JP2018204764A - 車両用はすば歯車装置 - Google Patents

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頼田 浩
Hiroshi Yorita
浩 頼田
岳嗣 佐々木
Takeshi Sasaki
岳嗣 佐々木
健一朗 塚本
Kenichiro Tsukamoto
健一朗 塚本
一哉 荒川
Kazuya Arakawa
一哉 荒川
橋本 学
Manabu Hashimoto
橋本  学
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Abstract

【課題】第1はすば歯車から第2はすば歯車を介して第3はすば歯車に回転を伝達している時における第2はすば歯車からのスラスト荷重を好適に低減させる車両用はすば歯車装置を提供する。【解決手段】筒状シム36が、転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に配設されることにより、ころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)が好適に小さくなり第2はすば歯車14の支持軸22に対する傾きが抑制されるので、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16に回転を伝達している時における第2はすば歯車14からのスラスト荷重Fを好適に低減させることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、第1はすば歯車と、第3はすば歯車と、前記第1はすば歯車および前記第3はすば歯車の両方に噛み合わされた第2はすば歯車とを備え、前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達する車両用はすば歯車装置に係り、特に、前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達している時において前記第2はすば歯車からのスラスト荷重を好適に低減させる技術に関するものである。
(a)第1軸線まわりに回転駆動させられる第1歯車と、(b)回転中心に挿通孔が設けられた第2歯車と、(c)前記第1軸線と平行な第3軸線まわりに回転可能に配設された第3歯車と、(d)前記第1軸線と平行な第2軸線と同軸に配設され、前記第2歯車を前記第2軸線まわりに回転可能に支持するためにころがり軸受を介して前記挿通孔内に嵌め入れられた支持軸とを備え、(e)前記第1歯車から前記第2歯車を介して前記第3歯車に回転を伝達する車両用歯車装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用歯車装置がそれである。
実開平5−3724号公報
ところで、上記特許文献1の車両用歯車装置では、前記第1歯車、前記第2歯車、前記第3歯車は平歯歯車であったが、例えば前記第1歯車、前記第2歯車、前記第3歯車がはすば歯車である車両用はすば歯車装置が考えられる。すなわち、(a)第1軸線まわりに回転駆動させられる第1はすば歯車と、(b)前記第1軸線と平行な第3軸線まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車と、(c)前記第1はすば歯車および前記第3はすば歯車の両方に噛み合わされるとともに、回転中心に挿通孔が設けられた第2はすば歯車と、(d)前記第1軸線と平行な第2軸線と同軸に配設され、前記第2はすば歯車を前記第2軸線まわりに回転可能に支持するためにころがり軸受を介して前記挿通孔内に嵌め入れられた支持軸とを備え、(e)前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達する車両用はすば歯車装置がある。
しかしながら、上記のような車両用はすば歯車装置では、前記第2はすば歯車から過大なスラスト荷重が発生する場合があった。
本発明者等は、種々研究を重ねるうち、上記のような車両用はすば歯車装置では、前記第2はすば歯車を介して前記第1はすば歯車から前記第3はすば歯車へ動力が伝達される場合に、前記ころがり軸受の径方向のクリアランス(遊び)によって、前記第3はすば歯車の歯によって前記第2はすば歯車の歯面が抉(こじ)られて、その第3はすば歯車の歯によって抉(こじ)られる第2はすば歯車の歯を中心として第2はすば歯車に過大なモーメントが作用することを見出した。そして、その過大なモーメントによって前記第2はすば歯車からのスラスト荷重が過大になる可能性があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、第1はすば歯車から第2はすば歯車を介して第3はすば歯車に回転を伝達している時における第2はすば歯車からのスラスト荷重を好適に低減させる車両用はすば歯車装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)第1軸線まわりに回転駆動させられる第1はすば歯車と、前記第1軸線と平行な第3軸線まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車と、前記第1はすば歯車および前記第3はすば歯車の両方に噛み合わされるとともに、回転中心に挿通孔が設けられた第2はすば歯車と、前記第1軸線と平行な第2軸線と同軸に配設され、前記第2はすば歯車を前記第2軸線まわりに回転可能に支持するためにころがり軸受を介して前記挿通孔内に嵌め入れられた支持軸とを備え、前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達する車両用はすば歯車装置であって、(b)前記ころがり軸受の転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間、または前記転動体と前記ころがり軸受の内輪との間には、筒状シムが配設されており、(c)前記筒状シムには、前記第2軸線方向における前記筒状シムの一端から他端に向かって連続且つ前記第2軸線方向に対して傾斜した切欠が形成されていることにある。
第1発明によれば、(b)前記ころがり軸受の転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間、または前記転動体と前記ころがり軸受の内輪との間には、筒状シムが配設されており、(c)前記筒状シムには、前記第2軸線方向における前記筒状シムの一端から他端に向かって連続且つ前記第2軸線方向に対して傾斜した切欠が形成されている。このため、前記筒状シムが、前記転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間、または前記転動体と前記ころがり軸受の内輪との間に配設されることにより、前記ころがり軸受の径方向のクリアランスが好適に小さくなり前記第2はすば歯車の前記支持軸に対する傾きが抑制されるので、前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達している時における前記第2はすば歯車からのスラスト荷重を好適に低減させることができる。また、前記切欠が前記第2軸線方向に対して傾斜しているので、例えば前記切欠が前記第2軸線方向と平行であるものに比べて、前記第2はすば歯車を滑らかに前記第2軸線まわりに回転させることができる。
本発明の一実施例である車両用はすば歯車装置の構造を説明する図である。 図1の車両用はすば歯車装置に設けられた第2はすば歯車の周辺の構造を詳細に説明する斜視図である。 図1の車両用はすば歯車装置において、その車両用はすば歯車装置に設けられた筒状シムの厚みを変えて変化させた軸受クリアランスに対する入力軸から第1はすば歯車に入力した入力軸トルクと第2はすば歯車からスラストワッシャに作用するスラスト荷重との関係を示す図である。 筒状シムが設けられていない車両用はすば歯車装置において、第1はすば歯車の回転開始直後の第1はすば歯車から第2はすば歯車へ伝達されるトルクが略零の状態を示す図である。 筒状シムが設けられていない車両用はすば歯車装置において、第1はすば歯車から第2はすば歯車を介して第3はすば歯車へ動力が伝達された状態を示す図である。 筒状シムが設けられていない車両用はすば歯車装置において、第1はすば歯車から第2はすば歯車を介して第3はすば歯車へトルクが伝達された際に生じる過大なモーメントにより支持軸に対して傾いた第2はすば歯車からスラストワッシャに過大なスラスト荷重が作用している状態を示す図である。 本発明の他の実施例の車両用はすば歯車装置を示す図であり、その車両用はすば歯車装置に設けられた筒状シムを説明する図である。
本発明の一実施形態において、(a)前記筒状シムは、前記第2軸線方向において前記筒状シムの一端から他端に向かって前記筒状シムの周方向の寸法が減少するように前記第2軸線方向に対して傾斜した第1傾斜部を有する第1シム部材と、(b)前記第2軸線方向において前記筒状シムの一端から他端に向かって前記筒状シムの周方向の寸法が増加するように前記第2軸線方向に対して傾斜した第2傾斜部を有する第2シム部材とを備えており、(c)前記第1シム部材の前記第1傾斜部は、前記筒状シムの他端から一端に向かって前記転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間に挿入され、(d)前記第2シム部材の前記第2傾斜部は、前記筒状シムの一端から他端に向かって前記転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間に挿入される。このため、前記筒状シムを前記転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間に配設させるときにおいて、前記第1シム部材および前記第2シム部材を、前記筒状シムの周方向の寸法が小さい部分から前記転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間に挿入させられるので、前記筒状シムを比較的容易に前記転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間に配設することができる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である車両用はすば歯車装置10を説明する図である。この車両用はすば歯車装置10は、例えば車両の動力伝達装置等に用いられるものであり、第1軸線C1まわりに回転可能に配設された第1はすば歯車12と、第1軸線C1と平行な第2軸線C2まわりに回転可能に配設された第2はすば歯車14と、第1軸線C1と平行な第3軸線C3まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車16とを備えている。なお、第2はすば歯車14は、図1に示すように、第1はすば歯車12および第3はすば歯車16の両方に噛み合わされている。これ等のはすば歯車12、14、16は、何れも軸線C1、C2、C3まわりに捩じれた噛合歯12a、14a、16aを外周部に備えている外歯のはすば歯車であり、それ等の噛合歯12a、14a、16aが互いに噛み合わされて回転を伝達する。また、第1軸線C1、第2軸線C2、第3軸線C3は、例えばケース等によって一定の位置に定められるが、ダブルピニオン型の遊星歯車装置のように第1軸線C1がサンギヤの中心軸線で、その第1軸線C1まわりに回転可能に配設されるキャリアに第2軸線C2および第3軸線C3が設定されても良い。すなわち、第1はすば歯車12がサンギヤで、第2はすば歯車14および第3はすば歯車16が、それぞれキャリアに配設された第1ピニオンおよび第2ピニオンであっても良い。
図1に示すように、第1はすば歯車12は、第1軸線C1と同軸に配設された入力軸18にスプライン等を介して相対回転不能に連結されており、入力軸18を介して回転動力が伝達されて、入力軸18と一体的に第1軸線C1まわりに回転駆動させられる。第3はすば歯車16は、第3軸線C3と同軸に配設された出力軸20にスプライン等を介して相対回転不能に連結されており、出力軸20と一体的に第3軸線C3まわりに回転させられて、その出力軸20を介して回転動力を出力する。すなわち、入力軸18から第1はすば歯車12に伝達された回転は、第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16に伝達され、更に第3はすば歯車16から出力軸20に出力される。例えば、第1はすば歯車12が矢印Aで示すように右まわりに回転駆動されると、第2はすば歯車14は矢印Bで示すように左まわりに回転させられ、第3はすば歯車16は矢印Cで示すように右まわりに回転させられる。
図1および図2に示すように、第2はすば歯車14の回転中心には後述する支持軸22を挿通させられる挿通孔14bが設けられており、第2はすば歯車14は、挿通孔14b内を挿通させられた支持軸22によりころがり軸受24を介して第2軸線C2まわりに回転自在に支持されている。また、図2に示すように、支持軸22には、第2はすば歯車14の第2軸線C2方向に隣接して第4はすば歯車26が一体に固設されており、第2はすば歯車14と第4はすば歯車26との間には、両者の相対回転抵抗を低減するための環状のスラストワッシャ28が介在させられている。
第2はすば歯車14は、図2に示すように、外周部に噛合歯14aを有する円板部14cと、円板部14cの内周側に回転中心(第2軸線C2と同じ)と同心に一体に設けられた円筒部14dとを備えており、その円筒部14dの内部空間が挿通孔14bに対応している。また、第2はすば歯車14の円筒部14dの内周面(第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面)14eと支持軸22の外周面22aとの間の環状空間にころがり軸受24が配設されている。ころがり軸受24は、図1および図2に示すように、ころがり軸受24の周方向において複数本配設された円柱状の転動体30と、転動体30と支持軸22の外周面22aとの間に配設された円筒状の内輪32と、ころがり軸受24の周方向に配設された複数本の転動体30のそれぞれの間隔を一定に保持する一対の保持器34等とを備えており、内輪32は支持軸22に嵌合されている。ころがり軸受24は、例えば転動体30と内輪32および/または挿通孔14bの内周面14eとの間に径方向に所定のクリアランス(遊び)を有する。
図2に示すように、ころがり軸受24の転動体30と第2はすば歯車14の挿入穴14bの内周面14eとの間には、上述したころがり軸受24における径方向の所定のクリアランス(遊び)を詰めるための筒状の筒状シム36が配設される。筒状シム36には、第2軸線C2方向における筒状シム36の一端36aから他端36bに向かって連続且つ第2軸線C2方向に対して傾斜した切欠36c、すなわち筒状シム36の第2軸線C2方向における端縁間に連続且つ第2軸線C2方向に対して斜めの隙間が形成されている。なお、上記切欠(隙間)36cの幅Wは略一定であり、筒状シム36の周方向における切欠36cの長さDは、一つの円柱状の転動体30の外周長以上(本実施例では切欠36cの長さDは転動体30の外周長と同じ距離)となるように、上記切欠36cが第2軸線C2方向に対して傾斜している。また、筒状シム36では、切欠36cの幅Wを変化させることによって、その筒状シム36の内径(径)Rが変化させられるようになっている。
ここで、本実施例の車両用はすば歯車装置10とは異なり、ころがり軸受24に径方向の所定のクリアランス(遊び)を有する車両用はすば歯車装置100について、図4乃至図6を用いて説明する。なお、車両用はすば歯車装置100は、本実施例の車両用はすば歯車装置10に対して筒状シム36が設けられていない点で相違しており、その他は本実施例の車両用はすば歯車装置10と同様である。上記車両用はすば歯車装置100では、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16に動力を伝達する動力伝達時において、ころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)により発生する過大なモーメントMに由来する第2はすば歯車14からの過大なスラスト荷重F(N)がスラストワッシャ28に作用する。
図4乃至図6を用いて、上記動力伝達時にころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)により発生する過大なモーメントMに由来する第2はすば歯車14からの過大なスラスト荷重F(N)を詳細に説明する。なお、図4は、第1はすば歯車12の回転開始直後の第1はすば歯車12から第2はすば歯車14へ伝達されるトルクが略零の状態を示す図である。また、図5は、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16へ動力が伝達された状態を示す図である。また、図6は、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16へトルクが伝達された際に生じる過大なモーメントMにより支持軸22に対して傾いた第2はすば歯車14からスラストワッシャ28に過大なスラスト荷重F(N)が作用している状態を示す図である。なお、図4および図5において、1点鎖線の円で示された噛合位置E1は、第1はすば歯車12の噛合歯12aと第2はすば歯車14の噛合歯14aとが噛み合っているはすばの状態を示す拡大図である。また、図4および図5において、1点鎖線の円で示された噛合位置E2は、第2はすば歯車14の噛合歯14aと第3はすば歯車16の噛合歯16aとが噛み合っているはすばの状態を示す拡大図である。また、図6では、第2はすば歯車14の噛合歯14aと噛み合う第1はすば歯車12の1つの噛合歯12aおよび第2はすば歯車14の噛合歯14aと噛み合う第3はすば歯車16の1つの噛合歯16aがそれぞれ断面で示されている。
図4に示すように、入力軸18から第1はすば歯車12に動力すなわち入力軸トルクT(Nm)が伝達されると、第2はすば歯車14の噛合歯14aは、第1はすば歯車12の噛合歯12aの歯面によって噛合位置E1で示すように白抜矢印G1方向に押されることによって、噛合位置E2で示すように、第2はすば歯車14の噛合歯14aと第3はすば歯車16の噛合歯16aとの間のバックラッシが詰められる。また、図5に示すように、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14へ動力が伝達されると、図4で示したように第2はすば歯車14の噛合歯14aと第3はすば歯車16の噛合歯16aとのバックラッシが詰められた状態であるため、ころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)により第2はすば歯車14が支持軸22に対して傾き、第2はすば歯車14の噛合歯14aの歯面が、図6に示すように第3はすば歯車16の噛合歯16aのエッジ16b、16cにより抉(こじ)られる。このため、第2はすば歯車14が支持軸22に対して傾くと、第2はすば歯車14は、図6に示すように、第3はすば歯車16の噛合歯16aのエッジ16b、16cにより抉られることにより第2軸線C2方向の動きが制限されるので、第3はすば歯車16の噛合歯16aと噛み合った部位を中心とする過大なモーメントMが発生する。これにより、スラストワッシャ28には、第2はすば歯車14から過大なスラスト荷重Fが加わる。
図3は、本実施例の車両用はすば歯車装置10において、筒状シム36の厚みTを変えて変化させた軸受クリアランスX(μm)に対する入力軸18から第1はすば歯車12に入力した入力軸トルクTin(Nm)と第2はすば歯車14からスラストワッシャ28に作用するスラスト荷重F(N)との関係を示す図である。なお、上記軸受クリアランスX(μm)は、クリアランスAから筒状シム36の厚みTを引いた値(A−T)であり、上記クリアランスAは以下の式(1)で示される。
A=((R1−R2)/2)−R3 ・・・(1)
但し、上記R1(図2参照)は第2はすば歯車14の円筒部14dの内径であり、上記R2(図2参照)はころがり軸受24の内輪32の外径であり、上記R3(図1参照)は円柱状の転動体30の直径R3である。
図3の■印に示すように、軸受クリアランスX(μm)が大きくなるほど、すなわちころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)が大きくなるほど、第2はすば歯車14からスラストワッシャ28に作用するスラスト荷重F(N)が大きくなる。つまり、ころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)が小さくなるほどスラストワッシャ28に作用するスラスト荷重F(N)が小さくなる。
上述のように、本実施例の車両用はすば歯車装置10によれば、ころがり軸受24の転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間には、筒状シム36が配設されており、筒状シム36には、第2軸線C2方向における筒状シム36の一端36aから他端36bに向かって連続且つ第2軸線C2方向に対して傾斜した切欠36cが形成されている。このため、筒状シム36が、転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に配設されることにより、ころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)が好適に小さくなり第2はすば歯車14の支持軸22に対する傾きが抑制されるので、図3の□印に示すように第1はすば歯車12から第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16に回転を伝達している時における第2はすば歯車14からのスラスト荷重Fを好適に低減させることができる。また、筒状シム36に形成された切欠36cによって筒状シム36の内径Rを好適に変えることができるので、筒状シム36を、転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に好適に配設させることができる。また、切欠36cが第2軸線C2方向に対して傾斜しているので、例えば切欠36cが第2軸線C2方向と平行であるものに比べて、第2はすば歯車14を滑らかに第2軸線C2まわりに回転させることができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、前述の実施例1と共通する部分には同一の付号を付して説明を省略する。
図7は、本発明の他の実施例の車両用はすば歯車装置40を説明する図である。本実施例の車両用はすば歯車装置40は、実施例1の車両用はすば歯車装置10に比較して、ころがり軸受24の転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に配設される筒状シム42が複数の部材すなわち第1シム部材42aと第2シム部材42bとによって構成されている点で相違しており、その他は実施例1の車両用はすば歯車装置10と略同じである。
図7に示すように、第1シム部材42aは、第2軸線C2方向において筒状シム42の一端42cから他端42dに向かって筒状シム42の周方向の幅寸法(寸法)W1が減少するように第2軸線C2方向に対して傾斜した第1傾斜部42eを有している。また、第2シム部材42bは、第2軸線C2方向において筒状シム42の一端42cから他端42dに向かって筒状シム42の周方向の幅寸法(寸法)W1が増加するように第2軸線C2方向に対して傾斜した第2傾斜部42fを有している。なお、図7に示すように、筒状シム42では、第1シム部材42aの第1傾斜部42eと第2シム部材42bの第2傾斜部42fとの間に、第2軸線C2方向における筒状シム42の一端42cから他端42dに向かって連続且つ第2軸線C2方向に対して傾斜した切欠42gが形成されるようになっている。
また、図7に示すように、筒状シム42をころがり軸受24の転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に配設する場合には、第1シム部材42aの第1傾斜部42eが、筒状シム42の他端42dから一端42cに向かって転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に挿入され、第2シム部材42bの第2傾斜部42fが、筒状シム42の一端42cから他端42dに向かって転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に挿入される。
上述のように、本実施例の車両用はすば歯車装置40によれば、筒状シム42を転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に配設させるときにおいて、第1シム部材42aおよび第2シム部材42bを、筒状シム42の周方向の幅寸法W1が小さい部分から転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に挿入させられるので、筒状シム42を比較的容易に転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に配設することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、筒状シム36、42は、ころがり軸受24の転動体30と第2はすば歯車14の挿通孔14bの内周面14eとの間に配設されていたが、例えば筒状シム36、42をころがり軸受24の転動体30ところがり軸受24の内輪32との間に配設しても良い。これによって、筒状シム36、42が、転動体30と内輪32との間に配設されることにより、ころがり軸受24の径方向のクリアランス(遊び)が好適に小さくなり第2はすば歯車14の支持軸22に対する傾きが抑制されるので、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16に回転を伝達している時における第2はすば歯車14からのスラスト荷重Fを好適に低減させることができる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、40:車両用はすば歯車装置
12:第1はすば歯車
14:第2はすば歯車
14b:挿通孔
14e:内周面
16:第3はすば歯車
22:支持軸
24:ころがり軸受
30:転動体
32:内輪
36、42:筒状シム
36a、42c:一端
36b、42d:他端
36c、42g:切欠
C1:第1軸線
C2:第2軸線
C3:第3軸線

Claims (1)

  1. 第1軸線まわりに回転駆動させられる第1はすば歯車と、前記第1軸線と平行な第3軸線まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車と、前記第1はすば歯車および前記第3はすば歯車の両方に噛み合わされるとともに、回転中心に挿通孔が設けられた第2はすば歯車と、前記第1軸線と平行な第2軸線と同軸に配設され、前記第2はすば歯車を前記第2軸線まわりに回転可能に支持するためにころがり軸受を介して前記挿通孔内に嵌め入れられた支持軸とを備え、前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達する車両用はすば歯車装置であって、
    前記ころがり軸受の転動体と前記第2はすば歯車の挿通孔の内周面との間、または前記転動体と前記ころがり軸受の内輪との間には、筒状シムが配設されており、
    前記筒状シムには、前記第2軸線方向における前記筒状シムの一端から他端に向かって連続且つ前記第2軸線方向に対して傾斜した切欠が形成されていることを特徴とする車両用はすば歯車装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112728011A (zh) * 2020-12-25 2021-04-30 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 一种用于对构斜齿轮传动性能测试的齿轮传动结构

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CN112728011A (zh) * 2020-12-25 2021-04-30 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 一种用于对构斜齿轮传动性能测试的齿轮传动结构

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