JP2018202644A - 液体吐出装置およびその制御方法 - Google Patents

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純一 佐野
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圭吾 須貝
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Takahiro Katakura
孝浩 片倉
中村 真一
Shinichi Nakamura
真一 中村
酒井 寛文
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Abstract

【課題】液体吐出装置における液体の吐出制御を改善する。
【解決手段】液体吐出装置の制御部は、圧力伝達調整部によって液室から流路への圧力の伝達が抑制されている状態において、容積変更部に、前記液室の容積を低減させて前記液室の圧力を増大させ、ノズルからの前記液体の流出を開始させる加圧処理と、前記ノズルから前記液体が流出している間において、予め決められた経過時間が経過したときに、前記圧力伝達調整部と前記容積変更部の少なくとも一方を駆動することによって、前記液室の圧力を低減させて、前記ノズルの前記液体から液滴を分離させる減圧処理と、前記減圧処理の実行前に、前記経過時間を前記液体の目標吐出量に応じて決定する吐出量制御処理と、を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体吐出装置およびその制御方法に関する。
従来から、アクチュエーターによって液室の容積を変化させ、液室内の圧力を変動させることによって、液室に収容されているインクなどの液体を、液室に連通しているノズルから吐出する種々の液体吐出装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2007−320042号公報
そうした液体吐出装置においては、吐出される液体の量を、より精度よく制御できることが望ましい。上記の特許文献1のインクジェット装置では、供給流路への先端部の挿入量によって供給流路内における流体抵抗を変化させる抵抗可変機構によって、インクの吐出速度や吐出量を設定変更している。しかしながら、特許文献1の技術では、ノズルから液体を吐出する際の液室内における圧力の制御については十分な考慮がされていない。そのため、ノズルから液体を吐出する際に、ノズルから吐出された液体が適切に途切れずに、その後端部位が延びて無駄に尾を引き、液滴の形状が崩れる可能性や、液体の吐出量に誤差が生じる可能性があった。また、液滴が分離する際に、想定している以上の不要なミストが生じ、液滴の飛翔状態や、液滴の着弾状態が悪化してしまう可能性もあった。このように、液体吐出装置における液体の吐出制御については、依然として改善の余地がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[1]本発明の一形態は、液体吐出装置として提供される。この液体吐出装置は、液体を収容する液室と;前記液室に接続された前記液体の流路であって、少なくとも、前記液室に前記液体を供給するための流入路を含む流路と;前記液室に接続され、前記液室の前記液体を吐出するノズルと;前記液室の容積を変更して、前記ノズルから前記液体を吐出させる容積変更部と;前記液室から前記流路への前記液体の流入を制御して、前記液室から前記流路への圧力の伝達を調整する圧力伝達調整部と;前記容積変更部と、前記圧力伝達調整部と、を制御して、前記ノズルから前記液体を吐出させる制御部と;を備える。前記制御部は、前記圧力伝達調整部によって前記液室から前記流路への圧力の伝達が抑制されている状態において、前記容積変更部に、前記液室の容積を低減させて前記液室の圧力を増大させ、前記ノズルからの前記液体の流出を開始させる加圧処理と;前記加圧処理を実行した後、前記ノズルから前記液体が流出している間において、予め決められた経過時間が経過したときに、前記圧力伝達調整部と前記容積変更部の少なくとも一方を駆動することによって、前記液室の圧力を低減させて、前記ノズルの前記液体から液滴を分離させて飛翔させる減圧処理と;前記減圧処理の実行前に、前記経過時間を前記液体の目標吐出量に応じて決定する吐出量制御処理と;を実行する。
この形態の液体吐出装置によれば、加圧処理において、液室の圧力が流路に伝達されるのが抑制された状態で液室の圧力が増大される。そのため、ノズルからの液体の流出を開始させるための駆動力を、ノズルへと効率よく伝達することができる。また、減圧処理によって生じさせた圧力変化によって、ノズルの液体と液滴とを効率的に分離させることができる。そのため、例えば、ノズルから吐出された液滴が、無駄に尾を引くことや、不要なミストを伴うことが抑制されるなど、吐出不良の発生が抑制される。さらに、加圧処理実行後の経過時間を調整することによって、液体の吐出量の制御を、高い精度で簡易におこなうことができる。このように、この形態の液体吐出装置によれば、液体の吐出不良の発生を抑制しつつ、液体の吐出量の制御性を高めることができ、液体吐出装置における液体の吐出制御を改善できる。
[2]上記形態の液体吐出装置において、前記圧力伝達調整部は、前記流入路の流路抵抗を変化させることによって、前記液室から前記流入路への前記液体の流入を調整する流入路抵抗変更部であり;前記加圧処理は、前記流入路抵抗変更部によって、前記流入路の流路抵抗が増大されて、前記液室から前記流入路への圧力の伝達が抑制されている状態において実行され;前記減圧処理は、前記容積変更部によって前記液室の容積が低減されている間に、前記流入路抵抗変更部に前記流入路の流路抵抗を低減させて、前記液室から前記流入路へと圧力が逃げるのを促進させることによって、前記液室の圧力を低減させる処理であり;前記経過時間は、前記加圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積を低減させた後、前記減圧処理において前記流入路抵抗変更部が前記流入路の流路抵抗を減少させる動作を開始するまでの間の時間であってよい。
この形態の液体吐出装置によれば、流入路抵抗変更部による流入路の流路抵抗を増大させる動作によって、加圧処理において、流入路へと圧力が伝達されることが抑制される。よって、加圧処理において容積変更部が発生させる圧力を、ノズルへと効率的に伝達させることができる。また、減圧処理において、流入路抵抗変更部が流入路の流路抵抗を減少させる動作によって、液滴の分離を促進させる負圧を液室内に簡易に生じさせることができる。また、容積変更部と流入路抵抗変更部の駆動タイミングをそれぞれ制御することによって、液体の吐出量を、高い精度で簡易に制御することができる。
[3]上記形態の液体吐出装置において、前記圧力伝達調整部は、前記流入路の流路抵抗を変化させることによって、前記液室から前記流入路への圧力の伝達を調整する流入路抵抗変更部であり、前記加圧処理は、前記流入路抵抗変更部によって、前記流入路の流路抵抗が増大されて、前記液室から前記流入路への圧力の伝達が抑制されている状態において実行され、前記減圧処理は、前記液室の圧力が前記加圧処理の実行前の圧力より高い間に、前記容積変更部に前記液室の容積を増大させることによって、前記液室の圧力を低減させる処理であり、前記経過時間は、前記加圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積を低減させた後、前記減圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積の増大を開始させるまでの間の時間であってよい。
この形態の液体吐出装置によれば、流入路抵抗変更部が流入路の流路抵抗を増大させる動作によって、加圧処理において、流入路へと圧力が伝達されることが抑制される。よって、加圧処理において容積変更部が発生させる圧力を、ノズルへと効率的に伝達させることができる。また、減圧処理において容積変更部が発生させる負圧を、ノズルへと効率的に伝達させることができ、液滴の分離を促進させることができる。加えて、容積変更部による液室の容積を変動させるタイミングを制御することによって、液体の吐出量を、高い精度で簡易に制御することができる。
[4]上記形態の液体吐出装置において、前記流路は、さらに、前記液室の前記液体を排出する流出路を含み;前記圧力伝達調整部は、前記液室から前記流出路への前記液体の流入量を変更して、前記液室から前記流出路への圧力の伝達を調整する流入量変更部であり;前記加圧処理は、前記流入量変更部によって、前記流出路への前記液体の流入量が低減され、前記液室から前記流出路への圧力の伝達が抑制されている状態において実行され;前記減圧処理は、前記容積変更部によって前記液室の容積が低減されている間に、前記流入量変更部に、前記流出路への前記液体の流入量を増大させることによって、前記液室の圧力を低減させる処理であり;前記経過時間は、前記加圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積を低減させた後、前記減圧処理において前記流入量変更部が前記流出路への前記液体の流入量を増大させる動作を開始するまでの間の時間であってよい。
この形態の液体吐出装置によれば、流出路を有することによって、液室に液体が滞留することを抑制でき、液体の滞留に起因する液体の吐出不良を抑制できる。また、液室の気泡を、流出路から、液体とともに排出することができ、液室の気泡に起因する液体の吐出不良の発生を抑制することができる。この形態の液体吐出装置によれば、加圧処理において、流入量変更部によって流出路への液体の流出が抑制されて、液室の圧力が流出路へと伝達されることが抑制される。そのため、加圧処理において容積変更部が発生させる圧力を、ノズルへと効率的に伝達させることができる。また、減圧処理において、流入量変更部が、流出路に流出する液体の量を増大させることによって、液滴の分離を促進させる負圧を液室内に簡易に生じさせることができる。加えて、容積変更部と流入量変更部の駆動タイミングをそれぞれ制御することによって、液体の吐出量を、高い精度で簡易に制御することができる。
[5]上記形態の液体吐出装置において、前記流入路から前記ノズルまでの間の流路抵抗をRとし、前記流入路から前記ノズルまでの間のイナータンスをMとし、前記流入路から前記ノズルまでの間のコンプライアンスをCとするとき、√(M/C)<R/2の関係が満たされてよい。
この形態の液体吐出装置によれば、加圧処理および減圧処理における液室内の圧力変化によって、液室内の液体が振動して、ノズルからの液体の吐出が阻害されてしまうことが抑制される。
[6]本発明の他の形態は、液体吐出装置の制御方法として提供される。この制御方法は、液体を収容する液室に接続されている前記液体の流路への圧力の伝達が抑制されている状態において、前記液室の圧力を増大させ、前記液室に連通しているノズルから前記液体の流出を開始させる加圧工程と;前記加圧工程によって、前記ノズルからの前記液体の流出が開始された後、前記ノズルから前記液体が流出している間において、予め決められた経過時間が経過したときに、前記液室の圧力を低減させて、前記ノズルの前記液体から液滴を分離させて飛翔させる減圧工程と;前記減圧工程の前に、前記経過時間を、前記液体の目標吐出量に応じて決定する吐出量制御工程と;を備える。
この形態の制御方法によれば、加圧工程において、ノズルからの液体の流出を開始させるための圧力変化を、ノズルへと効率よく伝達することができる。また、減圧工程によって生じさせた圧力変化によって、ノズルの液体と液滴とを効率的に分離させることができ、液体の吐出不良の発生が抑制される。さらに、加圧工程実行後の経過時間を調整することによって、液体の吐出量の制御を、高い精度で簡易におこなうことができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、液体吐出装置やその制御方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体吐出システムや、液体吐出システムの制御方法、液体吐出装置や液体吐出システムにおける液体の吐出方法、それらの方法を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
第1実施形態における液体吐出装置の構成を示す概略ブロック図。 第1実施形態におけるヘッド部の内部構成を示す概略断面図。 第1実施形態の吐出処理における制御部の制御工程を示すフロー図。 第1実施形態における吐出処理のタイミングチャートの一例を示す説明図。 第1実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第1の概略図。 第1実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第2の概略図。 第1実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第3の概略図。 吐出処理の実行中における液室内の圧力の時間変化を示す説明図。 第1実施形態の吐出量制御処理において用いられるマップの一例を示す説明図。 第2実施形態のヘッド部の等価回路を示す概略図。 第3実施形態における吐出処理のタイミングチャートの一例を示す説明図。 第3実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第1の概略図。 第3実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第2の概略図。 第4実施形態における液体吐出装置の構成を示す概略ブロック図。 第4実施形態におけるヘッド部の内部構成を示す概略断面図。 第4実施形態における吐出処理のタイミングチャートの一例を示す説明図。 第4実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第1の概略図。 第4実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第2の概略図。 第4実施形態の吐出処理におけるヘッド部の動作を示す第3の概略図。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における液体吐出装置100Aの全体構成を示す概略ブロック図である。第1実施形態の液体吐出装置100Aは、タンク10と、圧力調整部15と、供給路16と、ヘッド部20Aと、制御部25と、を備える。
タンク10には液体が収容されている。液体は、例えば、所定の粘度を有するインクである。タンク10内の液体は、ヘッド部20Aに接続されている供給路16を通じてヘッド部20Aに供給される。
圧力調整部15は、供給路16に設けられており、供給路16を通じてヘッド部20Aに供給される液体の圧力を予め決められた圧力に調整する。圧力調整部15は、タンク10から液体を吸引するポンプや、ヘッド部20A側の圧力が所定の圧力になるように開閉するバルブなどによって構成される(図示は省略)。ヘッド部20Aは、供給路16から供給された液体を吐出する。ヘッド部20Aの動作は、制御部25により制御される。ヘッド部20Aの構成については後述する。
制御部25は、CPUやメモリーを備えたコンピューターとして構成されており、メモリーに記憶された制御プログラムや命令をCPUが読み出して実行することにより、液体吐出装置100Aを制御するための種々の機能を実現する。制御プログラムは、一時的でない有形な種々の記録媒体に記録されていてもよい。制御部25は、回路によって構成されていてもよい。制御部25は、ヘッド部20Aに液体を吐出させる吐出処理を実行する。吐出処理については後述する。
図2は、ヘッド部20Aの内部構成を示す概略断面図である。図2は、ノズル31の中心軸(図示は省略)と流入路40とを通る切断面におけるヘッド部20Aの構成を模式的に表している。ヘッド部20Aは、液室30と、ノズル31と、流入路40と、を備える。
液室30は、ヘッド部20Aの金属製の筐体21内に設けられている。液室30は、内壁面30wに囲まれた部屋として構成されており、液体LQを収容する空間を有する。ノズル31は、液室30の液体LQを、液滴DRとして、ヘッド部20Aの外部へと吐出する。ノズル31は、ヘッド部20Aの筐体21を貫通する貫通孔として形成されている。ノズル31は、液室30の内壁面30wのひとつである底壁面において開口する連通口33を通じて、液室30に連通している。第1実施形態では、ノズル31は重力方向に沿って開口している。なお、ヘッド部20Aは、ノズル31と液室30とをそれぞれ2つ以上、備えていてもよい。
流入路40は、液室30に接続された液体LQの流路である。ヘッド部20Aの筐体21内に設けられている。流入路40は、液室30において開口している流入口41を通じて液室30に連通している。流入路40は、供給路16(図1)に接続されており、供給路16から供給される液体LQを液室30に供給する。
ヘッド部20Aは、さらに、容積変更部35と、流入路抵抗変更部50と、を備える。容積変更部35は、制御部25(図1)の制御下において、液室30の容積を変更することによって、ノズル31から液滴DRを吐出させる。容積変更部35は、第1駆動室36に収容されている。第1駆動室36は、ヘッド部20Aの筐体21内において液室30の上方に設けられた部屋である。液室30と第1駆動室36とは、ダイヤフラム37によって、互いに気密に隔てられている。
ダイヤフラム37は、液室30の内壁面30wのひとつである上壁面を構成している。第1実施形態では、ダイヤフラム37は、金属製の薄膜状部材によって構成されている。ダイヤフラム37は、弾性ゴムなどの他の撓み変形可能な薄膜状部材によって構成されてもよい。
容積変更部35は、ダイヤフラム37の上面に連結されており、ダイヤフラム37に外力を付与して撓み変形させる。第1実施形態では、容積変更部35は、ピエゾ素子によって構成されており、自身が上下方向に伸縮することによって、ダイヤフラム37を、上下に撓み変形させる。上述したように、ダイヤフラム37は液室30の内壁面30wの一部を構成している。ダイヤフラム37が撓み変形すると、液室30の容積が変動する。容積変更部35は、ダイヤフラム37を上下方向に変位させることによって、液室30の容積を変更し、液室30内の圧力を変化させる。
図2には、ダイヤフラム37が撓み変形していない平坦な状態が例示されている。以下、このときの容積変更部35の伸縮方向における長さを、容積変更部35の「基準長」とも呼び、液室30の容積を「基準容積」とも呼ぶ。容積変更部35が基準長から伸長したときに、液室30の容積は基準容積から減少する。一方、容積変更部35が基準長から収縮したときに、液室30の容積は基準容積から増大する。
流入路抵抗変更部50は、流入路抵抗変更部50は、流入路40に設けられている。流入路抵抗変更部50は、制御部25(図1)の制御下において、流入路40の容積を変更して、流入路40の流路抵抗を変化させて、流入路抵抗変更部50は、液室30と流入路40との間の液体LQの流れを制御する。後述するように、流入路抵抗変更部50は、液室30から流入路40への液体LQの流入を制御して、液室30から流入路40への圧力の伝達を調整する圧力伝達調整部として機能する。
流入路抵抗変更部50は、駆動部51と、弁体52と、を有する。駆動部51は、第2駆動室53に収容されている。第2駆動室53は、ヘッド部20Aの筐体21内に設けられた部屋である。第1実施形態では、第2駆動室53は、流入路40の上方に設けられている。また、第2駆動室53は、液室30の上方において、第1駆動室36と水平方向に隣り合って設けられている。流入路40と第2駆動室53とは、直線状に延びている貫通孔54によって連通している。
弁体52は、金属製の柱状の部材である。弁体52は、上記の貫通孔54を介して流入路40と第2駆動室53とに跨がって配置されている。以下、弁体52の流入路40側の端部56を「先端部56」と呼び、第2駆動室53側の端部56を「後端部57」と呼ぶ。第1実施形態では、弁体52は、先端部56を下方とし、後端部57を上方として、その長手方向が重力方向に沿うように配置されている。第1実施形態では、弁体52の先端部56は半球形状の凸部として構成されている。なお、流入路40内に配置されている弁体52の表面は、流入路40の内壁面の一部を構成していると解釈できる。
駆動部51は、弁体52の後端部57の連結されており、弁体52に外力を付与して、弁体52を、その長手方向に沿って変位させる。第1実施形態では、駆動部51は、ピエゾ素子によって構成されており、第2駆動室53内において上下方向に伸縮することによって、弁体52を上下にピストン運動させる。なお、貫通孔54内には、弁体52の側面と接触して、第2駆動室53を気密にシールするシール部材が配置されている(図示は省略)。弁体52は、当該シール部の内周面を擦りながらピストン運動する。
図2には、駆動部51が収縮して、弁体52が流入路40に突出している長さが最も短くなっている状態が例示されている。この状態から駆動部51が伸長すると、弁体52が下方に移動して、弁体52が流入路40に突出している長さが増大し、流入路40の容積が低減され、流入路40の流路抵抗が増大する。逆に、駆動部51が収縮すると、流入路40の容積が増大して、流入路40の流路抵抗が低減される。
第1実施形態では、流入路40は、弁座部43を有している。弁座部43は、弁体52の先端部56と対向する位置に設けられている。弁座部43は、弁体52が流入路40に向かって移動するときの移動方向に徐々に径が縮小するテーパー部として構成されている。弁体52は、流入路40に最も突出したときに、その先端部56が弁座部43の内壁面に接触して、流入路40を閉塞する。なお、この流入路40が閉塞された状態では、流入路40における液体LQの流通が完全に遮断されていなくてもよい。このように、第1実施形態では、流入路抵抗変更部50は、流入路40の流路抵抗が増大する方向に弁体52を移動させて、流入路40を閉じる。また、流入路40の流路抵抗が低減される方向に弁体52を移動させて、流入路40を開く。
図2に加えて、図3、図4、図5A〜図5Cを参照して、液体吐出装置100Aにおいて制御部25が実行する吐出処理を説明する。図3は、第1実施形態の吐出処理における制御部25の制御工程を示すフロー図である。図4は、第1実施形態の吐出処理における容積変更部35と流入路抵抗変更部50の動作を表すタイミングチャートの一例を示す説明図である。図4では、容積変更部35による液室30の容積の変化が紙面下段に示され、流入路抵抗変更部50による弁体52の変位が紙面上段に示されている。図5A〜図5Cは、第1実施形態の吐出処理におけるヘッド部20Aの動作を模式的に示す概略図である。
制御部25は、吐出処理の実行開始前に、ヘッド部20Aを、図2に示す初期状態にする。この初期状態では、制御部25は、液室30の容積を上述した基準容積にし、流入路抵抗変更部50によって、流入路40を開いた状態にする。また、制御部25は、圧力調整部15(図1)によって、液室30の圧力を、ノズル31のメニスカス耐圧以下の予め決められた基準圧力に調整する。
工程1(図3)は、ノズル31から吐出される液体LQの量の目標値である目標吐出量に応じて、後述する経過時間ΔTを決定する吐出量制御処理を実行する吐出量制御工程である。経過時間ΔTおよび吐出量制御処理については、工程2における加圧処理と、工程3における減圧処理と、を説明した後に説明する。
工程2(図3)は、液体LQの流路である流入路40への圧力の伝達が抑制されている状態にして、液室30の圧力を増大させてノズル31から液体LQの流出を開始させる加圧工程である。工程2では、制御部25は、以下の加圧処理を実行する。加圧処理では、制御部25は、まず、流入路抵抗変更部50に、流入路40の流路抵抗を増大させて、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にする。制御部25は、時刻tにおいて、流入路抵抗変更部50の駆動部51を伸長させて、弁体52をΔLだけ下方に変位させ、流入路40を閉塞する(図4,図5A)。
加圧処理において、制御部25は、さらに、容積変更部35によって、液室30の容積を減少させて液室30の圧力を増大させる。制御部25は、時刻tにおいて、容積変更部35によって、液室30の容積を基準容積から、予め決められた減少分であるΔVだけ、瞬発的に低減させる(図4)。これによって、液室30の圧力が増大して、ノズル31から液体LQの流出が開始される(図5B)。
加圧処理では、上記のように、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にされているため、容積変更部35の動作によって生じた圧力が流入路40の方に逃げてしまうことが抑制されている。よって、ノズル31から液体LQを流出させる駆動力が低減されてしまうことが抑制され、ノズル31からの液体LQの効率が高められている。
工程3(図3)は、加圧工程によって、ノズル31からの液体LQの流出が開始された後、ノズル31から液体LQが流出している間に、液室30の圧力を低減させて、ノズル31の液体LQから液滴DRを分離させて飛翔させる減圧工程である。工程3では、制御部25は、以下の減圧処理を実行する。
減圧処理では、ノズル31から液体LQが流出している間において、後述する経過時間ΔTが経過したときに、圧力伝達調整部である流入路抵抗変更部50を駆動することによって、液室30の圧力を低減させる。「ノズル31から液体LQが流出している間」とは、ノズル31から液体LQが尾を引くように垂下している状態が継続されている間を意味している。この期間は、液室30の容積が容積変更部35によって基準容積から低減された状態が維持されている期間であり、液室30の圧力が、加圧処理の実行前よりも高いままの状態にある期間である。
制御部25は、その期間の間の時刻tにおいて、流入路抵抗変更部50の駆動部51を収縮させて、弁体52をΔLだけ上方に変位させ、流入路40を開放する(図4,図5C)。これによって、流入路40の容積が増大し、流入路40の流路抵抗が低減される。そのため、液室30から流入路40へと圧力が逃げるのが促進され、液室30の圧力が低下し、ノズル31の液体LQを液室30の方に引き戻す方向に働く負圧が発生する。この負圧により、ノズル31の液体LQからの液滴DRの分離が促進され、液滴DRの飛翔が開始される。
工程1(図3)の吐出量制御処理を説明する。吐出量制御処理は、目標吐出量に応じて経過時間ΔTを決定する処理である。経過時間ΔTは、減圧処理の開始タイミングを決める時間であり、加圧処理の実行後、減圧処理を開始するまでの間の時間である。第1実施形態では、経過時間ΔTは、加圧処理において容積変更部35が液室30の容積を低減させた後、減圧処理において流入路抵抗変更部50が流入路40の流路抵抗を減少させる動作を開始するまでの間の時間である(図4の時刻t〜t)。
図6を参照する。図6には、吐出処理の実行中における液室30内での圧力の時間変化を示すグラフが図示されている。図6では、時刻tは、加圧処理の実行直後の時刻である。グラフGa,Gb,Gcはそれぞれ、減圧処理の実行が開始される時刻を、t2a、t2b、t2cと、順に遅くしたときの圧力の時間変化を示している。図6のグラフGa,Gb,Gcはそれぞれ、経過時間ΔTを、ΔTa,ΔTb,ΔTc(ΔTa<ΔTb<ΔTc)と、次第に長く設定したときの液室30での圧力変化を示している。
図6のグラフGa,Gb,Gcが示しているように、経過時間ΔTが長くなるほど、減圧処理の実行が開始される時刻t2a,t2b,t2cにおける液室30内の圧力は線形的に徐々に低下している。これは、経過時間ΔTが長いほど、ノズル31からの液体LQの流出量が線形的に増加するためであると推察される。つまり、経過時間ΔTを長くするほど、吐出処理において吐出される液体LQの量を増大させ、液滴DRのサイズを大きくすることができる。制御部25は、吐出量制御処理において、この経過時間ΔTとノズル31からの液体LQの流出量との相関関係を利用して、目標吐出量に応じて経過時間ΔTを決定する。
図7は、制御部25が経過時間ΔTを決定するために用いるマップMPの一例を示す説明図である。このマップMPには、目標吐出量Tvが大きいほど、経過時間ΔTが線形的に大きくなる関係が設定されている。マップMPは、予め、液体吐出装置100Aの記憶部(図示は省略)に格納されている。制御部25は、工程1の吐出量制御処理において、マップMPを参照して、目標吐出量Tvに対する経過時間ΔTを取得する。制御部25は、工程2の加圧処理を実行した後、吐出量制御処理で決定された経過時間ΔTの経過を待ち、工程3の減圧処理の実行を開始する。これによって、液体吐出装置100Aでは、目標吐出量Tvに応じたサイズの液滴DRが吐出される。
なお、液体吐出装置100Aでは、制御部25は、マップMPの代わりに、目標吐出量Tvと経過時間ΔTとの対応関係を表す予め準備されたテーブルや関数式を用いて、目標吐出量Tvに対する経過時間ΔTを決定してもよい。あるいは、制御部25は、そうした関数式を表す回路を用いて、目標吐出量Tvに対する経過時間ΔTの出力を得るものとしてもよい。
以上のように、第1実施形態の液体吐出装置100Aによれば、加圧処理において、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制されるため、容積変更部35が発生させる圧力を、ノズル31へと効率的に伝達させることができる。また、減圧処理では、流入路抵抗変更部50が流入路40の流路抵抗を減少させる動作によって、液滴DRの分離を促進させる負圧を、液室30内に簡易に生じさせることができる。第1実施形態の液体吐出装置100Aによれば、流入路抵抗変更部50の動作タイミングを決める経過時間ΔTの調整によって、液体LQの吐出量を、高い精度で簡易におこなうことができる。また、第1実施形態の液体吐出装置100Aでは、加圧処理を実行する容積変更部35とは別の流入路抵抗変更部50によって減圧処理が実行される。そのため、経過時間ΔTが、容積変更部35の固有周期より短くても、減圧処理を、経過時間ΔTで決まる適切なタイミングで開始することができる。つまり、減圧処理の開始タイミングが、容積変更部35の動作性能に影響されてしまうことが抑制され、より好適なタイミングで液滴DRを分離させることができ、ノズル31からの液滴DRの吐出の制御性が高められている。また、ノズル31の液体LQから液滴DRを分離させるタイミングを、より精度よく制御できることによって、液滴DRが無駄に尾を引いてしまうことが抑制され、不要なミストの発生や、液滴DRの形状の崩れなどが抑制される。よって、液滴DRの飛行状態や着弾状態が劣化してしまうことが抑制され、ヘッド部20Aによる液滴DRの吐出の信頼性が高められる。その他に、第1実施形態の液体吐出装置100Aおよびその吐出処理を実行する制御方法によれば、上記の第1実施形態中で説明した種々の作用効果を奏することができる。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態の液体吐出装置100Bが備えるヘッド部20Bの等価回路を示す概略図である。第2実施形態の液体吐出装置100Bの構成は、第1実施形態のヘッド部20Aの代わりに、第2実施形態のヘッド部20Bを備えている点以外は、第1実施形態の液体吐出装置100Aの構成とほぼ同じである。第2実施形態のヘッド部20Bの構成は、以下に説明する関係が満たされるように設計されている点以外は、第1実施形態のヘッド部20Aとほぼ同じである。第2実施形態の液体吐出装置100Bは、第1実施形態で説明したのと同じ吐出処理を実行する。
ヘッド部20Bの流入路40からノズル31までの間の流路抵抗R、イナータンスM、コンプライアンスCはそれぞれ、下記の式(1)〜(3)のように求まる。なお、流入路40の流路抵抗RpおよびイナータンスMpは、流入路抵抗変更部50によって流入路40が閉塞されている状態での値である。
R=Rp・Rn/(Rp+Rn) …(1)
M=Mp・Mn/(Mp+Mn) …(2)
C=Cn+Cr …(3)
Rp:流入路40の流路抵抗、Rn:ノズル31の流路抵抗
Mp:流入路40のイナータンス、Mn:ノズル31のイナータンス
Cn:ノズル31のコンプライアンス、Cr:液室30のコンプライアンス
R、M、Cは以下の式(4)〜(6)に示すように、液体LQの粘度η、密度ρ、圧縮率κと相関関係を有する。
R∝η …(4)
M=ρ・(L/S) …(5)
C∝(V・κ) …(6)
L:流路長、S:流路断面積、V:容積
このとき、ヘッド部20Bでは、下記の不等式(7)の関係が満たされている。
√(M/C)<R/2 …(7)
これによって、加圧処理において容積変更部35から圧力波のパルスPが液室30の液体LQに印加されたとしても、液室30の液体LQが振動してしまうことが抑制され、液体LQの吐出不良の発生が抑制される。その他に、第2実施形態の液体吐出装置100Bおよびその吐出処理を実行する制御方法によれば、上記の第1実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
C.第3実施形態:
図9,図10A,図10Bを参照して、第3実施形態の液体吐出装置100Cにおいて制御部25が実行する吐出処理を説明する。図9は、第3実施形態の吐出処理における容積変更部35と流入路抵抗変更部50の動作を表すタイミングチャートの一例を示す説明図である。図9では、容積変更部35による液室30の容積の変化が紙面下段に示され、流入路抵抗変更部50による弁体52の変位が紙面上段に示されている。図10A,図10Bは、第3実施形態の吐出処理における第3実施形態のヘッド部20Cの動作を模式的に示す概略図である。
第3実施形態の液体吐出装置100Cの構成は、第1実施形態の液体吐出装置100Aの構成(図1)とほぼ同じである。第3実施形態のヘッド部20Cの構成は、第1実施形態のヘッド部20Aの構成(図2)とほぼ同じである。第3実施形態の吐出処理での制御部25の制御工程のフローは、第1実施形態で説明した制御工程のフローとほぼ同じである(図3)。第3実施形態の吐出処理は、減圧処理において、容積変更部35の動作によって、液滴DRを分離させるための負圧を液室30内に発生させている点以外は、第1実施形態の吐出処理とほぼ同じである。
工程1では、制御部25は、吐出量制御処理を実行する。制御部25は、吐出量制御処理において、目標吐出量Tvに応じた経過時間ΔTを、第1実施形態で説明したのと同様なマップMP(図7)を用いて、減圧処理の前に予め決定する。第3実施形態では、経過時間ΔTは、加圧処理において容積変更部35に液室30の容積を低減させた後、減圧処理において容積変更部35に液室30の容積の増大を開始させるまでの間の時間である。
工程2では、制御部25は、加圧処理を実行する。加圧処理では、制御部25は、第1実施形態で説明したのと同様に、圧力伝達調整部として機能する流入路抵抗変更部50に、流入路40の流路抵抗を増大させて、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にする(図9の時刻t)。そして、容積変更部35に、液室30の容積を、基準容積から低減させて、液室30の圧力を増大させる(図9の時刻t,図10A)。
工程3では、制御部25は、減圧処理を実行する。制御部25は、加圧処理の実行後、経過時間ΔTが経過したときに、減圧処理の実行を開始する(図9の時刻t)。減圧処理では、制御部25は、液室30の圧力が加圧処理の実行前の圧力より高い間に、容積変更部35に液室30の容積を基準容積まで増大させることによって、液室30の圧力を低減させる(図10B)。これによって、液室30内にノズル31の液体LQを液室30の方に引き戻す方向に働く負圧が発生し、ノズル31の液体LQから液滴DRを分離させることができる。
以上のように、第3実施形態の液体吐出装置100Cによれば、流入路抵抗変更部50が流入路40の流路抵抗を増大させているため、減圧処理において容積変更部35が発生させる負圧を、ノズル31へと効率的に伝達させることができる。よって、吐出処理において、ノズル31の液体LQからの液滴DRの分離を促進させることができる。また、加圧処理後の容積変更部35による液室30の容積を低減させるタイミングを制御することによって、液体LQの吐出量を、高い精度で簡易に制御することができる。その他に、第3実施形態の液体吐出装置100Cおよびその吐出処理を実行する制御方法によれば、上記の第1実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
D.第4実施形態:
図11は、第4実施形態における液体吐出装置100Dの全体構成を示す概略ブロック図である。第4実施形態の液体吐出装置100Dは、以下に説明する点以外は、第1実施形態の液体吐出装置100A(図1)の構成ほぼ同じである。液体吐出装置100Dは、圧力調整部15の代わりに、加圧ポンプ60を備えており、第1実施形態のヘッド部20Aの代わりに第4実施形態のヘッド部20Dを備えている。また、液体吐出装置100Dには、排出路61と、液体貯留部63と、負圧発生源64と、循環路65と、が追加されている。
加圧ポンプ60は、タンク10内の液体を、供給路16を通じてヘッド部20Dに供給する。ヘッド部20Dの構成については後述する。排出路61は、ヘッド部20Dと液体貯留部63とを接続している。ヘッド部20Dによって吐出されなかった液体は、排出路61を通じて液体貯留部63に排出される。液体貯留部63には、負圧発生源64が接続されている。負圧発生源64は、液体貯留部63内を負圧にすることにより、排出路61を通じてヘッド部20Dから液体を吸引する。負圧発生源64は、各種のポンプによって構成される。
液体吐出装置100Dでは、加圧ポンプ60および負圧発生源64が、供給路16と排出路61とに差圧を発生させてヘッド部20Dに液体を供給する液体供給部として機能する。なお、加圧ポンプ60および負圧発生源64のいずれか一方を省略して、加圧ポンプ60または負圧発生源64のいずれか単体で液体供給部を構成してもよい。
循環路65は、ヘッド部20Dの流出路70から流出する液体を、ヘッド部20Dの液室30に循環させるための流路である。循環路65は、液体貯留部63とタンク10とを接続している。ヘッド部20Dの流出路70から排出され、排出路61を通じて液体貯留部63に貯留された液体は、循環路65を通じてタンク10に戻され、再び、加圧ポンプ60によってヘッド部20Dの液室30に供給される。ヘッド部20Dの流出路70および液室30は、後に参照する図12に図示されている。なお、循環路65には、液体貯留部63から液体を吸引するためのポンプが備えられていてもよい。
液体吐出装置100Dでは、循環路65を備えていることによって、ヘッド部20Dから流出した液体LQを再利用することができる。よって、液体LQが無駄に消費されてしまうことを抑制することができ、液体LQの利用効率が高められている。なお、液体貯留部63やタンク10には、再利用される液体LQの濃度や粘度、温度など、種々の状態を調整する調整部が設けられていてもよい。また、排出路61や循環路65には、液体LQに含まれる気泡や異物を除去するためのフィルター部が設けられていてもよい。
図12は、第4実施形態のヘッド部20Dの内部構成を示す概略断面図である。図12は、ノズル31の中心軸と流入路40と流出路70とを通る切断面におけるヘッド部20Dの構成を模式的に表している。図12では、図2と同様に、容積変更部35が基準長の長さで、液室30の容積が基準容積であり、流入路抵抗変更部50によって流入路40が開放されているときの状態が例示されている。
第4実施形態のヘッド部20Dの構成は、流出路70と、流入量変更部80と、が追加されている点以外は、第1実施形態のヘッド部20A(図2)の構成とほぼ同じである。なお、ヘッド部20Dは、ノズル31と液室30とそれぞれ2つ以上、備えていてもよい。
流出路70は、液室30に接続されている流路のひとつであり、筐体21内に設けられている。流出路70は、排出路61に接続されている。流出路70は、液室30において開口している流出口71を通じて、液室30から液体LQを流出させる。第4実施形態では、流出路70および流出口71は、ヘッド部20Dにおいて、水平方向に容積変更部35を挟んで、流入路40および流入口41と反対側の領域に設けられている。
液体吐出装置100Dでは、吐出されなかった液体LQが、流出路70を通じて、ヘッド部20Dから排出される。これによって、液室30において、流入路40から流出路70へと向かう液体LQの流れを生じさせることができる。よって、ヘッド部20D内での液体LQ内の沈降成分の堆積や液体の蒸発に伴う液体の濃度変化など、ヘッド部20Dにおける液体LQの滞留によって生じる液体LQの劣化が抑制される。そのため、そうした液室30の液体LQの劣化に起因するノズル31からの液滴DRの吐出不良の発生が抑制される。また、液体吐出装置100Dでは、液室30に外気が入り込んで生成された気泡を、液体LQとともに、流出路70から排出させることができる。よって、液室30の気泡に起因するノズル31からの液滴DRの吐出不良の発生が抑制される。
流入量変更部80は、流出路70に設けられている。流入量変更部80は、制御部25(図11)の制御下において、流出路70の容積を変更することによって、流出路70の流路抵抗を変化させ、液室30から流出路70に流入する液体LQの流入量を制御する。ヘッド部20Dでは、流入量変更部80が液室30から流出路70への液体LQの流入量を調整することによって、液室30から流出路70へと伝達される圧力が調整される。第4実施形態では、容積変更部35に加えて、流入量変更部80が、液室30から流路40,70へと伝達される圧力を調整する圧力伝達調整部に含まれる。
流入量変更部80は、駆動部81と、弁体82と、を有する。流入量変更部80の駆動部81および弁体82は、流入路抵抗変更部50の駆動部51および弁体82と同様な構成を有している。流入量変更部80の駆動部81は、第3駆動室83に収容されている。第3駆動室83は、ヘッド部20Dの筐体21内に設けられた部屋である。第3駆動室83は、流出路70の上方に設けられている。第3駆動室83と流出路70とは、直線状に延びている貫通孔84によって連通している。
弁体82は、先端部86が流出路70に露出するように、貫通孔84に配置されている。貫通孔84内には、流入路抵抗変更部50の貫通孔54と同様に、シール部材が配置されている(図示は省略)。なお、流出路70内に配置されている弁体82の表面は、流出路70の内壁面の一部を構成していると解釈できる。
流入量変更部80では、弁体82の後端部87に連結されている駆動部81が、上下方向に伸縮することによって、弁体82を上下にピストン運動させる。流入量変更部80では、駆動部81が伸長することによって、流出路70の容積が低減されて、流出路70の流路抵抗が増大する。逆に、駆動部81が収縮することによって、流出路70の容積が増大して、流出路70の流路抵抗が低減される。
第4実施形態では、流出路70は、流入路40の弁座部43と同様な弁座部73を有している。弁座部73は、流入量変更部80の弁体82の先端部86と対向する位置に設けられている。弁体82は、流出路70に最も突出したときに、その先端部86が弁座部73の内壁面に接触して、流出路70を閉塞する。このように、流入量変更部80は、流出路70の流路抵抗が増大する方向に弁体82を移動させて、流出路70を閉じる。また、流出路70の流路抵抗が低減される方向に弁体82を移動させて、流出路70を開く。
図12に加えて、図13、図14A〜図14Cを参照して、液体吐出装置100Dにおいて制御部25が実行する吐出処理を説明する。図13は、第4実施形態の吐出処理における容積変更部35と流入路抵抗変更部50の動作を表すタイミングチャートの一例を示す説明図である。図13では、容積変更部35による液室30の容積の変化が紙面下段に示され、流入路抵抗変更部50による弁体52の変位が紙面中段に示され、流入量変更部80による弁体82の変位が紙面上段に示されている。図14A〜図14Cは、第4実施形態の吐出処理におけるヘッド部20Aの動作を模式的に示す概略図である。
第4実施形態の吐出処理での制御部25の制御工程のフローは、第1実施形態で説明した制御工程のフローとほぼ同じである(図3)。第4実施形態の吐出処理は、減圧処理において、流入量変更部80の動作によって、液滴DRを分離させるための負圧を液室30内に発生させている点以外は、第1実施形態の吐出処理とほぼ同じである。
制御部25は、吐出処理の実行開始前に、ヘッド部20Aを、図12に示す初期状態にする。この初期状態では、制御部25は、流入量変更部80の弁体82によって、流出路70を閉じた状態にする。流出路70が閉じられることにより、流出路70への液体LQの流入量が低減され、液室30から流出路70へと圧力が抜けてしまうことが抑制される。また、制御部25は、制御部25は、液室30の容積を上述した基準容積にし、流入路抵抗変更部50によって、流入路40を開いた状態にする。そして、圧力調整部15(図1)によって、液室30の圧力を、ノズル31のメニスカス耐圧以下の予め決められた基準圧力に調整する。
工程1では、制御部25は、吐出量制御処理を実行する。制御部25は、吐出量制御処理において、目標吐出量Tvに応じた経過時間ΔTを、第1実施形態で説明したのと同様なマップMP(図7)を用いて、減圧処理の前に予め決定する。第4実施形態では、経過時間ΔTは、加圧処理において容積変更部35に液室30の容積を低減させた後、減圧処理において、流入量変更部80に、流出路70への液体LQの流入量を増大させる動作を開始させるまでの間の時間である。
工程2では、制御部25は、加圧処理を実行する。加圧処理では、制御部25は、第1実施形態で説明したのと同様に、圧力伝達調整部として機能する流入路抵抗変更部50に、流入路40の流路抵抗を増大させて、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にする(図13の時刻t,図14A)。そして、容積変更部35に、液室30の容積を、基準容積から低減させて、液室30の圧力を増大させる(図13の時刻t,図14B)。
工程3では、制御部25は、減圧処理を実行する。制御部25は、加圧処理の実行後、経過時間ΔTが経過したときに、減圧処理の実行を開始する(図13の時刻t)。制御部25は、ノズル31から液体LQが流出している間に、流入量変更部80に、流出路70への液体LQの流入量を増大させる動作を開始させる(図14C)。第4実施形態では、制御部25は、流入量変更部80の駆動部81を収縮させ、弁体82を上方に移動させ、流出路70を開くことによって、流出路70への液体LQの流入量を増大させる。これよって、液室30の圧力を流出路70へと逃がすことができ、液室30の圧力が低減される。よって、液室30内にノズル31の液体LQを液室30の方に引き戻す方向に働く負圧が発生し、ノズル31の液体LQから液滴DRを分離させることができる。
以上のように、第4実施形態の液体吐出装置100Dによれば、減圧処理において、流入量変更部80が流出路70への液体LQの流入量を増大させることによって、液滴DRをノズル31の液体LQから分離させるための負圧を簡易に発生させることができる。第4実施形態の液体吐出装置100Dによれば、加圧処理後の流入量変更部80の動作タイミングを決める経過時間ΔTの調整によって、液体LQの吐出量を、高い精度で簡易におこなうことができる。また、第4実施形態の液体吐出装置100Dでは、加圧処理を実行する容積変更部35とは別の流入量変更部80によって減圧処理が実行される。そのため、減圧処理の開始タイミングが、容積変更部35の動作性能に影響されてしまうことが抑制され、より好適なタイミングで液滴DRを分離させることができる。その他に、第4実施形態の液体吐出装置100Dおよびその吐出処理を実行する制御方法によれば、上記の第1実施形態中で説明した種々の作用効果を奏することができる。
E.他の実施形態:
上記の各実施形態で説明した種々の構成は、例えば、以下のように改変することが可能である。以下に説明する他の実施形態はいずれも、上記の各実施形態と同様に、発明を実施するための形態の一例として位置づけられる。
E1.他の実施形態1:
上記の各実施形態において、容積変更部35や、流入路抵抗変更部50の駆動部51、流入量変更部80の駆動部81は、ピエゾ素子によって構成されている。これに対して、容積変更部35および各駆動部51,81は、ピエゾ素子以外のアクチュエーターによって構成されていてもよい。容積変更部35および各駆動部51,81は、例えば、エアシリンダーやソレノイド、磁歪素子などの他のアクチュエーターによって構成されてもよい。
E2.他の実施形態2:
上記の各実施形態では、容積変更部35は、液室30の内壁面30wの一部を構成しているダイヤフラム37を撓み変形させて、液室30の容積を変更している。これに対して、容積変更部35は、他の構成によって、液室30の容積を変更してもよい。容積変更部35は、例えば、流入路抵抗変更部50の弁体52のような弁体を、ノズル31の連通口33に向かってピストン運動させることによって、液室30の容積を変更する構成であってもよい。
E3.他の実施形態3:
上記の各実施形態において、流入路抵抗変更部50は、流入路40を開閉するように動作している。しかしながら、流入路抵抗変更部50は、流入路40を完全に閉塞した状態や開放した状態にしなくてもよい。流入路抵抗変更部50は、流入路40の容積を変更する動作によって、流入路40の流路抵抗を変化させればよい。この場合、流入路40の弁座部43は省略されてもよい。流入量変更部80および流出路70の弁座部73についても同様である。なお、上記の各実施形態において、流入路抵抗変更部50による流入路40の容積を変更する動作は、流入路40の流路断面積を変更する構成であると解釈することもできる。流入量変更部80による流出路70の容積を変更する動作についても同様である。
E4.他の実施形態4:
上記各実施形態において、流入路抵抗変更部50は、駆動部51によって弁体52を変位させて、流入路40の容積を変更し、流入路40の流路抵抗を変化させている。これに対して、流入路抵抗変更部50は、上記の各実施形態での構成以外の構成によって、流入路40の容積を変更し、流入路40の流路抵抗を変化させてもよい。例えば、流入路抵抗変更部50は、容積変更部35のように、流入路40の内壁面の一部を構成するダイヤフラムを撓み変形させて流入路40の容積を変更してもよい。また、流入路抵抗変更部50は、流入路40を横切るように移動するシャッター壁部によって、流入路40の容積を変化させて、流入路40の流路抵抗を変化させる構成であってもよい。流入量変更部80においても、同様な構成の改変が適用されてもよい。
E5.他の実施形態5:
上記第3実施形態の液体吐出装置100Cが備えるヘッド部20Cおよび第4実施形態の液体吐出装置100Dが備えるヘッド部20Dは、上記の第2実施形態で説明した不等式(7)の関係を満たすように構成されていてもよい。
E6.他の実施形態6:
上記第4実施形態の液体吐出装置100Dでは、流入量変更部80は、弁体82をピストン運動させて流出路70への液体LQの流入量を変更して、液室30から流出路70への圧力の伝達状態を調整している。これに対して、流入量変更部80は、他の構成によって、流出路70への液体LQの流入量を変更して、液室30から流出路70への圧力の伝達状態を調整してもよい。流入量変更部80は、液室30から流出路70へと液体LQを吸引するポンプによって構成されてもよい。この構成の場合には、制御部25は、加圧処理の実行時には、当該ポンプの駆動を停止して、流出路70への液体LQの流入量を低減させて、液室30から流出路70への圧力の伝達が抑制されている状態にする。また、減圧処理では、経過時間ΔTが経過したときに、当該ポンプの駆動を開始させて、液室30の圧力を低減させる。流入量変更部80は、負圧発生源64であるとしてもよい。また、流入量変更部80は、開閉動作によって、流出路70への液体LQの流入量を調整する負圧弁などの弁によって構成されてもよい。
E7.他の実施形態7:
上記の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態において、ヘッド部20A,20B,20Cに、第4実施形態で説明した流出路70と流入量変更部80とを設けてもよい。この場合には、制御部25は、加圧処理や減圧処理の実行時に、流出路70への圧力の伝達が抑制されている状態になるように、流入量変更部80を駆動することが望ましい。
E8.他の実施形態8:
上記の第3実施形態および第4実施形態の液体吐出装置100C,100Dでは、循環路65を省略し、液体LQを循環させない構成が適用されてもよい。例えば、排出路61に流出した液体LQが、そのまま外部に排出される構成が適用されてもよい。
E9.他の実施形態9:
上記の各実施形態の吐出処理では、工程1において、吐出量制御処理が実行されている。これに対して、吐出量制御処理は、吐出処理の際に実行されていればよく、吐出処理の実行中以外のタイミングで実行されていてもよい。制御部25は、複数回の吐出処理の実行を開始する前に、各吐出処理で使用される経過時間ΔTを、目標吐出量Tvに応じて、予め、まとめて決定していてもよい。吐出量制御処理は、少なくとも、減圧処理の実行前に実行されていればよい。
E10.他の実施形態10:
上記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の減圧処理において、制御部25は、圧力伝達調整部である流入路抵抗変更部50とともに、容積変更部35を駆動させて、液室30の圧力を低減させてもよい。また、上記第4実施形態の減圧処理において、制御部25は、圧力伝達調整部である流入量変更部80とともに、容積変更部35を駆動させて、液室30の圧力を低減させてもよい。あるいは、流入量変更部80とともに、流入路抵抗変更部50を駆動させて、液室30の圧力を低減させてもよいし、流入量変更部80とともに、容積変更部35と流入路抵抗変更部50とを駆動させて、液室30の圧力を低減させてもよい。また、流入量変更部80の代わりに、容積変更部35、または、流入路抵抗変更部50を駆動させて、液室30の圧力を低減させてもよいし、流入量変更部80の代わりに、容積変更部35と流入路抵抗変更部50の両方を駆動させて、液室30の圧力を低減させてもよい。減圧処理では、制御部25は、圧力伝達調整部と容積変更部35の少なくとも一方を駆動させればよい。
E11.他の実施形態11:
上記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態では、制御部25は、加圧処理の実行時に、流入路抵抗変更部50によって、流入路40の流路抵抗を増大させて、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にしている。これに対して、制御部25は、加圧処理の実行開始前に、流入路抵抗変更部50によって、予め、流入路40の流路抵抗を増大させて、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にしておいてもよい。また、上記の第4実施形態では、制御部25は、流入量変更部80は、加圧処理の実行前に、流出路70への液体LQの流入量が低減され、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にしている。これに対して、制御部25は、加圧処理の実行時に、流入路抵抗変更部50とともに、流入量変更部80を駆動させて、液室30から流入路40への圧力の伝達が抑制される状態にしてもよい。加圧処理では、流入路抵抗変更部50や流入量変更部80といった圧力伝達調整部によって液室30から流入路40や流出路70などの流路への圧力の伝達が抑制されている状態において、容積変更部35による液室30の圧力を増大させる動作が実行されればよい。
E12.他の実施形態12:
本発明は、インクを吐出する液体吐出装置に限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意の液体吐出装置にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体吐出装置に本発明は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体吐出装置。
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置。
(6)潤滑油の吐出装置。
(7)樹脂液の吐出装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する液体吐出装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置。
本明細書において、「液体」とは、液体吐出装置が消費できるような材料であればよい。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であればよく、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。液体の代表的な例としてはインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。また、「液滴」とは、液体吐出装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。
E13.他の実施形態13:
上記実施形態において、ソフトウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよい。また、ハードウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては、例えば、集積回路、ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いることができる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須ではないと説明されているものに限らず、その技術的特徴が本明細書中に必須であると説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記の各実施形態では、液体吐出装置100A〜100Dが備える液体の流路は、少なくとも、流入路40を含んでおり、第4実施形態では、流入路40と、流出路70と、を含んでいる。第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の流入路抵抗変更部50と、第4実施形態の流入量変更部80とは、液室30から液室30に接続されている流路への圧力の伝達を調整する圧力伝達調整部に含まれる。
10…タンク、15…圧力調整部、16…供給路、20A…ヘッド部、20B…ヘッド部、20C…ヘッド部、20D…ヘッド部、21…筐体、25…制御部、30…液室、30w…内壁面、31…ノズル、33…連通口、35…容積変更部、36…第1駆動室、37…ダイヤフラム、40…流入路、41…流入口、43…弁座部、50…流入路抵抗変更部、51…駆動部、52…弁体、53…第2駆動室、54…貫通孔、56…先端部、57…後端部、60…加圧ポンプ、61…排出路、63…液体貯留部、64…負圧発生源、65…循環路、70…流出路、71…流出口、73…弁座部、80…流入量変更部、81…駆動部、82…弁体、83…第3駆動室、84…貫通孔、86…先端部、87…後端部、100A…液体吐出装置、100B…液体吐出装置、100C…液体吐出装置、100D…液体吐出装置、DR…液滴、LQ…液体、MP…マップ、P…パルス

Claims (6)

  1. 液体吐出装置であって、
    液体を収容する液室と、
    前記液室に接続された前記液体の流路であって、少なくとも、前記液室に前記液体を供給するための流入路を含む流路と、
    前記液室に接続され、前記液室の前記液体を吐出するノズルと、
    前記液室の容積を変更して、前記ノズルから前記液体を吐出させる容積変更部と、
    前記液室から前記流路への前記液体の流入を制御して、前記液室から前記流路への圧力の伝達を調整する圧力伝達調整部と、
    前記容積変更部と、前記圧力伝達調整部と、を制御して、前記ノズルから前記液体を吐出させる制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記圧力伝達調整部によって前記液室から前記流路への圧力の伝達が抑制されている状態において、前記容積変更部に、前記液室の容積を低減させて前記液室の圧力を増大させ、前記ノズルからの前記液体の流出を開始させる加圧処理と、
    前記加圧処理を実行した後、前記ノズルから前記液体が流出している間において、予め決められた経過時間が経過したときに、前記圧力伝達調整部と前記容積変更部の少なくとも一方を駆動することによって、前記液室の圧力を低減させて、前記ノズルの前記液体から液滴を分離させて飛翔させる減圧処理と、
    前記減圧処理の実行前に、前記経過時間を前記液体の目標吐出量に応じて決定する吐出量制御処理と、
    を実行する、液体吐出装置。
  2. 請求項1記載の液体吐出装置であって、
    前記圧力伝達調整部は、前記流入路の流路抵抗を変化させることによって、前記液室から前記流入路への前記液体の流入を調整する流入路抵抗変更部であり、
    前記加圧処理は、前記流入路抵抗変更部によって、前記流入路の流路抵抗が増大されて、前記液室から前記流入路への圧力の伝達が抑制されている状態において実行され、
    前記減圧処理は、前記容積変更部によって前記液室の容積が低減されている間に、前記流入路抵抗変更部に前記流入路の流路抵抗を低減させて、前記液室から前記流入路へと圧力が逃げるのを促進させることによって、前記液室の圧力を低減させる処理であり、
    前記経過時間は、前記加圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積を低減させた後、前記減圧処理において前記流入路抵抗変更部が前記流入路の流路抵抗を減少させる動作を開始するまでの間の時間である、液体吐出装置。
  3. 請求項1記載の液体吐出装置であって、
    前記圧力伝達調整部は、前記流入路の流路抵抗を変化させることによって、前記液室から前記流入路への圧力の伝達を調整する流入路抵抗変更部であり、
    前記加圧処理は、前記流入路抵抗変更部によって、前記流入路の流路抵抗が増大されて、前記液室から前記流入路への圧力の伝達が抑制されている状態において実行され、
    前記減圧処理は、前記液室の圧力が前記加圧処理の実行前の圧力より高い間に、前記容積変更部に前記液室の容積を増大させることによって、前記液室の圧力を低減させる処理であり、
    前記経過時間は、前記加圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積を低減させた後、前記減圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積の増大を開始させるまでの間の時間である、液体吐出装置。
  4. 請求項1記載の液体吐出装置であって、
    前記流路は、さらに、前記液室の前記液体を排出する流出路を含み、
    前記圧力伝達調整部は、前記液室から前記流出路への前記液体の流入量を変更して、前記液室から前記流出路への圧力の伝達を調整する流入量変更部であり、
    前記加圧処理は、前記流入量変更部によって、前記流出路への前記液体の流入量が低減され、前記液室から前記流出路への圧力の伝達が抑制されている状態において実行され、
    前記減圧処理は、前記容積変更部によって前記液室の容積が低減されている間に、前記流入量変更部に、前記流出路への前記液体の流入量を増大させることによって、前記液室の圧力を低減させる処理であり、
    前記経過時間は、前記加圧処理において前記容積変更部に前記液室の容積を低減させた後、前記減圧処理において前記流入量変更部が前記流出路への前記液体の流入量を増大させる動作を開始するまでの間の時間である、液体吐出装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記流入路から前記ノズルまでの間の流路抵抗をRとし、前記流入路から前記ノズルまでの間のイナータンスをMとし、前記流入路から前記ノズルまでの間のコンプライアンスをCとするとき、√(M/C)<R/2の関係が満たされている、液体吐出装置。
  6. 液体吐出装置の制御方法であって、
    液体を収容する液室に接続されている前記液体の流路への圧力の伝達が抑制されている状態において、前記液室の圧力を増大させ、前記液室に連通しているノズルから前記液体の流出を開始させる加圧工程と、
    前記加圧工程によって、前記ノズルからの前記液体の流出が開始された後、前記ノズルから前記液体が流出している間において、予め決められた経過時間が経過したときに、前記液室の圧力を低減させて、前記ノズルの前記液体から液滴を分離させて飛翔させる減圧工程と、
    前記減圧工程の前に、前記経過時間を、前記液体の目標吐出量に応じて決定する吐出量制御工程と、
    を備える、制御方法。
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