JP2018193909A - 多段噴射式ディーゼルエンジン、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法 - Google Patents

多段噴射式ディーゼルエンジン、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法 Download PDF

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英之 小川
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Abstract

【課題】 熱効率の向上や燃焼音の低減を実現することはもとより、空気の利用率を高めてスモークや未燃物質の排出量を抑制することができる多段噴射式ディーゼルエンジン、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法を提供する。【解決手段】 頂面にキャビティ20を有するピストン2と、キャビティ20に向けて燃料を多段噴射可能な燃料噴射インジェクタ3とを備えた多段噴射式ディーゼルエンジン1であって、キャビティ20は、燃料噴射インジェクタ3の軸心に関して平面視で略円形状に凹設される第1燃焼室21と、第1燃焼室21よりも小径の同心円状に形成され第1燃焼室よりも深い位置に凹設される第2燃焼室22とを有し、燃料噴射インジェクタ3は、圧縮行程における第1噴射タイミングで第1燃焼室21に燃料を噴射し、圧縮行程又は膨張行程における上死点近傍の第2噴射タイミングで第2燃焼室22に燃料を噴射する。【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料を複数回に分けて燃焼室内に直接噴射する多段噴射式ディーゼルエンジン、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法に関するものである。
従来、熱効率の向上や燃焼音の低減を実現するためのものとして、燃料を複数回に分けて燃焼室内に直接噴射する多段噴射式のディーゼルエンジンが知られている。例えば、特開2014−9598号公報には、メイン噴射と、当該メイン噴射よりも少ない量の燃料をピストンが圧縮上死点に達する前に噴射するパイロット噴射とを行なうディーゼルエンジンが開示されている(特許文献1)。
特開2014−9598号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明を含め、従来の多段噴射可能な燃料噴射システムを備えたディーゼルエンジンにおいては、先行する燃料噴射によって生じた高温かつ低酸素な雰囲気場に、後続の燃料が噴射されるようになっている。このため、当該後続の噴射による燃料は空気と良好に混合されにくく、燃焼室内に燃料が過濃(リッチ)な領域を形成するため、スモークや未燃物質の排出量が増加してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、熱効率の向上や燃焼音の低減を実現することはもとより、空気の利用率を高めてスモークや未燃物質の排出量を抑制することができる多段噴射式ディーゼルエンジン、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法を提供することを目的としている。
本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジンは、熱効率の向上や燃焼音の低減を実現することはもとより、空気の利用率を高めてスモークや未燃物質の排出量を抑制するという課題を解決するために、頂面にキャビティを有するピストンと、前記キャビティに向けて燃料を多段噴射可能な燃料噴射インジェクタとを備えた多段噴射式ディーゼルエンジンであって、前記キャビティは、前記燃料噴射インジェクタの軸心に関して平面視で略円形状に凹設される第1燃焼室と、前記第1燃焼室よりも小径の同心円状に形成され前記第1燃焼室よりも深い位置に凹設される第2燃焼室とを有しており、前記燃料噴射インジェクタは、圧縮行程における第1噴射タイミングで前記第1燃焼室に対して燃料を噴射するとともに、圧縮行程または膨張行程における上死点近傍に位置する第2噴射タイミングで前記第2燃焼室に対して燃料を噴射する。
また、本発明の一態様として、第1噴射タイミングおよび第2噴射タイミングを適切に設定するという課題を解決するために、前記第1噴射タイミングは、クランク角度で上死点前40°を超えかつ上死点前30°未満の範囲で設定され、前記第2噴射タイミングは、クランク角度で上死点前10°以上かつ上死点後5°未満の範囲で設定されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、第1噴射タイミングおよび第2噴射タイミングでの噴射量を適切に設定するという課題を解決するために、前記第1噴射タイミングでの噴射量は、前記第2噴射タイミングでの噴射量の30〜50%に設定されていてもよい。
また、本発明の一態様として、噴射された燃料を妨げることなく漏れなく取り込んで第1燃焼室へ導くという課題を解決するために、前記第1燃焼室の底面は外周側に向けて深くなるように傾斜されており、その傾斜角度は下記式(1)により表されていてもよい。
θ≦90°−θinj/2 ・・・式(1)
ただし、各符号は以下を表す。
θ:第1燃焼室の底面の傾斜角度[°]
θinj:燃料噴射インジェクタの噴口角[°]
さらに、本発明の一態様として、燃料がスキッシュエリアへ飛散するのを抑制して第1燃焼室内に留まらせ、混合気の希薄化を抑制し、未燃物質の排出量を低減するという課題を解決するために、前記第1燃焼室は、その内周面が凹湾曲状に形成されているとともに、その上端縁部には前記第1燃焼室の最大径よりも縮径され、前記第1噴射タイミングで噴射された前記燃料を巻き上げるための燃料巻上用返し部が設けられていてもよい。
また、本発明の一態様として、燃料を第2燃焼室へスムーズに導入するとともに、第1燃焼室へ飛散するのを抑制して第2燃焼室内に留まらせ、混合気の希薄化を抑制し、未燃物質の排出量を低減するという課題を解決するために、前記第2燃焼室は、その内周面が凹湾曲状に形成されているとともに、その上端縁部には凸湾曲状に***されて前記第2燃焼室の最大径よりも縮径され、前記第2噴射タイミングで噴射された前記燃料を前記第2燃焼室の底部へ導き入れるための燃料導入用***部が設けられていてもよい。
また、本発明に係る機械装置は、上述したいずれかの態様を有する多段噴射式ディーゼルエンジンを備えてなるものである。
また、本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法は、熱効率の向上や燃焼音の低減を実現することはもとより、空気の利用率を高めてスモークや未燃物質の排出量を抑制するという課題を解決するために、頂面にキャビティを有するピストンと、前記キャビティに向けて燃料を多段噴射可能な燃料噴射インジェクタとを備えた多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法であって、前記キャビティは、前記燃料噴射インジェクタの軸心に関して平面視で略円形状に凹設される第1燃焼室と、前記第1燃焼室よりも小径の同心円状に形成され前記第1燃焼室よりも深い位置に凹設される第2燃焼室とを有しており、前記燃料噴射インジェクタは、圧縮行程における第1噴射タイミングで前記第1燃焼室に対して燃料を噴射するとともに、圧縮行程または膨張行程における上死点近傍に位置する第2噴射タイミングで前記第2燃焼室に対して燃料を噴射する。
本発明によれば、熱効率の向上や燃焼音の低減を実現することはもとより、空気の利用率を高めてスモークや未燃物質の排出量を抑制することができる。
本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジンの一実施形態を示す一部断面図である。 本実施形態のピストンを示す平面図である。 本実施形態のピストンにおいて(a)θ>90°−θinj/2の場合、および(b)θ≦90°−θinj/2の場合を示す一部拡大断面図である。 本実施形態の第1噴射タイミングにおける、多段噴射式ディーゼルエンジンの一部断面図である。 本実施形態の第2噴射タイミングにおける、多段噴射式ディーゼルエンジンの一部断面図である。 実施例1におけるシミュレーション結果を示す図である。 実施例2におけるシミュレーション結果を示す図である。 実施例3における実験結果を示すグラフである。 実施例4におけるシミュレーション結果を示す図である。 実施例5における実験結果を示すグラフである。 実施例5におけるシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジン、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法の一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明において、機械装置とは、自動車、オートバイ、軍用車両、鉄道車両、船舶、航空機、発電機、ポンプ、建設機械、農業機械等のように、ディーゼルエンジンを動力源とする全ての機械装置を含む概念である。
本実施形態の多段噴射式ディーゼルエンジン1は、燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンによって構成されており、図1に示すように、主として、頂面にキャビティ20を有するピストン2と、キャビティ20に向けて燃料を多段噴射可能な燃料噴射インジェクタ3とを備えている。以下、各構成について説明する。なお、図示しないが、多段噴射式ディーゼルエンジン1は、吸入する空気圧を高める過給装置や、燃焼後の排気ガスの一部を再度吸気させるEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)システム等を別途備えている。
ピストン2は、シリンダ4内を往復動する略円柱形状に形成されており、その頂面には燃焼室として機能する凹状のキャビティ20が設けられている。本実施形態において、キャビティ20は、図1および図2に示すように、燃料噴射インジェクタ3から噴射される燃料を別々の空間に分割するための第1燃焼室21および第2燃焼室22を備えている。
第1燃焼室21は、後述する第1噴射タイミングで噴射された燃料を燃焼させるための空間である。具体的には、図1および図2に示すように、第1燃焼室21は、燃料噴射インジェクタ3の軸心に関して平面視で略円形状に凹設されている。また、本実施形態では、図1に示すように、第1燃焼室21の底面は外周側に向けて深くなるように傾斜されている。
当該傾斜角度は、図3(a)に示すように、燃料の噴射角度よりも大きい場合、第1噴射タイミングで噴射された燃料が第1燃焼室21に到達し難くなり、第2燃焼室22に分配され易くなるおそれがある。よって、本実施形態では、図3(b)に示すように、噴射された燃料を漏れなく第1燃焼室21へ導き易くするために、第1燃焼室21の底面の傾斜角度は下記式(1)により表される角度に設定されている。
θ≦90°−θinj/2 ・・・式(1)
ただし、各符号は以下を表す。
θ:第1燃焼室21の底面の傾斜角度[°]
θinj:燃料噴射インジェクタ3の噴口角[°]
また、本実施形態では、図1および図3に示すように、第1燃焼室21は、その内周面が断面視で凹湾曲状に形成されている。そして、第1燃焼室21の上端縁部には、第1燃焼室21の最大径よりも縮径され、第1噴射タイミングで噴射された燃料をシリンダ4ヘッド側へ巻き上げるための燃料巻上用返し部23が設けられている。この燃料巻上用返し部23によって、シリンダヘッドとピストン2との間に形成されるスキッシュエリアに燃料が拡散しにくくなり、第1燃焼室21内に燃料が留まり易くなる。
第2燃焼室22は、後述する第2噴射タイミングで噴射された燃料を燃焼させるための空間である。具体的には、図1および図2に示すように、第2燃焼室22は、平面視において、第1燃焼室21よりも小径の同心円状に形成され、第1燃焼室21よりも深い位置に凹設されている。また、第2燃焼室22の中心は、リエントラント型燃焼室と同様、略円錐形状に***されており、渦輪を発生させて燃焼効率を向上するようになっている。
また、本実施形態では、図1および図3に示すように、第2燃焼室22は、その内周面が断面視で凹湾曲状に形成されている。そして、第2燃焼室22の上端縁部には凸湾曲状に***されて第2燃焼室22の最大径よりも縮径され、第2噴射タイミングで噴射された燃料を第2燃焼室22の底部へ導き入れるための燃料導入用***部24が設けられている。この燃料導入用***部24に衝突した燃料は、内周面に沿って下方へと渦を巻きながら第2燃焼室22内へとスムーズに導入される。
さらに、本実施形態において、第1燃焼室21および第2燃焼室22の容積は、圧縮比が14以上16以下となるように設定されている。圧縮比が小さいほど理論熱効率が低下し、実際に取り出せる仕事も低減する。このため、圧縮比を14以上に設定することで、熱効率の低下が必要最小限に抑制される。一方、圧縮比が高いほど燃料が早く着火し、空気との混合が促進されない。このため、圧縮比を16以下に設定することで、燃料と空気との混合が促進される。
つぎに、燃料噴射インジェクタ3は、キャビティ20に向けて燃料を多段噴射するためのものである。本実施形態において、燃料噴射インジェクタ3は、図1に示すように、その軸心がピストン2の軸心と一致されている。また、燃料噴射インジェクタ3は、いわゆるコモンレールシステムの一部として実装されており、図示しないエンジンコントロールユニット(ECU)によって、燃料の噴射量や噴射タイミングが制御されるようになっている。
また、本実施形態において、燃料噴射インジェクタ3は、エンジンコントロールユニットによる制御のもと、圧縮行程における第1噴射タイミングで第1燃焼室21に対して燃料を噴射するとともに、圧縮行程または膨張行程における上死点近傍に位置する第2噴射タイミングで第2燃焼室22に対して燃料を噴射するようになっている。
ここで、第1噴射タイミングの時期が早過ぎると、燃料が第1燃焼室21ではなく、スキッシュエリアに直接導入されるため、未燃物質の排出量が増大する。一方、第1噴射タイミングの時期が遅過ぎると、燃料の一部が第2燃焼室22にも導入されて高温かつ低酸素な雰囲気場が形成されるため、第2噴射タイミングの燃焼においてスモークの排出量が増大する。また、第2噴射タイミングの時期が早過ぎたり遅過ぎたりすると、第1噴射タイミングの燃焼で高温かつ低酸素な雰囲気場となっている第1燃焼室21に燃料の一部が導入され、スモークの排出量が増大する。
よって、第1噴射タイミングおよび第2噴射タイミングについては、後述する実施例2,4における数値シミュレーションの結果に基づいて、好適なタイミングを特定した。具体的には、第1噴射タイミングは、クランク角度で上死点前40°を超えかつ上死点前30°未満の範囲で設定することが好ましく、クランク角度で上死点前35°が最も好ましい。また、第2噴射タイミングは、クランク角度で上死点前10°以上かつ上死点後5°未満の範囲で設定することが好ましく、クランク角度で上死点前5°が最も好ましい。
また、本実施形態において、第1噴射タイミングでの燃料の噴射量(第1噴射量)と、第2噴射タイミングでの燃料の噴射量(第2噴射量)との割合は、スモークの排出量、騒音および熱効率等の観点から以下のように設定されている。
具体的には、スモークは主に第2噴射タイミングでの燃焼から排出される。このため、第2噴射量を増加させ、第1噴射量を相対的に減少させると、スモークの排出量が増加する。よって、第1噴射量を第2噴射量の30%以上に確保すれば、スモークの排出量が抑制される。また、第2燃焼室22での後燃え期間(大きな燃焼後もだらだらと残りの燃料が燃焼を続ける状態)が増大せず、等容度の低下が抑制されるため熱効率の低下が防止される。
一方、第1噴射量を増加させ、第2噴射量を相対的に減少させると、第1噴射タイミングでの燃焼が急峻となり騒音が悪化する。このため、第1噴射量を第2噴射量の50%以下に抑制すれば、第1燃焼室21での燃焼が穏やかとなり騒音が低減する。以上より、第1噴射量は、第2噴射量の30〜50%に設定することが好ましいといえる。
また、本実施形態では、多段噴射式ディーゼルエンジン1の1動作(吸入行程・圧縮行程・膨張行程・排気行程)につき、燃料を2回噴射する方式を採用しているが、本発明の作用効果を奏する範囲において、1動作につき3回以上で多段噴射してもよい。例えば、第3噴射タイミングとして、膨張行程におけるクランク角度で上死点後30°あたりに設定し、再度、第1燃焼室21に対して噴射してもよい。これにより、燃え残った燃料を燃焼させたり、排気管へ燃料を送って、ディーゼル微粒子捕集フィルター(Diesel Particulate Filter:DPF)に堆積したススを燃焼させられる可能性がある。
つぎに、本実施形態の多段噴射式ディーゼルエンジン1、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジン1の制御方法の作用について説明する。
まず、本実施形態の多段噴射式ディーゼルエンジン1においては、燃料噴射インジェクタ3が、図4に示すように、圧縮行程における第1噴射タイミングで第1燃焼室21に対して燃料を噴射する。これにより、当該燃料は第1燃焼室21内の空気を取り込み、混合気を形成する。また、第1燃焼室21では、外周側に向けて深くなるように傾斜された底面が、噴射された燃料を漏れなく取り込んで第1燃焼室21へ導く。さらに、第1燃焼室21の上端縁部に設けられた燃料巻上用返し部23が、スキッシュエリアへ燃料が飛散するのを抑制し、大部分の燃料が第1燃焼室21内に留まる。これにより、混合気の希薄化が抑制されるため、未燃物質の排出量が低減する。
第1噴射タイミングの後、圧縮行程における圧縮が進むにつれて、第1燃焼室21内の混合気が着火して燃焼する。このとき、第2燃焼室22は、第1燃焼室21とは空間的に分割されているため燃料がほとんど導入されていない。このため、第2燃焼室22では、燃料の燃焼によって生じる高温かつ低酸素な雰囲気場が形成されることがなく、第2噴射タイミングの燃焼に必要な空気が豊富に残存する。
つづいて、燃料噴射インジェクタ3が、図5に示すように、上死点近傍における第2噴射タイミングで第2燃焼室22に対して燃料を噴射する。これにより、当該燃料は第2燃焼室22内の空気を取り込みながら燃焼する。このとき、第2燃焼室22に噴射された燃料は、第1噴射タイミングの燃焼によって第1燃焼室21に生じた高温かつ低酸素な雰囲気場との干渉が回避される。このため、空気が豊富に存在する第2燃焼室22では、燃料が過濃(リッチ)な領域が形成されにくく、スモークの排出量が低減する。
また、本実施形態では、第2燃焼室22の上端縁部に***された燃料導入用***部24が、噴射された燃料を第2燃焼室22にスムーズに導き入れるとともに、第1燃焼室21へ飛散するのを抑制する。このため、大部分の燃料が第2燃焼室22内に留まり、混合気の希薄化が抑制されるため、未燃物質の排出量が低減する。さらに、第2燃焼室22の中心部が、略円錐形状に***されているため、噴射に伴って第2燃焼室22内に渦輪を発生させ燃焼効率を向上する。
さらに、本実施形態では、第1噴射量が第2噴射量の30〜50%に設定されている。このため、スモークの排出量が抑制されるとともに、熱効率の低下が防止され、騒音が低減する。また、本実施形態では、圧縮比が14以上16以下となるように、第1燃焼室21および第2燃焼室22の容積が設定されている。このため、熱効率の低下が必要最小限に抑制されるとともに、燃料と空気との混合が促進される。
以上のとおり、本発明においては、複数回に分けて噴射される燃料を二つの燃焼室(第1燃焼室21および第2燃焼室22)によって空間的に分割し、各燃焼室のそれぞれで別個独立に燃焼を生じさせる。これにより、先行する燃焼で生じた高温かつ低酸素な雰囲気場と、後続して噴射される燃料との干渉が回避され、各燃焼室における空気の利用率が促進されるため、スモークの排出量が低減する。
また、本発明においては、多段噴射式ディーゼルエンジン1の1動作(吸入行程・圧縮行程・膨張行程・排気行程)につき、燃料を複数回に分けて多段噴射する。このため、従来の多段噴射によって燃焼を行うディーゼルエンジンと同様、熱効率が向上するとともに、燃焼音が低減する。
以上のような本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジン1、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジン1の制御方法によれば、以下のような効果を奏する。
1.熱効率の向上や燃焼音の低減を実現することはもとより、空気の利用率を高めてスモークや未燃物質の排出量を抑制することができる。
2.第1噴射タイミングおよび第2噴射タイミングを適切に設定することで、上記1の効果を高めることができる。
3.第1噴射タイミングおよび第2噴射タイミングでの噴射量を適切に設定することで、スモークの排出量を抑制するとともに熱効率の低下を防止し、騒音を低減することができる。
4.第1燃焼室21の傾斜された底面によって、噴射された燃料を妨げることなく漏れなく取り込んで第1燃焼室21へ導くことができる。
5.燃料巻上用返し部23によって、燃料がスキッシュエリアへ飛散するのを抑制して第1燃焼室21内に留まらせ、混合気の希薄化を抑制し、未燃物質の排出量を低減することができる。
6.燃料導入用***部24によって、燃料を第2燃焼室22へスムーズに導入するとともに、第1燃焼室21へ飛散するのを抑制して第2燃焼室22内に留まらせ、混合気の希薄化を抑制し、未燃物質の排出量を低減することができる。
つぎに、本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジン1、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジン1の制御方法の具体的な実施例について説明する。
本実施例1では、本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジン1の作用効果を確認するための数値シミュレーションを行った。
具体的には、上述した本実施形態のピストン2を備えた多段噴射式ディーゼルエンジン1において、第1噴射タイミングをクランク角度で上死点前35°(-35°CA ATDC)に設定し、第2噴射タイミングを上死点(0°CA ATDC)に設定した際における、シリンダ4内の気相当量比の分布をクランク角度で5°おきに算出した。なお、CAはクランク角度(Crank Angle)であり、ATDCは上死点後(After Top Dead Center)を意味する。
また、比較例として、燃焼室が一つだけの従来型ピストンを備えたディーゼルエンジンにおいて、第1噴射タイミングおよび第2噴射タイミングを同様に設定し、シリンダ内の気相当量比の分布を算出した。その結果を図6に示す。なお、気相当量比とは、混合気内の空気と燃料の質量比を示すものであり、数値が大きいほど混合気内の燃料が多いことを表すものである。
図6に示すように、本実施例1の多段噴射式ディーゼルエンジン1では、第1噴射タイミングで噴射された燃料のほとんどが、第1燃焼室21内で混合気を形成している。このため、当該第1燃焼室21内では混合気の希薄化が抑制されるため、未燃物質の排出量が低減するものと推測される。また、第2噴射タイミングで噴射された燃料のほとんどが第2燃焼室22内に導入され、高温かつ低酸素な雰囲気場(第1燃焼室21)との干渉が回避されている。このため、第2燃焼室22内では、燃料が空気と良好に混合されるため、スモークの排出量が低減するものと推測される。
これに対し、比較例のディーゼルエンジンでは、第1噴射タイミングで噴射された燃料がスキッシュエリアにも進入し、混合気を形成している。このため、比較例の燃焼室では、混合気の希薄化により多量の未燃物質が排出され、熱効率の低下が懸念される。また、第2噴射タイミングでは、第1噴射タイミングによって生じた高温かつ低酸素な雰囲気場に、燃料が噴射されている。このため、第2噴射タイミングでの燃料は空気と混合されにくく、燃焼室内に過濃な領域を形成するため、スモークの排出量が増加するものと推測される。
以上の本実施例1によれば、本実施形態のピストン2を備えた多段噴射式ディーゼルエンジン1は、燃料を空間的に分割する二つの燃焼室によって、各燃焼室における空気の利用率を促進し、スモークや未燃物質の排出量を抑制することができることが示された。
本実施例2では、本発明に係る第1噴射タイミングの好適な範囲を特定するための数値シミュレーションを行った。
具体的には、上述した本実施形態のピストン2を備えた多段噴射式ディーゼルエンジン1において、第2噴射タイミングは固定しつつ、第1噴射タイミングを異ならせた4つのケースを設定した。そして、各ケースについて、上述した本実施形態の制御方法に従って多段燃焼させた場合における、シリンダ4内の気相当量比の分布をクランク角度で5°おきに算出した。その結果を図7に示す。
なお、第1噴射タイミングとしては、クランク角度で、上死点前40°(-40°CA ATDC)、上死点前35°(-35°CA ATDC)、上死点前30°(-30°CA ATDC)および上死点前25°(-25°CA ATDC)の4種類とした。また、第2噴射タイミングは、いずれのケースにおいても上死点(0°CA ATDC)とした。
図7に示すように、第1噴射タイミングが上死点前40°の場合、噴射された燃料のほとんどが第1燃焼室21ではなくスキッシュエリアに進入し、シリンダ壁の近傍で当量比の低い希薄な混合気が形成されている。このため、当該希薄な混合気では良好な燃焼が得られず、未燃物質が大量に排出されてしまうことが推測される。
一方、第1噴射タイミングが上死点前30°および上死点前25°の場合、噴射された燃料が第1燃焼室21のみならず第2燃焼室22にも進入している。このため、第2燃焼室22内においても燃焼が発生し、高温かつ低酸素な雰囲気場が形成されることとなる。よって、後続の第2噴射タイミングの燃焼において、スモークの排出量が増大してしまうことが推測される。
この点、第1噴射タイミングが上死点前35°の場合、図7に示すように、噴射された燃料のほとんどが第1燃焼室21に進入して留まり、適度な混合気を形成していることがわかる。よって、以上の本実施例2によれば、本発明に係る第1噴射タイミングとしては、クランク角度で上死点前40°を超えかつ上死点前30°未満の範囲で設定することが好ましく、クランク角度で上死点前35°が最も好ましいことが示された。この第1噴射タイミングによれば、噴射された燃料が燃料導入用***部24の上面側に吹き付けられることとなる。
つぎに、本実施例3では、実機エンジンを用いて、第1噴射タイミングの好適な範囲を確認する実験を行った。
具体的には、本実施形態のピストン2を取り付けた実際の多段噴射式ディーゼルエンジン1を用いて、第1噴射タイミングを異ならせた4つのケースについて試験運転した。そして、各ケースについて、一酸化炭素(CO)の排出量、スモークの排出量、未燃炭化水素(THC)の排出量および図示熱効率の4項目を測定した。
また、比較例として、燃焼室が一つだけの従来型ピストンを取り付けたディーゼルエンジンを用いて、同様の第1噴射タイミングで試験運転し、上記4項目を測定した。その結果を図8に示す。なお、第1噴射タイミングとしては、クランク角度で、上死点前40°(-40°CA ATDC)、上死点前35°(-35°CA ATDC)、上死点前30°(-30°CA ATDC)および上死点前25°(-25°CA ATDC)の4種類とした。
図8に示すように、本実施例3では、第1噴射タイミングが実施例2で特定した最適なタイミングである上死点前35°の場合、スモークの排出量のみならず、一酸化炭素および未燃炭化水素の排出量も大幅に低減し、図示熱効率が高くなっている。これに対し、比較例では、第1噴射タイミングが上死点前35°の場合、スモークの排出量は低減するものの、一酸化炭素および未燃炭化水素は多量に排出されており、図示熱効率も大幅に低下している。
また、本実施例3においては、第1噴射タイミングが最適なタイミング(上死点前35°)から外れるに従って、一酸化炭素、スモークおよび未燃炭化水素の排出量が増大傾向となり、図示熱効率は低下傾向となっている。これは、第1噴射タイミングでの燃焼により生じた高温かつ低酸素な雰囲気場に、第2噴射タイミングによる燃料が進入していることに起因するものと考えられる。
以上の本実施例3によれば、本実施形態のピストン2を備えた多段噴射式ディーゼルエンジン1は、従来型のピストンを備えたディーゼルエンジンと比較して、燃料の噴射タイミングを適切に設定することで、燃料が空間的に分割され、高い熱効率を保持したまま、一酸化炭素、スモークおよび未燃炭化水素の排出量を抑制できることが実証された。
本実施例4では、本発明に係る第2噴射タイミングの好適な範囲を特定するための数値シミュレーションを行った。
具体的には、上述した本実施形態のピストン2を備えた多段噴射式ディーゼルエンジン1において、第1噴射タイミングは固定しつつ、第2噴射タイミングを異ならせた5つのケースを設定した。そして、各ケースについて、上述した本実施形態の制御方法に従って多段燃焼させた場合における、シリンダ4内の気相当量比の分布をクランク角度で2.5°おきに算出した。その結果を図9に示す。
なお、第1噴射タイミングは、いずれのケースにおいてもクランク角度で上死点前35°(-35°CA ATDC)に設定した。また、第2噴射タイミングとしては、クランク角度で、上死点前10°(-10°CA ATDC)、上死点前5°(-5°CA ATDC)、上死点(0°CA ATDC)、上死点後5°(5°CA ATDC)および上死点後10°(10°CA ATDC)の5種類とした。
上述したとおり、第2噴射タイミングは、燃料の大部分が第2燃焼室22に進入するように定めることでスモークの低減効果が得られる。この点、第2噴射タイミングが上死点後5°および上死点後10°の場合、図9に示すように、第1燃焼室21内に気相当量比の濃い混合気が形成されている。特に、上死点後10°の場合には、半分近い量の燃料が第1燃焼室21へ進入しているため、スモークの排出量が大幅に増大するものと推測される。
一方、図9に示すように、第2噴射タイミングが上死点前10°から上死点0°までの範囲では、第2噴射タイミングでの燃料が第1燃焼室21内にあまり進入していない。特に、上死点前5°の場合に最も第2燃焼室22に導入されており、燃料が空間的に分配されている。すなわち、第1噴射タイミングでの燃焼によって高温かつ低酸素な雰囲気場となっている第1燃焼室21内に第2噴射タイミングでの燃料が進入しておらず、酸素が残存している第2燃焼室22内に導入されているため、スモークの排出量が大幅に低減することが推測される。
よって、以上の本実施例4によれば、本発明に係る第2噴射タイミングとしては、クランク角度で上死点前10°以上かつ上死点後5°未満の範囲で設定することが好ましく、クランク角度で上死点前5°が最も好ましいことが示された。この第2噴射タイミングによれば、噴射された燃料が燃料導入用***部24の下面側に吹き付けられることとなる。
つぎに、本実施例5では、実機エンジンを用いて、第2噴射タイミングの好適な範囲を確認する実験を行った。
具体的には、本実施形態のピストン2を取り付けた実際の多段噴射式ディーゼルエンジン1を用いて、第2噴射タイミングを異ならせた3つのケースについて試験運転した。そして、各ケースについて、スモークの排出量を測定した。その結果を図10に示す。なお、第2噴射タイミングとしては、クランク角度で、上死点前5°(-5°CA ATDC)、上死点0°(0°CA ATDC)および上死点後5°(5°CA ATDC)の3種類とした。
図10に示すように、スモークの排出量は、第2噴射タイミングが実施例4で特定した最適なタイミングである上死点前5°の場合に、最も低減されている。そして、この結果は、実施例4での数値シミュレーション結果と対応している。また、実験はしていないが、実施例4の結果より、第2噴射タイミングを上死点後10°とした場合、上死点後5°よりもスモークの排出量が増大するものと推測される。
また、本実施例5において、第1噴射タイミングを上死点前35°に設定した際の上死点前5°および上死点0°(TDC:Top Dead Center)におけるシリンダ4内の温度分布を図11に示す。この温度環境は、第1噴射タイミングでの燃焼によって生じたものであるが、高温領域は第1燃焼室21側に集中している。
一方、上述したとおり、スモークは第1噴射タイミングでの燃焼によって生じた高温かつ低酸素な雰囲気場に、第2噴射タイミングで噴射された燃料が進入することで生成される。この点、図9を参照すると、第2噴射タイミングが上死点前10°および上死点前5°の場合に、噴射された燃料が第1燃焼室21とは干渉しにくい位置関係となっている。よって、第2噴射タイミングを上死点前10°とした場合におけるスモークの排出量は、上死点前5°の場合と大きな差はないと考えられる。
以上の本実施例5によれば、本実施形態のピストン2を備えた多段噴射式ディーゼルエンジン1において、第2噴射タイミングを上死点近傍で行う際、できるだけ第1燃焼室21へ進入する燃料が少なくなるように、噴射タイミングを定めることでスモークの排出量が低減されるため、有効であることが示された。
なお、本発明に係る多段噴射式ディーゼルエンジン1、およびこれを備えた機械装置ならびに多段噴射式ディーゼルエンジン1の制御方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
1 多段噴射式ディーゼルエンジン
2 ピストン
3 燃料噴射インジェクタ
4 シリンダ
20 キャビティ
21 第1燃焼室
22 第2燃焼室
23 燃料巻上用返し部
24 燃料導入用***部

Claims (10)

  1. 頂面にキャビティを有するピストンと、前記キャビティに向けて燃料を多段噴射可能な燃料噴射インジェクタとを備えた多段噴射式ディーゼルエンジンであって、
    前記キャビティは、前記燃料噴射インジェクタの軸心に関して平面視で略円形状に凹設される第1燃焼室と、前記第1燃焼室よりも小径の同心円状に形成され前記第1燃焼室よりも深い位置に凹設される第2燃焼室とを有しており、
    前記燃料噴射インジェクタは、圧縮行程における第1噴射タイミングで前記第1燃焼室に対して燃料を噴射するとともに、圧縮行程または膨張行程における上死点近傍に位置する第2噴射タイミングで前記第2燃焼室に対して燃料を噴射する、多段噴射式ディーゼルエンジン。
  2. 前記第1噴射タイミングは、クランク角度で上死点前40°を超えかつ上死点前30°未満の範囲で設定され、前記第2噴射タイミングは、クランク角度で上死点前10°以上かつ上死点後5°未満の範囲で設定されている、請求項1に記載の多段噴射式ディーゼルエンジン。
  3. 前記第1噴射タイミングでの噴射量は、前記第2噴射タイミングでの噴射量の30〜50%に設定されている、請求項1または請求項2に記載の多段噴射式ディーゼルエンジン。
  4. 前記第1燃焼室の底面は外周側に向けて深くなるように傾斜されており、その傾斜角度は下記式(1)により表される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の多段噴射式ディーゼルエンジン;
    θ≦90°−θinj/2 ・・・式(1)
    ただし、各符号は以下を表す。
    θ:第1燃焼室の底面の傾斜角度[°]
    θinj:燃料噴射インジェクタの噴口角[°]
  5. 前記第1燃焼室は、その内周面が凹湾曲状に形成されているとともに、その上端縁部には前記第1燃焼室の最大径よりも縮径され、前記第1噴射タイミングで噴射された前記燃料を巻き上げるための燃料巻上用返し部が設けられている、請求項1から請求項4のいずれかに記載の多段噴射式ディーゼルエンジン。
  6. 前記第2燃焼室は、その内周面が凹湾曲状に形成されているとともに、その上端縁部には凸湾曲状に***されて前記第2燃焼室の最大径よりも縮径され、前記第2噴射タイミングで噴射された前記燃料を前記第2燃焼室の底部へ導き入れるための燃料導入用***部が設けられている、請求項1から請求項5のいずれかに記載の多段噴射式ディーゼルエンジン。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の多段噴射式ディーゼルエンジンを備えてなる機械装置。
  8. 頂面にキャビティを有するピストンと、前記キャビティに向けて燃料を多段噴射可能な燃料噴射インジェクタとを備えた多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法であって、
    前記キャビティは、前記燃料噴射インジェクタの軸心に関して平面視で略円形状に凹設される第1燃焼室と、前記第1燃焼室よりも小径の同心円状に形成され前記第1燃焼室よりも深い位置に凹設される第2燃焼室とを有しており、
    前記燃料噴射インジェクタは、圧縮行程における第1噴射タイミングで前記第1燃焼室に対して燃料を噴射するとともに、圧縮行程または膨張行程における上死点近傍に位置する第2噴射タイミングで前記第2燃焼室に対して燃料を噴射する、多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法。
  9. 前記第1噴射タイミングは、クランク角度で上死点前40°を超えかつ上死点前30°未満の範囲で設定され、前記第2噴射タイミングは、クランク角度で上死点前10°以上かつ上死点後5°未満の範囲で設定されている、請求項8に記載の多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法。
  10. 前記第1噴射タイミングでの噴射量は、前記第2噴射タイミングでの噴射量の30〜50%に設定されている、請求項8または請求項9に記載の多段噴射式ディーゼルエンジンの制御方法。
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