JP2018195751A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性の悪化を招くことなく製造され、且つ、インダクタンスが低減された半導体装置を提供すること。
【解決手段】 半導体装置は、電極が形成された電極形成面を有する半導体素子と、導電性金属により構成され、半導体素子の電極に電気的に接続されるように電極形成面に接触する接触面が形成された表面を有する導電板と、を備える。また、導電板の表面であって、導電板を流れて電極に向かう電流の導電経路の近傍領域、又は電極から導電板に流れる電流の導電経路の近傍領域に、表面積が拡大された表面積拡大部が設けられている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、半導体素子を有する半導体装置に関する。
トランジスタ等の半導体素子を有する半導体装置内のインダクタンスが大きい場合、大きなサージ電圧が発生する可能性がある。このサージ電圧は、半導体素子の動作に悪影響を及ぼす虞がある。従って、半導体装置内のインダクタンスは、できるだけ小さいのがよい。従来において、インダクタンスを低減するために、様々な工夫が施された半導体装置が提案されている。
特許文献1は、パワー半導体素子を搭載した上アームに高電位を供給する第一接続導体(正極接続端子)と、パワー半導体素子を搭載した下アームに低電位を供給する第二接続導体(負極接続端子)とを、絶縁シートを介して積層配置してなる半導体装置(パワーモジュール)を開示する。特許文献1に記載の半導体装置によれば、第一接続導体と第二接続導体が積層配置されているので、インダクタンスを低減することができる。また、絶縁シートを介して第一接続導体と第二接続導体が近接配置しているので、インダクタンスを低減することができる。
特開2011−15460号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1によれば、絶縁シートを挟んで第一接続導体と第二接続導体とを積層配置させるといった煩雑な工程を要するので、製造工数が増加し、生産性の悪化を招く。
本発明は、生産性の悪化を招くことなく製造され、且つ、インダクタンスが低減された半導体装置を提供することを、目的とする。
本発明に係る半導体装置は、電極が形成された電極形成面(171a,172b)を有する半導体素子(171,172)と、導電性金属により構成され、半導体素子の電極に電気的に接続されるように電極形成面に接触する接触面(S1,S2)が形成された表面(141,151)を有する導電板(14,15)と、を備える。そして、導電板の表面であって、導電板を流れて電極に向かう電流の導電経路、又は、電極から導電板に流れる電流の導電経路の近傍領域に、表面積が拡大された表面積拡大部(152)が設けられている。
本発明によれば、導電板の表面であって導電板を流れる電流の導電経路の近傍領域に表面積が拡大された部分が設けられる。導電板の表面であって導電経路の近傍領域に表面積が拡大された部分が設けられている場合、導電板のインダクタンスが低減する。よって、表面積拡大部が設けられた導電板を用いて半導体装置を製造することにより、特許文献1のように絶縁シートを挟んで2つの導電部材を積層させるような煩雑な製造工程を経ることなくインダクタンスが低減された半導体装置を製造することができる。このように、本発明によれば、生産性の悪化を招くことなく製造され、且つ、インダクタンスが低減された半導体装置を提供することができる。
本発明において、表面積拡大部について、「表面積が拡大された」とは、導電板の表面のうち表面積拡大部が設けられている領域の面積よりも、表面積拡大部の表面積の方が大きいことを意味する。従って、表面積拡大部は、それが導電板に設けられている領域の面積よりも表面積の方が大きくなるように形成された部分であると言える。例えば導電板の表面に凹部が設けられている場合、凹部の表面積は、凹部の開口面積よりも大きい。凹部の開口面積は、導電板の表面のうち凹部が設けられている領域の面積であるから、凹部は表面積拡大部に該当する。また、表面積拡大部が凸部である場合、凸部の表面積は、凸部の設置面積よりも大きい。凸部の設置面積は、導電板の表面のうち凸部が設けられている領域の面積であるから、凸部は表面積拡大部に該当する。このような凹部及び凸部以外にも、表面積拡大部は様々な形態を採り得る。例えば、表面積拡大部の形状は浪打形状であっても良いし、凹凸形状であってもよい。
この場合、表面積拡大部は、凹部であるとよい。表面積拡大部が凸部であると、半導体装置の大型化を招く。これに対し、表面積拡大部が凹部であると、半導体装置の大型化を招くことなく導電板のインダクタンスを低減することができる。
また、導電板の表面に、電源(V)に接続された電源接続部(11,12)が取り付けられる電源接続部取付領域(14c,15c)が設けられているとよい。この場合、表面積拡大部は、電源接続部取付領域と接触面とを結ぶ線分の近傍領域に設けられているとよい。電源から半導体素子に電流が流れる場合、導電板には、電源接続部が取り付けられている電源接続部取付領域から、半導体素子の電極形成面に接触する接触面に向かって、直線状に電流が流れると考えられる。また、半導体素子から電源に電流が流れる場合、導電板には、半導体素子の電極形成面に接触する接触面から、電源接続部取付領域に向かって、直線状に電流が流れると考えられる。従って、導電板の表面のうち、電源接続部取付領域と半導体素子の電極形成面に接触する接触面とを結ぶ線分の近傍領域に表面積拡大部を設けることにより、表面積拡大部が必ず導電板を流れる電流の導電経路の近傍に設けられることになる。よって、導電板のインダクタンスを確実に低減することができる。
また、表面積拡大部は、半導体素子の電極形成面に接触する接触面に隣接した領域に設けられているとよい。導電板を流れる電流は、半導体素子の電極形成面に接触する接触面を通る。従って、接触面の隣接領域に表面積拡大部を設けることにより、表面積拡大部が必ず導電板を流れる電流の導電経路の近傍に設けられることになる。よって、導電板のインダクタンスを確実に低減することができる。
本実施形態に係る半導体装置の平面図である ケースの底面に埋め込まれて固定された正極板、負極板、及び導電板の配置関係を示す平面図である。 アームユニットの平面図である。 図3のIV−IV断面図である 図4のV−V断面図である。 分割バスバーの平面図である。 分割バスバーの側面図である。 分割片を示す図である。 端末片を示す図である。 第一半導体モジュール、第二半導体モジュール、第三半導体モジュールにより構成されるインバータ回路を示す回路図である。 インダクタンスの計算に用いた正極導電板を示す図である。 インダクタンスの計算に用いた負極導電板を示す図である。 電流の導電経路が示された正極導電板の平面図である。 電流の導電経路が示された負極導電板の平面図である。
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置について、図面を参照して説明する。本実施形態では、3相DCブラシレスモータのインバータ回路として用いられる半導体装置について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体装置1の平面図である。図1に示すように、半導体装置1は、第一半導体モジュール10Aと、第二半導体モジュール10Bと、第三半導体モジュール10Cと、これらの半導体モジュールを収容するケース40とを備える。
ケース40は、例えば樹脂等の絶縁性材料により構成される。また、ケース40は、平面視にて円形状である底壁41と、底壁41の周端から底壁41の中心軸方向に沿って上方に延設したリング状の側壁42を備える。側壁42の先端は開口している。この開口面上に、制御基板等を載置することができる。
第一半導体モジュール10A、第二半導体モジュール10B、及び第三半導体モジュール10Cは、ケース40の底壁41上に配設される。図1からわかるように、第一半導体モジュール10A、第二半導体モジュール10B、第三半導体モジュール10Cの構造は同一であり、底壁41の中心回りに120°間隔で、それぞれの半導体モジュールが配設される。
第一半導体モジュール10A,第二半導体モジュール10B,第三半導体モジュール10Cは、それぞれ、正極端子11と、負極端子12と、出力端子13と、正極導電板14と、負極導電板15と、出力導電板16と、5個のアーム回路(17a,17b,17c,17d,17e)からなるアームユニット17とを備える。正極導電板14及び負極導電板15が、本発明の導電板に相当する。
それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各正極端子11、各負極端子12、各出力端子13、各正極導電板14、各負極導電板15、及び各出力導電板16は、導電性金属により構成される。導電性金属として、例えば、銅、アルミニウム、モリブデン、及びこれらの複合材、を例示することができる。本実施形態では、銅によりこれらが形成される。
それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各正極端子11は、図1の紙面に直交する方向に延設された円柱形状を呈しており、その一方端(上端)が、直流電源の電源側正極端子に正極ラインを介して並列接続される。また、それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各負極端子12は、図1の紙面に直交する方向に延設された円柱形状を呈しており、その一方端(上端)が、直流電源の電源側負極端子に負極ラインを介して並列接続される。従って、各正極端子11は直流電源の正極側に接続され、各負極端子12は直流電源の負極側に接続される。正極端子11及び負極端子12が、本発明の電源接続部に相当する。また、直流電源は、電源側正極端子と電源側負極端子を有し、電源側正極端子と電源側負極端子との間に直流電圧を印加することができるデバイスであれば、どのようなものでもよい。例えば、直流電源として、バッテリ、電池、等を例示することができる。また、商用交流等の交流を全波整流或いは半波整流した後に平滑コンデンサにより平滑化した電力、所謂中間直流電力も、直流電源として利用することができる。
また、正極端子11の他方端(下端)は、正極導電板14に電気的に接続され、負極端子12の他方端(下端)は、負極導電板15に電気的に接続される。従って、それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各正極導電板14は、各正極端子11及び正極ラインを介して直流電源の電源側正極端子に電気的に接続され、それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各負極導電板15は、各負極端子12及び負極ラインを介して直流電源の電源側負極端子に電気的に接続されることになる。
また、それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各出力端子13は、各正極端子11及び各負極端子12と同様に、図1の紙面に直交する方向に延設された円柱形状を呈している。また、第一半導体モジュール10Aが備える出力端子13の一方端(上端)は、出力ラインを介して3相DCブラシレスモータのU相コイルに電気的に接続され、第二半導体モジュール10Bが備える出力端子13の一方端(上端)は、出力ラインを介して3相DCブラシレスモータのV相コイルに電気的に接続され、第三半導体モジュール10Cが備える出力端子13の一方端(上端)は、出力ラインを介して3相ブラシレスモータのW相コイルに電気的に接続される。また、それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各出力端子13の他方端(下端)は、それぞれ、各出力導電板16に接続される。
それぞれの半導体モジュール10A,10B,10Cが備える各正極導電板14、各負極導電板15、各出力導電板16は、ケース40の底壁41に埋め込まれて固定されている。図2は、ケース40の底壁41に埋め込まれて固定された正極導電板14、負極導電板15、及び出力導電板16の配置関係を示す平面図である。ケース40の底壁41に埋め込まれた正極導電板14は、その一端面にて底壁41から露出する。同様に、ケース40の底壁41に埋め込まれた負極導電板15は、その一端面にて底壁41から露出し、ケース40の底壁41に埋め込まれた出力導電板16は、その一端面にて底壁41から露出する。正極導電板14の露出面が正極面141を構成し、負極導電板15の露出面が負極面151を構成する。従って、図2には、正極導電板14の正極面141、負極導電板15の負極面151、及び、出力導電板16の底壁41からの露出面161が、それぞれ示される。正極面141及び負極面151が、本発明における、導電板の「表面」に相当する。
図2に示すように、正極導電板14の正極面141は、台形領域14aと、台形領域14aの下底に接続した矩形領域14bにより構成される。台形領域14aには、正極端子11の他方端が接続される正極端子取付領域14cが形成される。また、負極導電板15の負極面151も、台形領域15aと、台形領域15aの下底に接続した矩形領域15bにより構成される。台形領域15aに負極端子12の他方端が接続される負極端子取付領域15cが形成される。正極端子取付領域14c及び負極端子取付領域15cが、本発明の電源接続部取付領域に相当する。
また、正極導電板14と負極導電板15は、正極面141の矩形領域14bの端辺14dと,負極面151の矩形領域15bの端辺15dが、一定の微小距離αを隔てて対向するように、ケース40の底壁41に埋め込まれる。端辺14dと端辺15dとの間の微小距離αは、正極導電板14と負極導電板15との距離に相当する。この微小距離αは小さい方が良い。例えば、微小距離αを0.05mm〜1.0mmに設定することができる。このように、正極導電板14と負極導電板15は、ケース40の底壁41に埋め込まれた状態で、微小距離αを隔てて隣接配置(近接配置)される。
ここで、説明の便宜上、図2の平面視における左右方向をX方向と定義し、右方をX1方向と定義し、左方をX2方向と定義する。また、図2の平面視における上下方向(すなわちX方向と直交する方向)をY方向と定義する。また、X方向及びY方向に直交する方向、すなわち鉛直上下方向をZ方向と定義する。こうして方向を定義した場合、図2からわかるように、微小距離αは、Y方向に沿った正極導電板14と負極導電板15との間の距離を表す。また、正極導電板14と負極導電板15は、互いの矩形領域14b、15bを対向させた状態で、Y方向に沿って微小距離αを隔てて隣接配置する。
また、正極導電板14の正極面141と負極導電板15の負極面151は、Y方向における微小距離αの中間点を通り且つX方向に沿った直線Lに対して線対称状に形成される。また、出力導電板16の露出面161は、正極導電板14の正極面141及び負極導電板15の負極面151よりもX1方向側の領域であって且つ直線Lが通過する領域に、形成される。
また、正極導電板14の正極面141の矩形領域14bには、後述する5個のアーム回路がそれぞれ備える第一トランジスタ171が接続され、負極導電板15の負極面151の矩形領域15bには、後述する5個のアーム回路がそれぞれ備える第二トランジスタ172が接続される。図2からわかるように、5個のアーム回路がそれぞれ備える第一トランジスタ171は、X方向に沿って直線状に整列するように、正極面141の矩形領域14bに接続される。同様に、5個のアーム回路がそれぞれ備える第二トランジスタ172も、X方向に沿って直線状に整列するように、負極面151の矩形領域15bに接続される。
次に、アームユニット17について説明する。図3は、アームユニット17の平面図である。図3において、左右方向がX方向であり、右方がX1方向であり、左方がX2方向であり、上下方向がY方向である。上述したように、アームユニット17は、5個のアーム回路(第一アーム回路17a、第二アーム回路17b、第三アーム回路17c、第四アーム回路17d、第五アーム回路17e)から構成される。図3からわかるように、各アーム回路は、X方向に沿って整列して配置される。具体的には、X1方向に向かって、第一アーム回路17a、第二アーム回路17b、第三アーム回路17c、第四アーム回路17d、第五アーム回路17eが、この順で、整列配置される。各アーム回路の構成は基本的には同一である。代表的に、第一アーム回路17aの構成を説明する。
図4は、図3のIV−IV断面図であり、第一アーム回路17aのY方向に沿った断面を示す。図4の左右方向がY方向であり、上下方向がZ方向(鉛直方向)である。また、Z方向のうち上方向をZ1方向と定義し、下方向をZ2方向と定義する。図4に示すように、第一アーム回路17aは、第一トランジスタ171と、第二トランジスタ172と、後述する分割バスバー50の第一分割片51aとを備える。第一トランジスタ171及び第二トランジスタ172が本発明の半導体素子に相当する。
第一トランジスタ171及び第二トランジスタ172は、本実施形態では、Nチャネル型のパワーMOSFETである。第一トランジスタ171は薄板形状を呈し、板厚方向に沿って、一方面171a及び一方面171aとは反対側を向いた他方面171bが形成される。一方面171aにドレイン電極Dが形成され、他方面171bにソース電極S及びゲート電極Gが形成される。同様に、第二トランジスタ172も薄板形状を呈し、板厚方向に沿って、一方面172a及び一方面172aとは反対側を向いた他方面172bが形成される。一方面172aにドレイン電極Dが形成され、他方面172bにソース電極S及びゲート電極Gが形成される。
第一トランジスタ171は、ケース40の底壁41に埋め込まれている正極導電板14の正極面141の矩形領域14b上に配設され、はんだ等の接合材191を介して正極導電板14に接合される。この場合において、第一トランジスタ171の一方面171a、すなわちドレイン電極Dが形成されている面が、正極導電板14の正極面141の矩形領域14bに対面配置した状態で、第一トランジスタ171が正極導電板14に接合される。このとき、正極導電板14の正極面141のうち、図4に領域S1として示される部分が、接合材191を介して第一トランジスタ171の一方面171aに接触する。第一トランジスタ171の一方面171aが本発明の電極形成面に相当し、一方面171aに形成されたドレイン電極Dが、本発明の電極に相当する。また、正極導電板14の正極面141のうち、領域S1が、本発明の接触面に相当する。以下、領域S1を、接触面S1と呼ぶこともある。接触面S1にて、第一トランジスタ171のドレイン電極Dが正極導電板14に電気的に接続される。
第二トランジスタ172は、ケース40の底壁41に埋め込まれている負極導電板15の負極面151の矩形領域15b上に配設され、はんだ等の接合材192を介して負極導電板15に接合される。この場合において、第二トランジスタ172の他方面172b、すなわちソース電極S及びゲート電極Gが形成されている面が、負極導電板15の負極面151の矩形領域15bに対面配置した状態で、第二トランジスタ172が負極導電板15に接合される。このとき、負極導電板15の負極面151のうち、図4に領域S2として示される部分が、接合材192を介して第二トランジスタ172の他方面172bに接触する。第二トランジスタ172の他方面172bが本発明の電極形成面に相当し、他方面172bに形成されたソース電極Sが、本発明の電極に相当する。また、負極導電板15の負極面151のうち、領域S2が、本発明の接触面に相当する。以下、領域S2を接触面S2と呼ぶこともある。接触面S2にて、第二トランジスタ172のソース電極Sが、負極導電板15に電気的に接続される。
図4に示すように、正極導電板14の正極面141と負極導電板15の負極面151は、共に、底壁41からの露出面であるため、底壁41の底面(表面)と同じ平面内、すなわち同一平面内に形成され、且つ、同一の方向を向いている。図4においては、正極導電板14の正極面141と負極導電板15の負極面151は、Z1方向(上方向)を向いている。同一方向を向いた2つの面(141,151)の一方(例えば正極導電板14の正極面141)には、一方のトランジスタ(例えば第一トランジスタ171)のドレイン電極Dが形成された面が対面配置するように一方のトランジスタが配設され、他方の面(例えば負極導電板15の負極面151)には、他方のトランジスタ(例えば第二トランジスタ172)のソース電極S及びゲート電極Gが形成された面が対面配置するように他方のトランジスタが配設されている。つまり、2つのトランジスタ(171,172)は、それぞれ反対向きとなるように、それぞれの導電板(正極導電板14及び負極導電板15)上に配設される。換言すれば、一方のトランジスタに対して他方のトランジスタが反転した状態で、両トランジスタが配設される。そのため、第一トランジスタ171のドレイン電極Dが形成された面(一方面171a)の向きと、第二トランジスタ172のソース電極S及びゲート電極Gが形成された面(他方面172b)の向きは、同じ向き、すなわち下向き(Z2方向向き)である。また、第一トランジスタ171のソース電極S及びゲート電極Gが形成された面(他方面171b)の向きと第二トランジスタ172のドレイン電極Dが形成された面(一方面172a)の向きは、同じ向き、すなわち上向き(Z1方向向き)である。
図4からわかるように、第一トランジスタ171と第二トランジスタ172は、第一分割片51aを介して電気的に接続される。なお、上述したように、第一分割片51aは、リードフレームである分割バスバー50の一部を構成する。ここで、分割バスバー50について説明する。
図6は、分割バスバー50の平面図であり、図7は、分割バスバー50の側面図である。なお、図6及び図7において、左右方向がX方向であり、右方がX1方向、左方がX2方向である。また、図6の上下方向がY方向である。さらに、図7の上下方向がZ方向であり、上方がZ1方向、下方がZ2方向である。図6及び図7に示すように、分割バスバー50は、4個の分割片(第一分割片51a、第二分割片51b、第三分割片51c、第四分割片51d)と、1個の端末片52とを有し、これらが連結されることによって構成される。各分割片の形状は同一である。各分割片を総称して、分割片51と呼ぶ。
図8は、分割片51を示す図であり、図8(a)が分割片51の平面図、図8(b)が分割片51の側面図である。図9は、端末片52を示す図であり、図9(a)が端末片52の平面図、図9(b)が端末片52の側面図である。図8(a)に示す分割片51の向き及び図9(a)に示す端末片52の向きは、図6に示す分割片51及び端末片52の向きに一致し、図8(b)に示す分割片51の向き及び図9(b)に示す端末片52の向きは、図7に示す分割片51及び端末片52の向きに一致する。すなわち、図8(a)及び図9(a)の左右方向がX方向、右方がX1方向、左方がX2方向であり、上下方向がY方向である。また、図8(b)及び図9(b)の左右方向がX方向、右方がX1方向、左方がX2方向であり、上下方向がZ方向、上方がZ1方向、下方がZ2方向である。
図8(a)によく示すように、分割片51は、第一接合部511と、第二接合部512と、アーム内接続部513と、アーム間接続部514を有し、銅等の弾性係数の高い導電性金属により構成される。また、図9(a)によく示すように、端末片52は、第一接合部521と、第二接合部522と、アーム内接続部523と、端末接続部を524有し、銅等の弾性係数の高い導電性金属により構成される。
図4には、分割片51としての第一分割片51aの断面が示されている。分割片51は、図4に示す断面方向(X方向)から見たときに、Y方向に延設される。また、分割片51のY方向における中央部分に上に凸(Z1方向に凸)の凸状部分が形成される。凸状部分の左下端から図4のY方向における左方に延びる部分が第一接合部511を構成し、凸状部分の右下端から図4のY方向における右方に延びる部分が第二接合部512を構成し、凸状部分がアーム内接続部513を構成する。従って、Y方向に沿って、第一接合部511、アーム内接続部513、第二接合部512が、この順で形成されていることになる。
また、図8(a)からわかるように、アーム間接続部514は、アーム内接続部513から、X1方向に延設される。また、図8(b)からわかるように、アーム内接続部513とアーム間接続部514との間に傾斜部515が形成される。傾斜部515は、X方向に沿ってアーム内接続部513からアーム間接続部514に向かうにつれて、斜め上方に傾斜するように構成される。そして、傾斜部515の下方端(左方端)に凸状のアーム内接続部513の上辺部分が接続され、傾斜部515の上方端(右方端)にアーム間接続部514が接続される。従って、分割片51を側面から見た場合におけるアーム間接続部514の上下方向位置(Z方向位置)は、アーム内接続部513の上辺部分の上下方向位置よりも高い。具体的には、アーム間接続部514の下面514aの上下方向位置(Z方向位置)が、アーム内接続部513の上面513bの上下方向位置にほぼ等しい。
上記構造を有する4個の分割片51は、図6に示すように、それぞれの第一接合部511がX方向に沿った直線上に配設され、且つ、それぞれの第二接合部512がX方向に沿った直線上に配設されるように、整列される。このとき、図7に示すように、第一分割片51aのアーム間接続部514が第二分割片51bのアーム内接続部513の直上に重ね合わされ、第二分割片51bのアーム間接続部514が第三分割片51cのアーム内接続部513の直上に重ね合わされ、第三分割片51cのアーム間接続部514が第四分割片51dのアーム内接続部513の直上に重ね合わされるように、4個の分割片51がX方向に沿って整列される。そして、互いに重ね合わされた一の分割片51のアーム間接続部514と他の分割片51のアーム内接続部513が、はんだ等の接合材により接合される。このようにして、4個の分割片51が連結される。また、連結された4個の分割片51のうち、第四分割片51dのアーム間接続部514には、端末片52が接続される。
端末片52の第一接合部521、第二接合部522、及びアーム内接続部523の形状は、それぞれ、分割片51の第一接合部511、第二接合部512、及びアーム内接続部513の形状と、ほぼ同一である。つまり、端末片52は、図4に示す分割片51と同様に、X方向から見たときにY方向に延在しており、その中央部分に上に凸の凸状部分が形成される。この凸状部分がアーム内接続部523を構成し、アーム内接続部523の左下端から第一接合部521が左方に延設され、アーム内接続部523の右下端から第二接合部522が右方に延設される。また、端末片52の端末接続部524は、図9(a)に示すように、アーム内接続部523からX1方向に延設される。また、図9(b)からわかるように、アーム内接続部523と端末接続部524との間に鉛直部525が形成される。鉛直部525は、上下方向(Z方向)に延設されており、その上端に凸状のアーム内接続部523の上辺部分が接続され、その下端に端末接続部524が接続される。従って、端末片52を側面から見た場合における端末接続部524の上下方向位置(Z方向位置)は、アーム内接続部513の上辺部分の上下方向位置よりも低い。端末接続部524の下面524aの上下方向位置(Z方向位置)は、第一接合部521の下面521a(及び第二接合部522の下面)の上下方向位置に等しい。
端末片52は、図6に示すように連結された、4個の分割片51とともに整列される。このとき、端末片52は、その第一接合部521が、連結された4個の分割片51の第一接合部511とともに、X方向に沿った直線上に配置し、第二接合部522が、連結された4個の分割片51の第二接合部512とともに、X方向に沿った直線上に配置するように、連結された4個の分割片51に対して配設される。さらに、図7に示すように、端末片52のアーム内接続部523が、第四分割片51dのアーム間接続部514の直下に重ね合わされるように、連結された4個の分割片51に対して配設される。そして、端末片52のアーム内接続部523とその直上に配置する第四分割片51dのアーム間接続部514が、はんだ等の接合材を介して接合される。このようにして、端末片52のアーム内接続部523が第四分割片51dに連結される。
上記構成の分割バスバー50は、図6に示すように、第一分割片51a、第二分割片51b、第三分割片51c、第四分割片51d、及び端末片52が、X方向に沿って一列に整列するように、構成される。そして、分割バスバー50は、図3に示すように、各分割片51及び端末片52の連結方向(すなわち各分割片51及び端末片52の整列方向)がX方向に一致し、且つ、X方向に整列した5個のアーム回路(17a,17b,17c,17d,17e)を横断するように、ケース40内に配設される。このように5個のアーム回路に対して分割バスバー50が配設されることにより、第一分割片51aが第一アーム回路17aに割り当てられ、第二分割片51bが第二アーム回路17bに割り当てられ、第三分割片51cが第三アーム回路17cに割り当てられ、第四分割片51dが第四アーム回路17dに割り当てられ、端末片52が第五アーム回路17eに割り当てられる。
図4に示すように、第一アーム回路17aに割り当てられた分割片51(第一分割片51a)の第一接合部511が、第一トランジスタ171のソース電極S及びゲート電極Gが形成された面である他方面171bに対面し、分割片51の第二接合部512が、第二トランジスタ172のドレイン電極Dが形成された面である一方面172aに対面する。そして、対面配置した分割片51の第一接合部511と第一トランジスタ171の他方面171bが、はんだ等の接合材193を介して接合され、対面配置した分割片51の第二接合部512と第二トランジスタ172の一方面172aが、はんだ等の接合材194を介して接合される。
なお、第二〜第五アーム回路に割り当てられた分割片51及び端末片52と、第一トランジスタ171及び第二トランジスタ172との接続構成も、上記と同様である。
図5は、図3のV−V断面図であり、分割バスバー50のY方向に沿った断面を示す。図5に示すように、第一アーム回路17aに割り当てられた第一分割片51aのアーム間接続部514が、第二アーム回路17bに割り当てられた第二分割片51bのアーム内接続部513に接続される。また、第二アーム回路17bに割り当てられた第二分割片51bのアーム間接続部514が、第三アーム回路17cに割り当てられた第三分割片51cのアーム内接続部513に接続される。また、第三アーム回路17cに割り当てられた第三分割片51cのアーム間接続部514が、第四アーム回路17dに割り当てられた第四分割片51dのアーム内接続部513に接続される。そして、第四アーム回路17dに割り当てられた第四分割片51dのアーム間接続部514が、第五アーム回路17eに割り当てられた端末片52のアーム内接続部523に接続される。また、第五アーム回路17eに割り当てられた端末片52の端末接続部524は、ケース40の底壁41に埋め込まれている出力導電板16の露出面161に接続される。出力導電板16には、上記したように出力端子13が接続されている。従って、分割バスバー50は、出力導電板16を介して出力端子13に接続されていることになる。
また、図4に示すように、第一トランジスタ171の他方面171bのうちゲート電極Gが形成されている部分及びソース電極Sが形成されている部分の一部の領域には、第一接合部511(521)が接合されていない。そして、第一トランジスタ171の他方面171bのうちゲート電極Gが形成されている部分に、可撓性を有する電線であるフレキシブル配線61の一方端が接続され、第一トランジスタ171の他方面171bのうちソース電極Sが形成されている部分に、可撓性を有する電線であるフレキシブル配線63の一方端が接続される。また、第二トランジスタ172の他方面172bのうちゲート電極Gが形成されている部分にも、可撓性を有する電線であるフレキシブル配線62の一方端が接続され、第二トランジスタ172の他方面172bのうちソース電極Sが形成されている部分にも、可撓性を有する電線であるフレキシブル配線64の一方端が接続される。ここで、第二トランジスタ172の他方面172bは、下向きの面であり、その全面が負極導電板15の負極面151に対面接触していると、フレキシブル配線62,64を第二トランジスタ172の他方面172bに接続することができない。この点に関し、本実施形態においては、負極導電板15の負極面151のうち、接触面S2に隣接し且つ第二トランジスタ172の他方面172bに形成されたゲート電極G及びソース電極Sに対面する部分に、ケース40の内部空間に連通する凹部152が形成されており、この凹部152を経由して、フレキシブル配線62,64の一方端が第二トランジスタ172の他方面172b(下面)に接続される。ここで、フレキシブル配線62,64は可撓性を有するので、凹部152内でフレキシブル配線62,64を図4に示すように折り返すことにより、確実に、フレキシブル配線62,64の一方端を第二トランジスタ172の他方面172bに形成されているゲート電極G及びソース電極Sに接続することができる。フレキシブル配線61,62,63,64の他方端は、図示しない制御基板に接続される。凹部152が、本発明の表面積拡大部に相当する。
図10は、上記構成を備える第一半導体モジュール10A、第二半導体モジュール10B、第三半導体モジュール10Cにより構成されるインバータ回路を示す回路図である。図10に示すように、各半導体モジュール10A,10B,10Cの正極端子11は、直流電源Vの電源側正極端子VPに接続されている正極ラインPに並列的に接続され、各半導体モジュール10A,10B,10Cの負極端子12は、直流電源Vの電源側負極端子VNに接続されている負極ラインNに並列的に接続される。従って、本実施形態に係る半導体装置1(インバータ回路)は、直流電源Vの電源側正極端子VPに接続される正極ラインPと直流電源Vの電源側負極端子VNに接続される負極ラインNとの間に並列接続される複数の半導体モジュール(第一半導体モジュール10A,第二半導体モジュール10B,第三半導体モジュール10C)を備える半導体装置である。
また、各半導体モジュール10A,10B,10Cが備える5個のアーム回路(第一アーム回路17a、第二アーム回路17b、第三アーム回路17c、第四アーム回路17d、第五アーム回路17e)は、正極端子11に接続された正極導電板14と、負極端子12に接続された負極導電板15との間に、並列的に接続される。また、並列的に接続された5個のアーム回路にそれぞれ割り当てられた分割片51及び端末片52が、直列的に、出力端子13に接続された出力導電板16に接続される。そして、第一半導体モジュール10Aの出力端子13が、第一出力ライン71を介して3相DCブラシレスモータMのU相コイルに接続され、第二半導体モジュール10Bの出力端子13が、第二出力ライン72を介して3相DCブラシレスモータMのV相コイルに接続され、第三半導体モジュール10Cの出力端子13が、第三出力ライン73を介して3相DCブラシレスモータMのW相コイルに接続される。
各半導体モジュール10A,10B,10Cにそれぞれ備えられる5個の第一トランジスタ171及び5個の第二トランジスタ172は、スイッチング素子として機能する。この場合、制御基板60から各トランジスタ171,172のゲート電極Gに所定のパターンで信号が入力されることにより、各トランジスタ171,172がスイッチング作動する。また、本実施形態において、各半導体モジュール10A,10B,10Cがそれぞれ備える5個の第一トランジスタ171は、全て同時に動作する。つまり、5個の第一トランジスタ171のON動作及びOFF動作は、全て同じタイミングで行われる。同様に、各半導体モジュール10A,10B,10Cがそれぞれ備える5個の第二トランジスタ172は、全て同時に動作する。つまり、5個の第二トランジスタ172のON動作及びOFF動作は、全て同じタイミングで行われる。
図10に示すインバータ回路において、例えば、第一半導体モジュール10Aの第一トランジスタ171及び第三半導体モジュール10Cの第二トランジスタ172がONにされ、その他のトランジスタがOFFにされている場合、インバータ回路内にて電流が以下のように流れる。すなわち、正極ラインPからの電流が、第一半導体モジュール10Aの正極端子11、正極導電板14、第一トランジスタ171、分割バスバー50、出力導電板16、出力端子13、にこの順で流れる。そして、第一半導体モジュール10Aの出力端子13から第一出力ライン71を経由して3相DCブラシレスモータMのU相コイルに電流が供給される。また、3相DCブラシレスモータMのW相コイルからの電流が、第三出力ライン73を経由して第三半導体モジュール10Cの出力端子13に流れ、さらに、第三半導体モジュール10Cの出力導電板16、分割バスバー50、第二トランジスタ172、負極導電板15、負極端子12、にこの順で流れる。そして、第三半導体モジュール10Cの負極端子12から負極ラインNに電流が流れる。
また、例えば、第二半導体モジュール10Bの第一トランジスタ171及び第一半導体モジュール10Aの第二トランジスタ172がONにされ、その他のトランジスタがOFFにされている場合、インバータ回路内にて電流が以下のように流れる。すなわち、正極ラインPからの電流が、第二半導体モジュール10Bの正極端子11、正極導電板14、第一トランジスタ171、分割バスバー50、出力導電板16、出力端子13、にこの順で流れる。そして、第二半導体モジュール10Bの出力端子13から第二出力ライン72を経由して3相DCブラシレスモータMのV相コイルに電流が供給される。また、3相DCブラシレスモータMのU相コイルからの電流が、第一出力ライン71を経由して第一半導体モジュール10Aの出力端子13に流れ、さらに、第一半導体モジュール10Aの出力導電板16、分割バスバー50、第二トランジスタ172、負極導電板15、負極端子12、にこの順で流れる。そして、第一半導体モジュール10Aの負極端子12から負極ラインNに電流が流れる。
上記した例のように、各半導体モジュール10A,10B,10Cの第一トランジスタ171がONにされているときには、正極導電板14から第一トランジスタ171に電流が流れる。一方、各半導体モジュール10A,10B,10Cの第二トランジスタ172がONにされているときには、第二トランジスタ172から負極導電板15に電流が流れる。これらの電流の流れを図4に示した場合、正極導電板14を流れる電流の向きは矢印Aで示すように上向き(Z1方向)であり、負極導電板15を流れる電流の向きは矢印Bで示すように下向き(Z2方向)である。つまり、正極導電板14を流れる電流の向きと負極導電板15を流れる電流の向きは、反対である。
反対向きに電流が流れる部材を近接配置すると、相互インダクタンスが増加する。このためインダクタンスが打ち消し合って、インダクタンスを低減することができる。本実施形態によれば、正極導電板14の正極面141(第一トランジスタ171の一方面171aに接続される面)と負極導電板15の負極面151(第二トランジスタ172の他方面172bに接続される面)とを同じ向きにすることにより、反対向きに電流が流れる正極導電板14と負極導電板15を隣り合わせに平行配置することを、実現している。そのため、隣接配置する正極導電板14と負極導電板15との間の距離(微小距離α)をできるだけ小さくすることができる。その結果、正極導電板14及び負極導電板15のインダクタンスを低減することができる。
また、正極導電板14の正極面141(第一トランジスタ171の一方面171aに接続される面)と、負極導電板15の負極面151(第二トランジスタ172の他方面172bに接続される面)とを同じ向きにするために、第一トランジスタ171の向きと第二トランジスタ172の向きが反対にされる。これにより、第一トランジスタ171の他方面171bと第二トランジスタ172の一方面172aが同じ向き(上向き)にされる。このため第一トランジスタ171の他方面171bと第二トランジスタ172の一方面172aとを直線状に繋ぐことができ、それ故に、第一トランジスタ171の他方面171bと第二トランジスタ172の一方面172aとを接続する接続部(アーム内接続部513,523)の長さの短縮化を図ることができる。その結果、上記接続部のインダクタンスを低減することができる。
また、本実施形態に係る半導体装置1においては、図4に良く示すように、負極導電板15の負極面151に、凹部152が形成されている。この凹部152には、上述したように、第二トランジスタ172の他方面172bに接続されるフレキシブル配線62,64が配設される。また、この凹部152は、負極導電板15の負極面151のうち、第二トランジスタ172の他方面172bに接合材192を介して接触している接触面S2に隣接した領域に設けられている。
接触面S2に隣接して凹部152が設けられているので、第二トランジスタ172の他方面172bに形成されたソース電極Sから負極導電板15に流れる電流は、凹部152の近傍を通過することになる。言い換えれば、凹部152は、負極導電板15の負極面151であって第二トランジスタ172のソース電極Sから負極導電板15に流れる電流の導電経路の近傍領域に設けられていることになる。
本実施形態において、凹部152内の空間の形状は直方体状である。従って、凹部152の表面は、図4に示すように、長方形状(或いは正方形状)の底面152aと、底面152aの4辺から立設した4個の側面152bにより構成される。よって、凹部152の表面積は、底面152aの面積と、4つの側面152bの面積の総和により表される。また、凹部152の開口面積は、凹部152の底面152aの面積に等しい。
凹部152の開口面積は、負極導電板15の負極面151のうち、凹部152が設けられている領域の面積である。また、凹部152の表面積(底面152aの面積と4個の側面152bの面積の総和)は、凹部152の開口面積よりも大きい。従って、凹部152を設けることにより、負極導電板15の表面積が拡大されたことになる。つまり、凹部152は、表面積拡大部である。
導電性基板の表面であって導電性基板を流れる電流の導電経路の近傍領域に凹部のような表面積を拡大するような部分が設けられている場合、導電性基板のインダクタンスが低減することが、近年の研究により判明した。従って、この凹部152によって、負極導電板15のインダクタンスを低減することができる。以下、凹部の存在によるインダクタンスの低減についての検証実験について説明する。
図1に示す半導体装置1が備える第一半導体モジュール10Aの形状モデルを作製した。なお、第一、第二トランジスタ171.172の配置は図2を参照されたい。次いで、作製した形状モデルにおいて、5個の第一トランジスタ171がオン、5個の第二トランジスタ172がオフであるときに正極端子11から出力端子13に電流を流した場合における、正極導電板14のインダクタンスをコンピュータシミュレーションにより計算した。その結果、正極導電板14のインダクタンスは3.17ナノヘンリーであった。なお、インダクタンスの計算に用いたシミュレーションソフトウェアは、アンシス・ジャパン株式会社製のQ3Dである。
また、上記した第一半導体モジュール10Aの形状モデルにおいて、5個の第一トランジスタ171がオフ、5個の第二トランジスタ172がオンであるときに出力端子13から負極端子12に電流を流した場合における、負極導電板15のインダクタンスを上記したソフトウェアを用いて計算した。その結果、負極導電板15のインダクタンスは2.53ナノヘンリーであった。
図11は、インダクタンスの計算に用いた正極導電板14を示す図である。ここで、図11(a)は正極導電板14の正面図、図11(b)は正極導電板14の側面図、図11(c)は正極導電板14の底面図である。また、図12は、インダクタンスの計算に用いた負極導電板15を示す図である。ここで、図12(a)は負極導電板15の正面図、図12(b)は負極導電板15の側面図、図12(c)は負極導電板15の底面図である。なお、図11及び図12に記載されている寸法の単位はミリメートルである。
図11と図12とを比較してわかるように、正極導電板14の外形形状と負極導電板15の外形形状は、対称形状である。ただし、負極導電板15の負極面151には、図4及び図12に示すように、第二トランジスタ172の他方面172bとの接触面S2に隣接した領域、すなわち負極導電板15を流れる電流の導電経路の近傍領域に、凹部152が形成されているのに対し、正極導電板14の正極面141には、そのような凹部が形成されていない。このことから、凹部152が設けられていることにより、インダクタンスが低減することがわかる。
このように、本実施形態に係る半導体装置1は、ソース電極S(電極)が形成された他方面172b(電極形成面)を有する第二トランジスタ172(半導体素子)と、導電性金属により構成され、第二トランジスタ172のソース電極Sに電気的に接続されるように他方面172bに接触する接触面S2が形成された負極面151(表面)を有する負極導電板15(導電板)と、を備える。そして、負極導電板15の負極面151であって、第二トランジスタ172のソース電極Sから負極導電板15に流れる電流の導電経路の近傍領域に、表面積が拡大された表面積拡大部としての凹部152が設けられている。
本実施形態によれば、凹部152の存在により、負極導電板15のインダクタンスが低減する。よって、凹部152が設けられた負極導電板15を用いて半導体装置1を製造することにより、生産性の悪化を招くことなく製造され、且つ、インダクタンスが低減された半導体装置を提供することができる。
また、凹部152は、負極導電板15の負極面151のうち、第二トランジスタ172の他方面172bに接触する接触面S2に隣接した領域に設けられている。負極導電板15を流れる電流は、第二トランジスタ172の他方面172bに接触する接触面S2を通る。従って、接触面S2の隣接領域に凹部152を設けることにより、凹部152が必ず負極導電板15を流れる電流の導電経路の近傍に設けられることになる。よって、負極導電板15のインダクタンスを確実に低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、負極導電板15の負極面151に、表面積拡大部として凹部152を設けた例を示したが、正極導電板14の正極面141に、表面積拡大部を設けても良い。この場合、正極導電板14の正極面141であって、正極導電板14を流れて第一トランジスタ171の一方面171aに形成されたドレイン電極Dに向かう電流の導電経路の近傍領域に、凹部等の表面積拡大部を設けるのが良い。また、上記実施形態では、表面積拡大部として凹部152を例示したが、表面積が拡大されるような形状であれば、凹部でなくてもよい。例えば、表面積拡大部として、凸部、凹凸部、或いは波打形状のように形成されている部分を、導電板(正極導電板14或いは負極導電板15)の表面(正極面141或いは負極面151)に設けても良い。
また、上記実施形態では、凹部152が、負極導電板15の接触面S2に隣接して設けられている例を示したが、正極導電板14の接触面S1に隣接して凹部等の表面積拡大部を設けても良いし、接触面S1、S2の両方に隣接して設けても良い。また、正極導電板14の正極面141及び負極導電板15の負極面151のうち、各導電板を流れる電流の導電経路の近傍領域と考えられる領域であれば、接触面S1及び接触面S2の隣接領域以外の領域に凹部等の表面積拡大部を形成しても良い。
例えば、正極導電板14の正極面141には、電源Vの電源側正極端子VPに接続された正極端子11(電源接続部)が取り付けられる正極端子取付領域14c(電源接続部取付領域)が設けられる。このため、電源Vから正極端子11を経由して正極端子取付領域14cに至った電流は、正極端子取付領域14cから第一トランジスタ171の一方面171aとの接触面S1に向かって直線状に流れると考えられる。このような正極導電板14内での電流の導電経路L1が、図13に示される。従って、図13に示すように、導電経路L1は、正極端子取付領域14cの中心と接触面S1の中心とを結ぶ線分により表される。よって、正極端子取付領域14cと接触面S1とを結ぶ線分(L1)の近傍の任意領域に、表面積拡大部Pを設けることができる。このようにして表面積拡大部Pを設けた場合においても、正極導電板14のインダクタンスを低減することができる。
また、負極導電板15の負極面151には、電源Vの電源側負極端子VNに接続された負極端子12(電源接続部)が取り付けられる負極端子取付領域15c(電源接続部取付領域)が設けられる。このため、第二トランジスタ172から第二トランジスタ172の他方面172bとの接触面S2に至った電流は、接触面S2から負極端子取付領域15cに向かって直線状に流れると考えられる。このような負極導電板15内での電流の導電経路L2が、図14に示される。従って、図14に示すように、導電経路L2は、接触面S2の中心と負極端子取付領域15cの中心とを結ぶ線分により表される。よって、接触面S2と負極端子取付領域15cとを結ぶ線分(L2)の近傍領域の任意の領域に、表面積拡大部Pを設けることができる。このようにして表面積拡大部Pを設けた場合においても、負極導電板15のインダクタンスを低減することができる。
また、上記実施形態では、半導体素子として、トランジスタを例示したが、それ以外の半導体素子を有する半導体装置においても、本発明を適用することができる。ただし、半導体素子がスイッチング機能を有するトランジスタである場合、高い周波数領域で半導体素子がスイッチング作動する場合におけるインダクタンスの低減効果は大きい。そのため、本発明は、スイッチング機能を有するトランジスタが半導体素子である場合に大きな効果を発揮する。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…半導体装置、10A,10B,10C…半導体モジュール、11…正極端子(電源接続部)、12…負極端子(電源接続部)、13…出力端子、14…正極導電板(導電板)、14c…正極端子取付領域(電源接続部取付領域)、141…正極面(表面)、15…負極導電板(導電板)、15c…負極端子取付領域(電源接続部取付領域)、151…負極面(表面)、152…凹部(表面積拡大部)、152a…底面、152b…側面、16…出力導電板、17…アームユニット、171…第一トランジスタ(半導体素子)、171a…一方面(電極形成面)、171b…他方面、172…第二トランジスタ(半導体素子)、172a…一方面、172b…他方面(電極形成面)、40…ケース、50…分割バスバー、60…制御基板、61,62,63,64…フレキシブル配線、D…ドレイン電極(電極)、S…ソース電極(電極)、L1,L2…導電経路、P…表面積拡大部、S1、S2…接触面、V…直流電源(電源)

Claims (4)

  1. 電極が形成された電極形成面を有する半導体素子と、
    導電性金属により構成され、前記半導体素子の前記電極に電気的に接続されるように前記電極形成面に接触する接触面が形成された表面を有する導電板と、
    を備え、
    前記導電板の前記表面であって、前記導電板を流れて前記電極に向かう電流の導電経路の近傍領域、又は前記電極から前記導電板に流れる電流の導電経路の近傍領域に、表面積が拡大された表面積拡大部が設けられている、
    半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記表面積拡大部が、凹部である、
    半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    前記導電板の前記表面に、電源に接続された電源接続部が取り付けられる電源接続部取付領域が設けられており、
    前記表面積拡大部は、前記電源接続部取付領域と前記接触面とを結ぶ線分の近傍領域に設けられている、
    半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記表面積拡大部が、前記接触面の隣接領域に設けられている
    半導体装置。
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