JP2018169422A - 波長変換素子およびレーザ照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水晶を用いた波長変換素子において、水晶板の貼り合わせ枚数および主面面積を抑制しつつ、レーザ光の変換効率を向上させる。【解決手段】波長変換素子10−1は、非線形結晶による分極反転構造が形成されてなる疑似位相整合を有するものであり、非線形結晶には水晶が用いられ、複数の水晶板11を金属拡散層12で貼り合わせた構造とされている。波長変換素子10−1における第1の主面側および第2の主面側には、それぞれ複数の三角柱プリズム13が配置されており、波長変換素子10−1の所定の入射位置から所定の入射角度でレーザ光が入射された場合には、第1の主面側の三角柱プリズム13と第2の主面側の三角柱プリズム13との間でレーザ光が繰り返し反射させられる。【選択図】図1

Description

本発明は、入射光の波長を短波長に変換して出射する波長変換素子と、この波長変換素子を用いたレーザ照射装置に関する。
近年、製造加工や医療等の分野でレーザ照射装置が多用されている。これらの分野では、より微細な加工を行うためには波長の短いレーザが必要であり、紫外域における高出力なものとしてはエキシマレーザが実用化されている。しかしながら、希ガスレーザであるエキシマレーザは、安定性および安全性の面から煩雑なメンテナンスが必要となる。また、エキシマレーザは、装置が大型であるといった課題もある。このため、安定・安全性に優れ、小型化可能なレーザ照射装置が望まれる。
安定・安全性に優れ、小型化可能なレーザ照射装置を得るには、固体のレーザ発振素子(例えばYAGレーザ)を用いることが好ましいが、200nm以下の波長域では、固体のレーザ発振素子自体が存在しない。しかしながら、波長変換素子を用いれば、レーザ発振素子から出射されるレーザ光(基本波)の波長を変換し、より短波長のレーザ光を得ることが可能となる。一般的には、YAGレーザから出射された基本波(1064nm:赤外光)を波長変換素子に透過させ、第2高調波(532nm:緑色光)に変換して出力するレーザ照射装置が知られている。
レーザ光の波長を変換するために用いられる波長変換素子には非線形光学特性を有する結晶(非線形結晶)が用いられ、一般的な非線形結晶材料としては、LT(LiTaO3)、LN(LiNbO3)、LBO(LiB35)、KTP(KTiOPO4)、CLBO(CsLiB610)等が挙げられる。
しかしながら、これらの非線形結晶材料を用いた波長変換素子には以下のような課題がある。
・LTは、260nm以下の波長のレーザに対し、レーザ透過時の吸収量が多く、また、レーザを照射した際の損傷が激しい。
・LN、LBOは、レーザを照射した際の損傷が激しく、また、300nm以下の波長への変換が困難である。
・KTPは、300nm以下の波長への変換が困難である。
・CLBO、LBOは、潮解性を有するため、湿度対策が必要となる。
・その他の非線形結晶材料の多くも、レーザに対する損傷に弱い、潮解性を有する、変換できる波長域に制限がある(波長の透過域が狭い)等の問題を有している。
一方、特許文献1,2には、非線形結晶材料として水晶を用いた波長変換素子が開示されている。水晶は、上述の波長変換素子に比べ、
・レーザ耐性が高い(損傷しにくい)、
・潮解性が無い、
・短波長の透過域が広い、
・熱耐久性が高い、
・安価、メンテナンスフリー、小型化が容易、
といった多くのメリットを有している。
特開2008−233143号公報 特開2008−268245号公報
非線形結晶材料としての水晶は、上述した多くのメリットを有している一方、変換効率が低いといったデメリットも有している(例えば、LTと比較すると変換効率は1/100程度)。
ここで、水晶を用いて波長変換素子を作製するには、分極反転構造が形成されてなる疑似位相整合を形成する。具体的には、図7に示すように、波長変換素子100は、複数の水晶板(x板)110を、結晶の分極が周期的に反転するように積層した(貼り合わせた)構造とすることが考えられる。波長変換素子100に、レーザ光源(レーザ発振素子)200からの基本波L1を照射すると、その透過光において第2高調波(波長が基本波の1/2)L2が得られる。尚、波長変換素子100における分極反転周期Λは、基本波L1の波長に応じて設定される。
水晶板による疑似位相整合を用いた波長変換素子では、水晶板の積層数(貼り合わせ枚数)を増加し、レーザ光が透過する水晶板の枚数を増加することで、波長変換素子としての変換効率を増加させることができる。但し、水晶を用いた波長変換素子では、実用レベルの変換効率を得るには数千オーダーの積層数が必要とされる。このように、水晶板の貼り合わせ枚数を単に増加させる構成では、波長変換素子が大型化するといった問題がある。
特許文献2では、水晶板の積層体の一方の主面に反射膜を、他方の主面に透過・反射膜(ダイクロイックミラー)を設け、上記積層体に入射されたレーザ光を、反射膜と透過・反射膜との間で繰り返し反射(多重反射)させる構成が開示されている。このような多重反射構造により、上記積層体における水晶板の積層数を抑制しながら、変換効率を向上させることができる。
しかしながら、特許文献2の構成では、反射膜および透過・反射膜の反射面が水晶板の主面と平行な面となるため、多重反射の回数を増やすと、これに伴って上記積層体の必要面積(水晶板の主面面積)も大きくなり、波長変換素子の大面積化に繋がるといった課題がある。また、特許文献2の構成では、入射光が屈折し、反射しながら素子内を進むため、同一面積の素子においては、貼り合わせ枚数を多くしても反射回数が減り、レーザ光が波長変換素子を通る長さは変わらないため、変換効率を高くできないといった課題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、水晶を用いた波長変換素子において、水晶板の貼り合わせ枚数および主面面積を抑制しつつ、レーザ光の変換効率を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、非線形光学特性を有する結晶による分極反転構造が形成されてなる疑似位相整合を有する波長変換素子であって、前記結晶には水晶が用いられ、複数の水晶板を貼り合わせた構造とされており、前記波長変換素子における第1の主面側および第2の主面側には、それぞれ複数のプリズムが配置されており、前記複数のプリズムは、前記波長変換素子の所定の入射位置から所定の入射角度でレーザ光が入射された場合に、前記レーザ光を前記波長変換素子の前記第1の主面側のプリズムと前記第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射させることが可能な構成となっていることを特徴としている。
上記の構成によれば、波長変換素子にレーザ光を入射させた場合、該レーザ光は第1の主面側のプリズムと第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射を受けて波長変換素子内を進行する。このような繰り返し反射構造を用いることで、レーザ光が透過する水晶板の積層数は、水晶板の貼り合わせ枚数の整数倍となり、水晶板の貼り合わせ枚数を抑制しつつレーザ光の変換効率を向上させることができる。
また、上記波長変換素子では、前記複数のプリズムは、前記波長変換素子内において前記第1の主面側から前記第2の主面側に進むレーザ光(往路レーザ光)の光路(往路レーザ光)と、前記第2の主面側から前記第1の主面側に進むレーザ光(復路レーザ光)の光路とが平行となるようにレーザ光を反射させる構成とすることができる。
上記の構成によれば、繰り返し反射において、往路レーザ光と復路レーザ光とが平行となることで、素子の単位面積当たりの反射の繰り返し回数を増やすことができ、波長変換素子の面積増加を抑制しつつ、レーザ光の変換効率を向上させることが可能となる。また、水晶板の貼り合わせ枚数を多くしても反射回数が減ることはなく、小型の素子において高い変換効率を実現することができる。
また、上記波長変換素子では、前記複数のプリズムは、前記波長変換素子の前記第1の主面の所定の位置から入射面に対してブリュースター角となる入射角度でレーザ光が入射された場合に、前記レーザ光を前記第1の主面側のプリズムと前記第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射させることが可能な構成となっており、前記複数の水晶板は、貼り合わされる全ての水晶板の重心に対する近似直線が、該波長変換素子の光入射面に対してレーザ光がブリュースター角で入射された場合の屈折光の光路と平行となるように貼り合わされている構成とすることができる。
上記の構成によれば、ブリュースター角で入射されるレーザ光に対して繰り返し反射を行うことができ、波長変換素子の面積増加を抑制しつつ、反射の繰り返し回数を増やし、レーザ光の変換効率を向上させることが可能となる。入射角をブリュースター角に合わせることで反射を抑制でき、変換効率の低下も抑制できる。また、水晶板の貼り合わせ枚数が多くなり、波長変換素子の厚みが大きくなる場合であっても、各水晶板の面積を必要以上に大きくすることなく、レーザ光を波長変換素子の入射面から出射面まで透過させることができる。
また、上記波長変換素子では、前記複数のプリズムは、前記波長変換素子の前記第1の主面に対して垂直となる入射角度でレーザ光が入射された場合に、前記レーザ光を前記第1の主面側のプリズムと前記第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射させる構成とすることができる。
上記の構成によれば、垂直に入射されるレーザ光に対して繰り返し反射を行うことで、波長変換素子の面積増加をさらに抑制しつつ、反射の繰り返し回数を増やし、レーザ光の変換効率を向上させることが可能となる。
また、上記波長変換素子は、貼り合わされた前記複数の水晶板と、前記複数のプリズムとを、両側から挟み込んで固定するパッケージを有しており、前記複数のプリズムは、前記パッケージによって前記水晶板に対して位置決めされる構成とすることができる。
上記の構成によれば、プリズムをパッケージによって固定する構造とすることで、プリズムを水晶板に対して固定(接着)することなく位置決めできる。このため、プリズムの設計変更やプリズムの小型化が可能になった場合に、プリズムの交換を容易に行うことができる。
また、本発明のレーザ照射装置は、レーザ光源と波長変換素子とを有し、前記レーザ光源から発射される基準レーザ光を前記波長変換素子に透過させ、該透過によって波長変換された変換レーザ光を外部に照射するレーザ照射装置であって、前記波長変換素子は、上記記載された波長変換素子であることを特徴としている。
本発明の波長変換素子およびレーザ照射装置は、非線形結晶に水晶を用いた波長変換素子において、レーザ光を第1の主面側のプリズムと第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射する繰り返し反射構造を用いることで、水晶板の貼り合わせ枚数を抑制しつつレーザ光の変換効率を向上させることができるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態1に係る波長変換素子の概略構成を示す断面図である。 (a),(b)は、図1に示す波長変換素子における金属拡散層の配置パターンの一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態2に係る波長変換素子の概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態3に係る波長変換素子の概略構成を示す断面図である。 図1の波長変換素子を用いたレーザ照射装置の概略構成を示す図である。 図3の波長変換素子を用いたレーザ照射装置の概略構成を示す図である。 非線形結晶として水晶を用いた波長変換素子の基本構成を示す図である。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、非線形結晶として水晶を用いた波長変換素子10−1の断面図である。
波長変換素子10−1は、図1に示すように、複数の水晶板11を金属拡散層12によって貼り合わせてなる構造である。すなわち、水晶板11は、拡散接合によって貼り合わされる。また、波長変換素子10−1において、水晶板11は、図7に示すような疑似位相整合を形成するように貼り合わされている。尚、図1(および後述する図2)は図面の簡略化のため、水晶板11の枚数を大幅に少なくして描画しているが、実際には、数百枚程度の枚数で水晶板11が貼り合わされる。金属拡散層12による水晶板11の具体的な貼り合わせ構造については後述する。
波長変換素子10−1は多重反射構造を有しており、そのため、第1の主面(図1では上面)および第2の主面(図1では下面)の両方に複数の三角柱プリズム13が配置されている。複数の三角柱プリズム13は、同じ形状かつ同じサイズであり、両主面において同一の向きかつ同一のピッチで配列されている。三角柱プリズム13は、水晶板11に対して、例えば接着剤を用いた接着により、所定の位置に固定することができる。
各三角柱プリズム13は、三角柱の3つの側面のうちの一つの側面13aが、最上層および最下層の水晶板11の表面と接触するように配置されている。そして、残り2つの側面13b,13cのなす角は、90°に設定されている。また、第1の主面および第2の主面のそれぞれにおいて、三角柱プリズム13の配置ピッチをPとした場合、第1の主面に配置される三角柱プリズム13とは、第2の主面に配置される三角柱プリズム13とは、その配列方向にP/2ずれて配置されている。
図1に示す波長変換素子10−1では、第1の主面の所定の入射位置から所定の入射角度(図1の例では0°、すなわち垂直入射)にてレーザ光(基本波L1)が入射された場合に、所望の波長変換効果が得られるように設計されている。具体的には、波長変換素子10−1における三角柱プリズム13の配列方向(図中、矢印A方向)の一方の端部(図1では右端)に基本波L1の入射位置が設けられており、該入射位置には三角柱プリズム13が設けられていない。代わりに、第1の主面の上記入射位置には、反射防止膜14が設けられていることが好ましい。また、図示は省略しているが、貼り合わされる水晶板11間においても、レーザ光の透過領域に反射防止膜が設けられていることが好ましい。
上記入射位置から波長変換素子10−1に垂直入射されたレーザ光は、波長変換素子10−1の第2の主面を透過し、第2の主面側に配置された三角柱プリズム13の一つ(図1では、右端の三角柱プリズム13)に入射する。三角柱プリズム13に入射したレーザ光は、2つの側面13b,13cにおいて折り返し反射され、進行方向を180°反転して第2の主面から波長変換素子10−1に再び垂直入射される。この時、側面13b,13cに対するレーザ光の入射角は45°であり、レーザ光は三角柱プリズム13において全反射される。第2の主面側に配置された三角柱プリズム13によって折り返し反射されたレーザ光は、波長変換素子10−1の第1の主面を透過し、第1の主面側に配置された三角柱プリズム13の一つに入射し、同様に折り返し反射される。
三角柱プリズム13によって折り返し反射されるレーザ光は、折り返しのたびに、三角柱プリズム13の配列方向に沿ってP/2ずつ光路がずれる。そのため、図1に示すように、波長変換素子10−1に入射されたレーザ光は、第1の主面側に配置された三角柱プリズム13と第2の主面側に配置された三角柱プリズム13との間で反射を繰り返しながら素子内を進行する。
波長変換素子10−1に最初に入射されるレーザ光は、所定の波長を有する基本波L1であるが、基本波L1が水晶板11を透過する際には、基本波L1が波長変換されて第2高調波L2が発生する。発生した第2高調波L2は、基本波L1と同様に三角柱プリズム13によって繰り返し反射を受け、素子内を進行する。
波長変換素子10−1に入射されたレーザ光は、最終的に、三角柱プリズム13の配列方向(図中、矢印A方向)における他方の端部(入射位置と反対側の端部:図1では左端)から出射される。この出射レーザ光には、基本波L1が波長変換されてなる第2高調波L2と、最後まで変換されずに残った基本波L1とが含まれるが、透過・反射板(例えばダイクロイックミラー)の使用によって第2高調波L2を基本波L1から分離し、第2高調波L2のみを波長変換波として利用できる。
尚、図1の例では、レーザ光を最後に折り返し反射する三角柱プリズム13は第1の主面側に設けられており、出射レーザ光は波長変換素子10−1の第2の主面から出射されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光を最後に折り返し反射する三角柱プリズム13が第2の主面側に設けられ、出射レーザ光が第1の主面から出射される構成であってもよい。
このように、三角柱プリズム13を用いて多重反射構造を行う波長変換素子10−1は、各水晶板11に対してレーザ光を複数回透過させることができるため、水晶板11の積層数を抑制しながら波長変換素子の変換効率を増大させることができる。また、波長変換素子10−1では、三角柱プリズム13を用いることにより、第1の主面から第2の主面に向かうレーザ光(以下、往路レーザ光)と、第2の主面から第1の主面に向かうレーザ光(以下、復路レーザ光)とが平行となるように反射を行うことができる。これにより、より小さな面積内でより多数の繰り返し反射を行うことができ、波長変換素子の面積増加を抑制しつつ、反射の繰り返し回数を増やす(レーザ光の変換効率を向上させる)ことが可能となる。また、、水晶板の貼り合わせ枚数を多くしても反射回数が減ることはなく、小型(小面積)の素子において高い変換効率を実現するためにも有効である。
尚、波長変換素子10−1は、多重反射されながら素子内を進行するレーザ光の透過領域を確保するため、その有効面積は多重反射構造を用いない波長変換素子に比べて大面積化することが要求される。言い換えれば、反射の繰り返し回数をより増やすためには大面積に作成された水晶板11を用いることが必要となる。
水晶は、従来の波長変換素子で用いられている他の非線形結晶(LT,LN等)に比べ、大面積に作成することが比較的容易である。非線形結晶に水晶を用いた場合、多重反射構造を用いた波長変換素子10−1も作成しやすく、このことも波長変換素子に水晶を用いることのメリットであると言える。
続いて、金属拡散層12による水晶板11の具体的な貼り合わせ構造について図2を参照して説明する。図2は、波長変換素子10−1における金属拡散層12の配置パターンの一例を示す。但し、波長変換素子10−1において、金属拡散層12による水晶板11の貼り合わせは必須の構成ではなく、水晶板11同士を直接接合するものであってもよい。
金属拡散層12は、図2に示すように、水晶板11の主面(貼り合わせ面)に対して全面に形成されるものではなく、一部の領域に形成される。すなわち、水晶板11の主面には金属拡散層12の存在しない領域(開口領域)が設けられる。また、金属拡散層12は主に水晶板11の主面の外周部に形成され、水晶板11の内部領域の殆どは金属拡散層12の存在しない開口領域とされることが好ましい。特に、図2(a)に示すように、金属拡散層12は水晶板11の主面の外周部のみに形成することが好ましい。
但し、金属拡散層12は、水晶板11の主面の外周部のみでなく、内部領域の一部にも設ける構成とされていてもよい。すなわち、図2(b)に示すように、水晶板11の主面の外周部に形成された金属パターン12Aと水晶板11の主面内部領域に形成された金属パターン12Bとを有していてもよい。多重反射構造を有する波長変換素子10−1では水晶板11が大面積となりやすいが、大面積に作成された水晶板11を金属拡散層12にて貼り合わせる場合、金属拡散層12を水晶板11の主面の外周部のみに形成すると、金属拡散層12の存在しない開口領域も大面積となる。そして、波長変換素子が大面積の開口領域を有する場合、波長変換素子の機械的強度が低下したり、水晶板11の撓みによって水晶板11間のギャップ制御が困難になるといった恐れがあるためである。
水晶板を用いた波長変換素子において、水晶板の貼り合わせを接着層や金属拡散層を用いて水晶板の主面全体で行った場合、波長変換素子を透過するレーザ光は水晶板だけでなく接着層や金属拡散層をも透過する必要がある。そして、レーザ光が接着層や金属拡散層を透過する際の吸収や、接着層または金属拡散層と水晶板との界面での反射等により、レーザ光の透過率が低下する。接着剤を用いる方法では、水晶板間のギャップ制御が難しい、レーザ光の波長によっては透過率が大きく低下する等の問題がある。このレーザ光の低下は、特にUV硬化型の接着剤を用いた場合には顕著である。また、拡散接合を用いた方法では、水晶板の反りを吸収できず、積層数を多くできないといった問題や、異物等を挟みこんだ場合に接合できないといった問題がある。
これに対し、本実施の形態1に係る波長変換素子10−1では、水晶板11は金属拡散層12によって貼り合わされ、しかも、水晶板11の主面には金属拡散層12の存在しない領域(開口領域)が設けられる。このため、波長変換素子10−1において、金属拡散層12の存在しない開口領域をレーザ透過領域として使用することで、金属拡散層12による吸収や反射を無くし、波長変換素子10−1に対してレーザ光を効率よく透過させることができる。
また、金属拡散層12は、主に水晶板11の主面の外周部に形成され、水晶板11の内部領域の殆どは金属拡散層12の存在しない開口領域とされる。これにより、波長変換素子10−1の内部領域をレーザ透過領域として使用しやすくなる。また、図2に示す金属パターン12Aにより水晶板11の外周部で貼り合わせを行うことで、波長変換素子10−1の機械的強度も確保しやすくなる、金属の柔軟性により基板の反りを吸収することができ積層数を多くすることができる、異物等が接合面にあっても柔軟に接合することができるといった効果もある。
波長変換素子10−1では、水晶板11の貼り合わせを金属拡散層12による拡散接合によって行うことで、接着剤を用いた貼り合わせを行う場合に比べて以下のような利点もある。すなわち、接着剤を用いた貼り合わせでは、接着剤の存在しない開口領域を形成するために水晶板の一部領域に接着剤を塗布しても、貼り合わせ時の加圧によって接着剤が塗布領域以上に拡がり、設計通りの開口領域を得ることが困難となる。拡散接合では、金属拡散層が不所望に拡がることはなく、設計通りの開口領域を得ることが容易である。
金属拡散層12による拡散接合は、例えば、以下の工程にて実施される。
まず、接合される2枚の水晶板11には、それぞれの接合面において下地膜および接合膜が形成される。下地膜は、水晶板11の平坦平滑面(鏡面加工)に下地金属(TiやNi等)を物理的気相成長させて形成される。接合膜は、下地膜上にAuやPt等の拡散接合可能な金属を物理的気相成長させて積層形成される。
こうして、下地膜および接合膜が形成された2枚の水晶板11を重ね合せると、接合膜同士が拡散接合され、2枚の水晶板11同士が貼り合わされる。この場合、下地膜および接合膜が金属拡散層12となる。金属拡散層12の厚みは、80nm〜2μmの範囲とすることが好ましく、水晶板11同士を密着させるためには、80nm〜1μmの範囲とすることがさらに好ましい。
また、図2に示す金属拡散層12は水晶板11の外周全体を囲むようには形成されておらず、貼り合わされた水晶板11の内部領域(ギャップ空間)を外部と通気させるための通気部12aが設けられている。これは、通気部12aを設けることで水晶板11間に密封空間を形成しない構造とし、該密封空間に水分が封入されることを防止するためである。水晶板11間に水分が封入された密封空間が存在すると、温度によっては結露が発生する恐れがあり、この結露にレーザ光が当たると不所望な屈折が生じて、透過レーザにおけるエネルギ損失が生じる。また、貼り合せ面の外周部に開口部(通気部12a)を設けることで、貼り合せ面の応力を緩和することが可能となり、積層数を多くした場合の素子の変形を防止することが可能となる。
また、水晶板11のギャップ空間での結露を防止する方法としては、貼り合わされた水晶板11のギャップ空間を、真空もしくは窒素等の不活性ガスが充填された密閉空間とする方法もある。このようにすれば、該密封空間に水分が封入されることは無く、結露を防止することができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態1で示した波長変換素子10−1のように、複数の水晶板11を金属拡散層12によって貼り合わせ、かつ、金属拡散層12の存在しない開口領域を設ける構造では、この開口領域において、貼り合わされる水晶板11の間にギャップ空間が形成される。このギャップ空間内の媒質(ギャップ内媒質)と水晶板11との屈折率が異なる場合、ギャップ内媒質と水晶板11との界面で反射が生じ、この反射によって透過レーザにおけるエネルギ損失が生じる可能性がある。
上記反射を防止する有効な手段としては、波長変換素子に入射されるレーザ光の入射角(水晶板11の主面に対する入射角)をブリュースター角とすることが考えられる。このように、波長変換素子にブリュースター角でレーザ光を入射させることで、反射によるエネルギ損失を大幅に抑制できる。図3は、レーザ光の入射角をブリュースター角とする場合に対応する波長変換素子10−2の断面図である。
波長変換素子10−2は多重反射構造を有しており、そのため、第1の主面(図3では上面)および第2の主面(図3では下面)の両方に複数の四角柱プリズム15が配置されている。複数の四角柱プリズム15は、同じ形状かつ同じサイズであり、両主面において同一の向きかつ同一のピッチで配列されている。四角柱プリズム15は、水晶板11に対して、例えば接着剤を用いた接着により、所定の位置に固定することができる。
各四角柱プリズム15は、四角柱プリズム15の4つの側面のうちの一つの側面15aが、最上層および最下層の水晶板11の表面と接触するように配置されている。そして、レーザ光の反射面として利用される2つの側面15b,15cのなす角は、90°に設定されている。
図3に示す波長変換素子10−2では、第1の主面の所定の入射位置から入射角αがブリュースター角であるレーザ光(基本波L1)が入射された場合に、所望の波長変換効果が得られるように設計されている。具体的には、波長変換素子10−2における四角柱プリズム15の配列方向(図中、矢印A方向)の一方の端部(図3では右端)に基本波L1の入射位置が設けられており、該入射位置には四角柱プリズム15が設けられていない。また、入射角αをブリュースター角とすることで、上記入射位置において反射防止膜も必要としない。
上記入射位置から波長変換素子10−2にブリュースター角で入射されたレーザ光は、波長変換素子10−2の第2の主面を透過し、第2の主面側に配置された四角柱プリズム15の一つ(図3では、右端の四角柱プリズム15)に入射する。四角柱プリズム15に入射したレーザ光は、2つの側面15b,15cにおいて折り返し反射され、進行方向を180°反転して第2の主面から波長変換素子10−2に再びブリュースター角で入射される。この時、四角柱プリズム15は、側面15b,15cに対するレーザ光の入射角が45°となるように設定されており、レーザ光は四角柱プリズム15において全反射される。第2の主面側に配置された四角柱プリズム15によって折り返し反射されたレーザ光は、波長変換素子10−2の第1の主面を透過し、第1の主面側に配置された四角柱プリズム15の一つに入射し、同様に折り返し反射される。
四角柱プリズム15によって折り返し反射されるレーザ光は、折り返しのたびに、四角柱プリズム15の配列方向に沿って所定ピッチずつ光路がずれる。具体的には、第1の主面および第2の主面のそれぞれにおける四角柱プリズム15の配置ピッチをPとした場合、折り返し反射されるレーザ光はP/2ずつ光路がずれる。そのため、図3に示すように、波長変換素子10−2に入射されたレーザ光は、第1の主面側に配置された四角柱プリズム15と第2の主面側に配置された四角柱プリズム15との間で反射を繰り返しながら素子内を進行する。
波長変換素子10−2に最初に入射されるレーザ光は、所定の波長を有する基本波L1であるが、基本波L1が水晶板11を透過する際には、基本波L1が波長変換されて第2高調波L2が発生する。発生した第2高調波L2は、基本波L1と同様に四角柱プリズム15によって繰り返し反射を受け、素子内を進行する。
このように、四角柱プリズム15を用いて多重反射構造を行う波長変換素子10−2は、各水晶板11に対してレーザ光を複数回透過させることができるため、水晶板11の積層数を抑制しながら波長変換素子の変換効率を増大させることができる。また、波長変換素子10−2でも、四角柱プリズム15を用いることにより、第1の主面から第2の主面に向かうレーザ光(以下、往路レーザ光)と、第2の主面から第1の主面に向かうレーザ光(以下、復路レーザ光)とが平行となるように反射を行うことができる。これにより、より小さな面積内でより多数の繰り返し反射を行うことができ、波長変換素子の面積増加を抑制しつつ、反射の繰り返し回数を増やす(レーザ光の変換効率を向上させる)ことが可能となる。
尚、波長変換素子10−2のように、レーザ光を水晶板11の主面に対して垂直でなく斜めに入射する場合、図3に示すように、レーザの入射角に合わせて水晶板11を斜めにずらした貼り合わせとしてもよい。ここでの「斜めにずらした貼り合わせ」とは、全ての水晶板11が同一形状かつ同一寸法であり、貼り合わされる全ての水晶板11の重心に対する近似直線が、水晶板11の主面に対して斜めに傾くような貼り合わせ構造を意味する。また、上記近似直線は、入射されるレーザ光の入射角αをブリュースター角とした場合に、水晶板11中を進行する屈折光の光路と平行となるように設定されることが好ましい。
このように、レーザの入射角に合わせて水晶板11を斜めにずらした貼り合わせとすることにより、各水晶板11の面積を低減することができ、波長変換素子10−2の小型化および軽量化に寄与する。また、本形態では、同じ形状で同じ面積の水晶板11を用いることで、加工が容易になり材料効率も高まるため、コストダウンにも有効である。
〔実施の形態3〕
実施の形態1に係る波長変換素子10−1および実施の形態2に係る波長変換素子10−2において、三角柱プリズム13および四角柱プリズム15は、水晶板11に対して、例えば接着剤を用いた接着により、所定の位置に固定することができる。しかしながら、このような接着によるプリズム固定方法では、プリズムの設計変更やプリズムの小型化が可能となった場合、プリズムのみの交換が不可能であり、素子全体の交換が必要となる。
本実施の形態3では、プリズムのみの交換を可能とする波長変換素子の構成について説明する。図4は、本実施の形態3に係る波長変換素子10−3の断面図である。
波長変換素子10−3は、水晶板11に対して三角柱プリズム13を接着固定せず、図4に示すように、水晶板11を金属拡散層12で貼り合わせてなる積層体(以下、水晶板積層体)と三角柱プリズム13とをパッケージ16にて挟持して、これらの相対位置関係を保持する構成である。
パッケージ16は、第1の主面側に配置される第1パッケージ部材161と、第2の主面側に配置される第2パッケージ部材162とから構成されている。第1パッケージ部材161および第2パッケージ部材162は、その両端にフランジ部16aを有しており、このフランジ部16aをボルト17で締結することにより、水晶板積層体および三角柱プリズム13を間に挟持して保持できる構成となっている。また、パッケージ16には、波長変換素子10−3におけるレーザ光の入射位置と出射位置とに対応して、レーザ入射窓16bとレーザ出射窓16cとが形成されている。
尚、図4に示すパッケージ16は、実施の形態1における三角柱プリズム13を保持する形状のものを例示しているが、パッケージ16の形状を変えれば、異なる形状のプリズムを水晶板積層体に対して位置合わせした状態で保持することも可能である。例えば、実施の形態2における四角柱プリズム15を保持する形状とすることもできる。
このように、パッケージ16を用いれば、プリズムを水晶板積層体に対して固定(接着)することなく位置決めできる。このため、プリズムの設計変更やプリズムの小型化が可能になった場合に、プリズムの交換を容易に行うことができる。
〔実施の形態4〕
本実施の形態4では、本発明が適用されたレーザ照射装置について図5,図6を参照して説明する。
図5は、図1に示す波長変換素子10−1を用いたレーザ照射装置50−1の概略構成を示す図である。レーザ照射装置50−1は、レーザ光源(レーザ発振素子)51からの基本波(基準レーザ光)L1を波長変換素子10−1に照射し、第2高調波(波長が基本波の1/2:変換レーザ光)L2を得る構成である。図6は、図3に示す波長変換素子10−2を用いたレーザ照射装置50−2の概略構成を示す図である。レーザ照射装置50−2は、レーザ光源(レーザ発振素子)51からの基本波L1を波長変換素子10−2に照射し、第2高調波(波長が基本波の1/2)L2を得る構成である。
図5に示すレーザ照射装置50−1において、波長変換素子10−1に入射されるレーザ光(基本波L1)は、波長変換素子10−1の入射面(第1の主面)に対し、所定の入射位置から所定の入射角度(0°、すなわち垂直入射)で入射される必要がある。同様に、図6に示すレーザ照射装置50−2において、波長変換素子10−2に入射されるレーザ光(基本波L1)は、波長変換素子10−2の入射面(第1の主面)に対し、所定の入射位置から所定の入射角度(ブリュースター角)で入射される必要がある。
このため、レーザ照射装置50−1,50−2では、レーザ光源51は、波長変換素子10−1,10−2に対してレーザ光を正確に入射できるように適切に位置決めされる。尚、レーザ照射装置50−1,50−2は、レーザ光源51を高精度に位置決めするための微調整手段を有していてもよい。
レーザ照射装置50−1,50−2においては、波長変換素子10−1,10−2から出射されるレーザ光は、基本波L1と第2高調波L2とを含んでいる。このため、レーザ照射装置50−1,50−2は、波長変換素子10−1,10−2の後段に透過・反射板(例えばダイクロイックミラー)52を設け、基本波L1と第2高調波L2とを分離して、分離した第2高調波L2のみを出力レーザ光として利用する構成とされている。尚、図5,6における透過・反射板52は、第2高調波L2を透過し、基本波L1を反射するものを例示しているが、これとは逆に、第2高調波L2を反射し、基本波L1を透過するものであってもよい。
また、レーザ照射装置50−1,50−2においては、波長変換素子10−1,10−2で繰り返し反射を受けた後に出射される第2高調波L2は、完全には重ならず、幾分拡がって出射される場合がある。このため、レーザ照射装置50−1,50−2では、波長変換素子10−1,10−2の後段に集光レンズ53が設けられていてもよい。これにより、波長変換素子10−1,10−2から出射される第2高調波L2は、集光レンズ53によって集光され、増幅された波長変換波として利用できる。尚、図5,6では、集光レンズ53を透過・反射板52の後段に配置した場合を例示しているが、集光レンズ53を透過・反射板52の前段に配置してもよい。
レーザ照射装置50−1および50−2において、レーザ光源51は固体レーザ発振素子であることが好ましく、例えばYAGレーザを用いることが好ましい。YAGレーザから照射される基本波L1の波長は1064nmであり、第2高調波L2の波長は532nmである。尚、図5,6では、使用する波長変換素子の数を一つとした場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光の光路に沿って複数の波長変換素子を配置する構成であってもよい。
例えば、図5に示すレーザ照射装置50−1において、波長変換素子10−1をレーザ光の光路に沿って複数配置すれば、波長が1064nmの基本波L1を、532nm,266nm,…と順次変換することができ、最終的には紫外光域の短波長レーザ光を得ることができる。このことは、図6に示すレーザ照射装置50−2においても同様である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10−1,10−2 波長変換素子
11 水晶板
12 金属拡散層
12A,12B 金属パターン
13 三角柱プリズム
14 反射防止膜
15 四角柱プリズム
16 パッケージ
161 第1パッケージ部材
162 第2パッケージ部材
50−1,50−2 レーザ照射装置
51 レーザ光源
52 透過・反射板
53 集光レンズ
L1 基本波(基準レーザ光)
L2 第2高調波(変換レーザ光)

Claims (6)

  1. 非線形光学特性を有する結晶による分極反転構造が形成されてなる疑似位相整合を有する波長変換素子であって、
    前記結晶には水晶が用いられ、複数の水晶板を貼り合わせた構造とされており、
    前記波長変換素子における第1の主面側および第2の主面側には、それぞれ複数のプリズムが配置されており、
    前記複数のプリズムは、前記波長変換素子の所定の入射位置から所定の入射角度でレーザ光が入射された場合に、前記レーザ光を前記波長変換素子の前記第1の主面側のプリズムと前記第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射させることが可能な構成となっていることを特徴とする波長変換素子。
  2. 請求項1に記載の波長変換素子であって、
    前記複数のプリズムは、前記波長変換素子内において前記第1の主面側から前記第2の主面側に進むレーザ光の光路と、前記第2の主面側から前記第1の主面側に進むレーザ光の光路とが平行となるようにレーザ光を反射させる構成となっていることを特徴とする波長変換素子。
  3. 請求項2に記載の波長変換素子であって、
    前記複数のプリズムは、前記波長変換素子の前記第1の主面の所定の位置から入射面に対してブリュースター角となる入射角度でレーザ光が入射された場合に、前記レーザ光を前記第1の主面側のプリズムと前記第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射させることが可能な構成となっており、
    前記複数の水晶板は、貼り合わされる全ての水晶板の重心に対する近似直線が、該波長変換素子の光入射面に対してレーザ光がブリュースター角で入射された場合の屈折光の光路と平行となるように貼り合わされていることを特徴とする波長変換素子。
  4. 請求項2に記載の波長変換素子であって、
    前記複数のプリズムは、前記波長変換素子の前記第1の主面に対して垂直となる入射角度でレーザ光が入射された場合に、前記レーザ光を前記第1の主面側のプリズムと前記第2の主面側のプリズムとの間で繰り返し反射させることが可能な構成となっていることを特徴とする波長変換素子。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の波長変換素子であって、
    貼り合わされた前記複数の水晶板と、前記複数のプリズムとを、両側から挟み込んで固定するパッケージを有しており、
    前記複数のプリズムは、前記パッケージによって前記水晶板に対して位置決めされることを特徴とする波長変換素子。
  6. レーザ光源と波長変換素子とを有し、前記レーザ光源から発射される基準レーザ光を前記波長変換素子に透過させ、該透過によって波長変換された変換レーザ光を外部に照射するレーザ照射装置であって、
    前記波長変換素子は、前記請求項1から5のいずれか一項に記載された波長変換素子であることを特徴とするレーザ照射装置。
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