JP2018195486A - 熱応動スイッチ素子及びそれを備えた電気回路。 - Google Patents

熱応動スイッチ素子及びそれを備えた電気回路。 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな衝撃荷重を受けた場合であっても、電流ヒューズの溶断を抑制できる熱応動スイッチ素子を提供する。
【解決手段】熱応動スイッチ素子1は、固定接点21を有する固定片2と、弾性変形することにより固定接点に接触可能に配された可動片3と、温度上昇に伴って変形することにより、可動片3を固定接点21から離隔する遮断状態から固定接点21に接触する導通状態へと移行させる熱応動素子4とを備える。熱応動スイッチ素子1は、可動片3が弾性変形によって固定接点21と接触する前に、可動片3と当接し、可動片3の弾性変形を抑制する変形抑制部材5をさらに備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器の保護装置として用いられる小型の熱応動スイッチ素子等に関するものである。
従来、各種電気機器の2次電池やモーター等の保護装置(安全回路)として、温度変化に応じて変形する熱応動素子を備え、上記熱応動素子の変形によって接点を開閉する熱応動スイッチ素子が検討されている。このような熱応動スイッチ素子の一例として、例えば、特許文献1には、負荷に対して並列に接続され、電源と負荷との間に直列に接続された電流ヒューズと共に用いられる熱応動スイッチ素子が開示されている。この種の熱応動スイッチ素子は、通常温度で固定接点と可動接点とが開状態にあり、異常な高温で固定接点可動接点が接触して閉状態となるいわゆる「ノーマルオープンタイプ」と称される素子として使用可能である。
特許文献1に示される熱応動スイッチ素子では、温度変化に応じて変形するトリメタルから成る可動片(トリメタル片)の先端部に、銅・ニッケル合金や銀酸化錫等からなる可動接点部材がかしめ固定されている。このような可動片は、先端部が重いため、電気機器の落下等により熱応動スイッチ素子に大きな衝撃荷重が加えられたとき、可動接点部材がその慣性によって固定接点に接触して閉状態となり、電流ヒューズを溶断させるおそれがある。また、例えば、電動工具等の電気機器に熱応動スイッチ素子が用いられる場合、熱応動スイッチ素子の内部構造がモーター等の動力源から発生される継続的な振動の影響を受けるおそれがある。
特開2004−311352号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、大きな衝撃荷重や継続的な振動を受けた場合であっても、電流ヒューズの溶断を抑制できる熱応動スイッチ素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の熱応動スイッチ素子は、固定接点を有する固定片と、弾性変形することにより前記固定接点に接触可能に配された可動片と、温度上昇に伴って変形することにより該可動片を前記固定接点から離隔する遮断状態から前記固定接点に接触する導通状態へと移行させる熱応動素子とを備え、前記可動片が弾性変形によって前記固定接点と接触する前に、前記可動片と当接し、前記可動片の弾性変形を抑制する変形抑制部材をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る前記熱応動スイッチ素子において、前記変形抑制部材は、前記熱応動素子が変形する温度よりも低い温度で軟化することが望ましい。
本発明に係る前記熱応動スイッチ素子において、前記変形抑制部材は、前記可動片を前記固定接点から離れる方向に付勢する弾性体であることが望ましい。
本発明に係る前記熱応動スイッチ素子において、前記弾性体は、リフローソルダリングに用いられるソルダーペーストよりも高い温度で溶融することが望ましい。
本発明は、電流ヒューズを介して直流電源から負荷に電力を供給する電気回路であって、前記熱応動スイッチ素子を含み、前記導通状態の前記熱応動スイッチ素子によって、前記直流電源と前記電流ヒューズとを短絡させる短絡回路を含むことを特徴とする。
本発明の熱応動スイッチ素子では、大きな衝撃荷重や継続的な振動を受けたとき、可動片が弾性変形によって固定接点と接触する前に、変形抑制部材が可動片と当接する。これにより、可動片の弾性変形が抑制され、可動片が固定接点に接触して閉状態となることが抑制され、電流ヒューズの溶断が抑制される。
本発明の一実施形態による熱応動スイッチ素子の概略構成を示す組立て前の状態を示す斜視図。 接点が開状態における上記熱応動スイッチ素子を示す断面図。 上記熱応動スイッチ素子のケース本体及びケース本体に収容された変形抑制部材を示す平面図。 変形抑制部材が溶融した状態における上記熱応動スイッチ素子を示す断面図。 接点が閉状態における上記熱応動スイッチ素子を示す断面図。 接点が開状態における上記熱応動スイッチ素子の変形例を示す断面図。 図6の熱応動スイッチ素子で接点が閉状態を示す断面図。 上記熱応動スイッチ素子を備えた電気回路の回路図である。
本発明の一実施形態による熱応動スイッチ素子について図面を参照して説明する。図1乃至図3は、熱応動スイッチ素子の構成を示している。熱応動スイッチ素子1は、固定接点21を有する固定片2と、弾性変形することにより固定接点21に接触可能に配された可動片3と、温度変化に伴って変形する熱応動素子4とを備える。固定片2、可動片3及び熱応動素子4は、ケース7に収容されている。ケース7は、ケース本体(第1ケース)71とケース本体71に装着される蓋部材(第2ケース)81等によって構成されている。
固定片2は、例えば、銅等を主成分とする金属板(この他、銅−チタニウム合金、洋白、黄銅などの金属板)をプレス加工することにより形成され、ケース本体71にインサート成形により埋め込まれている。固定片2の一端側には固定接点21が形成され、他端側には、外部回路と電気的に接続される端子22が形成されている。
固定接点21は、固定片2の本体部分から一部が可動片3の側に突出することにより形成されている。固定接点21は、可動片3の先端部に対向する位置に形成され、ケース本体71の内部に形成されている空間(後述する収容凹部)に露出されている。可動片3との接触抵抗を低減するために、固定接点21の表面には、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金などの導電性の良い材料がめっき又は塗布されている。端子22は、熱応動スイッチ素子1の外部回路と電気的に接続される。本実施形態の固定接点21は、可動片3の側に球面状に突出し、その厚さは略一様である。このような固定接点21は、プレス加工等により容易に形成されうる。
本出願においては、特に断りのない限り、固定片2において、固定接点21が形成されている側の面(すなわち図1において上側の面)を表(おもて)面、その反対側の面を裏(うら)面として説明している。他の部品、例えば、可動片3及び熱応動素子4等についても同様である。
可動片3は、銅等を主成分とする板状の金属材料をプレス加工することにより、長手方向の中心線に対して対称なアーム状に形成されている。
可動片3は、長手方向の先端部に、固定接点21と接触する接点領域31を有している。本実施形態の熱応動スイッチ素子1では、固定接点21との接触抵抗を低減するために、接点領域31の表面(ひょうめん)には、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金などの導電性の良い材料がめっき又は塗布されている。接点領域31は平面状に形成されている。本実施形態では、平面状の接点領域31は、上述した球面状の固定接点21と組み合わせられる。これにより、可動片3の寸法公差内でその先端部の姿勢にばらつきが生じても、接点領域31と固定接点21との間で安定した接触が得られる。
可動片3の長手方向の他端部には、外部回路と電気的に接続される端子32が形成されている。端子32は、熱応動スイッチ素子1の外部回路と電気的に接続される。可動片3は、接点領域31と端子32との間に、固定部33及び弾性部34を有している。
固定部33は、端子32と弾性部34との間に設けられ、ケース本体71と蓋部材81とによって裏表両面側から挟み込まれて固定される。固定部33は、可動片3の厚さ方向で固定片2に向って突出する一対の突出部33aを有する。突出部33aは、ケース本体71に設けられている一対の凹部74に挿入され、ケース本体71に対する可動片3の位置決めを容易とする。突出部33aは、可動片3の短手方向の両端に設けられている。これにより、ケース本体71に対する可動片3の位置及び姿勢が安定する。
弾性部34は、固定部33から接点領域31の側に延出されている。すなわち、固定部33から延びる弾性部34の先端部に接点領域31が設けられている。固定部33においてケース本体71と蓋部材81によって可動片3が固定され、弾性部34が弾性変形することにより、その先端に形成されている接点領域31が可動片3の厚さ方向に移動し、固定接点21と接点領域31との距離が変動し、熱応動スイッチ素子1の開閉が実現される。
本実施形態では、弾性部34は、平板状に形成されているが、接点領域31が固定接点21に接近又は離隔するように、湾曲又は屈曲して形成されていてもよい。
可動片3は、弾性部34の基端部すなわち固定部33の近傍において、可動片3の短手方向に延びる溝35を有する。溝35は、プレス(コイニング)加工により形成されうる。溝35によって弾性部34の弾性力が容易に微調整可能とされる。本実施形態では、可動片3の裏面側に突出部33aが、可動片3の表面側に溝35がそれぞれ設けられている。これにより、可動片3の裏面側に突出部33a及び溝35が設けられている形態と比較して、可動片3の加工が容易となり、熱応動スイッチ素子1の生産性が向上する。
熱応動素子4は、円弧状に湾曲した初期形状をなし、熱膨張率の異なる薄板材を積層することにより形成される。本実施形態では、熱応動素子4として、熱膨張率の異なる2枚の金属薄板材が積層されてなるバイメタルが採用されている。なお、熱応動素子4のうち、高膨脹側の薄板材には、例えば、銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金が、低膨脹側の薄板材には、例えば、鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレス鋼などの合金が、所要条件に応じて組み合わせて使用されうる。各薄板材は、例えば、圧延等によって貼り合わせられる。
熱応動素子4は、動作温度よりも低い温度で、可動片3の方向に凸となる姿勢で、配される(図2参照)。
過熱により動作温度に達すると、熱応動素子4の湾曲形状は、スナップモーションを伴って逆反りし、冷却により復帰温度を下回ると復元する。熱応動素子4の初期形状は、プレス加工により形成することができる。熱応動素子4の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び逆反り動作の効率性の観点から、厚さ方向の平面視で矩形状が望ましく、小型でありながら弾性部34を効率的に押し下げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。
本実施形態では、固定片2は、可動片3に対して相対的に厚く形成されている。このような固定片2は低抵抗であり、熱応動スイッチ素子1を含む短絡回路に大電流を流すのに好適である。また、プレス加工等により固定接点21を形成する際に、その寸法精度を容易に確保することが可能となる。
一方、可動片3が固定片2に対して相対的に薄く形成されていることにより、可動片3の弾性力を抑制しつつ、慣性質量の低減を図ることができる。これにより、逆反り変形時の付勢力の小さい熱応動素子4を採用することが可能となり、熱応動スイッチ素子1の設計自由度を高め、コストダウンを図ることが可能となる。なお、可動片3の接点領域31が平面上に形成されているので、可動片3の厚さを減じても、接点領域31の寸法精度を容易に確保することが可能である。
ケース7を構成するケース本体71及び蓋部材81は、難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂により成形されている。上述した樹脂と同等以上の特性が得られるのであれば、樹脂以外の材料を適用してもよい。
ケース本体71には、可動片3及び熱応動素子4などを収容するための収容凹部73が形成されている。収容凹部73は、可動片3及び熱応動素子4を収容するための開口73aを有している。
図2に示されるように、蓋部材81には、熱応動素子4を収容するための収容凹部83が形成されている。収容凹部83には、熱応動素子4の側に突出する突出部84と、熱応動素子4の反対側に退避する退避部85と、堤状の側壁86と、凸部87とが形成されている。
突出部84の頂部は、初期形状の熱応動素子4の表面に沿う形状に形成されている。退避部85は、熱応動素子4の外縁と蓋部材81との緩衝を回避する。側壁86は、退避部85の外縁に沿って形成されている。側壁86は、開状態での熱応動素子4の外縁と対向し、適宜当接する。側壁86は、熱応動素子4の位置ずれを防止するストッパーとして機能する。これにより、例えば、端子22、32が下方を向く姿勢で熱応動スイッチ素子1が使用される場合であっても、側壁86によって熱応動素子4の位置ずれが防止され、熱応動スイッチ素子1の動作が損なわれない。
凸部87は、開状態での可動片3の弾性部34の表面と当接する。これにより、熱応動スイッチ素子1に継続的な振動が加えられたときであっても、可動片3の振動が抑制される。なお、可動片3は、弾性部34の弾性力により、熱応動素子4と当接し、熱応動素子4を突出部84の側に付勢する。本実施形態では、開状態で凸部87が弾性部34と当接することにより、弾性部34が熱応動素子4を付勢する力が低減され、これにより、熱応動素子4の温度特性に及ぼす影響を調節できる。
蓋部材81には、銅等を主成分とする金属板又はステンレス鋼等の金属板がインサート成形によって埋め込まれていてもよい。金属板は、蓋部材81ひいては筐体としてのケース7の剛性・強度を高めつつ熱応動スイッチ素子1の小型化に貢献する。
図1に示すように、可動片3及び熱応動素子4等を収容したケース本体71の開口73aを塞ぐように、蓋部材81が、ケース本体71に装着される。ケース本体71と蓋部材81とは、例えば超音波溶着によって接合される。
ケース本体71の収容凹部73の周辺部には、凹部75及び一対の凹部76が形成されている。凹部75は、可動片3の先端部の近傍に配されている。凹部76は、可動片3の厚さ方向で凹部74と連通している。凹部76は、可動片3をケース本体71に組み込む際に、突出部33aをガイドする。
蓋部材81の裏面には、凸部88(図2参照)、凸部89が収容凹部73に向って突出して形成されている。凸部88は、凹部75に対応する位置及び形状に形成され、蓋部材81が、ケース本体71に装着されたとき、凸部88は、凹部75と嵌合する。凸部89は、凹部76に対応する位置及び形状に形成され、蓋部材81が、ケース本体71に装着されたとき、凸部89は、凹部76と嵌合する。これらにより、蓋部材81が、ケース本体71に装着される際に、ケース本体71に対する蓋部材81の位置決めが容易かつ正確になされる。また、ケース本体71と蓋部材81との溶着が強固となる。
図2は、固定接点21から可動片3の接点領域31が離隔する開状態(遮断状態)での熱応動スイッチ素子1の動作を示している。この開状態においては、熱応動素子4は初期形状を維持し、弾性部34の弾性力によって固定接点21と接点領域31との間の距離が維持され、熱応動スイッチ素子1内で固定片2と可動片3とが電気的に遮断された絶縁状態とされる。
本実施形態の熱応動スイッチ素子1は、ケース7の長手方向の長さが数mm程度の小型の素子である。従って、固定接点21と接点領域31との間の距離も必然的に短くなり、遮断状態での両者間の絶縁の確保が困難となる。
熱応動スイッチ素子1では、可動片3の先端部の近傍に変形抑制部材5が設けられている。変形抑制部材5は、弾性部34の弾性変形によって接点領域31が固定接点21と接触する前に、可動片3と当接し、可動片3の弾性変形を抑制する。これにより、大きな衝撃荷重や継続的な振動を受けたときであっても、可動片3の弾性変形が抑制され、可動片3が固定接点21に接触して閉状態となることが抑制され、電流ヒューズの溶断が抑制される。
図3は、ケース本体71及びケース本体71に収容された変形抑制部材5を示している。変形抑制部材5は、ケース本体71に設けられている凹部77に収容されている。凹部77は、凹部75の底部からさらに陥没して形成されている。
凹部77は、変形抑制部材5の外壁と相似形に形成された第1収容部77aと、第1収容部77aの内壁から退避して形成された第2収容部77bとを有している。第2収容部77bは、変形抑制部材5から離れる方向に退避して形成されている。通常の動作状態では、第2収容部77bは、空洞である。第2収容部77bの形状は特に限定されない。
本実施形態の変形抑制部材5は、熱応動素子4が変形する温度よりも低い温度で溶融する低融点金属(例えば、Uアロイと称される、ビスマス、スズ、インジウム、鉛、カドミウム等の金属を適宜組み合わせた合金等)によって、半円柱状に形成されている。変形抑制部材5の形状は特に限定されない。
図4及び5は、温度上昇に伴う熱応動スイッチ素子1の動作状態を時系列で示している。図4に示されるように、熱応動スイッチ素子1の温度が上昇し、変形抑制部材5の温度が上記金属の融点に達すると、変形抑制部材5は溶融し、溶融した金属の一部が第2収容部77bに収容される。これに伴い、変形抑制部材5は、可動片3の変形を抑制する機能を失う。この段階では、熱応動素子4の動作温度よりも低い温度領域であるため、熱応動素子4は略初期形状を維持している。
図5に示されるように、熱応動スイッチ素子1の温度がさらに上昇すると、動作温度に達した熱応動素子4は可動片3の方向に凹状にスナップ変形する。これに伴い、熱応動素子4は、可動片3の長手方向の両端部で可動片3と、中央部で蓋部材81の突出部84と接触し、可動片3の先端部を固定片2の方向(図5中下方)に付勢する。これにより、固定接点21に接点領域31が接触し、固定片2と可動片3とが導通状態となる。すなわち、熱応動スイッチ素子1が閉状態に移行する。このとき、既に溶融している変形抑制部材5によって可動片3の変形が抑制されないので、熱応動スイッチ素子1の開状態から閉状態への移行は妨げられない。
なお、変形抑制部材5の可動片3の変形を抑制する機能は、変形抑制部材5が溶融した状態のみならず、変形抑制部材5の融点に近い温度(軟化点)まで過熱されて軟化した状態でも喪失する場合がある。従って、変形抑制部材5は、熱応動素子4が変形する温度よりも低い温度で軟化する物質によって構成されていてもよい。
本実施形態では、突出部84の頂部が、初期形状の熱応動素子4に沿うように断面円弧形状に突出しているので、熱変形後の熱応動素子4の中央部と接触し、熱応動素子4を可動片3に接近する方向に移動させて位置決めする。これにより、可動片3の先端部の変位量が十分に確保され、開状態での接点領域31と固定接点21との距離を容易に確保しつつ、閉状態での接点領域31と固定接点21との接触圧力が高められ、両者間の接触抵抗が容易に低減される。
図6及び図7は、熱応動スイッチ素子1の変形例である熱応動スイッチ素子1Aの構成を示している。図6は、開状態での熱応動スイッチ素子1Aの動作を示し、図7は、閉状態での熱応動スイッチ素子1Aの動作を示している。熱応動スイッチ素子1Aのうち、以下で説明されてない部分については、上述した熱応動スイッチ素子1の構成が採用されうる。
熱応動スイッチ素子1Aは、変形抑制部材5Aが可動片3を固定接点21から離れる方向に付勢する弾性体6で構成されている点で、上記熱応動スイッチ素子1とは異なる。より具体的には、変形抑制部材5Aは、コイルばねで構成されている。変形抑制部材5Aは、板状又は棒状のばね部材や他の弾性体によって構成されていてもよい。
変形抑制部材5Aの弾性力は、加熱により逆反り変形した熱応動素子4が発生する弾性力よりも小さくなるように設定されている。変形抑制部材5Aの弾性力を変更することにより、上記衝撃荷重等に対する耐性と熱応動素子4がスナップ変形する温度を微調整することが可能となる。
熱応動スイッチ素子1Aでは、変形抑制部材5Aが可動片3を固定接点21から離れる方向(すなわち、熱応動素子4が可動片3を付勢する方向とは逆方向)に付勢し、弾性部34の弾性力を補助する。これにより、大きな衝撃荷重や継続的な振動を受けたときであっても、固定接点21と接点領域31との間の距離が維持され、可動片3が固定接点21に接触して閉状態となることが抑制され、電流ヒューズの溶断が抑制される。
弾性体6は、その融点がリフローソルダリングに用いられるソルダーペーストの融点よりも高い金属(例えば、SUS304等のステンレス鋼等)によって構成されている。上記ソルダーペーストの融点よりも高い温度で弾性力を維持できれば、上記金属以外の物質(樹脂等を含む)によって構成されていてもよい。
このような弾性体6を変形抑制部材5Aに適用することにより、リフローソルダリングの手法を用いて熱応動スイッチ素子1Aを回路基板に実装する際、リフロー時に弾性体6が溶融し、可動片3の変形を抑制する機能を失うことが抑制される。従って、熱応動スイッチ素子1Aが用いられる電気機器の生産性を容易に高めることが可能となる。
本実施形態では、固定片2の端子22は、屈曲部22aを有している。同様に、可動片3の端子32は、屈曲部32aを有している。屈曲部22a及び屈曲部32aによって端子22及び端子32の先端部は、それぞれ反対方向に曲げられ、リフローソルダリングに適した形状となる。
なお、リフローソルダリングの手法を用いない工程により、熱応動スイッチ素子1Aが回路基板に実装される場合にあっては、熱応動スイッチ素子1の変形抑制部材5に適用されている低融点金属によって変形抑制部材5Aが形成されていてもよい。このような構成であっても、変形抑制部材5Aが溶融するまでは、変形抑制部材5Aによる可動片3の変形を抑制する機能が維持される。一方、変形抑制部材5Aが溶融した後は、熱応動スイッチ素子1の開状態から閉状態への移行が変形抑制部材5Aによって妨げられない。
さらにまた、変形抑制部材5Aは、弾性体6とその他の部品によって構成されていてもよい。例えば、弾性体6を規制し、その付勢力を制限する部品が付加されていてもよい。
図8は、熱応動スイッチ素子1が用いられる電気回路100の一例を示している。電気回路100は、電流ヒューズ101を介して直流電源102から負荷103に電力を供給する回路である。電流ヒューズ101は、直流電源102と負荷103との間に直列に接続されている。
熱応動スイッチ素子1又は1A(以下、熱応動スイッチ素子1とする)は、負荷103に対して並列に接続されている。直流電源102、電流ヒューズ101及び熱応動スイッチ素子1によって短絡回路SC1が構成される。
熱応動素子4の温度が動作温度よりも低い通常時は、熱応動スイッチ素子1は開状態にあるため、電流ヒューズ101には、負荷103の抵抗値に応じた電流が流れる。電流ヒューズ101の定格電流は、この通常時の電流よりも大きく設定されるため、電流ヒューズ101が溶断することはない。
一方、何らかの異常により、熱応動素子4の温度が動作温度を超えると、熱応動スイッチ素子1は閉状態に移行し、短絡回路SC1が有効となる。その結果、電流ヒューズ101には、直流電源102からの電力が負荷103を経由することなく供給される。これに伴い、電流ヒューズ101には定格電流を超える電流が供給され、電流ヒューズ101が溶断し、負荷103への電力の供給が遮断される。
図8に示されるノーマルオープンタイプの熱応動スイッチ素子1を備えた電気回路100は、パーソナルコンピュータの他、電動工具、電気自動車等の直流電源から大きな電力の供給を受ける機器の安全回路として適用可能である。
本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、種々の態様に変更して実施される。すなわち、熱応動スイッチ素子1は、少なくとも、固定接点21を有する固定片2と、弾性変形することにより固定接点21に接触可能に配された可動片3と、温度上昇に伴って変形することにより、可動片3を固定接点21から離隔する遮断状態から固定接点21に接触する導通状態へと移行させる熱応動素子4とを備え、可動片3が弾性変形によって固定接点21と接触する前に、可動片3と当接し、可動片3の弾性変形を抑制する変形抑制部材5をさらに備えていればよい。
従って、可動片3をバイメタル又はトリメタル等の積層金属によって形成することにより、可動片3と熱応動素子4とが一体的に形成された構成であってもよい。この場合、熱応動スイッチ素子1の構成が簡素化されて、さらなる小型化を図ることができる。
また、ケース本体71と蓋部材81との接合手法は、超音波溶着に限られることなく、両者が強固に接合され十分な気密性が得られる手法であれば、適宜適用することができる。例えば、液状又はゲル状の接着剤を塗布・充填し、硬化させることにより、両者が接着されてもよい。また、ケース7は、ケース本体71と蓋部材81等によって構成される形態に限られることなく、2個以上の部品によって構成される形態であればよい。例えば、ケース本体71と蓋部材81の外側に、インサート成形等によって第3ケースを構成する樹脂が充填されている形態であってもよい。
1 :熱応動スイッチ素子
1A :熱応動スイッチ素子
2 :固定片
3 :可動片
4 :熱応動素子
5 :変形抑制部材
5A :変形抑制部材
21 :固定接点
100 :電気回路
101 :電流ヒューズ
102 :直流電源
103 :負荷
SC1 :短絡回路

Claims (5)

  1. 固定接点を有する固定片と、
    弾性変形することにより前記固定接点に接触可能に配された可動片と、
    温度上昇に伴って変形することにより該可動片を前記固定接点から離隔する遮断状態から前記固定接点に接触する導通状態へと移行させる熱応動素子とを備え、
    前記可動片が弾性変形によって前記固定接点と接触する前に、前記可動片と当接し、前記可動片の弾性変形を抑制する変形抑制部材をさらに備えたことを特徴とする熱応動スイッチ素子。
  2. 前記変形抑制部材は、前記熱応動素子が変形する温度よりも低い温度で軟化する請求項1記載の熱応動スイッチ素子。
  3. 前記変形抑制部材は、前記可動片を前記固定接点から離れる方向に付勢する弾性体である請求項1記載の熱応動スイッチ素子。
  4. 前記弾性体は、リフローソルダリングに用いられるソルダーペーストよりも高い温度で溶融する請求項3記載の熱応動スイッチ素子。
  5. 電流ヒューズを介して直流電源から負荷に電力を供給する電気回路であって、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の熱応動スイッチ素子を含み、
    前記導通状態の前記熱応動スイッチ素子によって、前記直流電源と前記電流ヒューズとを短絡させる短絡回路を含むことを特徴とする電気回路。
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