JP2018158867A - セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】AE剤を含まないにもかかわらず、耐凍害性(例えば、凍結融解抵抗性)に優れたセメント組成物を提供する。【解決手段】セメント、細骨材、水およびセメント分散剤を含み、かつ、AE剤を含まないセメント組成物であって、上記水が、1μm以下の粒径を有する気泡を含むものであり、「JIS A 1116:2014(フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法および空気量の質量による試験方法(質量方法)」に準拠して測定される上記セメント組成物のモルタル部分中の空気量が、4.0%以上であるセメント組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、セメント組成物に関する。
モルタルやコンクリートにAE剤等を添加して微細な空気泡を連行することにより、モルタルやコンクリートの空気量を増大させて、モルタルやコンクリートの凍結融解に対する抵抗性や流動性を向上させることが知られている。
また、特許文献1には、従来のAE剤等の混和剤の添加に代わる、微細な空気泡を連行する方法として、少なくとも練混ぜ水とセメントとを含み、必要に応じて骨材とを混合して練混ぜたセメントミルク、モルタル又はコンクリートのセメント系材料において、該セメントミルク、モルタル又はコンクリートの材料混練時にマイクロバブルを導入したことを特徴とするマイクロバブル混入セメント系材料が記載されている。
特開2007−191358号公報
本発明の目的は、AE剤を含まないにもかかわらず、耐凍害性(例えば、凍結融解抵抗性)に優れたセメント組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント、細骨材、水およびセメント分散剤を含み、かつ、AE剤を含まないセメント組成物であって、上記水が、1μm以下の粒径を有する気泡を含むものであり、上記セメント組成物のモルタル部分中の空気量が、4.0%以上であるセメント組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] セメント、細骨材、水およびセメント分散剤を含み、かつ、AE剤を含まないセメント組成物であって、上記水が、1μm以下の粒径を有する気泡を含むものであり、「JIS A 1116:2014(フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法および空気量の質量による試験方法(質量方法)」に準拠して測定される上記セメント組成物のモルタル部分中の空気量が、4.0%以上であることを特徴とするセメント組成物。
[2] 上記水1ミリリットル中の上記気泡の数が、10個以上である前記[1]に記載のセメント組成物。
[3] 前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物の硬化体からなる表面形成部分を含む構造物。
[4] 前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物を製造するための方法であって、上記セメント組成物のモルタル部分中の空気量の目標値として、4.0%以上の特定の値を定める空気量設定工程と、上記空気量が上記特定の値以上となるように、上記セメント分散剤の量を特定の値に定めるセメント分散剤量設定工程と、上記セメント分散剤の量として上記特定の値を採用して、上記セメント組成物を構成する各材料を混合して、上記セメント組成物を得る混合工程、を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
本発明のセメント組成物は、AE剤を含まないにもかかわらず、耐凍害性(例えば、凍結融解抵抗性)に優れたものである。特に、セメント分散剤が減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、又は高性能AE減水剤である場合、減水剤等の空気連行性をより向上させて、セメント組成物中のモルタル部分中の空気量をより大きくすることができ、セメント組成物の耐凍害性(例えば、凍結融解抵抗性)をより向上することができる。
実施例1、比較例1〜3、及び、参考例1〜2における、凍結融解試験の結果を示す図である。 実施例2、及び、比較例4〜6における、凍結融解試験の結果を示す図である。
本発明のセメント組成物は、セメント、細骨材、水およびセメント分散剤を含み、かつ、AE剤を含まないセメント組成物であって、上記水が、1μm以下の粒径を有する気泡を含むものであり、「JIS A 1116:2014(フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法および空気量の質量による試験方法(質量方法)」に準拠して測定される上記セメント組成物のモルタル部分中の空気量が、4.0%以上であるものである。
本発明で用いられるセメントは、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等を使用することができる。
セメントとして、フライアッシュセメントを用いる場合、フライアッシュセメントに含まれているフライアッシュは、本発明で用いる「石炭灰」に該当するものである。つまり、フライアッシュセメントに含まれているセメントのみが、本発明で用いる「セメント」に該当するものとする。また、フライアッシュセメントに含まれているフライアッシュの量は、本発明で用いる「セメント」の量に含めず、本発明で用いる「石炭灰」の量に含めるものとする。
本発明で用いられる細骨材は、特に限定されるものではなく、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材、軽量細骨材、またはこれらの混合物等を使用することができる。
細骨材の配合量は特に限定されず、モルタルやコンクリート等のセメント組成物における一般的な配合量であればよい。例えば、セメント100質量部に対する細骨材の配合量は、好ましくは50〜700質量部、より好ましくは100〜600質量部、特に好ましくは200〜500質量部である。該配合量が上記範囲内であれば、セメント組成物のワーカビリティーや成形のし易さが向上する。
本発明で用いられる水は、1μm以下の粒径を有する気泡を含むものである。なお、1μm以下の粒径を有する気泡は、ウルトラファインバブルまたはナノバブルと称されている。
気泡の粒径は、1μm(1,000nm)以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは300nm以下、特に好ましくは200nm以下である。該粒径が1μmを超えると、セメント組成物のモルタル部分中の空気量が小さくなる。
本発明で用いられる水は、気泡の全量(100体積%)中、好ましくは、粒径が10〜1,000nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、より好ましくは、粒径が10〜700nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、さらに好ましくは、粒径が10〜500nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、さらに好ましくは、粒径が10〜300nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、特に好ましくは、粒径が10〜200nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものである。
気泡の平均粒径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは700nm以下、さらに好ましくは500nm以下、さらに好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下、特に好ましくは100nm以下である。該平均粒径が1μm以下であれば、セメント組成物のモルタル部分中の空気量をより大きくすることができる。
気泡の平均粒径の下限値は、特に限定されるものではないが、通常、10nmである。
なお、本明細書中、気泡の平均粒径とは、市販のナノ粒子解析装置を用いて、トラッキング法により得られる値をいう。
上記水1ミリリットル中の上記気泡(1μm以下の粒径を有するもの)の数は、好ましくは10個以上、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは10個以上、特に好ましくは5×10個以上である。該数が10個以上であれば、セメント組成物のモルタル部分中の空気量をより大きくすることができる。該数の上限は特に限定されるものではないが、気泡形成の容易性の観点から、好ましくは1011個以下、より好ましくは1010個以下である。
気泡を構成する気体の種類としては、特に限定するものではなく、例えば、空気、酸素、窒素等が挙げられる。中でも、汎用性の観点から、空気が好ましい。
本発明のセメント組成物において、水の配合量は特に限定されるものではなく、モルタルやコンクリート等のセメント組成物における一般的な配合量であればよい。例えば、水の配合量は、水とセメントの質量比(水/セメント;「水セメント比」ともいう。)の値として、好ましくは0.3〜0.8、より好ましくは0.4〜0.7となる量である。該比が0.3以上であれば、セメント組成物のワーカビリティが向上する。該比が0.8以下であれば、セメント組成物の強度発現性が向上する。
本発明のセメント組成物は、分散作用によりセメント組成物の流動性および強度発現性を向上させる観点から、セメント分散剤を含むものである。
セメント分散剤の例としては、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、及び流動化剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書中、セメント分散剤には、AE剤は含まれないものとする。
セメント100質量部に対するセメント分散剤の配合量(複数の種類を用いる場合、合計量)は、好ましくは0.02〜5質量部、より好ましくは0.04〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜2.5質量部、特に好ましくは0.2〜2質量部である。配合量が上記数値範囲内であれば、セメント組成物の流動性および強度発現性をより向上させることができる。
本発明のセメント組成物が石炭灰(後述)を含む場合における、セメント100質量部に対するセメント分散剤の配合量(複数の種類を用いる場合、合計量)は、好ましくは0.1〜2.5質量部、より好ましくは0.5〜2.0質量部、さらに好ましくは1.0〜1.8質量部、特に好ましくは1.1〜1.5質量部である。
本発明のセメント組成物が石炭灰を含まない場合における、セメント100質量部に対するセメント分散剤の配合量(複数の種類を用いる場合、合計量)は、好ましくは0.05〜2.0質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部、さらに好ましくは0.2〜1.0質量部、特に好ましくは0.3〜0.8質量部である。
本発明のセメント組成物は廃棄物の有効利用を促進する観点から、石炭灰を含んでもよい。
本発明で用いられる石炭灰としては、フライアッシュ、クリンカアッシュ等が挙げられる。中でも、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点からフライアッシュが好ましい。
セメント100質量部に対する石炭灰の配合量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは70質量部以下、特に好ましくは60質量部以下である。該配合量が100質量部以下であれば、セメント組成物の凍結融解抵抗性を向上することができる。該配合量は、石炭灰の有効利用という観点からは、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。
本発明のセメント組成物は、必要に応じて他の材料を含むことができる。他の材料の例としては、粗骨材や、高炉スラグ微粉末等の各種混和材等が挙げられる。
本発明で用いる粗骨材の例としては、特に限定されず、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石、スラグ粗骨材、軽量粗骨材、又はこれらの混合物等が挙げられる。
粗骨材の配合量は特に限定されず、コンクリート等における一般的な配合量であればよい。例えば、ポルトランドセメント100質量部に対する粗骨材の配合量は、好ましくは100〜700質量部、より好ましくは200〜600質量部である。
本発明のセメント組成物は、AE剤を含まないにもかかわらず、モルタル部分中の空気量の大きい(4.0%以上)ものである。このため、本発明のセメント組成物は、耐凍害性(例えば、凍結融解抵抗性)に優れている。
本発明のセメント組成物のモルタル部分中の空気量は、セメント組成物の凍結融解抵抗性を向上させる観点から、「JIS A 1116:2014(フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法および空気量の質量による試験方法(質量方法)」に準拠して測定される値として、4.0%以上、好ましくは5.0%以上、より好ましくは6.0%以上である。
なお、本発明の「セメント組成物」の語は、「モルタル」と「コンクリート」の両方を包含する概念を有する。本発明のセメント組成物が、粗骨材を含むコンクリートである場合、上記モルタル部分中の空気量とは、該コンクリートから粗骨材を除いた部分中の空気量である。
また、低コストで優れた耐凍害性の構造体を得る観点から、該構造体の表面形成部分(表層)のみを、本発明のセメント組成物の硬化体からなるものにしてもよい。この場合、表面形成部分の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、3〜30cm(好ましくは5〜20cm)である。
本発明のセメント組成物を製造するための方法の例として、セメント組成物のモルタル部分中の空気量の目標値として、4.0%以上の特定の値を定める空気量設定工程と、上記空気量が上記特定の値以上となるように、上記セメント分散剤の量を特定の値に定めるセメント分散剤量設定工程と、上記セメント分散剤の量として上記特定の値を採用して、上記セメント組成物を構成する各材料を混合して、上記セメント組成物を得る混合工程、を含む方法が挙げられる。
セメント分散剤量設定工程において定められるセメント分散剤の量は、通常、上述した本発明のセメント組成物のセメント分散剤の配合量の好ましい数値範囲内から、セメント組成物のモルタル部分中の空気量の目標値に応じて選択される。
該方法によれば、上述した1μm以下の粒径を有する気泡を含む水を用い、かつ、セメント分散剤の量を調整することで、AE剤を使用しなくても、所望の空気量(4.0%以上)を有するセメント組成物の硬化体を得ることができる。
[使用材料]
(1)セメント;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)石炭灰;密度:2.11g/cm、強熱減量:4.94%
(3)細骨材;掛川産陸砂
(4)気泡含有水;ウルトラファインバブル水(ナノクス社製、表1中、「UFB水」と略して記載する。)、溶存気泡量:7.6×10(76億)個/ml、気泡の全量(100体積%)中の、10〜200nmの粒径を有する気泡の割合:90体積%以上、気泡の平均粒径(ナノ粒子解析装置を用いてトラッキング法により測定した値):63.6nm、実測密度:1.02g/cm、気泡を構成する気体が空気であるもの
(5)水;水道水
(6)AE剤;BASFジャパン社製、商品名「マスターエア 303A」(液状)
(7)高性能AE減水剤;BASFジャパン社製、商品名「マスターグレニウム SP8SV XD2」(液状)
[実施例1]
上記材料を使用し、表1に示す配合に従ってモルタルを調製した。具体的には、セメント、石炭灰、および細骨材をホバートミキサーに投入して30秒間空練りした後、さらに、高性能AE減水剤と気泡含有水との混合物(以下、「混合物A」ともいう。)を投入して120秒間混練し、モルタルを調製した。
該モルタルのモルタルフロー値(0打)を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載の方法に準拠して、15回の落下運動を行わずに測定した。
また、該モルタルのモルタルフロー値(15打)を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載の方法に準拠して測定した。
また、該モルタルの空気量を「JIS A 1116:2014(フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量方法))」に準拠して測定した。
さらに、該モルタルの単位質量(kg/リットル)を測定した。
結果を表2に示す。
また、調製したモルタルを10×10×40cmの型枠内に充填し、20℃で24時間前置きした後、脱型し、次いで、20℃で28日間水中養生を行った。得られた供試体(硬化体)を用いて、「JIS A 1148(コンクリートの凍結融解試験方法:A法)」に準拠して、凍結融解試験を行った。該試験において、供試体の配置や、表3に示す凍結融解の繰り返し数(表3中、「サイクル」と記載する。)における相対動弾性係数の測定は、「JIS A 1171(ポリマーセメントモルタルの試験方法)」に準拠して行った。測定結果は、凍結融解を与える前の供試体の動弾性係数を100%とした場合の値(%)で表した。
結果を表2〜3、図1に示す。
[比較例1]
混合物Aの代わりに、水と高性能AE減水剤との混合物を用いる以外は実施例1と同様にしてモルタルを調製した。
[比較例2]
表1に示す配合に従って、実施例1と同様にしてモルタルを調製した。
[比較例3]
混合物Aの代わりに、水と高性能AE減水剤との混合物を用いる以外は実施例1と同様にしてモルタルを調製した。
[参考例1]
混合物Aの代わりに、水と高性能AE減水剤とAE剤との混合物を用いる以外は実施例1と同様にしてモルタルを調製した。
[参考例2]
混合物Aの代わりに、気泡含有水と高性能AE減水剤とAE剤との混合物を用いる以外は実施例1と同様にしてモルタルを調製した。
比較例1〜3、および、参考例1〜2において得られたモルタルの各々について、実施例1と同様にして、モルタルフロー値、空気量、及び、相対動弾性係数を測定した。
結果を表2〜3、図1に示す。
Figure 2018158867
Figure 2018158867
Figure 2018158867
[実施例2]
上記材料を使用し、表4に示す配合に従ってモルタルを調製した。具体的には、セメント、細骨材をホバートミキサーに投入して30秒間空練りした後、さらに、気泡含有水と高性能AE減水剤との混合物(以下、「混合物B」ともいう。)を投入して120秒間混練し、モルタルを調製した。
得られたモルタルについて、実施例1と同様にして、モルタルフロー値、空気量、及び、相対動弾性係数を測定した。
結果を表5〜6、図2に示す。
[比較例4]
混合物Bの代わりに、水と高性能AE減水剤との混合物を用いる以外は実施例2と同様にしてモルタルを調製した。
[比較例5]
表4に示す配合に従って、実施例2と同様にしてモルタルを調製した。
[比較例6]
混合物Bの代わりに、水と高性能AE減水剤との混合物を用いる以外は実施例2と同様にしてモルタルを調製した。
比較例4〜6において得られたモルタルの各々について、実施例1と同様にして、モルタルフロー値、空気量、及び、相対動弾性係数を測定した。
結果を表5〜6、図2に示す。
Figure 2018158867
Figure 2018158867
Figure 2018158867
表2から、通常の水を使用したセメント組成物(比較例1)の空気量(4.1%)は、気泡含有水を使用する以外は比較例1と同様のセメント組成物(比較例2)の空気量(3.9%)と同程度であることがわかる。
また、通常の水およびAE剤を使用したセメント組成物(参考例1)の空気量(7.8%)は、気泡含有水を使用する以外は参考例1と同様のセメント組成物(参考例2)の空気量(8.1%)と同程度であることがわかる。
これに対して、本発明のセメント組成物(実施例1)の空気量(6.1%)は、通常の水を使用する以外は実施例1と同様のセメント組成物(比較例3)の空気量(4.0%)よりも極めて大きく、AE剤を使用しなくても、空気量の大きいセメント組成物を得ることができることがわかる。
また、表3及び図1から、実施例1の相対動弾性係数は、参考例2には及ばないものの、比較例1〜3、及び、参考例1よりも大きく、凍結融解抵抗性に優れていることがわかる。特に、実施例1の空気量(6.1%)は、参考例1の空気量(7.8%)よりも小さいにもかかわらず、実施例1の相対動弾性係数は、参考例1よりも大きく、凍結融解抵抗性に優れていることがわかる。
表5から、通常の水を使用したセメント組成物(比較例4)の空気量(4.5%)は、気泡含有水を使用する以外は比較例4と同様のセメント組成物(比較例5)の空気量(3.7%)よりも小さいことがわかる。
これに対して、本発明のセメント組成物(実施例2)の空気量(7.0%)は、通常の水を使用する以外は実施例2と同様のセメント組成物(比較例6)の空気量(5.3%)よりも極めて大きく、AE剤を使用しなくても、空気量の大きいセメント組成物を得ることができることがわかる。
また、表6及び図2から、実施例2の相対動弾性係数は、比較例4〜6よりも大きく、凍結融解抵抗性に優れていることがわかる。
なお、コンクリートは、骨材として細骨材および粗骨材を含むものである。AE剤は、コンクリートのモルタル部分(粗骨材以外の材料からなる部分)に対して作用すると考えられることから、上述した実施例(モルタル)の結果(凍結融解抵抗性に優れること)は、本発明のセメント組成物がコンクリートである場合にも、同様に得られるものである。

Claims (4)

  1. セメント、細骨材、水、およびセメント分散剤を含み、かつ、AE剤を含まないセメント組成物であって、
    上記水が、1μm以下の粒径を有する気泡を含むものであり、
    「JIS A 1116:2014(フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法および空気量の質量による試験方法(質量方法)」に準拠して測定される上記セメント組成物のモルタル部分中の空気量が、4.0%以上であることを特徴とするセメント組成物。
  2. 上記水1ミリリットル中の上記気泡の数が、10個以上である請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のセメント組成物の硬化体からなる表面形成部分を含む構造物。
  4. 請求項1又は2に記載のセメント組成物を製造するための方法であって、
    上記セメント組成物のモルタル部分中の空気量の目標値として、4.0%以上の特定の値を定める空気量設定工程と、
    上記空気量が上記特定の値以上となるように、上記セメント分散剤の量を特定の値に定めるセメント分散剤量設定工程と、
    上記セメント分散剤の量として上記特定の値を採用して、上記セメント組成物を構成する各材料を混合して、上記セメント組成物を得る混合工程、
    を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
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