JP2018157153A - 永久磁石、及び永久磁石の製造方法 - Google Patents

永久磁石、及び永久磁石の製造方法 Download PDF

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洋隆 横田
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世菜 吉野
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Abstract

【課題】MnBiを含み、且つ磁気特性に優れた永久磁石の製造方法を提供する。【解決手段】製造方法は、MnBiを含む磁石粉末を加圧して、第一成形体C1を得る第一成形工程と、第一成形体C1を加熱する加熱工程と、加熱工程を経た第一成形体C1を加圧して、第二成形体を得る第二成形工程と、を備える。好ましくは、前記磁石粉末を加圧しながら静磁場、もしくはパルス磁場を前記磁石粉末に印加して、前記第一成形体C1を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石、及び永久磁石の製造方法に関する。
ネオジム磁石(Nd−Fe−B系磁石)等の希土類磁石は、強力な永久磁石として知られている。希土類磁石は、音響・映像機器、回転機器、通信機器、計測機器、又は自動車部品等の多分野で用いられている。しかし、希土類元素は高価であるため、希土類元素を使用しない永久磁石が望まれている。希土類元素を使用しない磁性材料としては、MnBi(マンガンビスマス)が知られている。MnBiは強い磁気異方性を示し、温度の上昇に伴って磁気異方性が高まるという性質を有している。特に200℃以上の高温でMnBiは非常に高い保磁力を有する。
下記特許文献1は、Mn粉末及びBi粉末から成形体を形成し、超電導磁石を用いて磁場を成形体へ印加しながら、成形体を焼結することにより、高純度のMnBi磁石を製造する方法を開示している。特許文献2は、MnBi硬磁性相と希土類硬磁性相を含む混合粉末を磁場中で成形し、成形体を焼結する方法を開示している。上記以外の製造方法も知られている。例えば、アーク溶解又は高周波溶解によりMn‐Bi合金を作製し、液体急冷法によりMn‐Bi合金からアモルファスを形成し、アモルファスを熱処理によって結晶化させ、結晶の粉砕によって、異方化したMnBi粉末を調製し、MnBi粉末を磁場中で成形することよって、MnBi磁石が得られる。
特開2015−63725号公報 特開2016−115923号公報
しかし、MnBiは酸化され易いため、上記の焼結又は熱処理の過程でMnBiが酸化され、MnBiの残留磁化(残留磁束密度)が低下する。したがって、従来の製造方法では、十分に優れた磁気特性を有するMnBi磁石を得ることは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、MnBiを含み、且つ磁気特性に優れた永久磁石、及び当該永久磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る永久磁石の製造方法は、MnBiを含む磁石粉末を加圧して、第一成形体を得る第一成形工程と、第一成形体を加熱する加熱工程と、加熱工程を経た第一成形体を加圧して、第二成形体を得る第二成形工程と、を備える。
磁石粉末を加圧しながら静磁場を磁石粉末に印加して、第一成形体を得てよい。
磁石粉末を加圧しながらパルス磁場を磁石粉末に印加して、第一成形体を得てもよい。
加熱工程前において、磁石粉末の真密度に対する第一成形体の相対密度が55%以上75%以下であってよい。
加熱工程では、不活性雰囲気中の第一成形体を140℃以上280℃以下で加熱してよい。
第二成形工程において加圧される第一成形体の面は、第一成形工程において加圧された第一成形体の面と異なってよい。
第二成形工程では、第一成形体を加熱しながら加圧して、第二成形体を得てよい。
本発明の一側面に係る永久磁石は、MnBiを含み、永久磁石における酸素の含有量が0質量%以上5質量%以下である。
本発明によれば、MnBiを含み、且つ磁気特性に優れた永久磁石、及び当該永久磁石の製造方法が提供される。
図1中の(a)は、第一成形工程を示す模式図であり、図1中の(b)は、第二成形工程を示す模式図である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付す。
(永久磁石の製造方法の概要)
本発明の一実施形態に係る永久磁石の製造方法は、少なくとも第一成形工程と、加熱工程と、第二成形工程と、を備える。第一成形工程では、MnBiを含む磁石粉末を加圧して、第一成形体を得る。第一成形体は、仮の成形体と言い換えられてよい。加熱工程では、第一成形体を加熱する。第二成形工程では、加熱工程を経た第一成形体を加圧して、第二成形体を得る。つまり、加熱工程後に第二成形工程を行う。本実施形態に係る永久磁石は、MnBiを含み、永久磁石における酸素の含有量が0質量%以上5質量%以下である。
磁石粉末又は成形体に含まれるMnBiは、加熱又は焼結によって酸化され易く、MnBiの残留磁化が低下し易い。特にBiは他の磁性材料に比べて酸化され易い。したがって、従来の永久磁石の製造方法では、MnBiを含み、且つ十分に優れた磁気特性を有する永久磁石を得ることは困難であった。一方、本実施形態では、磁石粉末又は成形体の加熱に要する時間が従来の製造方法に比べて短縮され、また成形体を焼結する必要がない。したがって本実施形態では、製造過程におけるMnBiの酸化が抑制され、製造過程においてMnBiの残留磁化が低下し難い。また本実施形態では、成形体の密度が高まり易い。その結果、本実施形態によれば、MnBiを含み、最大エネルギー積(BH)maxが大きい永久磁石を製造することができる。最大エネルギー積(BH)maxとは、永久磁石の減磁曲線上における磁束密度B(T)と磁場強度H(A/m)との積の最大値である。以下では、(BH)maxが大きい永久磁石が得られる理由を詳しく説明する。
磁石粉末が導入された型を加熱しながら磁石粉末を加圧する場合、他の磁石材料に比べて融点が低いBiの少なくとも一部が溶融して、Biが磁石粉末間の空隙を埋めて、密度の高い成形体が得られ易い。しかし、型と型内の磁石粉末とを一括して加熱すると、加熱に時間を要してしまい、加熱の過程で磁石粉末が酸化され易い。一方、本実施形態では、磁石粉末よりも密度が高い第一成形体を第一成形工程によって作製する。磁石粉末よりも密度が高い第一成形体の熱伝導率は、磁石粉末の熱伝導率よりも高い。したがって、第二成形工程において第一成形体を加熱しながら加圧する場合、第二成形工程における第一成形体の加熱時間を、磁石粉末の加熱時間よりも短縮することができる。ここで、「加熱時間」とは、第一成形体又は磁石粉末の温度が成形され易い温度(例えば、Biの融点近傍)に達するまでに要する時間と言い換えられる。また本実施形態では、第二成形工程前の加熱工程において第一成形体を予熱するので、第二成形工程における第一成形体の加熱時間が、加熱工程を実施しない場合に比べて、短縮される。換言すれば、第二成形工程における第一成形体の加熱時間は、第二成形工程において第一成形体と型とを一括して加熱する場合に比べて、短縮される。さらに本実施形態では、加熱工程において、磁石粉末そのもの(粉状の磁性材料)ではなく、第一成形体を加熱するため、加熱工程において露出する第一成形体の表面積が、磁石粉末全体の表面積よりも小さい。つまり、加熱工程において酸素に触れる第一成形体の表面積は、磁石粉末全体の表面積よりも小さい。したがって、第一成形体を構成する磁石粉末は、成形されていない磁石粉末に比べて、加熱工程において酸化され難い。また本実施形態では、加熱工程においてBiが第一成形体中の間隙を埋めた後で、さらに第二成形工程において第一成形体を圧縮するため、成形体(第二成形体)の焼結工程を行わなくても、十分に密度が高い永久磁石を得ることができる。つまり、第二成形工程において得られる第二成形体を、完成された永久磁石として用いることができる。
以上の理由から、本実施形態では、MnBiの加熱時間が従来の製造方法に比べて短縮され、MnBiの酸化が抑制され、永久磁石の密度が高まり易い。その結果、従来のMnBiを含む永久磁石に比べて、酸素の含有量が5質量%以下であり、残留磁束密度Brが高く、(BH)maxが大きい永久磁石が得られる。
(磁石粉末の詳細)
第一成形工程では、永久磁石の原料として、MnBiを含む磁石粉末を用いる。MnBiは合金であってよい。磁石粉末は混合されていてよい。MnBiは、LTP相(低温相)、HTP相(高温相)及びQHTP相(急冷された高温相)のうち少なくともいずれか一つの相を含んでよい。MnBiは、比較的大きな磁気異方性を有するLTP相を含むことが好ましい。MnBiはLTP相のみからなっていてよい。磁石粉末は、MnBi以外の磁性材料を含んでよい。例えば、磁石粉末は、Sm‐Fe‐N系磁石、Nd‐Fe‐B系磁石、及びSm‐Co系磁石からなる群より選択される一種又は複数種の希土類磁石(希土類合金)を含んでよい。磁石粉末がMnBiに加えて、磁気特性の高い希土類磁石を含むことにより、磁気特性に優れた永久磁石が得られ易い。磁気特性は、(BH)maxと言い換えられてよい。磁石粉末は、異方性磁石の粉末であることが好ましい。異方性磁石とは、特定の方向のみにおいて磁化(着磁)する磁石である。第一成形工程又は第二成形工程において、磁場を異方性磁石の粉末へ印加することにより、各粉末の磁化方向が揃い易く、強い磁力を有する永久磁石が得られ易い。
磁石粉末の平均粒径は、例えば、0.5μm以上200μm以下であってよい。平均粒径が0.5μm以上である場合、磁石粉末の比表面積が小さいため、磁石粉末の酸化が抑制され易く、生産性が向上する。平均粒径が200μm以下である場合、磁石粉末を構成する粒子同士の接点(熱の伝導経路)が増え、加熱時間が短縮され易く、生産性が向上する。
金属バインダーが磁石粉末に添加されてよい。融点が低い金属バインダーを磁石粉末に添加することで、永久磁石の密度が高まり易く、永久磁石の磁気特性が向上し易い。金属バインダーは、例えば、銅、コバルト、スズ、リン、亜鉛、銀、ニッケル、鉄、アルミニウム、モリブデン、クロム、チタン、マンガン、ガリウム、ビスマス及びタングステンから選択される一種又は複数種であってよい。これらの元素を含む合金を金属バインダーとして用いてもよい。金属バインダーの融点は、例えば、150℃〜300℃であってよい。MnBiと金属バインダーとの界面には、拡散相が形成されていることがある。融点が低い金属バインダーを含む磁石粉末を低温で成形することにより、金属バインダーのMnBiの表面への拡散が抑制され、永久磁石の磁気特性が向上し易い。
磁石粉末を混合する手段、又は磁石粉末と金属バインダーとを混合する手段として、アトライター、ヘンシェルミキサー又はV型混合機を用いてよい。磁石粉末と金属バインダーとを均一に混合するために、有機溶剤を磁石粉末へ添加してもよい。混合粉末の造粒をしてもよい。
金属バインダーの質量(相対的質量)は、85〜99質量部の磁性粉末に対して、1〜15質量部であってよい。金属バインダーの質量が15質量部以下である場合、永久磁石の磁気特性が向上し易い。金属バインダーの質量が1質量部以上である場合、永久磁石の機械的強度が高まり易い。
金属バインダー以外の添加剤が磁石粉末に添加されてよい。添加剤は、例えば、界面活性剤、カップリング剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、安定剤、無機充填剤及び顔料からなる群より選ばれる一種又は複数種であってよい。これらの添加剤は、金型へ充填される磁石粉末の流動性、磁石粉末の磁化方向を揃えるための滑り性、金型から取り出される成形体の離型性、第一成形体の撥水性、第一成形体の密度、又は第一成形体の機械的強度を向上させる。
(第一成形工程の詳細)
第一成形工程では、磁石粉末を型に充填して、磁石粉末を型で加圧することにより、第一成形体を得てよい。型は、金型、合成樹脂型、又はゴム型であってよい。つまり、型を構成する組成物は、磁性金属、非磁性金属、合成樹脂及びゴムからなる群より選ばれる一種又は複数種であってよい。第一成形体の形状は、例えば、立方体、直方体、円筒、円柱、又は扇形であってよい。
第一成形工程では、磁石粉末を型で加圧しながら、型内の磁石粉末に磁場を印加してよい。磁石粉末を加圧しながら磁石粉末に磁場を印加することにより、第一成形体における磁石粉末が磁場に沿って配向して、磁気特性に優れた永久磁石が得られる。例えば、磁石粉末を型で加圧しながら、静磁場を型内の磁石粉末に印加してよい。磁石粉末を型で加圧しながら、パルス磁場を型内の磁石粉末に印加してよい。磁石粉末の加圧と、磁石粉末への静磁場の印加と、を継続しながら、静磁場よりも強いパルス磁場を磁石粉末に印加してもよい。静磁場の印加を継続しながら、静磁場よりも強いパルス磁場を磁石粉末に印加することで、第一成形体における磁石粉末の配向度が高まり易い。静磁場は、磁石粉末を構成する個々の粒子を配向させ、且つ各粒子が配向した状態を維持する。しかし、静磁場の強さを高めても、各粒子に十分なモーメントが作用せず、各粒子が静磁場に沿って配向しない場合がある。しかし、静磁場よりも強いパルス磁場を磁石粉末に印加することで、各粒子に十分なモーメントが作用し易く、各粒子がパルス磁場に沿って配向し易い。磁石粉末へ印加される静磁場又はパルス磁場の強さは、例えば、10kOe以上(約796kA/m以上)であってよい。磁石粉末へのパルス磁場の印加を複数回(例えば、2又は3回)繰り返してよい。磁石粉末を型で加圧しながら、静磁場を型内の磁石粉末に印加した後、磁石粉末を型で加圧しながら、パルス磁場を型内の磁石粉末に印加してもよい。磁石粉末を型で加圧しながら、パルス磁場を型内の磁石粉末に印加した後、磁石粉末を型で加圧しながら、静磁場を型内の磁石粉末に印加してもよい。磁場中での磁石粉末の加圧により第一成形体を形成した後、交流磁場を第一成形体に印加して、第一成形体を構成する磁石粉末を脱磁してよい。つまり、第一成形体内の磁石粉末の脱磁により、第一成形体内の残留磁束密度を低減してよい。脱磁により、磁石粉末同士の磁気的反発が抑制され、第一成形体内の磁石粉末の配向が維持され易い。同様の理由から、脱磁に伴って金型の温度を所定温度まで上げて、第一成形体を加熱することにより、第一成形体の残留磁化を低減してもよい。
磁石粉末に印加される磁場の方向は、磁石粉末の加圧方向に対して平行であってよい。磁石粉末に印加される磁場の方向は、磁石粉末の加圧方向に対して垂直であってもよい。第一成形体の密度を高めるために、第一成形工程において磁石粉末に及ぼす圧力は、例えば、50MPa以上であってよい。金型の耐久性を考慮すると、第一成形工程において磁石粉末に及ぼす圧力は、例えば、500MPa以下であってよい。第一成形工程では、型を加熱しながら型内の磁石粉末を加圧してよい。つまり、第一成形工程では、型内の磁石粉末を加熱しながら加圧してよい。第一成形工程において型を加熱することにより、第一成形体も加熱され、加熱工程において第一成形体をより均一に且つ素早く加熱することができる。また第一成形工程において第一成形体が加熱されることにより、第一成形体の機械的強度が高まり、後工程(加熱工程及び第二成形工程)における第一成形体の破損が抑制される。また第一成形工程において第一成形体が加熱されることにより、加圧に伴う磁石粉末の配向性の低下が抑制される。第一成形工程における型の温度は、150℃以下であってよい。第一成形工程における型の温度が高過ぎる場合、磁石粉末を構成する個々の粒子の磁力が弱まり、磁石粉末が磁場に沿って配向し難い。第一成形工程では、型を加熱せずに型内の磁石粉末を加圧してもよい。
加熱工程前において、磁石粉末の真密度に対する第一成形体の相対密度が55%以上75%以下であってよい。つまり、第一成形工程において磁石粉末の真密度に対する第一成形体の相対密度を55%以上75%以下に制御してよい。第一成形体の見かけ密度d1は、第一成形体の質量m1を第一成形体の見かけの体積v1で除した値m1/v1である。磁石粉末の真密度Dに対する第一成形体の相対密度dr1は、(d1/D)×100である。つまり、(d1/D)×100が55%以上75%以下であってよい。第一成形体の相対密度が高いほど、第一成形体における熱伝導率が高まり、加熱工程において第一成形体の温度を短時間で所望の温度まで上げ易い。その結果、加熱工程における第一成形体の酸化が抑制され易い。また第一成形体の相対密度を55%以上75%以下に制御することにより、加熱工程において第一成形体中のMnBiを構成する一部のBiが融解して、第一成形体中の空隙を埋め易く、第一成形体の密度がさらに高まり易く、空隙における第一成形体の酸化が抑制される。第一成形体の相対密度が低過ぎる場合、第一成形体中の空隙が大きく、溶融した一部のBiが空隙内を移動し易く、BiがMnBiから分離し易い。第一成形体の相対密度が高過ぎる場合、溶融した一部のBiが空隙内を移動し難い。これらの理由から、第一成形体の相対密度を55%以上75%以下に制御することにより、第一成形体における磁石粉末の配向度が高まり易く、永久磁石の密度が高まり易く、永久磁石中の酸素の含有量が低減され易い。その結果、磁気特性に優れた永久磁石が得られ易い。第一成形工程において磁石粉末に及ぼす圧力、型内へ供給する磁石粉末の質量、及び第一成形体の体積等の調整により、第一成形体の相対密度が所望の値に制御されてよい。磁石粉末の真密度に対する第一成形体の相対密度は、50%以上80%以下、又は60%以上70%以下であってもよい。
磁性粉末及び第一成形体の酸化を抑制するために、第一成形工程を不活性雰囲気中で実施してよい。不活性雰囲気は、例えば、窒素又は希ガスであってよい。
(加熱工程の詳細)
加熱工程において第一成形体を加熱する方法は限定されない。加熱工程において第一成形体を加熱する方法は、例えば、抵抗加熱、対流加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱、及び高周波誘導加熱からなる群より選ばれる少なくとも一種の方法であってよい。これらの加熱方法を併用することで、第一成形体が斑なく効率的に加熱される。例えば、雰囲気の対流加熱を補助的な加熱方法として、他の加熱方法と併用してよい。
加熱工程では、不活性雰囲気中の第一成形体を140℃以上280℃以下で加熱してよい。加熱工程では、第一成形体を不活性雰囲気中で加熱することにより、第一成形体の酸化が抑制され易い。不活性雰囲気は、例えば、窒素又は希ガスであってよい。第一成形体を140℃以上280℃以下で加熱することにより、第一成形体における磁石粉末の配向度が高まり易く、磁気特性に優れた永久磁石が得られ易い。「140℃以上280℃以下」とは、第一成形体自体の温度であってよく、不活性雰囲気の温度であってもよい。加熱工程において第一成形体を高温で加熱するほど、第二成形工程において第一成形体の温度を短時間で所望の温度まで上げ易い。その結果、第二成形工程での加熱に伴う第一成形体の酸化が抑制され易い。また第一成形体を高温で加熱するほど、第一成形体中のMnBiを構成する一部のBiが融解して、第一成形体中の空隙を埋め易く、第一成形体の密度がさらに高まり易く、空隙における第一成形体の酸化が抑制され易い。ただし、加熱工程における第一成形体の温度が高過ぎる場合、第一成形体の空隙中の酸素、又は第一成形体の中添加剤等に含まれる酸素が、MnBiを酸化し易い。加熱工程では、不活性雰囲気中の第一成形体を130℃以上300℃以下、又は150℃以上250℃以下で加熱してもよい。
(第二成形工程の詳細)
第二成形工程では、加熱工程を経た第一成形体を型に充填して、第一成形体を型で加圧することにより、第二成形体を得てよい。型は、金型、合成樹脂型、又はゴム型であってよい。第二成形工程において第一成形体に及ぼす圧力は、例えば、10MPa以上又は50MPa以上であってよい。10MPa以上又は50MPa以上の圧力を第一成形体に及ぼすことにより、密度が高い第二成形体が得られ易い。金型の耐久性を考慮すると、第二成形工程において第一成形体に及ぼす圧力は、例えば、1000MPa以下であってよい。
第二成形工程では、型を加熱しながら型内の第一成形体を加圧してよい。つまり、第二成形工程では、第一成形体を加熱しながら加圧してよい。第一成形体を加熱しながら加圧することにより、第一成形体中のMnBiが軟らかくなったり、第一成形体中のBiの一部が溶融したりする。その結果、第一成形体中の空隙を埋まり易く、密度が高くて磁気特性に優れた第二成形体(永久磁石)が得られ易い。第二成形工程における型又は第一成形体の温度は、MnBiの分解温度(355℃)よりも低くてよい。MnBiの分解温度以下で第一成形体を加熱することにより、第一成形体における磁石粉末の配向及び磁力を損なうことなく、密度が高くて磁気特性に優れた第二成形体(永久磁石)が得られ易い。第一成形体が金属バインダーを含む場合、第二成形工程における型又は第一成形体の温度は、金属バインダーの融点以上であってよい。金属バインダーの融点以上で第一成形体を加熱することにより、溶融した金属バインダーが第一成形体内の空隙を埋め易く、密度が高くて磁気特性に優れた第二成形体(永久磁石)が得られ易い。
第二成形工程において加圧される第一成形体の面は、第一成形工程において加圧された第一成形体の面と異なってよい。「第一成形工程において加圧された第一成形体の面」とは、密度が高まる過程にある未完成の第一成形体の面と言い換えられてよい。「第一成形工程において加圧された第一成形体の面」とは、加圧に伴って第一成形体に成る過程にある磁石粉末の面と言い換えられてもよい。例えば、図1中の(a)に示されるように、第一成形体C1が立方体又は直方体である場合、第一成形体C1は、対向する一対のa面と、対向する一対のb面と、対向する一対のc面と、を備える。a面、b面、及びc面は、互いに隣接し、且つ垂直である。そして、図1中の(a)に示される第一成形工程では、磁場Hを第一成形体C1(磁石粉末mp)に印加しながら圧力P1を第一成形体C1(磁石粉末mp)のa面へ及ぼしてよい。一方、図1中の(b)に示される第二成形工程では、圧力P2を、面aとは異なる第一成形体C1のb面又はc面へ及ぼしてよい。以上のように、第一成形工程において加圧された面とは異なる面を第二成形工程において加圧することにより、第一成形体内の空隙が埋められ易く、密度の高い第二成形体(永久磁石)が得られ易い。
第一成形体及び第二成形体の酸化を抑制するために、第二成形工程を不活性雰囲気中で実施してよい。不活性雰囲気は、例えば、窒素又は希ガスであってよい。
第二成形工程では、型内の第一成形体に磁場を印加する必要はない。ただし、第二成形工程では、第一成形体を型で加圧しながら、型内の第一成形体に磁場を印加してよい。
第二成形工程において得られた第二成形体は、完成された永久磁石であってよい。塗装又はめっき等の表面処理が施された第二成形体を、永久磁石として用いてもよい。第二成形工程において得られた第二成形体は更に加熱される必要はない。ただし、第二成形体が不活性雰囲気中で更に加熱されてもよい。
以下では実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[磁石粉末の調製]
(MnBiの粉末)
磁石粉末として、MnBiの粉末を以下の手順で調製した。
Mn(純度:99.9%)とBi(純度:99.9%)とをそれぞれ電子天秤で秤量し、Mn及びBiのアーク溶解により、インゴットを作製した。Ar雰囲気中での高周波溶解によりインゴットを溶解した。続いて、液体急冷法により、溶解したインゴットから薄帯を作製した。薄帯をAr雰囲気中において300℃で12時間加熱した。加熱後の薄帯を、ボールミルで20時間粉砕した。以上の手順により、平均粒径が5μmであるMnBiの粉末を得た。MnBiは異方性磁石である。ピクノメーター法を用いて測定されたMnBiの単体の真密度は、8.9g/cmであった。
(SmCo17の粉末)
磁石粉末として、SmCo17の粉末を以下の手順で調製した。
Sm(Co0.59Cu0.07Fe0.22Zr0.028.3で表されるSmCo17系の金属間化合物(合金)の溶解・鋳造により、インゴットを作製した。インゴットを、アルゴンガスで満たされた炉内に設置した。炉内のインゴットを1160℃で4時間加熱し、炉内の温度を35℃/分の降温速度で200℃まで急冷することにより、インゴットの析出硬化処理を行った。常温まで冷却されたインゴットを、アルゴンガスで満たされた炉内に設置した。炉内のインゴットを800℃で2時間加熱し、さらに740℃で3時間加熱した。つまり、2段階の加熱によるインゴットの時効処理を行った。時効処理に続いて、インゴットを65℃/分の降温速度の速度で常温まで冷却した。冷却されたインゴットを機械的に粉砕することにより、平均粒径が50μmであるSmCo17の粉末を得た。SmCo17は異方性磁石である。ピクノメーター法を用いて測定されたSmCo17の単体の真密度は、8.4g/cmであった。
(SmFe17の粉末)
磁石粉末として、SmFe17の粉末を用意した。SmFe17の粉末は、住友金属鉱山株式会社によって製造されたものであった。SmFe17の粉末の平均粒径は5μmであった。SmFe17は異方性磁石である。ピクノメーター法を用いて測定されたSmFe17の単体の真密度は、7.6g/cmであった。
(NdFe14Bの粉末)
磁石粉末として、NdFe14Bの粉末を以下の手順で調製した。
13原子%のNd、12原子%のCo、1原子%のGa、6原子%のB、及び残部のFeからなるNd‐Fe‐B合金を用意した。Nd‐Fe‐B合金を700〜900℃の水素ガス中に保持して、Ndの水素化物、FeB、及びFeに分解した。次に、700〜900℃の温度領域で水素分圧を下げることにより、Ndの水素化物から水素を解離させ、微細なNdFe14Bの結晶の粉末を得た。粉末をさらに機械的に粉砕することにより、平均粒径が150μmであるNdFe14Bの粉末を得た。NdFe14Bは異方性磁石である。ピクノメーター法を用いて測定されたNdFe14Bの単体の真密度は、7.5g/cmであった。
[実施例1]
実施例1の第一成形工程では、磁石粉末として、上記のMnBiの粉末を用いた。この磁石粉末を金型内へ供給した。そして、磁石粉末を金型で加圧することにより、立方体状の第一成形体を得た。第一成形工程で用いた加圧方式は、一軸加圧であった。第一成形工程において加圧された第一成形体の面(加圧面)は、a面であった。第一成形工程において第一成形体の加圧面に及ぼした圧力P1は、下記表1に示される値であった。第一成形工程では、磁石粉末(MnBiの粉末)の真密度に対する第一成形体の相対密度を、下記表1に示される値に調整した。なお、第一成形工程において静磁場を磁石粉末に印加しなかった場合、下記表1〜6中の第一成形工程の静磁場の値はゼロと記載されている。第一成形工程においてパルス磁場を磁石粉末に印加しなかった場合、下記表1〜6中の第一成形工程のパルス磁場の値はゼロと記載されている。
第一成形工程に続く加熱工程では、抵抗加熱を用いて第一成形体を加熱した。実施例1の加熱工程では、第一成形体の温度を下記表1に示される温度に調整した。
実施例1の第二成形工程では、加熱工程を経た第一成形体を金型内へ配置した。そして、金型を加熱し、且つ第一成形体を金型で加圧しながら、金型内の第一成形体に静磁場を印加して、立方体状の第二成形体(永久磁石)を得た。立方体状の第二成形体(永久磁石)の一辺の長さは10mmであった。第二成形工程の金型の温度は、下記表1に示される温度であった。第二成形工程で用いた加圧方式は、一軸加圧であった。第二成形工程の静磁場の強さは、下記表1に示される値であった。下記表の磁場の単位(kOe)は、「×(10/4π)×(kA/m)」と等価である。第二成形工程において加圧された第一成形体の面(加圧面)は、a面であった。第二成形工程において第一成形体の加圧面に及ぼした圧力P2は、下記表1に示される値であった。第二成形工程では、第一成形体を圧力P2で1分間加圧し続けた。
(永久磁石の分析)
以下の方法で、実施例1の永久磁石を分析した。
永久磁石の残留磁気分極(Jr)、飽和磁気分極(Js)、及び最大エネルギー積(BH)maxを測定し、配向度Jr/Jsを算出した。測定には、株式会社玉川製作所製のBHトレーサを用いた。測定における最大磁場は30kOeであった。実施例1の(BH)max及びJr/Jsはそれぞれ下記表1に示される。なお、下記表中の「Jr/Js」とは、正確には(Jr/Js)×100を意味する。下記表の(BH)maxの単位(MGOe)は、「×(10/4π)×(kJm)」と等価である。
永久磁石の質量m2を永久磁石の見かけの体積v2(つまり10mm)で除することにより、永久磁石の見かけ密度d2(つまりm2/v2)を算出した。永久磁石の見かけ密度d2を磁石粉末の真密度Dで除することにより、永久磁石の相対密度dr2(つまり(d2/D)×100)を算出した。実施例1の永久磁石の相対密度は、下記表1に示される。
永久磁石をアルゴン雰囲気下でメノウ乳鉢を用いて粉砕した。粉砕された永久磁石中の酸素の含有量を測定した。酸素の含有量の測定には、LECOジャパン合同会社製の酸素・窒素量分析装置(LC−600)を用いた。実施例1の永久磁石中の酸素の含有量は、下記表1に示される。
[実施例2〜7、比較例1,2]
実施例2〜4及び比較例2それぞれの第一成形工程では、磁石粉末を金型で加圧しながら、金型内の磁石粉末に静磁場を印加した。実施例2〜4それぞれの第一成形工程の静磁場の強さは、下記表1に示される。
実施例5〜7それぞれの第一成形工程では、磁石粉末を金型で加圧しながら、金型内の磁石粉末にパルス磁場を印加した。実施例5〜7それぞれの第一成形工程のパルス磁場の強さの最大値は、下記表1に示される。
比較例1では、第一成形工程及び加熱工程を実施せず、第二成形工程のみを実施した。つまり、比較例1の第二成形工程では、第一成形体の代わりに、磁石粉末自体を金型で加圧することにより、第二成形体(永久磁石)を作製した。
比較例2では、加熱工程を実施しなかった。
実施例2〜7及び比較例2それぞれの第二成形工程では、第一成形体に静磁場を印加しなかった。なお、第二成形工程において静磁場を第一成形体に印加しなかった場合、下記表1〜6中の第二成形工程の静磁場の値はゼロと記載されている。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1,2それぞれの永久磁石(第二成形体)を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1,2それぞれの永久磁石を分析した。実施例2〜7及び比較例1,2それぞれの(BH)max及びJr/Jsは、下記表1に示される。実施例2〜7及び比較例1,2それぞれの永久磁石の相対密度は、下記表1に示される。実施例2〜7及び比較例1,2それぞれの永久磁石中の酸素の含有量は、下記表1に示される。
Figure 2018157153
実施例5〜7のJr/Jsは、実施例2〜4のJr/Jsよりも小さかった。実施例5〜7のJr/Jsは、パルス磁場は静磁場よりも強い力で磁石粉末を配向させるが、パルス磁場が磁石粉末に作用する時間が短く、パルス磁場の印加後は磁石粒子の配向が維持され難いことを示唆している。
[実施例8〜12]
実施例8〜12それぞれの第一成形工程では、金型内の磁石粉末へ静磁場を印加し続けて、且つ金型内の磁石粉末を金型で加圧しながら、金型内の磁石粉末にパルス磁場を印加した。実施例8〜12それぞれの第一成形工程の静磁場の強さは、下記表2に示される。実施例8〜12それぞれの第一成形工程のパルス磁場の強さの最大値は、下記表2に示される。
下記表2に示される諸条件下で、実施例8〜12それぞれの加熱工程を実施した。下記表2に示される諸条件下で、実施例8〜12それぞれの第二成形工程を実施した。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例8〜12それぞれの永久磁石(第二成形体)を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例8〜12それぞれの永久磁石を分析した。実施例8〜12それぞれの(BH)max及びJr/Jsは、下記表2に示される。実施例8〜12それぞれの永久磁石の相対密度は、下記表2に示される。実施例8〜12それぞれの永久磁石中の酸素の含有量は、下記表2に示される。
Figure 2018157153
[実施例13〜20]
下記表3に示される諸条件下で、実施例13〜20それぞれの第一成形工程を実施した。下記表3に示される諸条件下で、実施例13〜20それぞれの加熱工程を実施した。下記表3に示される諸条件下で、実施例13〜20それぞれの第二成形工程を実施した。実施例20の第二成形工程において加圧された第一成形体の面(加圧面)は、a面ではなくb面であった。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例13〜20それぞれの永久磁石(第二成形体)を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例13〜20それぞれの永久磁石を分析した。実施例13〜20それぞれの(BH)max及びJr/Jsは、下記表3に示される。実施例8〜12それぞれの永久磁石の相対密度は、下記表3に示される。実施例8〜12それぞれの永久磁石中の酸素の含有量は、下記表3に示される。
Figure 2018157153
実施例20は、第二成形工程の加圧面を除いて実施例18と同じであった。しかし、実施例20の永久磁石の相対密度は、実施例18の相対密度よりも高かった。また実施例20の永久磁石の(BH)maxは、実施例18の(BH)maxよりも大きかった。これらの相違点は、実施例20の第一成形工程におけるa面の加圧で生じた第一成形体中の空隙が、第二成形工程におけるb面の加圧によって埋められたことを示唆している。
[実施例21〜25]
実施例21〜25では、粉末1として、実施例1と同様にMnBiの粉末を用いた。実施例21〜25では、粉末2として、上述のSmCo17の粉末を用いた。粉末1及び粉末2それぞれを電子天秤で秤量して、粉末1及び粉末2をAr雰囲気中で1時間混合することにより、磁石粉末を調製した。粉末1と粉末2との混合には、V型混合機を用いた。実施例21〜25それぞれの磁石粉末における粉末1の体積V1と粉末2の体積V2との比(V1:V2)は、下記表4に示される値に調整した。体積V1は、秤量された粉末1の質量を粉末1の真密度で除した値である。体積V2は、秤量された粉末2の質量を粉末2の真密度で除した値である。磁石粉末の真密度は、V1及びV2に基づく粉末1の真密度と粉末2の真密度との加重平均によって算出される値である。
下記表4に示される諸条件下で、実施例21〜25それぞれの第一成形工程を実施した。下記表4に示される諸条件下で、実施例21〜25それぞれの加熱工程を実施した。下記表4示される諸条件下で、実施例21〜25それぞれの第二成形工程を実施した。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例21〜25それぞれの永久磁石(第二成形体)を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例21〜25それぞれの永久磁石を分析した。実施例21〜25それぞれの(BH)max及びJr/Jsは、下記表4に示される。実施例21〜25それぞれの永久磁石の相対密度は、下記表4に示される。実施例21〜25それぞれの永久磁石中の酸素の含有量は、下記表4に示される。
Figure 2018157153
[実施例26〜30]
実施例26〜30では、粉末1として、実施例1と同様にMnBiの粉末を用いた。実施例26〜30では、粉末2として、上述のSmFe17の粉末を用いた。実施例26〜30それぞれの磁石粉末における粉末1の体積V1と粉末2の体積V2との比(V1:V2)は、下記表5に示される値に調整した。これらの事項を除いて、実施例26〜30それぞれの磁石粉末の調製方法は、実施例21の場合と同じであった。
下記表5に示される諸条件下で、実施例26〜30それぞれの第一成形工程を実施した。下記表5に示される諸条件下で、実施例26〜30それぞれの加熱工程を実施した。下記表5示される諸条件下で、実施例26〜30それぞれの第二成形工程を実施した。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例26〜30それぞれの永久磁石(第二成形体)を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例26〜30それぞれの永久磁石を分析した。実施例26〜30それぞれの(BH)max及びJr/Jsは、下記表5に示される。実施例26〜30それぞれの永久磁石の相対密度は、下記表5に示される。実施例26〜30それぞれの永久磁石中の酸素の含有量は、下記表5に示される。
Figure 2018157153
[実施例31〜35]
実施例31〜35では、粉末1として、実施例1と同様にMnBiの粉末を用いた。実施例31〜35では、粉末2として、上述のNdFe14Bの粉末を用いた。実施例31〜35それぞれの磁石粉末における粉末1の体積V1と粉末2の体積V2との比(V1:V2)は、下記表6に示される値に調整した。これらの事項を除いて、実施例31〜35それぞれの磁石粉末の調製方法は、実施例21の場合と同じであった。
下記表6に示される諸条件下で、実施例31〜35それぞれの第一成形工程を実施した。下記表6に示される諸条件下で、実施例31〜35それぞれの加熱工程を実施した。下記表6示される諸条件下で、実施例31〜35それぞれの第二成形工程を実施した。
上記の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例31〜35それぞれの永久磁石(第二成形体)を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例31〜35それぞれの永久磁石を分析した。実施例31〜35それぞれの(BH)max及びJr/Jsは、下記表6に示される。実施例31〜35それぞれの永久磁石の相対密度は、下記表6に示される。実施例31〜35それぞれの永久磁石中の酸素の含有量は、下記表6に示される。
Figure 2018157153
本発明によれば、(BH)maxが大きく、希土類磁石に比べて安価な永久磁石が提供される。
C1…第一成形体、mp…磁石粉末、a…第一成形体のa面、b…第一成形体のb面、c…第一成形体のc面、P1…第一成形工程において第一成形体に及ぶ圧力、P2…第二成形工程において第一成形体に及ぶ圧力、H…第一成形工程において第一成形体に印加される磁場。

Claims (8)

  1. MnBiを含む磁石粉末を加圧して、第一成形体を得る第一成形工程と、
    前記第一成形体を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程を経た前記第一成形体を加圧して、第二成形体を得る第二成形工程と、
    を備える、
    永久磁石の製造方法。
  2. 前記磁石粉末を加圧しながら静磁場を前記磁石粉末に印加して、前記第一成形体を得る、
    請求項1に記載の永久磁石の製造方法。
  3. 前記磁石粉末を加圧しながらパルス磁場を前記磁石粉末に印加して、前記第一成形体を得る、
    請求項1又は2に記載の永久磁石の製造方法。
  4. 前記加熱工程前において、前記磁石粉末の真密度に対する前記第一成形体の相対密度が55%以上75%以下である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の永久磁石の製造方法。
  5. 前記加熱工程では、不活性雰囲気中の前記第一成形体を140℃以上280℃以下で加熱する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の永久磁石の製造方法。
  6. 前記第二成形工程において加圧される前記第一成形体の面は、前記第一成形工程において加圧された前記第一成形体の面と異なる、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の永久磁石の製造方法。
  7. 前記第二成形工程では、前記第一成形体を加熱しながら加圧して、前記第二成形体を得る、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の永久磁石の製造方法。
  8. MnBiを含み、
    酸素の含有量が0質量%以上5質量%以下である、
    永久磁石。
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