JP2018162574A - 柱及び梁の接合構造、柱及び梁の接合構造を備えた建物 - Google Patents

柱及び梁の接合構造、柱及び梁の接合構造を備えた建物 Download PDF

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悠介 鈴木
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政樹 有田
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Kei Kimura
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Abstract

【課題】簡単に施工することができる柱及び梁の接合構造、柱及び梁の接合構造を備えた建物を提供すること。
【解決手段】柱及び梁の接合構造50は、少なくとも一部にコンクリート部を有する柱51と、柱51のコンクリート部内に埋設された埋設部53と、柱51の側面から突出する突出部54とを有する梁受部材52と、梁受部材52の突出部54に接合される梁と、柱51における梁受部材52の突出部54が位置する部分以外の部分に接合されたコンクリート梁55とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、柱及び梁の接合構造、柱及び梁の接合構造を備えた建物に関する。
従来、鉄筋コンクリート製の柱と、鉄骨梁の接合構造としては、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術は、鉄骨鉄筋コンクリート製の柱の鉄骨に、梁部材をボルトナットで締結した後、コンクリートを打設して梁を埋設する構造である。
また、特許文献2に記載の技術は、鉄筋コンクリート製の柱の側面に鉄骨製の梁を貫通させた構造である。
特開2003−268878号公報 特開2008−291567号公報
しかしながら、これらの柱及び梁の接合構造は、極大地震時における建物の耐震性を考慮しているため、完全な剛接合の構造を確保しなければならず、構造が複雑であり、施工に手間がかかるという問題がある。
そして、地震発生の極めて少ない地域においては、より施工性の良好な柱及び梁の接合構造が要望されている。
本発明の目的は、簡単に施工することができる柱及び梁の接合構造、柱及び梁の接合構造を備えた建物を提供することにある。
本発明の柱及び梁の接合構造は、柱及び梁の接合構造であって、少なくとも一部にコンクリート部を有する柱と、前記柱の前記コンクリート部内に埋設された埋設部と、前記柱の側面から突出する突出部とを有する梁受部材と、前記梁受部材の前記突出部に接合される梁と、前記柱における前記梁受部材の前記突出部が位置する部分以外の部分に接合されたコンクリート梁とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、コンクリート梁が用いられることにより柱と梁の接合部分の剛性を確保する一方で、柱の側面から突出している梁受部材の突出部を用いて梁を接合することができる。このため、必要な剛性を確保しながら柱及び梁の接合構造を簡単に施工することができる。特に、それほど大きな耐震性能を必要としない、地震の少ない地域での適用する場合にきわめて有用である。
本発明では、前記柱と前記コンクリート梁とのうちの少なくとも一方に鉄筋が設けられ、前記鉄筋は、前記梁受部材の前記埋設部に連結されているものとすることが好ましい。
この発明によれば、柱及び/又はコンクリート梁の鉄筋が梁受部材の埋設部に連結されているため、鉄筋が安定的に拘束される。これにより、梁受部材の埋設部に柱の鉄筋が連結されている場合は、梁受部材をより強固且つ安定的に柱に固定することができる。一方、コンクリート梁の鉄筋が連結されている場合は、コンクリート梁を、梁受部材を通じて柱に強固且つ安定的に固定することができるため、柱及び梁の強固な接合構造を形成することが可能となる。
本発明では、前記梁受部材には、前記埋設部に、前記埋設部を水平方向に貫通する孔が形成され、前記鉄筋は前記孔に挿通されることにより前記梁受部材の前記埋設部に連結されているものとすることができる。
また、この場合においては、前記コンクリート梁は、前記鉄筋として前記コンクリート梁の長さ方向に延びる梁主筋を備え、前記梁主筋は、前記孔に挿通されることにより前記梁受部材の前記埋設部に連結されているものとすることができる。
この発明によれば、梁受部材の埋設部に設けた孔に柱やコンクリート梁の鉄筋を挿通させることにより、これらの鉄筋と梁受部材の埋設部とを相互に連結することができる。したがって、鉄筋と梁受部材の埋設部との連結を比較的容易に行うことができ、鉄筋と梁受部材の連結による強固な接合構造を容易に形成することができる。
また、コンクリート梁の鉄筋が、そのコンクリート梁の長さ方向に延びる梁主筋である場合、その梁主筋を梁受部材の孔に挿通させるだけよい。したがって、梁主筋に特別な加工を加えることなく、また梁主筋の機能を阻害することなく簡単に梁受部材の埋設部に連結することができる。その上、梁主筋の強度を生かして梁受部材の所定の位置に安定的に保持させることができるため、強固な接合構造を容易且つ確実に形成することができる。
さらに、本発明では、前記柱は、前記鉄筋として前記柱の側面に沿って延びる柱補強筋を備え、前記柱補強筋は、前記梁受部材の前記埋設部に溶接されることにより連結されているものとすることができる。
この発明によれば、比較的簡易な構造でありながら、柱の補強筋と梁受部材との連結が強固であり、また補助筋本来の機能を損なわせることもない。したがって、梁受部材の所定の位置に安定的に保持させることができ、強固な接合構造を容易且つ確実に形成することができる。
本発明では、前記梁受部材は、前記柱の側面から相互に異なる方向に突出する複数の前記突出部を有し、前記コンクリート梁は、前記柱の側面における前記梁受部材の前記突出部と異なる位置に接合されているものとすることができる。
この発明によれば、強固な接合構造を確保しながらも、柱に対して複数の梁を接合することを、きわめて簡単に行うことができ施工が容易となる。
本発明に係る柱及び梁の接合構造を備えた建物は、前述した柱及び梁の接合構造を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述した簡単に施工するができる建物となる。
本発明の一実施形態に係る柱及び梁の接合構造を表す斜視図。 前記実施形態における梁受部材の構造を表す側面図。 前記実施形態における梁受部材及び梁の接合構造を表す断面図。 前記実施形態における梁受部材及び梁の接合構造を表す図3Aとは異なる位置での断面図。 前記実施形態における梁受部材及び梁の接合構造を表す断面図。 前記実施形態とは梁受部材と柱の鉄筋との連結構造が異なる柱及び梁の接合構造を表す断面図。 前記実施形態とは梁受部材と柱の鉄筋との連結構造が異なる柱及び梁の接合構造を表す、図5とは異なる位置での断面図。 溶接用の柱補強筋を表す平面図。 前記実施形態とは異なる柱及び梁の接合構造を表す斜視図。 前記実施形態とはさらに異なる柱及び梁の接合構造を表す斜視図。 前記実施形態とはさらに柱及び梁の構造骨組を表す斜視図。 本発明の柱及び梁の接合構造を用いた建物を模式的に表す平面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る柱及び梁の接合構造(以下、「接合構造」ということがある。)50が示されている。
この接合構造50は、鉛直方向に延びる柱51と、柱51に接合された梁受部材52と、この梁受部材52に接合された鉄骨梁10(図2参照)と、鉄骨梁10とは別に柱51に接合されたコンクリート梁55とを備えている。なお、図1に示す接合構造50は、主に建物の中柱等、柱の側面に、柱の高さ方向と直交する水平方向延びる4本の梁が接合された接合構造として好適な構成となっている。
柱51は、本実施形態においては、水平方向に略矩形状(より具体的には略正方形状)の断面を有した、鉛直方向に延びる鉄筋コンクリート構造(いわゆるRC構造)のものとなっている。
具体的に、図3A、図3B、図4に示すように、この柱51は、内部に設けられた、柱51の高さ方向(鉛直方向)に延びる鉄筋である複数の柱主筋51Dと、これらの柱主筋51Dに略水平方向に巻き付けられた鉄筋であって、柱51の内部において柱の4つ側面(周面)に沿って延びるように配設された複数の柱補強筋51Cとを備えている。さらに、これらの柱主筋51Dと柱補強筋51Cとを内部に埋設させるようにコンクリートが打設されたコンクリート部51Eを備えている。
柱主筋51Dは、柱51の内部における柱51の四隅部分にそれぞれ設けられている(したがって、柱51には全部で4本の柱主筋51Dが存在する)。一方、柱補強筋51Cは、これらの柱主筋51Dに巻き付けられるように、柱51の高さ方向に一定の間隔で複数配設されている。
また、コンクリート部51Eは、所定の強度を有するコンクリートが打設されたもので、柱主筋51Dや柱補強筋51Cと柱51の直近の側面51A,51Bとの間に一定のかぶり厚さが形成されている。
なお、本実施形態では、柱51は鉄筋コンクリート構造となっているが、本発明の柱としては、H形鋼の各種形鋼を鉄骨として使用した鉄骨鉄筋コンクリート構造(いわゆるSRC構造)のものをはじめ、後述する梁受部材の埋設部を形成しうるコンクリート部を備えた構成であれば、各種構造のものを用いることができる。
また、梁受部材52は、柱51の前記コンクリート部内に埋設された埋設部53と、柱51の側面から突出する突出部54とを有している。
本実施形態においては、梁受部材52として、水平方向の一方向に長く形成された、断面略コ字形の溝形鋼(チャンネル材)を用いていて、鉛直方向に延びるウェブ52Aと、そのウェブ52Aの上下両端部に設けられた一対のフランジ52Bとを有した構成となっている。なお、本実施形態の場合、図1に示すように、1本の柱51に対して、上方側及び下方側の2カ所に梁受部材52がそれぞれ配設された態様となっている。
また、梁受部材52は、柱51に、その柱51を水平方向に貫通した状態で接合されていて、その梁受部材52の長さ方向の中央部分が、柱51のコンクリート部51E内に埋設された埋設部53となっている。一方で、梁受部材52の長さ方向の両端側の部分は、柱51の側面から相互に異なる方向に突出した突出部54となっていて、この実施形態では、これらの突出部54は、柱51における相反する方向に位置する側面51Aからそれぞれ突出している。このとき、図2に示すように、梁受部材52は、鉄骨梁10が接合された際に鉄骨梁10の梁心を柱51の柱心に一致させるように柱51に配置されている。なお、本発明において、梁心は鉄骨梁10のウェブ10Aの中心線を、柱心は柱の側面51Aの中心線をそれぞれ示す。
さらに、突出部54におけるウェブ52Aには、ウェブ52Aを貫通する、鉄骨梁10との接合に供するボルト挿通用の孔5が設けられている。
図2に示すように、鉄骨梁10は、本実施形態では、鉛直方向に延びるウェブ10Aと、ウェブ10Aの上下両端部に設けられた一対のフランジ10Bとを有するH形鋼が用いられた鉄骨梁となっている。また、ウェブ10Aには、このウェブ10Aを貫通する、梁受部材52との接合に供するボルト挿通用の孔11が、梁受部材42への接合時において突出部54のボルト挿通用の孔5と対応する位置に設けられている。
鉄骨梁10の梁受部材52への接合は、梁受部材52の突出部54における上側のフランジ52Bの上面に、この鉄骨梁10の上側のフランジ10Bの下面を当接させて、梁受部材52の突出部54に鉄骨梁10の荷重を支持させた上で行われている。さらに、梁受部材52の突出部54におけるウェブ52Aのウェブ面に、鉄骨梁10のウェブ10Aのウェブ面を当接させている。そして、ボルト12を、突出部54の孔5及び鉄骨梁10の孔11に挿通させてナット13で締め付けることにより、鉄骨梁10は柱51に梁受部材52を介して接合された状態となっている。
このように、梁受部材52と鉄骨梁10とを、相互に面接触させた上でボルト12、ナット13で締め付けて接合することにより、柱51と鉄骨梁10とが強固に接合される。したがって、鉄骨梁10に鉛直方向から曲げ荷重が作用しても、ある程度の剛性を確保することができるので、設計上も単なるピン接合として扱わなくてもよい。
コンクリート梁55は、柱51において鉄骨梁10が位置している部分以外の部分に、梁受部材52等の他の部材を介さずに直接的に接合されている。
図1に示すように、本実施形態においては、コンクリート梁55は、柱51の4つの側面のうち、梁受部材52の突出部54が位置していない、相対する方向に位置する一対の側面51Bにそれぞれ接合されている。また、本実施形態では、1つの梁受部材52に対応する高さ位置に、2つのコンクリート梁55が相互に同じ高さに配設された態様となっており、したがって、1本の柱51にはコンクリート梁55が4つ設けられている。
なお、コンクリート梁55は、上側に位置する後述する周面が、そのコンクリート梁55と対応する高さ位置にある梁受部材52に接合された鉄骨梁10の上側のフランジ10Bの上面と同じ高さとなるように、柱51に接合されている。さらに、コンクリート梁55は、梁心を柱51の柱心と一致させた状態で柱51に接合されている。なお、この実施形態においては、コンクリート梁55は、下側に位置する後述する周面が、そのコンクリート梁55と対応する高さ位置にある梁受部材52に接合された鉄骨梁10の下側のフランジ10Bの下面と同じ高さとなるように、高さ方向の大きさが設定されている。
ここで、本発明における「コンクリート梁」とは、鉄筋コンクリート構造(いわゆるRC構造)のもののみならず、H形鋼の各種形鋼を鉄骨として使用した鉄骨鉄筋コンクリート構造(いわゆるSRC構造)のものをはじめ、梁として一部又は全部にコンクリートが用いられているもの全般を含む概念である。なお、コンクリート梁の構造自体は特に限定されないが、コンクリート梁として求められる所望の剛性や強度を備えていることが肝要である。
本実施形態におけるコンクリート梁55は、鉄筋とコンクリートとで構成された鉄筋コンクリート構造のものを採用している。
具体的に、本実施形態のコンクリート梁55は、高さ方向に長く、かつ柱51の接合対象の側面の幅よりも幅狭である縦長の略矩形状の断面を有した、水平方向の一方向に長く延びた構成となっている。
さらに、コンクリート梁55は、コンクリート梁55の長さ方向(水平方向)に延びる鉄筋である複数の梁主筋55Aと、これらの梁主筋に対して、梁主筋の長さ方向と直交する方向に巻き付けられた鉄筋であり、コンクリート梁55の内部においてコンクリート梁55の4つの周面に沿って延びるように配設された複数の梁補強筋55Bとを備えている。さらに、これらの梁主筋55Aと梁補強筋55Bとを内部に埋設させるようにコンクリートが打設された梁コンクリート部55Cを有している。
梁主筋55Aは、コンクリート梁55の内部における、コンクリート梁55の4つの角隅部分に、相互に平行な方向に延びるようにそれぞれ設けられている。したがって、1つのコンクリート梁55には、梁主筋55Aが、上方側にほぼ同じ高さに2本、下方側の同じ高さに2本、計4本存在することになる。
一方で、梁補強筋55Bは、これらの4本の梁主筋55A全体に巻き付けられていて、コンクリート梁55の長さ方向に一定の間隔で複数配設されている。
梁コンクリート部55Cは、所定の強度を有するコンクリートが打設されたもので、梁主筋55Aや梁補強筋55Bとコンクリート梁55の直近の周面との間に一定のかぶり厚さが形成されている。本実施形態においては、コンクリート梁55の梁コンクリート部55Cと、柱51のコンクリート部51Eとは、実質的に相互に連続しかつ一体的に形成されたものとなっている。
また、前述のように、コンクリート梁55は、柱51における相対する方向に位置する一対の側面51Bにそれぞれ接合され、しかも1つの梁受部材52に対して一対のコンクリート梁55が相互に同じ高さに配設されている。そのため、図3A、図3B、図4に示すように、本実施形態の梁主筋55Aは、柱51を水平方向に貫通し且つ一方のコンクリート梁55から他方のコンクリート梁55まで連続させて、一対のコンクリート梁55が4本の梁主筋55Aをそれぞれ共用した構成としている。これにより、これらの一対のコンクリート梁55が柱51に強固に接合され、かつその状態が安定的に保持されるようにしている。
なお、本実施形態においては、各梁主筋55Aは、柱51を、その柱51の側壁に沿う方向に隣接する一対の柱主筋51Dの間の空間を、柱補強筋51Cと干渉することなく貫通した状態となっている。
ここで、コンクリート梁55の一部の鉄筋は梁受部材52の埋設部53に連結されている。
このように、コンクリート梁55の鉄筋と梁受部材52の埋設部とを連結することにより、コンクリート梁55の鉄筋が梁受部材52に安定的に拘束されて、コンクリート梁55を、梁受部材52を通じて柱51に強固かつ安定的に固定することができる。さらに、梁受部材52もコンクリート梁55の鉄筋により位置がしっかりと固定され、その梁受部材52に接合された鉄骨梁10が柱51に強固且つ安定的に接合された状態を確保することができるため、全体として、強固な柱及び梁の接合構造50を形成することが可能となる。
本実施形態においては、コンクリート梁55の梁主筋55Aを梁受部材52の埋設部53に連結した構成となっている。
具体的には、図3B、図4に示すように、梁受部材52の埋設部53に形成された水平方向に貫通する孔53Aに、コンクリート梁の梁主筋55Aを挿通させることにより、その梁主筋55Aが梁受部材52の埋設部53に連結された構成となっている。
このコンクリート梁55の梁主筋55Aと梁受部材52の埋設部53との連結に係る構成について、より具体的に説明する。
前述のように、1つの梁受部材52に対して一対のコンクリート梁55がその1つの梁受部材52の高さに対応する位置に配置されていて、これらの一対のコンクリート梁55の梁主筋は、柱51を水平方向に貫通し且つ一方のコンクリート梁55から他方のコンクリート梁55まで連続している。このとき、何も対策を講じなければ、梁主筋55Aと梁受部材52の埋設部53のウェブ52Aとは位置的な干渉が生じ得るが、本実施形態においては、梁受部材52の埋設部53のウェブ52Aにおける、梁主筋55Aの長さ方向と交差する位置に、ウェブ52Aを水平方向に貫通する梁主筋挿通用の孔53Aを設けるとともに、梁主筋55Aをその梁主筋挿通用の孔53Aに挿通させている。これにより、コンクリート梁55の梁主筋55Aと梁受部材52の埋設部53とが相互に安定的に連結された状態とすることができる。
この結果、コンクリート梁55の強度を落とすことなく、このコンクリート梁55を、梁受部材52を通じて柱51に強固且つ安定的に固定することができる。その一方で、梁受部材52もコンクリート梁55の梁主筋55Aにより柱51上での位置がしっかりと固定されるため、梁受部材52に接合された鉄骨梁10が柱51に強固且つ安定的に接合された状態を確保することができる。よって、コンクリート梁55を含む梁と柱51の接合部分全体として、強固な接合構造50を形成することが可能となる。
本実施形態においては、図4に示すように、梁受部材52は、その埋設部53に、一対のコンクリート梁55の4本の梁主筋55Aのうち、上方側に位置する2本の梁主筋を挿通させる梁主筋挿通用の孔53Aを2つ備えている。このように、梁主筋55Aを梁受部材52の梁主筋挿通用の孔53Aに通す構成にした場合には、コンクリート硬化後のコンクリート梁55と梁受部材52の一体性を高めることができる。
また、これらの2つの梁主筋挿通用の孔53Aは、挿通対象の梁主筋55Aの位置に適合するように、梁受部材52の埋設部53のウェブ52Aにおいて、柱51の側壁に沿う方向に隣接する一対の柱主筋51Dの間であって相互に同じ高さとなる位置にそれぞれ設けられている。
なお、梁主筋挿通用の孔53Aについては、その内周と梁主筋55Aの外周との間に十分なクリアランスが形成される程度の内周径を備えたものとして、梁主筋55Aを挿通し易い態様としてもよい。逆に、梁主筋挿通用の孔53Aを、その内周と梁主筋55Aの外周との間のクリアランスがほとんど存在しない状態の内周径として、梁主筋55Aを孔53A内に押し込むように挿通可能とすることにより、梁主筋55Aと梁受部材52の相対的な位置が強固に保持されるようにして、柱51やコンクリート梁55に対する梁受部材52の位置を一層安定的に保持できるようにしてもよい。
一方で、本実施形態においては、柱51の柱補強筋51Cも梁受部材52の埋設部53に連結されている。
このように、柱51の鉄筋と梁受部材52の埋設部53とを連結することにより、柱と梁との接合部において、柱51の鉄筋が梁受部材52に安定的に拘束されるとともに、梁受部材52も柱51の鉄筋により位置がしっかりと固定されるため、柱51と梁受部材52とが強固かつ安定的に接合された状態となる。したがって、全体として、強固な柱及び梁の接合構造50を形成することが可能となる。
さらに、本実施形態の場合、柱51の柱補強筋51Cと梁受部材52の埋設部53とが連結されていることに加え、前述のように、コンクリート梁55の鉄筋も梁受部材52の埋設部53に連結されている。このため、柱51に対する梁受部材52の接合、及び柱51や、コンクリート梁55に対する梁受部材52の位置保持を一層強固かつ安定的に行うことが可能な構造となる。
また、図3A及び図4に示すように、本実施形態においては、柱51の鉄筋のうち、柱補強筋51Cを梁受部材52の埋設部53に連結した構成となっている。
具体的には、梁受部材52は、埋設部53に、柱補強筋51Cを挿通するための柱補強筋挿通用の孔53Bを、梁主筋挿通用の孔53Aとは別に備えていて、その柱補強筋挿通用の孔53Bに、柱と梁との接合部に配設された柱補強筋51Cの一部を挿入させることにより、柱補強筋51Cは梁受部材52の埋設部53に連結されている。なお、柱補強筋挿通用の孔53Bは、梁受部材52の埋設部53のウェブ52Aにおいて位置的に干渉する柱補強筋51Cと交差する部分に、そのウェブ52Aを略水平方向に貫通するように設けられている。
本実施形態の場合、図3A及び図4に示すように、柱と梁の接合部において上方側及び下方側に位置する2本の柱補強筋51Cを梁受部材52に連結させるため、柱補強筋挿通用の孔53Bは、梁受部材52の埋設部53のウェブ52Aにおける柱主筋51Dよりも側壁側に相当する位置(かぶりコンクリート部分の位置)に、1本につき2つずつ、計4つ設けられている。なお、1本の柱補強筋51Cを挿通させる2つの梁補強筋挿通用の孔53Bは、相互に同じ高さに設けられている。
なお、柱補強筋挿通用の孔53Bについては、柱補強筋51Cの外周との間に十分なクリアランスが形成される程度の内周径として、柱補強筋51Cを挿通し易い態様としてもよい。あるいは、柱補強筋51Cの外周との間のクリアランスがほとんどない状態の内周径として、柱補強筋51Cを孔内に押し込むように挿通可能とすることにより、柱補強筋51Cと梁受部材52の相対的な位置が保持されるようにして、柱51やコンクリート梁55に対する梁受部材52の位置をより安定的に保持できるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、梁受部材52の埋設部53における上側のフランジ52Bの上面、及び下側のフランジ52Bの下面に、複数のスタッドアンカー56がそれぞれ溶接されていて、上側のフランジ52Bの場合は上方に向けて、下側のフランジ52Bの場合は下方に向けて各スタッドアンカー56が突出した状態となっている。
このように、スタッドアンカー56が設けられていることにより、アンカー効果が期待できるので、梁受部材52の埋設部53が柱51の内部(より具体的にはコンクリート部51E内)においてより安定的に保持されるため、梁受部材52と柱51との接合を一層強固な構造とすることができる。なお、スタッドアンカーについては、必要とされる接合構造の強度に応じて、適宜に取り付ければよく、また取付ける数も必要に応じて適宜選択することができる。
前記構成を有する柱及び梁の接合構造50は、コンクリート梁55が用いられることにより、柱51と梁の接合部分の剛性を確保する一方で、柱51の側面51Aから突出している梁受部材52の突出部54を用いて、形鋼等により形成された鉄骨梁10を接合することができる。したがって、必要な剛性を確保しながら接合構造50を簡単に施工することができる。特に、それほど大きな耐震性能を必要としない、地震の少ない地域での適用する場合にきわめて有用であり、工期の短縮やコストの抑制を図ることが可能となる。
前記実施形態においては、柱51の鉄筋(具体的には柱補強筋51C)を梁受部材52の埋設部53に連結していて、柱51の鉄筋を梁受部材52の埋設部53に連結する構造として、梁受部材52の埋設部53に形成された、この埋設部53を水平方向に貫通する孔(具体的には柱補強筋挿通用の孔53B)に柱51の鉄筋を挿通することにより連結する構造としていた。
しかしながら、柱の鉄筋を梁受部材の埋設部に連結する場合、柱の鉄筋を梁受部材の埋設部の孔に挿通する構造以外の手段を用いることができる。
例えば、図5から図7に示すように、柱51の柱補強筋のうちの一部の柱補強筋を、梁受部材52の埋設部53に溶接により接合することにより、柱の鉄筋を梁受部材の埋設部に連結するようにしてもよい。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一部分については、同一符号を付して説明を省略する。
具体的に、柱補強筋として、通常の柱補強筋51Cとは別に、図7に示すような略コ字形状の溶接用の柱補強筋57を用い、この溶接用の柱補強筋57の両端部を梁受部材52’の埋設部53’に溶接する。
なお、梁受部材52’の埋設部53’には、前記実施形態のような柱補強筋57を挿通させるための孔は一切設けられていない。
溶接用の柱補強筋57は、図5から図7に示すように、柱51の側壁の沿う方向に位置する一対の柱主筋51D間に架け渡される、一方向に長い棒状に形成された架渡し部57Aと、この架渡し部57Aの長さ方向の両端に設けられて同じ方向に略直角に折り曲げられた、直棒状の一対の屈曲部57Bとを有している。さらに、各屈曲部57Bにおける架渡し部57Aとは反対側の端部に設けられ、架渡し部57Aの長さ方向に沿う外方向きに折り曲げられた突出部57Cを備えている。
そして、図5及び図6に示すように、溶接用の柱補強筋57は、架渡し部57Aを、一対の柱主筋51Dに略水平に架け渡し、かつ一対の屈曲部57Bによりこれらの一対の柱主筋51Dを挟み込んだ状態とすることにより、各屈曲部57Bの端部の突出部57Cを梁受部材52’の埋設部53’にそれぞれ当接させている。このとき、各突出部57Cは、梁受部材52’の埋設部53’におけるウェブ52Aの面に沿うように接していることから、この突出部54と埋設部53’のウェブ52Aとの当接部分が隅肉溶接等により溶接部58により接合され、これより溶接用の柱補強筋57全体が梁受部材52’の埋設部53’に連結された状態となっている。
なお、この溶接用の柱補強筋57は、1つにつき梁受部材52’の埋設部53’におけるウェブ52Aの一面のみに溶接されることから、図5に示すように、コンクリートの保持という柱補強筋本来の機能を確保するために、溶接用の柱補強筋57は、梁受部材52’のウェブの両面に設ける必要がある。したがって、溶接用の柱補強筋57は、4本の柱主筋51Dを巻き込むように、梁受部材52’の埋設部53’におけるウェブ52Aの同じ高さに2つ設けられている。
また、図5及び図6に示すように、梁受部材52’は、コンクリート梁55の上下の梁主筋55Aの間に配設されていて、いずれの梁主筋55Aとも位置的な干渉が生じない態様となっている。そのため、梁受部材52’には、前記実施形態のような梁主筋55Aを挿通させるための孔は一切設けられていない。なお、梁受部材52’は、柱補強筋を挿通させる孔、及びコンクリート梁の梁主筋を挿通させる孔が埋設部に形成されてない以外の構成は、基本的に前記実施形態の梁受部材52と同じ構成であり、同様の効果を奏するため、同様の符号を付して説明は省略する。
このように、溶接用の柱補強筋57を用いた場合でも、前記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができるが、柱補強筋51Cを挿通させる孔を設ける必要がないため、梁受部材52’の形成が容易である上、梁受部材52’自体の強度の低下を抑えることができる。また、柱51や梁受部材52’の設計誤差の影響を抑えることができるため、現場での施工も容易である。
また、図5及び図6に示すような、梁受部材52’をコンクリート梁55の上下の梁主筋55A間に配設した構成とすることにより、梁主筋55Aを挿通させる孔が不要となるため、この点においても、梁受部材52’自体の強度の低下を抑えることができ、コンクリート梁55や梁受部材52’の施工誤差の影響を抑えることができる。さらに、梁受部材52’に垂直方向上下のいずれかの荷重が作用しても、上方側の梁主筋55A、あるいは下方側の梁主筋55Aのいずれかが、梁受部材52’に作用する上下方向の力に対して、梁受部材52’に抗力を作用させることができるため、柱及び梁の接合構造の強度を確保することができる。
なお、柱の鉄筋については、前記実施形態のように柱補強筋挿通用の孔53Aを梁受部材52設けたり、あるいは前述のように溶接用の柱補強筋57を梁受部材52’に溶接したりするなど、必ずしも梁受部材52、52’の埋設部53、53’に連結する必要はない。柱及び梁の接合構造として必要な強度や、梁受部材の位置保持の安定性等が確保できている場合、あるいは柱補強筋の位置や間隔、梁受部材の位置や大きさ等によって相互の連結が困難な場合は、柱の鉄筋と梁受部材の埋設部との連結は省略してもよい。また、コンクリート梁の鉄筋を梁受部材に連結する場合において、コンクリート梁の梁受部材への連結のみで接合構造の強度を確保できていたり、梁受部材の位置保持の安定性を確保できていたりする場合も、柱の鉄筋と梁受部材の埋設部との連結を省略してよい。
また、前記実施形態においては、コンクリート梁55の鉄筋(具体的には梁主筋55A)を梁受部材52の埋設部53に連結する構造として、梁受部材52の埋設部53に形成された、この埋設部53を水平方向に貫通する孔(具体的には梁主筋挿通用の孔53A)に、鉄筋を挿通していた。
しかしながら、コンクリート梁の鉄筋は、必ずしも梁受部材の埋設部に連結する構造とする必要はなく、柱及び梁の接合構造として必要な強度や、梁受部材の位置保持の安定性等が確保できている場合、あるいはコンクリート梁の高さ方向の大きさや梁主筋の位置、あるいは梁受部材の大きさや位置等によって相互の連結が困難な場合は、梁の鉄筋と梁受部材の埋設部との連結は省略してもよい。また、柱の鉄筋を梁受部材に連結する場合において、柱の鉄筋の梁受部材への連結のみで接合構造の強度を確保できていたり、梁部材の位置保持の安定性を確保できていたりする場合も、コンクリート梁の鉄筋と梁受部材の埋設部との連結を省略してよい。
さらに、梁の鉄筋と梁受部材の埋設部との連結する場合であっても、前記実施形態のような、梁受部材52の埋設部53に形成された孔に鉄筋を挿通させる構成以外の手段、例えば溶接等の任意の手段によって梁の鉄筋と梁受部材の埋設部とを連結するようにしてもよい。
ところで、前記実施形態においては、図1に示す柱及び梁の接合構造50のような、建物の中柱等、柱の側面に、柱の高さ方向と直交する水平方向延びる4本の梁が接合された接合構造として好適な構成を説明した。
しかしながら、本発明は、このような中柱等に好適な柱及び梁の接合構造50以外にも、図8や図9に示すような、建物の外周側に用いられる側柱等に好適な接合構造、あるいは図10に示すような角柱等に好適な接合構造についても適用することができる。
具体的に、図8に示す柱及び梁の接合構造60は、柱61の側面に、柱61の高さ方向と直交する水平方向に延びる3本の梁が接合された態様となっていて、これらの3本の梁のうち、2本が梁受部材52の突出部54を介して柱61の側面61A,61Aに接合された梁(図8では省略している。)、残りの1本が柱61の側面61Bに直接的に接合されたコンクリート梁65となっている。
ここで、コンクリート梁65については、梁主筋の柱61側の端部側は、他のコンクリート梁に連結されることなく柱61内に埋設されていて、この柱61内において梁受部材52の埋設部53と連結された状態となっている。
なお、柱61の基本的な構造は前述の接合構造50の柱51とほぼ同じであり、また、コンクリート梁65は、梁主筋の柱61側の端部側の構成以外の基本的な構造は接合構造50のコンクリート梁55とほぼ同じであり、いずれも同様の作用効果を奏するため、詳細な説明は省略する。さらに、梁受部材52の構造等については、基本的に前述の接合構造50とほぼ同じ構造であり、同様の作用効果を奏するため、同様の符号を用いて説明は省略する。
また、図8に示すものは、コンクリート梁65が、梁受部材52のフランジの自由端側の方向に位置する柱61の側面61Bに接合されているが、この側面と相反する方向(すなわち、梁受部材52のフランジの基端側(ウェブ側)の方向)に位置する側面に接合されていてもよい。
一方、図9に示す柱及び梁の接合構造70は、前述の接合構造60と同様に、柱71の側面に、柱の高さ方向と直交する水平方向延びる3本の梁が接合された態様となっている。しかしながら、これらの3本の梁のうち、1本が梁受部材72の突出部74を介して柱71の側面71Aに接合された梁(図9では省略している。)、残りの2本が柱71の側面71Bに接合されたコンクリート梁55となっている点が接合構造60と異なっている。
ここで、梁受部材72は、長さ方向の一端側が、柱71内に埋設された埋設部73、他端側が柱71の側面71Aから突出する突出部74となっている。したがって、この梁受部材72は、突出部74が1つしか設けられておらず、梁を1本のみ取り付け可能な構造となっている。
また、埋設部73については、突出部74とは反対側の端部が、柱71の側面71A(突出部74が突出している側面71Aとは相対する位置にある側面)から突出することなく、柱71内に位置している。さらに、埋設部73は、コンクリート梁の梁主筋や柱71の柱補強筋と連結することが十分に可能な位置まで柱71に埋入されていて、接合構造50と同様に、コンクリート梁55の梁主筋や柱71の柱補強筋と相互に連結されている。このとき、例えば、少なくとも梁受部材72の半分以上を柱71内に埋入させて埋設部73とし、梁受部材72の突出部74の突出寸法よりも長くするのが好ましい。
なお、柱71の基本的な構造は前述の接合構造50の柱51とほぼ同じであり、また、梁受部材72は、突出部が1つのみである点以外の基本的な構成は接合構造50の梁受部材52とほぼ同じであり、いずれも同様の作用効果を奏するため、詳細な説明は省略する。さらに、コンクリート梁の構造等については、基本的に前述の接合構造50とほぼ同じ構造であり、同様の作用効果を奏するため、同様の符号を用いて説明は省略する。
また、図9に示すものは、梁受部材72が、図9中において柱71の右側の側面71Aに突出部74が位置した状態で柱71に設置されているが、この側面と相反する方向(即ち、図9中の左側)の側面に突出部74が位置した状態で柱71に設置されてもよい。
また、図10に示す柱及び梁の接合構造80は、柱81の側面に、柱の高さ方向と直交する水平方向延びる2本の梁が接合された態様となっていて、これらの2本の梁のうち、1本が、柱81内に埋設された埋設部73と、柱81の1つの側面81Aから突出した突出部74とを有する梁受部材72を介して柱81の側面81Aに接合された梁(図10では省略している。)、他の1本が柱81の側面81Bに直接的に接合されたコンクリート梁65となっている。
この接合構造は、柱81に接合された梁が相互に直交する水平方向に延びた構成であるため、特に角柱として使用される構成である。
なお、柱81の基本的な構造は前述の接合構造50の柱51とほぼ同じであり、同様の作用効果を奏するため、詳細な説明は省略する。さらに、コンクリート梁は、前述した接合構造60のコンクリート梁65と基本的に同じ構成であり、また、梁受部材の構造についても、前述の接合構造70の梁受部材72と基本的に同じ構造であり、いずれも同様の作用効果を奏するため、同様の符号を用いて詳細な説明は省略する。
また、図10に示すものは、梁受部材72が、図10中において柱81の右側の側面81Aに突出部74が位置した状態で柱81に設置されているが、この側面81Aと相反する方向(即ち、図10中の左側)の側面に突出部74が位置した状態で柱71に設置されてもよい。一方、また、コンクリート梁65は、梁受部材72のフランジの自由端側の方向に位置する柱81の側面81Bに接合されているが、この側面と相反する方向(即ち、梁受部材72のフランジの基端側(ウェブ側の方向))に位置する側面に接合されていてもよい。
前記構成を有する接合構造60、70、80は、基本的に前述の接合構造50とほぼ同様の効果を奏するが、梁の本数、さらにはコンクリート梁や梁受部材に接合される梁の本数や相互の位置関係に応じて、接合構造60,70は側柱、接合構造80は角柱等として選択的に利用することができる。
そして、図11は、本発明の柱及び梁の接合構造を用いた建物の一実施の形態を示している。
具体的に、図11の建物100は、前述した接合構造50、60、70、80を組み合わせた構造となっていて、中央に中柱に係る2つの接合構造50が配設され、建物100の短手方向(図11中のY方向)の中央における、長手方向(図11中のX方向)の両端に、側柱に係る接合構造60が配設されている。また、建物100のY方向の両端における中央に、側柱に係る4つの接合構造70がそれぞれ配設され、建物100の四隅に、角柱に係る接合構造80がそれぞれ配設されている。
このような構造の建物100は、例えばコンクリートを現場打設することにより建設することができる。具体的には、建築現場において、接合構造50、60、70、80の各柱51、61、71、81、及びコンクリート梁55、65の型枠を建て込み、内部に鉄筋を配置する。次に、梁受部材52、72の埋設部53、73に相当する部分を型枠内に配設した状態で、型枠外面から突出部54、74を突出させることにより、それぞれの梁受部材52、72を設置し、梁受部材52、72の突出部54、74の養生を行った後、コンクリートを打設する。
コンクリートの養生が終了したら、それぞれの梁受部材52、72の間に、H形鋼からなる鉄骨梁10を掛け渡し、ボルト12、ナット13により梁受部材52、72と鉄骨梁10とを締結し、図示を略した床スラブ等を、コンクリート梁55、65及び鉄骨梁10上に設置する。これにより、柱及び梁の接合構造50、60、70、80を有する建物100が建設されることとなる。
この結果、前記構成を有する建物100は、接合構造50、60、70、80のコンクリート梁55、65により、柱51、61、71、81と梁の接合部分の剛性が確保され、また、柱51、61、71、81の側面から突出している梁受部材52、72の突出部54、74を用いてこれらの柱51、61、71、81と、鉄骨梁10を接合することができるため、簡単に施工することができる。したがって、厳しい耐震性能が不必要な地域での建設に適しており、工期の短縮やコストの抑制が可能となる。
また、建物100は、H形鋼からなる鉄骨梁10と、コンクリート梁55,65とが組み合わされた構造とすることができるため、火災等によって鉄骨梁10が脱落しても、コンクリート梁55、65によって床スラブを支持することができ、建物を自立せしめることができる。したがって、通常必要とされる鉄骨梁10の耐火被覆を、省略又は簡略することができるため、耐火被覆の施工コスト低減にも寄与することができる。
なお、図11の建物100は、すべての柱及び梁の接合部分に本発明の接合構造を使用しているが、一部のみに本発明の接合構造を用いて建物を建設するようにしてもよい。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、さらに以下に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態では、梁受部材52、52’として溝形鋼を用いているが、梁受部材としては、梁が取付けられるものであれば溝形鋼である必要はなく、各種形状の形鋼等、任意のものを用いることができる。また、梁受部材に接合される梁についても、前記実施形態のようにH形鋼である必要はなく、梁受部材の突出部に接合することができれば、任意の形状のものを用いることができる。
また、前記実施形態においては、柱51、61、71、81として断面略矩形状のものを用いていたが、柱の形状については、断面略円形状、楕円形上、矩形以外の多角形状等、任意のものを用いることができる。
さらに、コンクリート梁について、記実施形態においては、断面が縦長略矩形状のものを用いていたが、コンクリート梁の形状については、断面が横長矩形状、断面略円形状、楕円形上、矩形以外の多角形状等、任意のものを用いることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等を採用してもよい。
5…孔、10…鉄骨梁、10A…ウェブ、10B…フランジ、11…孔、12…ボルト、13…ナット、42…梁受部材、50…接合構造、51…柱、51A…側面、51B…側面、51C…柱補強筋、51D…柱主筋、51E…コンクリート部、52…梁受部材、52'…梁受部材、52A…ウェブ、52B…フランジ、53…埋設部、53'…埋設部、53A…孔、53B…孔、54…突出部、55…コンクリート梁、55A…梁主筋、55B…梁補強筋、55C…梁コンクリート部、56…スタッドアンカー、57…柱補強筋、57A…架渡し部、57B…屈曲部、57C…突出部、58…溶接部、60…接合構造、61…柱、61A…側面、61B…側面、65…コンクリート梁、70…接合構造、71…柱、71A…側面、71B…側面、72…梁受部材、73…埋設部、74…突出部、80…接合構造、81…柱、81A…側面、81B…側面、100…建物。

Claims (7)

  1. 柱及び梁の接合構造であって、
    少なくとも一部にコンクリート部を有する柱と、
    前記柱の前記コンクリート部内に埋設された埋設部と、前記柱の側面から突出する突出部とを有する梁受部材と、
    前記梁受部材の前記突出部に接合される梁と、
    前記柱における前記梁受部材の前記突出部が位置する部分以外の部分に接合されたコンクリート梁とを備えていることを特徴とする柱及び梁の接合構造。
  2. 請求項1に記載の柱及び梁の接合構造において、
    前記柱と前記コンクリート梁とのうちの少なくとも一方に鉄筋が設けられ、
    前記鉄筋は、前記梁受部材の前記埋設部に連結されていることを特徴とする柱及び梁の接合構造。
  3. 請求項2に記載の柱及び梁の接合構造において、
    前記梁受部材には、前記埋設部に、前記埋設部を水平方向に貫通する孔が形成され、
    前記鉄筋は、前記孔に挿通されることにより前記梁受部材の前記埋設部に連結されていることを特徴とする柱及び梁の接合構造。
  4. 請求項3に記載の柱及び梁の接合構造において、
    前記コンクリート梁は、前記鉄筋として前記コンクリート梁の長さ方向に延びる梁主筋を備え、
    前記梁主筋は、前記孔に挿通されることにより前記梁受部材の前記埋設部に連結されていることを特徴とする柱及び梁の接合構造。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の柱及び梁の接合構造において、
    前記柱は、前記鉄筋として前記柱の側面に沿って延びる柱補強筋を備え、
    前記柱補強筋は、前記梁受部材の前記埋設部に溶接されることにより連結されていることを特徴とする柱及び梁の接合構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の柱及び梁の接合構造において、
    前記梁受部材は、前記柱の側面から相互に異なる方向に突出する複数の前記突出部を有し、
    前記コンクリート梁は、前記柱の側面における前記梁受部材の前記突出部と異なる位置に接合されていることを特徴とする柱及び梁の接合構造。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の柱及び梁の接合構造を備えたことを特徴とする柱及び梁の接合構造を備えた建物。
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