装置212によってポリマーコーティングが施されてもよく、また、ファイバーボードの表面は、ラミネート装置214によってラミネート加工されてもよい。1以上の最終処理が施されて完成したファイバーボード製品は保管しておいてもよい。完成したファイバーボードは、概寸4フィート×8フィート×1/2フィートのボードに裁断されてもよい。ファイバーボードは、任意のサイズに裁断することが可能であり、また、完成したファイバーボードの厚さは、目的の最終用途に応じて異なっていてもよい。
検討実験中に、解決すべき多くの課題があった。
1.ポリマーバインダー
(a)水性ポリマーエマルジョンは、現行の製造方法に適合するものであったが、ポリマー中の界面活性剤は親水性という性質ゆえに耐水性に影響を及ぼす存在であったため、製造工程において、該界面活性剤を改質して架橋させる必要があった。したがって、ポリマーバインダーに、新規の独自の界面活性剤と架橋剤を添加する必要があり、該架橋剤として、ポリマーバインダー調合物を木質繊維に染み込ませた後、水分を蒸発させると反応し始めるFederal Process社製架橋剤WB31B(金属錯体)を用いた。界面活性剤の架橋により、親水力が失われ、溶媒を用いる系よりも優れた浸透深さが保持される。
(b)ポリマーバインダーが、アニオン性電荷を有するセルロース繊維と強い結合力で結合するためには、ポリマーバインダーを6以下のカチオン性pHに調整する必要があった。
(c)ポリマーバインダーは、木質繊維スラリーと混合させるために、マシンチェスト102に添加してもよく、ヘッドボックス108に添加してもよい。また、ポリマーバインダーは、製造工程の別の段階で添加してもよい。従来のバインダー(例えば、デンプン)の代わりに、ポリマーバインダーを使用することにより、より強固なファイバーボード製品が得られる。本願のファイバーボードは、強度特性の向上により、様々な産業において、従来のファイバーボードでは不可能であった種々の用途にも使用することが可能である。例えば、ある特定のレベルの構造強度、例えば、その上を歩行できるような構造強度が必要とされるルーフィング用途での使用が可能である。
(d)ファイバーボードに含まれるポリマーバインダーの割合(%)について、約0〜15%の範囲で検討した。
Figure 2018509322
表1.1は、バインダーとしてデンプンを含む従来のファイバーボードと、バインダーとしてポリマーを用いた本願のファイバーボードとを比較した表である。試験例のファイバーボード173G、174Iおよび174Hは、それぞれバインダーとしてデンプンを使用している。デンプンは可燃性の高い物質である。ファイバーボード173G、174Iおよび174Hにおける木質繊維および水分が占める割合(%)ならびにデンプンバインダーの重量はほぼ同じである。ファイバーボード173G、174Iおよび174Hの特徴としては、それぞれ用いたワックスの割合(%)が異なっており、173Gは0%、174Iは1.09%、174Hは3.70%である。ファイバーボードにワックスを用いることにより、2時間後および4時間後の吸水率が低減しており、ワックス含量が3.70%と最も高いファイバーボード174Hの2時間後および4時間後の吸水率は最も低い値を示している。
表1.1に示すように、本願のファイバーボード170Aおよび174Jは、バインダーとして上述したポリマーを使用している。ファイバーボード170Aおよび174Jにおけるポリマーバインダーの固形分、木質繊維、架橋剤WB31Bおよび水分が占める割合(%)ならびにポリマーバインダーの重量はほぼ同じである。ファイバーボード170Aおよび174Jの特徴としては、それぞれ用いたワックスの割合(%)が異なっており、170Aは0%、174Jは1.24%である。
いずれもワックス成分を含まない、従来のファイバーボード173Gと本願のファイバーボード170Aとを比較すると、ファイバーボードのバインダーとして、新規の独自の架橋剤WB31Bを含む本願のポリマーバインダーを用いた場合、吸水率(2時間後および4時間後)が大幅に低減することが分かる。例えば、従来のファイバーボード173Gの4時間後の吸水率は319.10%であるのに対し、本願のファイバーボード170Aの4時間後の吸水率は34.96%である。
本願のファイバーボード174Jは、ワックスが1.24%配合されており、この点でファイバーボード170Aとは異なっている。しかし、このワックスの配合による吸水率の顕著な減少は見られず、本願のファイバーボード174JAの4時間後の吸水率は33.21%であり、本願のファイバーボード170A(ワックス非含有)の4時間後の吸水率は34.96%である。
従来のファイバーボード173G、174Iおよび174Hは、デンプンバインダーを用いて作製したものであり、吸水率の低減を目的としてワックス成分が配合されている。しかし、ファイバーボードにデンプンとワックスを使用することで生じる問題の一つとして、いずれも可燃性が高い物質であることが挙げられる。本願のファイバーボードは、デンプンもワックスも使用せずに製造されるため、従来のファイバーボードより燃えにくい。また、デンプンバインダーの代わりに、ポリマーバインダーを用いて製造された本願のファイバーボードは、デンプンバインダーを用いた従来のファイバーボードよりも吸水率が低い。
2.膨張性黒鉛
(a)膨張性黒鉛は層間化合物として知られており、その膨張率および膨脹能力は温度勾配により決定される。したがって、膨張性黒鉛がある特定の臨界値に達した時点で速やかに膨張が起こることが望ましい。このような膨張が始まる温度は、通常150℃〜220℃の範囲である。しかし、ファイバーボードの製造においては、乾燥工程で240℃より高い温度に設定したオーブン204(図2)を通過させる必要がある。そこで、膨張性黒鉛のメーカーに膨張開始温度の高い黒鉛の製造を委託することが必要不可欠であった。炭素鉱物の採掘において世界トップレベルの企業であるAsbury Carbons社は、当社の要件を満たす新規の高温反応性黒鉛を製造することに成功し、現在、この高温反応性黒鉛は、Expandable Graphic Grade 1722HT(以前の識別コードはRD18702HTである)という商品名が付けられている。したがって、上記の課題は、膨張開始温度の高い膨張性黒鉛、特に1722HTを用いることによって解決された。表1.2は、Asbury Carbons社が販売する各種グレードの膨張性黒鉛製品の一般特性について、同社が提供しているデータを示したものである。前述した通り、本願にとって好ましい膨張性黒鉛のグレードは1722HTであり、その理由として、この膨張性黒鉛の膨張開始温度が非常に高いこと(220〜230℃)、およびこの膨張性黒鉛が240℃付近に設定される炉内温度で機能することが挙げられる。
Figure 2018509322
(b)膨張性黒鉛は液体ではなく固体であることから、ファイバーボードパネル全体に粒子を適切に分布させるために必要なフローをどの段階にどのようにして組み込むかという問題があった。様々なエントリーポイントを検討して、この課題を解決した。ファイバーボード製造の主要な成形加工ラインを通して、高容量撹拌による木質繊維スラリーの均一な分布が得られることから、好ましいエントリーポイントは、既存のヘッドボックス108であることが確認された。この段階で黒鉛を毎分10 lbsの速度で添加した場合に、極めて均一な粒子分布が観察された。いくつかの実施形態においては、ヘッドボックス108よりも前のマシンチェスト102に、黒鉛を一定の速度で添加する。ファイバーボードの製造工程において、本明細書に記載した通りに黒鉛を導入することによって、耐火性が向上したファイバーボード製品が得られる。
3.表面処理
ボード表面の表面処理は、乾燥機204から搬出された完成ボードにケイ酸ナトリウムの表面コーティングを施すことにより行われる(検討実験は、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムの両方を用いて行ったが、より低コストであるケイ酸ナトリウムを好ましい方法として選択した)。表面処理は、速やかにファイバーボードの表面に浸透する無機ケイ酸ナトリウムの10%水溶液(5%〜100%の範囲で10%より高濃度や低濃度の水溶液も検討したが、至適濃度は10%であった)をスプレーコーティングすることにより最適に行われた。その後、ボードはカレンダープレスローラー210へと送られ、塗装用途に適した平滑性が付与された。いくつかの実施形態においては、図2に示すように、ファイバーボードは先にカレンダープレスローラー210に送られ、その後、コーティング装置212により表面処理が行われる。高温(450°F〜500°F)加圧式の圧縮ローラーを更に使用することにより、ケイ酸ナトリウムの塗布効果が増強された。すなわち、ボード表面に平滑性が付与されるだけでなく、圧縮ローラーの使用により、溶剤である水が高温で瞬間的に揮発してケイ酸ナトリウムが硬化するため、滑らかなガラス様の外観が得られ、このガラス様の外観により、さらなる耐火性が付与された。この耐火性は、水ガラスとしても知られているケイ酸塩特有の化学的性質として周知である。
本願のファイバーボードが耐火性を有することを具体的に確認するために、実大規模の壁燃焼試験を行った。この試験には、天然パルプを原料とし、黒鉛、ポリマー樹脂バインダーおよびケイ酸塩コーティングを含むファイバーボードを用いた。第1のバッチのファイバーボードは、黒鉛の含有量が15重量%(例えば、製造過程において、黒鉛を毎分5 lbsの速度で添加してもよい)になるように製造され、第2のバッチのファイバーボードは、黒鉛の含有量が30重量%(例えば、製造過程において、黒鉛を毎分10 lbsの速度で添加してもよい)になるように製造された。
図3は、黒鉛の含有量が30重量%である第2のバッチのファイバーボードをCAN ULC S101−14による実大規模の壁試験に供した際の平均炉内温度のグラフである。図3において、X軸は、炉内温度(華氏)を示し、Y軸は、ファイバーボードが燃焼して破損状態に達するまでの時間の長さ(分)を示す。実大規模の壁燃焼試験において、ファイバーボードの破損状態とは、ファイバーボードの熱損失量がASTMの耐火基準を上回った時点を指す。図3に示すように、熱損失は35分後と40分後の2箇所で認められる。従来のファイバーボードを同様の実大規模の壁燃焼試験に供した場合は、5分以内に熱損失が起こることが想定される。したがって、本願のファイバーボードは、従来のファイバーボードより優れた耐火性を提供する。本願のファイバーボードの耐火性向上の一因として、製造過程でファイバーボードに黒鉛を添加したことが挙げられる。
図4は、黒鉛の含有量が15重量%である第1のバッチのファイバーボードをCAN ULC S101−14による実大規模の壁試験に供した際の平均炉内温度のグラフである。図に示すように、グラフ上、熱損失が25分後〜30分後に認められる。したがって、黒鉛の含有量が15重量%である第1バッチのファイバーボードと、黒鉛の含有量が30重量%である第2のバッチのファイバーボードの実大規模の壁燃焼試験結果を比較すると、ファイバーボードの黒鉛の含有量が高いほど、熱損失現象が起こるまでの時間が長くなり、ファイバーボードの耐火性が向上することが分かる。
図5は、本願の建築用ボードをサンプルとして、CAN ULC S101−14による実大規模の壁燃焼試験を行った際の非加熱面の最高温度を示したグラフである。
図6は、本願の建築用ボードをサンプルとして、CAN ULC S101−14による実大規模の壁燃焼試験を行った際の非加熱面の平均温度を示したグラフである。
図7は、本願の建築用ボードをサンプルとして、CAN ULC S101−14による実大規模の壁燃焼試験を行った際の炉内圧力を示したグラフである。
本願のファイバーボード(セルロース繊維ボード)は、その組成に高温で活性化される新規の膨張性黒鉛が含まれていることから、不燃性が付与されている。
また、本願のファイバーボード(セルロース繊維ボード)は、その組成にポリマーバインダーが含まれていることから、高い強度特性および耐水性を有する。
さらに、本願のファイバーボード(セルロース繊維ボード)は、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)による表面処理および圧縮処理が施されていることから、その表面は、ケイ酸ナトリウム由来の耐火性を有するとともに、平滑で塗装可能な状態にある。
本願のファイバーボードの耐熱性に対するケイ酸塩と黒鉛のそれぞれの単独効果と、両者の併用効果を確認するために、ファイバーボードサンプルに対して熱試験を行った。ベースラインとして、標準的な従来のファイバーボードに対しても熱試験を行った。いずれの熱試験においても、炉内温度は約1500°Fに維持された。図8〜11のグラフにおいて、ボードの非加熱面の表面温度が炉内温度を上回る点は、熱損失現象を示しており、熱曝露されているファイバーボードの破損点と考えられる。
図8は、従来のファイバーボードに対して行った熱試験の結果を示したものである。図に示すように、従来のファイバーボードの非加熱面の表面温度は、およそ2分弱で1400°Fをわずかに超えるまで急速に上昇し、ファイバーボードは破損状態に達した。
図9は、ケイ酸塩コーティングを施したファイバーボードに対して行った熱試験の結果を示したものである。前述した通り、ケイ酸塩コーティングは、ファイバーボードに耐火性を付与する。図9では、炉内温度は約1500°Fであるにもかかわらず、曝露開始から30分後の非加熱面の表面温度は約400°Fまでしか上昇していない。ケイ酸塩コーティングが施されたファイバーボードが破損状態に達したのは、約35〜40分後である。したがって、同じ炉内温度条件下で2分以内に破損状態に達した従来のファイバーボードの図8に示した熱試験結果と比較すると、ファイバーボードに施したケイ酸塩コーティングによって、耐熱性が向上していることが分かる。
図10は、本願において、黒鉛を所定の割合(%)で含むファイバーボードの熱試験の結果を示したものである。前述した通り、ファイバーボードの製造工程において、本願で提示したように黒鉛を配合することにより、ファイバーボードの耐火性が向上する。図10では、炉内温度は約1500°Fであるにもかかわらず、曝露開始から約35分後の非加熱面の表面温度は約400°Fまでしか上昇していない。黒鉛含有ファイバーボードが破損状態に達したのは、約40〜50分後である。したがって、同じ炉内温度条件下で2分以内に破損状態に達した従来のファイバーボードの図8に示した熱試験結果と比較すると、黒鉛を含有するファイバーボードは、耐熱性が向上していることが分かる。
図11は、本願において、黒鉛を所定の割合(%)で含むとともにケイ酸塩コーティングが施されたファイバーボードの熱試験の結果を示したものである。図11では、炉内温度は約1500°Fであるにもかかわらず、曝露開始から約45分後の非加熱面の表面温度は約400°Fまでしか上昇していない。ケイ酸塩コーティングが施された黒鉛含有ファイバーボードが破損状態に達したのは、約50〜55分後である。したがって、黒鉛の配合とケイ酸塩コーティングとを併用して作製されたファイバーボードは、図9(ケイ酸塩コーティングを施しただけのファイバーボード)および図10(例えば、黒鉛を配合しただけのファイバーボード)に示したいずれの試験例のファイバーボードよりも高い耐熱性を有する。また、同じ炉内温度条件下で2分以内に破損状態に達した従来のファイバーボードの図8に示した熱試験結果と比較しても、黒鉛の配合とケイ酸塩コーティングとを併用して作製されたファイバーボードは、耐熱性が顕著に向上している(例えば、熱曝露開始から50分後に破損する)ことが分かる。
さらに、標準仕様(例えば、ASTM 1.1.1規格に準ずる)の石膏ボードと本願のファイバーボードサンプルとを比較するために、種々の試験(例えば、熱伝導率、吸水度を確認する試験)を行った。これらの試験には、厚さ約5/8インチの本願のファイバーボードサンプルを用いた。また、撥水面を有する5/8”の石膏ボードサンプルに対しても同様の試験を行った。
表2.1および表2.2に、ASTM C518規格に準じて行った熱伝導率試験の結果を示す。表2.1は、上記石膏ボードの熱伝導率を示したものである。上記石膏ボードの熱抵抗を表すRSI値は0.08℃・m/Wであり、測定面積当たりの熱流量は12.45Wであり、熱伝導率評価値は、R=0.48であった。
Figure 2018509322
表2.2は、本願のサンプルファイバーボード(例えば、商標名「Starboard」のファイバーボード)の熱伝導性を示したものである。本願に記載の特性および性質を有するファイバーボード#7の熱抵抗を表すRSI値は0.29℃・m/Wであり、測定面積当たり熱流量は5.53Wであった。試験に用いたもう一方の本願のファイバーボード#8のRSIおよび熱流量も、ファイバーボード#7と同程度であった。ファイバーボード#7の熱伝導率評価値はR=1.63であり、ファイバーボード#8の熱伝導率評価値はR=1.59であった。
Figure 2018509322
よって、上記試験から、本願において製造されたファイバーボードは、石膏ボードに比べて耐熱性(例えば、RSIおよび熱流量)が向上していることが分かる。
表3.1、表3.2および表3.3は、ASTM D3285「非吸水性の紙および板紙の吸水度標準試験法(「コッブ試験」としても知られている)」に準じて、石膏ボードサンプル(表3.1)および本願のファイバーボードサンプル(表3.2および表3.3)に対して行った吸水度試験の結果を示したものである。表3.1に、石膏ボードサンプルのコッブ試験の結果を示す。石膏ボードの4時間の平均吸収量は773.64g/mであり、平均表面吸収率は3.24%であった。
Figure 2018509322
表3.2に、本願のファイバーボードサンプルのコッブ試験の結果を示す。本願のファイバーボードの2時間の平均吸収量は244.22g/mであり、平均表面吸収率は2.06%であった。
Figure 2018509322
表3.3に、本願のファイバーボードサンプルのコッブ試験の結果を示す。本願のファイバーボードの4時間の平均吸収量は303.57g/mであり、平均表面吸収率は2.72%であった。
Figure 2018509322
よって、上記試験から、本願において製造されたファイバーボードは、石膏ボードより吸収性および吸収特性(吸収量および表面吸収率(%))が低いことが分かる。
表4は、ASTM C209(セルロース繊維断熱ボードの標準試験法−第14章)規格に準じて行った浸水試験における、本願のファイバーボードサンプルによる吸収の結果を示したものである。表4に示すように、試験開始から2時間後の平均吸収率は6.81%である。
Figure 2018509322
また、本願のファイバーボードに対して、強度試験も行った。表5に、ASTM C208(第13章)規格に準じて行った引張強度試験の測定結果を示す。表5に示すように、ファイバーボードの表面に対して垂直方向の引張強度を測定したところ、平均の正味の強度は、620.67psf、281.53kgおよび29.72Kpaであった。
Figure 2018509322
表6.1および表6.2は、ASTM C209(第10章)規格に準じて行った曲げ強度試験における、本願のファイバーボードの測定結果を示したものである。表6.1に示すように、「M」サンプルの、ボードパネルの長辺に対して垂直方向の平均曲げ強度は28.50 lbfであり、「T」サンプルの、ボードパネルの長辺に対して垂直方向の平均曲げ強度もほぼ同程度で、27.83 lbfであった。2週間硬化させた後、再び曲げ強度を測定したところ、表6.2に示すように、「M」サンプルの平均曲げ強度が25.17 lbf、「T」サンプルの平均曲げ強度が24.70 lbfであり、両者の平均曲げ強度は同程度であった。一方、標準仕様(ASTM 1.1.1に準ずる)の石膏ボードの、ボードパネルの長辺に対して垂直方向の曲げ強度は23.5 lbfである。したがって、本願のファイバーボードは、石膏ボードより高い曲げ強度を有する。
Figure 2018509322
Figure 2018509322
本願のファイバーボードの平均密度を算出した。表7に示すように、ほぼ均一に5/8”の厚さを有するファイバーボードの平均乾燥重量は460.94gであり、平均密度は19.91 lbs/ftであった。

Figure 2018509322
以上、現時点で好ましい1以上の実施形態について例示的に説明したが、請求項に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形および修正が可能であることは当業者には明らかであろう。

Claims (23)

  1. 複数のリグノセルロース繊維と、耐火性を付与するための膨張性片状無機黒鉛とを含み、該膨張性片状無機黒鉛の含有量が10〜50重量%であるファイバーボード組成物。
  2. 耐火性を付与するための適量の水性ポリマーバインダー樹脂をさらに含む請求項1に記載のファイバーボード組成物。
  3. 耐火性を向上させるためのケイ酸塩をさらに含む請求項1または2に記載のファイバーボード組成物。
  4. 前記膨張性無機黒鉛が、約240℃未満で膨脹しないことを特徴とする、請求項1に記載のファイバーボード組成物。
  5. 前記水性ポリマーバインダー樹脂が、ラテックス、天然ゴム、グッタペルカ、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、有機多硫化物、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリビニルアセテート、ビニル−アクリル酸ポリマー、スチレン−アクリル酸ポリマーおよびその他のアクリル酸系ポリマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のファイバーボード組成物。
  6. 前記ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載のファイバーボード組成物。
  7. 前記ケイ酸塩が、約10%の水溶液であることを特徴とする、請求項3に記載のファイバーボード組成物。
  8. ファイバーボードの製造方法であって、
    −複数のリグノセルロース繊維と水とを含むパルプスラリーを調製すること、
    −前記パルプスラリーに、ファイバーボードに耐火性を付与するための膨張性無機黒鉛を添加すること、
    −前記パルプスラリーおよび前記膨張性無機黒鉛をプレスして、少なくとも1層のプレファイバーボード組成物を形成すること、
    −前記少なくとも1層のプレファイバーボード組成物を結着させて、プレファイバーボードを形成すること、
    ならびに
    −前記プレファイバーボードを乾燥させること
    を含む方法。
  9. ファイバーボードに耐水性および強度を付与するための水性ポリマーバインダー樹脂を前記パルプスラリーに添加することをさらに含む、請求項8に記載の、ファイバーボードの製造方法。
  10. ファイバーボードの耐火性を向上させるためのケイ酸塩で前記プレファイバーボードをコーティングすることをさらに含む、請求項8または9に記載の、ファイバーボードの製造方法。
  11. ファイバーボードの凹凸を抑えるために、前記プレファイバーボードをロールプレスすることをさらに含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の、ファイバーボードの製造方法。
  12. 前記膨張性無機黒鉛が、約240℃未満で膨脹しないことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  13. 前記膨張性無機黒鉛を、毎分約10 lbsの速度で添加することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  14. 前記水性ポリマーバインダー樹脂が、ラテックス、天然ゴム、グッタペルカ、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、有機多硫化物、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリビニルアセテート、ビニル−アクリル酸ポリマー、スチレン−アクリル酸ポリマーおよびその他のアクリル酸系ポリマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  15. 前記水性ポリマーバインダー樹脂を、毎分約2〜3ガロンの速度で前記パルプスラリーに添加することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  16. 前記ケイ酸塩コーティングが、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムからなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  17. 前記ケイ酸塩コーティングが、約10%の水溶液であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  18. 前記ロールプレスを約450〜500°Fで行うことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  19. 前記膨張性無機黒鉛の含有量が約30重量%である、請求項1に記載のファイバーボード組成物。
  20. 前記膨張性無機黒鉛の含有量が約15重量%である、請求項1に記載のファイバーボード組成物。
  21. 前記水性ポリマーバインダー樹脂の含有量が約1〜3%である、請求項1に記載のファイバーボード組成物。
  22. 本明細書に記載のファイバーボード。
  23. 本明細書に記載のファイバーボードの製造方法。
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