JP2018200413A - 偏光板のセットおよび液晶パネル - Google Patents
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Abstract
Description
前記前面側偏光板の吸収軸と前記背面側偏光板の吸収軸とが直交するようにしてガラス板に前記前面側偏光板と前記背面側偏光板とが貼合された積層体を、85℃にて250時間加熱したときに、積層体が凸形状に反る側の偏光板における少なくとも一方の保護フィルムは、85℃での偏光板透過軸方向の引張弾性率および85℃での偏光板吸収軸方向の引張弾性率をそれぞれEt、Eaとするとき、下記式(1)を満たす偏光板のセット。
Ea/Et≧0.95 (1)
[2] 前記前面側偏光板及び前記背面側偏光板は、いずれもポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を有し、前記偏光子の厚みがいずれも15μm以下である[1]に記載の偏光板のセット。
[3] 前面側偏光板の備える偏光子の厚みと前記背面側偏光板の備える偏光子の厚みとの差の大きさが、5μm以下である[1]または[2]に記載の偏光板のセット。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板のセットと液晶セルとを備え、前記液晶セルの厚みが0.4mm以下である液晶パネル。
Ea/Et≧0.95 (1)
本発明に用いられる偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものである。
保護フィルムは、樹脂フィルムから構成され、さらに透明な樹脂フィルムで構成することができる。特に、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる材料で構成することが好ましい。本明細書において、透明な樹脂フィルムとは可視光域において単体透過率が80%以上である樹脂フィルムのことをいう。
背面側偏光板は、偏光子における液晶セルから遠い側に輝度向上フィルムを有することが好ましい。輝度向上フィルムの厚みは35μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。輝度向上フィルムの厚みは、通常10μm以上である。
偏光板の表面には、粘着剤層を積層させることができる。当該粘着剤層を介して偏光板を液晶セルに貼合することができる。図1においては、粘着剤層20がこれに相当する。粘着剤から形成される粘着剤層の厚みは、5〜25μmとすることが好ましく、10〜25μmとすることがより好ましい。
保護フィルムと偏光子との積層や輝度向上フィルムと偏光子との積層は、例えば、接着剤を用いて一体化させる方法により行うことができる。接着剤から形成される接着剤層の厚みは0.01〜35μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましい、さらに好ましくは0.01〜5μmである。この範囲であれば、保護フィルムまたは輝度向上フィルムと偏光子との間に浮きや剥がれが生じず、実用上問題のない接着力が得られる。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化層は、偏光子の表面を保護する保護層として有用である。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化層は、通常の保護フィルムに比べて、薄くすることができるので、偏光板の薄型化に有効である。
上記説明をした部材は、例えば接着剤層又は粘着剤層を介して積層させることにより互いに貼合することができる。また、剥離フィルムを使用して偏光板を製造する方法も有用である。
剥離フィルム、偏光子2、および保護フィルム10を用意し、偏光子の一方の面に接着剤を介して保護フィルムを貼合するとともに、偏光子のもう一方の面に、揮発性液体を介して剥離フィルムを積層する。もちろん保護フィルムと偏光子との貼合、及び剥離フィルムと偏光子との積層は、それぞれを逐次的に行ってもよい。
前面側偏光板の製造方法と同様の方法により、剥離フィルム、偏光子2、および保護フィルム12を用意し、偏光子2の一方の面に接着剤を介して保護フィルム12を貼合するとともに、偏光子2のもう一方の面に、揮発性液体を介して剥離フィルムを積層する。偏光子2と保護フィルム12とを接着し、揮発性液体を除去した後、剥離フィルムを剥離し片面保護偏光板を得る。
本発明の偏光板のセットを液晶セルの両面にそれぞれ貼合することにより、液晶パネルを得ることができる。貼合は、前面側偏光板の粘着剤層を介して、背面側偏光板の粘着剤層を介してそれぞれ行うことが好ましい。また、前面側偏光板は、液晶セルの視認側に積層され、背面側偏光板は、液晶セルの背面側に積層されることが好ましい。本発明の液晶パネルは、液晶表示装置に好適に適用することができる。前面側偏光板は、その吸収軸が液晶セルの短辺方向と略平行となるように貼合することが好ましく、背面側偏光板は、その吸収軸が液晶セルの長辺方向と略平行となるように貼合することが好ましい。本明細書において、略平行とは、例えばなす角度が0±5°であることを表し、好ましくは0±1°であることを表す。
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーターMH−15Mを用いて測定した。
フィルムから幅15mm×長さ150mmの試験片を切り出した。次いで、恒温槽を備える引張試験機〔株式会社島津製作所製 AUTOGRAPH(登録商標) AG−1S試験機〕の上下つかみ具で、つかみ具の間隔が100mmとなるように、上記試験片の長辺方向両端を挟み、85℃の環境下で引張速度50mm/分で引張り、応力−ひずみ曲線を作成し、85℃における引張弾性率を算出した。
JIS Z 0208に基づき透湿度を測定した。温湿度条件は、40度90%RHとした。
背面側偏光板/ガラス板/前面側偏光板の構成を有する評価用サンプルを、85℃の環境下に250時間静置した後、前面側偏光板を上側にして二次元測定器の測定台上に置いた。二次元測定器には、株式会社ニコン製の“NEXIV(登録商標) VMR−12072”を使用した。次いで、測定台の表面に焦点を合わせ、そこを基準とし、評価用サンプル面上の25点にそれぞれ焦点を合わせ、基準とした焦点からの高さを測定した。25点の測定点における高さの最大値と最小値との差を反り量とし、前面側偏光板側に評価用サンプルの淵が反った反りをプラスの反り、背面側偏光板側に評価用サンプルの淵が反った反りをマイナスの反りとした。プラスの反りの場合、凸形状に反る側の偏光板は背面側偏光板であり、マイナスの反りの場合、凸形状に反る側の偏光板は前面側偏光板である。
厚み20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約4倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.052/5.7/100の水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が11.0/6.2/100の水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み7μmの偏光子を得た。
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔株式会社クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3重量部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業株式会社から入手した商品名「スミレーズレジン(登録商標) 650(30)」、固形分濃度30重量%の水溶液〕を1.5重量部添加して、水系接着剤を調製した。
以下の5種類の保護フィルム及び2種類の剥離フィルムを用意した。
保護フィルムA:25KCHCN−TC。凸版印刷株式会社製のハードコート層付きトリアセチルセルロースフィルムをケン化処理したフィルム。厚みは32μmであり、透湿度は450g/m2・24hrであった。
保護フィルムB:ZT12。日本ゼオン株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム。厚みは20μmであり、横一軸延伸により製造されたもの。
保護フィルムC:ゼロタック(登録商標)。コニカミノルタ株式会社製のトリアセチルセルロースフィルムをケン化処理したフィルム。厚みは20μmであった。
保護フィルムD:ZF14−023。日本ゼオン株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム。厚みは23μmであった。
剥離フィルムE:住友化学株式会社製のポリメタクリル酸メチル樹脂フィルム。厚みは80μmであり、透湿度は50g/m2・24hrであった。
[前面側偏光板Aの作製]
製造例1で得られた偏光子を連続的に搬送するとともに保護フィルムAのロールから保護フィルムAを連続的に巻出し、また、剥離フィルムEのロールから剥離フィルムEを連続で巻きだした。次いで、偏光子と保護フィルムAとの間に水系接着剤を注入するとともに、偏光子と剥離フィルムEとの間に純水を注入し、貼合ロールに通して保護フィルムA/水系接着剤/偏光子/純水/剥離フィルムEからなる積層フィルムとした。引き続き積層フィルムを搬送し、乾燥炉で80℃、300秒の加熱処理を行うことにより、水系接着剤を乾燥させるとともに、偏光子と剥離フィルムEとの間に介在する純水を揮発除去して、剥離フィルム付片面保護偏光板を得た。剥離フィルム付片面保護偏光板から剥離フィルムEを剥離し、片面保護偏光板を得た。
製造例1で得られた偏光子を連続的に搬送するとともに保護フィルムCのロールから保護フィルムCを連続的に巻出し、また、剥離フィルムEのロールから剥離フィルムEを連続で巻きだした。次いで、偏光子と保護フィルムCとの間に水系接着剤を注入するとともに、偏光子と剥離フィルムEとの間に純水を注入し、貼合ロールに通して保護フィルムC/水系接着剤/偏光子/純水/剥離フィルムEからなる積層フィルムとした。引き続き積層フィルムを搬送し、乾燥炉で80℃、300秒の加熱処理を行うことにより、水系接着剤を乾燥させるとともに、偏光子と剥離フィルムEとの間に介在する純水を揮発除去して、剥離フィルム付片面保護偏光板を得た。剥離フィルム付片面保護偏光板から剥離フィルムEを剥離し、片面保護偏光板を得た。
前面側偏光板Aを、透過軸方向に155.25mm、吸収軸方向に95.90mmの矩形形状に裁断し、背面側偏光板Dを吸収軸方向に155.25μm、透過軸方向に95.90mmの矩形形状に裁断した。次いで、厚みが0.4mmのガラス板(コーニング社製、品番:EAGLE XG(登録商標))を用意し、前面側偏光板の吸収軸と背面側偏光板の吸収軸とが直交するように、それぞれの粘着剤層を介して前面側偏光板および背面側偏光板をガラス板へ貼り合わせた。
保護フィルムBを保護フィルムDに変更した以外は、前面側偏光板Aと同様に作製して、保護フィルムA/水系接着剤層/偏光子/粘着剤層/保護フィルムD/粘着剤層からなる前面側偏光板Bを作製した。
背面側偏光板については、実施例1で使用した背面側偏光板Dを用いた。そして、前面側偏光板Aを本実施例の前面側偏光板Bに変更した以外は、実施例1と同様にして、評価用サンプルを作製した。
保護フィルムBの延伸方向と偏光板の透過軸方向とが同一方向となるように貼合した以外は、前面側偏光板Aと同様に作製して、保護フィルムA/水系接着剤層/偏光子/粘着剤層/保護フィルムB/粘着剤層からなる前面側偏光板Cを作製した。
背面側偏光板については、実施例1で使用した背面側偏光板Dを用いた。そして、前面側偏光板Aを本実施例の前面側偏光板Cに変更した以外は、実施例1と同様にして、評価用サンプルを作製した。
10、11、12 保護フィルム
20、21、22 粘着剤層
30、31、32 接着剤層
40 輝度向上フィルム
402 偏光板
100、101、400 前面側偏光板
200,201、401 背面側偏光板
300 液晶セル
70 ガラス板
80 測定点
Claims (4)
- 液晶セルの視認側に配置される前面側偏光板と、前記液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とを有し、
前記前面側偏光板の吸収軸と前記背面側偏光板の吸収軸とが直交するようにしてガラス板に前記前面側偏光板と前記背面側偏光板とが貼合された積層体を、85℃にて250時間加熱したときに、積層体が凸形状に反る側の偏光板における少なくとも一方の保護フィルムは、85℃での偏光板透過軸方向の引張弾性率および85℃での偏光板吸収軸方向の引張弾性率をそれぞれEt、Eaとするとき、下記式(1)を満たす偏光板のセット。
Ea/Et≧0.95 (1) - 前記前面側偏光板及び前記背面側偏光板は、いずれもポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を有し、前記偏光子の厚みがいずれも15μm以下である請求項1に記載の偏光板のセット。
- 前面側偏光板の備える偏光子の厚みと前記背面側偏光板の備える偏光子の厚みとの差の大きさが、5μm以下である請求項1または2に記載の偏光板のセット。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板のセットと液晶セルとを備え、前記液晶セルの厚みが0.4mm以下である液晶パネル。
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