JP2018203034A - 走行軌道決定装置及び自動運転装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両の未来の走行軌道を迅速かつ適切に決定することができる走行軌道決定装置及びそれを備えた自動運転装置を提供する。
【解決手段】走行軌道決定装置1は、ECU2を備える。ECU2は、状況検出装置5で検出された周辺状況データD_infoに応じて、自車両3の周辺における、交通参加者が現在から未来において存在する可能性のある領域を表すリスクポテンシャルPriskを算出し、自車両3が走行すべき理想的な未来の走行領域を表すベネフィットポテンシャルPbnfを算出し、リスクポテンシャルPrisk及びベネフィットポテンシャルPbnfを用いて、自車両3の未来の走行軌道Tr_skを決定する。
【選択図】図19

Description

本発明は、自車両の未来の走行軌道を決定する走行軌道決定装置及び自動運転装置に関する。
自車両の未来の走行軌道を決定する走行軌道決定装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この走行軌道決定装置は、移動ロボット車両(以下「自車両」という)を制御する移動ロボット制御装置に適用されたものである。この移動ロボット制御装置は、自車両と、その移動方向の障害物との距離データを測定する外界センサと、GPSなどからの位置情報を受信するためのアンテナと、走行ルールを含む地図情報を記憶する記憶部と、障害物地図作成部などを備えている。この障害物地図作成部は、外界センサが測定した距離データに基づいて、障害物地図を作成する。
この走行軌道決定装置では、同文献の図10に示すアルゴリズムにより、現在位置から目標位置までの未来の走行軌道を決定する。すなわち、自車両の移動量に基づいて、自車両の現在位置を計算し、外界センサが測定した距離データに基づいて、障害物地図を作成するとともに、記憶部から地図情報を読み込む(ステップ201〜203)。
次いで、障害物地図及び地図情報を参照して、障害物が地図情報に記憶された軌道上に存在するか否かを判定し(ステップ204)、障害物が軌道上に存在する場合には、走行軌道の探索をA*探索アルゴリズムにより実行する(ステップ205)。具体的には、現在位置情報、障害物地図及び地図情報に基づいて、グリッドマップ上の自車両を取り囲む多数のグリッドにおける障害物の存在確率(経路探索コスト)を算出し、障害物の存在確率が最も低いグリッドを未来の走行軌道として決定/選択する。そして、決定された走行軌道で自車両を走行させるための制御指令信号値を算出し、それに相当する制御指令信号が自車両の駆動部に入力される(ステップ206〜207)。
特開2010−191502号公報
上記特許文献1の走行軌道決定装置によれば、1回の演算周期で、現在位置情報、障害物地図及び地図情報に基づき、自車両を取り囲む多数のグリッドにおける障害物の存在確率を算出しなければならないので、演算装置の演算が負荷が高くなってしまう。その結果、演算装置の製造コストの上昇を招いてしまうとともに、現在の自動車に搭載されている演算装置の能力では、演算が困難となる可能性がある。
また、同じ理由により、演算装置の演算時間が長くなることで、演算が1回の演算周期で終了しない状態となるおそれがあり、その場合には、走行軌道が決定されていないことで、自車両が走行停止したり、演算時間を確保するために、自車両が低速走行しかできない状態となる。その結果、一般道や高速道路を走行する自動運転車両のような、高速走行が要求される車両には適用することができず、商品性の低下を招いてしまう。
さらに、障害物の存在確率が最も低いグリッドが多数存在する条件下では、円滑かつより安全性の高い最適な走行軌道を選択することができないという問題があり、この問題は、上述した自動運転車両の場合にはより顕著となる。また、以上の問題は、走行軌道の探索において、A*探索アルゴリズムに代えて、CC−RRT法を用いた場合にも同様に発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、自車両の未来の走行軌道を迅速かつ適切に決定することができる走行軌道決定装置及びそれを備えた自動運転装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る走行軌道決定装置1は、自車両3の周辺状況を表す周辺状況データD_infoを取得する周辺状況データ取得手段(状況検出装置5)と、周辺状況データD_infoを用いて、自車両3の周辺における、交通参加者(他車両77a〜7e、歩行者8,8a,8b)が現在から未来において存在する可能性のある領域又は未来において存在する可能性のある領域である存在領域を表す存在領域データ(リスクポテンシャルPrisk)を算出する存在領域データ算出手段(ECU2、リスクポテンシャル算出部20)と、存在領域データ(リスクポテンシャルPrisk)と所定の関数値(基準走行軌道wbs、軌道重み関数値Wtr_i、基準道なり方向速度v_bs)を補正値(縦方向速度補正係数kv、軌道補正係数ktr,ktr_2,ktr2_i、速度補正係数kv_i、探索軌道補正ベクトルKθ)で補正した値とを用いて、自車両3の未来の走行軌道Tr_skを決定する走行軌道決定手段(ECU2、走行環境モデル推定部40)と、所定のアルゴリズム(式(1)〜(30))を用いて、未来の走行軌道Tr_skと存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるように、補正値(探索軌道補正ベクトルKθ)を算出する補正値算出手段(ECU2、極値探索コントローラ50)と、を備えることを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、自車両の周辺状況を表す周辺状況データが取得され、この周辺状況データを用いて、自車両の周辺における、交通参加者が現在から未来において存在する可能性のある領域又は未来において存在する可能性のある領域である存在領域を表す存在領域データが算出され、存在領域データと所定の関数値を補正値で補正した値とを用いて、自車両の未来の走行軌道が決定される。この補正値は、所定のアルゴリズムを用いて、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるように算出されるので、自車両の未来の走行軌道を算出する際、特許文献1の場合と異なり、自車両を取り囲む多数のグリッドにおける障害物などの存在確率を算出/推定する必要がなくなることで、自車両の未来の走行軌道が交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両の未来の走行軌道を迅速かつ適切に決定することができる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、熟練ドライバが運転した場合と同様に、安全かつ理想的な走行状態を自動運転によって実現することができ、高い商品性を確保することができる(なお、本明細書における「周辺状況データを取得」の「取得」は、センサなどにより周辺状況データを直接検出することに限らず、周辺状況データを他のパラメータに基づいて算出することを含む。また、本明細書における「交通参加者」は、歩行者、他車両及び障害物などを含む)。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の走行軌道決定装置1において、所定の関数値(基準走行軌道wbs)は、自車両3が進路変更するときの形態をマップとして予め定義した関数値であることを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、自車両が進路変更するときの形態をマップとして予め定義した関数値を補正値で補正した値を用いて、自車両の未来の走行軌道が決定されるので、自車両の未来の走行軌道が交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両が追従できないような未来の走行軌道に決定されるのを回避することができる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、車両がスピンや蛇行などの不安定な挙動を示すのを防止しながら、安全かつ理想的な走行状態を自動運転によって実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の走行軌道決定装置1において、所定の関数値(基準走行軌道wbs)は、自車両3が進路変更するときの進路変更速度を定義した関数値であり、補正値(縦方向速度補正係数kv、軌道補正係数ktr,ktr_2)は、進路変更速度を補正するように構成されていることを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、所定の関数値が自車両が進路変更するときの進路変更速度を定義した関数値であり、補正値が進路変更速度を補正するように構成されているので、自車両の横方向の速度を適切に設定できる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、円滑な自動運転を実現することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の走行軌道決定装置1において、所定の関数値は、互いに交差する複数の関数値で構成され、補正値は、複数の補正値(軌道補正係数ktr2_i)で構成され、走行軌道決定手段は、複数の関数値(軌道重み関数値Wtr_i)を複数の補正値(軌道補正係数ktr2_i)でそれぞれ補正した複数の値を合成することにより、未来の走行軌道Tr_skを決定することを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、所定の関数値が互いに交差する複数の関数値で構成され、補正値は、複数の補正値で構成されているとともに、複数の関数値を複数の補正値でそれぞれ補正した複数の値を合成することにより、未来の走行軌道が決定されるので、自車両の未来の走行軌道が交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両が左側に進路変更した後、右側に進路変更する場合や、ジグザグ走行を繰り返す場合のような条件下での未来の走行軌道を適切に設定することができる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、自車両が左側に進路変更した後、右側に進路変更する場合や、ジグザグ走行を繰り返す場合などにおいて、円滑かつ安全な自動運転を実現することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の走行軌道決定装置1において、所定の関数値は、複数の線分を互いの間に角度を存する状態で結合した関数値で構成され、補正値(速度補正係数kv_i)は、複数の線分の長さ及び角度の少なくとも一方を補正するように構成されていることを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、所定の関数値が複数の線分を互いの間に角度を存する状態で結合した関数値で構成され、補正値が複数の線分の長さ及び角度の少なくとも一方を補正するように構成されているので、自車両の未来の走行軌道が交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両が交差点で左折又は右折する場合や、高速道路で合流する場合のような条件下での未来の走行軌道を適切に設定することができる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、自車両が交差点で左折又は右折する場合や、高速道路で合流する場合のような条件下で、円滑かつ安全な自動運転を実現することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の走行軌道決定装置1において、補正値算出手段は、所定のアルゴリズム(式(1)〜(30))を用いて、未来の走行軌道Tr_skを変化させたときの未来の走行軌道Tr_skと存在領域データが表す存在領域との交錯度合いの変化の方向を表す方向値(移動平均値Pa_i)を算出するとともに、方向値(移動平均値Pa_i)を用いて、未来の走行軌道Tr_skを存在領域との交錯度合いが減少する方向に変化させるように、補正値(探索軌道補正ベクトルKθ)を算出することを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、所定のアルゴリズムを用いて、未来の走行軌道を変化させたときの未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いの変化の方向を表す方向値が算出されるとともに、方向値を用いて、未来の走行軌道を存在領域との交錯度合いが減少する方向に変化させるように、補正値が算出されるので、未来の走行軌道を算出する際の算出時間を短縮できると同時に、算出負荷を低減することができる。その結果、走行軌道決定装置の製造コストを削減することができるとともに、比較的、低い能力の演算装置を用いて、走行軌道決定装置を実現することができる。また、上記の理由により、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、自動運転車両の高速走行を実現することができる。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の走行軌道決定装置1において、周辺状況データD_infoを用いて、自車両3が走行すべきでない走行不可領域を表す走行不可領域データ(リスクポテンシャルPrisk)を算出する走行不可領域データ算出手段(ECU2、リスクポテンシャル算出部20)をさらに備え、補正値算出手段は、所定のアルゴリズム(式(1)〜(30))を用いて、未来の走行軌道Tr_skと存在領域データが表す存在領域(リスクポテンシャルPrisk)との交錯度合いに加えて、未来の走行軌道Tr_skと走行不能領域データが表す走行不可領域(リスクポテンシャルPrisk)との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるように、補正値(探索軌道補正ベクトルKθ)を算出することを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、周辺状況データを用いて、自車両が走行すべきでない走行不可領域を表す走行不可領域データが算出され、所定のアルゴリズムを用いて、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いに加えて、未来の走行軌道と走行不能領域データが表す走行不可領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるように、補正値が算出されるので、自車両の未来の走行軌道が走行不可領域と交錯するのを回避できる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、より高い安全性を確保しながら、理想的な走行状態を自動運転によって実現することができる。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の走行軌道決定装置1において、自車両3が走行すべき理想的な未来の走行領域を表す走行領域データ(ベネフィットポテンシャルPbnf)を算出する走行領域データ算出手段(ECU2、ベネフィットポテンシャル算出部21)をさらに備え、補正値算出手段は、所定のアルゴリズム(式(1)〜(30))を用いて、未来の走行軌道Tr_skと存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、未来の走行軌道Tr_skと走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように、補正値(探索軌道補正ベクトルKθ)を算出することを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、自車両が走行すべき理想的な未来の走行領域を表す走行領域データが算出され、所定のアルゴリズムを用いて、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、未来の走行軌道と走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように、補正値が算出されるので、自車両の未来の走行軌道を、交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、理想的な未来の走行領域とできるだけ交錯するように迅速かつ適切に決定することができる。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の走行軌道決定装置1において、補正値手段は、走行領域データが表す走行領域と存在領域データが表す存在領域とが交錯している場合には、交錯した領域における交通参加者の存在確率が高いほど、未来の走行軌道Tr_skと存在領域データが表す存在領域との交錯度合いがより減少するように、補正値(探索軌道補正ベクトルKθ)を算出することを特徴とする
この走行軌道決定装置によれば、走行領域データが表す走行領域と存在領域データが表す存在領域とが交錯している場合には、交錯した領域における交通参加者の存在確率が高いほど、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いがより減少するように、補正値が算出されるので、理想的な未来の走行領域と交通参加者の存在領域とが交錯する条件下では、自車両の未来の走行軌道を、その走行軌道上に交通参加者が存在する確率を減少させながら迅速かつ適切に決定することができる。
請求項10に係る走行軌道決定装置1は、自車両3の周辺状況を表す周辺状況データD_infoを取得する周辺状況データ取得手段(状況検出装置5)と、周辺状況データD_infoを用いて、自車両3の周辺における、交通参加者(他車両7,7a〜7e、歩行者8,8a,8b)が現在から未来において存在する可能性のある領域又は未来において存在する可能性のある領域である存在領域を表す存在領域データ(リスクポテンシャルPrisk)を算出する存在領域データ算出手段(ECU2、リスクポテンシャル算出部20)と、自車両3が走行すべき理想的な未来の走行領域を表す走行領域データ(ベネフィットポテンシャルPbnf)を算出する走行領域データ算出手段(ECU2、ベネフィットポテンシャル算出部21)と、存在領域データ(リスクポテンシャルPrisk)及び走行領域データ(ベネフィットポテンシャルPbnf)を用いて、自車両3の未来の走行軌道Tr_skを決定する走行軌道決定手段(ECU2、走行環境モデル推定部40)と、を備えることを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、自車両の周辺状況を表す周辺状況データが取得され、周辺状況データを用いて、自車両の周辺における、交通参加者が現在から未来において存在する可能性のある領域又は未来において存在する可能性のある領域である存在領域を表す存在領域データが算出され、自車両が走行すべき理想的な未来の走行領域を表す走行領域データが算出される。そして、存在領域データ及び走行領域データを用いて、自車両の未来の走行軌道が決定されるので、自車両の未来の走行軌道を算出する際、特許文献1の場合と異なり、自車両を取り囲む多数のグリッドにおける障害物などの存在確率を算出/推定する必要がなくなることで、自車両の未来の走行軌道が交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両の未来の走行軌道を迅速かつ適切に決定することができる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、熟練ドライバが運転した場合と同様に、安全かつ理想的な走行状態を自動運転によって実現することができるとともに、高速走行状態を自動運転によって実現することができる。それにより、高い商品性を確保することができる。
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の走行軌道決定装置1において、走行軌道決定手段は、未来の走行軌道Tr_skと存在領域データ(リスクポテンシャルPrisk)が表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、未来の走行軌道Tr_skと走行領域データ(ベネフィットポテンシャルPbnf)が表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように、未来の走行軌道Tr_skを決定することを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、未来の走行軌道と走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように、未来の走行軌道が決定されるので、自車両の未来の走行軌道を、交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、理想的な未来の走行領域とできるだけ交錯するように迅速かつ適切に決定することができる。それにより、この走行軌道決定装置を自動運転車両に適用した場合には、熟練ドライバが運転した場合と同様に、安全かつ理想的な走行状態を自動運転によって実現することができ、高い商品性を確保することができる。
請求項12に係る発明は、請求項10又は11に記載の走行軌道決定装置1において、走行軌道決定手段は、未来の走行軌道Tr_skの基準となる基準走行軌道(基準軌道wbs)を決定し、基準走行軌道(基準軌道wbs)を、未来の走行軌道Tr_skと存在領域データが表す領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、未来の走行軌道Tr_skと走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように補正することにより、未来の走行軌道Tr_skを決定することを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、未来の走行軌道の基準となる基準走行軌道が決定され、この基準走行軌道を、未来の走行軌道と存在領域データが表す領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、未来の走行軌道と走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように補正することにより、未来の走行軌道が決定されるので、未来の走行軌道を、交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、理想的な未来の走行領域と可能な限り交錯するように迅速かつ適切に決定することができる。
請求項13に係る発明は、請求項11に記載の走行軌道決定装置1において、走行軌道決定手段は、走行領域データが表す走行領域と存在領域データが表す存在領域とが交錯している場合には、交錯した領域における交通参加者の存在確率が高いほど、未来の走行軌道Tr_skと存在領域データが表す存在領域との交錯度合いがより減少するように、未来の走行軌道Tr_skを決定することを特徴とする。
この走行軌道決定装置によれば、走行領域データが表す走行領域と存在領域データが表す存在領域とが交錯している場合には、交錯した領域における交通参加者の存在確率が高いほど、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いがより減少するように、未来の走行軌道が決定されるので、理想的な未来の走行領域と交通参加者の存在領域とが交錯する場合には、自車両の未来の走行軌道を、その走行軌道上に交通参加者が存在する確率を減少させながら迅速かつ適切に決定することができる。
請求項14に係る自動運転装置1は、請求項1ないし13のいずれかに記載の走行軌道決定装置1を備え、走行軌道決定装置1によって決定された未来の走行軌道Tr_skで走行するように、自車両3の走行状態を制御することを特徴とする。
この自動運転装置によれば、請求項1ないし13のいずれかに記載の走行軌道決定装置によって決定された未来の走行軌道で走行するように、自車両の走行状態が制御されるので、安全かつ理想的な走行状態を自動運転によって実現することができ、高い商品性を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る自動運転装置及び走行軌道決定装置と、これらを適用した車両の構成を模式的に示す図である。 自動運転装置の機能的な構成を示すブロック図である。 他車両のリスクポテンシャルPriskの算出結果の一例を示す図である。 歩行者のリスクポテンシャルPriskの算出結果の一例を示す図である。 交通参加者が自車両の走行レーン上に存在しない走行環境下でのリスクポテンシャルPriskの算出結果の一例を示す図である。 交通参加者が自車両の走行レーン上に存在しない走行環境下でのベネフィットポテンシャルPbnfの算出結果の一例を示す図である。 交通参加者が存在する走行環境下でのベネフィットポテンシャルPbnf及びリスクポテンシャルPriskの算出結果の一例を示す図である。 走行軌道算出部の構成を示すブロック図である。 タイプ1の走行軌道算出手法で用いる基準走行軌道wbsを定義した関数値を示す図である。 タイプ1の走行軌道算出手法における、kv>1,ktr<1が成立しているときの縦方向速度vlの算出結果の一例を示す図である。 タイプ1の走行軌道算出手法における、kv>1,ktr<1が成立しているときの走行軌道Tr_skの算出結果の一例を示す図である。 タイプ1の走行軌道算出手法で用いる基準走行軌道wbsを定義した関数値の変形例を示す図である。 タイプ2の走行軌道算出手法で用いる基準走行軌道wbsを定義した関数値を示す図である。 タイプ2の走行軌道算出手法における、kv>1,ktr_1=0.5,ktr_2<1が成立しているときの走行軌道Tr_skの算出結果の一例を示す図である。 タイプ2の走行軌道算出手法で用いる基準走行軌道wbsを定義した関数値の変形例を示す図である。 タイプ3の走行軌道算出手法で用いる軌道重み関数値Wtr_iを示す図である。 タイプ3の走行軌道算出手法における、kv=1又はkv>1が成立しているときの走行軌道Tr_skの算出結果の一例を示す図である。 タイプ4の走行軌道算出手法を説明するための図である。 走行環境モデルの算出結果の一例を示す図である。 ベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfの算出に用いるマップの一例を示す図である。 図19のA−A線に沿う時刻でのリスクポテンシャルPrisk及びベネフィットポテンシャルPbnfを示す図である。 最も理想的な走行軌道Tr_skの位置を説明するための図である。 評価関数値Jと最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの1つの要素kθ_1_skとの関係を説明するための図である。 移動平均値Pa_iと最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの1つの要素kθ_1_skとの関係を説明するための図である。 走行軌道探索処理を示すフローチャートである。 自動運転制御処理を示すフローチャートである。 走行軌道探索処理のシミュレーションを実行した走行環境条件を示す図である。 本実施形態による走行軌道探索処理を実行したときの(a)自車両などの横位置、(b)評価関数値J’及び(c)軌道補正係数ktrのシミュレーション結果を示す図である。 比較のために、ベネフィットポテンシャルPbnfを省略して走行軌道探索処理を実行したときの(a)自車両などの横位置、(b)評価関数値J’及び(c)軌道補正係数ktrのシミュレーション結果を示す図である。 比較のために、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを省略して走行軌道探索処理を実行したときの(a)自車両などの横位置、(b)評価関数値J’及び(c)軌道補正係数ktrのシミュレーション結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る走行軌道決定装置及び自動運転装置について説明する。なお、本実施形態の自動運転装置は走行軌道決定装置も兼用しているので、以下の説明では、自動運転装置について説明するとともに、その中で、走行軌道決定装置の機能及び構成についても説明する。
図1に示すように、この自動運転装置1は、四輪車両3に適用されたものであり、ECU2を備えている。なお、以下の説明では、この自動運転装置1を備えた車両3を「自車両3」という。
このECU2には、状況検出装置4、原動機5及びアクチュエータ6が電気的に接続されている。この状況検出装置4(周辺状況データ取得手段)は、カメラ、ミリ波レーダー、レーザーレーダ、ソナー、GPS及び各種のセンサなどで構成されており、自車両3の位置及び自車両3の進行方向の周辺状況(交通環境や交通参加者など)を表す周辺状況データD_infoをECU2に出力する。
ECU2は、後述するように、この状況検出装置4からの周辺状況データD_infoに基づいて、自車両3の位置及び自車両3の周辺の交通環境や交通参加者などを認識し、自車両3の未来の走行軌道を決定する。
原動機5は、例えば、電気モータなどで構成されており、後述するように、自車両3の未来の走行軌道が決定されたときに、自車両3がこの走行軌道で走行するように、ECU2によって原動機5の出力が制御される。
また、アクチュエータ6は、制動用アクチュエータ及び操舵用アクチュエータなどで構成されており、後述するように、自車両3の未来の走行軌道が決定されたときに、自車両3がこの走行軌道で走行するように、ECU2によってアクチュエータ6の動作が制御される。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROM、E2PROM、I/Oインターフェース及び各種の電気回路(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、上述した状況検出装置4からの周辺状況データD_infoなどに基づいて、後述するように、走行軌道決定処理などを実行する。なお、本実施形態では、ECU2が、存在領域データ算出手段、走行軌道決定手段、走行不可領域データ算出手段及び走行領域データ算出手段に相当する。
次に、図2を参照しながら、本実施形態の自動運転装置1の機能的な構成について説明する。この自動運転装置1は、以下に述べる算出アルゴリズムによって、走行軌道Tr_skを算出し、この走行軌道Tr_skで走行するように、自車両3の走行状態を制御するものである。
同図2に示すように、自動運転装置1は、リスクポテンシャル算出部20、ベネフィットポテンシャル算出部21及び走行軌道算出部30を備えており、これらの要素20,21,30は、具体的にはECU2によって構成されている。
まず、リスクポテンシャル算出部20について説明する。このリスクポテンシャル算出部20では、前述した周辺状況データD_infoに基づき、交通参加者(歩行者や車両)の現在から未来における存在確率や、走行してはいけない領域を表すマップ(図示せず)を作成し、走行軌道Tr_skに応じて、このマップを検索することにより、リスクポテンシャルPriskが算出される。このリスクポテンシャルPriskは、現在から未来において、自車両3の進行方向の周辺における交通参加者が存在する可能性(確率)がある領域、及び自車両3が走行すべきでない走行不可能域が存在する可能性(確率)がある領域などを表す値であり、具体的には、図3〜5に示すように算出される。
まず、図3は、自車両3の進行方向に他車両7が存在する走行環境下での、他車両7のリスクポテンシャルPriskの算出結果の一例を表している。同図の横軸の値xrは、自車両3の進行方向に直交する横方向において、自車両3と他車両7との相対位置を表している。この相対位置xrは、他車両7の中心位置を値0として、他車両7の左側が負値に設定され、右側が正値に設定される。同図に示すように、他車両7のリスクポテンシャルPriskは、他車両7の存在確率が低い領域では値0として算出されるとともに、存在確率が高いほど、より大きい正値として算出される。なお、図3〜5では、リスクポテンシャルPriskは、便宜上、直線を組み合わせた形で表現されている。
また、図4は、自車両3の進行方向に歩行者8が存在する走行環境下での、歩行者8のリスクポテンシャルPriskの算出結果の一例を表している。同図に示すように、歩行者8のリスクポテンシャルPriskは、他車両7の場合と同様に、歩行者8の存在確率が低い領域では値0として算出され、存在確率が高いほど、より大きい正値になるように算出される。
さらに、図5は、自車両3の進行方向に交通参加者が存在しない走行環境下でのリスクポテンシャルPriskの算出結果の一例を表している。この場合のリスクポテンシャルPriskは、同図に示す歩道9aなどのような、自車両3が走行すべきでない走行不可領域における走行を回避すべき確率を表す値である。同図において、横軸の値xは、自車両3の幅方向すなわち横方向における自車両3の絶対位置を表しており、この絶対位置xは、自車両3の中心位置を値0として、自車両3の左側が負値に設定され、右側が正値に設定されている。この点は、後述する図6においても同様である。
同図に示すように、自車両3の進行方向に交通参加者が存在しない走行環境下でのリスクポテンシャルPriskは、絶対位置xに対するマップ値として算出される。より具体的には、リスクポテンシャルPriskは、車道9bと歩道9aの境界付近において上昇するとともに、歩道9a内では車道9bから遠ざかるほど、より大きい正値になるように算出される。
なお、本実施形態では、リスクポテンシャル算出部20が存在領域データ算出手段及び走行不可領域データ算出手段に相当し、リスクポテンシャルPriskが存在領域データ及び走行不可領域データに相当する。
次に、ベネフィットポテンシャル算出部21について説明する。このベネフィットポテンシャル算出部21では、周辺状況データD_info及び走行軌道Tr_sk(これまで自車両3が走行してきた走行軌道Tr_sk)に応じて、図示しないマップを検索することにより、ベネフィットポテンシャルPbnfが算出される。このベネフィットポテンシャルPbnfは、自車両3が走行するときの、進行方向における理想的な走行領域の存在確率を表す値であり、具体的には、例えば、図6〜7に示すように算出される。
この図6は、自車両3の進行方向に交通参加者が存在しない走行環境下でのベネフィットポテンシャルPbnfの算出結果の一例を表している。同図に示すように、ベネフィットポテンシャルPbnfは、負値又は値0になるように算出され、最も理想的な走行位置(☆で示すポイント)で最小値となるとともに、最も理想的な走行位置から横方向に遠ざかるほど、その絶対値が減少するように算出される。なお、図6では、ベネフィットポテンシャルPbnfは、便宜上、直線を組み合わせた形で表現されている。
また、自車両3の実際の走行中は、例えば、図7に示すような、歩行者8a及び他車両7aなどの交通参加者などが存在する走行環境となる。図7に示す走行環境下の場合、ベネフィットポテンシャルPbnf及びリスクポテンシャルPriskは、図中に示すように算出される。
また、ベネフィットポテンシャルPbnfを、周辺状況データD_info及び走行軌道Tr_skを入力とし、ベネフィットポテンシャルPbnfを出力とする深層ニューラルネットワークを用い、熟練ドライバの走行データを学習することによって算出してもよい。さらに、逆強化学習の手法を用いて、熟練ドライバの走行データから熟練ドライバの最適経路を判断する関数値を抽出し、この関数値を用いて、ベネフィットポテンシャルPbnfを算出してもよい。
なお、本実施形態では、ベネフィットポテンシャル算出部21が走行領域データ算出手段に相当し、ベネフィットポテンシャルPbnfが走行領域データに相当する。
次に、図8を参照しながら、前述した走行軌道算出部30について説明する。この走行軌道算出部30は、以下に述べるように、走行軌道Tr_skを算出(探索)するものであり、この走行軌道Tr_skは、自車両3が現在から未来にかけて走行すべき軌道に相当する。同図に示すように、走行軌道算出部30は、走行環境モデル推定部40及び極値探索コントローラ50を備えている。
この走行環境モデル推定部40(走行軌道決定手段)は、後述するように、周辺状況データD_infoと、極値探索コントローラ50からの最終探索軌道補正ベクトルKθ_skとを用いて、走行軌道Tr_skを算出し、評価関数値Jを算出するとともに、この評価関数値Jを極値探索コントローラ50に出力する。
また、極値探索コントローラ50(補正値算出手段)は、走行環境モデル推定部40から入力された評価関数値Jを用いて、上述した最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出し、これを走行環境モデル推定部40に出力する。
次に、上述した走行環境モデル推定部40について説明する。この走行環境モデル推定部40では、まず、以下に述べるように、周辺状況データD_infoに応じて、タイプ1〜4の走行軌道算出手法のいずれかを選択し、選択した走行軌道算出手法によって、走行軌道Tr_skが算出される。なお、以下の説明では、自車両3の進行方向の位置を「縦位置」と呼び、幅方向の位置を「横位置」という。
まず、タイプ1の走行軌道算出手法について説明する。このタイプ1の走行軌道算出手法の場合、走行軌道Tr_skの基準となる基準走行軌道wbsを、図9に示す関数値のように定義する。この基準走行軌道wbs(所定の関数値)は、自車両3が基準縦方向速度vl_bsで進行方向に走行したときの、自車両3の相対横位置xfと正規化時刻tnとの関係を定義したもの、すなわち自車両3の進路変更速度を定義したものである。
この場合、縦軸の相対横位置xfは、自車両3の中心位置を値0として、右側の相対位置を正値で、左側の相対位置を負値でそれぞれ表したものである。また、横軸の正規化時刻tnは、自車両3が基準縦方向速度vl_bsで進行方向に走行した際の未来時刻を表す値であり、正規化時刻tn=0は現在の時刻を表している。以上のように、基準走行軌道wbsは、基準縦方向速度vl_bsとともに定義されている関係上、現在からの未来の経過時間である未来時刻をtfとし、基準縦方向速度vl_bsで走行したときの現在位置に対する相対縦位置をyfとした場合、未来時刻tfにおける相対縦位置yfと縦方向速度vlを表すものとなる。したがって、基準走行軌道wbsは、図9の横軸の正規化時刻tnを、未来時刻tf又は相対縦位置yfに置き換えて定義することも可能である。
図9に示す基準走行軌道wbsと、これを補正するための軌道補正係数ktr及び縦方向速度補正係数kvを用いて、任意の未来時刻tf*における走行軌道Tr_skは、以下のように算出される。この軌道補正係数ktr(補正値)は、前述した周辺状況データD_infoに応じて、正負の所定範囲(例えば、wbs・ktrの絶対値が走路幅を超えない範囲)内の値に設定され、基準縦方向速度vl_bsが法定速度又はドライバの要求設定速度のどちらか小さい方に設定されたとした場合、縦方向速度補正係数kvは、前述した周辺状況データD_infoに応じて、1≦kvが成立する範囲内の値に設定される。
まず、下式(1)により、任意の未来時刻tf*における縦方向速度vlを算出する。
Figure 2018203034
次いで、下式(2)により、任意の未来時刻tf*における相対縦位置yf*を算出する。
Figure 2018203034
次に、下式(3)により、任意の正規化時刻tn*を算出する。
Figure 2018203034
さらに、上式(3)で算出した任意の正規化時刻tn*に応じて、図9を検索することにより、基準走行軌道wbsを算出する。
そして、最終的に、下式(4)により、走行軌道Tr_skを算出する。
Figure 2018203034
以上の手法により算出されるので、走行軌道Tr_skは、軌道補正係数ktr、縦方向速度補正係数kv及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(ktr,kv,tf*)として算出されることになる。ここで、探索軌道補正ベクトルKθ(補正値)を下式(5)に示すように定義した場合、走行軌道Tr_skは、探索軌道補正ベクトルKθ及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(Kθ,tf*)として算出されることになる。
Figure 2018203034
以上のタイプ1の算出手法の場合、例えば、kv=1,ktr=1が成立しているときには、上式(1),(4)を参照すると明らかなように、vl=vl_bs,Tr_sk=wbsが成立することになるので、走行軌道Tr_skは、図9に示す基準走行軌道wbsと同一になるように算出されることになる。
一方、例えば、kv>1,ktr<1が成立しているときには、上式(1),(4)を参照すると明らかなように、縦方向速度vlは、基準縦方向速度vl_bsよりも大きい値になる(図10参照)とともに、走行軌道Tr_skの相対横位置は、基準走行軌道wbsよりも小さい値になる。その結果、走行軌道Tr_skは、図11に示すように算出されることになる。この図11は、理解の容易化のために、横軸を相対縦位置yfで表したものである。
同図において、yf',yf*は、kv=1,ktr=1が成立しているとき及びkv>1,ktr<1が成立しているときの、任意の正規化時刻tn*に対応する相対縦位置を表している。同図に示すように、kv>1,ktr<1が成立している場合、vl>vl_bsが成立することで、相対縦位置yf*は、kv=1,ktr=1が成立しているときの相対縦位置yf'よりも前方に移動した位置になるとともに、相対横位置もkv=1,ktr=1が成立しているときよりも小さい値になる。
この場合、図11は、理解の容易化のために、横軸を相対縦位置yfで表したものであるが、前述したように、横軸を正規化時刻tnや未来時刻tfに置き換えて表すことも可能である。そのため、このタイプ1の走行軌道算出手法の場合には、実際の走行軌道Tr_skは、未来時刻tfと関連付けられた状態で算出される。この点は、後述するタイプ2やタイプ3の走行軌道算出手法などにおいても同様である。
以上のタイプ1の走行軌道算出手法は、例えば、前方の走行車両を追い抜く走行環境下(後述する図27参照)や、車線変更などを実行する走行環境下で、走行軌道Tr_skを算出するのに最適な手法である。
なお、タイプ1の走行軌道算出手法において、基準走行軌道wbsとして、図9に示す関数値に代えて、図12に示すような、車両の操舵特性を考慮した関数値を用いてもよい。
次に、前述したタイプ2の走行軌道算出手法について説明する。このタイプ2の走行軌道算出手法の場合、基準軌道Wbsを図13に示す関数値のように定義する。この図13の関数値と前述した図9の関数値を比較すると明らかなように、図13の関数値の場合、複数の基準走行軌道wbsが設定されているとともに、これらの複数の基準走行軌道wbsは、第1軌道設定値ktr_1に応じたマップ値として設定されている。この第1軌道設定値ktr_1は、走行軌道の左右方向の位置変更の際における移動速度を設定(選択)するためのものであり、前述した周辺状況データD_infoに応じて、正負の所定範囲(例えば、wbs・ktr_1の絶対値が走路幅を超えない範囲)内の値に設定されている。
また、このタイプ2の走行軌道算出手法の場合、前述したタイプ1の走行軌道算出手法における軌道補正係数ktrに相当する値が、第2軌道補正係数ktr_2(補正値)として設定される。すなわち、基準縦方向速度vl_bsが法定速度又はドライバの要求設定速度のどちらか小さい方に設定されたとした場合、第2軌道補正係数ktr_2は、前述した周辺状況データD_infoに応じて、−1≦ktr_2≦1が成立する範囲内の値に設定される。そして、図13に示す基準走行軌道wbsの関数値、第1軌道設定値ktr_1、第2軌道補正係数ktr_2及び縦方向速度補正係数kvを用いて、任意の未来時刻tf*における走行軌道Tr_skは、以下のように算出される。
まず、下式(6)により、任意の未来時刻tf*における縦方向速度vlを算出する。
Figure 2018203034
次いで、下式(7)により、任意の未来時刻tf*における相対縦位置yf*を算出する。
Figure 2018203034
次に、下式(8)により、任意の正規化時刻tn*を算出する。
Figure 2018203034
さらに、上式(8)で算出した任意の正規化時刻tn*及び第1軌道設定値ktr_1に応じて、図13を検索することにより、基準走行軌道wbsを算出する。
そして、最終的に、下式(9)により、走行軌道Tr_skを算出する。
Figure 2018203034
以上の手法により算出されるので、走行軌道Tr_skは、第1軌道設定値ktr_1、第2軌道補正係数ktr_2、縦方向速度補正係数kv及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(ktr_1,ktr_2,kv,tf*)として算出されることになる。ここで、探索軌道補正ベクトルKθ(補正値)を下式(10)に示すように定義した場合、走行軌道Tr_skは、探索軌道補正ベクトルKθ及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(Kθ,tf*)として算出されることになる。
Figure 2018203034
以上のタイプ2の走行軌道算出手法の場合、例えば、kv=1,ktr_1=0,ktr_2=1が成立しているときには、上式(6),(9)を参照すると明らかなように、vl=vl_bs,Tr_sk=wbsが成立することになるので、走行軌道Tr_skは、図13に示すktr_1=0のときの基準走行軌道wbsと同一になるように算出されることになる。
一方、例えば、kv>1,ktr_1=0.5,ktr_2<1が成立しているときには、上式(6),(9)を参照すると明らかなように、縦方向速度vlは、基準縦方向速度vl_bsよりも大きい値になる(前述した図10参照)とともに、走行軌道Tr_skの相対横位置は、ktr_1=0.5のときの基準走行軌道wbsよりも小さい値になる。その結果、走行軌道Tr_skは、図14に示すように算出されることになる。
すなわち、同図に示すように、kv>1,ktr_1=0.5,ktr_2<1が成立しているときには、その相対縦位置yf*は、kv=1,ktr_1=0.5,ktr_2=1が成立しているときの相対縦位置yf'よりも前方に移動した位置になるとともに、相対横位置もkv=1,ktr_1=0.5,ktr_2=1が成立しているときよりも小さい値になる。
この場合、図14は、理解の容易化のために、横軸を相対縦位置yfで表したものであるが、このタイプ2の走行軌道算出手法の場合、実際の走行軌道Tr_skは、未来時刻tfと関連付けられた状態で算出される。
以上のタイプ2の走行軌道算出手法は、タイプ1の走行軌道算出手法と同様に、例えば、前方の走行車両を追い抜く走行環境下や、車線変更などを実行する走行環境下で、走行軌道Tr_skを算出するのに最適な手法である。
なお、タイプ2の走行軌道算出手法において、基準走行軌道wbsとして、図13に示す関数値に代えて、図15に示すような、車両の操舵特性を考慮した関数値を用いてもよい。
次に、前述したタイプ3の走行軌道算出手法について説明する。このタイプ3の走行軌道算出手法の場合、まず、図16に示すように、4つの軌道重み関数値Wtr_i(i=1〜4)を正規化時刻tnに対して定義する。
同図に示すように、4つの軌道重み関数値Wtr_i(所定の関数値)は、正規化時刻tnの4つの所定値tn_1〜4によって規定される領域に対応して設定されている。第1の軌道重み関数値Wtr_1は、0〜tn_2の期間で規定される第1領域に対応し、第2の軌道重み関数値Wtr_2は、tn_1〜tn_3の期間で規定される第2領域に対応し、第3の軌道重み関数値Wtr_3は、tn_2〜tn_4と規定される第3領域に対応し、第4の軌道重み関数値Wtr_4は、tn_4〜未来と規定される第4領域に対応するように設定されている。
また、4つの軌道重み関数値Wtr_iの各々は、上述した対応する領域では値1以下の正値にかつそれ以外の領域では値0に設定されており、隣り合う各2つの軌道重み関数値は、互いにオーバーラップするように設定されているとともに、オーバーラップ部分の2つの軌道重み関数値の和が値1になるように設定されている。
さらに、このタイプ3の走行軌道算出手法では、4つの軌道補正係数ktr2_i(i=1〜4)が用いられる。これらの4つの軌道補正係数ktr2_i(補正値)は、周辺状況データD_infoに応じて、正負の所定範囲(例えば、Wtr_i・ktr2_iの絶対値が走路幅を超えない範囲)内の値に設定される。
そして、図16に示す4つの軌道重み関数値Wtr_i、縦方向速度補正係数kv、4つの軌道補正係数ktr2_iを用いて、任意の未来時刻tf*における走行軌道Tr_skは、以下のように算出される。
まず、下式(11)により、任意の未来時刻tf*における縦方向速度vlを算出する。
Figure 2018203034
次いで、下式(12)により、任意の未来時刻tf*における相対縦位置yf*を算出する。
Figure 2018203034
次に、下式(13)により、任意の正規化時間tn*を算出する。
Figure 2018203034
さらに、上式(13)で算出した任意の正規化時間tn*に応じて、図16を検索することにより、4つの軌道重み関数値Wtr_iを算出する。
そして、最終的に、下式(14)により、走行軌道Tr_skを算出する。
Figure 2018203034
このタイプ3の走行軌道算出手法の場合、走行軌道Tr_skは、以上の手法により算出されるので、4つの軌道補正係数ktr2_i、縦方向速度補正係数kv及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(ktr2_i,kv,tf*)として算出されることになる。ここで、探索軌道補正ベクトルKθ(補正値)を下式(15)に示すように定義した場合、走行軌道Tr_skは、探索軌道補正ベクトルKθ及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(Kθ,tf*)として算出されることになる。なお、この探索軌道補正ベクトルKθの値は、前述した極値探索コントローラ50において、後述する手法により算出される。
Figure 2018203034
以上のタイプ3の走行軌道算出手法の場合、走行軌道Tr_skは、kv=1が成立しているときには、例えば、図17の実線で示す値として算出され、kv>1が成立しているときには、図17の破線で示す値として算出される。同図において、yf_1〜4は、kv=1が成立しているときの正規化時間tn_1〜4に対応する相対縦位置yfの値である。
同図において、yf',yf*はそれぞれ、kv=1及びkv>1が成立しているときの、任意の正規化時刻tn*に対応する相対縦位置を表している。同図に示すように、kv>1が成立しているときの相対縦位置yf*は、vl>vl_bsが成立することで、kv=1が成立しているときの相対縦位置yf'よりも前方に移動した位置になる。
この場合、図17は、理解の容易化のために、横軸を相対縦位置yfで表したものであるが、このタイプ3の走行軌道算出手法の場合、実際の走行軌道Tr_skは、未来時刻tfと関連付けられた状態で算出される。
以上のタイプ3の走行軌道算出手法は、繁華街を走行する場合や、交通参加者をジグザグに回避しながら走行する場合(後述する図19参照)などの、複雑な走行環境下で、走行軌道Tr_skを算出するのに最適な手法である。
なお、タイプ3の走行軌道算出手法においては、軌道重み関数値Wtr_iとして4つの値Wtr_1〜4を用いたが、軌道重み関数値Wtr_iの数はこれに限らず、2〜3又は5つ以上の関数値を用いてもよい。その場合には、軌道補正係数ktr2_iも、軌道重み関数値Wtr_iと同じ数の値を用いればよい。
次に、前述したタイプ4の走行軌道算出手法について説明する。このタイプ4の走行軌道算出手法の場合、図18に示すように、自車両3の相対横位置xfを横軸とし、相対縦位置yfを縦軸とする平面において、n(n≧2)個の線分の各2つを互いの間に角度を付けた状態で組み合わせて、走行軌道Tr_skを決定/算出するものである。
具体的には、まず、下式(16)により、ローカル軌道距離Li(i=1〜n)を算出する。このローカル軌道距離Liは、n個の線分の各々の長さに相当する。
Figure 2018203034
上式(16)において、kv_i(i=1〜n)は速度補正係数(補正値)を、v_bsは基準道なり方向速度(所定の関数値)を、Δtはローカル区間走行時間をそれぞれ表している。このローカル区間走行時間Δtは、自車両3がローカル軌道距離Liを走行するのに要する時間である。
次いで、下式(17)により、任意の未来時刻tf*における相対縦位置yf*を算出する。
Figure 2018203034
上式(17)のθiは、図18に示すように、各線分の自車両3の現時点での中心線に対する角度である。
次に、下式(18)により、任意の未来時刻tf*における相対横位置xf*を算出する。
Figure 2018203034
そして、下式(19)により、走行軌道Tr_skを算出する。
Figure 2018203034
さらに、下式(20)により、道なり方向速度vを算出する。この道なり方向速度vは、自車両3の走行方向の速度である。
Figure 2018203034
走行軌道Tr_skは、以上の手法により算出されるので、n個の速度補正係数kv_i、n個の角度θi及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(kv_i,θi,tf*)として算出されることになる。ここで、探索軌道補正ベクトルKθ(補正値)を下式(21)に示すように定義した場合、走行軌道Tr_skは、探索軌道補正ベクトルKθ及び任意の未来時刻tf*を独立変数とする関数F(Kθ,tf*)として算出されることになる。なお、この探索軌道補正ベクトルKθの値は、前述した極値探索コントローラ50において、後述する手法により算出される。
Figure 2018203034
このタイプ4の走行軌道算出手法の場合、探索軌道補正ベクトルKθの算出式(17),(18)において、角度θiが含まれているので、走行軌道Tr_skを算出する際、隣り合う各2つの線分の間の角度が探索軌道補正ベクトルKθによって補正(変更)されることになる。
なお、タイプ4の走行軌道算出手法において、探索軌道補正ベクトルKθをn個の速度補正係数kv_iのみ又はn個の角度θiのみを要素とするベクトルとして構成してもよい。
以上のように、走行環境モデル推定部40では、周辺状況データD_infoに基づき、タイプ1〜4の走行軌道算出手法のいずれかを選択し、選択した走行軌道算出手法を用いて、走行軌道Tr_skが算出される。
なお、以上の説明では、タイプ1〜4の走行軌道算出手法において、探索軌道補正ベクトルKθを用いて、走行軌道Tr_skを算出するように説明したが、走行軌道Tr_skの実際の演算では、後述する理由により、探索軌道補正ベクトルKθに代えて、極値探索コントローラ50で算出された最終探索軌道補正ベクトルKθ_skが用いられる。
さらに、走行環境モデル推定部40は、走行軌道Tr_sk、リスクポテンシャルPrisk及びベネフィットポテンシャルPbnfに基づいて、例えば、図19に示す走行環境モデルを作成するとともに、この図19の走行環境モデルを用いて、以下に述べる手法により、評価関数値Jを所定の算出周期(探索周期)ΔTskで算出する。
同図19は、交通参加者として、歩行者8b、反対車線で停止中の他車両3b及び反対車線を走行中の他車両3cが存在する走行環境下での走行環境モデルを平面的に示したものである。
この走行環境モデル推定部40では、まず、図19中の探索インデックスzj(j=0〜m:mは整数)の時刻又は距離で、走行環境モデルを探索(検索)することにより、探索インデックスzjに対応するベネフィットポテンシャルPbnf(zj)及びリスクポテンシャルPrisk(zj)を算出する。この場合、探索インデックスzjとしては、タイプ1〜3の走行軌道算出手法を実行している場合には、未来時刻tfが用いられ、タイプ4の走行軌道算出手法を実行している場合には、道なり距離xが用いられる。
そして、探索したベネフィットポテンシャルPbnf(zj)及びリスクポテンシャルPrisk(zj)を用いて、下式(22)により、評価関数値Jを算出する。
Figure 2018203034
上式(22)において、kは算出時刻(探索時刻)であり、Kbnfは、ベネフィットポテンシャル補正係数である。このベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfは、リスクポテンシャルPriskに応じて、図20に示すマップを検索することにより算出される。
同図のPrisk1〜2は、Prisk1<Prisk2が成立するように設定されるリスクポテンシャルPriskの所定値である。このマップでは、ベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfは、Prisk≦Prisk1の領域では、値1に設定され、Prisk2≦Priskの領域では、値0に設定されているとともに、Prisk1<Prisk<Prisk2の領域では、リスクポテンシャルPriskが大きいほど、より小さい値に設定されている。以上のようなベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfの設定理由については後述する。また、以上の評価関数値Jの算出手法の原理についても後述する。
次に、前述した極値探索コントローラ50について説明する。図8に示すように、極値探索コントローラ50は、ウォッシュアウトフィルタ51、n個の参照信号発生器52_i(i=1〜n)、n個の乗算器53_i(i=1〜n)、n個の移動平均フィルタ54_i、n個の探索コントローラ55_i(i=1〜n)及びベクトル算出部56を備えている。
このウォッシュアウトフィルタ51では、下式(23)により、フィルタ値Pwが算出される。
Figure 2018203034
上式(23)に示すように、フィルタ値Pwは、評価関数値の今回値J(k)と前回値J(k−1)の差分として算出される。また、ウォッシュアウトフィルタ51は、評価関数値Jに含まれている、後述する参照信号値w_iに起因する周波数成分を通過させるためのものである。この場合、上式(23)に代えて、後述するn個の参照信号値w_iの周波数成分を通過させるバタワースハイパスフィルタアルゴリズムにより、フィルタ値Pwを算出してもよく、n個の参照信号値w_iの各々の周波数成分のみを通過させるn個のバンドパスフィルタアルゴリズムにより、n個のフィルタ値Pwを算出するように構成してもよい。
また、n個の参照信号発生器52_iからは、n個の参照信号値w_i(i=1〜n)がそれぞれ出力される。これらのn個の参照信号値w_iは、互いに異なる周期の周期関数値に設定されており、それらの周期は互いに異なるn個の値m_i(i=1〜n)と算出周期ΔTskの積m_i・ΔTskに設定されている。さらに、周期関数の波形としては、例えば、正弦波、余弦波、三角波、台形波及び矩形波などが用いられる。
さらに、n個の乗算器53_iでは、下式(24)により、n個の中間値Pc_i(i=1〜n)がそれぞれ算出される。
Figure 2018203034
また、n個の移動平均フィルタ54_iでは、下式(25)により、n個の移動平均値Pa_iが算出される。
Figure 2018203034
上式(25)のmlcmは、上述した値m_iの最大公倍数である。このように、移動平均値Pa_iのサンプリング個数を値mlcm+1に設定した理由は、移動平均値Pa_iから参照信号値w_iの周波数成分を除去するためである。
次いで、n個の探索コントローラ55_iでは、下式(26),(27)に示すスライディングモード制御アルゴリズムにより、n個の補正係数kθ_i(i=1〜n)が算出される。
Figure 2018203034
Figure 2018203034
上式(26)のσ_i(i=1〜n)は切換関数であり、S_i(i=1〜n)は−1<S_i<0が成立するように設定される応答指定パラメータである。また、式(27)のKsk_i(i=1〜n)は、所定のゲインである。上式(26),(27)を参照すると明らかなように、n個の補正係数kθ_iは、適応則入力のみのスライディングモード制御アルゴリズムによって、n個の移動平均値Pa_iを値0に収束させる機能を有するように算出される。
この場合、n個の補正係数kθ_iは、下式(28)に示す探索軌道補正ベクトルKθとして表すことができる。
Figure 2018203034
上式(28)の場合、その右辺の要素は、前述したタイプ1の走行軌道算出手法を用いる場合には前述した式(5)の右辺の要素に、タイプ2の走行軌道算出手法を用いる場合には、前述した式(10)の右辺の要素に、タイプ3の走行軌道算出手法を用いる場合には、前述した式(15)の右辺の要素にそれぞれ相当する。さらに、タイプ4の走行軌道算出手法を用いる場合には、以上の所定値nに代えて、その2倍値2nを用いて式(22)〜(28)の算出が実行されるとともに、その場合の式(28)の右辺が前述した式(21)の右辺の要素に相当することになる。
そして、ベクトル算出部56では、下式(29),(30)により、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skが算出される。
Figure 2018203034
Figure 2018203034
上式(29),(30)と、前述した式(27),(28)を比較すると明らかなように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの場合、その各要素kθ_i_skは、探索軌道補正ベクトルKθの各要素kθ_iに参照信号値w_iをそれぞれ加算した値として算出される。したがって、結果的に、走行軌道Tr_skは、探索軌道補正ベクトルKθを用いて算出されることになる。例えば、タイプ1,2の走行軌道算出手法の場合には、探索軌道補正ベクトルKθで基準軌道wbsを補正することによって算出されることになる。
以上のように、走行環境モデル推定部40では、前述した算出手法により、評価関数値Jが算出され、極値探索コントローラ50では、前述した算出手法により、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skが算出される。次に、これらの評価関数値J及び最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの算出手法の原理について説明する。
まず、評価関数値Jの算出手法の原理について説明する。例えば、タイプ1〜4の走行軌道算出手法のいずれかで走行軌道Tr_skを算出している場合、図19のA−A線で示す探索インデックスの時刻においては、リスクポテンシャルPrisk及びベネフィットポテンシャルPbnfは、例えば、図21に示すものとなる。
同図に示すように、リスクポテンシャルPriskは正値で表され、ベネフィットポテンシャルPbnfは負値で表されるので、最も理想的な走行軌道Tr_skの位置は、図22に示すような、リスクポテンシャルPriskとベネフィットポテンシャルPbnfの和Prisk+Pbnfが極小値(すなわち最小値)になるポイント(☆で示すポイント)となる。
したがって、走行軌道Tr_skを最も理想的な走行軌道になるように決定する場合、その評価関数値Jを、2つの値の和Prisk+Pbnfを用いて定義することが考えられる。しかしながら、ベネフィットポテンシャルPbnfの領域とリスクポテンシャルPriskの領域が平面的に見て重なっている条件下(例えば、図19の探索インデックスzm−xの時刻)では、走行軌道Tr_skを2つの値の和Prisk+Pbnfの最小値の位置になるように決定すると、自車両3が交通参加者に接触する可能性が高まってしまう。
この事象を回避するために、本実施形態の評価関数値Jは、その算出式(22)に示すように、ベネフィットポテンシャル補正係数KbnfをベネフィットポテンシャルPbnfに乗算した値Kbnf・Pbnfを用いるとともに、このベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfを、前述した図20に示すように、リスクポテンシャルPriskが所定値Prisk2よりも大きい領域では値0に設定することによって、評価関数値Jの算出において、リスクポテンシャルPriskを優先させるように構成している。
これにより、ベネフィットポテンシャルPbnfの領域とリスクポテンシャルPriskの領域が平面的に見て重なっている条件下では、走行軌道Tr_skがリスクポテンシャルPriskの大きい領域と交錯するのを回避でき、自車両3が交通参加者に接触するのを回避できることになる。以上の理由により、評価関数値Jは、ベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfを用いて算出される。
次に、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの算出原理について説明する。まず、走行軌道Tr_skの最適な軌道を算出するには、リスクポテンシャルPriskが存在する領域との交錯度合いが最小値となるとともに、ベネフィットポテンシャルPbnfが存在する領域との交錯度合いが最大値となるように、走行軌道Tr_skを算出すればよいことになる。
言い換えれば、リスクポテンシャルPriskとベネフィットポテンシャルPbnfとの和が最小値になるポイントが、その時刻での走行軌道Tr_skの最適な軌道となるので、評価関数値Jが極小値(すなわち最小値)となるように、走行軌道Tr_skを決定すればよいことになる。この場合、走行軌道Tr_skは、前述したように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを用いて算出される関係上、評価関数値Jが極小値となるように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出すればよいことになる。
したがって、本実施形態の場合、評価関数値Jが極小値となるように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出するために、以下の原理を用いている。まず、走行軌道Tr_skは、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを用いて算出される関係上、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skに含まれる参照信号値w_iの特性(周期関数)に起因して、所定振幅の振動的な挙動を示すことになる。さらに、そのような走行軌道Tr_skを用いて、リスクポテンシャルPrisk及びベネフィットポテンシャルPbnfが算出される関係上、評価関数値Jも所定振幅の振動的な挙動を示すことになる。
ここで、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの1つの要素kθ_1_skと評価関数値Jの関係が図23に示す曲線として表されると仮定した場合、参照信号値w_iに起因する評価関数値Jの振動的な挙動は、図中の矢印Y1又はY2に示すように、ある傾きを持った状態となる。一方、前述した移動平均値Pa_iは、評価関数値Jのフィルタ値Pwと参照信号値w_iの積の移動平均値であるので、評価関数値Jと参照信号値w_iの相関関数に相当する値となる。
そのため、相関関数に相当する移動平均値Pa_iが正値であれば、評価関数値Jの傾きが正値を示し、移動平均値Pa_iが負値であれば、評価関数値Jの傾きは負値を示すことになる。これに加えて、移動平均値Pa_iは、前述した式(25)で算出されることにより、参照信号値w_iの周波数成分が除去した状態で算出される。以上の理由により、移動平均値Pa_iと要素kθ_1_skの関係は、例えば、図24に示すような単調増加の関数として表すことができる。すなわち、移動平均値Pa_iは、走行軌道Tr_skを変更したときに、評価関数値Jが変化する方向を表すことになる。
したがって、評価関数値Jが極小値(最小値)になるように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出するには、図24に示す関数の傾きが値0になるように、移動平均値Pa_iを算出すればよいことになる。すなわち、移動平均値Pa_iが値0に収束するように、フィードバック制御アルゴリズムを用いて、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出すればよいことになる。
以上の理由により、本実施形態の極値探索コントローラ50では、フィードバック制御アルゴリズムとしてのスライディングモード制御アルゴリズム(26),(27)を含む、式(23)〜(30)の算出アルゴリズムを用いて、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skが算出される。
このように評価関数値Jの極小値を探索する場合、一般的な極値探索アルゴリズムでは、評価関数値Jの傾きのデータが必要となるのに対して、本実施形態の算出アルゴリズムでは、評価関数値Jの傾きのデータが不要となる。その結果、本実施形態の算出アルゴリズムの場合、一般的な極値探索アルゴリズムと比べて、演算負荷を低減でき、演算精度を向上させることができるという利点がある。同じ理由により、自動運転装置における走行軌道を決定するシステムのような、時間的に変化するシステムに適用した場合、一般的な極値探索アルゴリズムでは、ロバスト性が低下してしまうのに対して、本実施形態の算出アルゴリズムでは、高いロバスト性を確保することができるという利点がある。
また、前述したように、移動平均値Pa_iは、走行軌道Tr_skを変更したときに、評価関数値Jの傾きすなわち評価関数値Jが変化する方向を表す値(方向値)であるので、評価関数値Jが最小値になるように(すなわち移動平均値Pa_iが値0に収束するように)、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出することは、リスクポテンシャルPriskが存在する領域との交錯度合いが最小値となるとともに、ベネフィットポテンシャルPbnfが存在する領域との交錯度合いが最大値となるように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出することに相当する。
さらに、評価関数値Jが、ベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfを用いて算出されるので、リスクポテンシャルPriskが存在する領域とベネフィットポテンシャルPbnfが存在する領域とが交錯している場合には、リスクポテンシャルPriskが大きいほど、走行軌道Tr_skとリスクポテンシャルPriskが存在する領域との交錯度合いが減少するように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skが算出されることになる。その結果、自車両3が交通参加者に接触するのを回避できることになる。
次に、図25を参照しながら、走行軌道探索処理について説明する。この走行軌道探索処理は、前述した算出手法によって、走行軌道Tr_sk、評価関数値J及び最終探索軌道補正ベクトルKθ_skなどを算出するものであり、ECU2によって、前述した所定の算出周期ΔTskで実行される。なお、以下の説明において算出される各種の値は、ECU2のE2PROM内に記憶されるものとする。
同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、状況検出装置5からの周辺状況データD_infoを読み込む。
次いで、ステップ2に進み、E2PROM内の走行軌道Tr_sk及び周辺状況データD_infoに応じて、図示しないマップを検索することにより、リスクポテンシャルPriskを算出する。この場合、リスクポテンシャルPriskは、探索インデックスz0〜zmまでの値が算出され、それらの値がE2PROM内に記憶されている前回値(探索インデックスz0〜zmまでの値)に上書きされる。
次に、ステップ3で、E2PROM内の走行軌道Tr_sk及び周辺状況データD_infoに応じて、図示しないマップを検索することにより、ベネフィットポテンシャルPbnfを算出する。この場合、ベネフィットポテンシャルPbnfは、探索インデックスz0〜zmまでの値が算出され、それらの値がE2PROM内に記憶されている前回値(探索インデックスz0〜zmまでの値)に上書きされる。
ステップ3に続くステップ4で、走行軌道Tr_skを算出する。具体的には、周辺状況データD_infoに基づいて、前述したタイプ1〜4の走行軌道算出手法の算出式、すなわち式(1)〜(5)、式(6)〜(10)、式(11)〜(15)及び式(16)〜(21)のいずれかを選択し、選択した算出式における探索軌道補正ベクトルKθの要素を、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの要素に置き換えて、走行軌道Tr_skを算出する。
この場合、走行軌道Tr_skは、探索インデックスz0〜zmまでの値が算出され、それらの値がE2PROM内に記憶されている前回値(探索インデックスz0〜zmまでの値)に上書きされる。すなわち、走行軌道Tr_skは、算出周期ΔTskで逐次、更新されることになる。
次いで、ステップ5に進み、前述した式(22)により、評価関数値Jを算出した後、ステップ6で、前述した式(23)により、フィルタ値Pwを算出する。
次に、ステップ7で、前述した式(24)により、n個の中間値Pc_iを算出した後、ステップ8に進み、前述した式(25)により、n個の移動平均値Pa_iを算出する。
次いで、ステップ9に進み、前述した式(26)〜(28)により、探索軌道補正ベクトルKθを算出する。
次に、ステップ10で、前述した式(29)〜(30)により、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出した後、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の自動運転装置1では、所定の算出周期ΔTskで、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skが、逐次更新されるとともに、次の算出タイミングで、そのように更新された最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを用いて、走行軌道Tr_skが逐次更新されることになる。
次に、図26を参照しながら、自動運転制御処理について説明する。この自動運転制御処理は、自車両3を、算出された走行軌道Tr_skで走行するように制御するものであり、ECU2によって、前述した所定の算出周期ΔTskよりも長い所定の制御周期ΔTadで実行される。
同図に示すように、まず、ステップ20で、E2PROM内に記憶されている走行軌道Tr_skを読み込む。
次いで、ステップ21に進み、自車両3が読み込んだ走行軌道Tr_skで走行するように、原動機5を駆動する。
次に、ステップ22で、自車両3が読み込んだ走行軌道Tr_skで走行するようにアクチュエータ6を駆動した後、本処理を終了する。
次に、以上のように構成された本実施形態の自動運転装置1による走行軌道決定処理のシミュレーション結果について説明する。以下に述べるシミュレーション結果は、図27に示すような、先行車両7d及び対向車両7eが存在する走行環境条件下において、前述したタイプ1の走行軌道算出手法を用い、先行車両7dを追い越すときのものである。
まず、図28は、本実施形態の自動運転装置1による走行軌道決定処理のシミュレーション結果(以下「本願結果」という)を示しており、図29は、比較のために、ベネフィットポテンシャルPbnfを省略したときの走行軌道決定処理のシミュレーション結果(以下「第1比較結果」という)を示しており、図30は、比較のために、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを省略したときの走行軌道決定処理のシミュレーション結果(以下「第2比較結果」という)を示している。
また、図28〜図30におけるJ’は、自車両3の先端位置のみでの評価関数値であり、下式(31)により算出される。
Figure 2018203034
この式(31)のz’は、自車両3の先端位置での探索インデックスである。
まず、第2比較結果を参照すると、時刻t21で、評価関数値J’が所定値J1’付近まで急増していることが判る。この所定値J1’は、自車両3が交通参加者に衝突したことなどを表す値であり、この時刻t21における評価関数値J’の急増は、自車両3が先行車両7dに衝突したことに起因するものである。
また、時刻t22で、車線変更を開始した後、時刻t23で、評価関数値J’が再度、所定値J1’付近まで急増していることが判る。これは、自車両3が対向車両7eと衝突したことに起因するものである。
これに対して、本願結果の場合、時刻t1で、追い越し動作を開始し、車線変更を実行した後、時刻t2で、理想的な走行位置に復帰している。その間、第2比較結果のような他車両と衝突を生じる場合と異なり、評価関数値J’がほとんど上昇しておらず、走行軌道Tr_skを適切に決定できていることが判る。
さらに、第1比較結果を参照すると、この第1比較結果の場合、時刻t11で、追い越し動作を開始し、車線変更を実行した後、時刻t12で、元の走行位置に復帰している。その間、評価関数値J’は、本願結果と同様にほとんど上昇しておらず、その点では、走行軌道Tr_skを適切に決定できていることが判る。
しかしながら、第1比較結果の場合、時刻t12以降、自車両3が理想的な走行位置から離間しているのに対して、本願結果の場合、前述したように、時刻t2以降、自車両3が理想的な走行位置に復帰していることが判る。すなわち、本願結果の場合、ベネフィットポテンシャルPbnfを用いることで、自車両3を理想的な走行位置に復帰させることができ、走行軌道Tr_skをより適切に決定できていることが判る。
以上のように、本実施形態の自動運転装置1によれば、状況検出装置5で検出された周辺状況データD_info及び走行軌道Tr_skを用いて、リスクポテンシャルPrisk及びベネフィットポテンシャルPbnfが算出される。そして、周辺状況データD_infoに基づいて、タイプ1〜4の走行軌道算出手法のいずれかを選択し、選択した走行軌道算出手法及び最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを用いて、現在から未来までの走行軌道Tr_skが算出される。
この最終探索軌道補正ベクトルKθ_skの場合、リスクポテンシャルPrisk、ベネフィットポテンシャルPbnf及びベネフィットポテンシャル補正係数Kbnfを用いて、式(22)により、評価関数値Jを算出し、この評価関数値Jが極小値となるように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_sk(すなわち探索軌道補正ベクトルKθ)が算出される。これは、リスクポテンシャルPriskが存在する領域との交錯度合いが最小となるとともに、ベネフィットポテンシャルPbnfが存在する領域との交錯度合いが最大となるように、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出することに相当する。
さらに、そのような最終探索軌道補正ベクトルKθ_skで基準軌道wbs及び軌道重み関数値Wtr_iなどを補正することにより、走行軌道Tr_skが算出されるので、走行軌道Tr_skを算出する際、特許文献1の場合と異なり、自車両3を取り囲む多数のグリッドにおける障害物の存在確率を算出/推定する必要がなくなることで、走行軌道Tr_skを迅速かつ適切に算出することができる。それにより、自車両3を、熟練ドライバが運転した場合と同様に、安全かつ理想的な走行状態を自動運転によって実現することができ、高い商品性を確保することができる。
また、タイプ1,2の走行軌道算出手法の場合、マップ状に定義された基準軌道wbsを最終探索軌道補正ベクトルKθ_sk(すなわち探索軌道補正ベクトルKθ)で補正することによって、走行軌道Tr_skが決定されるので、自車両3の走行軌道Tr_skが交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両3が追従できないような走行軌道Tr_skに決定されるのを回避することができるとともに、自車両3の横方向の速度を適切に設定することができる。それにより、自車両3がスピンや蛇行などの不安定な挙動を示すのを防止しながら、安全かつ理想的な走行状態を自動運転によって実現することができる。
さらに、タイプ3の走行軌道算出手法の場合、軌道重み関数値Wtr_iを最終探索軌道補正ベクトルKθ_sk(すなわち探索軌道補正ベクトルKθ)で補正した値を合成することにより、走行軌道Tr_skが決定されるので、自車両3の走行軌道Tr_skが交通参加者の存在する可能性がある存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両3が左側に進路変更した後、右側に進路変更する場合や、ジグザグ走行を繰り返す場合のような走行環境下での走行軌道Tr_skを適切に設定することができ、そのような走行環境下において、円滑かつ安全な自動運転を実現することができる。
これに加えて、タイプ4の走行軌道算出手法の場合、走行軌道Tr_skがn個の線分をn個の角度で結合した状態で決定されるとともに、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを用いて、走行軌道Tr_skが補正されるので、自車両3の走行軌道Tr_skが交通参加者の存在領域と交錯するのを回避しながら、自車両3が交差点で左折又は右折する場合や、高速道路で合流する場合のような走行環境下での走行軌道Tr_skを適切に設定することができ、そのような走行環境下で、円滑かつ安全な自動運転を実現することができる。
また、最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを算出する際、移動平均値Pa_iが、走行軌道Tr_skを変化させたときの走行軌道Tr_skと存在領域データが表す存在領域との交錯度合いの変化の方向を表す値として算出され、この移動平均値Pa_iが値0になるように最終探索軌道補正ベクトルKθ_skが算出されるので、走行軌道Tr_skを算出する際の算出時間を短縮できると同時に、算出負荷を低減することができる。その結果、自動運転装置1の製造コストを削減することができるとともに、比較的、低い能力の演算装置を用いて、自動運転装置1を実現することができる。同じ理由により、この自動運転装置1を用いて、自動運転車両の高速走行を実現することができる。
なお、実施形態は、存在領域データとして、リスクポテンシャルPriskを用いた例であるが、本発明の存在領域データはこれに限らず、自車両の周辺における、交通参加者が現在から未来において存在する可能性のある領域又は未来において存在する可能性のある領域である存在領域を表すものであればよい。例えば、自車両の周辺における、交通参加者が未来において存在する可能性のある領域を存在領域を表す存在領域データとして、リスクポテンシャルPriskを算出するように構成してもよい。
また、実施形態は、走行領域データとして、ベネフィットポテンシャルPbnfを用いた例であるが、本発明の存在領域データはこれに限らず、自車両が走行すべき理想的な未来の走行領域を表すものであればよい。
さらに、実施形態は、リスクポテンシャルPrisk及びベネフィットポテンシャルPbnfの双方を用いて、走行軌道Tr_skを決定した例であるが、リスクポテンシャルPriskのみを用いて、走行軌道Tr_skを決定してもよい。その場合、評価関数値Jの算出式として、前述した式(22)でPbnf(zj)=0と設定したものを用いればよい。さらに、リスクポテンシャルPriskのみを用いて、走行軌道Tr_skを決定する場合において、リスクポテンシャルPrisk、周辺状況データD_info及び最終探索軌道補正ベクトルKθ_skに加えて、他のパラメータを用いて、走行軌道Tr_skを決定してもよい。
一方、実施形態は、周辺状況データD_info、リスクポテンシャルPrisk、ベネフィットポテンシャルPbnf及び最終探索軌道補正ベクトルKθ_skを用いて、走行軌道Tr_skを決定した例であるが、これら以外のパラメータをさらに用いて、走行軌道Tr_skを決定してもよい。
また、実施形態は、探索軌道補正ベクトルKθの算出アルゴリズムとして、式(1)〜(30)を用いた例であるが、探索軌道補正ベクトルKθの算出アルゴリズムはこれに限らず、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるように、探索軌道補正ベクトルKθを算出できるものや、未来の走行軌道と存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、未来の走行軌道と走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように、探索軌道補正ベクトルKθを算出できるものであればよい。
さらに、実施形態は、本発明の自動運転装置1及び走行軌道決定装置1を4輪車両に適用した例であるが、本発明の自動運転装置及び走行軌道決定装置は、これに限らず、2輪車両、3輪車両及び5輪以上の車両にも適用可能である。
1 自動運転装置、走行軌道決定装置
2 ECU(存在領域データ算出手段、走行軌道決定手段、走行不可領域データ 算出手段、走行領域データ算出手段)
3 自車両
5 状況検出装置(周辺状況データ取得手段)
7 他車両(交通参加者)
7a〜7e 他車両(交通参加者)
8 歩行者(交通参加者)
8a〜8b 歩行者(交通参加者)
20 リスクポテンシャル算出部(存在領域データ算出手段、走行不可領域データ 算出手段)
21 ベネフィットポテンシャル(走行領域データ算出手段)
40 走行環境モデル推定部(走行軌道決定手段)
50 極値探索コントローラ(補正値算出手段)
D_info 周辺状況データ
Prisk リスクポテンシャル(存在領域データ、走行不可領域データ)
Pbnf ベネフィットポテンシャル(走行領域データ)
wbs 基準走行軌道(所定の関数値)
kv 縦方向速度補正係数(補正値)
ktr 軌道補正係数(補正値)
ktr_2 第2軌道補正係数(補正値)
Wtr_i 軌道重み関数値(所定の関数値)
ktr2_i 軌道補正係数(補正値)
v_bs 基準道なり方向速度(所定の関数値)
kv_i 速度補正係数(補正値)
Kθ 探索軌道補正ベクトル(補正値)
Tr_sk 走行軌道
Pa_i 移動平均値(方向値)

Claims (14)

  1. 自車両の周辺状況を表す周辺状況データを取得する周辺状況データ取得手段と、
    当該周辺状況データを用いて、前記自車両の周辺における、交通参加者が現在から未来において存在する可能性のある領域又は未来において存在する可能性のある領域である存在領域を表す存在領域データを算出する存在領域データ算出手段と、
    前記存在領域データと所定の関数値を補正値で補正した値とを用いて、前記自車両の未来の走行軌道を決定する走行軌道決定手段と、
    所定のアルゴリズムを用いて、前記未来の走行軌道と前記存在領域データが表す前記存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるように、前記補正値を算出する補正値算出手段と、
    を備えることを特徴とする走行軌道決定装置。
  2. 前記所定の関数値は、前記自車両が進路変更するときの形態をマップとして予め定義した関数値であることを特徴とする請求項1に記載の走行軌道決定装置。
  3. 前記所定の関数値は、前記自車両が進路変更するときの進路変更速度を定義した関数値であり、
    前記補正値は、当該進路変更速度を補正するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の走行軌道決定装置。
  4. 前記所定の関数値は、互いに交差する複数の関数値で構成され、
    前記補正値は、複数の補正値で構成され、
    前記走行軌道決定手段は、当該複数の関数値を複数の補正値でそれぞれ補正した複数の値を合成することにより、前記未来の走行軌道を決定することを特徴とする請求項1に記載の走行軌道決定装置。
  5. 前記所定の関数値は、複数の線分を互いの間に角度を存する状態で結合した関数値で構成され、前記補正値は、当該複数の線分の長さ及び当該角度の少なくとも一方を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走行軌道決定装置。
  6. 前記補正値算出手段は、前記所定のアルゴリズムを用いて、前記未来の走行軌道を変化させたときの当該未来の走行軌道と前記存在領域データが表す存在領域との交錯度合いの変化の方向を表す方向値を算出するとともに、当該方向値を用いて、前記未来の走行軌道を前記存在領域との交錯度合いが減少する方向に変化させるように、前記補正値を算出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の走行軌道決定装置。
  7. 前記周辺状況データを用いて、前記自車両が走行すべきでない走行不可領域を表す走行不可領域データを算出する走行不可領域データ算出手段をさらに備え、
    前記補正値算出手段は、前記所定のアルゴリズムを用いて、前記未来の走行軌道と前記存在領域データが表す存在領域との交錯度合いに加えて、前記未来の走行軌道と前記走行不能領域データが表す走行不可領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるように、前記補正値を算出することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の走行軌道決定装置。
  8. 前記自車両が走行すべき理想的な未来の走行領域を表す走行領域データを算出する走行領域データ算出手段をさらに備え、
    前記補正値算出手段は、前記所定のアルゴリズムを用いて、前記未来の走行軌道と前記存在領域データが表す前記存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、前記未来の走行軌道と前記走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように、前記補正値を算出することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の走行軌道決定装置。
  9. 前記補正値手段は、前記走行領域データが表す走行領域と前記存在領域データが表す前記存在領域とが交錯している場合には、当該交錯した領域における前記交通参加者の存在確率が高いほど、前記未来の走行軌道と前記存在領域データが表す前記存在領域との交錯度合いがより減少するように、前記補正値を算出することを特徴とする請求項8に記載の走行軌道決定装置。
  10. 自車両の周辺状況を表す周辺状況データを取得する周辺状況データ取得手段と、
    当該周辺状況データを用いて、前記自車両の周辺における、交通参加者が現在から未来において存在する可能性のある領域又は未来において存在する可能性のある領域である存在領域を表す存在領域データを算出する存在領域データ算出手段と、
    前記自車両が走行すべき理想的な未来の走行領域を表す走行領域データを算出する走行領域データ算出手段と、
    前記存在領域データ及び前記走行領域データを用いて、前記自車両の未来の走行軌道を決定する走行軌道決定手段と、
    を備えることを特徴とする走行軌道決定装置。
  11. 前記走行軌道決定手段は、前記未来の走行軌道と前記存在領域データが表す存在領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、前記未来の走行軌道と前記走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように、前記未来の走行軌道を決定することを特徴とする請求項10に記載の走行軌道決定装置。
  12. 前記走行軌道決定手段は、前記未来の走行軌道の基準となる基準走行軌道を決定し、当該基準走行軌道を、前記未来の走行軌道と前記存在領域データが表す領域との交錯度合いが最小値を含む当該最小値付近の値になるとともに、前記未来の走行軌道と前記走行領域データが表す走行領域との交錯度合いが最大値を含む当該最大値付近の値になるように補正することにより、前記未来の走行軌道を決定することを特徴とする請求項10又は11に記載の走行軌道決定装置。
  13. 前記走行軌道決定手段は、前記走行領域データが表す走行領域と前記存在領域データが表す前記存在領域とが交錯している場合には、当該交錯した領域における前記交通参加者の存在確率が高いほど、前記未来の走行軌道と前記存在領域データが表す前記存在領域との交錯度合いがより減少するように、前記未来の走行軌道を決定することを特徴とする請求項11に記載の走行軌道決定装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の走行軌道決定装置を備え、
    当該走行軌道決定装置によって決定された前記未来の走行軌道で走行するように、前記自車両の走行状態を制御することを特徴とする自動運転装置。
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