JP2018176740A - 防曇シート及び容器並びにそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱板加熱式圧空成形などの二次成形を施しても、高い防曇性を維持できる防曇シートを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂を含む基材層の一方の面に、防曇剤(A)と、二次成形の加熱温度をT℃としたとき、T−90〜T+20℃の軟化点を有する親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)を含む防曇助剤(B)とを含む防曇層を積層し、他方の面に、離型剤(a)を含む離型層を積層し、防曇シートを調製する。前記親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)は、ベタイン構造を有する(メタ)アクリル系単位を含んでいてもよい。前記防曇助剤(B)は、ポリオキシアルキレン重合体(B2)をさらに含んでいてもよい。前記防曇シートは、ロール状に巻き取られたロール体であってもよい。前記ロール体の離型層において、防曇層由来の親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の割合は、離型剤(a)100重量部に対して、4重量部以下であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、均一な防曇層を有し、かつロール状に巻き取っても裏面への裏移りを抑制できる防曇シート及びこのシートで形成された容器並びにそれらの製造方法に関する。
スチレン系樹脂シートなどの疎水性合成樹脂シートは、食品などの包装容器に利用されているが、防曇性が低い。そのため、前記シートで形成された容器に食品などを収容すると、気温、湿度の変化により水蒸気が容器の表面に微小水滴として付着し、曇りが生じ、透明性を低下させる。そこで、ショ糖脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステルを防曇剤としてシート表面を防曇処理(被覆)することにより、防曇性を向上する方法が知られている。
さらに、防曇剤を親水性高分子などの防曇助剤と組み合わせて防曇性を向上させる方法も提案されており、例えば、特開2004−315802号公報(特許文献1)には、ショ糖脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステルと、アクリル酸系重合体又はその塩、ビニルピロリドンの単独又は共重合体などの非エーテル系水溶性高分子と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、オキシエチレン単位を有するノニオン系界面活性剤などのエーテル系親水性高分子とを組み合わせた被覆層(防曇層)を有する被覆樹脂シートが開示されている。この被覆樹脂シートは、被覆層の表面に突起物を形成することにより離型性も向上させている。実施例では、前記アクリル酸系重合体又はその塩として、ポリアクリル酸ナトリウムが使用されている。
特開2012−12473号公報(特許文献2)には、樹脂シートの少なくとも一方の面に、(A)界面活性剤、(B)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、及び(C)親水性アクリル系共重合体を含有する防曇剤層を有する防曇性樹脂シートが開示されている。実施例では、前記親水性アクリル系共重合体(C)として、メタクリル酸アルキルエステル−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸ナトリウムの三元共重合体、又はメタクリル酸アルキルエステル−アクリル酸アルキルエステル−ヒドロキシアルキルメタクリレート−アクリル酸ナトリウムの四元共重合体が使用されている。
特開2016−102205号公報(特許文献3)には、熱可塑性樹脂を含む基材層と、この基材層の一方の面に、界面活性剤(a)、親水性高分子(b)及びシリコーン化合物(c)からなる群より選択された少なくとも1種の水性成膜成分(A)と、多価金属イオン(B)とを含む水性表面処理剤で形成された被覆層が積層され、他方の面に、シリコーン化合物(c)を必須成分とする防曇性表面処理剤で形成された離型層が積層された被覆シートが開示されている。実施例では、前記親水性高分子(b)として、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールが使用されている。
しかし、特許文献1〜3の防曇シートを熱成形(特に、熱板成形)して得られた二次成形体(容器)は、防曇層の均一性が低く、防曇性が十分でなかった。さらに、特許文献2及び3の防曇シートでは、透明性も低下した。
特許第4753417号公報(特許文献4)には、防曇剤を樹脂シートに塗布した防曇性樹脂シートであって、前記防曇剤が、ショ糖と炭素数14〜18の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化物と、炭素数14〜22の脂肪族モノカルボン酸アルカリ金属塩と、ベタイン構造を有する特定の親水性アクリル系樹脂とを含有する防曇性樹脂シートが開示されている。熱成形については、真空成形、圧空成形が利用できることが記載され、実施例では、圧空成形に供されたことが記載されているが、詳細は不明である。
しかし、この防曇性樹脂シートで形成された二次成形体も、防曇性は十分でなかった。
特開2004−315802号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2012−12473号公報(請求項1、実施例) 特開2016−102205号公報(特許請求の範囲、実施例) 特許第4753417号公報(請求項1、段落[0023]、実施例)
従って、本発明の目的は、熱板加熱式圧空成形などの二次成形を施しても、高い防曇性を維持できる防曇シート及びこの防曇シートで形成された容器並びにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ロール状に巻き取っても、高い防曇性を維持できる防曇シート及びこの防曇シートで形成された容器並びにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ロール状に巻き取った後、二次成形しても、透明性を維持できる防曇シート及びこの防曇シートで形成された容器並びにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、帯電防止性を向上できる防曇シート及びこの防曇シートで形成された容器並びにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するために、まず、従来の防曇シートで形成された二次成形体(容器)の防曇性が低い原因について検討した結果、防曇層にムラ(部分的な欠落箇所)があることを見出した。さらに、防曇層のムラの原因について、様々な角度から検討した結果、防曇シートをロール体へ巻き取る過程や巻き取り後の保存時において、防曇層が離型層に移行(裏移り)したり、熱板を用いた二次成形の過程において、防曇層が成形による延伸に十分に追従できなかったり、熱板に付着(転写)することが原因であることを突き止めた。このような原因に対して、本発明者らは、鋭意検討した結果、防曇助剤として、加熱による二次成形の加熱温度に対して所定の軟化点を有する特定の親水性(メタ)アクリル系重合体を用いることにより、二次成形しても成形による延伸に十分に追随して均一な防曇層を形成でき、かつ防曇層の一部が熱板に転写されるのを抑制できること、さらに前記特定の親水性(メタ)アクリル系重合体を含む特定の組成物で防曇層を形成することにより、二次成形においてだけでなく、ロール状に巻き付けても防曇層の一部が離型層に裏移りするのを抑制でき、透明性や帯電防止性も向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の防曇シートは、熱可塑性樹脂を含む基材層と、この基材層の一方の面に積層され、かつ防曇剤(A)及び防曇助剤(B)を含む防曇層と、前記基材の他方の面に積層され、かつ離型剤(a)を含む離型層とを含む防曇シートであって、前記防曇助剤(B)が、二次成形の加熱温度をT℃としたとき、T−90〜T+20℃の軟化点を有する親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)を含む。前記親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)は、ベタイン構造を有する(メタ)アクリル系単位を含んでいてもよい。前記親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の軟化点は40〜150℃程度であってもよい。前記防曇助剤(B)は、ポリオキシアルキレン重合体(B2)をさらに含んでいてもよい。前記防曇層は、アニオン性界面活性剤(C)をさらに含んでいてもよい。前記アニオン性界面活性剤(C)は、脂肪酸塩及びアルカンスルホン酸塩を含んでいてもよい。前記防曇層は、金属化合物(D)をさらに含んでいてもよい。前記防曇剤(A)は、非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。本発明の防曇シートは、ロール状に巻き取られたロール体であってもよい。前記ロール体の離型層において、防曇層由来の親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の割合は、離型剤(a)100重量部に対して、4重量部以下であってもよい。
本発明には、熱可塑性樹脂を含む基材層の一方の面に、防曇剤(A)及び防曇助剤(B)を含む防曇層を積層し、かつ前記基材の他方の面に、離型剤(a)を含む離型層を積層する積層工程を含む前記防曇シートの製造方法も含まれる。本発明の防曇シートの製造方法は、積層工程で得られた積層体をロール状に巻き取るロール工程をさらに含んでいてもよい。
本発明には、前記防曇シートで形成された容器も含まれる。また、本発明には、前記防曇シートを加熱して二次成形する前記容器の製造方法も含まれる。前記二次成形では、加熱した熱板と防曇シートとを接触させて成形してもよい。
本発明では、防曇層の防曇助剤として、二次成形の加熱温度に対して所定の軟化点を有する親水性(メタ)アクリル系重合体を含むため、熱板加熱式圧空成形などの二次成形を施しても、高い防曇性を維持できる。さらに、防曇層を、前記親水性(メタ)アクリル系重合体を含む特定の組成物で形成することにより、ロール状に巻き取っても、防曇層が離型層に裏移りするのを抑制でき、高い防曇性を維持できる。また、ロール状に巻き取った後、二次成形しても、透明性を維持できる。本発明の防曇シートは、帯電防止性も向上できる。
[基材層]
本発明の防曇シートは基材層を含む。基材層は、成形加工性を有する樹脂シート、特に疎水性合成樹脂シート、例えば、オレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(特にポリエチレンテレフタレート系樹脂)、スチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂シートであってもよい。特に、成形加工性の高い樹脂シート、例えば、スチレン系樹脂シートが好ましい。
スチレン系樹脂には、芳香族ビニル単量体(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど)を構成成分として含む単独重合体、芳香族ビニル単量体と共重合性単量体との共重合体及びこれらの混合物が含まれる。より具体的には、スチレン系樹脂としては、例えば、非ゴム強化スチレン系樹脂[一般用ポリスチレン(GPPS)、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など]、ゴム強化スチレン系樹脂[ゴム強化ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン:HIPS)、スチレン−ジエンブロック共重合体又はその水素添加物(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体など)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ゴム成分X(アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)にアクリロニトリルAとスチレンSとがグラフト重合したAXS樹脂など]が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は単独で又は二種以上混合して使用できる。なお、スチレン系樹脂シートは、透明性の高いスチレン系樹脂シート(例えば、GPPS、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などの非ゴム強化スチレン系樹脂で構成された非ゴム強化スチレン系樹脂シート、スチレン系樹脂とスチレン−ジエンブロック共重合体又はその水素添加物とで構成されたスチレン系樹脂シート)であってもよく、ゴム強化スチレン系樹脂シート(又はゴム含有スチレン系樹脂シート)であってもよい。
基材層は、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、帯電防止剤、結晶核成長剤、炭化水素系重合体、可塑剤、ミネラルオイル、充填剤、着色剤などを含んでいてもよい。
基材層は、慣用の方法、例えば、T−ダイ法又はインフレーション法などの慣用の成膜方法で得ることができる。基材層は、未延伸であってもよいが、延伸されているのが好ましい。延伸フィルムは、一軸延伸フィルムであってもよいが、二軸延伸フィルムであるのが好ましい。また、必要に応じて、延伸フィルムは熱処理(熱固定処理)してもよい。延伸法としては、慣用の延伸法、例えば、ロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸、テンター延伸、チューブ延伸や、これらを組合せた延伸法などが挙げられる。延伸倍率は、所望するシートの特性に応じて適宜設定でき、例えば1.2〜20倍、好ましくは1.5〜15倍、さらに好ましくは2〜10倍程度であってもよい。
基材層の表面には、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、高周波処理などを施してもよい。特に、基材層の表面(特に防曇層側の表面)を、コロナ放電処理し、コロナ放電処理面に防曇層を形成するのが好ましい。なお、基材層の表面張力は、シートの種類により異なるので一概に決定できないが、JIS K6768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」に準拠して測定したとき、30〜65dyn/cm(30×10−5〜65×10−5N/cm)程度である。スチレン系樹脂シートの場合、表面張力は40〜62dyn/cm(40×10−5〜62×10−5N/cm)、好ましくは42〜62dyn/cm(42×10−5〜62×10−5N/cm)、さらに好ましくは45〜60dyn/cm(45×10−5〜60×10−5N/cm)程度である。
基材層表面の表面張力が高すぎると、基材層表面が活性化され過ぎるためか、ブロッキングし易くなる。そのため、ロール状に巻いたシートを巻き戻すのが困難となったり、成形した複数の容器を積み重ねて打ち抜くと、容器同士が密着し、容器を剥離して内容物を収納する作業効率が低下し易い。
[防曇層]
前記基材層の一方の面には、防曇層が積層されている。防曇層は、防曇シートの防曇性を向上させるために、防曇剤(A)及び防曇助剤(B)を含んでいる。
(A)防曇剤
防曇剤(A)としては、防曇性に優れる点から、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤は、多価アルコール脂肪酸エステルと、疎水性化合物の活性水素原子にエチレンオキシドが付加した付加体とに大別できる。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、非イオン性界面活性剤は、後述する防曇助剤(B)で例示されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体を含まない意味に用いる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2−12アルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの(ポリ)オキシC2−4アルキレングリコール;グリセリン、重合度2〜20程度のポリグリセリン(ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリンなど)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖類(ショ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ソルビタン、オリゴ糖など)などのポリヒドロキシ化合物(多価アルコール類)などが例示できる。これらの多価アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
脂肪酸としては、モノカルボン酸及び多価カルボン酸のいずれであってもよく、飽和又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。なお、脂肪酸には、脂肪酸を含む成分、例えば、脂肪酸を主成分として含む(例えば、50重量%以上の割合で含む)成分(例えば、ヤシ油などの油脂など)も含まれる。脂肪酸は、C6−40脂肪酸、好ましくはC8−30脂肪酸(例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸などのC8−26飽和脂肪酸、オレイン酸、エルカ酸などのC8−26不飽和脂肪酸など)、さらに好ましくはC10−22飽和脂肪酸(例えば、C10−20飽和脂肪酸)、特にC10−18飽和脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸又はこれらの混合物(ヤシ油脂肪酸など)、オレイン酸などの不飽和脂肪酸など)などであってもよい。
多価アルコール脂肪酸エステルは、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選択される場合が多い。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ラウリン酸エステル(ショ糖モノ乃至ペンタラウリン酸エステルなど)、ショ糖パルミチン酸エステル(ショ糖モノ乃至ペンタパルミチン酸エステルなど)、ショ糖ステアリン酸エステル(ショ糖モノ乃至ペンタステアリン酸エステルなど)、ショ糖ベヘン酸エステル(ショ糖モノ乃至ペンタベヘン酸エステルなど)、ショ糖オレイン酸エステル(ショ糖モノ乃至ペンタオレイン酸エステルなど)などのショ糖C8−24飽和又は不飽和脂肪酸エステル(モノ乃至ヘキサエステル類など)、特にショ糖C10−18飽和又は不飽和脂肪酸エステル(モノ乃至テトラエステル類など)などが挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンとC8−24飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル類、例えば、グリセリンカプリル酸エステル(グリセリンモノ乃至ジカプリル酸エステルなど)、グリセリンラウリン酸エステル(グリセリンモノ乃至ジラウリン酸エステルなど)、グリセリンステアリン酸エステル(グリセリンモノ乃至ジステアリン酸エステルなど)、グリセリンベヘン酸エステル(グリセリンモノ乃至ジベヘン酸エステルなど)、グリセリンオレイン酸エステル(グリセリンモノ乃至ジオレイン酸エステルなど)などが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、重合度2〜16程度のポリグリセリンとC8−24飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル類、例えば、デカグリセリンカプリル酸エステル(デカグリセリンモノ乃至デカカプリル酸エステルなど)、ヘキサグリセリンラウリン酸エステル(ヘキサグリセリンモノ乃至ヘキサラウリン酸エステルなど)、デカグリセリンラウリン酸エステル(デカグリセリンモノ乃至デカラウリン酸エステルなど)、デカグリセリンステアリン酸エステル(デカグリセリンモノ乃至デカステアリン酸エステルなど)、デカグリセリンオレイン酸エステル(デカグリセリンモノ乃至デカオレイン酸エステルなど)などが挙げられる。
ソルビトール脂肪酸エステルとしては、ソルビトールとC8−24飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル類、例えば、ソルビトールカプリル酸エステル(ソルビトールモノ乃至ペンタカプリル酸エステルなど)、ソルビトールラウリン酸エステル(ソルビトールモノ乃至ペンタラウリン酸エステルなど)、ソルビトールパルミチン酸エステル(ソルビトールモノ乃至ペンタパルミチン酸エステルなど)、ソルビトールステアリン酸エステル(ソルビトールモノ乃至ペンタステアリン酸エステルなど)、ソルビトールオレイン酸エステル(ソルビトールモノ乃至ペンタオレイン酸エステルなど)、これらの脂肪酸エステルに対応するソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
これらの多価アルコール脂肪酸エステルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい多価アルコール脂肪酸エステルとしては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、親水性が高く、取り扱い性(ハンドリング性)に優れる点から、特にショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖C8−24飽和脂肪酸エステルなど)及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル(ヘキサグリセリンラウリン酸エステルなどの重合度4〜12程度のポリグリセリンC8−24飽和脂肪酸エステルなど)などが挙げられる。
疎水性化合物のエチレンオキシド付加体において、活性水素原子を有する疎水性化合物としては、例えば、高級アルコール(ラウリルアルコールなどのC8−24アルコールなど)、芳香族ヒドロキシ化合物(フェノール類、アルキルフェノール類など)、ヒドロキシル基を有する多価アルコール脂肪酸エステル、ヒドロキシル基を有する油脂(ヒマシ油、硬化ヒマシ油など)などが例示できる。
疎水性化合物のエチレンオキシド付加体としては、例えば、高級アルコールのエチレンオキシド付加体(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテルなどのポリオキシエチレンC8−24アルキルエーテル(好ましくはポリオキシエチレンC10−20アルキルエーテル)など)、芳香族ヒドロキシ化合物のエチレンオキシド付加体[例えば、ポリオキシエチレンフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル(好ましくはポリオキシエチレンC6−10アリールエーテルなど);ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(好ましくはポリオキシエチレンC4−26アルキルC6−10アリールエーテルなど)など]、多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加体[ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレン鎖を有するC8−26脂肪酸エステル(好ましくはポリオキシエチレン鎖を有するC10−20脂肪酸エステルなど)など]、油脂のエチレンオキシド付加体(ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油などのヒドロキシル基含有油脂のエチレンオキシド付加体など)などが含まれる。前記ポリオキシエチレン付加体の数平均分子量は、例えば150以上(例えば150〜35,000)、好ましくは200〜20,000、さらに好ましくは200〜10,000程度である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、分子量(数平均分子量及び重量平均分子量)は、ポリスチレン換算で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定できる。
疎水性化合物のエチレンオキシド付加体において、オキシエチレン単位の平均付加モル数は、例えば2〜100、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜30程度であってもよく、最も好ましくは2〜10程度であってもよい。
なお、多価アルコール脂肪酸エステル及びそのエチレンオキシド付加体において、脂肪酸は単一の脂肪酸に限らず複数の脂肪酸(混合脂肪酸)であってもよい。
非イオン性界面活性剤は単独で構成してもよく複数(同種又は異種)の界面活性剤を組み合わせて構成してもよい。非イオン性界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンC10−20アルキルエーテルなど)から選択された少なくとも一種の成分、特に少なくともショ糖脂肪酸エステル(例えば、ショ糖C10−20脂肪酸エステル、好ましくはショ糖C10−14脂肪酸エステル、さらに好ましくはショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖C11−13脂肪酸エステルなど)で構成するのが好ましい。
非イオン性界面活性剤は、防曇性を向上でき、熱板やロール(特に金属ロール)への転移及び付着、ロール体での裏移りを抑制できる点から、常温(例えば20〜25℃)で固体であるのが好ましい。非イオン性界面活性剤の軟化点は、50℃以上(例えば50〜100℃程度)、好ましくは60℃以上(例えば60〜98℃程度)、さらに好ましくは80℃以上(例えば80〜95℃程度)であってもよい。
防曇剤(A)の割合は、防曇層全体に対して10重量%以上程度であればよく、例えば20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%、さらに好ましくは40〜50重量%(特に42〜47重量%)程度である。防曇剤(A)の割合が少なすぎると、防曇性が低下する虞がある。一方、防曇剤(A)の割合が多すぎると、熱板への移行やロール体における離型層への移行により防曇性が低下する虞がある。
(B)防曇助剤
本発明では、防曇助剤(B)として、特定の軟化点を有する親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)を含むため、熱板加熱式圧空成形などの二次成形において、加熱した熱板と防曇シートとを接触させて成形しても、成形による延伸に十分に追随して均一な防曇層を形成でき、かつ防曇層の一部が熱板に転写されるのを抑制できる。
(B1)親水性(メタ)アクリル系重合体
親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の軟化点は、二次成形の加熱温度をT℃としたとき、T−90〜T+20℃程度の範囲から選択でき、例えばT−60〜T+5℃、好ましくはT−50〜T℃(例えばT−40〜T−2℃)、さらに好ましくはT−30〜T−5℃(特にT−25〜T−15℃)程度である。具体的な軟化点は、二次成形の加熱温度に応じて選択できるが、例えば40〜150℃程度の範囲から選択でき、例えば70〜135℃、好ましくは80〜130℃(例えば90〜128℃)、さらに好ましくは100〜125℃(特に105〜115℃)程度である。軟化点が高すぎると、均一な防曇層を形成するのが困難となる虞があり、逆に低すぎると、熱板やロール状態での離型層へ防曇助剤(B)自身や防曇剤(A)が移行して防曇性が低下する虞がある。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、軟化点は、示差走査熱量測定(DSC)のセカンドヒートで測定できるガラス転移点又は融点を意味し、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)は、前記軟化点を有し、かつ親水性であればよいが、ベタイン構造を有する(メタ)アクリル系単位を含むのが好ましい。
ベタイン構造を有する(メタ)アクリル系単位としては、例えば、下記式(1)で表される両性(メタ)アクリル系単量体由来の単位(両性(メタ)アクリル系単位)であってもよい。
Figure 2018176740
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Aはアルキレン基、R及びRはアルキル基を示す)。
前記式(1)において、アルキレン基Aとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などのC1−4アルキレン基などが挙げられる。これらのうち、C2−3アルキレン基(特にエチレン基)が好ましい。
置換基R及びRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などのC1−4アルキル基などが挙げられる。これらのうち、メチル基やエチル基などのC1−2アルキル基が好ましい。
親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)は、前記両性(メタ)アクリル系単位に加えて、他の共重合性単位を含んでいてもよい。
他の共重合性単位は、他のビニル系単量体由来の単位であってもよい。他のビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキル;(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキル置換(メタ)アクリルアミド;スチレン、メチルスチレンなどの芳香族ビニル類などが挙げられる。これらの他のビニル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキル[特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸C1−4アルキル]と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル[特に、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2−4アルキル]との組み合わせが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルと(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとのモル比(両単位のモル比)は、前者/後者=99/1〜10/90程度の範囲から選択でき、例えば95/5〜30/70、好ましくは90/10〜50/50、さらに好ましくは85/15〜70/30程度である。
前記両性(メタ)アクリル系単位[前記式(1)で表される両性(メタ)アクリル系単量体]の割合は、親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)を構成する全単位(単量体)中10モル%以上であればよく、例えば10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%(例えば30〜70モル%)、さらに好ましくは35〜60モル%(特に40〜50モル%)程度である。両性(メタ)アクリル系単位の割合が少なすぎると、熱成形やロール体への巻き取りにより、防曇性が低下する虞がある。
親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の数平均分子量は、例えば10,000〜100,000、好ましくは20,000〜90,000、さらに好ましくは30,000〜80,000程度である。
親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の割合は、防曇剤(A)100重量部に対して、例えば10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜70重量部(特に40〜60重量部)程度である。親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の割合が少なすぎると、熱板やロール状態での離型層への移行により防曇性が低下する虞がある。一方、防曇助剤(B)の割合が多すぎると、防曇性自体が低下する虞がある。
(B2)ポリオキシアルキレン重合体
防曇助剤(B)は、前記親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)に加えて、ポリオキシアルキレン重合体(B2)をさらに含むことにより、特に、前記非イオン性界面活性剤を含む防曇剤(A)と、親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)と、ポリオキシアルキレン重合体(B2)との組み合わせにより、熱成形やロール体への巻き取りによって、防曇性や外観が低下(例えば、白化)するのを抑制できる。3成分の組み合わせにより、これらの機能が発現するメカニズムの詳細は不明であるが、ポリオキシアルキレン重合体(B2)が他の成分に対して作用して膜の強度などを向上させる機能を発現していると推定できる。
ポリオキシアルキレン重合体(B2)としては、ポリオキシエチレン(又はポリエチレングリコール)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体[例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(以下、単にPOE−POPブロック共重合体と称する場合がある)など]などのオキシC2−4アルキレン単位(特に、オキシエチレン単位)を有するポリマーが例示できる。これらのポリオキシアルキレン重合体(B2)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、POE−POPブロック共重合体などが好ましい。
POE−POPブロック共重合体は、オキシエチレンブロック−(CHCHO)−とオキシプロピレンブロック−(CH(CH)CHO)−とで構成された共重合体であり、共重合体中のエチレンオキシド鎖の含有率(m/(m+n)×100)は、10〜99重量%、好ましくは15〜95重量%、さらに好ましくは20〜95重量%、特に30〜90重量%程度であってもよい。前記ブロック共重合体のブロック構造は特に制限されず、オキシエチレンブロックとオキシプロピレンブロックとのジブロック構造、オキシプロピレンブロックの両端にオキシエチレンブロックが結合したトリブロック構造などであってもよい。
なお、POE−POPブロック共重合体は、単独で用いてもよく、エチレンオキシド鎖の含有率、ブロック構造、分子量などが相違する共重合体を二種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシアルキレン重合体(B2)の軟化点は、通常、60℃未満(例えば45〜59℃)、好ましくは48〜59℃、さらに好ましくは50〜58℃程度であってもよい。ポリオキシアルキレン重合体(B2)の重量平均分子量は、特に制限されず、例えば1,000〜1,000,000、好ましくは3,000〜500,000、さらに好ましくは5,000〜400,000(特に10,000〜300,000)程度であってもよい。
ポリオキシアルキレン重合体(B2)の割合は、親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)100重量部に対して、50重量部以下であってもよく、例えば5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、さらに好ましくは15〜30重量部(特に20〜25重量部)程度である。ポリオキシアルキレン重合体(B2)の割合が多すぎると、外観が悪くなる虞がある。
防曇助剤(B)には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)及びポリオキシアルキレン重合体(B2)に加えて、他の親水性高分子をさらに含んでいてもよい。
他の親水性高分子としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基又はその塩を有する重合体、エチレンスルホン酸などのスルホン酸基又はその塩を有する重合体、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有重合体、ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有重合体、ポリビニルピロリドンなどの塩基性窒素原子含有重合体、ビニルエーテル系重合体、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、天然高分子多糖類などが挙げられる。これら他の親水性高分子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
他の親水性高分子の割合は、親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)100重量部に対して、50重量部以下であってもよく、例えば30重量部以下、好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下(例えば0.01〜5重量部)程度である。特に、本発明では、熱成形やロール体への巻き取りによって防曇性や外観が低下するのを抑制できる点から、ポリビニルピロリドンなどのビニルピロリドン系重合体の割合は少ない方が好ましく、ビりニルピロリドン系重合体の割合は、親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)100重量部に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは1重量部以下であってもよく、ビニルピロリドン系重合体を含まないのが特に好ましい。
防曇助剤(B)の割合は、防曇層全体に対して5重量%以上程度であればよく、例えば10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%、さらに好ましくは18〜60重量%(特に20〜50重量%)程度である。また、防曇助剤(B)の割合は、防曇剤(A)100重量部に対して、例えば30〜120重量部、好ましくは40〜100重量部、さらに好ましくは50〜80重量部(特に55〜70重量部)程度である。防曇助剤(B)の割合が少なすぎると、熱板への防曇層の移行や、ロール体における離型層への防曇層の移行により防曇性が低下する虞がある。一方、防曇助剤(B)の割合が多すぎると、防曇性自体が低下する虞がある。
(C)アニオン性界面活性剤
防曇層は、防曇剤(A)及び防曇助剤(B)に加えて、防曇シートの透明性や帯電防止性などを向上させるために、アニオン性界面活性剤(C)をさらに含んでいてもよい。アニオン性界面活性剤(C)は、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸塩又はリン酸エステル塩などであってもよい。
塩を構成する塩基性物質としては、無機塩基[アンモニア、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)など]、有機塩基[低級アルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなど)、アルカノールアミン(エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなど)など]などが例示できる。塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルキルアミン塩やアルカノールアミン塩である場合が多い。
カルボン酸塩としては、飽和カルボン酸塩(オクチル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、アラキジン酸塩、ベヘン酸塩などのC8−26飽和脂肪酸塩など)、不飽和カルボン酸塩(ミリストレイン酸塩、パルミトレイン酸塩、ペトロセリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、リシノール酸塩、エライジン酸塩、ガトレン酸塩、アラキドン酸塩、エルカ酸塩、ブラシジン酸塩などのC8−26不飽和脂肪酸塩など)などが例示できる。
スルホン酸塩としては、アルカンスルホン酸塩[ラウリルスルホン酸塩などのC10−20アルカンスルホン酸塩(C10−18アルカンスルホン酸ナトリウムなど)など]、アレーンスルホン酸塩(ベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩などのC6−10アレーンスルホン酸塩)、アルキルアレーンスルホン酸塩[オクチルベンゼンスルホン酸塩、ウンデシルナフタリンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのC4−20アルキルC6−10アレーンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)など]、アルキルスルホコハク酸塩[ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸塩などのジC6−20アルキルスルホコハク酸塩(ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなど)など]、α−オレフィンスルホン酸塩などが例示できる。
硫酸エステル塩としては、アルキル硫酸エステル塩又はアルケニル硫酸エステル塩(高級アルコール硫酸エステル塩)[ラウリル硫酸エステル塩(ラウリル硫酸エステルナトリウムなど)、オクタデシル硫酸エステル塩などのC10−20アルキル硫酸エステル塩、オレイル硫酸エステル塩などのC10−20アルケニル硫酸エステル塩(オレイル硫酸エステルナトリウムなど)など]、アルキルエーテル硫酸エステル塩(ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレン・C10−20アルキルエーテル硫酸エステル塩など)などが例示できる。
リン酸塩又はリン酸エステル塩としては、モノ又はジアルキルリン酸塩[オクチルリン酸エステル塩(オクチルリン酸エステルナトリウムなど)など、ドデシルリン酸エステル塩などのC8−20アルキルリン酸エステル塩など]、ポリオキシエチレン・アルキルリン酸エステル塩(ポリオキシエチレン・アルキルリン酸エステルナトリウムなど)、ポリオキシエチレン・アルキルアリールリン酸エステル塩などのモノ又はジアルキルリン酸塩などが例示できる。
これらのアニオン性界面活性剤(C)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアニオン性界面活性剤(C)のうち、カルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩が好ましく、脂肪酸塩とアルカンスルホン酸塩との組み合わせが特に好ましい。
脂肪酸塩としては、飽和又は不飽和C10−24脂肪酸塩が好ましく、オレイン酸ナトリウムやオレイン酸カリウムなどのC10−20不飽和脂肪酸アルカリ金属塩が特に好ましい。脂肪酸塩の割合は、防曇剤(A)100重量部に対して、例えば5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部、さらに好ましくは20〜60重量部(特に30〜50重量部)程度である。
アルカンスルホン酸塩としては、C10−20アルカンスルホン酸塩が好ましく、C10−18アルカンスルホン酸ナトリウムなどのC10−18アルカンスルホン酸アルカリ金属塩が特に好ましい。アルカンスルホン酸塩の割合は、防曇剤(A)100重量部に対して、例えば5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、さらに好ましくは15〜30重量部(特に20〜25重量部)程度である。アルカンスルホン酸塩の割合は、脂肪酸塩100重量部に対して、例えば10〜100重量部、好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは40〜70重量部(特に50〜60重量部)程度である。
アニオン性界面活性剤(C)も、防曇性を向上でき、ロールへの転移及び付着や裏移りを抑制できる点から、常温(20〜25℃)で固体であるのが好ましい。アニオン性界面活性剤(C)の軟化点は、50℃以上(例えば50〜300℃程度)、好ましくは60℃以上(例えば60〜280℃)、さらに好ましくは80℃以上(例えば80〜250℃)程度である。
アニオン界面活性剤(C)の割合は、防曇層全体に対して50重量%以下程度であればよく、例えば10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%、さらに好ましくは20〜35重量%(特に25〜30重量%)程度である。また、アニオン界面活性剤(C)の割合は、防曇剤(A)100重量部に対して、例えば30〜100重量部、好ましくは40〜80重量部、さらに好ましくは50〜70重量部(特に55〜65重量部)程度である。アニオン界面活性剤(C)の割合が多すぎると、防曇性が低下する虞がある。
(D)金属化合物
防曇層は、防曇剤(A)及び防曇助剤(B)に加えて、防曇層の塗布性(表面外観の均一性)や防曇性、帯電防止性を向上させるために、金属化合物(D)をさらに含んでいてもよい。金属化合物は、防曇層に金属イオンを供給できる化合物であればよい。
金属イオンは、1価又は多価の金属イオンであってもよい。1価の金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン;銀イオン、銅(I)イオンなどの11族金属イオンなどが挙げられる。多価の金属イオンとしては、例えば、2価の金属イオン[例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン;マンガン(II)イオンなどの7族金属イオン;鉄(II)イオンなどの8族金属イオン;コバルト(II)イオンなどの9族金属イオン;ニッケル(II)イオンなどの10族金属イオン;銅(II)イオンなどの11族金属イオン;亜鉛イオン、カドミウムイオン、水銀(II)イオンなどの12族金属イオン;スズ(II)イオン、鉛(II)イオンなどの14族金属イオンなど]、3価の金属イオン[例えば、クロム(III)イオンなどの6族金属イオン;鉄(III)イオンなどの8族金属イオン;アルミニウムイオンなどの13族金属イオンなど]、4価の金属イオン[例えば、マンガン(IV)イオンなどの7族金属イオン;スズ(IV)イオンなどの14族金属イオンなど]などが挙げられる。これらの金属イオンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの金属イオンのうち、アルカリ金属イオンなどの1価の金属イオン、アルカリ土類金属イオンなどの2価の金属イオンなどが汎用されるが、外観及び帯電防止性を向上でき、かつ二次加工による防曇層の均一性の低下を抑制できる点から、多価の金属イオン(特に2価の金属イオン)が好ましく、マグネシウムイオンやカルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンが特に好ましい。
金属化合物(D)は、前記金属イオンを供給できれば、特に限定されないが、通常、ハロゲン化物(特に塩化物)や無機塩(特に硫酸、硝酸などの無機酸塩)の形態で使用でき、例えば、塩化マグネシウムや塩化カルシウムなどの金属塩化物や、硫酸マグネシウムや硝酸マグネシウムなどの無機酸塩などの形態で使用できる。また、金属化合物は水和物であってもよい。これらのうち、少量で防曇層の表面抵抗率を低減できる点から、塩化マグネシウムなどの金属塩化物が好ましい。
金属化合物(D)の割合は、防曇層全体に対して10重量%以下程度であればよく、例えば0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.2〜1重量%(特に0.3〜0.8重量%)程度である。また、金属化合物(D)の割合は、防曇剤(A)100重量部に対して、例えば0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部、さらに好ましくは0.3〜2重量部(特に0.5〜1.5重量部)程度である。金属化合物(D)の割合が多すぎると、外観が低下する虞がある。
(E)他の添加剤
防曇層は、慣用の種々の添加剤、例えば、消泡剤(シリコーン系消泡剤など)、離型剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤、レベリング剤などを含んでいてもよい。他の添加剤(E)の割合は、特に限定されないが、防曇層全体に対して10重量%以下(例えば0.1〜10重量%)程度である。
防曇層は、これらの添加剤のうち、消泡剤を含むのが好ましい。消泡剤の割合は、防曇層全体に対して、例えば0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%程度である。
なお、本発明では、防曇層は、離型剤を含んでいなくても、ロール体において防曇層が離型層に裏移りするのを防止できる。そのため、離型剤の割合は、防曇層全体に対して1重量%以下(例えば0.01〜1重量%)程度であってもよく、防曇性の点から、離型剤を含まないのが好ましい。
[離型層]
前記基材層の他方の面には、離型層が積層されている。離型層は、防曇シートの離型性を向上させるために、離型剤(a)を含んでいる。
(a)離型剤
離型剤(a)としては、慣用の種々の離型剤、例えば、ワックス(鉱物系ワックス、植物系ワックス、合成ワックスなどを含む)、シリコーン化合物などが挙げられる。これらのうち、シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、トリフルオロプロピルポリシロキサンなどの(ハロ)アルキルポリシロキサン;ジフェニルポリシロキサンなどのアリールポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサンなどのアルキルアリールポリシロキサンなどが挙げられる。シリコーンオイルは、鎖状ポリシロキサンであってもよく、環状ポリシロキサンであってもよい。
さらに、シリコーンオイルは、変性シリコーンオイル、例えば、ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC2−4アルキル基など)、ポリオキシアルキレン基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、グリシジル基又はエポキシ基、重合性基(ビニル基、(メタ)アクリロイル基など)などを有するシリコーンオイルであってもよい。
これらのシリコーンオイルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのシリコーンオイルのうち、通常、汎用性の高いジメチルポリシロキサンが使用される。シリコーンオイルは、種々の形態で使用できるが、通常、シリコーンエマルジョンの形態(シリコーンオイルを乳化分散させたエマルジョン)で使用する場合が多い。
シリコーンオイルの粘度は特に制限されず、例えば、室温(15〜25℃)でのオストワルド粘度が50〜50000cSt(センチストークス)(0.5×10−4〜500×10−4/s)、好ましくは100〜30000cSt(1×10−4〜300×10−4/s)、さらに好ましくは150〜25000cSt(1.5×10−4〜250×10−4/s)程度であってもよい。
離型剤(a)の割合は、離型層全体に対して10重量%以上程度であればよく、例えば30〜97重量%、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは60〜92重量%(特に70〜90重量%)程度である。離型剤の割合が少なすぎると、離型性が低下する虞がある。
(b)アニオン性界面活性剤
離型層は、帯電防止性を向上できる点から、アニオン性界面活性剤(b)をさらに含んでいてもよい。アニオン性界面活性剤(b)としては、前記防曇層のアニオン性界面活性剤(C)と同様のアニオン性界面活性剤を利用できる。前記アニオン性界面活性剤のうち、アルカンスルホン酸塩が好ましく、C10−20アルカンスルホン酸塩[特に、C10−18アルカンスルホン酸ナトリウムなどのC10−18アルカンスルホン酸アルカリ金属塩]が特に好ましい。
アニオン界面活性剤(b)の割合は、離型層全体に対して、例えば1〜40重量%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%(特に8〜13重量%)程度である。アニオン界面活性剤(b)の割合は、離型剤(a)100重量部に対して、例えば1〜50重量部、好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部(特に10〜15重量部)程度である。アニオン性界面活性剤(b)の割合が少なすぎると、帯電防止性が低下する虞があり、逆に多すぎると、離型性が低下する虞がある。
(c)金属化合物
離型層は、離型層の塗布性や帯電防止性を向上させるために、金属化合物(c)をさらに含んでいてもよい。金属化合物(c)としては、前記防曇層の金属化合物(D)と同様の金属化合物を利用でき、金属化合物(c)における好ましい金属イオンも、防曇層と同様の理由で、金属化合物(D)と同様である。
金属化合物(c)の割合は、離型層全体に対して10重量%以下程度であればよく、例えば0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.2〜1重量%(特に0.3〜0.8重量%)程度である。また、金属化合物(c)の割合は、離型剤(a)100重量部に対して、例えば0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部、さらに好ましくは0.3〜2重量部(特に0.5〜1重量部)程度である。金属化合物(c)の割合が多すぎると、外観が低下する虞がある。
(d)他の添加剤
離型層も、防曇層の他の添加剤として例示された慣用の種々の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤(d)の割合及び好ましい態様についても、防曇層における他の添加剤(E)と同様である。
[ロール体]
本発明の防曇シートは、ロール状に巻き取られたロール体であってもよい。本発明では、ロール体において、防曇層と裏面の離型層とが接触しても、防曇層(防曇層の一部)が離型層に裏移りするのを抑制できる。
離型層において、防曇層由来の防曇剤(A)の割合は、離型剤(a)100重量部に対して60重量部以下(例えば20〜50重量部程度)であってもよく、例えば55重量部以下、好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは45重量部以下(例えば25〜40重量部)であってもよい。
また、離型層において、防曇層由来の防曇助剤(B)の割合は、離型剤(a)100重量部に対して50重量部以下(例えば5〜48重量部程度)であってもよく、例えば45重量部以下、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下(例えば5〜30重量部)であってもよく、特に25重量部以下(例えば20重量部以下)であってもよい。
さらに、離型層において、防曇層由来の親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の割合は、離型剤(a)100重量部に対して4重量部以下(例えば0.01〜4重量部程度)であってもよく、例えば3重量部以下(例えば2重量部以下)、好ましくは1.5重量部以下(例えば1重量部以下)、さらに好ましくは0.5重量部以下(例えば0.05〜0.5重量部)であってもよい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、ロール体の離型層における防曇層からの移行成分の割合の測定方法は、延伸工程においてロール巻き取り温度35℃、張力12kgf/m、ニップ線荷重9kgf/m、スリット工程において張力13kgf/m、ニップ線荷重10kgf/mという条件で巻き取ったロール体を巻き戻して、離型層をメタノールで洗い流し、得られたメタノール抽出物を濃縮乾固した試料を核磁気共鳴(NMR)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定する方法で測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。分析条件は、実施例に記載の方法に限定されず、GPCにおいては、分析対象に含まれる各成分が分離し、かつカラムに吸着しない条件を当業者の技術常識により、適宜設定することにより行うことができる。
[防曇シートの製造方法]
防曇シートは、基材層の一方の面に、防曇剤(A)及び防曇助剤(B)を含む防曇層を積層し、かつ前記基材の他方の面に、離型剤(a)を含む離型層を積層する積層工程を含む製造方法によって得られる。
(積層工程)
防曇層及び離型層を積層する方法としては、通常、基材層の一方の面に防曇層を形成するための組成物を塗布し、さらに他方の面に離型層を形成するための組成物を塗布することにより製造できる。
防曇層及び離型層を形成するための組成物は、通常、塗布液(ドープ)や含浸液の形態で使用でき、有機溶媒を溶媒とする非水性液状組成物であってもよいが、通常、水性組成物として利用される。なお、水性組成物において、溶媒は水単独であってもよく、水と親水性溶媒(特に水混和性溶媒)[例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類など]との混合溶媒であってもよい。水を使用する場合は、純水(又はイオン交換水)、飲料水のいずれであってもよい。
塗布液の固形分濃度は、例えば0.1〜10重量%程度の範囲から選択でき、例えば0.1〜7重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%程度である。塗布液の粘度は、定常流粘度測定法により測定したとき、例えば、温度20℃で、10cps(=0.01Pa・s)以下、好ましくは1.1〜5cps(例えば1.2〜3cps)、さらに好ましくは1.3〜2cps程度であってもよい。なお、塗布液は、慣用の混合攪拌機や混合分散機を用いて、前記成分を混合することにより調製できる。
塗布液の塗布には、慣用の塗布手段、例えば、スプレー、ロールコーター、グラビアロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、ディップコーターなどが利用できる。これらのうち、ロールコーターやバーコーターなどが汎用される。なお、必要であれば、前記塗布液は、複数回に亘り塗布してもよい。前記塗布液を基材層に塗布した後、通常、塗布層を乾燥後、ロール(例えば、ガイドロールなどの金属ロール)に掛け渡され、巻き取りロールに巻き取られる。本発明の防曇シートは、ロールを汚染することなく巻き取ることができる。また、巻き芯部のシートにおいても、防曇成分の転移(裏移り)を大きく抑制でき、長期間に亘り高い防曇性を維持できる。さらに、巻き芯部シートのブロッキングによる白化を抑制でき、樹脂シートの透明性、光沢などを損なうことがない。そのため、種々の用途、例えば、カバーシート(又はフィルム)、食品包装などの包装用シート(又はフィルム)などに利用できる。
防曇層の塗布量(乾燥後の塗布量)は、例えば2〜150mg/m(例えば3〜100mg/m)程度の広い範囲から選択でき、通常、5〜60mg/m(例えば7〜50mg/m)、好ましくは10〜40mg/m程度であってもよい。
離型層の塗布量(乾燥後の塗布量)は、例えば1〜200mg/m(例えば5〜100mg/m)程度の広い範囲から選択でき、通常、2〜100mg/m、好ましくは3〜50mg/m(例えば5〜30mg/m)、さらに好ましくは5〜25mg/m程度であってもよい。
防曇シートは、後処理工程(容器成形工程など)に連続的に供してもよいが、通常、ロール状に巻き取るロール工程を経て、後処理工程に供する場合が多い。
(ロール工程)
ロール工程では、積層工程で得られた積層体をロール状に巻き取ることにより、ロール体が得られる。
ロール工程において、ロール巻き取り温度は、例えば30〜60℃、好ましくは30〜50℃、さらに好ましくは30〜40℃程度である。
ロール工程は、通常、樹脂を製膜、延伸して原反を製造する延伸工程と、原反を製品サイズに巻き直し分割するスリット工程とを有している。いずれの工程もニップローラーを備えた中心駆動巻取方式であり、張力とニップ線荷重により巻取ロールの内部応力を制御している。
延伸工程において、ロールを巻き取るための張力は、例えば6〜20kgf/m、好ましくは6〜19kgf/m、さらに好ましくは6〜17kgf/m程度である。ロールを巻き取りおけるニップ線荷重は、例えば8〜14kgf/m、好ましくは8〜12kgf/m、さらに好ましくは8〜10kgf/m程度である。
スリット工程において、ロールを巻き取るための張力は、例えば10〜25kgf/m、好ましくは10〜20kgf/m、さらに好ましくは10〜15kgf/m程度である。ロールを巻き取りおけるニップ線荷重は、例えば5〜30kgf/m、好ましくは5〜20kgf/m、さらに好ましくは5〜15kgf/m程度である。
[容器]
本発明の防曇シートは、二次加工性が高く、容器などへの成形加工に適している。本発明の容器(防曇性容器)は、前記防曇シートで形成されており、防曇性及び透明性に優れるため、食品包装用容器などの水分を含有する収容物を収容するための容器などとして有用である。
本発明の容器は、通常、食品などの収容物を収容するための少なくとも容器本体を有しており、容器本体の開口部はラッピングフィルムで覆ってもよい。また、本発明の容器は、容器本体と、ヒンジ部を介して、前記容器本体の開口部を覆う蓋体とで構成してもよい。なお、蓋体を有する成形品では、蓋体も本発明の防曇シートで形成してもよい。
本発明の容器は、前記防曇シートを、慣用の熱成形法によって、加熱して二次成形することにより容器を成形する場合が多い。熱成形法としては、例えば、吹き込み成形法、真空成形法、圧空成形法(熱板加熱式圧空成形法、輻射加熱式圧空成形法などの加熱圧空成形法)、真空圧空成形法、プラグアシスト成形法、マッチドモールド成形法などが利用できる。これらのうち、二次成形の過程で防曇性が低下し易く、本発明の防曇シートの有効性が高い点から、加熱した熱板と防曇シートとを接触させる成形方法(例えば、熱板加熱式圧空成形法)が好ましい。基材層として延伸樹脂シートを用いる場合、通常、熱板加熱式圧空成形法を利用する場合が多い。
本発明では、このような熱成形に供しても高い防曇性及び透明性を維持できる。さらに、本発明の容器は、打ち抜き加工を製造工程に含む方法により得られる容器であってもよい。例えば、食品などの収容部(トレイ部)を、縦及び/又は横方向に隣接させて連続的に成形した後、得られた成形シートを連続的に打ち抜き加工することにより各収容部を備えた容器を分離(切断)する方法に好適に使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で使用した成分の詳細は以下の通りであり、実施例及び比較例で得られた防曇シートを以下の項目で評価した。
[用いた成分]
A−1(防曇剤):ショ糖脂肪酸エステル、理研ビタミン(株)製「リケマールA」、融点90℃、固形分濃度40重量%
B−1(防曇助剤1):ベタイン構造を有するメタクリル系共重合体[竹本油脂(株)製「エレカットC−031L」中に含まれる成分]、ガラス転移温度107℃
B−2(防曇助剤2):ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、第一工業製薬(株)製「エパンU108」、融点57℃、重量平均分子量18000、エチレンオキシド含有率80%
B−3(防曇助剤3):ポリビニルピロリドン、BASF社製「ソカランK90P」、ガラス転移温度180℃、重量平均分子量90×10〜150×10
C−1(アニオン性界面活性剤1):オレイン酸アルカリ金属塩[竹本油脂(株)製「エレカットC−031L」中に含まれる成分]
C−2及びb−1(アニオン性界面活性剤2):アルカンスルホン酸ナトリウム、三洋化成工業(株)製「KTN−8006」、固形分濃度35重量%
D−1及びc−1:塩化マグネシウム六水和物、ナカライテスク(株)製
E−1及びa−1(離型剤):東レダウコーニング(株)製「SM7025EX」、固形分濃度33重量%。
なお、防曇助剤1及びアニオン性界面活性剤1を含む竹本油脂(株)製「エレカットC−031L」は、式(1)において、Rがメチル基、Aがエチレン基、R及びRがメチル基である両性メタクリル系単量体と、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸ヒドロキシプロピルとを、両性メタクリル系単量体/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ヒドロキシプロピル=25/24/6のモル比で共重合したメタクリル系共重合体と、オレイン酸アルカリ金属塩とを、メタクリル系共重合体/オレイン酸アルカリ金属塩=55/45の重量比で含む水分散液である。実施例では、防曇層の防曇助剤及びアニオン性界面活性剤を構成する成分として、竹本油脂(株)製「エレカットC−031L」を配合した。
[防曇助剤の軟化点]
防曇助剤の軟化点は、示差走査熱量計(TAインスツルメント社製「DSC DSC−Q2000」)により、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minの条件で測定し、セカンドヒートで測定できるガラス転移点又は融点とした。尚、融点は融解ピークのピークトップの値とした。
[防曇性(シート)]
60℃の熱水を入れた容器の開口部に、防曇シートの防曇層を向けてシートを載せ、常温環境下で2分間放置した。次いで、シートの蒸気接触部分を、紙に印刷したフォントサイズの異なる文字の上に載せ、シートの曇りの程度を以下の基準に従って目視にて評価した。防曇性は、得られたロール体のロール巻芯部と、ブロッキング試験後の防曇シートとの2種類の態様について評価した。ロール巻芯部は、巻き取ったロール体(巻長1540m)を巻き戻して評価した。ブロッキング試験は、防曇シートを20cm×20cmにカットし、5枚重ねにし、圧縮成型機((株)安田精機製作所製「N0.219試験用小型プレス」)を用いて、熱板温度40℃及び油圧シリンダー圧力10MPaにて20分プレスした後、圧力を開放してシートを1枚ずつ分離した。
○:フォントサイズ5の文字がくっきりと読み取れる
△:フォントサイズ18の文字が読み取れる
×:文字が判別できない。
[防曇性(二次加工品)]
60℃の熱水を入れた容器の開口部に、防曇シートを二次加工した容器(延伸倍率1.6倍、延伸倍率=シート厚み/二次加工後のシート厚み)を、防曇層を開口部側に向けてシートを載せ、常温環境下で2分間放置した。次いで、二次加工品の蒸気接触部分を、紙に印刷したフォントサイズの異なる文字の上に載せ、シートの曇りの程度を以下の基準に従って目視にて評価した。
○:フォントサイズ5の文字がくっきりと読み取れる
△:フォントサイズ18の文字が読み取れる
×:文字が判別できない。
[帯電防止性]
JIS K6911に準拠し、防曇シートを5cm×10cmにカットし、抵抗計(三菱化学(株)製「Hiresta−up MCP−HT450」)によって、温度23℃、湿度50%RHの条件で、500Vの電圧を負荷したときの表面抵抗率を測定した。なお、表1中、例えば「8E+11」は「8×1011」を意味する。
[シートの外観(白化)]
シートの外観は、防曇シートを20cm×20cmにカットし、5枚重ねにし、圧縮成型機((株)安田精機製作所製「N0.219試験用小型プレス」)を用いて、熱板温度40℃および油圧シリンダー圧力10MPaにて20分プレスした後、圧力を開放してシートを1枚ずつ分離し、シートの外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。
〇:白化していない
△:目を凝らすと白化を認識することができる
×:実用上使用できないレベルで白化が目立つ。
[成形品の外観(塗布斑)]
成形品(容器)の外観は、被布層の外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。
〇:塗布斑がない
△:目を凝らすと塗布斑を認識することができる
×:塗布斑が目立つ。
[裏移り(離型層への裏移り)]
防曇層から離型層への裏移りについては、延伸工程においてロール巻き取り温度35℃、張力12kgf/m、ニップ線荷重9kgf/m、スリット工程において張力13kgf/m、ニップ線荷重10kgf/mという条件で巻き取ったロール体(巻長1540m)を巻き戻して得た巻き芯部のシートを使用した。
離型層中の離型剤の量は、蛍光X線分析装置((株)リガク製「RIX1000」)で離型塗布膜に含まれるSiからの蛍光X線強度を測定し、既知の防曇シートから得られた検量線を用いて算出した。
離型層へ裏移りした各成分の組成比(防曇剤(A)、防曇助剤(B)など)は、28cm×20cmにカットした防曇シートの離型層をメタノールで洗い流し、得られたメタノール抽出物を濃縮乾固した試料をNMR(H−NMR)、GPCによる親水性アクリル樹脂定量法により算出した。なお、表1中の裏移り量(ロール巻芯部の離型層に含まれる裏移った各成分の量)は、(A−1)成分(防曇剤)(リケマールAの裏移り量)、(B)成分[(B−1)成分、(B−2)成分及び(B−3)成分の合計の裏移り量]、(B−1)成分(エレカットC−031Lの裏移り量)について評価した。
H−NMRスペクトルは、下記の装置及び条件により測定した。
測定装置:商品名「AVANCE 600」(ブルカーバイオスピン(株)製)
溶媒:重メタノール
積算回数:128回
測定温度:25℃
GPCは、下記の装置及び条件により測定した。
測定装置:(株)島津製作所製、商品名「LC−10AD VP」
カラム:TSKgel α−5000+3000+2500+ガードカラム (東ソー(株)製)
測定温度:40℃
溶離液:0.1M 塩化ナトリウム入り 水/アセトニトリル=50/50 vol%
試料調製:NMR測定後の溶液全量を窒素パージにて乾固し、乾固したものに水/アセトニトリル=50/50 vol%(塩なし)1.5mlに溶解させ、一定時間静置後、フィルターろ過したものをGPC測定に供した。
定量標準品:各標準品 30〜5000ppm 溶離液溶解(0.1M塩化ナトリウム入り、水/アセトニトリル=50/50 vol%)
流速:1ml/分
検出器:RI検出器((株)島津製作所製、商品名「RID−10A」)
注入量:50μl。
実施例1〜4及び比較例1〜3
(塗布液の調製)
各成分の固形分比率(各成分の乾燥後の重量比率)が表1に示す割合(重量部)となるように、各成分に水(イオン交換水)を加えて攪拌混合し、固形分濃度1.5重量%の防曇層を形成するための塗工液(防曇層用塗工液)及び固形分濃度1.5重量%の離型層用塗工液を調製した。
(塗布シートの製造)
シート厚み0.25mmの二軸延伸ポリスチレンシートの一方の面を54dyn/cm以上にコロナ放電処理し、このコロナ放電処理面に乾燥後の塗布量20mg/mになるよう防曇層用塗工液をロールコーターにて塗布し、110℃の熱風乾燥機で1分間乾燥することにより、防曇層を形成した。さらに、二軸延伸ポリスチレンシートの他方の面を、コロナ放電処理せずに、乾燥後の塗布量18mg/mになるよう離型層用塗工液をロールコーターにて塗布し、110℃の熱風乾燥機で1分間乾燥することにより、離型層を形成した。得られた防曇シートの評価結果を表1に示す。
(ロール体の製造)
得られた防曇シートを延伸工程においてロール巻き取り温度35℃、張力12kgf/m、ニップ線荷重9kgf/m、スリット工程において張力13kgf/m、ニップ線荷重10kgf/mという条件で巻き取り、ロール体を製造した。得られたロール体(巻長1540m)の評価結果を表1に示す。
(成形品の製造)
一般的な食品容器の蓋として使用される外嵌合式容器用透明蓋(縦185mm×横153mm×高さ17mm)を、熱板式圧空成形機を用いて、約130℃、約1.5秒の加熱条件下で成形し、打ち抜き機で打ち抜いて、成形品を得た。得られた成形品の評価結果を表1に示す。
Figure 2018176740
表1の結果から明らかなように、実施例で得られた防曇シート、ロール体及び成形品は、防曇性、帯電防止性及び外観に優れ、離型層への裏移りも少ないのに対して、比較例で得られた防曇シート、ロール体及び成形品は、諸特性を両立できなかった。
本発明の防曇シートは、防曇性が要求される各種の用途、例えば、種々の収容物(内容物)、特に、水分を含む収容物(食品など)を収容するための容器などに有用である。

Claims (15)

  1. 熱可塑性樹脂を含む基材層と、この基材層の一方の面に積層され、かつ防曇剤(A)及び防曇助剤(B)を含む防曇層と、前記基材の他方の面に積層され、かつ離型剤(a)を含む離型層とを含む防曇シートであって、前記防曇助剤(B)が、二次成形の加熱温度をT℃としたとき、T−90〜T+20℃の軟化点を有する親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)を含む防曇シート。
  2. 親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)が、ベタイン構造を有する(メタ)アクリル系単位を含む請求項1記載の防曇シート。
  3. 親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の軟化点が40〜150℃である請求項1又は2記載の防曇シート。
  4. 防曇助剤(B)が、ポリオキシアルキレン重合体(B2)をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の防曇シート。
  5. 防曇層が、アニオン性界面活性剤(C)をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の防曇シート。
  6. アニオン性界面活性剤(C)が、脂肪酸塩及びアルカンスルホン酸塩を含む請求項5記載の防曇シート。
  7. 防曇層が、金属化合物(D)をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の防曇シート。
  8. 防曇剤(A)が、非イオン性界面活性剤を含む請求項1〜7のいずれかに記載の防曇シート。
  9. ロール状に巻き取られたロール体である請求項1〜8のいずれかに記載の防曇シート。
  10. 離型層において、防曇層由来の親水性(メタ)アクリル系重合体(B1)の割合が、離型剤(a)100重量部に対して、4重量部以下である請求項9記載の防曇シート。
  11. 熱可塑性樹脂を含む基材層の一方の面に、防曇剤(A)及び防曇助剤(B)を含む防曇層を積層し、かつ前記基材の他方の面に、離型剤(a)を含む離型層を積層する積層工程を含む請求項1〜10のいずれかに記載の防曇シートの製造方法。
  12. 積層工程で得られた積層体をロール状に巻き取るロール工程をさらに含む請求項11記載の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の防曇シートで形成された容器。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の防曇シートを加熱して二次成形する請求項13記載の容器の製造方法。
  15. 二次成形において、加熱した熱板と防曇シートとを接触させて成形する請求項14記載の製造方法。
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