JP2018193305A - ヨードニウム塩化合物、それを含有する光酸発生剤及び組成物、並びに、デバイスの製造方法 - Google Patents

ヨードニウム塩化合物、それを含有する光酸発生剤及び組成物、並びに、デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化学増幅型レジスト用光酸発生剤及び光カチオン重合開始剤として好適に使用できる、波長365nmのi線に対して高感度であり、かつ有機溶剤や樹脂に対して高溶解性のヨードニウム塩化合物の提供。【解決手段】下記のヨードニウム塩2、5、10等に代表される新規なヨードニウム塩化合物。【選択図】図1

Description

本発明のひとつの態様は、ヨードニウム塩化合物に関する。また、本発明の別の態様は、上記ヨードニウム塩化合物を含有する光酸発生剤、該光酸発生剤を含む組成物、及び、該組成物を用いたデバイスの製造方法に関する。
近年、フォトレジストを用いるフォトリソグラフィ技術を駆使して、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイ等の表示装置の製造並びに半導体素子の形成が盛んに行われている。上記の電子部品や電子製品のパッケージ等の微細パターン形成のためのフォトリソグラフィ技術が用いられている。
フォトリソグラフィ技術において、露光光として波長365nmのi線が現在広く用いられている。i線が現在広く用いられる理由に、照射光源として、廉価でありながら良好な発光強度を示す中圧・高圧水銀灯が利用できること、及び、i線領域(360nm〜390nm)に発光波長があるLEDランプが近年普及しつつあること等が挙げられる。したがって、酸の作用により脱保護又は架橋することで、レジスト組成物の現像液に対する溶解性を制御しパターニングするためのフォトレジスト組成物に添加する光酸発生剤のうち、i線に対し高い感度を示す光酸発生剤の必要性は、今後更に高まって行くと考えられる。さらに、酸の作用によりカチオン重合する樹脂組成物に添加する光酸発生剤においても、i線に対し高い感度を示す光酸発生剤の必要性は、今後更に高まって行くと考えられる。
また、パッケジング用途等の半導体向けi線リソグラフィは、例えばメッキ工程によるバンプ及びメタルポスト等のメッキ造形物の形成等のため厚膜での利用が多い。そのため、光酸発生剤はレジスト溶剤への高い溶解性を確保しつつ高感度であることが好ましい。
上記メッキ工程において形成されるメッキ造形物は、メッキ造形物形状が安定するとともに、その後の絶縁材料の充填や塗布といった積層工程等において充填材料との密着向上やボイド発生リスク低減等のデバイス信頼性向上が見込めるため、ボトム(基板表面と接触している側)の幅が、ボトムと対向するトップの幅と同じか若しくはトップの幅よりも大きいことが望まれており、触媒活性を有する金属表面上において加熱によって酸を発生する酸発生剤が提案されている(特許文献1)。
既存の光酸発生剤のうち、(4−ベンソイルフェニルスルファニル)フェニル骨格を有するスルホニウム塩、及び、[2−メトキシ−4−(4−メトキシベンゾイル)−フェニル]−ジフェニルスルホニウム塩([2-Methoxy-4-(4-methoxy-benzoyl)-phenyl]-diphenyl-sulfonium)等のジアリールケトン構造を有するスルホニウム塩は、i線領域に吸収を持つ。また、これらのスルホニウム塩は多価カチオンが生成し難く溶剤溶解性が向上しており、i線リソグラフィの厚膜用として利用されている(特許文献2〜5)。
特開2016−177018公報 特開平8−27208号公報 特開平10−287643号公報 特開2011−195499号公報 WO2007−046442号公報
しかしながら、特許文献1〜5に開示の化合物は、i線(365nm)領域の吸収が十分ではなく感度が低いという課題がある。
本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑み、i線領域に高い吸収を有する光酸発生剤としてのヨードニウム塩化合物を提供することを課題とする。また、本発明のいくつかの態様は、上記ヨードニウム塩化合物を含有する光酸発生剤、該光酸発生剤を含む組成物、及び、該組成物を用いたデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のベンゾイルフェニル構造を有するヨードニウム塩化合物が、上記に示すような同様の構造を有するスルホニウム塩と比較してi線吸収が高く高感度で酸発生することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための本発明のひとつの態様は、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表されるヨードニウム塩化合物である。
上記式(1)において、Rはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアリール基、アリールオキシアリール基、アルキルスルファニル基及びアリールスルファニル基からなる群より選択されるいずれかを表す。Rの炭素原子数は1〜12であることが好ましく、かつ、これらは置換基を有しても良い。
、R及びRは独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかである。R、R及びRが炭素原子を有する基の場合、炭素原子数が1〜12であり、かつ、これらは置換基を有しても良い。
はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアリール基、アリールオキシアリール基、アルキルスルファニル基及びアリールスルファニル基からなる群より選択されるいずれかを表す。
上記R〜Rがメチレン基を有するとき、前記メチレン基の少なくとも1つは2価のヘテロ原子含有基で置換されていても良い。
m及びnは独立して各々に1〜2の整数である。
mが1のとき、aは1〜5の整数であり、bは0〜4の整数であり、a+bは1〜5の整数である。mが2のとき、aは1〜7の整数であり、bは0〜6の整数であり、a+bは1〜7の整数である。
nが1のとき、dは0〜4の整数である。nが2のとき、dは0〜6の整数である。
cは0〜4の整数である。
は一価の対アニオンを表す。
上記一般式(2)中、R〜R、X、c及びmは、前記式(1)におけるR〜R、X、c及びmの各々と同じ選択肢から選択される。
mは1〜2の整数であり、mが1のとき、eは1〜5の整数であり、fは0〜4の整数であり、e+fは1〜5の整数である。mが2のとき、eは1〜7の整数であり、fは0〜6の整数であり、e+fは1〜7の整数である。
gは0〜2の整数であり、hは0〜4の整数である。
本発明の他の態様は、上記ヨードニウム塩化合物を含有する光酸発生剤である。
また、本発明の他の態様は、上記光酸発生剤と、酸反応性化合物を含む組成物である。
また、本発明の他の態様は、上記組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に活性エネルギー線を照射する工程と、上記レジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明のいくつかの態様によれば、i線の吸収が高いヨードニウム塩化合物を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、レジスト組成物の成分として用いられる有機溶剤及び樹脂等に対して高溶解性のヨードニウム塩化合物を提供することができる。該ヨードニウム塩化合物は、活性エネルギー線としてi線を用いる化学増幅型レジスト組成物等の光酸発生剤及び光カチオン重合組成物の重合開始剤等として好適に用いることができる。
図1は、実施例及び比較例で用いたオニウム塩化合物のUVスペクトルを示す。
以下、本発明のいくつかの態様について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<1>ヨードニウム塩化合物
本発明のひとつの態様に係るヨードニウム塩化合物は、上記一般式(1)又は上記一般式(2)で表されるヨードニウム塩化合物である。
本発明のひとつの態様に係るヨードニウム塩化合物は、ジアリールケトン骨格を有し、かつ、カルボニル基が結合するアリール構造の上記カルボニル基に対するパラ位に特定の置換基を有する。つまり、上記一般式(1)又は上記一般式(2)のRとして特定の置換基を有する。該置換基として電子供与性基を有することが好ましい。上記構造を有することで、ヨードニウム塩化合物がi線領域まで大きな吸収を持つ構造となり、i線に対して高感度な光酸発生剤として機能する。
上記電子供与性基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアリール基、アリールオキシアリール基、アルキルスファニル基及びアリールスルファニル基等が挙げられる。
またR以外の置換基として、具体的にはR〜R及びRの少なくともいずれかとしてアルキル基等の置換基をさらに有することが好ましい。R〜R及びRの少なくともいずれかとしてアルキル基等を有するヨードニウム塩化合物をレジスト組成物に用いる場合に、レジスト組成物の成分として一般的に用いられる有機溶剤及び樹脂等に対して良好な溶解性を持つこととなる。そのため、アルキル基を有するヨードニウム塩化合物は、厚膜レジスト等の高溶解性が要求される用途に対しても利用することができる。
上記式(1)中、Rはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアリール基、アリールオキシアリール基、アルキルスルファニル基及びアリールスルファニル基等からなる群より選択されるいずれかを表す。Rは置換基(以下、Rが有する置換基を「第1置換基」ともいう)を有していてもよい。
原料の入手容易性の点から、Rの炭素原子数は1〜12であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。この炭素数は、Rが第1置換基を有する場合は置換基を含めた炭素原子数である。ただし、第1置換基がポリマーを含む場合、ポリマー主鎖の炭素原子数を除いたものとする。
がアルキル基を有する場合、該アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びn−ブチル基等の直鎖状アルキル基;
イソプロピル基及びt−ブチル基等の分岐状アルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基及びノルボルニル基等の環状アルキル基;等が挙げられる。
のアルキル基として、該アルキル基中の少なくとも1つの炭素−炭素一重結合が、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合に置換されたアルケニル基又はアルキニル基も好ましく挙げられる。
のアルキル基において、少なくとも1つのメチレン基に代えて、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−N(R)−、−N(Ar)−、−S−、−SO−及び−SO−からなる群より選ばれる1種の2価のヘテロ原子含有基を骨格に含んでいてもよい。上記2価のヘテロ原子含有基中のR及びArについては、後述する。
におけるアルコキシ基及びアルキルスルファニル基として具体的には、それぞれ−O−結合及び−S−結合の一方が上記アルキル基で置換されたものが挙げられる。
がアリール基を有する場合、該アリール基として具体的には、フェニル基等の単環芳香族炭化水素基;
ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ペンタレニル基、インデニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピレニル基及びクリセニル基等の縮合多環芳香族炭化水素基;
ビフェニル基、ターフェニル基及びクアテルフェニル基等の連結多環芳香族炭化水素基;
フラニル基、チエニル基、ピラニル基、スルファニルピラニル基、ピロリル基、イミダゾイル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、及びピリジル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾフラニル基、イソクロメニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾイル基、キサンテニル基、アクリジニル基及びカルバゾリル基等の上記芳香族炭化水素基が複素環となった芳香族複素環基;等が挙げられる。
上記第1置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシ基、アルコキシ基(−OR)、アシル基(−COR)、アルコキシカルボニル基(−COOR)、アリール基(−Ar)、アリールオキシ基(−OAr)、アミノ基、アルキルアミノ基(−NHR)、ジアルキルアミノ基(−N(R)、アリールアミノ基(−NHAr)、ジアリールアミノ基(−N(Ar)、N−アルキル−N−アリールアミノ基(−NRAr)、ホスフィノ基、シリル基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基(−Si−(R)、該トリアルキルシリル基のアルキル基の少なくとも1つがArで置換されたシリル基、アルキルスルファニル基(−SR)及びアリールスルファニル基(−SAr)等を挙げることができるが、これらに制限されない。
上記第1置換基が有するRは炭素数1〜12のアルキル基を表し、Arは炭素数6〜12のアリール基を表す。Rのアルキル基はRのアルキル基と同様のものから選択できる。Rのアリール基は、Rのアリール基と同様のものから選択できる。
なお、上記2価のヘテロ原子含有基中のR及びArについても、Rのアルキル基及びRのアリール基と同様のものからそれぞれ選択できる。
上記ヨードニウム塩化合物が、第1置換基として、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルキルスルファニル基(−SR)、アリールスルファニル基及びシアノ基等を有するヨードニウム塩化合物を含む組成物をシリコン若しくはガラス等のケイ素原子含有基板、又は、触媒活性を有する金属製基板状に塗布してレジスト膜を形成する工程を有するデバイスの製造方法に用いた場合、本発明のひとつの態様のヨードニウム塩化合物と基板との相互作用や触媒反応により、該酸発生剤から生じた酸により感光性樹脂層内のアルカリ溶解性を基板からの距離に応じて変えることが可能となる。
また、第1置換基として(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有していてもよい。
、R及びRは独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子等からなる群より選択されるいずれかである。
、R及びRが炭素原子を有する場合は、炭素原子数が1〜12であることが好ましく、かつ、これらは置換基(以下、R、R及びRが有する置換基を「第2置換基」ともいう)を有しても良い。
、R及びRがアルキル基又はアルキル基を有する基である場合、該アルキル基として具体的に、Rのアルキル基と同様のものから選択できる。
、R及びRがアリール基又はアリール基を有する基である場合、該アリール基として具体的に、Rのアリール基と同様のものから選択できる。
なお、R、R及びRのいずれか1つがヒドロキシ基、メルカプト基、アルキルスルファニル基(−SR)、アリールスルファニル基及びシアノ基等の極性基であることが好ましい。これらの置換基を有するヨードニウム塩化合物を含む組成物をシリコン若しくはガラス等のケイ素原子含有基板、又は、触媒活性を有する金属製基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程を有するデバイスの製造方法に用いた場合、本発明のひとつの態様のヨードニウム塩化合物と基板との相互作用や触媒反応により、該酸発生剤から生じた酸により感光性樹脂層内のアルカリ溶解性を基板からの距離に応じて変えることが可能となる。
上記第2置換基は、上記第1置換基と同様のものから選択できる。
はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアリール基、アリールオキシアリール基、アルキルスルファニル基及びアリールスルファニル基からなる群より選択されるいずれかを表す。Rは置換基(以下、Rが有する置換基を「第3置換基」ともいう)を有していてもよい。
がアルキル基又はアルキル基を有する基である場合、該アルキル基として具体的に、Rのアルキル基と同様のものから選択できる。
がアリール基又はアリール基を有する基である場合、該アリール基として具体的に、Rのアリール基と同様のものから選択できる。
上記第3置換基は、上記第1置換基と同様のものから選択できる。
m及びnは独立して各々に1〜2の整数である。
mが1のとき、aは1〜5の整数であり、bは0〜4の整数であり、a+bは1〜5の整数である。
mが2のとき、aは1〜7の整数であり、bは0〜6の整数であり、a+bは1〜7の整数である。
nが1のとき、dは0〜4の整数であり、nが2のとき、dは0〜6の整数である。
cは0〜4の整数である。
は一価の対アニオンを表す。前記式(2)において、R〜R5、X、c及びmは前記式(1)におけるR〜R5、X、c及びmの各々と同じ選択肢から選択される。
mは1〜2の整数であり、mが1のとき、eは1〜5の整数であり、fは0〜4の整数であり、e+fは1〜5の整数であり、mが2のとき、eは1〜7の整数であり、fは0〜6の整数であり、e+fは1〜7の整数である。
gは0〜2の整数であり、hは0〜4の整数である。
本発明のいくつかの態様におけるヨードニウム塩化合物は、下記に示すヨードニウムカチオンを有するものが例示できる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
はアニオンである。上記アニオンとしては特に制限はなく、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミドアニオン、メチドアニオン、カルボアニオン、ボレートアニオン、ハロゲンアニオン、リン酸アニオン、アンチモン酸アニオン及びヒ素酸アニオン等のアニオンが挙げられる。
より詳しくは、アニオンとして、ZA 、R10 BA(4−j) 、R11SO 、(R11SO又は(R11SOで表されるアニオンが好ましく挙げられる。R10の2個及びR11の2個はそれぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、リン原子、ホウ素原子又はアンチモン原子を表す。Aはハロゲン原子(フッ素原子が好ましい。)を表す。
Pはリン原子、Fはフッ素原子、Bはホウ素原子、Sはイオウ原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
10は、水素原子の一部が少なくとも1個のハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。電子求引基としては、トリフルオロメチル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。これらのうち、1個の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。c個のR10は相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
11は水素原子の一部又は全てがフッ素原子に置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表し、アルキル基は直鎖、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、アリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。
iは4〜6の整数を表す。jは1〜4の整数を表し、好ましくは4である。
ZA で表されるアニオンとしては、SbF 、PF 及びBF で表されるアニオン等が挙げられる。
10 BA(4−j) で表されるアニオンとしては、(C、((CF、(CF、(CBF 、CBF 及び(Cで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C及び((CFで表されるアニオンが好ましい。
11SO で表されるアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン及びp−トルエンスルホン酸アニオンが好ましい。
(R11SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO及び(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
(R11SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO及び(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。また、2つの(R11SO)に対応する部分が互いに結合して環構造を形成した環状イミドも(R11SOで表されるアニオンとして挙げられる。
一価のアニオンとしては、上記アニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(ClO 、BrO 等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO 、ClSO 等)、硫酸イオン(CHSO 、CFSO 、HSO 等)、炭酸イオン(HCO 、CHCO 等)、アルミン酸イオン(AlCl 、AlF 等)、ヘキサフルオロビスマス酸イオン(BiF )、カルボン酸イオン(CHCOO、CFCOO、CCOO、CHCOO、CCOO、CFCOO等)、アリールホウ酸イオン(B(C 、CHCHCHCHB(C 等)、チオシアン酸イオン(SCN)及び硝酸イオン(NO )等が使用できる。
これらアニオンは置換基(以下、アニオンが有する置換基を「第4置換基」ともいう)を有していても良い。該第4置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子等が挙げられる。上記第4置換基が炭素原子を有する場合の炭素原子数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましい。
これらのアニオンのうち、スルホン酸アニオン及びカルボン酸アニオン等が好ましい。
<2>上記ヨードニウム塩化合物の合成方法
本発明のひとつの態様におけるヨードニウム塩化合物の合成方法について説明する。本発明においてはこれに限定されない。
まず、任意にR基を有するヨード安息香酸誘導体に塩化オキサリルを反応させ、対応するヨードベンゾイルクロリド誘導体を得る。次いで、R基及び任意にR基を有するベンゼン又はナフタレン誘導体をフリーデル・クラフツ反応によりヨードベンゾイルクロリド誘導体へ導入し、ヨードベンゾフェノン誘導体又はヨードナフトフェノン誘導体を得る。続いて、酸化剤によりヨウ素原子を酸化した後、芳香族求電子置換反応によりR基及び任意にR基を有する芳香族化合物を導入し、ヨードニウム塩前駆体を得る。さらに、上記ヨードニウム塩前駆体に対し、対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換を行うことで、目的とするヨードニウム塩化合物を得る。
<3>光酸発生剤
本発明のひとつの態様は、上記ヨードニウム塩化合物を含有する光酸発生剤である。
上記光酸発生剤は、上記ヨードニウム塩化合物を単独で又は組み合わせて含有することができる。
<4>組成物
本発明のひとつの態様は、上記光酸発生剤と、酸反応性化合物と、を含む組成物である。
(光酸発生剤)
本発明のひとつの態様の組成物中の上記光酸発生剤の含有量は、該光酸発生剤を除く組成物成分(以下、光酸発生剤を除く組成物成分を「基本組成物成分」ともいう)100質量部に対し0.1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、3〜15質量部であることがさらに好ましい。
上記光酸発生剤の含有量の算出において、有機溶剤は上記基本組成物成分に含まないこととする。
上記ヨードニウム塩化合物を含有する光酸発生剤(以下、「第1光酸発生剤」ともいう)以外のその他の光酸発生剤(以下、「第2光酸発生剤」ともいう)としては、汎用的なイオン性光酸発生剤と非イオン性光酸発生剤が挙げられる。イオン性光酸発生剤としては、例えば、上記以外のヨードニウム塩化合物及びスルホニウム塩化合物等のオニウム塩化合物が挙げられる。非イオン性光酸発生剤としてはN−スルホニルオキシイミド化合物、オキシムスルホネート化合物、有機ハロゲン化合物及びスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
上記第1光酸発生剤以外の第2光酸発生剤を含む場合、その含有量は光酸発生剤総量を除く上記基本組成物成分100質量部に対し0.1〜50質量部であることが好ましい。
(酸反応性化合物)
上記酸反応性化合物は、酸により脱保護する保護基を有する化合物、酸により重合する重合性基を有する化合物、及び、酸により架橋作用を有する架橋剤からなる群より選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
酸により脱保護する保護基を有する化合物とは、酸によって保護基が脱保護することにより極性基を生じ、現像液に対する溶解性が変化する化合物である。例えばアルカリ現像液等を用いる水系現像の場合は、アルカリ現像液に対して不溶性であるが、露光により上記光酸発生剤(上記第1光酸発生剤及び/又は第2光酸発生剤)から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記化合物から脱保護することにより、アルカリ現像液に対して可溶となる化合物である。
本発明のいくつかの態様においては、アルカリ現像液に限定されず、水系中性現像液又は有機溶剤現像液であってもよい。そのため、有機溶剤現像液を用いる場合は、酸により脱保護する保護基を有する化合物は、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記化合物から脱保護して極性基を生じ、有機溶剤現像液に対して溶解性が低下する化合物である。
上記極性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基及びスルホ基等が挙げられる。これらの中でも構造中に−OHを有する極性基が好ましく、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が好ましい。
酸で脱保護する保護基の具体例としては、カルボキシ基と第3級アルキルエステル基を形成する基;アルコキシアセタール基;テトラヒドロピラニル基;シロキシ基及びベンジロキシ基等が挙げられる。該保護基を有する化合物として、これら保護基がペンダントしたスチレン骨格、ノボラック骨格、メタクリレート又はアクリレート骨格を有する化合物等が好適に用いられる。
酸により脱保護する保護基を有する化合物は、保護基含有低分子化合物であっても、保護基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。
酸により重合する重合性基を有する化合物とは、酸によって重合することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、重合後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。具体的には、エポキシ基、ビニルオキシ基及びオキセタニル基等を有する化合物が挙げられる。
酸により重合する重合性基を有する化合物は、重合性低分子化合物であっても、重合性基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。
酸により架橋作用を有する架橋剤とは、酸によって架橋することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、重合後又は架橋後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。具体的には、エポキシ基、ビニルオキシ基、1−アルコキシアミノ基及びオキセタニル基等の架橋性基を有する架橋剤が挙げられる。該化合物が架橋作用を有する架橋剤であるとき、架橋する相手の化合物、つまり架橋剤と反応して現像液に対する溶解性が変化する化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
酸により架橋作用を有する化合物は、架橋性低分子化合物であっても、架橋性基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。
上記酸反応性化合物がポリマー成分であるとき、上記脱保護基を含有するユニットに加えて、レジスト組成物において通常用いられているその他のユニットをポリマー成分に含有させてもよい。その他のユニットとしては、例えば、ラクトン骨格、スルトン骨格及びラクタム骨格等からなる群より選択される少なくともいずれかの骨格を有するユニット;エーテル結合、エステル結合、アセタール結合等からなる群より選択される少なくともいずれかの結合を有する基を含有するユニット;ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアリール基含有ユニット;等が挙げられる。さらに、上記光酸発生剤をユニットとして含有しても良い。
上記酸反応性化合物が同一ポリマーのユニットとして含まれる場合、上記酸反応性化合物として作用するユニットは、ポリマー全ユニット中、5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
本発明のひとつの態様の組成物には、上記成分以外に必要により任意成分としてさらに、通常のレジスト組成物で用いられる酸拡散制御剤、界面活性剤、有機カルボン酸、有機溶剤、溶解抑制剤、安定剤及び色素、上記以外のポリマー、増感剤等を組み合わせて含んでいてもよい。
上記酸拡散制御剤は、光酸発生剤から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を制御する効果を奏する。そのため、得られるレジスト組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れたレジスト組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、例えば、同一分子内に窒素原子を1個有する化合物、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物、同一分子内に窒素原子を3個有する化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。また、酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。
酸拡散制御剤として具体的には、特許3577743号、特開2001−215689号、特開2001−166476号、特開2008−102383号、特開2010−243773号、特開2011−37835号及び特開2012−173505号等に記載の化合物が挙げられる。
酸拡散制御剤の含有量は、上記基本組成物成分100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.03〜5質量部であることがより好ましく、0.05〜3質量部であることがさらに好ましい。
上記界面活性剤は、塗布性を向上させるために用いることが好ましい。界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマー等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、上記基本組成物成分100質量部に対して0.0001〜2質量部であることが好ましく、0.0005〜1質量部であることがより好ましい。
上記有機カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸等を挙げることができる。電子線露光を真空下で行う際にはレジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい有機カルボン酸としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
有機カルボン酸の含有量は、上記基本組成物成分100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更により好ましくは0.01〜3質量部である。
有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が好ましい。これらの有機溶剤は単独又は組み合わせて用いられる。
上記基本組成物成分と光酸発生剤とを含む固形成分は、上記有機溶剤に溶解し、固形分濃度として組成物中に1〜40質量%で溶解していることが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。
増感剤としては、本発明のいくかの態様のヨードニウム塩化合物の効果を低減しなければ特に制限はないが、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、アルキルアルコール及びアリールアルコール等が挙げられる。
本発明のひとつの態様の組成物がポリマーを含む場合、ポリマーは、重量平均分子量が2000〜200000であることが好ましく、2000〜50000であることがより好ましく、2000〜15000であることがさらに好ましい。上記ポリマーの好ましい分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、感度の観点から、1.0〜1.7であり、より好ましくは1.0〜1.2である。上記ポリマーの重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。
本発明のひとつの態様の組成物は、上記組成物の各成分を混合することにより得られ、混合方法は特に限定されない。
<5>デバイスの製造方法
本発明のひとつの態様は、上記組成物を基板上に塗布する等してレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に活性エネルギー線を照射する工程と、上記活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて、レジスト膜を形成する工程と活性エネルギー線を照射する工程とパターンを得る工程とを含み、個片化チップを得る前のパターンを有する基板の製造方法であってもよい。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて基板上に塗布膜を形成する工程と、活性エネルギー線を用いて上記塗布膜を露光し、層間絶縁膜を得る工程と、を含むデバイスの製造方法であってもよい。
上記活性エネルギー線としては、本発明のいくつかの態様のヨードニウム塩化合物が、レジスト膜照射後に該レジスト膜中に酸を発生させることができれば特に制限はないが、例えば、KrFエキシマレーザ光、UV、可視光線等が好ましく、特にUV光のうち365nm(i線)領域の光を用いることが好ましい。
上記基板としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。例えば、シリコン、窒化シリコン、ガラス等のケイ素原子含有基板;チタン、タンタル、パラジウム、銅、クロム、アルミニウム等の金属製基板;等が挙げられる。
本発明のひとつの態様において、LSI作成のための層間絶縁膜等を得るために用いる活性エネルギー線としては、UV、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、電子線又は極端紫外線(EUV)等が好ましく挙げられる。
光の照射量は、上記組成物中の各成分の種類及び配合割合、並びに塗膜の膜厚等によって異なるが、1J/cm以下又は1000μC/cm以下であることが好ましい。
本発明のひとつの態様において、上記組成物により形成されたレジスト膜の膜厚は0.1〜10μmであることが好ましい。上記組成物は、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布され、60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークして薄膜を形成する。この塗布膜の膜厚は0.1〜10μmであることが好ましい。
以下、本発明のいくつかの態様を実施例によって、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
<ヨードニウム塩化合物の合成>
(合成例1)2−ヨードベンゾイルクロリドの合成
2−ヨード安息香酸4.3gを塩化メチレン30gに溶解して50℃とする。これに塩化オキサリル2.6gを10分間かけて滴下し40℃で2時間撹拌する。これを、70℃で塩化メチレンと過剰の塩化オキサリルを留去することで、2−ヨードベンゾイルクロリドを4.2g得る。
(合成例2)2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンの合成
塩化アルミニウム3.0gを塩化メチレン28gに添加して0℃とする。これにアニソール2.0gを添加した後、上記合成例1で得た2−ヨードベンゾイルクロリド4.2gを塩化メチレン8.4gに溶解して30分かけて滴下する。滴下後25℃で1時間撹拌し、純水60gを添加してさらに5分撹拌後、塩化メチレン20gで2回抽出し、5質量%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。これを分液して、得られた有機層を濃縮しヘキサン60gに滴下し固体を析出させる。析出した固体をろ別し、ヘキサン20gで2回洗浄した後、乾燥することで2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンを4.8g得る。
(合成例3)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
上記合成例2で得た2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノン4.7gと無水酢酸5.7gとをアセトニトリル11gに添加して0℃とする。これに硫酸5.5gと35質量%過酸化水素水1.6gとを滴下して25℃で1時間撹拌後、アニソール2.0gを滴下して25℃でさらに2時間撹拌する。冷却後純水30gとジイソプロピルエーテル30gとを添加する。これを分液して得られた水層にパーフルオロブタンスルホン酸カリウム4.7gと塩化メチレン30gとを添加し25℃で1時間撹拌する。これを分液して得られた有機層を3質量%炭酸水素ナトリウム水溶液30gで2回、純水30gで2回洗浄した後、有機層をジイソプロピルエーテル50gに滴下し固体を析出させる。析出した固体をろ別し、ジイソプロピルエーテル20gで2回洗浄した後、乾燥することで2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを8.7g得る。
(合成例4)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−2',4'−ジメトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
アニソールに代えて1,3−ジメトキシベンゼンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−2',4'−ジメトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを9.1g得る。
(合成例5)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−2',4',6'−トリメチルフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
アニソールに代えてメシチレンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−2',4',6'−トリメチルフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネート8.8gを得る。
(合成例6)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシ−3'−メチルフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
アニソールに代えて2−メトキシトルエンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシ−3'−メチルフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネート8.3gを得る。
(合成例7)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−3'−シアノメチル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
アニソールに代えて2−メトキシフェニルアセトニトリルを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−3'−シアノメチル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネート8.9gを得る。
(合成例8)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−3'−アセトニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
アニソールに代えて2−メトキシフェニルアセトンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−3'−アセトニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを9.1g得る。
(合成例9)ジエチレングリコールメチルフェニルエーテルの合成
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル2.7gをN,N−ジメチルホルムアミド14gに添加し、氷冷下でさらに水素化ナトリウム0.54gとヨードメタン3.2gとを添加し、室温で5時間撹拌する。その後、純水20gと塩化メチレン20gとを添加し、これを分液して得られた有機層を純水20gで3回洗浄し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することでジエチレングリコールメチルフェニルエーテルを2.4g得る。
(合成例10)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]フェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネート
アニソールに代えてジエチレングリコールメチルフェニルエーテルを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]フェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを9.8g得る。
(合成例11)4−フェニルオキシブチロニトリルの合成
フェノール3.4gと炭酸カリウム6.2gと4−クロロブチロニトリル3.1gとをジメチルスルホキシド33gに添加し、70℃で8時間撹拌する。その後、純水30gとn−ヘキサン30gと酢酸エチル30gとを添加し、これを分液して得られた有機層を5質量%水酸化ナトリウム水溶液40gと純水50gで1回ずつ洗浄し、溶媒留去することで4−フェニルオキシブチロニトリルを3.3g得る。
(合成例12)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−(3−シアノプロポキシ)フェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
アニソールに代えて4−フェニルオキシブチロニトリルを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−(3−シアノプロポキシ)フェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを9.1g得る。
(合成例13)フェニルオキシアセトニトリルの合成
4−クロロブチロニトリルに代えてクロロアセトニトリルを用いる以外は上記合成例11と同様の操作を行うことで、フェニルオキシアセトニトリルを2.7g得る。
(合成例14)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−(シアノメトキシ)フェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
アニソールに代えてフェニルオキシアセトニトリルを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−(シアノメトキシ)フェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを8.8g得る。
(合成例15)2−ヨード−4'−メトキシ−α−ナフトフェノンの合成
アニソールに代えて1−メトキシナフタレンを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで、2−ヨード−4'−メトキシ−α−ナフトフェノンを5.5得る。
(合成例16)2−(4−メトキシ−α−ナフトイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンに代えて2−ヨード−4'−メトキシ−α−ナフトフェノンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシ−α−ナフトイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを9.3g得る。
(合成例17)2−フルオロ−6−ヨードベンゾイルクロリドの合成
2−ヨード安息香酸に代えて2−フルオロ−6−ヨード安息香酸を用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで、2−フルオロ−6−ヨードベンゾイルクロリドを4.5g得る。
(合成例18)2−フルオロ−6−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンの合成
2−ヨードベンゾイルクロリドに代えて2−フルオロ−6−ヨードベンゾイルクロリドを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで、2−フルオロ−6−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンを5.1g得る。
(合成例19)3−フルオロ−2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンに代えて2−フルオロ−6−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、3−フルオロ−2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを8.9g得る。
(合成例20)4−n−ブトキシ−2'−ヨードベンゾフェノンの合成
アニソールに代えてn−ブチルフェニルエーテルを用い、またジイソプロピルエーテルによる晶析精製に代えてシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)による精製を行う以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4−n−ブトキシ−2'−ヨードベンゾフェノンを5.4g得る。
(合成例21)2−(4−n−ブトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンに代えて4−n−ブトキシ−2'−ヨードベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−n−ブトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを9.2g得る。
(合成例22)4−ヨードベンゾイルクロリドの合成
2−ヨード安息香酸に代えて4−ヨード安息香酸を用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで、4−ヨードベンゾイルクロリドを4.2g得る。
(合成例23)4−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンの合成
2−ヨードベンゾイルクロリドに代えて4−ヨードベンゾイルクロリドを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで、4−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンを4.8g得る。
(合成例24)4−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンに代えて4−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、4−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを8.7g得る。
(合成例25)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−テトラフルオロボレートの合成
パーフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−テトラフルオロボレートを6.2g得る。
(合成例26)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−ヘキサフルオロホスフェートの合成
パーフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてヘキサフルオロリン酸カリウムを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−ヘキサフルオロホスフェートを6.9g得る。
(合成例27)2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−テトラキス(ペンタフルロフェニル)ボレートの合成
パーフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−メトキシベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを13.1g得る。
(比較合成例1)4−t−ブチル−2'−ヨードベンゾフェノンの合成
アニソールに代えてt−ブチルベンゼンを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで、4−t−ブチル−2'−ヨードベンゾフェノンを5.2g得る。
(比較合成例2)2−(4−t−ブチルベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートの合成
2−ヨード−4'−メトキシベンゾフェノンに代えて4−t−ブチル−2'−ヨードベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで、2−(4−t−ブチルベンゾイル)フェニル−4'−メトキシフェニルヨードニウム−パーフルオロブタンスルホネートを9.0g得る。
<ポリマーの合成>
(合成例28)ポリマーの合成
ポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量8000)8.0gと0.010gの35質量%塩酸水溶液とを脱水ジオキサン28gに溶解する。そこに2.34gのエチルビニルエーテルを2.80gの脱水ジオキサンに溶解して30分かけてポリヒドロキシスチレン溶液に滴下する。滴下後に40℃として2時間撹拌する。撹拌後、冷却した後に0.014gのジメチルアミノピリジンを添加する。その後、溶液を260gの純水中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を純水300gで2回洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記に示すポリマーを8.9g得る。なお、本発明のいくつかの態様におけるポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
[実施例1〜6及び比較例1〜4]
<モル吸光係数測定>
上記ヨードニウム塩1〜5及びヨードニウム塩8、並びに、下記に示す比較スルホニウム塩及び比較ヨードニウム塩1〜3の各クロロホルム溶液(0.1mM)を調製し、紫外可視分光光度計(製品名:V−550、日本分光(株)製)を用いて吸光度を測定する。サンプル溶液の濃度と吸光度から、モル吸光係数を算出する。
<感度評価>
下記のようにしてサンプル1〜10を調製する。シクロヘキサノン3000mgに、上記ポリマー500mgと、光酸発生剤として上記ヨードニウム塩1〜5及びヨードニウム塩8、並びに、下記に示す比較スルホニウム塩及び比較ヨードニウム塩1〜3のいずれかをそれぞれ0.018mmolと、クエンチャーとしてのトリオクチルアミンを0.0006mmolと、界面活性剤としてのNovac FC−4434(3M製)を0.15mgと、有機カルボン酸としてのサリチル酸0.0008mmolとを用いサンプルを調製する。
調製したサンプルをあらかじめヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を行ったSiウェハー上に、各評価サンプル1〜13を塗布してスピンコートを行い110℃で加熱することで膜厚500nmのレジスト膜を得る。
次に、評価サンプルを線幅のハーフピッチが2μmの1:1のライン及びスペースパターンマスクを介して365nmの輝線を持つUV露光装置によって露光量を変えて露光する。次いで、ホットプレート上で110℃で1分間加熱する。
加熱後、現像液(製品名:NMD−3、水酸化テトラメチルアンモニウム2.38質量%水溶液、東京応化工業(株)製)を用いて1分間現像して現像を行い、純水でリンスすることでパターンを得る。これを顕微鏡で観察してレジストが完全に剥離されている露光量をEsize(最小露光量)とする。最小露光量を感度として評価した結果を表1に示す。それぞれのサンプルの感度は、ヨードニウム塩1を添加したサンプル(実施例1)の感度を100として、それに対する各サンプルの評価結果を相対値として算出する。
本発明のいくつかの態様におけるヨードニウム塩化合物を含有するサンプルである実施例1〜6は、比較例1〜4と比較して波長365nmのモル吸光係数が大きい。比較例1は4-メトキシベンゾイル基を有する比較スルホニウム塩を用い、比較例2はベンゾイルの4位にtertブチル基を有する比較ヨードニウム塩1を用い、比較例3及び4はそれぞれ酸素を介して若しくは直接結合により環状となった比較ヨードニウム塩3及び4を用いる。実施例1〜6はi線の吸収効率が高くなることで酸発生効率が向上し、比較オニウム塩化合物を用いた比較例1〜4よりも高感度化する。
すなわち、本発明のいくつかの態様のヨードニウム塩化合物は、ベンゾイル基の4位にメトキシ基等のアルキル基と比較して電子供与性が高い特定の置換基を有することで、i線に1×10cm/mol以上の吸収を持ち、感度が大きく向上する。また、本発明のいくつかの態様のヨードニウム塩化合物は、400nm以上の吸収が5×10cm/mol以下であるため、可視光における酸発生効率が著しく低く、可視光透過率が求められる場合に有効である。
なお、図1にヨードニウム塩1〜2、比較スルホニウム塩及び比較ヨードニウム塩1のUVスペクトルを示す。
本発明のいくつかの態様により、i線に対して高感度のヨードニウム塩化合物を提供できる。該ヨードニウム塩化合物は、活性エネルギー線としてi線を用いる化学増幅型レジスト組成物の光酸発生剤、及び光カチオン重合組成物の重合開始剤等として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記式(1)又は(2)で表されるヨードニウム塩化合物。


    (前記式(1)において、Rはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアリール基、アリールオキシアリール基、アルキルスルファニル基及びアリールスルファニル基からなる群より選択されるいずれかを表し、これらは置換基を有しても良く、
    、R及びRは独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素原子を有する場合の炭素原子数が1〜12であり、且つ、これらは置換基を有しても良く、
    はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアリール基、アリールオキシアリール基、アルキルスルファニル基及びアリールスルファニル基からなる群より選択されるいずれかを表し、これらは置換基を有しても良く、
    前記R〜Rがメチレン基を有するとき、前記メチレン基の少なくとも1つは2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
    m及びnは独立して各々に1〜2の整数であり、
    mが1のとき、aは1〜5の整数であり、bは0〜4の整数であり、a+bは1〜5の整数であり、
    mが2のとき、aは1〜7の整数であり、bは0〜6の整数であり、a+bは1〜7の整数であり、
    nが1のとき、dは0〜4の整数であり、
    nが2のとき、dは0〜6の整数であり、
    cは0〜4の整数であり、
    は一価の対アニオンを表す。
    前記式(2)において、R〜R、X、c及びmは、前記式(1)におけるR〜R、X、c及びmの各々と同じ選択肢から選択され、
    mは1〜2の整数であり、
    mが1のとき、eは1〜5の整数であり、fは0〜4の整数であり、e+fは1〜5の整数であり、
    mが2のとき、eは1〜7の整数であり、fは0〜6の整数であり、e+fは1〜7の整数であり、
    gは0〜2の整数であり、
    hは0〜4の整数である。)
  2. 波長365nmのモル吸光係数が1×10cm/mol以上、かつ、波長400nmのモル吸光係数が5×10cm/mol以下である、請求項1に記載のヨードニウム塩化合物。
  3. 請求項1又は2に記載のヨードニウム塩化合物を含有する光酸発生剤。
  4. 請求項3に記載の光酸発生剤と、酸反応性化合物と、を含む組成物。
  5. ヒドロキシアリール基を有するポリマー又はオリゴマーをさらに含む請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項4又は5に記載の組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に活性エネルギー線を照射する工程と、
    前記活性エネルギー線を照射した後のレジスト膜を現像してパターンを形成する工程と、を含むデバイスの製造方法。
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