JP2018178090A - ポリウレタン樹脂組成物水性分散体 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリウレタン樹脂水性分散体にブロックイソシアネート基を導入する方法としては、例えば、イソシアネート基末端のポリウレタン樹脂を合成し、末端イソシアネート基をブロック化した後に乳化分散させたポリウレタン樹脂水性分散体が開示されている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタン樹脂水性分散体は末端にブロックイソシアネート基を導入しているため、密着性向上を狙ってブロックイソシアネート基含量を上げるとウレタン樹脂の分子量が低下し、皮膜強度の低下が顕著となり、密着性と皮膜強度の両立が困難であるという問題があった
また、密着性と皮膜強度を両立する方法として、高架橋性のポリウレタン樹脂水性分散体の粒子にノニオン性極性基を有するブロックイソシアネート化合物を内包させたポリウレタン樹脂組成物水性分散体が開示されている(特許文献4参照)。特許文献4のようなポリウレタン樹脂とブロックイソシアネート化合物を含む樹脂組成物において、基材との密着性や皮膜強度を十分に発現するためには、加熱による脱ブロック化で生じたイソシアネート基が基材に存在する活性水素基と反応すると共に、ポリウレタン樹脂に存在する活性水素基とも反応する必要がある。しかしながら、特許文献4に記載のポリウレタン樹脂組成物水性分散体は、イソシアネート基と反応しうる活性水素基として、ウレタン基、ウレア基といった、反応性の低い活性水素基のみしか存在しておらず、特に低温の焼き付け条件では基材との密着性や皮膜強度が不十分となるという問題があった。
即ち本発明は、カルボキシル基、カルボキシレートアニオン基及び水酸基から選ばれる1種以上の官能基(f) を有するポリウレタン樹脂(U)、カルボジイミド基(t1)、オキサゾリン基(t2)、エポキシ基(t3)及びシラノール基(t4)から選ばれる1種以上の官能基を分子内に2個以上有する架橋剤(T)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(J)及び水性媒体を含有するポリウレタン樹脂組成物水性分散体であって、ポリイソシアネート化合物(J)が及びカルボキシル基、カルボキシレートアニオン基及び水酸基から選ばれる1種以上の基である官能基(g)を有するポリイソシアネート化合物(I)とイソシアネートブロック化剤(E)との反応物であるポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q);該ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q)、顔料、及び保湿安定助剤を含有するインクジェットインク(L)である。
本発明における架橋剤(T)中のカルボジイミド基(t1)、オキサゾリン基(t2)、エポキシ基(t3)、シラノール基(t4)と反応性を有する官能基(f)としては、カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基(f1)、及び水酸基(f2)が挙げられる。
(f1)の場合、(f1)を有するポリウレタン樹脂(U)は、その構成単量体としてカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基(f1)と2個の活性水素原子を含有する化合物(c)を有するポリウレタン樹脂(U)が挙げられる。
炭素数1〜20のアミン化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びモノエタノールアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン等の2級アミン並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルモノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等の3級アミンが挙げられる。
くは0.10〜1.2mmol/g、より好ましくは0.10〜1.1mmol/g、更に好ましくは0.10〜1.0mmol/gとなるよう調節する。
モノ又はジアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等が挙げられる。
尚、本発明におけるポリオールのMnはポリエチレングリコールを標準としてゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。但し、低分子ポリオールのMnは化学式からの計算値である。
コール、保土谷化学工業(株)製]、PTGL3000[Mn=3,000の変性ポリ(
オキシテトラメチレン)グリコール、保土谷化学工業(株)製]、及びサンニックスジオールGP−3000[Mn=3,000のポリプロピレンエーテルトリオール、三洋化成工業(株)製]等が挙げられる。
低分子量多価アルコールとしては、Mn300未満の2価〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びMn300未満の2価〜8価又はそれ以上のフェノールのアルキレンオキサイド(EO、PO、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキサイド等を表し、以下AOと略記)低モル付加物が使用できる。
縮合型ポリエステルポリオールに使用できる低分子量多価アルコールの内好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのEO又はPO低モル付加物及びこれらの併用である。
ンアジペートジオール]、クラレポリオールP−3010[Mn=3,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール]及びクラレポリオールP−6010[Mn=6,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール]等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
(c01)としては、例えばアニオン性基としてカルボキシル基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[ジアルキロールアルカン酸(例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸)、酒石酸及びアミノ酸(例えばグリシン、アラニン及びバリン)等]、アニオン性基としてスルホン酸基を含有し、炭素数が2〜16の化合物[3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸及びスルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル等]、アニオン性基としてスルファミン酸基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[N,N−ビス(2−ヒドロキシルエチル)スルファミン酸等]等並びにこれらの化合物を中和剤で中和した塩が挙げられる。
官能基(f)がカルボキシル基であるならば、架橋剤(T)はカルボキシル基と反応性を有するカルボジイミド基(t1)を分子中に2個以上有する含有する架橋剤(T1)や、オキサゾリン基(t2)を分子中に2個以上有する含有する架橋剤(T2)、エポキシ基(t3)を分子中に2個以上有する架橋剤(T3)等が選択される。
官能基(f)が水酸基であるならば、架橋剤(T)は水酸基と反応性を有するエポキシ基(t3)を分子中に2個以上有する架橋剤(T3)や、シラノール基(t4)を分子中に2個以上有する架橋剤(T4)等が選択される。
ウレタン基含量は得られる皮膜の機械的物性、破断伸度、密着性の観点から0.5〜3.0mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5mmol/g、特に好ましくは0.9〜2.0mmol/gである。
ウレタン基含量は、窒素分析計によって定量されるN原子含量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率及びアロハネート基及びビューレット基含量から算出する。
ウレア基含量は窒素分析計によって定量されるN原子含量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率及びアロハネート基及びビューレット基含量から算出する。
本発明における架橋剤(T)と反応性を有する官能基(g)としては、カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基(g1)、及び水酸基(g2)が挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネート化合物(J)は、架橋剤(T)と反応性を有する官能基(g)を有するポリイソシアネート化合物(I)をブロック化剤(E)でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物である。以下各成分について説明する。
[1]官能基(g)を有し、かつイソシアネート基と反応性を有する活性水素基を有する化合物(X1)をポリイソシアネート(B)あるいは、(P1)のイソシアネート基の一部と反応させれば良い。
[2](P1)の構成成分であるポリオール(a)の一部に官能基(g)を有するポリオール(X2)を使用する。ポリオール(a)の一部とは下記官能基(g)の含有量となるような量である。
官能基(g)が水酸基であるならば、(X1)として、前記ポリウレタン樹脂(U)の反応停止剤として例示したモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン類が挙げられる。
具体的に水酸基を(B)あるいは(P1)の一部に導入する導入する方法としては、(B)あるいは(P1)のイソシアネート基の一部をブロック化剤(e)でブロック化した後に、残存するイソシアネート基の全量を前記モノ又はジアルカノールアミン類のアミノ基と反応させる、又は、(B)あるいは(P1)のイソシアネート基の一部を前記モノ又はジアルカノールアミン類のアミノ基と反応させた後、直ちに残存するイソシアネート基の全量を水酸基よりも反応性の高い、アミノ基等を有するブロック化剤と反応させれば良い。イソシアネート基の一部とは下記官能基(g)の含有量となるような量である。
官能基(g)がカルボキシル基であるならば、架橋剤(T)はカルボキシル基と反応性を有するカルボジイミド基(t1)を分子中に2個以上有する含有する架橋剤(T1)や、オキサゾリン基(t2)を分子中に2個以上有する含有する架橋剤(T2)、エポキシ基(t3)を分子中に2個以上有する架橋剤(T3)等が選択される。
官能基(g)が水酸基であるならば、架橋剤(T)は水酸基と反応性を有するエポキシ基(t3)を分子中に2個以上有する架橋剤(T3)や、シラノール基(t4)を分子中に2個以上有する架橋剤(T4)等が選択される。
ポリウレタン樹脂組成物水性分散体を製造する方法としては、例えば、ポリオール(a)、ポリイソシアネート(B)、及び親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)を構成単量体とするポリウレタンプレポリマー(P2)とブロック化ポリイソシアネート化合物(J)、中和剤を所定の重量比で混合後に水性媒体を加えて混合・分散工程を経て、水性分散体とした後に(P2)と反応性を有する鎖伸長剤(d)を反応させ、必要により製造途中で使用した有機溶剤を留去する方法がある。架橋剤(T)は、(P2)と(J)の混合時、水分散工程途中、水分散工程後、有機溶剤の留去後のいずれの時期に混合しても良いが、水分散体の安定性の観点から、水分散工程後に混合することが好ましく、特に有機溶剤の留去後に混合することが好ましい。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコール等)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレート等)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン及びポリエーテル変性シリコーン等)等が挙げられる。
劣化防止剤及び安定化剤(紫外線吸収剤及び酸化防止剤等)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系劣化防止剤及び安定化剤等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤の含有量は、インクジェットインク(L)の重量に基づいてそれぞれ好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
<製造例1>
撹拌機及び温度計を備えた簡易加圧反応容器にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(旭化成社製「デュラネートTPA−100」)44.9部及び化合物(X)としてグリコール酸1.8部、溶剤としてアセトン30部を仕込み、80℃で5時間反応させた後、冷却してポリイソシアネート化合物(I1−1)を得た。その後、イソシアネートブロック化剤(E)として3,5−ジメチルピラゾール23.3部を仕込んで、70℃で2時間ブロック化反応を行い、官能基(g)としてカルボキシル基を有するブロックポリポリイソシアネート化合物 (J−1)を得た。
撹拌機及び温度計を備えた簡易加圧反応容器に、ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製「サンニックス PP−1000」;分子量=1000)41.5部とポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製「サンニックス TP−400」;分子量=1000)6.5部と化合物(X)として2,2−ジメチロールプロピオン酸2.4部、トリレンジイソシアネート15.5部及び溶剤としてアセトン30部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下、80℃で5時間反応させた後、冷却してポリイソシアネート化合物(I2−1)を得た。その後、40℃でイソシアネートブロック化剤(E)としてメチルエチルケトンオキシムを4.1部仕込んで、70℃で2時間ブロック化反応を行い、官能基(g)としてカルボキシル基を有するブロックポリイソシアネート化合物 (J−2)を得た。
撹拌機及び温度計を備えた簡易加圧反応容器に40℃でヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(旭化成社製「デュラネート24A−100」)36.0部、反応溶剤としてアセトン30部、化合物(X)としてジエタノールアミン4.3部を仕込み、40℃で5分間反応させ、ポリイソシアネート化合物(I1−2)を得た。その後、イソシアネートブロック化剤(E)としてマロン酸ジエチル29.7部を仕込んで、70℃で2時間ブロック化反応を行い、官能基(g)として水酸基を有するポリイソシアネート化合物(J−3)を得た。
撹拌機及び温度計を備えた簡易加圧反応容器にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(旭化成社製「デュラネートTPA−100」)45.1部及び、反応溶剤としてアセトン30部を仕込み、80℃で5時間反応させた後、冷却してポリイソシアネート化合物(I1’−1)を得た。その後、イソシアネートブロック化剤(E)として3,5−ジメチルピラゾール24.9部を仕込んで、70℃で2時間ブロック化反応を行い、化合物中に官能基(g)を有さないブロックポリポリイソシアネート化合物 (J’−1)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にポリオール(a1)としてポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製「デュラノールG4672」;Mn=2,000)184.6部、ポリオール(a2)として1,4−ブタンジオール4.5部、親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)として2,2−ジメチロールプロピオン酸26.1部、ポリイソシアネート(B)として水添MDI134.8部、反応溶剤としてアセトン150部を仕込んで85℃で12時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマー(P2−1)のアセトン溶液を製造した。
次いで得られたポリウレタンプレポリマー(P2−1)500部にブロックポリイソシアネート化合物(J−1)100部、中和剤としてトリエチルアミン13.8部、希釈溶剤としてアセトン69.6部を加え、均一化した後、水482部を200rpmで撹拌しながら加え(P2−1)と(J−1)の混合物を水性媒体に分散させた。
得られた分散体に鎖伸長剤(d)として10重量%のエチレンジアミン水溶液27.1部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去した後に架橋剤(T)として水分散性の多官能ポリカルボジイミド化合物(日清紡ケミカル(株)製「カルボジライトE05」、有効成分40重量%、カルボジイミド当量310)(T1−1)49.2部を加えて均一化した後に水を加えて固形分濃度を35.0重量%に調整し、ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q−1)を得た。
架橋剤(T)として水分散性の多官能オキサゾリン基含有化合物((株)日本触媒製「エポクロスK−2010E」、有効成分40重量%、オキサゾリン当量555)(T2−1)88.1部を加える以外は実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q−2)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にポリオール(a1)としてポリエーテルポリオール(三菱化学(株)製「PTMG−2000」;Mn=2,000)220.2部、ポリオール(a2)として1,4−ブタンジオール7.0部、親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)として2,2−ジメチロールプロピオン酸16.7部、ポリイソシアネート(B)としてIPDI106.1部、反応溶剤としてアセトン150部を仕込んで85℃で12時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマー(P2−2)のアセトン溶液を製造した。
次いで得られたポリウレタンプレポリマー(P2−2)500部にブロックポリイソシアネート化合物(J−2)100部、中和剤としてトリエチルアミン8.8部、希釈溶剤としてアセトン74.5部を加え、均一化した後、水482部を200rpmで撹拌しながら加え(P2−2)と(J−2)の混合物を水性媒体に分散させた。
得られた分散体に鎖伸長剤(d)として10重量%のエチレンジアミン水溶液24.8部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去した後に架橋剤(T)として(T1−1)49.2部を加えて均一化した後に水を加えて固形分濃度を35.0重量%に調整し、ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q−3)を得た。
(P2−2)500部、(J−3)100部、中和剤としてトリエチルアミン8.8部、希釈溶剤としてアセトン74.5部を加え、均一化した後、水482部を200rpmで撹拌しながら加え(P2−2)と(J−3)の混合物を水性媒体に分散させた。
得られた分散体に鎖伸長剤(d)として、10重量%のジエタノールアミン水溶液86.8部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去した。その後に架橋剤(T)として非水溶性の多官能エポキシ化合物(ナガセケミテックス(株)製「デナコールEX−212」、有効成分100%、エポキシ当量138)(T3−1)、13.0部をバイオミキサーにより5000rpmで攪拌しながら加え、さらに水を加えて固形分濃度を35.0%に調整し、ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q−4)を得た。
(P2−1)500部、(J−3)100部、中和剤としてトリエチルアミン13.8部、希釈溶剤としてアセトン69.6部を加え、均一化した後、水482部を200rpmで撹拌しながら加え(P2−1)と(J−3)の混合物を水性媒体に分散させた。
得られた分散体に鎖伸長剤(d)として、10重量%のジエタノールアミン水溶液94.7部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去した。その後に架橋剤(T)として、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学(株)製「KBM−403」、有効成分100%、エポキシ当量236、シラノール当量79)(T4−1)15.0部をバイオミキサーにより5000rpmで攪拌しながら加え、さらに水を加えて固形分濃度を35.0%に調整し、ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q−5)を得た。
架橋剤(T)を使用しない以外は実施例1と同様の方法、仕込み量で固形分濃度35.0%のポリウレタン樹脂組成物水性分散体を作成し、(Q)中に架橋剤(T)を含有しないポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q’−1)を得た。
(P2−1)500部に中和剤としてトリエチルアミン13.8部、希釈溶剤としてアセトン74.5部を加えて均一化した後、水482部を200rpmで撹拌しながら加え(P2−1)を水性媒体に分散させた。
得られた分散体に鎖伸長剤(d)として、10重量%のエチレンジアミン水溶液27.1部を加えて、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去した。その後に架橋剤(T)として(T1−1)49.2部を加えて均一化し、さらに水を加えて固形分濃度を35.0%に調整し、(Q)中にブロック化ポリイソシアネート化合物(J)を含有しないポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q’−2)を得た。
(P2−1)500部、(J’−1)100部、中和剤としてトリエチルアミン13.8部、希釈溶剤としてアセトン69.6部を加えて均一化した後、水482部を200rpmで撹拌しながら加え(P2−1)と(J’−1)の混合物を水性媒体に分散させた。
得られた分散体に鎖伸長剤(d)として、10重量%のエチレンジアミン水溶液27.1部を加えて減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去した。その後に架橋剤(T)として、(T1−1)15.0部を加えて均一化し、さらに水を加えて固形分濃度を35.0%に調整し、ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q’−3)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にポリオール(a1)としてポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製「デュラノールG4672」;Mn=2,000)193.6部、ポリオール(a2)として1,4−ブタンジオール21.6部、ポリイソシアネート(B)として水添MDI134.8部、反応溶剤としてアセトン150部を仕込んで85℃で12時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマー(P2’−1)のアセトン溶液を製造した。
得られた(P2’−1)500部、(J−1)100部、乳化剤としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(三洋化成工業製 「ナロアクティー CL120」)35部、中和剤としてトリエチルアミン13.8部、希釈溶剤としてアセトン69.6部を加え、均一化した後、水482部を200rpmで撹拌しながら加え(P2’−1)と(J−1)の混合物を水性媒体に分散させた。
得られた分散体に鎖伸長剤(d)として10重量%のエチレンジアミン水溶液27.1部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去した。その後に架橋剤(T)として(T1−1)49.2部を加えて均一化し、さらに水を加えて固形分濃度を35.0%に調整し、ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q’−4)を得た。
実施例1で得られたポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q−1)23部、顔料[カーボンブラック水分散体(東海カーボン(株)製「Aqua−Black162」、固形分20wt%)15部、保湿安定助剤としてプロピレングリコール20部、グリセリン20部、及び水22部を配合し、10分間混合して、インクジェット用の水性インク(L−1)を作成した。
(Q−2)〜(Q−5)、(Q’−1)〜(Q’−4)についても同様の比率で顔料、保湿安定剤、水を配合してインクジェット用インク(L−2)〜(L−5)、(L’−1)〜(L’−4)を得た。
また、(L−1)〜(L−5)、(L’−1)〜(L’−4)の評価結果を表1に示した。
ポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q)10部を、縦10cm×横20cm×深さ1cmのポリプロピレン製モールドに、水分乾燥後のフィルム膜厚が200μmになる量を流し込み、室温で12時間乾燥後、循風乾燥機で105℃で3時間加熱乾燥することによって得られるフィルムの物性測定を行い、破断強度と破断伸度を測定した。
なお、破断強度と破断伸度の測定は、JIS K7311に記載の5.引張試験に基づいて行った。
作製したインクジェット用の水性インク(L−1)〜(L−5)、(L’−1)〜(L’−3)を5cm×20cmのコート紙[オーロラコート「日本製紙(株)製」]に乾燥後の膜厚が2μmとなるよう塗布し、140℃で10分乾燥し、塗膜を作製した。
得られた塗膜を学振型堅牢試験機[NR−100「(株)大栄科学精器製作所製」]を用いて、200gの加重を掛けたコート紙で100往復擦り、摩擦前後での塗工面の光学濃度の変化を反射濃度計[RD−19「Greatag Macbeth社製」]にて測定した。
光学濃度の変化=(摩擦前の塗工面の光学濃度)−(摩擦後の塗工面の光学濃度)
一方、架橋剤(T)を含まない比較例1やブロック化イソシアネート化合物(J)を含まない比較例2では、乾燥皮膜の破断強度が低く、画像密着試験での光学濃度の変化も大きかった。また、使用するブロック化ポリイソシアネート化合物が官能基(g)を有しない比較例3では、画像密着試験での光学濃度の変化が大きく、ポリウレタン樹脂が官能基(f)を有しない比較例4では、乾燥皮膜の破断強度並びに、破断伸度が低く、画像密着試験での光学濃度の変化も大きかった。
Claims (4)
- カルボキシル基、カルボキシレートアニオン基及び水酸基から選ばれる1種以上の官能基(f) を有するポリウレタン樹脂(U)と、カルボジイミド基(t1)、オキサゾリン基(t2)、エポキシ基(t3)及びシラノール基(t4)から選ばれる1種以上の官能基を分子内に2個以上有する架橋剤(T)と、ブロック化ポリイソシアネート化合物(J)及び水性媒体とを含有するポリウレタン樹脂組成物水性分散体であって、ブロック化ポリイソシアネート化合物(J)がカルボキシル基、カルボキシレートアニオン基及び水酸基から選ばれる1種以上の基である官能基(g)を有するポリイソシアネート化合物(I)とイソシアネートブロック化剤(E)との反応物であるポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q)。
- イソシアネートブロック化剤(E)が、炭素数1〜15のオキシム、炭素数2〜15の第二級アミン、活性メチレン化合物及び環の構成単位としてイミノ基と窒素−炭素2重結合とを有する5員環化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のポリウレタン樹脂組成物水性分散体。
- インクジェットインク用である請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物水性分散体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物水性分散体(Q)、顔料、及び保湿安定助剤を含有するインクジェットインク(L)。
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