JP2018165817A - 位相シフトマスクブランク及びそれを用いた位相シフトマスクの製造方法、並びにパターン転写方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の位相シフトマスクはLSI製造用であるため、位相シフト膜パターンは、一般にドライエッチングにより形成される。特許文献1の位相シフトマスクがLSI製造用であることは、引用文献1の従来技術(引用文献1の0002段落を参照)として、半導体素子の製造に使用されるフォトマスクを記載していることから明らかである。FPD等の表示装置製造用の位相シフトマスクの場合、位相シフト膜パターンは、ウェットエッチングにより形成される。特許文献1の高反射物質層と位相反転層とからなる位相シフト膜をウェットエッチングによりパターニングする場合、高反射物質層と位相反転層のエッチング速度が極端に相違することにより、位相シフト膜パターンの断面形状やCDバラツキが悪化する恐れがある。
また、ウェットエッチングにより、断面形状が良好であり、CDバラツキが小さい位相シフト膜パターンを形成することができる位相シフトマスクブランク及びそれを用いた位相シフトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
透明基板上に位相シフト膜パターンを備える表示装置製造用の位相シフトマスクを製造するための位相シフトマスクブランクであって、
透明基板と、前記透明基板上に形成された位相シフト膜とを備え、
前記位相シフト膜は、前記透明基板側から入射する光に対する反射率を調整する機能を有する下層と、前記下層の上側に配置され、露光光に対する透過率と位相差とを調整する機能を有する上層とを少なくとも有し、
前記位相シフト膜は、露光光に対する透過率と位相差とが所定の光学特性を有し、
前記位相シフト膜は、前記透明基板側から入射する365nmから436nmの波長域の光に対する反射率が20%超であり、かつ、前記透明基板側から入射する365nmから436nmの波長域の光に対する反射率の変動幅が10%以下であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
前記位相シフト膜は、前記露光光に含まれる波長365nmの光に対する透過率が1%以上50%以下、位相差が160°以上200°以下であることを特徴とする構成1記載の位相シフトマスクブランク。
前記上層は、金属と、酸素及び窒素の一方又は両方とを含有する材料から構成され、
前記下層は、金属を含有する材料から構成され、
前記上層及び前記下層は、前記位相シフト膜をパターニングする際に同じエッチング液を使用してエッチング可能な材料から構成され、前記上層のエッチング速度に対する前記下層のエッチング速度の比は、1超10以下であることを特徴とする構成1または2に記載の位相シフトマスクブランク。
前記位相シフト膜は、前記エッチング液におけるエッチング速度が、0.06nm/秒以上2.5nm/秒以下であることを特徴とする構成3記載の位相シフトマスクブランク。
前記上層を構成する材料は、金属と酸素とからなる材料、金属と窒素とからなる材料、金属と酸素と窒素とからなる材料、金属とケイ素と酸素とからなる材料、金属とケイ素と窒素とからなる材料、及び、金属とケイ素と酸素と窒素とからなる材料、並びにそれらの材料に前記位相シフト膜をパターニングする際に使用するエッチング液における前記上層のエッチング速度を速くする成分又は遅くする成分を加えた材料から選択されることを特徴とする構成1から4のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記下層を構成する材料は、金属からなる材料、及び、金属とケイ素とからなる材料、並びにそれらの材料に前記位相シフト膜をパターニングする際に使用するエッチング液における前記下層のエッチング速度を速くする成分又は遅くする成分を加えた材料から選択されることを特徴とする構成1から4のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記上層を構成する材料に含まれる金属及び前記下層を構成する材料に含まれる金属は、それぞれ、チタン、ジルコニウム、モリブデン及びタンタルから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする構成3から6のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記上層を構成する材料に含まれる金属は、チタン及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする構成3から7のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記下層を構成する材料に含まれる金属は、モリブデンであり、前記下層のエッチング速度を遅くする成分は、炭素であることを特徴とする構成6記載の位相シフトマスクブランク。
前記透明基板は、SiO2−TiO2系ガラスで構成されることを特徴とする構成1から9のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記位相シフト膜上に形成された遮光膜を備えることを特徴とする構成1から10のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
構成1から10のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランクの前記位相シフト膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記位相シフト膜をウェットエッチングして位相シフト膜パターンを形成する位相シフト膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
構成11記載の位相シフトマスクブランクの前記遮光膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記遮光膜をウェットエッチングして遮光膜パターンを形成する遮光膜パターン形成工程と、
前記遮光膜パターンをマスクにして前記位相シフト膜をウェットエッチングして位相シフト膜パターンを形成する位相シフト膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
構成12または13に記載の位相シフトマスクの製造方法により得られた位相シフトマスクに露光光を照射して、表示装置基板上にパターンを転写することを特徴とするパターン転写方法。
前記露光光は、365nmから436nmの波長域から選択される複数の波長の光を含む複合光であることを特徴とする構成14記載のパターン転写方法。
実施の形態1では、位相シフトマスクブランクについて説明する。
図1に示す位相シフトマスクブランク10は、透明基板20と、透明基板20上に形成された位相シフト膜30と、位相シフト膜30上に形成された遮光膜40とを備える。
位相シフト膜30の裏面反射率は、主に、下層31に影響され、位相シフト膜30の位相差及び透過率は、主に、上層32に影響される。
下層31及び上層32は、スパッタリング法により形成することができる。
透過率は、位相シフト量測定装置などを用いて測定することができる。
位相差は、位相シフト量測定装置などを用いて測定することができる。
また、位相シフト膜30の裏面反射率の変動幅は、365nmから436nmの波長域において10%以下であり、7%以下であると好ましく、5%以下であるとより好ましい。
裏面反射率は、分光光度計などを用いて測定することができる。また、裏面反射率の変動幅は、365nmから436nmの波長域における裏面反射率の最大値と最小値との差である。
上層32を構成する材料の主成分となる金属として、遷移金属が好ましい。上層32を構成する材料の主成分となる遷移金属として、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、及びジルコニウム(Zr)などが挙げられる。上層32を構成する材料に含まれる主成分となる遷移金属がチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及びモリブデン(Mo)であると、位相差及び透過率を位相シフト膜30として必要な値に調整しやすい。また、上層32を構成する材料に含まれる主成分となる遷移金属がチタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)であると、位相シフト膜30をパターニングする際に使用するエッチング液における上層32のエッチング速度が速くなり、位相シフト膜30のエッチング時間を短縮することができる。上層32を構成する材料は主成分となる金属を2種類以上含有していてもよい。
上層32を構成する材料にエッチング速度を速くする成分が含まれる場合、上層32のエッチング速度を速くする成分の含有率は、上層32を構成する材料に含まれる各主成分の含有率より小さい。上層32のエッチング速度を速くする成分として、具体的には、アルミニウム(Al)が挙げられる。
上層32を構成する材料にエッチング速度を遅くする成分が含まれる場合、上層32のエッチング速度を遅くする成分の含有率は、上層32を構成する材料に含まれる各主成分の含有率より小さい。上層32のエッチング速度を遅くする成分として、具体的には、炭素(C)及びタンタル(Ta)が挙げられる。
なお、上層32の特性に影響しない範囲で他の元素を含んでいても本発明の範囲内である。
下層31を構成する材料の主成分となる金属として、遷移金属が好ましい。下層31を構成する材料の主成分となる遷移金属として、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、及びジルコニウム(Zr)などが挙げられる。上層32を構成する材料に含まれる主成分となる遷移金属がチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及びモリブデン(Mo)である場合、下層31を構成する材料に含まれる主成分となる遷移金属も、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及びモリブデン(Mo)であることが好ましい。下層31を構成する材料に含まれる主成分となる遷移金属がチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、及びモリブデン(Mo)であると、位相シフト膜30をパターニングする際に、上層32及び下層31を同じエッチング液を使用してエッチングしやすくなる。下層31を構成する材料は主成分となる金属を2種類以上含有していてもよい。
下層31を構成する材料にエッチング速度を遅くする成分が含まれる場合、下層31のエッチング速度を遅くする成分の含有率は、下層31を構成する材料に含まれる各主成分の含有率より小さい。下層31のエッチング速度を遅くする成分として、具体的には、炭素(C)、ケイ素(Si)、及びタンタル(Ta)が挙げられる。
下層31を構成する材料にエッチング速度を速くする成分が含まれる場合、下層31のエッチング速度を速くする成分の含有率は、下層31を構成する材料に含まれる各主成分の含有率より小さい。下層31のエッチング速度を速くする成分として、具体的には、アルミニウム(Al)が挙げられる。
なお、下層31の特性に影響しない範囲で他の元素を含んでいても本発明の範囲内である。
下層31に含まれる酸素及び窒素の含有率が小さい場合、位相シフト膜のシート抵抗が下がるため、位相シフトマスクに形成された位相シフト膜パターンの静電破壊を防止することができる。
酸素及び窒素の合計含有率は、オージェ電子分光装置やX線光電子分光装置(XPS)などを用いて測定することができる。
実施例における上層32のエッチング速度に対する下層31のエッチング速度の比は、透明基板20上に、上層32と下層31を別々にそれぞれの成膜条件で成膜したサンプルを用意し、用意した上層32のサンプルと下層31のサンプルのエッチング時間及び膜厚からそれぞれのエッチング速度を算出した後、下層31のサンプルのエッチング速度を上層32のサンプルのエッチング速度で除することにより得ている。
上述以外のエッチング速度の比を算出する方法としては、エッチング中の上層32と下層31の膜の反射率を測定して上層32と下層31のエッチング終点を検出して、各層の膜厚とエッチング終了時間から上層32と下層31のエッチング速度を算出した後、下層31のエッチング速度を上層32のエッチング速度で除する方法がある。
上層32及び下層31をエッチングするエッチング液における位相シフト膜30のエッチング速度は、0.06nm/秒以上であると好ましく、0.2nm/秒以上であるとより好ましい。また、上層32及び下層31をエッチングするエッチング液における位相シフト膜30のエッチング速度は、2.5nm/秒以下であると好ましく、2.0nm/秒以下であるとより好ましい。
位相シフト膜30をパターニングする際に上層32及び下層31をエッチングするエッチング液としては、フッ化水素アンモニウムやフッ化アンモニウム等のフッ素化合物と、リン酸、硝酸、硫酸、過酸化水素等の酸化剤とを含むエッチング液を使用することができる。例えば、フッ化水素アンモニウムと塩酸化水素とを含むエッチング液、フッ化アンモニウムとリン酸と過酸化水素とを含むエッチング液などが挙げられる。
下層31を構成する材料として、例えば、Mo、MoSi、Ta、TaSi、Zr、ZrSi、Ti、TiSiなどが挙げられる。また、これらに、エッチング速度を遅くする成分としてC又はTaを加えたもの、エッチング速度を速くする成分としてAlを加えたものが挙げられる。
上層32及び下層31の好適な組合せとして、例えば、上層32がMoSiNで下層31がMoSiCの組合せ(実施例1)、上層32がZrSiNで下層31がMoSiの組合せ(実施例2)、上層32がTiO2で下層31がMoSiの組合せ(実施例3)、上層32がZrSiONで下層31がZrSiの組合せ(実施例4)が挙げられる。
遮光膜40は、スパッタリング法により形成することができる。
光学濃度は、分光光度計もしくはODメーターなどを用いて測定することができる。
以下、各工程を詳細に説明する。
先ず、透明基板20を準備する。透明基板20は、露光光に対して透明であれば、合成石英ガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO2−TiO2ガラス等)などのいずれのガラス材料で構成されるものであってもよい。
同様に、上層32の成膜は、上層32を構成する材料の主成分となる金属とケイ素を含むスパッタターゲットを使用して、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス及びキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われる。上層32のエッチング速度を速くする成分であるアルミニウムを上層32を構成する材料に含める場合、アルミニウムを含むスパッタターゲットを使用する。上層32のエッチング速度を遅くする成分である炭素を上層32を構成する材料に含める場合、スパッタガス雰囲気に、さらに、二酸化炭素ガス、炭化水素系ガスなどを加える。炭化水素系ガスとしては、例えば、メタンガス、ブタンガス、プロパンガス、スチレンガスなどが挙げられる。上層32のエッチング速度を遅くする成分であるタンタルを上層32を構成する材料に含める場合、タンタルを含むスパッタターゲットを使用する。
位相シフト膜30を形成した後、スパッタリング法により、位相シフト膜30上に遮光膜40を形成する。
このようにして、位相シフトマスクブランク10が得られる。
実施の形態2では、位相シフトマスクの製造方法について説明する。
図2に示す位相シフトマスクの製造方法は、図1に示す位相シフトマスクブランク10を用いた位相シフトマスクブランクの製造方法であり、以下の第1のレジストパターン形成工程と、第1の遮光膜パターン形成工程と、位相シフト膜パターン形成工程と、第2のレジストパターン形成工程と、第2の遮光膜パターン形成工程とを含む。
以下、各工程を詳細に説明する。
第1のレジストパターン形成工程では、先ず、実施の形態1の位相シフトマスクブランク10の遮光膜40上に、レジスト膜を形成する。使用するレジスト膜材料は、特に制限されない。後述する350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光に対して感光するものであればよい。また、レジスト膜は、ポジ型、ネガ型のいずれであっても構わない。
その後、350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光を用いて、レジスト膜に所定のパターンを描画する。レジスト膜に描画するパターンは、位相シフト膜に形成するパターンである。
その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、遮光膜40上に第1のレジストパターン50を形成する。
第1の遮光膜パターン形成工程では、先ず、第1のレジストパターン50をマスクにして遮光膜40をエッチングして、第1の遮光膜パターン40aを形成する。遮光膜40は、例えば、クロム(Cr)を含むクロム系材料から形成される。遮光膜40をエッチングするエッチングエッチング液は、遮光膜40を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。具体的には、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液が挙げられる。
その後、レジスト剥離液を用いて、又は、アッシングによって、第1のレジストパターン50を剥離する。
第1の位相シフト膜パターン形成工程では、第1の遮光膜パターン40aをマスクにして位相シフト膜30をエッチングして、上層パターン32aと下層パターン31aとから構成される位相シフト膜パターン30aを形成する。位相シフト膜30に含まれる上層32及び下層31は、同じエッチング液を使用してエッチング可能な材料から構成されている。このため、上層32及び下層31は、同じエッチング液によりエッチングすることができる。位相シフト膜30をエッチングするエッチング液は、位相シフト膜30を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。例えば、フッ化アンモニウムとリン酸と過酸化水素とを含むエッチング液、フッ化水素アンモニウムと塩酸化水素とを含むエッチング液が挙げられる。
第2のレジストパターン形成工程では、先ず、第1の遮光膜パターン40aを覆うレジスト膜を形成する。使用するレジスト膜材料は、特に制限されない。後述する350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光に対して感光するものであればよい。また、レジスト膜は、ポジ型、ネガ型のいずれであっても構わない。
その後、350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光を用いて、レジスト膜に所定のパターンを描画する。レジスト膜に描画するパターンは、位相シフト膜にパターンが形成されている領域の外周領域を遮光する遮光帯パターンである。
その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、第1の遮光膜パターン40a上に第2のレジストパターン60を形成する。
第2の遮光膜パターン形成工程では、第2のレジストパターン60をマスクにして第1の遮光膜パターン40aをエッチングして、第2の遮光膜パターン40bを形成する。第1の遮光膜パターン40aは、クロム(Cr)を含むクロム系材料から形成される。第1の遮光膜パターン40aをエッチングするエッチング液は、第1の遮光膜パターン40aを選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液が挙げられる。
その後、レジスト剥離液を用いて、又は、アッシングによって、第2のレジストパターン60を剥離する。
このようにして、位相シフトマスク100が得られる。
位相シフト膜30上にレジストパターンを形成し、位相シフト膜パターン形成工程では、そのレジストパターンをマスクとして位相シフト膜パターンを形成する。
また、位相シフト膜30上に遮光膜40を備え、遮光膜40上にレジスト膜を備える位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する際は、上記の第1のレジストパターン形成工程で、遮光膜40上にレジスト膜を形成するプロセスは必要ない。
さらに、位相シフト膜30上に遮光膜40を備えておらず、位相シフト膜30上にレジスト膜を備える位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する際は、上記のレジストパターン形成工程で、位相シフト膜30上にレジスト膜を形成するプロセスは必要ない。
実施の形態3では、表示装置の製造方法について説明する。表示装置は、以下のマスク載置工程とパターン転写工程とを行うことによって製造される。パターン転写工程がパターン転写方法に該当する。
以下、各工程を詳細に説明する。
載置工程では、実施の形態2で製造された位相シフトマスクを露光装置のマスクステージに載置する。ここで、位相シフトマスクは、露光装置の投影光学系を介して表示装置基板上に形成されたレジスト膜に対向するように配置される。例えば、露光装置として、等倍投影光学系を備えたプロジェクション露光装置を用いる。
パターン転写工程では、位相シフトマスクに露光光を照射して、表示装置基板上に形成されたレジスト膜に位相シフト膜パターンを転写する。露光光は、313nm〜436nmの波長域から選択される複数の波長の光を含む複合光である。例えば、露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光や、j線、i線、h線およびg線を含む複合光である。露光光として複合光を用いると、露光光強度を高くしてスループットを上げることができるため、表示装置の製造コストを下げることができる。
以下、実施例1〜6及び比較例1について詳細に説明する。
実施例1の位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、透明基板側から順に配置された、下層(MoSi、膜厚10nm)と上層(MoSiN、膜厚155nm)とから構成される。
なお、透過率及び位相差は、レーザーテック社製のMPM−100(商品名)を用いて測定した。実施例2〜6及び比較例1においても同様に測定した。
なお、裏面反射率は、島津製作所社製のSolidSpec−3700(商品名)を用いて測定した。実施例2〜6及び比較例1においても同様に測定した。また、裏面反射率の変動幅は、裏面反射率の測定結果から算出した。実施例2〜6においても同様に算出した。
また、フッ化水素アンモニウムと塩酸化水素とを含むエッチング液における位相シフト膜のエッチング速度は、0.07nm/秒であった。
先ず、透明基板である合成石英ガラス基板を準備した。透明基板の両主表面は鏡面研磨されている。実施例2〜6及び比較例1において準備した透明基板の両主表面も同様に鏡面研磨されている。
その後、透明基板をインライン型スパッタリング装置に搬入した。インライン型スパッタリング装置には、スパッタ室が設けられている。スパッタ室には、MoSiターゲットとCrターゲットが配置されている。
その後、スパッタ室に配置されたMoSiターゲット(Mo:Si=1:4)に5.0kWのスパッタパワーを印加し、Arガスが100sccmの流量でスパッタ室内に導入した。透明基板がMoSiターゲット付近を通過する際に、透明基板の主表面上にMoSiからなる膜厚10nmの下層を成膜した。
その後、スパッタ室に配置されたMoSiターゲットに7.0kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとN2ガスとの混合ガスを、Arガスが100sccm、N2ガスが60sccmの流量となるように、スパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がMoSiターゲット付近を通過する際に、下層上にMoSiNからなる膜厚155nmの上層を成膜した。
その後、Crターゲットに8.6kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとCO2ガスとの混合ガスを、Arガスが100sccm、CO2ガスが20sccmの流量となるように、スパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。
その後、下層(MoSi、膜厚10nm)と上層(MoSiN、膜厚155nm)とから構成される位相シフト膜と、遮光膜(CrOC、膜厚130nm)とが形成された透明基板をインライン型スパッタリング装置から取り出し、洗浄を行った。
なお、下層の成膜、上層の成膜、及び遮光膜の成膜は、透明基板をインライン型スパッタリング装置外に取り出すことによって大気に曝すことなく、インライン型スパッタリング装置内で連続して行った。
先ず、上述した位相シフトマスクブランクの遮光膜上に、ノボラック系のポジ型のフォトレジストからなるレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画機により、波長413nmのレーザー光を用いて、レジスト膜に1.8μmのラインアンドスペースパターンを描画した。
その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、遮光膜上に第1のレジストパターンを形成した。
その後、第1のレジストパターンをマスクにして遮光膜をエッチングして、第1の遮光膜パターンを形成した。遮光膜をエッチングするエッチング液として、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液を用いた。
その後、レジスト剥離液を用いて、第1のレジストパターンを剥離した。
その後、第1の遮光膜パターンをマスクとして位相シフト膜をエッチングして、位相シフト膜パターンを形成した。位相シフト膜をエッチングするエッチング液として、フッ化水素アンモニウムと塩酸化水素とを含むエッチング液を用いた。
その後、第1の遮光膜パターンを覆う、ノボラック系のポジ型のフォトレジストからなるレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画機により、波長413nmのレーザー光を用いて、レジスト膜に所定のパターンを描画した。
その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、第1の遮光膜パターン上に第2のレジストパターンを形成した。
その後、第2のレジストパターンをマスクにして第1の遮光膜パターンをエッチングして、第2の遮光膜パターンを形成した。第1の遮光膜パターンをエッチングするエッチング液として、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液を用いた。
なお、位相シフトマスクの位相シフト膜パターン断面は、電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJSM7401F(商品名))を用いて観察した。実施例2〜6及び比較例1においても同様に観察した。
なお、位相シフトマスクの位相シフト膜パターンのCDバラツキは、セイコーインスツルメンツナノテクノロジー社製SIR8000を用いて測定した。実施例2〜6及び比較例1においても同様に測定した。
なお、位相シフトマスクを使用したパターン転写は、等倍投影光学系を用いてプロジェクション露光方式で行った。露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光であった。実施例2〜6においても同様に行った。
実施例2の位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、透明基板側から順に配置された、下層(MoSi、膜厚3nm)と上層(ZrSiN、膜厚75nm)とから構成される。実施例2では、下層のMoSiのエッチング速度が速いので、上層をZrを含むものにしてエッチング速度を速くしている。
また、フッ化水素アンモニウムと塩酸化水素とを含むエッチング液における位相シフト膜のエッチング速度は、0.26nm/秒であった。
先ず、透明基板をインライン型スパッタリング装置に搬入した。インライン型スパッタリング装置には、スパッタ室が設けられている。スパッタ室には、MoSiターゲット(Mo:Si=1:4)とZrSiターゲット(Zr:Si=1:2)とCrターゲットが配置されている。
その後、スパッタ室に配置されたMoSiターゲットに3.0kWのスパッタパワーを印加し、Arガスを55sccmの流量でスパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がMoSiターゲット付近を通過する際に、透明基板の主表面上にMoSiからなる膜厚3nmの下層を成膜した。
その後、スパッタ室に配置されたZrSiターゲットに5.6kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとN2ガスとの混合ガスを、Arガスが50sccm、N2ガスが40sccmの流量となるように、スパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がZrSiターゲット付近を通過する際に、下層上にZrSiNからなる膜厚75nmの上層を成膜した。
実施例3の位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、透明基板側から順に配置された、下層(MoSi、膜厚10nm)と上層(TiO2、膜厚110nm)とから構成される。実施例3では、下層のMoSiのエッチング速度が速いので、上層をTiを含む材料にしてエッチング速度を速くしている。
また、フッ化水素アンモニウムと塩酸化水素とを含むエッチング液における位相シフト膜のエッチング速度は、0.15nm/秒であった。
先ず、透明基板をインライン型スパッタリング装置に搬入した。インライン型スパッタリング装置には、スパッタ室が設けられている。スパッタ室には、MoSiターゲット(Mo:Si=1:4)とTiターゲットとCrターゲットが配置されている。
その後、スパッタ室に配置されたMoSiターゲットに5.5kWのスパッタパワーを印加し、Arガスを75sccmの流量でスパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がMoSiターゲット付近を通過する際に、透明基板の主表面上にMoSiからなる膜厚3nmの下層を成膜した。
その後、スパッタ室に配置されたTiターゲットに7.5kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとO2ガスとの混合ガスを、Arガスが45sccm、O2ガスが35sccmの流量となるように、スパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がTiターゲット付近を通過する際に、下層上にTiO2からなる膜厚200nmの上層を成膜した。
実施例4の位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、透明基板側から順に配置された、下層(ZrSi、膜厚18nm)と上層(ZrSiON、膜厚17nm)とから構成される。実施例4では、下層のZrSiのエッチング速度が速いので、上層をZrを含むものにしてエッチング速度を速くしている。
また、フッ化水素アンモニウムと塩酸化水素とを含むエッチング液における位相シフト膜のエッチング速度は、0.44nm/秒であった。
先ず、透明基板をインライン型スパッタリング装置に搬入した。インライン型スパッタリング装置には、スパッタ室が設けられている。スパッタ室には、ZrSiターゲット(Zr:Si=1:2)とCrターゲットが配置されている。
その後、スパッタ室に配置されたZrSiターゲットに3.0kWのスパッタパワーを印加し、Arガスを130sccmの流量でスパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がZrSiターゲット付近を通過する際に、透明基板の主表面上にZrSiからなる膜厚18nmの下層を成膜した。
その後、スパッタ室に配置されたZrSiターゲットに5.6kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとO2ガスとN2ガスとの混合ガスを、Arガスが100sccm、O2ガスが60sccm、N2ガスが40sccmの流量となるように、スパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がZrSiターゲット付近を通過する際に、下層上にZrSiONからなる膜厚117nmの上層を成膜した。
実施例5は、透明基板として、TiO2−SiO2ガラス基板を用いた。このため、透明基板の熱変形に起因する位相シフト膜パターンの位置変化を抑制することができる。透明基板以外の点は、実施例1と同様である。
実施例6は、透明基板として、TiO2−SiO2ガラス基板を用いた。このため、透明基板の熱変形に起因する位相シフト膜パターンの位置変化を抑制することができる。透明基板以外の点は、実施例4と同様である。
比較例1の位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、透明基板上に配置されたMoSiONの単層膜(膜厚130nm)から構成される。位相シフト膜以外の点は、実施例1と同様である。
先ず、透明基板をインライン型スパッタリング装置に搬入した。インライン型スパッタリング装置には、スパッタ室が設けられている。スパッタ室には、MoSiターゲット(Mo:Si=1:4)とCrターゲットが配置されている。
その後、スパッタ室に配置されたMoSiターゲットに5.4kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとNOガスとの混合ガスを、Arガスが50sccm、NOガスが40sccmの流量となるように、スパッタ室内に導入しながら透明基板を搬送させた。透明基板がMoSiターゲット付近を通過する際に、透明基板の主表面上にMoSiONからなる膜厚130nmの単層の位相シフト膜を成膜した。
透明基板上に位相シフト膜パターンを備える表示装置製造用の位相シフトマスクをウェットエッチングにより製造するための位相シフトマスクブランクであって、
透明基板と、前記透明基板上に形成された位相シフト膜とを備え、
前記位相シフト膜は、前記透明基板側から入射する光に対する反射率を調整する機能を有する下層と、前記下層の上側に配置され、露光光に対する透過率と位相差とを調整する機能を有する上層とを少なくとも有し、
前記位相シフト膜は、前記露光光に含まれる波長365nmの光に対する透過率が1%以上50%以下、位相差が160°以上200°以下であり、
前記位相シフト膜は、前記透明基板側から入射する365nmから436nmの波長域の光に対する反射率が20%超であり、
前記上層は、金属と、酸素及び窒素の一方又は両方とを含有する材料から構成され、
前記下層は、金属を含有する材料から構成され、
前記上層及び前記下層は、前記位相シフト膜をパターニングする際に同じエッチング液を使用してエッチング可能な材料から構成され、前記上層のエッチング速度に対する前記下層のエッチング速度の比は、1超10以下である
ことを特徴とする位相シフトマスクブランク。
前記位相シフト膜は、前記エッチング液におけるエッチング速度が、0.06nm/秒以上2.5nm/秒以下であることを特徴とする構成A−1記載の位相シフトマスクブランク。
前記上層を構成する材料は、金属と酸素とからなる材料、金属と窒素とからなる材料、金属と酸素と窒素とからなる材料、金属とケイ素と酸素とからなる材料、金属とケイ素と窒素とからなる材料、及び、金属とケイ素と酸素と窒素とからなる材料、並びにそれらの材料に前記位相シフト膜をパターニングする際に使用するエッチング液における前記上層のエッチング速度を速くする成分又は遅くする成分を加えた材料から選択されることを特徴とする構成A−1又はA−2に記載の位相シフトマスクブランク。
前記下層を構成する材料は、金属からなる材料、及び、金属とケイ素とからなる材料、並びにそれらの材料に前記位相シフト膜をパターニングする際に使用するエッチング液における前記下層のエッチング速度を速くする成分又は遅くする成分を加えた材料から選択されることを特徴とする構成A−1又はA−2に記載の位相シフトマスクブランク。
前記上層を構成する材料に含まれる金属及び前記下層を構成する材料に含まれる金属は、それぞれ、チタン、ジルコニウム、モリブデン及びタンタルから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする構成A−1からA−4のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記上層を構成する材料に含まれる金属は、チタン及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする構成A−1からA−5のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記下層を構成する材料に含まれる金属は、モリブデンであり、前記下層のエッチング速度を遅くする成分は、炭素であることを特徴とする構成A−4に記載の位相シフトマスクブランク。
前記透明基板は、SiO2−TiO2系ガラスで構成されることを特徴とする構成A−1からA−7のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
前記位相シフト膜上に形成された遮光膜を備えることを特徴とする構成A−1からA−8のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
構成A−1からA−8のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランクの前記位相シフト膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記位相シフト膜をウェットエッチングして位相シフト膜パターンを形成する位相シフト膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
構成A−9記載の位相シフトマスクブランクの前記遮光膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記遮光膜をウェットエッチングして遮光膜パターンを形成する遮光膜パターン形成工程と、
前記遮光膜パターンをマスクにして前記位相シフト膜をウェットエッチングして位相シフト膜パターンを形成する位相シフト膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
Claims (15)
- 透明基板上に位相シフト膜パターンを備える表示装置製造用の位相シフトマスクを製造するための位相シフトマスクブランクであって、
透明基板と、前記透明基板上に形成された位相シフト膜とを備え、
前記位相シフト膜は、前記透明基板側から入射する光に対する反射率を調整する機能を有する下層と、前記下層の上側に配置され、露光光に対する透過率と位相差とを調整する機能を有する上層とを少なくとも有し、
前記位相シフト膜は、露光光に対する透過率と位相差とが所定の光学特性を有し、
前記位相シフト膜は、前記透明基板側から入射する365nmから436nmの波長域の光に対する反射率が20%超であり、かつ、前記透明基板側から入射する365nmから436nmの波長域の光に対する反射率の変動幅が10%以下であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。 - 前記位相シフト膜は、前記露光光に含まれる波長365nmの光に対する透過率が1%以上50%以下、位相差が160°以上200°以下であることを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記上層は、金属と、酸素及び窒素の一方又は両方とを含有する材料から構成され、
前記下層は、金属を含有する材料から構成され、
前記上層及び前記下層は、前記位相シフト膜をパターニングする際に同じエッチング液を使用してエッチング可能な材料から構成され、前記上層のエッチング速度に対する前記下層のエッチング速度の比は、1超10以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の位相シフトマスクブランク。 - 前記位相シフト膜は、前記エッチング液におけるエッチング速度が、0.06nm/秒以上2.5nm/秒以下であることを特徴とする請求項3記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記上層を構成する材料は、金属と酸素とからなる材料、金属と窒素とからなる材料、金属と酸素と窒素とからなる材料、金属とケイ素と酸素とからなる材料、金属とケイ素と窒素とからなる材料、及び、金属とケイ素と酸素と窒素とからなる材料、並びにそれらの材料に前記位相シフト膜をパターニングする際に使用するエッチング液における前記上層のエッチング速度を速くする成分又は遅くする成分を加えた材料から選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記下層を構成する材料は、金属からなる材料、及び、金属とケイ素とからなる材料、並びにそれらの材料に前記位相シフト膜をパターニングする際に使用するエッチング液における前記下層のエッチング速度を速くする成分又は遅くする成分を加えた材料から選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記上層を構成する材料に含まれる金属及び前記下層を構成する材料に含まれる金属は、それぞれ、チタン、ジルコニウム、モリブデン及びタンタルから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記上層を構成する材料に含まれる金属は、チタン及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項3から7のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記下層を構成する材料に含まれる金属は、モリブデンであり、前記下層のエッチング速度を遅くする成分は、炭素であることを特徴とする請求項6記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記透明基板は、SiO2−TiO2系ガラスで構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
- 前記位相シフト膜上に形成された遮光膜を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランク。
- 表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
請求項1から10のいずれか1項に記載の位相シフトマスクブランクの前記位相シフト膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記位相シフト膜をウェットエッチングして位相シフト膜パターンを形成する位相シフト膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。 - 表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
請求項11記載の位相シフトマスクブランクの前記遮光膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記遮光膜をウェットエッチングして遮光膜パターンを形成する遮光膜パターン形成工程と、
前記遮光膜パターンをマスクにして前記位相シフト膜をウェットエッチングして位相シフト膜パターンを形成する位相シフト膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。 - 請求項12または13に記載の位相シフトマスクの製造方法により得られた位相シフトマスクに露光光を照射して、表示装置基板上にパターンを転写することを特徴とするパターン転写方法。
- 前記露光光は、365nmから436nmの波長域から選択される複数の波長の光を含む複合光であることを特徴とする請求項14記載のパターン転写方法。
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