JP2018207321A - キャンセル装置、キャンセル方法、および無線通信装置 - Google Patents

キャンセル装置、キャンセル方法、および無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】受信品質の劣化を抑える。
【解決手段】キャンセル装置は、送信信号取得部222と、受信信号取得部232と、係数更新部227と、キャンセル信号生成部229と、判定部231と、初期化部230とを有する。送信信号取得部222は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する。受信信号取得部232は、複数の送信信号によって発生するPIM信号が含まれた受信信号を取得する。係数更新部227は、受信信号に含まれるPIM信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、複数の送信信号を用いて生成されたレプリカとに基づいて補正係数を更新する。キャンセル信号生成部229は、レプリカに補正係数を適用して、キャンセル信号を生成する。判定部231は、キャンセル信号が異常か否かを判定する。初期化部230は、キャンセル信号が異常であると判定された場合、補正係数を初期化する。
【選択図】図3

Description

本発明は、キャンセル装置、キャンセル方法、および無線通信装置に関する。
複数の無線通信装置は、互いに異なる周波数を用いて通信を行うことにより、相互に干渉することなく通信が可能である。また、FDD(Frequency Division Duplex)方式を用いた無線通信装置では、送信信号に用いられる周波数帯域と受信信号に用いられる周波数帯域とが異なるため、送信および受信を並行して行うことが可能である。また、キャリアアグリゲーション等のように、周波数が異なる複数のキャリアを用いて無線通信装置同士が通信する技術が知られている。
ところで、周波数が異なる複数の送信信号を用いて通信を行う場合、複数の送信信号が金属製の看板などの障害物に反射する等により相互変調され、相互変調信号が各無線通信装置において受信される場合がある。送信信号の周波数の配置によっては、相互変調信号の周波数が受信信号の周波数帯域である受信帯域に含まれる場合がある。相互変調信号の周波数と受信信号の周波数とが近い場合、フィルタ等によって相互変調信号を除去しきれず、無線通信装置において受信信号の品質が劣化する。
そこで、複数の送信信号から相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、生成されたキャンセル信号を受信信号に合成することにより、受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルすることなどが検討されている。例えば、ベースバンドの送信信号から相互変調信号のレプリカが近似的に生成され、生成されたレプリカに補正係数を乗じてキャンセル信号が生成される。そして、キャンセル信号と受信信号とが合成され、合成後の信号に含まれる相互変調信号の成分が小さくなるように、補正係数が更新される。
特表2009−526442号公報
ところで、無線通信装置には、電力増幅器の非線形性を補償するための歪補償装置が設けられる場合がある。歪補償装置は、電力増幅器に入力される前の送信信号に歪補償係数を乗算し、電力増幅器の出力波形と、歪補償係数が乗算される前の送信信号の波形との差が小さくなるように、歪補償係数を逐次更新する。
しかし、送信信号の電力の急激な変動や温度等の周辺環境の急激な変化等により、歪補償係数の更新が一時的に間に合わない場合がある。このような場合、電力増幅器から出力された送信信号と、歪補償係数が乗算される前の送信信号とは、異なる波形となる。そして、電力増幅器から出力された送信信号によって発生した相互変調信号が受信信号に重畳される。しかし、電力増幅器から出力された送信信号と、歪補償係数が乗算される前の送信信号とは異なる波形であるため、ベースバンドの送信信号から生成されたキャンセル信号によって、受信信号に重畳された相互変調信号をキャンセルすることが困難となる。例えば、ベースバンドの送信信号から生成されたキャンセル信号を受信信号に合成することにより、受信信号の品質を逆に劣化させてしまうことがある。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、受信品質の劣化を抑えることができるキャンセル装置、キャンセル方法、および無線通信装置を提供することを目的とする。
本願が開示するキャンセル装置は、1つの態様において、第1の取得部と、第2の取得部と、更新部と、生成部と、判定部と、初期化部とを有する。第1の取得部は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する。第2の取得部は、複数の送信信号によって発生する相互変調信号が含まれた受信信号を取得する。更新部は、受信信号に含まれる相互変調信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、複数の送信信号を用いて生成されたレプリカとに基づいて補正係数を更新する。生成部は、レプリカに補正係数を適用して、キャンセル信号を生成する。判定部は、キャンセル信号が異常か否かを判定する。初期化部は、判定部によってキャンセル信号が異常であると判定された場合、補正係数を初期化する。
本願が開示するキャンセル装置、キャンセル方法、および無線通信装置の1つの態様によれば、受信品質の劣化を抑えることができるという効果を奏する。
図1は、基地局装置の一例を示すブロック図である。 図2は、RE(Radio Equipment)の一例を示すブロック図である。 図3は、実施例1におけるキャンセル装置のプロセッサの機能の一例を示すブロック図である。 図4は、PIM信号の一例を説明する図である。 図5は、PIM信号の他の例を説明する図である。 図6は、基地局装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施例1における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、実施例1における異常判定処理の他の例を示すフローチャートである。 図9は、実施例2におけるキャンセル装置のプロセッサの機能の一例を示すブロック図である。 図10は、実施例2における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、実施例3におけるキャンセル装置のプロセッサの機能の一例を示すブロック図である。 図12は、実施例3における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本願が開示するキャンセル装置、キャンセル方法、および無線通信装置の実施形態について、実施例毎に図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施例により開示の技術が限定されるものではない。また、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[基地局装置10]
図1は、基地局装置10の一例を示す図である。基地局装置10は、REC(Radio Equipment Control)11、キャンセル装置20、およびRE15を有する。なお、図1に示す基地局装置10は、1つのRE15を有するが、基地局装置10は、複数のRE15を有し、それぞれのRE15がキャンセル装置20を介してREC11に接続されていてもよい。基地局装置10は、無線通信装置の一例である。
REC11は、ベースバンド処理を実行し、送信データを含むベースバンドの送信信号をキャンセル装置20へ送信する。また、REC11は、受信データを含むベースバンドの受信信号をキャンセル装置20から受信し、受信した受信信号に対してベースバンド処理を実行する。具体的には、REC11は、プロセッサ12、メモリ13、およびインターフェイス14を有する。
プロセッサ12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはDSP(Digital Signal Processor)等を備え、RE15から送信される送信信号を生成する。本実施例では、RE15は2本のアンテナ16および17を有し、アンテナ16および17のそれぞれから互いに異なる周波数f1およびf2で送信信号を送信する。プロセッサ12は、RE15の2本のアンテナ16および17のそれぞれから送信される送信信号Tx1およびTx2を生成する。送信信号Tx1は、例えば周波数f1で送信され、送信信号Tx2は、例えば周波数f2で送信される。また、プロセッサ12は、RE15によって受信された受信信号から受信データを得る。
また、プロセッサ12は、送信信号および受信信号に関する情報を含む信号情報をキャンセル装置20へ送信する。信号情報には、送信信号Tx1、送信信号Tx2、および受信信号の周波数、ならびに、各信号の帯域幅等の情報が含まれる。
メモリ13は、例えばRAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)等を備え、プロセッサ12が処理を実行するために使用する情報を記憶する。
インターフェイス14は、例えば光ファイバ等のケーブルを介してキャンセル装置20と接続される。インターフェイス14は、キャンセル装置20へ送信信号および信号情報を送信し、キャンセル装置20から受信信号を受信する。インターフェイス14からキャンセル装置20へ送信される送信信号には、上述した送信信号Tx1およびTx2が含まれる。
キャンセル装置20は、REC11とRE15との間に接続される。キャンセル装置20は、REC11からRE15へ送信される送信信号および信号情報を中継する。また、キャンセル装置20は、RE15からREC11へ送信される受信信号を中継する。また、キャンセル装置20は、送信信号Tx1およびTx2に基づいて、送信信号Tx1およびTx2の相互変調によって発生した相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、受信信号にキャンセル信号を合成する。なお、以下では、相互変調信号をPIM(Passive InterModulation)信号と記載する。また、本実施例では、RE15から送信された送信信号Tx1およびTx2が歪み発生源に照射されてPIM信号が発生し、発生したPIM信号の周波数がRE15の受信帯域に含まれるものと仮定する。キャンセル装置20は、受信信号にキャンセル信号を合成することにより、送信信号Tx1およびTx2の相互変調によって発生するPIM信号を受信信号からキャンセルする。具体的には、キャンセル装置20は、インターフェイス21、プロセッサ22、インターフェイス23、およびメモリ24を有する。
インターフェイス21は、例えば光ファイバ等のケーブルを介してREC11と接続される。インターフェイス21は、REC11のインターフェイス14から送信信号および信号情報を受信する。また、インターフェイス21は、RE15によって受信された受信信号をREC11のインターフェイス14へ送信する。
プロセッサ22は、例えばCPU、FPGA、またはDSP等を備え、インターフェイス21によって受信された送信信号および信号情報に基づいて、PIM信号をキャンセルするためのキャンセル信号を生成する。また、プロセッサ22は、インターフェイス23によって受信された受信信号にキャンセル信号を合成し、受信信号に含まれるPIM信号をキャンセルする。プロセッサ22の機能の詳細については、後述する。
メモリ24は、例えばRAMまたはROM等を備え、プロセッサ22が処理を実行するために使用する情報を記憶する。すなわち、メモリ24は、例えばプロセッサ22がキャンセル信号を生成する際に使用するパラメータなどを記憶する。
インターフェイス23は、例えば光ファイバ等のケーブルを介してRE15と接続される。インターフェイス23は、REC11から送信された送信信号および信号情報をRE15へ送信し、RE15によって受信された受信信号をRE15から受信する。インターフェイス23からRE15へ送信される送信信号には、上述した送信信号Tx1およびTx2が含まれる。インターフェイス23がRE15から受信する受信信号には、周波数f1の送信信号および周波数f2の送信信号の相互変調によって発生したPIM信号が含まれている。
RE15は、例えば光ファイバ等のケーブルを介してキャンセル装置20に接続される。RE15は、キャンセル装置20から送信された送信信号および信号情報を受信する。そして、RE15は、キャンセル装置20から受信した送信信号Tx1およびTx2をディジタル信号からアナログ信号に変換する。そして、RE15は、信号情報に基づいて、送信信号Tx1およびTx2を、それぞれ所定の周波数f1およびf2にそれぞれアップコンバートする。そして、RE15は、アップコンバートされた送信信号Tx1およびTx2を増幅する。そして、RE15は、増幅された送信信号Tx1およびTx2を、2本のアンテナ16および17のそれぞれから空間に送信する。
本実施例において、RE15は、送信信号Tx1およびTx2を増幅する電力増幅器と、当該電力増幅器の非線形性を補償するための歪補償装置とを有する。なお、RE15は、キャンセル装置20から受信したベースバンド信号のピーク電力を抑圧するCFR(Crest Factor Reduction)回路等を有してもよい。
また、RE15は、アンテナ16および17を介して受信した受信信号を増幅する。そして、RE15は、信号情報に基づいて、増幅された受信信号の中の所定の周波数帯域の受信信号をベースバンドにダウンコンバートする。そして、RE15は、ダウンコンバートされた受信信号をアナログ信号からディジタル信号に変換してキャンセル装置20へ出力する。RE15からキャンセル装置20へ出力される受信信号には、上述した周波数f1の送信信号および周波数f2の送信信号の相互変調によって発生したPIM信号が含まれている。RE15は、送信部および受信部の一例である。また、図1に例示されたRE15には、2本のアンテナ16および17が設けられるが、RE15には3本以上のアンテナが設けられてもよい。また、図1に例示された基地局装置10は、1つのRE15を有するが、基地局装置10は2つ以上のRE15を有してもよい。
[RE15]
図2は、RE15の一例を示すブロック図である。RE15は、インターフェイス151、無線部150−1、および無線部150−2を有する。本実施例において、無線部150−1は、アンテナ16に接続され、無線部150−2は、アンテナ17に接続される。インターフェイス151は、キャンセル装置20から出力された送信信号および信号情報を、無線部150−1および150−2のそれぞれへ出力する。インターフェイス151は、例えば、キャンセル装置20から出力された送信信号Tx1および信号情報を無線部150−1へ出力し、キャンセル装置20から出力された送信信号Tx2および信号情報を無線部150−2へ出力する。
無線部150−1は、ディジタル信号処理部152、CFR部153、歪補償部154、DAC(Digital to Analog Converter)155、周波数変換部156、PA(Power Amplifier)157、分配器158、およびデュプレクサ159を有する。また、無線部150−1は、周波数変換部160、ADC(Analog to Digital Converter)161、LNA(Low Noise Amplifier)162、周波数変換部163、およびADC164を有する。PA157は、送信信号を増幅する電力増幅器の一例である。図2では、アンテナ16に接続される無線部150−1の内部構成が例示されているが、アンテナ17に接続される無線部150−2の内部構成も同様であるので、その説明を割愛する。
ディジタル信号処理部152は、インターフェイス151から出力された送信信号に対して、サンプリングレート変換とフィルタリング処理とを行う。また、ディジタル信号処理部152は、ADC164から出力された受信信号に対して、サンプリングレート変換とフィルタリング処理とを行う。
CFR部153は、ディジタル信号処理部152から出力された送信信号のピーク電力の抑圧を行う。歪補償部154は、CFR部153から出力された送信信号に、PA157で発生する歪の逆特性を付与する。具体的には、歪補償部154は、CFR部153から出力された送信信号と、分配器158、周波数変換部160、およびADC161を通過してフィードバックされた送信信号とを用いて、PA157で発生する歪の逆特性の歪を生成する。
デュプレクサ159は、分配器158から出力された送信信号をアンテナ16へ出力する。また、デュプレクサ159は、アンテナ16を介して受信された受信信号をLNA162へ出力する。LNA162は、受信信号の電力を増幅して、周波数変換部163へ出力する。周波数変換部163は、受信信号の周波数を所望の周波数に変換し、変換後の受信信号を、ADC164を介して、ディジタル信号処理部152へ出力する。
[キャンセル装置20のプロセッサ22]
図3は、実施例1におけるキャンセル装置20のプロセッサ22の機能の一例を示すブロック図である。プロセッサ22は、信号情報取得部220、信号情報送出部221、送信信号取得部222、送信信号送出部223、制御部225、およびレプリカ生成部226を有する。また、プロセッサ22は、係数更新部227、乗算部228、キャンセル信号生成部229、初期化部230、判定部231、受信信号取得部232、合成部233、および受信信号送出部234を有する。
信号情報取得部220は、インターフェイス21を介してREC11から送信された信号情報を取得する。そして、信号情報取得部220は、取得した信号情報を信号情報送出部221および制御部225へ出力する。信号情報送出部221は、信号情報取得部220によって取得された信号情報を、インターフェイス23を介してRE15へ出力する。
送信信号取得部222は、インターフェイス21を介してREC11から送信された送信信号Tx1およびTx2を取得する。そして、送信信号取得部222は、取得した送信信号Tx1およびTx2を送信信号送出部223およびレプリカ生成部226へ出力する。送信信号送出部223は、送信信号取得部222によって取得された送信信号Tx1およびTx2を、インターフェイス23を介してRE15へ出力する。
制御部225は、信号情報取得部220から出力された信号情報に基づいて、受信帯域の少なくとも一部に周波数帯域が重なるPIM信号を特定する。そして、制御部225は、特定されたPIM信号毎に、当該PIM信号のレプリカを生成するための生成式を特定する。そして、制御部225は、レプリカ毎に特定された生成式をレプリカ生成部226へ出力する。
図4は、PIM信号の一例を説明する図である。図4に示したスペクトラム30は、例えば、送信信号Tx1の周波数f1が2135MHzであり、送信信号Tx2の周波数f2が2175MHzである場合の3次のPIM信号のうち、周波数2f1−f2に対応するPIM信号の周波数スペクトラムを示す。図4の例では、送信信号Tx1およびTx2のそれぞれの周波数帯域は例えば10MHzであり、受信帯域は、例えば2095MHzを中心とする10MHzの周波数帯域であると仮定する。送信信号Tx1およびTx2のそれぞれの周波数帯域が例えば10MHzであるため、送信信号Tx1およびTx2から生成された3次のPIM信号の周波数帯域は30MHzとなっている。
図4の例では、受信帯域と、周波数2f1−f2に対応するPIM信号の周波数帯域の一部とが重なっている。図4の例では、制御部225は、信号情報取得部220から出力された信号情報に基づいて、受信帯域の少なくとも一部に周波数帯域が重なるPIM信号として、周波数2f1−f2に対応するPIM信号を特定する。そして、制御部225は、周波数2f1−f2に対応するPIM信号のレプリカを生成するための生成式として、例えば下記の生成式(1)を特定する。そして、制御部225は、特定された生成式(1)をレプリカ生成部226へ出力する。
Figure 2018207321
上記した生成式(1)において、conj(Tx2)は、送信信号Tx2の複素共役を示す。
図5は、PIM信号の他の例を説明する図である。図5に示したスペクトラム31は、例えば、送信信号Tx1の周波数f1が1023MHzであり、送信信号Tx2の周波数f2が1039MHzである場合の3次のPIM信号のうち、周波数2f1−f2に対応するPIM信号の周波数スペクトラムを示す。また、図5に示したスペクトラム32は、例えば、送信信号Tx1の周波数f1が1023MHzであり、送信信号Tx2の周波数f2が1039MHzである場合の3次のPIM信号のうち、周波数f1に対応するPIM信号の周波数スペクトラムを示す。図5の例においても、送信信号Tx1およびTx2のそれぞれの周波数帯域は例えば10MHzであり、受信帯域は、例えば1009MHzを中心とする10MHzの周波数帯域であると仮定する。
図5の例では、受信帯域と、周波数2f1−f2に対応するPIM信号の周波数帯域の一部とが重なっている。また、図5の例では、受信帯域の一部と、周波数f1に対応するPIM信号の周波数帯域の一部とが重なっている。図5の例では、制御部225は、信号情報取得部220から出力された信号情報に基づいて、受信帯域の少なくとも一部に周波数帯域が重なるPIM信号として、周波数2f1−f2に対応するPIM信号および周波数f1に対応するPIM信号を特定する。そして、制御部225は、周波数2f1−f2に対応するPIM信号のレプリカを生成するための生成式として、例えば前述の生成式(1)を特定する。
また、制御部225は、周波数f1に対応するPIM信号のレプリカを生成するための生成式として、例えば下記の生成式(2)および(3)をそれぞれ特定する。そして、制御部225は、PIM信号のレプリカ毎に、特定された生成式(1)から(3)をレプリカ生成部226へ出力する。
Figure 2018207321
Figure 2018207321
図3に戻って説明を続ける。レプリカ生成部226は、送信信号取得部222から送信信号Tx1およびTx2を受信し、制御部225からレプリカ毎の生成式を受信する。そして、レプリカ生成部226は、レプリカ毎に、制御部225から出力された生成式に基づいて、PIM信号のレプリカを生成する。そして、レプリカ生成部226は、レプリカ毎に生成されたレプリカを、係数更新部227および乗算部228へ出力する。
係数更新部227は、レプリカ生成部226から出力されたレプリカ毎に、後述するキャンセル信号が合成された後の受信信号に基づいて、レプリカに適用される補正係数を更新する。具体的には、係数更新部227は、レプリカ毎に、レプリカと、キャンセル信号が合成された後の受信信号との相関値が小さくなるように補正係数を更新する。例えば、係数更新部227は、レプリカ毎に、例えばLMS(Least Mean Square)アルゴリズム等を用いて、例えば下記の算出式(4)の値を補正係数として逐次更新する。
Figure 2018207321
上記した算出式(4)において、Repiは、サンプルiにおけるレプリカを示し、Ri’は、キャンセル信号が合成された後のサンプルiにおける受信信号を示す。また、上記した算出式(4)において、μは、ステップサイズを示し、Nは、所定のサンプル数を示す。また、上記した算出式(4)において、μには、1より小さい値、例えば0.5が設定される。
係数更新部227は、レプリカ毎に、更新された補正係数を乗算部228へ出力する。また、係数更新部227は、初期化部230から初期化指示を受信した場合、レプリカ毎に更新されている補正係数を全て所定値に初期化する。本実施例において、所定値とは、例えば振幅および位相の値がそれぞれ0の補正係数である。そして、係数更新部227は、初期化された値から、レプリカ毎の補正係数の更新を再開する。係数更新部227は、更新部の一例である。
乗算部228は、レプリカ生成部226からレプリカを受信し、係数更新部227からレプリカ毎に補正係数を受信する。そして、乗算部228は、レプリカ毎に、補正係数をレプリカに乗算する。そして、補正係数が乗算されたそれぞれのレプリカをキャンセル信号生成部229へ出力する。乗算部228は、例えば複素乗算器である。
キャンセル信号生成部229は、乗算部228によって補正係数が乗算されたそれぞれのレプリカを含むキャンセル信号を生成する。具体的には、キャンセル信号生成部229は、乗算部228によって補正係数が乗算されたそれぞれのレプリカを加算することにより、キャンセル信号を生成する。そして、キャンセル信号生成部229は、生成されたキャンセル信号を合成部233へ出力する。キャンセル信号生成部229は、生成部の一例である。
受信信号取得部232は、RE15から出力された受信信号を、インターフェイス23を介して取得する。受信信号取得部232によって取得された受信信号には、送信信号Tx1およびTx2の相互変調によって発生したPIM信号が含まれている。
合成部233は、キャンセル信号生成部229から出力されるキャンセル信号を、受信信号取得部232によって取得された受信信号に合成する。即ち、合成部233は、PIM信号を含む受信信号とキャンセル信号とを合成することにより、受信信号からPIM信号をキャンセルする。
受信信号送出部234は、キャンセル信号が合成された後の受信信号を、インターフェイス21を介してREC11へ送出する。
判定部231は、所定のタイミング毎に、キャンセル信号が異常か否かを判定する。本実施例において、判定部231は、受信信号取得部232によって取得された受信信号の電力が、キャンセル信号生成部229から出力されたキャンセル信号の電力以下である場合、キャンセル信号が異常であると判定する。そして、判定部231は、判定結果を初期化部230へ出力する。本実施例において、判定部231は、所定時間の間に、キャンセル信号が異常であると判定された回数が所定回数に達した場合、キャンセル信号が異常である旨を示す判定結果を初期化部230へ出力する。
ここで、受信信号にはPIM信号の他に、端末装置から基地局装置10へ送信された信号等が含まれている。そのため、受信信号全体の電力は、PIM信号の電力よりも大きい。また、RE15内の歪補償装置に入力信号の大幅な変動によって動作異常が発生すると、RE15から送信される送信信号Tx1およびTx2の信号帯域近傍に、非線形成分が大きな歪みとして生じる。送信信号Tx1およびTx2、並びに、前述の歪から生成される相互変調信号は、REC11から出力された歪を持たない送信信号Tx1およびTx2の波形から生成される相互変調信号とは異なる信号成分を有する。これにより、キャンセル信号生成部229によって生成されたキャンセル信号が受信信号に合成されても、受信信号内のPIM信号が除去されない。
また、係数更新部227によって更新される補正係数の振幅は、送信信号Tx1およびTx2の信号帯域近傍に生じる歪の影響で、最適な振幅と比較して大きくなる場合がある。そのため、補正係数が乗算されたレプリカ信号が合成されたキャンセル信号の電力が大きくなり、受信信号の電力を上回る場合がある。キャンセル信号の電力が大きくなり過ぎると、キャンセル信号が合成されることにより、受信信号に含まれる、端末装置から基地局装置10へ送信された信号の品質が劣化してしまう。そこで、本実施例における判定部231は、キャンセル信号の電力が受信信号の電力と同じか、受信信号の電力より大きくなった場合、キャンセル信号が異常であると判定する。
初期化部230は、キャンセル信号が異常である旨を示す判定結果を判定部231から受信した場合、レプリカ毎に更新されている補正係数の初期化を指示する初期化指示を係数更新部227へ出力する。初期化部230から初期化指示を受信した係数更新部227は、レプリカ毎の補正係数を初期化し、初期化された値からレプリカ毎の補正係数の更新を再開する。これにより、異常な値となっていた補正係数の更新がリセットされ、受信信号に合成されるキャンセル信号の電力が再び小さくなる。これにより、キャンセル信号が合成された後の受信信号に含まれる、端末装置から基地局装置10へ送信された信号の品質を向上させることができる。
[基地局装置10の動作]
図6は、基地局装置10の動作の一例を示すフローチャートである。基地局装置10は、例えば運用が開始された場合に、本フローチャートに示す動作を開始する。
まず、基地局装置10は、送信信号Tx1およびTx2を送信する(S100)。具体的には、REC11は、送信信号Tx1、送信信号Tx2、および信号情報を生成する。そして、REC11は、生成された送信信号Tx1、送信信号Tx2、および信号情報を、キャンセル装置20へ出力する。
キャンセル装置20の信号情報取得部220は、REC11から出力された信号情報を取得し、取得された信号情報を、信号情報送出部221および制御部225へ出力する。信号情報送出部221は、信号情報取得部220によって取得された信号情報をRE15へ出力する。キャンセル装置20の送信信号取得部222は、REC11から送信された送信信号Tx1およびTx2を取得し、取得された送信信号Tx1およびTx2を送信信号送出部223およびレプリカ生成部226へ出力する。送信信号送出部223は、送信信号取得部222によって取得された送信信号Tx1およびTx2をRE15へ出力する。
RE15は、キャンセル装置20から出力された送信信号Tx1、送信信号Tx2、および信号情報を受信する。そして、RE15は、キャンセル装置20から受信した送信信号Tx1およびTx2をディジタル信号からアナログ信号に変換する。そして、RE15は、信号情報に基づいて、送信信号Tx1およびTx2を、それぞれ所定の周波数f1およびf2にそれぞれアップコンバートする。そして、RE15は、アップコンバートされた送信信号Tx1およびTx2を増幅する。そして、RE15は、増幅された送信信号Tx1およびTx2を、2本のアンテナのそれぞれから空間に送信する。
次に、基地局装置10は、受信信号を受信する(S101)。具体的には、RE15は、アンテナを介して受信した受信信号を増幅する。そして、RE15は、信号情報に基づいて、増幅された受信信号の中で受信帯域に含まれる受信信号をベースバンドにダウンコンバートする。そして、RE15は、ダウンコンバートされた受信信号をアナログ信号からディジタル信号に変換してキャンセル装置20へ出力する。キャンセル装置20の受信信号取得部232は、RE15から出力された受信信号を取得し、取得された受信信号を、判定部231および合成部233へ出力する。
次に、キャンセル装置20のレプリカ生成部226は、送信信号Tx1およびTx2を用いて、PIM信号のレプリカを生成する(S102)。具体的には、レプリカ生成部226は、送信信号取得部222から送信信号Tx1およびTx2を受信し、制御部225からレプリカ毎の生成式を受信する。そして、レプリカ生成部226は、レプリカ毎に、制御部225から出力された生成式に基づいて、PIM信号のレプリカを生成する。そして、レプリカ生成部226は、生成されたレプリカを、レプリカ毎に係数更新部227および乗算部228へ出力する。
次に、係数更新部227は、キャンセル信号が合成された後の受信信号と各レプリカとに基づいて、各レプリカに適用される補正係数を更新する(S103)。具体的には、係数更新部227は、レプリカ生成部226からレプリカを受信し、受信したレプリカ毎に、前述の算出式(4)に従って、レプリカと、キャンセル信号が合成された後の受信信号との相関値が小さくなるように補正係数を更新する。
次に、乗算部228は、レプリカ毎に、レプリカ生成部226から受信したレプリカに、係数更新部227から受信した補正係数を乗算する。そして、キャンセル信号生成部229は、乗算部228によって補正係数が乗算されたそれぞれのレプリカを加算することにより、キャンセル信号を生成する(S104)。合成部233は、キャンセル信号生成部229によって生成されたキャンセル信号を、受信信号取得部232によって取得された受信信号に合成する(S105)。キャンセル信号が合成された後の受信信号は、係数更新部227およびREC11へ出力される。そして、基地局装置10は、再びステップS100に示した処理を実行する。
なお、図6に示した基地局装置10の動作において、ステップS100〜S105の処理の順番は、図6に示した順番に限られない。例えば、ステップS100の処理とステップS101の処理とは、並行して行われてもよい。また、ステップS103の処理は、ステップS102の処理およびステップS104の処理とは独立に行われてもよい。
[異常判定処理]
図7は、実施例1における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す異常判定処理は、キャンセル装置20によって実行される。キャンセル装置20は、例えば基地局装置10の運用が開始された場合に、本フローチャートに示す動作を開始する。
まず、判定部231は、エラーの回数をカウントするための変数n、および、タイマの値tを0に初期化する(S200)。なお、タイマの値tは、キャンセル装置20が有するタイマによって所定時間毎に順次インクリメントされる。判定部231は、受信信号の電力P(Rx)を測定する(S201)。また、判定部231は、キャンセル信号生成部229によって生成されたキャンセル信号の電力P(C)を測定する(S202)。
次に、判定部231は、受信信号の電力P(Rx)が、キャンセル信号の電力P(C)以下であるか否かを判定することにより、キャンセル信号が異常であるか否かを判定する(S203)。受信信号の電力P(Rx)が、キャンセル信号の電力P(C)より大きい場合(S203:No)、即ち、キャンセル信号が正常である場合、判定部231は、タイマの値tを参照し、タイマの値tが所定時間Tに対応する値を超えたか否かを判定する(S204)。
タイマの値tが所定時間Tに対応する値以下である場合(S204:No)、判定部231は、再びステップS201に示した処理を実行する。一方、タイマの値tが所定時間Tに対応する値を超えた場合(S204:Yes)、判定部231は、再びステップS200に示した処理を実行する。
受信信号の電力P(Rx)が、キャンセル信号の電力P(C)以下である場合(S203:Yes)、即ち、キャンセル信号が異常である場合、判定部231は、変数nの値を1増加させる(S205)。そして、判定部231は、変数nの値が所定回数Nmaxに達したか否かを判定する(S206)。変数nの値が所定回数Nmaxに達していない場合(S206:No)、判定部231は、ステップS204に示した処理を実行する。
一方、変数nの値が所定回数Nmaxに達した場合(S206:Yes)、判定部231は、キャンセル信号が異常である旨を示す判定結果を初期化部230へ出力する。初期化部230は、初期化指示を係数更新部227へ出力する。初期化部230から初期化指示を受信した係数更新部227は、各レプリカの補正係数を初期化する(S207)。そして、係数更新部227は、初期化された値から、レプリカ毎の補正係数の更新を再開する。そして、判定部231は、再びステップS200に示した処理を実行する。
[実施例1の効果]
以上、実施例1について説明した。本実施例の基地局装置10は、キャンセル装置20およびRE15を有する。RE15は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を送信する。また、RE15は、複数の送信信号によって発生するPIM信号が含まれた受信信号を受信する。また、キャンセル装置20は、送信信号取得部222と、受信信号取得部232と、係数更新部227と、キャンセル信号生成部229と、判定部231と、初期化部230とを有する。送信信号取得部222は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する。受信信号取得部232は、複数の送信信号によって発生するPIM信号が含まれた受信信号を取得する。係数更新部227は、受信信号に含まれるPIM信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、複数の送信信号を用いて生成されたレプリカとに基づいて補正係数を更新する。キャンセル信号生成部229は、レプリカに補正係数を適用して、キャンセル信号を生成する。判定部231は、キャンセル信号が異常か否かを判定する。初期化部230は、判定部231によってキャンセル信号が異常であると判定された場合、補正係数を初期化する。これにより、基地局装置10は、受信品質の劣化を抑えることができる。
また、上記した実施例において、判定部231は、キャンセル信号の電力が受信信号の電力以上である場合に、キャンセル信号が異常であると判定する。これにより、基地局装置10は、受信品質の劣化をより精度よく抑えることができる。
また、上記した実施例において、初期化部230は、判定部231によってキャンセル信号が異常であると所定回数以上判定された場合、補正係数を初期化する。これにより、受信信号の電力の一時的な低下による補正係数の初期化が回避される。これにより、受信信号に合成されるキャンセル信号の変動を抑えることができ、受信品質の劣化を抑えることができる。
[他の例]
なお、判定部231によって判定されるキャンセル信号の異常は、RE15内の歪補償装置の動作異常等が原因で発生するが、歪補償装置の動作異常等は、所定期間継続することがある。歪補償装置の動作異常等が継続している間であれば、初期化された補正係数の更新が再開されたとしても、再びキャンセル信号の異常が判定される。そのため、初期化部230は、判定部231によってキャンセル信号が異常であると判定された場合、係数更新部227による補正係数の更新を所定期間停止させてもよい。これにより、歪補償装置の動作異常等が継続している間において、キャンセル装置20の無駄な動作を抑制することができる。
なお、係数更新部227による補正係数の更新が所定期間停止している間、係数更新部227からは各レプリカについて0の補正係数が乗算部228へ出力される。これにより、乗算部228によってそれぞれのレプリカの振幅が0となり、キャンセル信号生成部229によって生成されるキャンセル信号の振幅が0となる。そのため、合成部233は、受信信号取得部232によって取得された受信信号をそのまま受信信号送出部234へ出力することになる。
なお、係数更新部227による補正係数の更新が所定期間停止している間、レプリカ生成部226、係数更新部227、乗算部228、およびキャンセル信号生成部229の動作を停止させてもよい。この場合、合成部233は、受信信号取得部232によって取得された受信信号をそのまま受信信号送出部234へ出力する。これにより、係数更新部227による補正係数の更新が所定期間停止している間のキャンセル装置20の消費電力を削減することができる。
[異常判定処理]
図8は、実施例1における異常判定処理の他の例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する点を除き、図8において、図7と同じ符号を付した処理は、図7で説明した処理と同様の処理であるため説明を省略する。
ステップS207において、補正係数の初期化が行われた後、係数更新部227は、補正係数の更新を停止する(S208)。そして、初期化部230は、タイマの値tを0に初期化する(S209)。そして、初期化部230は、タイマの値tを参照し、タイマの値tが所定時間T’に対応する値を超えたか否かを判定する(S210)。タイマの値tが所定時間T’に対応する値を超えていない場合(S210:No)、初期化部230は、再びステップS210の判定を実行する。
一方、タイマの値tが所定時間T’に対応する値を超えた場合(S210:Yes)、初期化部230は、補正係数の更新の再開を係数更新部227に指示する。係数更新部227は、初期化部230からの指示に応じて、初期化後の値から補正係数の更新を再開する(S211)。そして、判定部231は、再びステップS200に示した処理を実行する。
このように、初期化部230は、判定部231によってキャンセル信号が異常であると判定された場合、係数更新部227による補正係数の更新を所定期間停止させる。そして、初期化部230は、所定時間が経過した後に、初期化された後の補正係数の値から係数更新部227の動作を再開させる。これにより、キャンセル装置20は、歪補償装置の動作異常等が継続している間において、キャンセル装置20の無駄な動作を抑制することができる。
RE15内の歪補償装置等に動作異常が発生すると、RE15から送信される送信信号Tx1およびTx2の波形と、REC11から出力された送信信号Tx1およびTx2の波形との差が大きくなる。この場合、キャンセル信号生成部229によって生成されたキャンセル信号が受信信号に合成されても、受信信号内のPIM信号が除去されないだけでなく、キャンセル信号が合成された後の受信信号には、キャンセル信号が残存することになる。そのため、キャンセル信号が合成された後の受信信号と各レプリカ信号との相関値が大きくなり、各レプリカの補正係数の振幅成分が大きくなるように更新されてしまう。
そこで、本実施例では、各レプリカの補正係数の振幅を監視し、補正係数が所定の閾値以上となった場合に、キャンセル信号が異常であると判定する。
[キャンセル装置20のプロセッサ22]
図9は、実施例2におけるキャンセル装置20のプロセッサ22の機能の一例を示すブロック図である。本実施例におけるプロセッサ22は、信号情報取得部220、信号情報送出部221、送信信号取得部222、送信信号送出部223、制御部225、およびレプリカ生成部226を有する。また、本実施例におけるプロセッサ22は、係数更新部227、乗算部228、キャンセル信号生成部229、初期化部230、判定部231、受信信号取得部232、合成部233、受信信号送出部234、および閾値算出部240を有する。なお、以下に説明する点を除き、図9において、図3と同じ符号を付したブロックは、図3におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
制御部225は、信号情報取得部220から出力された信号情報に基づいて、受信帯域の少なくとも一部に周波数帯域が重なるPIM信号を特定する。そして、制御部225は、特定されたPIM信号毎に特定された生成式をレプリカ生成部226へ出力する。また、制御部225は、受信帯域の中心周波数の情報と、各PIM信号の周波数帯域の中心周波数の情報とを閾値算出部240へ出力する。
係数更新部227は、レプリカ生成部226から出力されたレプリカ毎に、キャンセル信号が合成された後の受信信号に基づいて、レプリカに適用される補正係数を更新する。そして、係数更新部227は、レプリカ毎に、更新された補正係数を乗算部228および判定部231へ出力する。
判定部231は、所定のタイミング毎に、キャンセル信号が異常か否かを判定する。本実施例において、判定部231は、所定のタイミング毎に、レプリカ毎の補正係数を係数更新部227から取得し、レプリカ毎の閾値を閾値算出部240から取得する。そして、判定部231は、レプリカ毎に、補正係数の振幅が、閾値算出部240から取得された閾値以上となっているか否かを判定する。いずれかのレプリカにおいて、補正係数の振幅が閾値以上となっている場合、判定部231は、キャンセル信号が異常であると判定する。そして、判定部231は、所定時間の間に、キャンセル信号が異常であると判定された回数が所定回数に達した場合、キャンセル信号が異常である旨を示す判定結果を初期化部230へ出力する。
閾値算出部240は、受信信号取得部232によって取得された受信信号と、制御部225から出力されたPIM信号の周波数帯域の中心周波数の情報とに基づいて、PIM信号毎に、補正係数の振幅の異常を判定するための閾値を算出する。そして、閾値算出部240は、PIM信号毎に算出された閾値を判定部231へ出力する。
本実施例において、閾値算出部240は、受信信号の振幅を閾値の初期値として算出する。そして、閾値算出部240は、PIM信号毎に、PIM信号の周波数帯域の中心周波数と、受信帯域の中心周波数との周波数の差分(以下では、離調と記載する)に応じた重みを算出する。そして、閾値算出部240は、算出された重みを閾値の初期値に乗じることにより、PIM信号毎の閾値を算出する。これにより、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいほど、PIM信号に対応する閾値が小さくなる。
ここで、受信信号に複数のPIM信号が含まれる場合、複数のPIM信号の中では、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号ほど、受信信号に与える影響が小さい。つまり、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号の補正係数の振幅は、離調が小さいPIM信号の補正係数の振幅よりも小さくなるように係数更新部227によって更新される。そのため、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号に対応する補正係数の振幅については、離調が小さいPIM信号に対応する補正係数の振幅より小さい場合であっても、発散状態または発散に近い状態となっている場合がある。そのため、本実施例の閾値算出部240は、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいほど、PIM信号に対応する閾値が小さくなるように、各PIM信号の閾値を算出する。そして、判定部231は、閾値算出部240によって算出された閾値を用いて、PIM信号のレプリカ毎に、補正係数の振幅が閾値以上となっているか否かを判定する。これにより、判定部231は、補正係数の振幅が発散状態または発散に近い状態となっているか否かを精度よく判定することができる。
なお、本実施例において、閾値算出部240は、受信信号の振幅を閾値の初期値として算出するが、開示の技術はこれに限られない。例えば、他の例として、閾値算出部240は、受信信号の振幅から所定量低い振幅を閾値の初期値として算出してもよい。また、閾値算出部240は、補正係数のビット幅から求まる最大値を閾値の初期値として算出してもよい。また、受信帯域に複数のPIM信号が含まれる場合であっても、閾値算出部240は、それぞれのPIM信号に対して閾値の初期値を閾値として一律に適用してもよい。これにより、閾値の算出処理を簡素化することができる。
[異常判定処理]
図10は、実施例2における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す異常判定処理は、キャンセル装置20によって実行される。キャンセル装置20は、例えば基地局装置10の運用が開始された場合に、本フローチャートに示す動作を開始する。
まず、判定部231は、エラーの回数をカウントするための変数n、および、タイマの値tを0に初期化する(S300)。また、閾値算出部240は、それぞれのPIM信号をカウントするための変数mを1に初期化する(S301)。そして、閾値算出部240は、受信信号取得部232によって取得された受信信号と、制御部225から出力されたPIM信号の周波数帯域の中心周波数の情報とに基づいて、m番目のPIM信号について閾値Th(m)を算出する(S302)。本実施例において、閾値算出部240は、複数のPIM信号において、受信帯域の中心周波数からの離調が小さい順に、閾値Th(m)を算出する。
次に、閾値算出部240は、変数mの値を1増加させる(S303)。そして、閾値算出部240は、変数mの値が、制御部225から出力されたPIM信号の総数Mmaxの値を超えたか否かを判定する(S304)。変数mの値が総数Mmaxの値を超えていない場合(S304:No)、閾値算出部240は、再びステップS302に示した処理を実行する。一方、変数mの値が総数Mmaxの値を超えた場合(S304:Yes)、閾値算出部240は、PIM信号毎に算出された閾値Th(m)を判定部231へ出力する。
次に、判定部231は、変数mの値を1に初期化する(S305)。そして、判定部231は、係数更新部227から出力されたレプリカ毎の補正係数の中で、m番目のPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅A(m)を算出する(S306)。判定部231は、複数のPIM信号のレプリカにおいて、受信帯域の中心周波数からの離調が小さい順に、補正係数の振幅A(m)を算出する。
次に、判定部231は、m番目のPIM信号のレプリカについて、振幅A(m)の値が閾値Th(m)以上であるか否かを判定することにより、キャンセル信号が異常であるか否かを判定する(S307)。振幅A(m)の値が閾値Th(m)未満である場合(S307:No)、判定部231は、変数mの値を1増加させる(S308)。そして、判定部231は、変数mの値が、制御部225から出力されたPIM信号のレプリカの総数Mmaxの値を超えたか否かを判定する(S309)。変数mの値が総数Mmaxの値以下である場合(S309:No)、判定部231は、再びステップS306に示した処理を実行する。
一方、変数mの値が総数Mmaxの値を超えた場合(S309:Yes)、判定部231は、タイマの値tを参照し、タイマの値tが所定時間Tに対応する値を超えたか否かを判定する(S310)。タイマの値tが所定時間Tに対応する値以下である場合(S310:No)、判定部231は、再びステップS305に示した処理を実行する。一方、タイマの値tが所定時間Tに対応する値を超えた場合(S310:Yes)、判定部231は、再びステップS300に示した処理を実行する。
振幅A(m)の値が閾値Th(m)以上である場合(S307:Yes)、即ち、キャンセル信号が異常である場合、判定部231は、変数nの値を1増加させる(S311)。そして、判定部231は、変数nの値が所定回数Nmaxに達したか否かを判定する(S312)。変数nの値が所定回数Nmaxに達していない場合(S312:No)、判定部231は、ステップS308に示した処理を実行する。
一方、変数nの値が所定回数Nmaxに達した場合(S312:Yes)、判定部231は、キャンセル信号が異常である旨を示す判定結果を初期化部230へ出力する。初期化部230は、初期化指示を係数更新部227へ出力する。初期化部230から初期化指示を受信した係数更新部227は、補正係数を初期化する(S313)。そして、係数更新部227は、初期化された値から、レプリカ毎の補正係数の更新を再開する。そして、判定部231は、再びステップS300に示した処理を実行する。
なお、本実施例においても、ステップS313の処理が実行された後、図8のステップS208からS211に示した処理と同様に、係数更新部227による補正係数の更新が所定期間停止されてもよい。
[実施例2の効果]
以上、実施例2について説明した。本実施例のキャンセル装置20において、判定部231は、補正係数の振幅が所定の閾値以上である場合に、キャンセル信号が異常であると判定する。これにより、基地局装置10は、受信品質の劣化を抑えることができる。
また、上記した実施例2において、受信信号には、同一のまたは異なる周波数の複数のPIM信号が含まれる。係数更新部227は、受信信号に含まれる複数のPIM信号をキャンセルするためのキャンセル信号が合成された後の受信信号と、複数の送信信号を用いて生成されたそれぞれのレプリカとに基づいてレプリカ毎に補正係数を更新する。また、キャンセル信号生成部229は、更新された補正係数が適用されたそれぞれのレプリカを合成することによりキャンセル信号を生成する。判定部231は、PIM信号の中心周波数が、受信帯域の中心周波数から離れるほど、PIM信号に対応する閾値を低く設定する。これにより、キャンセル装置20は、補正係数の振幅が発散状態または発散に近い状態となっているか否かを精度よく判定することができる。
受信信号に複数のPIM信号が含まれる場合、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号に対応する補正係数ほど、振幅が小さくなるように更新される。しかし、補正係数の更新が発散状態または発散に近い状態となっている場合、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号の補正係数の振幅が、離調が小さいPIM信号の補正係数の振幅より大きくなる場合がある。そこで、本実施例のキャンセル装置20は、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号の補正係数の振幅が、離調が小さいPIM信号の補正係数の振幅より大きくなっているか否かを判定することにより、キャンセル信号が異常か否かを判定する。
[キャンセル装置20のプロセッサ22]
図11は、実施例3におけるキャンセル装置20のプロセッサ22の機能の一例を示すブロック図である。本実施例におけるプロセッサ22は、信号情報取得部220、信号情報送出部221、送信信号取得部222、送信信号送出部223、制御部225、およびレプリカ生成部226を有する。また、本実施例におけるプロセッサ22は、係数更新部227、乗算部228、キャンセル信号生成部229、初期化部230、判定部231、受信信号取得部232、合成部233、および受信信号送出部234を有する。なお、以下に説明する点を除き、図11において、図3と同じ符号を付したブロックは、図3におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
制御部225は、信号情報取得部220から出力された信号情報に基づいて、受信帯域の少なくとも一部に周波数帯域が重なるPIM信号を特定する。そして、制御部225は、特定されたPIM信号毎に特定された生成式をレプリカ生成部226へ出力する。また、制御部225は、受信帯域の中心周波数の情報と、各PIM信号の周波数帯域の中心周波数の情報とを判定部231へ出力する。
係数更新部227は、レプリカ生成部226から出力されたレプリカ毎に、キャンセル信号が合成された後の受信信号に基づいて、レプリカに適用される補正係数を更新する。そして、係数更新部227は、レプリカ毎に、更新された補正係数を乗算部228および判定部231へ出力する。
判定部231は、所定のタイミング毎に、キャンセル信号が異常か否かを判定する。本実施例において、判定部231は、所定のタイミング毎に、レプリカ毎の補正係数を係数更新部227から取得する。そして、判定部231は、各レプリカについて、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅の大きさが、離調が小さいPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅の大きさ以上となっているか否かを判定する。いずれか2つのレプリカにおいて、離調が大きいPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅の大きさが、離調が小さいPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅の大きさ以上となっている場合、判定部231は、キャンセル信号が異常であると判定する。そして、判定部231は、所定時間の間に、キャンセル信号が異常であると判定された回数が所定回数に達した場合、キャンセル信号が異常である旨を示す判定結果を初期化部230へ出力する。
[異常判定処理]
図12は、実施例3における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す異常判定処理は、キャンセル装置20によって実行される。キャンセル装置20は、例えば基地局装置10の運用が開始された場合に、本フローチャートに示す動作を開始する。
まず、判定部231は、エラーの回数をカウントするための変数n、および、タイマの値tを0に初期化する(S400)。そして、判定部231は、それぞれのPIM信号のレプリカをカウントするための変数mを1に初期化する(S401)。そして、判定部231は、係数更新部227から出力されたレプリカ毎の補正係数の中で、m番目のPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅A(m)を算出する(S402)。本実施例において、判定部231は、複数のPIM信号のレプリカにおいて、受信帯域の中心周波数からの離調が小さい順に、補正係数の振幅A(m)を算出する。なお、複数のPIM信号の中には、受信帯域の中心周波数からの離調が同一のPIM信号が存在する場合がある。
次に、判定部231は、変数mの値を1増加させる(S403)。そして、判定部231は、変数mの値が、制御部225から出力されたPIM信号のレプリカの総数Mmaxの値を超えたか否かを判定する(S404)。変数mの値が総数Mmaxの値を超えていない場合(S404:No)、判定部231は、再びステップS402に示した処理を実行する。
一方、変数mの値が総数Mmaxの値を超えた場合(S404:Yes)、判定部231は、変数mの値を1に初期化し(S405)、変数kの値を1に初期化する(S406)。そして、判定部231は、m番目のPIM信号の中心周波数f(m)と、(m+k)番目のPIM信号の中心周波数f(m+k)とが同一か否かを判定する(S407)。PIM信号の中心周波数f(m)とPIM信号の中心周波数f(m+k)とが同一である場合(S407:Yes)、ステップS408の処理がスキップされ、判定部231は、ステップS409に示す処理を実行する。
一方、PIM信号の中心周波数f(m)とPIM信号の中心周波数f(m+k)とが異なる場合(S407:No)、判定部231は、ステップS408に示す処理を実行する。即ち、判定部231は、m番目のPIM信号のレプリカに対応する振幅A(m)の値が、(m+k)番目のPIM信号のレプリカに対応する振幅A(m+k)の値以下であるか否かを判定することにより、キャンセル信号が異常であるか否かを判定する(S408)。ステップS408では、受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号のレプリカの補正係数の振幅が、離調が小さいPIM信号のレプリカの補正係数の振幅以下となっているか否かが判定される。
振幅A(m)の値が振幅A(m+k)の値より大きい場合(S408:No)、判定部231は、変数kの値を1増加させる(S409)。そして、判定部231は、変数kの値が、レプリカの総数Mmaxの値から変数mの値を引いた値を超えたか否かを判定する(S410)。変数kの値が総数Mmaxの値から変数mの値を引いた値以下である場合(S410:No)、判定部231は、再びステップS406に示した処理を実行する。これにより、m番目のPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅と、m番目のPIM信号よりも受信帯域の中心周波数からの離調が大きいPIM信号のレプリカに対応する補正係数の振幅とが順次比較される。
一方、変数kの値が総数Mmaxの値から変数mの値を引いた値を超えた場合(S410:Yes)、判定部231は、変数mの値を1増加させる(S411)。そして、判定部231は、変数mの値が、レプリカの総数Mmaxの値から1を引いた値を超えたか否かを判定する(S412)。変数mの値が総数Mmaxの値から1を引いた値以下である場合(S412:No)、判定部231は、再びステップS406に示した処理を実行する。
一方、変数mの値が総数Mmaxの値から1を引いた値を超えた場合(S412:Yes)、判定部231は、タイマの値tを参照し、タイマの値tが所定時間Tに対応する値を超えたか否かを判定する(S413)。タイマの値tが所定時間Tに対応する値以下である場合(S413:No)、判定部231は、再びステップS401に示した処理を実行する。一方、タイマの値tが所定時間Tに対応する値を超えた場合(S413:Yes)、判定部231は、再びステップS400に示した処理を実行する。
振幅A(m)の値が振幅A(m+k)の値以下である場合(S408:Yes)、即ち、キャンセル信号が異常であると判定された場合、判定部231は、変数nの値を1増加させる(S414)。そして、判定部231は、変数nの値が所定回数Nmaxに達したか否かを判定する(S415)。変数nの値が所定回数Nmaxに達していない場合(S415:No)、判定部231は、ステップS409に示した処理を実行する。
一方、変数nの値が所定回数Nmaxに達した場合(S415:Yes)、判定部231は、キャンセル信号が異常である旨を示す判定結果を初期化部230へ出力する。初期化部230は、初期化指示を係数更新部227へ出力する。初期化部230から初期化指示を受信した係数更新部227は、補正係数を初期化する(S416)。そして、係数更新部227は、初期化された値から、レプリカ毎の補正係数の更新を再開する。そして、判定部231は、再びステップS400に示した処理を実行する。
なお、本実施例においても、ステップS416の処理が実行された後、図8のステップS208からS211に示した処理と同様に、係数更新部227による補正係数の更新が所定期間停止されてもよい。
[実施例3の効果]
以上、実施例3について説明した。本実施例において、受信信号には、同一のまたは異なる周波数の複数のPIM信号が含まれる。係数更新部227は、受信信号に含まれる複数のPIM信号をキャンセルするためのキャンセル信号が合成された後の受信信号と、複数の送信信号を用いて生成されたそれぞれのレプリカとに基づいてレプリカ毎に補正係数を更新する。キャンセル信号生成部229は、更新された補正係数が適用されたそれぞれのレプリカを合成することによりキャンセル信号を生成する。判定部231は、それぞれのPIM信号に対応するレプリカについて、PIM信号の中心周波数が、受信信号の周波数帯域の中心周波数から離れるほど補正係数の振幅が小さくなっていない場合、キャンセル信号が異常であると判定する。これにより、キャンセル装置20は、補正係数の振幅が発散状態または発散に近い状態となっているか否かを精度よく判定することができる。
[その他]
なお、開示の技術は、上記した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記した各実施例において、係数更新部227は、初期化部230から初期化指示を受信した場合、レプリカ毎の補正係数を、例えば振幅および位相の値がそれぞれ0の補正係数に初期化する。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば、係数更新部227は、初期化部230から初期化指示を受信した場合、レプリカ毎の補正係数を、振幅および位相の値がそれぞれ0以外の所定値となる補正係数に初期化してもよい。これにより、係数更新部227は、初期化後の補正係数の更新において、補正係数を所望の値に迅速に収束させることができる。
また、係数更新部227は、所定期間前に更新された補正係数を随時保持しておき、初期化部230から初期化指示を受信した場合、レプリカ毎に保持している補正係数で補正係数を初期化するようにしてもよい。これにより、係数更新部227は、初期化後の補正係数の更新において、補正係数を所望の値にさらに迅速に収束させることができる。
また、上記した各実施例では、無線通信装置として、基地局装置10を例に説明したが、開示の技術はこれに限られない。上記した各実施例に示した技術は、例えば端末装置に適用されてもよい。
また、上記した各実施例において、基地局装置10が有するそれぞれの処理ブロックは、実施例における基地局装置10の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて機能別に区分したものである。そのため、処理ブロックの区分方法やその名称によって、開示の技術が制限されることはない。また、上記した実施例における基地局装置10が有する各処理ブロックは、処理内容に応じてさらに多くの処理ブロックに細分化することもできるし、複数の処理ブロックを1つの処理ブロックに統合することもできる。例えば、キャンセル装置20のプロセッサ22が有する初期化部230の機能は、係数更新部227または判定部231に含まれていてもよい。また、それぞれの処理ブロックによって実行される処理は、ソフトウェアによる処理として実現されてもよく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用のハードウェアにより実現されてもよい。
10 基地局装置
11 REC
12 プロセッサ
13 メモリ
14 インターフェイス
15 RE
20 キャンセル装置
21 インターフェイス
22 プロセッサ
220 信号情報取得部
221 信号情報送出部
222 送信信号取得部
223 送信信号送出部
225 制御部
226 レプリカ生成部
227 係数更新部
228 乗算部
229 キャンセル信号生成部
230 初期化部
231 判定部
232 受信信号取得部
233 合成部
234 受信信号送出部
240 閾値算出部
23 インターフェイス
24 メモリ
30 スペクトラム
31 スペクトラム
32 スペクトラム

Claims (10)

  1. 異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する第1の取得部と、
    前記複数の送信信号によって発生する相互変調信号が含まれた受信信号を取得する第2の取得部と、
    前記受信信号に含まれる前記相互変調信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、前記複数の送信信号を用いて生成されたレプリカとに基づいて補正係数を更新する更新部と、
    前記レプリカに前記補正係数を適用して、前記キャンセル信号を生成する生成部と、
    前記キャンセル信号の異常を判定する判定部と、
    前記判定部によって前記キャンセル信号が異常であると判定された場合、前記補正係数を初期化する初期化部と
    を有することを特徴とするキャンセル装置。
  2. 前記判定部は、
    前記キャンセル信号の電力が前記受信信号の電力以上である場合に、前記キャンセル信号が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載のキャンセル装置。
  3. 前記判定部は、
    前記補正係数の振幅が所定の閾値以上である場合に、前記キャンセル信号が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載のキャンセル装置。
  4. 前記受信信号には、同一のまたは異なる周波数の複数の前記相互変調信号が含まれ、
    前記更新部は、
    前記受信信号に含まれる複数の前記相互変調信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、前記複数の送信信号を用いて生成されたそれぞれの前記レプリカとに基づいて前記レプリカ毎に補正係数を更新し、
    前記生成部は、
    更新された前記補正係数が適用されたそれぞれの前記レプリカを合成することにより前記キャンセル信号を生成し、
    それぞれの前記相互変調信号に対応する前記閾値は、
    前記相互変調信号の中心周波数が、前記受信信号の周波数帯域の中心周波数から離れるほど低く設定されることを特徴とする請求項3に記載のキャンセル装置。
  5. 前記受信信号には、同一のまたは異なる周波数の複数の前記相互変調信号が含まれ、
    前記更新部は、
    前記受信信号に含まれる複数の前記相互変調信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、前記複数の送信信号を用いて生成されたそれぞれの前記レプリカとに基づいて前記レプリカ毎に補正係数を更新し、
    前記生成部は、
    更新された前記補正係数が適用されたそれぞれの前記レプリカを合成することにより前記キャンセル信号を生成し、
    前記判定部は、
    それぞれの前記相互変調信号に対応する前記レプリカについて、前記相互変調信号の中心周波数が、前記受信信号の周波数帯域の中心周波数から離れるほど前記相互変調信号に対応する前記レプリカの補正係数の振幅が小さくなっていない場合、前記キャンセル信号が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載のキャンセル装置。
  6. 前記初期化部は、
    前記判定部によって前記キャンセル信号が異常であると判定された場合、前記更新部の動作を所定時間停止させ、前記所定時間が経過した後に、初期化された前記補正係数から前記更新部の動作を再開させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のキャンセル装置。
  7. 前記初期化部は、
    前記判定部によって前記キャンセル信号が異常であると所定回数以上判定された場合、前記補正係数を初期化することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のキャンセル装置。
  8. キャンセル装置が、
    異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得し、
    前記複数の送信信号によって発生する相互変調信号が含まれた受信信号を取得し、
    前記受信信号に含まれる前記相互変調信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、前記複数の送信信号を用いて生成されたレプリカとに基づいて補正係数を更新し、
    前記レプリカに前記補正係数を適用して、前記キャンセル信号を生成し、
    前記キャンセル信号が異常か否かを判定し、
    前記キャンセル信号が異常であると判定された場合、前記補正係数を初期化する
    処理を実行することを特徴とするキャンセル方法。
  9. 異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を送信する送信部と、
    前記複数の送信信号によって発生する相互変調信号が含まれた受信信号を受信する受信部と、
    前記受信信号に含まれる前記相互変調信号にキャンセル信号を合成して得られた信号と、前記複数の送信信号を用いて生成されたレプリカとに基づいて補正係数を更新する更新部と、
    前記レプリカに前記補正係数を適用して、前記キャンセル信号を生成する生成部と、
    前記キャンセル信号が異常か否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記キャンセル信号が異常であると判定された場合、前記補正係数を初期化する初期化部と
    を有することを特徴とする無線通信装置。
  10. 増幅器に入力される入力信号と前記増幅器から出力される出力信号のフィードバック信号とに基づいて、前記増幅器で発生する歪成分の逆特性の歪成分を生成し、前記入力信号に対して、前記逆特性の歪成分を付加する歪補償部を有することを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
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