JP6021497B2 - 複合構造梁 - Google Patents

複合構造梁 Download PDF

Info

Publication number
JP6021497B2
JP6021497B2 JP2012170855A JP2012170855A JP6021497B2 JP 6021497 B2 JP6021497 B2 JP 6021497B2 JP 2012170855 A JP2012170855 A JP 2012170855A JP 2012170855 A JP2012170855 A JP 2012170855A JP 6021497 B2 JP6021497 B2 JP 6021497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
reinforced concrete
flange
bar
steel frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012170855A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014031613A (ja
Inventor
山下 幹雄
幹雄 山下
聖史 小山
聖史 小山
金田 和浩
和浩 金田
慶一郎 井上
慶一郎 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2012170855A priority Critical patent/JP6021497B2/ja
Publication of JP2014031613A publication Critical patent/JP2014031613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6021497B2 publication Critical patent/JP6021497B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rod-Shaped Construction Members (AREA)

Description

本発明は、構造物の架構を形成する構造部材として、柱の間に架設されて柱に接合される複合構造梁に関する。詳しくは、少なくとも左右いずれかの端部が鉄筋コンクリート造で、その他の部分、または中央部が鉄骨造で構成され、1つの部材に異種の構造形式を備える梁に関する。
建物に代表される種々の構築物の構造形式には、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鋼管コンクリート造など、様々な種類が存在するが、構築物の規模や用途などの特性や要求される性能に応じて、1つの構築物には単一の構造形式が用いられるのが一般的であった。
経済性や耐久性に優れた鉄筋コンクリート造は、近年、高性能減水剤の開発と相まって材料の高強度化が進み、低層建物から高層建物にまで幅広く適用されている。これに対して、鉄骨造は現場での組み立てが容易で迅速に施工できるという利点があり、大スパン架構や超高層ビルに適した構造として広く普及している。
しかしながら、鉄骨造は鋼材の価格が高いためにコストアップになる場合が多い上に、鉄筋コンクリート造に比べると剛性が低いため、地震時の変形が大きくなり易いという欠点がある。
一方、鉄筋コンクリート造では、コンクリートが引張力に弱いため、スパンを拡げて大きな空間を確保することが困難であり、鉄筋コンクリート造で10m以上のスパンを確保するためには、梁の中に緊張材を配してプレストレスを導入し、梁の端部や中央部の曲げ耐力を高める必要があった。しかし、近年になって、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の利点を併せ持つ複合構造の梁が開発されている。
例えば、特許文献1には、鉄筋コンクリート造のスパンを拡げる目的で開発されたもので、柱に接合される両端部を鉄筋コンクリート造とし、その間にH形鋼を用いた鉄骨造で構成する複合構造梁が開示されている。このような梁では、異種の構造部材を接合する埋め込み部分において、各々の材料強度、剛性、ならびに形状や寸法が異なるため、応力集中が起こり易いという問題があった。
これを解決するため、特許文献1では、鉄骨と鉄筋コンクリート部分の相互の応力伝達を円滑に行う目的で、鉄骨フランジに鉄筋コンクリート部の材軸方向に配した軸筋の2本(定着筋)を上下のフランジにフレアー溶接し、鉄骨端部を鉄筋コンクリート部に確実に固定している。
梁の両端部を鉄筋コンクリートにすることで梁全体の剛性を高め、モーメントが大きい中央部は鉄骨で曲げ耐力を確保するとともに、軽量化を実現した合理的な構造として、オフィスや工場、倉庫など幅広い用途の建物に適用されている。
しかしながら、定着筋の溶接部の管理が難しく、検査も必要なために、溶接作業は事前に工場で行わざるをえない。また、鉄骨フランジに予め梁主筋や定着筋などの軸筋が溶接してあると運搬の際に考慮しなければならない梁長が長くなるため、大型のトラックが必要になったり、積載する梁の本数に制限が出るなど、現場への搬入にも問題があった。
そこで、特許文献2では、鉄骨端部のフランジに長ナットやカップラーなどの継手部分を予め溶接しておき、現場へ搬入した後に鉄筋(主筋)を螺合して機械式に接合する複合構造梁が提案されている。
特公平07−65381号公報 特開2007−291636号公報
しかし、特許文献2に記載の複合構造梁は、鉄骨フランジに溶接する長ナットやカップラーの外径が主筋の径よりも大きくなるため、その径の差分だけ上端、下端とも、断面で四隅に位置する主筋とのレベルに段差が生じ、鉄骨に固定された主筋(定着筋)がせん断補強筋に直接結束できない状態になる。
このため、主として鉄骨フランジの引張力をコンクリートに伝達する役割を担う定着筋の定着性能上、不利になる恐れがある。また、配筋の納まり上、直交する通りの梁主筋と柱梁接合部内で交差するため、梁を架設する際に邪魔になったり、梁主筋の位置(レベル)を変更する必要があった。
また、スラブを厚くしたい場合や、梁の上端に緊張材を配してプレストレストコンクリート構造にする場合は、鉄筋コンクリート部の断面において、上フランジ上側の無筋の領域が大きくなることがある。この無筋領域を補強するために、梁や床の配筋とは別に増し打ち筋と称する鉄筋を、縦横両方向に配する必要があった。
更に、定着筋の位置(レベル)が鉄骨の断面寸法で決まってしまうため、鉄筋コンクリート部の断面せいが制限されてしまう。鉄筋コンクリート断面のせいを大きくして剛性や曲げ耐力を高めたい場合には、主筋と定着筋を兼用せずに、図4に示す従来例のように主筋とは別に定着筋を設ける必要があった。
本発明は、上述の問題点を解決しようとするもので、柱に接合される鉄筋コンクリート部分に埋設する鉄骨に主筋を予め接合することなく、確実で簡便に構築可能な複合構造梁を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、少なくとも左右いずれかの一端が鉄筋コンクリート造で構成される鉄筋コンクリート部で、それ以外の部分が鉄骨部で構成され、前記鉄筋コンクリート部の断面せいが前記鉄骨部より大きい複合構造梁であって、前記鉄骨部の端部が前記鉄筋コンクリート部に埋設固定されるとともに、フランジの引張力をコンクリートに伝達する役割を担う定着筋を備えてなり、前記定着筋のレベルが、上下のフランジ面から梁主筋位置までの間で調整可能であるように、少なくとも一端が折り曲げ加工された複数の前記定着筋の余長部が、前記鉄筋コンクリート部に埋設される前記鉄骨部に係止されていることを特徴とする。
ここで言う軸筋とは、鉄筋コンクリート部において、梁の材軸方向に沿って配される鉄筋であり、主筋、定着筋の両方を含んでいる。また係止とは、軸筋が確実に鉄骨に固定された状態のみならず、折り曲げた曲線部分やその先の余長部が結束線などで鉄骨に止められている状態も意味する。
従来の一般的な複合構造梁としては、特許文献1、2に示されるように、材端に位置する一対の鉄筋コンクリート部に、鉄骨の両端部が所定長さ埋設固定された対称な形をしているが、本発明はこれに限らず、一方の端部が鉄筋コンクリート造で、他方が鉄骨造で構成される複合構造梁も含んでいる。
このような非対称構造の梁は、例えば、建物に作用する地震力を負担するコア部分を鉄筋コンクリート造で構築し、その周囲の架構や外部に面した架構など、それ以外の部分を鉄骨造にする場合に好適である。それほど大きなスパンにしなければ、鉄骨側を剛接合にせず、ウエブだけで鉄骨柱に接合する半剛接合もあり得る。
かかる複合構造梁によれば、定着筋を鉄骨に溶接や機械式で接合する必要がなく、通常の配筋作業の中で折り曲げた鉄筋を鉄骨に係止するだけなので、現場での主筋または定着筋の高さや長さなどの調節も容易で、比較的簡易に施工することが可能である。
更に、軸筋を工場で取り付けないので、搬入時に梁全体の長さが長くならないため、運搬にかかるコストを抑えることができる。
前記鉄骨のフランジには開口が設けられ、または開口を設けた鋼板が前記フランジに固定され、前記開口に前記折り曲げ加工された軸筋(主筋、定着筋)の余長部が挿通されている。上端、下端の軸筋を開口に挿通した後、その余長部を鉄骨ウエブの面と略平行にし、余長部同士を重ねて結束してもよい。
鉄骨フランジに開口を設ける場合は、断面欠損による影響を避けるため、なるべく鉄骨の端部に近い位置か、もしくは埋設部の応力伝達域(通常、鉄骨せいの1.5〜2倍程度)をはずした位置に設ける方が良い。鉄骨フランジに開口を有する鋼板を固定する場合、その位置(面)は、主筋に伝達する力以上の強度が確保できれば、フランジの上下面、側面のいずれでもよく、固定する手段も問わない。
前記折り曲げ加工された軸筋(主筋、定着筋)にねじ鉄筋を用い、前記鉄骨のフランジまたは前記鋼板にナットで固定してもよい。これによって軸筋の余長部が鉄骨フランジに固定されるので、鉄骨が負担する力をより円滑に鉄筋コンクリート部へ伝達することが可能になる。
なお、余長とは、正確には鉄筋を曲げ加工した際の折り曲げ終点から先の直線部分を意味する。しかしながら、軸筋(主筋、定着筋)の径が大きい場合やスラブが薄い場合には、折り曲げ起点と折り曲げ終点の間の曲線部分を鉄骨に係止することも想定されるので、ここでは、折り曲げ部分も含めて余長部と定義する。
前記鋼板は、埋設される前記鉄骨部のスパン中央側(端部と反対側)のフランジに溶接してもよい。定着筋が鉄骨端部で止まるのではなく、スパン側まで伸びていることによって鉄筋コンクリート部がより強固になる。これにより、埋設部の固定度を更に高めることができるだけでなく、梁の上端に緊張材を配してプレストレスを導入する場合に、定着部の支圧補強の効果も期待される。
本発明によれば、鉄骨部と鉄筋コンクリート部間の応力伝達を確実に行うとともに、施工が容易で運搬上の制約も小さくできる。また、鉄骨のせいに拘わらず、鉄筋コンクリート断面のせいを決められるので、応力中心間距離j(主筋間隔)を大きくして、梁主筋量を減らしたり、径を縮小することや、逆に同じ主筋量でも梁端部の曲げ耐力を上げることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る複合構造梁を示す立断面図である。 図1に示す複合構造梁のA〜A´断面図である。 本発明の実施の形態2に係る複合構造梁を示す立断面図である。 従来の複合構造梁を示す図である。
本発明の実施の形態1に係る複合構造梁7は、所定スパン離れて立設する鉄筋コンクリート造の柱6に接合され、複数の柱6とともに建物の架構を構成する複合構造梁である。具体的には、両端が鉄筋コンクリート造からなる鉄筋コンクリート部2で、中央部が鉄骨造からなる鉄骨部1で構成されており、常時作用する鉛直荷重と、地震時の水平荷重に対して設計される。
H形断面形状の鉄骨部1は鉄筋コンクリート部2の中へ所定長さ埋設されているが、埋設部3(接合部)の位置は、一般に長期荷重時の曲げ応力が小さくなるスパンの1/4〜1/5程度、柱から離れた箇所が合理的である。
鉄骨部1を埋設する長さは、鉄筋コンクリート部2へ伝達する応力や、鉄骨部1に固定する定着筋やスタッドなどの定着手段、埋設部3のせん断補強方法などを考慮して決めればよいが、発明者らの実験結果によると、鉄骨せいの1.5倍〜2倍程度で十分な性能を発揮できる場合が多い。
図1には複合構造梁7の端部について示すが、床スラブの上に立設する鉄筋コンクリート柱6に、両端の鉄筋コンクリート部2が剛接合され、柱とともに耐震架構を構成している。スラブは鉄骨上フランジ11の上部に形成されるが、スラブの配筋や鉄骨に打設するスタッドとともに図面では省略している。
本実施形態では、図2の断面図に示すように、軸筋としての梁主筋5は上下とも1列配置で8本あり、4本の上端筋、下端筋のうち、各々2本が定着筋4を兼ねて配されている。これらの軸筋は通常の梁主筋と同様に、一端を柱梁接合部の中に定着させているが、梁端部を地震時に早期に曲げ降伏させたければ、定着筋4を柱梁接合部内に定着せず、鉄筋コンクリート部2に留める場合もあり得る。
軸筋である定着筋4の他端は、鉄筋コンクリート部2に埋め込まれた鉄骨部1の端部において、上下のフランジ11,12に設けた開口に定着筋の余長部41を挿通して係止されている。
開口の寸法は定着筋4の最大径より若干大きい程度であるが、その位置は断面欠損による影響を考慮して、想定する応力伝達域31(例えば、鉄骨せいの1.7倍)よりも端部側に設けている。配筋時に上端筋、下端筋の余長部41を重ねて結束線で結束するだけでよいので、定着筋4の位置(レベル)は容易に調整可能で、突然の設計変更にも対応しやすい。
スラブが厚い場合でも定着筋4を梁主筋5と兼ねることができ、別途設ける必要はない。梁主筋5を断面の上端に近い位置に配すれば、従来のように増し打ち筋(図示せず)を別途配する必要もない。
また、定着筋4にねじ鉄筋を用いれば、フランジの上下面をナットで挟んでロックすることで、挿通した定着筋4の余長部41を鉄骨部1により確実に固定できる。この場合、図1に示すように上下の定着筋4の余長部41の重ね代をあえて設ける必要はなく、ナットを螺合するのに必要な長さだけ、余長部41がフランジ11,12の下面、または上面から出ていればよい。
鉄筋コンクリート部2の曲げ耐力は、上端と下端主筋間の距離j(応力中心間距離)の大きさに依存するため、定着筋4をフランジに溶接して固定するよりも、曲げ耐力を確保し易い。これにより、梁端部の曲げ耐力を大きくできるだけでなく、逆に主筋5の径を下げたり、主筋量を減らしてコストダウンすることも可能になる。
次に、本発明の実施の形態2として、フランジに開口を開けずに、定着筋4を係止する方法について説明する。例えば図3に示すように、開口を有する鋼板42や定着筋4の折り曲げ部を引掛ける鋼材42´をフランジ11,12に溶接固定することも考えられる。
この場合は、応力伝達域31の中に設けてもよく、埋め込んだ鉄骨の端部に限定されない。むしろスパン側(柱と反対側)に近い位置に設ける方が、鉄骨部1と鉄筋コンクリート部2の境界で鉄骨を効果的に拘束し、応力伝達上、有利に働くとも考えられる。
また、鋼板42や鋼材42´の溶接は、鉄骨から定着筋に伝達される力を負担できる限り、フランジの側面または上面のどちらで行ってもよい。
より大きなスパンを確保するためには、梁の両端部により大きな曲げ耐力が必要になるため、鉄筋コンクリート部2の上端側の材軸方向に緊張材を配し、プレストレスを導入する場合も想定される。
通常のディテールであれば、緊張材はフランジの近傍に配されるので、定着筋4がスパン側に近い位置にあれば、プレストレス定着部の支圧補強としても機能する。また、プレストレスが定着筋4の折り曲げ部を介して鉄骨にも伝達されるので、鉄骨部1の固定度や埋設部3の強度も高くなると考えられる。
図1から図3に示すように、梁主筋5の周囲には所定の間隔でせん断補強筋21が配されており、定着筋4もせん断補強筋21に結束されている。埋設部3の両端位置には、応力伝達を補助して鉄骨の固定度を上げるためにせん断補強筋21を密に、または集中的に配する場合もあるが、ここでは図示していない。
なお本実施形態1および2では、梁主筋5のスパン側は、定着筋4と同様に折り曲げ加工しているが、定着方法はこれに限定されるものではなく、先端にプレートやこぶを付けて真直ぐな状態で定着したり、埋設部3の外側まで主筋を伸ばして、埋設部3の端のコンクリート面で固定してもよい。
同様に、梁主筋5の鉄筋コンクリート柱6への定着についても、その手段を問わない。柱梁接合部内は、柱主筋の内側に、直交する2方向からの梁主筋とせん断補強筋が交差するため、配筋が錯綜することが多い。しかし、1方向をスパンが大きい複合構造梁7とし、直交する方向を通常スパンの鉄筋コンクリート梁で構成すれば、梁せい(主筋のレベル)が異なるために納まりがよくなり、配筋作業が容易になる。
以上、本発明の複合構造梁について、両端部が鉄筋コンクリート造で、中央部が鉄骨造で構成される場合の実施形態について説明した。しかし、この実施形態に限らず、一方の端部が鉄筋コンクリート造で、他方が鉄骨造で構成される非対称な形の複合構造梁であってもよい。また、本発明を構成する各要素については、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、軸筋を構成する主筋を8本として、その内の4本を定着筋としてその余長部を鉄骨フランジに挿通して係止したたが、鉄骨部と鉄筋コンクリート部の間で十分な力の伝達がなされ、必要な構造性能を発揮できる限り、その本数を減らすことも可能である。定着筋の径とその他の主筋の径を同一にする必要もなく、伝達する力の大きさに応じて、径や強度(降伏点)を決めればよい。
また、上下の定着筋は必ずしも別々の鉄筋である必要はなく、1本の鉄筋をU字型に折り曲げ加工して、鉄骨に係止してもよい。この場合は、鉄骨フランジやプレートに設けた開口に挿通するのが難しいので、鋼板や鋼棒を溶接してフランジの横に突出する係止部を設け、そこに定着筋の折り曲げ部を掛けて結束し、固定してもよい。
鉄骨についても、圧延された形鋼か、溶接組立したものかを問わず、断面形状もH形に限らない。また、鉄骨の応力が大きい場合や、埋め込み長さを短くしたい場合など、必要に応じて鉄骨にスタッドを打設してもよい。スタッドはだぼ作用によるせん断伝達筋として用いるのが一般的であるが、例えば、鉄骨フランジの端面に所定の長さの頭付きスタッドを、梁主筋と平行方向に打設すれば、定着筋としてフランジの引張力、またはその一部をコンクリートに伝達することも可能である。
スパンが長い場合は、鉄骨に継手を設けて両端部と中央部に分割してもよい。鉄骨を分割する場合は、鉄骨の一部を鉄筋コンクリート部に埋設した状態でプレキャスト化することも可能である。例えば、スラブ部分を打ち残してハーフプレキャスト部材にすれば、現場で架設してスラブの配筋後に、柱梁接合部やその他の部位と一緒に残りの部分にコンクリートを打設することで、エミュレーションと言われる従来のプレキャスト工法と同様に、一体的な架構が形成される。
あるいは在来工法のように、鉄骨を現場に搬入してから鉄筋コンクリート部を構築してもよい。鉄骨部を所定の位置に架設した後、主筋や定着筋などの軸筋とせん断補強筋を配してから型枠を設置し、柱やスラブなどの他の部位と一緒にコンクリートを現場打設することで、全体の架構を一体化してもよい。
また、定着筋の配設は鉄筋コンクリート部の配筋と併せて行うのが施工上合理的であるが、コンクリートを打設する前であれば、特にその時期は問わない。採用する施工法や、運搬または揚重などの条件に合せて、適宜都合のいい時期を決めればよい。
1 鉄骨部
11 上フランジ
12 下フランジ
2 鉄筋コンクリート部
21 せん断補強筋
3 埋設部
31 応力伝達域
4 定着筋(軸筋)
41 余長部
42 鋼板
5 梁主筋
j 主筋間距離
6 鉄筋コンクリート柱
7 複合構造梁

Claims (3)

  1. 少なくとも左右いずれかの一端が鉄筋コンクリート造で構成される鉄筋コンクリート部で、それ以外の部分が鉄骨部で構成され、前記鉄筋コンクリート部の断面せいが前記鉄骨部より大きい複合構造梁であって、
    前記鉄骨部の端部が前記鉄筋コンクリート部に埋設固定されるとともに、フランジの引張力をコンクリートに伝達する役割を担う定着筋を備えてなり、
    前記定着筋のレベルが、上下のフランジ面から梁主筋位置までの間で調整可能であるように、
    少なくとも一端が折り曲げ加工された複数の前記定着筋の余長部が、前記鉄筋コンクリート部に埋設される前記鉄骨部に係止されていることを特徴とする複合構造梁。
  2. 前記鉄骨部のフランジには開口が設けられ、または開口を設けた鋼板が前記フランジに固定され、前記折り曲げ加工された定着筋の余長部が前記開口に挿通されることを特徴とする、請求項1に記載の複合構造梁。
  3. 前記折り曲げ加工された定着筋はねじ鉄筋であり、前記鉄骨部のフランジまたは前記フランジに固定された鋼板にナットで固定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の複合構造梁。
JP2012170855A 2012-08-01 2012-08-01 複合構造梁 Expired - Fee Related JP6021497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012170855A JP6021497B2 (ja) 2012-08-01 2012-08-01 複合構造梁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012170855A JP6021497B2 (ja) 2012-08-01 2012-08-01 複合構造梁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014031613A JP2014031613A (ja) 2014-02-20
JP6021497B2 true JP6021497B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=50281654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012170855A Expired - Fee Related JP6021497B2 (ja) 2012-08-01 2012-08-01 複合構造梁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6021497B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112942630B (zh) * 2021-04-12 2022-08-09 中建二局第二建筑工程有限公司 一种内嵌单片式钢板-混凝土组合剪力墙施工方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5998975A (ja) * 1982-11-29 1984-06-07 株式会社 長谷川工務店 鉄筋コンクリ−ト壁の配筋方法
JPS63241233A (ja) * 1987-03-30 1988-10-06 三菱建設株式会社 柱梁の仕口構法
JPH02144433A (ja) * 1988-11-28 1990-06-04 Mitsubishi Kensetsu Kk 柱梁の仕口構法
JPH0849350A (ja) * 1994-08-05 1996-02-20 Taisei Corp 鉄骨梁の補強構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014031613A (ja) 2014-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102004419B1 (ko) V형 띠철근을 이용한 기둥 보강 구조
KR100971736B1 (ko) 상하 각각 이중 앵커리지 기능을 갖는 전단보강재
JP2000144905A (ja) 混合構造梁
JP6815183B2 (ja) 複合建物
JP5789173B2 (ja) S梁rc耐震壁構造
CN108999288B (zh) 一种预制装配式梁柱节点
JP6535704B2 (ja) 柱梁架構
JP5368656B1 (ja) 複合構造梁
JP6122740B2 (ja) 耐震補強構造体
JP6021497B2 (ja) 複合構造梁
JP2009155850A (ja) プレキャスト床版と梁との接合構造
JP2014139370A (ja) 柱‐梁接合部構造とその構築方法
JP4095534B2 (ja) ラーメン構造体における柱と梁との仕口構造及びその施工方法
JP6026794B2 (ja) 鉄骨柱の柱脚構造
JP2011202420A (ja) 軸部材とrc部材との接合構造及び方法
JP5325709B2 (ja) 鉄骨露出型柱脚構造の施工方法
JP5122211B2 (ja) 複合架構構造
KR102017822B1 (ko) 충전 강관과 선조립 철근망을 이용한 내진 설계용 보-기둥 시공 방법
KR101177316B1 (ko) 기둥?슬래브 접합부의 수직걸림형 전단보강체
JP4660810B2 (ja) 境界梁ダンパー
JP7427507B2 (ja) 接合構造および接合方法
JP2004092248A (ja) アンカー筋の接合金物、接合構造及び接合方法
JP6873302B2 (ja) 複合建物
JP7137978B2 (ja) 柱用板状部材
JP4658826B2 (ja) Sc壁用ブロック、sc壁用ブロックの製造方法及びsc構造の施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6021497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees