JP2016071378A - 偏光板及びその製造方法、並びに偏光板のセット、液晶パネル、液晶表示装置 - Google Patents

偏光板及びその製造方法、並びに偏光板のセット、液晶パネル、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子と粘着剤層と輝度向上フィルムとをこの順に含む偏光板であって、湿熱環境下において粘着剤層と輝度向上フィルムとの間での剥がれが生じにくい、湿熱耐久性に優れた偏光板及びその製造方法、並びにこれを含む偏光板のセット、液晶パネル及び液晶表示装置を提供する。【解決手段】偏光子と粘着剤層と輝度向上フィルムとをこの順に含み、輝度向上フィルムにおける粘着剤層側の表面に表面活性化処理が施されている偏光板及びその製造方法、並びにこれを含む偏光板のセット、液晶パネル及び液晶表示装置が提供される。表面活性化処理はコロナ処理であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子と、その上に積層される輝度向上フィルムとを含む偏光板、及びその製造方法に関する。また本発明は、当該偏光板を含む偏光板のセット、液晶パネル、及び液晶表示装置に関する。
近年、スマートフォンに代表される液晶モバイル端末の大型化に伴い、限られたバッテリー容量で長時間の駆動を実現するために、輝度向上フィルムを用いてバックライト光の利用効率を高めることが行われている。一方で、デザインや携帯性の面から液晶モバイル端末の薄型化の要求が益々高まっており、そこに使用される偏光板についても、さらなる薄型軽量化が要求されている。
輝度向上フィルムは、液晶表示装置のバックライト光やその反射光が入射したとき、所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、他の光を透過させる性質を有するフィルムである。例えば、液晶セルのバックライト側に配置される偏光子(吸収型の直線偏光子)のバックライト側に輝度向上フィルムを配置することにより、バックライト光を輝度向上フィルムに入射させたときに、所定偏光状態(偏光子を透過し得るような偏光状態)の光のみを透過させて偏光子に供給する一方で、所定偏光状態以外の光を透過させずに反射させることができる。輝度向上フィルムよりもバックライト側に反射層等を設けておくと、この輝度向上フィルム面で反射した光を、反射層によって進行方向を反転させ、輝度向上フィルムに再入射させることができ、この際、再入射された光の一部又は全部を、所定偏光状態の光として輝度向上フィルムを透過させて偏光子に供給することができる。
このように、輝度向上フィルムを使用すれば、偏光子に吸収されてしまうような偏光光を偏光子側へ透過させずに反射させ、輝度向上フィルム−反射層間での反射及び反転の繰り返しによって当該偏光光を、偏光子を透過し得るような偏光光に変換して、これを偏光子に供給することができる。これにより、バックライト光の利用効率を向上させることができるので消費電力を低減することが可能となり、また、同じ消費電力(バックライト光量)で比較した場合、輝度向上フィルムを用いないときに比べて画面を明るくすることができる(例えば、特許文献1〜4)。
特許文献5には、偏光子上に粘着剤層(感圧式接着剤層)を介して厚み40〜100μmの輝度向上フィルムを積層した偏光板が開示されている。
特開平11−248941号公報 特開平11−248942号公報 特開平11−64840号公報 特開平11−64841号公報 特許第5332599号明細書
偏光子上に粘着剤層を介して輝度向上フィルムを貼合した偏光板には、湿熱環境下に耐え得る耐久性が求められるところ、従来の偏光板は、例えば60℃90%RHの湿熱耐久性試験を実施すると、偏光板の端部において輝度向上フィルムと粘着剤層との界面で剥がれが生じるという問題があった。この問題は、輝度向上フィルムの厚みが小さくなるほど顕著である。
本発明の目的は、偏光子と粘着剤層と輝度向上フィルムとをこの順に含む偏光板であって、湿熱環境下において粘着剤層と輝度向上フィルムとの間での剥がれが生じにくい、湿熱耐久性に優れた偏光板、及びその製造方法を提供することにある。また本発明の他の目的は、当該偏光板を含む偏光板のセット、液晶パネル、及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明は、以下に示す偏光板及びその製造方法、並びに液晶表示装置を提供する。
[1] 偏光子と、粘着剤層と、輝度向上フィルムとをこの順に含み、
前記輝度向上フィルムにおける前記粘着剤層側の表面に表面活性化処理が施されている、偏光板。
[2] 前記粘着剤層と前記輝度向上フィルムとが接している、[1]に記載の偏光板。
[3] 前記偏光子と前記粘着剤層とが接している、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4] 前記表面活性化処理がコロナ処理である、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5] 前記輝度向上フィルムは、厚みが10〜30μmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光板。
[6] 前記偏光子は、厚みが15μm以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板。
[7] 前記粘着剤層は、23〜80℃の温度範囲における貯蔵弾性率が0.15〜1MPaであり、厚みが3〜20μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の偏光板。
[8] 前記偏光子における前記粘着剤層とは反対側の面上に積層される保護フィルムをさらに含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の偏光板。
[9] 前記保護フィルムは、ポリオレフィン系樹脂又はセルロース系樹脂で構成される、[8]に記載の偏光板。
[10] 液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と、液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とのセットであって、
前記背面側偏光板は、[1]〜[9]のいずれかに記載の偏光板であり、
前記背面側偏光板は、これを前記液晶セルの背面側に配置する際に前記液晶セルに接する表面から、前記輝度向上フィルムにおける前記粘着剤層側の表面までの距離が100μm以下であり、
前記視認側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、前記背面側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比が1超1.4以下である、偏光板のセット。
[11] 液晶セルと、[10]に記載の偏光板のセットとを含み、
前記液晶セルの視認側に前記視認側偏光板が配置され、前記液晶セルの背面側に前記背面側偏光板が配置されている、液晶パネル。
[12] 液晶セルと、[1]〜[9]のいずれかに記載の偏光板又は[10]に記載の偏光板のセットとを含む、液晶表示装置。
[13] 偏光子と、粘着剤層と、輝度向上フィルムとをこの順に含む偏光板の製造方法であって、
前記輝度向上フィルムにおける前記粘着剤層側の表面に表面活性化処理を施す工程と、
前記表面活性化処理を施した前記表面上に前記粘着剤層を積層する工程と、
を含む、製造方法。
本発明によれば、輝度向上フィルムの厚みが小さい場合であっても、湿熱環境下において粘着剤層と輝度向上フィルムとの間での剥がれが生じにくい、湿熱耐久性に優れた偏光板を提供することができる。本発明に係る偏光板は、液晶表示装置を代表とする画像表示装置、とりわけ中小型モバイル端末(タブレット、スマートフォン等)用の液晶表示装置に好適に適用することができる。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の製造方法の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板のセット、液晶パネル及び液晶表示装置の構成を説明するための概略断面図である。
以下、実施の形態を示しながら本発明について詳細に説明する。
<偏光板>
(1)偏光板の構成
図1は、本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。図1に示される偏光板1のように本発明の偏光板は、偏光子10と第1粘着剤層20と輝度向上フィルム30とをこの順に含むものである。本発明の偏光板は、他のフィルムや層をさらに含むことができ、例えば図1に示される偏光板1は、偏光子10における第1粘着剤層20とは反対側の面上に積層される保護フィルム40;保護フィルム40の外面上に積層される第2粘着剤層50;第2粘着剤層50の外面上に積層されるセパレータ60を含む。第2粘着剤層50は、偏光板を他の部材(例えば液晶セルや他の光学フィルム)に貼着するためのものである。セパレータ60は、第2粘着剤層50を他の部材に貼合するまでその表面を保護するために仮着されるフィルムである。
輝度向上フィルム30における第1粘着剤層20側の表面には、表面活性化処理が施されている。これにより、湿熱環境下において第1粘着剤層20と輝度向上フィルム30との間での剥がれが生じにくい、湿熱耐久性に優れた偏光板とすることができる。表面活性化処理は、コロナ処理であることが好ましい。
(2)偏光子
偏光子10は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光子であり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光フィルムを好適に用いることができる。偏光子10は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等を含む。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85〜100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は通常、1000〜10000程度であり、1500〜5000程度が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子10(偏光フィルム)の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは特に制限されないが、偏光子10の厚みを15μm以下とするためには、5〜35μm程度のものを用いることが好ましい。より好ましくは、20μm以下である。厚みが35μmを超えるポリビニルアルコール系原反フィルムを延伸して厚み15μm以下の偏光子10を得ようとすると延伸倍率を高くする必要があり、偏光子10の厚みを15μm以下とした場合にも高温環境下での寸法収縮が大きくなる。また、厚みが5μm未満である場合には、延伸時の取扱性が低下して偏光子製造時に切断のような不具合を生じやすくなる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、該フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素として、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
ヨウ素による染色処理としては通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度であることができる。ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度であることができる。また、この水溶液の温度は、20〜40℃程度であることができる。一方、二色性有機染料による染色処理としては通常、二色性有機染料を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。二色性有機染料を含有する水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度であることができる。この水溶液の温度は、20〜80℃程度であることができる。
二色性色素による染色後のホウ酸処理としては通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり2〜15重量部程度であることができる。この水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり0.1〜15重量部程度であることができる。この水溶液の温度は、50℃以上であることができ、例えば50〜85℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、5〜40℃程度である。
水洗後に乾燥処理を施して、偏光子10が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。偏光子10の厚みは15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。偏光子10の厚みを15μm以下とすることは、偏光板、ひいては液晶パネル及び液晶表示装置の薄膜化に有利である。偏光子10の厚みは通常、4μm以上である。
(3)第1粘着剤層
第1粘着剤層20は、偏光子10と輝度向上フィルム30との間に介在する層である。第1粘着剤層20は、典型的には、偏光子10と第1粘着剤層20とが接するように偏光子10に直接積層される。例えば、偏光子10上に保護フィルムを貼合し、その上に第1粘着剤層20を積層した場合には、湿熱環境下においても粘着剤層と輝度向上フィルムとの間での剥がれが生じにくいことが明らかとなっている。第1粘着剤層20は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
上記(メタ)アクリル系ベースポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル系ベースポリマーや、これらの(メタ)アクリル酸エステルを2種類以上用いた共重合系ベースポリマーが好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は通常、架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができ、活性エネルギー線の照射によって硬化して密着力の調整ができる性質を有する粘着剤組成物である。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、ベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物をさらに含有する。さらに必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤等を含有させることもある。
粘着剤組成物は、光散乱性を付与するための微粒子;ビーズ;ベースポリマー以外の樹脂;粘着性付与剤;充填剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;顔料;着色剤等の添加剤を含むことができる。
第1粘着剤層20は、上記粘着剤組成物の有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。基材は、偏光子10、輝度向上フィルム30、セパレータ等であることができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いた場合は、形成された粘着剤層に、活性エネルギー線を照射することにより所望の硬化物とすることができる。
第1粘着剤層20は、23〜80℃の温度範囲において0.15〜1MPaの貯蔵弾性率を示すものであることが好ましい。これにより、湿熱環境下において偏光子10の収縮に伴って発生しやすい寸法変化を抑制して、偏光板の耐久性を高めることができる。また、偏光板を搭載した液晶パネル又は液晶表示装置(例えば中小型モバイル端末用の液晶表示装置)が湿熱環境下に置かれた場合にも、偏光板の動きが抑制されるので、液晶パネル又は液晶表示装置の信頼性を高めることができる。
「23〜80℃の温度範囲において0.15〜1MPaの貯蔵弾性率を示す」とは、この範囲のいずれの温度においても、貯蔵弾性率が上記範囲内の値であることを意味する。貯蔵弾性率は通常、温度上昇に伴って漸減するので、23℃及び80℃における貯蔵弾性率がいずれも上記範囲に入っていれば、この範囲の温度において、上記範囲内の貯蔵弾性率を示すとみることができる。第1粘着剤層20の貯蔵弾性率は、市販の粘弾性測定装置、例えば、後掲の実施例に示すようなREOMETRIC社製の粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDA II」を用いて測定することができる。
貯蔵弾性率を上記範囲に調整するための方法としては、ベースポリマー及び架橋剤を含む粘着剤組成物に、オリゴマー、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート系のオリゴマーをさらに添加して活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物(好ましくは紫外線硬化型粘着剤組成物)とすることが挙げられる。より好ましくは、活性エネルギー線を照射して粘着剤層を適度に硬化させる。
第1粘着剤層20の厚みは、1〜40μmであることができるが、良好な加工性を保ちつつ偏光板の寸法変化を抑制する観点から、3〜25μm(例えば3〜20μm)とすることが好ましい。
(4)輝度向上フィルム
輝度向上フィルム30は、反射型偏光フィルムとも呼ばれるものであり、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光又は散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。上述のように、輝度向上フィルム30を偏光子10上に配置することにより、反射偏光又は散乱偏光である再帰光を利用して、偏光子10から出射される直線偏光の出射効率を向上させることができる。輝度向上フィルム30は通常、第1粘着剤層20に接して積層される。
輝度向上フィルム30は、例えば異方性反射偏光子であることができる。異方性反射偏光子の一例は、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜であり、その具体例は3M製のDBEFである(特開平4−268505号公報等)。異方性反射偏光子の他の一例は、コレステリック液晶層とλ/4板との複合体であり、その具体例は日東電工製のPCFである(特開平11−231130号公報等)。異方性反射偏光子のさらに他の一例は、反射グリッド偏光子であり、その具体例は、金属に微細加工を施して可視光領域でも反射偏光を出射するような金属格子反射偏光子(米国特許第6288840号明細書等)、金属微粒子を高分子マトリックス中に添加して延伸したフィルム(特開平8−184701号公報)である。
輝度向上フィルム30における第1粘着剤層20とは反対側の面に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、1/4波長の位相差値を持つ位相差層のような光学層を設けてもよい。光学層の形成により、バックライトテープとの密着性や表示画像の均一性を向上させ得る。輝度向上フィルム30の厚みは、10〜100μm程度であることができるが、偏光板の薄膜化の観点から、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
本発明に係る偏光板において輝度向上フィルム30における第1粘着剤層20側の表面には表面活性化処理が施されている。この表面活性化処理は、輝度向上フィルム30と第1粘着剤層20との貼合に先立って行われる。これにより、湿熱環境下において第1粘着剤層20と輝度向上フィルム30との間での剥がれが生じにくい、湿熱耐久性に優れた偏光板1とすることができる。
表面活性化処理は、表面の親水化処理であることができ、乾式処理でもよいし湿式処理でもよい。乾式処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、グロー放電処理のような放電処理;火炎処理;オゾン処理;UVオゾン処理;紫外線処理、電子線処理のような電離活性線処理等が挙げられる。湿式処理としては、例えば、水やアセトンのような溶媒を用いた超音波処理、アルカリ処理、アンカーコート処理等を例示できる。これらの処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合わせて行ってもよい。
中でも、湿熱環境下における輝度向上フィルム30の剥がれ抑制効果及び偏光板の生産性の観点から、表面活性化処理は、コロナ処理及び/又はプラズマ処理であることが好ましい。これらの表面活性化処理によれば、輝度向上フィルム30の厚みが小さく30μm以下の場合であっても、湿熱環境下における第1粘着剤層20と輝度向上フィルム30との間での剥がれを効果的に抑制することができる。なお、第1粘着剤層20における輝度向上フィルム30側の表面にも表面活性化処理を併せて施してもよいが、輝度向上フィルム30の表面に表面活性化処理を施すだけでも、十分な効果を得ることができる。意外なことに、逆に、第1粘着剤層20における輝度向上フィルム30側の表面にのみ表面活性化処理を施した場合には、効果に乏しい。
(5)保護フィルム
保護フィルム40は、偏光子10における第1粘着剤層20とは反対側の面に任意で積層されるフィルムである。ただし、偏光板は、偏光子10の保護の観点から、保護フィルム40を含むことが好ましい。保護フィルム40は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂を用いることが好ましい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等の原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基及び/又はブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステル又はセルロース混合有機酸エステルをいう。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、及びそれらの混合エステル等からなるものが挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが好ましい。
保護フィルム40の位相差値を、液晶表示装置に好適な値に制御することも有用である。例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置には、実質的に位相差値がゼロのフィルムを用いることが好ましい。実質的に位相差値がゼロとは、波長590nmにおける面内位相差値が10nm以下であり、波長590nmにおける厚み方向位相差値の絶対値が10nm以下であり、波長480〜750nmにおける厚み方向位相差値の絶対値が15nm以下であることをいう。
液晶表示装置のモードによっては、保護フィルム40に延伸及び/又は収縮加工を行い、好適な位相差値を付与してもよい。
保護フィルム40の厚みは1〜100μm程度であることができるが、強度や取扱性等の観点から5〜60μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。この範囲内の厚みであれば、偏光子10を機械的に保護し、湿熱環境下に曝されても偏光子10が収縮せず、安定した光学特性を保つことができる。
保護フィルム40は、接着剤層を介して偏光子10に貼合することができる。接着剤層を形成する接着剤としては、水系接着剤又は活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることができる。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
水系接着剤を使用する場合は、偏光子10と保護フィルム40とを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するために乾燥させる工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20〜45℃程度の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
上記活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線のような活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含むもの等を挙げることができる。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマーのような光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーを挙げることができる。光重合開始剤としては、紫外線のような活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルのような活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマー及び光カチオン重合開始剤を含むものを好ましく用いることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子10と保護フィルム40とを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い、次いで活性エネルギー線を照射することによって活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
偏光子10と保護フィルム40とを貼合するにあたっては、これらの少なくともいずれか一方の貼合面にケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等を施すことができる。
(6)第2粘着剤層及びセパレータ
保護フィルム40の外面に積層される第2粘着剤層50は、偏光板を他の部材(例えば液晶セルや他の光学フィルム)に貼着するために設けることができる任意の層である。第2粘着剤層50を構成する粘着剤組成物の組成については、第1粘着剤層20についての上の記載が引用される。第2粘着剤層50の貯蔵弾性率は、第1粘着剤層20と同様であってもよいし、異なっていてもよい。
セパレータ60は、第2粘着剤層50を他の部材に貼合するまでその表面を保護するために仮着されるフィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレートのような透明樹脂からなるフィルムに、シリコーン系等の離型剤による処理を施したものが用いられる。第1粘着剤層20の表面にも、輝度向上フィルム30を貼合するまでその表面を仮着保護するために、上と同様のセパレータを貼着しておくことができる。
<偏光板の製造方法>
本発明に係る偏光板の製造方法は、偏光子と第1粘着剤層と輝度向上フィルムとをこの順に含む偏光板の製造方法であって、下記工程:
輝度向上フィルムにおける第1粘着剤層側の表面に表面活性化処理を施す第1工程、及び
表面活性化処理を施した上記表面上に第1粘着剤層を積層する第2工程
を含む。
図2を参照して、図1に示される偏光板1の製造方法の一実施形態を説明すると下記のとおりである。まず、偏光子10の片面に保護フィルム40を接着剤層を介して貼合し、その上に第2粘着剤層50を積層するとともに、偏光子10の他面に第1粘着剤層20を貼合して、図2(a)に示される層構成の積層体100を得る。図示されるように、第2粘着剤層50の外面にはセパレータ60を、第1粘着剤層20の外面にはセパレータ70を仮着しておいてもよい。
次いで、積層体100の第1粘着剤層20からセパレータ70を剥離除去した後、その剥離面に、上記第1工程にて貼合面(積層面)に表面活性化処理を予め施しておいた輝度向上フィルム30を積層して、偏光板1を得る(図2(b)、第2工程)。第1粘着剤層20における輝度向上フィルム30との貼合面にも表面活性化処理を施してもよい。
積層体100の作製においては、第2粘着剤層50/保護フィルム40/偏光子10/第1粘着剤層20をこの順で含む層構成が得られる限り積層の順序は上記の例に限定されない。例えば、偏光子10の片面に保護フィルム40を積層し、その上に第2粘着剤層50を設け、その後、偏光子10の他面に第1粘着剤層20を積層するという順番でもよいし、偏光子10の片面に保護フィルム40を積層し、偏光子10の他面に第1粘着剤層20を積層し、その後、保護フィルム40の上に第2粘着剤層50を設けるという順番でもよい。
積層体100の第1粘着剤層20への輝度向上フィルム30の貼合方法は、枚葉貼合法であってもよいし、特開2004−262071号公報に記載されるようなシート・ロール複合貼合法であってもよい。また、長尺で生産でき、かつ必要数量が大きい場合には、輝度向上フィルムとして、その透過軸が幅方向になるように延伸されたものを選択し、偏光子として、その透過軸が幅方向になるように延伸されているものを選択することで、ロール・ツー・ロールによる貼合手法を適用することもできる(下記の実施形態についても同様。)。
次に、図3を参照して、図1に示される偏光板1の製造方法の他の実施形態を説明すると下記のとおりである。まず、偏光子10の片面に保護フィルム40を接着剤層を介して貼合し、その上に第2粘着剤層50を積層して、図3(a)に示される層構成の積層体200を得る。図示されるように、第2粘着剤層50の外面にはセパレータ60を、偏光子10の外面には表面保護フィルム90を仮着しておいてもよい。保護フィルム40における第2粘着剤層50との貼合面、及び第2粘着剤層50における保護フィルム40との貼合面の少なくともいずれか一方、並びに、偏光子10における表面保護フィルム90との貼合面、及び表面保護フィルム90における偏光子10との貼合面の少なくともいずれか一方に、コロナ処理、プラズマ処理等の表面活性化処理を行ってもよい。
一方、上記第1工程にて輝度向上フィルム30の表面に表面活性化処理を施した後、該表面に第1粘着剤層20を積層して積層体300を得る。第1粘着剤層20における輝度向上フィルム30との貼合面にもコロナ処理、プラズマ処理のような表面活性化処理を施してもよい。図示されるように、第1粘着剤層20の外面にはセパレータ80を仮着しておいてもよい。
次いで、積層体300の第1粘着剤層20からセパレータ80を、積層体200の偏光子10から表面保護フィルム90を剥離除去した後、偏光子10上に第1粘着剤層20を貼合して、偏光板1を得る(図3(b)、第2工程)。
表面保護フィルム90を備えた積層体200の作製においては、第2粘着剤層50/保護フィルム40/偏光子10/表面保護フィルム90をこの順で含む層構成が得られる限り積層の順序は上記の例に限定されない。例えば、偏光子10の片面に保護フィルム40を積層し、その上に第2粘着剤層50を設け、その後、偏光子10の他面に表面保護フィルム90を積層するという順番でもよいし、偏光子10の片面に保護フィルム40を積層し、偏光子10の他面に表面保護フィルム90を積層し、その後、保護フィルム40の上に第2粘着剤層50を設けるという順番でもよい。
<偏光板のセット、液晶パネル及び液晶表示装置>
図4は、本発明に係る偏光板のセット、液晶パネル及び液晶表示装置の構成を説明するための概略断面図である。上述の本発明に係る偏光板は、偏光板のセット、液晶パネル及び液晶表示装置に好ましく適用することができる。図4を参照して説明すると、偏光板のセットとは、液晶セル2の視認側に配置される視認側偏光板4と、液晶セル2の背面側に配置される背面側偏光板5との組み合わせを意味する。視認側偏光板4は、液晶セル2の視認側に配置される偏光板であり、背面側偏光板5は、液晶セル2の背面側、すなわちバックライト3側に配置される偏光板である。図4の例では、背面側偏光板5として図1に示される偏光板(セパレータ60を剥離除去したもの)を用いている。液晶パネル6とは、液晶セル2と上記偏光板のセットとを組み合わせたものであり、具体的には、液晶セル2の視認側に視認側偏光板4が配置され、液晶セル2の背面側に背面側偏光板5が配置された光学部材である。液晶パネル6において視認側偏光板4、背面側偏光板5はそれぞれ、液晶セル2の視認側の表面、背面側の表面に貼合されている。液晶セル2への各偏光板の貼合は、粘着剤層(図4に示される第2粘着剤層50、第3粘着剤層51)を介して行うことができる。液晶表示装置7は、液晶セル2と偏光板(通常は上記偏光板のセット)との組み合わせ、すなわち液晶パネル6を含む画像表示装置である。液晶表示装置7は、液晶パネル6の背面側に配置されるバックライト3をさらに含む。液晶セル2の駆動方式は、従来公知のいかなる方式であってもよいが、好ましくはIPSモードである。本発明に係る偏光板を用いた液晶パネル6及び液晶表示装置7は、湿熱耐久性に優れている。
本発明に係る偏光板は通常、背面側偏光板5として用いられる。本発明に係る偏光板が背面側偏光板5として配置される場合、視認側偏光板4としては、特に制限されず、任意の偏光板を選択できる。視認側偏光板4は、偏光子の片方の面に保護フィルムを有する偏光板であっても、偏光子の両方の面に保護フィルムを有する偏光板であってもよい。視認側偏光板4としては、その収縮力を低く抑えるために、背面側偏光板5と同様に偏光子の厚みを15μm以下とすることが好ましい。良好な光学特性(偏光特性等)を付与できるという点で、偏光子の厚みは通常3μm以上である。
背面側偏光板5(本発明に係る偏光板)に関し、これを液晶セル2の背面側に配置する際に液晶セル2に接する表面(図4の例では、第2粘着剤層50の液晶セル側表面)から、輝度向上フィルム30における第1粘着剤層20側の表面(偏光子10側の表面)までの距離H(図4参照)は、輝度向上フィルム30を導入することによる効果を高めるうえで有利であることから、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。距離Hは、通常5μm以上であり、より典型的には10μm以上である。
また本発明に係る液晶パネル6においては、視認側偏光板5を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率Aと、背面側偏光板4を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率Bとの比A/Bが1超1.4以下である偏光板のセットを用いることが好ましい。このような偏光板のセットを採用することで、液晶パネル6の反りの絶対量を0.5mm以下に低減できる。寸法変化率の比A/Bは、より好ましくは1.05以上1.3以下であり、この場合には反りの絶対量を0.3mm以下に低減できる。
液晶パネル6の反りの絶対量を低減する観点から、視認側偏光板5を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率Aは、1.0%以上であることが好ましく、1.1%以上であることがより好ましい。また寸法変化率Aは、1.4%以下であることが好ましく、1.3%以下であることがより好ましい。液晶パネル6の反りの絶対量を低減する観点から、背面側偏光板4を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率Bは、1.1%以下が好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。また寸法変化率Bは、0.5%以上であることが好ましく、0.8%以上であることがより好ましい。
偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率A,Bは、次のようにして測定される。まず、偏光板を長尺方向(吸収軸方向)100mm×幅方向100mmの大きさに裁断し、温度23℃相対湿度55%の環境下に1日静置し、長尺方向(吸収軸方向)の寸法(L0)を測定する。次に、温度85℃の高温環境下に100時間静置した後の長尺方向(吸収軸方向)の寸法(L1)を測定する。これらの測定結果から、下記式:
寸法変化率(%)=[(L0−L1)/L0]×100
によって寸法変化率(%)を求める。
視認側偏光板4の寸法変化率Aと背面側偏光板5の寸法変化率Bとから下記式:
寸法変化率の比 = A/B
により寸法変化率の比を求めることができる。
本発明に係る液晶パネル6では、視認側偏光板4の偏光子の吸収軸方向が、長辺方向と短辺方向とを有する方形形状の液晶セル2の短辺方向と平行となっており、背面側偏光板5の偏光子の吸収軸方向が液晶セル2の長辺方向と平行となっている場合に、反り量を抑制する効果が大きく好ましい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、フィルムの厚み、位相差値、貯蔵弾性率、偏光板の寸法変化率、及び液晶パネルの反り量は下記に従って測定した。
(1)厚み
(株)ニコン製のデジタルマイクロメーター「MH−15M」を用いて測定した。
(2)面内位相差値及び厚み方向位相差値
平行ニコル回転法を原理とする位相差計である王子計測機器(株)製の「KOBRA−ADH」を用い、23℃において波長590nm、483nm又は755nmの光で測定した。
(3)貯蔵弾性率
粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、以下の(I)〜(III)に従って測定した。
(I)粘着剤層から試料を25±1mgずつ2つ取り出し、それぞれ略玉状に成形する。(II)得られる略玉状の試料をI型冶具の上下面に貼り付け、上下面ともL型冶具で挟み込む。測定試料の構成は、L型治具/粘着剤/I型治具/粘着剤/L型冶具となる。
(III)こうして作製された試料の貯蔵弾性率G’を、アイティー計測制御(株)製の動的粘弾性測定装置「DVA−220」を用いて、温度23℃、周波数1Hz、初期歪み1Nの条件下で測定した。
(4)偏光板の寸法変化率
上述の測定手順に従って、株式会社ニコン製の二次元測定器「NEXIV VMR−12072」を用いて測定した。
(5)液晶パネルの反り量
作製した液晶パネルを85℃の環境下に240時間静置した後、視認側偏光板を上側にして株式会社ニコン製の二次元測定器「NEXIV VMR−12072」の測定台上に置いた。次いで、測定台の表面に焦点を合わせ、そこを基準とし、液晶パネルの4角部、4辺の各中央及び液晶パネル表面の中央に焦点を合わせ、基準とした焦点からの距離を測定した後、測定台からの距離が絶対値で最も長い距離を、その液晶パネルの反り量とした。
(厚み7μmの偏光子Aの作製)
厚み20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み7μmの偏光子Aを得た。
(厚み12μmの偏光子Bの作製)
厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を用いたこと以外は偏光子Aと同様にして、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み12μmの偏光子Bを得た。
(輝度向上フィルムC及びDの用意)
以下の2種類の輝度向上フィルム:
・厚み26μmの輝度向上フィルムC;3M製の「Advanced Polarized Film,Version 3」、
・厚み17μmの輝度向上フィルムD;3M製の「Advanced Polarized Film,Version 4」
を用意した。
(保護フィルムE、F及びGの用意)
以下の3種類の保護フィルム:
・保護フィルムE;日本ゼオン(株)製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(厚み23μm、波長590nmでの面内位相差値=2.1nm、波長590nmでの厚み方向位相差値=2.8nm、波長483nmでの厚み方向位相差値=2.5nm、波長755nmでの厚み方向位相差値=−4.2nm)、
・保護フィルムF;日本ゼオン(株)製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(厚み13μm、波長590nmでの面内位相差値=0.8nm、波長590nmでの厚み方向位相差値=3.4nm、波長483nmでの厚み方向位相差値=3.5nm、波長755nmでの厚み方向位相差値=2.8nm)、
・保護フィルムG;コニカミノルタ株式会社製のハードコート層付きトリアセチルセルロースフィルム「25KCHCN−TC」(厚み32μm)
を用意した。
(粘着剤層の調製又は用意)
・以下の3種類の粘着剤層:
・第1粘着剤層;アクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合体にウレタンアクリレートオリゴマー及びイソシアネート系架橋剤を添加した有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚み38μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレータの離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが15μmとなるように塗工し、乾燥させて得たセパレータ付粘着剤層(この粘着剤層の貯蔵弾性率は、23℃において0.40MPa、80℃において0.18MPaであった。)、
・第2粘着剤層;離型処理が施された厚み38μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレータの離型処理面に厚み25μmのアクリル系粘着剤層が設けられている市販のセパレータ付粘着剤層(ウレタンアクリレートオリゴマーは配合されていない。この粘着剤層の貯蔵弾性率は、23℃において0.05MPa、80℃において0.04MPaであった。)、
・第3粘着剤層;厚み20μmのシート粘着剤(リンテック株式会社製の「NCF #KT)
を調製又は用意した。
(水系接着剤の調製)
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製の「KL−318」〕を3重量部溶解して、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に水溶性ポリアミドエポキシ樹脂〔田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650(30)」、固形分濃度30重量%〕を、水100重量部に対し、1.5重量部の割合で混合して、水系接着剤を得た。
[偏光板の作製]
<実施例1>
図2に示される手順と同様の手順で偏光板を作製した。まず、偏光子Aの片面に、上記水系接着剤を用いて保護フィルムEを貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムEにおける偏光子Aとの貼合面には、15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。その後、80℃で5分間乾燥させ、40℃で168時間養生した。次いで、偏光子Aにおける保護フィルムEとは反対側の面に第1粘着剤層を貼合した。貼合に先立ち、偏光子Aの貼合面及び第1粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。
次に、保護フィルムEの外面に第2粘着剤層を貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムEの貼合面及び第2粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。最後に、第1粘着剤層のセパレータを剥離し、輝度向上フィルムCの片面に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した後、輝度向上フィルムCをそのコロナ処理面側で第1粘着剤層の外面に貼合して、偏光板を得た。
<実施例2>
保護フィルムEの代わりに保護フィルムFを用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例3>
輝度向上フィルムCの代わりに輝度向上フィルムDを用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例4>
偏光子Aの代わりに偏光子Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例5>
偏光子Aの代わりに偏光子Bを用いたこと以外は実施例3と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例6>
図3に示される手順と同様の手順で偏光板を作製した。まず、偏光子Aの片面に、上記水系接着剤を用いて保護フィルムEを貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムEにおける偏光子Aとの貼合面には、15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。その後、80℃で5分間乾燥させ、40℃で168時間養生した。次いで、偏光子Aにおける保護フィルムEとは反対側の面に表面保護フィルム(東レフィルム加工(株)製の「トレテック7332」)を貼合した。貼合に先立ち、偏光子Aの貼合面に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。さらに、保護フィルムEの外面に第2粘着剤層を貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムEの貼合面及び第2粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。
次に、輝度向上フィルムCの片面に第1粘着剤層(セパレータ付き)を貼合した。貼合に先立ち、輝度向上フィルムCの貼合面及び第1粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。最後に、偏光子Aの表面保護フィルム及び第1粘着剤層のセパレータを剥離した後、表面保護フィルムの剥離によって露出した偏光子Aの露出面(外面)に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施し、その後、そのコロナ処理面に第1粘着剤層を貼合して、偏光板を得た。
<実施例7>
保護フィルムEの代わりに保護フィルムFを用いたこと以外は実施例6と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例8>
輝度向上フィルムCの代わりに輝度向上フィルムDを用いたこと以外は実施例6と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例9>
偏光子Aの代わりに偏光子Bを用いたこと以外は実施例6と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例10>
偏光子Aの代わりに偏光子Bを用いたこと以外は実施例8と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例11>
偏光子Aの露出面(表面保護フィルムの剥離によって露出した面)への第1粘着剤層の貼合にあたって、偏光子Aの露出面へのコロナ処理を実施しなかったこと以外は実施例6と同様にして、偏光板を作製した。
<実施例12>
第2粘着剤層の代わりに第3粘着剤層を用いたこと以外は実施例2と同様にして、偏光板を作製した。
<比較例1〜11>
輝度向上フィルムC又はDにおける第1粘着剤層との貼合面にコロナ処理を行わなかったこと以外はそれぞれ実施例1〜11と同様にして、偏光板を作製した。なお、比較例6〜11において、輝度向上フィルムC又はDと第1粘着剤層との貼合に先立ち、輝度向上フィルムC又はDの貼合面にはコロナ処理を行わなかったが、第1粘着剤層の貼合面にはコロナ処理を行った。
〔湿熱耐久性の評価〕
得られた偏光板から111mm×65mmサイズのサンプルを切り出し、第2粘着剤層(実施例12の偏光板については第3粘着剤層)を介して無アルカリガラス(コーニング社製の「イーグルXG」)に貼合した。このガラス貼合サンプルについて、60℃90%RHのオーブンに500時間投入する湿熱耐久性試験を実施し、下記の基準に従って試験後のサンプルの外観を目視評価した。結果を表1に示す。なお、表1における「表面活性化処理」の欄は、輝度向上フィルムの貼合面に対する表面活性化処理の有無を示している。
A:偏光板の端部において輝度向上フィルムと粘着剤層との界面での剥がれが認められず、外観が良好である、
B:偏光板の端部のみに上記剥がれが認められる、
C:偏光板の端部だけでなく中央部まで上記剥がれの進行が認められる。
Figure 2016071378
[液晶パネルの作製]
(視認側偏光板1の作製)
保護フィルムGにケン化処理を行い、保護フィルムEの一方の表面にコロナ処理を行った。保護フィルムGのトリアセチルセルロース面及び保護フィルムEのコロナ処理面がそれぞれ偏光子Bとの貼合面となるように、偏光子Bの一方の面に水系接着剤を介して保護フィルムGを積層するとともに、他方の面に水系接着剤を介して保護フィルムEを積層した後、乾燥処理を行って視認側偏光板1を得た。視認側偏光板1のMD方向(吸収軸方向)の寸法変化率Aは、1.02%であった。なお上記乾燥処理における乾燥時間を調整することにより寸法変化率Aを調整した。さらに、視認側偏光板1の保護フィルムEの外面に第3粘着剤層を貼合して粘着剤層付偏光板とした。第3粘着剤層を貼合する際、保護フィルム表面及び粘着剤層表面に予めコロナ処理を行った。
(視認側偏光板2〜6の作製)
上記乾燥処理における乾燥時間を調整してMD方向(吸収軸方向)の寸法変化率Aを異なるものとしたこと以外は視認側偏光板1と同様にして視認側偏光板2〜6を作製し、次いで、保護フィルムEの外面に第3粘着剤層を貼合して粘着剤層付偏光板とした。視認側偏光板2〜6の寸法変化率Aは次のとおりであった。
視認側偏光板2:1.09%、
視認側偏光板3:1.23%、
視認側偏光板4:1.30%、
視認側偏光板5:1.41%、
視認側偏光板6:0.95%。
(背面側偏光板1の作製)
第2粘着剤層を貼合しないこと以外は実施例2と同様にして偏光板を作製し、これを背面側偏光板1とした。背面側偏光板1のMD方向(吸収軸方向)の寸法変化率Bは、0.98%であった。次に、背面側偏光板1の保護フィルムFの外面に第3粘着剤層を貼合した。貼合に先立ち、保護フィルムFの貼合面及び第3粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。
(液晶セルの用意)
Google Inc.製のNexus7の液晶パネルから視認側偏光板及び背面側偏光板を剥離し液晶セルを得た。
<実施例13>
液晶セルの短辺に対して偏光子の吸収軸が平行になるように視認側偏光板1を対角7インチサイズに裁断し、液晶セルの長辺に対して偏光子の吸収軸が平行になるように背面側偏光板1を対角7インチサイズに裁断した。こうして作製したそれぞれの偏光板を粘着剤層(視認側偏光板については第3粘着剤層を用いた。実施例14〜16及び比較例12〜13についても同様。)を介して液晶セルに貼り合わせて液晶パネルを作製した。背面側偏光板1において、液晶セルに接する表面から輝度向上フィルムにおける第1粘着剤層側(偏光子側)の表面までの距離Hは55μmであった。
<実施例14〜16、比較例12〜13>
表2に示される視認側偏光板を用いたこと以外は実施例13と同様にして液晶パネルを作製した。
実施例13〜16、比較例12〜13で用いた視認側偏光板の吸収軸方向における寸法変化率A及び背面側偏光板の吸収軸方向における寸法変化率B、寸法変化率の比A/B、並びに液晶パネルの反り量を表2にまとめた。
Figure 2016071378
1 偏光板、2 液晶セル、3 バックライト、4 視認側偏光板、5 背面側偏光板、6 液晶パネル、7 液晶表示装置、10 偏光子、20 第1粘着剤層、30 輝度向上フィルム、40 保護フィルム、50 第2粘着剤層、51 第3粘着剤層、60,70,80 セパレータ、90 表面保護フィルム、100,200,300 積層体。

Claims (13)

  1. 偏光子と、粘着剤層と、輝度向上フィルムとをこの順に含み、
    前記輝度向上フィルムにおける前記粘着剤層側の表面に表面活性化処理が施されている、偏光板。
  2. 前記粘着剤層と前記輝度向上フィルムとが接している、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記偏光子と前記粘着剤層とが接している、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記表面活性化処理がコロナ処理である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記輝度向上フィルムは、厚みが10〜30μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 前記偏光子は、厚みが15μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記粘着剤層は、23〜80℃の温度範囲における貯蔵弾性率が0.15〜1MPaであり、厚みが3〜20μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 前記偏光子における前記粘着剤層とは反対側の面上に積層される保護フィルムをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
  9. 前記保護フィルムは、ポリオレフィン系樹脂又はセルロース系樹脂で構成される、請求項8に記載の偏光板。
  10. 液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と、液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とのセットであって、
    前記背面側偏光板は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の偏光板であり、
    前記背面側偏光板は、これを前記液晶セルの背面側に配置する際に前記液晶セルに接する表面から、前記輝度向上フィルムにおける前記粘着剤層側の表面までの距離が100μm以下であり、
    前記視認側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、前記背面側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比が1超1.4以下である、偏光板のセット。
  11. 液晶セルと、請求項10に記載の偏光板のセットとを含み、
    前記液晶セルの視認側に前記視認側偏光板が配置され、前記液晶セルの背面側に前記背面側偏光板が配置されている、液晶パネル。
  12. 液晶セルと、請求項1〜9のいずれか1項に記載の偏光板又は請求項10に記載の偏光板のセットとを含む、液晶表示装置。
  13. 偏光子と、粘着剤層と、輝度向上フィルムとをこの順に含む偏光板の製造方法であって、
    前記輝度向上フィルムにおける前記粘着剤層側の表面に表面活性化処理を施す工程と、
    前記表面活性化処理を施した前記表面上に前記粘着剤層を積層する工程と、
    を含む、製造方法。
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