JP2004125943A - 波長変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換素子に光損傷を与えずに高効に率波長変換を行う。
【解決手段】外部から波長変換素子11内に入射した所定の波長の基本光Aを、対向する部分反射膜12及び反射膜13で繰り返し反射するとともに部分反射膜12及び反射膜13の対向する方向に対して直行する方向に導きながら、基本光A0〜(n−1)の光路中に設けられた複数の波長変換部14a〜14aにより基本光A0〜(n−1)を波長変換して変換光B1〜nとし、この変換光B1〜nを部分反射膜12から外部へ出力する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の波長を変換する波長変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光の波長を変換する波長変換装置には、波長変換素子を用いて第二次高調波発生(Second Harmonic generation:SHG)等の非線形光学現象により高効率に波長変換を行うものがある。
【0003】
このような波長変換を行う波長変換装置は、例えば、図16に示すように、周波数ωのレーザ光である基本光を出射するレーザ光源101と、レーザ光源101から出射された基本光を集光する集光レンズ102と、集光レンズ102により集光された基本光を波長変換して周波数2ωの変換光を生成する非線形光学結晶103とを備えている。
【0004】
非線形光学結晶103は、集光レンズ102により集光される基本光のビームウエスト位置に配設されており、入射した基本光との相互作用により周波数2ωの変換光を生成する波長変換素子である。この非線形光学結晶103は、基本光と変換光との位相が整合するように、結晶の方位や分域反転構造等を適切に調整することにより、基本光を効率よく波長変換することができる。ここで、分域反転構造とは、非線形光学結晶103の自発分極を周期的に反転させた領域、すなわち分域反転領域が設けられた構造である。
【0005】
ここで、波長変換装置において、特に赤外波長域から可視波長域への波長変換を行う場合、非線形光学結晶103には、その波長における光透過性及び非線形光学特性の観点から、例えば強誘電体又は焦電体単結晶を用いることが多い。
【0006】
以上のように構成された波長変換装置は、光源101から周波数ωの基本光を出射し、光源101から出射した基本光を集光レンズ102により集光して非線形光学結晶103に入射し、入射した基本光と非線形光学結晶103との相互作用により周波数2ωの変換光を生成する。
【0007】
このような波長変換装置において、非線形光学結晶103に入射する基本光に対する非線形光学結晶103により生成された変換光の出力比率、すなわち変換効率ηは、基本光及び変換光の減衰を無視できるものとし、共焦点収束(コンフォーカルフォーカシング)とした場合、以下の式1のように表すことができる。
【0008】
η∝LP(ω) ・・・(式1)
但し、上述の式1においては、非線形光学結晶103と基本光との相互作用により波長変換が行われる距離、すなわち相互作用長をLとし、基本光の尖頭値、すなわちピークパワーをP(ω)としている。
【0009】
上述の式1より、変換効率ηは、相互作用長L及びピークパワーP(ω)に比例することがわかる。従って、上述した波長変換装置では、効率変換ηを高めたい場合に、非線形光学結晶103の相互作用長Lを長くするか、非線形光学結晶103に入射する基本光のピークパワーP(ω)を大きくすればよいことがわかる。なお、基本光のピークパワーを大きくするためには、ピークパワーの大きな基本光を出力する光源を用いることが考えられる。ピークパワーの大きな光源としては、特にパルスレーザを用いることが多い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基本光のピークパワーを大きくする場合、上述した非線形光学結晶のような波長変換素子は、一般に光透過性の高い材料であっても、光学特性に不可逆な損傷、いわゆる光損傷(Optical breakdown)を引き起こすことがある。具体的に、波長変換素子は、基本光及び変換光の波長や、この結晶を構成する材料の反射特性,吸収特性,内部構造,表面性等の条件により、所定の閾値を超えるピークパワーの基本光が入射されることで光損傷を引き起こす。
【0011】
波長変換装置では、波長変換素子にこのような光損傷が発生することにより、波長変換素子の光学特性が変化してしまい、所望の変換効率を得ることができなくなる。
【0012】
このため、上述したような波長変換装置では、使用する波長変換素子の閾値を超えない範囲のピークパワーの基本光を用いるか、基本光のピークパワーよりも大きい閾値を持つ波長変換素子を用いることになるため、波長変換素子の材料の選択肢を狭め、変換効率を制限してしまう。
【0013】
また、波長変換素子の相互作用長を長くする場合、波長変換素子は、波長変換の際に最適な相互作用長が存在するため、ある程度以上に相互作用長を長くしても変換効率が上がらない。特に、図17に示すように、基本光と変換光とのエネルギーの進む方向の差であるウォークオフ角が大きい波長変換素子では、最適な相互作用長が短くなってしまう。また、相互作用長が短くなってしまう分を、例えば、単一の基本光の光路中に複数の波長変換素子を直列に並べて各素子で集光条件を最適化した場合は、波長変換素子の材料が多く必要となり、小型で安い波長変換装置が実現できない。
【0014】
さらに、波長変換装置では、波長変換素子に光損傷が起きない程度のピークパワーの基本光を照射した場合であっても、特にニオブ酸リチウム(LiNbO)結晶等の場合にみられる、結晶内部に電荷分布の偏りが生じて屈折率が変化する光誘起複屈折率(Photo−refractive)効果による位相の不整合が原因で変換効率が低下したり、KTiOPO結晶等の場合にみられる着色(Gray track)による吸収が原因で変換効率が低下することがある。
【0015】
なお、上述で問題としている光損傷とは、基本光によるものだけではなく、特に高調波発生において、基本光よりも光エネルギーの大きな短波長の変換光によりさらに引き起こされる光損傷をも含んでいる。
【0016】
本発明は、上述したような状況を鑑みて創案されたものであり、非線形波長変換を行う際に、波長変換素子の光損傷及び変換効率の低下を改善し、比較的弱い光強度の基本光であっても、高変換効率で波長変換を行うことができる波長変換装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る波長変換装置は、上述した目的を達成するために、レーザ光の波長を変換する波長変換装置であって、入射したレーザ光を互いに同一の直線上にはない複数の光路に導光する導光手段と、互いに同一の直線上にはない複数の光路に配設され、入射したレーザ光の波長を変換する波長変換手段と、波長変換手段により波長が変換されたレーザ光を取り出すレーザ光取り出し手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
以上のように構成された波長変換装置は、入射されたレーザ光を導光手段により互いに同一の直線上にはない複数の光路に導光し、この複数の光路に配設された波長変換手段によりレーザ光の波長を変換することで、装置全体での波長変換効率を高める。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された波長変換装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
本発明が適用された波長変換装置は、外部から入力された第1の波長の光(以下では、基本光と記述する。)を波長変換素子によって第1の波長と異なる第2の波長の光(以下では、変換光と記述する。)に波長変換し、複数の変換光として出力するものである。
【0021】
<第1の実施の形態>
以下では、第1の実施の形態として、図1に示す波長変換装置1について説明する。
【0022】
波長変換装置1は、基本光の波長を変換して変換光を生成する波長変換素子11と、基本光を反射するとともに変換光を透過する部分反射膜12と、基本光を反射する反射膜13とを備える。
【0023】
波長変換素子11は、直方体の形状を呈した光学部材である。波長変換素子11には、非線形光学現象を利用して基本光の波長を変換し、変換光を生成するn個の波長変換部14a〜14aが内部に設けられている。波長変換素子11は、直方体の長手方向に平行な1つの側面11a上に、部分反射膜12が設けられ、側面11aと平行な反対側の側面11b上に、反射膜13が設けられている。
【0024】
部分反射膜12は、第2の波長の光を透過し、第1の波長の光を反射する波長選択性を有する光分離膜である。すなわち、部分反射膜12は、基本光を反射し、変換光を透過する光分離膜であり、部分反射膜12及び反射膜13の間の変換光を装置外部に取り出すことができる。反射膜13は、波長選択性のない光反射膜である。
【0025】
波長変換素子11は、波長変換を行う波長変換部14a〜14a以外の部分が、波長変換に寄与しない光透過性の高い光学材料で埋められている。波長変換素子11の波長変換部14a〜14a以外の部分を埋める光学材料としては、第1の波長の光及び第2の波長の光に対して高い透過率を有するものが好ましい。すなわち、波長変換素子11の波長変換部14a〜14a以外の部分を埋める光学材料としては、基本光及び変換光に対して高い透過率を有するものが好ましい。なお、波長変換素子11の形状は、直方体に限定されるものではなく、側面11a,11b上にそれぞれ部分反射膜12,反射膜13を互いに平行に設けることができる形状であればよい。
【0026】
なお、波長変換素子11の側面11b上には、全面に渡って反射膜13が設けられているわけではない。波長変換素子11は、側面11bの長手方向の一端側に反射膜13が設けられていない部分があり、側面11bが外部に露呈している。この側面11bが外部に露呈した部分を開口部11cとする。図示しない光源から出射された基本光は、この開口部11cから波長変換素子11の内部に入射する。ここで、波長変換素子11の開口部11cに入射する基本光の入射角をθとし、屈折角をθとする。基本光は、波長変換素子11の長手方向に、側面11bに対してθだけ傾いて開口部11cに入射する。
【0027】
部分反射膜12及び反射膜13は、波長変換素子11を挟んで互いに平行であり、それぞれ基本光を反射するので、開口部11cから波長変換素子11の内部に入射角θで入射され屈折角θで屈折した基本光を、同一平面内で繰り返し反射する。ここで、部分反射膜12及び反射膜13は、部分反射膜12に入射する基本光が入射面に対して垂直に入射しない限り、スネルの法則にしたがって入射方向と異なる方向へ基本光を反射する。すなわち、部分反射膜12及び反射膜13は、それぞれθの角度で基本光を繰り返し反射しながら、この基本光を波長変換素子11の長手方向、すなわち部分反射膜12及び反射膜13が対向する方向に対して直交する方向に導く。つまり、部分反射膜12及び反射膜13は、基本光を導く光路を形成している。
【0028】
具体的に、部分反射膜12及び反射膜13は、開口部11cから波長変換素子11の内部に入射した基本光を繰り返し反射することで、この基本光を互いに同一の直線上にはない複数の光路に導光する。つまり、部分反射膜12及び反射膜13は、先の光路から入射された基本光を同一の直線上にはない次の光路に順次導光する。ここで、先の光路及び次の光路とは、部分反射膜12又は反射膜13に入射した基本光が反射されて光路が変化する場合において、反射前後の基本光の光路をそれぞれ示している。
【0029】
波長変換部14a〜14aは、それぞれ直方体の形状を呈しており、長手方向の一端が反射膜13側に向けられ、他端が部分反射膜12側に向けられている。波長変換部14a〜14aは、部分反射膜12及び反射膜13に対して、長手方向が角度θだけ傾いており、互いに平行で等間隔となるように形成されている。なお、波長変換部14a〜14aは、波長変換素子11の長手方向にのみ傾いている。また、波長変換部14a〜14aの形状は、直方体に限定されるものではなく、長手方向に延在された形状であればよい。
【0030】
波長変換部14a〜14aは、詳細を後述するが、基本光が長手方向の一端から長手方向に沿って入射されることで波長変換を行い、他端から変換光を出力する。なお、波長変換部14a〜14aは、長手方向の一端から基本光が長手方向に沿って入射されることで、他端から未変換の基本光も出力する。
【0031】
具体的に、波長変換部14a〜14aは、長手方向の一端から入射される基本光の周波数をωとすると、二次高調波発生により周波数が2ωの変換光を他端から出力する。すなわち、波長変換部14a〜14aは、基本光の波長が半分である変換光を出力する。
【0032】
また、波長変換部14a〜14aは、それぞれ長手方向の長さが異なり、部分反射膜12及び反射膜13が対向する方向に対して直交する方向で、波長変換素子11の一端から他端に向かって順次長手方向の長さが長くなるように形成されている。波長変換部14a〜14aは、長手方向の長さが波長変換の際の相互作用長に対応し、この相互作用長に比例して変換効率が高くなる。なお、波長変換部14a〜14aは、それぞれ入射された基本光及び出力する変換光の光強度により光損傷が起こらないような相互作用長とされている。
【0033】
具体的に、波長変換部14a〜14aは、それぞれ擬似位相整合(Quasi−Phase Matching:QPM)により基本光から変換光を生成するための条件に適応するように、長手方向に反転周期が均一な分域反転構造とされている。すなわち、波長変換部14a〜14aは、それぞれ長手方向に対して自発分極を均一な周期で反転させた分域反転領域が形成されている。
【0034】
なお、波長変換部14a〜14aは、例えば、長手方向に反転周期が均一で相互作用長が異なる分域反転パターンを、リソグラフィ技術等を用いて製作し、電界を印加することで分域反転構造が作成されている。
【0035】
波長変換部14a〜14aは、基本光及び変換光に対して光透過性を有する材料により形成されており、以下に示すような非線形光学結晶が用いられる。
【0036】
波長変換部14a〜14aとしては、例えば、KTP(KTiOPO)やLN(LiNbO)又はこれらを長手方向に周期的に分域反転させたもののうちで非線形波長変換における変換効率の高い光学結晶を用いることができる。波長変換部14a〜14aは、KTPやLN等を用いることにより光損傷や光誘起複屈折率効果を低減するとともに、高出力の波長変換を可能とする。
【0037】
また、波長変換部14a〜14aとしては、例えば、RTP(RbTiOPO),RTA(RbTiOAsO),KTA(KTiOAsO),LT(LiTaO),MgO:LN(LNを添加したMgO),MgO:LT(LTを添加したMgO),KN(KNbO),BTO(BaTiO),BNN(BaNaNb15),SBN(SrBaNbO),KDP(KHPO),dKDP(KDPO),BBO(BaB),LBO(LiB),LiB,CLBO(CsLiB10),CBO(CsB),SiO,BaMgF,KB・4HOの単結晶又はこれらの共晶を用いることができる。
【0038】
ここで、上述したように波長変換部14a〜14aは、部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し反射される基本光の光路中の反射角θと同様の傾きを有している。すなわち、波長変換部14a〜14aは、基本光の光路に沿って設けられていることがわかる。具体的に、波長変換部14aは、開口部11cから波長変換素子11内に入射した基本光が部分反射膜12に向かう光路中に設けられており、波長変換部14a〜14aは、基本光が反射膜13で反射され部分反射膜12に向かう光路毎に設けられている。
【0039】
波長変換部14a〜14aは、部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し反射される基本光の光路中で、開口部11cから波長変換素子11内に入射された基本光をそれぞれ相互作用長に応じた変換効率で変換光に変換するので、基本光の光強度を順次低減させる。つまり、波長変換部14a〜14aは、それぞれ入射される基本光の光強度が異なり、nが大きくなれば入射する基本光の光強度が小さくなる。そこで、波長変換部14a〜14aは、それぞれ入射される基本光の光強度の低減を補うように順次相互作用長を長くして、出力される変換光の光強度の低下を抑止している。
【0040】
なお、上述した波長変換素子11は、素子全体を単一の光学結晶で構成し、波長変換部14a〜14aのみに分域反転構造を形成する等して光学特性を変化させて、この波長変換部14a〜14aが波長変換を行うようにしてもよい。
【0041】
次に、波長変換装置1が、基本光から変換光へ波長変換を行う際の各部の作用について説明する。なお、以下では、iを1〜nまでの整数として、開口部11cから入射された基本光の光路順に数えてi番目の波長変換部を波長変換部14a、外部の光源から出射された基本光をA、波長変換部14aから出力された基本光をA、波長変換部14aから出力された変換光をBとして、基本光及び変換光の光路に沿って説明する。
【0042】
まず、図示しない光源から出射された基本光Aは、周波数ωのレーザ光であり、開口部11cの入射面に対して入射角θで入射し、入射面で屈折角θだけ屈折する。
【0043】
次に、開口部11cから波長変換素子11内に入射した基本光Aは、波長変換部14aに入射し、波長変換部14aの相互作用長に応じた変換効率で周波数2ωの変換光Bに波長変換される。波長変換部14aからは、変換光Bとともに未変換の基本光Aが出力される。そして、波長変換部14aから出力された変換光Bは、部分反射膜12に入射し、この部分反射膜12を透過して外部に出力される。
【0044】
次に、波長変換部14aから出力された基本光Aは、部分反射膜12に対して入射角θで入射して反射角θで全反射されて、波長変換素子11内を進み、反射膜13に対して入射角θで入射して反射角θで全反射されて波長変換部14aに入射する。
【0045】
次に、波長変換部14aに入射した基本光Aは、波長変換部14aにより相互作用長に応じた変換効率で周波数2ωの変換光Bに波長変換される。波長変換部14aからは、変換光Bとともに未変換の基本光Aが出力される。そして、波長変換部14aから出力された変換光Bは、部分反射膜12に入射し、この部分反射膜12を透過して外部に出力される。
【0046】
このように、波長変換装置1は、波長変換素子11内へ入射した基本光Aを、基本光Aとなるまで、部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し反射させるとともに部分反射膜12及び反射膜13の互いに対向する方向に対して水平方向に導きながら波長変換部14a〜14aにより波長変換することで変換光B〜Bを出力する。
【0047】
ここで、この波長変換装置1においては、出力される変換光B〜Bの光強度がそれぞれ異なっていると、これら変換光B〜Bを集光して用いる場合に、例えば集光した変換光の均一性が低下して光強度分布に偏りが生じてしまう。
【0048】
そこで、この波長変換装置1においては、出力される変換光B〜Bの光強度を均一化するように、波長変換素子11内の波長変換部14a〜14aの相互作用長を調整している。
【0049】
入射した基本光Aの光強度をI、波長変換部14aでの変換効率をη、基本光A〜A(n−1)が波長変換素子11内部において平行光となるように集光されているとする場合に、変換光Bの光強度をIとすると、この光強度Iは、以下の式2及び式3に示すような漸化式で表すことができる。
【0050】
=η×I  ・・・(式2)
=(1−η(i−1))×η×I  ・・・(式3)
但し、式3におけるiは、1〜nまでの整数である。
【0051】
変換効率ηは、出力される変換光B〜Bの光強度I〜Iが全て等しいとして、上述の式3を解くことにより、以下の式4に示すように計算することができる。
【0052】
η=η/(1−(i−1)×η)  ・・・(式4)
式4より、変換効率ηは、iがnに近づくにつれて高くなる。
【0053】
例えば、波長変換装置1では、n=20である場合、すなわち全部で20個の波長変換部14a〜14a20を用いて20個の変換光B〜B20を出射する場合に、波長変換部14a〜14a20の相互作用長を以下の表1に示すような値となるように分域反転領域を形成すればよい。
【0054】
【表1】
Figure 2004125943
【0055】
表1に示すように、波長変換部14aは、入射した基本光Aを変換効率が略4%で変換光Bに波長変換する。また、表1に示すように、波長変換部14aの相互作用長と波長変換部14aの相互作用長との比は、iが大きくなるに従って増大し、これにより波長変換部14aの変換効率ηが順次増大している。すなわち、波長変換部14a〜14a20を通過するたびに減少する基本光A〜A19の光強度に対応して、波長変換部14a〜14a20ではそれぞれの相互作用長を長くして変換効率を上げて、変換光B〜B20の光強度を一定に保っている。
【0056】
このように、波長変換装置1は、上述の表1に示すような設計とされた20個の波長変換部14a〜14a20が設けられた波長変換素子11を用いれば、装置全体での変換効率を80%以上にすることができる。
【0057】
以上のように、第1の実施の形態における波長変換装置1は、部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し基本光を反射することで基本光の光路を分割し、部分反射膜12に向かう基本光A〜A(n−1)の光路毎に相互作用長の異なるn個の波長変換部14a〜14aを分散させて配することで、装置全体で高変換効率の波長変換を行うことができる。なお、波長変換部を基本光A〜A(n−1)が反射部13に向かう光路中にも配するようにしてもよく、この場合に波長変換装置1は、反射膜13を部分反射膜12と同様に変換光を透過するような波長選択性を有する光学膜とすることとなる。
【0058】
また、波長変換装置1は、波長変換部14a〜14aが基本光A〜A(n−1)の光強度に対して光損傷が起こらない程度の相互作用長とされていることで、基本光A〜A(n−1)による波長変換部14a〜14aの光損傷を抑制することができる。これにより、波長変換装置1は、波長変換素子11の寿命と信頼性を大幅に向上させることができる。
【0059】
さらに、波長変換装置1は、部分反射膜12及び反射膜13が互いに平行であり、また波長変換素子11の波長変換部14a〜14aが互いに平行に等間隔に設けられているので、部分反射膜12での変換光B〜Bの入射位置が等間隔となり、且つ部分反射膜12への変換光B〜Bの入射角度が均一な角度となるため、変換光B〜Bを等間隔に並べて所定の方向へ揃えて出力することができる。
【0060】
さらにまた、波長変換装置1は、波長変換部14a〜14aの相互作用長を調整して均一な光強度の変換光B〜Bを出力することができるため、これら変換光B〜Bをまとめて1つの光束として光強度分布が均一な光源とすることができる。
【0061】
さらにまた、波長変換装置1は、均一な光強度の変換光B〜Bを平行に等間隔に並べて出力することができるので、線状光源として用いることができる。なお、波長変換装置が出力する変換光B〜Bの具体的な利用方法については、第10の実施の形態で詳細に述べる。
【0062】
<第2の実施の形態>
以下では、第2の実施の形態として、図2に示す波長変換装置2について説明する。なお、上述した第1の実施の形態における波長変換装置1と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0063】
波長変換装置2は、上述した波長変換装置1の部分反射膜12及び反射膜13を波長変換素子11の側面11a,11bに対して平行となるように、それぞれ所定の距離だけ波長変換素子11から離れるように配設し、波長変換素子11と部分反射膜12及び反射膜13とを別体の構成としたものである。
【0064】
この場合、波長変換装置2は、波長変換素子11と部分反射膜12及び反射膜13との間が空隙となるために、波長変換素子11の側面11a,11b上に第1の波長の光及び第2の波長の光の反射を防止する反射防止膜15,16がそれぞれ設けられている。
【0065】
反射防止膜15,16は、第1の波長の光及び第2の波長の光の反射を防止する、すなわち基本光及び変換光の反射を防止する。
【0066】
波長変換装置2は、反射防止膜15,16を設けることにより、波長変換素子11の側面11a,11bで基本光及び変換光が反射することにより発生する迷光を低減することができる。
【0067】
以上のように、第2の実施の形態における波長変換装置2は、上述した波長変換装置1と同等の効果を得ることができるとともに、波長変換素子11の側面11a,11b上に部分反射膜12及び反射膜13を設けにくい場合に装置構成の実現を容易とすることができる。
【0068】
<第3の実施の形態>
以下では、第3の実施の形態として、図3に示す波長変換装置3について説明する。なお、上述した第1〜2の実施の形態における波長変換装置1〜2と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0069】
波長変換装置3は、上述したように相互作用長をそれぞれ調整することで所望の変換効率を達成する波長変換部14a〜14aに換えて、分域反転の反転周期や反転比率をそれぞれ調整することで所望の変換効率を達成するn個の波長変換部17a〜17aを、波長変換素子11内に設けるようにしたものである。
【0070】
波長変換部17a〜17aは、それぞれ直方体の形状を呈しており、直方体の長手方向の長さが均一とされている以外、上述した波長変換部14a〜14aと同様に配設されている。
【0071】
そこで、以下において、波長変換装置3については、波長変換部17a〜17aと波長変換部14a〜14aとの相違点についてのみ説明する。
【0072】
まず、基本光の減衰を簡単のため無視し、基本光が平行光であるとすれば、第二次高調波発生による変換光の光強度は、以下の式5に示す値に比例する。
【0073】
{sin(Δkl/2)/(Δkl/2)}   ・・・(式5)
但し、式5において、Δkは基本光と第二次高調波発生による変換光の波数不整合量、lは相互作用長である。波数不整合量Δkは、上述した分域反転の周期をΛとして、この反転周期Λを用いると、以下の式6に示すように一次擬似位相整合の条件式として表すことができる。
【0074】
Δk=k(2ω)−2×k(ω)−2π/Λ   ・・・(式6)
但し、k(ω)及びk(2ω)は、それぞれ基本光及び変換光の波数である。Δk=0とすることで式5に示す値が最大値1を取り、この状態では、式6に示すように疑似位相整合が達成される。
【0075】
波長変換部17a〜17aは、それぞれの反転周期が上述の式6に示すように疑似位相整合が達成できる反転周期Λとされている。波長変換部17a〜17aは、それぞれの反転周期を調整することで、出力する複数の変換光B〜Bの光強度を均一化することができる。
【0076】
具体的には、部分反射膜12及び反射膜13の間で繰り返し反射される基本光A〜A(n −1 の光路中に、例えば、それぞれ反転周期の少しずつ異なる分域反転領域、すなわち波長変換部17a〜17aを形成することにより、均一な光強度の変換光B〜Bを出力することができる。波長変換部17a〜17aは、変換光B〜Bの光強度を均一にするために、分域反転領域の反転周期を以下のように調整している。
【0077】
波長変換部17a〜17aは、iを1〜nまでの整数、波長変換部17aの反転周期をΛ、簡単のため各分域反転領域内での分域の比率を1:1、それぞれの相互作用長を等しい長さであるとする。
【0078】
疑似位相整合を達成する最適な反転周期がΛ(但し、Δk=k(2ω)−2×k(ω)−2π/Λ=0)であるときの最大変換効率をη、波数不整合量をΔkとすると、反転周期がΛである波長変換部17aの変換効率ηは、波数不整合量をΔkとして、上述した式5より、以下の式7に示すように計算することができる。
【0079】
η=η×{sin(Δkl/2)/(Δkl/2)} ・・・(式7)
但し、上述した式6よりΔkは、以下の式8に示すように計算することができる。
【0080】
Δk=k(2ω)−2×k(ω)−2π/Λ=2π×(1/Λ−1/Λ)  ・・・(式8)
従って、均一な光強度の変換光B〜Bを得るためには、それぞれの波長変換部17a〜17aにおける変換効率ηが上述した式4を満たすように、反転周期Λを持つ分域反転領域を波長変換部17a〜17aに形成すればよい。
【0081】
例えば、全部で10個の変換光B〜B10を取り出す場合、1つの変換光の光強度Iが、入射した基本光の光強度Iに対して略5%の光強度比になるよう変換するには、以下の表2に示すような反転周期Λで分域反転領域を形成すればよい。
【0082】
【表2】
Figure 2004125943
【0083】
表2より、各波長変換部17a〜17a10において、iが大きくなるにつれてΛが減少し、変換効率ηが増大していることがわかる。
【0084】
ここで、この波長変換部17a〜17a10は、波長変換部17a10、すなわち最終領域で完全に疑似位相整合が取れるとしている。但し、表2における値は、近似的に計算した結果であり、計算の精度を上げれば変換光B〜B10の光強度が均一になることは言うまでもない。
【0085】
以上のように、第3の実施の形態における波長変換装置3は、部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し基本光を反射することで基本光の光路を分割し、部分反射膜12に向かう基本光A〜A(n−1)の光路毎に反転周期の異なるn個の波長変換部17a〜17aを分散させて配することで、装置全体で高変換効率の波長変換を行うことができる。なお、波長変換部を基本光A〜A(n−1)が反射部13に向かう光路中にも配するようにしてもよく、この場合に波長変換装置1は、反射膜13を部分反射膜12と同様に変換光を透過するような波長選択性を有する光学膜とすることとなる。
【0086】
また、波長変換装置3は、波長変換部17a〜17aが基本光A〜A(n−1)の光強度に対して光損傷が起こらない程度の相互作用長とされていることで、基本光A〜A(n−1)による波長変換部17a〜17aの光損傷を抑制することができる。これにより、波長変換装置2は、波長変換素子11の寿命と信頼性を大幅に向上させることができる。
【0087】
さらに、波長変換装置3は、部分反射膜12及び反射膜13が互いに平行であり、また波長変換素子11の波長変換部17a〜17aが互いに平行に等間隔に設けられているので、部分反射膜12での変換光B〜Bの入射位置が等間隔となり、且つ部分反射膜12への変換光B〜Bの入射角度が均一な角度となるため、変換光B〜Bを等間隔に並べて所定の方向へ揃えて出力することができる。
【0088】
さらにまた、波長変換装置3は、波長変換部17a〜17aの反転周期や反転比率を調整して均一な光強度の変換光B〜Bを出力することができるため、これら変換光B〜Bをまとめて1つの光束として光強度分布が均一な光源とすることができる。
【0089】
さらにまた、波長変換装置3は、均一な光強度の変換光B〜Bを平行に等間隔に並べて出力することができるので、線状光源として用いることができる。なお、波長変換装置が出力する変換光B〜Bの具体的な利用方法については、第10の実施の形態で詳細に述べる。
【0090】
<第4の実施の形態>
以下では、第4の実施の形態として、図4に示す波長変換装置4について説明する。なお、上述した第1〜3の実施の形態における波長変換装置1〜3と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0091】
波長変換装置4は、上述した波長変換装置1における波長変換部14a〜14aや波長変換装置3における波長変換部17a〜17aのように波長変換素子11の特定の領域に分域反転構造を設けずに、波長変換素子11の全体に分域反転構造を有する波長変換部18を設けるとしたものである。
【0092】
そこで、以下において、波長変換装置4については、波長変換部18についてのみ説明する。なお、波長変換装置4は、詳細を第10の実施の形態において説明する基本光分割手段により複数に分割された基本光が平行に入射されるため、部分反射膜12及び反射膜13を備えずに、波長変換素子11の側面11a,11b上に反射防止膜15,16と略同等の図示しない反射防止膜がそれぞれ設けられているものとする。
【0093】
波長変換素子11は、側面11bに対して垂直にn個の基本光が平行に入射され、入射された基本光のそれぞれ平行な光路C〜Cに対して徐々に反転周期を線形変化させたような構造、いわゆるチャープ構造が設けられた波長変換部18が素子全体に渡って形成されている。
【0094】
具体的には、iを1〜nまでの整数で、波長変換部18内での各光路において反転周期が長いほうから順に割り付けられた数であるとすると、i番目の光路Cにおける反転周期Λは、以下の式9に示すように計算することができる。
【0095】
Λ=Λ×(1+(n−i)×δΛ)  ・・・(式9)
但し、nは疑似位相整合を達成する周期を持つ光路の順番、すなわち波長変換素子11から取り出す全変換光の数であり、δΛは反転周期の変化量である。ここで、反転周期Λの計算例を以下の表3に示す。
【0096】
【表3】
Figure 2004125943
【0097】
なお、表3における反転周期Λは、この波長変換部18の各光路C〜C上での相互作用長を一定として、計算した結果である。
【0098】
例えば、全部で10個の変換光B〜B10を取り出す場合、すなわちn=10である場合、1つの変換光の光強度Iが、入射した基本光の光強度Iに対して略5%の光強度比になるよう変換するには、波長変換部18の各光路C〜C10における反転周期を、表3に示される反転周期Λとする分域反転領域を形成すればよい。
【0099】
なお、波長変換装置4では、上述したような波長変換部18を有する波長変換素子11を用いることにより、最終領域(n=10)で完全に疑似位相整合が取れるとしている。
【0100】
以上のように、第4の実施の形態における波長変換装置4は、複数の基本光の光路C〜Cに対応する部分において分域反転の反転周期が異なる波長変換部18を用いることで、装置全体で高変換効率の波長変換を行うことができる。
【0101】
また、波長変換装置4は、複数の基本光の入射方向が等間隔に平行であれば、変換光B〜Bを等間隔に平行に並べて出力することができる。
【0102】
但し、波長変換装置4は、変換光B〜Bの光強度が全く均一ではないが、波長変換部18が簡単な構造であり、均一な反転周期の分域反転領域を形成する場合に比べて変換光B〜Bの光強度差を減少させることができる。
【0103】
<第5の実施の形態>
以下では、第5の実施の形態として、図5に示す波長変換装置5について説明する。なお、上述した第1の実施の形態における波長変換装置1と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0104】
波長変換装置5は、波長変換部14a〜14aに換えて、基本光の進行方向に対して直交する方向に延在され任意の反転周期の分域反転領域が形成された、例えば6個の波長変換部19a〜19aを、波長変換素子11内に設けるようにしたものである。そこで、以下において、波長変換装置5については、波長変換部14a〜14aと異なる波長変換部19a〜19aについてのみ説明する。
【0105】
波長変換部19a〜19aは、互いに平行な一対の部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し反射される基本光の光路中で、基本光A〜Aが部分反射膜12に入射する向きに対してそれぞれ略直交する方向に延在されている。また、波長変換部19a〜19aは、基本光A〜Aが部分反射膜12に入射する向きに順に重ねられている。すなわち、波長変換部19a〜19aは、基本光A〜Aの通過するそれぞれの光路中に複数ずつまたがるように設けられている。このような波長変換素子11では、基本光A〜Aがそれぞれ波長変換部19a〜19aのうち2つ以上により波長変換される。
【0106】
波長変換部19a〜19aは、波長変換素子11内における基本光A〜Aが部分反射膜12に向かう方向に対して直行する方向に、それぞれ擬似位相整合により基本光から変換光を生成するための条件に適応する所定の周期の分域反転構造とされている。すなわち、波長変換部19a〜19aは、それぞれ基本光の進行方向に対して自発分極を所定の周期で反転させた構造とされている。
【0107】
これら波長変換部19a〜19aは、それぞれ所定の反転周期及び反転比率とされているが、基本光A〜Aが部分反射膜12に入射する向きに反転周期が少しずつ異なる。また、これら複数の波長変換部19a〜19aは、それぞれ基本光A〜Aの光強度によって光損傷が起こらないような相互作用長とされている。そして、それぞれの波長変換部19a〜19aは、入射された基本光A〜Aを所定の変換効率で波長変換して変換光B〜Bを出力するようになっている。
【0108】
具体的に、波長変換部19a〜19aは、入射される基本光の周波数をωとすると、二次高調波発生により周波数が2ωの変換光を出力する。すなわち、波長変換部19a〜19aは、基本光の波長が半分である変換光を出力する。
【0109】
次に、波長変換装置5が、基本光から変換光へ波長変換を行う際の各部の作用について説明する。なお、以下では、iを1〜5までの整数として、開口部11cから入射された基本光の進行方向に数えてi番目の波長変換部を波長変換部19a、外部の光源から出射された基本光をA、反射膜12bでi回反射された基本光をA、i番目に出力される変換光をBとして、基本光及び変換光の光路に沿って説明する。
【0110】
まず、図示しない光源から出射された基本光Aは、周波数ωのレーザ光であり、非線形変換素子11における開口部11cから入射角θで入射し、屈折角θだけ屈折する。
【0111】
次に、非線形変換素子11内に入射した基本光Aは、波長変換部19a〜19aに順次入射し、所定の変換効率で周波数2ωの変換光Bに波長変換される。波長変換部19a〜19aは、変換光Bを出力するとともに未変換の基本光Aを出力する。そして、波長変換部19aから出力された変換光Bは、部分反射膜12に入射し、この部分反射膜12を透過して外部に出力される。
【0112】
一方、波長変換部19a〜19aから出力された未変換の基本光Aは、部分反射膜12により全反射されて、波長変換素子11内を進み、そして、反射膜13でさらに全反射されて波長変換部19a〜19aに順次入射し、所定の変換効率で周波数2ωの変換光Bに波長変換される。波長変換部19a〜19a、変換光Bを出力するとともに未変換の基本光Aを出力する。そして、波長変換部19aから出力された変換光Bは、部分反射膜12に入射し、この部分反射膜12を透過して外部に出力される。
【0113】
このように、波長変換装置5は、波長変換素子11内へ入射した基本光Aを、基本光Aとなるまで、部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し反射させるとともに部分反射膜12及び反射膜13の互いに対向する方向に対して水平方向に導きながら波長変換部19a〜19aにより波長変換することで変換光B〜Bを出力する。
【0114】
ここで、波長変換部19a〜19aは、変換効率が所望の値となるように、例えば、基本光Aの部分反射膜12に向かう光路において、波長変換部19a〜19aの反転周期がそれぞれ異なるように分域反転領域が設定されており、基本光Aの部分反射膜12に向かう光路において、波長変換部19a〜19aの反転周期がそれぞれ異なるように分域反転領域が設定されている。波長変換部19aの変換効率は、波長変換部19a〜19aのそれぞれの変換効率の和を所望の変換効率から差し引いた値となる。
【0115】
このような変換効率の計算を波長変換素子11全体に渡って行い、基本光A〜Aの光路における各波長変換部19a〜19aの反転周期と反転比率の最適化を行えば、変換光B〜Bの光強度比を所望の値とすることができる。
【0116】
なお、このような波長変換部19a〜19aが設けられた波長変換素子11を用いる場合には、基本光A〜Aの光路中に反転周期及び相互作用長等の異なった任意の数の分域反転領域を設定できるため、比較的簡単な構造でありながら、基本光A〜Aの光強度に応じて自由度の高い設計をすることができる。
【0117】
以上のように、第5の実施の形態における波長変換装置5は、部分反射膜12及び反射膜13により繰り返し基本光を反射することで基本光の光路を分割し、部分反射膜12に向かう基本光A〜Aの光路毎に反転周期の異なるn個の波長変換部19a〜19aを基本光A〜Aの進行方向に対して垂直に延在させて配することで、装置全体で高変換効率の波長変換を行うことができる。
【0118】
また、波長変換装置5は、波長変換部19a〜19aが基本光A〜Aの光強度に対して光損傷が起こらない程度の相互作用長とされていることで、基本光A〜Aによる波長変換部19a〜19aの光損傷を抑制することができる。これにより、波長変換装置5は、波長変換素子11の寿命と信頼性を大幅に向上させることができる。
【0119】
さらに、波長変換装置5は、部分反射膜12及び反射膜13が互いに平行であるので、部分反射膜12での変換光B〜Bの入射位置が等間隔となり、且つ部分反射膜12への変換光B〜Bの入射角度が均一な角度となるため、変換光B〜Bを等間隔に並べて所定の方向へ揃えて出力することができる。
【0120】
さらにまた、波長変換装置5は、波長変換部19a〜19aの反転周期を調整して均一な光強度の変換光B〜Bを出力することができるため、これら変換光B〜Bをまとめて1つの光束として光強度分布が均一な光源とすることができる。
【0121】
さらにまた、波長変換装置5は、均一な光強度の変換光B〜Bを平行に等間隔に並べて出力することができるので、線状光源として用いることができる。なお、波長変換装置5が出力する変換光B〜Bの具体的な利用方法については、第10の実施の形態で詳細に述べる。
【0122】
なお、波長変換装置5では、一つの変換光を出力するのに3つの波長変換部により波長変換を行うようにしているが、4つ以上の波長変換部により波長変換を行うようにしてもよいことは言うまでもない。また、波長変換装置5は、5個の光束として変換光B〜Bを出力するようにしたが、波長変換部を調整することで上述した波長変換装置1〜4と同様に任意の数の光束として変換光を出力することができることは言うまでもない。
【0123】
<第6の実施の形態>
以下では、第6の実施の形態として、図6に示す波長変換装置6について説明する。なお、上述した第1〜5の実施の形態における波長変換装置1〜5と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0124】
上述した第1の実施の形態における波長変換装置1において、基本光の光路を分離する導光路として、互いに平行な部分反射膜12及び反射膜13を用いたが、波長変換装置6は、他の反射手段を用いて基本光の光路分離を行うものである。具体的に、波長変換装置6は、一対のコーナーキューブ型反射鏡、いわゆるキャッツアイを用いて基本光を繰り返し反射しながら一対のキャッツアイが対向する方向と直行する方向に基本光を導く。
【0125】
波長変換装置6は、図6に示すように、基本光の波長を変換して変換光を生成する波長変換素子21と、基本光及び変換光の反射を防止する反射防止膜15,16と、基本光を繰り返し反射するとともに変換光を透過する一対のキャッツアイ22,23とを備えている。
【0126】
波長変換素子21は、直方体の形状を呈した光学部材である。波長変換素子21には、非線形光学現象を利用して基本光の波長を変換し、変換光を生成するn個の波長変換部24a〜24aが内部に設けられている。波長変換素子21は、直方体の長手方向に平行な1つの側面21a上に反射防止膜15が設けられ、この側面21aから所定の距離にキャッツアイ22が設けられている。また、波長変換素子21は、側面21aと平行な反対側の側面21b上に反射防止膜16が設けられ、この側面21bから所定の距離にキャッツアイ23が設けられている。
【0127】
キャッツアイ22,23は、第2の波長の光を透過し、第1の波長の光を反射する波長選択性を有する光学部材である。すなわち、キャッツアイ22,23は、基本光を反射し、変換光を透過する光分部材であり、キャッツアイ22,23の間の変換光を装置外部に取り出すことができる。具体的に、キャッツアイ22,23は、コーナーキューブ型反射鏡であり、入射した基本光を、コーナーキューブ面で反射させて入射光路と平行に所定の方向にシフトした光路となるように反射する。
【0128】
波長変換素子21は、波長変換を行う波長変換部24a〜24a以外の部分が、波長変換に寄与しない光透過性の高い光学材料で埋められている。波長変換素子21の波長変換部24a〜24a以外の部分を埋める光学材料としては、第1の波長の光及び第2の波長の光に対して高い透過率を有するものが好ましい。すなわち、波長変換素子21の波長変換部24a〜24a以外の部分を埋める光学材料としては、基本光及び変換光に対して高い透過率を有するものが好ましい。なお、波長変換素子21の形状は、直方体に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0129】
なお、波長変換素子21の側面21bから所定の距離に配設されたキャッツアイ23は、側面21bに対して長手方向にシフトした位置に配設されており、側面21bの長手方向の一端側が外部に露呈している。この側面21bが外部に露呈した部分を開口部21cとする。図示しない光源から出射された基本光は、この開口部21cから波長変換素子21の内部に垂直に入射する。
【0130】
キャッツアイ22,23は、波長変換素子21を挟んで互いに平行であり、それぞれ基本光を反射するので、開口部21cから波長変換素子21の内部に垂直に入射した基本光を、同一平面内で繰り返し反射する。ここで、キャッツアイ22,23は、入射した基本光を入射光路とは異なるが、入射方向と平行な方向へ正確に反射することができるように周期的な反射面からなるコーナーキューブ面が組み合わされている。この一対のキャッツアイ22,23は、波長変換素子21の長手方向に、それぞれ対向するコーナーキューブ面の周期的な反射面を半周期分だけずらすことで、一対のキャッツアイ22,23の間で繰り返し反射しながら、この基本光を波長変換素子21の長手方向、すなわちキャッツアイ22,23が対向する方向に対して直交する方向に導く。つまり、キャッツアイ22,23は、基本光を導く光路を形成している。
【0131】
具体的に、キャッツアイ22,23は、開口部21cから波長変換素子21の内部に入射した基本光を繰り返し反射することで、この基本光を互いに同一の直線上にはない複数の光路に導光する。つまり、キャッツアイ22,23は、先の光路から入射された基本光を同一の直線上にはない次の光路に順次導光する。ここで、先の光路及び次の光路とは、キャッツアイ22又はキャッツアイ23に入射した基本光が反射されて光路が変化する場合において、反射前後の基本光の光路をそれぞれ示している。
【0132】
波長変換部24a〜24aは、それぞれ直方体の形状を呈しており、長手方向の一端がキャッツアイ23側に向けられ、他端がキャッツアイ22側に向けられている。波長変換部24a〜24aは、キャッツアイ22,23が対向する方向に沿って、互いに平行で等間隔となるように形成されている。なお、波長変換部24a〜24aの形状は、直方体に限定されるものではなく、長手方向に延在された形状であればよい。
【0133】
波長変換部24a〜24aは、詳細を後述するが、基本光が長手方向の一端から長手方向に沿って入射されることで波長変換を行い、他端から変換光を出力する。なお、波長変換部24a〜24aは、長手方向の一端から基本光が長手方向に沿って入射されることで、他端から未変換の基本光も出力する。
【0134】
具体的に、波長変換部24a〜24aは、長手方向の一端から入射される基本光の周波数をωとすると、二次高調波発生により周波数が2ωの変換光を他端から出力する。すなわち、波長変換部24a〜24aは、基本光の波長が半分である変換光を出力する。
【0135】
また、波長変換部24a〜24aは、それぞれ長手方向の長さが均一とされており、それぞれ入射された基本光及び出力する変換光の光強度により光損傷が起こらないような相互作用長とされている。
【0136】
波長変換部24a〜24aは、それぞれ擬似位相整合により基本光から変換光を生成するための条件に適応するように、長手方向に反転周期や反転比率がそれぞれ異なるような分域反転構造とされている。すなわち、波長変換部24a〜24aは、それぞれ長手方向に対して自発分極を異なる周期で反転させた分域反転領域が形成されている。
【0137】
なお、波長変換部24a〜24aは、例えば、長手方向に反転周期が異なるように、相互作用長が均一となる反転パターンを、リソグラフィ技術等を用いて製作し、電界を印加することで分域反転構造が作成されている。
【0138】
波長変換部24a〜24aは、基本光及び変換光に対して光透過性を有する材料により形成されており、上述した波長変換部14a〜14aと同様の非線形光学結晶が用いられる。
【0139】
なお、上述した波長変換素子21は、素子全体を単一の光学結晶で構成し、波長変換部24a〜24aのみに分域反転構造を形成する等して光学特性を変化させて、この波長変換部24a〜24aが波長変換を行うようにしてもよい。
【0140】
次に、波長変換装置6が、基本光から変換光へ波長変換を行う際の各部の作用について説明する。なお、以下では、iを1〜nまでの整数として、開口部21cから入射された基本光の光路順に数えてi番目の波長変換部を波長変換部24a、外部の光源から出射された基本光をA、波長変換部24aから出力された基本光をA、波長変換部24aから出力された変換光をBとして、基本光及び変換光の光路に沿って説明する。
【0141】
まず、図示しない光源から出射された基本光Aは、周波数ωのレーザ光であり、反射防止膜16を透過して波長変換素子21の入射面に対して垂直に入射する。
【0142】
次に、波長変換素子21内に入射した基本光Aは、波長変換部24aに入射し、所定の変換効率で周波数2ωの変換光Bに波長変換される。波長変換部24aからは、変換光Bとともに未変換の基本光Aが出力される。そして、波長変換部24aから出力された変換光Bは、反射防止膜15を透過してキャッツアイ22に入射し、このキャッツアイ22を透過して外部に出力される。
【0143】
一方、波長変換部24aから出力された基本光Aは、反射防止膜15を透過してキャッツアイ22のコーナーキューブ面に所定の入射角で入射し、コーナーキューブ面により全反射され、入射方向から平行にシフトした方向に反射され、反射防止膜15を透過して再び波長変換素子21内に入射する。
【0144】
次に、波長変換素子21内に入射した基本光Aは、波長変換部24aに入射し、所定の変換効率で周波数2ωの変換光Bに波長変換される。波長変換部24aからは、変換光Bとともに未変換の基本光Aが出力される。そして、波長変換部24aから出力された変換光Bは、反射防止膜16を透過してキャッツアイ23に入射し、このキャッツアイ23を透過して外部に出力される。
【0145】
一方、波長変換部24aから出力された基本光Aは、反射防止膜16を透過してキャッツアイ23のコーナーキューブ面に所定の入射角で入射し、コーナーキューブ面により全反射され、入射方向から平行にシフトした方向に反射され、反射防止膜16を透過して再び波長変換素子21内に入射する。
【0146】
このように、波長変換装置6は、波長変換素子21内へ入射した基本光Aを、基本光Aとなるまで、キャッツアイ22,23により繰り返し反射させながらn個の波長変換部24a〜24aにより波長変換することで変換光B〜Bを出力する。
【0147】
以上のように、第6の実施の形態における波長変換装置6は、キャッツアイ22,23により繰り返し基本光を反射することで基本光の光路を分割し、キャッツアイ22,23に向かう基本光A〜A(n−1)の光路毎に相互作用長の異なるn個の波長変換部24a〜24aを分散させて配することで、装置全体で高変換効率の波長変換を行うことができる。
【0148】
また、波長変換装置6は、波長変換部24a〜24aが基本光A〜A(n−1)の光強度に対して光損傷が起こらない程度の相互作用長とされていることで、基本光A〜A(n−1)による波長変換部24a〜24aの光損傷を抑制することができる。これにより、波長変換装置6は、波長変換素子21の寿命と信頼性を大幅に向上させることができる。
【0149】
さらに、波長変換装置6は、キャッツアイ22,23が互いに平行であり、また波長変換素子11の波長変換部14a〜14aが互いに平行に等間隔に設けられているので、部分反射膜12での変換光B〜Bの入射位置が等間隔となり、且つキャッツアイ22,23への変換光B〜Bの入射角度が均一な角度となるため、変換光B〜Bを等間隔に並べて所定の方向へ揃えて出力することができる。
【0150】
さらにまた、波長変換装置6は、波長変換部24a〜24aの反転周期を調整して均一な光強度の変換光B〜Bを出力することができるため、これら変換光B〜Bをまとめて1つの光束として光強度分布が均一な光源とすることができる。
【0151】
さらにまた、波長変換装置6は、均一な光強度の変換光B〜Bを平行に等間隔に並べて出力することができるので、線状光源として用いることができる。なお、波長変換装置が出力する変換光B〜Bの具体的な利用方法については、第10の実施の形態で詳細に述べる。
【0152】
<第7の実施の形態>
以下では、第7の実施の形態として、図7に示す波長変換装置7について説明する。なお、上述した第1〜6の実施の形態における波長変換装置1〜6と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0153】
ここで、波長変換装置6は、波長変換部24a〜24aにおける位相整合方式として、分域反転を用いた擬似位相整合により波長変換を行っていたが、位相整合方式として擬似位相整合に限定されないことは言うまでもない。
【0154】
波長変換装置7は、波長変換装置6における疑似位相整合により波長変換を行う波長変換素子21に換えて、擬似位相整合以外の位相整合方式で波長変換を行う波長変換素子25を備えるようにしたものである。
【0155】
ただし、波長変換素子21を平行平板型の非線形光学結晶に置き換えただけでは、基本光A〜A(n−1)の各光路において同一の変換効率を持つため、出力される変換光B〜Bの均一な光強度比を実現することはできない。変換光B〜Bの均一な光強度比を実現するには、角度位相整合や温度位相整合等の方式を用いる場合、基本光A〜A(n−1)の各光路において波長変換部の相互作用長を変化させて並べることで実現可能である。
【0156】
そこで、波長変換装置7では、図7に示すように、それぞれ相互作用長の異なる波長変換部28a〜28aを相互作用長順に並べた波長変換素子25を用いる。
【0157】
波長変換素子25は、それぞれ幅が均一で長さが異なる直方体の形状とされたn個の波長変換部28a〜28aを複数有し、これら波長変換部28a〜28aが長さ順に接合されて2つの階段状平面25a,25bを形成している。また、波長変換素子25は、この階段状平面25a,25b上にそれぞれ反射防止膜26、27が設けられている。なお、反射防止膜26,27は、反射防止膜15,16と略同等の構成とされ、基本光及び変換光の反射を防止するようになっている。
【0158】
波長変換部28a〜28aは、波長変換を行う結晶材料であり、それぞれ位相整合により基本光から変換光を生成するための条件に適応するように調整されている。なお、波長変換部28a〜28aは、波長変換部14a〜14aと同じ非線形光学結晶を用いることができる。
【0159】
また、波長変換部28a〜28aは、互いに平行な一対のキャッツアイ22,23により繰り返し反射される基本光の光路中で、基本光がキャッツアイ22,23の間を1往復する毎の往路及び復路に1つずつ設けられている。これら複数の波長変換部28a〜28aは、それぞれ入射する基本光の光強度によって光損傷が起こらないような相互作用長となるように結晶長が調整されている。そして、それぞれの波長変換部28a〜28aは、入射された基本光を相互作用長に応じた所定の変換効率で波長変換して、変換光B〜Bを出力する。
【0160】
具体的に、波長変換部28a〜28aは、長手方向の一端から入射される基本光の周波数をωとすると、二次高調波発生により周波数が2ωの変換光を他端から出力する。すなわち、波長変換部28a〜28aは、基本光の波長が半分である変換光を出力する。
【0161】
ここで、上述した波長変換部28a〜28aは、たとえ任意の結晶長であっても、結晶方位を変化させたり、温度を調節したり、電場又は磁場を印加し電気光学学効果又は磁気光学効果を発生させたり、外部応力を印加して光弾性効果を発生させる等により、位相整合条件を制御し、変換効率を適宜調整することで、必要とされる変換光の光強度比を実現することが可能である。また、波長変換部28a〜28aは、それぞれ異なる非線形光学結晶を用いることで、変換効率を調整することもできる。
【0162】
以上のように、第7の実施の形態における波長変換装置7は、キャッツアイ22,23により繰り返し基本光を反射することで基本光の光路を分割し、キャッツアイ22,23に向かう基本光A〜A(n−1)の光路毎に相互作用長の異なるn個の波長変換部28a〜28aを分散させて配することで、装置全体で高変換効率の波長変換を行うことができる。
【0163】
また、波長変換装置7は、波長変換部28a〜28aが基本光A〜A(n−1)の光強度に対して光損傷が起こらない程度の相互作用長とされていることで、基本光A〜A(n−1)による波長変換部24a〜24aの光損傷を抑制することができる。これにより、波長変換装置7は、波長変換素子25の寿命と信頼性を大幅に向上させることができる。
【0164】
さらに、波長変換装置7は、キャッツアイ22,23が互いに平行であり、また波長変換素子25の波長変換部28a〜28aが互いに平行に等間隔に設けられているので、キャッツアイ22,23への変換光B〜Bの入射位置が等間隔となり、且つキャッツアイ22,23への変換光B〜Bの入射角度が均一な角度となるため、変換光B〜Bを等間隔に並べて所定の方向へ揃えて出力することができる。
【0165】
さらにまた、波長変換装置7は、波長変換部28a〜28aの上述した各種条件を調整して均一な光強度の変換光B〜Bを出力することができるため、これら変換光B〜Bをまとめて1つの光束として光強度分布が均一な光源とすることができる。
【0166】
さらにまた、波長変換装置7は、均一な光強度の変換光B〜Bを平行に等間隔に並べて出力することができるので、線状光源として用いることができる。なお、波長変換装置が出力する変換光B〜Bの具体的な利用方法については、第10の実施の形態で詳細に述べる。
【0167】
<第8の実施の形態>
以下では、第8の実施の形態として、図8に示す波長変換装置8について説明する。なお、上述した第1〜7の実施の形態における波長変換装置1〜7と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0168】
波長変換装置8は、波長変換装置6における疑似位相整合により波長変換を行う波長変換素子21に換えて、楔形状の波長変換素子29を用い、この波長変換素子29に対してキャッツアイ22,23をそれぞれ所定の角度だけ傾けて配設するようにしたものである。
【0169】
波長変換素子29は、互いに対向して所定の角度θをなす2つの主面29a,29bを有し、この2つの主面上にそれぞれ反射防止膜15,16が設けられている。波長変換素子29は、主面29a又は29bから基本光が入射されるようになっており、2つの主面29a,29bがなす角度(以下では、頂角と記述する。)をθとして、この頂角θを調整することで変換効率を調整することができる。
【0170】
また、波長変換素子29は、一対のキャッツアイ22,23によって繰り返し反射される基本光の波長を変換して変換光とする。波長変換素子29は、角度位相整合により基本光から変換光を生成するための条件に適応する構造とされている。すなわち、波長変換素子29は、基本光の進行方向に対して結晶方位や結晶長が調整された構造とされている。
【0171】
また、波長変換素子29は、互いに対向する一対のキャッツアイ22,23により繰り返し反射される基本光の光路中において、それぞれ入射する基本光の光強度によって光損傷が起こらないような相互作用長とされている。そして、波長変換素子29は、入射された基本光を所定の変換効率で波長変換して、変換光を出力するようになっている。
【0172】
具体的に、波長変換部29は、主面29a又は29bから入射される基本光の周波数をωとすると、二次高調波発生により周波数が2ωの変換光を他方の主面29b又は29aから出力する。すなわち、波長変換部29は、基本光の波長が半分である変換光を出力する。
【0173】
ここで、キャッツアイ22,23は、波長変換素子29に入射する基本光と波長変換素子29から出射される基本光及び変換光の光路がそれぞれ平行となるように波長変換素子29にそれぞれ対向する楔形の主面に対して、角度が調整されている。
【0174】
このように、第8の実施の形態における波長変換装置8は、波長変換装置6及び7と同様に、波長変換素子29内へ入射した基本光Aを、基本光Aとなるまで、キャッツアイ22,23により繰り返し反射させながら波長変換することで変換光B〜Bを出力し、装置全体での波長変換効率を上げることができる。
【0175】
また、波長変換装置8は、波長変換素子29の楔形の2つの主面29a,29bがなす頂角θと、キャッツアイ22,23が波長変換素子29の2つの主面29a,29bに対する角度とをそれぞれ調整することにより、出力される複数の変換光B〜Bが、キャッツアイ22側と、キャッツアイ23側とでそれぞれ所定の間隔で並び且つ所定の方向へ揃えて出力することができる。
【0176】
さらに、波長変換装置8は、反射面をもつコーナーキューブ等のプリズムの組み合わせにより、各変換光B〜Bについて必要とされる光強度比を、例えば楔形状の波長変換素子29の頂角θを調整することで、実効的な相互作用長を調整し、変換光B〜Bを比較的容易に取り出すことができる。
【0177】
<第9の実施の形態>
以下では、第9の実施の形態として、図9に示す波長変換装置9について説明する。なお、上述した第1〜8の実施の形態における波長変換装置1〜8と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0178】
上述の第1〜8の実施の形態では、例えば部分反射膜,反射膜,キャッツアイ等の反射手段の間に波長変換素子を配設する構成を説明してきたが、本発明を適用した波長変換装置9は、波長変換素子が一対の反射手段の外側に配設されるようにしたものである。
【0179】
波長変換装置9は、図9に示すように、1つの光束からの複数の光束に基本光を分割する基本光分割手段61と、基本光分割手段61により分割された基本光の波長を変換して変換光を生成する波長変換手段62とを備えている。
【0180】
基本光分割手段61は、基本光を透過する光透過ブロック63と、基本光を所定の透過率で透過するとともに残りを反射するハーフミラー64と、基本光を反射する反射膜65とを有する。
【0181】
光透過ブロック63は、直方体の形状を呈した光学部材であり、基本光に対して光透過性を有している。光透過ブロック63は、直方体の長手方向に平行な1つの側面63a上に、ハーフミラー64が設けられ、側面63aと平行な反対側の側面63b上に反射膜65が設けられている。
【0182】
ハーフミラー64は、第1の波長の光を所定量だけ透過するとともに残りの光を反射する、すなわち基本光を所定量だけ透過するとともに残りの基本光を反射する光学膜である。反射膜65は、第1の波長の光を反射する、すなわち基本光を反射する光学膜である。
【0183】
なお、光透過ブロック63の側面63b上には、全面に渡って反射膜65が設けられているわけではない。光透過ブロック63は、側面63bの長手方向の一端側に反射膜65が設けられていない部分があり、側面63bが外部に露呈している。この側面63bが外部に露呈した部分を開口部63cとして、図示しない光源から出射された基本光が、この開口部63cから波長変換素子63の内部に入射する。ここで、波長変換素子63の開口部63cに入射する基本光の入射角をθとし、屈折角をθとする。基本光は、波長変換素子63の長手方向に、側面63bに対してθだけ傾いて開口部63cに入射する。
【0184】
ハーフミラー64及び反射膜65は、光透過ブロック63を挟んで互いに平行であり、それぞれ基本光を反射するので、開口部63cから波長変換素子66の内部に入射角θで入射され屈折角θで屈折した基本光を、同一平面内で繰り返し反射する。ここで、ハーフミラー64及び反射膜65は、ハーフミラー64に入射する基本光が入射面に対して垂直に入射しない限り、スネルの法則にしたがって入射方向と異なる方向へ基本光を反射する。すなわち、ハーフミラー64及び反射膜65は、それぞれθの角度で基本光を繰り返し反射しながら、この基本光をハーフミラー64及び反射膜65が対向する方向に対して直交する方向に導く。つまり、ハーフミラー64及び反射膜65は、基本光を導く光路を形成している。
【0185】
具体的に、ハーフミラー64及び反射膜65は、開口部63cから光透過ブロック63の内部に入射した基本光を繰り返し反射することで、この基本光を互いに同一の直線上にはない複数の光路に導光する。つまり、ハーフミラー64及び反射膜65は、先の光路から入射された基本光を同一の直線上にはない次の光路に順次導光する。ここで、先の光路及び次の光路とは、ハーフミラー64又は反射膜65に入射した基本光が反射されて光路が変化する場合において、反射前後の基本光の光路をそれぞれ示している。
【0186】
上述したような構成とされた基本光分割手段61は、ハーフミラー64が所定の透過率で基本光を透過するので、ハーフミラー64及び反射膜65の間を繰り返し反射する基本光を、複数の光束として波長変換手段62に向けて出力することができる。なお、ハーフミラー64及び反射膜65の間を繰り返し反射する基本光は、ハーフミラー64に入射するたびに所定の透過率で外部に出力されるため、光強度が低減する。これにより、基本光分割手段61から複数の光束として出力される基本光の光強度も順次低減することとなる。
【0187】
波長変換手段62は、基本光を基本光とは異なる波長の変換光に変換する波長変換素子66と、反射防止膜67,68とを有している。
【0188】
波長変換素子66は、直方体の形状を呈した光学部材である。波長変換素子66には、非線形光学現象を利用して基本光の波長を変換し、変換光を生成するn個の波長変換部69a〜69aが内部に設けられている。波長変換素子66は、直方体の長手方向に平行な1つの側面66a上に、反射防止膜67が設けられ、側面66aと平行な反対側の側面66b上に反射防止膜68が設けられている。
【0189】
反射防止膜67,68は、波長変換素子66へ入射する基本光が波長変換素子66の界面で反射してしまうことを防ぎ、基本光を透過する。なお、後述するが変換光を出射する側の反射防止膜68は、基本光を吸収又は反射するようにすることで、変換光のみを取り出すことを容易にすることができる。
【0190】
波長変換素子66は、波長変換を行う波長変換部69a〜69a以外の部分が、波長変換に寄与しない光透過性の高い光学材料で埋められている。波長変換素子66の波長変換部69a〜69a以外の部分を埋める光学材料としては、第1の波長の光及び第2の波長の光に対して高い透過率を有するものが好ましい。すなわち、波長変換素子66の波長変換部69a〜69a以外の部分を埋める光学材料としては、基本光及び変換光に対して高い透過率を有するものが好ましい。なお、波長変換素子66の形状は、直方体に限定されるものではなく、側面66a,66b上にそれぞれ反射防止膜67,68を互いに平行に設けることができる形状であればよい。
【0191】
波長変換部69a〜69aは、それぞれ直方体の形状を呈しており、長手方向の一端が反射防止膜67側に向けられ、他端が反射防止膜68側に向けられている。なお、波長変換部69a〜69aの形状は、直方体に限定されるものではなく、長手方向に延在された形状であればよい。
【0192】
波長変換部69a〜69aは、詳細を後述するが、基本光が長手方向の一端から長手方向に沿って入射されることで波長変換を行い、他端から変換光を出力する。
【0193】
具体的に、波長変換部69a〜69aは、長手方向の一端から入射される基本光の周波数をωとすると、二次高調波発生により周波数が2ωの変換光を他端から出力する。すなわち、波長変換部69a〜69aは、基本光の波長が半分である変換光を出力する。
【0194】
波長変換部69a〜69aは、反射防止膜67,68に対して、長手方向が垂直とされており、互いに平行で等間隔となるように配設されている。波長変換部69a〜69aは、それぞれ長手方向の長さが均一とされ、部反射防止膜67,68が対向する方向に対して直交する方向に配設されている。なお、波長変換部69a〜69aは、それぞれ入射された基本光及び出力する変換光の光強度により光損傷が起こらないような相互作用長とされている。
【0195】
具体的に、波長変換部69a〜69aは、それぞれ擬似位相整合により基本光から変換光を生成するための条件に適応するように、長手方向に反転周期や反転比率が調整された分域反転構造とされている。すなわち、波長変換部69a〜69aは、それぞれ長手方向に対して自発分極を所定の周期で反転させた分域反転領域が形成されている。
【0196】
なお、波長変換部69a〜69aは、例えば、長手方向に反転周期が調整された分域反転パターンを、リソグラフィ技術等を用いて製作し、電界を印加することで分域反転構造が作成されている。
【0197】
波長変換部69a〜69aは、基本光及び変換光に対して光透過性を有する材料により形成されており、上述した波長変換部24a〜24aと同じ非線形光学結晶を用いることができる。
【0198】
ここで、上述したように構成された波長変換手段62は、波長変換素子66の側面66aに対して基本光分割手段61により複数の光束とされた基本光が垂直に入射されるように基本光分割手段61に対して位置決めされている。すなわち、波長変換部69a〜69aは、側面66a側の端部から長手方向に向かってそれぞれ基本光が入射される。
【0199】
次に、波長変換装置9が、基本光から変換光へ波長変換を行う際の各部の作用について説明する。なお、以下では、iを1〜nまでの整数として、開口部63cから入射された基本光をA、ハーフミラー64から出力された基本光のうちハーフミラー64へi回入射して出力された基本光をA、波長変換部14aから出力された変換光をBとして、基本光及び変換光の光路に沿って説明する。
【0200】
まず、図示しない光源から出射された基本光Aは、周波数ωのレーザ光であり、開口部65aの入射面に対して入射角θで入射し、入射面で屈折角θだけ屈折する。
【0201】
次に、入射部65aから入射した基本光Aは、ハーフミラー64を所定量だけ透過して基本光Aとなり、残りが反射されて反射膜65に入射する。ハーフミラー64を透過した基本光Aは、反射防止膜67を介して波長変換素子66に対して垂直に入射し、波長変換部69aにより波長変換されて変換光Bとなる。波長変換部69aにより波長変換された変換光Bは、反射防止膜68入射し、この反射防止膜68を透過して外部に出力される。
【0202】
一方、反射膜65で反射された残りの基本光は、反射膜65で全反射されて再びハーフミラー64に入射し、ハーフミラー64を所定量だけ透過して基本光Aとなり、残りが反射されて反射膜65に入射する。ハーフミラー64を透過した基本光Aは、反射防止膜67を介して波長変換素子66に対して垂直に入射し、波長変換部69aにより波長変換されて変換光Bとなる。波長変換部69aにより波長変換された変換光Bは、反射防止膜68に入射し、この反射防止膜68を透過して外部に出力される。
【0203】
このように、第9の実施の形態における波長変換装置9は、基本光分割手段61内へ入射した基本光Aを、基本光Aとなるまで、ハーフミラー64及び反射膜65により繰り返し反射させながらn個の光束の基本光に分離する。そして、波長変換装置9は、基本光分割手段61により分割された基本光A〜Aを波長変換素子66の各波長変換部69a〜69aにより波長変換することで変換光B〜Bを出力し、装置全体での波長変換効率を上げることができる。
【0204】
また、波長変換装置9は、基本光分割手段61のハーフミラー64及び反射膜65が互いに平行であるので、複数の基本光A〜Aを所定の間隔で並び且つ所定の方向へ揃えて出力して波長変換手段62に入射することができる。これにより波長変換手段62は、変換光B〜Bを所定の間隔で並び且つ所定の方向へ揃えて出力することができる。
【0205】
さらに、波長変換装置9は、基本光分割手段61の光透過ブロック63と波長変換手段62の波長変換素子66とに、それぞれ異なる光学材料を用いることができ、基本光及び変換光の光強度や集光条件と光損傷に関する閾値との兼ね合いで、それぞれ最適な光学材料を選ぶことができる。
【0206】
具体的に、基本光分割手段61の光透過ブロック63としては、例えば、変換光に対しては光損傷に関する閾値が低いが、基本光に対しては光損傷に関する閾値が高い、すなわち基本光に強い光学材料を用いることができる。一方、波長変換手段62の波長変換素子66としては、光透過ブロック63と比べて低い光強度の基本光しか入射しないため、変換光に対する光耐力を優先した光学材料を選ぶことや、変換効率を増大するために、光損傷に関する閾値以下で強く集光することもできる。
【0207】
さらに、波長変換装置9は、直線状に変換光B〜Bを等間隔に並べて出力することができるので、線状光源として用いることができる。なお、波長変換装置が出力する変換光B〜Bの具体的な利用方法については、第10の実施の形態で詳細に述べる。
【0208】
なお、波長変換装置9は、上述した波長変換手段62の波長変換素子66に換えて、図10及び図11に示す波長変換素子71又は波長変換素子81を用いてもよい。波長変換素子71は、直方体の形状を呈しており、素子全体に渡って角度位相整合を行うように結晶方位と相互作用長が調整された波長変換素子である。波長変換素子81は、直方体の形状を呈しており、素子全体に渡って分域反転領域82を設け、反転周期や反転比率が調整された波長変換素子である。
【0209】
波長変換素子71,81は、上述した波長変換素子66と同様に直方体の形状を呈している。また、波長変換素子71,81は、上述した波長変換部69a〜69aと同様に、非線形光学結晶を用いることができる。
【0210】
波長変換素子71,81は、上述した基本光分割手段61のような方法で得られる複数の基本光が、側面71a,71b、側面81a,81bの間でさらに反射を繰り返して、各光路中で波長変換されるように構成してもよい。この場合、波長変換素子71,81には、反射防止膜67,68に換えて基本光に対する全反射膜を取り付けることになる。この場合は、上述した波長変換装置1と同様に、波長変換素子71,81に対して所定の入射角で基本光を入射させることによって、各基本光を複数回、波長変換することができる。
【0211】
入射する基本光の間隔は、波長変換素子71,81内の反射により形成される変換光の光路の間を互いに進むよう適切に設定する。波長変換素子71,81は、このような構成とすることによって、限られた波長変換を行う構造部の開口部に空間的に分離された多くの波長変換光路を設けることができる。反射防止膜67,68に換えた全反射膜は、基本光を所望の数だけ波長変換素子71,81に入射させるよう部分的に取り付けることが好ましい。この全反射膜は、変換光に対して選択的に透過するよう反射防止作用をもたせるとしてもよい。
【0212】
また、上述した波長変換装置9は、波長変換素子71,81以外にも、各光路に所望の変換効率を実現するような分域反転等の波長変換を行う構造を設ければ、応用上必要とされる任意の光強度比の変換光を得ることができることは言うまでもない。
【0213】
さらに、上述した波長変換装置9は、波長変換素子71,81に対して複数の基本光を出力する方法として、上述した基本光分割手段61を用いずに、半導体レーザアレイから出力される基本光をそのまま用いる方法、空間的に離れて配置された複数光源をミラー及びマイクロミラーを使用して平行に配置する方法、空間的に離れて配置された複数光源を光ファイバ等の光導波路を用いて各光を導光させてその光ファイバからの出射光を適切に配置する方法、空間的に離れて配置された複数光源をフォトニック結晶等による光導波路構造を用いて平行な光路に導く方法、複数光源でレーザ媒質の異なる位置或いは別々のレーザ媒質を励起して発生したレーザ光を利用する方法、複数光源から出射した基本光をレーザ利得を持った光ファイバ等に入射させてその光ファイバを別の光源で励起し増幅されたレーザ光を利用する方法や、これらの組み合わせによる方法を用いることができる。
【0214】
ここで、上述したレーザ媒質としては、例えば共振ミラーを構成するような光学薄膜を取り付けたNd:YAG(yttrium−aluminum−garnet)結晶等を用いることができる。
【0215】
光ファイバからの出射光を平行に配置するためには、ガラス等の基板上に等間隔及び平行にV型の溝を設け、そこに光ファイバを配置する方法を用いることができる。
【0216】
上述した複数光源としては、固体レーザ、半導体レーザ等様々な光源を用いることができ、また、これらをミラー、コーナーキューブ、プリズム、コーティング、光導波路、光ファイバ、ビームスプリッタ(BS:Beam Splitter)、偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarized Beam Splitter)、複屈折板、MEMS(micro electro mechanical systems)、フォトニック結晶等を用いて2つ以上に分割して用いることもできる。なお、固体レーザとしては、例えばマイクロチップレーザ等も用いることができる。なお、複数光源から出力された基本光は、効率的な波長変換のためにマイクロレンズ等を用いて適切にビーム整形及び集光されて波長変換素子に入射させることが好ましい。
【0217】
上述したフォトニック結晶としては、図12に示すように、フォトニック結晶83を用いることができる。このフォトニック結晶83は、結晶構造中における光エネルギーのバンドギャップを利用して、入射したレーザ光を所望の方向に偏向させることが可能となっている。フォトニック結晶83では、外部から入射した複数の基本光A〜Aが、内部で偏向されて、一定方向に揃えて出射することができる。また、このようなフォトニック結晶を用いることにより、基本光や変換光の閉じこめを図ることもできる。
【0218】
さらにまた、上述した波長変換装置9は、基本光分割手段61に変えて、基本光を時間的に分割する手段を用いてもよい。この場合に、波長変換装置9は、基本光分割手段61に換えて、上述したように基本光を分割する手段としてマイクロミラーや回折型空間光位相変調素子といったMEMSデバイス等を用いることができる。
【0219】
このような分割手段は、例えば、図13及び図14に示すように、外部から入射された基本光を時間により異なる方向へ反射するマイクロミラー85と、マイクロミラー85により反射された基本光を更に反射するミラー86及びミラー87とを有する。
【0220】
上述したように構成された分割手段は、マイクロミラー85を所定時間毎に向きを所定量変化させてマイクロミラー85に入射する基本光をミラー86又はミラー87に導くことができる。具体的には、図13及び図14に示すように基本光が時間的に分割される。
【0221】
まず、図13に示すように、第1の時刻Tにおいて、基本光Aは、マイクロミラー85に入射すると、マイクロミラー85により反射されてミラー86に入射し、ミラー86により反射されて基本光Aとして図示しない非線形変換素子に出力される。
【0222】
次に、図14に示すように、第2の時刻Tにおいて、基本光Aは、マイクロミラー85に入射すると、マイクロミラー85により反射されてミラー87に入射し、ミラー87により反射されて基本光Aとして図示しない非線形変換素子に出力される。
【0223】
このように、分割手段は、図示しないミラー駆動手段により適切な時間間隔でマイクロミラー85を交互に駆動し、かつ基本光A,Aが平行となるようにすれば、擬似的に空間分離された2つの基本光A,Aを出力することになる。このとき、分割の時間間隔は、応用上必要とされる範囲で、十分速く設定すればよい。また、分割の時間比率は変換効率に応じて適切に分けることが好ましい。なお、本例では、基本光Aを2つに分割したが、3つ以上のミラーを用いて3つ以上に分割してもよいことは言うまでもない。
【0224】
<第10の実施の形態>
以下では、第10の実施の形態として、図15に示すように、上述した第1〜9の実施の形態で説明した波長変換装置1〜9が出力した複数の光束の変換光をまとめて出力する変換光収束装置90について説明する。なお、上述した第1〜9の実施の形態における波長変換装置1〜9と同一の機能を有するものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0225】
変換光集束装置90は、複数の変換光を出力する波長変換装置91から出力される複数の変換光B〜Bをそれぞれ集光する複数のカップリング部92と、カップリング部92により集光された変換光B〜Bをそれぞれ導光する複数の光ファイバ93と、光ファイバ93により導光された変換光B〜Bを取りまとめるバンドルファイバ94と、バンドルファイバ94により取りまとめられた変換光を出力するホモジナイザ95とを備えている。
【0226】
なお、波長変換装置91は、上述した第1〜9の実施の形態における波長変換装置1〜9のうち何れか1つと略同様の構成とされており、複数の変換光B〜Bを出力する。
【0227】
カップリング部92は、波長変換装置91から出力された各変換光B〜Bを光ファイバ93にカップリングするためのレンズ等の集光光学系からなる。
【0228】
光ファイバ93は、可撓性を有し、変換光に対して光透過性の高いチューブを変換光が全反射するような反射面でシールドしたファイバである。光ファイバ93は、一端に入射した変換光を反射面で反射させながら他端まで伝達する。
【0229】
バンドルファイバ94は、光ファイバ93を取りまとめ、光ファイバ93から出力される変換光を1つの光束とするファイバであり、光ファイバ93と比して大径とされている。
【0230】
ホモジナイザ95は、バンドルファイバ94に取りまとめられた変換光の強度分布をより一層均一化するためのフライアイレンズ等の光学系からなる。
【0231】
このような変換光集束装置90は、波長変換装置91から出力された各変換光B〜Bを各カップリング部92によりそれぞれ光ファイバ93に集光し、複数の光ファイバ93を用いて各変換光B〜Bを導光し、光ファイバ93により導光された変換光B〜Bをバンドルファイバ94により効率良く集め、ホモジナイザ95により変換光の強度分布を高精度に均一化して出力する。
【0232】
これにより、変換光集束装置90は、空間的に強度分布が均一で高品位な変換光を得ることができる。また、変換光集束装置90は、光ファイバ93がバンドルファイバ94によりバンドルされるまで、各変換光B〜Bが低出力光であるため、高価で高耐力の光学素子の部品点数を減らすことができ安価に作製することが可能である。
【0233】
また、変換光集束装置90は、上述のような手法を用いることにより、変換光B〜Bを光ファイバ93内に閉じ込めることができるため、空間伝送が容易になり、外部に変換光を漏らすことがなくなる。
【0234】
このような変換光集束装置90を用いることで上述した第1乃至第9の実施の形態における波長変換装置1〜9は、変換光の短波長化、高出力化、高輝度化、空間的均一化等を実現でき、リソグラフィ光源として有用なことはもとより、レーザ微細加工、レーザアブレーション、レーザアニール、レーザ表面改質等、材料加工へ応用することができる。特に、レーザアニール、レーザ表面改質等においては、大きな面積を照明することが可能となるので、タクトタイムが短くなり、生産性が向上する。
【0235】
ここで、SLM(Silicon Light Machines)社において開発された、静電容量型Membranceを有するMOEMS(Micro Optical Electro−MechanicalSystem)素子である、回折型空間光位相変調素子(Grating Light Valve:商標)は、その高速応答性と消光比の高さから、光通信、レーザプロジェクタ、プリンターヘッド等への応用が考えられている。この変調素子は、空間的な解像度を高くするために、直線状に多数の変調素子を並べて用いる。こうした素子への照明として、たとえば、縦25mm、横100μmという非常に扁平なアスペクト比をもつ形状に、点光源から均一なレーザ照明を行うことは、困難であり、例えば 非球面をもつ特殊なレンズ、例えば、Edmund Optics Japan社製のレーザラインジェネレータ等を用いていた。また、レーザディスプレイへ応用の場合、投影された映像に、レーザスペックルが発生し、映像を劣化させることが問題であった。
【0236】
上述した変換光集束装置90は、多点光源を照明源として用いると、マイクロレンズとの組み合わせにより容易に均一な強度分布を実現できる。また、レーザスペックルが、その統計的性質上、光源の多数化による平均化又は時間平均によって低減が可能であるので、上述の基本光分割手段91や変換光集束手段92は、有効である。
【0237】
このような波長変換装置91は、ディスプレイ分野において、e−Cinema、デジタルシネマ用プロジェクタ、業務用プロジェクタ、リア型プロジェクタ、フロント型プロジェクタ、ホームシアター用ディスプレイ、プレゼンテーション用等に用いるコンピュータ画像投影機に応用することができる。
【0238】
また波長変換装置は、光通信用分野において、WDM用各種デバイス、MUX、DEMUX、add/dropフィルタ、Xconnect等に応用することができ、ディスプレイ以外の露光装置として、プリンタエンジン、微細描画装置、半導体露光装置(マスクレス、CADデジタル画像の直描装置)等に応用することができる。
【0239】
最後に、本発明を適用した波長変換装置は、第1〜10の実施の形態で説明した波長変換装置1〜9に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。また、本発明を適用した波長変換装置は、第1〜10の実施の形態で説明した波長変換装置1〜9を組み合わせたものとしてもよい。
【0240】
なお、上述した本発明を適用した波長変換装置1〜9では、波長変換を行う手段として、相互作用長、分域構造が調整された非線形光学結晶を用いたが、本発明において波長変換を行う手段としては、これらに限定されるものではなく、例えば、結晶方位、分域構造、相互作用長、結晶の温度、外部電磁場、外部音波、外部応力等のうち少なくとも1つを調整することで、所望の変換効率を達成する波長変換素子を用いてもよい。
【0241】
また、上述した本発明を適用した波長変換装置1〜9では、基本光を導光する手段として、コーティングやコーナーキューブについて説明したが、本発明において基本光を導光する手段としては、これらに限定されるものではなく、例えば、平面ミラー、プリズム、光導波路、光ファイバ、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ、MEMS、フォトニック結晶等のうち少なくとも1つを用いてもよい。
【0242】
さらに、上述した本発明を適用した波長変換装置1〜9では、基本光又は変換光の少なくとも一つに対して、集光作用又は発散作用を有する光制御手段を用いてもよい。このような光制御手段としては、レンズ、マイクロレンズアレイ、曲面ミラー、光導波路、光ファイバ、フォトニック結晶等のうち少なくとも1つを用いることができる。
【0243】
【発明の効果】
上述したように本発明に係る波長変換装置は、非線形光学現象を用いて波長変換を行う素子の光学材料に対する光損傷を低減することができるため、素子の寿命と信頼性を大幅に向上させることができる。
【0244】
また、波長変換装置は、非線形変換素子の材料に発生する光誘起複屈折率効果等により、変換効率の低減を被ることなく、高変換効率の波長変換を行うことができる。これにより、波長変換装置は、低出力の基本光で高出力の変換光を得ることができるため省エネルギー化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した波長変換装置の装置構成を示す平面図である。
【図2】部分反射膜と反射膜とを波長変換素子から所定の距離に配した波長変換装置の構成を説明するための平面図である。
【図3】各波長変換部の相互作用長を等しくし、それぞれの分域反転領域の反転周期及び反転比率を調整した波長変換装置の構成を説明するための平面図である。
【図4】波長変換素子全体に渡ってチャープ構造を設けた波長変換装置を説明するための平面図である。
【図5】基本光の進行方向に対して、反転周期の異なる波長変換部を複数設けた波長変換素子を説明するための平面図である。
【図6】一対のキャッツアイにより基本光を繰り返し反射する波長変換装置を説明するための平面図である。
【図7】一対のキャッツアイにより基本光を繰り返し反射する波長変換装置において、結晶長の異なる部材を組み合わせた波長変換素子を用いた場合を説明するための平面図である。
【図8】一対のキャッツアイにより基本光を繰り返し反射する波長変換装置において、略楔形状の波長変換素子を用いた場合を説明するための平面図である。
【図9】基本光を分離する手段と波長を変換する手段とが別体とされた波長変換装置を説明するための平面図である。
【図10】図9に示す波長変換装置において、波長を変換する手段の他の例を示す平面図である。
【図11】図9に示す波長変換装置において、波長を変換する手段のさらに他の例を示す平面図である。
【図12】波長変換装置に基本光を入射するフォトニック結晶を説明するための平面図である。
【図13】基本光を時間的に分割する分割手段の第1の時刻における状態を説明するための平面図である。
【図14】基本光を時間的に分割する分割手段の第2の時刻における状態を説明するための平面図である。
【図15】波長変換装置が出力する複数の変換光をまとめる変換光集束装置の構成を示す斜視図である。
【図16】従来の波長変換装置の構成を説明するための図である。
【図17】波長変換素子におけるウォークオフ角を説明するための図である。
【符号の説明】
0〜n 基本光、B1〜n 変換光、11 波長変換素子、12 部分反射膜、13 反射膜、11a,11b 側面、11c 入射部、14a1〜n 波長変換部、15 反射防止膜、16 反射防止膜、17a1〜n 波長変換部、18 波長変換部、19a1〜6 波長変換部、21 波長変換素子、21a,21b 側面、21c 開口部、22 キャッツアイ、23 キャッツアイ、24a1〜n 波長変換部、25 波長変換素子、25a,25b 側面、26 反射防止膜、27 反射防止膜、28a1〜n 波長変換部、29 波長変換素子、29a,29b 主面、61 基本光分離手段、62 波長変換手段、63光透過ブロック、63a,63b 側面、63c 開口部、64 ハーフミラー、65 反射膜、66 波長変換素子、66a,66b 側面、67 反射防止膜、68 反射防止膜、69a1〜n 波長変換部、71 波長変換素子、81 波長変換素子、82 分域反転領域、83 フォトニック結晶、85 マイクロミラー、86 ミラー、87 ミラー、90 変換光収束装置、91 波長変換装置、92 カップリング部、93 光ファイバ、94 バンドルファイバ、95 ホモジナイザ

Claims (14)

  1. レーザ光の波長を変換する波長変換装置において、
    入射したレーザ光を互いに同一の直線上にはない複数の光路に導光する導光手段と、
    上記互いに同一の直線上にはない複数の光路に配設され、上記入射したレーザ光の波長を変換する波長変換手段と、
    上記波長変換手段により波長が変換されたレーザ光を取り出すレーザ光取り出し手段とを備えること
    を特徴とする波長変換装置。
  2. 上記導光手段は、上記互いに同一の直線上にはない複数の光路の一端部に配設され、上記入射したレーザ光を上記互いに同一の直線上にはない複数の光路に順次導光する導光部材を有し、
    上記導光部材は、先の同一の直線上にはない光路から導光されたレーザ光を次の同一の直線上にはない光路に導光すること
    を特徴とする請求項1記載の波長変換装置。
  3. 上記導光部材は、先の同一の直線上にはない光路から導光されたレーザ光を次の同一の直線上にはない光路に反射する反射部材であること
    を特徴とする請求項2記載の波長変換装置。
  4. 上記反射部材は、上記入射したレーザ光を反射するとともに、上記波長変換手段により波長が変換されたレーザ光を透過することにより、上記波長が変換されたレーザ光を取り出す上記レーザ光取り出し手段を兼ねていること
    を特徴とする請求項3記載の波長変換装置。
  5. 上記波長変換手段が配設された上記互いに同一直線上にはない複数の光路は、互いに平行であり、かつ同一平面内にあり、
    上記レーザ光取り出し手段により取り出された、上記波長が変換された複数のレーザ光の光軸は、互いに平行であり、かつ同一平面内にあること
    を特徴とする請求項3記載の波長変換装置。
  6. 上記導光部材は、相対して設けられた2つの反射部材のうち一方の反射部材の一部をなすこと
    を特徴とする請求項3記載の波長変換装置。
  7. 上記導光手段は、入射した複数のレーザ光を上記互いに同一の直線上にはない複数の光路にそれぞれ導光すること
    を特徴とする請求項1記載の波長変換装置。
  8. 上記導光手段は、上記入射したレーザ光を複数の光束に分割する分割手段を有し、上記分割手段により分割された複数の光束を上記互いに同一の直線上にはない複数の光路にそれぞれ導光すること
    を特徴とする請求項1記載の波長変換装置。
  9. 上記分割手段は、上記入射したレーザ光を反射する互いに対向する一対の反射部材を有し、上記一対の反射部材により上記入射したレーザ光を上記互いに同一の直線上にはない複数の光路へ順次反射し、上記一対の反射部材のうち少なくとも一方が上記入射したレーザ光を所定の透過率で透過することにより上記入射したレーザ光を分割すること
    を特徴とする請求項8記載の波長変換装置。
  10. 上記反射部材は、ミラーであること
    を特徴とする請求項3記載の波長変換装置。
  11. 上記反射部材は、コーナーキューブであること
    を特徴とする請求項3記載の波長変換装置。
  12. 上記互いに同一の直線上にはない複数の光路に配設された波長変換手段は非線形光学素子あり、それぞれの当該非線形光学素子の分域構造、結晶方位及び相互作用長のうち少なくとも一つがそれぞれ調整され、上記波長が変換されたレーザ光は同一の光強度を持つこと
    を特徴とする請求項2記載の波長変換装置。
  13. 上記非線形光学素子は、上記分域構造を上記互いに同一の直線上にはない複数の光路毎の上記レーザ光の光強度に応じた反転比率及び/又は反転周期に調整されたこと
    を特徴とする請求項12記載の波長変換装置。
  14. 上記非線形光学素子は、上記相互作用長を上記互いに同一の直線上にはない複数の光路毎の上記レーザ光の光強度に応じた長さに調整されたこと
    を特徴とする請求項12記載の波長変換装置。
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