JP2018188012A - 車両下部構造 - Google Patents

車両下部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2018188012A
JP2018188012A JP2017091940A JP2017091940A JP2018188012A JP 2018188012 A JP2018188012 A JP 2018188012A JP 2017091940 A JP2017091940 A JP 2017091940A JP 2017091940 A JP2017091940 A JP 2017091940A JP 2018188012 A JP2018188012 A JP 2018188012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cross member
vehicle
pair
reinforcing
trailing arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017091940A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6848661B2 (ja
Inventor
祐介 細見
Yusuke Hosomi
祐介 細見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2017091940A priority Critical patent/JP6848661B2/ja
Publication of JP2018188012A publication Critical patent/JP2018188012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6848661B2 publication Critical patent/JP6848661B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】少ない部品点数で、サスペンションからの荷重が入力されるサイドメンバの強度と剛性を高めて変形を抑制できる車両下部構造を提供する。【解決手段】車両下部構造1が適用された車両の両側部には一対サイドメンバ2が配置されている。一対のサイドメンバ2間にはクロスメンバ3が配置されている。一対のサイドメンバ2とクロスメンバ3両端部との間はクロスメンバエクステンション4によって繋がれている。クロスメンバ3の下面31は、一対のサイドメンバ2の下面21よりも上方に位置している。一対のトレーリングアーム支持部5は、一対のサイドメンバ2に固定されている。各クロスメンバエクステンション4は、隣接するサイドメンバ2側の端部にて下方に曲げられてサイドメンバ2の車幅方向内側面22に重ねられた縦壁部44と、クロスメンバ3の下面31とサイドメンバ2の下面21とを滑らかに繋いだ傾斜面部42と、を有している。【選択図】図5

Description

本発明は、車両下部構造に関するものである。
「トーションビーム式サスペンション」と呼ばれるサスペンションが、車両下部後方に取り付けられた車両下部構造が既に公知である(例えば特許文献1を参照)。このトーションビーム式サスペンションは、車両前後方向に延びた一対のトレーリングアームが車両の両側部に配置され、これら一対のトレーリングアームが車幅方向に延びたトーションビームで繋がれている。一対のトレーリングアームは、その前端が、車両両側部に配置されたサイドシルやサイドメンバなどに、ブラケット等のトレーリングアーム支持部を介して取り付けられている。
特開2013−18383号公報
上述した車両下部構造においては、トレーリングアーム支持部及びその近傍に大きな荷重が入力されることから、当該部位の変形を少ない部品点数で抑制するためには、当該部位の強度と剛性をバランスよく強化する必要があり、この点において従来の車両下部構造は改善の余地があった。
本発明はこのような観点からなされたものであり、少ない部品点数で、サスペンションからの荷重が入力されるサイドメンバの強度と剛性を高めて変形を抑制できる車両下部構造を提供することを課題とする。
本発明の車両下部構造は、車両の両側部に、車両前後方向に延びた一対のサイドメンバが配置され、前記一対のサイドメンバ間に、車幅方向に延びたクロスメンバが配置され、前記一対のサイドメンバと前記クロスメンバ両端部との間が、それぞれ、クロスメンバエクステンションによって繋がれており、前記クロスメンバの下面が前記一対のサイドメンバの下面よりも上方に位置した車両下部構造において、前記一対のクロスメンバエクステンションが、隣接する前記サイドメンバ側の端部にて下方に曲げられて前記サイドメンバの車幅方向内側面に重ねられた縦壁部と、前記クロスメンバの下面と前記サイドメンバの下面とを滑らかに繋いだ傾斜面部と、を有していることを特徴とする。
本発明の車両下部構造によれば、少ない部品点数で、サスペンションからの荷重が入力されるサイドメンバの強度と剛性を高め、該サイドメンバの変形を抑制することができる。
本発明の実施例にかかる車両下部構造が適用された車両の底面図である。 図1のD部の拡大図である(リアサスペンションは省略している)。 図1中のA−A線に沿った断面図である。 図2中のB−B線に沿った断面図である。 図1のD部の斜視図である(リアサスペンションは省略している)。 図5の部位における底面図である(リアサスペンションは省略している)。
本発明は、車両の両側部に、車両前後方向に延びた一対のサイドメンバが配置され、一対のサイドメンバ間に、車幅方向に延びたクロスメンバが配置され、一対のサイドメンバとクロスメンバ両端部との間が、それぞれ、クロスメンバエクステンションによって繋がれており、クロスメンバの下面が一対のサイドメンバの下面よりも上方に位置した車両下部構造において、一対のクロスメンバエクステンションが、隣接するサイドメンバ側の端部にて下方に曲げられてサイドメンバの車幅方向内側面に重ねられた縦壁部と、クロスメンバの下面とサイドメンバの下面とを滑らかに繋いだ傾斜面部と、を有していることを特徴とする車両下部構造である。
上記構成によれば、縦壁部がサイドメンバの車幅方向内側面に重ねられることによってサイドメンバの強度が高められ、サスペンションから入力された車両上下方向の荷重によるサイドメンバの断面変形を抑制することができる。また、傾斜面部がクロスメンバの下面とサイドメンバの下面とを滑らかに繋いでいることによってサイドメンバの剛性が高められ、サスペンションから入力された車両左右方向の荷重によるサイドメンバの断面変形を抑制することができる。このように、本発明の車両下部構造は、サスペンションからの荷重が入力されるサイドメンバの強度と剛性をバランスよく強化することができるので、少ない部品点数でサイドメンバの変形を抑制することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜6に示す本実施例の車両下部構造1は、自動車に適用される。また、図中の矢印FRONTは車両前後方向における前方を表しており、矢印INは車幅方向における内方を表しており、矢印UPは車両上下方向における上方を表している。
図1は、本発明の実施例にかかる車両下部構造1が適用された車両10の底面図である。図1において、符号2はサイドメンバである。また、符号2Lは車両10の左側に配置されたサイドメンバであり、符号2Rは車両10の右側に配置されたサイドメンバである。なお、本明細書において、「車両10の左側」とは、運転者からみた車両10の左側を意味する。同様に、「車両10の右側」とは、運転者からみた車両10の右側を意味する。符号3はクロスメンバである。符号4はクロスメンバエクステンションである。また、符号4Lは車両10の左側に配置されたクロスメンバエクステンションであり、符号4Rは車両10の右側に配置されたクロスメンバエクステンションである。
図1において、符号7はリアサスペンションである。符号71はリアサスペンション7を構成するトーションビームである。符号72はリアサスペンション7を構成するトレーリングアームである。符号73はリアサスペンション7のスプリングを取り付けるスプリング取付部である。符号74はリアサスペンション7のショックアブソーバを取り付けるブラケットである。
図1において、符号5はトレーリングアーム72の前端部72aを支持するトレーリングアーム支持部である。また、符号5Lは車両10の左側に配置されたトレーリングアーム支持部であり、符号5Rは車両10の右側に配置されたトレーリングアーム支持部である。符号6はトレーリングアーム支持部5の補強部材である。また、符号6Lは車両10の左側に配置された補強部材であり、符号6Rは車両10の右側に配置された補強部材である。
図1において、符号9はサイドシルである。また、符号9Lは車両10の左側に配置されたサイドシルであり、符号9Rは車両10の右側に配置されたサイドシルである。符号11はメインフロアパネルである。
図1に示すように、車両10の両側部には、車両前後方向に延びた一対のサイドシル9L,9Rが配置されており、これら一対のサイドシル9L,9Rの内側に、車両前後方向に延びた一対のサイドメンバ2L,2Rが配置されている。そして、一対のサイドメンバ2L,2R間かつリアフロアパネル11の下方に、車幅方向に延びたクロスメンバ3が配置されている。一対のサイドメンバ2L,2Rとクロスメンバ3両端部との間は、それぞれクロスメンバエクステンション4L,4Rによって繋がれている。一対のトレーリングアーム支持部5L,5Rは、クロスメンバ3両端部の延長線上に配置され、かつ、サイドシル9の後端とサイドメンバ2との間に設けられたスペースに配置されている。そして、各トレーリングアーム支持部5L,5Rの車幅方向内側に各補強部材6L,6Rが配置されている。また、トーションビーム71は、クロスメンバ3の後方に配置されている。また、図3,4に示すように、クロスメンバ3の下面31は、一対のサイドメンバ2L,2Rの下面21よりも上方に位置している。
一対のサイドメンバ2L,2Rは、金属板にプレス加工が施されて成形されている。一対のサイドメンバ2L,2Rは、図3,4に示すように、下面21と、下面21の車幅方向内側端部にて上方に曲げられた内側面22と、下面21の車幅方向外側端部にて上方に曲げられた外側面23と、を有し、断面コ字状に形成されている。内側面22の上端部及び外側面23の上端部は、リアフロアパネル11の側方に連なったフロアサイドパネル13に溶接されている。
クロスメンバ3は、金属板にプレス加工が施されて成形されている。クロスメンバ3は、図2,5に示すように、フロアパネル11と対向した下面31と、下面31の前端部にて上方に曲げられた前側面32と、下面31の後端部にて上方に曲げられた後側面33と、フロアパネル11に溶接された接合部34,35と、を有している。
一対のクロスメンバエクステンション4L,4Rは、左右対称形状であるため、代表してクロスメンバエクステンション4Rの構成を説明する。クロスメンバエクステンション4Rは、金属板にプレス加工が施されて成形されている。クロスメンバエクステンション4Rは、図4,5に示すように、クロスメンバ接合部41と、サイドメンバ接合部45と、傾斜面部42と、第2傾斜面部43と、縦壁部44と、前側面46と、後側面47と、フロアパネル接合部48,49と、を有している。
クロスメンバ接合部41は、クロスメンバ3の下面31の車幅方向外側端部に重ねられて溶接された部位である。サイドメンバ接合部45は、隣接するサイドメンバ2Rの下面21に重ねられて溶接された部位である。
傾斜面部42は、クロスメンバ接合部41とサイドメンバ接合部45とを滑らかに繋いだ傾斜面である。傾斜面部42におけるサイドメンバ2R側の端部は、サイドメンバ2Rの下面21における車幅方向内側端部に位置している。すなわち、傾斜面部42は、クロスメンバ3の下面31とサイドメンバ2Rの下面21とを滑らかに繋いでいる。
第2傾斜面部43は、クロスメンバ接合部41に連なり、サイドメンバ2Rの内側面22まで延びた傾斜面である。第2傾斜面部43におけるサイドメンバ2R側の端部は、サイドメンバ2Rの下面21よりも上方に位置している。第2傾斜面部43は、傾斜面部42と車両前後方向に隣接しており、傾斜面部42の後方に位置している。傾斜面部42及び第2傾斜面部43は、クロスメンバ接合部41からサイドメンバ2R側に近付くにしたがって下方に向かう方向に傾斜している。これらの傾斜角度は異なっており、傾斜面部42の傾斜角度が第2傾斜面部43の傾斜角度よりも大きい。
縦壁部44は、第2傾斜面部43におけるサイドメンバ2R側の端部にて下方に曲げられており、サイドメンバ2Rの下面21まで延びている。縦壁部44は、サイドメンバ2Rの内側面22に重ねられて溶接されている。縦壁部44は、傾斜面部42と車両前後方向に隣接しており、傾斜面部42の後方に位置している。また、縦壁部44は、第2傾斜面部43とサイドメンバ接合部45とを繋いでいる。
サイドメンバ接合部45は、傾斜面部42及び縦壁部44の端部にて車幅方向外側に曲げられている。サイドメンバ接合部45は、サイドメンバ2Rの下面21における車幅方向内側端部から下面21における車幅方向中央部まで延びている。
前側面46は、クロスメンバ接合部41及び傾斜面部42の前端部にて上方に曲げられた部位である。後側面47は、クロスメンバ接合部41及び第2傾斜面部43の後端部にて上方に曲げられた部位である。
フロアパネル接合部48は、前側面46の上端部にて前方に曲げられており、フロアパネル11に重ねられて溶接されている。フロアパネル接合部49は、後側面47の上端部にて後方に曲げられており、フロアパネル11に重ねられて溶接されている。
図6に示すように、クロスメンバエクステンション4Rの下面前端に形成された稜線は、上述した傾斜面部42に沿っており、この稜線は、クロスメンバ3の下面31前端に形成された稜線に連続している。この連続したクロスメンバ3の下面31前端の稜線及びクロスメンバエクステンション4Rの下面前端の稜線に符号L1を付す。稜線L1は、サイドメンバ2Rの下面21における車幅方向内側端部に形成された稜線L2と交わっている。すなわち、傾斜面部42を有するクロスメンバエクステンション4Rの下面前部は、クロスメンバ3の下面31とサイドメンバ2Rの下面21とを繋いでいる。また、クロスメンバエクステンション4Rの下面後端に形成された稜線は、クロスメンバ3の下面31後端に形成された稜線に連続している。この連続したクロスメンバ3の下面31後端の稜線及びクロスメンバエクステンション4Rの下面後端の稜線に符号L3を付す。
一対のトレーリングアーム支持部5L,5Rは、左右対称形状であるため、代表してトレーリングアーム支持部5Rの構成を説明する。トレーリングアーム支持部5Rは、図4に示すように、サイドメンバ2Rの外側面23に溶接された内側ブラケット51と、サイドシル9Rに溶接された外側ブラケット54と、を有している。外側ブラケット54は、内側ブラケット51と間隔をあけて対向した対向部52と、この対向部52と内側ブラケット51とを結合した結合部53で構成されている。トレーリングアーム72は、その前端部72aが内側ブラケット51と対向部52との間に配置されて、トレーリングアーム支持部5に搖動可能に支持される。
一対の補強部材6L,6Rは、左右対称形状であるため、代表して補強部材6Rの構成を説明する。補強部材6Rは、金属板にプレス加工が施されて成形されている。補強部材6Rは、図5に示すように、トレーリングアーム支持部5Rの内側ブラケット51における車幅方向内側部分に溶接された内側ブラケット接合面61と、フランジ部63と、内側補強部62と、前側補強部64と、サイドメンバ接合部65と、を有している。
内側ブラケット接合面61は、車両側面視において、クロスメンバエクステンション4Rの縦壁部44と車両前後方向の少なくとも一部が重なるように配置されていることが好ましく、本実施例では、車両前後方向のほぼ全域が重なるように配置されている。
フランジ部63は、クロスメンバエクステンション4Rの縦壁部44に重ねられて溶接された部位である。すなわち、図4中のE部においては、サイドメンバ2Rの内側面22、クロスメンバエクステンション4Rの縦壁部44、補強部材6Rのフランジ部63が順に重ねられて溶接されている。
内側補強部62は、内側ブラケット接合面61の後端からフランジ部63まで延びた部位である。内側補強部62は、クロスメンバエクステンション4Rの下面における後端の近傍に配置されている。図6に示すように、内側補強部62には、サイドメンバ2Rの下面21内側の稜線L2と交わる稜線L4が形成されている。内側補強部62の稜線L4は、車両10の底面側からみて、クロスメンバ3及びクロスメンバエクステンション4Rの下面後端の稜線L3の延長線上に位置している。
前側補強部64は、内側ブラケット接合面61の前端からサイドメンバ2Rの下面21まで車両前方に延びている。前側補強部64の前端は、クロスメンバ3及びクロスメンバエクステンション4Rの下面前端の稜線L1の延長線上に位置している。すなわち、図6に示すように、前側補強部64には、サイドメンバ2Rの下面21と交わる稜線L5が形成されており、この稜線L5の前端は、クロスメンバ3及びクロスメンバエクステンション4Rの下面前端の稜線L1の延長線上に位置している。前側補強部64は、車両側面視において、クロスメンバエクステンション4Rの傾斜面部42と車両前後方向の少なくとも一部が重なるように配置されていることが好ましく、本実施例では、車両前後方向のほぼ全域が重なるように配置されている。
サイドメンバ接合部65は、内側ブラケット接合面61の上端、内側補強部62の上端、及び、前側補強部64の上端に連なっている。サイドメンバ接合部65は、サイドメンバ2Rの下面21及びクロスメンバエクステンション4Rのサイドメンバ接合部45に重ねられてこれらに溶接されている。
さらに、図5に示すように、サイドメンバ2Rの内部には、クロスメンバエクステンション4Rの稜線L1と補強部材6Rの前側補強部64とを繋ぐように補強部材8が設けられている。これと同様に、サイドメンバ2Lの内部にも、クロスメンバエクステンション4Lの稜線L1と補強部材6Lの前側補強部64とを繋ぐように補強部材8が設けられている。
上記構成の車両下部構造1によれば、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両上下方向の荷重を、補強部材6L,6Rを介してサイドメンバ2L,2Rの内側面22で受けることができる。この内側面22は、トレーリングアーム支持部5L,5Rの近傍において、クロスメンバエクステンション4L,4Rの縦壁部44、補強部材6L,6Rのフランジ部63が重ねられることで強度が高められている。よって、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両上下方向の荷重によるサイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。また、クロスメンバエクステンション4L,4Rの傾斜面部42が、クロスメンバ3の下面31とサイドメンバ2L,2Rの下面21とを滑らかに繋いでいる。このことにより、サイドメンバ2L,2Rの剛性を高めることができ、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両左右方向の荷重によるサイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。
このように、車両下部構造1によれば、少ない部品点数で、サイドメンバ2L,2Rの剛性すなわち車体剛性を高めつつ、サイドメンバ2L,2Rの強度を高めることができる。よって、走行時にトレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両上下方向又は車両左右方向の荷重によりサイドメンバ2L,2Rが変形することを効果的に抑制することができる。
また、車両下部構造1は、上述したように、トレーリングアーム支持部5L,5Rの車幅方向内側に補強部材6L,6Rが結合され、補強部材6L,6Rが、サイドメンバ2L,2Rの内側面22及びクロスメンバエクステンション4L,4Rの縦壁部44に重ねられたフランジ部63を有している。このことにより、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された荷重を確実に縦壁部44に導くことができる。すなわち、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された荷重を、内側面22の縦壁部44によって強度が高められた部位に確実に導くことができ、サイドメンバ2L,2Rが変形することを効果的に抑制することができる。
また、車両下部構造1は、上述したように、補強部材6L,6Rが、内側ブラケット接合面61からフランジ部63まで延びた内側補強部62を有し、内側補強部62が、クロスメンバエクステンション4L,4Rの下面における後端の近傍に配置されている。クロスメンバエクステンション4L,4Rの下面後端には、上述した縦壁部44が設けられている。このことにより、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された荷重を、内側面22の縦壁部44によって強度が高められた部位に確実に導くことができ、サイドメンバ2L,2Rが変形することを効果的に抑制することができる。
また、車両下部構造1は、上述したように、補強部材6L,6Rが、内側ブラケット接合面61からサイドメンバ2L,2Rの下面21まで車両前方に延びた前側補強部64を有している。そして、前側補強部64の前端が、クロスメンバエクステンション4L,4Rの下面における前端に形成された稜線L1の延長線上に位置している。このことにより、サイドメンバ2L,2Rの剛性を高めることができ、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両左右方向の荷重によるサイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。さらに、サイドメンバ2L,2Rの剛性すなわち車体剛性を高めるとともにトレーリングアーム支持部5L,5Rの剛性を高めることができ、操安性を向上させることができる。
前述した実施例では、サイドメンバ2L,2Rの内側面22におけるトレーリングアーム支持部5L,5Rの近傍において、クロスメンバエクステンション4L,4Rの縦壁部44、補強部材6L,6Rのフランジ部63が重ねられていた。本発明においてはこのように、内側面22、縦壁部44、フランジ部63の3枚の板金が重ねられていることがより好ましいが、フランジ部63が縦壁部44に重ねられていることは必須の構成ではなく、少なくとも縦壁部44が内側面22に重ねられていればよい。この場合においても、内側面22の強度を高めることができ、サイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。
また、前述した実施例では、傾斜面部42と縦壁部44とが車両前後方向に隣接しており、縦壁部44が傾斜面部42の後方に位置していたが、本発明においては、縦壁部44が傾斜面部42の前方に位置していてもよい。その場合、内側補強部62と前側補強部64の位置関係が前後逆になってもよく、内側補強部62がクロスメンバエクステンション4Rの下面における前端の近傍に配置されてもよい。
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 車両下部構造
2 サイドメンバ
3 クロスメンバ
4 クロスメンバエクステンション
5 トレーリングアーム支持部
21 サイドメンバの下面
22 サドメンバの内側面
31 クロスメンバの下面
42 傾斜面部
44 縦壁部
本発明は、車両下部構造に関するものである。
「トーションビーム式サスペンション」と呼ばれるサスペンションが、車両下部後方に取り付けられた車両下部構造が既に公知である(例えば特許文献1を参照)。このトーションビーム式サスペンションは、車両前後方向に延びた一対のトレーリングアームが車両の両側部に配置され、これら一対のトレーリングアームが車幅方向に延びたトーションビームで繋がれている。一対のトレーリングアームは、その前端が、車両両側部に配置されたサイドシルやサイドメンバなどに、ブラケット等のトレーリングアーム支持部を介して取り付けられている。
特開2013−18383号公報
上述した車両下部構造においては、トレーリングアーム支持部及びその近傍に大きな荷重が入力されることから、当該部位の変形を少ない部品点数で抑制するためには、当該部位の強度と剛性をバランスよく強化する必要があり、この点において従来の車両下部構造は改善の余地があった。
本発明はこのような観点からなされたものであり、少ない部品点数で、サスペンションからの荷重が入力されるサイドメンバの強度と剛性を高めて変形を抑制できる車両下部構造を提供することを課題とする。
本発明の車両下部構造は、車両の両側部に、車両前後方向に延びた一対のサイドメンバが配置され、前記一対のサイドメンバ間に、車幅方向に延びたクロスメンバが配置され、前記一対のサイドメンバと前記クロスメンバ両端部との間が、それぞれ、クロスメンバエクステンションによって繋がれており、前記クロスメンバの下面が前記一対のサイドメンバの下面よりも上方に位置した車両下部構造において、前記一対のクロスメンバエクステンションが、隣接する前記サイドメンバ側の端部にて下方に曲げられて前記サイドメンバの車幅方向内側面に重ねられた縦壁部と、前記クロスメンバの下面と前記サイドメンバの下面とを滑らかに繋いだ傾斜面部と、を有していることを特徴とする。
本発明の車両下部構造によれば、少ない部品点数で、サスペンションからの荷重が入力されるサイドメンバの強度と剛性を高め、該サイドメンバの変形を抑制することができる。
本発明の実施例にかかる車両下部構造が適用された車両の底面図である。 図1のD部の拡大図である(リアサスペンションは省略している)。 図1中のA−A線に沿った断面図である。 図2中のB−B線に沿った断面図である。 図1のD部の斜視図である(リアサスペンションは省略している)。 図5の部位における底面図である(リアサスペンションは省略している)。
本発明は、車両の両側部に、車両前後方向に延びた一対のサイドメンバが配置され、一対のサイドメンバ間に、車幅方向に延びたクロスメンバが配置され、一対のサイドメンバとクロスメンバ両端部との間が、それぞれ、クロスメンバエクステンションによって繋がれており、クロスメンバの下面が一対のサイドメンバの下面よりも上方に位置した車両下部構造において、一対のクロスメンバエクステンションが、隣接するサイドメンバ側の端部にて下方に曲げられてサイドメンバの車幅方向内側面に重ねられた縦壁部と、クロスメンバの下面とサイドメンバの下面とを滑らかに繋いだ傾斜面部と、を有していることを特徴とする車両下部構造である。
上記構成によれば、縦壁部がサイドメンバの車幅方向内側面に重ねられることによってサイドメンバの強度が高められ、サスペンションから入力された車両上下方向の荷重によるサイドメンバの断面変形を抑制することができる。また、傾斜面部がクロスメンバの下面とサイドメンバの下面とを滑らかに繋いでいることによってサイドメンバの剛性が高められ、サスペンションから入力された車両左右方向の荷重によるサイドメンバの断面変形を抑制することができる。このように、本発明の車両下部構造は、サスペンションからの荷重が入力されるサイドメンバの強度と剛性をバランスよく強化することができるので、少ない部品点数でサイドメンバの変形を抑制することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜6に示す本実施例の車両下部構造1は、自動車に適用される。また、図中の矢印FRONTは車両前後方向における前方を表しており、矢印INは車幅方向における内方を表しており、矢印UPは車両上下方向における上方を表している。
図1は、本発明の実施例にかかる車両下部構造1が適用された車両10の底面図である。図1において、符号2はサイドメンバである。また、符号2Lは車両10の左側に配置されたサイドメンバであり、符号2Rは車両10の右側に配置されたサイドメンバである。なお、本明細書において、「車両10の左側」とは、運転者からみた車両10の左側を意味する。同様に、「車両10の右側」とは、運転者からみた車両10の右側を意味する。符号3はクロスメンバである。符号4はクロスメンバエクステンションである。また、符号4Lは車両10の左側に配置されたクロスメンバエクステンションであり、符号4Rは車両10の右側に配置されたクロスメンバエクステンションである。
図1において、符号7はリアサスペンションである。符号71はリアサスペンション7を構成するトーションビームである。符号72はリアサスペンション7を構成するトレーリングアームである。符号73はリアサスペンション7のスプリングを取り付けるスプリング取付部である。符号74はリアサスペンション7のショックアブソーバを取り付けるブラケットである。
図1において、符号5はトレーリングアーム72の前端部72aを支持するトレーリングアーム支持部である。また、符号5Lは車両10の左側に配置されたトレーリングアーム支持部であり、符号5Rは車両10の右側に配置されたトレーリングアーム支持部である。符号6はトレーリングアーム支持部5の補強部材である。また、符号6Lは車両10の左側に配置された補強部材であり、符号6Rは車両10の右側に配置された補強部材である。
図1において、符号9はサイドシルである。また、符号9Lは車両10の左側に配置されたサイドシルであり、符号9Rは車両10の右側に配置されたサイドシルである。符号11はリアフロアパネルである。
図1に示すように、車両10の両側部には、車両前後方向に延びた一対のサイドシル9L,9Rが配置されており、これら一対のサイドシル9L,9Rの内側に、車両前後方向に延びた一対のサイドメンバ2L,2Rが配置されている。そして、一対のサイドメンバ2L,2R間かつリアフロアパネル11の下方に、車幅方向に延びたクロスメンバ3が配置されている。一対のサイドメンバ2L,2Rとクロスメンバ3両端部との間は、それぞれクロスメンバエクステンション4L,4Rによって繋がれている。一対のトレーリングアーム支持部5L,5Rは、クロスメンバ3両端部の延長線上に配置され、かつ、サイドシル9の後端とサイドメンバ2との間に設けられたスペースに配置されている。そして、各トレーリングアーム支持部5L,5Rの車幅方向内側に各補強部材6L,6Rが配置されている。また、トーションビーム71は、クロスメンバ3の後方に配置されている。また、図3,4に示すように、クロスメンバ3の下面31は、一対のサイドメンバ2L,2Rの下面21よりも上方に位置している。
一対のサイドメンバ2L,2Rは、金属板にプレス加工が施されて成形されている。一対のサイドメンバ2L,2Rは、図3,4に示すように、下面21と、下面21の車幅方向内側端部にて上方に曲げられた内側面22と、下面21の車幅方向外側端部にて上方に曲げられた外側面23と、を有し、断面コ字状に形成されている。内側面22の上端部及び外側面23の上端部は、リアフロアパネル11の側方に連なったフロアサイドパネル13に溶接されている。
クロスメンバ3は、金属板にプレス加工が施されて成形されている。クロスメンバ3は、図2,5に示すように、リアフロアパネル11と対向した下面31と、下面31の前端部にて上方に曲げられた前側面32と、下面31の後端部にて上方に曲げられた後側面33と、リアフロアパネル11に溶接された接合部34,35と、を有している。
一対のクロスメンバエクステンション4L,4Rは、左右対称形状であるため、代表してクロスメンバエクステンション4Rの構成を説明する。クロスメンバエクステンション4Rは、金属板にプレス加工が施されて成形されている。クロスメンバエクステンション4Rは、図4,5に示すように、クロスメンバ接合部41と、サイドメンバ接合部45と、傾斜面部42と、第2傾斜面部43と、縦壁部44と、前側面46と、後側面47と、フロアパネル接合部48,49と、を有している。
クロスメンバ接合部41は、クロスメンバ3の下面31の車幅方向外側端部に重ねられて溶接された部位である。サイドメンバ接合部45は、隣接するサイドメンバ2Rの下面21に重ねられて溶接された部位である。
傾斜面部42は、クロスメンバ接合部41とサイドメンバ接合部45とを滑らかに繋いだ傾斜面である。傾斜面部42におけるサイドメンバ2R側の端部は、サイドメンバ2Rの下面21における車幅方向内側端部に位置している。すなわち、傾斜面部42は、クロスメンバ3の下面31とサイドメンバ2Rの下面21とを滑らかに繋いでいる。
第2傾斜面部43は、クロスメンバ接合部41に連なり、サイドメンバ2Rの内側面22まで延びた傾斜面である。第2傾斜面部43におけるサイドメンバ2R側の端部は、サイドメンバ2Rの下面21よりも上方に位置している。第2傾斜面部43は、傾斜面部42と車両前後方向に隣接しており、傾斜面部42の後方に位置している。傾斜面部42及び第2傾斜面部43は、クロスメンバ接合部41からサイドメンバ2R側に近付くにしたがって下方に向かう方向に傾斜している。これらの傾斜角度は異なっており、傾斜面部42の傾斜角度が第2傾斜面部43の傾斜角度よりも大きい。
縦壁部44は、第2傾斜面部43におけるサイドメンバ2R側の端部にて下方に曲げられており、サイドメンバ2Rの下面21まで延びている。縦壁部44は、サイドメンバ2Rの内側面22に重ねられて溶接されている。縦壁部44は、傾斜面部42と車両前後方向に隣接しており、傾斜面部42の後方に位置している。また、縦壁部44は、第2傾斜面部43とサイドメンバ接合部45とを繋いでいる。
サイドメンバ接合部45は、傾斜面部42及び縦壁部44の端部にて車幅方向外側に曲げられている。サイドメンバ接合部45は、サイドメンバ2Rの下面21における車幅方向内側端部から下面21における車幅方向中央部まで延びている。
前側面46は、クロスメンバ接合部41及び傾斜面部42の前端部にて上方に曲げられた部位である。後側面47は、クロスメンバ接合部41及び第2傾斜面部43の後端部にて上方に曲げられた部位である。
フロアパネル接合部48は、前側面46の上端部にて前方に曲げられており、リアフロアパネル11に重ねられて溶接されている。フロアパネル接合部49は、後側面47の上端部にて後方に曲げられており、リアフロアパネル11に重ねられて溶接されている。
図6に示すように、クロスメンバエクステンション4Rの下面前端に形成された稜線は、上述した傾斜面部42に沿っており、この稜線は、クロスメンバ3の下面31前端に形成された稜線に連続している。この連続したクロスメンバ3の下面31前端の稜線及びクロスメンバエクステンション4Rの下面前端の稜線に符号L1を付す。稜線L1は、サイドメンバ2Rの下面21における車幅方向内側端部に形成された稜線L2と交わっている。すなわち、傾斜面部42を有するクロスメンバエクステンション4Rの下面前部は、クロスメンバ3の下面31とサイドメンバ2Rの下面21とを繋いでいる。また、クロスメンバエクステンション4Rの下面後端に形成された稜線は、クロスメンバ3の下面31後端に形成された稜線に連続している。この連続したクロスメンバ3の下面31後端の稜線及びクロスメンバエクステンション4Rの下面後端の稜線に符号L3を付す。
一対のトレーリングアーム支持部5L,5Rは、左右対称形状であるため、代表してトレーリングアーム支持部5Rの構成を説明する。トレーリングアーム支持部5Rは、図4に示すように、サイドメンバ2Rの外側面23に溶接された内側ブラケット51と、サイドシル9Rに溶接された外側ブラケット54と、を有している。外側ブラケット54は、内側ブラケット51と間隔をあけて対向した対向部52と、この対向部52と内側ブラケット51とを結合した結合部53で構成されている。トレーリングアーム72は、その前端部72aが内側ブラケット51と対向部52との間に配置されて、トレーリングアーム支持部5に搖動可能に支持される。
一対の補強部材6L,6Rは、左右対称形状であるため、代表して補強部材6Rの構成を説明する。補強部材6Rは、金属板にプレス加工が施されて成形されている。補強部材6Rは、図5に示すように、トレーリングアーム支持部5Rの内側ブラケット51における車幅方向内側部分に溶接された内側ブラケット接合面61と、フランジ部63と、内側補強部62と、前側補強部64と、サイドメンバ接合部65と、を有している。
内側ブラケット接合面61は、車両側面視において、クロスメンバエクステンション4Rの縦壁部44と車両前後方向の少なくとも一部が重なるように配置されていることが好ましく、本実施例では、車両前後方向のほぼ全域が重なるように配置されている。
フランジ部63は、クロスメンバエクステンション4Rの縦壁部44に重ねられて溶接された部位である。すなわち、図4中のE部においては、サイドメンバ2Rの内側面22、クロスメンバエクステンション4Rの縦壁部44、補強部材6Rのフランジ部63が順に重ねられて溶接されている。
内側補強部62は、内側ブラケット接合面61の後端からフランジ部63まで延びた部位である。内側補強部62は、クロスメンバエクステンション4Rの下面における後端の近傍に配置されている。図6に示すように、内側補強部62には、サイドメンバ2Rの下面21内側の稜線L2と交わる稜線L4が形成されている。内側補強部62の稜線L4は、車両10の底面側からみて、クロスメンバ3及びクロスメンバエクステンション4Rの下面後端の稜線L3の延長線上に位置している。
前側補強部64は、内側ブラケット接合面61の前端からサイドメンバ2Rの下面21まで車両前方に延びている。前側補強部64の前端は、クロスメンバ3及びクロスメンバエクステンション4Rの下面前端の稜線L1の延長線上に位置している。すなわち、図6に示すように、前側補強部64には、サイドメンバ2Rの下面21と交わる稜線L5が形成されており、この稜線L5の前端は、クロスメンバ3及びクロスメンバエクステンション4Rの下面前端の稜線L1の延長線上に位置している。前側補強部64は、車両側面視において、クロスメンバエクステンション4Rの傾斜面部42と車両前後方向の少なくとも一部が重なるように配置されていることが好ましく、本実施例では、車両前後方向のほぼ全域が重なるように配置されている。
サイドメンバ接合部65は、内側ブラケット接合面61の上端、内側補強部62の上端、及び、前側補強部64の上端に連なっている。サイドメンバ接合部65は、サイドメンバ2Rの下面21及びクロスメンバエクステンション4Rのサイドメンバ接合部45に重ねられてこれらに溶接されている。
さらに、図5に示すように、サイドメンバ2Rの内部には、クロスメンバエクステンション4Rの稜線L1と補強部材6Rの前側補強部64とを繋ぐように補強部材8が設けられている。これと同様に、サイドメンバ2Lの内部にも、クロスメンバエクステンション4Lの稜線L1と補強部材6Lの前側補強部64とを繋ぐように補強部材8が設けられている。
上記構成の車両下部構造1によれば、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両上下方向の荷重を、補強部材6L,6Rを介してサイドメンバ2L,2Rの内側面22で受けることができる。この内側面22は、トレーリングアーム支持部5L,5Rの近傍において、クロスメンバエクステンション4L,4Rの縦壁部44、補強部材6L,6Rのフランジ部63が重ねられることで強度が高められている。よって、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両上下方向の荷重によるサイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。また、クロスメンバエクステンション4L,4Rの傾斜面部42が、クロスメンバ3の下面31とサイドメンバ2L,2Rの下面21とを滑らかに繋いでいる。このことにより、サイドメンバ2L,2Rの剛性を高めることができ、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両左右方向の荷重によるサイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。
このように、車両下部構造1によれば、少ない部品点数で、サイドメンバ2L,2Rの剛性すなわち車体剛性を高めつつ、サイドメンバ2L,2Rの強度を高めることができる。よって、走行時にトレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両上下方向又は車両左右方向の荷重によりサイドメンバ2L,2Rが変形することを効果的に抑制することができる。
また、車両下部構造1は、上述したように、トレーリングアーム支持部5L,5Rの車幅方向内側に補強部材6L,6Rが結合され、補強部材6L,6Rが、サイドメンバ2L,2Rの内側面22及びクロスメンバエクステンション4L,4Rの縦壁部44に重ねられたフランジ部63を有している。このことにより、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された荷重を確実に縦壁部44に導くことができる。すなわち、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された荷重を、内側面22の縦壁部44によって強度が高められた部位に確実に導くことができ、サイドメンバ2L,2Rが変形することを効果的に抑制することができる。
また、車両下部構造1は、上述したように、補強部材6L,6Rが、内側ブラケット接合面61からフランジ部63まで延びた内側補強部62を有し、内側補強部62が、クロスメンバエクステンション4L,4Rの下面における後端の近傍に配置されている。クロスメンバエクステンション4L,4Rの下面後端には、上述した縦壁部44が設けられている。このことにより、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された荷重を、内側面22の縦壁部44によって強度が高められた部位に確実に導くことができ、サイドメンバ2L,2Rが変形することを効果的に抑制することができる。
また、車両下部構造1は、上述したように、補強部材6L,6Rが、内側ブラケット接合面61からサイドメンバ2L,2Rの下面21まで車両前方に延びた前側補強部64を有している。そして、前側補強部64の前端が、クロスメンバエクステンション4L,4Rの下面における前端に形成された稜線L1の延長線上に位置している。このことにより、サイドメンバ2L,2Rの剛性を高めることができ、トレーリングアーム支持部5L,5Rに入力された車両左右方向の荷重によるサイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。さらに、サイドメンバ2L,2Rの剛性すなわち車体剛性を高めるとともにトレーリングアーム支持部5L,5Rの剛性を高めることができ、操安性を向上させることができる。
前述した実施例では、サイドメンバ2L,2Rの内側面22におけるトレーリングアーム支持部5L,5Rの近傍において、クロスメンバエクステンション4L,4Rの縦壁部44、補強部材6L,6Rのフランジ部63が重ねられていた。本発明においてはこのように、内側面22、縦壁部44、フランジ部63の3枚の板金が重ねられていることがより好ましいが、フランジ部63が縦壁部44に重ねられていることは必須の構成ではなく、少なくとも縦壁部44が内側面22に重ねられていればよい。この場合においても、内側面22の強度を高めることができ、サイドメンバ2L,2Rの断面変形を抑制することができる。
また、前述した実施例では、傾斜面部42と縦壁部44とが車両前後方向に隣接しており、縦壁部44が傾斜面部42の後方に位置していたが、本発明においては、縦壁部44が傾斜面部42の前方に位置していてもよい。その場合、内側補強部62と前側補強部64の位置関係が前後逆になってもよく、内側補強部62がクロスメンバエクステンション4Rの下面における前端の近傍に配置されてもよい。
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 車両下部構造
2 サイドメンバ
3 クロスメンバ
4 クロスメンバエクステンション
5 トレーリングアーム支持部
21 サイドメンバの下面
22 サドメンバの内側面
31 クロスメンバの下面
42 傾斜面部
44 縦壁部

Claims (4)

  1. 車両の両側部に、車両前後方向に延びた一対のサイドメンバが配置され、
    前記一対のサイドメンバ間に、車幅方向に延びたクロスメンバが配置され、
    前記一対のサイドメンバと前記クロスメンバ両端部との間が、それぞれ、クロスメンバエクステンションによって繋がれており、
    前記クロスメンバの下面が前記一対のサイドメンバの下面よりも上方に位置した車両下部構造において、
    前記一対のクロスメンバエクステンションが、隣接する前記サイドメンバ側の端部にて下方に曲げられて前記サイドメンバの車幅方向内側面に重ねられた縦壁部と、前記クロスメンバの下面と前記サイドメンバの下面とを滑らかに繋いだ傾斜面部と、を有している
    ことを特徴とする車両下部構造。
  2. 一対のトレーリングアーム支持部が前記一対のサイドメンバにそれぞれ固定され、
    前記一対のトレーリングアーム支持部が、前記クロスメンバ両端部の延長線上に配置され、
    各トレーリングアーム支持部の車幅方向内側に補強部材が結合され、該補強部材が前記サイドメンバに固定されており、
    前記補強部材が、前記サイドメンバの内側面及び前記クロスメンバエクステンションの前記縦壁部に重ねられたフランジ部を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両下部構造。
  3. 前記補強部材が、前記トレーリングアーム支持部との接合面から前記フランジ部まで延びた内側補強部を有し、
    前記内側補強部が、前記クロスメンバエクステンションの下面における前端又は後端の近傍に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両下部構造。
  4. 前記補強部材が、前記トレーリングアーム支持部との接合面から前記サイドメンバの下面まで車両前方に延びた前側補強部を有し、
    前記前側補強部の前端が、前記クロスメンバエクステンションの下面における前端に形成された稜線の延長線上に位置している
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両下部構造。
JP2017091940A 2017-05-02 2017-05-02 車両下部構造 Active JP6848661B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017091940A JP6848661B2 (ja) 2017-05-02 2017-05-02 車両下部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017091940A JP6848661B2 (ja) 2017-05-02 2017-05-02 車両下部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018188012A true JP2018188012A (ja) 2018-11-29
JP6848661B2 JP6848661B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=64477946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017091940A Active JP6848661B2 (ja) 2017-05-02 2017-05-02 車両下部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6848661B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023010972A (ja) * 2019-02-22 2023-01-20 スズキ株式会社 車両下部構造

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06127435A (ja) * 1992-10-20 1994-05-10 Toyota Motor Corp リヤアンダボデー構造
JP2011240822A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Toyota Motor Corp 車体構造
JP2013018383A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Honda Motor Co Ltd トレーリングアームの取付構造
JP2014201072A (ja) * 2013-03-31 2014-10-27 ダイハツ工業株式会社 リヤサスペンションブラケット構造
JP2015013629A (ja) * 2013-07-08 2015-01-22 スズキ株式会社 トレーリングアーム取付部構造
JP2016107692A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 三菱自動車工業株式会社 車体下部構造

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06127435A (ja) * 1992-10-20 1994-05-10 Toyota Motor Corp リヤアンダボデー構造
JP2011240822A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Toyota Motor Corp 車体構造
JP2013018383A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Honda Motor Co Ltd トレーリングアームの取付構造
JP2014201072A (ja) * 2013-03-31 2014-10-27 ダイハツ工業株式会社 リヤサスペンションブラケット構造
JP2015013629A (ja) * 2013-07-08 2015-01-22 スズキ株式会社 トレーリングアーム取付部構造
JP2016107692A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 三菱自動車工業株式会社 車体下部構造

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023010972A (ja) * 2019-02-22 2023-01-20 スズキ株式会社 車両下部構造
JP2023010970A (ja) * 2019-02-22 2023-01-20 スズキ株式会社 車両下部構造
JP2023010971A (ja) * 2019-02-22 2023-01-20 スズキ株式会社 車両下部構造
JP7373138B2 (ja) 2019-02-22 2023-11-02 スズキ株式会社 車両下部構造
JP7373139B2 (ja) 2019-02-22 2023-11-02 スズキ株式会社 車両下部構造
JP7414115B2 (ja) 2019-02-22 2024-01-16 スズキ株式会社 車両下部構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP6848661B2 (ja) 2021-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6413149B2 (ja) 車体前部構造
JP2013169812A (ja) リヤサブフレームの車体取付け構造
JP5075949B2 (ja) 車体前部構造
JP6590862B2 (ja) サスペンションアーム支持構造
JP5751340B2 (ja) センタピラーとルーフサイドレールとの結合構造
JP2014004849A (ja) 車体フロア構造
JP6272931B2 (ja) 車体構造
JP6483756B2 (ja) サスペンションアーム支持構造
JP2012035646A (ja) 車体下部構造
JP2012187948A (ja) 自動車の車体前部構造
JP2018188012A (ja) 車両下部構造
JP2020147067A (ja) 車両前部構造
JP6051940B2 (ja) ストラットタワー補強構造
JP5515956B2 (ja) 車両の上部車体構造
JP6612094B2 (ja) 車体後部構造
JP6706640B2 (ja) 車両の後部開口構造
JP2018075937A (ja) 車両後部構造
JP2018114918A (ja) 車体構造
JP5915237B2 (ja) 自動車のサブフレーム構造
JP6119688B2 (ja) 車両の後部車体構造
JP6491927B2 (ja) 車体前部構造
JP4757240B2 (ja) 車体の前部構造
JP4421398B2 (ja) 後部車体構造
JP7369083B2 (ja) 車体上部構造
WO2023062676A1 (ja) 車体構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170512

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180320

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180809

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6848661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151