JP2017017667A - 通信装置及び受信方法 - Google Patents

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雄介 飛子
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明文 安達
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Abstract

【課題】複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制すること。【解決手段】通信装置は、異なる周波数で無線送信される複数の信号を送信する送信部と、前記複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号が付加された受信信号を取得する取得部と、前記送信部及び前記取得部に接続されるプロセッサとを有し、前記プロセッサは、前記送信部によって送信された複数の信号に基づいて、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、生成されたキャンセル信号を前記取得部によって取得された受信信号に合成する処理を実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、通信装置及び受信方法に関する。
従来、送受信でアンテナを共用する無線通信装置には、デュプレクサが設けられることがある。すなわち、送信信号と受信信号の周波数が異なる場合には、アンテナにデュプレクサが接続されることにより、無線通信装置内の送信経路と受信経路とが電気的に分離される。このため、送信信号が受信信号に干渉することがなく、受信品質の低下を抑制することができる。
しかし、デュプレクサは、主にフィルタを用いて構成されており、送信信号が受信経路へ漏出することを完全に防止するのは困難である。このため、漏出した送信信号と受信された干渉信号とが受信経路内で相互変調し、発生する相互変調信号によって受信品質を低下させることがある。すなわち、送信信号の周波数と干渉信号の周波数とが異なる場合には、これらの信号の相互変調によって所定の周波数に相互変調信号が発生する。そして、相互変調信号の周波数が受信信号の周波数帯に含まれる場合には、相互変調信号によって受信信号の復調及び復号が阻害される。結果として、受信信号から得られる受信データの精度が低下する。そこで、送信信号と干渉信号から相互変調信号を近似的に再生し、再生された再生信号によって相互変調信号を相殺することなどが検討されている。
特表2009−526442号公報
3GPP TR37.808 v12.0.0 "Passive Intermodulation (PIM) handling for Base Stations (BS) (Release 12)"
ところで、近年では、周波数が異なる複数のキャリアで信号を送信するマルチキャリア送信が実用化されている。マルチキャリア送信では、送信信号が複数の周波数の信号を含むため、これらの周波数が異なる信号の相互変調によって相互変調信号が発生することがある。そして、送信信号から発生する相互変調信号は、受信経路に漏出し、受信品質を低下させる。特に、送信信号から発生する相互変調信号の周波数が受信信号の周波数帯に含まれる場合は、受信信号の正確な復調及び復号が困難になるという問題がある。
また、デュプレクサ及びアンテナ、並びにデュプレクサとアンテナを接続するケーブルなどは受動素子であり、増幅器などの能動素子と比較して非線形歪みの発生に寄与する度合いは小さい。しかしながら、これらの受動素子における微小なインピーダンスの変化や非線形特性によって、送信信号から発生する相互変調信号が受信経路に漏出し、受信品質を低下させることがある。また、無線通信装置外部にある金属等によって、送信信号から発生する相互変調信号が受信経路へ反射し、受信品質を低下させることがある。
さらに、このような複数の周波数の信号を含む送信信号から発生する相互変調信号は、例えば増幅器などにおける相互変調歪みとは異なり、理論値とは異なる電力などの特性を有することがある。したがって、単純に従来のモデルで相互変調信号を近似するのみでは、相互変調信号を十分に近似する再生信号が得られず、受信経路に漏出する相互変調信号を再生信号によって相殺することは困難である。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる通信装置及び受信方法を提供することを目的とする。
本願が開示する通信装置は、1つの態様において、異なる周波数で無線送信される複数の信号を送信する送信部と、前記複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号が付加された受信信号を取得する取得部と、前記送信部及び前記取得部に接続されるプロセッサとを有し、前記プロセッサは、前記送信部によって送信された複数の信号に基づいて、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、生成されたキャンセル信号を前記取得部によって取得された受信信号に合成する処理を実行する。
本願が開示する通信装置及び受信方法の1つの態様によれば、複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係る受信処理を示すフロー図である。 図4は、実施の形態1に係るキャンセル信号の具体例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る効果の具体例を示す図である。 図6は、実施の形態2に係る受信処理を示すフロー図である。 図7は、実施の形態2に係るキャンセル信号の具体例を示す図である。 図8は、実施の形態2に係る効果の具体例を示す図である。 図9は、実施の形態3に係る受信処理を示すフロー図である。 図10は、実施の形態3に係るキャンセル信号の具体例を示す図である。 図11は、実施の形態3に係るキャンセル信号の具体例を示す図である。 図12は、実施の形態3に係るキャンセル信号の具体例を示す図である。 図13は、実施の形態4に係る受信処理を示すフロー図である。 図14は、実施の形態4に係るキャンセル信号の具体例を示す図である。 図15は、実施の形態5に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図16は、実施の形態6に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図17は、実施の形態7に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図18は、実施の形態8に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。 図19は、実施の形態8に係る無線通信システムの変形例を示すブロック図である。 図20は、実施の形態8に係るプロセッサの機能を示すブロック図である。 図21は、実施の形態8に係る無線通信システムの他の変形例を示すブロック図である。 図22は、実施の形態9に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
以下、本願が開示する通信装置及び受信方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下においては、送信信号と受信信号の周波数が異なっており、送信信号は、周波数が異なる複数の信号を含むものとする。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る無線通信装置100の構成を示すブロック図である。図1に示す無線通信装置100は、プロセッサ110、DA(Digital Analogue)コンバータ120、アップコンバータ130、増幅器140、デュプレクサ150、ダウンコンバータ160、AD(Analogue Digital)コンバータ170及びメモリ180を有する。
プロセッサ110は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はDSP(Digital Signal Processor)などを備え、異なる周波数で送信される複数の信号を含む送信信号を送信データから生成する。また、プロセッサ110は、受信信号から受信データを得る。さらに、プロセッサ110は、受信信号に含まれる相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号を送信信号に基づいて生成し、キャンセル信号を用いて受信信号に含まれる相互変調信号を相殺する。なお、プロセッサ110の機能については、後に詳述する。
DAコンバータ120は、プロセッサ110から出力される送信信号をDA変換し、得られたアナログの送信信号をアップコンバータ130へ出力する。この送信信号は、異なる周波数で送信される複数の信号を含む。
アップコンバータ130は、DAコンバータ120から出力される送信信号を無線周波数にアップコンバートし、送信信号に含まれる複数の信号がそれぞれ異なる周波数のキャリアに配置された無線送信信号を生成する。すなわち、アップコンバータ130は、周波数が異なる複数の信号を含む無線送信信号を生成する。そして、アップコンバータ130は、生成した無線送信信号を増幅器140へ出力する。
増幅器140は、アップコンバータ130から出力される無線送信信号を増幅する。
デュプレクサ150は、増幅器140から出力される無線送信信号をコネクタ、ケーブル及びアンテナを介して送信する。また、デュプレクサ150は、アンテナで受信されケーブル及びコネクタを経由した無線受信信号をダウンコンバータ160へ出力する。無線送信信号と無線受信信号との周波数が異なるため、デュプレクサ150は、送信経路と受信経路とを電気的に分離し、無線送信信号が受信経路に漏出しないようにする。デュプレクサ150とアンテナの間の経路は、例えばコネクタ、ケーブル及びアンテナなどの受動素子を備える。そして、これらの受動素子におけるインピーダンスの不連続点や受動素子において生じる微小な非線形歪みにより、無線送信信号に含まれる複数の信号が相互変調して相互変調信号が発生する。また、デュプレクサ150とアンテナの間の経路は、無線送信信号及び無線受信信号の双方の通過経路となるため、この通過経路において、無線送信信号から発生した相互変調信号が無線受信信号に付加される。
また、デュプレクサ150による経路の分離が完全なものではない場合、無線送信信号に含まれる複数の信号の相互変調により発生する相互変調信号が受信経路に漏出する。さらに、アンテナから送信された無線送信信号に含まれる複数の信号は、無線通信装置100の外部にある金属等により相互変調され、相互変調信号が発生することがある。発生した相互変調信号は、無線通信装置100のアンテナによって受信され、受信経路に漏出する。そして、特に、無線送信信号に含まれる2つの信号の相互変調により発生する3次歪み成分が無線受信信号に干渉する。すなわち、本実施の形態では、3次歪み成分の周波数が無線受信信号の周波数帯に含まれるため、上述したデュプレクサ150からアンテナまでの信号の通過経路において3次歪み成分が無線受信信号に付加される。
ダウンコンバータ160は、デュプレクサ150から出力される無線受信信号をベースバンド周波数にダウンコンバートし、得られたベースバンド周波数の受信信号をADコンバータ170へ出力する。この受信信号には、送信信号の相互変調により発生する3次歪み成分が付加されている。
ADコンバータ170は、ダウンコンバータ160から出力される受信信号をAD変換し、得られたデジタルの受信信号をプロセッサ110へ出力する。
メモリ180は、例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などを備え、プロセッサ110が処理を実行するために使用する情報を記憶する。すなわち、メモリ180は、例えばプロセッサ110がキャンセル信号を生成する際に使用するパラメータなどを記憶する。
図2は、実施の形態1に係るプロセッサ110の機能を示すブロック図である。図2に示すプロセッサ110は、符号化部111、直交変調部112、キャンセル信号生成部113、直交復調部114、合成部115及び復号部116を有する。なお、これらの各処理部は、ハードウェアで構成されても良く、ソフトウェアで構成されても良い。
符号化部111は、送信データを符号化し、得られた符号化信号を直交変調部112及びキャンセル信号生成部113へ出力する。
直交変調部112は、符号化信号を直交変調し、異なる周波数で送信される複数の信号を含む送信信号を生成する。そして、直交変調部112は、生成した送信信号をDAコンバータ120へ出力する。
キャンセル信号生成部113は、送信信号に含まれる複数の信号から、受信経路において受信信号に付加される相互変調信号を相殺するためのキャンセル信号を生成する。具体的には、キャンセル信号生成部113は、無線受信信号の周波数帯に含まれる周波数の3次歪み成分を発生させる信号に対応する2つのベースバンド信号を送信信号から取得し、これらのベースバンド信号の累乗の積によって3次歪み成分を表すモデルを用いてキャンセル信号を生成する。このとき、キャンセル信号生成部113は、各ベースバンド信号に関する累乗の次数をメモリ180から読み出し、読み出した次数のモデルによって3次歪み成分を算出する。そして、キャンセル信号生成部113は、算出した3次歪み成分をキャンセル信号として合成部115へ出力する。
ここで、キャンセル信号生成部113がメモリ180から読み出す次数は、整数とは限らない。通常、周波数が異なる2つの信号A(t)及びB(t)の相互変調により発生する3次歪み成分IM(t)は、以下の式(1)によって表される。
IM(t)=A(t)2×B(t)* …(1)
ただし、式(1)において、B(t)*は、信号B(t)の複素共役を示す。このように、通常の3次歪み成分を算出するモデルでは、信号A(t)に関する次数は2であり、信号B(t)に関する次数は1であるが、本実施の形態においては、これらの次数が整数とは限らない。そして、次数は、例えば無線通信装置100の設計時又は製造時などに、送信信号によって発生する相互変調信号が測定されることによりあらかじめ決定され、メモリ180に記憶されている。
具体的には、一方の信号B(t)の電力を固定して他方の信号A(t)の電力を変化させた場合の3次歪み成分IM(t)の電力が測定され、測定結果に基づいて信号A(t)に関する次数があらかじめ決定される。同様に、信号A(t)の電力を固定して信号B(t)の電力を変化させた場合の3次歪み成分IM(t)の電力が測定され、測定結果に基づいて信号B(t)に関する次数があらかじめ決定される。次数の決定に際しては、例えばそれぞれの電力を対数表示した場合の測定結果をプロットし、複数の測定結果のプロットを近似する直線の傾きを次数とすれば良い。このように、無線通信装置100の特性に応じたモデルの次数があらかじめメモリ180に記憶されているため、キャンセル信号生成部113は、送信信号から発生する相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成することができる。
直交復調部114は、受信信号を直交復調し、得られた復調信号を合成部115へ出力する。
合成部115は、直交復調部114から出力される、3次歪み成分が付加された復調信号と、キャンセル信号生成部113によって生成されたキャンセル信号とを合成する。すなわち、合成部115は、受信信号にキャンセル信号を合成することにより、受信信号に付加された3次歪み成分を相殺する。
復号部116は、合成部115によって3次歪み成分が相殺された復調信号を復号し、受信データを得る。
次いで、上記のように構成された無線通信装置100における受信処理について、図3に示すフロー図を参照しながら説明する。
無線通信装置100においては、送信データが符号化部111によって符号化され(ステップS101)、直交変調部112によって直交変調されることにより、異なる周波数で送信される複数の信号を含む送信信号が生成される。この送信信号に含まれる複数の信号の相互変調により発生する相互変調信号が受信信号に付加されている。
そこで、符号化されたベースバンド信号と周波数が異なる複数の信号との対応が既知であることから、符号化されたベースバンド信号がキャンセル信号生成部113へ入力されることにより、受信信号に付加される相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号が生成される。具体的には、キャンセル信号生成部113によって、相互変調信号を求めるモデルの次数がメモリ180から読み出される(ステップS102)。そして、キャンセル信号生成部113によって、読み出された次数のモデルが用いられることにより、受信信号に付加される相互変調信号に相当するキャンセル信号が生成される(ステップS103)。
さらに具体的に例を挙げると、キャンセル信号は例えば図4に示すように生成される。すなわち、周波数f1の複素信号A(t)と周波数f2の複素信号B(t)とが送信信号に含まれ、これらの複素信号によって発生する3次歪み成分が受信経路に漏出して受信信号に付加される場合を考える。この場合、図4に示すように、キャンセル信号生成部113によって、複素信号B(t)の複素共役B(t)*が算出され、モデルによってキャンセル信号C(t)が求められる。ここでは、モデルの次数がメモリ180から読み出された結果、複素信号A(t)に関する次数が1.8であり、複素信号B(t)に関する次数が0.8であるものとする。したがって、キャンセル信号C(t)は、以下の式(2)によって求められる。
C(t)=A(t)1.8×B(t)*0.8 …(2)
複素信号A(t)に関する次数1.8及び複素信号B(t)に関する次数0.8は、無線通信装置100の製造時などに相互変調信号の電力を測定した結果を近似する次数として決定されたものであり、実際に発生する相互変調信号を正確に反映している。このため、キャンセル信号C(t)は、送信信号から発生する相互変調信号を精度良く近似している。
このようにして生成されたキャンセル信号は、キャンセル信号生成部113から合成部115へ出力される。一方、受信信号は、直交復調部114によって直交復調され、合成部115へ出力される。そして、合成部115によって、送信信号から発生する3次歪み成分が付加された受信信号とキャンセル信号とが合成されることにより(ステップS104)、受信信号から3次歪み成分が除去される。3次歪み成分除去後の受信信号は、復号部116によって復号されることにより(ステップS105)、受信データが得られる。
このように、相互変調信号の測定結果に基づいてあらかじめ決定された次数のモデルを用いてキャンセル信号を生成し、キャンセル信号を受信信号に合成することにより、受信信号に付加された相互変調信号を相殺する。このため、送信信号に含まれる複数の信号の相互変調によって発生し受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、受信信号の復号精度を向上することができる。換言すれば、複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。
図5は、実施の形態1に係る効果の具体例を示す図である。図5の左図に示す受信信号は3次歪み成分を含んでおり、所定電力からの平均電力の電力差は122.2292dBである。この受信信号に図5の中央図に示すキャンセル信号を合成し、3次歪み成分をキャンセルすると、図5の右図に示す受信信号が得られる。ここで、図5の中央図に示すキャンセル信号は、上述したように、相互変調信号の測定結果に基づいてあらかじめ決定された次数のモデルを用いて生成されたものである。図5の右図に示す受信信号の所定電力からの電力差は108.6475dBとなっており、図5の左図に示す受信信号の所定電力からの電力差よりも13.5817dB小さい。すなわち、13.5817dBの相互変調信号がキャンセルされ、図5の右図に示す受信信号では、矩形に近い良好なスペクトラムが得られている。
以上のように、本実施の形態によれば、送信信号に含まれる複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号の測定結果に基づいてあらかじめ決定された次数のモデルを用いてキャンセル信号を生成し、キャンセル信号を受信信号に合成する。このため、受信経路に漏出して受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、受信信号の復号精度を向上することができる。換言すれば、複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2の特徴は、送信信号に含まれる複数の信号の振幅和に基づく補正係数によって理論上の相互変調信号を補正することによりキャンセル信号を生成する点である。
実施の形態2に係る無線通信装置の構成及びプロセッサの機能は、実施の形態1(図1、2)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態2においては、キャンセル信号生成部113によるキャンセル信号の生成方法が実施の形態1とは異なる。そこで、以下では、実施の形態2に係るキャンセル信号が生成される受信処理について説明する。
図6は、実施の形態2に係る受信処理を示すフロー図である。図6において、図3と同じ部分には同じ符号を付す。
実施の形態2に係る無線通信装置100においては、送信データが符号化部111によって符号化され(ステップS101)、直交変調部112によって直交変調されることにより、異なる周波数で送信される複数の信号を含む送信信号が生成される。この送信信号に含まれる複数の信号の相互変調により発生する相互変調信号が受信信号に付加されている。
そこで、符号化されたベースバンド信号と周波数が異なる複数の信号との対応が既知であることから、符号化されたベースバンド信号がキャンセル信号生成部113へ入力されることにより、受信信号に付加される相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号が生成される。具体的には、キャンセル信号生成部113によって、送信信号に含まれる複数の信号の振幅和が算出され(ステップS201)、振幅和を変数とする関数によって補正係数が算出される(ステップS202)。ここで用いられる関数は、例えば1次関数のように直線的に変化する関数であっても良く、その他の曲線的に変化する関数であっても良い。
また、キャンセル信号生成部113によって、送信信号に含まれる複数の信号から発生する理論上の相互変調信号が上式(1)によって求められる(ステップS203)。そして、求められた理論上の相互変調信号に補正係数が乗算されることにより(ステップS204)、受信信号に付加される相互変調信号に相当するキャンセル信号が生成される。
さらに具体的に例を挙げると、キャンセル信号は例えば図7に示すように生成される。すなわち、周波数f1の複素信号A(t)と周波数f2の複素信号B(t)とが送信信号に含まれ、これらの複素信号によって発生する3次歪み成分が受信経路に漏出して受信信号に付加される場合を考える。この場合、図7に示すように、キャンセル信号生成部113によって、複素信号B(t)の複素共役B(t)*が算出され、上式(1)によって理論上の3次歪み成分IM(t)が求められる。また、キャンセル信号生成部113によって、複素信号A(t)及び複素信号B(t)の振幅和xが以下の式(3)によって算出される。
x=|A(t)|+|B(t)| …(3)
ただし、式(3)において、|α|はαの振幅を表す記号である。さらに、振幅和xを変数とする1次関数y=ax+b(a、bは所定の係数)によって、補正係数yが算出される。そして、理論上の3次歪み成分IM(t)に補正係数yが乗算されることにより、キャンセル信号C(t)が求められる。
実施の形態2では、理論上の相互変調信号IM(t)を求めた上で、この相互変調信号IM(t)を振幅和xに応じた補正係数yで補正してキャンセル信号C(t)を生成する。このため、相互変調信号IM(t)を求める累乗演算の次数が整数であり、演算に係る処理負荷や回路規模が増大することがない。また、実際の相互変調信号を発生させる信号の振幅和xに基づいて、理論上の相互変調信号IM(t)を補正してキャンセル信号C(t)を生成するため、キャンセル信号C(t)は、送信信号から発生する相互変調信号を精度良く近似している。
このようにして生成されたキャンセル信号は、キャンセル信号生成部113から合成部115へ出力される。一方、受信信号は、直交復調部114によって直交復調され、合成部115へ出力される。そして、合成部115によって、送信信号から発生する3次歪み成分が付加された受信信号とキャンセル信号とが合成されることにより(ステップS104)、受信信号から3次歪み成分が除去される。3次歪み成分除去後の受信信号は、復号部116によって復号されることにより(ステップS105)、受信データが得られる。
このように、理論上の相互変調信号を実際の信号の振幅和に基づく補正係数によって補正してキャンセル信号を生成し、キャンセル信号を受信信号に合成することにより、受信信号に付加された相互変調信号を相殺する。このため、送信信号に含まれる複数の信号の相互変調によって発生し受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、受信信号の復号精度を向上することができる。換言すれば、複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。
図8は、実施の形態2に係る効果の具体例を示す図である。図8の左図に示す受信信号は3次歪み成分を含んでおり、実施の形態1(図5の左図)と同様に、所定電力からの平均電力の電力差は122.2292dBである。この受信信号に図8の中央図に示すキャンセル信号を合成し、3次歪み成分をキャンセルすると、図8の右図に示す受信信号が得られる。ここで、図8の中央図に示すキャンセル信号は、上述したように、理論上の相互変調信号に各信号の振幅和に基づく補正係数を乗算して生成されたものである。図8の右図に示す受信信号の所定電力からの電力差は105.4408dBとなっており、図8の左図に示す受信信号の所定電力からの電力差よりも16.7884dB小さい。すなわち、16.7884dBの相互変調信号がキャンセルされ、図8の右図に示す受信信号では、矩形に近い良好なスペクトラムが得られている。
以上のように、本実施の形態によれば、理論上の相互変調信号を実際の信号の振幅和に基づく補正係数によって補正してキャンセル信号を生成し、キャンセル信号を受信信号に合成する。このため、受信経路に漏出して受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、受信信号の復号精度を向上することができる。換言すれば、複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。また、相互変調信号を求める累乗演算の次数が整数であり、演算に係る処理負荷や回路規模が増大することがない。
なお、上記実施の形態2では、振幅和を変数とする関数を用いて補正係数を算出するものとしたが、必ずしも関数を用いる必要はない。すなわち、例えば各信号の振幅に対応する補正係数をあらかじめ記憶するテーブルをメモリ180に記憶させておき、キャンセル信号生成部113は、テーブルを参照することにより、各信号の振幅に対応する補正係数を取得しても良い。
(実施の形態3)
実施の形態3の特徴は、送信信号に含まれる複数の信号の振幅に基づく補正係数によって理論上の相互変調信号を補正することによりキャンセル信号を生成する点である。上記実施の形態2では、送信信号に含まれる複数の信号の振幅和に基づいて補正係数を算出するものとしたが、補正係数は必ずしも振幅和に基づいて算出しなくても良い。そこで、実施の形態3では、他の補正係数を用いてキャンセル信号を生成する例について説明する。
実施の形態3に係る無線通信装置の構成及びプロセッサの機能は、実施の形態1(図1、2)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態3においては、キャンセル信号生成部113によるキャンセル信号の生成方法が実施の形態1、2とは異なる。そこで、以下では、実施の形態3に係るキャンセル信号が生成される受信処理について説明する。
図9は、実施の形態3に係る受信処理を示すフロー図である。図9において、図3、6と同じ部分には同じ符号を付す。
実施の形態3に係る無線通信装置100においては、送信データが符号化部111によって符号化され(ステップS101)、直交変調部112によって直交変調されることにより、異なる周波数で送信される複数の信号を含む送信信号が生成される。この送信信号に含まれる複数の信号の相互変調により発生する相互変調信号が受信信号に付加されている。
そこで、符号化されたベースバンド信号と周波数が異なる複数の信号との対応が既知であることから、符号化されたベースバンド信号がキャンセル信号生成部113へ入力されることにより、受信信号に付加される相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号が生成される。具体的には、キャンセル信号生成部113によって、送信信号に含まれる複数の信号の振幅が算出され、振幅を変数とする関数によって補正係数が算出される(ステップS210)。ここで用いられる関数は、例えば1次関数のように直線的に変化する関数であっても良く、2次以上の高次関数であっても良い。
また、キャンセル信号生成部113によって、送信信号に含まれる複数の信号から発生する理論上の相互変調信号が上式(1)によって求められる(ステップS203)。そして、求められた理論上の相互変調信号に補正係数が乗算されることにより(ステップS204)、受信信号に付加される相互変調信号に相当するキャンセル信号が生成される。
ここで、実施の形態3に係るキャンセル信号の具体例を3つ挙げて、図10〜12を参照して説明する。
[具体例1]
まず、図10に示すように、周波数f1の複素信号A(t)と周波数f2の複素信号B(t)とが送信信号に含まれ、これらの複素信号によって発生する3次歪み成分が受信経路に漏出して受信信号に付加される場合を考える。この場合、キャンセル信号生成部113によって、複素信号B(t)の複素共役B(t)*が算出され、上式(1)によって理論上の3次歪み成分IM(t)が求められる。また、キャンセル信号生成部113によって、複素信号A(t)及び複素信号B(t)の振幅を変数とする関数f(|A(t)|、|B(t)|)によって、補正係数yが算出される。この補正係数yは、理論上の3次歪み成分IM(t)に乗算され、キャンセル信号C(t)が求められる。
補正係数yを算出するための関数は、相互変調信号の発生源の特性zと2つの複素信号A(t)、B(t)に対応する送信信号の和wとの関係に応じて異なる。すなわち、例えば送信信号和wと相互変調信号発生源の特性zとが下記の式(4)で表せる場合、補正係数yは下記の式(5)のようになる。
z=a1w+a33+a55 …(4)
y=(a5・(p1・|A(t)|2+p2・|B(t)|2)+a3) …(5)
ただし、a1、a3、a5、p1、p2は、それぞれ所定の係数である。同様に、例えば送信信号和wと相互変調信号発生源の特性zとが下記の式(6)で表せる場合、補正係数yは下記の式(7)のようになる。
z=a1w+a33+a55+a77 …(6)
y=(a7・(q1・|A(t)|4+q2・|A(t)|2・|B(t)|2+q3・|B(t)|4)+a5・(p1・|A(t)|2+p2・|B(t)|2)+a3)) …(7)
ただし、a7、q1、q2、q3も、それぞれ所定の係数である。さらに、例えば送信信号和wと相互変調信号発生源の特性zとが下記の式(8)で表せる場合、補正係数yは下記の式(9)のようになる。
z=a1w+a33+a55+a77+a99 …(8)
y=(a9・(r1・|A(t)|6+r2・|A(t)|4・|B(t)|2+r3・|A(t)|2・|B(t)|4+r4・|B(t)|6)+a7・(q1・|A(t)|4+q2・|A(t)|2・|B(t)|2+q3・|B(t)|4)+a5・(p1・|A(t)|2+p2・|B(t)|2)+a3)) …(9)
ただし、a9、r1、r2、r3、r4も、それぞれ所定の係数である。また、それぞれの振幅の累乗の項を振幅そのものの項で近似することなども可能である。すなわち、例えば上式(9)の代わりに下記の式(10)によって補正係数yを求めても良い。
y=(a9・(r1・|A(t)|6+r2・|A(t)|4・|B(t)|2+r3・|A(t)|2・|B(t)|4+r4・|B(t)|6)+a7・(q1・|A(t)|4+q2・|A(t)|2・|B(t)|2+q3・|B(t)|4)+a5・(p1・|A(t)|+p2・|B(t)|)+a3)) …(10)
上式(10)では、上式(9)の項a5・(p1・|A(t)|2+p2・|B(t)|2)+a3)が項a5・(p1・|A(t)|+p2・|B(t)|)+a3)で近似されている。
[具体例2]
送信信号には、3つ以上の信号が含まれていても良く、これらの3つの信号の相互変調によって発生する相互変調信号をキャンセルすることも可能である。そこで、具体例2では、周波数f1の複素信号A(t)、周波数f2の複素信号B(t)、及び周波数f3の複素信号D(t)が送信信号に含まれ、これらの複素信号によって発生する相互変調信号が受信経路に漏出して受信信号に付加される場合を考える。このような3つの複素信号からは、それぞれの複素信号の周波数の倍数の和及び差の周波数を有する相互変調信号が発生する。ここでは、例えば周波数(f1+f2−f3)において発生する相互変調信号を相殺するキャンセル信号について説明する。
この場合、図11に示すように、キャンセル信号生成部113によって、複素信号D(t)の複素共役D(t)*が算出され、下記の式(11)によって理論上の相互変調信号IM(t)が求められる。
IM(t)=A(t)×B(t)×D(t)* …(11)
また、キャンセル信号生成部113によって、複素信号A(t)、B(t)、D(t)の振幅を変数とする関数f(|A(t)|、|B(t)|、|D(t)|)によって、補正係数yが算出される。この補正係数yは、理論上の相互変調信号IM(t)に乗算され、キャンセル信号C(t)が求められる。
補正係数yを算出するための関数は、相互変調信号の発生源の特性zと3つの複素信号A(t)、B(t)、D(t)に対応する送信信号の和wとの関係に応じて異なる。すなわち、例えば送信信号和wと相互変調信号発生源の特性zとが下記の式(12)で表せる場合、補正係数yは下記の式(13)のようになる。
z=a1w+a33+a55 …(12)
y=(a5・(p1・|A(t)|2+p2・|B(t)|2+p3・|D(t)|2)+a3) …(13)
ただし、a1、a3、a5、p1、p2、p3は、それぞれ所定の係数である。同様に、例えば送信信号和wと相互変調信号発生源の特性zとが下記の式(14)で表せる場合、補正係数yは下記の式(15)のようになる。
z=a1w+a33+a55+a77 …(14)
y=(a7・(q1・|A(t)|4+q2・|B(t)|4+q3・|D(t)|4+q4・|A(t)|2・|B(t)|2+q5・|B(t)|2・|D(t)|2+q6・|D(t)|2・|A(t)|2)+a5・(p1・|A(t)|2+p2・|B(t)|2+p3・|D(t)|2)+a3)) …(15)
ただし、a7、q1、q2、q3、q4、q5、qも、それぞれ所定の係数である。
[具体例3]
相互変調信号は、送信信号に含まれる複数の信号の3次歪み成分のみから発生するとは限らない。すなわち、複数の信号の2次以上の任意の次数の歪み成分から相互変調信号が発生し得る。そこで、具体例3では、周波数f1の複素信号A(t)と周波数f2の複素信号B(t)とが送信信号に含まれ、これらの複素信号によって発生する5次歪み成分が受信経路に漏出して受信信号に付加される場合を考える。このような2つの複素信号からは、それぞれの複素信号の周波数の倍数の和及び差の周波数を有する5次歪み成分が発生する。ここでは、例えば周波数(3f1−2f2)において発生する5次歪み成分を相殺するキャンセル信号について説明する。
この場合、図12に示すように、キャンセル信号生成部113によって、複素信号B(t)の複素共役B(t)*が算出され、下記の式(16)によって理論上の5次歪み成分IM(t)が求められる。
IM(t)=A(t)3×(B(t)*2 …(16)
また、キャンセル信号生成部113によって、複素信号A(t)、B(t)の振幅を変数とする関数f(|A(t)|、|B(t)|)によって、補正係数yが算出される。この補正係数yは、理論上の5次歪み成分IM(t)に乗算され、キャンセル信号C(t)が求められる。
補正係数yを算出するための関数は、相互変調信号の発生源の特性zと2つの複素信号A(t)、B(t)に対応する送信信号の和wとの関係に応じて異なる。すなわち、例えば送信信号和wと相互変調信号発生源の特性zとが下記の式(17)で表せる場合、補正係数yは下記の式(18)のようになる。
z=a1w+a33+a55 …(17)
y=a5 …(18)
ただし、a1、a3、a5は、それぞれ所定の係数である。同様に、例えば送信信号和wと相互変調信号発生源の特性zとが下記の式(19)で表せる場合、補正係数yは下記の式(20)のようになる。
z=a1w+a33+a55+a77 …(19)
y=(a7・(p1・|A(t)|2+p2・|B(t)|2)+a5) …(20)
ただし、a7、p1、p2も、それぞれ所定の係数である。
上述した具体例1〜3のように、送信信号に含まれる複数の信号の振幅に基づく補正係数によって、理論上の相互変調信号を補正することにより、受信信号に付加された相互変調信号をキャンセルするキャンセル信号を生成することができる。このとき、送信信号に含まれる2以上の任意の数の信号の相互変調によって発生する相互変調歪み成分であって、2次以上の任意の次数の相互変調歪み成分に対応するキャンセル信号を生成することが可能である。
図9に戻って、上記のように生成されたキャンセル信号は、キャンセル信号生成部113から合成部115へ出力される。一方、受信信号は、直交復調部114によって直交復調され、合成部115へ出力される。そして、合成部115によって、送信信号から発生する相互変調信号が付加された受信信号とキャンセル信号とが合成されることにより(ステップS104)、受信信号から相互変調信号が除去される。相互変調信号除去後の受信信号は、復号部116によって復号されることにより(ステップS105)、受信データが得られる。
以上のように、本実施の形態によれば、理論上の相互変調信号を実際の信号の振幅に基づく補正係数によって補正してキャンセル信号を生成し、キャンセル信号を受信信号に合成する。このため、受信経路に漏出して受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、受信信号の復号精度を向上することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4の特徴は、送信信号に含まれる複数の信号それぞれの振幅と相互変調信号の振幅との関係を近似する関数によってキャンセル信号の振幅を算出し、複数の信号それぞれの位相からキャンセル信号の位相を算出することによりキャンセル信号を生成する点である。
実施の形態4に係る無線通信装置の構成及びプロセッサの機能は、実施の形態1(図1、2)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態4においては、キャンセル信号生成部113によるキャンセル信号の生成方法が実施の形態1とは異なる。そこで、以下では、実施の形態4に係るキャンセル信号が生成される受信処理について説明する。
図13は、実施の形態4に係る受信処理を示すフロー図である。図13において、図3と同じ部分には同じ符号を付す。
実施の形態4に係る無線通信装置100においては、送信データが符号化部111によって符号化され(ステップS101)、直交変調部112によって直交変調されることにより、異なる周波数で送信される複数の信号を含む送信信号が生成される。この送信信号に含まれる複数の信号の相互変調により発生する相互変調信号が受信信号に付加されている。
そこで、符号化されたベースバンド信号と周波数が異なる複数の信号との対応が既知であることから、符号化されたベースバンド信号がキャンセル信号生成部113へ入力されることにより、受信信号に付加される相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号が生成される。具体的には、キャンセル信号生成部113によって、送信信号に含まれる複数の信号それぞれの振幅に対して近似関数が用いられることにより、キャンセル信号の振幅が算出される(ステップS301)。ここで用いられる近似関数は、各信号の振幅と発生する相互変調信号の振幅との関係を近似する関数である。一般に、各信号の振幅が大きくなるほど相互変調信号の振幅も増大するが、各信号の振幅が大きくなるに連れて相互変調信号の振幅が増大する傾きは小さくなる。したがって、近似関数としては、例えば双曲線関数などを用いることが可能である。
また、キャンセル信号生成部113によって、送信信号に含まれる複数の信号の位相からキャンセル信号の位相が算出される(ステップS302)。すなわち、送信信号に含まれる複数の信号から発生する相互変調信号の位相が算出される。そして、算出されたキャンセル信号の振幅及び位相を有する複素信号が導出されることにより(ステップS303)、受信信号に付加される相互変調信号に相当するキャンセル信号が生成される。
さらに具体的に例を挙げると、キャンセル信号は例えば図14に示すように生成される。すなわち、周波数f1の複素信号A(t)と周波数f2の複素信号B(t)とが送信信号に含まれ、これらの複素信号によって発生する3次歪み成分が受信経路に漏出して受信信号に付加される場合を考える。この場合、図14に示すように、キャンセル信号生成部113によって、それぞれの複素信号の振幅に対して双曲線関数tanhが用いられることにより、それぞれの複素信号に対応する相互変調信号における振幅成分CA、CBが算出される。すなわち、以下の式(21)によって、複素信号A(t)、B(t)に対応する振幅成分CA、CBが算出される。
A=tanh(p・|A(t)|)
B=tanh(q・|B(t)|) …(21)
ただし、式(21)において、p、qは所定のパラメータである。そして、さらに以下の式(22)によって、3次歪み成分に対応するキャンセル信号の振幅|C(t)|が算出される。
|C(t)|=CA 2×CB …(22)
一方、複素信号A(t)、B(t)それぞれの位相をθA、θBとすると、3次歪み成分に対応するキャンセル信号の位相θCは、以下の式(23)によって算出される。
θC=2×θA−θB …(23)
そして、上式(22)、(23)によって算出された振幅|C(t)|及び位相θCを有する複素信号がキャンセル信号となる。
実施の形態4では、送信信号に含まれる複数の信号の振幅と相互変調信号の振幅との関係を近似する近似関数を用いてキャンセル信号の振幅を算出し、送信信号に含まれる複数の信号の位相からキャンセル信号の位相を算出する。このため、近似関数を適切に選定することにより、送信信号から発生する相互変調信号を精度良く近似するキャンセル信号を生成することができる。
このようにして生成されたキャンセル信号は、キャンセル信号生成部113から合成部115へ出力される。一方、受信信号は、直交復調部114によって直交復調され、合成部115へ出力される。そして、合成部115によって、送信信号から発生する3次歪み成分が付加された受信信号とキャンセル信号とが合成されることにより(ステップS104)、受信信号から3次歪み成分が除去される。3次歪み成分除去後の受信信号は、復号部116によって復号されることにより(ステップS105)、受信データが得られる。
以上のように、本実施の形態によれば、送信信号に含まれる複数の信号の振幅と相互変調信号の振幅との関係を近似する近似関数を用いてキャンセル信号の振幅を算出し、送信信号に含まれる複数の信号の位相からキャンセル信号の位相を算出し、キャンセル信号を受信信号に合成する。このため、受信経路に漏出して受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、受信信号の復号精度を向上することができる。換言すれば、複数の周波数の信号を含む送信信号が送信される場合でも、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。また、近似関数を適切に選定することにより、送信信号から発生する相互変調信号を精度良く近似するキャンセル信号を生成することができる。
なお、上記実施の形態4では、近似関数を用いてキャンセル信号の振幅を算出するものとしたが、必ずしも近似関数を用いる必要はない。すなわち、例えば各信号の振幅に対応するキャンセル信号の振幅をあらかじめ記憶するテーブルをメモリ180に記憶させておき、キャンセル信号生成部113は、テーブルを参照することにより、キャンセル信号の振幅を取得しても良い。
(実施の形態5)
実施の形態5の特徴は、受動素子において送信信号から相互変調信号が発生し、デジタル回路に戻るまでの遅延を考慮してキャンセル信号を遅延させるとともに位相差を調整する点である。
実施の形態5に係る無線通信装置の構成は、実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態5においては、プロセッサ110の機能が実施の形態1とは異なる。図15は、実施の形態5に係るプロセッサ110の機能を示すブロック図である。図15において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図15に示すプロセッサ110では、図2に示すプロセッサ110に遅延調整部201及び位相差調整部202が追加されている。
遅延調整部201は、キャンセル信号生成部113がキャンセル信号の生成に用いた送信信号に起因してデュプレクサ150とアンテナの間の通過経路又は外部の相互変調発生源において相互変調信号が発生し、この相互変調信号がプロセッサ110へ戻ってくるまでの遅延を検出する。具体的には、遅延調整部201は、キャンセル信号生成部113によって生成されたキャンセル信号と相互変調信号が付加された受信信号との相関値を演算し、キャンセル信号に対応する相互変調信号がプロセッサ110へ入力されるタイミングを検出する。すなわち、キャンセル信号に対応する相互変調信号が受信信号に付加されていれば、キャンセル信号と受信信号の相関値が大きくなるため、遅延調整部201は、キャンセル信号と受信信号の相関値が例えば最大になるタイミングを検出することにより、相互変調信号の遅延タイミングを検出する。そして、遅延調整部201は、検出した遅延タイミングでキャンセル信号を位相差調整部202へ出力する。
位相差調整部202は、キャンセル信号生成部113が生成したキャンセル信号と受信信号に付加された相互変調信号との位相差を検出し、キャンセル信号の位相を調整する。具体的には、位相差調整部202は、遅延調整部201における相関演算の結果、最大の相関値の複素値から位相差を算出し、この位相差だけキャンセル信号の位相を調整する。そして、位相差調整部202は、位相を調整した後のキャンセル信号を合成部115へ出力する。
実施の形態5においては、デュプレクサ150とアンテナの間の通過経路に設けられた受動素子又は外部の相互変調発生源において発生した相互変調信号がダウンコンバータ160及びADコンバータ170を経由してプロセッサ110へ入力されるまでの遅延を考慮して、遅延調整部201がキャンセル信号を遅延させる。さらに、位相差調整部202が遅延による位相差を調整した上でキャンセル信号を合成部115へ入力する。このため、受信信号に付加された相互変調信号とこの相互変調信号に対応するキャンセル信号とが同じタイミングかつ同位相で合成部115へ入力され、キャンセル信号によって確実に相互変調信号を相殺することができる。
なお、キャンセル信号生成部113によって生成されるキャンセル信号は、実施の形態1〜4のいずれの方法で生成されたものであっても良い。また、相互変調信号が発生する箇所は、デュプレクサ150からアンテナまでの通過経路に設けられたケーブル及びコネクタなどや無線通信装置の外部であっても良く、送信信号が伝送される経路上であればどこでも良い。
以上のように、本実施の形態によれば、相互変調信号がプロセッサへ入力されるまでの遅延と位相差を考慮して、キャンセル信号を遅延させるとともに位相を調整する。このため、相互変調信号に対応するキャンセル信号を受信信号に合成することができ、確実に受信信号から相互変調信号を除去することができる。
(実施の形態6)
実施の形態6の特徴は、相互変調信号をキャンセルした後の受信信号に残存するキャンセル信号成分が最小になるように、キャンセル信号を生成するためのパラメータを変更しながらキャンセル信号を生成する点である。
実施の形態6に係る無線通信装置の構成は、実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態6においては、プロセッサ110の機能が実施の形態1とは異なる。図16は、実施の形態6に係るプロセッサ110の機能を示すブロック図である。図16において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図16に示すプロセッサ110では、図2に示すプロセッサ110に相関値検出部301、最小電力検出部302及びパラメータ変更部303が追加されている。
相関値検出部301は、キャンセル信号生成部113によって生成されたキャンセル信号と合成部115から出力される受信信号との相関値を検出する。すなわち、相関値検出部301は、合成部115によってキャンセル信号が合成され、相互変調信号が除去された後の受信信号に残存するキャンセル信号成分を検出する。ここで、キャンセル信号生成部113によって生成されたキャンセル信号の精度が良い場合には、このキャンセル信号と受信信号に付加された相互変調信号とが一致し、合成部115においてキャンセル信号と相互変調信号とが相殺される。結果として、合成部115から出力される受信信号に残存するキャンセル信号成分は、小さくなる。したがって、相関値検出部301が検出する相関値が小さい場合には、キャンセル信号生成部113によって生成されるキャンセル信号の精度が良いといえる。
最小電力検出部302は、パラメータ変更部303によってパラメータが順次変更される場合に、相関値検出部301によって検出される相関値の最小値(以下「最小電力」という)を検出する。すなわち、最小電力検出部302は、最小電力が検出されるまで、パラメータ変更部303に対してパラメータを順次変更するように指示する。そして、最小電力検出部302は、最小電力が検出された場合に、パラメータ変更部303に対して最小電力に対応するパラメータを設定するように指示する。
パラメータ変更部303は、最小電力検出部302からの指示に従って、キャンセル信号生成部113によってキャンセル信号が生成される際のパラメータを順次変更する。具体的には、パラメータ変更部303は、例えば実施の形態1に係るキャンセル信号が生成される場合には、キャンセル信号が生成される際に使用されるモデルの次数を順次変更する。また、パラメータ変更部303は、例えば実施の形態2に係るキャンセル信号が生成される場合には、振幅和から補正係数を算出するための関数の係数を順次変更する。そして、パラメータ変更部303は、最小電力に対応するパラメータを設定するように最小電力検出部302から指示されると、順次変更したパラメータのうち最小電力が検出された際のパラメータをキャンセル信号生成部113に設定する。
実施の形態6においては、キャンセル信号を生成する際のパラメータを順次変更しながら、キャンセル信号が合成された後の受信信号に残存するキャンセル信号成分を最小にするパラメータを決定する。つまり、受信信号に付加された相互変調信号を最も精度良く相殺するキャンセル信号を生成するためのパラメータを決定し、決定されたパラメータによってキャンセル信号が生成されるようにする。このため、キャンセル信号とキャンセル信号を合成後の受信信号との相関値に基づいて適応的に最適なパラメータを決定し、精度が良いキャンセル信号を生成することができる。
なお、キャンセル信号生成部113によって生成されるキャンセル信号は、実施の形態1〜4のいずれの方法で生成されたものであっても良い。そして、パラメータ変更部303は、それぞれの方法で使用されるパラメータの全部又は一部を順次変更しながら、最終的には、最小電力に対応する最適なパラメータをキャンセル信号生成部113に設定する。また、相互変調信号が発生する箇所は、デュプレクサ150からアンテナまでの通過経路に設けられたケーブル及びコネクタなどであっても良く、送信信号が伝送される経路上であればどこでも良い。
以上のように、本実施の形態によれば、キャンセル信号を生成する際に使用されるパラメータを順次変更しながら、キャンセル信号とキャンセル信号を合成後の受信信号との相関値を検出し、相関値を最小にするパラメータを決定する。そして、決定されたパラメータを使用してキャンセル信号を生成する。このため、適応的に最適なパラメータを決定し、精度が良いキャンセル信号を生成することができ、受信信号の復号精度をさらに向上することができる。
(実施の形態7)
実施の形態7の特徴は、信号の送信経路と受信経路とが分離している無線通信装置において、装置の外部で発生する相互変調信号をキャンセルする点である。
図17は、実施の形態7に係る無線通信装置200の構成を示すブロック図である。図17において、図1と同じ部分には同じ符号を付す。図17に示す無線通信装置200は、図1に示す無線通信装置100のデュプレクサ150を削除し、信号の送信経路と受信経路とが分離する構成を採る。このような構成の場合、異なる周波数で送信される複数の信号を含む送信信号が送信経路を通過して送信されても、複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号が無線通信装置200の内部で受信経路に漏出することはない。
しかしながら、無線通信装置200の近傍に、例えば金属などの相互変調発生源Sが配置されている場合、送信アンテナから送信された無線送信信号に含まれる周波数の異なる複数の信号が相互変調発生源Sにおいて相互変調する。この結果、相互変調信号が発生し、発生した相互変調信号が受信信号とともに受信アンテナへ入射する。したがって、送信経路と受信経路とが分離していても、受信信号に相互変調信号が付加されることがある。
そこで、実施の形態7に係る無線通信装置200のプロセッサ110は、上述した実施の形態1〜6に係る無線通信装置100のプロセッサ110と同様に、送信信号に含まれる複数の信号からキャンセル信号を生成し、キャンセル信号を受信信号に合成する。これにより、無線通信装置200の外部において発生して受信信号に付加された相互変調信号を相殺することができ、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、送信信号に含まれる複数の信号からキャンセル信号を生成し、外部の相互変調発生源において発生し受信信号に付加される相互変調信号をキャンセル信号によって相殺する。このため、無線通信装置内の送信経路と受信経路が分離している場合でも、受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。
(実施の形態8)
実施の形態8の特徴は、ベースバンド部と無線部とが別体として設けられる無線通信システムにおいて、相互変調信号をキャンセルする点である。
図18は、実施の形態8に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図18に示す無線通信システムは、ベースバンドユニット(BBU:BaseBand Unit)300及びリモートラジオヘッド(RRH:Remote Radio Head)400−1、400−2を有する。なお、図18においては、2つのRRH400−1、400−2を図示したが、1つまたは3つ以上のRRHがBBU300に接続されていても良い。また、RRH400−2は、RRH400−1と同様の内部構成であるため、図18においては、RRH400−2の内部構成を省略している。
BBU300は、ベースバンド処理を実行し、送信データを含むベースバンド信号をRRH400−1、400−2へ送信する。また、BBU300は、受信データを含むベースバンド信号をRRH400−1、400−2から受信し、このベースバンド信号に対してベースバンド処理を施す。具体的には、BBU300は、プロセッサ310、メモリ320及びインタフェース330を有する。
プロセッサ310は、例えばCPU、FPGA又はDSPなどを備え、異なる周波数で送信される複数の信号を含むベースバンド信号を送信データから生成する。また、プロセッサ310は、RRH400−1、400−2から受信したベースバンド信号から受信データを得る。このとき、プロセッサ310は、受信したベースバンド信号に含まれる相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号を送信したベースバンド信号に基づいて生成し、キャンセル信号を用いて相互変調信号を相殺する。
メモリ320は、例えばRAM又はROMなどを備え、プロセッサ310が処理を実行するために使用する情報を記憶する。すなわち、メモリ320は、例えばプロセッサ310がキャンセル信号を生成する際に使用するパラメータなどを記憶する。
インタフェース330は、例えば光ファイバなどでRRH400−1、400−2と接続され、RRH400−1、400−2との間でベースバンド信号を送受信する。インタフェース330が送信するベースバンド信号には、異なる周波数で送信される複数の信号が含まれている。異なる周波数で送信される複数の信号は、RRH400−1、400−2のいずれか一方へまとめて送信されても良いし、RRH400−1、400−2の双方へ別々に送信されても良い。
RRH400−1、400−2は、BBU300から受信したベースバンド信号を無線周波数にアップコンバートし、得られた無線送信信号をアンテナを介して送信する。また、RRH400−1、400−2は、アンテナを介して受信した無線受信信号をベースバンド周波数にダウンコンバートし、得られたベースバンド信号をBBU300へ送信する。具体的には、RRH400−1、400−2は、インタフェース410、プロセッサ415、DAコンバータ420、アップコンバータ430、増幅器440、デュプレクサ450、ダウンコンバータ460及びADコンバータ470を有する。
インタフェース410は、例えば光ファイバなどでBBU300と接続され、BBU300との間でベースバンド信号を送受信する。
プロセッサ415は、インタフェース410によって受信されたベースバンド信号を直交変調してDAコンバータ420へ出力する。また、プロセッサ415は、増幅器440での増幅により非線形歪みが発生することがあるため、ベースバンド信号に対するプリディストーション処理を施す歪み補償回路などを有していても良い。さらに、プロセッサ415は、ADコンバータ470から出力されるベースバンド信号を直交復調してインタフェース410へ出力する。インタフェース410へ出力されるベースバンド信号には、送信信号の相互変調により発生する相互変調信号が付加されている。
DAコンバータ420は、プロセッサ415から出力されるベースバンド信号をDA変換し、得られたアナログのベースバンド信号をアップコンバータ430へ出力する。
アップコンバータ430は、DAコンバータ420から出力されるベースバンド信号を無線周波数にアップコンバートし、無線送信信号を生成する。そして、アップコンバータ430は、生成した無線送信信号を増幅器440へ出力する。
増幅器440は、アップコンバータ430から出力される無線送信信号を増幅する。
デュプレクサ450は、増幅器440から出力される無線送信信号をコネクタ、ケーブル及びアンテナを介して送信する。また、デュプレクサ450は、アンテナで受信されケーブル及びコネクタを経由した無線受信信号をダウンコンバータ460へ出力する。無線送信信号と無線受信信号との周波数が異なるため、デュプレクサ450は、送信経路と受信経路とを電気的に分離し、無線送信信号が受信経路に漏出しないようにする。
デュプレクサ450とアンテナの間の経路は、例えばコネクタ、ケーブル及びアンテナなどの受動素子を備える。無線送信信号に周波数が異なる複数の信号が含まれる場合は、受動素子におけるインピーダンスの不連続点や受動素子において生じる微小な非線形歪みにより、複数の信号が相互変調して相互変調信号が発生する。すなわち、デュプレクサ450とアンテナの間の経路及び各装置の外部の伝搬路は、無線送信信号及び無線受信信号の双方の通過経路となるため、これらの通過経路において発生した相互変調信号が無線受信信号に付加される。
一方、無線送信信号に周波数が異なる複数の信号が含まれない場合でも、RRH400−1、400−2それぞれから送信される無線送信信号の周波数が異なり、RRH400−1、400−2の外部に相互変調発生源がある場合には、相互変調信号が発生する。そして、外部で発生した相互変調信号は、アンテナによって受信され無線受信信号に付加される。
ダウンコンバータ460は、デュプレクサ450から出力される無線受信信号をベースバンド周波数にダウンコンバートし、得られたベースバンド信号をADコンバータ470へ出力する。
ADコンバータ470は、ダウンコンバータ460から出力されるベースバンド信号をAD変換し、得られたデジタルのベースバンド信号をプロセッサ415へ出力する。
本実施の形態においては、RRH400−1、400−2によって受信される受信信号にRRH400−1、400−2の内部又は外部で発生した相互変調信号が付加される。そして、相互変調信号が付加された受信信号は、BBU300へ送信される。BBU300のプロセッサ310は、すべてのRRH400−1、400−2から送信される送信信号を生成しており、これらの送信信号の相互変調により発生する相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成可能である。そこで、プロセッサ310は、上述した実施の形態1〜6に係る無線通信装置100のプロセッサ110と同様に、RRH400−1、400−2から送信される複数の信号に基づいてキャンセル信号を生成し、キャンセル信号を受信信号に合成する。これにより、RRH400−1、400−2の内部又は外部において発生して受信信号に付加された相互変調信号を相殺することができ、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、複数のRRHに接続されたBBUにおいて、複数のRRHから送信される複数の信号に基づいてキャンセル信号を生成し、各RRHによって受信された受信信号に付加される相互変調信号をキャンセル信号によって相殺する。このため、ベースバンド部と無線部とが別体として設けられる無線通信システムにおいて、受信信号に付加された相互変調信号を精度良くキャンセルすることができ、相互変調信号による受信品質の低下を抑制することができる。
なお、上記実施の形態8では、BBU300のプロセッサ310が送信信号からキャンセル信号を生成し、受信信号に合成するものとしたが、相互変調信号をキャンセルする機能を備えた装置を独立して設けることも可能である。図19は、相互変調信号をキャンセルするキャンセル装置500を備えた無線通信システムの構成を示すブロック図である。図19において、図18と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図19に示す無線通信システムは、BBU300、RRH400−1、400−2に加えて、キャンセル装置500を有する。
キャンセル装置500は、BBU300とRRH400−1、400−2との間に接続され、BBU300とRRH400−1、400−2との間で送受信されるベースバンド信号を中継する。また、キャンセル装置500は、BBU300からRRH400−1、400−2へ送信されるベースバンド信号に基づいて、相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、RRH400−1、400−2からBBU300へ送信されるベースバンド信号にキャンセル信号を合成する。具体的には、キャンセル装置500は、インタフェース510、540、プロセッサ520及びメモリ530を有する。
インタフェース510は、BBU300と接続され、BBU300との間でベースバンド信号を送受信する。すなわち、インタフェース510は、プロセッサ310によって生成された送信信号をBBU300のインタフェース330から受信する一方、RRH400−1、400−2によって受信された受信信号をBBU300のインタフェース330へ送信する。インタフェース510がBBU300から受信する送信信号には、異なる周波数で送信される複数の信号が含まれている。異なる周波数で送信される複数の信号は、RRH400−1、400−2のいずれか一方へまとめて送信されても良いし、RRH400−1、400−2の双方へ別々に送信されても良い。
プロセッサ520は、例えばCPU、FPGA又はDSPなどを備え、インタフェース510によって受信された複数の信号に基づいて、相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号を生成する。また、プロセッサ520は、インタフェース540によって受信された信号にキャンセル信号を合成し、受信信号に付加された相互変調信号を相殺する。
メモリ530は、例えばRAM又はROMなどを備え、プロセッサ520が処理を実行するために使用する情報を記憶する。すなわち、メモリ530は、例えばプロセッサ520がキャンセル信号を生成する際に使用するパラメータなどを記憶する。
インタフェース540は、例えば光ファイバなどでRRH400−1、400−2と接続され、RRH400−1、400−2との間でベースバンド信号を送受信する。すなわち、インタフェース540は、BBU300から受信された送信信号をRRH400−1、400−2へ送信する一方、RRH400−1、400−2によって受信された受信信号をRRH400−1、400−2から受信する。インタフェース540がRRH400−1、400−2へ送信する送信信号には、異なる周波数で送信される複数の信号が含まれている。異なる周波数で送信される複数の信号は、RRH400−1、400−2のいずれか一方へまとめて送信されても良いし、RRH400−1、400−2の双方へ別々に送信されても良い。また、インタフェース540がRRH400−1、400−2から受信する受信信号には、RRH400−1、400−2の内部又は外部で発生した相互変調信号が付加されている。
図20は、プロセッサ520の機能を示すブロック図である。図20に示すプロセッサ520は、送信信号取得部521、送信信号送出部522、キャンセル信号生成部523、受信信号取得部524、合成部525及び受信信号送出部526を有する。なお、これらの各処理部は、ハードウェアで構成されても良く、ソフトウェアで構成されても良い。
送信信号取得部521は、BBU300において生成され送信された送信信号をインタフェース510から取得する。このとき、送信信号取得部521は、異なる周波数でRRH400−1、400−2から送信される複数の信号を含む送信信号を取得する。
送信信号送出部522は、送信信号取得部521によって取得された送信信号をインタフェース540へ送出し、RRH400−1、400−2へ送信させる。
キャンセル信号生成部523は、送信信号に含まれる複数の信号から、相互変調信号を相殺するためのキャンセル信号を生成する。具体的には、キャンセル信号生成部523は、RRH400−1、400−2の受信帯域に含まれる周波数を有する相互変調信号に対応する2つのベースバンド信号を送信信号から取得し、これらのベースバンド信号に基づいてキャンセル信号を生成する。このとき、キャンセル信号生成部523は、上記の実施の形態1〜6で説明したように、送信信号に含まれる複数の信号の累乗の積や振幅に基づいて、相互変調信号に対応するキャンセル信号を算出する。
受信信号取得部524は、RRH400−1、400−2によって受信されダウンコンバートされた受信信号をインタフェース540から取得する。このとき、受信信号取得部524は、異なる周波数でRRH400−1、400−2から送信された信号に起因して発生した相互変調信号が付加された受信信号を取得する。
合成部525は、受信信号取得部524によって取得された、相互変調信号が付加された受信信号と、キャンセル信号生成部523によって生成されたキャンセル信号とを合成する。すなわち、合成部525は、受信信号にキャンセル信号を合成することにより、受信信号に付加された相互変調信号を相殺する。
受信信号送出部526は、合成部525によって相互変調信号がキャンセルされた受信信号をインタフェース510へ送出し、BBU300へ送信させる。
このように、キャンセル装置500は、BBU300及びRRH400−1、400−2とは独立して設けられ、BBU300において生成され異なる周波数で送信される複数の信号に基づいてキャンセル信号を生成する。そして、キャンセル装置500は、各RRH400−1、400−2によって受信された受信信号に付加される相互変調信号をキャンセル信号によって相殺する。
さらに、キャンセル装置500と1つのRRHとを一体化し、このRRHと他のRRHを相互に接続することも可能である。すなわち、図21に示すように、BBU300には1つのRRH500aが接続され、他のRRH400−1はRRH500aに接続される。RRH500aは、上述したキャンセル装置500と同等の機能を有するとともに、他のRRH400−1と同様にアンテナを介して無線信号の送受信を実行する。RRH500aは、キャンセル装置500と同等の機能を有するため、他のRRH400−1から無線送信される送信信号は、RRH500aを経由してRRH400−1へ伝送される。換言すれば、すべてのRRHから無線送信される送信信号がRRH500aを経由するため、RRH500aは、これらの送信信号から発生する相互変調信号をキャンセルするキャンセル信号を生成することができる。また、すべてのRRHによって無線受信される受信信号がRRH500aを経由するため、RRH500aは、各RRHにおける受信信号にキャンセル信号を合成し、受信信号に付加された相互変調信号をキャンセルする。
このように、1つのRRH500aがBBU300に接続され、他のRRH400−1は、RRH500aを介してBBU300に接続する無線通信システムにおいては、RRH500aによって相互変調信号をキャンセルすることができる。
(実施の形態9)
実施の形態9の特徴は、周波数が異なる複数の信号と同時に、いずれかの信号と同一周波数で波形が異なる信号が送信された場合に発生する相互変調信号をキャンセルする点である。
図22は、実施の形態9に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図22において、図18と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図22に示す無線通信システムは、図18に示す無線通信システムにRRH400−3、400−4を追加した構成を採る。
この無線通信システムにおいて、RRH400−1、400−2は、それぞれ異なる信号を周波数f1で送信しており、RRH400−3、400−4は、それぞれ異なる信号を周波数f3で送信している。このような場合、RRH400−1〜400−4の外部に相互変調発生源があると、同一周波数の信号を含む複数の信号の相互変調によって相互変調信号が発生する。このため、BBU300のプロセッサ310は、RRH400−1〜400−4から送信される複数の信号に基づいてキャンセル信号を生成し、RRH400−1〜400−4によって受信される受信信号に付加された相互変調信号をキャンセルする。
具体的には、プロセッサ310は、上記実施の形態2、3と同様に、複数の信号の振幅に基づく補正係数によって理論上の相互変調信号を補正することによりキャンセル信号を生成する。ここで、RRH400−1、400−2から周波数f1で送信される信号をそれぞれI1、I2とし、RRH400−3、400−4から周波数f3で送信される信号をそれぞれI3、I4とする。これらの信号によって、例えば周波数(2f1−f3)に発生する3次歪み成分をキャンセルするキャンセル信号C(t)は、下記の式(24)によって表すことができる。
C(t)={p11|I1|2+p21|I2|2+p31|I3|2+p41|I4|2
+p51(I1・I2 *)+p61(I1 *・I2)+p71(I3・I4 *)+p81(I3 *・I4)
+p91}・I1・I1・I3 *
+{p12|I1|2+p22|I2|2+p32|I3|2+p42|I4|2
+p52(I1・I2 *)+p62(I1 *・I2)+p72(I3・I4 *)+p82(I3 *・I4)
+p92}・I1・I2・I3 *
+{p13|I1|2+p23|I2|2+p33|I3|2+p43|I4|2
+p53(I1・I2 *)+p63(I1 *・I2)+p73(I3・I4 *)+p83(I3 *・I4)
+p93}・I2・I2・I3 *
+{p14|I1|2+p24|I2|2+p34|I3|2+p44|I4|2
+p54(I1・I2 *)+p64(I1 *・I2)+p74(I3・I4 *)+p84(I3 *・I4)
+p94}・I1・I1・I4 *
+{p15|I1|2+p25|I2|2+p35|I3|2+p45|I4|2
+p55(I1・I2 *)+p65(I1 *・I2)+p75(I3・I4 *)+p85(I3 *・I4)
+p95}・I1・I2・I4 *
+{p16|I1|2+p26|I2|2+p36|I3|2+p46|I4|2
+p56(I1・I2 *)+p66(I1 *・I2)+p76(I3・I4 *)+p86(I3 *・I4)
+p96}・I2・I2・I4 * …(24)
ただし、上式(24)において、p11〜p96は所定の係数である。
本実施の形態においては、同一周波数の信号が2つずつ同時に送信されるため、信号の組み合わせごとに理論上の3次歪み成分が求められる。すなわち、上式(24)は、3行ずつの6つの部分に別れており、それぞれの部分は、周波数f1、f3の信号として選択された信号に対応する。例えば上式(24)の最初の3行は、上式(1)と同等の3次歪み成分を算出するために、信号I1の2乗と信号I3の複素共役とを乗算し、この信号の組み合わせに応じた3次歪み成分に補正係数を乗算する部分である。同様に、上式(24)の次の3行は、上式(1)と同等の3次歪み成分を算出するために、信号I1、I2の積と信号I3の複素共役とを乗算し、この信号の組み合わせに応じた3次歪み成分に補正係数を乗算する部分である。
このように、周波数が異なる信号のみではなく、同一周波数の信号も含む複数の信号の相互変調によって相互変調信号が発生する場合にも、プロセッサ310は、受信信号に付加された相互変調信号をキャンセルするキャンセル信号を生成することができる。このため、RRH400−1〜400−4から送信される信号の周波数が制限されることがなく、無線通信システムの柔軟な設計が可能となる。また、例えば1つの無線通信装置が複数のアンテナを備え、MIMO(Multi Input Multi Output)通信などを実行する場合にも、相互変調信号をキャンセルすることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、異なる周波数及び同一周波数で送信される複数の信号に基づいてキャンセル信号を生成し、受信信号に付加される相互変調信号をキャンセル信号によって相殺する。このため、無線通信システム柔軟な設計が可能となるとともに、MIMO通信などが採用される無線通信システムにおいても、相互変調信号をキャンセルすることができる。
なお、上記各実施の形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。具体的には、例えば実施の形態1、5を組み合わせて、あらかじめ記憶された次数のモデルを使用して生成されたキャンセル信号を、遅延量及び位相を調整した上で、相互変調信号が付加された受信信号に合成しても良い。また、さらに実施の形態6を組み合わせて、初期値の次数を順次変更しながら最適な次数を決定し、決定した次数のモデルを使用してキャンセル信号を生成するようにしても良い。また、一部機能を置き換えて実施することも可能である。例えば、実施の形態1ではキャンセル信号を生成するためのパラメータがあらかじめキャンセル精度の高いパラメータであるものとした。しかし、実施の形態1に係るパラメータの設定に関する処理を実施の形態6の処理に置き換えることで、パラメータの初期値がキャンセル精度の低いものであっても、運用とともにキャンセル精度が高いパラメータに変更される。
上記各実施の形態において説明した相互変調信号のキャンセル処理をコンピュータが実行可能なプログラムとして記述することも可能である。この場合、このプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピュータに導入することも可能である。コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、例えばCD−ROM、DVDディスク、USBメモリなどの可搬型記録媒体や、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリが挙げられる。
110、310、415、520 プロセッサ
111 符号化部
112 直交変調部
113、523 キャンセル信号生成部
114 直交復調部
115、525 合成部
116 復号部
120、420 DAコンバータ
130、430 アップコンバータ
140、440 増幅器
150、450 デュプレクサ
160、460 ダウンコンバータ
170、470 ADコンバータ
180、320、530 メモリ
201 遅延調整部
202 位相差調整部
301 相関値検出部
302 最小電力検出部
303 パラメータ変更部
330、410、510、540 インタフェース
521 送信信号取得部
522 送信信号送出部
524 受信信号取得部
526 受信信号送出部

Claims (14)

  1. 異なる周波数で無線送信される複数の信号を送信する送信部と、
    前記複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号が付加された受信信号を取得する取得部と、
    前記送信部及び前記取得部に接続されるプロセッサとを有し、
    前記プロセッサは、
    前記送信部によって送信された複数の信号に基づいて、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、
    生成されたキャンセル信号を前記取得部によって取得された受信信号に合成する
    処理を実行することを特徴とする通信装置。
  2. 周波数が異なる複数の信号を含む送信信号と前記相互変調信号の周波数を含む周波数帯の受信信号とが通過する通過経路をさらに有し、
    前記合成する処理は、
    生成されたキャンセル信号を前記通過経路を通過して前記プロセッサへ入力される受信信号に合成することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記生成する処理は、
    前記複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号をあらかじめ測定して得られた測定結果を近似する演算式を用いてキャンセル信号を生成することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  4. 前記生成する処理は、
    前記複数の信号の振幅に対応する補正係数を算出し、
    所定の演算式を用いて、前記複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号を生成し、
    生成された相互変調信号を補正係数によって補正することによりキャンセル信号を生成する
    処理を含むことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  5. 前記算出する処理は、
    前記複数の信号の振幅和を変数とする1次関数を用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  6. 前記算出する処理は、
    前記複数の信号の振幅の大きさの偶数乗を変数とする関数を用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  7. 前記算出する処理は、
    前記複数の信号の振幅の大きさの偶数乗と振幅の大きさとを変数とする関数を用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  8. 前記相互変調信号を生成する処理は、
    前記複数の信号をそれぞれ複素信号で表し、複素信号又は複素信号の複素共役の累乗の積の形式で相互変調信号を求めることを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  9. 前記生成する処理は、
    前記複数の信号それぞれの振幅と前記相互変調信号の振幅との関係を近似する近似関数を用いてキャンセル信号の振幅を算出し、
    前記複数の信号それぞれの位相に基づいてキャンセル信号の位相を算出し、
    算出された振幅及び位相を有するキャンセル信号を生成する
    処理を含むことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  10. 前記プロセッサは、
    前記相互変調信号が前記プロセッサへ入力されるまでの遅延量を検出し、
    検出された遅延量だけキャンセル信号を遅延させ、
    検出された遅延量に対応する位相差だけキャンセル信号の位相を調整する
    処理をさらに実行することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  11. 前記生成する処理は、
    前記複数の信号に対してパラメータを用いた演算を実行することによりキャンセル信号を生成し、
    前記プロセッサは、
    キャンセル信号を生成する演算に用いられるパラメータを順次変更し、
    パラメータが変更されるたびに、生成されたキャンセル信号とキャンセル信号を合成後の受信信号との相関値を検出し、
    検出された相関値を最小にするパラメータをキャンセル信号生成のためのパラメータと決定する
    処理をさらに実行することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  12. 前記送信部は、
    前記複数の信号のいずれか1つと同一周波数帯で送信される信号を送信し、
    前記取得部は、
    前記複数の信号と前記同一周波数帯の信号との相互変調によって発生する相互変調信号が付加された受信信号を取得し、
    前記生成する処理は、
    前記複数の信号と前記同一周波数帯の信号との組み合わせごとに各信号の振幅に対応する補正係数を算出し、
    信号の組み合わせごとに、所定の演算式を用いて、前記複数の信号と前記同一周波数帯の信号との相互変調によって発生する相互変調信号を生成し、
    信号の組み合わせごとに、生成された相互変調信号を補正係数によって補正することによりキャンセル信号を生成する
    処理を含むことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  13. 前記生成する処理は、
    一部の信号の組み合わせについて、キャンセル信号を生成することを特徴とする請求項12記載の通信装置。
  14. 異なる周波数で無線送信される複数の信号を送信し、
    前記複数の信号の相互変調によって発生する相互変調信号が付加された受信信号を取得し、
    送信された複数の信号に基づいて、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、
    生成されたキャンセル信号を取得された受信信号に合成する
    処理を有することを特徴とする受信方法。
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