JP2010195982A - 水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポリウレタン樹脂エマルションを用いた水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性が従来のものと比較して遜色なく、かつ従来のポリウレタン樹脂エマルションでは成し得なかった経日安定性の良好な水性塗料用のポリウレタン樹脂エマルションを提供する。
【解決手段】 ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度が−110℃〜−20℃であり、かつポリウレタン樹脂エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる乾燥皮膜をジメチルホルムアミド中に25℃で48時間浸漬させた前後の線膨張率が100〜180%であるポリウレタン樹脂エマルション。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度が−110℃〜−20℃であり、かつポリウレタン樹脂エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる乾燥皮膜をジメチルホルムアミド中に25℃で48時間浸漬させた前後の線膨張率が100〜180%であるポリウレタン樹脂エマルション。
【選択図】 なし
Description
本発明は、水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルションに関する。詳しくは水性塗料に使用されるポリウレタン樹脂エマルションに関する。
ポリウレタン樹脂エマルションの用途の一つに水性塗料が挙げられる。水性塗料用に利用できるポリウレタン樹脂エマルションとしては、例えば特定の界面活性剤を用いたポリウレタン樹脂エマルション(特許文献1)、粒子径分布を規定したポリウレタン樹脂エマルション(特許文献2)などが報告されている。これらのポリウレタン樹脂エマルションを水性塗料に用いた場合、乾燥塗膜の耐衝撃性はポリウレタン樹脂以外のエマルションを用いた場合と比較し向上する。
しかしながら、上記のポリウレタン樹脂エマルションを水性塗料に用いた場合、水性塗料の経日安定性が十分ではないという問題があった。本発明は、水性塗料用のポリウレタン樹脂エマルションであって、本発明のポリウレタン樹脂エマルションを用いた水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性が従来のポリウレタン樹脂エマルジョンを用いたものと比較して遜色なく、かつ従来のポリウレタン樹脂エマルションでは成し得なかった水性塗料の経日安定性を向上させるポリウレタン樹脂エマルションを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、ポリウレタン樹脂(U)および水性分散媒を含有する下記(1)〜(2)を満たす水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルションである。
(1)ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度が−110℃〜−20℃である。
(2)ポリウレタン樹脂エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる乾燥皮膜をジメチルホルムアミド中に25℃で48時間浸漬させた前後の線膨張率が100〜180%である。
(1)ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度が−110℃〜−20℃である。
(2)ポリウレタン樹脂エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる乾燥皮膜をジメチルホルムアミド中に25℃で48時間浸漬させた前後の線膨張率が100〜180%である。
本発明の水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルションを用いて得られた水性塗料は、以下の効果を奏する。
・乾燥塗膜の耐衝撃性が従来のポリウレタン樹脂エマルションを用いて得られたものと比較して遜色ない。
・水性塗料の経日安定性が良好である。
・乾燥塗膜の耐衝撃性が従来のポリウレタン樹脂エマルションを用いて得られたものと比較して遜色ない。
・水性塗料の経日安定性が良好である。
本発明のポリウレタン樹脂エマルションは、ポリウレタン樹脂(U)[以下において、単に(U)と表記する場合がある]、および水性分散媒を含有する。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、ポリイソシアネート成分(a1)、ポリオール成分(a2)、親水基含有活性水素含有成分(a3)、および必要によりその他の成分(a4)とから構成される。
(U)を構成するポリイソシアネート成分(a1)[以下において、単に(a1)と表記する場合がある]としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。(a1)としては、2個以上のイソシアネート基を有し、炭素数(以下、Cと略記する)6〜20(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)の芳香族ポリイソシアネート(a11)、C2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(a12)、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(a14)、およびこれらのポリイソシアネートの変性物(a15)が挙げられる。(a1)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
C6〜20の芳香族ポリイソシアネート(a11)としては、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、4,4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)]、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3 ’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
C2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(a12)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
C4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス (2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(a14)としては、例えばm−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物(a15)としては、上記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基および/またはオキサゾリドン基含有変性物など;遊離イソシアネート基含量が通常8〜33%、好ましくは10〜30%とくに12〜29%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物が挙げられ、ウレタン変性ポリイソシアネート[過剰のポリイソシアネート(TDI、MDIなど)とポリオールとを反応させて得られる遊離イソシアネート含有プレポリマー]の製造に用いるポリオールとしては、後述の低分子ポリオールが挙げられる。2種以上の併用としては、変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用が挙げられる。
これらポリイソシアネート成分(a1)のうちで好ましいのは、C2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(a12)およびC4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)であり、さらに好ましいのはC4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)、特に好ましいのはIPDIおよび水添MDIである。
ポリオール成分(a2)[以下において、単に(a2)と表記する場合がある]としては、数平均分子量400〜5,000の高分子ポリオール(a21)、および数平均分子量400未満の低分子ポリオール(a22)が挙げられる。
高分子ポリオール(a21)としては、ポリエーテルポリオール(a211)、ポリエステルポリオール(a212)、およびポリカーボネートポリオール(a213)などが挙げられる。
(a21)の数平均分子量は通常400〜5,000、好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは1,000〜3,000である。〔以下において数平均分子量はMnと略記することがある。〕
(a21)の数平均分子量は通常400〜5,000、好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは1,000〜3,000である。〔以下において数平均分子量はMnと略記することがある。〕
Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)を用いて、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンを標準として測定することができる。
ポリエーテルポリオール(a211)としては、脂肪族ポリエーテルポリオールおよび芳香族環含有ポリエーテルポリオールが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、脂肪族低分子量活性水素原子含有化合物(水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール、および活性水素原子含有基として1級もしくは2級アミノ基を含有する化合物)のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物が使用できる。
AOが付加される脂肪族多価アルコールには、直鎖もしくは分岐の脂肪族2価アルコール[(ジ)エチレングリコール、(ジ)プロピレングリコール、1,2−,1,3−,2,3−および1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,12−ドデカンジオールなど]および脂環式2価アルコール[環状基を有する低分子ジオール、たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの]、脂肪族3価アルコール[グリセリン、トリメチロールプロパン、トリアルカノールアミンなど]、および脂肪族4価以上のアルコール[ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ソルバイドなど]が挙げられる。
AOが付加される1級もしくは2級アミノ基を含有する化合物としては、アルキル(炭素数1〜12)アミン、および(ポリ)アルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数2〜6、アルキレン基の数1〜4、ポリアミンの数2〜5)などが挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルポリオールとしては芳香族低分子量活性水素原子含有化合物(水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上の、フェノール類および芳香族アミン)のAO付加物が使用できる。
AOが付加されるフェノール類としては、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど、芳香族アミンとしてはアニリンおよびフェニレンジアミンなどが挙げられる。
AO付加物の製造に用いるAOとしては、炭素数2〜12またはそれ以上のAO、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(THF)、α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリオキシエチレンポリオール[ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)など]、ポリオキシプロピレンポリオール[ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)など]、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略記)などが挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノール骨格を有するポリオール、例えばビスフェノールAのEO付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物、ビスフェノールAのEO20モル付加物等]およびビスフェノールAのPO付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]、並びにレゾルシンのEOもしくはPO付加物などが挙げられる。
ポリエステルポリオール(a212)としては、通常の方法すなわちジオール成分(前述と同様のもの)とジカルボン酸成分{脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)などの単独または2種以上の混合物など}とを反応(縮合)させることによって得られる縮合型ポリエステルポリオール、あるいは、ラクトン(ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの単独または2種以上の混合物など)を開
環重合させることによって得られるポリラクトンポリオールなどが挙げられる。
環重合させることによって得られるポリラクトンポリオールなどが挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールは、低分子量(通常Mn300未満)の多価アルコールと多価カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とのポリエステルである。
低分子量の多価アルコールとしては、前述の水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよび水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上のフェノールのAO低モル付加物が使用できる。
多価カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸 、フマル酸、マレイン酸など)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)および3価またはそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸など)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライドなど)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチル、フタル酸ジメチルなど)およびこれらの併用が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールとしては、例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリネオペンチルテレフタレートジオールなどが挙げられる。
ポリラクトンポリオールは、低分子量多価アルコールへのラクトンの重付加物であり、ラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトンが使用でき、例えば4−ブタノリド、5−ペンタノリドおよび6−ヘキサノリドなどが挙げられる。ポリラクトンポリオールとしては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(a213)としては、炭素数4〜12、好ましくは炭素数6〜10、さらに好ましくは炭素数6〜9のアルキレン基を有するアルキレンジオールの1種または2種以上と、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートおよび炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネートなど)から、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオールが挙げられる。
炭素数4〜12のアルキレン基を有するアルキレンジオールとしては、直鎖アルキレンジオール(例えばテトラメチレンジオール、ペンタメチレンジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタメチレンジオール、オクタメチレンジオール、ノナメチレンジオールなど)および分岐アルキレンジオール(例えば2−メチルペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2−メチルヘキサンジオール、3−メチルヘキサンジオール、2−メチルヘプタンジオール、3−メチルヘプタンジオール、4−メチルヘプタンジオール、2−メチルオクタンジオール、3−メチルオクタンジオールおよび4−メチルオクタンジオールなど)であり、特に好ましいのは、直鎖のものではテトラメチレンジオール、ペンタメチレンジオール、ヘキサメチレンジオールおよびノナメチレンジオール、分岐のものでは3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび2−メチル−1,8−オクタンジオールである。
ポリカーボネートポリオール(a213)としては、結晶性のポリカーボネートジオールと非晶性のポリカーボネートジオールが挙げられる。結晶性のポリカーボネートジオールの例としては「ニッポラン980R」(日本ポリウレタン(株)製)、「プラクセルCD220」(ダイセル(株)製)などが、非晶性ポリカーボネートジオールとしては「PCDL T4672」(旭化成(株)製)、「PCDL T5652」(旭化成(株)製)、「クラレポリオールC−2090」(クラレ(株)製)などが挙げられる。ポリカーボネートポリオール(a213)のうち好ましいのは結晶性のポリカーボネートジオール、特に「ニッポラン980R」である。
Mn400未満の低分子ポリオール(a22)としては、炭素数2〜15の多価アルコール類[2価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールなど);3価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパンなど);これらの多価アルコールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド低モル付加物(Mn400未満)など]が挙げられる。
高分子ポリオール(a21)のうち好ましいのは耐衝撃性の観点から脂肪族ポリエーテルジオールおよび脂肪族ポリエステルジオール、特に好ましいのはPTMG、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオールおよびこれらのうちの2種以上の併用である。
親水基含有活性水素含有成分(a3)[以下において、単に(a3)と表記する場合がある]としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸が使用でき、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPAと略記)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸などが挙げられる。これらの塩、例えばアミン類(トリエチルアミン、アルカノールアミン、モルホリンなど)の塩および/またはアルカリ金属塩(ナトリウム塩など)も使用できる。
その他の成分(a4)としては鎖伸長剤(a41)および停止剤(a42)などが挙げられる。
(a41)としては、炭素数2〜10のジアミン類(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン、ピペラジンなど)、ポリアルキレンポリアミン類(例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど)、ヒドラジンもしくはその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジドなど)、炭素数2〜10のアミノアルコール類(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、トリエタノールアミンなど)等が挙げられる。
(a42)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、セロソルブ類、カルビトール類など)、炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミンなどのモノもしくはジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのモノもしくはジアルカノールアミンなど)などが挙げられる。
(a41)および(a42)の使用量の合計は、(a1)のNCO基の当量に基づいて通常0.8当量以下、好ましくは0.7当量以下であり、(a42)の使用量は、(a1)のNCO基の当量に基づいて通常0.3当量以下、好ましくは0.2当量以下である。
(a41)および(a42)の使用量の合計は、(a1)のNCO基の当量に基づいて通常0.8当量以下、好ましくは0.7当量以下であり、(a42)の使用量は、(a1)のNCO基の当量に基づいて通常0.3当量以下、好ましくは0.2当量以下である。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、末端基の少なくとも一つがイソシアネート基であるウレタンプレポリマー(u)[以下において、単に(u)と表記する場合がある]から得られるウレタン樹脂であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度(以下においてTgと略記する)は、(U)を用いた水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性に影響を及ぼす因子であり、通常−110〜−20℃、好ましくは−105〜−25℃、さらに好ましくは−100〜−30℃である。Tgが−110℃未満または−20℃を超えるポリウレタン樹脂を含有するエマルションを用いる水性塗料の乾燥塗膜は耐衝撃性が劣る。
Tgを測定する際に用いるポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜は、ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量の濃度を基に膜厚が0.2±0.1mmとなるようにフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥することで得られるものである(以後、ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜とは本手法にて得られるものとする)。
ポリウレタン樹脂(U)のTgは、ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を3.0±0.5cm×0.5±0.2cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−110〜180℃の範囲で損失弾性率E’’を測定し、その最大値を与える温度によって得られる。
(U)のTgを本発明の範囲内とする方法としては、主として、高分子ポリオール(a21)の種類の選択、架橋点密度の最適化、並びにウレタン基及びウレア基の重量割合の最適化が挙げられる。
高分子ポリオール(a21)のうち、ポリエーテルジオール(a211)またはポリエステルジオール(a212)を用いることによりTgが低下し、特に脂肪族ポリエーテルジオールまたは脂肪族ポリエステルジオールを用いるとTgが低下しやすい。
(U)の架橋点密度の最適化は、官能基数3以上の活性水素含有化合物および官能基数3以上のポリイソシアネートのポリウレタン樹脂(U)中における合計モル濃度(mmol/g)を最適な範囲に設定することにより可能である。
本発明における「架橋点密度」とは、上記の合計モル濃度を意味するものであり、その値は、好ましくは0.10〜1.00mmol/g、さらに好ましくは0.15〜0.95mmol/g、特に好ましくは0.20〜0.80mmol/gである。架橋点密度が0.10mmol/g以上であれば経日安定性がさらに良好になる傾向があり、1.00mmol/g以下であればTgが比較的低くなるので乾燥塗膜の耐衝撃性がさらに向上する傾向にある。
(U)中の架橋点密度を目標値とするためには下記式に従って、(a1)、(a2)、(a3)、(a4)の仕込み重量を設定することが好ましい。
なお、以下において重量の単位はいずれもgである。
目標とする架橋点密度(mmol/g)=[{((a1)の平均官能基数−2)×(a1)の仕込み重量/(a1)の平均分子量}+{((a2)の平均官能基数−2)×(a2)の仕込み重量/(a2)の平均分子量}+{((a3)の平均官能基数−2)×(a3)の仕込み重量/(a3)の平均分子量}+{((a4)の平均官能基数−2)×(a4)の仕込み重量/(a4)の平均分子量}]×1000/エマルション製造後の樹脂成分の予測全重量
なお、以下において重量の単位はいずれもgである。
目標とする架橋点密度(mmol/g)=[{((a1)の平均官能基数−2)×(a1)の仕込み重量/(a1)の平均分子量}+{((a2)の平均官能基数−2)×(a2)の仕込み重量/(a2)の平均分子量}+{((a3)の平均官能基数−2)×(a3)の仕込み重量/(a3)の平均分子量}+{((a4)の平均官能基数−2)×(a4)の仕込み重量/(a4)の平均分子量}]×1000/エマルション製造後の樹脂成分の予測全重量
ここで、エマルション製造後の樹脂成分の予測全重量=(プレポリマー製造時の溶媒以外の仕込み重量)+(後工程のエマルション製造時の水以外の伸長剤+停止剤の仕込み重量)+(伸長剤として作用する水の重量)、であり、伸長剤として作用する水の重量は以下の式によって計算される。
伸長剤として作用する水の重量={プレポリマーの残存NCOの予測当量数−(アミン系伸長剤の当量数+停止剤の当量数)}×18÷2
なお、当量数は当該分子のモル数×1分子当たりの平均官能基数である。
伸長剤として作用する水の重量={プレポリマーの残存NCOの予測当量数−(アミン系伸長剤の当量数+停止剤の当量数)}×18÷2
なお、当量数は当該分子のモル数×1分子当たりの平均官能基数である。
ウレタン基[−NH−COO−]及びウレア基[−NH−CO−NH−]の重量割合の最適化はプレポリマー(u)の製造時の(a1)、(a2)及び(a3)の仕込み当量数の合計を設定することにより可能である。
前述のように、(U)のTgを−110℃〜−20℃とするためには、(U)の重量に基づくウレタン基およびウレア基の合計重量の割合が好ましくは7.0〜30.0%、さらに好ましくは7.5〜29.5%、特に好ましくは8.0〜29.0%とすることが好ましい。
ウレタン基及びウレア基のそれぞれの割合は特に限定されず、ウレタン基のみであってもよく、ウレア基のみであってもよい。
ウレタン基及びウレア基のそれぞれの割合は特に限定されず、ウレタン基のみであってもよく、ウレア基のみであってもよい。
ウレタン基およびウレア基の合計重量の割合が7.0%以上のポリウレタン樹脂エマルションを用いる水性塗料は経日安定性がより良好となり、30.0%以下であると水性塗料の乾燥塗膜は耐衝撃性がより優れる。
なお、脂肪族ポリエーテルジオールおよび脂肪族ポリエステルジオール以外の高分子ポリオールを用いて(U)のTgを本発明の範囲内とするためには、ウレタン基およびウレア基の合計重量を8.0〜15.0重量%の範囲内にすることが望ましい。
なお、脂肪族ポリエーテルジオールおよび脂肪族ポリエステルジオール以外の高分子ポリオールを用いて(U)のTgを本発明の範囲内とするためには、ウレタン基およびウレア基の合計重量を8.0〜15.0重量%の範囲内にすることが望ましい。
(U)中のウレタン基含量を目標値とするためには下記式に従って、(u)の製造時の(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計を設定することが好ましい。
目標とするウレタン基含量(%)=[(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計×59÷エマルション製造後の樹脂成分の予測全重量]×100
目標とするウレタン基含量(%)=[(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計×59÷エマルション製造後の樹脂成分の予測全重量]×100
(U)中のウレア基含量を目標値とするためには、(u)に使用される(a1)の仕込み当量数などから下記式に従って設定するのが好ましい。
目標とするウレア基含量(%)=100×[{(a1)の仕込み当量数−(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計}×57×アミン伸長剤比率]+{(a1)の仕込み当量数−(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計}÷2×57×(1−伸長剤比率)]÷エマルション製造後の樹脂成分の予測全重量
目標とするウレア基含量(%)=100×[{(a1)の仕込み当量数−(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計}×57×アミン伸長剤比率]+{(a1)の仕込み当量数−(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計}÷2×57×(1−伸長剤比率)]÷エマルション製造後の樹脂成分の予測全重量
上式におけるアミン伸長剤比率は、(u)の末端に存在するイソシアネート基の当量に対するアミン伸長剤の当量の比率のことであり下記式で計算されるものである。
アミン伸長剤比率=(アミン系伸長剤の当量数+停止剤の当量数)÷(アミン系伸長剤の当量数+停止剤の当量数+伸長剤として作用する水の当量数)
アミン伸長剤比率=(アミン系伸長剤の当量数+停止剤の当量数)÷(アミン系伸長剤の当量数+停止剤の当量数+伸長剤として作用する水の当量数)
本発明のポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜をジメチルホルムアミド中に浸漬させた前後の線膨張率は、(U)を用いた水性塗料の経日安定性に影響を及ぼす因子であり、通常100〜180%、好ましくは100〜175%であり、さらに好ましくは100〜170%である。ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜をジメチルホルムアミド中に浸漬させた前後の線膨張率は100%を下回ることはなく、180%を越えるポリウレタン樹脂エマルションを用いた水性塗料は経日安定性が劣る。
前記線膨張率は、ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を1.0±0.2cm×4.0±0.3cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取ったものを試験片として使用し、試験片をジメチルホルムアミド中に25℃、48時間浸漬させ、浸漬前後の試験片の対角線の長さを測定し、次式で線膨張率を求めることができる。
線膨張率(%)=[浸漬後の試験片の対角線の長さ÷浸漬前の試験片の対角線の長さ]×100
線膨張率(%)=[浸漬後の試験片の対角線の長さ÷浸漬前の試験片の対角線の長さ]×100
乾燥皮膜をジメチルホルムアミド中に浸漬させた前後の線膨張率を本発明の範囲内とするためには、(U)の架橋点密度を0.10〜1.00mmol/gになるように設定し、かつ(U)の重量に基づくウレタン基およびウレア基の合計重量の割合を7.0〜30.0重量%に設定することが望ましい。
ポリウレタン樹脂(U)の−30〜−10℃での貯蔵弾性率E’は、水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性の観点から好ましくは10〜1,500MPa、さらに好ましくは20〜1,400MPa、特に好ましくは30〜1,300MPaである。
−30〜−10℃での貯蔵弾性率E’は、ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を3.0±0.5cm×0.5±0.2cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−50〜100℃の範囲で貯蔵弾性率E’を測定し、−30〜−10℃での貯蔵弾性率E’として測定することができる。
(U)の貯蔵弾性率E’を本発明の範囲内とするためには、高分子ポリオール(a21)のうち、ポリエーテルジオール(a211)、またはポリエステルジオール(a212)を用いることが好ましく、特に脂肪族ポリエーテルジオール、脂肪族ポリエステルジオールを用い(U)の架橋点密度を0.10〜1.00mmol/gになるように設定し、かつ(U)の重量に基づくウレタン基およびウレア基の合計重量の割合を7.0〜30.0重量%に設定することが望ましい。
本発明におけるプレポリマー(u)の製造は、通常20℃〜150℃、好ましくは60℃〜110℃の反応で行われ、反応時間は通常2〜15時間である。(u)の製造は、NCO基と実質的に非反応性の有機溶剤の存在下または非存在下で行うことができる。プレポリマーは通常2〜9%の遊離NCO基含量を有する。
(u)の製造時の水酸基含有成分の平均の水酸基当量は、好ましくは50〜450、さらに好ましくは80〜420、特に好ましくは100〜400である。
(u)の製造時の[(a1)の仕込み当量数]/[(a2)と(a3)の仕込み当量数の合計]は、好ましくは1.10〜1.90、さらに好ましくは、1.15〜1.85、特に好ましくは、1.20〜1.80である。
(U)中のカルボキシル基[−COOH]含量の上限は、通常4.0重量%(以下において、%は特に限定しない限り重量%を表す)、エマルションの安定性および水性塗料としたときの粘度の観点から好ましくは0.3〜3.5%、さらに好ましくは0.4〜3.4%、特に好ましくは0.5〜3.3%である。なお、本発明におけるカルボキシル基含量は、カルボキシル基が中和されたカルボキシレート基(−COO−)であっても該カルボキシレート基からカルボキシル基に換算した含有量をカルボキシル基含量とする。
(U)中のカルボキシル基含量が上記の範囲内となるようにするためには、下記式に従って(u)の製造時の(a3)の仕込み量を設定することが好ましい。
(U)中のカルボキシル基含量が上記の範囲内となるようにするためには、下記式に従って(u)の製造時の(a3)の仕込み量を設定することが好ましい。
目標とするカルボキシル基含量(%)=[(a3)の仕込量に基づくCOOHに相当する重量÷エマルション製造後の樹脂成分の全重量]×100
上記ウレタン化反応においては反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応に使用される触媒を使用してもよい。触媒としては、アミン触媒、たとえばトリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンおよび米国特許第4524104号明細書に記載のシクロアミジン類[1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(サンアプロ株式会社製、DBU)など];錫系触媒、たとえばジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレートおよびオクチル酸錫;チタン系触媒、たとえばテトラブチルチタネートが挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂エマルションは、(u)を必要により親水化(中和)した後、あるいは親水化しながら 、必要により鎖伸長剤(a41)、および/または停止剤(a42)を含む水性媒体と混合してポリウレタン樹脂エマルションとし、NCO基が実質的に無くなるまで反応[水または(a41)による鎖伸長および/または(a42)による反応停止]を行うことにより製造することができる。水性媒体との混合および反応における温度は、通常10℃〜60℃、好ましくは20℃〜50℃である。
水性媒体の使用量は、ポリウレタン樹脂(U)の含有量がエマルションの重量に基づいて20〜60%、好ましくは30〜50%となるような量である。
親水化(中和)はポリウレタン樹脂エマルション製造後に行ってもよい。(a41)による鎖伸長および/または(a42)による反応停止を行う場合には、(u)を水性媒体中に分散させた後に、(a41)および/または(a42)を加えて(u)と反応させるのが好ましい。
また、有機溶剤(S)(以下において、単に(S)と表記することがある)の存在下に(a1)と上記活性水素含有成分を反応させて(u)の溶液を製造し(a41)および/または(a42)を反応させるか、有機溶剤の存在下に(a1)と上記活性水素含有成分および必要により(a41)および/または(a42)を一段で反応させることにより、(U)の有機溶剤溶液を製造し、水性媒体中に分散させることにより、(U)のポリウレタン樹脂エマルションを製造することもできる。この場合も、親水化(中和)はポリウレタン樹脂エマルションの製造前に行っても製造の段階で行っても製造後に行ってもよい。
上記の反応の際に用いる(S)および水性媒体に含有させる親水性溶剤としては、NCO基と実質的に非反応性のものおよび親水性(水混和性)のものであれば問題なく使用でき、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、アルコール類が挙げられる。これらのうち好ましいのはアセトンである。
水性媒体中の水と親水性溶剤との重量比は通常100/0〜50/50、好ましくは100/0〜80/20 特に好ましくは100/0である。
(S)および/または水性媒体に親水性溶剤を使用した場合には、ポリウレタン樹脂エマルション製造後に必要によりこれらを留去してもよい。
ポリウレタン樹脂(U)、(U)の溶剤溶液、ウレタンプレポリマー(u)または(u)の溶剤溶液を水性媒体に乳化分散させる装置は特に限定されず、例えば下記の方式の乳化機が挙げられる。:1)錨型撹拌方式、2)回転子−固定子式方式[例えば「エバラマイルダー」(荏原製作所(株)製)]、3)ラインミル方式[例えばラインフローミキサー]、4)静止管混合式[例えばスタティックミキサー]、5)振動式[例えば「VIBRO MIXER」(冷化工業(株)製)]、6)超音波衝撃式[例えば超音波ホモジナイザー]、7)高圧衝撃式[例えばガウリンホモジナイザー(ガウリン社)]、8)乳化式[例えば膜乳化モジュール]および9)遠心薄膜接触式[例えばフィルミックス]。これらのうち、好ましいのは、1)、2)、5)、8)および9)である。
(a41)による鎖伸長および/または(a42)による反応停止を行う場合には、連続式の乳化機[好ましくは上記2)例えばエバラマイルダー]を用いてプレポリマーを水性媒体中に分散させ、次いでバッチ式乳化機[好ましくは上記1)錨型撹拌方式]を用いて(a41)および/または(a42)を加えて混合してプレポリマーと反応させるのが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂エマルションの固形分の濃度は、好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは30〜50%(以下において、特に限定しない限り%は重量%を表す)である。なお、本発明において「固形分」とは、水性分散媒以外の成分をいう。
以下において本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンを用いて、水性塗料を調製する方法について説明する。
水性塗料には、塗膜形成補助やバインダー機能の向上などを目的として、必要により本発明のポリウレタン樹脂エマルション以外に、他の樹脂エマルションまたは水溶性樹脂を併用していてもよい。
水性塗料には、塗膜形成補助やバインダー機能の向上などを目的として、必要により本発明のポリウレタン樹脂エマルション以外に、他の樹脂エマルションまたは水溶性樹脂を併用していてもよい。
水性塗料に併用される他の樹脂エマルションまたは水溶性樹脂としては、例えば本発明のポリウレタン樹脂エマルション以外のポリウレタン樹脂エマルション、ポリアクリル樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリアクリル樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの他の樹脂エマルションまたは水溶性樹脂は、水性塗料の用途毎に、各用途で常用されるもの等から適宜選択することができる。
水性塗料における本発明のポリウレタン樹脂エマルションの固形分の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%である。
また、水性塗料における他の樹脂エマルション及び水溶性樹脂の固形分の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
また、水性塗料における他の樹脂エマルション及び水溶性樹脂の固形分の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
水性塗料は、更に架橋剤、顔料、顔料分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤などを1種または2種以上含有することができる。
架橋剤としては水溶性または水分散性のアミノ樹脂、水溶性または水分散性のポリエポキシド、水溶性または水分散性のポリイソシアネート化合物、ポリエチレン尿素などが挙げられる。
架橋剤の添加量は水性分散体の固形分重量を基準として、通常0〜30%、好ましくは0.1〜20%である。
架橋剤の添加量は水性分散体の固形分重量を基準として、通常0〜30%、好ましくは0.1〜20%である。
顔料としては、水への溶解度が1以下の無機顔料、例えば白色顔料、黒色顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料およびメタリック顔料;並びに有機顔料、例えば天然有機顔料合成系有機顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、水溶性染料からつくるアゾレーキ、難溶性染料からつくるアゾレーキ、塩基性染料からつくるレーキ、酸性染料からつくるレーキ、キサンタンレーキ、アントラキノンレーキ、バット染料からの顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。顔料の含量は、水性塗料の重量に基づいて通常50%以下、好ましくは30%以下である。
顔料分散剤は各種の界面活性剤[アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性]および高分子型乳化分散剤(Mn1,000〜20,000)が挙げられ、好ましいのは高分子型乳化分散剤である。顔料分散剤の含量は、顔料の重量に基づいて通常20%以下、好ましくは15%以下である。
粘度調整剤としては増粘剤、例えば無機系粘度調整剤(ケイ酸ソーダやベントナイトなど)、セルロース系粘度調整剤(メチルセルロール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなど、Mnは通常20,000以上)、タンパク質系(カゼイン、カゼインソーダ、カゼインアンモニウムなど)、アクリル系(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウムなど、Mnは通常20,000以上)、およびビニル系(ポリビニルアルコールなど、Mnは通常20,000以上)が挙げられる。
粘度調整剤の含量は水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
粘度調整剤の含量は水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコールなど)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレートなど)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンなど)などが挙げられる。消泡剤の含量は、水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
防腐剤としては、有機窒素硫黄化合物系防腐剤、有機硫黄ハロゲン化物系防腐剤などが挙げられる。防腐剤の含量は、水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
劣化防止剤および安定化剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤など)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などが挙げられる。劣化防止剤および安定化剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤など)の含量は、水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
凍結防止剤の含量は、水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
凍結防止剤の含量は、水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
水性塗料には、さらに溶剤を添加してもよい。追加する溶剤としては例えば1価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなど)、3価以上のアルコール(GLなど)、セロソルブ類(メチルおよびエチルセロソルブなど)などが使用できる。追加する溶剤の含有割合は、水性塗料の重量のうち、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下である。
本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンを用いて水性塗料を作るには、本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンと上記記載のものを混合、撹拌することで製造する。混合の際は全ての成分を同時に混合しても、各成分を段階的に入れてもよい。
水性塗料の固形分濃度は、好ましくは10〜70%、さらに好ましくは15〜60%である。
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
実施例1
撹拌機および加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、Mn2,000のポリテトラメチレングリコール[PTMG2,000、三菱化学(株)製]を410部、1,4ブタンジオールを42部、DMPAを36部、IPDIを312部、およびアセトン(1)を200部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後95℃に加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。反応混合物を40℃に冷却後、アセトン(2)306部、トリエチルアミン27部を添加・混合し、さらに水1,905部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、10%のジエチレントリアミン水溶液を87部加え、50℃で5時間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に65℃でアセトンを除去し、ポリウレタン樹脂エマルション(No.1)を得た。
実施例1
撹拌機および加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、Mn2,000のポリテトラメチレングリコール[PTMG2,000、三菱化学(株)製]を410部、1,4ブタンジオールを42部、DMPAを36部、IPDIを312部、およびアセトン(1)を200部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後95℃に加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。反応混合物を40℃に冷却後、アセトン(2)306部、トリエチルアミン27部を添加・混合し、さらに水1,905部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、10%のジエチレントリアミン水溶液を87部加え、50℃で5時間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に65℃でアセトンを除去し、ポリウレタン樹脂エマルション(No.1)を得た。
実施例1と同様の方法で、表1および表2の原料を用いて実施例2〜7および比較例1〜5のポリウレタン樹脂エマルションNo.2〜No.12を製造した。なお「PTMG1000」および「PTMG3000」[三菱化学(株)製]は、それぞれMn1,000と3,000のポリテトラメチレングリコール、「ニッポラン4073」[日本ポリウレタン(株)製]はMn2,000のポリヘキサメチレンアジペートジオール、「ニッポラン981」[日本ポリウレタン(株)製]はMn1,000の炭素数6のアルキレン基を有するポリカーボネートジオールである。得られたポリウレタン樹脂エマルションの架橋点密度並びにウレタン基およびウレア基の合計重量のポリウレタン樹脂に対する割合を表1および表2に示した。
これらのポリウレタン樹脂のTg、ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥して得られたポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を25℃でジメチルホルムアルデヒド中に48時間浸漬させた後の線膨張率および乾燥皮膜の−30〜−10℃での貯蔵弾性率E’を下記の評価方法で評価した。結果を表3および表4に示す。
<ポリウレタン樹脂のTg>
ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥して得られたポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を3.0±0.5cm×0.5±0.2cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−100〜180℃の範囲で損失弾性率E’’を測定し、損失弾性率E’’が最大値を示す温度をTgとした。
<ポリウレタン樹脂のTg>
ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥して得られたポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を3.0±0.5cm×0.5±0.2cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−100〜180℃の範囲で損失弾性率E’’を測定し、損失弾性率E’’が最大値を示す温度をTgとした。
<ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜の有機溶剤中に浸漬させた後の線膨張率>
ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥して得られたポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を、乾燥後速やかに1.0±0.2cm×4.0±0.3cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取り、試験片の対角線の長さを測定した。続いて同試験片をジメチルホルムアミド中に25℃、48時間浸漬させ、浸漬後、試験片表面の溶剤を拭き取り、速やかに試験片の対角線の長さを測定し、次式で線膨張率を求めた。
線膨張率(%)=[浸漬後の試験片の対角線の長さ÷浸漬前の試験片の対角線の長さ]×100
ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥して得られたポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を、乾燥後速やかに1.0±0.2cm×4.0±0.3cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取り、試験片の対角線の長さを測定した。続いて同試験片をジメチルホルムアミド中に25℃、48時間浸漬させ、浸漬後、試験片表面の溶剤を拭き取り、速やかに試験片の対角線の長さを測定し、次式で線膨張率を求めた。
線膨張率(%)=[浸漬後の試験片の対角線の長さ÷浸漬前の試験片の対角線の長さ]×100
<ポリウレタン樹脂の−30〜−10℃での貯蔵弾性率E’>
ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥することで得られるものであるポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を3.0±0.5cm×0.5±0.2cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−50〜100℃の範囲で貯蔵弾性率E’を測定した。
ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥することで得られるものであるポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜を3.0±0.5cm×0.5±0.2cm×0.2±0.1mmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−50〜100℃の範囲で貯蔵弾性率E’を測定した。
評価例1[自動車用水性塗料としての評価1]
イオン交換水27部、水性ポリエステル樹脂エマルション[固形分25%、「バイロナールMD−1480」、東洋紡(株)製]38部、酸化チタン[「CR−93」、石原産業(株)製]35部、カーボンブラック[「FW200P」、デグサ(株)製]1部、硫酸バリウム[「W−1」、竹原化学(株)製]35部、タルク[「ハイトロン」、竹原化学(株)製]9部、湿潤剤[固形分70%、「SNウェット366」、サンノプコ(株)製]5部、沈降防止剤[固形分20%、「ディスパロンAQ−600」、楠本化成(株)製]7部、ジメチルアミノエタノール10%水溶液2部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに水性メラミン樹脂[固形分85%、「サイメル1141」、三井サイテック(株)製]10部、1−ノナノール17部、さらに上記で得たポリウレタン樹脂エマルションNo.1を200部撹拌下混合した。さらにイオン交換水を用いて粘度が300mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(A−1)を得た。
イオン交換水27部、水性ポリエステル樹脂エマルション[固形分25%、「バイロナールMD−1480」、東洋紡(株)製]38部、酸化チタン[「CR−93」、石原産業(株)製]35部、カーボンブラック[「FW200P」、デグサ(株)製]1部、硫酸バリウム[「W−1」、竹原化学(株)製]35部、タルク[「ハイトロン」、竹原化学(株)製]9部、湿潤剤[固形分70%、「SNウェット366」、サンノプコ(株)製]5部、沈降防止剤[固形分20%、「ディスパロンAQ−600」、楠本化成(株)製]7部、ジメチルアミノエタノール10%水溶液2部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに水性メラミン樹脂[固形分85%、「サイメル1141」、三井サイテック(株)製]10部、1−ノナノール17部、さらに上記で得たポリウレタン樹脂エマルションNo.1を200部撹拌下混合した。さらにイオン交換水を用いて粘度が300mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(A−1)を得た。
評価例1と同様の方法で、ポリウレタン樹脂エマルジョンNo.1の代わりにポリウレタン樹脂エマルションNo.2〜No.12を用いて水性塗料(A−2)〜(A−12)を製造した。
<水性塗料の保存安定性試験>
水性塗料(A−1)〜(A−12)について、それぞれ130gを内径4.0cm、容積140mlのガラス瓶に入れ、25℃で24時間または20日間保管後の外観(凝集物の有無)および粘度変化を評価した。粘度の測定は25℃においてTOKIMEC(株)製回転式粘度計(60rpm)により行った。結果を表5及び表6に示す。
水性塗料(A−1)〜(A−12)について、それぞれ130gを内径4.0cm、容積140mlのガラス瓶に入れ、25℃で24時間または20日間保管後の外観(凝集物の有無)および粘度変化を評価した。粘度の測定は25℃においてTOKIMEC(株)製回転式粘度計(60rpm)により行った。結果を表5及び表6に示す。
<塗膜の耐衝撃性試験>
水性塗料(A−1)〜(A−12)を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、150℃で20分加熱して25μmの塗膜を作成した。この塗装した鋼板を用いてJIS K−5600−5−3に準拠しデュポン式にて荷重500gにて耐衝撃試験を行った。結果を表5及び表6に示す。
水性塗料(A−1)〜(A−12)を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、150℃で20分加熱して25μmの塗膜を作成した。この塗装した鋼板を用いてJIS K−5600−5−3に準拠しデュポン式にて荷重500gにて耐衝撃試験を行った。結果を表5及び表6に示す。
評価例2[自動車用水性塗料としての評価2]
イオン交換水613部、水性ポリアクリル樹脂エマルション[固形分50%、「AE981A」、JSR(株)製]166部、アルミニウム顔料[固形分60%、「010WD」、昭和アルミパウダー(株)製]71部、層状シリケート[「KMP−590」、信越化学(株)製]7部、消泡剤[「SNデフォーマー393」、サンノプコ(株)製]4部、増粘剤[固形分30%、「ビスライザーAP−2」、三洋化成工業(株)製]33部、ジメチルエタノールアミン6部、ポリプロピレングリコール[「サンニックスPP−950」、三洋化成工業(株)製]7部、エチレングリコールモノブチルエーテル94部、N−メチル−2−ピロリドン27部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに水性メラミン樹脂[固形分85%、「サイメル1141」、三井サイテック(株)製]66部、1−ノナノール117部、さらに上記で得たポリウレタン樹脂エマルションNo.1を200部撹拌下混合した。さらにイオン交換水を用いて粘度が300mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(B−1)を得た。
イオン交換水613部、水性ポリアクリル樹脂エマルション[固形分50%、「AE981A」、JSR(株)製]166部、アルミニウム顔料[固形分60%、「010WD」、昭和アルミパウダー(株)製]71部、層状シリケート[「KMP−590」、信越化学(株)製]7部、消泡剤[「SNデフォーマー393」、サンノプコ(株)製]4部、増粘剤[固形分30%、「ビスライザーAP−2」、三洋化成工業(株)製]33部、ジメチルエタノールアミン6部、ポリプロピレングリコール[「サンニックスPP−950」、三洋化成工業(株)製]7部、エチレングリコールモノブチルエーテル94部、N−メチル−2−ピロリドン27部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに水性メラミン樹脂[固形分85%、「サイメル1141」、三井サイテック(株)製]66部、1−ノナノール117部、さらに上記で得たポリウレタン樹脂エマルションNo.1を200部撹拌下混合した。さらにイオン交換水を用いて粘度が300mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(B−1)を得た。
評価例2と同様の方法で、ポリウレタン樹脂エマルジョンNo.1の代わりにポリウレタン樹脂エマルションNo.2〜No.12を用いて水性塗料(B−2)〜(B−12)を製造した。
<水性塗料の保存安定性試験>
水性塗料(B−1)〜(B−12)について、それぞれ130gを内径4.0cm、容積140mlのガラス瓶に入れ、25℃で24時間または20日間保管後の外観(凝集物の有無)および粘度変化を評価した。粘度の測定は25℃においてTOKIMEC(株)製回転式粘度計(60rpm)により行った。結果を表7及び表8に示す。
水性塗料(B−1)〜(B−12)について、それぞれ130gを内径4.0cm、容積140mlのガラス瓶に入れ、25℃で24時間または20日間保管後の外観(凝集物の有無)および粘度変化を評価した。粘度の測定は25℃においてTOKIMEC(株)製回転式粘度計(60rpm)により行った。結果を表7及び表8に示す。
<塗膜の耐衝撃性試験>
上記で得た水性塗料(B−1)〜(B−12)を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、150℃で20分加熱して25μmの塗膜を作成した。この塗装した鋼板を用いてJIS K−5600−5−3に準拠しデュポン式にて荷重500gにて耐衝撃試験を行った。結果を表7及び表8に示す。
上記で得た水性塗料(B−1)〜(B−12)を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、150℃で20分加熱して25μmの塗膜を作成した。この塗装した鋼板を用いてJIS K−5600−5−3に準拠しデュポン式にて荷重500gにて耐衝撃試験を行った。結果を表7及び表8に示す。
評価例3[自動車用途以外の一般的な水性塗料としての評価]
イオン交換水90部、増粘剤[「ビスライザーAP−2」、三洋化成工業(株)製]70部、顔料分散剤[「キャリボンL−400」、三洋化成工業(株)製]10部、酸化チタン[「CR−93」、石原産業(株)製]140部、カーボンブラック[「FW200P」、デグサ(株)製]、炭酸カルシウム160部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに1−ノナノール20部、アクリルエマルション[「ポリトロンZ330」、旭化成(株)製]200部、さらに上記で得たポリウレタン樹脂エマルションNo.1を200部撹拌下混合した。さらにイオン交換水を用いて粘度が150mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(C−1)を得た。
イオン交換水90部、増粘剤[「ビスライザーAP−2」、三洋化成工業(株)製]70部、顔料分散剤[「キャリボンL−400」、三洋化成工業(株)製]10部、酸化チタン[「CR−93」、石原産業(株)製]140部、カーボンブラック[「FW200P」、デグサ(株)製]、炭酸カルシウム160部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに1−ノナノール20部、アクリルエマルション[「ポリトロンZ330」、旭化成(株)製]200部、さらに上記で得たポリウレタン樹脂エマルションNo.1を200部撹拌下混合した。さらにイオン交換水を用いて粘度が150mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(C−1)を得た。
評価例3と同様の方法で、ポリウレタン樹脂エマルジョンNo.1の代わりにポリウレタン樹脂エマルションNo.2〜No.12を用いて水性塗料(C−2)〜(C−12)を製造した。
<水性塗料の保存安定性試験>
水性塗料(C−1)〜(C−12)について、それぞれ130gを内径4.0cm、容積140mlのガラス瓶に入れ、25℃で24時間または20日間保管後の外観(凝集物の有無)および粘度変化を評価した。粘度の測定は25℃においてTOKIMEC(株)製回転式粘度計(60rpm)により行った。結果を表9及び表10に示す。
水性塗料(C−1)〜(C−12)について、それぞれ130gを内径4.0cm、容積140mlのガラス瓶に入れ、25℃で24時間または20日間保管後の外観(凝集物の有無)および粘度変化を評価した。粘度の測定は25℃においてTOKIMEC(株)製回転式粘度計(60rpm)により行った。結果を表9及び表10に示す。
<塗膜の耐衝撃性試験>
上記で得た水性塗料(C−1)〜(C−12)を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、150℃で20分加熱して25μmの塗膜を作成した。この塗装した鋼板を用いてJIS K−5600−5−3に準拠しデュポン式にて荷重500gにて耐衝撃試験を行った。結果を表9及び表10に示す。
上記で得た水性塗料(C−1)〜(C−12)を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、150℃で20分加熱して25μmの塗膜を作成した。この塗装した鋼板を用いてJIS K−5600−5−3に準拠しデュポン式にて荷重500gにて耐衝撃試験を行った。結果を表9及び表10に示す。
本発明のポリウレタン樹脂エマルションは、水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルジョンに好適に使用でき、優れた保存安定性または耐衝撃性を要求される広範な用途に使用することが可能である。例えば、自動車用塗料、建材用塗料、家電用塗料、プラスチック用塗料、接着剤用および繊維加工用(顔料捺染用、不織布用、補強繊維用集束剤および抗菌剤用バインダーなど)のポリウレタン樹脂エマルションとして利用可能である。
Claims (5)
- ポリウレタン樹脂(U)および水性分散媒を含有し、下記(1)および(2)を満たす水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション。
(1)ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度が−110℃〜−20℃である。
(2)ポリウレタン樹脂エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる膜厚0.2±0.1mmの乾燥皮膜を25℃でジメチルホルムアミド中に48時間浸漬させた前後の線膨張率が100〜180%である。 - ポリウレタン樹脂エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる膜厚0.2±0.1mmの乾燥皮膜の−30〜−10℃での貯蔵弾性率E’が10〜1,500MPaである請求項1記載のポリウレタン樹脂エマルション。
- ポリウレタン樹脂(U)を構成する高分子ポリオール成分が、数平均分子量500〜5,000の脂肪族ポリエーテルジオールまたは脂肪族ポリエステルジオールである請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂エマルション。
- ポリウレタン樹脂(U)の架橋点密度が0.10〜1.00mmol/gである請求項1〜3のいずれか記載のポリウレタン樹脂エマルション。
- ポリウレタン樹脂(U)に含まれるウレタン基およびウレア基の合計重量がポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて7.0〜30.0重量%である請求項1〜4のいずれか記載のポリウレタン樹脂エマルション。
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CN104342003A (zh) * | 2014-10-14 | 2015-02-11 | 凤阳徽亨商贸有限公司 | 一种防尘杀菌型玻璃门用水性涂料及其制备方法 |
CN104342000A (zh) * | 2014-10-14 | 2015-02-11 | 凤阳徽亨商贸有限公司 | 一种保温隔热性能的玻璃移门用水性涂料及其制备方法 |
JP2016117806A (ja) * | 2014-12-19 | 2016-06-30 | Dic株式会社 | 粘着テープ及びその製造方法、ならびに、物品及び携帯電子端末 |
JP2018183722A (ja) * | 2017-04-25 | 2018-11-22 | 本田技研工業株式会社 | 複層塗膜形成方法 |
-
2009
- 2009-02-26 JP JP2009044492A patent/JP2010195982A/ja active Pending
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