JP2018204651A - ディスクブレーキのパッド - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、粘着剤による粘性減衰とは別の振動減衰作用によってブレーキの鳴きを抑制することが可能な新規な構成のディスクブレーキのパッドを得る。【解決手段】ディスクブレーキのパッドは、例えば、互いに接した状態で積層された複数の裏板と、複数の裏板の積層方向の一端に位置された裏板の、積層方向の端面に取り付けられた摩擦材と、を備え、複数の裏板は、長手方向の一方側のみで互いに結合される。【選択図】図2

Description

本開示は、ディスクブレーキのパッドに関する。
従来、摩擦材と、当該摩擦材が固着された裏板と、当該裏板の摩擦材が固着された面とは反対側の面に粘着剤を間に挟んだ状態で取り付けられた抑え板と、を備えたディスクブレーキのパッドが知られている(特許文献1)。このようなパッドによれば、粘着剤によって振動を減衰する粘性減衰の効果によって、所謂ブレーキの鳴きを抑制することができる。
特開昭57−120741号公報
しかしながら、この種のパッドにあっては、例えば、長期にわたって使用されたような場合にあっては、裏板と抑え板との間から粘着剤が流出し、ブレーキの鳴きを抑制する効果が低減してしまう虞があった。その対策として、粘着剤の流出を抑制すべく粘着剤の粘度を高めると、ブレーキの鳴きを抑制する効果が低減してしまう虞があった。すなわち、上記従来の粘着剤による粘性減衰を図るパッドでは、粘着剤の粘度について、ブレーキの鳴きの抑制(性能)と、粘着剤の流出防止(信頼性)とのトレードオフが課題の一つであった。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、粘着剤による粘性減衰とは別の振動減衰作用によってブレーキの鳴きを抑制することが可能な、新規な構成のディスクブレーキのパッドを得ること、である。
本開示のディスクブレーキのパッドは、例えば、互いに接した状態で積層された複数の裏板と、上記複数の裏板の積層方向の一端に位置された裏板の、上記積層方向の端面に取り付けられた摩擦材と、を備え、上記複数の裏板は、長手方向の一方側のみで互いに結合される。
上記ディスクブレーキのパッドでは、複数の裏板において(厚さ方向の)曲げ振動、ねじれ振動等の振動が生じると、積層されている複数の裏板の互いに接している面同士が摩擦し、その摩擦抵抗によって振動が減衰し、これにより、ブレーキの鳴きを抑制することができる。すなわち、このような構成によれば、粘性減衰とは異なる摩擦減衰によって、ブレーキの鳴きを抑制することができる。よって、例えば、ブレーキの鳴きの抑制について、性能と信頼性とをより高いレベルで両立しやすくなる。また、長手方向の一方側のみで結合することにより、複数の裏板が互いに摩擦できる範囲がより広くなるため、例えば、摩擦減衰による裏板の振動の減衰効果、ひいてはブレーキの鳴きを抑制する効果が、より高くなる。
上記ディスクブレーキのパッドでは、例えば、上記複数の裏板は、上記長手方向の中央位置と上記長手方向の一方の端部との間の中間位置よりも当該端部に近い位置で互いに結合される。このような構成によれば、例えば、複数の裏板が端部よりも中間位置に近い位置で結合された場合に比べて、複数の裏板が互いに摩擦できる範囲がより一層広くなるため、摩擦減衰による裏板の振動の減衰効果、ひいてはブレーキの鳴きを抑制する効果が、より一層高くなる。
上記ディスクブレーキのパッドでは、例えば、上記複数の裏板は、振動特性が互いに異なる二つの裏板を含む。このような構成によれば、例えば、複数の裏板の振動特性が同じである場合に比べて、複数の裏板同士が接している面のずれ量がより大きくなるため、摩擦減衰による裏板の振動の減衰効果、ひいてはブレーキの鳴きを抑制する効果が、より一層高くなる。
図1は、実施形態のディスクブレーキのパッドの、車両に実装された場合におけるホイールの径方向外方から見た図である。 図2は、実施形態のディスクブレーキのパッドの、車両に実装された場合における車幅方向に沿って摩擦材の反対側から見た図である。 図3は、実施形態のディスクブレーキのパッドの二つの裏板の曲げ振動に関する実験を実施した裏板サブアセンブリの複数のサンプルの、厚さ方向から見た模式図である。 図4は、実施形態のディスクブレーキのパッドの二つの裏板の曲げ振動に関する実験結果であって、図3の複数のサンプルの減衰比を示すグラフである。 図5は、実施形態のディスクブレーキのパッドの二つの裏板の曲げ振動に関する実験を実施した裏板サブアセンブリの複数のサンプルの、板厚の組み合わせを示す表である。 図6は、実施形態のディスクブレーキのパッドの二つの裏板の曲げ振動に関する実験結果であって、図5の複数のサンプルの減衰比を示すグラフである。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
また、本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。また、各図において、方向LDはパッドの長手方向であり、方向WDはパッドの短手方向(幅方向)であり、方向TDはパッドの厚さ方向である。また、図面は全て、模式的かつ例示的なものである。
[実施形態]
[パッドの構成]
図1は、ディスクブレーキのパッド100の、車両に実装された場合におけるホイールの回転中心(不図示)の径方向外方から見た図であり、図2は、パッド100の、車両に実装された場合における車幅方向に沿って摩擦材20の反対側から見た図である。
図1,2に示されるパッド100は、自動車等の車両に搭載されるディスクブレーキ(不図示)のキャリパに装着される。パッド100は、キャリパのピストン200(図2)によってホイールと一体に回転するディスクロータ(不図示)に押し付けられ、摩擦材20とディスクロータとの摩擦により、当該ディスクロータひいてはホイールを制動する。これにより、車両が減速される。
図1に示されるように、パッド100は、積層された複数の裏板11,12と、摩擦材20とを有している。なお、本実施形態では、一例として、積層されている裏板11,12の数は2であるが、3以上であってもよい。
複数の裏板11,12は、結合部30によって互いに結合され、これにより裏板サブアセンブリ10が構成されている。結合部30は、例えば、ねじや、リベット、クリップ等の、結合機構や、接着や溶接等による接合部である。なお、結合部30は、結合位置、結合点、結合箇所、結合領域等とも称されうる。
裏板11は、摩擦材20側(図1の下側)の第一面11aと、摩擦材20とは反対側(図1の上側)の第二面11bと、を有する。また、裏板12は、摩擦材20側の第一面12aと、摩擦材20とは反対側の第二面12bと、を有する。裏板11の第二面11bと裏板12の第一面12aとは、互いに接しており、これら第二面11bと第一面12aとの間には、粘着剤や接着剤等は介在していない。すなわち、裏板11の第二面11bと裏板12の第一面12aとは、直接接している。なお、裏板11,12は、いずれも、例えば鉄系材料等の金属材料であるが、これには限定されない。裏板11,12の材質は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、裏板11の第二面11bと裏板12の第一面12aとは、それらの全面に渡って密着する必要はない。また、裏板11の第二面11bおよび裏板12の第一面12aのうち少なくとも一方に、摩擦係数を高めるための処理が施されてもよい。
摩擦材20は、裏板11の第一面11aに、例えば、プレスされながら接着されることにより、すなわち圧着により、固定されている。第一面11aは、裏板サブアセンブリ10の積層方向の端面の一例である。
摩擦材20の形状は、厚さが一定の板状である。ただし、摩擦材20の形状はこれには限定されず、例えば、ディスクとの接触面20aにスリット、面取り等が設けられた形状であってもよいし、裏板11との固定面20bに沿って複数に分割された形状であってもよい。また、摩擦材20は、例えば、無機系の焼結パッドであってもよいし、有機系のレジンパッドであってもよい。
図2に示されるように、パッド100は、方向LD(図2の左右方向)に長く、方向WD(図2の上下方向)に短い形状を有している。方向LD(長手方向)は、パッド100のキャリパ(車両)への装着状態におけるホイールの回転中心(不図示)の周方向C(図2)に略沿っている。また、方向WD(短手方向)は、パッド100のキャリパ(車両)への装着状態におけるホイールの回転中心の軸方向および方向LDと直交している。方向TD(厚さ方向)は、パッド100のキャリパ(車両)への装着状態におけるホイールの回転中心の軸方向に沿うとともに、方向LDおよび方向WDと直交している。
裏板サブアセンブリ10は、方向WDの両端において方向LDに延びた長辺10a,10bと、方向LDの両端において方向WDに延びた短辺10c,10dと、を有している。長辺10a,10bは、短手方向の端部とも称され、短辺10c,10dは、長手方向の端部とも称されうる。また、裏板サブアセンブリ10は、四つの角部10e,10f,10g,10hを有している。角部10eは、長辺10aと短辺10cとの間(境界)に位置され、角部10fは、長辺10aと短辺10dとの間(境界)に位置され、角部10gは、長辺10bと短辺10cとの間(境界)に位置され、角部10hは、長辺10bと短辺10dとの間(境界)に位置されている。
このような構成において、裏板サブアセンブリ10(パッド100)に曲げ振動が生じると、裏板11の第二面11bと裏板12の第一面12aとが摩擦し、その際の摩擦抵抗により、振動エネルギ(運動エネルギ)が、摩擦による熱エネルギに、変換される。すなわち、本実施形態のパッド100によれば、裏板11の第二面11bと裏板12の第一面12aとの摩擦による減衰によって、裏板サブアセンブリ10において振動が減衰されることにより、ブレーキの鳴きを低減することができる。
[結合部による結合の態様]
発明者らは、鋭意研究により、複数の裏板11,12の摩擦による減衰の効果が、裏板サブアセンブリ10における結合部30による複数の裏板11,12の結合の態様によって異なることを見出した。図3は、曲げ振動に関する実験を実施した実験用の裏板サブアセンブリ10Sの複数のサンプルLO1〜LO5の、厚さ方向から見た模式図である。裏板サブアセンブリ10Sでは、二つの裏板11,12が結合部30で結合されている。図4は、裏板サブアセンブリ10Sの曲げ振動に関する実験結果であって、図3のサンプルLO1〜LO5の減衰率の比(減衰比)を示すグラフである。図4の例における減衰比とは、サンプルLO3の減衰率を1とした場合の、他のサンプルLO1,LO2,LO4,LO5の減衰率の比である。実験は、裏板サブアセンブリ10Sの所定点を厚さ方向TD(積層方向)に加振した加振試験(ハンマリング試験)として実施された。
図3に示されるように、各サンプルLO1〜LO5では、結合部30のレイアウトが、以下のように異なっている。
(サンプルLO1)裏板サブアセンブリ10Sの方向LDの一方の短辺10cにおける中央部、合計1箇所
(サンプルLO2)裏板サブアセンブリ10Sの方向LDの一方の短辺10cにおける短手方向の両端部(角部)、合計2箇所
(サンプルLO3)裏板サブアセンブリ10Sの方向LDの両方の短辺10c,10dのそれぞれにおける方向WDの中央部、合計2箇所
(サンプルLO4)裏板サブアセンブリ10Sの四隅、合計4箇所
(サンプルLO5)裏板サブアセンブリ10Sの四隅と長辺10a,10bの中央部の2箇所、合計6箇所
実験の結果、図4に示されるように、サンプルLO1とサンプルLO2の減衰率が、他のサンプルLO3〜LO5の減衰率よりも高いことが判明した。このような実験結果から、サンプルLO1,LO2の構成、すなわち、
(構成1−1)結合部30が裏板サブアセンブリ10S(複数の裏板11,12)の方向LD(長手方向)の一方の端部(図3の例では、短辺10c)に設けられた構成
が、良好な減衰特性を示すことがわかる。なお、結合部30が、短辺10dに設けられた構成でも、同様の効果が得られる。
そして、図3,4の実験結果を基にした発明者らの更なる検討から、結合部30のレイアウトが以下のような場合に高い減衰特性が得られることが判明した。
(構成1−2)結合部30が裏板サブアセンブリ10の方向LDの一方側(図1,2の例では、左側)のみに設けられた構成
この構成は、言い換えると、結合部30が、裏板サブアセンブリ10の方向LDの中央線CL(長手方向の中央位置)から方向LDの一方の端部(図1,2の例では、短辺10c)寄りにオフセットした位置のみに設けられた構成である。発明者らの鋭意検討により、結合部30が中央線CLから離れるほど、摩擦による減衰効果が高くなることが判明した。なお、結合部30が、裏板サブアセンブリ10の方向LDにおける図1,2の右側のみに設けられた構成でも、同様の効果が得られる。
(構成1−3)結合部30が、裏板サブアセンブリ10の方向LDの中央線CLと方向LDの一方の端部(図1,2の例では、短辺10c)との間の中間線IL(中間位置)よりも当該一方の端部(図1,2の例では、短辺10c)に近い位置に設けられた構成
この構成は、言い換えると、結合部30が、図1,2の領域A内に位置された構成である。発明者らの鋭意検討により、結合部30が中間線ILから短辺10c寄りにオフセットした位置に設けられた場合の方が、結合部30が中間線IL上に位置された場合および結合部30が中間線ILから中央線CL寄りにオフセットした位置に設けられた場合よりも、摩擦による減衰効果が高くなることが判明した。中間線ILの中央線CLからの距離Lと短辺10cからの距離Lとは同じである。なお、結合部30が、中央線CLと短辺10dとの間の中間線(中間位置、不図示)よりも短辺10dに近い位置に設けられた構成でも、同様の効果が得られる。また、上記構成1−1は、構成1−2に含まれ、構成1−1および上記構成1−2は、構成1−3に含まれる。
(構成1−4)結合部30が、短辺10cおよび短辺10dのうち一方(図1,2の例では、短辺10c)において、二つの角部(図2の例では、角部10e,10g)のうち一方(図2の例では、角部10e)よりも他方(図2の例では、角部10g)に近い位置に設けられた構成
この構成は、言い換えると、結合部30が、二つの角部10e,10gの中間点から二つの角部10e,10gのうちの一方(図2では、角部10g)寄りにオフセットした位置に設けられた構成である。発明者らの鋭意検討により、結合部30が二つの角部10e,10gの中間点から離れるほど、摩擦による減衰効果が高くなることが判明した。なお、結合部30が、二つの角部10e,10gの中間点から角部10e寄りにオフセットした位置に設けられた構成でも、同様の効果が得られる。
[裏板の曲げ振動特性]
また、発明者らは、鋭意研究により、複数の裏板11,12の摩擦による減衰の効果が、裏板サブアセンブリ10における複数の裏板11,12の曲げ振動特性によって異なることを見出した。図5は、曲げ振動に関する実験を実施した実験用の裏板サブアセンブリ10Sの複数のサンプルTH1〜TH4の、板厚の組み合わせを示す表である。裏板サブアセンブリ10Sでは、同じ材質の二つの裏板11,12が結合部30で結合されている。図6は、裏板サブアセンブリ10Sの曲げ振動に関する実験結果であって、図5のサンプルTH1〜TH4の減衰率の比(減衰比)を示すグラフである。図6の例における減衰比とは、サンプルTH1の減衰率を1とした場合の、他のサンプルTH2,TH3,TH4の減衰率の比である。実験は、裏板サブアセンブリ10Sの所定点を厚さ方向TD(積層方向)に加振した加振試験(ハンマリング試験)として実施された。
図5に示されるように、各サンプルTH1〜TH4では、裏板11の板厚t11および裏板12の板厚t12(図1)の組み合わせが、以下のように異なっている。
(サンプルTH1)裏板11の板厚t11:6[mm]、裏板12の板厚t12:0[mm](すなわち、裏板12無し)
(サンプルTH2)裏板11の板厚t11:5[mm]、裏板12の板厚t12:1[mm]
(サンプルTH3)裏板11の板厚t11:4[mm]、裏板12の板厚t12:2[mm]
(サンプルTH4)裏板11の板厚t11:3[mm]、裏板12の板厚t12:3[mm]
実験の結果、図6に示されるように、サンプルTH2とサンプルTH3の減衰率が、他のサンプルTH1,TH4の減衰率よりも高いことが判明した。このような実験結果から、サンプルTH2,TH3の構成、すなわち、
(構成2−1)裏板11,12の材質が同じで板厚t11,t12が互いに異なる構成
が、良好な減衰特性を示すことがわかる。なお、サンプルTH2,TH3では、いずれも、裏板11の板厚t11が、裏板12の板厚t12よりも厚い。なお、裏板12の板厚t12が、裏板11の板厚t11よりも厚い場合にも、同様の効果が得られる。ただし、裏板11の板厚t11が裏板12の板厚t12よりも厚い場合にあっては、摩擦材20を裏板11に圧着するのに必要な剛性および強度が確保されやすいという利点がある。
そして、図5,6の実験結果を基にした発明者らの更なる検討から、裏板11,12が以下のような場合に高い減衰特性が得られることが判明した。
(構成2−2)裏板11,12の曲げ振動特性が互いに異なる構成
ここで、曲げ振動特性は、例えば、裏板11,12の固有振動数や、曲げ振動のモード形状である。複数の裏板11,12の曲げ振動特性が互いに異なる場合には、複数の裏板11,12の曲げ振動特性が同じである場合に比べて、裏板11,12同士の摩擦量が増大し、ひいては、複数の裏板11,12の摩擦による減衰効果が増大しやすい。なお、この場合、互いに隣接する二つの裏板11,12の曲げ振動特性が異なってもよいし、三つ以上の裏板の曲げ振動特性が互いに異なってもよい。
(構成2−3)裏板11,12の板厚t11,t12が同じで材質(または材料特性)が互いに異なる構成
板厚t11,t12が同じで材質が互いに異なることにより複数の裏板11,12の曲げ振動特性が互いに異なる場合にも、上記構成2−1および構成2−2と同様の効果が得られる。なお、材料特性は、材料の曲げや曲げ振動に関する特性であって、例えば、ヤング率である。また、上記構成2−1および構成2−3は、上記構成2−2に含まれる。また、裏板11,12の材質が互いに異なるとともに板厚t11,t12が互いに異なる場合にあっても、裏板11,12の曲げ振動特性が異なる組み合わせにおいては、上記構成2−2の効果が得られる。
以上説明したように、本実施形態のパッド100では、複数の裏板11,12は、方向LD(長手方向)の一方側のみで互いに結合されている。よって、例えば、複数の裏板11,12において方向TD(厚さ方向)の曲げ振動、ねじれ振動等の振動が生じると、互いに接している裏板11の第二面11bと裏板12の第一面12aとが摩擦し、その摩擦抵抗によって振動が減衰し、これにより、ブレーキの鳴きを抑制することができる。すなわち、このような構成によれば、粘性減衰とは異なる摩擦減衰によって、ブレーキの鳴きを抑制することができるため、ブレーキの鳴きの抑制について、性能と信頼性とをより高いレベルで両立しやすくなる。
また、本実施形態のパッド100では、複数の裏板11,12は、方向LD(長手方向)の中央線CL(中央位置)と方向LDの一方の短辺10c(端部)との間の中間線IL(中間位置)よりも当該短辺10cに近い位置で互いに結合される。このような構成によれば、複数の裏板11,12が短辺10cよりも中央線CLに近い位置で結合された場合に比べて、複数の裏板11,12が互いに摩擦できる範囲がより一層広くなるため、摩擦減衰による裏板11,12の振動の減衰効果、ひいてはブレーキの鳴きを抑制する効果が、より一層高くなる。
また、本実施形態のパッド100では、複数の裏板11,12は、振動特性が互いに異なる二つの裏板11,12を含む。このような構成によれば、複数の裏板11,12の振動特性が同じである場合に比べて、互いに接している裏板11の第二面11bと裏板12の第一面12aとのずれ量がより大きくなるため、摩擦減衰による裏板11,12の振動の減衰効果、ひいてはブレーキの鳴きを抑制する効果が、より一層高くなる。
また、本実施形態のパッド100では、複数の裏板11,12は、材質(材料特性)が同じでありかつ板厚t11,t12が互いに異なってもよいし、板厚t11,t12が同じであり材質(材料特性)が互いに異なってもよいし、材質(材料特性)が互いに異なり板厚t11,t12が互いに異なるとともに振動特性が互いに異なってもよい。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
10c…短辺(長手方向の一方の端部)、11,12…裏板、11a…第一面(積層方向の端面)、20…摩擦材、100…(ディスクブレーキの)パッド、CL…中央線(中央位置)、IL…中間線(中間位置)、LD…方向(長手方向)、TD…方向(積層方向)。

Claims (3)

  1. 互いに接した状態で積層された複数の裏板と、
    前記複数の裏板の積層方向の一端に位置された裏板の、前記積層方向の端面に取り付けられた摩擦材と、
    を備え、
    前記複数の裏板は、長手方向の一方側のみで互いに結合された、ディスクブレーキのパッド。
  2. 前記複数の裏板は、前記長手方向の中央位置と前記長手方向の一方の端部との間の中間位置よりも当該一方の端部に近い位置で互いに結合された、請求項1に記載のディスクブレーキのパッド。
  3. 前記複数の裏板は、振動特性が互いに異なる二つの裏板を含む、請求項1または2に記載のディスクブレーキのパッド。
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